説明

情報信号振幅計測回路および光情報記録および/または再生装置

【課題】 光ディスクから光ピックアップによって読み出されたRF情報信号の振幅を正しく測定し、RF情報信号振幅のモニター、読み出し信号振幅の調整等をより正確に行う。
【解決手段】 光ディスク111から光ピックアップ112によって読み出され、増幅処理された高周波の情報信号を2値化するピーク検波用コンパレータ131と、その2値化された信号からピークレベルを検出するピーク検波回路(ピーク用アップカウンタ132、第1D/Aコンバータ133)と、情報信号を2値化するボトム検波用コンパレータ134と、その2値化された信号からボトムレベルを検出するボトム検波回路(ボトム用アップカウンタ135、第2D/Aコンバータ136)と、振幅値を算出する減算回路137とを具備し、減算器137の出力を情報信号振幅値として供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク等の光記録媒体に記録されたRF情報信号の振幅を正確に測定することできる情報信号振幅計測回路、およびこの情報信号振幅計測回路を搭載した光ディスク装置等の光情報記録および/または再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンパクトディスクなどの光学的に記録再生可能な光ディスクに記録された情報データをレーザービームを用いた光学式ピックアップにより読み取って再生する光ディスク装置においては、再生対象となる光ディスクの種類あるいは製造上のばらつき、装置の特性によって再生信号の振幅がばらつくという課題があった。
特に最近の光ディスク装置、例えばDVD−ROMドライブ等では多種の光ディスク(CD、CD−R、CD−RW、DVD1層、DVD2層、DVD−R、DVD−RAM、DVD−RWなど)を再生するので、再生信号の振幅のばらつきが発生し易い。
そこで、ディスクから読み取った情報信号のレベルに比例した信号をシステムコントローラ等に取り込み、情報信号のレベルを正確に調整し、情報データの再生能力を安定かつ高性能にするための振幅調整機能を持たせている。
また、光ピックアップの製造においては、再生信号の振幅は光ピックアップの組み立て・調整・評価・品質管理を行う上で重要な指標であり、これを正確に計測することは、光ピックアップの品質維持、向上のために重要である。
【0003】
そこで、この種の情報信号振幅計測回路を搭載した光ディスク装置の具体的な従来例について説明する(特許文献1参照)。
図10は従来のDVDシステムの構成例を示すブロック図である。
記録媒体であるディスク(光ディスク)11には、トラック上に二値化されたデジタルデータが記録されており、ディスクモータ13により回転駆動される。ディスクモータ13は、ディスクモータ制御回路24およびドライバ23により駆動制御される。
ディスク11に記録されている情報データを読み取るための信号抽出手段である光学式のピックアップ12は、回転するディスク11上のトラックにレーザービームを照射し、ディスク11上のトラックから反射して戻ってくる光量の変化を検出することによって情報データを読み取り、電気信号として出力する。
この光ピックアップ12によって読み出された情報信号は、数百kHzから数十MHzの高周波(RF)のアナログ信号である。
【0004】
このRF信号(情報信号)は、利得可変型のRFアンプ(ヘッドアンプ)15で演算、増幅される。RFアンプ15は、RF信号出力が後段での信号処理に適した所定の一定の振幅となるように、自動利得制御(AGC)ループにより制御される。すなわち、RFアンプ15から出力するRF信号(情報信号)はA/D変換回路29でA/D変換され、ピーク/ボトム検波回路30によってRF信号レベルに概ね比例した振幅信号が生成され、システムコントローラ25に読み取られる。
システムコントローラ25は、DVDシステムが対象としている各種ディスクのRF信号のレベルをチェックし、このレベルが予め設定された目標値となるようにRFアンプ15の利得を設定する。
【0005】
また、前記RFアンプ15から出力するRF信号は、データスライス回路18でスライス(二値化)され、この二値化データRFDATAはデータPLL(位相同期ループ)同期分離回路19に送られ、ここで、二値データに同期したクロックPLCKが生成され、復調データDATAが得られる。
このクロックPLCKと復調データDATAはエラー訂正回路20に送られ、ここで、データが訂正RAM21に書き込まれ、訂正処理を施された後、DVDムービーの場合はMPEGビデオデコーダ&オーディオデコーダ処理回路22に送られ、DVD−ROMドライブの場合はデータバッファ22に送られる。
なお、前記RFアンプ15から出力するサーボ系の信号は、サーボ制御回路16を介してドライバ17に入力し、このドライバ17の出力により光ピックアップ12のアクチュエータを駆動する。
また、送りモータ14は、光ピックアップ12をディスク半径方向に移動させるためのスライディング・アクチュエータを駆動する。
【0006】
図11はピーク/ボトム検波回路30の構成を示すブロック図である。
図12は、図11に示すピーク/ボトム検波回路の動作例を示す波形図であり、図12(a)はRF波形の一例を示し、図12(b)はA/D変換器29により変換されたA/Dデータを示し、図12(c)はピーク/ボトム検波回路の検波後の波形の一例を示す。
上述したA/D変換回路29では、RF信号を変換する際に、図12(b)のように、RF信号とは全く非同期に、信号をサンプリングしてデジタル値に変換していく。ここでは、A/D変換回路29は、RF信号周波数の例えば1/10程度の低い周波数でサンプリングしてデジタル値に変換する低速タイプの安価なA/D変換回路29を用いている。
そして、A/D変換されたデータは、ピーク/ボトム検波回路30のA/Dデータレジスタ44に保存される。
【0007】
図11に示すピーク/ボトム検波回路30は、ピーク検波側とボトム検波側に分かれる。
ピーク検波側では、第1のコンパレータ43において、ピークカウンタ42の値とA/Dデータレジスタ44の値が定期的に比較され、その結果がピークカウンタ入力制御回路41に伝わり、ピークカウンタ42の値を変化させる。
