弾性舗装体の製造方法および弾性舗装体
【課題】簡便に硬さを調節できる弾性舗装体の製造方法および弾性舗装体を提供する。
【解決手段】少なくとも弾性骨材3を含む骨材を樹脂バインダで固結した弾性舗装体1の内部に形成された互いに連結する空隙5に、この舗装体1の表面側から硬質微粒子6を投入して、弾性舗装体1の全体の空隙5の20体積%以上50体積%以下に硬質微粒子6を充填する。
【解決手段】少なくとも弾性骨材3を含む骨材を樹脂バインダで固結した弾性舗装体1の内部に形成された互いに連結する空隙5に、この舗装体1の表面側から硬質微粒子6を投入して、弾性舗装体1の全体の空隙5の20体積%以上50体積%以下に硬質微粒子6を充填する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性舗装体の製造方法および弾性舗装体に関し、さらに詳しくは、簡便に硬さを調節できる弾性舗装体の製造方法および弾性舗装体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
弾性骨材を樹脂バインダで固結した弾性舗装体は、その弾性により運動や歩行時の衝撃を緩和する舗装として、陸上競技場のトラック、テニスコート、体育館などの体育施設、学校の校庭、公園や歩道に用いられているが、雨天時に滑りにくくするために硬質骨材を添加している場合も多い。最近では、その弾性と空隙を有する構造により、車両の走行騒音を吸収、減衰させる性能に優れているため、弾性骨材と硬質骨材を配混合した車道などの様々な用途に適した弾性舗装体が使用されるようになってきた(特許文献1〜3参照)。
【0003】
弾性舗装体の特徴である弾性の程度、すなわち硬さは、用途に応じて適切に設定される。例えば、自転車用の弾性舗装体は、歩道用の弾性舗装体に比して硬くすることで耐久性の向上と自転車の走行安定性を確保できる。また、公園や歩道用に敷設される弾性舗装体では、車両が出入りする部分は、周囲の部分よりも硬くすることで耐久性の向上と車両の走行安定性を確保できる。或いは、既設の弾性舗装体では、当初設定よりも硬くするように調節したい場合もある。
【0004】
しかしながら、それぞれの用途ごとに弾性舗装体の硬さを変更したり、既設の弾性舗装体の硬さを変更するには、多くの工数が必要になるので、作業時間やコストが増大するという問題があった。それ故、弾性舗装体の硬さを簡便に調節できる方法が要望されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−26002号公報
【特許文献2】特開2002−356804号公報
【特許文献3】特開2004−183268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、簡便に硬さを調節できる弾性舗装体の製造方法および弾性舗装体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため本発明の弾性舗装体の製造方法は、少なくとも弾性骨材を含む骨材を樹脂バインダで固結した弾性舗装体を形成する弾性舗装体の製造方法において、前記弾性舗装体の内部に形成された互いに連結する空隙に、この舗装体の表面側から硬質微粒子を投入して、弾性舗装体の空隙の20体積%以上50体積%以下に硬質微粒子を充填することを特徴とする。
【0008】
本発明の弾性舗装体は、少なくとも弾性骨材を含む骨材が樹脂バインダにより固結された弾性舗装体において、互いに連結する空隙を内部に有し、弾性舗装体の空隙の20体積%以上50体積%以下に硬質微粒子が充填されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の弾性舗装体の製造方法によれば、弾性舗装体の内部に形成された互いに連結する空隙に、この舗装体の表面側から硬質微粒子を投入して、弾性舗装体の空隙の20体積%以上50体積%以下に硬質微粒子を充填するので、作業を非常に簡便に行なうことができる。そして、充填する硬質微粒子の仕様や充填割合を変化させることにより、弾性舗装体の硬さを調節することができる。この製造方法を用いることにより、本発明の弾性舗装体を容易に得ることが可能になる。
【0010】
本発明の弾性舗装体の製造方法では、前記硬質微粒子を充填する平面範囲を区画するように、この範囲に沿った位置にある空隙を予め目埋め材によって埋めておき、その後、目埋め材により区画した平面範囲の内側で、舗装体の表面側から前記硬質微粒子を投入することもできる。この方法によれば、無駄な硬質微粒子を使用することなく、予め設定した平面範囲に存在する空隙に充填することができ、また、所望の硬さに設定し易くなる。
【0011】
前記弾性舗装体の下層が透水性下地の場合に、この透水性下地の表面の空隙を目埋め材によって埋めた後に、舗装体を形成し、舗装体の表面側から前記硬質微粒子を投入する。この方法によれば、投入した硬質微粒子が透水性下地の空隙に入り込むことを防ぐことができる。そのため、無駄な硬質微粒子を使用することがなく、また、所望の硬さに設定し易くなる。
【0012】
前記硬質微粒子を充填した後で、弾性舗装体の表面をコート層で被覆することもできる。この方法によれば、充填された硬質微粒子が、風雨等によって舗装体の表面から流失し難くなる。そのため、所望の硬さを長期間維持することができる。
