説明

復号化装置、復号方法およびディスク型記録媒体

【課題】
副映像の表示位置や表示サイズを1フレーム単位の精度で指定でき、かつ指定方法に柔軟性のある符号化映像信号の復号化表示装置を提供する。
【解決手段】
副映像の表示位置および表示サイズに関する表示補助情報および該表示補助情報を適用する適用時刻情報を含む補助情報を解析する補助情報解析手段と、映像の復号・表示の基準時刻を示す基準時刻カウンタと、上記適用時刻情報と上記基準時刻カウンタとを比較する比較手段と、主映像および副映像を用いて表示画面を形成する表示画面形成手段と、上記表示画面形成手段を制御する制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、符号化映像信号を復号化し表示する復号化装置、復号方法およびディスク型記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術としては、例えば特開2000−134572号公報(特許文献1)がある。本公報には課題として「DVDプレーヤ等の再生装置からディジタル信号で、ビデオ、音声、サブピクチャ等をディジタルTV受信機へ出力する。」と記載がある。また、解決手段として「音声デコーダ11でデコードされたPCM音声信号は、プレゼンテーションエンジン17で提示時刻合わせした後、PCM/1394パケット変換部27でパケットに変換される。サブピクチャデコーダ15でデコードされたサブピクチャは、プレゼンテーションエンジン17で提示時刻合わせした後、1394パケット変換部29でパケットに変換される。ビデオPESは、SCRとともにMPEG−PS/TS変換部25でTSに変換され、MPEG−TS/1394パケット変換部31でパケットに変換される。各アイソクロナスパケットはリンク層33、物理層35を介してディジタルTVへ送られる。」と記載がある。
【0003】
また、本技術分野の背景技術としては、例えば非特許文献1もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−134572号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】ISO/IEC13818−2(MPEG2 Video)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
符号化映像信号を復号化し表示する復号化表示装置の一種としてDVD(Digital Versatile Disc)プレーヤが普及している。DVDプレーヤの場合には、符号化映像信号を格納したディスクからビットストリームを読み取り、プレーヤ内の復号器により映像信号を復号化して、表示を行う。
【0007】
DVDにおいては、主となる映像(以下主映像という)のほかに、サブピクチャと呼ばれる副映像を合わせて再生を行うことが可能である。この副映像は主映像と内容に密接な関連性がある場合があり、そのような場合においては主映像と副映像とを同期させて表示することが望まれる。例えば特許文献1において、主映像と副映像とを同期させて表示する技術が開示されている。
【0008】
一方、主映像と副映像を連携させて表示させる際、主映像の内容に応じて副映像の位置やサイズを変更できると便利である。例えば図2(a)においては、主映像内の人物を副映像が隠すことを避けるため、副映像は右上に重畳されている。一方図2(b)においては、主映像の人物が映像内の右側に移動している。このとき、副映像の位置が図2(a)のままだと人物を隠してしまう。したがって、主映像内の人物の移動に応じて副映像の表示位置を図2(b)のように左側に移動させることができれば、人物が隠れてしまうことがない。
【0009】
この例の場合、副映像の表示位置は、主映像との整合性をよく考慮して指定する必要があるため、主映像のコンテンツ作成者が表示位置を指定できる仕組みがあると便利である。その場合、表示位置や表示サイズは1フレーム単位の精度を持って指定できる必要がある。また、同様のことは、副映像の画像サイズについても当てはまる。
【0010】
