説明

弾性表面波素子及び弾性表面波デバイス

【課題】 SAWデバイスにおいて温度特性のばらつきを抑制しかつ量産に適した小型化を可能にする。
【解決手段】 オイラー角表示で(0°,θ,0°<|ψ|<90°)、好ましくは(0°,θ,9°<|ψ|<46°)、より好ましくは(0°,95°<θ<155°,33°<|ψ|<46°)の面内回転STカット水晶板からなる水晶基板11の主面に、SAWの波長λに対してH/λ≦0.085となる厚さHの交差指電極12a,12bからなるシングル型のIDT13を形成する。これにより、ストップバンドの上限モードで励振させ、製造上のばらつきを含めて、使用温度範囲(0〜70℃)で周波数変動幅Δfabを25ppm以下に抑えた良好な温度特性が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性表面波(SAW:surface acoustic wave )を利用したSAW素子及びかかるSAW素子を有するSAWデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、圧電基板の表面に形成した交差指電極からなるIDT(すだれ状トランスデューサ)により励振する弾性表面波を利用したSAW素子を備える共振子、フィルタ、発振器等のSAWデバイスが、様々な電子機器に幅広く利用されている。最近は、携帯通信機器などの発達により、通信の高速化に対応したSAWデバイスの高周波化及び高精度化と共に、小型化が要求されている。
【0003】
SAW素子の圧電基板には、一般に高い温度安定性を有する水晶が利用されており、中でも周波数温度特性の良好なSTカット水晶板が多く使用されている。図3に例示するように、水晶の直交する3つの結晶軸を電気軸(X軸)、機械軸(Y軸)、光学軸(Z軸)とし、オイラー角(φ,θ,ψ)が(0°,0°,0°)の水晶Z板1をX軸周りに角度θ=113〜135°回転させて得られる新しい座標軸(X,Y´,Z´)に沿って切り出したものがSTカット水晶板2である。
【0004】
SAW素子の周波数温度特性を向上させるために、STカット水晶板2をZ´軸周りに角度ψ回転させた面内回転STカット水晶板3が知られている。面内回転STカット水晶板3は、温度特性が3次関数で表されることから、オイラー角を(0°,θ=113〜135°,ψ=±(40°〜49°))に設定し、かつその温度特性を変曲点周りに回転させて、使用温度範囲における周波数変動幅を最小に調整したSAW装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0005】
更に、特許文献1に記載の面内回転STカット水晶板を用いたSAW装置において、IDTの電極幅のばらつきに対する共振周波数の変動を少なくするために、IDTの電極ピッチに対する電極幅の比率を0.5以上、0.65以下にすることが知られている(例えば、特許文献2を参照)。
【0006】
他方、IDTにより励振されるSAWの代表的なものはレイリー波であるが、計算によりストップバンドと呼ばれる2つの周波数解を得られることが知られている。レイリー波が励振されるSAW素子は、その低い方(下限モード)又は高い方(上限モード)のいずれかの周波数を使用する。これらの周波数を比較すると、上限モードの方が下限モードよりも、周波数温度特性の2次温度係数の絶対値が小さく、IDTの電極膜厚を増加させたときに2次温度係数の絶対値の変化も小さいことが知られている(例えば、非特許文献1を参照)。従って、上限モードの方が周波数温度特性が良好で、高周波化に適していることが分かっている。
【0007】
ところが、STカット水晶基板を用いたSAW素子は、IDTがSAWの1波長中に2本の電極指を設けたシングル型の場合、SAWがストップバンドの上限モードではなく、下限モードでのみ励振される。そこで、SAWの1波長中に3本又はそれ以上の電極指を設けた反射反転型のIDT電極を有し、ストップバンドの上限モードでの励振を可能にしたSAW装置が知られている(例えば、特許文献3を参照)。
【0008】
