説明

応急状況感知装置

【課題】 患者に応急状況が発生する場合に、血圧、脈拍のような間接的な測定因子を補完して、身体の動きによって発生する加速度を感知することで、より直接的に応急状況を把握する。
【解決手段】 着用者の身体に着用され、身体の動きによって発生する加速度を感知するための加速度感知手段と、前記着用者の血圧及び脈拍を感知するための血圧及び脈拍感知手段と、前記加速度感知手段、血圧及び脈拍感知手段から入力される加速度、血圧、脈拍を基準加速度、血圧及び脈拍とそれぞれ比べて、その差が既に設定された値以上なら、加速度異常信号、血圧異常信号及び脈拍異常信号を発生する比較手段と、外部にデータを伝送するための通信手段と、前記比較手段から前記加速度異常信号が入力される時、前記血圧異常信号、前記脈拍異常信号の入力の有無を判読して、前記血圧異常信号及び前記脈拍異常信号がある場合に、前記通信手段を制御して、応急状況を外部に伝送するように制御する制御部と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加速度センサを付着した使用者の身体の動きから応急状況を感知できるようにした応急状況感知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
遠隔診療システムは、患者に付着された多様な感知センサから伝送される信号を医者が受信して処方し、患者の状態を感知して遠隔地の医者に伝送することで、医者が患者を診療及び処方できるようにするシステムである。このような遠隔診療システムには、患者に発生する可能性がある応急診療状況に対する技術が開発されてきており、その一例として、下記の特許文献1が挙げられる。
【特許文献1】韓国特許出願公開1999−0064769号公報
【0003】
図1は、従来の携帯用自動警報機の構成を説明するための回路図である。
【0004】
携帯用自動警報機の本体2には、血圧、脈拍などを測定する人体状態感知装置4が連結されており、使用者の位置を確認するための位置確認装置6が連結されており、操作ボタン16が連結されており、位置確認装置6から確認された位置を外部に伝送する送信機10が連結されている。
【0005】
制御機8は、人体状態感知装置4から入力される感知信号を解釈して、応急状況と判断される場合、位置確認装置6から確認される信号を送信機10に伝送して、位置信号を外部に伝送することで、使用者の応急状態を外部に知らせる。
【0006】
人体には血圧、脈拍の他に多様な変数があるため、応急状況が発生する場合に血圧、脈拍などが常にこのような応急状況と一致するとは見られないので、正確な応急状況を把握することは難しかった。
【0007】
尚、従来の人体状態感知装置は、周期的または間欠的に人体の応急状況を感知するもので、実時間では行われなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記の問題点を解決するためのものであって、本発明の目的は患者に応急状況が発生する場合に、血圧、脈拍のような間接的な測定因子を補完して、人体の動きによって発生する加速度を感知することで、より直接的に応急状況を把握することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するための本発明の特徴は、着用者の人体に着用され、人体の動きによって発生する加速度を感知するための加速度感知手段と、前記着用者の血圧及び脈拍を感知するための血圧及び脈拍感知手段と、前記加速度感知手段、血圧及び脈拍感知手段から入力される加速度、血圧、脈拍を基準加速度、血圧、脈拍とそれぞれ比べて、その差が既に設定された値以上なら、加速度異常信号、血圧異常信号及び脈拍異常信号を発生する比較手段と、外部にデータを伝送するための通信手段と、前記比較手段から前記加速度異常信号が入力される時、前記血圧異常信号、前記脈拍異常信号の入力有無を判読して、前記血圧異常信号及び前記脈拍異常信号がある場合に、前記通信手段を制御して応急状況を外部に伝送するように制御する制御部と、を含むことにある。
【0010】
尚、本発明の他の特徴は、着用者の人体に着用され、人体の動きによって発生する加速度を感知するための加速度感知手段と、前記加速度感知手段で発生する加速度値が既に設定された値を超過するかを判断するための比較手段と、前記比較手段で加速度値が既に設定された値を超過する場合に、応急状況の真偽のほどを確認し、実際の応急状況時外部に応急状況が発生したことを知らせるための通信手段と、前記比較手段及び前記通信手段を制御するための制御手段と、を含むことにある。
【0011】
尚、本発明で、前記加速度センサで感知される加速度値を貯蔵するための貯蔵手段をさらに含むことが好ましい。
【0012】
尚、本発明で、前記加速度センサは前記着用者のx、y、z軸の動きに対する加速度を感知することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、加速度センサを着用した患者の突然な動きを感知して、着用者の異常状態を外部に告知することで、患者の異常状態をより直接的且つ具体的に、迅速に外部に知らせられる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図2は、本発明の一実施例を説明するためのブロック図である。
【0015】