符号化映像信号の表示位置や表示サイズを指定する技術が、非特許文献1において開示されている。上記技術においては、符号化映像信号中に表示位置や表示サイズの情報が挿入されており、表示位置はフレーム単位で指定することが可能となっている。
【0011】
ところで、このような表示位置や表示サイズといった副映像信号に対する付加情報は、その内容が本来アプリケーションに強く依存しているものである。すなわち、DVDなどの各種ストレージメディアや、放送系、インターネットによる配信など、符号化映像信号を用いたシステムには様々な種類があり、それぞれに応じて必要とされる機能や付加情報の種類、フォーマット、伝送方法などが一般に異なるものである。
【0012】
したがって、このような付加情報の解析、抽出を仮にハードウエアで行おうとすると、様々なアプリケーションに対応できるフレキシビリティを持たせることが困難となる。また将来新たなアプリケーションが登場した際には、それに対応するためにはハードウエアの改変を行う必要があり、コストがかかる。
【0013】
一方、ソフトウエアで付加情報の解析、抽出を行えばフレキシビリティを持たせることが出来、将来新たなアプリケーションが登場した際の対応も比較的容易である。しかし、ソフトウエアで処理を行うと処理速度が間に合わない場合も考えられ、上述した1フレーム単位の精度を持った指定が保証できない可能性もある。
【0014】
本発明は以上を鑑みてなされたものであり、副映像(セカンダリビデオ等)の表示位置や表示サイズを1フレーム単位の精度で指定でき、かつ指定方法に柔軟性のある符号化映像信号の復号化表示装置を提供する。
【0015】
本発明の課題は、復号化装置の使い勝手を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題は、特許請求の範囲に記載の発明により解決される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、復号化装置の使い勝手を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】一実施例における復号化表示装置のブロック図
【図2】一実施例における主映像と副映像の重ね合わせの説明図
【図3】一実施例における補助情報の説明図
【図4】一実施例における復号化表示装置のブロック図
【図5】一実施例における補助情報の説明図
【図6】一実施例における補助情報の説明図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下本発明の実施例を説明するが、背景技術ならびに発明の開示の欄において説明したDVDにおける副映像(サブピクチャ等)と、以下にいう副映像(セカンダリビデオ等)とは、次の点で異なっている。すなわち、DVDにおけるサブピクチャは、OSD画像のように、主映像に比較して階調数が少なく画像の更新が秒単位で不定期に行われる画像を対象にしているのに対し、以下実施例における副映像は、主映像と同等の階調数、フレームレートを持つ自然画像を対象にしている。また、上記の特性からDVDサブピクチャはランレングス圧縮のような簡易な符号化方式で十分実用となるが、以下実施例における副映像は主映像と同様、MPEG等に代表されるフレーム間相関を利用した高度な動画像圧縮方式を用い、したがって主映像と同等の復号器を必要とする点においてDVDサブピクチャとは異なっている。
【実施例1】
【0020】
図1に本発明の第1の実施例であるビデオディスク再生装置のブロック図を示す。ディスク11には主映像、ローカルストレージ81には副映像の符号化映像信号および補助情報が格納されている。ディスク11から読み出された主映像の符号化映像信号は、デコーダ21に入力される。デコーダ21では入力された符号化映像信号の復号化が行われ、その結果である主映像が表示画面形成部71に出力される。
【0021】
同様に、ローカルストレージ81から読み出された副映像の符号化映像信号は、デコーダ22に入力される。デコーダ22では入力された符号化映像信号の復号化が行われ、その結果である副映像が表示画面形成部71に出力される。基準時刻カウンタ部41は、復号化を行う基準時刻をカウントし、デコーダ21、22、表示画面形成部71、比較部51に対し基準時刻を出力する。デコーダ21および22は基準時刻カウンタ部41から出力された上記基準時刻に基づき復号化処理を行う。これにより、主映像および副映像を同期化して復号化処理を行うことが可能である。
