説明

微生物および異物の混入遮断のための密閉型電解水素含有冷・温水浄水器および浄水方法

本発明は、電気分解によって発生した水素ガスを原水に溶解させて水素水を生成する電解水素含有冷・温水浄水器に関し、より詳細には、微生物および異物の混入遮断のための密閉型電解水素含有冷・温水浄水器および浄水方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気分解によって発生した水素ガスを原水に溶解させて水素水を生成する電解水素含有冷・温水浄水器に関し、より詳しくは、微生物および異物の混入遮断のための密閉型電解水素含有冷・温水浄水器および浄水方法に関する。
【背景技術】
【0002】
産業発達と人口増加による河川および上水源の汚染、浄水場における塩素処理などの原因により、水道水には化学物質、有機塩素系溶剤、発がん性化合物が多量に混合しており、さらには老化した水道管問題までも生起するに及んで、家庭では安心して水道水を飲むことができない実情にある。
【0003】
現在、我が国では既に数百万台以上の浄水器が普及している。これは高度化した産業発展に伴う各種水質汚染(工場廃水、生活下水、浸出水など)により、地下水はもちろん水道水までもが安全と健康を脅かす現状況において、浄水器の普及は増加し続けている。
【0004】
これにより、こざかしい商術と無分別な浄水器の乱立により、我々の人体は異物と各種細菌問題などの二次的な汚染によって飲み水から脅威を受けており、最近でもこのような問題の深刻性がメディアで報道されている。
【0005】
しかし、既存の浄水器は、単に有害物質の除去に留まるものであったり、ミネラルがむしろ不足した水を生成するだけのものに過ぎず、健康をサポートする機能性浄水器は国内外的に殆どない実情であり、輸入品の中で類似した機能性浄水器は極めて高価である。
【0006】
一方、酸素は地球上で最も多く存在する元素の1つであり、大気中でも21%を占めている。人間はこのような酸素を呼吸することにより、生存に必要なエネルギーを得ることができる。
【0007】
しかし、生命維持に絶対的に必要な酸素ではあるが、安定した分子状態である基底三重項酸素(Ground State Triplet Oxygen)が体内酵素系、還元代謝、公害物質、光化学反応などの物理的、化学的および環境的な要因によって反応性が極めて大きい活性酸素(Active Oxygen)に転換し、人体に有害な酸化毒性を引き起こす。
【0008】
これらは、細胞構成成分である脂質、タンパク質、糖、DNAなどに対して非選択的および非可逆的な破壊作用をなすことにより、老化現象はもちろん、がんを含んだ各種疾病を引き起こす原因として報告されている(Free Radical Theory、1954年 Nebraska 医科大学 Denhum Harman教授)。
【0009】
最近、水を電気分解することによって飲用が可能なpH7.4〜8.5の弱アルカリ水を食水として提供するようにした浄水器が導入されており、このような浄水器の通常の構造は浄水部と電解部とで構成されている。
【0010】
前記浄水部は、不織布、砂、無煙炭、および活性炭などを上から下へまたは下から上へ原水を流し、続いて逆浸透膜分離モジュールを使用する際には加圧ポンプを使用または省略する方式と、また他の方法は、限外ろ過膜モジュールを通過した後に、後処理によって活性炭やセラミックフィルタなどを順次通過させて電気分解槽に送るようになる。
【0011】
このとき、電気分解槽は上部カバーを覆う開放型であり、冷却のために電気分解槽の外部に冷却コイルを多層に積層し、小型冷凍機によって冷却がなされたら、電気分解槽内部の底面吐出口へ浄水された冷水を提供し、電気分解槽下部の中央位置にさらなる吐出口を介して電気分解槽の下に設けられた温水タンクにも提供するようになっている。
【0012】
前記電気分解が起こる電解部では、1つの正極電極板と2つの負極電極板が水中に含有されたイオンの移動だけが可能なように構成された2つの隔膜の間に設けられ、3つの電極室を備えることにより、2つの負極電極室からは強アルカリ水(pH9〜10)と弱アルカリ水(pH7.4〜8.5)が生成され、正極電極室からは酸性水(pH5〜6)の電解イオン水が生成され、このうち飲用可能な弱アルカリ水を食水として用いるように構成してある。
【0013】