そして、A/Dデータレジスタ44の値がピークカウンタ42の値より大きい場合は、速いクロックパルスでピークカウンタ42が一定期間カウントアップされ、小さい場合は、遅いクロックパルスでピークカウンタ42が一定期間カウントダウンされる。
これにより、大きな値がA/Dデータレジスタ44に格納された場合は急激にピーク検波波形が上昇し、小さな値がA/Dデータレジスタ44に格納された場合はゆっくりとピーク検波波形が下降する。
【0008】
また、ボトム検波側では、第2のコンパレータ47において、ボトムカウンタ46の値とA/Dデータレジスタ44の値が定期的に比較され、その結果がボトムカウンタ入力制御回路45に伝わり、ボトムカウンタ46の値を変化させる。
そして、A/Dデータレジスタ44の値がボトムカウンタ46の値より小さい場合は、速いクロックパルスでボトムカウンタ46がカウントダウンされ、大きい場合は、遅いクロックパルスでボトムカウンタ46がカウントアップされる。
すなわち図12(c)に示すように、ピーク検波とは逆に小さな値がA/Dデータレジスタ44に格納された場合は、急激にボトム検波出力が下降し、大きな値がA/Dデータレジスタ44に格納された場合は、ゆっくりとボトム検波出力が上昇する。
このようにして、ピーク検波とボトム検波が行われ、RF振幅を算出するための減算器48で差が演算されて、その値49をシステムコントローラ25が読み取る。
【0009】
ところが、図12(c)の検波波形を見て分かるように、検波波形はノコギリ刃状に変動しており、必ずしも真のRF振幅を常に保持しているとは言えない。
この変動の大きさはカウンタへのクロックパルスを遅くすることで小さくなるが、高精度にRF振幅を検出することと、RFピーク/ボトムレベルの過渡的な変動に応答させることを同時に実現することは難しい。
そして、このようにRF情報信号の振幅が高精度に計測できないと、装置を最適な状態に調整したり、正しく評価することができない可能性が生じる。
【特許文献1】特開2001−167440号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述のように従来の光ディスク装置では、光ディスクから光ピックアップによって読み出されたRF情報信号の振幅を高精度に計測できず、光ディスク装置を最適な状態に調整したり、正しく評価することができないという問題があった。
【0011】
そこで本発明は、光記録媒体から読み出されたRF情報信号の振幅を信号レベルの大小に関係なく高精度に計測できる情報信号振幅計測回路および光情報記録および/または再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の目的を達成するため、本発明の情報信号振幅計測回路は、光記録媒体から光ピックアップによって読み出され、増幅処理された高周波の情報信号を入力する入力手段と、前記入力手段によって入力した情報信号をピーク検出用の可変基準値と比較するピーク用比較手段と、前記ピーク用比較手段の比較結果に応じてカウント動作を行うピーク用カウンタと、前記ピーク用カウンタのカウント値出力に対応する可変基準値を前記ピーク用比較手段に供給するピーク用基準値更新手段と、前記入力手段によって入力した情報信号をボトム検出用の可変基準値と比較するボトム用比較手段と、前記ボトム用比較手段の比較結果に応じてカウント動作を行うボトム用カウンタと、前記ボトム用カウンタの出力に対応する可変基準値を前記ボトム用比較手段に供給するボトム用基準値更新手段と、前記ピーク用カウンタと前記ボトム用カウンタによるカウント値出力を用いて前記情報信号の振幅値を算出する演算手段とを有することを特徴とする。
【0013】
また本発明の光情報記録および/または再生装置は、光記録媒体から信号を読み出す光ピックアップと、前記光ピックアップによって読み出された高周波信号を増幅・演算して高周波の情報信号を生成する高周波増幅回路と、前記高周波増幅回路により生成された情報信号の振幅を測定する情報信号振幅計測回路と、前記情報信号振幅計測回路により測定された振幅値を報知する報知装置とを具備し、前記情報信号振幅計測回路は、光記録媒体から光ピックアップによって読み出され、増幅処理された高周波の情報信号を入力する入力手段と、前記入力手段によって入力した情報信号をピーク検出用の可変基準値と比較するピーク用比較手段と、前記ピーク用比較手段の比較結果に応じてカウント動作を行うピーク用カウンタと、前記ピーク用カウンタのカウント値出力に対応する可変基準値を前記ピーク用比較手段に供給するピーク用基準値更新手段と、前記入力手段によって入力した情報信号をボトム検出用の可変基準値と比較するボトム用比較手段と、前記ボトム用比較手段の比較結果に応じてカウント動作を行うボトム用カウンタと、前記ボトム用カウンタの出力に対応する可変基準値を前記ボトム用比較手段に供給するボトム用基準値更新手段と、前記ピーク用カウンタと前記ボトム用カウンタによるカウント値出力を用いて前記情報信号の振幅値を算出する演算手段とを有することを特徴とする。
【0014】
また本発明の光情報記録および/または再生装置は、光記録媒体から信号を読み出す光ピックアップと、前記光ピックアップによって読み出された高周波信号を増幅・演算して高周波の情報信号を生成する利得可変型の高周波増幅回路と、前記高周波増幅回路により生成された情報信号の振幅を測定する情報信号振幅計測回路と、前記情報信号振幅計測回路により測定された振幅値を予め決められた設定値と比較し、その比較結果に応じて前記高周波増幅回路の利得を制御する制御装置とを具備し、前記情報信号振幅計測回路は、光記録媒体から光ピックアップによって読み出され、増幅処理された高周波の情報信号を入力する入力手段と、前記入力手段によって入力した情報信号をピーク検出用の可変基準値と比較するピーク用比較手段と、前記ピーク用比較手段の比較結果に応じてカウント動作を行うピーク用カウンタと、前記ピーク用カウンタのカウント値出力に対応する可変基準値を前記ピーク用比較手段に供給するピーク用基準値更新手段と、前記入