弾性表面波高周波フィルタ
【課題】挿入損失を減少できると同時に帯域外において高い減衰量を得ることが可能な弾性表面波高周波フィルタを提供する。
【解決手段】本発明の弾性表面波高周波フィルタは、信号線に入出力端子が直列に接続された弾性表面波共振器52〜54と、上記の信号線に入出力端子の一方が接続され他方が接地された弾性表面波共振器38〜40とから成り、弾性表面波共振器52は、直列接続された簾状電極弾性表面波変換器8,9を具備し、弾性表面波共振器53は、直列接続された簾状電極弾性表面波変換器10,11を具備し、弾性表面波共振器54は、直列接続された簾状電極弾性表面波変換器12,13を具備する。そして、信号線に対し直列に接続された弾性表面波共振器52〜54のインピーダンスは、信号線に並列に接続された弾性表面波共振器38〜40のインピーダンスに比較して、4倍のインピーダンスを持つ。
【解決手段】本発明の弾性表面波高周波フィルタは、信号線に入出力端子が直列に接続された弾性表面波共振器52〜54と、上記の信号線に入出力端子の一方が接続され他方が接地された弾性表面波共振器38〜40とから成り、弾性表面波共振器52は、直列接続された簾状電極弾性表面波変換器8,9を具備し、弾性表面波共振器53は、直列接続された簾状電極弾性表面波変換器10,11を具備し、弾性表面波共振器54は、直列接続された簾状電極弾性表面波変換器12,13を具備する。そして、信号線に対し直列に接続された弾性表面波共振器52〜54のインピーダンスは、信号線に並列に接続された弾性表面波共振器38〜40のインピーダンスに比較して、4倍のインピーダンスを持つ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性表面波高周波フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の自動車・携帯電話の急速な普及にともない、小型・高性能の高周波フィルタとして、弾性表面波高周波フィルタの必要性が高まり、既に、弾性表面波高周波フィルタの一種であるトランスバーサル型フィルタが実用化されている。
【0003】
しかし、更なる特性改善課題として、低損失化を図り、整合回路を不要にすることが要望され、このため共振器型フィルタが注目されている。共振器型フィルタの構成方法は種々考えられているが、ここではその中の一つである梯子型の弾性表面波高周波フィルタ(例えば、特許文献1参照。)について説明する。
【0004】
図11は、従来の弾性表面波高周波フィルタの回路図であり、図12はその等価回路図である。図中107〜109は信号線に並列に接続された弾性表面波共振器であり、110〜112は信号線に直列に接続された弾性表面波共振器である。上記の弾性表面波共振器107,110により第1のフィルタ機能単位が形成され、弾性表面波共振器108,111により第2のフィルタ機能単位が形成され、弾性表面波共振器109,112により第3のフィルタ機能単位が形成される。弾性表面波共振器107〜112は、二重共振特性を持つ二端子の共振器である。また、図中50,51は弾性表面波高周波フィルタにおける入出力端子を示す。
【0005】
図13は、弾性表面波共振器の周波数特性を理想化して示したグラフである。説明の簡略のため、ここではインピーダンスは純リアクタンスであるとし、直列接続された共振器110〜112のそれをX1、並列接続された共振器107〜109のそれをX2として示している。
【0006】
さて、各々の共振器は二重共振特性を持っているので、そのインピーダンスは0及び無限大になる2つの共振周波数を持っている。仮にインピーダンスが0になる周波数を共振周波数、若しくは、共振点と呼び、インピーダンスが無限大になる周波数を反共振周波数、若しくは、反共振点と呼ぶことにする。
【0007】
上記共振器110〜112の共振点と共振器107〜109の反共振点を一致させると、その周波数付近においては、共振器110〜112はON状態になり、共振器107〜109はOFF状態になるため、通過帯域となる。一方、共振器110〜112は反共振点において、OFF状態になるため、通過帯域より高周波側に減衰極が発生する。また、共振器107〜109は共振点において、ON状態になるため、通過帯域より低周波側でも減衰極が発生する。
【特許文献1】特開平4−81823号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の弾性表面波高周波フィルタでは、図14の周波数特性から明らかなように、高い帯域外減衰量を確保することができない。一方、高い帯域外減衰量を得ようとすると挿入損失が増加してしまう。
【0009】
この解決策としては、信号線に対して直列に接続された共振器のインピーダンスの周波数特性を、信号線に並列に接続した共振器のインピーダンスの周波数特性と比較して、共振点と反共振点の周波数差を保ったまま急峻にすることが有効である。
【0010】
インピーダンス特性を急峻にする方法として、例えば、簾状電極弾性表面波変換器の電極指数を減少させる方法がある。しかし、この方法ではインピーダンスの変化が低周波数側と高周波数側で非対象に発生し、共振点と反共振点の周波数が変化してしまうので、上記の目的の為には適当でない。