アルカリイオン浄水器では、タンクとして開放型を用いているため、微生物および異物が混入し、電気分解槽内において人体に有害で水中に含有された塩素イオンにより、原水よりもトリハロメタン発生が増加してはならないという基準項目を追加勧告するという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、本発明は、上述した諸般の問題点を解決するために案出されたものであって、浄水過程で発生する異物流入と微生物の汚染を完全に予防し、綺麗に浄水された水に健康をサポートする電解水素を生成および貯蔵して供給することができる、微生物および各種異物の混入遮断のための密閉型電解水素含有冷・温水浄水器および浄水方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上述したような目的を実現するために、本発明の微生物および異物の混入遮断のための密閉型電解水素含有冷・温水浄水器は、原水をろ過して浄水された水を電気分解槽に送る浄水部、および前記電気分解槽に浄水された水を電気分解して発生した水素ガスを原水中に溶解させて電解水素水を生成・貯蔵する電解部からなる電解水素含有冷・温水浄水器において、前記電気分解槽を密閉型に製作し、前記浄水タンクの上部にエアベントフィルタおよびチェックバルブを装着することを特徴とする。
【0016】
また、前記エアベントフィルタは、0.2〜0.01μmの気孔からなることを特徴とする。
【0017】
また、前記水素水と関連した供給の配管は、取水地点までのすべての配管材質はチタニウム材質で構成することを特徴とする。
【0018】
本発明の微生物および異物の混入遮断のための密閉型電解水素含有冷・温水浄水方法は、原水を外部から供給して粒子状物質、高塩分(ミネラル)、味、消毒副産物、農薬類、臭い、および色度などを除去する浄水処理段階と、浄水された水を電気分解して水素を発生させ、発生した電解水素を電気分解槽の上部に備えられた圧密された活性炭ブロックに貯蔵する電解水素発生および貯蔵段階と、エアベントフィルタに連結されたソレノイドバルブが作動して外部に排気することにより、配管内で水の流れを円滑にして電解水素水を供給する電解水素水供給段階とを含むことを特徴とする。
【0019】
また、前記電気分解槽の内部と電極棒らのスケールおよび配管内部のスライムを除去する洗浄段階をさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る微生物および異物の混入遮断のための密閉型電解水素含有冷・温水浄水器および浄水方法によれば、外部との空気接触を遮断するために冷却タンク、温水タンク、および電気分解槽を密封することにより、電気分解槽以後に増殖および繁殖する各種細菌の増殖を根本的に解決することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施態様に係る微生物および異物の混入遮断のための密閉型電解水素含有冷・温水浄水器の浄水処理過程を説明するためのブロック図である。
【図2】本発明の一実施態様に係る電気分解槽の下部構造を説明するための概略図である。
【図3】本発明の一実施態様に係る微生物および異物の混入遮断のための密閉型電解水素含有冷・温水浄水器の電気分解槽の構造を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の好ましい実施態様に対する構成および作用を、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明すれば次のとおりである。
【0023】
ただし、図面に示されてこれによって説明される本発明の構成と作用は、少なくとも1つの実施態様として説明されるものであり、これによって上述した本発明の技術的思想とその核心構成および作用が制限されるものではない。
【0024】
したがって、本発明は多様な変換を加えることができ、多様な実施態様を有することができるため、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変換、均等物ないし代替物を含むものと理解されるべきである。
【0025】
図1は、本発明の一実施態様に係る微生物および異物の混入遮断のための密閉型電解水素含有冷・温水浄水器の浄水処理過程を説明するためのブロック図である。図2は、本発明の一実施態様に係る電気分解槽の下部構造を説明するための概略図である。図3は、本発明の一実施態様に係る微生物および異物の混入遮断のための密閉型電解水素含有冷・温水浄水器の電気分解槽の構造を示す正面図である。
【0026】
図1に示すように、本発明の一実施態様に係る微生物および異物の混入遮断のための密閉型電解水素含有冷・温水浄水器は、浄水部100および電解部200からなる。
【0027】
前記浄水部100は、原水をろ過して浄水された水を電気分解槽210に送る構成である。
【0028】
前記電解部200は、前記電気分解槽210で浄水された水を電気分解して電解水素水を生成・貯蔵する構成であって、前記電気分解槽210を密閉型に製作し、前記電気分解槽210の上部にソレノイド自動バルブ240、エアベントフィルタ230、およびチェックバルブ250を装着して形成される。