【0022】
さらにローカルストレージ81から補助情報が読み出される。読み出された補助情報は、補助情報解析部31に送られる。
【0023】
補助情報解析部31では、補助情報の解析を行い、副映像の表示位置および表示サイズに関する表示補助情報、および該表示補助情報を適用する適用時刻情報を抽出する。抽出された表示補助情報は制御部61に送られる。また、抽出された適用時刻情報は比較部51に送られる。
【0024】
なお、上記補助情報の解析は、映像信号の復号化処理に先立って行うことが可能であるため、補助情報の解析処理は余裕を持って行うことが可能である。したがって、本実施例においては、補助情報解析部31における処理の一部をソフトウエア処理によって実現している。
【0025】
この補助情報解析部31における処理についてさらに詳細に説明する。図3は補助情報解析部31にビットストリームの形で供給された補助情報の一部を示したものである。補助情報はパケット単位で区切られ、パケット毎にパケットヘッダが挿入されている。副映像の表示位置に関する情報、および表示サイズに関する情報が、上記パケット中の所定の位置に、それぞれ格納されており、各情報をCPUにより抽出することが可能である。
【0026】
また、上記表示サイズは、表示を行う際の副映像の水平および垂直の各画素数の情報により構成されている。
【0027】
次に、比較部51では、上記適用時刻情報および、基準時刻カウンタ41から入力された基準時刻の比較を行い、比較結果を制御部61に対し出力する。
【0028】
制御部61では、比較部51から入力された比較の結果が「一致」を示した時点で、表示画面形成部71に対し、補助情報解析部31から入力された表示補助情報を用いて、副映像の表示位置および表示サイズに関する指示を与える。
【0029】
表示画面形成部71では、主映像と副映像の画面を合成し、表示画面を形成する。その際、制御部61からの指示内容に基づき、副映像の縮小または拡大を行い、指定された画像サイズに変換する。さらに、制御部61からの指示内容に基づき、主映像に対して指定された位置に副映像の重ね合わせを行う。形成された表示画面は画像出力として本ビデオディスク再生装置から出力される。そして復号化装置100からの出力後は、表示装置200に表示される。
【0030】
このように、本実施例によれば、副映像の表示位置および表示サイズを適用時刻情報によって指定された時刻に精度良く適用することが可能である。
【0031】
さらに、補助情報解析部31の処理の一部をソフトウエアで実現することが可能であるため、様々なアプリケーションに応じて付加情報の種類やフォーマットが仮に変更になった場合でも柔軟に対応することが可能である。なお、上記説明において、表示サイズの情報が、表示を行う際の副映像の水平および垂直の各画素数の情報により構成されている例を示したが、画素数情報の代わりに副映像の符号化画像サイズに対する表示時の画像サイズの倍率の情報で構成しても良い。この場合は、副映像の符号化画像サイズと表示時の画像サイズの比率を計算することによって副映像に対する縮小/拡大率を求める処理を省略できる。その他の点については本実施例とほぼ同様の効果を得ることが可能である。
【実施例2】
【0032】
図4に本発明の第2の実施例であるビデオディスク再生装置のブロック図を示す。実施例1と同様の部分については説明を省略する。
【0033】
なお、本実施例では、実施例1と異なり副映像および補助情報が主映像とともにディスク11に記録されている例を示す。実施例2のようにディスク11上に副映像および補助情報が記録されているときは、後述するようにネットワークに接続されていない環境においても副映像を楽しむことができる。一方実施例1のようにローカルストレージ81に記録されているときは、例えばディスク11上に副映像および補助情報が記録されていないときでも、その後リムーバブル記録媒体やネットワークを介し両情報を取得後、副映像を楽しむことができる。また、ディスク11上に副映像および補助情報が記録されているときでも、その後最新の両情報を取得後に最新の副映像を楽しむことができる等のメリットがある。