【0013】
本発明の弾性舗装体によれば、少なくとも弾性骨材を含む骨材が樹脂バインダにより固結された弾性舗装体において、互いに連結する空隙を内部に有し、弾性舗装体の空隙の20体積%以上50体積%以下に硬質微粒子が充填されている仕様にしたので、充填する硬質微粒子の仕様や充填割合を変化させることにより、弾性舗装体の硬さを簡便に調節することができる。
【0014】
本発明の弾性舗装体では、硬質微粒子が充填されている平面範囲が、この範囲に沿った位置にある空隙が目埋め材により埋められることにより区画されている仕様にすることもできる。この仕様によれば、必要最小限の量の硬質微粒子で、予め設定した平面範囲に存在する空隙を充填することができ、また、所望の硬さに設定し易くなる。
【0015】
前記弾性舗装体の下層が透水性下地であり、この透水性下地の表面の空隙が目埋め材によって埋められている仕様にすることもできる。この仕様によれば、投入した硬質微粒子が透水性下地の空隙に入り込まないので、必要最小限の量の硬質微粒子で予め設定した平面の範囲に存在する空隙を充填することができ、また、所望の硬さに設定し易くなる。
【0016】
弾性舗装体の表面が、コート層により被覆されている仕様にすることもできる。この仕様によれば、充填された硬質微粒子が、風雨等によって舗装体の表面から流失し難くなり、所望の硬さを長期間維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】弾性舗装体の実施形態を例示する側面図である。
【図2】図1の弾性舗装体を拡大して示す模式図である。
【図3】既設の弾性舗装体に目埋め材を設ける工程を例示する説明図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】既設の弾性舗装体の空隙に硬質微粒子を投入、充填する工程を例示する説明図である。
【図6】弾性舗装体を新設する際に、目埋め材を設ける工程を例示する説明図である。
【図7】弾性舗装体を新設する際に、目埋め材で区画する工程を例示する説明図である。
【図8】弾性舗装体を新設する際に、内部の空隙に硬質微粒子を投入、充填する工程を例示する説明図である。
【図9】弾性舗装体の別の実施形態を例示する側面図である。
【図10】弾性舗装体を新設する際に、目埋め材を設ける工程を例示する説明図である。
【図11】弾性舗装体を新設する際に、目埋め材で区画する工程を例示する説明図である。
【図12】弾性舗装体を新設する際に、内部の空隙に硬質微粒子を投入、充填する工程を例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の弾性舗装体の製造方法および弾性舗装体を図に示した実施形態に基づいて説明する。
【0019】
図1、図2に例示する実施形態の弾性舗装体1は、地盤上に敷設された非透水性下地9の上にプライマ11を介して施工されている。この弾性舗装体1は、硬質骨材2と弾性骨材3とを樹脂バインダ4で固結して構成されていて、内部に適度な空隙5を有している。弾性舗装体1の表面はコート層8により被覆されている。
【0020】
弾性舗装体1を構成する骨材には、少なくとも弾性骨材3が含まれていればよく、硬質骨材2を含んでいない仕様にすることもできる。必要に応じて着色剤や他の添加剤を混合することもできる。
【0021】
空隙5どうしは互いに連結していて、連続気泡構造になっている。空隙5には、硬質微粒子6が充填されている。この実施形態では、弾性舗装体1の底面から表面に至るまで、弾性舗装体1の厚さ方向の全範囲にある空隙5に硬質微粒子6が充填されている。
【0022】
本発明では、弾性舗装体1の全体の空隙5の20体積%以上50体積%以下に硬質微粒子6が充填される。弾性舗装体1の空隙5の20体積%以上に硬質微粒子6が充填されなければ、弾性舗装体1の硬さが実質的に変化しない。また、弾性舗装体1の空隙5の50体積%超に硬質微粒子6を充填することは、空隙5のサイズおよび硬質微粒子6のサイズから困難だからである。そのため、弾性舗装体1の硬さを調節するには、弾性舗装体1の空隙5の20体積%以上50体積%以下に硬質微粒子6が充填される必要がある。
【0023】
弾性骨材3としては、廃棄タイヤチップ、EPDMチップ、ウレタンバンバー粉砕物、廃ゴムベルト等を例示できる。例えばタイヤ等のゴム製品を破砕して製造したものを用いることができる。
【0024】
硬質骨材2としては、珪砂、アルミナ、自然石、人工石、樹脂系チップ等を例示できる。
【0025】
樹脂バインダ4としては、湿気硬化型1液ポリウレタン樹脂または2液ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等を例示することができ、湿気硬化型1液ウレタン樹脂を用いると弾性を得やすく、かつ2液を調整して混合する必要がなく施工が迅速、容易に行なうことができ、現場施工する場合には好ましい。
【0026】
樹脂バインダ4は、弾性骨材3および硬質骨材2の配合に応じて配合割合が決定され、弾性骨材3および硬質骨材2の表面を略均一な膜厚で覆い、これら弾性骨材3と硬質骨材2を固結させている。
【0027】