【0029】
このとき、前記エアベントフィルタ230は0.2〜0.01μmの気孔(Pore size)からなることが好ましく、前記電気分解槽210は透明なポリスルホンのような材質からなり、水素貯蔵フィルタ220から各取水地点までのすべての配管材質はチタニウム材質で構成されることが好ましい。
【0030】
したがって、本発明は、浄水された水が開放型タンクで問題視されている水垢(Incrustation)、スライム(Slime)、害虫類(Vermin)の死質と各種微生物(一般細菌、水因性伝染菌、大膓菌、かびなど)が外部から流入増殖することを防ぐことができる。
【0031】
さらに、アトピー性皮膚疾患、各種がん、老化などを抑制し、人体に有益であるとして各種研究結果論文などの発表で報告されているように、浄水された水中に含有された電解水素(あるいは活性水素)が豊富な電解水素水を技術的に貯蔵して提供する。
【0032】
図1に示すように、原水は、地下水や水道水または総溶解性固形物質(TDS:Total Dissolved Solids)が50〜5、000mg/lである水であって、水圧が1〜3kg/cmであり、手動または自動バルブを介して第1ろ過フィルタ110、第2ろ過フィルタ120、第3ろ過フィルタ130を順次通過する。
【0033】
前記第1ろ過フィルタ110は不織布であり、粉末、繊維状、または粒子状活性炭を円筒状に被服したものであって、前記原水が上から下へ通過し、粒子状物質、味、消毒副産物、農薬類、臭い、および色度などを一次的に除去する役割をする。
【0034】
前記第2ろ過フィルタ120は、総溶解性固形物質(または塩分)濃度が200mg/l以上である原水を処理する場合には逆浸透(Reverse osmosis)方式によって浄水し、このとき、原水の圧力が低かったり塩分濃度が高いときには、加圧ポンプ(Booster)(図示しない)を利用して処理する。
【0035】
また、塩分濃度が200mg/l以下である原水を処理する場合には、中空糸状(Hollowfiber)、管状(Tubular)、スパイラル状(Spiral wound)、または平板状(Plate & frame)の高分子合成物質や無機物質(セラミックなど)材質で製膜されたフィルタを用いる精密ろ過(Microfiltraion)方式によって進行されることができ、限外ろ過(Ultrafiltration)方式を使用することもできる。
【0036】
前記第3ろ過フィルタ130は、不織布内に陽イオン交換樹脂やキレート樹脂で充填された円筒状フィルタであって、原水および鋳鉄配管に存在する溶解性鉛(Pb)を除去する役割をする。このとき、必要に応じて、前記第2ろ過フィルタ120で逆浸透方式を用いる場合には、前記第3ろ過フィルタ過程を省略するように構成してもよい。
【0037】
前記第1ろ過フィルタ110、第2ろ過フィルタ120、第3ろ過フィルタ130を通過した水は、膜接触器140を介して電気分解槽に入る。
【0038】
前記膜接触器(Membrane Contactor)140は、浄水された水に溶解された気体流を除去するためのものであって、脱気出口で真空(Vacuum)を加えれば、浄水中の溶存気体流をより効果的に除去することができる。
【0039】
この後、脱気された浄水が円筒状または正方形の電気分解槽210に流入すれば、チタニウムやステンレススチールに白金コーティングした正極および負極電極棒に電流を流して電解水素を発生させる。
【0040】
すなわち、図2に示すように、前記電気分解槽210内側の下部に備えられた浄水入口211から浄水が供給され、その上に電極棒(または電極板)をそれぞれプラス(+)極とマイナス(−)極を対向するように配列して直流電流を流す。
【0041】
このとき、正極電極棒212ではHO→1/2O+2H+2eの反応が起こり、負極電極棒213では2HO+2e→H+2OHの反応が起こるようになる。
【0042】
したがって、正極では酸素が、負極では水素が発生すると同時に、正極では水素イオン(H)が、負極では水酸化イオン(OH)が発生する。前記水素イオン(H)は水を酸性に、前記水酸化イオン(OH)は水をアルカリ性に変化させるが、これらは同じ量で存在するため、水の水素イオン濃度(pH)は全体的に変化しない。
【0043】
一方、さらに他の位置に、電気分解を促進するために前記電気分解槽210の底にバイブレータ(vibrator)214または回転モータの羽根を設け、続いてフロートスイッチ(float switch)215を取り付ける。
【0044】
