説明

微小試料台

【課題】 試料台としての剛性を確保しつつ微小試料の薄片化時間を短縮できる微小試料台を提供すること。
【解決手段】 微小試料台10は、全シリコン製であり、上下方向(Z方向)に4段を有する多段構造である。微小試料台10を側面から見ると、中心面Aに対して対称形であり、上方の段ほど厚さ(Y方向の長さ)が薄い。微小試料台10の第1段11と第2段12はX方向に延設されているが、第3段13〜53と第4段14〜54とからそれぞれ構成される5つの突状部分1〜5は、X方向に配列して第2段12の上面からZ方向に突設されている。突状部分1〜5は、高さ(Z方向の長さ)及び厚さ(Y方向の長さ)は一律であるが、幅(X方向の長さ)は微小試料片Sの寸法などに応じて任意に形成することができる。微小試料片Sは、その表面、すなわち薄片化調製が行われる平面がXZ面に平行となるように、第4段14〜54に固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子顕微鏡観察などに供するための微小試料片を固定する微小試料台に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハや半導体デバイスから採取した微小試料片を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察するには、微小試料片の電子線照射領域(観察領域)を極力薄くする必要がある。このような薄片化技術としては、例えば、特許文献1に記載されているものが知られている。この特許文献1のものでは、平板状の試料台を立てて設置し、その上面に微小試料片を立てて固定する。微小試料片の表面にほぼ平行に、つまり試料台の上面にほぼ垂直に集束イオンビームを照射して微小試料片を薄くする。
【0003】
【特許文献1】特開2003−35682号公報(第5頁、図9)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の平板状の試料台は、ある程度の剛性を確保するために微小試料片よりも厚く、厚さ一定で作製されている。そのため、集束イオンビームによる除去加工は、微小試料片だけではなく、試料台の微小試料片の固定部分に対しても行われ、平板状の試料台の厚さが厚い分だけ加工に長時間を要するという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)請求項1に係る発明は、加工処理が施される微小試料を固定するための微小試料台において、基部となる第1段と、微小試料が固定される最上段に設けられる固定部とを有する多段形状となし、側面視の形状が、上段の構造体ほど細くなる左右対称の多段形状を呈していることを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載の微小試料台において、固定部が複数個並設されることを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項1または2に記載の微小試料台において、固定部の幅を5〜500μmとしたことを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れか1項に記載の微小試料台において、側面視において、固定部の上面エッジと次段の上面エッジを結ぶ傾斜線の角度θを5〜30度としたことを特徴とする。
(5)請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れか1項に記載の微小試料台において、基部と固定部の積層方向をシリコンウエハの厚さ方向とし、そのシリコンウエハからマイクロマシニング技術により一体で作製されることを特徴とする。
(6)請求項6に係る微小試料台の製造方法は、請求項5に記載の微小試料台の製造方法において、シリコンウエハの表面から、エッチングおよびダイシングにより溝を形成して前記多段形状を形成することを特徴とする。
(7)請求項7に係る微小試料台集合体は、ウエハ上で請求項5に記載の微小試料台を複数同時に作製し、それら複数の微小試料台は、それらの底面でウエハと一体化されていることを特徴とする。
