説明

微粒子コンポジット、その製造方法、固体高分子型燃料電池用触媒、及び固体高分子型燃料電池

【課題】特定元素の硫化物又は複合硫化物の微粒子と、導電性微粒子とを含む微粒子コンポジットを得ることを目的とする。
【解決手段】モリブデン(Mo)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)から選択される1種以上の元素の硫化物又は複合硫化物の微粒子と、導電性微粒子とを含む微粒子コンポジット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モリブデン(Mo)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)から選択される1種以上の元素の硫化物又は複合硫化物の微粉末を含む微粒子コンポジット、及びその製造方法に関する。又、本発明は、微粒子コンポジットを含む固体高分子型燃料電池用触媒、及び固体高分子型燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
水熱反応又はソルボサーマル反応は、化合物合成の手段として注目されている。例えば、下記特許文献1には、水を反応溶媒として、粒子成長における温度150〜370℃で、硫黄イオンと亜鉛イオンとを水熱反応させて、多重双晶構造を有する、5nm〜20μmの平均粒径をもつ硫化亜鉛粒子を得る製造方法が開示されている。
【0003】
ところで各種カルコゲナイド系化合物は、従来の高価な白金系触媒の代替物などとして注目されている。高分子電解質型燃料電池の触媒としては主として白金や白金合金系触媒が用いられる。具体的には、白金を含む貴金属をカーボンブラックに担持した触媒が用いられてきた。高分子電解質型燃料電池を実用化する上での課題の一つは、材料コストである。これを解決する手段の一つが白金量の低減である。
【0004】
最近、酸素を4電子還元して水を生成させる反応により、高価な白金触媒を必要としない低コスト型の燃料電池触媒の開発が行われている。下記非特許文献1には、カルコゲン元素を有する触媒が4電子還元性に優れていることが開示され、燃料電池への適用も示唆されている。具体的には、下記非特許文献1には、Mo−Ru−Se三元系電極触媒、及びその合成方法が開示されている。
【0005】
同様に、下記特許文献2には、白金代替触媒として、少なくとも1種の遷移金属及びカルコゲンからなる電極触媒であって、該遷移金属としてRu、カルコゲンとしてS又はSeからなる電極触媒が開示されている。ここで、Ru:Seのモル比が0.5〜2の範囲であり、且つ(Ru)nSeの化学量論数nが1.5〜2である旨が開示されている。
【0006】
また、下記特許文献3には、Pt代替触媒として、Fe又はRuから選択される遷移金属と、窒素含有有機金属遷移錯体、及びS等のカルコゲン成分を有する燃料電池用触媒材料が開示されている。
【0007】
更に、下記非特許文献2には、Ru−S、Mo−S、Mo−Ru−Sの二元系及び三元系電極触媒、及びその合成方法が開示されている。
更に、下記非特許文献3には、Ru−Mo−S、Ru−Mo−Seの三元系カルコゲナイド電極触媒が開示されている。
【0008】
【特許文献1】特開平11−288732号公報
【特許文献2】特表2001−502467号公報
【特許文献3】特表2004−532734号公報
【非特許文献1】Electrochimica Acta,vol.39,No.11/12,pp.1647−1653,1994
【非特許文献2】J.Chem.Soc.、Faraday Trans.,1996,92(21),4311−4319
【非特許文献3】Electrochimica Acta,vol.45,pp.4237−4250,2000
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、特定元素の硫化物又は複合硫化物の微粉末を含む微粒子コンポジット、及びその製造方法を提供することを目的とする。又、本発明は、該微粒子コンポジットの燃料電池用触媒への応用を図るもので、該微粒子コンポジットを含む固体高分子型燃料電池用触媒、及び固体高分子型燃料電池に関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、水熱反応又はソルボサーマル反応を用いることによって、上記課題が解決されることを見出し、本発明に到達した。
【0011】
即ち、第1に、本発明は、微粒子コンポジットの発明であり、モリブデン(Mo)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)から選択される1種以上の元素の硫化物又は複合硫化物の微粒子と、導電性微粒子とを含む。本発明の微粒子コンポジットは、少なくとも上記各成分を含む複合体である。モリブデン(Mo)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)から選択される1種以上の元素の硫化物又は複合硫化物の微粒子が酸素還元反応の触媒作用を有し、導電性微粒子が該触媒の担体として作用する。このため、本発明の微粒子コンポジットでは、微粒子コンポジット自体が担体を有しており、特に他の担体を必要としない。
【0012】
本発明の微粒子コンポジットは、平均粒子径が1nm〜1μmであることが好ましい。
本発明の微粒子コンポジット中で、モリブデン(Mo)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)から選択される1種以上の元素の硫化物又は複合硫化物は種々の形態をとりうる、その中で、単結晶微粉末の状態もとりうる。
【0013】
本発明の単結晶微粉末は、各種形状をとりうるが、その中で略球状であるものを得ることができる。
【0014】
本発明の微粒子コンポジットの成分である、前記硫化物としては、硫化モリブデン(Mo、MoS、Mo、MoS、MoS)、硫化ロジウム(Rh1715、Rh、Rh、Rh、Rh)、硫化ルテニウム(RuS)、又は硫化レニウム(ReS、Re)から選択される2元系化合物が好ましく例示される。
【0015】
又、前記複合硫化物としては、Rh−X−S又はRu−X−Sで表される3元系化合物であり、Xはモリブデン(Mo)、パラジウム(Pd)、セレン(Se)、シリコン(Si)、タンタル(Ta)、テルル(Te)、トリウム(Th)、バナジウム(V)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、アンチモン(Sb)、タングステン(W)から選択される1種以上の元素が好ましく例示される。Rh又はRuが触媒として作用し、Xが助触媒として作用する。その中でも、Rh−Mo−S又はRu−Mo−Sが特に好ましく例示される。
【0016】
本発明の微粒子コンポジットの成分である、前記微粒子としては、カーボンブラック及び/又はカーボンナノチューブペーパーが好ましく例示される。
【0017】