したがって、図2及び図3に示すように、前記電気分解槽210の中央に設けられた水素貯蔵フィルタ220に水素が飽和されれば、フロートスイッチ(図示せず)が下部から上部へ上がって電気分解電源を中断させる。このとき、外部でも電気分解の状態を見ることができるように透明な監視窓217を設けて、前記電気分解槽210の下部に小型発光ランプ(LED)218を備え、電気分解反応と連携してオン/オフ(on/off)するように構成した。
【0045】
電気分解によって発生した電解水素は、前記電気分解槽210下部の中央突出部位に設けられた円筒状または正方形の水素貯蔵フィルタ220に貯蔵される。前記水素貯蔵フィルタは、不織布で包装された表面を通じて内部圧搾活性炭またはセラミックフィルタと結合した微細孔に前記電解水素を貯蔵する役割をする。
【0046】
この後、前記水素貯蔵フィルタ220に電解水素が飽和されれば、取水によって貯蔵された電解水素を電気分解槽の下部中央の出口216を通じて水と共に排出されるようにし、取水が完了すれば前記水素貯蔵フィルタ220の水がチェックバルブが取付けられた下部に自動排水されるようにして、電解水素貯蔵の面積を大きくした。
【0047】
ここで、水素貯蔵フィルタ220は、図3に示すように、粒子状、繊維状、または粉末の活性炭を極細孔によって圧密ブロック化するか、活性炭によって圧密ブロック化した活性炭フィルタ221、および前記活性炭フィルタ上に0.1〜0.01μmの気孔からなるセラミック材質のセラミックフィルタ222で構成することにより、より多くの電解水素が貯蔵されるようにした。
【0048】
この後、図1に示すように、貯蔵された電解水素を含む浄水は、製氷機300を通じて氷や粒子形態の製氷水として利用されたり、直接に電解水素水を飲めるように構成してもよい。また、外部を冷却コイルで巻いて間接冷却する冷却タンク400を介して冷水素水を飲用できるようにしたり、間接加熱方式によって加熱する温水タンク500を介して温水素水を飲用できるように構成してもよい。
【0049】
前記冷・温水素水を飲用する際は、フォトセンサ(photo sensor)のような電子方式や、電気式によるプッシュまたはタッチボタン(Push or Touch bottom)を利用して取水が可能なようにした。
【0050】
このとき、0.2〜0.01μmの気孔のエアベントフィルタ230に連結されたソレノイドバルブが自動的に開いたり閉じたりするため、気泡や溶存気体によって飲用に困難がないように構成し、チェックバルブ250は外部からの空気流入を二重に遮断するようにした。
【0051】
このようなソレノイド自動バルブ240、エアベントフィルタ230、およびチェックバルブ250を備えることによって外部と空気接触を遮断する密閉型電気分解槽を備えることにより、電気分解槽内の各種細菌増殖を根本的に解決することができる。
【0052】
また、前記水素水がアトピーのような皮膚炎、美白、しみ、そばかすなどの除去にも効果があると報告されていることに着眼し、水素水冷温浄水器内部の各取水口でティー(T)字状配管部品と連結配管材質を保温材によって仕上げ、所望の距離と場所に移動することができる多用途水素水槽600に供給することにより、1台の水素水冷温浄水器で2台以上の効果があるように構成することもできる。
【0053】
本発明の一実施態様に係る微生物および異物の混入遮断のための密閉型電解水素含有冷・温水浄水方法は、浄水処理段階と、電解水素発生および貯蔵段階と、そして電解水素水供給段階とからなる。
【0054】
前記浄水処理段階は、本発明の微生物および異物の混入遮断のための密閉型電解水素含有冷・温水浄水方法は、原水を外部から供給して粒子状物質、味、消毒副産物、農薬類、臭い、および色度などを除去する段階である。
【0055】
前記電解水素発生および貯蔵段階は、浄水された水を電気分解して水素を発生させ、発生した電解水素を電気分解槽の上部に備えられた圧密活性炭ブロックに貯蔵する段階である。
【0056】
前記電解水素水供給段階は、エアベントフィルタに連結されたソレノイドバルブが作動して外部へ排気することにより、配管内でエアハンマーなどの防止および水の流れを円滑にして電解水素水を供給する段階である。
【0057】
前記電解水素水供給段階後に、前記電気分解槽の内部と電極棒らのスケールおよび配管内部のスライムを除去する過程として、洗浄段階をさらに含むことが好ましい。
【0058】