【0011】
また、電極指の交差幅を減少させる方法がある(特開平4−81823号公報参照)。しかし、電極指の交差幅を元の数分の一程度まで減少させてしまうと、電極指の端面での浮遊容量や電極表面波と電極指間接続電極との相互作用など算出困難な要因が無視できなくなり、やはり、共振点と反共振点の周波数差が変化してしまう。
【0012】
本発明は、上記の事情に鑑み、信号線に対して直列に接続された共振器のインピーダンスの周波数特性を信号線に並列に接続した共振器のインピーダンスの周波数特性と比較して、共振点と反共振点の周波数差を保ったまま、急峻にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の弾性表面波高周波フィルタは、上記の課題を解決するために、信号線に入出力端子が直列に接続された第1の弾性表面波共振器と、上記の信号線に入出力端子の一方が接続され他方が接地された第2の弾性表面波共振器とから成るフィルタ機能単位を備えて成る弾性表面波高周波フィルタにおいて、上記第1の弾性表面波共振器が、簾状電極弾性表面波変換器を二つ以上直列に具備していることを特徴としている。
【0014】
また、本発明の弾性表面波高周波フィルタは、信号線に入出力端子が直列に接続された第1の弾性表面波共振器と、上記の信号線に入出力端子の一方が接続され他方が接地された第2の弾性表面波共振器とから成るフィルタ機能単位を備えて成る弾性表面波高周波フィルタにおいて、上記第2の弾性表面波共振器が、簾状電極弾性表面波変換器を二つ以上並列に具備していることを特徴とする。
【0015】
更に、上記構成において、フィルタ機能単位を二つ以上直列に備えてもよいものである。
【0016】
上記第1の構成において、二つの簾状電極弾性表面波変換器を直列に具備した弾性表面波共振器のインピーダンスは、図10において点線で示されるように、簾状電極弾性表面波変換器を一つだけ具備するもの(実線で示す)に比べて2倍となる。
【0017】
即ち、簾状電極弾性表面波変換器を一つだけ具備する共振器のインピーダンスをZ1(f)とすると、簾状電極弾性表面波変換器を二つ直列に具備する共振のインピーダンスZ2(f)は、次の数式で示される。
【数1】
【0018】
このように、第1の弾性表面波共振器のインピーダンスの周波数特性は、第2の弾性表面波共振器のインピーダンスの周波数特性と比較して、共振点と反共振点の周波数差を保ったまま急峻になる。よって、挿入損失を減少できると同時に帯域外において高い減衰量を得ることが可能となる。
【0019】
また、第2の構成において、二つの簾状電極弾性表面波変換器を並列に具備した弾性表面波共振器のインピーダンスは、図10において一点鎖線で示されるように、簾状電極弾性表面波変換器を一つだけ具備するもの(実線で示す)の半分となる。
【0020】
即ち、簾状電極弾性表面波変換器を一つだけ具備する共振器のインピーダンスをZ1(f)とすると、簾状電極弾性表面波変換器を二つ並列に具備する共振のインピーダンスZ3(f)は、次の数式で示される。
【数2】
【0021】
従って、第1の弾性表面波共振器のインピーダンスの周波数特性がそのままでも、第2の弾性表面波共振器のインピーダンスとの対比ではその勾配は急峻になるので、挿入損失を減少できると同時に帯域外において高い減衰量を確保することが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、本発明によれば、信号線に対して直列に接続された共振器のインピーダンスの周波数特性を、信号線に並列に接続した共振器のインピーダンスの周波数特性と比較して、共振点と反共振点の周波数差を保ったまま急峻にすることができるので、低挿入損失と高帯域外減衰量を同時に満足させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明をその実施例を示す図に基づいて説明する。
【実施例】
【0024】
(実施例1)
図1に弾性表面波高周波フィルタの模式的平面図を、図2にその等価回路図を示す。
【0025】
この弾性表面波高周波フィルタは、弾性表面波共振器38,52から成る第1のフィルタ機能単位と、弾性表面波共振器39,53から成る第2のフィルタ機能単位と、弾性表面波共振器40,54から成る第3のフィルタ機能単位とを直列に接続して成るものである。上記第1〜第3のフィルタ機能単位は、タンタル酸リチウムから成る圧電性基板1上に形成されている。
【0026】
上記の弾性表面波共振器52,53,54は、各々入出力端子を備え、これら入出力端子を信号線に直列に接続させている。一方、弾性表面波共振器38,39,40は、その入出力端子の一方を上記の信号線に接続させ、他方を接地させている。なお、図中の50は弾性表面波高周波フィルタにおける入力端子であり、51が出力端子である。
【0027】
上記の並列接続された弾性表面波共振器38〜40は、それぞれ一つの簾状電極弾性表面波変換器2,3,4と、それを挟む一対のストリップ型梯子状反射器14,15、16,17、18,19を備えて構成されている。