第2に、本発明は、上記モリブデン(Mo)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)から選択される1種以上の元素の硫化物又は複合硫化物の微粒子と、導電性微粒子とを含む微粒子コンポジットの製造方法の発明であり、導電性炭素粉末と、モリブデン(Mo)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)から選択される元素を含む化合物の1種以上と、硫黄(S)を含む化合物とから、溶媒混合液を作製する工程と、該溶媒混合液を水又は溶媒の超臨界状態または亜臨界状態とする圧力および温度で水熱反応(ハイドロサーマル反応)又は溶媒熱反応(ソルボサーマル反応)させる工程とを含む。
【0018】
ソルボサーマル反応に用いる溶媒は限定されないが、キシレン、アセトン、クロロホルムなどが例示される。
【0019】
本発明において、水熱反応又はソルボサーマル反応は、200℃〜600℃で反応させることが好ましい。
【0020】
又、水熱反応又はソルボサーマル反応する工程の後に、不活性ガス雰囲気下で300℃〜800℃で熱処理させることによって、結晶性が向上し、カルボニル基などの原料化合物の残渣を飛散させることが出来る。
【0021】
本発明において、前記導電性炭素粉末としては、カーボンブラック及び/又はカーボンナノチューブペーパーが好ましく例示される。
【0022】
本発明の微粒子コンポジットの製造方法は、反応をin−situに行うことによって製造できる。従来の、燃料電池用触媒の調製が幾つもの反応の組み合わせであったことに比べて、全ての反応をin−situに行うことによって製造できるということは、本発明の大きな利点である。
【0023】
第3に、本発明は、上記の微粒子コンポジットからなる固体高分子型燃料電池用触媒である。本発明の触媒は高価な白金系触媒の代替となるものである。
【0024】
第4に、本発明は、上記の微粒子コンポジットを触媒として備えた固体高分子型燃料電池である。
【発明の効果】
【0025】
本発明の、モリブデン(Mo)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)から選択される1種以上の元素の硫化物又は複合硫化物の微粒子と、導電性微粒子とを含む微粒子コンポジットは、その担体を必要としない触媒特性を生かして種々の反応触媒として期待できる。例えば、従来の白金触媒の代替として低コスト化が可能な燃料電池用触媒として利用できる。更に、ドープするドーパント元素を選択することにより触媒特性を向上させることができる。
【0026】
特に、微粒子コンポジット製造の全工程をin−situで行うことで、従来は複雑な工程で製造されていた燃料電池用触媒を、簡便に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本実施例の目的は、水熱反応あるいはソルボサーマル反応によりMoS、RuS、Rh、ReSの微粒子と、導電性微粒子とを含む微粒子コンポジット合成、2あるは3成分系の硫化物固溶体の微粒子と、導電性微粒子とを含む微粒子コンポジットの可能性を探るとともに、これら硫化物又は複合硫化物の微粒子と、導電性微粒子とを含む微粒子コンポジットの燃料電池用触媒としての用途開発を目指すものである。
【0028】
図1に、本発明の水熱反応あるいはソルボサーマル反応による合成方法をフロチャートに示す。低温での反応にはテフロン内張オートクレーブ、高温での反応ではハステロイC内張オートクレーブを使用した。いずれもin−situに反応させた。特定の合成条件に関しては、下述する。
【0029】
図1に、示すように、
(1)原料(Mo、Ru、Rh、Re及びS)のオートクレーブヘの挿入を行う。原料の種類と量比を決める。
(2)溶媒のオートクレーブヘの挿入を行う。ここで、溶媒の種類と量を決める。
(3)水熱反応又はソルボサーマル反応を行う。
(4)固体生成物の洗浄、遠心分離器での回収、真空乾燥を行う。
(5)Arなどの不活性ガス雰囲気下での仮焼を行う。ここで、温度及び時間を決める。
(6)特性評価を、SEM、HRTEM、EDX、FTIR、XRDなどで行う。
【0030】
[実施例1:MoSの合成]
Mo原料として、Mo(CO)、MoCl、(NHMo24・4HO、(NH[POMo12O]・3HOを、S原料として、S(硫黄固体)、thiourea((NHCS)を、溶媒としてキシレンあるいは蒸留水を用い、ソルボサーマル反応あるいは水熱反応を、反応条件:220℃あるいは350℃、10時間行った。その後、Ar雰囲気下、350℃から750℃、5時間の仮焼を行った。
【0031】
1.1 ソルボサーマル反応によるMoSの合成
ソルボサーマル反応で、原料としてMo(CO)とSを用いた場合、よく分散したMoS粉末が得られた。低温(220℃、10h)で合成したMoS、粉末は低結晶性であったが、Ar雰囲気下、350℃で仮焼することにより結晶性は向上した。また高温(350℃、10h)で合成することにより、低温で合成したものよりも結晶性は向上した。
【0032】
1.1.1 Mo原料による影響
Moの出発原料をMo(CO)あるいはMoClとし、反応温度220℃、反応時間10時間として合成実験を実施した。原料としてMoClを用いた方がやや結晶性の高いMoS粉末が得られたが、原料としてMo(CO)を用いた場合よりも、強く凝集した粒子が生成した。Mo原料としては、Mo(CO)を用いることとした。
【0033】
図2に、ソルボサーマル反応により合成したMoSのXRDパターンを示す。
ここで、溶媒:キシレン、温度:220℃、時間:10hで、図中、aはMoCl+S、bはMo(CO)+Sである。
図3に、MoClから合成したMoS粉末のSEM写真(仮焼400℃、5h)を示す。
【0034】
1.1.2 S原料の影響
イオウの出発原料をSあるいはthioureaとし、反応温度220℃、反応時間10時間として合成実験を実施した。Sから合成した方がやや結晶性の高いMoS粉末が得られ、thioureaを原料とすると生成物が強く凝集した。イオウ源としてSを使用することにした。
【0035】
図4に、ソルボサーマル反応のより合成したMoSのXRDパターンを示す。
ここで、溶媒:キシレン、温度:220℃、時間:10hで、図中、aはMo(CO)+thiourea、bはMo(CO)+Sである。
図5に、thioureaから合成したMoS粉末のSEM写真(仮焼400℃、5h)を示す。
【0036】
1.1.3 仮焼の効果
Mo(CO)とSから、反応温度220℃、反応時間10時間のソルボサーマル反応で合成したMoSをAr気流中で仮焼した。図6に、ソルボサーマル反応のより合成したMoS(a)とその仮焼物(b、c)のXRDパターンを示す。図中、bは350℃、2時間、cは600℃、2時間である。
【0037】
図6に示すように、350℃で仮焼することにより結晶性が増加し、600℃で仮焼してもその結晶性は350℃の場合とあまり変化しなかった。そこで、今後の実験では仮焼条件を400℃以上、5時間とする。
【0038】
1.1.4 S/Mo比の影響
