説明

恒温槽付水晶発振器

【課題】水晶振動子ごとのZTC(ゼロ温度係数点)温度の違いに対応でき、周囲温度が変動しての周波数変動をきたすことがない恒温槽付水晶発振器を提供する。
【解決手段】ヒーターHによって加熱される恒温槽10内に水晶振動子Hと負の抵抗温度特性のサーミスタThとを設ける。ヒーターHを駆動するトランジスタ15を差動増幅器14の出力で制御し、電源電圧Vcc2と差動増幅器14の反転入力との間にサーミスタThを配し、反転入力と接地点との間にZTC調整用の抵抗R1を設ける。差動増幅器14の非反転入力と接地点との間に抵抗R3を設け、電源電圧Vcc2と接続点17の間に抵抗R2を設け、接続点17と非反転入力との間に抵抗R22と周囲温度検出用の正の抵抗温度特性を有する抵抗R23とを並列に設ける。抵抗R21,R22,R3を感度調整用の抵抗とし、周囲温度の変化による制御目標の温度の変化を防止させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水晶振動子と水晶振動子を格納してその温度を一定に保つ恒温槽と水晶振動子を用いる発振回路とを備える恒温槽付水晶発振器(OCXO;Oven Controlled Crystal Oscillator)に関する。
【背景技術】
【0002】
水晶振動子とこの水晶振動子とを備えてこれらを一体型の部品とした水晶発振器は、回路基板上などに実装し外部から電源電圧を供給するだけで所定の正確な周波数の発振信号を出力することから、各種の電子機器において、周波数や時間の基準源として広く用いられている。
【0003】
水晶振動子の振動周波数は高い安定度を有するものの、水晶に固有の周波数温度特性に基づき、温度に応じてわずかに変化する。そこで、特に正確な発振周波数を出力する水晶発振器として、水晶振動子の温度を一定に保つ恒温槽内に水晶振動子を格納した恒温槽付水晶発振器がある。恒温槽は、電熱ヒーターにより加熱される構成とすることが一般的である。恒温槽内に設けた温度センサによって恒温槽内の温度を検出し、検出結果をヒーターの駆動回路のフィードバックすることによって、恒温槽内の温度が一定に保たれるようになっている。水晶振動子の周波数温度特性において温度変化に対する周波数変化が最小となるような温度に恒温槽の温度を設定することにより、周囲温度の影響によって恒温槽内の温度が微小に変動したとしても、恒温槽付水晶発振器の発振周波数が最も安定に保たれることになる。水晶振動子を構成する水晶片の水晶結晶からの切り出し方位にも依存するが、水晶振動子の振動周波数は、例えば温度に対して2次あるいは3次関数で変化するので、その関数曲線での頂点となる温度(ZTC;ゼロ温度係数点)では微小な温度変化に対しては振動周波数は変化しないこととなる。そこで、恒温槽の温度は、一般に、水晶振動子のZTC温度に設定される。
【0004】
図5は、従来の恒温槽付水晶発振器の構成を示す回路図である。
【0005】
恒温槽10内に、水晶振動子Xと、恒温槽10内の温度を検出するサーミスタThとが収容されている。恒温槽10は、電熱式のヒーターHで加熱されるようになっており、ヒーターHの一端は電源端子11に接続し、他端は駆動用のパワートランジスタ15のコレクタに接続している。トランジスタ15のエミッタは接地している。図示したものでは、ヒーターHは恒温槽10内に設けられている。水晶振動子Xは、水晶振動子Xを利用する発振回路13に電気的に接続し、発振回路13からの発振信号は出力端子14に出力される。図示したものでは発振回路13は恒温槽10の外部に配置されているが、恒温槽10内に発振回路13を設けてもよい。電源端子11には外部から電源電圧Vcc1が供給されるが、より安定した電源電圧Vcc2を電源電圧Vcc1から発生する安定化電源回路12が設けられている。発振回路13は電源電圧Vcc2を供給されている。
【0006】