硬質微粒子6は、平均粒径500μm以下の硬い粒子であり、弾性骨材3や硬質骨材2よりも小さい。硬質微粒子6としては、硬質骨材2と同様の材質を用いることができる。硬質微粒子6の形状は特に限定されないが、例えば、真球状を用いた方が充填し易い。
【0028】
空隙5の大きさは、構成する弾性骨材3や硬質骨材2のサイズによって異なるが、汎用的に使用される骨材の粒径1mm〜10mmの場合、外径相当で0.2mm〜1.6mm程度である。コート層8としては、アクリル樹脂系塗料、アクリルウレタン樹脂塗料等を使用する。
【0029】
次に、この弾性舗装体1を製造する手順を説明する。まず、少なくとも弾性骨材3を含む骨材を樹脂バインダ4で固結して形成された既設の弾性舗装体1aを用いて本発明の弾性舗装体1を形成する場合は、以下の手順になる。
【0030】
既設の弾性舗装体1aに対して、図3、図4に例示するように、硬質微粒子6を充填する平面範囲を区画するように、この平面範囲に沿った位置に目埋め材7aを注入する。これにより、この平面範囲に沿った位置にある空隙5に目埋め材7aが入り込み、空隙5が目埋め材7aによって埋まる。目埋め材7aとしては、シーリング材、グラウト材等を例示できる。
【0031】
次いで、図5に例示するように、目埋め材7aにより区画した平面範囲の内側で、弾性舗装体1aの表面側から硬質微粒子6を投入する。投入された硬質微粒子6は目埋め材7aにより区画した平面範囲にある空隙5に入り込み、弾性舗装体1aの空隙5の20体積%以上50体積%以下に硬質微粒子6を充填する。
【0032】
充填する硬質微粒子6の仕様や充填割合を変化させることにより、形成する弾性舗装体1の硬さを調節することができる。そこで、例えば、硬質微粒子6の充填割合を、弾性舗装体1の空隙5の20体積%以上50体積%以下の範囲で適宜決定して、形成する弾性舗装体1が所望の硬さになるように調節する。
【0033】
硬質微粒子6を弾性舗装体1の底部の空隙5に効率よく充填させるには、バイブレータ等の振動機器で弾性舗装体1の表面を振動させるとよい。振動機器を用いることより、硬質微粒子6の充填割合を容易に高めることができる。
【0034】
その後、表面にコート層8を塗布することにより、表面がコート層8で被覆された弾性舗装体1を形成する。この弾性舗装体1では、硬質微粒子6が充填されている平面範囲が、この範囲に沿った位置にある空隙5が目埋め材7aにより埋められて区画されている。そのため、不要な平面範囲に硬質微粒子6を流失させることなく、必要最小限の量の硬質微粒子6で、予め設定した平面範囲に存在する空隙5を充填することができる。これに伴って、弾性舗装体1を所望の硬さに設定し易くなる。
【0035】
コート層8は必要に応じて設けることができるが、コート層8を設けることにより、充填された硬質微粒子6が、風雨等によって弾性舗装体1の表面から流失し難くなる。そのため、所望の硬さを長期間維持することができる。
【0036】
既設の弾性舗装体1aを利用せずに、弾性舗装体1を新設する場合には、以下の手順になる。図6に例示するように、排水性下地9の上にプライマ11を塗布した後、少なくとも弾性骨材3を含む骨材を樹脂バインダ4で固結した混合材をプライマ11の上に施工する。この際に、硬質微粒子6を充填する平面範囲を区画するように、この平面範囲に沿った位置に目埋め材7aを設ける。
【0037】
図7に例示するように、必要な場所に目埋め材7aを設けるとともに、目埋め材7aにより区画した平面範囲の内側および外側に、少なくとも弾性骨材3を含む骨材を樹脂バインダ4で固結した混合材をプライマ11の上に施工する。
【0038】
次いで、図8に例示するように、目埋め材7aにより区画した平面範囲の内側で、舗装体の表面側から硬質微粒子6を投入する。投入された硬質微粒子6は区画された平面範囲にある空隙5に入り込み、弾性舗装体1の空隙5の20体積%以上50体積%以下に硬質微粒子6を充填する。その後、表面にコート層8を塗布することにより、表面がコート層8で被覆された弾性舗装体1を形成する。
【0039】
図9に弾性舗装体1の別の実施形態を例示する。この実施形態では、透水性下地10の上に弾性舗装体1が施工されていることが、先の実施形態と相違する。透水性下地10は非透水性下地9とは異なり、硬質微粒子6が入り込む。そのため、透水性下地10の上に弾性舗装体1を施工する場合、舗装体の表面側から硬質微粒子6を投入すると、硬質微粒子6は舗装体の底面を通過して透水性下地10の空隙に入り込んで流失する。
【0040】
そこで、この実施形態では、硬質微粒子6が投入される平面範囲には、プライマ11の上に目埋め材7bが設けられている。この目埋め材7bによって、透水性下地10の表面の空隙が埋められるので、透水性下地10への硬質微粒子6の流失が防止される。これに伴って、弾性舗装体1を所望の硬さに設定し易くなる。目埋め材7bは、既述した目埋め材7aと同様の材料を用いることができる。
【0041】
次に、この弾性舗装体1を製造する手順を説明する。
【0042】
図10に例示するように、透水性下地10の上にプライマ11を塗布した後、少なくとも弾性骨材3を含む骨材を樹脂バインダ4で固結した混合材をプライマ11の上に施工する。この際に、硬質微粒子6を充填する平面範囲を区画するように、この平面範囲に沿った位置に目埋め材7aを設ける。また、硬質微粒子6を充填する平面範囲のプライマ11の上に目埋め材7bを塗布する。