Mo(CO)とSから、反応温度220℃、反応時間10時間のソルボサーマル反応でMoSを合成する際に、原料のS/Mo比を変化させた。図7に、S/Mo比を変化させた、Mo(CO)とSから220℃、10時間のソルボサーマル反応により合成したMoS生成物のXRDパターンを示す。又、図8に、S/Mo比を変化させた、Mo(CO)とSから220℃、10時間のソルボサーマル反応により合成したMoSの400℃、5時間の仮焼物のXRDパターンを示す。各図中、aはS/Mo比1.6、bは2.0、cは2.4、dは3.0である。
【0039】
図7と図8の結果、S/Mo比を1.6から3.0まで変化させても、生成物はMoS単相であった。S/Mo比が2.0以上になると、いくぶん生成物のMoSの結晶性が増加した。しかし、400℃、5時間、アルゴン気流中で仮焼した生成物の結晶性には、違いが見られなかった。
【0040】
1.1.5 MoSの顕微鏡観察
S/Mo比を2.4とし、Mo(CO)とSから220℃、10時間のソルボサーマル反応により合成したMoS、と400℃、5時間の仮焼物を電子顕微鏡により観察した。図9Aに、ソルボサーマル反応による生成物MoSの、図9Bにその400℃、5時間の仮焼物の走査型電子顕微鏡写真を示す。また、図10に、ソルボサーマル反応による生成物MoSの400℃、5時間の仮焼物の透過型電子顕微鏡写真を示す。得られたMoSは100nm程度の微細な粒子よりなっていることが観察でき、分散性が高く、図3A,B、図5A,Bに示した、異なるMo原料から合成されMoSとは性状が大きく異なっていた。仮焼することによっても、特に凝集が強くなった様子は観察されなかった。
【0041】
透過型電子顕微鏡観察からは、生成物が繊維状の層が重なり合った微細構造が観察された。XRDパターンがJCPDSカードに記載されているものと、回折強度が異なる原因は、このような構造に由来するものと考えられる。
【0042】
1.1.6 高温での合成
S/Mo比を変化させ、Mo(CO)とSから、より高温の350℃、10時間のソルボサーマル反応によりMoSの合成を試みた。図11に、ソルボサーマル反応による生成物MoSのXRDパターンを示す。又、図12A,Bにソルボサーマル反応による生成物MoSの電子顕微鏡写真を示す。
【0043】
反応温度を高めることにより、生成したMoSの結晶性は、仮焼した場合と同程度に上昇した。特にS/Mo比が高い場合には、(002)の回折線強度が増加した。
【0044】
走査型電子顕微鏡観察によると、生成物の形状は低温の場合と同じであり、微細な粒子からなることがわかった。また透過型電子顕微鏡観察からは、コントラストは強い繊維状の層と比較的結晶性が高い格子像が観察される二つの部分が認められた。それぞれの格子の間隔は、6.2Åと2.7Åであり、MoSの〈002〉と〈100〉に対応するものと考えられる。
【0045】
このように、Mo(CO)とSを原料とし、S/Mo比を3として、350℃、10時間のソルボサーマル反応により、結晶性が高く分散性に優れるMoSが合成できることが判明した。
【0046】
1.2 水熱反応によるMoSの合成
Mo原料として、MoCl、(NHMo24・4HO、(NH[POMo12O]・3HOを、S原料として、thiourea((NHCS)を用い、水熱反応によるMoSの合成を試み、ソルボサーマル反応よりも結晶性の高いMoSが得られた。MoClに水酸化ナトリウムを添加した場合、(NHMo24・4HOや、(NH[POMo12O]・3HOを原料に使用した場合には、比較的分散性の高い微細粒子からなるMoSが生成した。
【0047】
1.2.1 アンモニアを添加してのMoClとthioureaの反応
原料をMoClとthioureaとし、その量比を変化させると同時に添加するアンモニアの量も変化させ220℃、10時間の条件でMoSの合成を試みた。図13に、アンモニアを添加して水熱合成(220℃、10時間)したMoSのXRDパターンを示す。又、図14に、アンモニアを添加して水熱合成したMoSをアルゴン気流中で仮焼(400℃、5時間)したMoSのXRDパターンを示す。各図中で、aはS/Mo=2.2でアンモニア無添加、bはS/Mo=2.2でアンモニア50vol%、cはS/Mo=3.0でアンモニア50vol%、dはS/Mo=4.0でアンモニア50vol%である。更に、図15A,Bに、アンモニアを添加して水熱合成(220℃、10時間)したMoS(S/Mo=2.2)の走査型電子顕微鏡写真を示す。
【0048】
S/Moが30の時、アンモニアの添加の有無にかかわらず(002)回折線の位置がずれた生成物が得られた。この生成物を400℃で仮焼すると、従来得られてきたMoSと同じ回折パターンとなった。S/Moが30の時、層間に何らかの物質が挿入された可能性がある。仮焼により、結晶性は向上した。一般に生成物は強く凝集していた。
【0049】
1.2.2 水酸化ナトリウムを添加してのMoClとthioureaの反応
図16に、S/Mo比を2.2とし水酸化ナトリウムを添加して水熱合成(220℃、10時間)したMoSとそれをアルゴン気流中で仮焼(400℃、5時間)したMoSのXRDパターンを示す。ここで、aはNaOH水溶液濃度0.6M、bはNaOH水溶液濃度0.9M、cはNaOH水溶液濃度1.2M、dはNaOH水溶液濃度1.8Mである。又、図17に、0.6MNaOH水溶液中で水熱合成(220℃、10時間)したMoSの走査型電子顕微鏡写真(S/Mo比=2.2)を示す。
水酸化ナトリウム添加して合成したMoSは、比較的結晶性が高く、分散性の高い微細な球状粒子からなっていた。
【0050】
1.2.3 (NH[POMo12O]・3HOとthioureaの反応
図18に、(NH[POMo12O]・3HOとthioureaとの水熱反応により得られた生成物とその仮焼物のXRDパターンを示す。又、図19A,Bに、(NH[POMo12O]・3HOとthioureaとの水熱反応により得られた生成物とその仮焼物の走査電子顕微鏡写真を示す。さらに、図20に、(NH[POMo12O]・3HOとthioureaとの水熱反応により得られた生成物とその仮焼物のFTIRスペクトルを示す。各図中、aは水熱合成物(220℃、10時間)、bは焼成物(400℃、5時間)である。
【0051】
得られた生成物は結晶性が高く、仮焼しても結晶性の向上は見られなかった。試料は比較的分散性の高い微細な粒子からなっていた。FTIRスペクトルには、有機物に起因した吸収はなかった。
【0052】
1.2.4 (NHMo24・4HOとthioureaの反応
図21に、(NHMo24・4HOとthioureaとの水熱反応により得られた生成物とその仮焼物のXRDパターンを示す。又、図22A,Bに、(NHMo24・4HOとthioureaとの水熱反応により得られた生成物とその仮焼物の走査電子顕微鏡写真を示す。図22Aは、水熱合成物(220℃、10時間)であり、図22Bは焼成物(アルゴン中、400℃、5時間)である。更に、図23に、(NHMo24・4HOとthioureaとの水熱反応により得られた生成物とその仮焼物のFTIRスペクトルを示す。各図中、aは水熱合成物(220℃、10時間)、bは焼成物(アルゴン中、400℃、5時間)である。
【0053】