力手段によって入力した情報信号をボトム検出用の可変基準値と比較するボトム用比較手段と、前記ボトム用比較手段の比較結果に応じてカウント動作を行うボトム用カウンタと、前記ボトム用カウンタの出力に対応する可変基準値を前記ボトム用比較手段に供給するボトム用基準値更新手段と、前記ピーク用カウンタと前記ボトム用カウンタによるカウント値出力を用いて前記情報信号の振幅値を算出する演算手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の情報信号振幅計測回路によれば、光記録媒体から読み出された情報信号をピーク用比較手段およびボトム用比較手段によって可変基準値と比較し、この比較結果をピーク用カウンタおよびボトム用カウンタでカウントして行くとともに、そのカウント値出力を用いて可変基準値を更新し、ピーク用比較手段およびボトム用比較手段にフィードバックして情報信号の最大振幅値に追従するようにしたことから、光記録媒体から読み出された情報信号の振幅を信号レベルの大小に関係なく正しく測定することができる。
また本発明の情報信号振幅計測回路では、入力手段によって入力した情報信号に瞬間的な異常値が発生した場合に、異常値によって生じたピーク用カウンタおよびボトム用カウンタのカウント値を修正する修正手段を有することで、ノイズ等の異常な振幅を修正して正しい振幅測定を行うことができる。この修正手段は例えばピーク用カウンタのカウント動作とボトム用カウンタのカウント動作を定期的に所定カウント値だけ逆行させる簡易な手段を用いることで実現できる。
【0016】
また上述のような情報信号振幅計測回路を搭載した本発明の光情報記録および/または再生装置では、正確に測定された振幅値を報知して光ピックアップの調整作業等に供することができ、読み出し信号振幅の自動調整等を正確に行うことができ、プレーヤーやドライブの信頼性や再生能力の向上に寄与でき、さらに光ピックアップの調整・評価をより正確に行うことができる効果がある。
また上述のような情報信号振幅計測回路を搭載した本発明の光情報記録および/または再生装置では、正確に測定された振幅値を予め決められた設定値と比較し、その比較結果に応じて高周波増幅回路の利得を制御することができ、読み出し信号振幅の利得を適正に制御して高品位の情報出力を行うことができ、装置の価値を高めることができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
上記目的を達成するため本発明は、情報信号振幅計測回路に用いるピーク検波回路において、光ディスクから光ピックアップによって読み出され、増幅処理された高周波の情報信号を、非反転入力として2値化するコンパレータと、その2値化した信号をクロックとしてカウントアップするカウンタと、そのカウンタの値をD/A変換するD/A変換器とを具備し、そのD/A変換したアナログ信号をコンパレータの反転入力とするようにした。
また、情報信号振幅計測回路に用いるボトム検波回路において、光ディスクから光ピックアップによって読み出され、増幅処理された高周波の情報信号を、反転入力とし2値化するコンパレータと、その2値化した信号をクロックとしてカウントダウンするカウンタと、そのカウンタの値をD/A変換するD/A変換器とを具備し、そのD/A変換したアナログ信号をコンパレータの非反転入力とするようにした。
そして、情報信号振幅計測回路は、光ディスクから光ピックアップによって読み出され、増幅処理された高周波の情報信号を入力とする上述のピーク検波回路とボトム検波回路を備えるとともに、これら各々に内蔵されるカウンタ値の差を演算する減算器とを具備し、この減算器出力をRF情報信号の振幅として用いるようにした。
【0018】
また、本発明の光ディスク装置では、光ディスクから情報を読み出すための光ピックアップと、この光ピックアップによって読み出された高周波信号を増幅・演算して高周波の情報信号を生成する高周波増幅回路と、この高周波増幅回路により生成された情報信号を処理する上述した情報信号振幅計測回路とを具備し、情報信号振幅計測回路により計測された振幅値を光ピックアップの調整作業者に報知し、光ピックアップの特性を最適に調整することを補助するようにした。
また、本発明の他の光ディスク装置は、光ディスクから情報を読み出すための光ピックアップと、この光ピックアップによって読み出された高周波信号を増幅・演算して高周波の情報信号を生成する利得可変型の高周波増幅回路と、この高周波増幅回路により生成された情報信号を処理する上述した情報信号振幅計測回路と、この情報信号振幅計測回路により計測された振幅値を予め決められた設定値と比較し、その結果に応じて利得可変型の高周波増幅回路の利得を制御する制御系とを具備する。
【実施例1】
【0019】
図1は本発明の実施例1を示すブロック図であり、本発明の実施の形態に係る情報信号振幅計測回路を用いた光ディスク装置の一例としてDVDシステムの概略構成を示している。
このDVDシステムにおいて、記録媒体であるディスク(光ディスク)111は、トラック上に二値化されたデジタルデータが記録されており、ディスクモータ113により回転駆動される。ディスクモータ113は、ディスクモータ制御回路124およびドライバ123により駆動される。
ディスク111に記録されている情報データを読み取るための信号抽出手段である光学式のピックアップ112は、回転するディスク111上のトラックにレーザービームを照射し、ディスク111上のトラックから反射して戻ってくる光量の変化を検出することによって情報データを読み取り、電気信号として出力する。この光ピックアップ112によって読み出された情報信号は、例えば数MHzの高周波(RF)のアナログ信号である。
利得可変型のRFアンプ(ヘッドアンプ)115は、光ピックアップ112の出力信号を演算、増幅し、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号、RF信号(情報信号)などを出力する。また、前記RFアンプ115は、RF信号出力が後段での信号処理に適した所定の一定の振幅となるように、自動利得制御(AGC)ループにより制御される。
