説明

心臓弁逆流の処置のためのデバイスおよび方法

補綴具(100)は、リング(102)上に配置された可撓性材料(104)から形成されるポケット(106)を含む。心臓(124)の僧帽弁(120)中で適正に配向されるとき、このポケット(106)は、僧帽弁が閉じるとき拡大し、僧帽弁の小葉(122)間の任意の開口部をブロックする。収縮期の間に、左心室(128)中の血液からの背圧は、乳頭筋がこれらの小葉(122)を閉鎖位置に移動するとき、これらの僧帽弁小葉(122)を押す。これらの僧帽弁小葉(124)は、拡大されたポケット(106)に対して接合し、そうでなければ2つの小葉(122)間に存在し得るギャップを最小にするか、またはなくしさえする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、僧帽弁逆流を減少するためのデバイスおよび方法と題する、2004年9月14日に出願された米国仮出願第60/609,345号;および僧帽弁逆流を減少するためのデバイスおよび方法と題する、2005年3月3日に出願された米国仮出願第60/657,919号への優先権を主張し;これら両者は、参考として本明細書によって援用される。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
僧帽弁は、ヒト心臓の4つの弁の最も重要な弁であり、心臓の収縮の間に左心室から左心房への血液の逆流を防ぐ。左心房と左心室との間に位置して、この僧帽弁は、開放状態では血液流れを可能にしながら、閉鎖状態では血液流れをブロックするように位置決めされた2つの小葉を含む。
【0003】
この僧帽弁は、左心房と左心室との間の圧力差異により、そして僧帽弁小葉の自由エッジから心臓の心室壁上の乳頭筋まで延びる腱索と呼ばれるコラーゲンの腱様構造の複合ネットワークにより、開放および閉鎖される。乳頭筋が収縮するとき、それらは、小葉を引っ張り、そしてそれによって、僧帽弁を開き、血液が左心室中に流れることを可能にする。乳頭筋が弛緩するとき、小葉を引っ張ることは低減され、僧帽弁が閉鎖するようにし、それによって、左心室中への血液流れをブロックする。
【0004】
僧帽弁の正常な作動は、弁小葉が、接合または完全に閉鎖できず、逆流した血液が、左心房中に戻って流れることを可能にするとき損なわれ得る。この僧帽弁の逆流は、先天的弁欠陥により、または疾患に起因する心臓幾何学に対する変化によってしばしば引き起こされる。例えば、感染は、僧帽弁の輪を拡大させ得、そしてそれによって、弁小葉の位置おび配向を変える。別の例では、僧帽弁欠陥は、小葉の逸脱またはミスマッチを引き起こし得、血液流れが左心房中に戻って逆流するようにする。
【0005】
不十分な僧帽弁の処置に対する1つの初期アプローチは、人工弁との外科的置換を含んだ。これらの手順では、代表的には、開放心臓手術が患者に対して実施され、欠陥のある弁が、機械的弁または生物学的に派生された弁のいずれかで置換された。この処置手順は、時間とともに改良されたが、顕著な制限がなお存在する。例えば、僧帽弁の除去および置換は、高度に侵襲的であり、そしてそれ故、感染または拒絶のような重篤な合併症のリスクを増加する。
【0006】
弁置換にともなって必要な心臓再構築の量を低減するために、その他の外科的技法が開発されている。1つのこのような技法は、bowtie修復として知られ、そこでは、各僧坊弁小葉の中央領域が一緒に縫合される。別の技法は、この弁の輪の周りにひだ(placation)を生成することを含み、それによって、弁の輪の断面領域を低減する。これらの技法は、弁置換よりも少ない再構築を必要とするに過ぎないが、実質的な量の再構築がなお必要である。さらに、手術の結論の前に外科的手順の効目を評価することは困難であり得る。
【0007】
なお別の技法では、環状形成リングが僧帽弁の輪内に縫い付けられる。環状形成リングの直径は、僧帽弁の輪の直径より小さいので、この弁の小葉は一緒に移動され、接合を増加する。高度に侵襲的であることにまた加えて、環状形成リングは、一般に、僧帽弁の自然の湾曲した形状を歪め、そして輪の収縮性をさらに制限し得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記に記載の技法は、僧帽弁欠陥の処置に対してある程度の成功とともに用いられているが、心臓の再構築をほとんど要求しないか、または要求しないさらなる処置手順が必要である。さらに、最小の侵襲性で実施され得、そしてなお僧帽弁逆流をより効率的に減少またはなくし得るさらなる処置が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の目的および要旨)
上記先行技術の制限を克服することが本発明の目的である。
【0010】
僧帽弁逆流を処置するための改良された方法およびデバイスを提供することが本発明の目的である。
【0011】
左心房中への血液の逆流を減少する補綴具デバイスを提供することが本発明の別の目的である。
【0012】
患者内に経皮的に送達および展開され得る補綴具デバイスを提供することが本発明のなお別の目的である。
【0013】
僧帽弁小葉間のギャップを動的に充填し得る補綴具デバイスを提供することが本発明の別の目的である。
【0014】
僧帽弁逆流の大部分の症状を低減し得る補綴具デバイスを提供することが本発明の別の目的である。
【0015】
本発明は、これらの目的、および本明細書には特に列挙されていないその他の目的を、2つの僧帽弁小葉間に存在し得るギャップを少なくとも部分的にブロックするために心臓内に移植され得る補綴具を提供することによって達成することを求める。1つの好ましい実施形態では、この補綴具は、この補綴具を係留するために左心房内で拡大する係留リング、およびこの係留リングに固定されるポケット部材を含む。このポケット部材は、僧帽弁内で小葉間に、上記ポケット部材の開放側面が左心室内に位置決めされるように位置決めされる。僧帽弁が開くとき、血液はこのポケット部材を超えて流れ、このポケット部材を折り畳まれた状態に維持する。僧帽弁が閉じるとき、血液の背圧が、ポケット部材を押し込み、このポケット部材を膨張した形状に拡大する。僧帽弁小葉はこの拡大されたポケット部材と接触し、上記補綴具が小葉間の開口部の少なくとも一部分をブロックするようにし、それによって、左心房中への逆流される血液流れを最小にする。
【0016】
本発明の別の好ましい実施形態は、弁逆流を処置するためのデバイスを提供し、このデバイスは、
弁の小葉の間に少なくとも部分的に配置するためのサイズの接合部材であって、拡大された状態および収縮された状態を有し、そして該小葉の交連に実質的に等しい長さを有する接合部材;および
該接合部材に連結された係留構造であって、送達カテーテル内に適合するようなサイズの圧縮された状態、および該弁に隣接するチャンバの壁の少なくとも一部分上での固定のためのサイズの拡大された状態を有する係留構造を備える。
【0017】