【0034】
本実施例においては、符号化映像信号が、各フレームを一意に識別するフレームIDを各フレームの符号化情報の中に含んでいる。
【0035】
デコーダ22においては、副映像の復号化処理の際に、上記各フレームのフレームIDの抽出も合わせて行い、比較部52に出力する。
【0036】
図5は、補助情報解析部31に入力される補助情報の一部を示したものである。先の図3における適用時刻情報の代わりに、適用フレームID情報が挿入されている。この適用フレームIDを抽出し、比較部52に出力する。
【0037】
比較部52では、上記適用フレームID情報および、デコーダ22から入力された各フレームのフレームIDの比較を行い、比較結果を制御部61に対し出力する。
【0038】
以上の構成により、符号化映像信号が、各フレームを一意に識別するフレームIDを各フレームの符号化情報の中に含んでいるシステムを用いる場合において、実施例1と同様の効果を得ることが可能である。
【実施例3】
【0039】
次に、本発明の第3の実施例について説明する。実施例1と同様の内容については説明を省略する。
【0040】
実施例1との違いは、補助情報の内容である。本実施例においては、補助情報がCPUに対するコマンドとして与えられることである。
【0041】
図6に補助情報解析部31に供給される補助情報の一部を示す。このようにCPUに対して、例えばJAVA(登録商標)言語のようなコマンドとして与えられる。本発明においては、補助情報解析部31の処理の一部をソフトウエア処理で行っているので、このようにコマンドの形で補助情報が供給されることにより情報をスムーズに取り扱うことが可能であるという利点がある。その他の点に関しても、実施例1と同様の効果を得ることが可能である。
【実施例4】
【0042】
次に、本発明の第4の実施例について説明する。第1の実施例と異なる点についてのみ説明する。
【0043】
本実施例の特徴は、補助情報の中に、副映像の表示位置の移動に関する特殊効果情報を含めたことにある。具体的には、単位時間当たりの副映像の水平方向の移動量dXと、表示位置の適用を開始する適用開始時刻t0と、表示位置の移動を適用する適用継続時間tLASTとを補助情報の中に含めている。これにより、時刻t0における水平方向の副映像の表示位置をx0とすると、時刻t0+t(0≦t≦tLAST)における水平方向の副映像の表示位置はx0+t×dXで表すことが可能である。
【0044】
垂直方向についても、同様に考えることができる。なお、ここで用いる時刻情報は少なくとも1フレーム単位以上の精度を持って時刻を指定できるだけの分解能を持たせることを想定している。
【0045】
本実施例の利点は、一定速度で継続的に副映像が移動する場合に、副映像の位置を指定するのに必要な補助情報の符号量を少なく出来、したがって、補助情報を蓄えるためのディスク容量を削減することが可能であることである。
【0046】
なお、上記における時間・時刻の概念の代わりに、フレーム数で考えても良い。すなわち、「単位時間当たり」、「適用開始時刻」、「適用継続時間」の代わりに、それぞれ、「1フレーム当たり」、「適用開始フレームID」、「適用継続フレーム数」の情報を用いても、同様の効果を得ることが可能である。
【実施例5】
【0047】
次に、本発明の第5の実施例について説明する。第1の実施例と異なる点についてのみ説明する。
【0048】
本実施例の特徴は、補助情報の中に、副映像の表示位置の移動に関する特殊効果情報を含めたことにある。具体的には、単位時間当たりの副映像の水平方向の移動量dXと、表示位置の適用を開始する適用開始時刻t0と、表示位置の移動を適用する適用終了時刻tEとを補助情報の中に含めている。これにより、時刻t0における水平方向の副映像の表示位置をx0とすると、時刻t0+t(0≦t≦tE−t0)における水平方向の副映像の表示位置はx0+t×dXで表すことが可能である。
【0049】
垂直方向についても、同様に考えることができる。
【0050】