すなわち、RFアンプ115から出力するRF信号(情報信号)は、まず、RF振幅検出回路126へ送られ、RF振幅が検出される。
システムコントローラ125は、DVDシステムが対象としている各種ディスクのRF信号の振幅をチェックし、この値が、内部に持っている基準レベルとなるようにRFアンプ115の利得を設定し、RF信号振幅を一定に制御する。
【0020】
また、RFアンプ115から出力するRF信号は、データスライス回路118でスライス(二値化)され、この二値化信号は同期信号分離回路119に送られ、ここで、二値化信号に同期したクロックPLCKが生成され、復調データDATAが得られる。
このクロックPLCKと復調データDATAはエラー訂正回路120に送られ、ここで、データが訂正RAM121に書き込まれ、訂正処理を施された後、DVDムービーの場合はMPEGビデオデコーダ&オーディオデコーダ処理回路122に送られ、DVD−ROMドライブの場合はデータバッファ122に送られる。
また、ピックアップ112の調整・評価を目的とした光ディスク装置では、データスライス回路118より以降は省略されることもある。
また、前記RFアンプ115から出力するサーボ系の信号(フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号)は、サーボ制御回路116を介してドライバ117に入力し、このドライバ117の出力により光ピックアップ112のアクチュエータ(フォーカス・アクチュエータ、トラッキング・アクチュエータ)を駆動する。
また、送りモータ114は、光ピックアップ112をディスク半径方向に移動させるためのスライディング・アクチュエータを駆動する。
【0021】
図2は図1に示すRF振幅検波回路126の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施例のRF振幅検波回路126は、第1アナログコンパレータ(ピーク用比較手段)131、ピーク用アップカウンタ132、第1D/Aコンバータ(ピーク用基準値更新手段)133、第2アナログコンパレータ(ボトム用比較手段)134、ボトム用アップカウンタ135、第2D/Aコンバータ(ボトム用基準値更新手段)136、およびディジタル減算器(演算手段)137を有している。
また、図3は図2に示すRF振幅検波回路の動作例を説明する波形図であり、図3(a)はRF信号の典型的な波形を示し、図3(b)は検波回路の検波波形を示している。
【0022】
本実施例による検波動作は次のように行われる。
まずRF信号が第1アナログコンパレータ131の非反転入力に入り、反転入力に入る第1D/Aコンバータ133の出力と比較される。
第1アナログコンパレータ131の比較結果は、ピーク用アップカウンタ132のカウントクロックとして入力され、第1アナログコンパレータ131の出力が論理0から論理1に変化したときにピーク用アップカウンタ132の値が+1される。
また、第1D/Aコンバータ133は、ピーク用アップカウンタ132の値を常にアナログに変換し、ピーク検出用の可変基準値として第1アナログコンパレータ131の反転入力に入力する。
すなわち、RF信号がピーク用アップカウンタ132の保持する値をD/A変換して発生したアナログレベルを上向きに横切ったとき、第1アナログコンパレータ131がピーク用アップカウンタ132へのカウントパルスを発生し、ピーク用アップカウンタ132の値が+1される。
このような動作により、第1アナログコンパレータ131においてRF信号と比較するアナログレベルが次第に大きくなり、最終的に、比較するアナログレベルがRF信号の最大値をわずかに上回ると、ピーク用アップカウンタ132のカウントアップ動作は行われなくなり、その時点でRF信号のピークレベルとほぼ同じ大きさの値をピーク用アップカウンタ132がデジタル値として保持し、第1D/Aコンバータ133は、アナログ値として保持する。
【0023】
一方、第2アナログコンパレータ134の反転入力にもRF信号が入り、非反転入力に入る第2D/Aコンバータ136の出力と比較される。
また、第2アナログコンパレータ134の比較結果は、ボトム用ダウンカウンタ135のカウントクロックとして入力され、第2アナログコンパレータ134の出力が論理0から論理1に変化したとき、ボトム用ダウンカウンタ135の値が−1される。
また、第2D/Aコンバータ136は、ボトム用ダウンカウンタ135の値を常にアナログに変換し、ボトム検出用の可変基準値として第2アナログコンパレータ134の非反転入力に入力する。
すなわち、RF信号がボトム用ダウンカウンタ135の保持する値をD/A変換して発生したアナログレベルを下向きに横切ったとき、第2アナログコンパレータ134がボトム用ダウンカウンタ135へのカウントパルスを発生し、ボトム用ダウンカウンタ135の値が−1される。
【0024】
このような動作により、第2アナログコンパレータ134においてRF信号と比較するアナログレベルが次第に小さくなり、最終的に、比較するアナログレベルがRF信号の最小値をわずかに下回ると、ボトム用ダウンカウンタ135のカウントダウン動作は行われなくなり、その時点でRF信号のボトムレベルとほぼ同じ大きさの値をボトム用ダウンカウンタ135がデジタル値として保持し、第2D/Aコンバータ136は、アナログ値として保持する。
そして、デジタル減算器137は、上述のように検出された最新のピークデータとボトムデータの差分値を演算し、RF振幅データ138を算出することができる。なお、このデジタル減算器137の機能は、システムコントローラ125が内蔵する加減算器の時分割使用による減算処理により実現することも可能である。
【実施例2】
【0025】
次に、本発明の実施例2について説明する。なお、図1に示す全体の構成は本実施例2においても共通であるものとする。
図4はディスク111に傷があった場合や振幅が変動しているRF情報信号の波形例を示している。図中のAやBで示す波形がディスク111の傷の部分に対応して瞬間的に発生したり、外来のノイズにより発生する。また、各波形A、Bの右側ではRF信号振幅が小さくなっている。
