説明

弾性舗装材料

【課題】摩耗性および使用に伴う摩耗後のすべり抵抗の良好な弾性舗装材料を提供する。
【解決手段】ゴムチップおよび/またはゴム粉末と、骨材と、バインダーとを含有する弾性舗装材料において、バインダーが、主成分であるポリマーと、有機ケイ素化合物と、を含有し、ポリマーが、両末端がアルコキシシランで変性されてなる分子量500〜30000のポリマーであり、有機ケイ素化合物が、分子内に、1個以上のケイ素−酸素結合と、1〜10個の硫黄原子と、を有し、かつ、ケイ素原子から原子数で3〜8個離れた位置に窒素原子を1個以上有する弾性舗装材料である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は弾性舗装材料に関し、詳しくは摩耗性および使用に伴う摩耗後のすべり抵抗の良好な弾性舗装材料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加硫ゴムを粉末またはチップ状にして利用する方法として、ウレタンやエポキシ等の硬化性樹脂をバインダーとして使用した低騒音弾性舗装が知られている。また、ゴムチップをバインダーと混合してプレス成形した弾性舗装体が、歩道や運動場、車道等で使用されている。
【0003】
これらゴムチップを用いた弾性舗装は、ゴムチップの有する弾力性により歩行時の衝撃吸収性や転倒時の安全性といった優れた効果を奏するとともに、内部に空隙を有することから、排水性および通気性に加えて吸音性にも優れ、そのためタイヤと路面内で発生する騒音の低減にも有効であるため、都市部での交通騒音低減のための機能性弾性舗装材としても注目されている。
【0004】
かかる弾性舗装材料に関しては、例えば、特許文献1には、使用初期のみならず摩耗後においても、ウェット状態でのすべり抵抗性を確保することを目的として、ゴムチップおよび/またはゴム粉末と、骨材と、ウレタンバインダーとを含有し、骨材がプラスチック廃材を含有し、かつ、ウレタンバインダーがシランカップリング剤を含有する弾性舗装材料が、提案されている。また、特許文献2には、バインダーの発泡に起因する舗装表面における凹凸の発生を抑制するとともに、耐候性に優れた弾性舗装を得ることを目的として、バインダーが、両末端がアルコキシシランで変性されてなる分子量200〜50000のポリマーを主成分とする弾性舗装材料が、提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−170012号公報
【特許文献2】特開2007−211462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載の方法は、バインダーであるウレタン樹脂にシランカップリング剤を配合することで、使用初期のみならず摩耗後においても、ウェット状態でのすべり抵抗性を確保することができるが、今日、さらに良好な摩耗性および使用に伴う摩耗後のすべり抵抗を有する弾性舗装材料が望まれている。また、特許文献2記載の方法は、バインダーとして両末端アルコキシシランで変性されたポリマーを使用することで、バインダーの発泡に起因する舗装表面における凹凸の発生を抑制するとともに、耐候性に優れた弾性舗装を得ることができるが、同じく今日、さらに良好な摩耗性および使用に伴う摩耗後のすべり抵抗を有する弾性舗装材料が望まれている。
【0007】
そこで本発明の目的は、摩耗性および使用に伴う摩耗後のすべり抵抗のより良好な弾性舗装材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のアルコキシシラン変性したポリマーおよび有機ケイ素化合物を含有することで、摩耗性および使用に伴う摩耗後のすべり抵抗のより良好な弾性舗装材料が得られることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明の弾性舗装材料は、ゴムチップおよび/またはゴム粉末と、骨材と、バインダーとを含有する弾性舗装材料において、
前記バインダーが、主成分であるポリマーと、有機ケイ素化合物と、を含有し、
前記ポリマーが、両末端がアルコキシシランで変性されてなる分子量500〜30000のポリマーであり、
前記有機ケイ素化合物が、分子内に、1個以上のケイ素−酸素結合と、1〜10個の硫黄原子と、を有し、かつ、ケイ素原子から原子数で3〜8個離れた位置に窒素原子を1個以上有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の弾性舗装材料は、前記ケイ素−酸素結合の数が1〜6個であることが好ましい。
【0011】
さらに、本発明の弾性舗装材料は、前記有機ケイ素化合物が、下記一般式(I)、

[式中、Aは、下記一般式(II)、

又は式(III)、

で表わされ、
式(I)及び式(II)中のR、R及びRは、少なくとも一つが下記一般式(IV)、

又は式(V)、

(式中、Mは−O−又は−CH−で、X及びYはそれぞれ独立して−O−、−NR−又は−CH−で、Rは−OR、−NR又は−Rで、Rは−NR、−NR−NR又は−N=NRで、但し、Rは−C2n+1であり、Rは−C2q+1であり、l、m、n及びqはそれぞれ独立して0〜10である)で表わされ、その他が−M−C2l+1(ここで、M及びlは上記と同義である)で表わされ、但し、R、R及びRの一つ以上はMが−O−であり、
は下記一般式(VI)、