サーミスタThとしては、非直線的な負の抵抗温度特性(抵抗温度係数が負であるような抵抗温度特性)を有するものが用いられる。サーミスタThでの検出結果をフィードバックしてヒーターHを駆動するために、抵抗R1〜R3と差動増幅器16とが設けられ、差動増幅器16の出力がパワートランジスタ15のベースに接続している。サーミスタThの一端は電源電圧Vcc2に接続し、他端は差動増幅器16の反転入力端子(−)に接続している。この反転入力端子(−)と接地点との間に抵抗R1が設けられている。差動増幅器16の非反転入力端子(+)と電源電圧Vcc2の間に抵抗R2が設けられ、非反転入力端子(+)と接地点の間に抵抗R3が設けられている。サーミスタTh、抵抗R1〜R3、差動増幅器16及びパワートランジスタ15によって、恒温槽10に対する温度制御回路が構成されていることになる。温度制御回路を構成する各素子は、サーミスタThを除いて、恒温槽10の外部に設けられ、周囲温度の影響を受けることになる。
【0007】
この構成では、水晶振動子XのZTC温度でのサーミスタThの抵抗値と抵抗R1との比が、抵抗R2と抵抗R3との比に一致するように各抵抗R1〜R3を設定しておくことにより、差動増幅器16は、恒温槽10内の温度が上昇してサーミスタThの抵抗値が小さくなればトランジスタ15のコレクタ電流が減少し、逆に温度が低下してサーミスタThの抵抗値が大きくなればコレクタ電流が増加するように、トランジスタ15を制御する。トランジスタ15のコレクタ電流はヒーターHを流れる電流であるから、結局、恒温槽10内の温度はZTC温度に維持されるように、ヒーター電流が制御されることになる。
【0008】
実際には、図5に示した回路では、恒温槽10内の温度がちょうどZTC温度であるときのヒーター電流はゼロとなるのに対し、恒温槽10からの熱の散逸があるので、正確には恒温槽10内の温度はZTC温度にまでは到達せず、ZTC温度に対してある偏差を有する。この偏差を補償するために、ZTC温度よりやや高い温度が制御目標となるように抵抗R1〜R3を設定することも考えられるが、恒温槽10から散逸する熱量は周囲温度に依存するので、恒温槽10の温度が周囲温度に影響を受けてしまうことになる。そこで、特許文献1に示す恒温槽付水晶発振器では、図5に示した回路のおける抵抗R2として、直線的な正の抵抗温度特性を有し、周囲温度に応じて抵抗が変化するように配置されたものを使用し、周囲温度が低ければヒーターHに流れる電流がより大きくなるようにして、恒温槽内の温度をZTCに維持できるようにしている。
【0009】
特許文献2には、恒温槽内の温度を検出するサーミスタの他に、周囲温度を検出するサーミスタも設け、恒温槽内の温度に基づくクローズループ制御と周囲温度に基づくオープンループ制御とを行い、恒温槽内の温度を所定の温度とすることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−165630号公報
【特許文献2】特開2011−4382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
水晶振動子のZTCは、同じ切断方位の水晶片を使用し、同じ振動周波数であるとしても、水晶振動子ごとに少しずつ異なっている。そのため、より高い周波数精度の恒温槽付水晶発振器を製造する際には、水晶振動子を恒温槽内に格納した上で、恒温槽を加熱するヒーターを駆動して恒温槽の温度を変えながら発振周波数を観測してZTC温度を求め、求めたZTC温度に応じて温度制御回路内の各抵抗の値を決定し抵抗値の調整を行うことになる。例えば、図5に示した回路構成の場合であれば、抵抗R1〜R3の少なくとも1つの調整を行うが、実際には、抵抗R1の調整を行うことが多い。しかしながらこのように調整を行うとしても、恒温槽の構造や恒温槽内でのサーミスタの配置によっては、サーミスタの温度が厳密に水晶振動子の温度と一致しなくなり、また、恒温槽から周囲への放熱量が周囲温度に依存することから、サーミスタでの検出温度に基づいて求めたZTC温度(見掛け上のZTC温度)自体が周囲温度によって変化することになる。恒温槽内のサーミスタで検出した温度に応じて制御を行うので、見掛け上のZTC温度が変動するようでは適切な制御を行えなくなる。また、水晶振動子のZTCに応じて温度制御回路内の各抵抗値を調整したとしても、これらの抵抗自体も抵抗温度係数を有して周囲温度に応じて抵抗値を変えるから、それについての補償を行うことも考えなければならない。