本実施例の利点は、一定速度で継続的に副映像が移動する場合に、副映像の位置を指定するのに必要な補助情報の符号量を少なく出来、したがって、補助情報を蓄えるためのディスク容量を削減することが可能であることである。
【0051】
なお、上記における時間・時刻の概念の代わりに、フレーム数で考えても良い。すなわち、「単位時間当たり」、「適用開始時刻」、「適用終了時刻」の代わりに、それぞれ、「1フレーム当たり」、「適用開始フレームID」、「適用終了フレームID」の情報を用いても、同様の効果を得ることが可能である。
【実施例6】
【0052】
次に、本発明の第6の実施例について説明する。第1の実施例と異なる点についてのみ説明する。
【0053】
本実施例の特徴は、補助情報の中に、副映像の表示サイズの変更に関する特殊効果情報を含めたことにある。具体的には、単位時間当たりの副映像の表示倍率の変更量dSと、表示サイズ変更の適用を開始する適用開始時刻t0と、表示サイズ変更を適用する適用継続時間tLASTとを補助情報の中に含めている。これにより、時刻t0における水平方向の副映像の表示サイズ(倍率)をS0とすると、時刻t0+t(0≦t≦tLAST)における表示サイズ(倍率)はS0+t×dSで表すことが可能である。
【0054】
本実施例の利点は、一定速度で継続的に副映像が拡大(ズームイン)または縮小(ズームアウト)する場合に、副映像の表示サイズを指定するのに必要な補助情報の符号量を少なく出来、したがって、補助情報を蓄えるためのディスク容量を削減することが可能であることである。
【0055】
なお、上記における時間・時刻の概念の代わりに、フレーム数で考えても良い。すなわち、「単位時間当たり」、「適用開始時刻」、「適用継続時間」の代わりに、それぞれ、「1フレーム当たり」、「適用開始フレームID」、「適用継続フレーム数」の情報を用いても、同様の効果を得ることが可能である。
【0056】
以上実施例1から実施例5において、ビデオディスク再生装置の例に引いて説明を行ったが、本発明はそれに限定されるものではない。例えば、符号化映像が電波もしくは有線により伝送される受信機においても同様の効果が期待できる。また例えば、映画等を例にとれば、主映像に対する映画本編を再生する際に、その本編のシーンに関連する副映像をネットワークを介し取得し、表示装置で復号化した後、本編に同期しあるいは重畳し、その本編に関連するシーンのセカンダリビデオとしてより映画を楽しむことができる。
【0057】
その他の実施例としては、第一の符号化映像信号が入力される第一の入力部と、第二の符号化映像信号が入力される第二の入力部と、前記第一の符号化映像信号を復号化する第一の復号化部と、前記第二の符号化映像信号を復号化する第二の復号化部と、前記第一および第二の復号化部が復号化した映像信号を表示手段に表示するよう出力する出力部と、前記第二の復号化部が復号化する映像信号の、前記表示手段への表示位置および/または表示サイズに関する情報を制御する制御部と、を有し、前記制御部の制御により前記第二の復号化部が復号化した映像信号を第一の復号化部が復号化した映像信号へ同期し、表示するよう制御する復号化装置によっても復号化装置における使い勝手を向上できる。また、前記表示手段への表示位置および/または表示サイズに関する情報には、時間に関する情報が含まれ、前記制御部は、前記時間に関する情報により前記第二の復号化部が復号化した映像信号を第一の復号化部が復号化した映像信号へ同期し、表示するよう制御する復号化映像表示装置によっても復号化表示装置における使い勝手を向上できる。また、第一の符号化映像信号が入力され、第二の符号化映像信号が入力され、前記入力された第一の符号化映像信号を復号化し、前記入力された第二の符号化映像信号を復号化し、前記復号化された第二の復号化映像信号の、表示手段への表示位置および/または表示サイズに関する情報を制御し、前記表示手段への表示位置および/または表示サイズに関する情報に対応し、前記第二の復号化映像信号を前記第一の復号化映像信号へ同期し、表示する復号化方法によっても復号化方法における使い勝手を向上できる。