また、STカット水晶基板にIDTとその両側に反射器とを設けたSAW素子は、アルミニウムで形成した反射器の電極当たりの反射係数が0.02程度であり、高い反射効率を得るためには電極本数が増えて、小型化を妨げるという問題がある。そこで、オイラー角が(0°、113°〜135°、0°)であるSTカット水晶基板、又は(0°、113°〜135°、±(40°〜49°))である面内回転STカット水晶基板を用いてレイリー波を励起し、かつIDTを形成する金属材料よりも重い金属材料で反射器を形成することにより、チップサイズを小型化しかつ周波数温度特性を良好にしたSAWチップが知られている(例えば、特許文献4を参照)。
【0009】
【非特許文献1】信学技報、社団法人電子情報通信学会、US99−20(1999−06)、p.37−42
【特許文献1】特開2003−152487号公報
【特許文献2】特開2003−258601号公報
【特許文献3】特開2002−100959号公報
【特許文献4】特開2005−184340号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
一般に、STカット水晶基板を用いたSAW素子は、発振周波数がIDTの電極ピッチにより決定され、その高周波化にはIDTの電極ピッチを小さくする必要がある。IDTの設計では、電極ピッチを小さくする際に、それと同時に電極幅及び電極膜厚も比例して小さくするのが通例である。しかしながら、それではIDTの抵抗値も大きくなり、SAW素子のインピーダンスが大きくなるので好ましくない。
【0011】
これに対し、IDTの電極膜厚を大きくすれば、一般に発振周波数が大きく降下するという、当業者によく知られた問題を生じる。そこで、更にIDTの電極幅を微細にして高周波化しようとすれば、一般に採用されているウエットエッチングによる製造工程では、加工精度の問題を生じ、製造歩留まりを低下させてコストの増加を招く虞がある。特に上述した反射反転型のIDTを有するSAW素子の場合、高周波化しようとすると、シングル型のIDTよりも更に電極幅を微細化する必要がある。また、IDTの電極膜厚を大きくすることによって、周波数温度特性における2次温度係数の絶対値が大きくなり、その結果、却って水晶基板に固有の温度安定性を損ねる虞がある(例えば、非特許文献1を参照)。
【0012】
また、上記特許文献1に記載される面内回転STカット水晶板を用いたSAW素子は、電極1本当たりの反射係数が0.015程度で、STカット水晶板よりも小さくなる。そのために電極指の本数が多くなり、SAW素子のチップサイズを小型化することが困難になるという問題がある。
【0013】
本願出願人は、オイラー角(0°,θ,ψ)の面内回転STカット水晶板について更に様々検討した結果、角度ψを適当に選択し、より好ましくは更に角度θを適当に選択することによって、シングル型のIDTでレイリー波をストップバンドの上限モードで励振できることを見出した。更に、その場合にIDTの電極指の反射係数がSTカット水晶板と同程度であることが分かった。
【0014】
また、上記非特許文献1に記載される解析方法を利用することにより、面内回転STカット水晶板において、使用温度範囲(0〜70°)における温度変化に対する周波数の変動幅Δf即ち温度特性は、角度ψに依存してばらつきを生じることが分かった。即ち、角度ψを様々に変えて温度特性の変化を観察したとき、角度ψの変化に対する周波数変動幅Δfの変化を最小にできることを見出した。また、角度ψの変化による周波数変動幅Δfの変化は、IDTの電極膜厚の変動に影響を受けることが分かった。この場合、角度ψの変化に対して、IDTの電極膜厚が大きいほど、Δfの変動は大きくなり、逆にIDTの電極膜厚が小さいほど、Δfの変動は小さくなる。
【0015】
他方、工業的なSAW素子の大量製造においては、当然ながら製造上許容され得る誤差範囲即ち公差を考慮する必要がある。上述したように、面内回転角度ψの変化による周波数変動幅Δfには、IDTの電極膜厚が大きく影響することから、その製造誤差またはばらつきを考慮しなければ、実用上角度ψの変動による温度特性のばらつきを抑制したSAW素子を実現することは困難である。
【0016】
そこで本発明の目的は、かかる従来技術の問題を解消することにある。そして、本願発明者らは、上述したように面内回転STカット水晶板を用いたSAW素子について様々に研究し、周波数温度特性に関連して面内回転角度ψ、IDTの電極ピッチ、膜厚及び線幅の相互の関係を十分に検討した結果、その知見に基づいて本発明を案出するに至ったものである。従って、本発明の目的は、面内回転STカット水晶板を用いたSAW素子において、特に製造上の誤差やばらつきを考慮しつつ、角度ψの変動による温度特性のばらつきを抑制し、しかも製造上の負担を少なくして量産に適した小型化を可能にするSAW素子及びSAWデバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明によれば、上記目的を達成するために、面内回転STカット水晶板からなる水晶基板と、該水晶基板の主面に形成された少なくとも1組の交差指電極からなるIDTとを備え、交差指電極の膜厚Hを、IDTにより励振されるSAWの波長λに対してH/λ≦0.085に設定したSAW素子が提供される。