すなわち、前記浄水処理段階は、原水(水道水、地下水など)を外部から供給して粒子状物質、味、消毒副産物、農薬類、臭い、および色度などの除去を目的として不織布と活性炭で構成された第1ろ過、原水中に含有された無機物質(重金属類を含む)と有機物質(フミン酸など)を除去する逆浸透膜、または水中にミネラル成分以外に各種有機物質と微生物などを除去する中空糸状または限外ろ過膜で構成された第2ろ過、原水が順次通過しながら原水の配管材質(鋳鉄管など)などから溶解する微量の鉛(Pb)と鉄粉と水垢、またはスライムなどの除去を目的として不織布と陽イオン交換樹脂またはキレート樹脂で構成された第3ろ過に続き、原水を処理する過程で除去されなかった気体流(二酸化炭素および酸素など)を除去する目的で設置された膜接触器過程によって構成することができる。
【0059】
また、前記電解水素発生および貯蔵段階は、浄水された水を四角形または円筒状の容器の一側面に一定の間隔を置いて正極板と負極板を設けた後、直流電流が流れるようにすれば両極から気体が発生するが、負極では2体積の電解水素と正極では1体積の電解酸素が発生するようにし、電気分解槽の上部に極細の圧密活性炭ブロックフィルタや活性炭ブロックフィルタに続き、精密または限外ろ過気孔のセラミックフィルタを結合装着することにより、電解水素を貯蔵および通水時に高濃度電解水素が浄水された水に含まれるようにする過程に構成することができる。
【0060】
また、前記電解水素水供給段階は、貯蔵された電解水素を直に取水コックやバルブを利用して直接飲んだり、密閉型冷却タンクに移送した後に小型冷凍機によって冷水素水または間接加熱によって温水として飲用するようにすると同時に、電解水素含有水素水が前記冷却タンクに供給される際に水に含有された気体流によって水の流れに妨害をなすことのないように、供給時に自動でエアベントフィルタに連結されたソレノイドバルブが作動して外部に排気することにより、配管内で水の流れを円滑にするようにする過程に構成することができる。
【0061】
また、浄水器を長期に亘って使用すると、電気分解槽の内部と電極棒らのスケール形成と配管内部に水垢(Incrustation)やスライム(Slime)などが形成されることがあるため、定期的に浄水器を安全に維持管理するためのクリーニングする洗浄段階をさらに含めて構成することが好ましい。
【0062】
前記洗浄段階は、配管内部を徹底的に密封するとしても、長期に亘って使用しない場合には、水垢やスケールまたは微生物などによるスライムなどの堆積物が付着ないし塗布され、水の味と健康に問題を与えるようになるため、排水側に浄水された水1リットルに約5〜50gのクエン酸(citric acid)を溶解させてソレノイドバルブを遮断した後、外部に着脱自在の小型モータを利用してバルブを開き、チェックバルブを介して電気分解槽、電解水素貯蔵フィルタ、浄水タンク、そして温水タンクを順次通過した後、チェックバルブを経て循環させる過程に構成することができる。
【0063】
このとき、温水タンクのヒータは間接加熱であるので、電源を供給し、洗浄液水温が20〜40℃を維持するために洗浄液を循環させた後、約数分〜数十分ほど停止した状態で浸け置いた後、洗浄液を排水する時にはバルブを開放して完全排水をした後、原水を流入させながらソレノイドバルブを開放して数分間排水してから、水素水、冷却水素水、温水素水で水を1分程それぞれ流し込んだ後、正常に浄水器を使用するように構成した。このとき、エアベントフィルタに取り付けたソレノイドバルブは、洗浄液排水および正常な浄水機能では閉鎖され、水素水、冷却水素水、または温水素水による取水や洗浄時には開放される。
【0064】
ここで、洗浄液の洗浄完了判定はpH測定器を利用し、6.0〜7.0であるときに中断するようにした。
【0065】
表1は、本発明の一実施態様に係る浄水器と従来の浄水器の電解水素の濃度変化を示している。表2は、開放状態での電解水素の濃度変化を示し、表3は、開放状態で加熱する場合、酸化還元電位(ORP:oxidation reduction potential)の変化を示している。
【0066】
前記測定は、日本国TOA DKK社のモデルDH−35A機器を使用して溶存水素を測定し、日本国TOA DKK社のモデルWM−22EPを使用して酸化還元電位および水素イオン濃度(pH)を測定した。
【0067】
【表1】

本発明において、密封された冷・温水タンクの水素濃度は共に殆ど変化がないことが分かるが、国内で市販されているアルカリイオン浄水器または水素発生還元水(活性水素発生)浄水器の場合には、酸化還元電位は原水に比べて多少低いが、電解水素は殆どないことが分かった。
【0068】
その理由は、電気分解後に生成水素が空気と接触する開放型電気分解槽であり、水素貯蔵フィルタなしで浄水に電解水素が送られるようになっており、水素が溶解されずに外部に排出されたためであると判断される。
【0069】
【表2】

前記表2によれば、酸化還元電位や溶存水素濃度は、大気中に開放状態で放置の場合には、時間の経過につれて共に減少することが分かった。
【0070】