(NH[POMo12O]・3HOを原料とした場合と同様の結果が、(NHMo24・4HOを原料とした場合にも得られた。生成物は結晶性が高く、仮焼しても結晶性の向上は見られなかった。試料は比較的分散性の高い微細な粒子からなっていた。FTIRスペクトルには、有機物に起因した吸収はなかった。
【0054】
[実施例2:RuSの合成]
Ru原料として、Ru(CO)12を、S原料として、S(硫黄固体)を、溶媒としてキシレンあるいは蒸留水を用い、ソルボサーマル反応あるいは水熱反応を、反応条件:220℃、10時間行った。その後、Ar雰囲気下、400℃、5時間の仮焼を行った。
【0055】
2.1 ソルボサーマル反応によるRuSの合成
図24に、S/Ru比を変化させ、ソルボサーマル反応(220℃、10時間)により合成したRuSのXRDパターンを示す。図中、aはS/Ru=6、bはS/Ru=4である。生成物はS/Ru比によらず、低結晶性であった。図24に示した、ソルボサーマル反応(220℃、10時間)により合成したRuSとその仮焼物のFTIRスペクトルから、ソルボサーマル反応により得られた生成物は有機物を含有していることが分かった。図中、aは生成したRuSであり、bはその仮焼物である。
【0056】
図25に、ソルボサーマル反応(220℃、10時間)により合成したRuSの仮焼物(Ar気流中、400℃、5時間)のXRDパターンを示す。図中、aはS/Ru=6、bはS/Ru=4、cはS/Ru=4.8、dはS/Ru=4.3、eはS/Ru=4である。仮焼により、生成物中の有機物は消失した。試料を仮焼した場合、S/Ru比により挙動が大きく異なり、仮焼により結晶化がおこるためには、S/Ru比4.8以下が必要であった。S/Ru比が減少して4となると、結晶化は著しく進行するが、同時に金属Ruの生成が認められるようになった。
【0057】
図26A,B,Cに、ソルボサーマル反応(220℃、10時間)により合成したRuSの仮焼物(Ar気流中、400℃、5時間)の走査型電子顕微鏡写真を示す。図中、aはS/Ru=4、bはS/Ru=4.3、cはS/Ru=6である。1μm程度の球状粒子が凝集しており、S/Ru比は粉末粒子形状には大きな影響を有していなかった。図27A,B,C,Dに示す、RuSの仮焼物の透過型電子顕微鏡写真から、仮焼した後の球状粒子は微細な粒子からなっており、個々の粒子は格子像が観察でき、良く結晶化していることがわかった。
【0058】
図28に、ソルボサーマル反応合成物RuS(S/Ru比=4)とその400℃仮焼物のFTIRスペクトルを示す。図中、aは水熱合成物、bは仮焼物である。
【0059】
2.2 水熱反応によるRuSの合成
図29に、水熱反応による生成物RuS(220℃、10時間)のXRDパターンを示す。又、図30に、水熱反応による生成物RuS(220℃、10時間)の仮焼物(400℃、5時間)のXRDパターンを示す。各図中、aはS/Ru=2、bはS/Ru:2.8、cはS/Ru=3.6、dはS/Ru=4.4である。更に、図31A,Bに、RuSとその仮焼物の走査型電子顕微鏡写真を示す。図31AはS/Ru=4.4の生成物RuSであり、図31Bはその仮焼物(400℃、5時間)である。
【0060】
S/Ru比が3.6以下では、生成物中に結晶相が生成するようになったが、同定することはできていない。この相は有機物を含有しているものと考えられる。S/Ru比が4.4で得られた非晶質相も、仮焼することによりRuSへと結晶化した。S/Ru比が2.8以下では仮焼物中に未同定相が混在した。S/Ru比が2.0ではRu金属の生成も確認された。
【0061】
[実施例3:Rhの合成]
Rh原料として、Rh(CO)16を、S原料として、S(硫黄固体)を、溶媒としてキシレンあるいは蒸留水を用い、ソルボサーマル反応あるいは水熱反応を、反応条件:220℃、10時間行った。その後、Ar雰囲気下、400℃、5時間(一部は750℃)の仮焼を行った。
【0062】
3.1 ソルボサーマル反応によるRhの合成
図32に、ソルボサーマル反応(220℃、10時間)により合成したRhのXRDパターンを示す。又、図33に、ソルボサーマル反応(220℃、10時間)により合成したRhの仮焼物(Ar気流中、400℃、5時間)のXRDパターンを示す。各図中、aはS/Rh=1.5、bはS/Rh=3.6、cはS/Rh=5.0である。図34に、S/Rh=5.0でソルボサーマル反応(220℃、10時間)により合成したRhとその仮焼物(Ar気流中、400℃、5時間、及び750℃、5時間)のXRDパターンを示す。図中、aはソルボサーマル反応による生成物Rh、bはその仮焼物(Ar気流中、400℃、5時間)、cはその仮焼物(Ar気流中、750℃、5時間)である。
【0063】
ソルボサーマル反応による生成物Rhは低結晶性であったが、それを仮焼すると結晶化が著しく進行した。仮焼による結晶化はS/Rh比に依存しており、S/Rh比が3.6以下では結晶化したが、5.0では結晶化が起こらなかった。しかし、仮焼温度を750℃まで上昇させることにより、S/Rh比が5の試料でも結晶化した。
【0064】
図35A,B,C,Dにソルボサーマル反応による生成物Rhとその仮焼物の走査型電子顕微鏡写真を示す。図中、aはS/Rh比=3.6のソルボサーマル反応生成物、bはS/Rh比=3.6のソルボサーマル反応生成物の400℃焼成物、cはS/Rh比=5.0のソルボサーマル反応生成物、dはS/Rh比=5.0のソルボサーマル反応生成物の400℃焼成物である。生成物はS/Rh比に依存せず非常に細かな粒子よりなっており、仮焼によっても変化は観察されなかった。
【0065】
3.2 水熱反応によるRhの合成
図36に、水熱反応による生成物Rhとその仮焼物のXRDパターンを示す。図中、aはS/Rh比=1.5の水熱反応生成物、bはS/Rh比=1.5の水熱反応生成物の400℃焼成物、cはS/Rh比=3.0の水熱反応生成物、dはS/Rh比=3.0の水熱反応生成物の400℃焼成物である。
【0066】
水熱反応の生成物RhはS/Rh比によらず低結晶性であったが、仮焼することにより結晶化が著しく進行した。S/Rh比が1.5の場合、仮焼物中に不純物が存在し、S/Rh比が3.0の方が目的相が得られた。
【0067】
図37A,B、に、水熱反応の生成物Rhとその仮焼物の電子顕微鏡写真を示す。図中、aはS/Rh比=1.5の水熱反応生成物の400℃焼成物、bはS/Rh比=3.0の水熱反応生成物の400℃焼成物である。水熱合成物は一部自形を有し大きな結晶へと成長していた。XRDパターンが非晶質的な性質を有しているのに対し、結晶が確実に成長していることは、不思議な現象である。
【0068】
図38A,Bに、S/Rh=3.0の水熱反応の生成物Rhの電子顕微鏡写真と電子線回折図形を示す。図39A,Bに、S/Rh=3.0の水熱反応の生成物Rhの400℃焼成物の電子顕微鏡写真と電子線回折図形を示す。上記の結晶成長は、図38A,B、図39A,Bに示した透過型電子顕微鏡写真や電子線回折図形からも確認できた。
【0069】
図40に、水熱合成物Rh(S/Rh比=3)とその400℃仮焼物のFTIRスペクトルを示す。図中、aは水熱合成物、bは仮焼物である。図40のIRスペクトルから、水熱反応生成物中には有機物は取り込まれていないことがわかった。
【0070】
[実施例4:ReSの合成]