【0018】
本願発明者らは、このように面内回転STカット水晶板を使用し、かつSAWの波長に対するIDTの電極膜厚比H/λを設定することによって、後述するように、通常の使用温度範囲においてSAW素子の周波数温度特性、即ち周波数変動幅を小さく抑制できることを見出した。これにより、使用温度範囲においてIDTの電極膜厚の変動に対して、温度特性のばらつきを抑制することができる。
【0019】
或る実施例では、オイラー角が(0°,θ,0°<|ψ|<90°)の水晶基板を用いることにより、SAW素子をストップバンドの上限モードで励振させることが可能で、それにより電極膜厚を大きくしても周波数降下を抑制することができる。従って、優れた周波数温度特性を有しかつそのばらつきを抑制でき、高周波化及び高精度化の可能なSAW素子を実現することができる。
【0020】
別の実施例では、水晶基板のオイラー角を(0°,θ,9°<|ψ|<46°)にすることにより、更に優れた周波数温度特性を発揮させ、かつ温度変化に対する周波数変動量をより小さくすることができる。更に別の実施例では、水晶基板のオイラー角を(0°,95°<θ<155°,33°<|ψ|<46°)にすることにより、更に一層優れた周波数温度特性を得ることができる。
【0021】
本発明の別の側面によれば、上述した本発明のSAW素子を備えることにより、優れた周波数温度特性を有し、高周波化及び高精度化が可能で小型化に適したSAWデバイスが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に、添付図面を参照しつつ、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。
図1(A)は、本発明を適用した1ポート型共振子用のSAW素子10を示している。SAW素子10は、図8に関連して上述した面内回転STカット水晶板からなる矩形の水晶基板11を有する。水晶基板11の主面には、その略中央に1対の交差指電極12a、12bからなるSAW励振用のIDT13が形成され、その長手方向の両側にそれぞれ格子状の反射器14、14が形成されている。前記交差指電極及び反射器は、加工性及びコストの観点からAlからなる電極膜で形成されている。別の実施例では、前記電極膜にAl/Cu膜を用いることもできる。
【0023】
図1(B)は、SAWの伝搬方向に沿って交差指電極12a、12bの断面を示している。本実施例では、前記交差指電極の膜厚をH、IDT13により励振されるSAWの波長をλとしたとき、それらの比即ち膜厚比H/λが0.085となるように、好ましくは0.06〜0.07となるように、IDT13を形成する。このように膜厚比を設定することによって、所定の使用温度範囲(0〜70℃)において、膜厚Hの変動に対する周波数変動幅の変化を、25ppm程度まで小さくし、温度特性のばらつきを抑制することができる。更に、交差指電極12a、12bの反射係数を、上記特許文献1の面内回転STカット水晶板を用いた従来のSAW装置とは異なり、STカット水晶板と同程度に大きくすることができる。
【0024】
また、本実施例において、IDT13の電極ピッチ即ち隣接する交差指電極間の中心距離をp、電極12a、12bのSAW伝搬方向における線幅をdとすると、それらの比η=d/pは0.8程度に設定するのが好ましい。これにより、SAW素子10自体の小型化やIDT13が狭ピッチ化した場合でも、該IDTを水晶基板11にパターニングする際に、前記交差指電極の線幅が狭小化し過ぎて加工精度が低下したり断線する虞を解消し又は軽減することができる。従って、水晶基板11即ちSAW素子10の小型化が、製造上IDTの形成に過度の負担を強いることはない。
【0025】