【0028】
一方、信号線に直列に接続された弾性表面波共振器52〜54において、弾性表面波共振器52は、直列接続された簾状電極弾性表面波変換器8,9を具備し、弾性表面波共振器53は、直列接続された簾状電極弾性表面波変換器10,11を具備し、弾性表面波共振器54は、直列接続された簾状電極弾性表面波変換器12,13を具備する。そして、簾状電極弾性表面波変換器8〜13を挟むように一対のストリップ型梯子状反射器26,27、28,29、30,31、32,33、34,35、36,37が備えられている。
【0029】
即ち、弾性表面波共振器52は、直列接続された弾性表面波共振器44,45から成り、弾性表面波共振器53は、直列接続された弾性表面波共振器46,47から成り、弾性表面波共振器54は、直列接続された弾性表面波共振器48,49から成る。
【0030】
上記の簾状電極弾性表面波変換器2〜4,8〜13の電極指数は全て100本としている。ただし、簾状電極弾性表面波変換器2〜4における電極指の交差幅は200μmとし、簾状電極弾性表面波変換器8〜13における電極指の交差幅は100μmとしている。
【0031】
また、ストリップ型梯子状反射器14〜19,26〜37の電極指数は全て180本としている。
【0032】
上記の構成によれば、信号線に対し直列に接続された弾性表面波共振器52〜54のインピーダンスは、信号線に並列に接続された弾性表面波共振器38〜40のインピーダンスに比較して、4倍のインピーダンスを持ち、その周波数特性は急峻になる。これは、各弾性表面波共振器52〜54が、二つの簾状電極弾性表面波変換器44,45、46,47、48,49を直列に備えていることに加え、これら簾状電極弾性表面波変換器における電極指の交差幅が弾性表面波共振器38〜40における電極指の交差幅の半分とされているためである。
【0033】
このように、共振点と反共振点が移動することなしにインピーダンス特性の勾配が急峻になるので、挿入損失を少なくできると同時に帯域外において高い減衰量を得ることができる。
【0034】
図3は上記構造を有する弾性表面波高周波フィルタの周波数特性を示したグラフである。図11の従来構造の周波数特性を示す図14のグラフと比較すると、帯域外減衰量が20dB以上大きくなっていることが分かる。
【0035】
(実施例2)
以下、本発明の他の実施例を図4及び図5に基づき説明する。
【0036】
本実施例の弾性表面波高周波フィルタは、実施例1では信号線に直列接続された弾性表面波共振器における二つの簾状電極弾性表面波変換器の各々に一対のストリップ型梯子状反射器が備えられているのに対し、この実施例では、図4に示すように、信号線に直列接続された弾性表面波共振器52,53,54における二つの簾状電極弾性表面波変換器5a,5b、6a,6b、7a,7bが一対のストリップ型梯子状反射器20,21、22,23、24,25をそれぞれ共用するように構成したものである。図5は、信号線に直列接続された弾性表面波共振器の一つを拡大して示す模式的平面図である。
【0037】
二つの簾状電極弾性表面波変換器5a,5b、6a,6b、7a,7bにおける電極指数は各々100本であり、交差幅は100μmに設定されている。また、ストリップ型梯子状反射器20,21、22,23、34,25の電極指数は全て180本としている。
【0038】
上記構成の弾性表面波高周波フィルタにおいても、実施例1と同様、二つの簾状電極弾性表面波変換器が直列接続された構造が得られる。従って、共振点と反共振点が移動することなしにインピーダンス特性の勾配が急峻になり、挿入損失を減少できると同時に帯域外において高い減衰量を確保することができる。更に、ストリップ型梯子状反射器を共用する構造としたので、弾性表面波共振器の形成スペースが小さくなり、弾性表面波高周波フィルタの小型化が図れることになる。
【0039】
(実施例3)
本実施例の他の実施例を図6乃至図9に基づいて説明する。
【0040】
図6に弾性表面波高周波フィルタの模式的平面図を、図7にその等価回路図を示す。
【0041】
この弾性表面波高周波フィルタは、弾性表面波共振器82,85から成る第1のフィルタ機能単位と、弾性表面波共振器83,86から成る第2のフィルタ機能単位と、弾性表面波共振器84,87から成る第3のフィルタ機能単位とを直列に接続して成るものである。
【0042】
上記の弾性表面波共振器85,86,87は、各々入出力端子を備え、これら入出力端子を信号線に直列に接続させている。一方、弾性表面波共振器82,83,84は、その入出力端子の一方を上記の信号線に接続させ、他方を接地させている。
【0043】
上記の直列接続された弾性表面波共振器85〜87は、それぞれ一つの簾状電極弾性表面波変換器64,65,66と、それを挟む一対のストリップ型梯子状反射器76,77、78,79、80,81を備えて構成されている。
【0044】
一方、信号線に並列に接続された弾性表面波共振器82〜84において、弾性表面波共振器82は、並列接続された簾状電極弾性表面波変換器58,59を具備し、弾性表面波共振器83は、並列接続された簾状電極弾性表面波変換器60,61を具備し、弾性表面波共振器84は、直列接続された簾状電極弾性表面波変換器62,63を具備する。