【0043】
図11に例示するように、必要な場所に目埋め材7aを設けるとともに、目埋め材7aにより区画した平面範囲の内側では、少なくとも弾性骨材3を含む骨材を樹脂バインダ4で固結した混合材を目埋め材7bの上に施工する。目埋め材7aにより区画した平面範囲の外側では、少なくとも弾性骨材3を含む骨材を樹脂バインダ4で固結した混合材をプライマ11の上に施工する。
【0044】
次いで、図12に例示するように、目埋め材7aにより区画した平面範囲の内側で舗装体の表面側から硬質微粒子6を投入する。投入された硬質微粒子6は、目埋め材7aにより区画した平面範囲にある空隙5に入り込み、弾性舗装体1の空隙5の20体積%以上50体積%以下に硬質微粒子6を充填する。その後、表面にコート層8を塗布することにより、表面がコート層8で被覆された弾性舗装体1を形成する。
【0045】
上記のように本発明では、舗装体の表面側から空隙5に硬質微粒子6を充填する簡便な作業によって、弾性舗装体1の硬さを調節することができる。弾性舗装体1の硬さは、充填する硬質微粒子6の仕様や充填割合を変化させることにより、所望の硬さに調節する。例えば、歩道用の弾性舗装体の車両が出入りする部分のみを、硬質微粒子6を充填することにより、容易に周囲の部分よりも硬くすることができる。このように、弾性舗装体1の特定の範囲の硬さをスポット的に調節することが容易に行える。また、既設の弾性舗装体1aに対して、その硬さを当初設定より硬くすることも容易に行なえる。
【実施例】
【0046】
試験サンプルとなる弾性舗装体の基本仕様は表1に示すように共通であり、体積比率を弾性骨材80%、樹脂バインダ20%として混合し、内部に互いに連結する空隙を有する舗装体を製造した。表1の充填密度とは、特定の体積に弾性舗装材料を充填する際の弾性舗装体の密度である。また、空隙率とは、硬質微粒子を充填する前の状態の舗装体の体積に対する空隙の体積の比率である。
【0047】
この弾性舗装体に対して、硬質微粒子の充填仕様のみを表1のように変えて試験サンプル4種類(実施例1〜3、比較例1)を製造した。実施例1〜3では弾性舗装体の上面から弾性舗装体の空隙に硬質微粒子を充填し、比較例1では硬質微粒子を充填しなかった。また、実施例1および2では硬質微粒子を充填する際に、振動機器を使用して弾性舗装体1の表面を振動させ、実施例3では振動機器を使用しなかった。各試験サンプルについて下記に示す硬度を測定し、その結果を表1に示す。
【0048】
[硬度]
各試験サンプルのCS硬度を測定した。CS硬度とは、高分子計器(株)製のアスカーCS硬度計による測定値である。試験サンプルの表面に、直径50mmの円形加圧面を設けた直径10mmの円筒状の押針を押し付けて、その際の硬度計目盛りを読んで測定する。数値が大きい程、硬いことを示す。
【0049】
【表1】
【0050】
表1の結果より、弾性舗装体に形成された空隙に硬質微粒子を充填した実施例1〜3は、硬質微粒子を充填していない比較例1に対して、硬度が大きくなっている。また、硬質微粒子の充填割合(充填量)の違いによって弾性舗装体の硬さを調節できることがわかる。
【符号の説明】
【0051】
1 弾性舗装体
1a 既設の弾性舗装体
2 硬質骨材
3 弾性骨材
4 樹脂バインダ
5 空隙
6 硬質微粒子
7a、7b 目埋め材
8 コート層
9 非透水性下地
10 透水性下地
11 プライマ
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性舗装体の製造方法および弾性舗装体に関し、さらに詳しくは、簡便に硬さを調節できる弾性舗装体の製造方法および弾性舗装体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
弾性骨材を樹脂バインダで固結した弾性舗装体は、その弾性により運動や歩行時の衝撃を緩和する舗装として、陸上競技場のトラック、テニスコート、体育館などの体育施設、学校の校庭、公園や歩道に用いられているが、雨天時に滑りにくくするために硬質骨材を添加している場合も多い。最近では、その弾性と空隙を有する構造により、車両の走行騒音を吸収、減衰させる性能に優れているため、弾性骨材と硬質骨材を配混合した車道などの様々な用途に適した弾性舗装体が使用されるようになってきた(特許文献1〜3参照)。
【0003】
弾性舗装体の特徴である弾性の程度、すなわち硬さは、用途に応じて適切に設定される。例えば、自転車用の弾性舗装体は、歩道用の弾性舗装体に比して硬くすることで耐久性の向上と自転車の走行安定性を確保できる。また、公園や歩道用に敷設される弾性舗装体では、車両が出入りする部分は、周囲の部分よりも硬くすることで耐久性の向上と車両の走行安定性を確保できる。或いは、既設の弾性舗装体では、当初設定よりも硬くするように調節したい場合もある。
【0004】
しかしながら、それぞれの用途ごとに弾性舗装体の硬さを変更したり、既設の弾性舗装体の硬さを変更するには、多くの工数が必要になるので、作業時間やコストが増大するという問題があった。それ故、弾性舗装体の硬さを簡便に調節できる方法が要望されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−26002号公報
