説明

情報処理システム、電子機器および方法、情報処理装置および方法、並びにプログラム

【課題】簡単に、設定対象への設定を行うことができるようにする。
【解決手段】参照装置11は、各種の動作を行うための設定に関係する対象情報の参照が指示された場合、参照対象装置13から対象情報を取得して、正当であると認証された情報移転装置12に送信する。情報移転装置12は、参照装置11から送信される対象情報を受信し、記憶する。被設定装置14は、情報移転装置12の認証に関係する情報が入力され、対象情報の設定が指示された場合、正当であると認証された情報移転装置12から送信される対象情報を受信し、その対象情報を設定対象装置15に設定することで、簡単に、設定対象への設定を行うことができるようになる。本発明は、情報転送システムに適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、電子機器および方法、情報処理装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、簡単に、設定対象への設定をすることができるようにした情報処理システム、電子機器および方法、情報処理装置および方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近の車両では、例えば、オートマチックトランスミッション、電動パワーステアリング(EPS(Electric Power Steering))、ドライビングポジション、エアコン、カーナビゲーションシステム、オーディオなどの設定を、利用者の要望に応じて個別に設定することが可能となっている。
【0003】
これらの設定においては、例えば、あらかじめ利用者ごとに異なる設定をしておき、RFID(Radio Frequency Identification)などを用いた認証、または指紋や顔画像などによる生体認証を用いた認証などにより特定の個人を認証することで、ある利用者の設定に応じて、オートマチックトランスミッションなどの設定を切り替えることができる。
【0004】
本出願人は、車両に対して、キーレス操作を行うことにより、異常を確認する方法を先に提案している(例えば、特許文献1)。
【0005】
また、ナビゲーションシステムの経路情報や、車両の整備関連情報をリモートユニットのメモリを介して読み書きする方法が提案されている(例えば、特許文献2)。さらに、車のディーラにおいて、オーナーからの設定依頼に応じて、携帯電話機を用いた無線通信により、車両が備えているオプション機能を、車両の電子制御装置に対して設定する方法も提案されている(例えば、特許文献3)。さらにまた、通信端末から送信される操作情報に基づいて、サーバを経由して家電機器を操作する方法も提案されている(例えば、特許文献4)。
【0006】
【特許文献1】特開2001−73604号公報
【特許文献2】特開2001−115701号公報
【特許文献3】特開2002−52992号公報
【特許文献4】特開2003−296207号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、設定する項目が多数ある場合、利用者にとっては、設定対象への設定操作が複雑で困難であるという課題があった。
【0008】
例えば、オートマチックトランスミッション、電動パワーステアリング、ドライビングポジション、エアコン、カーナビゲーションシステム、オーディオなどの車両が備えている各種の機能を設定する場合、車両を購入して間もない利用者には、設定すべき項目が多数あるために、それらを使いこなすことができない可能性があった。具体的には、利用者は、設定を行う場合、それらの各種の機能ごとに、マニュアルを参照しながら設定を行うことになるが、個々の設定が10分程度で完了したとしても、複数の機能について設定を行うために、トータルでは1時間以上かかってしまう場合も考えられる。
【0009】
特開2001−73604号公報、特開2001−115701号公報、特開2002−52992号公報、および特開2003−296207号公報による提案は、車両などの対象となる装置に対して設定を行うことができるが、第三者によってそれらの設定を行われてしまう可能性があった。また、ネットワーク経由での設定を可能にすると、ハッカーなどに手順を解析されて不正に利用されたり、サーバに侵入されてデータが不正に改ざんされる可能性もある。特に、車両の設定の変更は、運転時の安全にかかわるものなので、その設定を、運転者以外には行えないようにする必要がある。
【0010】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、簡単に、設定対象への設定を行うことができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の側面の情報処理システムは、第1の情報処理装置および第2の情報処理装置と、第1の情報処理装置と組み合わせて使用される携帯型の電子機器とが相互に無線通信する情報処理システムにおいて、第1の情報処理装置が、各種の動作を行うための設定に関係する第1の情報の参照が指示された場合、通信可能な状態にある電子機器が正当であるか否かを認証する第1の認証手段と、電子機器が正当であると認証された場合、第1の情報を取得する取得手段と、取得した第1の情報を電子機器に送信する第1の送信手段とを備え、電子機器が、第1の情報処理装置から送信されてくる第1の情報を受信する第1の受信手段と、受信した第1の情報を記憶する記憶手段とを備え、第2の情報処理装置が、電子機器の認証に関係する第2の情報を入力する入力手段と、第1の情報の設定が指示された場合、入力した第2の情報に基づいて、通信可能な状態にある電子機器が正当であるか否かを認証する第2の認証手段とを備え、電子機器が、第2の情報処理装置から正当であると認証された場合、記憶している第1の情報を第2の情報処理装置に送信する第2の送信手段を備え、第2の情報処理装置が、電子機器から送信されてくる第1の情報を受信する第2の受信手段と、受信した第1の情報に基づいて、各種の動作を行うための設定をする設定手段とを備える。
【0012】
本発明の第1の側面の情報処理システムにおいては、第1の情報処理装置では、各種の動作を行うための設定に関係する第1の情報の参照が指示された場合、通信可能な状態にある電子機器が正当であるか否かが認証され、電子機器が正当であると認証された場合、第1の情報が取得され、取得された第1の情報が電子機器に送信され、電子機器では、第1の情報処理装置から送信されてくる第1の情報が受信され、受信された第1の情報が記憶され、第2の情報処理装置では、電子機器の認証に関係する第2の情報が入力され、第1の情報の設定が指示された場合、入力された第2の情報に基づいて、通信可能な状態にある電子機器が正当であるか否かが認証され、電子機器では、第2の情報処理装置から正当であると認証された場合、記憶している第1の情報が第2の情報処理装置に送信され、第2の情報処理装置では、電子機器から送信されてくる第1の情報が受信され、受信された第1の情報に基づいて、各種の動作を行うための設定がされる。
【0013】
したがって、設定対象への設定を行うことができる。特に、簡単、かつ、安全に、車両に対して、様々な個別設定を行うことができるようになる。
【0014】
第1の情報処理装置は、例えば、参照対象装置から対象情報を取得する参照装置として構成される。
【0015】
第1の認証手段は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などによって実行されるプログラムに含まれる認証制御部により構成される。認証制御部は、各種の動作を行うための設定に関係する第1の情報の参照が指示された場合、通信可能な状態にある電子機器が正当であるか否かを認証する。
【0016】
取得手段は、例えば、CPUなどによって実行されるプログラムに含まれる対象制御部により構成される。対象制御部は、電子機器が正当であると認証された場合、第1の情報を取得する。
【0017】
したがって、正当な電子機器と通信可能になった場合、対象情報を取得するので、より安全に第1の情報を送信することが可能となる。
【0018】
第1の送信手段は、取得した第1の情報を電子機器に送信する。
【0019】
したがって、各種の動作を行うための設定に関係する対象情報を、情報移転装置に送信することが可能となる。例えば、ある車両の個別設定を送信することで、他の車両に対して、様々な個別設定を行うことが可能となる。
【0020】
電子機器は、例えば、参照装置から送信されてくる対象情報を、被設定装置に転送する情報移転装置として構成される。
【0021】
第1の受信手段は、例えば、CPUなどによって実行されるプログラムに含まれる通信部により構成される。通信部は、第1の情報処理装置から送信されてくる第1の情報を受信する。
【0022】
記憶手段は、例えば、不揮発性の半導体メモリやハードディスクなどで構成される対象情報記憶部により構成される。対象情報記憶部は、受信した第1の情報を記憶する。
【0023】
したがって、参照装置から送信されてくる対象情報を受信して、記憶することが可能となる。
【0024】
第2の送信手段は、例えば、CPUなどによって実行されるプログラムに含まれる通信部により構成される。通信部は、第2の情報処理装置から正当であると認証された場合、記憶している第1の情報を第2の情報処理装置に送信する。
【0025】
したがって、記憶している、参照装置から受信した対象情報を、被設定装置に転送することが可能となる。
【0026】
第2の情報処理装置は、例えば、対象情報を設定対象装置に設定する被設定装置として構成される。
【0027】
入力手段は、例えば、CPUなどによって実行されるプログラムに含まれる入力部により構成される。入力部は、電子機器の認証に関係する第2の情報を入力する。
【0028】
したがって、参照装置と情報移転装置とは組み合わせて使用されるが、情報移転装置の認証に関係する認証情報が入力されるので、被設定装置でも、情報移転装置を正当な機器であると認証することが可能となる。
【0029】
第2の認証手段は、例えば、CPUなどによって実行されるプログラムに含まれる認証制御部により構成される。認証制御部は、第1の情報の設定が指示された場合、入力した第2の情報に基づいて、通信可能な状態にある電子機器が正当であるか否かを認証する。
【0030】
第2の受信手段は、例えば、CPUなどによって実行されるプログラムに含まれている通信部により構成される。通信部は、電子機器から送信されてくる第1の情報を受信する。
【0031】
したがって、正当な情報移転装置と通信可能になった場合、対象情報を受信するので、より安全に対象情報を受信することが可能となる。
【0032】
設定手段は、例えば、CPUなどによって実行されるプログラムに含まれている対象制御部により構成される。対象制御部は、受信した第1の情報に基づいて、各種の動作を行うための設定をする。
【0033】
したがって、情報移転装置から送信されてくる、各種の動作を行うための設定に関係する対象情報を、設定対象装置に設定することが可能となる。例えば、ある車両の個別設定を受信し、その個別設定を他の車両に設定することで、簡単に、様々な個別設定を行うことが可能となる。
【0034】
本発明の第2の側面の電子機器は、情報処理装置と組み合わせて使用され、情報処理装置と相互に無線通信を行う携帯型の電子機器において、通信可能な状態にある情報処理装置から正当であると認証された場合、情報処理装置から送信されてくる、各種の動作を行うための設定に関係する第1の情報を受信する受信手段と、受信した第1の情報を記憶する記憶手段と、通信可能な状態にある他の情報処理装置から正当であると認証された場合、記憶している第1の情報を他の情報処理装置に送信する送信手段とを備える。
【0035】
本発明の第2の側面の電子機器においては、通信可能な状態にある情報処理装置から正当であると認証された場合、情報処理装置から送信されてくる、各種の動作を行うための設定に関係する第1の情報が受信され、受信された第1の情報が記憶され、通信可能な状態にある他の情報処理装置から正当であると認証された場合、記憶している第1の情報が他の情報処理装置に送信される。
【0036】
したがって、簡単に、設定対象への設定を行うことができる。特に、ある車両の個別設定を記憶し、その個別設定を他の車両に送信することで、簡単に、様々な個別設定を行うことができるようになる。