(8)請求項8に係る試料ホルダは、請求項5に記載の微小試料台と、前記微小試料台が固着された台座とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の微小試料台によれば、上方の段ほど細くなる対称形状の多段構造を有し、微小試料が固定される最上段の厚さが薄いので、試料台としての剛性を確保しつつ微小試料の薄片化時間を短縮できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態による微小試料台について図1〜9を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態による微小試料台を台座メッシュに貼り付けた状態を模式的に示す図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は側面図である。図2は、実施の形態による微小試料台の構造を模式的に示す斜視図である。図1、図2では、XYZ直交座標で方向を表す。
【0008】
図1を参照すると、微小試料台10は、ほぼ半円板形状の台座メッシュ100の表面に貼着されている。微小試料台10は、半導体ウエハや半導体デバイスから採取した直方体ブロック状の微小試料片Sを接着などにより保持して、透過型電子顕微鏡(TEM)観察あるいはオージェ電子分光(AES)に供するために、微小試料片Sの薄片化調製を行う作業台として用いられる。そして、微小試料台10は、顕微鏡観察あるいは分光分析の際には、薄片化された微小試料片Sを保持したまま顕微鏡装置あるいは分光装置にセットされる。
【0009】
図1、図2を参照しながら微小試料台10について詳しく説明する。微小試料台10は、全てシリコン製であり、上下方向(Z方向)に4段を有する多段構造である。微小試料台10を側面から見ると、図1(b)に示されるように中心線SPに対して左右対称であり、上方の段ほど厚さ(Y方向の長さ)が薄い。
【0010】
また、微小試料台10を正面から見ると、図1(a)に示されるように、微小試料台10の第1段11と第2段12はX方向に延設されているが、第3段と第4段とから成る2段は、5つに分離しており、第3段13〜53と第4段14〜54とからそれぞれ構成される5つの突状部分は、X方向に所定ピッチで配列し、第2段12の上面からZ方向に突設されている。第3段と第4段とから成る突状部分1〜5は、高さ(Z方向の長さ)及び厚さ(Y方向の長さ)は一律であるが、図2にも示されるように、幅(X方向の長さ)は微小試料片Sの寸法などに応じて任意に形成することができる。例えば、第4段14〜54の厚さを5μm一定とし、幅を5〜500μmの範囲で任意に変えることができる。微小試料片Sは、その表面、すなわち薄片化調製が行われる平面がXZ面に平行となるように、第4段14〜54の固定部に固定される。
【0011】
図3は、図2に示される微小試料台10のI−I線断面図であり、段差による傾斜角度を示している。図3(a)は、第4段14のエッジ14eと第3段13のエッジ13eとの傾斜角度θ1、図3(b)は、第4段14のエッジ14eと第2段12のエッジ12eとの傾斜角度θ2、図3(c)は、第4段14のエッジ14eと第1段11のエッジ11eとの傾斜角度θ3を表す。傾斜角度θ1は、5〜30°に入るように、第4段14の厚さと高さおよび第3段13の厚さが調整されている。なお、傾斜角度θ1、θ2、θ3のすべてが5〜30°であることが望ましい。
【0012】
図1に示す状態で、上述した構造と寸法を有する微小試料台10を用いて微小試料片Sの薄片化調製を行い、その後に微小試料片SのTEM観察あるいはAES微小分析を行う。薄片化調製には、集束イオンビーム(FIB:Focused Ion Beam)で加工する方法が用いられる。FIB加工法では、例えば細く絞ったGaビームを−Z方向に向けて微小試料片Sへ照射することにより、0.1μmレベルに薄片化する。このとき、最上段の第4段14も同時に薄く加工される。このFIB加工段階では、微小試料片S表面にGaビームの照射による加工変質層や付着物などが存在するため、これらを除去する必要がある。その仕上げ加工には、図1(b)に示されるように、例えばArビームをYZ面に対して低角度で、微小試料台10の下方から微小試料片Sへ照射するイオンミリングの手法が用いられる。例えばTEM観察の際、FIB加工とイオンミリングにより薄片化調製された微小試料片Sを図1(a)のようにセットした場合、TEMの電子線の向きはY方向である。
【0013】
次に、本実施の形態の微小試料台10の製造工程について、図4〜図8に示す工程Aから工程Sまでを詳しく説明する。図4〜図8でも、図1〜3に対応させたXYZ直交座標で方向を表す。