又は式(VII)、

(式中、M、X、Y、R、l及びmは上記と同義であり、R10は−NR−、−NR−NR−又は−N=N−で、但し、Rは上記と同義である)或いは−M−C2l−(ここで、M及びlは上記と同義である)で表され、
式(III)中のRは上記一般式(IV)又は式(V)或いは−C2l−R11(ここで、R11は−NR、−NR−NR、−N=NR又は−M−C2m+1であり、但し、R、R、M、l及びmは上記と同義である)で表わされ、
xは1〜10である]で表わされることが好ましい。
【0012】
さらにまた、本発明の弾性舗装材料は、前記有機ケイ素化合物が、下記一般式(VIII)、

[式中、Aは、下記一般式(IX)、

又は式(III)、

で表わされ、
式(VIII)及び式(IX)中のWは−NR−、−O−又は−CR15−(ここで、R15は−R又は−C2m−Rであり、但し、Rは−NR、−NR−NR又は−N=NRであり、Rは−C2n+1で、Rは−C2q+1で、m、n及びqはそれぞれ独立して0〜10である)で表わされ、
12及びR13はそれぞれ独立して−M−C2l−(ここで、Mは−O−又は−CH−で、lは0〜10である)で表わされ、
14は−M−C2l+1又は−M−C2l−R(ここで、M、R及びlは上記と同義である)で表わされ、但し、R12、R13及びR14の一つ以上はMが−O−であり、
は下記一般式(VI)、

又は式(VII)、

(式中、M、l及びmは上記と同義であり、X及びYはそれぞれ独立して−O−、−NR−又は−CH−で、Rは−OR、−NR又は−Rで、R10は−NR−、−NR−NR−又は−N=N−であり、但し、R及びRは上記と同義である)或いは−M−C2l−(ここで、M及びlは上記と同義である)で表され、
式(III)中のRは下記一般式(IV)、