【0037】
電子機器は、例えば、参照装置から送信されてくる対象情報を、被設定装置に転送する情報移転装置として構成される。
【0038】
受信手段は、例えば、CPUなどによって実行されるプログラムに含まれる通信部により構成される。通信部は、情報処理装置から送信されてくる第1の情報を受信する。
【0039】
記憶手段は、例えば、不揮発性の半導体メモリやハードディスクなどで構成される対象情報記憶部により構成される。対象情報記憶部は、受信した第1の情報を記憶する。
【0040】
したがって、参照装置から送信されてくる対象情報を受信して、記憶することが可能となる。
【0041】
送信手段は、例えば、CPUなどによって実行されるプログラムに含まれる通信部により構成される。通信部は、他の情報処理装置から正当であると認証された場合、記憶している第1の情報を他の情報処理装置に送信する。
【0042】
したがって、記憶している、参照装置から受信した対象情報を、被設定装置に転送することが可能となる。
【0043】
第1の情報は、情報処理装置または外部の装置が各種の動作を行うために設定されている情報であるようにすることが可能となる。
【0044】
また、第1の情報は、他の情報処理装置または外部の装置が各種の動作を行うために設定される情報であるようにすることが可能となる。
【0045】
したがって、参照装置または参照対象装置に設定されている対象情報を、被設定装置または設定対象装置に設定することができる。
【0046】
本発明の第2の側面の情報処理方法は、情報処理装置と組み合わせて使用され、情報処理装置と相互に無線通信を行う携帯型の電子機器の情報処理方法において、通信可能な状態にある情報処理装置から正当であると認証された場合、情報処理装置から送信されてくる、各種の動作を行うための設定に関係する第1の情報の受信を制御する受信制御ステップと、受信した第1の情報を記憶する記憶ステップと、通信可能な状態にある他の情報処理装置から正当であると認証された場合、記憶している第1の情報の他の情報処理装置への送信を制御する送信制御ステップとを含む。
【0047】
本発明の第2の側面の情報処理方法においては、通信可能な状態にある情報処理装置から正当であると認証された場合、情報処理装置から送信されてくる、各種の動作を行うための設定に関係する第1の情報が受信され、受信された第1の情報が記憶され、通信可能な状態にある他の情報処理装置から正当であると認証された場合、記憶している第1の情報が他の情報処理装置に送信される。
【0048】
したがって、簡単に、設定対象への設定を行うことができる。特に、ある車両の個別設定を記憶し、その個別設定を他の車両に送信することで、簡単に、様々な個別設定を行うことができるようになる。
【0049】
この受信制御ステップは、例えば、通信可能な状態にある情報処理装置から正当であると認証された場合、情報処理装置から送信されてくる、各種の動作を行うための設定に関係する第1の情報の受信を制御する受信制御ステップにより構成され、記憶ステップは、受信した第1の情報を記憶する記憶ステップにより構成され、送信制御ステップは、通信可能な状態にある他の情報処理装置から正当であると認証された場合、記憶している第1の情報の他の情報処理装置への送信を制御する送信制御ステップにより構成される。
【0050】
本発明の第2の側面のプログラムは、情報処理装置と組み合わせて使用され、情報処理装置と相互に無線通信を行う携帯型の電子機器のコンピュータに、情報処理を行わせるプログラムにおいて、通信可能な状態にある情報処理装置から正当であると認証された場合、情報処理装置から送信されてくる、各種の動作を行うための設定に関係する第1の情報の受信を制御する受信制御ステップと、受信した第1の情報を記憶する記憶ステップと、通信可能な状態にある他の情報処理装置から正当であると認証された場合、記憶している第1の情報の他の情報処理装置への送信を制御する送信制御ステップとを含む。
【0051】
本発明の第3の側面の情報処理装置は、携帯型の電子機器と組み合わせて使用され、電子機器と相互に無線通信を行う情報処理装置において、各種の動作を行うための設定に関係する情報の参照を指示された場合、通信可能な状態にある電子機器が正当であるか否かを認証する認証手段と、電子機器が正当であると認証された場合、情報を取得する取得手段と、取得した情報を電子機器に送信する送信手段とを備える。
【0052】
本発明の第3の側面の情報処理装置においては、各種の動作を行うための設定に関係する情報の参照を指示された場合、通信可能な状態にある電子機器が正当であるか否かが認証され、電子機器が正当であると認証された場合、情報が取得され、取得された情報が電子機器に送信される。
【0053】
したがって、簡単に、設定対象への設定を行うことができる。特に、ある車両の個別設定を送信することで、他の車両に対して、様々な個別設定を行うことができるようになる。
【0054】
情報処理装置は、例えば、参照対象装置から対象情報を取得する参照装置として構成される。
【0055】
認証手段は、例えば、CPUなどによって実行されるプログラムに含まれる認証制御部により構成される。認証制御部は、各種の動作を行うための設定に関係する第1の情報の参照が指示された場合、通信可能な状態にある電子機器が正当であるか否かを認証する。
【0056】
取得手段は、例えば、CPUなどによって実行されるプログラムに含まれる対象制御部により構成される。対象制御部は、電子機器が正当であると認証された場合、第1の情報を取得する。
【0057】
したがって、正当な情報移転装置と通信可能になった場合、対象情報を取得するので、より安全に対象情報を送信することが可能となる。
【0058】
送信手段は、取得した第1の情報を電子機器に送信する。
【0059】
したがって、各種の動作を行うための設定に関係する対象情報を、情報移転装置に送信することが可能となる。例えば、ある車両の個別設定を送信することで、他の車両に対して、様々な個別設定を行うことが可能となる。
【0060】
情報は、自分または外部の装置が各種の動作を行うために設定されている情報であるようにすることができる。
【0061】
したがって、参照装置または参照対象装置に設定されている対象情報を、情報移転装置に送信することができる。
【0062】
本発明の第3の側面の情報処理方法は、携帯型の電子機器と組み合わせて使用され、電子機器と相互に無線通信を行う情報処理装置の情報処理方法において、各種の動作を行うための設定に関係する情報の参照を指示された場合、通信可能な状態にある電子機器が正当であるか否かを認証する認証ステップと、電子機器が正当であると認証された場合、情報を取得する取得ステップと、取得した情報の電子機器への送信を制御する送信制御ステップとを含む。
【0063】
本発明の第3の側面の情報処理方法においては、各種の動作を行うための設定に関係する情報の参照を指示された場合、通信可能な状態にある電子機器が正当であるか否かが認証され、電子機器が正当であると認証された場合、情報が取得され、取得された情報の電子機器への送信される。
【0064】
したがって、簡単に、設定対象への設定を行うことができる。特に、ある車両の個別設定を送信することで、他の車両に対して、様々な個別設定を行うことができるようになる。
【0065】
この認証ステップは、各種の動作を行うための設定に関係する情報の参照を指示された場合、通信可能な状態にある電子機器が正当であるか否かを認証する認証ステップにより構成され、取得ステップは、電子機器が正当であると認証された場合、情報を取得する取得ステップにより構成され、送信制御ステップは、取得した情報の電子機器への送信を制御する送信制御ステップにより構成される。
【0066】
本発明の第3の側面のプログラムは、携帯型の電子機器と組み合わせて使用され、電子機器と相互に無線通信を行う情報処理装置のコンピュータに、情報処理を行わせるプログラムにおいて、各種の動作を行うための設定に関係する情報の参照を指示された場合、通信可能な状態にある電子機器が正当であるか否かを認証する認証ステップと、電子機器が正当であると認証された場合、情報を取得する取得ステップと、取得した情報の電子機器への送信を制御する送信制御ステップとを含む。
【0067】
本発明の第4の側面の情報処理装置は、携帯型の電子機器と相互に無線通信を行う情報処理装置において、電子機器の認証に関係する第1の情報を入力する入力手段と、各種の動作を行うための設定に関係する第2の情報の設定が指示された場合、入力した第1の情報に基づいて、通信可能な状態にある電子機器が正当であるか否かを認証する認証手段と、電子機器が正当であると認証された場合、電子機器から送信されてくる第2の情報を受信する受信手段と、受信した第2の情報に基づいて、各種の動作を行うための設定をする設定手段と備える。
【0068】
本発明の第4の側面の情報処理装置においては、電子機器の認証に関係する第1の情報が入力され、各種の動作を行うための設定に関係する第2の情報の設定が指示された場合、入力した第1の情報に基づいて、通信可能な状態にある電子機器が正当であるか否かが認証され、電子機器が正当であると認証された場合、電子機器から送信されてくる第2の情報を受信する受信手段と、受信した第2の情報に基づいて、各種の動作を行うための設定をする設定手段と備える。
【0069】
したがって、簡単に、設定対象への設定を行うことができる。特に、ある車両の個別設定を受信し、その個別設定を他の車両に設定することで、簡単に、様々な個別設定を行うことができるようになる。
【0070】
情報処理装置は、例えば、対象情報を設定対象装置に設定する被設定装置として構成される。
【0071】
入力手段は、例えば、CPUなどによって実行されるプログラムに含まれる入力部により構成される。入力部は、電子機器の認証に関係する第1の情報を入力する。
【0072】
したがって、参照装置と情報移転装置とは組み合わせて使用されるが、情報移転装置の認証に関係する認証情報が入力されるので、被設定装置でも、情報移転装置を正当な機器であると認証することが可能となる。
【0073】
認証手段は、例えば、CPUなどによって実行されるプログラムに含まれる認証制御部により構成される。認証制御部は、第2の情報の設定が指示された場合、入力した第1の情報に基づいて、通信可能な状態にある電子機器が正当であるか否かを認証する。
【0074】
受信手段は、例えば、CPUなどによって実行されるプログラムに含まれている通信部により構成される。通信部は、電子機器から送信されてくる第2の情報を受信する。
【0075】
したがって、正当な情報移転装置と通信可能になった場合、対象情報を受信するので、より安全に対象情報を受信することが可能となる。
【0076】
設定手段は,例えば、CPUなどによって実行されるプログラムに含まれている対象制御部により構成される。対象制御部は、受信した第2の情報に基づいて、各種の動作を行うための設定をする。
【0077】
したがって、情報移転装置から送信されてくる、各種の動作を行うための設定に関係する対象情報を、設定対象装置に設定することが可能となる。例えば、ある車両の個別設定を受信し、その個別設定を他の車両に設定することで、簡単に、様々な個別設定を行うことが可能となる。
【0078】
第2の情報は、他の情報処理装置または外部の装置が各種の動作を行うために設定されている情報であるようにすることができる。
【0079】
第2の情報は、自分または外部の装置が各種の動作を行うために設定される情報であるようにすることができる。
【0080】
したがって、参照装置または参照対象装置に設定されている対象情報を、被設定装置または設定対象装置に設定することができる。
【0081】
本発明の第4の側面の情報処理方法は、携帯型の電子機器と相互に無線通信を行う情報処理装置の情報処理方法において、電子機器の認証に関係する第1の情報を入力する入力ステップと、各種の動作を行うための設定に関係する第2の情報の設定が指示された場合、入力した第1の情報に基づいて、通信可能な状態にある電子機器が正当であるか否かを認証する認証ステップと、電子機器が正当であると認証された場合、電子機器から送信されてくる第2の情報の受信を制御する受信制御ステップと、受信した第2の情報に基づいて、各種の動作を行うための設定をする設定ステップとを含む。