本発明の別の好ましい実施形態は、弁逆流を処置するための方法を提供し、この方法は、送達カテーテル内に補綴具を装填する工程であって、該補綴具が係留部分および接合部分を含む工程;
該送達カテーテルを心臓のチャンバに進行する工程;
該接合部分を弁内に展開する工程;
該係留部分を拡大し、該チャンバの壁に接触する工程;および
該接合部分を該弁の交連内で支持する工程、を包含する。
【0018】
本発明の別の好ましい実施形態は、収縮期の間に弁中の血液流れを実質的にブロックするためのデバイスを提供し、このデバイスは、
側方寸法を有する可撓性部材;
該可撓性部材に連結され、そして該可撓性部材の側方寸法を該弁の小葉の交連長さに沿って位置決めするような形態の支持部材;
該支持部材に連結され、圧縮された形態および拡大された形態を含む係留部材を備え、
ここで、該係留部材の拡大された形態が、該支持部材を該弁内に少なくとも部分的に位置決めするような形状である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(発明の詳細な説明)
本発明は、心臓収縮の収縮期の間に左心室から左心房中に流れる血液の量を低減することを得る。この僧帽弁逆流の大部分の例は、僧帽弁が閉鎖されるとき、これらの小葉間に開口部を生成する僧帽弁小葉の乏しい接合によって引き起こされる。本発明は、僧帽弁小葉間のこれらの開口部のサイズを低減し、そしていくつかの事例では、これら開口部を完全になくし、僧帽弁が、逆流がほとんどないか、または逆流なくして機能することを可能にする。これは、本明細書に記載される少なくともいくつかの実施例の実施形態で、2つの僧帽弁小葉が、閉鎖されるとき小葉間の開口部を閉鎖または埋める部材を位置決めすることにより達成される。
【0020】
(図1A〜4)
1つのこのような設計は、図1A〜4に観察され得、これらは、本発明による補綴具100の好ましい実施形態を示す。この補綴具100は、リング102上に配置された可撓性材料から形成されるポケット106を含む。図1Bで最も良く観察されるように、ポケット106は、心臓124の僧帽弁120内に適正に配向されるとき、僧帽弁120が閉じるとき拡大し、僧帽弁小葉122間の任意の開口部をブロックする。さらに、このポケット106は、僧帽弁120が開くとき収縮または萎み、左心房126から左心室128への血液流れを最大にする。この意味で、このポケット106は、膨張可能閉塞部材または接合部材としてより一般に説明され得る。
【0021】
このポケット106は、線108において、またはその周りで、少なくとも2つの層の可撓性材料104を接着、縫い付け、またはそうでなければ、付着することで生成される。これらの層は、材料の2つの別個の片、またはそれ自体に対して折り畳まれる単一の片で達成される。好ましくは、可撓性材料104は、心臓周囲組織、またはウシの組織、ポリウレタン、もしくは米国特許第6,764,510号に記載のように、類似の可撓性をもつ、生物学的もしくは人工材料から作製され、この特許の内容は、本明細書中に参考として援用される。ポケット106の形状および可撓性織物108の可撓性は、ポケット106が、図1D、2Aおよび3Aで最も良く観察されるような萎んだ位置、および図1C、2Bおよび3Bで最も良く観察されるような拡大された位置を達成することを可能にする。
【0022】
ポケット106は、丸くなった弓形状のポケット106が好適であるように、ポケット106に入ること、およびそれからの血液の逃避を容易にするポケット形状である、種々の異なる形態に成形され得る。鋭い隅または粗い縫い目を含むポケット106の形態は、ポケット106中への、またはそれからの血液流れのそれらの破壊的な影響に起因してより好まれない。好ましくは、このポケット106はまた、僧帽弁120の全体長さに類似の全体長さを含み、そしてより好ましくは、実質的に僧帽弁交連の長さであり、図2Bで最も良く観察されるように、ポケット106が、小葉122の長さに沿って存在し得る任意の開口部を満たすことを可能にする。単一のポケット106が好ましいが、ポケット内のさらなるポケットまたは区画がまた、本発明に含まれ得る。
【0023】
リング102は、好ましくは、Nitinolのような弾性の形状記憶材料から作製され、これは、図4に見られるように、補綴具100が送達カテーテル110内で圧縮されるか、または装填されること、次いで、図3Aおよび3Bに見られるように、左心房126内で所定の形状に拡大されることを可能にする。このリング102は、心臓124の左心房126の壁に対し、そして僧帽弁120の交連内のいくつかの形態に押されるサイズであり、その一方、ポケット106を少なくとも部分的に僧帽弁120を通って位置決めする。さらに、ポケット106の下部開口部端部106Aは、左心室128の近傍またはその中に位置決めされる。この意味で、このリング102は、より一般的に、係留フレームワークまたは係留構造として説明され得る。
【0024】
一旦、心臓124内に位置決めされると、この補綴具100は、心臓弁に類似の様式で機能し、拡張期の間に開き、収縮期の間に閉じる。より詳細には、血液が、左心房126の頂部近傍で肺静脈125から左心房に入るとき、血液は、僧帽弁120に向かって下方に移動する。血液流れが僧帽弁120に到達するとき、それは、僧帽弁120が乳頭筋によって開かれるとき、僧帽弁小葉122を押す。血液流れはまた、補綴具100のポケット106を押し、ポケット106内に存在し得る任意の血液を外に押し、そして、図3Aに見られるように、ポケット106を、実質的に萎むか、または圧縮された位置にあるようにする。ポケット106のこの圧縮された形態は、血液流れ抵抗、および左心房内のデバイスが、そうでなければ引き起こし得るその他の破壊的影響を最小にする流線型プロフィールを提供する。この点で、拡張期の間に、血液流れは、左心房126中に、僧帽弁120を通り、そして補綴具100を超えて流れ、左心室128中への血液流れの通過を可能にする。
【0025】
収縮期の間に、左心室128中の血液からの背圧は、乳頭筋が僧帽弁小葉122を閉鎖位置に移動するとき、これらの小葉122を押す。さらに、左心室128中の血液の背圧は、補綴具100のポケット106に入り、ポケット106が、図3Bに見られるように、拡大された形状を達成するようにする。僧帽弁小葉124は、図2Bに最も良く見られるように、この拡大されたポケット106に対して接着し、そうでなければ存在し得る2つの小葉122間のギャップを最小にするか、またはなくしさえする。従って、収縮期の間の血液流れは、補綴具100を拡大し、そうでなければ存在し得る小葉122間の任意の開口部を減少またはなくし、最終的には、左心房126中への血液の逆流を減少または防ぐ。
【0026】