又は式(V)、

(式中、M、X、Y、R、R、l及びmは上記と同義である)或いは−C2l−R11(ここで、R11は−NR、−NR−NR、−N=NR又は−M−C2m+1であり、但し、R、R、M、l及びmは上記と同義である)で表わされ、
xは1〜10である]で表わされることが好ましい。
【0013】
また、本発明の弾性舗装材料は、前記Mが−O−であることが好ましい。
【0014】
さらに、本発明の弾性舗装材料は、前記R、R及びRは、少なくとも一つが−O−C2l−R(ここで、R及びlは上記と同義である)で表わされ、その他が−O−C2l+1(ここで、lは上記と同義である)で表わされ、
前記Rが−C2l−(ここで、lは上記と同義である)で表わされ、
前記Rが−C2l−R11(ここで、R11及びlは上記と同義である)で表わされることが好ましい。
【0015】
さらにまた、本発明の弾性舗装材料は、前記R、R及びRは、少なくとも一つが−O−C2l−NR(ここで、R、R及びlは上記と同義である)で表わされ、
前記Rが−C2l+1(ここで、lは上記と同義である)で表わされることが好ましい。
【0016】
また、本発明の弾性舗装材料は、前記Wが−NR−(ここで、Rは上記と同義である)で表わされ、
前記R12及びR13がそれぞれ独立して−O−C2l−(ここで、lは上記と同義である)で表わされ、
前記R14は−O−C2l−R(ここで、R及びlは上記と同義である)で表わされ、
前記Rが−C2l−(ここで、lは上記と同義である)で表わされ、
前記Rが−C2l+1(ここで、lは上記と同義である)で表わされることが好ましい。
【0017】
さらに、本発明の弾性舗装材料は、前記Wが−O−又は−CR−(ここで、R及びRは上記と同義である)で表わされ、
前記R12及びR13がそれぞれ独立して−O−C2l−(ここで、lは上記と同義である)で表わされ、
前記R14は−O−C2l−NR(ここで、R、R及びlは上記と同義である)
で表わされ、
前記Rが−C2l−(ここで、lは上記と同義である)で表わされ、
前記Rが−C2l+1(ここで、lは上記と同義である)で表わされることが好ましい。
【0018】
さらにまた、本発明の弾性舗装材料は、前記アルコキシシランがジメトキシシランであることが好ましい。
【0019】
また、本発明の弾性舗装材料は、前記ポリマーの主鎖が、プロピレングリコールの繰り返し単位からなることが好ましく、前記ポリマーの主鎖が、ブタジエンの繰り返し単位からなることが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、上記構成としたことにより、摩耗性および使用に伴う摩耗後のすべり抵抗のより良好な弾性舗装材料を提供することが可能となった。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
本発明の弾性舗装材料は、ゴムチップおよび/またはゴム粉末と、骨材と、バインダーとを含有し、さらにバインダーが、主成分であるポリマーと、有機ケイ素化合物と、を含有し、ポリマーが、両末端がアルコキシシランで変性されてなる分子量500〜30000のポリマーであり、有機ケイ素化合物が、分子内に、1個以上のケイ素−酸素結合と、1〜10個の硫黄原子と、を有し、かつ、ケイ素原子から原子数で3〜8個離れた位置に窒素原子を1個以上有することを特徴とするものである。該有機ケイ素化合物は、分子構造中のケイ素原子(Si)から3〜8原子離れた位置に、骨材との親和性が高いアミノ基、イミノ基、置換アミノ基、置換イミノ基等の含窒素官能基を含むため、窒素原子の非共有電子対が、弾性舗装材料の摩耗性および使用に伴う摩耗後のすべり抵抗の改良に関与できる。加えて、バインダーとして、分子量500〜30000のかかる両末端アルコキシシラン変性ポリマーを用いたことで、従来と比較して、摩耗性および使用に伴う摩耗後のすべり抵抗のより良好な弾性舗装材料を提供することができる。
【0022】
なお、ケイ素原子(Si)と窒素原子(N)との間の原子数が3個未満又は8個を超えると、摩耗性および使用に伴う摩耗後のすべり抵抗が得られなくなる。
【0023】
また、本発明において、有機ケイ素化合物は、上記ケイ素−酸素結合(Si−O)を1〜6個有することが好ましく、この場合、摩耗性および使用に伴う摩耗後のすべり抵抗のさらにより良好な弾性舗装材料を得ることができる。
【0024】
本発明において、有機ケイ素化合物として、より具体的には、上記一般式(I)で表わされる化合物及び上記一般式(VIII)で表わされる化合物が好ましい。これら有機ケイ素化合物は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0025】
<式(I)の化合物>
上記一般式(I)において、Aは、上記一般式(II)又は式(III)で表わされ、xは1〜10である。ここで、xは2〜4の範囲が好ましい。
【0026】
上記式(I)及び(II)において、R、R及びRは、少なくとも一つが上記一般式(IV)又は式(V)で表わされ、その他が−M−C2l+1(ここで、Mは−O−又は−CH−であり、lは0〜10である)で表わされる。但し、R、R及びRの一つ以上は、Mが−O−である。なお、−C2l+1は、lが0〜10であるため、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基である。ここで、炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等が挙げられ、該アルキル基は、直鎖状でも、分岐状でもよい。
【0027】
上記式(IV)及び(V)において、Mは−O−又は−CH−であり、lは0〜10である。また、上記式(IV)において、mは0〜10である。
【0028】
上記式(IV)において、X及びYは、それぞれ独立して−O−、−NR−又は−CH−である。ここで、Rは−C2n+1であり、nは0〜10である。なお、−C2n+1は、nが0〜10であるため、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基である。ここで、炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等が挙げられ、該アルキル基は、直鎖状でも、分岐状でもよい。
【0029】