【0082】
本発明の第4の側面の情報処理方法においては、電子機器の認証に関係する第1の情報を入力する入力ステップと、各種の動作を行うための設定に関係する第2の情報の設定が指示された場合、入力した第1の情報に基づいて、通信可能な状態にある電子機器が正当であるか否かが認証され、電子機器が正当であると認証された場合、電子機器から送信されてくる第2の情報が受信され、受信した第2の情報に基づいて、各種の動作を行うための設定がされる。
【0083】
したがって、簡単に、設定対象への設定を行うことができる。特に、ある車両の個別設定を受信し、その個別設定を他の車両に設定することで、簡単に、様々な個別設定を行うことができるようになる。
【0084】
本発明の第4の側面のプログラムは、電子機器の認証に関係する第1の情報を入力する入力ステップと、各種の動作を行うための設定に関係する第2の情報の設定が指示された場合、入力した第1の情報に基づいて、通信可能な状態にある電子機器が正当であるか否かが認証する認証ステップと電子機器が正当であると認証された場合、電子機器から送信されてくる第2の情報の受信を制御する受信制御ステップと、受信した第2の情報に基づいて、各種の動作を行うための設定をする設定ステップとを含むプログラム。
【0085】
本発明の第2の側面のプログラム、第3の側面のプログラム、および第4の側面のプログラムは、所定の記録媒体に記録されて、例えば、ドライブにより読み出され、情報処理装置にインストールされる。記録媒体は、フロッピ(登録商標)ディスクなどよりなる磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk)などよりなる光ディスク、MD(Mini Disk)(登録商標)などよりなる光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブルメディアにより構成される。
【発明の効果】
【0086】
以上のように、本発明の第1の側面によれば、簡単に、設定対象への設定を行うことができる。特に、簡単、かつ、安全に、車両に対して、様々な個別設定を行うことができるようになる。
【0087】
本発明の第2の側面によれば、簡単に、設定対象への設定を行うことができる。特に、ある車両の個別設定を記憶し、その個別設定を他の車両に送信することで、簡単に、様々な個別設定を行うことができるようになる。
【0088】
本発明の第3の側面によれば、簡単に、設定対象への設定を行うことができる。特に、ある車両の個別設定を送信することで、他の車両に対して、様々な個別設定を行うことができるようになる。
【0089】
本発明の第4の側面によれば、簡単に、設定対象への設定を行うことができる。特に、ある車両の個別設定を受信し、その個別設定を他の車両に設定することで、簡単に、様々な個別設定を行うことができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0090】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0091】
図1は、本発明を適用した情報転送システム1の一実施の形態を示すブロック図である。
【0092】
情報転送システム1は、所定の対象となる情報(以下、対象情報と称する)を、ある装置から他の装置に転送する情報処理システムの一例である。情報転送システム1は、例えば、参照装置11、情報移転装置12、参照対象装置13、被設定装置14、および設定対象装置15から構成される。なお、情報処理システムとしての情報転送システム1において、参照装置11と被設定装置14は、情報処理装置の一例であり、情報移転装置12は、電子機器の一例である。
【0093】
参照装置11は、例えば、乗用車、バス、電車、その他の車両に搭載される車載装置、パーソナルコンピュータ、専用のサーバ、AV(Audio Visual)機器、またはキオスク端末などの対象情報を参照する装置である。また、参照装置11は、対象情報を参照する対象となる装置である参照対象装置13から対象情報を参照して取得する。参照装置11は、情報移転装置12と通信可能である場合、情報移転装置12との間で無線通信により、対象情報などのデータの送受信を行う。なお、参照装置11は、参照対象装置13から対象情報を取得せずに、自分の記憶している情報を対象情報として、情報移転装置12に送信するようにしてもよい。
【0094】
情報移転装置12は、例えば、フォブと称される、キーホルダ型のデータ送信装置、携帯電話機、ポータブルPC(Portable Personal Computer)、またはPDA(Personal Digital Assistance)などの携帯情報端末である。また、情報移転装置12は、参照装置11と通信可能である場合、参照装置11との間で無線通信により、対象情報などのデータの送受信を行う。さらに、情報移転装置11は、被設定装置14と通信可能である場合、被設定装置14との間で無線通信により、対象情報などのデータの送受信を行う。
【0095】
被設定装置14は、例えば、乗用車などの車両に搭載される車載装置、パーソナルコンピュータ、専用のサーバ、AV機器、カーナビゲーション装置、カーオーディオ装置、家電、または家の制御装置などの対象情報を設定する装置である。また、被設定装置14は、情報移転装置12と通信可能である場合、情報移転装置12との間で無線通信により、対象情報などのデータの送受信を行う。被設定装置14は、情報移転装置12から受信した対象情報を、対象情報を設定する対象となる装置である設定対象装置15に設定する。なお、被設定装置14は、対象情報を設定対象装置15に設定せずに、自分に設定するようにしてもよい。
【0096】
次に、図2と図3を参照して、本発明を適用した情報転送システム1の原理的構成を説明する。
【0097】
なお、図2と図3において、例えば、参照装置11と情報移転装置12は、それらを組み合わせて使用する装置であるので、参照装置11には、あらかじめ情報移転装置12に対して認証を行うときの情報(以下、認証情報と称する)が登録されているが、被設定装置14には、情報移転装置12の認証情報が登録されておらず、情報移転装置12と通信可能な状態にある場合、参照装置11は、情報移転装置12を正当であると認証するが、被設定装置14は、情報移転装置12を正当であるとは認証しないことになる。
【0098】
このとき、図2に示すように、参照装置11は、例えば、ユーザの操作により、参照対象装置13または自分が記憶している対象情報の参照を許可する指示(以下、参照許可と称する)がされた場合、通信可能な位置にある情報移転装置12に対して認証処理を行う。参照装置11には、情報移転装置12の認証情報があらかじめ登録されているので、情報移転装置12が正当であると認証し、参照装置11は、参照対象装置13または自分の記憶している対象情報をその情報移転装置12に送信する。これにより、情報移転装置12は、参照装置11から対象情報を受信し、記憶する。
【0099】
また、被設定装置14には、情報移転装置12の認証情報が登録されていないので、被設定装置14は、情報移転装置12と通信可能な状態にあっても、その情報移転装置12を正当であると認証しないが、図3に示すように、例えば、ユーザの操作により、情報移転装置12の認証情報が入力された場合、通信可能な位置にある情報移転装置12に対して認証処理を行って、その情報移転装置12を正当であると認証する。そして、被設定装置14は、その情報移転装置12から送信されてくる対象情報を受信する。これにより、情報設定装置13は、参照装置11により参照された対象情報を受信し、設定対象装置15または自分に設定する。
【0100】
以上のようにして、情報移転装置12は、参照装置11により参照された対象情報を、被設定装置14に転送する。
【0101】
図4は、参照装置11の機能的構成例を示すブロック図である。
【0102】
参照装置11は、転送対象情報指示部21、情報移転動作制御部22、モード制御部23、通信部24、認証制御部25、認証情報記憶部26、および対象制御部27を含むようにして構成される。
【0103】
転送対象情報指示部21は、ユーザによる所定の操作に応じた操作信号を、情報移転動作制御部22に供給する。具体的には、転送対象情報指示部21は、例えば、ユーザにより、参照装置11に対する所定の操作がされた場合、参照許可を示す制御信号を情報移転動作制御部22に供給する。
【0104】
なお、転送対象情報指示部21は、参照対象装置13または参照装置11に記憶されているすべての対象情報の参照を許可するようにしてもよいし、ユーザによる所定の操作に応じて、それらの対象情報のうち、一部の情報の参照を許可するようにしてもよい。
【0105】
情報移転動作制御部22は、参照装置11による、対象情報を移転させる情報移転動作の処理を行う各部を制御する。
【0106】
モード制御部23は、情報移転動作制御部22の制御の基に、参照装置11の動作のモードを制御する。具体的には、モード制御部23は、参照許可が指示された場合、参照装置11のモードを、参照設定装置または参照装置11が記憶している対象情報の、他の装置への参照を許可するモード(以下、参照モードと称する)に遷移させる。また、モード制御部23は、他の装置が対象情報の参照を終了した場合、参照装置11のモードを、参照モードから元のモードに遷移させる。
【0107】
通信部24は、情報移転動作制御部22の制御の基に、情報移転装置12と通信可能となった場合、例えば、所定の周波数の電波を利用して、情報移転装置12と非接触で、認証情報や対象情報などのデータの送受信を行う。例えば、通信部24は、情報移転装置12と、RFIDによる非接触通信を行う場合、情報移転装置12に設けられているRFIDタグに対する専用のリーダライタとして構成される。その場合、リーダライタは、電波を利用してRFIDタグと非接触でのデータの送受信を行う。
【0108】
認証制御部25には、通信部24により受信された情報移転装置12の認証情報であって、情報移転動作制御部22を介して通信部24からの認証情報と、認証情報記憶部26に記憶されている認証情報とが供給される。認証制御部25は、それらの認証情報に基づいて、認証処理を行う。認証制御部25は、認証の結果を情報移転動作制御部22に供給する。なお、参照装置11と情報移転装置12は、それらを組み合わせて使用する装置であるので、認証情報記憶部26には、あらかじめ情報移転装置12の認証情報が登録されている。
【0109】
また、認証処理とは、例えば、情報移転装置12に設けられているRFIDタグに対してRFID認証を行う処理などの、情報移転装置12が正当であるかを認証する処理である。
【0110】
対象制御部27は、情報移転動作制御部22の制御の基に、参照対象装置13または参照装置11から対象情報を取得する。対象制御部27は、取得した対象情報を情報移転動作制御部22に供給する。情報移転動作制御部22は、通信部24を制御して、対象制御部27から供給される対象情報を情報移転装置12に送信させる。これにより、参照装置11により参照されて取得された対象情報は、情報移転装置12に送信される。
【0111】
図5は、情報移転装置12の機能的構成例を示すブロック図である。
【0112】
情報移転装置12は、通信部51、情報移転動作制御部52、認証情報記憶部53、および対象情報記憶部54を含むようにして構成される。
【0113】
通信部51は、情報移転動作制御部52の制御の基に、参照装置11と通信可能となった場合、例えば、所定の周波数の電波を利用して、参照装置11と非接触で、認証情報や対象情報などのデータの送受信を行う。例えば、通信部51は、参照装置11と、RFIDによる非接触通信を行う場合、参照装置11に設けられているリーダライタに対するRFIDタグ(の一部)として構成される。その場合、RFIDタグは、電波を利用してリーダライタと非接触でのデータの送受信を行う。なお、通信部51は、参照装置11に対する動作と同様にして、被設定装置14に対しても動作する。
【0114】
情報移転動作制御部52は、情報移転装置12による、対象情報を移転させる情報移転動作の処理を行う各部を制御する。
【0115】