ポケット106の動的な可撓性性質に一部起因して、この補綴具100は、小葉122間の広範な範囲の開口部サイズを、等しく広範な範囲のポケットサイズの必要性なくして充填するように拡大し得る。換言すれば、同じサイズのポケット106が、僧帽弁122間の比較的小さな開口部または比較的大きな開口部を充填するために拡大し得る。従って、同じサイズの補綴具100が、比較的重篤な僧帽弁逆流および比較的温和な僧帽弁逆流をもつ患者に適切であり得る。しかし、異なるサイズの補綴具100が、異なるサイズの僧帽弁120について適切であり得る。なぜなら、ポケット106が、僧帽弁の交連の長さ、または2つの小葉間の「合致する線」の長さに沿って延びることが好ましいからである。
【0027】
補綴具100は、好ましくは、図4に見られるように、カテーテル110によって経皮的に左心房126に送達される。例えば、送達カテーテル110は、大腿静脈を通り、右心房中に供給され得、そして心房中隔125中に予め作製された穿孔を通過され得る。別の例では、送達カテーテル110は、大腿動脈から大動脈中に、大動脈弁を通って左心室中に通過され得る。
【0028】
あるいは、補綴具100は、開放心臓手術の間に心臓125の心房壁中の開口部を通り左心房126中に挿入され得る。補綴具100は、開放心臓手順の間により容易に観察かつ位置決めされ得るが、経皮的送達がより侵襲的でなく、そしてそれ故、合併症の実質的により低いリスクを含む。
【0029】
(図5A〜8B)
本発明による補綴具200の別の好ましい実施形態は、図5A〜7Bに観察され得る。補綴具100とほぼ類似であるが、補綴具200はまた、この補綴具200を左心房126内に係留し、そしてポケット206を、僧帽弁交連の長さに沿って、僧帽弁小葉122間に位置決めするように拡大する4つの係留ループを含む。この点で、この係留ループ202は、係留フレームワークまたは係留構造としてより一般的に説明され得る。
【0030】
ポケット206は、ポケット206のために支持フレームを提供する、支持アーム204および底部支持体208によって支持される。好ましくは、側方アーム204および底部支持体208は、係留ループ202に連結する単一の一つのワイヤであるが、ワイヤの複数のセグメントが、同様に、例えば、溶接またはハンダによって、一緒に連結され得る。補綴具100の先に記載された実施形態でのように、指示アーム204および底部支持体208は、好ましくは、Nitinolのような、弾性の記憶形状材料から構成され、これは、図7Aおよび7Bに見られるように、カテーテル110中に圧縮および装填され、次いで、図5A〜6に見られる所定の形状に展開されることを可能にする。好ましくは、この支持アーム204および底部支持体208のために用いられるワイヤは、小葉122の自由エッジの変形が最小であり、そしてそれ故、僧帽弁の幾何学的形状の歪みを最小にするようなサイズおよび形状である。この点で、この支持アーム204および底部支持体208は、代替的に、フレームワーク、支持構造、または位置決めフレームとして説明され得る。
【0031】
ポケット206は、先の実施形態のポケット106と類似であり、好ましくは、係留ループ202とは反対を向いた開口部とともに、ポケット形状を形成するようなサイズおよび形状である可撓性の生物学的または人工材料から構成される。ポケット206は、支持のために外側支持アームに直接縫い付け、接着、または付着され得る。あるいは、ポケット206の可撓性織物が縫い付けられ得、ポケット206の外面上の支持アーム204のための細長い通路を形成する。
【0032】
図6で最も良く観察されるように、ポケット206は、ポケット206の開放端部が左心室128に向かって面するように少なくとも部分的に僧帽弁120内に位置決めされる。この形態では、ポケット206は、拡張期の間は萎み、僧帽弁120中の血液流れの妨害を最小にし、そして収縮期の間は拡大され、僧帽弁小葉122の間の任意の開口部を少なくとも部分的に充填し、そしてそれによって左心房126中への血液流れの逆流を最小にする。
【0033】
補綴具200は、好ましくは、経皮送達カテーテル110によって左心房126に送達されるが、補綴具100に関して説明されたように、開放心臓手術の間にもまた移植され得る。このポケット206は、僧帽弁120内で特定の配向を必要とする水平方向に細長い形状を有するので、適正位置への補綴具200の経皮的送達は、開放心臓手術の間の送達より困難であり得る。従って、送達カテーテル110は、図8Aおよび8Bに見られるように、回収糸210および押しロッド212を含み得、補綴具200をカテーテル110中に戻し、そして左心房126内の新たな位置で補綴具200を再展開する。
【0034】
好ましくは、回収糸210は、金属、シルク、またはポリプロピレンのような細いが強い材料から構成され、そして単一のセグメントである。回収糸210の自由な両端部は、送達カテーテル110の近位端に位置決めされ、その一方、糸210の本体は、送達カテーテルを通り、各係留ループ202を通り、そしてカテーテル110に戻って延びる。
【0035】
拡大された状態にある補綴具200の形態に依存して、回収糸210単独では、補綴具200を完全に再圧縮し、そして再捕獲するために必要な力は提供されないかも知れない。このような状況では、押しロッド212が回収糸210と組み合わせ用いられ得、補綴具200を、送達カテーテル110内に再捕獲するために受容可能な形状に操作する。例えば、送達カテーテル110の操作者は回収糸210を引き得、その一方、押しロッド212で係留ループ202を押す。押すことと引くことを同時に行うと、係留ループ202を、送達カテーテル110によってより容易に再捕獲され得る細長い形状に変形し、そして補綴具200を再展開する。
【0036】
(図9A〜9E)
図9A〜9Eは、大部分は図5A〜8Bで先に示された補綴具200に最も類似である補綴具250の別の好ましい実施形態を示し、支持アーム258に固定された係留ループ252および支持アーム256間に配置されたポケット254を有する。しかし、図9Eで最も良く観察されるように、この補綴具250の支持アーム258は、ポケット254の外面上に代わってポケット254内に位置決めされ、そして取り付けられて、補綴具200と比較してより均一な外面形状を生成する。さらに、この底部支持体256は、支持アーム258に対して力を奏し、ポケット254を完全に展開された位置に維持するような形態である。
【0037】
(図10A〜11)
図10A〜11は、先に記載された本明細書の実施形態にほぼ類似である本発明による補綴具300のなお別の実施形態を示し、可撓性材料から作製されたポケット306を支持する支持アーム304を有する。
【0038】
本明細書で先に記載された実施形態とは異なり、この補綴具300は、支持アーム304と一体である係留ケージ302を含む。好ましくは、係留ケージ302および支持アーム304の両方は、単一の金属チューブから、チューブ中に所望のパターンをレーザー切断することにより、またはステントを製造するために用いられるその他の技法によるなどで切断される。このチューブの金属は、好ましくは、好ましくは、Nitinolのようなステントのために一般に用いられるような形状記憶材料から構成される。この点で、この係留ケージ302は、係留フレームワークまたは係留構造としてより一般的に説明され得る。