本実施の形態の微小試料台10は、単結晶シリコンウエハを材料として作製され、微小試料台10の上下方向(Z方向)が単結晶シリコンウエハの厚さ方向となるように形成される。
【0014】
図4は、微小試料台10の製造工程A〜Dを説明する図であり、図4(a1)〜(a4)は微小試料台10が形成される単結晶シリコンウエハの部分平面図、図4(b1)〜(b4)は、それぞれ図4(a1)〜(a4)のII−II線に沿った部分断面図である。
工程Aでは、単結晶シリコンウエハ101を酸化炉中で熱酸化することにより、単結晶シリコンウエハ101の表裏両面にSiO層102a,102bを形成する。なお、シリコンウエハ101の表面は、単結晶Siの主面(100)を選ぶ。
工程Bでは、SiO層102の表面にスピンコータによりレジストを塗布し、ホットプレートを用いてプリベークを行う。
工程Cでは、フォトマスクを用い、マスクアライナーによりレジスト103のパターン露光と現像を行う。図4(a3)に示すように、X方向に形成された5個のパターンを含む領域が1つの微小試料台10を構成する単位となるので、図4(a3)には3つの単位C1,C2,C3が示されている。
工程Dでは、レジスト103をマスクとしてSiO層102aをバッファード弗酸でウエットエッチングする。裏面側のSiO層102は、ウエットエッチングにより除去される。
【0015】
図5は、微小試料台10の製造工程E〜Hを説明する図であり、図5(a1)〜(a4)は単結晶シリコンウエハの部分平面図、図5(b1)〜(b4)は、それぞれ図5(a1)〜(a4)のII−II線に沿った部分断面図である。
工程Eでは、残存するレジスト103をリムーバでウエットエッチングすることで除去する。
工程Fでは、シリコンウエハ101のSiO層102aが形成された面にスパッタリングによりAl膜104を成膜する。
工程Gでは、Al膜104の表面にスピンコータによりレジストを塗布し、ホットプレートを用いてプリベークを行う。
工程Hでは、フォトマスクを用い、マスクアライナーによりレジスト105のパターン露光を行う。
【0016】
図6は、微小試料台10の製造工程I〜Kを説明する図であり、図6(a1)、(a2)は単結晶シリコンウエハの部分平面図、図6(b1)、(b2)は、それぞれ図6(a1)、(a2)のII−II線に沿った部分断面図である。図6(b3)は、別のシリコンウエハの部分断面図、図6(b4)は、別のシリコンウエハと貼り合わされたシリコンウエハ101の部分断面図である。
工程Iでは、レジスト105をマスクとしてAl膜104を混酸P液でウエットエッチングする。SiO層102a、Al膜104およびレジスト105からなる3層がパターン状に残る。
工程Jでは、残存するレジスト105をリムーバでウエットエッチングすることで除去する。
工程Kでは、別のシリコンウエハ201を用意し、図6(b3)に示すように、シリコンウエハ201の片方の表面にスピンコータによりレジスト202を塗布する。
工程Lでは、シリコンウエハ101の下面にシリコンウエハ201のレジスト202を塗付した面を密着させ、ホットプレートを用いてプリベークを行う。レジスト202の硬化に伴って2枚のシリコンウエハの貼着が完了する。シリコンウエハ201は、製造工程の終盤で個々の微小試料台10が分離しないように土台として用いられるものである。
【0017】
図7は、微小試料台10の製造工程M〜Oを説明する図であり、図7(a1)〜(a3)は単結晶シリコンウエハの部分平面図、図7(b1)〜(b3)は、それぞれ図7(a1)〜(a3)のII−II線に沿った部分断面図である。
工程Mでは、図7(a1)のY方向にダイシングを行い、レジスト202まで達しない深さd1の溝Y1,Y2を形成する。
工程Nでは、図7(a2)のX方向にダイシングを行い、シリコンウエハ101の厚さの途中までの深さd2(<d1)の溝X1〜X4を形成する。
工程Oでは、工程Nで形成された溝X1〜X4の底面中央にダイシングにより溝X1a〜X4aを入れて段差を形成する。溝X1a〜X4aは、レジスト202まで達しない深さd3(>d1)であり、溝X1〜X4より幅が狭い。
【0018】
図8は、微小試料台10の製造工程P〜Sを説明する図であり、図8(a1)〜(a4)は単結晶シリコンウエハの部分平面図、図8(b1)〜(b4)は、それぞれ図8(a1)〜(a4)のII−II線に沿った部分断面図である。