【0012】
結局、高精度な恒温槽付水晶発振器を構成するためには、恒温槽内の温度を検出するサーミスタのほかに周囲温度を検出する温度センサを設けるだけでは不十分であり、温度制御回路における構成と調整方法とについて十分な配慮を行う必要がある。
【0013】
サーミスタを用いて温度制御を行っているときの周囲温度と恒温槽内の実際の温度との関係は、大まかに言えば、例えば、図6(a)の太線に示すように、周囲温度の上昇に対するヒータ発熱量の低減が不十分であって周囲温度が上昇するにつれて恒温槽温度も上昇する場合と、図6(b)の太線に示すように、周囲温度の上昇に対するヒータ発熱量を抑制が過剰であって周囲温度が上昇するにつれて恒温槽温度が下降する場合がある。図6(a)と(b)のどちらの温度特性となるかは、恒温槽自体やその周辺部の構造や熱的環境、恒温槽内でのサーミスタの配置などの種々の要因に依存する。いずれの場合においても、図示点線に示すように、周囲温度によらずに恒温槽温度が一定となりしかもその温度が真のZTC温度であるような補正が行われるように、温度制御回路を構成して調整しなければならない。
【0014】
本発明の目的は、水晶振動子ごとのZTC温度の違いに対応でき、周囲温度が変動しての周波数変動をきたすことがない恒温槽付水晶発振器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の恒温槽付水晶発振器は、恒温槽と、恒温槽内に収容された水晶振動子と、水晶振動子を用いる発振回路と、恒温槽を加熱するヒーターと、恒温槽内の温度が水晶振動子のゼロ温度係数点の温度となるようにヒーターを駆動する温度制御回路と、を有する恒温槽付水晶発振器において、温度制御回路は、ヒーターに直列に設けられたパワートランジスタと、パワートランジスタを駆動する差動増幅器と、恒温槽内に設けられて負の抵抗温度特性を有し、電源電圧と差動増幅器の反転入力端子との間に接続されたサーミスタと、反転入力端子と接地点との間に設けられゼロ温度係数点の温度の調整に用いられる第1の抵抗と、電源電圧と差動増幅器の非反転入力端子との間に設けられた第2の抵抗と、接地点と非反転入力端子との間に設けられた第3の抵抗と、を備え、第2の及び第3の抵抗の一方は、複数の抵抗素子を有する抵抗集合体として構成され、抵抗集合体を構成する複数の抵抗素子のうちの一つの抵抗素子は、正の抵抗温度特性を有して周囲温度を検出する温度検出用抵抗素子であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、一般に非直線性が大きな負の抵抗温度特性を有するサーミスタによって恒温槽内温度を検出してこれを差動増幅器の反転入力端子(すなわち(−)入力)にフィードバックするとともに、第1及び第2の抵抗からなり差動増幅器の非反転入力端子(すなわち(+)入力)に接続されるいわゆる抵抗ネットワーク内に、少なくとも2つの通常の抵抗素子の他に、正の抵抗温度特性を有して周囲温度を検出する抵抗素子を設けるようにしている。これにより、水晶振動子ごとのZTC温度の違いに対応できるとともに、周囲温度の変化による見掛け上のZTC温度の変化を補償することができて、恒温槽付水晶発振器における発振周波数をさらに安定したものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の一形態の恒温槽付水晶発振器の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の別の実施形態の恒温槽付水晶発振器の構成を示す回路図である。
【図3】さらに別の実施形態の恒温槽付水晶発振器の構成を示す回路図である。
【図4】さらに別の実施形態の恒温槽付水晶発振器の構成を示す回路図である。
【図5】従来の恒温槽付水晶発振器の構成を示す回路図である。
【図6】(a),(b)は、周囲温度と恒温槽温度との関係の例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の好ましい実施の形態の恒温槽付水晶発振器について説明する。
【0019】