【0039】
一旦、左心房126内で拡大されると、係留ケージ302は、本明細書で先に説明された実施形態より多くの位置で左心房126の組織と接触し、そしてそれ故、左心房126内に係留力をより均一に分配する。さらに、この係留ケージ302の拡大された形状は、左心房126の幾何学的形状により良好に一致するような形状であり得、そしてそれ故、ポケット306を所望の位置により正確に位置決めする。
【0040】
本明細書の先に記載された実施形態でのように、この補綴具300は、好ましくは、図11に見られるような送達カテーテル110で経皮的に送達されるが、それに代わって開放心臓手術の間に展開され得る。経皮的送達の場合には、この補綴具300は、図11に見られるように、比較的小さな予備展開された状態に圧縮する。
【0041】
(図12A〜13)
図12A〜13は、本発明による補綴具400の別の好ましい実施形態を示し、これは、図5A〜8Bに示される補綴具200のような、先に記載の実施形態にほぼ類似である。より詳細には、補綴具400の類似点は、支持アーム404を経由してポケット406を係留および位置決めする係留ループ402を含む。このポケット406は、僧帽弁120が閉鎖されるとき、僧帽弁小葉122間の任意の開口部中の拡大するように、僧帽弁120内に同様に位置決めされる。
【0042】
先に記載された実子形態とは対照的に、この補綴具400は、終結領域408を有する球、レモン形状を形成する複数の係留ループ402を含む。この係留ループ402の全体の形状は、左心房126に対して異なる角度で圧力を付与するように拡大し、これは、補綴具400の位置をより良好に維持する。さらに、この終結領域408は、左心房126の組織を押し得るか、またはそれに代わって左心房126の壁内の切開(例えば、心房中隔内の経皮的接近切開)内に位置決めされ得、さらなる係留支持を提供する。
【0043】
補綴具400の本体は、係留ループ402、および2つのポケット支持体404を形成するような形態であるワイヤ402A〜402Eを含む。ワイヤ402B、402C、および402Dは、ほぼ円形形状を有するような形状であり、自由端部の各々は、終結領域408によって捕獲される。この点で、ワイヤ402B、402C、および402Dは、補綴具400の単一ループを形成する。
【0044】
ワイヤ402Aの1つの端部は、終結領域408内に固定され、その一方、他方の端部は、下方に延びてポケット支持体404を形成し、2つの端部間に、ワイヤ402B、402C、および402Dによって形成される形状に類似の形状を有する弧形状を含む。第2のポケット支持体404がワイヤ404Eから形成され、これは、終結領域408内に同様に固定される。本明細書で記載される、先に記載された実施形態でのように、このポケット406は、ポケット支持体404に固定され、それによって、図13で最も良く観察されるように、ポケット406を僧帽弁120内の所望の位置に維持する。この点で、この係留ループ402は、係留フレームワークまたは係留構造としてより一般的に説明され得る。
【0045】
(図14A〜16B)
図14A〜16Bに示される別の好ましい実施形態では、補綴具500が、本発明に従って示される。本明細書内で論議された先の実施形態と同様に、補綴具500は、係留ワイヤ502によって支持および位置決めされるポケット506を含む。この補綴具500は、先に論議された実施形態の湾曲した係留ワイヤと類似の湾曲した係留領域502Aを含むが、これらの係留領域502Aは、単一の係留ワイヤ502を備える。単一の係留ワイヤ502を用いることにより、この補綴具500は、そうでなければ存在し得る可能な鋭い端部またはエッジを最小にする。この意味で、この係留ワイヤ502は、係留フレームワークまたは係留構造としてより一般的に記載され得る。
【0046】
図16Aおよび16Bに見られるように、補綴具500の1つの可能な送達方法は、経皮送達カテーテル110内に補綴具500を圧縮すること、または装填すること、および左心房126にこの補綴具500を送達することを含む。一旦、左心房126内にあると、この補綴具500は、図15に見られる予め規定された形状に拡大する。従って、この補綴具500は、先で論議された実施形態と同様に、僧帽弁120内でポケット506の位置を維持し、逆流を減少する。
【0047】
(図17A〜17D)
図17A〜17Dは、僧帽弁120内でポケット606を係留することによって、本明細書で先に記載された実施形態に類似の、僧帽弁逆流を低減する本発明による補綴具600のなお別の好ましい実施形態を示す。
【0048】
対照的に、この補綴具600は、左心房126の非対称の内部により緊密に似る非対称の卵を有するような形状の係留ワイヤ602を含む。この係留ワイヤ602の非対称性は、左心房126の自然の非対称性に一致するので、この補綴具600は、所定の位置にそれ自体拡大し、そして配向し、僧帽弁120とのポケット606の安定した係留および一致した整列を提供する。さらに、この非対称設計は、心房中隔を通る切開の位置からの送達および展開を容易にする。なぜなら、この補綴具600は、拡大して左心房126の幾何学的形状に強固に係合するからである。この点で、この係留ワイヤ602は、係留フレームワークまたは係留構造としてより一般的に説明され得る。
【0049】
このポケット606はまた、完全に展開されるとき、放射状または円筒形形状を含み、そして拡大可能な閉塞部材または接合部材としてより一般に説明され得る。この放射状形状は、ポケット606の僧帽弁小葉122(すなわち、僧帽弁120の交連)に対する回転する配向にかかわらず、類似である均一な水力の機能を与える。この点で、この補綴具600は、逆流の減少に悪影響を及ぼすことなく、より多くの数の配向に展開され得る。
【0050】
(図18A〜18D)
図18A〜18Dは、先に記載された補綴具600とかなり類似している本発明による補綴具700の別の好ましい実施形態を示し、左心房126の幾何学的形状に類似の非対称形状を形成する係留ワイヤ702を有する。しかし、この補綴具700は、回転軸710を回転することにより、係留ワイヤ702に連結される細長い非放射状形状を備えるポケット706を含む。回転軸710は、ポケット706と係留ワイヤ702との間の回転を可能にし、ポケット706が、係留ワイヤ702の配向にかかわらず、僧帽弁120内で所望の回転配向を達成することを可能にする。この点で、この係留ワイヤ702は、係留フレームワークまたは係留構造としてより一般的に説明され得る。
【0051】
図18Dで最も良く観察されるように、回転軸710は、ポケット706の見えないワイヤ支持体から延びるループ708から構成される。係留ワイヤ702は、ワイヤループ708を取り囲み、そしてそれによってこれを係合するワイヤコイル704を含み、この係留ワイヤ702がポケット706に関して回転することを可能にする。この点で、外科医は、最初、ポケット706を僧帽弁120内の所望の位置に位置決めし、次いで、係留ワイヤ702を、補綴具700の全体の回転配向を調節する必要性なくして展開することにより、補綴具700を経皮的により容易に展開し得る。さらに、補綴具700の回転する能力は、ポケット706が、各僧帽弁小葉122がポケット706の細長い側面に対して接触するように自己整列することを可能にする。