工程Pでは、Al膜104のパターンをマスクとしてICP−RIE(inductively coupled plasma - reactive ion etching)により、シリコンウエハ101を厚さ方向(−Z方向)にドライエッチングする。このドライエッチングにより、シリコンウエハ101のAl膜104のパターンが存在しない領域は一様に厚さを減じ、溝X1a〜X4aはレジスト202まで達する深さとなる。この工程で、図8(b2)に示されるように、3段のステップが形成される。
工程Qでは、Al膜104のパターンを混酸P液でウエットエッチングして除去する。
工程Rでは、露出したSiO層102aのパターンをマスクとしてICP−RIEによりシリコンウエハ101を厚さ方向(−Z方向)にドライエッチングする。このドライエッチングにより、シリコンウエハ101のSiO層102aのパターンが存在しない領域は一様に厚さを減じる。そして、3段のステップがそれぞれ掘り下げられるとともに、SiO層102aのパターンによる最上段のステップが新たに形成され、図8(b3)に示されるように、4段のステップが形成される。一方、工程Mで形成した深さd1の溝Y1,Y2も、工程P、工程Rの2回のICP−RIEによりレジスト202まで達する深さとなる。
工程Sでは、SiO層102aのパターンをバッファード弗酸でウエットエッチングして除去する。
【0019】
以上、工程Aから工程Sまで順次行うことにより、複数の微小試料台10が形成される。
最後に、土台として用いられたシリコンウエハ201と接着剤として用いられたレジスト202を除去することにより、個々の微小試料台10を分離し、微小試料台10が完成する。
図9は、実施の形態による微小試料台10の分離直前の状態を模式的に示す斜視図であり、同じ形状寸法の3個の微小試料台10が規則正しく配列している様子を表している。
【0020】
上記の製造工程では、3個の微小試料台10についての一連の作製手順を説明したが、実際の製造工程は、シリコンウエハ単位で行われる、いわゆるバッチ処理である。このバッチ処理では、フォトリソグラフィーやダイシングなどを用いるマイクロマシニングにより、1枚のシリコンウエハから多数の微小試料台10を一括で作製することができ、大幅な製造コストの削減が期待できるものである。さらに、微小試料台10の高さ方向がシリコンウエハの厚さ方向になるように加工するので、材料を無駄なく使用できる。
【0021】
以上説明したように、本実施の形態の微小試料台10は、下記(1)〜(3)の作用効果を奏する。
(1)FIB加工により微小試料片Sの薄片化調製を行う際に、微小試料台10は、高さ方向に先細った4段構造を有し、第4段14〜54の固定部の厚さが薄く形成されているので、FIBによる加工量を少なくすることができ、加工時間の短縮を図ることができる。また、厚さ方向に対称形状を呈するので、厚さを薄く形成してもバランスが保たれ、加工中や加工後の形状安定性が高い。さらに、対称構造であるので、非対称のものと比べて製造プロセスを単純化できる。
(2)Arビームを低角度で微小試料片Sへ照射するイオンミリングの際に、微小試料台10は、高さ方向に先細った4段構造を有し、傾斜角度θ1を5〜30°としているので、微小試料台10に遮蔽されることなくArビームを微小試料片Sへ照射することができる。また、厚さ方向に対称形状を呈するので、微小試料片Sの表裏両面を同じ条件で加工処理できる。
(3)マイクロマシニング技術によりシリコンウエハから微小試料台10を一体で多数同時に作製できるので、1個当りの製造コストを大幅に削減できる。また、微小試料台10の高さ方向がシリコンウエハの厚さ方向になるので、材料取りに有利である。
【0022】
本実施の形態の微小試料台10は、左右対称形状で多段に構成され、上段ほど厚さが薄くなるものであれば、様々な変形が考えられる。例えば、微小試料台10は、第3段と第4段とから成る2段の突状部分1〜5が5つに分離しているが、突状部分は1つでもよいし、任意の複数に分離していてもよい。また、微小試料台10は4段構造であるが、4段以外の段数でもよい。微小試料台の段数を増やすほど、イオンミリングの際に、低角度でイオンビームを照射することができる。
【0023】
本発明は、その特徴を損なわない限り、以上説明した実施の形態に何ら限定されない。微小試料台10の多段構造は、エッチングのみで形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態に係る微小試料台を台座メッシュに貼り付けた状態を模式的に示す図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は側面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る微小試料台の構造を模式的に示す斜視図である。