【0045】
そして、簾状電極弾性表面波変換器58,59間及びその側方にはストリップ型梯子状反射器68,67,69が形成され、簾状電極弾性表面波変換器60,61間及びその側方にはストリップ型梯子状反射器71,70,72が形成され、簾状電極弾性表面波変換器62,63間及びその側方にはストリップ型梯子状反射器74,73,75が形成されている。
【0046】
即ち、信号線に並列接続される弾性表面波共振器82〜84は、二つの弾性表面波共振器を単に並列接続して構成されるのではなく、本来なら二つの弾性表面波共振器で四つ設けられるストリップ型梯子状反射器を三つにして弾性表面波高周波フィルタの小型化を図っている。図8には、上記信号線に並列接続された弾性表面波共振器の一つを拡大して示している。
【0047】
上記の簾状電極弾性表面波変換器58〜66の電極指数は全て100本としている。ただし、簾状電極弾性表面波変換器58〜63の交差幅は200μmとし、簾状電極弾性表面波変換器64〜66の交差幅は100μmとしている。
【0048】
また、ストリップ型梯子状反射器67〜81の電極指数は全て180本としている。
【0049】
上記の構成によれば、信号線に並列に接続された弾性表面波共振器82〜84は、二以上の簾状電極弾性表面波変換器を並列に具備して成り、更に、交差幅が2倍であるので、この共振器82〜84のインピーダンスは、簾状電極弾性表面波変換器を一つ具備するものと比較して1/4以下となる。
【0050】
従って、信号線に直列接続された弾性表面波共振器85〜87のインピーダンスの周波数特性がそのままでも、並列接続された弾性表面波共振器82〜84のインピーダンスとの対比ではその勾配は急峻になる。
【0051】
これにより、実施例1,2と同様、挿入損失を少なくできると同時に帯域外において高い減衰量を確保することができる。
【0052】
図9は上記構造を有する弾性表面波高周波フィルタの周波数特性を示したグラフである。図11の従来構造の周波数特性を示す図14のグラフと比較すると、帯域外減衰量が20dB以上大きくなっていることが分かる。
【0053】
なお、以上の実施例では、弾性表面波共振器は簾状電極弾性表面波変換器を二つ備えることとしたが、それ以上備える構成でもよいことは勿論である。また、第1の弾性表面波共振器が、簾状電極弾性表面波変換器を二つ以上直列に具備し且つ第2の弾性表面波共振器が、簾状電極弾性表面波変換器を二つ以上並列に具備する構成としてもよいものである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の弾性表面波高周波フィルタの模式的平面図である。
【図2】図1の弾性表面波高周波フィルタの等価回路図である。
【図3】図1の弾性表面波高周波フィルタの周波数特性図である。
【図4】本発明の他の実施例の弾性表面波高周波フィルタの模式的平面図である。
【図5】図4の弾性表面波高周波フィルタにおける信号線に直列接続された弾性表面波共振器の一つを拡大して示す模式的平面図である。
【図6】本発明の他の実施例の弾性表面波高周波フィルタの模式的回路図である。
【図7】図6の弾性表面波高周波フィルタの等価回路図である。
【図8】図6の弾性表面波高周波フィルタにおける信号線に並列接続された弾性表面波共振器の一つを拡大して示す模式的平面図である。
【図9】図6の弾性表面波高周波フィルタの周波数特性図である。
【図10】二つの簾状電極弾性表面波変換器を直列に具備した弾性表面波共振器(点線)のインピーダンスの周波数特性と、二つの簾状電極弾性表面波変換器を並列に具備した弾性表面波共振器(一点鎖線)のインピーダンスの周波数特性と、一つの簾状電極弾性表面波変換器を具備した弾性表面波共振器(実線)のインピーダンスの周波数特性を各々示すグラフである。
【図11】従来の弾性表面波高周波フィルタの模式的平面図である。
【図12】図11の弾性表面波高周波フィルタの等価回路図である。
【図13】弾性表面波高周波フィルタに使用する理想的二重共振型弾性表面波共振器のリアクタンスの周波数特性図である。
【図14】図11の弾性表面波高周波フィルタの周波数特性図である。
【符号の説明】
【0055】
1 タンタル酸リチウム基板
2〜4,8〜13,58〜66 簾状電極弾性表面波変換器
14〜37,67〜81 ストリップ型梯子状反射器
38〜40,82〜84 信号線に並列接続された弾性表面波共振器
52〜54,85〜87 信号線に直列接続された弾性表面波共振器
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性表面波高周波フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の自動車・携帯電話の急速な普及にともない、小型・高性能の高周波フィルタとして、弾性表面波高周波フィルタの必要性が高まり、既に、弾性表面波高周波フィルタの一種であるトランスバーサル型フィルタが実用化されている。
【0003】