【0052】
(図19A〜19D)
図19A〜19Dは、本明細書で先に記載された実施形態、特に、図18A〜18Dに示される補綴具700に類似である補綴具800の好ましい実施形態を示す。より詳細には、この補綴具800は、左心房126の幾何学的形状に類似の非対称形状に拡大する係留ワイヤ802を含む。さらに、この補綴具800は、回転する接続部810によって係留ワイヤ802に連結される細長いポケット806を含む。この点で、係留ワイヤ802は、係留フレームワークまたは係留構造としてより一般的に説明され得る。
【0053】
先に説明された補綴具700とは対照的に、補綴具800は、本明細書でその他の実施形態において記載されたように、ポケット806の構造を支持するのみならず、シリンダー808の周りを覆い、次いで、図19Dで最も良く観察されるように、ループ形状804Aに半径方向の外方に分岐するポケット支持ワイヤ804を含む。係留ワイヤ802の端部は、係留ワイヤ806がポケット806から自由に回転することを可能にするように、シリンダー808内で連結され得る。
【0054】
ポケット支持ワイヤ804のループ領域804Aは、自由に回転するポケット806を、それ自身が僧帽弁120内の所望の位置に配向する際に支援する。さらに、これらの外側のループ領域804Aは、僧帽弁120の輪の上に静止することにより、ポケット806への支持を提供するようなサイズおよび形状であり得る。
【0055】
あるいは、ポケット支持ワイヤ804のループ領域は、係留ワイヤ802の一部分と少なくとも部分的に相互ロックするような形状であり得、係留ワイヤ802が所定のそしてそれ故ポケット支持ワイヤ804のループの長さによって制限される範囲内で自由に回転することを可能にする。このような回転制限は、展開された形態にあるポケット806に対する回転制御の少なくともある程度を可能にすることによって、送達および展開の際に外科医をより良好に支援し得る。
【0056】
(図20A〜21B)
図20A〜21Bは、図17A〜17Dの補綴具600のような、本明細書で先に論議された実施形態にほぼ類似である本発明によるなお別の好ましい実施形態の補綴具900を示す。例えば、この補綴具900は、放射状形状およびポケット支持ワイヤ908を有するポケット、およびこのポケット906に固定され、そして左心房126の内部幾何学的形状にほぼ一致する非対称形状を有する係留ワイヤ902を含む。
【0057】
しかし、この補綴具900は、2つの別個に展開可能な支持構造物:先に述べられた係留ワイヤ902および内部支持ワイヤ904を含む。内部支持ワイヤ904は、細長い領域904A、および支持ワイヤ908としてポケット906内に続く係留領域904Bを含む。この係留ワイヤ902および内部支持ワイヤ904は、係留フレームまたは係留構造としてより一般的に説明され得る。
【0058】
図21Aおよび21Bで最も良く観察されるように、この支持構造902および904は、送達カテーテル110での経皮的送達の間に別個に展開され得る。この補綴具900が送達カテーテル110から押されるとき、細長い領域904Aおよび係留領域904Bを含む内部支持ワイヤ904は、最初拡大するが、係留ワイヤ902は、比較的圧縮されたままである。
【0059】
係留領域904Bの拡大された形状は、好ましくは、僧帽弁120の輪の少なくとも一部分と係合するようなサイズおよび形状である。この点で、使用者は、ポケット906を僧帽弁120内の所望の位置に向け得、その一方、係留領域904Bは拡大し、ポケット906を少なくとも部分的にその場に係留する。一旦、使用者が、ポケット906について所望の位置を達成すると、残りの係留ワイヤ902は、送達カテーテル110から展開され得、それらを拡大して左心室126に対して押し、それによって、補綴具900をその場にされに係留する。
【0060】
(図22A〜22C)
図22A〜22Cは、本発明による補綴具1000のなお別の好ましい実施形態を示す。一般に、この補綴具1000は、図17A〜17Dの補綴具600のような、本明細書で先に記載された実施形態に類似であり、係留ワイヤ1002、ポケット支持ワイヤ1004、および放射状形状を有するポケット1006を含む。
【0061】
これらの類似性に加えて、この補綴具1000は、ポケット1006の開放端部に向かって湾曲する係留ワイヤ1002の領域1002Aを含む。左心房126内で拡大するとき、本発明の領域1002Aは、僧帽弁120の輪に少なくとも部分的に接触する。この輪の支持は、ポケット1006が僧帽弁120を超えて左心室128中に押されることを防ぎ、左心房120内で補綴具の全体の垂直位置を維持する。この点で、こけ係留ワイヤ1002は、係留フレームワークまたは係留構造としてより一般に説明され得る。
【0062】
(図23A〜23D)
ここで、図23A〜23Dを参照して、本発明による補綴具1100のなお別の好ましい実施形態が示される。再び、この補綴具は、本明細書に記載された先の実施形態にほぼ類似であり、細長い形状、係留ワイヤ1102、およびポケット1106を部分的に支持し、そしてポケット1106の頂部部分から延びる下部ループ1104を含む。
【0063】
しかし、係留ワイヤ1102の自由端部は、下部ループ1104の周りに巻かれ、係留ワイヤ1102のループが下部ループ1104上で回動し、より複雑な係留形態を達成することを可能にする。より複雑な係留形態を達成することにより、この補綴具1100は、より良好な支持を提供し得、そしてそれ故、経時的にポケット1106のより一定な位置決めを提供し得る。この点で、この係留ワイヤ1102は、係留フレームワークまたは係留構造としてより一般的に説明され得る。
【0064】
(図24A〜24E)
図24A〜24Eは、本発明による補綴具1200の別の好ましい実施形態を示し、細長い形状内のポケット1206、このポケット1206内の見えないポケット支持ワイヤの一部である回動ループ1204、および回動ループ1204の周りに巻かれ、自由に回転するピボット1212を形成する領域1210を有する。
【0065】
係留ワイヤ1202の設計とのさらなる複雑さを達成するために、図24Eで最も良く観察されるように、係留ワイヤの一部分は、編物1208で互いに固定される。さらなる複雑さ、およびループ構造を達成することにより、この補綴具1200は、それ自体を、左心房126内により良好に係留、そしてそれ故固定し得る。さらに、編物1208は、係留ワイヤ1202の結合された領域が、互いに対してヒンジ連結することを可能にし、これは、送達カテーテル110内の効率的な装填、または左心室126内のより複雑な展開戦略0可能にし得る。この点で、この係留ワイヤ1202は、係留フレームワークまたは係留構造としてより一般的に説明され得る。