【特許文献2】特開2002−356804号公報
【特許文献3】特開2004−183268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、簡便に硬さを調節できる弾性舗装体の製造方法および弾性舗装体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため本発明の弾性舗装体の製造方法は、少なくとも弾性骨材を含む骨材を樹脂バインダで固結した弾性舗装体を形成する弾性舗装体の製造方法において、前記弾性舗装体の内部に形成された互いに連結する空隙に、この舗装体の表面側から硬質微粒子を投入して、弾性舗装体の空隙の20体積%以上50体積%以下に硬質微粒子を充填することを特徴とする。
【0008】
本発明の弾性舗装体は、少なくとも弾性骨材を含む骨材が樹脂バインダにより固結された弾性舗装体において、互いに連結する空隙を内部に有し、弾性舗装体の空隙の20体積%以上50体積%以下に硬質微粒子が充填されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の弾性舗装体の製造方法によれば、弾性舗装体の内部に形成された互いに連結する空隙に、この舗装体の表面側から硬質微粒子を投入して、弾性舗装体の空隙の20体積%以上50体積%以下に硬質微粒子を充填するので、作業を非常に簡便に行なうことができる。そして、充填する硬質微粒子の仕様や充填割合を変化させることにより、弾性舗装体の硬さを調節することができる。この製造方法を用いることにより、本発明の弾性舗装体を容易に得ることが可能になる。
【0010】
本発明の弾性舗装体の製造方法では、前記硬質微粒子を充填する平面範囲を区画するように、この範囲に沿った位置にある空隙を予め目埋め材によって埋めておき、その後、目埋め材により区画した平面範囲の内側で、舗装体の表面側から前記硬質微粒子を投入することもできる。この方法によれば、無駄な硬質微粒子を使用することなく、予め設定した平面範囲に存在する空隙に充填することができ、また、所望の硬さに設定し易くなる。
【0011】
前記弾性舗装体の下層が透水性下地の場合に、この透水性下地の表面の空隙を目埋め材によって埋めた後に、舗装体を形成し、舗装体の表面側から前記硬質微粒子を投入する。この方法によれば、投入した硬質微粒子が透水性下地の空隙に入り込むことを防ぐことができる。そのため、無駄な硬質微粒子を使用することがなく、また、所望の硬さに設定し易くなる。
【0012】
前記硬質微粒子を充填した後で、弾性舗装体の表面をコート層で被覆することもできる。この方法によれば、充填された硬質微粒子が、風雨等によって舗装体の表面から流失し難くなる。そのため、所望の硬さを長期間維持することができる。
【0013】
本発明の弾性舗装体によれば、少なくとも弾性骨材を含む骨材が樹脂バインダにより固結された弾性舗装体において、互いに連結する空隙を内部に有し、弾性舗装体の空隙の20体積%以上50体積%以下に硬質微粒子が充填されている仕様にしたので、充填する硬質微粒子の仕様や充填割合を変化させることにより、弾性舗装体の硬さを簡便に調節することができる。
【0014】
本発明の弾性舗装体では、硬質微粒子が充填されている平面範囲が、この範囲に沿った位置にある空隙が目埋め材により埋められることにより区画されている仕様にすることもできる。この仕様によれば、必要最小限の量の硬質微粒子で、予め設定した平面範囲に存在する空隙を充填することができ、また、所望の硬さに設定し易くなる。
【0015】
前記弾性舗装体の下層が透水性下地であり、この透水性下地の表面の空隙が目埋め材によって埋められている仕様にすることもできる。この仕様によれば、投入した硬質微粒子が透水性下地の空隙に入り込まないので、必要最小限の量の硬質微粒子で予め設定した平面の範囲に存在する空隙を充填することができ、また、所望の硬さに設定し易くなる。
【0016】
弾性舗装体の表面が、コート層により被覆されている仕様にすることもできる。この仕様によれば、充填された硬質微粒子が、風雨等によって舗装体の表面から流失し難くなり、所望の硬さを長期間維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】弾性舗装体の実施形態を例示する側面図である。
【図2】図1の弾性舗装体を拡大して示す模式図である。
【図3】既設の弾性舗装体に目埋め材を設ける工程を例示する説明図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】既設の弾性舗装体の空隙に硬質微粒子を投入、充填する工程を例示する説明図である。
【図6】弾性舗装体を新設する際に、目埋め材を設ける工程を例示する説明図である。
【図7】弾性舗装体を新設する際に、目埋め材で区画する工程を例示する説明図である。
【図8】弾性舗装体を新設する際に、内部の空隙に硬質微粒子を投入、充填する工程を例示する説明図である。
【図9】弾性舗装体の別の実施形態を例示する側面図である。
【図10】弾性舗装体を新設する際に、目埋め材を設ける工程を例示する説明図である。
【図11】弾性舗装体を新設する際に、目埋め材で区画する工程を例示する説明図である。