上記式(IV)において、Rは、−OR、−NR又は−Rである。ここで、Rは−C2n+1であり、Rは−C2q+1であり、n及びqはそれぞれ独立して0〜10である。なお、−C2n+1については、上述の通りであり、−C2q+1は、qが0〜10であるため、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基である。ここで、炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等が挙げられ、該アルキル基は、直鎖状でも、分岐状でもよい。
【0030】
上記式(V)において、Rは、−NR、−NR−NR又は−N=NRである。ここで、Rは−C2n+1であり、Rは−C2q+1であり、n及びqはそれぞれ独立して0〜10である。なお、−C2n+1及び−C2q+1については、上述の通りである。
【0031】
また、上記式(I)及び(II)において、Rは、上記一般式(VI)又は式(VII)、或いは−M−C2l−で表わされ、特には−C2l−で表わされることが好ましく、ここで、Mは−O−又は−CH−であり、lは0〜10である。なお、−C2l−は、lが0〜10であるため、単結合又は炭素数1〜10のアルキレン基である。ここで、炭素数1〜10のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基等が挙げられ、該アルキレン基は、直鎖状でも分岐状でもよい。
【0032】
上記式(VI)及び(VII)において、Mは−O−又は−CH−であり、l及びmは0〜10である。また、上記式(VI)において、X及びYはそれぞれ独立して−O−、−NR−又は−CH−であり、Rは−OR、−NR又は−Rである。なお、R及びRについては、上述の通りである。更に、上記式(VII)において、R10は、−NR−、−NR−NR−又は−N=N−であり、ここで、Rは−C2n+1であり、−C2n+1については、上述の通りである。
【0033】
また、上記式(III)中のRは、上記一般式(IV)又は式(V)、或いは−C2l−R11で表わされ、特には−C2l+1で表わされることが好ましく、ここで、R11は、−NR、−NR−NR、−N=NR又は−M−C2m+1であり、但し、R、R、M、l及びmは上記と同義である。なお、−C2l−及び−C2l+1については上述の通りであり。また、−C2m+1は、mが0〜10であるため、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基であり、ここで、炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等が挙げられ、該アルキル基は、直鎖状でも、分岐状でもよい。
【0034】
上記式(I)の化合物において、Mは−O−(酸素)であることが好ましい。この場合、Mが−CH−である化合物と比べて摩耗性および使用に伴う摩耗後のすべり抵抗がより良好である。
【0035】
また、上記式(I)の化合物において、上記R、R及びRは、少なくとも一つが−O−C2l−Rで表わされ、その他が−O−C2l+1で表わされることが好ましく、上記Rは−C2l−で表わされることが好ましく、上記Rは−C2l−R11で表わされることが好ましい。
【0036】
更に、上記式(I)の化合物において、上記R、R及びRは、少なくとも一つが−O−C2l−NRで表わされることが更に好ましく、上記Rは−C2l−で表わされることが好ましく、上記Rは−C2l+1で表わされることが更に好ましい。
【0037】
<式(VIII)の化合物>
上記一般式(VIII)において、Aは、上記一般式(IX)又は式(III)で表わされ、xは1〜10である。ここで、xは2〜4の範囲が好ましい。
【0038】
上記式(VIII)及び(IX)において、Wは、−NR−、−O−又は−CR15−で表わされ、ここで、R15は−R又は−C2m−Rであり、但し、Rは−NR、−NR−NR又は−N=NRであり、Rは−C2n+1で、Rは−C2q+1で、m、n及びqはそれぞれ独立して0〜10である。なお、−C2m−は、mが0〜10であるため、単結合又は炭素数1〜10のアルキレン基である。ここで、炭素数1〜10のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基等が挙げられ、該アルキレン基は、直鎖状でも分岐状でもよい。また、−C2n+1及び−C2q+1は、n及びqが0〜10であるため、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基である。ここで、炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等が挙げられ、該アルキル基は、直鎖状でも、分岐状でもよい。
【0039】
上記式(VIII)及び(IX)において、R12及びR13はそれぞれ独立して−M−C2l−で表わされ、R14は−M−C2l+1又は−M−C2l−Rで表わされ、ここで、Mは−O−又は−CH−であり、Rは−NR、−NR−NR又は−N=NRであり、Rは−C2n+1で、Rは−C2q+1で、l、n及びqはそれぞれ独立して0〜10である。但し、R12、R13及びR14の一つ以上は、Mが−O−である。なお、−C2l−は、lが0〜10であるため、単結合又は炭素数1〜10のアルキレン基であり、ここで、炭素数1〜10のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基等が挙げられ、該アルキレン基は、直鎖状でも分岐状でもよい。また、−C2l+1は、lが0〜10であるため、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基であり、ここで、炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等が挙げられ、該アルキル基は、直鎖状でも、分岐状でもよい。なお、−C2n+1及び−C2q+1については、上述の通りである。
【0040】
また、上記式(VIII)及び(IX)において、Rは上記一般式(VI)又は式(VII)、或いは−M−C2l−で表わされ、特には−C2l−で表わされることが好ましく、ここで、Mは−O−又は−CH−であり、lは0〜10である。なお、−C2l−については、上述の通りである。
【0041】