【0066】
(図25)
図25を参照して、補綴具1300のなお別の好ましい実施形態が、本発明に従って示される。詳細には、補綴具1300は、本明細書で先に記載された実施形態にほぼ類似の、ポケット支持体1304を有するポケット1306を示し、そしてこのポケット支持体1304に連結されたステントアンカー1302をさらに含む。この点で、このステントアンカーは、係留フレームワークまたは係留構造としてより一般的に説明され得る。
【0067】
このステントアンカー1302は、当該技術分野で公知のように、種々の異なる材料および構造から構成され得る。例えば、いくつかのステント技法は、米国特許第6,936,067号;同第6,929,658号;同第6,926,743号;同第6,923,828号;および同第6,902,575号で観察され得;各々の内容は、本明細書中に参考として援用される。
【0068】
(図26A〜26B)
図26Aおよび26Bを参照して、なお別の好ましい実施形態の補綴具1400が本発明に従って示され、これは、ポケット1406のための代替の係留および位置決めシステムを含む。詳細には、位置決めアーム1402は、心房中隔125内に係留し、位置決めアーム1402の基部から延び、そして心房中隔125の左右両側面を押す複数の中隔取り付けアームを有する。好ましくは、この中隔取り付けアーム1402は、当該技術分野で公知の心房中隔閉鎖デバイス中のサイズおよび形態に類似のサイズおよび形態である。この目的のために、位置決めアーム1402は、係留フレームワークまたは係留構造としてより一般的に説明され得る。
【0069】
この点で、この補綴具400は、心房中隔125中の切開を経由して送達され得、最初、僧帽弁120内にポケット1406を位置決めし、次に、中隔取り付けアーム1404を、係留支持のために心房中隔125の左右両側面に対して延ばす。この位置決めアーム1402は、心房中隔125内の切開を実質的に閉塞し、その一方、中隔取り付けアーム1402は、この位置決めアーム1402の周りの中隔組織を保持し、血液が中隔125を通ってその間を通過することを防ぐ。
【0070】
本明細書中に開示される好ましい実施形態は、拡大可能なポケットを含むけれども、その他の設計が、本発明によって企図される係留設計とともに用いられ得ることが理解されるべきである。例えば、中実であり、そして好ましくは可撓性のプレート部材が代替的に用いられ得、本明細書の実施形態のポケットに関して記載されたようなのと類似の形状およびサイズを有する。
【0071】
好ましくは、この中実の部材は、比較的柔軟で、特に、僧帽弁小葉によって接触されるときいくらかの圧縮を可能にする可撓性を有する。より詳細には、この中実部材は、心臓周囲組織の2つの片をともに接着すること、そして先の実施形態でポケットに関して記載されたようなのと類似の支持部材またはワイヤを提供することによって生成され得る。支持部材の代わりに、Nitinolのひもが、この中実部材および左心室128の両方に取り付けられ得、中実部材が左心房126中に移動することを防ぐ。あるいは、この中実部材は、ポリウレタンのような弾性の生体適合性のポリマー材料から構成され得る。
【0072】
好ましくは、本明細書の実施形態はまた、左心房126に接触する係留ループまたは係留ワイヤを連結する、ポリウレタンのような可撓性ポリマーシートを含み得る。この点で、この可撓性シートは、係留力をより均一に分配することにより左心房壁上のストレスをさらに低減する。
【0073】
本出願の実施形態の異なる要素が組み合わされ得、本発明によって企図されるさらなる設計を形成することが理解されるべきである。例えば、図26Aおよび26Bに示される中隔係留補綴具1400は、図20A〜20Cの補綴具900とともに示される係留構造と組み合わされ得る。
【0074】
本発明で開示される実施形態は、心臓の僧帽弁とともに用いられるとして詳細に説明されているが、これらの実施形態は、その他の心臓弁との使用のために適合され得ることもまた企図される。例えば、上記係留構造は、心臓内の異なる幾何学的形状に対して押すように改変され得、そして上記のポケットは、三尖弁のような、異なる形状の弁に適合され得る。
【0075】
本発明は、特定の実施形態および適用に関して説明されているが、当業者は、この教示を考慮して、特許請求の範囲に記載の発明の思想から逸脱することなく、またはその範囲を超えることなく、さらなる実施形態および改変を生成し得る。従って、図面および本明細書中の説明は、例示によって提出され、本発明の理解を容易にし、そしてその範囲を制限すると解釈されるべきではないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1A】図1Aは、本発明の1つの好ましい実施形態による補綴具の前面図を示す。
【図1B】図1Bは、図1Aの補綴具の斜視図を示す。
【図1C】図1Cは、拡大された形態にある図1Aの補綴具のプロフィール図を示す。
【図1D】図1Dは、萎んだ形態にある図1Aの補綴具のプロフィール図を示す。
【図2A】図2Aは、僧帽弁内で萎んだ形態にある図1Aの補綴具の下面図を示す。
【図2B】図2Bは、僧帽弁内で拡大された形態にある図1Aの補綴具の下面図を示す。
【図3A】図3Aは、僧帽弁内で萎んだ形態にある図1Aの補綴具のプロフィール図を示す。
【図3B】図3Bは、僧帽弁内で拡大された形態にある図1Aの補綴具のプロフィール図を示す。
【図4】図4は、送達カテーテル中の図1Aの補綴具の前面図を示す。
【図5A】図5Aは、本発明の別の好ましい実施形態による補綴具の前面図を示す。
【図5B】図5Bは、図5Aの補綴具の側面図を示す。
【図5C】図5Cは、図5Aの補綴具の斜視図を示す。
【図5D】図5Dは、図5Aの補綴具の斜視図を示す。
【図6】図6は、心臓内の図5Aの補綴具の側面図を示す。
【図7】図7Aおよび7Bは、送達カテーテル内の図5Aの補綴具の側面図を示す。
【図8】図8Aおよび8Bは、回復糸を備えた図5Aの補綴具の側面図を示す。
【図9A】図9Aは、本発明の別の好ましい実施形態による補綴具の前面図を示す。
【図9B】図9Bは、図9Aの補綴具の側面図を示す。
【図9C】図9Cは、図9Aの補綴具の斜視図を示す。
【図9D】図9Dは、図9Aの補綴具の斜視図を示す。
【図9E】図9Eは、図9D中の領域9Eの拡大図を示す。
【図10】図10Aは、本発明の別の好ましい実施形態による補綴具の前面図を示す。図10B〜10Dは、図10Aの補綴具の種々の斜視図を示す。
【図11】図11は、送達カテーテルからの展開の間の図10Aの補綴具の側面図を示す。
【図12】図12Aは、本発明の別の好ましい実施形態による補綴具の前面図を示す。図12Bは、図12Aの補綴具の側面図を示す。図12C〜12Eは、図12Aの補綴具の種々の斜視図を示す。
【図13】図13は、心臓内の図12Aの補綴具の側面図である。