しかし、更なる特性改善課題として、低損失化を図り、整合回路を不要にすることが要望され、このため共振器型フィルタが注目されている。共振器型フィルタの構成方法は種々考えられているが、ここではその中の一つである梯子型の弾性表面波高周波フィルタ(例えば、特許文献1参照。)について説明する。
【0004】
図11は、従来の弾性表面波高周波フィルタの回路図であり、図12はその等価回路図である。図中107〜109は信号線に並列に接続された弾性表面波共振器であり、110〜112は信号線に直列に接続された弾性表面波共振器である。上記の弾性表面波共振器107,110により第1のフィルタ機能単位が形成され、弾性表面波共振器108,111により第2のフィルタ機能単位が形成され、弾性表面波共振器109,112により第3のフィルタ機能単位が形成される。弾性表面波共振器107〜112は、二重共振特性を持つ二端子の共振器である。また、図中50,51は弾性表面波高周波フィルタにおける入出力端子を示す。
【0005】
図13は、弾性表面波共振器の周波数特性を理想化して示したグラフである。説明の簡略のため、ここではインピーダンスは純リアクタンスであるとし、直列接続された共振器110〜112のそれをX1、並列接続された共振器107〜109のそれをX2として示している。
【0006】
さて、各々の共振器は二重共振特性を持っているので、そのインピーダンスは0及び無限大になる2つの共振周波数を持っている。仮にインピーダンスが0になる周波数を共振周波数、若しくは、共振点と呼び、インピーダンスが無限大になる周波数を反共振周波数、若しくは、反共振点と呼ぶことにする。
【0007】
上記共振器110〜112の共振点と共振器107〜109の反共振点を一致させると、その周波数付近においては、共振器110〜112はON状態になり、共振器107〜109はOFF状態になるため、通過帯域となる。一方、共振器110〜112は反共振点において、OFF状態になるため、通過帯域より高周波側に減衰極が発生する。また、共振器107〜109は共振点において、ON状態になるため、通過帯域より低周波側でも減衰極が発生する。
【特許文献1】特開平4−81823号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の弾性表面波高周波フィルタでは、図14の周波数特性から明らかなように、高い帯域外減衰量を確保することができない。一方、高い帯域外減衰量を得ようとすると挿入損失が増加してしまう。
【0009】
この解決策としては、信号線に対して直列に接続された共振器のインピーダンスの周波数特性を、信号線に並列に接続した共振器のインピーダンスの周波数特性と比較して、共振点と反共振点の周波数差を保ったまま急峻にすることが有効である。
【0010】
インピーダンス特性を急峻にする方法として、例えば、簾状電極弾性表面波変換器の電極指数を減少させる方法がある。しかし、この方法ではインピーダンスの変化が低周波数側と高周波数側で非対象に発生し、共振点と反共振点の周波数が変化してしまうので、上記の目的の為には適当でない。
【0011】
また、電極指の交差幅を減少させる方法がある(特開平4−81823号公報参照)。しかし、電極指の交差幅を元の数分の一程度まで減少させてしまうと、電極指の端面での浮遊容量や電極表面波と電極指間接続電極との相互作用など算出困難な要因が無視できなくなり、やはり、共振点と反共振点の周波数差が変化してしまう。
【0012】
本発明は、上記の事情に鑑み、信号線に対して直列に接続された共振器のインピーダンスの周波数特性を信号線に並列に接続した共振器のインピーダンスの周波数特性と比較して、共振点と反共振点の周波数差を保ったまま、急峻にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の弾性表面波高周波フィルタは、上記の課題を解決するために、信号線に入出力端子が直列に接続された第1の弾性表面波共振器と、上記の信号線に入出力端子の一方が接続され他方が接地された第2の弾性表面波共振器とから成るフィルタ機能単位を備えて成る弾性表面波高周波フィルタにおいて、上記第1の弾性表面波共振器が、簾状電極弾性表面波変換器を二つ以上直列に具備していることを特徴としている。
【0014】
また、本発明の弾性表面波高周波フィルタは、信号線に入出力端子が直列に接続された第1の弾性表面波共振器と、上記の信号線に入出力端子の一方が接続され他方が接地された第2の弾性表面波共振器とから成るフィルタ機能単位を備えて成る弾性表面波高周波フィルタにおいて、上記第2の弾性表面波共振器が、簾状電極弾性表面波変換器を二つ以上並列に具備していることを特徴とする。
【0015】
更に、上記構成において、フィルタ機能単位を二つ以上直列に備えてもよいものである。
【0016】
上記第1の構成において、二つの簾状電極弾性表面波変換器を直列に具備した弾性表面波共振器のインピーダンスは、図10において点線で示されるように、簾状電極弾性表面波変換器を一つだけ具備するもの(実線で示す)に比べて2倍となる。
【0017】
即ち、簾状電極弾性表面波変換器を一つだけ具備する共振器のインピーダンスをZ1(f)とすると、簾状電極弾性表面波変換器を二つ直列に具備する共振のインピーダンスZ2(f)は、次の数式で示される。