上記式(VI)及び(VII)において、Mは−O−又は−CH−であり、l及びmは0〜10である。また、上記式(VI)において、X及びYはそれぞれ独立して−O−、−NR−又は−CH−であり、Rは−OR、−NR又は−Rであり、ここで、Rは−C2n+1で、Rは−C2q+1である。更に、上記式(VII)において、R10は、−NR−、−NR−NR−又は−N=N−であり、ここで、Rは−C2n+1である。なお、−C2n+1及び−C2q+1については、上述の通りである。
【0042】
また、上記式(III)中のRは、上記一般式(IV)又は式(V)、或いは−C2l−R11で表わされ、特には−C2l+1で表わされることが好ましく、ここで、R11は、−NR、−NR−NR、−N=NR又は−M−C2m+1であり、但し、R、R、M、l及びmは上記と同義である。なお、−C2l−及び−C2l+1については、上述の通りであり、また、−C2m+1は、mが0〜10であるため、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基であり、ここで、炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等が挙げられ、該アルキル基は、直鎖状でも、分岐状でもよい。
【0043】
上記式(VIII)の化合物において、Mは−O−(酸素)であることが好ましい。この場合、Mが−CH−である化合物と比べて摩耗性および使用に伴う摩耗後のすべり抵抗がより良好である。
【0044】
また、上記Wが−NR−で表わされる場合、上記R12及びR13はそれぞれ独立して−O−C2l−で表わされることが好ましく、上記R14は−O−C2l−Rで表わされることが好ましく、上記Rは−C2l−で表わされることが好ましく、上記Rは−C2l+1で表わされることが好ましい。
【0045】
一方、上記Wが−O−又は−CR−で表わされる場合、上記R12及びR13はそれぞれ独立して−O−C2l−で表わされることが好ましく、上記R14は−O−C2l−NRで表わされることが好ましく、上記Rは−C2l−で表わされることが好ましく、上記Rは−C2l+1で表わされることが好ましい。
【0046】
<有機ケイ素化合物の合成方法>
本発明において、有機ケイ素化合物は、例えば、上記一般式(I)で表わされ、R、R及びRが−M−C2l+1で表わされ、R、R及びR中のMの一つ以上が−O−である化合物に対し、2−(ジメチルアミノ)エタノール、2−(ジエチルアミノ)エタノール、2−(ジメチルアミノ)プロパノール、2−(ジエチルアミノ)プロパノール、N−メチルジエタノールアミン等のアミン化合物を加え、更に触媒としてp−トルエンスルホン酸、塩酸等の酸や、チタンテトラn−ブトキシド等チタンアルコキシドを添加し、加熱して、R、R及びRの一つ以上を式(IV)又は式(V)で表わされる一価の窒素含有基で置換、或いはR及びRを−R12−W−R13−で表わされる二価の窒素含有基で置換することで合成できる。
【0047】
<有機ケイ素化合物の具体例>
本発明において、有機ケイ素化合物として、具体的には、3−オクタノイルチオ−プロピル(モノジメチルアミノエトキシ)ジエトキシシラン、3−オクタノイルチオ−プロピル(ジジメチルアミノエトキシ)モノエトキシシラン、3−オクタノイルチオ−プロピルトリジメチルアミノエトキシシラン、3−オクタノイルチオ−プロピル(モノジエチルアミノエトキシ)ジエトキシシラン、3−オクタノイルチオ−プロピル(モノジメチルアミノプロピロキシ)ジエトキシシラン、3−オクタノイルチオ−プロピル(モノジエチルアミノプロピロキシ)ジエトキシシラン、3−オクタノイルチオ−プロピル(エトキシ)1,3−ジオキサ−5−メチルアザ−2−シラシクロヘキサン、3−オクタノイルチオ−プロピル(エトキシ)1,3−ジオキサ−5−エチルアザ−2−シラシクロヘキサン、3−オクタノイルチオ−プロピル(エトキシ)1,3−ジオキサ−6−メチルアザ−2−シラシクロヘキサン、3−オクタノイルチオ−プロピル(エトキシ)1,3−ジオキサ−6−エチルアザ−2−シラシクロヘキサン、ビス(3−(モノジメチルアミノエトキシ)ジエトキシシリル−プロピル)ジスルフィド、ビス(3−(ジジメチルアミノエトキシ)モノエトキシシリル−プロピル)ジスルフィド、ビス(3−(トリジメチルアミノエトキシ)シリル−プロピル)ジスルフィド、ビス(3−(モノジメチルアミノエトキシ)ジエトキシシリル−プロピル)ジスルフィド、ビス(3−(モノジエチルアミノエトキシ)ジエトキシシリル−プロピル)ジスルフィド、ビス(3−(モノジメチルアミノプロピロキシ)ジエトキシシリル−プロピル)ジスルフィド、ビス(3−(モノジエチルアミノプロピロキシ)ジエトキシシリル−プロピル)ジスルフィド、ビス(3−(モノジメチルアミノエトキシ)ジエトキシシリル−プロピル)テトラスルフィド、ビス(3−(ジジメチルアミノエトキシ)モノエトキシシリル−プロピル)テトラスルフィド、ビス(3−(トリジメチルアミノエトキシ)シリル−プロピル)テトラスルフィド、ビス(3−(モノジメチルアミノエトキシ)ジエトキシシリル−プロピル)テトラスルフィド、ビス(3−(モノジエチルアミノエトキシ)ジエトキシシリル−プロピル)テトラスルフィド、ビス(3−(モノジメチルアミノプロピロキシ)ジエトキシシリル−プロピル)テトラスルフィド、ビス(3−(モノジエチルアミノプロピロキシ)ジエトキシシリル−プロピル)テトラスルフィド、ビス(3−(エトキシ)1,3−ジオキサ−5−メチルアザ−2−シラシクロヘキシル−プロピル)ジスルフィド、ビス(3−(エトキシ)1,3−ジオキサ−5−エチルアザ−2−シラシクロヘキシル−プロピル)ジスルフィド、ビス(3−(エトキシ)1,3−ジオキサ−6−メチルアザ−2−シラシクロヘキシル−プロピル)ジスルフィド、ビス(3−(エトキシ)1,3−ジオキサ−6−エチルアザ−2−シラシクロヘキシル−プロピル)ジスルフィド、ビス(3−(エトキシ)1,3−ジオキサ−5−メチルアザ−2−シラシクロヘキシル−プロピル)テトラスルフィド、ビス(3−(エトキシ)1,3−ジオキサ−5−エチルアザ−2−シラシクロヘキシル−プロピル)テトラスルフィド、ビス(3−(エトキシ)1,3−ジオキサ−6−メチルアザ−2−シラシクロヘキシル−プロピル)テトラスルフィド、ビス(3−(エトキシ)1,3−ジオキサ−6−エチルアザ−2−シラシクロヘキシル−プロピル)テトラスルフィドが挙げられる。
【0048】
本発明の弾性舗装材料は、好ましくは、有機ケイ素化合物を2〜20体積%含有し、より好ましくは、5〜10体積%含有する。かかる範囲で、有機ケイ素化合物を弾性舗装材料に配合することで、摩耗性および使用に伴う摩耗後のすべり抵抗のより良好な弾性舗装材料を提供することができる。