また、第一の符号化映像信号と第二の符号化映像信号が記録されるディスク型記録媒体であって、前記第一の符号化映像信号と前記第二の符号化映像信号を復号化し、第一の映像信号に第二の映像信号を同期し表示するよう、前記第二の映像信号の表示位置および/または表示サイズならびにそのタイミングに関する情報が記録されているディスク型記録媒体によっても復号化装置における使い勝手を向上できる。また、表示手段と接続可能な復号化装置であって、第一の符号化映像を復号化する第一の復号化部と、第二の符号化映像を復号化する第二の復号化部と、前記第一の復号化映像を表示手段に出力するときに前記第二の復号化映像を同期し表示手段に出力する出力部と、前記第一の復号化映像に同期し前記第二の復号化映像を表示手段に出力するときの、前記第二の復号化映像の表示手段への表示位置および/または表示サイズならびにその適用時刻に関する補助情報を解析する解析部と、前記第一の復号化映像の出力時刻を示す時刻カウンタと、前記適用時刻と前記カウンタの示す出力時刻とを比較する比較部と、前記比較部の比較および前記補助情報に応じて前記第二の復号化映像を前記第一の復号化映像に同期し出力するよう前記出力部を制御する制御部と、を有する復号化装置によっても使い勝手を向上できる。また、表示手段と接続可能な復号化装置であって、第一の符号化映像を復号化する第一の復号化部と、第二の符号化映像を復号化する第二の復号化部と、前記第一の復号化映像に同期し前記第二の復号化映像を表示手段に出力する出力部と、前記第二の復号化映像を表示手段に出力する、位置、サイズ、適用時刻に関する情報を取得する取得部と、前記出力部と前記取得部を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記取得部が取得した情報に応じて前記第一の復号化映像に前記第二の復号化映像を重畳し表示手段へ表示されるよう、前記出力部を制御する復号化装置によっても使い勝手を向上できる。また、表示装置と接続可能な復号化装置であって、第一の符号化映像を復号化する第一の復号化部と、第二の符号化映像を復号化する第二の復号化部と、前記第二の復号化映像の位置、サイズおよび適用時刻に関する情報を処理する処理部と、前記第一の復号化映像に前記第二の復号化映像を重畳する表示画面形成部と、前記処理部が処理した情報に応じて前記表示画面形成部を制御する制御部と、前記表示画面形成部で形成された映像を出力する出力部と、を備えてなることを特徴とする復号化装置であっても使い勝手を向上できる。表示装置と接続可能なディスク装置であって、ディスクから映像信号を再生する再生部と、前記再生部で再生された第一の符号化映像を復号化する第一の復号化部と、第二の符号化映像を復号化する第二の復号化部と、前記第二の復号化映像の位置、サイズおよび適用時刻に関する情報を処理する処理部と、前記第一の復号化映像に前記第二の復号化映像を重畳する表示画面形成部と、前記処理部が処理した情報に応じて前記表示画面形成部を制御する制御部と、前記表示画面形成部で形成された映像を出力する出力部と、を備えてなることを特徴とするディスク装置であっても使い勝手を向上できる。
【0058】
以上より、副映像の表示位置や表示サイズを1フレーム単位の精度で指定でき、かつ指定方法に柔軟性のある符号化映像信号の復号化表示装置を提供することが可能である。
【符号の説明】
【0059】
11 ディスク21,22 デコーダ31 補助情報解析部41 基準時刻カウンタ部51,52 比較部61 制御部71 表示画面形成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主映像に同期して副映像を表示可能な符号化映像信号の復号化表示装置であって、
該副映像の表示位置および/または表示サイズに関する表示補助情報および該表示補助情報を適用する適用時刻情報を含む補助情報を解析する補助情報解析手段と、
映像の復号・表示の基準時刻を示す基準時刻カウンタと、
上記適用時刻情報と上記基準時刻カウンタとを比較する比較手段と、
主映像および副映像を用いて表示画面を形成する表示画面形成手段と、
上記表示画面形成手段を制御する制御手段と、
を備え、
上記制御手段は、上記比較手段の出力結果に基づいて、上記表示補助情報を用いて上記表示画面形成手段に指示を与えることによって副映像の表示位置および/または表示サイズを制御することを特徴とする復号化表示装置。