【図12】弾性舗装体を新設する際に、内部の空隙に硬質微粒子を投入、充填する工程を例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の弾性舗装体の製造方法および弾性舗装体を図に示した実施形態に基づいて説明する。
【0019】
図1、図2に例示する実施形態の弾性舗装体1は、地盤上に敷設された非透水性下地9の上にプライマ11を介して施工されている。この弾性舗装体1は、硬質骨材2と弾性骨材3とを樹脂バインダ4で固結して構成されていて、内部に適度な空隙5を有している。弾性舗装体1の表面はコート層8により被覆されている。
【0020】
弾性舗装体1を構成する骨材には、少なくとも弾性骨材3が含まれていればよく、硬質骨材2を含んでいない仕様にすることもできる。必要に応じて着色剤や他の添加剤を混合することもできる。
【0021】
空隙5どうしは互いに連結していて、連続気泡構造になっている。空隙5には、硬質微粒子6が充填されている。この実施形態では、弾性舗装体1の底面から表面に至るまで、弾性舗装体1の厚さ方向の全範囲にある空隙5に硬質微粒子6が充填されている。
【0022】
本発明では、弾性舗装体1の全体の空隙5の20体積%以上50体積%以下に硬質微粒子6が充填される。弾性舗装体1の空隙5の20体積%以上に硬質微粒子6が充填されなければ、弾性舗装体1の硬さが実質的に変化しない。また、弾性舗装体1の空隙5の50体積%超に硬質微粒子6を充填することは、空隙5のサイズおよび硬質微粒子6のサイズから困難だからである。そのため、弾性舗装体1の硬さを調節するには、弾性舗装体1の空隙5の20体積%以上50体積%以下に硬質微粒子6が充填される必要がある。
【0023】
弾性骨材3としては、廃棄タイヤチップ、EPDMチップ、ウレタンバンバー粉砕物、廃ゴムベルト等を例示できる。例えばタイヤ等のゴム製品を破砕して製造したものを用いることができる。
【0024】
硬質骨材2としては、珪砂、アルミナ、自然石、人工石、樹脂系チップ等を例示できる。
【0025】
樹脂バインダ4としては、湿気硬化型1液ポリウレタン樹脂または2液ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等を例示することができ、湿気硬化型1液ウレタン樹脂を用いると弾性を得やすく、かつ2液を調整して混合する必要がなく施工が迅速、容易に行なうことができ、現場施工する場合には好ましい。
【0026】
樹脂バインダ4は、弾性骨材3および硬質骨材2の配合に応じて配合割合が決定され、弾性骨材3および硬質骨材2の表面を略均一な膜厚で覆い、これら弾性骨材3と硬質骨材2を固結させている。
【0027】
硬質微粒子6は、平均粒径500μm以下の硬い粒子であり、弾性骨材3や硬質骨材2よりも小さい。硬質微粒子6としては、硬質骨材2と同様の材質を用いることができる。硬質微粒子6の形状は特に限定されないが、例えば、真球状を用いた方が充填し易い。
【0028】
空隙5の大きさは、構成する弾性骨材3や硬質骨材2のサイズによって異なるが、汎用的に使用される骨材の粒径1mm〜10mmの場合、外径相当で0.2mm〜1.6mm程度である。コート層8としては、アクリル樹脂系塗料、アクリルウレタン樹脂塗料等を使用する。
【0029】
次に、この弾性舗装体1を製造する手順を説明する。まず、少なくとも弾性骨材3を含む骨材を樹脂バインダ4で固結して形成された既設の弾性舗装体1aを用いて本発明の弾性舗装体1を形成する場合は、以下の手順になる。
【0030】
既設の弾性舗装体1aに対して、図3、図4に例示するように、硬質微粒子6を充填する平面範囲を区画するように、この平面範囲に沿った位置に目埋め材7aを注入する。これにより、この平面範囲に沿った位置にある空隙5に目埋め材7aが入り込み、空隙5が目埋め材7aによって埋まる。目埋め材7aとしては、シーリング材、グラウト材等を例示できる。
【0031】
次いで、図5に例示するように、目埋め材7aにより区画した平面範囲の内側で、弾性舗装体1aの表面側から硬質微粒子6を投入する。投入された硬質微粒子6は目埋め材7aにより区画した平面範囲にある空隙5に入り込み、弾性舗装体1aの空隙5の20体積%以上50体積%以下に硬質微粒子6を充填する。
【0032】
充填する硬質微粒子6の仕様や充填割合を変化させることにより、形成する弾性舗装体1の硬さを調節することができる。そこで、例えば、硬質微粒子6の充填割合を、弾性舗装体1の空隙5の20体積%以上50体積%以下の範囲で適宜決定して、形成する弾性舗装体1が所望の硬さになるように調節する。
【0033】
硬質微粒子6を弾性舗装体1の底部の空隙5に効率よく充填させるには、バイブレータ等の振動機器で弾性舗装体1の表面を振動させるとよい。振動機器を用いることより、硬質微粒子6の充填割合を容易に高めることができる。
【0034】
その後、表面にコート層8を塗布することにより、表面がコート層8で被覆された弾性舗装体1を形成する。この弾性舗装体1では、硬質微粒子6が充填されている平面範囲が、この範囲に沿った位置にある空隙5が目埋め材7aにより埋められて区画されている。そのため、不要な平面範囲に硬質微粒子6を流失させることなく、必要最小限の量の硬質微粒子6で、予め設定した平面範囲に存在する空隙5を充填することができる。これに伴って、弾性舗装体1を所望の硬さに設定し易くなる。