本発明のような面内回転STカット水晶板の場合、IDTの電極線幅と電極ピッチとの比ηを本実施例のように大きくすると、却って温度変化に対する周波数変動幅が大きくなり、温度特性を悪くする虞がある(例えば、特許文献2を参照)。しかしながら、本発明によれば、IDTの膜厚比を上述したように設定することにより、その製造上の誤差やばらつきを考慮しても、周波数変動幅のばらつきを抑制し、良好な温度特性を維持することができる。
【0026】
本実施例の水晶基板11は、オイラー角(0°,θ,0°<|ψ|<90°)の面内回転STカット水晶板であり、そのX´軸方向がSAWの伝搬方向と一致するように形成される。これにより、温度特性のばらつきを抑制することに加えて、本実施例のようなシングル型IDTにおいてストップバンドの上限モードで励振させることが可能であり、電極膜厚を大きくしても、周波数降下を抑制することができる。従って、電極ピッチをより小さくして高周波化、高精度化を図ることができる。
【0027】
水晶基板11は、より好ましくはオイラー角が(0°,θ,9°<|ψ|<46°)であり、更に、従来のSTカット水晶板よりも優れた周波数温度特性を発揮し、温度変化に対する周波数変動量を小さくする効果が得られる。更に好ましくは、水晶基板11のオイラー角が(0°,95°<θ<155°,33°<|ψ|<46°)であり、より一層優れた周波数温度特性を得ることができる。
【0028】
オイラー角が(0°,95°<θ<155°,33°<|ψ|<46°)の面内回転STカット水晶基板にIDTを形成した、図1に示す本実施例のSAW素子の周波数温度特性を、上記非特許文献1に記載の解析方法を用いてシミュレーションした。その結果を図2乃至図7に示す。
【0029】
図2は、IDTの電極線幅対電極ピッチ比η=0.8に設定した場合に、使用温度範囲(0〜70℃)における膜厚比H/λの変化に関する周波数変動幅Δfの変化を示している。同図において、実線で示すΔfは、膜厚比H/λがIDTの電極膜厚Hなどの製造誤差やばらつきを含まない理想的な最適値で製造された場合である。これに対し、破線で示すΔfは、膜厚比H/λがIDTの製造誤差やばらつきによる変動幅を2%と仮定とした場合である。従って、実線と破線間の数値の差は、製造誤差やばらつきによる膜厚比H/λの変動幅が周波数変動幅Δfに与える影響を示すことになる。また、p0は、従来のSTカット水晶板を用いた場合を示している。
【0030】
同図から、η=0.8において、膜厚比H/λの変動幅が無い理想的な場合には、H/λ=0.045〜0.105の範囲全体で、周波数変動幅Δfが10ppm以下に安定して小さく抑制されていることが分かる。これに対し、膜厚比H/λの変動幅が2%の場合には、周波数変動幅Δfが、H/λ=0.06〜0.07において安定して20ppm以下に小さく抑制されているが、H/λ>0.085では急激に上昇し始める傾向が見られる。膜厚比H/λの変動幅の大小に拘わらず、それが周波数変動幅Δfの変化に与える影響は、図2の破線と同じ傾向を示すと考えられる。従って、周波数変動幅Δfは、膜厚比H/λ≦0.085において、IDTの製造誤差やばらつきによる変動幅を考慮しても、従来のSTカット水晶板を用いた場合に比較して安定して良好に抑制されることが分かる。
【0031】
図3及び図4は、それぞれ電極線幅対ピッチ比η=0.7、0.6に設定した場合に、前記使用温度範囲における膜厚比H/λの変化に関する周波数変動幅Δfの変化を示している。図3及び図4においても、実線は、膜厚比H/λがIDTの製造誤差やばらつきを含まない理想的な最適値で製造された場合のΔfであるのに対し、破線は、膜厚比H/λがIDTの製造誤差やばらつきによる変動幅を2%と仮定とした場合のΔfである。これらの場合にも、図2と同様の結果が得られた。即ち、膜厚比H/λの変動幅が0の場合には、周波数変動幅Δfが全体として略15ppm以下に安定して小さく抑制されている。これに対し、膜厚比H/λの変動幅が2%の場合には、H/λ>0.085において、周波数変動幅Δfが急激に上昇する傾向が見られる。これらの結果から、本発明によれば、電極線幅対ピッチ比ηを比較的大きくしても、電極膜厚比H/λの変化に対して温度特性のばらつきを良好に抑制し得ることが分かる。
【0032】
図5乃至図7は、それぞれ膜厚比H/λ=0.08、0.07,0.06に設定した場合に、電極線幅対電極ピッチ比ηに関する周波数変動幅Δfの変化を示している。これらの各図においても、実線は、膜厚比H/λがIDTの製造誤差やばらつきを含まない理想的な最適値で製造された場合のΔfであり、破線は、膜厚比H/λがIDTの製造誤差やばらつきによる変動幅を2%と仮定とした場合のΔfである。また、これらの図面に示す各グラフの左端、即ちη=0.45における周波数変動幅Δfは、それぞれ従来のSTカット水晶板を用いた場合とほぼ一致している。