具体的には、情報移転動作制御部52は、参照装置11から送信される認証情報の要求(以下、認証情報要求と称する)であって、通信部51から供給される認証情報要求に基づいて、認証情報記憶部53に記憶されている、情報移転装置12の認証情報を取得し、その認証情報を通信部51に供給する。通信部51は、情報移転動作制御部52の制御の基に、認証情報を参照装置11に送信する。なお、情報移転動作制御部52は、被設定装置14から送信される認証情報要求に対しても同様に処理する。
【0116】
また、情報移転動作制御部52は、参照装置11から送信される対象情報であって、通信部51から供給される対象情報を対象情報記憶部54に記憶させる。これにより、参照装置11により参照されて取得された対象情報は、情報移転装置12に記憶される。
【0117】
情報移転動作制御部52は、被設定装置14から送信される対象情報の要求(以下、対象情報要求と称する)であって、通信部51から供給される対象情報要求に基づいて、対象情報記憶部54に記憶されている対象情報を取得し、その対象情報を通信部51に供給する。通信部51は、情報移転動作制御部52の制御の基に、対象情報を被設定装置14に送信する。これにより、参照装置11により参照されて取得された対象情報は、情報移転装置12に転送される。
【0118】
なお、認証情報記憶部53と対象情報記憶部54は、例えば,不揮発性の半導体メモリやハードディスクなどで構成され、それぞれ、個別に構成されていても、同一の記録媒体を用いて、それぞれ固有の記憶領域を有するものとしてもよい。
【0119】
図6は、被設定装置14の機能的構成例を示すブロック図である。
【0120】
被設定装置14は、認証情報入力部81、認証情報記憶部82、転送対象情報指示部83、情報移転動作制御部84、モード制御部85、通信部86、認証制御部87、および対象制御部88を含むようにして構成される。
【0121】
認証情報入力部81は、例えば、ユーザの操作により入力される、情報移転装置12の認証情報を取得する。認証情報入力部81は、取得した認証情報を認証情報記憶部82に供給する。認証情報記憶部82は、認証情報入力部81から供給される認証情報を記憶する。すなわち、被設定装置14は、参照装置11とは違って、情報移転装置12と組み合わせて使用する装置ではないために、情報移転装置12の認証情報が登録されていないので、例えば、ユーザの操作により、その情報移転装置12の認証情報が入力されることにより、情報移転装置12と組み合わせて使用することが可能となる。
【0122】
転送対象情報指示部83は、ユーザによる所定の操作に応じた操作信号を、情報移転動作制御部84に供給する。具体的には、転送対象情報指示部83は、例えば、ユーザにより、被設定装置14に対する所定の操作がされた場合、設定許可を示す操作信号を情報移転動作制御部84に供給する。
【0123】
情報移転動作制御部84は、被設定装置14による、対象情報を移転させる情報移転動作の処理を行う各部を制御する。
【0124】
モード制御部85は、情報移転動作制御部84の制御の基に、被設定装置14の動作のモードを制御する。具体的には、モード制御部85は、設定許可が指示された場合、被設定装置14のモードを、他の装置が記憶している対象情報の、設定対象装置15または被設定装置14への設定を許可するモード(以下、設定モードと称する)に遷移させる。また、モード制御部85は、対象情報の設定が終了した場合、被設定装置14のモードを、設定モードから元のモードに遷移させる。
【0125】
通信部86は、情報移転動作制御部84の制御の基に、情報移転装置12と通信可能となった場合、例えば、RFIDによる非接触通信などにより、所定の周波数の電波を利用して、情報移転装置12と非接触で、認証情報や対象情報などのデータの送受信を行う。例えば、通信部86は、情報移転装置12と、RFIDによる非接触通信を行う場合、情報移転装置12に設けられているRFIDタグに対する専用のリーダライタとして構成される。その場合、リーダライタは、電波を利用してRFIDタグと非接触でのデータの送受信を行う。
【0126】
認証制御部87には、通信部86により受信された情報移転装置12の認証情報であって、情報移転動作制御部84を介して通信部86からの認証情報と、認証情報記憶部82に記憶されている認証情報とが供給される。認証制御部87は、それらの認証情報に基づいて、認証処理を行う。認証制御部87は、認証の結果を情報移転動作制御部84に供給する。
【0127】
対象制御部88は、情報移転動作制御部84の制御の基に、対象情報を設定する対象となる設定対象装置15または被設定装置14に対象情報を供給し、その対象情報を設定対象装置15または被設定装置14に設定させる。これにより、参照装置11により参照されて取得された対象情報は、設定対象装置15または被設定装置14に設定される。
【0128】
次に、図7乃至図9のフローチャートを参照して、情報転送システム1を構成する各装置、すなわち、参照装置11、情報移転装置12、および被設定装置14の動作について説明する。
【0129】
まず、図7のフローチャートを参照して、図4の参照装置11による、対象情報参照の処理について説明する。
【0130】
ステップS11において、情報移転動作制御部22は、転送対象情報指示部21からの、例えば、ユーザによる所定の操作に応じた操作信号に基づいて、対象情報の参照許可が指示されたか否かを判定する。
【0131】
ステップS11において、参照許可が指示されていないと判定された場合、ステップS11の処理が繰り返される。すなわち、ステップS11において、例えば、ユーザにより所定の操作が行われて、参照許可が指示されたと判定されるまで、ステップS11の処理が繰り返される。
【0132】
一方、ステップS11において、参照許可が指示されたと判定された場合、ステップS12に進み、モード制御部23は、情報移転動作制御部22の制御の基に、参照装置11のモードを、対象情報を参照するモードである参照モードに遷移させる。
【0133】
ステップS13において、情報移転動作制御部22は、通信部24の状態を監視することにより、情報移転装置12と通信可能であるか否かを判定する。
【0134】
ステップS13において、情報移転装置12と通信可能ではないと判定された場合、ステップS14乃至ステップS19の処理をスキップして、ステップS20に進み、モード制御部23は、情報移転動作制御部22の制御の基に、参照装置11のモードを、参照モードから元のモードに遷移させて、対象情報参照の処理は終了する。すなわち、このとき、参照装置11と情報移転装置12とは、通信可能な位置関係になっていないため、対象情報を情報移転装置12に送信することができないので、モードを元に戻して、対象情報参照の処理を終了する。
【0135】
一方、ステップS13において、情報移転装置12と通信可能であると判定された場合、ステップS14に進み、通信部24は、情報移転動作制御部22の制御の基に、認証情報要求を情報移転装置12に送信する。
【0136】
ステップS15において、通信部24は、情報移転装置12から送信される認証情報を受信する。通信部24は、受信した認証情報を、情報移転動作制御部22を介して認証制御部25に供給する。
【0137】
ステップS16において、認証制御部25は、認証情報記憶部26から認証情報を取得し、その認証情報と、情報移転装置12から受信した認証情報に基づいた認証処理を行って、認証の結果を情報移転動作制御部22に供給する。例えば、認証制御部25は、情報移転装置12に設けられているRFIDタグに対してRFID認証を行うことにより、情報移転装置12が正当であるかを認証する。
【0138】
ステップS17において、情報移転動作制御部22は、認証制御部25からの認証の結果に基づいて、認証情報を送信してきた情報移転装置12が正当であるか否かを判定する。
【0139】
ステップS17において、情報移転装置12が正当でないと判定された場合、正当でない情報移転装置12には対象情報を送信しないので、ステップS18およびステップS19の処理をスキップして、ステップS20に進み、モード制御部23は、情報移転動作制御部22の制御の基に、モードを参照モードから元のモードに遷移させて、対象情報参照の処理は終了する。これにより、参照装置11は、正当でない情報移転装置12に対して対象情報を送信しないため、対象情報が不正に使用されることを未然に防止することができる。
【0140】
一方、ステップS17において、情報移転装置12が正当であると判定された場合、ステップS18に進み、対象制御部27は、情報移転動作制御部22からの判定結果に基づいて、参照対象装置13から対象情報を取得し、その対象情報を情報移転動作制御部22に供給する。なお、対象制御部27は、参照装置11自身が記憶している対象情報を取得し、その対象情報を情報移転動作制御部22に供給するようにしてもよい。
【0141】
ステップS19において、通信部24は、情報移転動作制御部22の制御の基に、対象制御部27により取得された対象情報を情報移転装置12に送信する。
【0142】
ステップS20において、モード制御部23は、情報移転動作制御部22の制御の基に、参照装置11のモードを、参照モードから元のモードに遷移させて、対象情報参照の処理を終了する。
【0143】
以上のように、参照装置11は、対象情報参照の処理を行うことにより、正当である情報移転装置12に対して、対象情報を送信する。
【0144】
次に、図8のフローチャートを参照して、図5の情報移転装置12による、対象情報転送の処理について説明する。
【0145】
ステップS51において、情報移転動作制御部52は、通信部51の状態を監視することにより、参照装置11から送信される認証情報要求を受信したか否かを判定する。
【0146】
ステップS51において、参照装置11からの認証情報要求を受信していないと判定された場合、例えば、参照装置11とは通信可能な位置関係になっていないので、ステップS52乃至ステップS61の処理をスキップして、対象情報転送の処理は終了する。
【0147】
一方、ステップS51において、参照装置11からの認証情報要求を受信したと判定された場合、ステップS52に進み、情報移転動作制御部52は、通信部51からの認証情報要求に基づいて、認証情報記憶部53に記憶されている、情報移転装置12の認証情報を取得する。
【0148】
ステップS53において、通信部51は、情報移転動作制御部52の制御の基に、認証情報記憶53から取得された認証情報を参照装置11に送信する。
【0149】
ステップS54において、情報移転動作制御部52は、通信部51の状態を監視することにより、参照装置11から送信される対象情報を受信したか否かを判定する。
【0150】
ステップS54において、参照装置11からの対象情報を受信していないと判定された場合、例えば、参照装置11と通信可能な位置関係になっていないので、ステップS55乃至ステップS61の処理をスキップして、対象情報転送の処理は終了する。
【0151】
一方、ステップS54において、参照装置11からの対象情報を受信したと判定された場合、ステップS55に進み、情報移転動作制御部52は、通信部51により受信された対象情報を対象情報記憶部54に記憶させる。これにより、対象情報記憶部54には、参照対象装置13または参照装置11からの対象情報が記憶されていることになる。
【0152】
ステップS56において、情報移転動作制御部52は、通信部51の状態を監視することにより、被設定装置14から送信されてくる認証情報要求を受信したか否かを判定する。
【0153】
ステップS56において、被設定装置14からの認証情報要求を受信していないと判定された場合、例えば、被設定装置14と通信可能な位置関係になっていないので、ステップS57乃至ステップS61の処理をスキップして、対象情報転送の処理は終了する。
【0154】
一方、ステップS56において、被設定装置14からの認証情報要求を受信したと判定された場合、ステップS57に進み、情報移転動作制御部52は、通信部51からの認証情報要求に基づいて、認証情報記憶部53に記憶されている、情報移転装置12の認証情報を取得する。
【0155】
ステップS58において、通信部51は、情報移転動作制御部52の制御の基に、認証情報記憶53から取得された認証情報を被設定装置14に送信する。
【0156】
ステップS59において、情報移転動作制御部52は、通信部51の状態を監視することにより、被設定装置14から送信されてくる対象情報要求を受信したか否かを判定する。
【0157】