【図14】図14Aは、本発明の別の好ましい実施形態による補綴具の前面図を示す。図14Bは、図14Aの補綴具の側面図を示す。図14Cは、図14Aの補綴具の平面図を示す。図14Dおよび14Eは、図14Aの補綴具の種々の斜視図を示す。
【図15】図15は、心臓内の図14Aの補綴具の側面図を示す。
【図16】図16Aおよび16Bは、送達カテーテル内の図14Aの補綴具の側面図を示す。
【図17】図17Aは、本発明の別の好ましい実施形態による補綴具の前面図を示す。図17Bは、図17Aの補綴具の平面図を示す。図17Cおよび17Dは、図17Aの補綴具の斜視図を示す。
【図18】図18Aは、本発明の別の好ましい実施形態による補綴具の前面図である。図18Bおよび18Cは、図18Aの補綴具の種々の斜視図を示す。図18Dは、図18B中の領域18Dの拡大図を示す。
【図19】図19Aは、本発明の別の好ましい実施形態による補綴具の前面図を示す。図19Bおよび19Cは、図19Aの補綴具の種々の斜視図を示す。図19Dは、図19B中の領域19Dの拡大図を示す。
【図20】図20Aは、本発明の別の好ましい実施形態による補綴具の前面図を示す。図20Bおよび20Cは、図20Aの補綴具の種々の斜視図を示す。
【図21A】図21Aは、部分的に展開された形態にある図20Aの補綴具の側面図を示す。
【図21B】図21Bは、図21Aの領域21Bの拡大図を示す。
【図22】図22Aは、本発明の別の好ましい実施形態による補綴具の前面図を示す。図22Bおよび22Cは、図22Aの補綴具の種々の斜視図を示す。
【図23】図23Aは、本発明の別の好ましい実施形態による補綴具の前面図を示す。図23Bは、図23Aの補綴具の平面図を示す。図23Cおよび23Dは、図20Aの補綴具の種々の斜視図を示す。
【図24】図24Aは、本発明の別の好ましい実施形態による補綴具の前面図を示す。図24Bは、図23Aの補綴具の側面図を示す。図24Cおよび24Dは、図20Aの補綴具の種々の斜視図示す。
【図24E】図24Eは、図24D中の領域24Eの拡大図を示す。
【図25】図25は、本発明の別の好ましい実施形態による心臓内の補綴具の側面図を示す。
【図26A】図26Aは、本発明の別の好ましい実施形態による心臓内の補綴具の側面図を示す。
【図26B】図26Bは、図26Aの補綴具の断面図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁逆流を処置するためのデバイスであって:
弁の小葉の間に少なくとも部分的に配置するためのサイズの接合部材であって、拡大された状態および収縮された状態を有し、そして該小葉の交連に実質的に等しい長さを有する接合部材;および
該接合部材に連結された係留構造であって、送達カテーテル内に適合するようなサイズの圧縮された状態、および該弁に隣接するチャンバの壁の少なくとも一部分上での固定のためのサイズの拡大された状態を有する係留構造、を備える、デバイス。
【請求項2】
前記接合部材が可撓性ポケットを含み、該可撓性ポケットが支持構造上に配置された可撓性材料を備え、ここで、該支持構造が前記交連の長さに沿って該可撓性材料を捺すようなサイズである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記可撓性材料が、心臓周囲組織である、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記係留構造が、係留ワイヤを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記係留ワイヤが、左心房の壁に対する固定のための形状である、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記係留ワイヤが、僧帽弁の輪と接触するような形状である、請求項4に記載のデバイス。
【請求項7】
前記係留構造が、左心房の一部分に実質的に一致するようなサイズである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記係留構造が、前記接合部材に回転可能に連結される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記係留構造が、心房中隔上の固定のためのサイズである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
記係留構造が、ステント部分を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記係留構造が、リングを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記係留構造が、複数のループを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記係留構造が、複数の湾曲した部分有するワイヤを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記係留構造が、係留ケージを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項15】
前記係留構造が、前記弁に隣接するチャンバの壁の一部分に対する固定のためのサイズの拡大された形状を有する第1の係留部材、および弁の輪に対する固定のためのサイズの拡大された形状を有する第2の係留部材を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項16】
弁逆流を処置するための方法であって:
送達カテーテル内に補綴具を装填する工程であって、該補綴具が係留部分および接合部分を含む工程;
該送達カテーテルを心臓のチャンバに進行する工程;
該接合部分を弁内に展開する工程;
該係留部分を拡大し、該チャンバの壁に接触する工程;および
該接合部分を該弁の交連内で支持する工程、を包含する、方法。
【請求項17】
収縮期の間に前記接合部分を拡大する工程;および
拡張期の間に前記接合部分を収縮する工程、をさらに包含する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記接合部分を弁内に展開する工程が、該接合部分を僧帽弁内で展開することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記接合部分を弁内に展開する工程が、該弁の交連に沿って該接合部分の長さを整列することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
収縮期の間に前記接合部分を拡大する工程が、該接合部分を血液で充填することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
拡張期の間に前記接合部分を収縮する工程が、該接合部分から血液を除去することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