【0049】
本発明に用いるかかる両末端アルコキシシラン変性ポリマーとしては、具体的には例えば、主鎖が、プロピレングリコールまたはブタジエンの繰り返し単位からなるものを好適に用いることができる。また、アルコキシシランとしては、好適にはジメトキシシランである。バインダー中には、かかる両末端アルコキシシラン変性ポリマーの硬化触媒として、無機スズ、ジブチルスズ、ジオクチルスズなどのスズ系、ビスマス系、チタン系等のアルコキシシラン架橋可能な触媒を添加することができ、好適には、オクチル酸スズを用いる。また、さらに、ラウリルアミン等の助触媒(促進剤)を添加することもできる。硬化触媒の添加量は、両末端アルコキシシラン変性ポリマー100質量部に対し、1.0〜10.0質量部程度とする。
【0050】
本発明の弾性舗装材料においては、バインダーとして、上記所定の両末端アルコキシシラン変性ポリマーを主成分とし、さらに有機ケイ素化合物を含有するものであればよく、それ以外の点については、常法に従い適宜構成することができ、特に制限されるものではない。
【0051】
本発明に用いるゴムチップおよび/またはゴム粉末は、舗装面に弾力性を付与するために弾性舗装材料中に配合されるものであり、材質等については特に限定されず、天然ゴムやイソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム等を利用することができる。かかるゴムチップおよび/またはゴム粉末は、ゴムタイヤ、ウェザーストリップ、ホース類等の使用済み加硫ゴム製品の廃材、成形の際に生成する不要の端材、成形不良品等から得ることもできる。また、ゴムチップおよび/またはゴム粉末の粒径としては、1mm以下の微細なものから10mm程度のものまでを適宜使用することができるが、特に、粒径1〜5mm程度のものが、弾力性及び空隙形成の点で有効であるためにより好ましい。
【0052】
本発明の弾性舗装材料中におけるゴムチップおよび/またはゴム粉末の割合は、30〜60体積%、好適には40〜55体積%である。この割合が30体積%未満であると弾性舗装材料としての効果が十分ではないおそれがあり、一方、60体積%を超えると、舗装に適用するために十分な物性が得られなくなるおそれがある。
【0053】
本発明において使用する骨材としては、特に制限はなく、川砂利、川砂等の天然の骨材や砕石、スラグ、コンクリート、ガラス、FRP等のリサイクル骨材を使用することができる。この骨材に使用する石材、砂等は、完成した舗装の強度、耐摩耗性を確保し、表面に露出して防滑作用を得るためのものである。石材は互いに噛み合って荷重を分散させる機能を持つことが好ましく、このため、砕石のような尖った形状で硬い物が適当である。また、粒径0.5〜30mmの粗粒骨材に対して、粒径0.5mm以下の細粒骨材を5体積%以上混合することが好ましい。粗粒骨材は、互いに噛み合って隙間を形成するような、砕石のような尖った形状で硬いものが適当である。一方、細粒骨材は、大型の粗粒骨材の表面に付着してタイヤ等に対して防滑作用(サンドペーパーのような研磨効果)をもたらすこととなる。
【0054】
本発明の弾性舗装材料における骨材の配合量は、50〜5体積%、好適には30〜10体積%である。弾性舗装材料中の骨材の割合が5体積%未満であると、強度が十分ではなくなるおそれがあり、一方、50体積%を超えると、十分な弾性および低音効果が得られなくなるおそれがある。
【0055】
また、バインダーの配合量としては、骨材の結着強度の観点から、20〜35体積%、好適には22〜30体積%である。
【0056】
なお、本発明の弾性舗装材料には、所望に応じ、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の通常用いられる添加剤を適宜配合することが可能である。
【0057】
本発明の弾性舗装材料は、骨材と、ゴムチップおよび/またはゴム粉末との混合物に、上記所定のバインダー、有機ケイ素化合物および必要に応じて添加される添加剤を混合することにより得ることができる。この場合の混合方法には特に制限はなく、これらが均一に混合できる方法であればよい。骨材へのバインダーの添加、混合時の温度は常温でよいが、低温の場合は硬化が遅れ、高温の場合は硬化が促進されるため、必要に応じて温度調節を行うことが好ましい。かかる弾性舗装材料は、通常10〜50mm程度の厚さに、空隙率10〜40%程度の空隙が形成されるように施工し、硬化させる。
【0058】
本発明の弾性舗装材料は、施工対象の路面に対して必要に応じてプライマー処理を施した後、直接敷設して舗装面を形成するもの(現場施工タイプ)であっても、または、あらかじめ金型にて所定形状に成形硬化させたブロック状のモールド成型品(プレス成型品)を、施工面に敷設するものであってもよく、特に制限されるものではない。
【実施例】
【0059】
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
(実施例1および4,比較例1)
下記の表1および2中に示す配合内容に従い、ウレタンバインダー中に、ゴム粉(平均粒径4mm)と、骨材としての、混合珪砂(平均粒径0.5mm)およびプラスチック廃材(FRP切り粉,平均粒径0.3mm)、硬化剤を混合し、さらに必要に応じて、アルコキシシラン変性ポリプロピレングリコールポリマー、アルコキシシラン変性ポリブタジエンポリマー、TAC−NXTを混合機中に投入して、常温で5分間攪拌した。その後、50×50×2.5cmの直方体の型枠に充填し、2〜3日常温養生して、寸法50×50×2.5cmの直方体の試験体を作製し、下記試験を行った。結果を下記表1および2に併記した。なお、表中、配合量は「体積%」を示す。
【0060】
(実施例2および3,実施例5および6)
実施例1および4で2〜3日常温養生していたところを、150℃30分加熱処理したこと以外は、実施例1および4と同様に試験を行った。
【0061】
(すべり抵抗試験)
得られた試験体について、ダイナミックフリクションテスター(DFT)により、60km/h走行時におけるウェット状態でのすべり抵抗(単位:μ)を測定した。
【0062】
(表面摩耗試験)
得られた試験体について、ダイナミックフリクションテスター(DFT)により、90km/hで10回および30回接触回転させ、その後60km/h走行時における動摩擦係数単位:μ)を測定した。
【0063】
【表1】