【数1】
【0018】
このように、第1の弾性表面波共振器のインピーダンスの周波数特性は、第2の弾性表面波共振器のインピーダンスの周波数特性と比較して、共振点と反共振点の周波数差を保ったまま急峻になる。よって、挿入損失を減少できると同時に帯域外において高い減衰量を得ることが可能となる。
【0019】
また、第2の構成において、二つの簾状電極弾性表面波変換器を並列に具備した弾性表面波共振器のインピーダンスは、図10において一点鎖線で示されるように、簾状電極弾性表面波変換器を一つだけ具備するもの(実線で示す)の半分となる。
【0020】
即ち、簾状電極弾性表面波変換器を一つだけ具備する共振器のインピーダンスをZ1(f)とすると、簾状電極弾性表面波変換器を二つ並列に具備する共振のインピーダンスZ3(f)は、次の数式で示される。
【数2】
【0021】
従って、第1の弾性表面波共振器のインピーダンスの周波数特性がそのままでも、第2の弾性表面波共振器のインピーダンスとの対比ではその勾配は急峻になるので、挿入損失を減少できると同時に帯域外において高い減衰量を確保することが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、本発明によれば、信号線に対して直列に接続された共振器のインピーダンスの周波数特性を、信号線に並列に接続した共振器のインピーダンスの周波数特性と比較して、共振点と反共振点の周波数差を保ったまま急峻にすることができるので、低挿入損失と高帯域外減衰量を同時に満足させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明をその実施例を示す図に基づいて説明する。
【実施例】
【0024】
(実施例1)
図1に弾性表面波高周波フィルタの模式的平面図を、図2にその等価回路図を示す。
【0025】
この弾性表面波高周波フィルタは、弾性表面波共振器38,52から成る第1のフィルタ機能単位と、弾性表面波共振器39,53から成る第2のフィルタ機能単位と、弾性表面波共振器40,54から成る第3のフィルタ機能単位とを直列に接続して成るものである。上記第1〜第3のフィルタ機能単位は、タンタル酸リチウムから成る圧電性基板1上に形成されている。
【0026】
上記の弾性表面波共振器52,53,54は、各々入出力端子を備え、これら入出力端子を信号線に直列に接続させている。一方、弾性表面波共振器38,39,40は、その入出力端子の一方を上記の信号線に接続させ、他方を接地させている。なお、図中の50は弾性表面波高周波フィルタにおける入力端子であり、51が出力端子である。
【0027】
上記の並列接続された弾性表面波共振器38〜40は、それぞれ一つの簾状電極弾性表面波変換器2,3,4と、それを挟む一対のストリップ型梯子状反射器14,15、16,17、18,19を備えて構成されている。
【0028】
一方、信号線に直列に接続された弾性表面波共振器52〜54において、弾性表面波共振器52は、直列接続された簾状電極弾性表面波変換器8,9を具備し、弾性表面波共振器53は、直列接続された簾状電極弾性表面波変換器10,11を具備し、弾性表面波共振器54は、直列接続された簾状電極弾性表面波変換器12,13を具備する。そして、簾状電極弾性表面波変換器8〜13を挟むように一対のストリップ型梯子状反射器26,27、28,29、30,31、32,33、34,35、36,37が備えられている。
【0029】
即ち、弾性表面波共振器52は、直列接続された弾性表面波共振器44,45から成り、弾性表面波共振器53は、直列接続された弾性表面波共振器46,47から成り、弾性表面波共振器54は、直列接続された弾性表面波共振器48,49から成る。
【0030】
上記の簾状電極弾性表面波変換器2〜4,8〜13の電極指数は全て100本としている。ただし、簾状電極弾性表面波変換器2〜4における電極指の交差幅は200μmとし、簾状電極弾性表面波変換器8〜13における電極指の交差幅は100μmとしている。
【0031】
また、ストリップ型梯子状反射器14〜19,26〜37の電極指数は全て180本としている。
【0032】
上記の構成によれば、信号線に対し直列に接続された弾性表面波共振器52〜54のインピーダンスは、信号線に並列に接続された弾性表面波共振器38〜40のインピーダンスに比較して、4倍のインピーダンスを持ち、その周波数特性は急峻になる。これは、各弾性表面波共振器52〜54が、二つの簾状電極弾性表面波変換器44,45、46,47、48,49を直列に備えていることに加え、これら簾状電極弾性表面波変換器における電極指の交差幅が弾性表面波共振器38〜40における電極指の交差幅の半分とされているためである。
【0033】
このように、共振点と反共振点が移動することなしにインピーダンス特性の勾配が急峻になるので、挿入損失を少なくできると同時に帯域外において高い減衰量を得ることができる。
【0034】
図3は上記構造を有する弾性表面波高周波フィルタの周波数特性を示したグラフである。図11の従来構造の周波数特性を示す図14のグラフと比較すると、帯域外減衰量が20dB以上大きくなっていることが分かる。