これらの異常値や振幅変動がある状態で、単純に前述のRF振幅検波回路126を用いると、ピークデータ、ボトムデータの正しい結果が得られないおそれがある。
そこで、瞬間的に発生する異常値信号に応答せず、またディスクの再生位置や回転に起因する振幅変動に応答する機能(修正手段)を持たせた実施例2について、以下に説明する。
【0026】
図5は本実施例2におけるRF振幅検波回路126の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、本実施例2のRF振幅検波回路126は、第1クロック発生器141、第2クロック発生器142、第1カウントコントローラ143、第1アナログコンパレータ145、ピーク用アップカウンタ144、第1D/Aコンバータ146、第2アナログコンパレータ147、第2カウントコントローラ148、ボトム用アップカウンタ149、第2D/Aコンバータ150、およびディジタル減算器151を有している。
ここで第1クロック発生器141はRF信号と同程度の周期のクロックを発生するものであり、第2クロック発生器142は第1クロック発生器141の周期よりも10倍以上長い周期のクロックを発生するものである。
また、図6は図5に示すRF振幅検波回路の検波波形を示している。
【0027】
本実施例における検波動作は次のように行われる。
まず、RF信号が第1アナログコンパレータ145の非反転入力に入り、反転入力に入る第1D/Aコンバータ146の出力と比較される。
この第1アナログコンパレータ145の比較結果は、第1カウントコントローラ143に入力され、第1クロック発生器141の出力と第2クロック発生器142の出力とともに第1カウントコントローラ143により論理演算され、ピーク用カウンタ144を制御する。そして、このピーク用カウンタ144の値は常に第1D/Aコンバータ146に送られD/A変換される。
なお、第2クロック発生器142の出力は第1クロック発生器141の出力を分周して作ってもよい。
【0028】
また、ピーク用カウンタ144は第1カウントコントローラ143によって次のように制御される。
まず、第1アナログコンパレータ145の出力が論理0から論理1に変化すると、それが記憶され、RF信号と同程度の周期のクロックを発生する第1クロック発生器141の出力が変化したとき、ピーク用カウンタ144が+1され、第1アナログコンパレータ145の出力が論理0から論理1に変化した記憶は消去される。
この記憶がないときに、第1クロック発生器141の出力が変化してもピーク用カウンタ144は+1されない。
なお、第1クロック発生器141の出力は、ピーク用カウンタ144のカウントのタイミングを伝える役割であり、第1クロック発生器141の出力が論理0から論理1に変化するときだけ、ピーク用カウンタ144がカウント動作してもよい。また、論理1から論理0に変化するときだけ、ピーク用カウンタ144がカウント動作してもよい。
【0029】
また、第1クロック発生器141の周期よりも10倍以上長い周期のクロックを発生する第2クロック発生器142出力が変化した時には、優先してピーク用カウンタ144が−1される。すなわち、RF信号がピーク用アップカウンタ144の保持する値をD/A変換して発生したアナログレベルを上向きに横切ると、第1クロック発生器141によってピーク用カウンタ144がカウントアップされる。
またRF信号の大きさにかかわらず第2クロック発生器142の出力の変化で定期的にカウントダウンされる。
なお、第2クロック発生器142の出力は、ピーク用カウンタ144のカウントダウンのタイミングを伝える役割であり、第2クロック発生器142の出力が論理0から論理1に変化するときだけ、ピーク用カウンタ144がカウントダウンしてもよい。また、論理1から論理0に変化するときだけ、ピーク用カウンタ144がカウントダウンしてもよい。
【0030】
このような動作により、第1アナログコンパレータ145においてRF信号と比較するアナログレベルが次第に大きくなり、比較するアナログレベルがRF信号の最大値をわずかに上回ったとき、ピーク用カウンタ144のカウントアップ動作は行われなくなり、その時点でRF信号のピークレベルとほぼ同じ大きさの値をピーク用カウンタ144がデジタル値として保持するが、第2クロック発生器142の出力により定期的に−1されるため、RF信号のピークレベルを再び下回ることになり、カウントアップ動作がまた発生する。
したがって、RF信号のピークレベルを中心にピーク用カウンタ144の値は、+1、−1を繰り返すことになる。RF信号のピークレベルがディスクの回転などの要因で小さくなった場合は、カウントアップ動作よりもカウントダウン動作の方が多くなりピーク用カウンタ144の値は減少していく。
減少のスピードは、RF信号のピークレベルの変動に対してどこまで応答速度を求めるかによって、第2クロック発生器142の出力の周期で調整する。
【0031】
また、RF信号が第2アナログコンパレータ147の反転入力に入り、非反転入力に入る第2D/Aコンバータ150の出力と比較される。
そして、第2アナログコンパレータ147の比較結果は、第2カウントコントローラ148に入力され、第1クロック発生器141の出力と第2クロック発生器142の出力とともに第2カウントコントローラ148により論理演算され、ボトム用カウンタ149を制御する。ボトム用カウンタ149の値は常に第2D/Aコンバータ150に送られD/A変換される。
【0032】
また、ボトム用カウンタ149は第2カウントコントローラ148によって次のように制御される。
まず、第2アナログコンパレータ147の出力が論理0から論理1に変化すると、それが記憶され、RF信号と同程度の周期のクロックを発生する第1クロック発生器141の出力が変化したとき、ボトム用カウンタ149が−1され、第2アナログコンパレータ147の出力が論理0から論理1に変化した記憶は消去される。
そして、この記憶がないときに、第1クロック発生器141の出力が変化してもボトム用カウンタ149は−1されない。