また、アルミニウム容器に水素水を貯蔵すれば水素濃度の変化が殆どないが、PETボトルに保管する場合には、水素の濃度は原水と殆ど同じ程度で含まれないことが分かった。
【0071】
【表3】

前記表3によれば、水素貯蔵フィルタで取水した水素水は、温度の上昇に伴って酸化還元電位値が減少することが分かった。
【0072】
本発明は、国内又は国外で広く採択されている開放型冷・温水浄水器の短所である電気分解槽内の外部から異物と微生物の流入および増殖による水質汚染と健康問題、さらには電気分解槽の内部および配管内の掃除の不便さを解決するためのものである。
【0073】
このために、電気分解槽を従来の開放型から密閉型に構成することによって外部との空気接触を防ぐことができ、これによって浄水を供給するにあたり、浄水内に含有された空気などを自動排出するように、冷水、温水、または電解水素水などを使用する際に自動でエアベントフィルタがオープンされるようにする方法である。このとき、外部からバクテリアなどの流入を防ぐために、精密ろ過または限外ろ過膜からなるエアベントフィルタ以降にチェックバルブを装着する。
【0074】
従来の浄水器から供給される浄水の酸化還元電位(ORP)がプラスmVで酸化水であるが、本発明の浄水器は酸化還元電位がマイナスmVで還元水であり、電解水素の含有量も常温で1.0/l以上を維持するようにすることにより、万病の根源として知られている活性酸素を除去し、健康維持をサポートしてくれる機能性浄水器である。
【0075】
本発明は上述した実施態様に限定されるものではなく、本発明の技術的要旨を逸脱しない範囲内で多様に修正・変形して実施することができることは、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者にとって自明であろう。
【符号の説明】
【0076】
100 浄水部
200 電解部
110 第1ろ過フィルタ
120 第2ろ過フィルタ
130 第3ろ過フィルタ
140 膜接触器
210 電気分解槽
220 水素貯蔵フィルタ
230 エアベントフィルタ
240 ソレノイド自動バルブ
250 チェックバルブ
211 浄水入口
212 正極電極棒
213 負極電極棒
214 バイブレータ
215 フロートスイッチ
216 下部中央出口
217 監視窓
218 発光ランプ
221 活性炭フィルタ
222 セラミックフィルタ
300 製氷機
400 冷却タンク
500 温水タンク
600 水素水槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原水をろ過して浄水された水を電気分解槽に送る浄水部、および前記浄水部で浄水された水を無隔膜電気分解して発生した水素ガスを原水中に溶解させて電解水素水を生成・貯蔵する電解部からなる電解水素含有冷・温水浄水器であって、
前記浄水部は、第1ろ過フィルタ、第2ろ過フィルタ、第3ろ過フィルタ、および膜接触器を含み、
前記電解部は、電気分解槽、水素貯蔵フィルタ、ソレノイド自動バルブ、0.01〜0.2μmの気孔からなるエアベントフィルタ、およびチェックバルブを含み、
前記電気分解槽は密閉型に形成され、セラミックフィルタおよび活性炭フィルタからなる水素貯蔵フィルタを含むことを特徴とする、微生物および異物の混入遮断のための密閉型電解水素含有冷・温水浄水器。
【請求項2】
前記第1ろ過フィルタは不織布からなり、前記第2ろ過フィルタは総溶解性固形物質の濃度に応じて逆浸透方式または限外ろ過方式のフィルタからなり、前記第3ろ過フィルタは溶解性鉛を除去するためのイオン交換樹脂と不織布からなることを特徴とする、請求項1に記載の微生物および異物の混入遮断のための密閉型電解水素含有冷・温水浄水器。
【請求項3】
前記電気分解槽は、透明性のあるポリスルホンのような高分子プラスチック材質からなり、水素貯蔵フィルタ以降から取水地点までのすべての配管材質はチタニウム材質によって構成されることを特徴とする、請求項1に記載の微生物および異物の混入遮断のための密閉型電解水素含有冷・温水浄水器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−500148(P2013−500148A)
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−521585(P2012−521585)
【出願日】平成22年7月26日(2010.7.26)
【国際出願番号】PCT/KR2010/004871
【国際公開番号】WO2011/010901
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(512065694)
【Fターム(参考)】