【請求項2】
各フレームを一意に識別するフレームIDを各フレームの符号化情報の中に含む符号化映像信号を復号化し、主映像に同期して副映像を表示可能な符号化映像信号の復号化表示装置であって、
上記副映像の表示位置および/または表示サイズに関する表示補助情報および該表示補助情報を適用する適用フレームID情報を含む補助情報を解析する補助情報解析手段と、
上記符号化映像信号に含まれる各フレームのフレームIDを解析するフレームID解析手段と、
上記適用フレームID情報と上記各フレームのフレームIDとを比較する比較手段と、
主映像および副映像を用いて表示画面を形成する表示画面形成手段と、
上記表示画面形成手段を制御する制御手段と、
を備え、
上記制御手段は、上記比較手段の出力結果に基づいて、上記表示補助情報を用いて上記表示画面形成手段に指示を与えることによって副映像の表示位置および/または表示サイズを制御することを特徴とする復号化表示装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の復号化表示装置であって、上記補助情報は、上記符号化映像信号とは独立のデータストリームによって伝送されることを特徴とする復号化表示装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の復号化表示装置であって、
上記補助情報解析手段は、ソフトウエアプログラムを実行するプロセッサにより実現され、上記補助情報は、上記プロセッサに対するコマンドとして与えられることを特徴とする復号化表示装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載の復号化表示装置であって、
上記表示サイズは、表示画像の水平および垂直の各画素数によって表現されることを特徴とする復号化表示装置。
【請求項6】
請求項1または2に記載の復号化表示装置であって、
上記表示サイズは、符号化映像信号の画像サイズに対する表示画像のサイズの倍率によって表現されることを特徴とする復号化表示装置。
【請求項7】
請求項1に記載の復号化表示装置であって、
上記表示補助情報は、副映像の表示位置の移動に関する特殊効果再生情報を含み、上記特殊効果再生情報は、単位時間当たりの移動量と、表示位置の適用を開始する適用開始時刻と、表示位置の移動を適用する適用継続時間、または、表示位置の移動を終了する適用終了時刻と、を含むことを特徴とする復号化表示装置。
【請求項8】
請求項2に記載の復号化表示装置であって、
上記表示補助情報は、副映像の表示位置の移動に関する特殊効果再生情報を含み、上記特殊効果再生情報は、単位フレーム数当たりの移動量と、表示位置の適用を開始する適用開始フレームIDと、表示位置の移動を適用する適用継続フレーム数、または、表示位置の移動を終了する適用終了フレームIDと、を含むことを特徴とする復号化表示装置。
【請求項9】
請求項1に記載の復号化表示装置であって、
上記表示補助情報は、副映像の表示サイズの変更に関する特殊効果再生情報を含み、上記特殊効果再生情報は、単位時間当たりの表示倍率の変化量と、表示サイズの適用を開始する適用開始時刻と、表示サイズの変更を適用する適用継続時間、または、表示サイズの変更を終了する適用終了時刻と、を含むことを特徴とする復号化表示装置。
【請求項10】
請求項2に記載の復号化表示装置であって、
上記表示補助情報は、副映像の表示サイズの変更に関する特殊効果再生情報を含み、上記特殊効果再生情報は、単位フレーム数当たりの表示倍率の変化量と、表示サイズの適用を開始する適用開始フレームIDと、表示サイズの変更を適用する適用継続フレーム数、または、表示サイズの変更を終了する適用終了フレームIDと、を含むことを特徴とする復号化表示装置。
【請求項11】
第一の符号化映像信号が入力される第一の入力部と、
第二の符号化映像信号が入力される第二の入力部と、
前記第一の符号化映像信号を復号化する第一の復号化部と、
前記第二の符号化映像信号を復号化する第二の復号化部と、
前記第一および第二の復号化部が復号化した映像信号を表示手段に表示するよう出力する出力部と、