Re原料として、Re(CO)10を、S原料として、S(硫黄固体)を、溶媒としてキシレンあるいは蒸留水を用い、ソルボサーマル反応あるいは水熱反応を、反応条件:220℃、10時間行った。その後、Ar雰囲気下、400℃又は750℃、5時間の仮焼を行った。
【0071】
4.1 ソルボサーマル反応によるReSの合成
図41に、ソルボサーマル反応(220℃、10時間)により合成したReSのXRDパターンを示す。又、図42に、ソルボサーマル反応(220℃、10時間)により合成したReSの仮焼物(Ar気流中、400℃、5時間)のXRDパターンを示す。各図中、aはS/Re=1.32、bはS/Re=2、cはS/Re=4、dはS/Re=9である。
【0072】
S/Re比が2より低い場合には、低結晶性物質からのブロードな回折線の他に、非常に鋭い回折線が観察された。しかし、同定することはできなかった。また、この回折線は仮焼することにより消失することから、有機物に起因しているものと考えられる。400℃で仮焼した場合にも、S/Re比が2より低い時には40℃付近の回折線が全く分離せず、S/Re比が高い試料とは異なる挙動を示した。
【0073】
図43に、S/Re比が4で得られた生成物ReS及び仮焼物のXRDパターンを示す。図中、aはソルボサーマル反応生成物ReS、bはその400℃仮焼物、cはその750℃仮焼物である。又、図44に、S/Re比が9で得られた生成物ReS及び仮焼物のXRDパターンを示す。図中、aはソルボサーマル反応生成物ReS、bはその400℃仮焼物、cはその750℃仮焼物である。750℃の焼成により結晶性の増加は認められるものの、それでも回折線はブロードで試料は完全には結晶化していないものと考えられる。
【0074】
図45A,B,C,Dに、ソルボサーマル反応生成物ReS及び仮焼物の走査型電子顕微鏡写真を示す。図中、aはS/Re=4のソルボサーマル反応生成物、bはS/Re=4のソルボサーマル反応生成物の400℃仮焼物、cはS/Re=2のソルボサーマル反応生成物、dはS/Re=2のソルボサーマル反応生成物の400℃仮焼物である。生成物は球状粒子よりなっており、特にS/Re比が2の場合には、大きさが均一であった。S/Re比が4の場合には、粒径分布は広くなった。
【0075】
図46A,Bに、S/Re=9.0のソルボサーマル反応の生成物ReSの750℃焼成物の電子顕微鏡写真と電子線回折図形を示す。
図47に、ソルボサーマル生成物(S/Re比=4)とその400℃仮焼物のFTIRスペクトルを示す。図中、aは水熱合成物、bは仮焼物である。
下記表1に、750℃仮焼物のEDX分析結果を示す。
【0076】
【表1】

【0077】
EDXの組成分析の結果、平均値としてS/Re比1.98が得られたが、同一球状粒子内においても組成のばらつきが見られ、必ずしも正確な組成比が与えられていないものとかんがえられる。
【0078】
4.2 水熱反応によるReSの合成
図48に、水熱反応(220℃、10時間)により合成したReSのXRDパターン、及び水熱反応(220℃、10時間)により合成したReSの仮焼物(Ar気流中、400℃、5時間)のXRDパターンを示す。各図中、aはS/Re=2、bはS/Re=2の仮焼物、cはS/Re=4、dはS/Re=4の仮焼物である。
S/Re比を2あるいは4と変化させても、また400℃で仮焼してもやや結晶性は向上するものの、生成物は低結晶性のままであった。
【0079】
図49A,B,C,Dに、水熱反応生成物ReS及び仮焼物の走査型電子顕微鏡写真を示す。図中、aはS/Re=4の水熱反応生成物、bはS/Re=4の水熱反応生成物の400℃仮焼物、cはS/Re=2の水熱反応生成物、dはS/Re=2の水熱反応生成物の400℃仮焼物である。生成物は強く凝集していた。
【0080】
[実施例5:Rh−Mo−Sの合成]
Rh原料として、Rh(CO)16を、Mo原料として、(NHMo24・4HOを、S原料として、S(硫黄固体)を、溶媒としてキシレンを用い、ソルボサーマル反応を、反応条件:400℃、10時間行った。その後、Ar雰囲気下、400℃、5時間の仮焼を行った。
合成の結果、Mo/Rh=0.2/0.8、S/Rh=2.25、S/Mo=3.0、充填率=50%であった。
【0081】
図50に、ソルボサーマル反応(220℃、10時間)により合成したRh−Mo−SのTEM観察結果を示す。TEM/EDX解析の結果、平均値として、Rh=42.68atom%、Mo=4.86atom%、S=52.46atom%であり、Mo/Rh比=0.10/0.90、S/Rh比=1.34、S/Mo比=12.85であった。
【0082】
[Rh/C及びRh−Mo−S/Cの電気化学特性]
上記実施例3で得られたRh/Cと、上記実施例5で得られたRh−Mo−S/Cについて電気化学特性として、電位に対する酸素還元電流値を調べた。図51に、Rh/C及びRh−Mo−S/Cの酸素還元電流値を示す。図50には、酸素還元開始電位近辺を拡大したものを加えた。
【0083】
図51の結果、Rh/C及びRh−Mo−S/Cとも酸素還元作用は認められた。0.7Vにて、Rh/Cが5.76E−06であるのに対して、Rh−Mo−S/Cは2.52E−05であって約5倍の活性である。
【0084】
[性能評価]
図52に、本発明の、幾つかの元素の硫化物又は複合硫化物の微粒子と、導電性微粒子とを含む微粒子コンポジットの酸素還元触媒性能の結果を示す。図52の結果より、本発明の、硫化物又は複合硫化物の微粒子と、導電性微粒子とを含む微粒子コンポジットは優れた酸素還元触媒性能を有することが分かる。
【0085】
[Rh/C及びRh−Mo−S/Cの分散状態]
Rh/Cを以下のように合成した。S/Rh=1.65、C:Rh=4:8、溶媒としてキシレンを用い、ソルボサーマル反応を、反応条件:400℃、10時間行った。その後、Ar雰囲気下、400℃、5時間の仮焼を行った。又、Rh−Mo−S/Cを以下のように合成した。Mo:Rh=5:95、S/Rh=1.65、C:(Mo+Rh)=4:8、溶媒としてキシレンを用い、ソルボサーマル反応を、反応条件:400℃、10時間行った。その後、Ar雰囲気下、400℃、5時間の仮焼を行った。
【0086】
合成粉末をアルコールへ投入し、約5分間超音波分散させ、得られたスラリーをCu製マイクログリッドに滴下、自然乾燥後に観察試料として、電界放射型分析電子顕微鏡(FE製、”Tecnai”G2−F20−MAT型、加速電圧:200kV(最大)、分解能:0.24nm(軸上照射)して、FE−TEM観察した。
【0087】
FE−TEM観察の結果、Rh/Cでは、Rh、Sともにほぼ同じ位置に分散しており、合成物と判断される。又、CについてはRh、Sの検出位置を包むように広く分散している。又、Rh−Mo−S/Cでは、Rh、Mo、Sともにほぼ同じ位置に分散しており、合成物と判断される。又、CについてはRh、Mo、Sの検出位置を包むように広く分散している。
【0088】
[実施例6:Ru−Mo−Sの合成]
(Mo:Ru合成比)