*1) ウレタンバインダー:日本ポリウレタン(株)製,商品名:RB−08
*2) 硬化剤:イソシアネート
*3) アルコキシシラン変性ポリプロピレングリコールポリマー:AGC社製,商品名:エクセスター,(主鎖:ポリプロピレングリコール(PPG),両末端基:ジメトキシシラン,分子量18000)
*4) アルコキシシラン変性ポリブタジエンポリマー:(主鎖:ポリブタジエン、両末端基:ジエトキシシラン、分子量18000)
*5) TAC−NXT:下記にて製造したものを使用
【0064】
【表2】

【0065】
<TAC−NXT(有機ケイ素化合物)の製造>
室温で、200mLのナスフラスコに、ビス(3−トリエトキシシルルプロピル)ジスルフィド[式(I)で表わされ、Aが式(II)であり、Rが−O−CHCHで、Rが−O−CHCHで、Rが−O−CHCHで、Rが−CHCHCH−であり、xが2である化合物]40g、2−(ジメチルアミノ)エタノール7.5g、p−トルエンスルホン酸 0.5gを投入した。得られた赤色の溶液を145〜150℃で、気泡が発生しなくなるまで加熱した。次いで、滴下ロートにて、2−(ジメチルアミノ)エタノール7.5gを30分かけて滴下した後、ロータリーエバポレーターを用い、85℃、45mmHgでエタノールを除去して、有機ケイ素化合物(TAC−NXT)を得た。得られた有機ケイ素化合物(TAC−NXT)をH−NMRで分析したところ、0.7(t;2H),1.2(t;9H),1.8(m;2H),2.3(s;6H),2.5(t;2H),2.7(t;2H),3.8(m;6H)であり、式(I)で表わされ、Aが式(II)であり、Rが−O−CHCHで、Rが−O−CHCHで、Rが−O−CHCHN(CH[即ち、式(V)で表わされ、Mが−O−で、lが2で、Rが−N(CH]であり、Rが−CHCHCH−であり、xが2である化合物であることが分かった。
【0066】
比較例1では、摩耗性、特に使用に伴う摩耗後の動摩擦係数が著しく低下した。これに対し、実施例1〜6では、摩耗性および使用に伴う摩耗後のすべり抵抗のいずれもより良好であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴムチップおよび/またはゴム粉末と、骨材と、バインダーとを含有する弾性舗装材料において、
前記バインダーが、主成分であるポリマーと、有機ケイ素化合物と、を含有し、
前記ポリマーが、両末端がアルコキシシランで変性されてなる分子量500〜30000のポリマーであり、
前記有機ケイ素化合物が、分子内に、1個以上のケイ素−酸素結合と、1〜10個の硫黄原子と、を有し、かつ、ケイ素原子から原子数で3〜8個離れた位置に窒素原子を1個以上有することを特徴とする弾性舗装材料。
【請求項2】
前記ケイ素−酸素結合の数が1〜6個である請求項1記載の弾性舗装材料。
【請求項3】
前記有機ケイ素化合物が、下記一般式(I)、