【図3】図2に示される微小試料台のI−I線断面図であり、図3(a)は傾斜角度θ1、図3(b)は傾斜角度θ2、図3(c)は傾斜角度θ3を表す。
【図4】実施の形態に係る微小試料台の製造工程A〜Dを説明する図であり、図4(a1)〜(a4)は材料であるシリコンウエハ101の部分平面図、図4(b1)〜(b4)はII−II線に沿った部分断面図である。
【図5】実施の形態に係る微小試料台の製造工程E〜Hを説明する図であり、図5(a1)〜(a4)は材料であるシリコンウエハ101の部分平面図、図5(b1)〜(b4)はII−II線に沿った部分断面図である。
【図6】実施の形態に係る微小試料台の製造工程I〜Kを説明する図であり、図5(a1)、(a2)は材料であるシリコンウエハ101の部分平面図、図5(b1)、(b2)はII−II線に沿った部分断面図である。図5(b3)は、別のシリコンウエハの部分断面図、図5(b4)は、別のシリコンウエハと貼り合わされたシリコンウエハ101の部分断面図である。
【図7】実施の形態に係る微小試料台の製造工程M〜Oを説明する図であり、図7(a1)〜(a3)は材料であるシリコンウエハ101の部分平面図、図7(b1)〜(b3)はII−II線に沿った部分断面図である。
【図8】実施の形態に係る微小試料台の製造工程P〜Sを説明する図であり、図8(a1)〜(a4)は材料であるシリコンウエハ101の部分平面図、図8(b1)〜(b4)はII−II線に沿った部分断面図である。
【図9】実施の形態に係る微小試料台の分離直前の状態を模式的に示す斜視図である。
【符号の説明】
【0025】
1〜5:突状部分 10:微小試料台
11:第1段 12:第2段
13,23,33,43,53:第3段
14,24,34,44,54:第4段
100:台座メッシュ 101:シリコンウエハ
102:SiO層 103,105:レジスト
104:Al膜 S:微小試料片
X1〜X4、X1a〜X4a、Y1,Y2:溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工処理が施される微小試料を固定するための微小試料台において、
基部となる第1段と、前記微小試料が固定される最上段に設けられる固定部とを有する多段形状となし、側面視の形状が、上段の構造体ほど細くなる左右対称の多段形状を呈していることを特徴とする微小試料台。
【請求項2】
請求項1に記載の微小試料台において、
前記固定部が複数個並設されることを特徴とする微小試料台。
【請求項3】
請求項1または2に記載の微小試料台において、
前記固定部の幅を5〜500μmとしたことを特徴とする微小試料台。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の微小試料台において、
前記側面視において、前記固定部の上面エッジと次段の上面エッジを結ぶ傾斜線の角度θを5〜30度としたことを特徴とする微小試料台。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の微小試料台において、
前記基部と固定部の積層方向をシリコンウエハの厚さ方向とし、そのシリコンウエハからマイクロマシニング技術により一体で作製されることを特徴とする微小試料台。
【請求項6】
請求項5に記載の微小試料台の製造方法において、
前記シリコンウエハの表面から、エッチングおよびダイシングにより溝を形成して前記多段形状を形成することを特徴とする微小試料台の製造方法。
【請求項7】
ウエハ上で請求項5に記載の微小試料台を複数同時に作製し、それら複数の微小試料台は、それらの底面で前記ウエハと一体化されていることを特徴とする微小試料台集合体。
【請求項8】
請求項5に記載の微小試料台と、前記微小試料台が固着された台座とを備えることを特徴とする試料ホルダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−33186(P2007−33186A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−215795(P2005−215795)
【出願日】平成17年7月26日(2005.7.26)
【出願人】(390022471)アオイ電子株式会社 (85)
【Fターム(参考)】