【0033】
図5乃至図7のいずれにおいても、膜厚比H/λの変動幅が0の場合には、周波数変動幅Δfが全体として20ppm以下に安定して小さく抑制されている。膜厚比H/λの変動幅が2%の場合には、周波数変動幅Δfが、電極線幅対電極ピッチ比η<0.65において比較的大きく変動するのに対し、η=0.65〜0.85では略60ppm以下に安定している。これらの結果から分かるように、本発明の面内回転STカット水晶板において電極線幅対電極ピッチ比ηを大きく設定しても、IDTの膜厚比を上述したように設定することにより、温度特性のばらつきを良好に抑制し得ることが分かる。
【0034】
以上、本発明の好適な実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、これに様々な変形・変更を加えて実施し得ることは当業者に明らかである。例えば、上記実施例の1ポート型、シングル型IDT以外に、反射器を有しないものや、2ポート型、トランスバーサル型などの様々な構成を有するSAW素子についても、本発明は同様に適用することができる。また、共振器以外に発振器などの様々なSAWデバイスにも適用し得ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】(A)図は本発明を適用したSAW素子を示す平面図、(B)図はそのI−I線における部分拡大断面図。
【図2】図1のSAW素子について、電極線幅対ピッチ比をη=0.8とした場合の温度特性をIDTの膜厚比H/λに関する周波数変動幅Δfabで示す線図。
【図3】電極線幅対ピッチ比η=0.7の場合の温度特性を示す図2の同様の線図。
【図4】電極線幅対ピッチ比η=0.6の場合の温度特性を示す図2の同様の線図。
【図5】図1のSAW素子について、IDTの膜厚比をH/λ=8%とした場合の温度特性を電極線幅対ピッチ比ηに関する周波数変動幅Δfabで示す線図。
【図6】IDT膜厚比H/λ=7%の場合の温度特性を示す図5の同様の線図。
【図7】IDT膜厚比H/λ=6%の場合の温度特性を示す図5の同様の線図。
【図8】本発明に使用する面内回転STカット水晶板を示す説明図。
【符号の説明】
【0036】
1…水晶Z板、2…STカット水晶板、3…面内回転STカット水晶板、10…SAW素子、11…水晶基板、12a,12b…交差指電極、13…IDT、14…反射器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
面内回転STカット水晶板からなる水晶基板と、前記水晶基板の主面に形成された少なくとも1組の交差指電極からなるIDTとを備え、
前記交差指電極の膜厚Hが、前記IDTにより励振される弾性表面波(SAW)の波長λに対してH/λ≦0.085に設定されていることを特徴とする弾性表面波素子。
【請求項2】
前記水晶基板のオイラー角が(0°,θ,0°<|ψ|<90°)であることを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波素子。
【請求項3】
前記水晶基板のオイラー角が(0°,θ,9°<|ψ|<46°)であることを特徴とする請求項2に記載の弾性表面波素子。
【請求項4】
前記水晶基板のオイラー角が(0°,95°<θ<155°,33°<|ψ|<46°)であることを特徴とする請求項3に記載の弾性表面波素子。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の弾性表面波素子を備えることを特徴とする弾性表面波デバイス。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2007−267033(P2007−267033A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−89541(P2006−89541)
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(000003104)エプソントヨコム株式会社 (1,528)
【Fターム(参考)】