前記第二の復号化部が復号化する映像信号の、前記表示手段への表示位置および/または表示サイズに関する情報を制御する制御部と、を有し、
前記制御部の制御により前記第二の復号化部が復号化した映像信号を第一の復号化部が復号化した映像信号へ同期し、表示するよう制御する復号化装置。
【請求項12】
請求項11記載の復号化装置であって、前記表示手段への表示位置および/または表示サイズに関する情報には、時間に関する情報が含まれ、前記制御部は、前記時間に関する情報により前記第二の復号化部が復号化した映像信号を第一の復号化部が復号化した映像信号へ同期し、表示するよう制御する復号化装置。
【請求項13】
第一の符号化映像信号が入力され、
第二の符号化映像信号が入力され、
前記入力された第一の符号化映像信号を復号化し、
前記入力された第二の符号化映像信号を復号化し、
前記復号化された第二の復号化映像信号の、表示手段への表示位置および/または表示サイズに関する情報を制御し、
前記表示手段への表示位置および/または表示サイズに関する情報に対応し、前記第二の復号化映像信号を前記第一の復号化映像信号へ同期し、表示する復号化方法。
【請求項14】
第一の符号化映像信号と第二の符号化映像信号が記録されるディスク型記録媒体であって、
前記第一の符号化映像信号と前記第二の符号化映像信号を復号化し、第一の映像信号に第二の映像信号を同期し表示するよう、前記第二の映像信号の表示位置および/または表示サイズならびにそのタイミングに関する情報が記録されているディスク型記録媒体。
【請求項15】
表示手段と接続可能な復号化装置であって、
第一の符号化映像を復号化する第一の復号化部と、
第二の符号化映像を復号化する第二の復号化部と、
前記第一の復号化映像を表示手段に出力するときに前記第二の復号化映像を同期し表示手段に出力する出力部と、
前記第一の復号化映像に同期し前記第二の復号化映像を表示手段に出力するときの、前記第二の復号化映像の表示手段への表示位置および/または表示サイズならびにその適用時刻に関する補助情報を解析する解析部と、
前記第一の復号化映像の出力時刻を示す時刻カウンタと、
前記適用時刻と前記カウンタの示す出力時刻とを比較する比較部と、
前記比較部の比較および前記補助情報に応じて前記第二の復号化映像を前記第一の復号化映像に同期し出力するよう前記出力部を制御する制御部と、を有する復号化装置。
【請求項16】
表示装置と接続可能な復号化装置であって、
第一の符号化映像を復号化する第一の復号化部と、
第二の符号化映像を復号化する第二の復号化部と、
前記第二の復号化映像の位置、サイズおよび適用時刻に関する情報を処理する処理部と、前記第一の復号化映像に前記第二の復号化映像を重畳する表示画面形成部と、
前記処理部が処理した情報に応じて前記表示画面形成部を制御する制御部と、
前記表示画面形成部で形成された映像を出力する出力部と、を備えてなることを特徴とする復号化装置。
【請求項17】
表示装置と接続可能なディスク装置であって、
ディスクから映像信号を再生する再生部と、
前記再生部で再生された第一の符号化映像を復号化する第一の復号化部と、
第二の符号化映像を復号化する第二の復号化部と、
前記第二の復号化映像の位置、サイズおよび適用時刻に関する情報を処理する処理部と、前記第一の復号化映像に前記第二の復号化映像を重畳する表示画面形成部と、
前記処理部が処理した情報に応じて前記表示画面形成部を制御する制御部と、
前記表示画面形成部で形成された映像を出力する出力部と、を備えてなることを特徴とするディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−133880(P2012−133880A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−9555(P2012−9555)
【出願日】平成24年1月20日(2012.1.20)
【分割の表示】特願2005−229013(P2005−229013)の分割
【原出願日】平成17年8月8日(2005.8.8)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】