収縮期の間に前記接合部分を拡大する工程が、僧帽弁の小葉の長さに沿って血液流れを実質的にブロックすることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記係留部分を拡大し、前記チャンバの壁に接触する工程が、該係留部分を拡大し弁の輪に接触することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項24】
前記係留部分を拡大し、前記チャンバの壁に接触する工程が、該チャンバ内の第1の位置に接触するような該係留部分の第1の領域を拡大すること、および該チャンバ内の第2の位置に接触するような該係留部分の第2の領域を拡大することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項25】
収縮期の間に弁中の血液流れを実質的にブロックするためのデバイスであって:
側方寸法を有する可撓性部材;
該可撓性部材に連結され、そして該可撓性部材の側方寸法を該弁の小葉の交連長さに沿って位置決めするような形態の支持部材;
該支持部材に連結され、圧縮された形態および拡大された形態を含む係留部材を備え、
ここで、該係留部材の拡大された形態が、該支持部材を該弁内に少なくとも部分的に位置決めするような形状である、デバイス。
【請求項26】
前記可撓性部材が、拡大された状態および収縮された状態を含む。請求項25に記載のデバイス。
【請求項27】
前記可撓性部材が、中実かつ可撓性のプレート部材である、請求項26に記載のデバイス。
【請求項28】
前記可撓性部材が、心臓周囲組織を含む、請求項27に記載のデバイス。
【請求項29】
前記可撓性部材が、腔を含む、請求項25に記載のデバイス。
【請求項30】
前記腔が、左心室に向かって位置決めされた開口部を含む、請求項29に記載のデバイス。
【請求項31】
前記可撓性部材が、心臓周囲組織を含む、請求項25に記載のデバイス。
【請求項32】
前記支持部材が、ワイヤを備える、請求項25に記載のデバイス。
【請求項33】
前記係留部材が、係留ワイヤを備える、請求項25に記載のデバイス。
【請求項34】
前記係留ワイヤが、左心房の壁に対する固定のための形状である、請求項33に記載のデバイス。
【請求項35】
前記係留ワイヤが、僧帽弁の輪と接触するような形状である、請求項33に記載のデバイス。
【請求項36】
前記係留部材が、左心房の一部分に実質的に一致するサイズである、請求項25に記載のデバイス。
【請求項37】
前記係留部材が、前記可撓性部材に回転可能に連結される、請求項25に記載のデバイス。
【請求項38】
前記係留部材が、ステント部分を備える、請求項25に記載のデバイス。
【請求項39】
前記係留部材が、リングを含む、請求項25に記載のデバイス。
【請求項40】
前記係留部材が、複数のループを含む、請求項25に記載のデバイス。
【請求項41】
前記係留部材が、複数の湾曲した部分を有するワイヤを含む、請求項25に記載のデバイス。
【請求項42】
前記係留部材が、係留ケージを含む、請求項25に記載のデバイス。
【請求項43】
前記係留部材が、前記弁に隣接するチャンバの壁の一部分に対する固定のためのサイズもの拡大された形状を有する第1の係留部材、および弁の輪に対する固定のためのサイズの拡大された形状を有する第2の係留部材を含む、請求項25に記載のデバイス。
【請求項44】
前記係留部材が、心房の中核内に少なくとも部分的に係留されるような形態である、請求項25に記載のデバイス。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図12E】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図14E】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図17D】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図18D】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図19D】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22A】
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【図22B】
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【図22C】
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【図23A】
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【図23B】
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【図23C】
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【図23D】
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【図24A】
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【図24B】
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【図24C】
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【図24D】
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【図24E】
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【図25】
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【図26A】
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【図26B】
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【公表番号】特表2008−513060(P2008−513060A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−531489(P2007−531489)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/033381
【国際公開番号】WO2006/032051
【国際公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(506085398)エドワーズ ライフサイエンシーズ アーゲー (4)
【Fターム(参考)】