【0035】
(実施例2)
以下、本発明の他の実施例を図4及び図5に基づき説明する。
【0036】
本実施例の弾性表面波高周波フィルタは、実施例1では信号線に直列接続された弾性表面波共振器における二つの簾状電極弾性表面波変換器の各々に一対のストリップ型梯子状反射器が備えられているのに対し、この実施例では、図4に示すように、信号線に直列接続された弾性表面波共振器52,53,54における二つの簾状電極弾性表面波変換器5a,5b、6a,6b、7a,7bが一対のストリップ型梯子状反射器20,21、22,23、24,25をそれぞれ共用するように構成したものである。図5は、信号線に直列接続された弾性表面波共振器の一つを拡大して示す模式的平面図である。
【0037】
二つの簾状電極弾性表面波変換器5a,5b、6a,6b、7a,7bにおける電極指数は各々100本であり、交差幅は100μmに設定されている。また、ストリップ型梯子状反射器20,21、22,23、34,25の電極指数は全て180本としている。
【0038】
上記構成の弾性表面波高周波フィルタにおいても、実施例1と同様、二つの簾状電極弾性表面波変換器が直列接続された構造が得られる。従って、共振点と反共振点が移動することなしにインピーダンス特性の勾配が急峻になり、挿入損失を減少できると同時に帯域外において高い減衰量を確保することができる。更に、ストリップ型梯子状反射器を共用する構造としたので、弾性表面波共振器の形成スペースが小さくなり、弾性表面波高周波フィルタの小型化が図れることになる。
【0039】
(実施例3)
本実施例の他の実施例を図6乃至図9に基づいて説明する。
【0040】
図6に弾性表面波高周波フィルタの模式的平面図を、図7にその等価回路図を示す。
【0041】
この弾性表面波高周波フィルタは、弾性表面波共振器82,85から成る第1のフィルタ機能単位と、弾性表面波共振器83,86から成る第2のフィルタ機能単位と、弾性表面波共振器84,87から成る第3のフィルタ機能単位とを直列に接続して成るものである。
【0042】
上記の弾性表面波共振器85,86,87は、各々入出力端子を備え、これら入出力端子を信号線に直列に接続させている。一方、弾性表面波共振器82,83,84は、その入出力端子の一方を上記の信号線に接続させ、他方を接地させている。
【0043】
上記の直列接続された弾性表面波共振器85〜87は、それぞれ一つの簾状電極弾性表面波変換器64,65,66と、それを挟む一対のストリップ型梯子状反射器76,77、78,79、80,81を備えて構成されている。
【0044】
一方、信号線に並列に接続された弾性表面波共振器82〜84において、弾性表面波共振器82は、並列接続された簾状電極弾性表面波変換器58,59を具備し、弾性表面波共振器83は、並列接続された簾状電極弾性表面波変換器60,61を具備し、弾性表面波共振器84は、直列接続された簾状電極弾性表面波変換器62,63を具備する。
【0045】
そして、簾状電極弾性表面波変換器58,59間及びその側方にはストリップ型梯子状反射器68,67,69が形成され、簾状電極弾性表面波変換器60,61間及びその側方にはストリップ型梯子状反射器71,70,72が形成され、簾状電極弾性表面波変換器62,63間及びその側方にはストリップ型梯子状反射器74,73,75が形成されている。
【0046】
即ち、信号線に並列接続される弾性表面波共振器82〜84は、二つの弾性表面波共振器を単に並列接続して構成されるのではなく、本来なら二つの弾性表面波共振器で四つ設けられるストリップ型梯子状反射器を三つにして弾性表面波高周波フィルタの小型化を図っている。図8には、上記信号線に並列接続された弾性表面波共振器の一つを拡大して示している。
【0047】
上記の簾状電極弾性表面波変換器58〜66の電極指数は全て100本としている。ただし、簾状電極弾性表面波変換器58〜63の交差幅は200μmとし、簾状電極弾性表面波変換器64〜66の交差幅は100μmとしている。
【0048】
また、ストリップ型梯子状反射器67〜81の電極指数は全て180本としている。
【0049】
上記の構成によれば、信号線に並列に接続された弾性表面波共振器82〜84は、二以上の簾状電極弾性表面波変換器を並列に具備して成り、更に、交差幅が2倍であるので、この共振器82〜84のインピーダンスは、簾状電極弾性表面波変換器を一つ具備するものと比較して1/4以下となる。
【0050】
従って、信号線に直列接続された弾性表面波共振器85〜87のインピーダンスの周波数特性がそのままでも、並列接続された弾性表面波共振器82〜84のインピーダンスとの対比ではその勾配は急峻になる。
【0051】
これにより、実施例1,2と同様、挿入損失を少なくできると同時に帯域外において高い減衰量を確保することができる。
【0052】
図9は上記構造を有する弾性表面波高周波フィルタの周波数特性を示したグラフである。図11の従来構造の周波数特性を示す図14のグラフと比較すると、帯域外減衰量が20dB以上大きくなっていることが分かる。
【0053】