なお、第1クロック発生器141の出力は、ボトム用カウンタ49のカウントのタイミングを伝える役割であり、第1クロック発生器141の出力が論理0から論理1に変化するときだけ、ボトム用カウンタ149がカウント動作してもよい。また、論理1から論理0に変化するときだけ、ボトム用カウンタ149がカウント動作してもよい。
【0033】
また、第2クロック発生器142の出力が変化した時には、優先してボトム用カウンタ149が+1される。すなわち、RF信号がボトム用アップカウンタ149の保持する値をD/A変換して発生したアナログレベルを下向きに横切ると、第1クロック発生器141によってボトム用カウンタ149がカウントダウンされる。
またRF信号の大きさにかかわらず第2クロック発生器142の出力の変化で定期的にカウントアップされる。
なお、第2クロック発生器142の出力は、ボトム用カウンタ149のカウントアップのタイミングを伝える役割であり、第2クロック発生器142の出力が論理0から論理1に変化するときだけ、ボトム用カウンタ149がカウントアップしてもよい。
また、論理1から論理0に変化するときだけ、ボトム用カウンタ149がカウントアップしてもよい。
【0034】
このような動作により、第2アナログコンパレータ147においてRF信号と比較するアナログレベルが次第に小さくなり、比較するアナログレベルがRF信号の最小値をわずかに下回ると、ボトム用カウンタ149のカウントダウン動作は行われなくなり、その時点でRF信号のボトムレベルとほぼ同じ大きさの値をボトム用カウンタ149がデジタル値として保持するが、第2クロック発生器142の出力により定期的に+1されるためRF信号のボトムレベルを再び上回ることになり、カウントダウン動作がまた発生する。
したがって、RF信号のボトムレベルを中心にボトム用カウンタ149の値は、+1、−1を繰り返すことになる。
また、RF信号のボトムレベルがディスクの回転などの要因で大きくなった場合は、カウントダウン動作よりもカウントアップ動作の方が多くなりボトム用カウンタ149の値は増加していく。この増加のスピードは、RF信号のボトムレベルの変動に対してどこまで応答速度を求めるかによって、第2クロック発生器142の出力の周期で調整する。
なお、本実施例2においてもデジタル減算器151は、上述した実施例1のデジタル減算器137と同様に、最新のピークデータとボトムデータの差分値を演算し、RF振幅データ152を算出する。
【0035】
図7は本実施例2のRF振幅検波回路の一部の構成を詳細に示すブロック図であり、図5に示した第1カウントコントローラ143とピーク用カウンタ144と第2カウントコントローラ148とボトム用カウンタ149の具体的な回路例である。なお、図7において、ピーク検波側とボトム検波側とで共通する構成については同一の符号を付している。
また、図8は図7に示す回路の動作例を示すタイミングチャートである。
【0036】
以下、これらの図に基づいて詳細な動作例について説明する。
まず、ピーク検出側において、第1アナログコンパレータ145の出力が論理0から論理1に変化すると、第1のD型フリップフロップ171の出力が論理1になり、次に発生する第1クロック発生器141の出力CLK1の上がりエッジで第2のD型フリップフロップ172の出力が論理1になる。すると、論理和ゲート176を通してピーク用カウンタ180のカウント許可入力が論理1となり、ピーク用カウンタ180のカウント動作を許可し、インバータ181の出力が論理1であれば、CLK1の下がりエッジでピーク用カウンタ180が+1される。
第1のD型フリップフロップ171はCLK1の上がりエッジでインバータ173を通してリセットされ、出力が論理0に戻り、次に発生する第1アナログコンパレータ145の出力の論理0から論理1への変化に備える。
【0037】
また、第1クロック発生器141の周期よりも10倍以上長い周期のクロックを発生する第2クロック発生器142の出力が論理0から論理1に変化すると、次に発生するCLK1の上がりエッジで第3のD型フリップフロップ174の出力が論理1になる。すると、論理積ゲート179とインバータ181を通してピーク用カウンタ180のカウント方向入力が論理0となり、ピーク用カウンタ180のカウント動作をダウン方向に変化させる。また同時に論理和ゲート176を通してカウント動作を許可し、次のCLK1の下がりエッジでピーク用カウンタ180が−1される。
そしてさらに次に発生するCLK1の上がりエッジで、第4のD型フリップフロップ175の出力が論理1になり、インバータ178を通して論理積ゲート179の出力が論理0になることにより、ピーク用カウンタ180のカウント動作をアップ方向に戻す。また同時に論理和ゲート176を通してカウント動作の許可を取り消す。
【0038】
これにより、第1アナログコンパレータ145の出力の上がりエッジが発生すると、第1クロック発生器141の出力に同期してピーク用カウンタ180がカウントアップするようになり、第2クロック発生器142の出力の上がりエッジが発生すると、第1クロック発生器141の出力に同期してピーク用カウンタ180がカウントダウンする。
第1クロック発生器141の周期はRF信号と同程度であるので、ピーク用カウンタ180のカウントアップ動作はすばやく行われ、RF信号のピークの上昇に追従する。しかし、突発的に発生するノイズには、カウント値が高々+1されるだけであるので、ノイズによるピークの上昇にはほとんど追従しない。
一方、第2クロック発生器142の出力の周期はRF信号に比べ10倍以上長いため、ピーク用カウンタ180のカウントダウン動作は緩慢で、RF信号のピークレベルとあまり変わらない状態を維持し、また、ノイズによってわずかに大きくなったカウント値を真のRF信号のピークレベルに戻すことができる。
【0039】
またボトム検波側の回路では、ピーク検波側にあるインバータ181をなくした構成となっている。
これにより、第2アナログコンパレータ147の出力の上がりエッジが発生すると、第1クロック発生器141の出力に同期してボトム用カウンタ180がカウントダウンするようになり、第2クロック発生器142の出力の上がりエッジが発生すると、第1クロック発生器141の出力に同期してピーク用カウンタ180がカウントアップする。