Ru原料として、Ru(CO)16を、Mo原料として、MoCOを、S原料として、S(硫黄固体)を、カーボンブラックとしてケッチェンブラックEC300J(商標名)を、溶媒としてキシレンを用い、ソルボサーマル反応を、反応条件:220℃、10時間行った。その後、Ar雰囲気下、600℃、5時間の仮焼を行った。
合成の結果、Mo/Rh=0.2/0.8(MoRuS/C−1と呼ぶ)と、Mo/Rh=0.05/0.95(MoRuS/C−2と呼ぶ)が得られた。
図53に、ソルボサーマル反応により合成したRu−Mo−SであるMoRuS/C−1とMoRuS/C−2のRDE評価の結果を示す。
又、図54に、ソルボサーマル反応により合成したMoRuS/C−1のTEM観察結果を示す。図54の結果より、MoRuSとCがナノサイズで分散していることが確認できた。
【0089】
(S量)
Ru原料として、Ru(CO)16を、Mo原料として、MoCOを、S原料として、S(硫黄固体)を、カーボンブラックとしてケッチェンブラックEC300J(商標名)を、溶媒としてキシレンを用い、Mo/Rh=0.2/0.8で、ソルボサーマル反応を、反応条件:220℃、10時間行った。その後、Ar雰囲気下、600℃、5時間の仮焼を行った。
合成の結果、S量300%(MoRuS/C−1と呼ぶ)と、S量100%(MoRuS/C−4と呼ぶ)と、S量70%(MoRuS/C−5と呼ぶ)が得られた。
図55に、ソルボサーマル反応により合成したRu−Mo−SであるMoRuS/C−1とMoRuS/C−4と、MoRuS/C−5のRDE評価の結果を示す。
【0090】
(カーボンブラック(CB)とカーボンナノチューブ(CNT)ペーパー)
Ru原料として、Ru(CO)16を、Mo原料として、MoCOを、S原料として、S(硫黄固体)を、カーボンブラック(ケッチェンブラックEC300J(商標名))又はカーボンナノチューブ(CNT)ペーパーを、溶媒としてキシレンを用い、Mo/Rh=0.2/0.8で、ソルボサーマル反応を、反応条件:220℃、10時間行った。その後、Ar雰囲気下、600℃、5時間の仮焼を行った。
合成の結果、カーボンブラック(MoRuS/C−5と呼ぶ)と、カーボンナノチューブ(CNT)ペーパー(Paperと呼ぶ)が得られた。
図56に、ソルボサーマル反応により合成したRu−Mo−SであるMoRuS/C−5とPaperのRDE評価の結果を示す。
【0091】
(焼成温度)
Ru原料として、Ru(CO)16を、Mo原料として、MoCOを、S原料として、S(硫黄固体)を、カーボンブラックとしてケッチェンブラックEC300J(商標名))を、溶媒としてキシレンを用い、Mo/Rh=0.21/0.79で、ソルボサーマル反応を、反応条件:220℃、10時間行った。その後、Ar雰囲気下、350℃、5時間または450℃、5時間の仮焼を行った。
合成の結果、350℃、5時間(MoRuS/C−11−C2と呼ぶ)と、450℃、5時間(MoRuS/C−11−C4と呼ぶ)が得られた。
図57に、ソルボサーマル反応により合成したRu−Mo−SであるMoRuS/C−11−C2とMoRuS/C−11−C4のRDE評価の結果を示す。
【0092】
(焼成時間)
Ru原料として、Ru(CO)16を、Mo原料として、MoCOを、S原料として、S(硫黄固体)を、カーボンブラックとしてケッチェンブラックEC300J(商標名))を、溶媒としてキシレンを用い、Mo/Rh=0.21/0.79で、ソルボサーマル反応を、反応条件:140℃、20時間行った。その後、Ar雰囲気下、350℃、2時間または350℃、5時間の仮焼を行った。
合成の結果、350℃、2時間(MoRuS/C−12と呼ぶ)と、350℃、5時間(MoRuS/C−14と呼ぶ)が得られた。
図58に、ソルボサーマル反応により合成したRu−Mo−SであるMoRuS/C−12とMoRuS/C−14のRDE評価の結果を示す。
【0093】
(カーボンナノチューブ(CNT)分散液を用い合成条件を変える)
Ru原料として、Ru(CO)16を、Mo原料として、MoCOを、S原料として、S(硫黄固体)を、カーボンナノチューブ(CNT)0.05g水分散を、溶媒として水を用い、Mo/Rh=0.17/0.83で、水熱反応を、反応条件:140℃、10時間または220℃、10時間行った。その後、Ar雰囲気下、350℃、2時間の仮焼を行った。
合成の結果、140℃、10時間(MoRu−H1−CNT−C1と呼ぶ)と、220℃、10時間(MoRu−H2−CNT−C1と呼ぶ)が得られた。
図59に、水熱反応により合成したRu−Mo−SであるMoRu−H1−CNT−C1とMoRu−H2−CNT−C1のRDE評価の結果を示す。
又、図60に、水熱反応により合成したRu−Mo−SであるMoRu−H1−CNT−C1のTEM観察結果を示す。図60の結果より、カーボンナノチューブ上にMoRuSがナノサイズで分散していることが分かる。
【0094】
(カーボンブラック(CB)を用い合成条件を変える)
Ru原料として、Ru(CO)16を、Mo原料として、MoCOを、S原料として、S(硫黄固体)を、カーボンブラックとしてケッチェンブラックEC300J(商標名)を、溶媒としてキシレンを用い、Mo/Rh=0.17/0.83で、ソルボサーマル反応を、反応条件:140℃、10時間または220℃、10時間行った。その後、Ar雰囲気下、350℃、2時間の仮焼を行った。
合成の結果、140℃、10時間(MoRu−H1−CB−C1と呼ぶ)と、220℃、10時間(MoRu−H2−CB−C1と呼ぶ)が得られた。
図61に、ソルボサーマル反応により合成したRu−Mo−SであるMoRu−H1−CB−C1とMoRu−H2−CB−C1のRDE評価の結果を示す。
【0095】
(カーボンナノチューブ(CNT)水分散液を用いS量と焼成温度を変える)
Ru原料として、Ru(CO)16を、Mo原料として、MoCOを、S原料として、S(硫黄固体)を、カーボンナノチューブ(CNT)0.2g水分散を、溶媒として水を用い、Mo/Rh=0.2/0.9で、水熱反応を、反応条件:220℃、10時間行った。その後、Ar雰囲気下、350℃、2時間または550℃、2時間の仮焼を行った。
合成の結果、S量70%、350℃、2時間(MoRu−H01−CNT−C1と呼ぶ)と、S量70%、550℃、2時間(MoRu−H01−CNT−C2と呼ぶ)と、S量50%、350℃、2時間(MoRu−H02−CNT−C1と呼ぶ)と、S量50%、550℃、2時間(MoRu−H02−CNT−C2と呼ぶ)が得られた。
図62に、水熱反応により合成したRu−Mo−SであるMoRu−H01−CNT−C1と、MoRu−H01−CNT−C2と、MoRu−H02−CNT−C1と、MoRu−H02−CNT−C2のRDE評価の結果を示す。
【0096】
(カーボンナノチューブ(CNT)キシレン分散液を用いS量と焼成温度を変える)
Ru原料として、Ru(CO)16を、Mo原料として、MoCOを、S原料として、S(硫黄固体)を、カーボンナノチューブ(CNT)0.2gキシレン分散液を、溶媒としてキシレンを用い、Mo/Rh=0.2/0.9で、ソルボサーマル反応を、反応条件:220℃、10時間行った。その後、Ar雰囲気下、350℃、2時間または550℃、2時間の仮焼を行った。