ステップS59において、被設定装置14からの対象情報要求を受信していないと判定された場合、例えば、被設定装置14と通信可能な位置関係になっていないので、ステップS60およびステップS61の処理をスキップして、対象情報転送の処理は終了する。
【0158】
一方、ステップS59において、被設定装置14からの対象情報要求を受信したと判定された場合、ステップS60に進み、情報移転動作制御部52は、通信部51からの対象情報要求に基づいて、対象情報記憶部54に記憶されている、参照対象装置13または参照装置11からの対象情報を取得する。
【0159】
ステップS61において、通信部51は、情報移転動作制御部52の制御の基に、対象情報記憶54から取得された対象情報を、被設定装置14に送信して、対象情報転送の処理は終了する。これにより、通信部51は、対象情報記憶部54に記憶されている、参照対象装置13または参照装置11からの対象情報を、被設定装置14に送信したことになる。
【0160】
以上のように、情報移転装置12は、対象情報移転の処理を行うことにより、参照装置11から受信した対象情報を、被設定装置14に転送する。
【0161】
次に、図9のフローチャートを参照して、図6の被設定装置14による、対象情報設定の処理について説明する。
【0162】
ステップS91において、認証情報入力部81は、例えば、ユーザの操作により入力される、情報移転装置12の認証情報が入力されたか否かを判定する。具体的には、上述したように、被設定装置14は、参照装置11とは違って、情報移転装置12と組み合わせて使用する装置ではないために、情報移転装置12の認証情報が登録されていないので、ステップS91の処理により、その情報移転装置12の認証情報が入力されたと判定されることで、情報移転装置12と組み合わせて使用することができる。
【0163】
ステップS91において、情報移転装置12の認証情報が入力されていないと判定された場合、ステップS91の処理が繰り返される。すなわち、例えば、ユーザの操作により、情報移転装置12の認証情報が入力されて、ステップS91において、認証情報が入力されたと判定されるまで、ステップS91の処理が繰り返される。
【0164】
一方、ステップS91において、情報移転装置12の認証情報が入力されたと判定された場合、ステップS92に進み、認証情報記憶部82は、認証情報入力部81からの情報移転装置12の認証情報を記憶する。
【0165】
ステップS93において、情報移転動作制御部84は、転送対象情報指示部83からの、例えば、ユーザによる所定の操作に応じた操作信号に基づいて、対象情報の設定許可が指示されたか否かを判定する。
【0166】
ステップS93において、設定許可が指示されていないと判定された場合、ステップS93の処理が繰り返される。すなわち、例えば、ユーザにより所定の操作が行われて、ステップS93において、設定許可が指示されたと判定されるまで、ステップS93の処理が繰り返される。
【0167】
一方、ステップS93において、設定許可が指示されたと判定された場合、ステップS94に進み、モード制御部85は、情報移転動作制御部84の制御の基に、被設定装置14のモードを、対象情報を設定するモードである設定モードに遷移させる。
【0168】
ステップS95において、情報移転動作制御部84は、通信部86の状態を監視することにより、情報移転装置12と通信可能であるか否かを判定する。
【0169】
ステップS95において、情報移転装置12と通信可能ではないと判定された場合、ステップS96乃至ステップS102の処理をスキップして、ステップS103に進み、モード制御部85は、情報移転動作制御部84の制御の基に、被設定装置14のモードを、設定モードから元のモードに遷移させて、対象情報設定の処理を終了する。すなわち、このとき、被設定装置14と情報移転装置12とは、通信可能な位置関係になっていないため、情報移転装置12から対象情報を受信することができないので、モードを元に戻して、対象情報設定の処理を終了する。
【0170】
一方、ステップS95において、情報移転装置12と通信可能であると判定された場合、ステップS96に進み、通信部86は、情報移転動作制御部84の制御の基に、認証情報要求を情報移転装置12に送信する。
【0171】
ステップS97において、通信部86は、情報移転装置12から送信される認証情報を受信する。通信部86は、受信した認証情報を、情報移転動作制御部84を介して認証制御部87に供給する。
【0172】
ステップS98において、認証制御部87は、認証情報記憶部82から認証情報を取得し、その認証情報と、情報移転装置12から受信した認証情報に基づいた認証処理を行って、認証の結果を情報移転動作制御部84に供給する。例えば、認証制御部87は、情報移転装置12に設けられているRFIDタグに対してRFID認証を行うことにより、情報移転装置12が正当であるかを認証する。
【0173】
ステップS99において、情報移転動作制御部84は、認証制御部87からの認証の結果に基づいて、認証情報を送信してきた情報移転装置12が正当であるか否かを判定する。
【0174】
ステップS99において、情報移転装置12が正当でないと判定された場合、正当でない情報移転装置12からの対象情報は設定しないので、ステップS100乃至ステップS102の処理をスキップして、ステップS103に進み、モード制御部85は、情報移転動作制御部84の制御の基に、モードを設定モードから元のモードに遷移させて、対象情報設定の処理を終了する。これにより、被設定装置14は、正当でない情報移転装置12からの対象情報を設定しないため、不正な装置からの対象情報を設定しないようにすることができる。
【0175】
一方、ステップS99において、情報移転装置12が正当であると判定された場合、すなわち、ステップS91の処理により入力された認証情報の情報移転装置12であるとき、ステップS100に進み、通信部86は、情報移転動作制御部84の制御の基に、対象情報要求を情報移転装置12に送信する。
【0176】
ステップS101において、通信部86は、情報移転動作制御部84の制御の基に、情報移転装置12から送信される対象情報を受信する。通信部86は、受信した対象情報を、情報移転動作制御部84を介して対象制御部88に供給する。
【0177】
ステップS102において、対象制御部88は、情報移転装置12から受信した対象情報を設定対象装置15に設定する。これにより、参照対象装置13または参照装置11からの対象情報を、設定対象装置15に設定することになる。なお、対象制御部88は、情報移転装置12から受信した対象情報を被設定装置14自身に記憶させるようにしてもよい。
【0178】
ステップS103において、モード制御部85は、情報移転動作制御部84の制御の基に、被設定装置14のモードを設定モードから元のモードに遷移させて、対象情報設定の処理は終了する。
【0179】
以上のように、被設定装置14は、対象情報設定の処理を行うことにより、情報移転装置12から転送された、参照対象装置13または参照装置11からの対象情報を、設定対象装置15または被設定装置14に設定する。
【0180】
次に、上述した本実施例をより分かり易く説明するために、車のディーラのショールームにおいて、セールスマンが、車の購入希望者(以下、ユーザと称する)に対して、展示用の展示車の設定内容を変更しながら車の説明を行い、仮に、ユーザがその車を購入した場合、購入されたその車(被設定車)に、例えば、フォブなどの携帯情報端末を利用して展示車と同様の設定を行う自動車の販売の一連の処理を一例にして説明する。
【0181】
図10は、本発明を適用した展示車321、携帯情報端末322、および被設定車331の原理的構成を説明する図である。
【0182】
図10で示される例において、ショールーム311には、展示車321が展示されており、展示車321用の携帯情報端末322を手に持っているセールスマンが、車の購入を希望しているユーザ(図示せず)に対して、展示車321の説明を行っている。そのとき、セールスマンは、展示車321の、例えば、ステアリングやシートの位置の設定など、あらかじめ設定されている機能を用いて説明を行いながら、ユーザの好みを反映して設定を変更してデモンストレーションを行うことにより、そのユーザに設定した機能の具体的な内容と使用方法を伝えることできる。具体的には、例えば、展示車321の運転席にユーザを座らせて、シートポジションにあわせて、適切なステアリングポジションを設定する。
【0183】
そして、ユーザが展示車321と同車種の車を購入することになった場合、セールスマンは、携帯情報端末322に対して、所定の操作をすることにより、例えば、そのユーザに対して設定されたステアリングやシートの位置の設定情報を、展示車321から取得して記憶させる。
【0184】
後日、車を購入したユーザが納車のために、車のディーラの納車場所312に来たとき、セールスマンは、展示車321の設定情報を記憶している携帯情報端末322に対して所定の操作をすることにより、例えば、展示車321に対する、そのユーザに設定されたステアリングやシートの位置の情報を被設定車331に送信して設定する。これにより、被設定車331には、以前にショールーム311で説明を受けた展示車321の設定の設定情報が設定されることになり、ユーザにとって最適なシートポジションにあったステアリングポジションが、被設定車331にも設定されることになる。
【0185】
図11は、展示車321の機能的構成例を示すブロック図である。
【0186】
展示車321は、例えば、乗用車などの展示用の車両である。展示車321は、スマートエントリ制御装置351および対象装置353を含むようにして構成される。また、それらの装置は、例えば、CAN(Controller Area Network)などからなる車載LAN(Local Area Network)352を介して相互に接続されている。
【0187】
スマートエントリ制御装置351は、展示車321のスマートエントリ機能を実現するために、車載LAN352を介して、対象装置353の各装置を制御する。
【0188】
ここで、スマートエントリ機能とは、携帯情報端末322が展示車321により認証されることにより、例えば、ドアロックが解除されたり、エンジンが始動したり、ユーザにとって最適なシートポジションにあったステアリングポジションが設定されたりするなどの、ユーザの操作を介さずに対象装置353を動作させる機能である。これにより、ユーザは、車のキーを使用せずに展示車321に近づくだけで、例えば、ドアやトランクの施錠と解錠を行ったり、エンジンを始動させたり、ユーザにとって最適なシートポジションにあったステアリングポジションに設定させたりすることができるようになる。
【0189】
スマートエントリ制御装置351は、利用者認証部361、スマートエントリ制御部362、個別設定制御部363、通信部364、および入力部365を含むようにして構成される。
【0190】
利用者認証部361は、携帯情報端末322が正当であるかを認証する。具体的には、利用者認証部361は、通信部364から供給される携帯情報端末322から受信した認証情報と、あらかじめ記憶している展示車321用の携帯情報端末322の認証情報に基づいて、携帯情報端末322が正当であるかを認証する認証処理を行う。利用者認証部361は、認証の結果を、車載LAN352を介してスマートエントリ制御部362または個別設定制御部363に供給する。
【0191】
なお、利用者認証部361は、例えば、キーシリンダとキーIDとの一致など、携帯情報端末322との認証処理以外の認証処理を組み合わせて認証を行うようにしてもよい。
【0192】
スマートエントリ制御部362は、利用者認証部361から供給される認証の結果に基づいて、車載LAN352を介して対象装置353の各装置を制御し、スマートエントリ機能の各種の動作を制御する。
【0193】
個別設定制御部363は、利用者認証部361から供給される認証の結果が、携帯情報端末322が正当であることを示している場合、車載LAN352を介して対象装置353から個別の設定情報を取得する。個別設定制御部363は、取得した設定情報を通信部364に供給し、送信させる。
【0194】
また、個別設定制御部363は、利用者認証部361から供給される認証の結果が、携帯情報端末322が正当であることを示している場合、通信部364から供給される携帯情報端末322から受信した設定情報を、車載LAN352を介して対象装置353の各装置に設定する。