[式中、Aは、下記一般式(II)、

又は式(III)、

で表わされ、
式(I)及び式(II)中のR、R及びRは、少なくとも一つが下記一般式(IV)、

又は式(V)、

(式中、Mは−O−又は−CH−で、X及びYはそれぞれ独立して−O−、−NR−又は−CH−で、Rは−OR、−NR又は−Rで、Rは−NR、−NR−NR又は−N=NRで、但し、Rは−C2n+1であり、Rは−C2q+1であり、l、m、n及びqはそれぞれ独立して0〜10である)で表わされ、その他が−M−C2l+1(ここで、M及びlは上記と同義である)で表わされ、但し、R、R及びRの一つ以上はMが−O−であり、
は下記一般式(VI)、

又は式(VII)、

(式中、M、X、Y、R、l及びmは上記と同義であり、R10は−NR−、−NR−NR−又は−N=N−で、但し、Rは上記と同義である)或いは−M−C2l−(ここで、M及びlは上記と同義である)で表され、
式(III)中のRは上記一般式(IV)又は式(V)或いは−C2l−R11(ここで、R11は−NR、−NR−NR、−N=NR又は−M−C2m+1であり、但し、R、R、M、l及びmは上記と同義である)で表わされ、
xは1〜10である]で表わされる請求項1記載の弾性舗装材料。
【請求項4】
前記有機ケイ素化合物が、下記一般式(VIII)、

[式中、Aは、下記一般式(IX)、

又は式(III)、

で表わされ、
式(VIII)及び式(IX)中のWは−NR−、−O−又は−CR15−(ここで、R15は−R又は−C2m−Rであり、但し、Rは−NR、−NR−NR又は−N=NRであり、Rは−C2n+1で、Rは−C2q+1で、m、n及びqはそれぞれ独立して0〜10である)で表わされ、
12及びR13はそれぞれ独立して−M−C2l−(ここで、Mは−O−又は−CH−で、lは0〜10である)で表わされ、
14は−M−C2l+1又は−M−C2l−R(ここで、M、R及びlは上記と同義である)で表わされ、但し、R12、R13及びR14の一つ以上はMが−O−であり、
は下記一般式(VI)、

又は式(VII)、

(式中、M、l及びmは上記と同義であり、X及びYはそれぞれ独立して−O−、−NR−又は−CH−で、Rは−OR、−NR又は−Rで、R10は−NR−、−NR−NR−又は−N=N−であり、但し、R及びRは上記と同義である)或いは−M−C2l−(ここで、M及びlは上記と同義である)で表され、
式(III)中のRは下記一般式(IV)、

又は式(V)、

(式中、M、X、Y、R、R、l及びmは上記と同義である)或いは−C2l−R11(ここで、R11は−NR、−NR−NR、−N=NR又は−M−C2m+1であり、但し、R、R、M、l及びmは上記と同義である)で表わされ、
xは1〜10である]で表わされる請求項1記載の弾性舗装材料。
【請求項5】
前記Mが−O−である請求項3または4記載の弾性舗装材料。
【請求項6】
前記R、R及びRは、少なくとも一つが−O−C2l−R(ここで、R及びlは上記と同義である)で表わされ、その他が−O−C2l+1(ここで、lは上記と同義である)で表わされ、
前記Rが−C2l−(ここで、lは上記と同義である)で表わされ、
前記Rが−C2l−R11(ここで、R11及びlは上記と同義である)で表わされる請求項3または5記載の弾性舗装材料。
【請求項7】
前記R、R及びRは、少なくとも一つが−O−C2l−NR(ここで、R、R及びlは上記と同義である)で表わされ、
前記Rが−C2l+1(ここで、lは上記と同義である)で表わされる請求項3、5または6記載の弾性舗装材料。
【請求項8】
前記Wが−NR−(ここで、Rは上記と同義である)で表わされ、
前記R12及びR13がそれぞれ独立して−O−C2l−(ここで、lは上記と同義である)で表わされ、
前記R14は−O−C2l−R(ここで、R及びlは上記と同義である)で表わされ、
前記Rが−C2l−(ここで、lは上記と同義である)で表わされ、
前記Rが−C2l+1(ここで、lは上記と同義である)で表わされる請求項4または5記載の弾性舗装材料。
【請求項9】
前記Wが−O−又は−CR−(ここで、R及びRは上記と同義である)で表わされ、
前記R12及びR13がそれぞれ独立して−O−C2l−(ここで、lは上記と同義である)で表わされ、
前記R14は−O−C2l−NR(ここで、R、R及びlは上記と同義である)で表わされ、
前記Rが−C2l−(ここで、lは上記と同義である)で表わされ、
前記Rが−C2l+1(ここで、lは上記と同義である)で表わされる請求項4または5記載の弾性舗装材料。
【請求項10】
前記アルコキシシランがジメトキシシランである請求項1〜9のうちいずれか一項に記載の弾性舗装材料。
【請求項11】
前記ポリマーの主鎖が、プロピレングリコールの繰り返し単位からなる請求項1〜10のうちいずれか一項に記載の弾性舗装材料。
【請求項12】
前記ポリマーの主鎖が、ブタジエンの繰り返し単位からなる請求項1〜10のうちいずれか一項に記載の弾性舗装材料。

【公開番号】特開2010−242430(P2010−242430A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−94434(P2009−94434)
【出願日】平成21年4月8日(2009.4.8)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】