合成の結果、S量70%、350℃、2時間(MoRu−S01−CNT−C1と呼ぶ)と、S量70%、550℃、2時間(MoRu−S01−CNT−C2と呼ぶ)と、S量50%、350℃、2時間(MoRu−S02−CNT−C1と呼ぶ)と、S量50%、550℃、2時間(MoRu−S02−CNT−C2と呼ぶ)が得られた。
図63に、ソルボサーマル反応により合成したRu−Mo−SであるMoRu−S01−CNT−C1と、MoRu−S01−CNT−C2と、MoRu−S02−CNT−C1と、MoRu−S02−CNT−C2のRDE評価の結果を示す。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明により、モリブデン(Mo)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)から選択される1種以上の元素の硫化物又は複合硫化物の微粒子と、導電性微粒子とを含む微粒子コンポジットを得ることが出来る。これらの、特定元素の硫化物又は複合硫化物の微粒子と、導電性微粒子とを含む微粒子コンポジットは公知の用途に用いられるほか、その特性を生かして種々の用途への開発が期待できる。例えば、低コスト化が可能な燃料電池用触媒として利用できる。更に、ドープするドーパント元素を選択することにより各種物性を発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の水熱反応あるいはソルボサーマル反応による合成方法をフロチャートに示す。
【図2】ソルボサーマル反応により合成したMoSのXRDパターンを示す。
【図3】MoClから合成したMoS粉末のSEM写真(仮焼400℃、5h)を示す。
【図4】ソルボサーマル反応のより合成したMoSのXRDパターンを示す。
【図5】thioureaから合成したMoS粉末のSEM写真(仮焼400℃、5h)を示す。
【図6】ソルボサーマル反応のより合成したMoS(a)とその仮焼物(b、c)のXRDパターンを示す。
【図7】S/Mo比を変化させた、Mo(CO)とSから220℃、10時間のソルボサーマル反応により合成したMoS生成物のXRDパターンを示す。
【図8】S/Mo比を変化させた、Mo(CO)とSから220℃、10時間のソルボサーマル反応により合成したMoSの400℃、5時間の仮焼物のXRDパターンを示す。
【図9】図9Aは、ソルボサーマル反応による生成物MoSの、図9Bは、その400℃、5時間の仮焼物の走査型電子顕微鏡写真を示す。
【図10】ソルボサーマル反応による生成物MoSの400℃、5時間の仮焼物の透過型電子顕微鏡写真を示す。
【図11】ソルボサーマル反応による生成物MoSのXRDパターンを示す。
【図12】図12A,Bは、ソルボサーマル反応による生成物MoSの電子顕微鏡写真を示す。
【図13】アンモニアを添加して水熱合成(220℃、10時間)したMoSのXRDパターンを示す。
【図14】アンモニアを添加して水熱合成したMoSをアルゴン気流中で仮焼(400℃、5時間)したMoSのXRDパターンを示す。
【図15】図15A,Bは、アンモニアを添加して水熱合成(220℃、10時間)したMoS(S/Mo=2.2)の走査型電子顕微鏡写真を示す。
【図16】S/Mo比を2.2とし水酸化ナトリウムを添加して水熱合成(220℃、10時間)したMoSとそれをアルゴン気流中で仮焼(400℃、5時間)したMoSのXRDパターンを示す。
【図17】0.6MNaOH水溶液中で水熱合成(220℃、10時間)したMoSの走査型電子顕微鏡写真(S/Mo比=2.2)を示す。
【図18】(NH[POMo12O]・3HOとthioureaとの水熱反応により得られた生成物とその仮焼物のXRDパターンを示す
【図19】図19A,Bは、(NH[POMo12O]・3HOとthioureaとの水熱反応により得られた生成物とその仮焼物の走査電子顕微鏡写真を示す。
【図20】(NH[POMo12O]・3HOとthioureaとの水熱反応により得られた生成物とその仮焼物のFTIRスペクトルを示す。
【図21】(NHMo24・4HOとthioureaとの水熱反応により得られた生成物とその仮焼物のXRDパターンを示す。
【図22】図22A,Bは、(NHMo24・4HOとthioureaとの水熱反応により得られた生成物とその仮焼物の走査電子顕微鏡写真を示す。
【図23】(NHMo24・4HOとthioureaとの水熱反応により得られた生成物とその仮焼物のFTIRスペクトルを示す。
【図24】S/Ru比を変化させ、ソルボサーマル反応(220℃、10時間)により合成したRuSのXRDパターンを示す。
【図25】ソルボサーマル反応(220℃、10時間)により合成したRuSの仮焼物(Ar気流中、400℃、5時間)のXRDパターンを示す。
【図26】図26A,B,Cは、ソルボサーマル反応(220℃、10時間)により合成したRuSの仮焼物(Ar気流中、400℃、5時間)の走査型電子顕微鏡写真を示す。
【図27】図27A,B,C,Dは、RuSの仮焼物の透過型電子顕微鏡写真を示す。
【図28】ソルボサーマル反応合成物RuS(S/Ru比=4)とその400℃仮焼物のFTIRスペクトルを示す。
【図29】水熱反応による生成物RuS(220℃、10時間)のXRDパターンを示す。
【図30】水熱反応による生成物RuS(220℃、10時間)の仮焼物(400℃、5時間)のXRDパターンを示す。
【図31】図31A,Bは、RuSとその仮焼物の走査型電子顕微鏡写真を示す。
【図32】ソルボサーマル反応(220℃、10時間)により合成したRhのXRDパターンを示す。
【図33】ソルボサーマル反応(220℃、10時間)により合成したRhの仮焼物(Ar気流中、400℃、5時間)のXRDパターンを示す。
【図34】S/Rh=5.0でソルボサーマル反応(220℃、10時間)により合成したRhとその仮焼物(Ar気流中、400℃、5時間、及び750℃、5時間)のXRDパターンを示す。
【図35】図35A,B,C,Dは、ソルボサーマル反応による生成物Rhとその仮焼物の走査型電子顕微鏡写真を示す。
【図36】水熱反応による生成物Rhとその仮焼物のXRDパターンを示す。
【図37】図37A,Bは、水熱反応の生成物Rhとその仮焼物の電子顕微鏡写真を示す。
【図38】図38A,Bは、S/Rh=3.0の水熱反応の生成物Rhの電子顕微鏡写真と電子線回折図形を示す。
【図39】図39A,Bは、S/Rh=3.0の水熱反応の生成物Rhの400℃焼成物の電子顕微鏡写真と電子線回折図形を示す。
【図40】水熱合成物Rh(S/Rh比=3)とその400℃仮焼物のFTIRスペクトルを示す。
【図41】ソルボサーマル反応(220℃、10時間)により合成したReSのXRDパターンを示す。
【図42】ソルボサーマル反応(220℃、10時間)により合成したReSの仮焼物(Ar気流中、400℃、5時間)のXRDパターンを示す。
【図43】S/Re比が4で得られた生成物ReS及び仮焼物のXRDパターンを示す。
【図44】S/Re比が9で得られた生成物ReS及び仮焼物のXRDパターンを示す。
【図45】図45A,B,C,Dは、ソルボサーマル反応生成物ReS及び仮焼物の走査型電子顕微鏡写真を示す。