制御部20は、データの演算処理をし、連結された装置を制御する中央処理装置(CPU)が好ましく、制御部20は、入力部21の入力を受け付けて設定値などを変更し、システムをセットまたはリセットする。尚、制御部20は加速度センサ24、血圧、脈拍測定部27から入力される加速度、血圧、脈拍を基準値と比べて、その差が既に設定された値以上なら、加速度異常信号、血圧異常信号、脈拍異常信号を発生して制御部に入力する比較モジュール22と連結されており、比較モジュール22で比べられる加速度、血圧、脈拍は、制御部20を動作させるプログラムによりメモリ23に貯蔵される。即ち、プログラムが既に設定された値以上の加速度、血圧、脈拍だけを貯蔵するようになっている場合には、メモリ23に既に設定された値以上の加速度、血圧、脈拍を貯蔵する。このように、貯蔵された加速度データは、患者の状態把握及び治療のために判読され、利用される。
【0016】
尚、制御部20には、外部の機器、例えば医者のコンピューターに信号を伝送するための通信モジュール25が連結されている。この時、通信モジュール25は無線、有線で外部の機器と相互交換できる装置である。
【0017】
尚、制御部20にはGPS受信部26が連結され、本装置を着用した患者の現在位置をGPS衛星から受信して制御部20に伝送し、制御部20は患者の応急状況発生時、患者の位置を通信モジュール25を介して外部に伝送する。
【0018】
加速度センサ24は、x、y、z軸に対する加速度をそれぞれ感知できる装置であって、加速度センサ24で感知された値は比較モジュール22に入力される。比較モジュール22は、加速度センサ24から入力される信号を増幅させ、これをデジタルデータに変換して既に設定された値と比べ、加速度値が既に設定された値より大きい場合には、制御部20に異常信号を伝送する。
【0019】
図3は、本発明の一実施例で適用される加速度センサで測定される加速度グラフである。
【0020】
患者が倒れるなどの突然な人体の移動がある場合には、加速度の値が大きくなり、行動が一定しない場合には、陰、陽に変化する。グラフ上で5秒と24秒との間には、着用者に異常徴候が発生していることを示す。入力部21により加速度のしきい値として既に設定された値が0.5(m/sec2)なら、7秒になる瞬間に、比較モジュール22は制御部20に異常信号を伝送する。制御部20はこのような信号を入力され、着用者に異常徴候があることを外部機器に告知できる。
【0021】
図4は、本発明の制御部の動作過程を示すフローチャートである。
【0022】
比較モジュール22は、加速度の異常有無を判断して、異常がある場合に異常信号を制御部20に入力し(S1)、制御部20では、加速度の異常信号が入力されると比較モジュール22を制御して、血圧、脈拍を既に設定された血圧及び脈拍と比べて(S2)正常でないと判断される場合には、通信モジュール25を介して外部に患者の応急状況信号を伝送するように制御する。この時、制御部20は、GPS受信部26から現在位置を判読して、一緒に伝送させる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】従来の携帯用自動警報機の構成を説明するための回路図である。
【図2】本発明の一実施例を説明するためのブロック図である。
【図3】本発明の一実施例で適用される加速度センサで測定される加速度グラフである。
【図4】本発明の制御部の動作過程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0024】
2 本体
4 人体状態感知装置
6 位置確認装置
8 制御機
10 送信機
16 操作ボタン
20 制御部
21 入力部
22 比較モジュール
23 メモリ
24 加速度センサ
25 通信モジュール
26 GPS受信部
27 血圧、脈拍測定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の人体に着用され、人体の動きによって発生する加速度を感知するための加速度感知手段と、
前記着用者の血圧及び脈拍を感知するための血圧及び脈拍感知手段と、
前記加速度感知手段、血圧及び脈拍感知手段から入力される加速度、血圧、脈拍を、基準加速度、血圧及び脈拍とそれぞれ比べて、その差が既に設定された値以上なら、加速度異常信号、血圧異常信号及び脈拍異常信号を発生する比較手段と、
外部にデータを伝送するための通信手段と、
前記比較手段から前記加速度異常信号が入力される時、前記血圧異常信号、前記脈拍異常信号の入力有無を判読して、前記血圧異常信号及び前記脈拍異常信号がある場合に、前記通信手段を制御して応急状況を外部に伝送するように制御する制御部と、
を含むことを特徴とする応急状況感知装置。
【請求項2】
着用者の人体に着用され、人体の動きによって発生する加速度を感知するための加速度感知手段と、
前記加速度感知手段で発生する加速度値が、既に設定された値を超過するかを判断するための比較手段と、
前記比較手段で加速度値が既に設定された値を超過する場合に、応急状況の真偽のほどを確認し、実際の応急状況時、外部に応急状況が発生したことを知らせるための通信手段と、
前記比較手段及び前記通信手段を制御するための制御手段と、
を含むことを特徴とする応急状況感知装置。
【請求項3】
前記加速度センサで感知される加速度値を貯蔵するための貯蔵手段をさらに含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の応急状況感知装置。
【請求項4】
前記加速度センサは、前記着用者のx、y、z軸の動きに対する加速度を感知することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の応急状況感知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−341062(P2006−341062A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−227754(P2005−227754)
【出願日】平成17年8月5日(2005.8.5)
【出願人】(505297035)ネクス1 フューチャー株式会社 (1)
【Fターム(参考)】