なお、以上の実施例では、弾性表面波共振器は簾状電極弾性表面波変換器を二つ備えることとしたが、それ以上備える構成でもよいことは勿論である。また、第1の弾性表面波共振器が、簾状電極弾性表面波変換器を二つ以上直列に具備し且つ第2の弾性表面波共振器が、簾状電極弾性表面波変換器を二つ以上並列に具備する構成としてもよいものである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の弾性表面波高周波フィルタの模式的平面図である。
【図2】図1の弾性表面波高周波フィルタの等価回路図である。
【図3】図1の弾性表面波高周波フィルタの周波数特性図である。
【図4】本発明の他の実施例の弾性表面波高周波フィルタの模式的平面図である。
【図5】図4の弾性表面波高周波フィルタにおける信号線に直列接続された弾性表面波共振器の一つを拡大して示す模式的平面図である。
【図6】本発明の他の実施例の弾性表面波高周波フィルタの模式的回路図である。
【図7】図6の弾性表面波高周波フィルタの等価回路図である。
【図8】図6の弾性表面波高周波フィルタにおける信号線に並列接続された弾性表面波共振器の一つを拡大して示す模式的平面図である。
【図9】図6の弾性表面波高周波フィルタの周波数特性図である。
【図10】二つの簾状電極弾性表面波変換器を直列に具備した弾性表面波共振器(点線)のインピーダンスの周波数特性と、二つの簾状電極弾性表面波変換器を並列に具備した弾性表面波共振器(一点鎖線)のインピーダンスの周波数特性と、一つの簾状電極弾性表面波変換器を具備した弾性表面波共振器(実線)のインピーダンスの周波数特性を各々示すグラフである。
【図11】従来の弾性表面波高周波フィルタの模式的平面図である。
【図12】図11の弾性表面波高周波フィルタの等価回路図である。
【図13】弾性表面波高周波フィルタに使用する理想的二重共振型弾性表面波共振器のリアクタンスの周波数特性図である。
【図14】図11の弾性表面波高周波フィルタの周波数特性図である。
【符号の説明】
【0055】
1 タンタル酸リチウム基板
2〜4,8〜13,58〜66 簾状電極弾性表面波変換器
14〜37,67〜81 ストリップ型梯子状反射器
38〜40,82〜84 信号線に並列接続された弾性表面波共振器
52〜54,85〜87 信号線に直列接続された弾性表面波共振器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号線に直列に接続された第1の弾性表面波共振器と、前記信号線に並列に接続された第2の弾性表面波共振器とから成るフィルタ機能単位を複数有する弾性表面波高周波フィルタであって、
前記複数のフィルタ機能単位のうち前記弾性表面波高周波フィルタの入力端子に最初に接続されている前記フィルタ機能単位は、前記信号線に並列に接続された弾性表面波共振器を介することなく前記入力端子に接続されており、
前記最初に接続されている前記フィルタ機能単位内では、前記入力端子側から、2つ以上直列接続された簾状弾性表面波変換器および前記簾状弾性表面波変換器を挟む一対の反射器から成る直列腕弾性表面波共振器を具備する前記第1の弾性表面波共振器と、前記第2の弾性表面波共振器とが順に接続されていることを特徴とする弾性表面波高周波フィルタ。
【請求項1】
信号線に直列に接続された第1の弾性表面波共振器と、前記信号線に並列に接続された第2の弾性表面波共振器とから成るフィルタ機能単位を複数有する弾性表面波高周波フィルタであって、
前記複数のフィルタ機能単位のうち前記弾性表面波高周波フィルタの入力端子に最初に接続されている前記フィルタ機能単位は、前記信号線に並列に接続された弾性表面波共振器を介することなく前記入力端子に接続されており、
前記最初に接続されている前記フィルタ機能単位内では、前記入力端子側から、2つ以上直列接続された簾状弾性表面波変換器および前記簾状弾性表面波変換器を挟む一対の反射器から成る直列腕弾性表面波共振器を具備する前記第1の弾性表面波共振器と、前記第2の弾性表面波共振器とが順に接続されていることを特徴とする弾性表面波高周波フィルタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−295990(P2006−295990A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−209110(P2006−209110)
【出願日】平成18年7月31日(2006.7.31)
【分割の表示】特願2005−345787(P2005−345787)の分割
【原出願日】平成5年9月9日(1993.9.9)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月31日(2006.7.31)
【分割の表示】特願2005−345787(P2005−345787)の分割
【原出願日】平成5年9月9日(1993.9.9)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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