第1クロック発生器141の周期はRF信号と同程度であるので、ボトム用カウンタ180のカウントダウン動作はすばやく行われ、RF信号のボトムの下降に追従する。しかし、突発的に発生するノイズには、カウント値が高々−1されるだけであるので、ノイズによるボトムの下降にはほとんど追従しない。
一方、第2クロック発生器142の出力の周期はRF信号に比べ10倍以上長いため、ボトム用カウンタ180のカウントアップ動作は緩慢で、RF信号のボトムレベルとあまり変わらない状態を維持し、また、ノイズによってわずかに小さくなったカウント値を真のRF信号のボトムレベルに戻すことができる。
なお、図7に示す論理ゲート174、175、177、178、179については、ピーク検波回路およびボトム検波回路それぞれにおいて同じ構成で、機能的に同一であるため共通化することができる。
【実施例3】
【0040】
次に、本発明の実施例3について説明する。なお、図1に示す全体の構成は本実施例2においても共通であるものとする。
図9は本実施例3におけるRF振幅検波回路126の一例を示すブロック図である。
本実施例3のRF振幅検波回路126は上述した実施例2のRF振幅検波回路126に対し、デジタル減算回路151をアナログ減算回路61に置き換えたものである。
また、アナログ減算回路161の入力は第1D/Aコンバータ146の出力と第2D/Aコンバータ150の出力となっている。
特にシステムコントローラがアナログの入力インターフェースを持っている場合に、このような形態が有利となる。
なお、その他の構成や効果は実施例2と同様であるので説明は省略する。
【0041】
以上、本発明の実施例について説明したが、実施例の具体的な回路構成や数値は一例であり、本発明は実施例の構成に限定されない。例えば、本発明の機能を実現できるものであれば、各図で説明した回路要素の組み合わせを変更し得ることはもちろんである。また、カウント動作に用いるクロック等の数値も必要な動作特性に合わせて適宜変更できるものである。
また、上述した実施例では、情報信号振幅計測回路を中心に説明したが、光ディスク装置の機能として、情報信号振幅計測回路により測定された振幅値を報知する報知装置を具備したものや、情報信号振幅計測回路により測定された振幅値を予め決められた設定値と比較し、その比較結果に応じて高周波増幅回路の利得を制御する制御装置を具備したものであってもよく、このような光ディスク装置に本発明を適用することにより、本発明の機能をさらに有効活用できるものである。
また、本発明は光ディスク以外の光記録媒体を扱う装置にも広く適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施例1の光ディスク装置を示すブロック図である。
【図2】図1に示す光ディスク装置に設けられるRF振幅検波回路の構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示すRF振幅検波回路の検波波形を示す説明図である。
【図4】RF情報信号に生じた異常波形を示す説明図である。
【図5】本発明の実施例2の光ディスク装置に設けられるRF振幅検波回路の構成を示すブロック図である。
【図6】図5に示すRF振幅検波回路の検波波形を示す説明図である。
【図7】図5に示すRF振幅検波回路の一部の構成を詳細に示すブロック図である。
【図8】図7に示す回路の動作例を示すタイミングチャートである。
【図9】本発明の実施例3の光ディスク装置に設けられるRF振幅検波回路の構成を示すブロック図である。
【図10】従来の光ディスク装置を示すブロック図である。
【図11】図10に示す光ディスク装置に設けられるRF振幅検波回路の構成を示すブロック図である。
【図12】図11に示すRF振幅検波回路の検波波形を示す説明図である。
【符号の説明】
【0043】
111……光ディスク、112……ピックアップ、125……システムコントローラ、126……RF振幅検出回路、131……第1アナログコンパレータ、132……ピーク用アップカウンタ、133……第1D/Aコンバータ、134……第2アナログコンパレータ、135……ボトム用アップカウンタ、136……第2D/Aコンバータ、137……ディジタル減算器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光記録媒体から光ピックアップによって読み出され、増幅処理された高周波の情報信号を入力する入力手段と、
前記入力手段によって入力した情報信号をピーク検出用の可変基準値と比較するピーク用比較手段と、
前記ピーク用比較手段の比較結果に応じてカウント動作を行うピーク用カウンタと、
前記ピーク用カウンタのカウント値出力に対応する可変基準値を前記ピーク用比較手段に供給するピーク用基準値更新手段と、
前記入力手段によって入力した情報信号をボトム検出用の可変基準値と比較するボトム用比較手段と、
前記ボトム用比較手段の比較結果に応じてカウント動作を行うボトム用カウンタと、
前記ボトム用カウンタの出力に対応する可変基準値を前記ボトム用比較手段に供給するボトム用基準値更新手段と、
前記ピーク用カウンタと前記ボトム用カウンタによるカウント値出力を用いて前記情報信号の振幅値を算出する演算手段と、
を有することを特徴とする情報信号振幅計測回路。
【請求項2】
前記入力手段によって入力した情報信号に瞬間的な異常値が発生した場合に、前記異常値によって生じた前記ピーク用カウンタおよび前記ボトム用カウンタのカウント値を修正する修正手段を有することを特徴とする請求項1記載の情報信号振幅計測回路。
【請求項3】
前記修正手段は前記ピーク用カウンタのカウント動作とボトム用カウンタのカウント動作を定期的に所定カウント値だけ逆行させる手段であることを特徴とする請求項2記載の情報信号振幅計測回路。
【請求項4】
前記ピーク用カウンタおよびボトム用カウンタのカウント動作を実行するタイミングを決定する第1クロックを発生する第1クロック発生手段と、前記修正手段の修正動作を実行するタイミングを決定する第2クロックを発生する第2クロック発生手段とを有し、前記第1クロックの周期に対して第2クロックの周期が大きいことを特徴とする請求項2記載の情報信号振幅計測回路。