【0195】
すなわち、個別設定制御部363は、対象装置353の設定情報を参照して取得するとともに、携帯情報端末322からの設定情報を対象装置353に設定する。
【0196】
通信部364は、携帯情報端末322と通信可能となった場合、例えば、所定の周波数の電波を利用して、携帯情報端末322と非接触で、認証情報や設定情報などのデータの送受信を行う。例えば、通信部364は、携帯情報端末322と、RFIDによる非接触通信を行う場合、携帯情報端末322に設けられているRFIDタグに対応する専用のリーダライタとして構成される。その場合、リーダライタは、電波を利用してRFIDタグと非接触でのデータの送受信を行う。
【0197】
入力部365は、ユーザによる所定の操作を受け付ける。入力部365は、ユーザによる所定の操作に応じた操作信号を個別設定制御部363に供給する。個別設定制御部363は、入力部365から供給される制御信号に基づいて、スマートエントリ制御装置351のモードを、例えば、参照モードや設定モードに遷移させたり、参照モードや設定モードから元のモードに遷移させたりする。
【0198】
対象装置353は、設定情報が設定されている装置である。対象装置353は、個別設定制御部363の制御の基に、自分に設定されている設定情報を参照させたり、携帯情報端末322からの設定情報を自分に設定したりする。
【0199】
対象装置353は、例えば、エンジン制御装置353a、ATミッション制御装置353b、パワーステアリング制御装置353c、ステアリング位置制御装置353d、オートシート制御装置353e、オートミラー制御装置353f、パワーウィンドウ制御装置353g、エアコン制御装置353h、NAV制御装置353i、ハンズフリー制御装置353j、テレマティクス装置353k、および自動支払装置353lを含むようにして構成される。
【0200】
エンジン制御装置353a乃至自動支払装置353lは、それぞれ、各種の設定情報に基づいて、所定の動作を行う。
【0201】
エンジン制御装置353aは、エンジン機構を制御し、AT(Automatic Transmission)ミッション制御装置353bは、トランスミッション機構を制御し、パワーステアリング制御装置353cは、油圧やモータの働きにより運転者の力をアシストし、軽く操作できるように仕上げられたステアリング機構であるパワーステアリングを制御する。
【0202】
また、ステアリング位置制御装置353dは、ステアリング機構を制御し、オートシート制御装置353eは、例えば、運転席や助手席、後部座席などのシート機構を制御し、オートミラー制御装置353fは、例えば、サイドミラーなどのミラー機構を制御し、パワーウィンドウ制御装置353gは、スイッチ操作によりガラスの昇降を行うパワーウィンドウ機構を制御し、エアコン制御装置353hは、エアコン機構を制御する。
【0203】
NAV(Car Navigation System)制御装置353iは、GUI(Graphical User Interface)操作部353i−1から入力される、例えば、ユーザによるタッチパネルの操作に応じた操作信号に基づいて、カーナビゲーションシステムを制御する。また、NAV制御装置353iは、音声操作部353i−2から入力される、例えば、ユーザの音声に対応した操作信号に基づいて、カーナビゲーションシステムを制御する。ハンズフリー制御装置353jは、両手でハンドルを握ったまま、スピーカやマイクを通して通話するためのハンズフリー機構を制御する。
【0204】
テレマティクス装置353kは、いわゆるテレマティクス(Telematics)、すなわち、例えば、遠隔車両診断、盗難車両追跡、故障時の自動通報、事故時の警察などへの連絡などの情報の提供をやり取りするための装置であり、自動支払装置353lは、例えば、ETC(Electronic Toll Collection)などのあるサービスに対して、所定の金額を支払うための装置である。
【0205】
なお、これらのエンジン制御装置353a乃至自動支払装置353lは、対象装置353の一例であり、上述した以外でも、例えば、オーディオ機構を制御する装置など、車両に搭載されている装置で、利用者ごと個別に設定することが可能な装置であればよい。
【0206】
以上のように、展示車321は構成される。なお、設定情報は、上述した対象情報の一例である。また、展示車321を構成する各装置のうち、スマートエントリ制御装置351は、図4の参照装置11と同様の機能を有する。具体的には、例えば、利用者認証部361は、図4の認証制御部25および認証情報記憶部26に相当し、個別設定制御部363は、図4のモード制御部23および対象制御部27に相当し、通信部364は、図4の通信部24に相当し、入力部365は、図4の転送対象情報指示部21に相当する。また、対象装置353は、例えば、図4の参照対象装置13に相当する。
【0207】
また、被設定車331は、展示車321と同様に構成されるので、その説明は省略する。その場合、被設定車331を構成する各装置のうち、スマートエントリ制御装置351は、図6の被設定装置14と同様の機能を有する。具体的には、例えば、利用者認証部361は、図6の認証制御部87および認証情報記憶部82に相当し、個別設定制御部363は、図6のモード制御部85および設定制御部88に相当し、通信部364は、図6の通信部86に相当し、入力部365は、図7の認証情報入力部81および転送対象情報指示部83に相当する。また、対象装置353は、例えば、図6の設定対象装置15に相当する。
【0208】
図12は、図11の個別設定制御部363の詳細を説明する図である。
【0209】
個別設定制御部363は、例えば、共通設定部363Aと個人別設定部363Bから構成される。また、例えば、共通設定部363Aは、装置別設定部363aと統合設定部363bから構成され、個人別設定部363Bは、装置別設定部363cと統合設定部363dから構成される。
【0210】
個別設定制御部363が設定する設定情報には、例えば、エンジンの設定などのように共通に設定される情報と、例えば、ステアリングやシートの位置などのように個人別に設定される情報とがある。共通設定部363Aは、設定情報のうち、共通に設定される設定情報の設定を制御し、個人別設定部363Bは、設定情報のうち、個人別に設定される設定情報の設定を制御する。
【0211】
また、設定情報には、各装置別に設定する情報と、複数の装置を合わせて設定する情報とがある。例えば、装置別設定部363aは、共通設定部363Aが設定する設定情報のうち、装置別に設定する設定情報の設定を制御し、統合設定部363bは、共通設定部363Aが設定する設定情報のうち、複数の装置を合わせて設定する設定情報の設定を制御する。また、例えば、装置別設定部363cは、個人別設定部363Bが設定する設定情報のうち、装置別に設定する設定情報の設定を制御し、統合設定部363dは、個人別設定部363Bが設定する設定情報のうち、複数の装置を合わせて設定する設定情報の設定を制御する。
【0212】
また、これらの個人別の設定情報は、例えば、生体認証情報により識別される。生体認証情報には、図13に示すように、例えば、顔画像認証に用いる顔認証情報、指紋認証や掌紋認証に用いる指紋/掌紋認証情報、虹彩認証に用いる虹彩認証情報、静脈認証に用いる静脈認証情報などの、個人の生体的特徴を用いて生体認証を行うための情報がある。
【0213】
例えば、入力部365は、カメラを含んで構成され、例えば、顔画像、指紋画像、虹彩画像、静脈画像などを取得し、個人を特定するための情報を取得する。具体的には、例えば、CCD(Charge Coupled Device)撮像素子やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)撮像素子を内蔵した動画像カメラによって、搭乗者の顔画像などの生体認証情報を取得し、車載LAN352を介して、利用者認証部361に供給する。利用者認証部361は、入力部365により取得された生体認証情報に基づいて認証処理を行って、認証の結果を個別設定制御部363に供給する。そして、個別設定制御部363は、利用者認証部361からの認証結果に基づいて、その認証結果に応じた個人別利用情報を取得したり、設定したりする。
【0214】
ここで、個人別利用情報とは、図14に示すように、例えば、ステアリングやシート、エアコンなどの対象を特定するための対象特定情報、ステアリングやシートの位置、エアコンの設定などの対象の設定情報、ドライバ、助手席、子供などの役割情報など、個人ごとに設定される設定情報である。個別設定制御部363は、認証結果に基づいて、これらの個人別利用情報を取得することにより、対象装置353に対して、ユーザごとに各種の設定を行う。
【0215】
具体的には、例えば、家族で被設定車331を利用する場合でも、父親や母親、息子などのユーザごとに、ステアリングやシート位置を設定することが可能となる。その結果、被設定車331のドライバを認証することにより、その運転するユーザに合わせて、ステアリングやシート位置を設定することができる。
【0216】
このように、生体認証を用いて認証を行うことにより、より確実に、安全に、設定情報を取得したり、設定情報を設定したりすることが可能となる。また、これにより、複数のユーザに対して、そのユーザごとに様々な設定をすることが可能となる。
【0217】
なお、上述した例では、生体認証情報を用いた生体認証を認証処理の一例として説明したが、それに限らず、ユーザを識別できる方法であればよい。
【0218】
図15は、携帯情報端末322の機能的構成例を示すブロック図である。
【0219】
携帯情報端末322は、例えば、キーホルダ型の形状からなるフォブなどである。携帯情報端末322は、展示車321用の携帯情報端末であり、展示車321との認証処理に成功した場合、スマートエントリ機能を展示車321に実行させる。
【0220】
携帯情報端末322は、通信部381、制御部382、記憶部383、および入力部384を含むようにして構成される。
【0221】
通信部381は、展示車321と通信可能となった場合、例えば、所定の周波数の電波を利用して、展示車321と非接触で、認証情報や設定情報などのデータの送受信を行う。例えば、通信部381は、展示車321とRFIDによる非接触通信を行う場合、展示車321の内部に設けられているリーダライタに対するRFIDタグ(の一部)として構成される。その場合、RFIDタグは、電波を利用してリーダライタと非接触でのデータの送受信を行う。なお、通信部381は、展示車321に対する動作と同様にして、被設定車331に対しても動作する。
【0222】
制御部382は、携帯情報端末322の各部を制御する。
【0223】
通信部381は、制御部382の制御の基に、展示車321または被設定車331から送信される認証情報要求を受信し、その認証情報要求を制御部382に供給する。制御部382は、通信部381から供給される認証情報要求に基づいて、記憶部383に記憶されている認証情報を取得する。制御部382は、通信部381を制御して、取得した認証情報を、認証情報要求を送信してきた展示車321または被設定車331に送信する。
【0224】
また、同様に、通信部381は、制御部382の制御の基に、展示車321から送信される設定情報を受信し、その設定情報を制御部382に供給する。制御部382は、通信部381から供給される設定情報を記憶部383に記憶させる。これにより、記憶部383は、展示車321の設定情報を記憶する。
【0225】
さらにまた、同様に、通信部381は、制御部382の制御の基に、被設定車331から送信される設定情報要求を受信し、その設定情報要求を制御部382に供給する。制御部382は、通信部381から供給される設定情報要求に基づいて、記憶部383に記憶されている設定情報を取得する。制御部382は、通信部381を制御して、取得した設定情報を被設定車331に送信する。これにより、展示車321の設定情報は、被設定車331に転送される。
【0226】
入力部384は、例えば、所定のスイッチなどからなり、ユーザの操作に応じた操作信号を制御部382に供給する。具体的には、入力部384は、ユーザにより操作された場合、展示車321のスマートエントリ機能を指示するための操作信号を制御部382に供給する。制御部382は、通信部381を制御して、その操作信号に対応するコマンドを展示車321に送信させる。これにより、展示車321は、例えば、ドアロックを解除するなどの、スマートエントリ機能を実行する。