図1に示す本発明の実施の一形態の恒温槽付水晶発振器は、図5に示したものと同様のものであるが、温度制御回路での回路構成の点で、図5に示したものと異なっている。具体的には図1に示す回路では、図5に示す回路における抵抗R2の代わりに、抵抗R21〜R23が設けられている。抵抗R21の一端には電源電圧Vcc2が供給され、この抵抗R21の他端は接続点17に接続する。この接続点17と差動増幅器16の非反転入力端子(+)との間に抵抗R22,R23が並列に設けられている。図1に示した回路は、周囲温度と実際の恒温槽温度とが図6(a)に示すような関係(周囲温度が上昇すると恒温槽温度も上昇する関係)にあるときに、周囲温度によらずに恒温槽温度を一定にして水晶振動子XのZTC温度とするための回路である。
【0020】
図1に示す構成において、抵抗R1,R3,R21,R22は、抵抗温度係数が小さな通常の抵抗素子であるのに対し、抵抗R23としては、周囲温度を検出する温度センサとして、直線的な正の抵抗温度特性を有する抵抗素子が使用される。抵抗R1は、水晶振動子XでのZTC温度のばらつきを補正するZTC調整用抵抗であり、水晶振動子Xについて実測されたZTC温度に応じて値が設定される。これに対し、抵抗R21,R22,R3は温度制御回路における感度調整用の抵抗である。上述したように、サーミスタThでの温度検出値に基づく見掛け上のZTC温度は周囲温度によって変わり得るが、これらの3個の感度調整用の抵抗R21,R22,R3と周囲温度を検出する正の抵抗温度特性を有する抵抗R23とによって、周囲温度が変化したとしても水晶振動子Xの温度設定を常にZTC温度とすることが可能になる。例えば、この水晶発振器の周囲温度として想定される温度範囲内の2点において、サーミスタThで検出される恒温槽10内の温度を変化させながら水晶振動子Xの振動周波数を求めて見掛け上のZTC温度を求めることにより、このような見掛け上のZTC温度が変化しないような抵抗R21,R22,R3の抵抗値を決定することができる。
【0021】
図2に示した本発明の別の実施形態の恒温槽付水晶発振器は、図5に示したものと同様のものであるが、抵抗R2の代わりに、抵抗温度係数が小さな通常の抵抗素子である抵抗R24と直線的な正の抵抗温度特性を有する抵抗R25とを直列に接続したものを設けている点で、図5に示したものと異なっている。抵抗R1,R3も、抵抗温度係数が小さな通常の抵抗素子で構成されている。図2に示した回路も、周囲温度と実際の恒温槽温度とが図6(a)に示すような関係にあるときに、周囲温度によらずに恒温槽温度を一定にして水晶振動子XのZTC温度とするための回路である。図2の回路において、抵抗R1はZTC調整用抵抗であり、抵抗R3,R24は感度調整用の抵抗であり、抵抗R25は周囲温度を検出するための抵抗である。2個の感度調整用の抵抗R3,R24を上述と同様に設定することで、周囲温度が変化したとしても水晶振動子Xの温度設定を常にZTC温度とすることが可能になる。
【0022】
図3に示すさらに別の実施形態の恒温槽付水晶発振器は、図5に示したものと同様のものであるが、温度制御回路での回路構成の点で、図5に示したものと異なっている。具体的には図3に示す回路では、図5に示す回路における抵抗R3の代わりに、抵抗R31〜R33が設けられている。抵抗R31の一端は接地され、この抵抗R31の他端は接続点18に接続する。この接続点18と差動増幅器16の非反転入力端子(+)との間に抵抗R32,R33が並列に設けられている。図3に示した回路は、図1に示した回路とは異なり、周囲温度と実際の恒温槽温度とが図6(b)に示すような関係(周囲温度が上昇すると恒温槽温度が下降する関係)にあるときに、周囲温度によらずに恒温槽温度を一定にして水晶振動子XのZTC温度とするための回路である。
【0023】