【図46】図46A,Bは、S/Rh=9.0のソルボサーマル反応の生成物ReSの750℃焼成物の電子顕微鏡写真と電子線回折図形を示す。
【図47】ソルボサーマル生成物(S/Rh比=4)とその400℃仮焼物のFTIRスペクトルを示す。
【図48】水熱反応(220℃、10時間)により合成したReSのXRDパターン、及び水熱反応(220℃、10時間)により合成したReSの仮焼物(Ar気流中、400℃、5時間)のXRDパターンを示す。
【図49】図49A,B,C,Dは、水熱反応生成物ReS及び仮焼物の走査型電子顕微鏡写真を示す。
【図50】ソルボサーマル反応(220℃、10時間)により合成したRh−Mo−SのTEM観察結果を示す。
【図51】Rh/C及びRh−Mo−S/Cの酸素還元電流値を示す。
【図52】本発明の、幾つかの元素の硫化物又は複合硫化物の微粒子と、導電性微粒子とを含む微粒子コンポジットの酸素還元触媒性能の結果を示す。
【図53】ソルボサーマル反応により合成したRu−Mo−SであるMoRuS/C−1とMoRuS/C−2のRDE評価の結果を示す。
【図54】ソルボサーマル反応により合成したMoRuS/C−1のTEM観察結果を示す。
【図55】ソルボサーマル反応により合成したRu−Mo−SであるMoRuS/C−1とMoRuS/C−4と、MoRuS/C−5のRDE評価の結果を示す。
【図56】ソルボサーマル反応により合成したRu−Mo−SであるMoRuS/C−5とPaperのRDE評価の結果を示す。
【図57】ソルボサーマル反応により合成したRu−Mo−SであるMoRuS/C−11−C2とMoRuS/C−11−C4のRDE評価の結果を示す。
【図58】ソルボサーマル反応により合成したRu−Mo−SであるMoRuS/C−12とMoRuS/C−14のRDE評価の結果を示す。
【図59】ソルボサーマル反応により合成したRu−Mo−SであるMoRu−H1−CNT−C−1とMoRu−H2−CNT−C1のRDE評価の結果を示す。
【図60】水熱反応により合成したRu−Mo−SであるMoRu−H1−CNT−C1のTEM観察結果を示す。
【図61】ソルボサーマル反応により合成したRu−Mo−SであるMoRu−H1−CB−C1とMoRu−H2−CB−C1のRDE評価の結果を示す。
【図62】ルボサーマル反応により合成したRu−Mo−SであるMoRu−H01−CNT−C1と、MoRu−H01−CNT−C2と、MoRu−H02−CNT−C1と、MoRu−H02−CNT−C2のRDE評価の結果を示す。
【図63】ソルボサーマル反応により合成したRu−Mo−SであるMoRu−S01−CNT−C1と、MoRu−S01−CNT−C2と、MoRu−S02−CNT−C1と、MoRu−S02−CNT−C2のRDE評価の結果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モリブデン(Mo)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)から選択される1種以上の元素の硫化物又は複合硫化物の微粒子と、導電性微粒子とを含む微粒子コンポジット。
【請求項2】
平均粒子径が1nm〜1μmであることを特徴とする請求項1に記載の微粒子コンポジット。
【請求項3】
前記硫化物は、硫化モリブデン、硫化ロジウム、硫化ルテニウム、又は硫化レニウムから選択される2元系化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の微粒子コンポジット。
【請求項4】
前記複合硫化物は、Rh−X−Sで表される3元系化合物であり、Xはモリブデン(Mo)、パラジウム(Pd)、セレン(Se)、シリコン(Si)、タンタル(Ta)、テルル(Te)、トリウム(Th)、バナジウム(V)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、アンチモン(Sb)、タングステン(W)から選択される1種以上の元素であることを特徴とする請求項1又は2に記載の微粒子コンポジット。
【請求項5】
前記複合硫化物は、Ru−X−Sで表される3元系化合物であり、Xはモリブデン(Mo)、パラジウム(Pd)、セレン(Se)、シリコン(Si)、タンタル(Ta)、テルル(Te)、トリウム(Th)、バナジウム(V)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、アンチモン(Sb)、タングステン(W)から選択される1種以上の元素であることを特徴とする請求項1又は2に記載の微粒子コンポジット。
【請求項6】
前記微粒子がカーボンブラック及び/又はカーボンナノチューブであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の微粒子コンポジット。
【請求項7】
導電性炭素粉末と、モリブデン(Mo)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)から選択される元素を含む化合物の1種以上と、硫黄(S)を含む化合物とから、溶媒混合液を作製する工程と、該溶媒混合液を水又は溶媒の超臨界状態または亜臨界状態とする圧力および温度で水熱反応又はソルボサーマル反応させる工程とを含む、モリブデン(Mo)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)から選択される1種以上の元素の硫化物又は複合硫化物の微粒子と、導電性微粒子とを含む微粒子コンポジットの製造方法。
【請求項8】
前記水熱反応又はソルボサーマル反応工程は、200℃〜600℃で反応させることを特徴とする請求項7に記載の微粒子コンポジットの製造方法。
【請求項9】
前記水熱反応又はソルボサーマル反応工程の後に、不活性ガス雰囲気下で300℃〜800℃で熱処理させることを特徴とする請求項7又は8に記載の微粒子コンポジットの製造方法。
【請求項10】
前記導電性炭素粉末がカーボンブラック及び/又はカーボンナノチューブであることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の微粒子コンポジットの製造方法。
【請求項11】
反応をin−situに行うことを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載の微粒子コンポジットの製造方法。
【請求項12】
請求項1乃至6のいずれかに記載の微粒子コンポジットからなる固体高分子型燃料電池用触媒。
【請求項13】
請求項1乃至6のいずれかに記載の微粒子コンポジットを触媒として備えた固体高分子型燃料電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【公開番号】特開2009−82910(P2009−82910A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−233905(P2008−233905)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(504174180)国立大学法人高知大学 (174)
【Fターム(参考)】