【0227】
なお、携帯情報端末322は、図5の情報移転装置12と同様の機能を有する。具体的には、例えば、通信部381は、図5の通信部51に相当し、制御部382は、図5の情報移転動作制御部52に相当し、記憶部383は、図5の認証情報記憶部53および対象情報記憶部54に相当する。また、図5には、入力部384に相当するブロックは設けられていないが、情報移転装置12に入力部384に相当するブロックを設けてもよいし、携帯情報端末322に入力部384を設けないようにしてもよい。
【0228】
また、被設定車331用の携帯情報端末は、携帯情報端末322と同様に構成されるので、その説明は省略する。
【0229】
次に、図16のフローチャートを参照して、展示車321、携帯情報端末322、および被設定車331による処理の一例として、自動車の販売の処理について説明する。
【0230】
この処理は、例えば、車のショールーム311において、セールスマンが車の購入を希望しているユーザに対して、展示車321の説明を行う場合、そのユーザの好みを反映して、ステアリングやシートの位置を変更しながらデモンストレーションを行って説明をし、その後、そのユーザが展示車321と同車種の車を購入することが決まったときに実行される。すなわち、図16のフローチャートにおいて、展示車321は、ステップS151乃至ステップS156の処理を実行し、携帯情報端末322は、ステップS161乃至ステップS168の処理を実行し、被設定車331は、ステップS171乃至ステップS178の処理を実行する。
【0231】
なお、展示車321と被設定車331は、それぞれ、専用の携帯情報端末を持っているが、この処理では、携帯情報端末322は、展示車321用の携帯情報端末であるとして説明する。
【0232】
ステップS151において、展示車321の入力部365は、ユーザによる所定の操作により、展示車321の設定情報の参照を許可する指示である参照許可を受け付ける。このとき、展示車321のスマートエントリ制御装置351は、自分に設定されている設定情報の参照を許可する参照モードにモードを遷移する。
【0233】
ステップS152において、展示車321の通信部364は、認証情報要求を携帯情報端末322に送信し、展示車321と携帯情報端末322とが通信可能な状態にある場合、ステップS161において、携帯情報端末322の通信部381は、展示車321からの認証情報要求を受信する。ステップS162において、携帯情報端末322の制御部382は、通信部381により受信された認証情報要求に応じて、記憶部383から認証情報を取得する。そして、携帯情報端末322の制御部382は、取得した認証情報を通信部381に供給し、認証情報要求を送信してきた展示車321に送信させる。
【0234】
ステップS153において、展示車321の通信部364は、携帯情報端末322からの認証情報を受信し、その認証情報を利用者認証部361に供給する。
【0235】
ステップS154において、展示車321の利用者認証部361は、あらかじめ展示車321に登録されている携帯情報端末322の認証情報と、携帯情報端末322からの認証情報に基づいて、認証処理を行う。展示車321の個別設定制御部363は、認証の結果に基づいて、携帯情報端末322が正当であると判定された場合、展示車321の対象装置353に設定されている各種の設定情報を参照して取得し、取得した設定情報を通信部364に供給する。展示車321の通信部364は、個別設定制御部363の制御の基に、展示車321の対象装置353の設定情報を携帯情報端末322に送信する。
【0236】
具体的には、例えば、ショールーム311において、ユーザに対して、展示車321のステアリングとシートの位置の設定を行った場合、個別設定制御部363は、車載LAN352を介して、ステアリング位置制御装置353dからステアリング位置の設定情報を取得し、オートシート制御装置353eからシート位置の設定情報を取得する。そして、個別設定制御部363は、取得したステアリングとシート位置の設定情報を通信部364に供給し、それらの位置の設定情報を携帯情報端末322に送信させる。また、このとき、展示車321のスマートエントリ制御装置351は、参照モードから元のモードにモードを遷移し、例えば、携帯情報端末322よりスマートエントリ機能の実行が指示されるまで待機している。
【0237】
ステップS163において、携帯情報端末322の通信部381は、展示車321から設定情報を受信し、ステップS164において、携帯情報端末322の制御部382は、通信部381により受信された設定情報を記憶部383に記憶させる。具体的には、制御部382は、例えば、展示車321から、ステアリングとシート位置の設定情報が送信されてきた場合、それらの位置の設定情報を記憶部383に記憶させる。
【0238】
そして、例えば、後日、ユーザにより購入された、展示車321と同車種の車(被設定車331)の納車日となったとき、ステップS171において、被設定車331の入力部365は、ユーザによる所定の操作により、展示車321用の携帯情報端末322の認証情報の入力を受け付けて、その認証情報を利用者認証部361に供給する。これにより、展示車321用の携帯情報端末322を、被設定車331においても正当な携帯情報端末であると認証することが可能となる。また、ステップS172において、被設定車331の入力部365は、ユーザによる所定の操作により、被設定車331に対する設定情報の設定を許可する指示である設定許可を受け付ける。このとき、被設定車331のスマートエントリ制御装置351は、設定情報の設定を許可する設定モードにモードを遷移する。
【0239】
ステップS173において、被設定車331の通信部364は、認証情報要求を携帯情報端末322に送信し、被設定車331と携帯情報端末322とが通信可能な状態にある場合、ステップS165において、携帯情報端末322の通信部381は、被設定車331からの認証情報要求を受信する。ステップS166において、携帯情報端末322の制御部382は、通信部381により受信された認証情報要求に応じて、記憶部383から認証情報を取得し、その認証情報を、認証情報要求を送信してきた被設定車331に送信させる。
【0240】
ステップS174において、被設定車331の通信部364は、携帯情報端末322からの認証情報を受信し、その認証情報を利用者認証部361に供給する。
【0241】
ステップS175において、被設定車331の利用者認証部361は、ステップS171の処理によって、被設定車331に登録された携帯情報端末322の認証情報と、携帯情報端末322からの認証情報に基づいて、認証処理を行う。ステップS176において、被設定車331の通信部364は、認証の結果に基づいて、携帯情報端末322が正当であると判定された場合、携帯情報端末322が記憶している、展示車321の設定情報を取得するための設定情報要求を、携帯情報端末322に送信する。
【0242】
ステップS167において、携帯情報端末322の通信部381は、被設定車331からの設定情報要求を受信する。ステップS168において、携帯情報端末322の制御部382は、通信部381により受信された設定情報要求に応じて、記憶部383から設定情報を取得し、その設定情報を、設定情報要求を送信してきた被設定車331に送信させる。
【0243】
このとき、被設定車331に送信される設定情報は、例えば、被設定車331を購入したユーザの、展示車321に試乗したときのステアリングとシート位置の情報となる。
【0244】
ステップS177において、被設定車331の通信部364は、携帯情報端末322からの設定情報を受信し、その設定情報を個別設定制御部363に供給する。ステップS178において、被設定車331の個別設定制御部363は、携帯情報端末322から受信した設定情報に基づいて、被設定車331の対象装置353に対して、各種の設定を行う。
【0245】
具体的には、例えば、ショールーム311において、ユーザに対して、展示車321のステアリングとシートの位置の設定を行った場合、その設定情報には、ステアリングとシート位置の情報が含まれているので、個別設定制御部363は、そのステアリング位置の設定情報に基づいて、ステアリング位置制御装置353dを制御して、被設定車331と展示車321のステアリングの位置が、同じ位置になるようにその位置を制御する。また、個別設定制御部363は、そのシート位置の設定情報に基づいて、オートシート制御装置353eを制御して、被設定車331と展示車321のシートの位置が、同じ位置になるようにその位置を制御する。
【0246】
以上のように、展示車321に設定されている設定情報は、携帯情報端末322を介して、被設定装置331に設定される。
【0247】
このように、展示車321の特徴をよく知っているセールスマンが、展示車321に設定した内容をそのまま顧客の車(被設定車331)に反映させることができるので、車に詳しくない顧客であっても、車を購入した直後から様々な個別設定を使用することができる。その結果、顧客にはなんら負担をかけずに、それらの設定することができる。
【0248】
また、これらの設定情報においては、展示車321および被設定車331と、携帯情報端末322とが通信可能な位置関係にある場合にしか送受信を行わないので、所定のネットワークなどを介して通信を行う場合と比較して、ハッカーなどに手順を解析されて不正な操作をされたり、サーバに不正にアクセスされたりすることがないので、安全に、展示車321から被設定車331に転送させることができる。
【0249】
さらに、パーソナルコンピュータなどの他の機器を使用せず、例えば、展示車321と組み合わせて使用されていた、既存の携帯情報端末322を改良せずに、そのまま使用することができるので、上述した機能を、既存の機器に対して簡単に組み込むことができる。
【0250】
なお、上述した例においては、展示車321用の携帯情報端末を使用した例について説明したが、被設定車331用の携帯情報端末を用いるようにしてもよい。その場合、例えば、ステップS171において、被設定車331に対して、展示車321用の携帯情報端末322の認証情報を入力した代わりに、ステップS151の処理の前に、展示車321に対して、被設定車331用の携帯情報端末の認証情報を入力するようにすればよい。
【0251】
また、上述した例においては、展示車321および被設定車331において、参照モードや設定モードなどのモードを遷移させて、展示車321に設定されている設定情報を、携帯情報端末322を介して、被設定装置331に設定するとして説明したが、展示車321および被設定車331は、それらのモードを変更せずに、携帯情報端末322が、処理に応じて、自分のモードを参照モードや設定モードなどに変更するようにしてもよい。
【0252】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0253】
図17は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するパーソナルコンピュータの構成の例を示すブロック図である。CPU411は、ROM(Read Only Memory)412、または記録部418に記録されているプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM(Random Access Memory)413には、CPU411が実行するプログラムやデータなどが適宜記憶される。これらのCPU411、ROM412、およびRAM413は、バス414により相互に接続されている。
【0254】
CPU411にはまた、バス414を介して入出力インターフェース415が接続されている。入出力インターフェース415には、マイクロホンなどよりなる入力部416、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部417が接続されている。CPU411は、入力部416から入力される指令に対応して各種の処理を実行する。そして、CPU411は、処理の結果を出力部417に出力する。
【0255】