【0035】
コート層8は必要に応じて設けることができるが、コート層8を設けることにより、充填された硬質微粒子6が、風雨等によって弾性舗装体1の表面から流失し難くなる。そのため、所望の硬さを長期間維持することができる。
【0036】
既設の弾性舗装体1aを利用せずに、弾性舗装体1を新設する場合には、以下の手順になる。図6に例示するように、排水性下地9の上にプライマ11を塗布した後、少なくとも弾性骨材3を含む骨材を樹脂バインダ4で固結した混合材をプライマ11の上に施工する。この際に、硬質微粒子6を充填する平面範囲を区画するように、この平面範囲に沿った位置に目埋め材7aを設ける。
【0037】
図7に例示するように、必要な場所に目埋め材7aを設けるとともに、目埋め材7aにより区画した平面範囲の内側および外側に、少なくとも弾性骨材3を含む骨材を樹脂バインダ4で固結した混合材をプライマ11の上に施工する。
【0038】
次いで、図8に例示するように、目埋め材7aにより区画した平面範囲の内側で、舗装体の表面側から硬質微粒子6を投入する。投入された硬質微粒子6は区画された平面範囲にある空隙5に入り込み、弾性舗装体1の空隙5の20体積%以上50体積%以下に硬質微粒子6を充填する。その後、表面にコート層8を塗布することにより、表面がコート層8で被覆された弾性舗装体1を形成する。
【0039】
図9に弾性舗装体1の別の実施形態を例示する。この実施形態では、透水性下地10の上に弾性舗装体1が施工されていることが、先の実施形態と相違する。透水性下地10は非透水性下地9とは異なり、硬質微粒子6が入り込む。そのため、透水性下地10の上に弾性舗装体1を施工する場合、舗装体の表面側から硬質微粒子6を投入すると、硬質微粒子6は舗装体の底面を通過して透水性下地10の空隙に入り込んで流失する。
【0040】
そこで、この実施形態では、硬質微粒子6が投入される平面範囲には、プライマ11の上に目埋め材7bが設けられている。この目埋め材7bによって、透水性下地10の表面の空隙が埋められるので、透水性下地10への硬質微粒子6の流失が防止される。これに伴って、弾性舗装体1を所望の硬さに設定し易くなる。目埋め材7bは、既述した目埋め材7aと同様の材料を用いることができる。
【0041】
次に、この弾性舗装体1を製造する手順を説明する。
【0042】
図10に例示するように、透水性下地10の上にプライマ11を塗布した後、少なくとも弾性骨材3を含む骨材を樹脂バインダ4で固結した混合材をプライマ11の上に施工する。この際に、硬質微粒子6を充填する平面範囲を区画するように、この平面範囲に沿った位置に目埋め材7aを設ける。また、硬質微粒子6を充填する平面範囲のプライマ11の上に目埋め材7bを塗布する。
【0043】
図11に例示するように、必要な場所に目埋め材7aを設けるとともに、目埋め材7aにより区画した平面範囲の内側では、少なくとも弾性骨材3を含む骨材を樹脂バインダ4で固結した混合材を目埋め材7bの上に施工する。目埋め材7aにより区画した平面範囲の外側では、少なくとも弾性骨材3を含む骨材を樹脂バインダ4で固結した混合材をプライマ11の上に施工する。
【0044】
次いで、図12に例示するように、目埋め材7aにより区画した平面範囲の内側で舗装体の表面側から硬質微粒子6を投入する。投入された硬質微粒子6は、目埋め材7aにより区画した平面範囲にある空隙5に入り込み、弾性舗装体1の空隙5の20体積%以上50体積%以下に硬質微粒子6を充填する。その後、表面にコート層8を塗布することにより、表面がコート層8で被覆された弾性舗装体1を形成する。
【0045】
上記のように本発明では、舗装体の表面側から空隙5に硬質微粒子6を充填する簡便な作業によって、弾性舗装体1の硬さを調節することができる。弾性舗装体1の硬さは、充填する硬質微粒子6の仕様や充填割合を変化させることにより、所望の硬さに調節する。例えば、歩道用の弾性舗装体の車両が出入りする部分のみを、硬質微粒子6を充填することにより、容易に周囲の部分よりも硬くすることができる。このように、弾性舗装体1の特定の範囲の硬さをスポット的に調節することが容易に行える。また、既設の弾性舗装体1aに対して、その硬さを当初設定より硬くすることも容易に行なえる。
【実施例】
【0046】
試験サンプルとなる弾性舗装体の基本仕様は表1に示すように共通であり、体積比率を弾性骨材80%、樹脂バインダ20%として混合し、内部に互いに連結する空隙を有する舗装体を製造した。表1の充填密度とは、特定の体積に弾性舗装材料を充填する際の弾性舗装体の密度である。また、空隙率とは、硬質微粒子を充填する前の状態の舗装体の体積に対する空隙の体積の比率である。
【0047】
この弾性舗装体に対して、硬質微粒子の充填仕様のみを表1のように変えて試験サンプル4種類(実施例1〜3、比較例1)を製造した。実施例1〜3では弾性舗装体の上面から弾性舗装体の空隙に硬質微粒子を充填し、比較例1では硬質微粒子を充填しなかった。また、実施例1および2では硬質微粒子を充填する際に、振動機器を使用して弾性舗装体1の表面を振動させ、実施例3では振動機器を使用しなかった。各試験サンプルについて下記に示す硬度を測定し、その結果を表1に示す。