図3に示す構成において、抵抗R1,R2,R31,R32は、抵抗温度係数が小さな通常の抵抗素子であるのに対し、抵抗R33としては、周囲温度を検出する温度センサとして、直線的な正の抵抗温度特性を有する抵抗素子が使用される。抵抗R1はZTC調整用抵抗であり、抵抗R2,R31,R32は温度制御回路における感度調整用の抵抗である。上述したように、サーミスタThでの温度検出値に基づく見掛け上のZTC温度は周囲温度によって変わり得るが、これらの3個の感度調整用の抵抗R21,R22,R3と周囲温度を検出する正の抵抗温度特性を有する抵抗R33とによって、周囲温度が変化したとしても水晶振動子Xの温度設定を常にZTC温度とすることが可能になる。例えば、この水晶発振器の周囲温度として想定される温度範囲内の2点において、サーミスタThで検出される恒温槽10内の温度を変化させながら水晶振動子Xの振動周波数を求めて見掛け上のZTC温度を求めることにより、このような見掛け上のZTC温度が変化しないような抵抗R2、R31,R32の抵抗値を決定することができる。
【0024】
図4に示したさらに別の実施形態の恒温槽付水晶発振器は、図5に示したものと同様のものであるが、抵抗R3の代わりに、直線的な正の抵抗温度特性を有する抵抗R34と抵抗温度係数が小さな通常の抵抗素子である抵抗R35とを直列に接続したものを設けている点で、図5に示したものと異なっている。抵抗R1,R2も、抵抗温度係数が小さな通常の抵抗素子で構成されている。図4に示した回路も、周囲温度と実際の恒温槽温度とが図6(b)に示すような関係にあるときに、周囲温度によらずに恒温槽温度を一定にして水晶振動子XのZTC温度とするための回路である。図4の回路において、抵抗R1はZTC調整用抵抗であり、抵抗R2,R35は感度調整用の抵抗であり、抵抗R34は周囲温度を検出するための抵抗である。2個の感度調整用の抵抗R2,R35を上述と同様に設定することで、周囲温度が変化したとしても水晶振動子Xの温度設定を常にZTC温度とすることが可能になる。
【符号の説明】
【0025】
10:恒温槽、11:電源端子、12:安定化電源回路、13:発振回路、14:出力端子、15:パワートランジスタ、16:差動増幅器、17,18:接続点、H:ヒーター、Th:サーミスタ、R1〜R3,R21〜R25,R31〜R35:抵抗、X:水晶振動子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
恒温槽と、前記恒温槽内に収容された水晶振動子と、前記水晶振動子を用いる発振回路と、前記恒温槽を加熱するヒーターと、前記恒温槽内の温度が前記水晶振動子のゼロ温度係数点の温度となるように前記ヒーターを駆動する温度制御回路と、を有する恒温槽付水晶発振器において、
前記温度制御回路は、
前記ヒーターに直列に設けられたパワートランジスタと、
前記パワートランジスタを駆動する差動増幅器と、
前記恒温槽内に設けられて負の抵抗温度特性を有し、電源電圧と前記差動増幅器の反転入力端子との間に接続されたサーミスタと、
前記反転入力端子と接地点との間に設けられ前記ゼロ温度係数点の温度の調整に用いられる第1の抵抗と、
前記電源電圧と前記差動増幅器の非反転入力端子との間に設けられた第2の抵抗と、
前記接地点と前記非反転入力端子との間に設けられた第3の抵抗と、
を備え、
前記第2の及び第3の抵抗の一方は、複数の抵抗素子を有する抵抗集合体として構成され、前記抵抗集合体を構成する前記複数の抵抗素子のうちの一つの抵抗素子は、正の抵抗温度特性を有して周囲温度を検出する温度検出用抵抗素子であることを特徴とする、恒温槽付水晶発振器。
【請求項2】
前記抵抗集合体は、前記抵抗集合体の一端と接続点との間に設けられた第1の抵抗素子と、前記接続点と前記抵抗集合体の他端との間に設けられた第2の抵抗素子と、を有し、前記第2の抵抗素子に対して前記温度検出用抵抗素子が並列に設けられている、請求項1に記載の恒温槽付水晶発振器。
【請求項3】
前記抵抗集合体は、第1の抵抗素子と前記温度検出用抵抗素子とを直列に接続して構成されている、請求項1に記載の恒温槽付水晶発振器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−253660(P2012−253660A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126297(P2011−126297)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(000232483)日本電波工業株式会社 (1,148)
【Fターム(参考)】