入出力インターフェース415に接続されている記録部418は、例えばハードディスクからなり、CPU411が実行するプログラムや各種のデータを記録する。通信部419は、インターネットやローカルエリアネットワークなどのネットワークを介して外部の装置と通信する。
【0256】
また、通信部419を介してプログラムを取得し、記録部418に記録してもよい。
【0257】
入出力インターフェース415に接続されているドライブ420は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア421が装着されたとき、それらを駆動し、そこに記録されているプログラムやデータなどを取得する。取得されたプログラムやデータは、必要に応じて記録部418に転送され、記録される。
【0258】
コンピュータにインストールされ、コンピュータによって実行可能な状態とされるプログラムを格納するプログラム記録媒体は、図17に示すように、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM,DVDを含む)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア421、または、プログラムが一時的もしくは永続的に格納されるROM412や、記録部418を構成するハードディスクなどにより構成される。プログラム記録媒体へのプログラムの格納は、必要に応じてルータ、モデムなどのインターフェースである通信部419を介して、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の通信媒体を利用して行われる。
【0259】
なお、本明細書において、記録媒体に格納されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0260】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0261】
さらに、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0262】
【図1】本発明を適用した情報転送システムの一実施の形態を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用した参照装置と情報移転装置の原理的構成を説明する図である。
【図3】本発明を適用した被設定装置と情報移転装置の原理的構成を説明する図である。
【図4】参照装置の機能的構成例を示すブロック図である。
【図5】情報移転装置の機能的構成例を示すブロック図である。
【図6】被設定装置の機能的構成例を示すブロック図である。
【図7】対象情報参照の処理について説明するフローチャートである。
【図8】対象情報転送の処理について説明するフローチャートである。
【図9】対象情報設定の処理について説明するフローチャートである。
【図10】本発明を適用した展示車、携帯情報端末、および被設定車の原理的構成を説明する図である。
【図11】展示車の機能的構成例を示すブロック図である。
【図12】図11の個別設定制御部の詳細を説明する図である。
【図13】生体認証情報の例を示す図である。
【図14】個人別利用情報の例を示す図である。
【図15】携帯情報端末の機能的構成例を示すブロック図である。
【図16】自動車の販売の処理について説明するフローチャートである。
【図17】パーソナルコンピュータの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0263】
1 情報転送システム
11 参照装置
12 情報移転装置
13 参照対象装置
14 被設定装置
15 設定対象装置
21 転送対象情報指示部
22 情報移転動作制御部
23 モード制御部
24 通信部
25 認証制御部
26 認証情報記憶部
27 対象制御部
51 通信部
52 情報移転動作制御部
53 認証情報記憶部
54 対象情報記憶部
81 認証情報入力部
82 認証情報記憶部
83 転送対象情報指示部
84 情報移転動作制御部
85 モード制御部
86 通信部
87 認証制御部
88 対象制御部
321 展示車
322 携帯情報端末
331 被設定車
351 スマートエントリ制御装置
353 対象装置
361 利用者認証部
362 スマートエントリ制御部
363 個別設定制御部
364 通信部
365 入力部
381 通信部
382 制御部
383 記憶部
384 入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の情報処理装置および第2の情報処理装置と、前記第1の情報処理装置と組み合わせて使用される携帯型の電子機器とが相互に無線通信する情報処理システムにおいて、
前記第1の情報処理装置は、
各種の動作を行うための設定に関係する第1の情報の参照が指示された場合、通信可能な状態にある前記電子機器が正当であるか否かを認証する第1の認証手段と、
前記電子機器が正当であると認証された場合、前記第1の情報を取得する取得手段と、
取得した前記第1の情報を前記電子機器に送信する第1の送信手段と
を備え、
前記電子機器は、
前記第1の情報処理装置から送信されてくる前記第1の情報を受信する第1の受信手段と、
受信した前記第1の情報を記憶する記憶手段と
を備え、
前記第2の情報処理装置は、
前記電子機器の認証に関係する第2の情報を入力する入力手段と、
前記第1の情報の設定が指示された場合、入力した前記第2の情報に基づいて、通信可能な状態にある前記電子機器が正当であるか否かを認証する第2の認証手段と
を備え、
前記電子機器は、
前記第2の情報処理装置から正当であると認証された場合、記憶している前記第1の情報を前記第2の情報処理装置に送信する第2の送信手段を備え、
前記第2の情報処理装置は、
前記電子機器から送信されてくる前記第1の情報を受信する第2の受信手段と、
受信した前記第1の情報に基づいて、各種の動作を行うための設定をする設定手段と
を備える情報処理システム。
【請求項2】
情報処理装置と組み合わせて使用され、前記情報処理装置と相互に無線通信を行う携帯型の電子機器において、
通信可能な状態にある前記情報処理装置から正当であると認証された場合、前記情報処理装置から送信されてくる、各種の動作を行うための設定に関係する第1の情報を受信する受信手段と、
受信した前記第1の情報を記憶する記憶手段と、
通信可能な状態にある他の情報処理装置から正当であると認証された場合、記憶している前記第1の情報を前記他の情報処理装置に送信する送信手段と
を備える電子機器。
【請求項3】
前記第1の情報は、前記情報処理装置または外部の装置が各種の動作を行うために設定されている情報である
請求項2の電子機器。
【請求項4】
前記第1の情報は、前記他の情報処理装置または外部の装置が各種の動作を行うために設定される情報である
請求項3の電子機器。
【請求項5】
情報処理装置と組み合わせて使用され、前記情報処理装置と相互に無線通信を行う携帯型の電子機器の情報処理方法において、
通信可能な状態にある前記情報処理装置から正当であると認証された場合、前記情報処理装置から送信されてくる、各種の動作を行うための設定に関係する第1の情報の受信を制御する受信制御ステップと、
受信した前記第1の情報を記憶する記憶ステップと、
通信可能な状態にある他の情報処理装置から正当であると認証された場合、記憶している前記第1の情報の前記他の情報処理装置への送信を制御する送信制御ステップと
を含む情報処理方法。
【請求項6】
情報処理装置と組み合わせて使用され、前記情報処理装置と相互に無線通信を行う携帯型の電子機器のコンピュータに、情報処理を行わせるプログラムにおいて、
通信可能な状態にある前記情報処理装置から正当であると認証された場合、前記情報処理装置から送信されてくる、各種の動作を行うための設定に関係する第1の情報の受信を制御する受信制御ステップと、
受信した前記第1の情報を記憶する記憶ステップと、
通信可能な状態にある他の情報処理装置から正当であると認証された場合、記憶している前記第1の情報の前記他の情報処理装置への送信を制御する送信制御ステップと
を含むプログラム。
【請求項7】
携帯型の電子機器と組み合わせて使用され、前記電子機器と相互に無線通信を行う情報処理装置において、
各種の動作を行うための設定に関係する情報の参照を指示された場合、通信可能な状態にある前記電子機器が正当であるか否かを認証する認証手段と、
前記電子機器が正当であると認証された場合、前記情報を取得する取得手段と、
取得した前記情報を前記電子機器に送信する送信手段と
を備える情報処理装置。
【請求項8】
前記情報は、自分または外部の装置が各種の動作を行うために設定されている情報である
請求項7の情報処理装置。
【請求項9】
携帯型の電子機器と組み合わせて使用され、前記電子機器と相互に無線通信を行う情報処理装置の情報処理方法において、
各種の動作を行うための設定に関係する情報の参照を指示された場合、通信可能な状態にある前記電子機器が正当であるか否かを認証する認証ステップと、
前記電子機器が正当であると認証された場合、前記情報を取得する取得ステップと、
取得した前記情報の前記電子機器への送信を制御する送信制御ステップと
を含む情報処理方法。
【請求項10】
携帯型の電子機器と組み合わせて使用され、前記電子機器と相互に無線通信を行う情報処理装置のコンピュータに、情報処理を行わせるプログラムにおいて、
各種の動作を行うための設定に関係する情報の参照を指示された場合、通信可能な状態にある前記電子機器が正当であるか否かを認証する認証ステップと、
前記電子機器が正当であると認証された場合、前記情報を取得する取得ステップと、
取得した前記情報の前記電子機器への送信を制御する送信制御ステップと
を含むプログラム。
【請求項11】
携帯型の電子機器と相互に無線通信を行う情報処理装置において、
前記電子機器の認証に関係する第1の情報を入力する入力手段と、
各種の動作を行うための設定に関係する第2の情報の設定が指示された場合、入力した前記第1の情報に基づいて、通信可能な状態にある前記電子機器が正当であるか否かを認証する認証手段と、
前記電子機器が正当であると認証された場合、前記電子機器から送信されてくる前記第2の情報を受信する受信手段と、
受信した前記第2の情報に基づいて、各種の動作を行うための設定をする設定手段と
を備える情報処理装置。
【請求項12】
前記第2の情報は、他の情報処理装置または外部の装置が各種の動作を行うために設定されている情報である
請求項11の情報処理装置。
【請求項13】
前記第2の情報は、自分または外部の装置が各種の動作を行うために設定される情報である
請求項12の情報処理装置。
【請求項14】
携帯型の電子機器と相互に無線通信を行う情報処理装置の情報処理方法において、
前記電子機器の認証に関係する第1の情報を入力する入力ステップと、
各種の動作を行うための設定に関係する第2の情報の設定が指示された場合、入力した前記第1の情報に基づいて、通信可能な状態にある前記電子機器が正当であるか否かを認証する認証ステップと、
前記電子機器が正当であると認証された場合、前記電子機器から送信されてくる前記第2の情報の受信を制御する受信制御ステップと、
受信した前記第2の情報に基づいて、各種の動作を行うための設定をする設定ステップと
を含む情報処理方法。
【請求項15】
携帯型の電子機器と相互に無線通信を行う情報処理装置のコンピュータに、情報処理を行わせるプログラムにおいて、
前記電子機器の認証に関係する第1の情報を入力する入力ステップと、
各種の動作を行うための設定に関係する第2の情報の設定が指示された場合、入力した前記第1の情報に基づいて、通信可能な状態にある前記電子機器が正当であるか否かを認証する認証ステップと、
前記電子機器が正当であると認証された場合、前記電子機器から送信されてくる前記第2の情報の受信を制御する受信制御ステップと、
受信した前記第2の情報に基づいて、各種の動作を行うための設定をする設定ステップと
を含むプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−226734(P2007−226734A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−50191(P2006−50191)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】