【0048】
[硬度]
各試験サンプルのCS硬度を測定した。CS硬度とは、高分子計器(株)製のアスカーCS硬度計による測定値である。試験サンプルの表面に、直径50mmの円形加圧面を設けた直径10mmの円筒状の押針を押し付けて、その際の硬度計目盛りを読んで測定する。数値が大きい程、硬いことを示す。
【0049】
【表1】
【0050】
表1の結果より、弾性舗装体に形成された空隙に硬質微粒子を充填した実施例1〜3は、硬質微粒子を充填していない比較例1に対して、硬度が大きくなっている。また、硬質微粒子の充填割合(充填量)の違いによって弾性舗装体の硬さを調節できることがわかる。
【符号の説明】
【0051】
1 弾性舗装体
1a 既設の弾性舗装体
2 硬質骨材
3 弾性骨材
4 樹脂バインダ
5 空隙
6 硬質微粒子
7a、7b 目埋め材
8 コート層
9 非透水性下地
10 透水性下地
11 プライマ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも弾性骨材を含む骨材を樹脂バインダで固結した弾性舗装体を形成する弾性舗装体の製造方法において、前記弾性舗装体の内部に形成された互いに連結する空隙に、この舗装体の表面側から硬質微粒子を投入して、弾性舗装体の空隙の20体積%以上50体積%以下に硬質微粒子を充填することを特徴とする弾性舗装体の製造方法。
【請求項2】
前記硬質微粒子を充填する平面範囲を区画するように、この範囲に沿った位置にある空隙を予め目埋め材によって埋めておき、その後、目埋め材により区画した平面範囲の内側で、舗装体の表面側から前記硬質微粒子を投入する請求項1に記載の弾性舗装体の製造方法。
【請求項3】
前記弾性舗装体の下層が透水性下地の場合に、この透水性下地の表面の空隙を目埋め材によって埋めた後に、舗装体の表面側から前記硬質微粒子を投入する請求項1または2に記載の弾性舗装体の製造方法。
【請求項4】
前記硬質微粒子を充填した後で、弾性舗装体の表面をコート層で被覆する請求項1〜3のいずれかに記載の弾性舗装体の製造方法。
【請求項5】
少なくとも弾性骨材を含む骨材が樹脂バインダにより固結された弾性舗装体において、互いに連結する空隙を内部に有し、弾性舗装体の空隙の20体積%以上50体積%以下に硬質微粒子が充填されていることを特徴とする弾性舗装体。
【請求項6】
前記硬質微粒子が充填されている平面範囲が、この範囲に沿った位置にある空隙が目埋め材により埋められることにより区画されている請求項5に記載の弾性舗装体。
【請求項7】
前記弾性舗装体の下層が透水性下地であり、この透水性下地の表面の空隙が目埋め材によって埋められている請求項5または6に記載の弾性舗装体。
【請求項8】
弾性舗装体の表面が、コート層により被覆されている請求項5〜7のいずれかに記載の弾性舗装体。
【請求項1】
少なくとも弾性骨材を含む骨材を樹脂バインダで固結した弾性舗装体を形成する弾性舗装体の製造方法において、前記弾性舗装体の内部に形成された互いに連結する空隙に、この舗装体の表面側から硬質微粒子を投入して、弾性舗装体の空隙の20体積%以上50体積%以下に硬質微粒子を充填することを特徴とする弾性舗装体の製造方法。
【請求項2】
前記硬質微粒子を充填する平面範囲を区画するように、この範囲に沿った位置にある空隙を予め目埋め材によって埋めておき、その後、目埋め材により区画した平面範囲の内側で、舗装体の表面側から前記硬質微粒子を投入する請求項1に記載の弾性舗装体の製造方法。
【請求項3】
前記弾性舗装体の下層が透水性下地の場合に、この透水性下地の表面の空隙を目埋め材によって埋めた後に、舗装体の表面側から前記硬質微粒子を投入する請求項1または2に記載の弾性舗装体の製造方法。
【請求項4】
前記硬質微粒子を充填した後で、弾性舗装体の表面をコート層で被覆する請求項1〜3のいずれかに記載の弾性舗装体の製造方法。
【請求項5】
少なくとも弾性骨材を含む骨材が樹脂バインダにより固結された弾性舗装体において、互いに連結する空隙を内部に有し、弾性舗装体の空隙の20体積%以上50体積%以下に硬質微粒子が充填されていることを特徴とする弾性舗装体。
【請求項6】
前記硬質微粒子が充填されている平面範囲が、この範囲に沿った位置にある空隙が目埋め材により埋められることにより区画されている請求項5に記載の弾性舗装体。
【請求項7】
前記弾性舗装体の下層が透水性下地であり、この透水性下地の表面の空隙が目埋め材によって埋められている請求項5または6に記載の弾性舗装体。
【請求項8】
弾性舗装体の表面が、コート層により被覆されている請求項5〜7のいずれかに記載の弾性舗装体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−12782(P2012−12782A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−147651(P2010−147651)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】
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