【請求項5】
前記第2クロックが第1クロックの10倍の周期を有することを特徴とする請求項4記載の情報信号振幅計測回路。
【請求項6】
前記第2クロックが第1クロックの分周信号であることを特徴とする請求項4記載の情報信号振幅計測回路。
【請求項7】
光記録媒体から信号を読み出す光ピックアップと、
前記光ピックアップによって読み出された高周波信号を増幅・演算して高周波の情報信号を生成する高周波増幅回路と、
前記高周波増幅回路により生成された情報信号の振幅を測定する情報信号振幅計測回路と、
前記情報信号振幅計測回路により測定された振幅値を報知する報知装置とを具備し、
前記情報信号振幅計測回路は、
光記録媒体から光ピックアップによって読み出され、増幅処理された高周波の情報信号を入力する入力手段と、
前記入力手段によって入力した情報信号をピーク検出用の可変基準値と比較するピーク用比較手段と、
前記ピーク用比較手段の比較結果に応じてカウント動作を行うピーク用カウンタと、
前記ピーク用カウンタのカウント値出力に対応する可変基準値を前記ピーク用比較手段に供給するピーク用基準値更新手段と、
前記入力手段によって入力した情報信号をボトム検出用の可変基準値と比較するボトム用比較手段と、
前記ボトム用比較手段の比較結果に応じてカウント動作を行うボトム用カウンタと、
前記ボトム用カウンタの出力に対応する可変基準値を前記ボトム用比較手段に供給するボトム用基準値更新手段と、
前記ピーク用カウンタと前記ボトム用カウンタによるカウント値出力を用いて前記情報信号の振幅値を算出する演算手段と、
を有することを特徴とする光情報記録および/または再生装置。
【請求項8】
前記入力手段によって入力した情報信号に瞬間的な異常値が発生した場合に、前記異常値によって生じた前記ピーク用カウンタおよび前記ボトム用カウンタのカウント値を修正する修正手段を有することを特徴とする請求項7記載の光情報記録および/または再生装置。
【請求項9】
前記修正手段は前記ピーク用カウンタのカウント動作とボトム用カウンタのカウント動作を定期的に所定カウント値だけ逆行させる手段であることを特徴とする請求項8記載の光情報記録および/または再生装置。
【請求項10】
前記ピーク用カウンタおよびボトム用カウンタのカウント動作を実行するタイミングを決定する第1クロックを発生する第1クロック発生手段と、前記修正手段の修正動作を実行するタイミングを決定する第2クロックを発生する第2クロック発生手段とを有し、前記第1クロックの周期に対して第2クロックの周期が大きいことを特徴とする請求項8記載の光情報記録および/または再生装置。
【請求項11】
前記第2クロックが第1クロックの10倍の周期を有することを特徴とする請求項10記載の光情報記録および/または再生装置。
【請求項12】
前記第2クロックが第1クロックの分周信号であることを特徴とする請求項10記載の光情報記録および/または再生装置。
【請求項13】
光記録媒体から信号を読み出す光ピックアップと、
前記光ピックアップによって読み出された高周波信号を増幅・演算して高周波の情報信号を生成する利得可変型の高周波増幅回路と、
前記高周波増幅回路により生成された情報信号の振幅を測定する情報信号振幅計測回路と、
前記情報信号振幅計測回路により測定された振幅値を予め決められた設定値と比較し、その比較結果に応じて前記高周波増幅回路の利得を制御する制御装置とを具備し、
前記情報信号振幅計測回路は、
光記録媒体から光ピックアップによって読み出され、増幅処理された高周波の情報信号を入力する入力手段と、
前記入力手段によって入力した情報信号をピーク検出用の可変基準値と比較するピーク用比較手段と、
前記ピーク用比較手段の比較結果に応じてカウント動作を行うピーク用カウンタと、
前記ピーク用カウンタのカウント値出力に対応する可変基準値を前記ピーク用比較手段に供給するピーク用基準値更新手段と、
前記入力手段によって入力した情報信号をボトム検出用の可変基準値と比較するボトム用比較手段と、
前記ボトム用比較手段の比較結果に応じてカウント動作を行うボトム用カウンタと、
前記ボトム用カウンタの出力に対応する可変基準値を前記ボトム用比較手段に供給するボトム用基準値更新手段と、
前記ピーク用カウンタと前記ボトム用カウンタによるカウント値出力を用いて前記情報信号の振幅値を算出する演算手段と、
を有することを特徴とする光情報記録および/または再生装置。
【請求項14】
前記入力手段によって入力した情報信号に瞬間的な異常値が発生した場合に、前記異常値によって生じた前記ピーク用カウンタおよび前記ボトム用カウンタのカウント値を修正する修正手段を有することを特徴とする請求項13記載の光情報記録および/または再生装置。
【請求項15】
前記修正手段は前記ピーク用カウンタのカウント動作とボトム用カウンタのカウント動作を定期的に所定カウント値だけ逆行させる手段であることを特徴とする請求項14記載の光情報記録および/または再生装置。
【請求項16】
前記ピーク用カウンタおよびボトム用カウンタのカウント動作を実行するタイミングを決定する第1クロックを発生する第1クロック発生手段と、前記修正手段の修正動作を実行するタイミングを決定する第2クロックを発生する第2クロック発生手段とを有し、前記第1クロックの周期に対して第2クロックの周期が大きいことを特徴とする請求項15記載の光情報記録および/または再生装置。
【請求項17】
前記第2クロックが第1クロックの10倍の周期を有することを特徴とする請求項16記載の光情報記録および/または再生装置。
【請求項18】
前記第2クロックが第1クロックの分周信号であることを特徴とする請求項16記載の光情報記録および/または再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−252647(P2006−252647A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−66586(P2005−66586)
【出願日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】