説明

情報処理装置、処理方法、ならびに、プログラム

【課題】第三者にデータ閲覧用のパスワードの入力を強要された場合であっても、秘匿にすべきデータができるだけ漏洩しないようにするのに好適な情報処理装置等を提供する。
【解決手段】情報処理装置200は、受付部201と、記憶部202と、提示部203とを備え、以下のように構成する。受付部201は、第1のパスワードと第2のパスワードを有するユーザから記号列301の入力を受け付ける。記憶部202には、複数のデータがその種類に分類されて記憶される。提示部203は、受付部201により受け付けられた記号列301が第1のパスワードと一致する場合、記憶部202に記憶されるデータのうち第1種に分類されたデータと第2種に分類されたデータとをユーザに提示し、受付部201により受け付けられた記号列301が第2のパスワードと一致する場合、記憶部202に記憶されるデータのうち第2種に分類されたデータをユーザに提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第三者にデータ閲覧用のパスワードの入力を強要された場合であっても、秘匿にすべきデータができるだけ漏洩しないようにするのに好適な情報処理装置、処理方法、ならびに、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、情報処理装置は、ユーザの個人情報、アドレス帳、電子メール、又はゲームの履歴等の一部のデータをユーザ自身しか閲覧できないようにするシークレットモードを設定することができる。例えば、特許文献1は、ユーザのプロフィール等のデータをシークレットモードに設定することができ、予め設定したパスワードを入力して認証が成功した場合のみ当該データの閲覧が可能になる技術について開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−176169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、シークレットモードが設定されていることが第三者に知られてしまうと、秘匿にしているデータがあるということを第三者に知られてしまうことになる。このような場合に、当該データの閲覧を第三者に強要されると、データを秘匿にすることができないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するもので、第三者にデータ閲覧用のパスワードの入力を強要された場合であっても、秘匿にすべきデータができるだけ漏洩しないようにするのに好適な情報処理装置、処理方法、ならびに、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点に係る情報処理装置は、受付部と、記憶部と、提示部と、を備え、以下のように構成する。なお、本発明の情報処理装置は、当該情報処理装置に格納されるデータを秘匿にする(シークレットモードにする)機能を有する。
【0007】
受付部は、第1のパスワードと第2のパスワードを有するユーザから記号列の入力を受け付ける。
【0008】
ここで、第1のパスワードは、シークレットモードを解除するために入力しなければならないパスワードであって、秘匿にしたいデータを閲覧する際に入力するパスワードであるとする。一方、第2のパスワードは、シークレットモードを解除するために入力しなければならないパスワードであるが、第三者に開示してもよいデータを閲覧する際に入力するパスワードであるとする。例えば、ユーザは、予め、第1のパスワード“XXXX”と、第2のパスワード“YYYY”とを情報処理装置に設定し、データの閲覧を希望する際に、キーボートやタッチペン等を用いて、いずれかのパスワードの記号列を入力する。
【0009】
記憶部には、複数のデータがその種類に分類されて記憶される。
【0010】
例えば、ユーザは予め、秘匿にしたいデータを第1種データとして、第三者に開示してもよいデータを第2種データとして分類して、記憶部に記憶させておく。
【0011】
提示部は、受付部により受け付けられた記号列が第1のパスワードと一致する場合、記憶部に記憶されるデータのうち第1種に分類されたデータと第2種に分類されたデータとをユーザに提示し、受付部により受け付けられた記号列が第2のパスワードと一致する場合、記憶部に記憶されるデータのうち第2種に分類されたデータをユーザに提示する。
【0012】
ここで、第1種に分類されたデータとは、秘匿にしたいデータである第1種データであり、第2種に分類されたデータとは、第三者に開示してもよい第2種データであるとする。この場合、ユーザが第1のパスワード“XXXX”を入力すると、秘匿にしたいデータである第1種データと、第三者に開示してもよい第2種データとがユーザに提示される。一方、ユーザが第2のパスワード“YYYY”を入力すると、第三者に開示してもよい第2種データのみがユーザに提示される。
【0013】
本発明によれば、入力するパスワードに基づいて異なるデータを提示させることができる。したがって、データを秘匿にする設定を解除するように強要されたとしても、第三者に開示してもよいデータを提示して秘匿の設定が解除されたように思わせることにより、真に秘匿にしたいデータの開示を防ぐことができる。
【0014】
また、データは電子メールであり、情報処理装置は、取得部と、決定部と、保存部と、をさらに備え、以下のように構成してもよい。
【0015】
取得部は、ユーザ宛の電子メールをサーバから取得する。
【0016】
例えば、ユーザが電子メールの受信を行うように指示すると、取得部はサーバと通信を行い、ユーザ宛の電子メールがサーバに届いているかどうかを確認する。そしてユーザ宛の電子メールが届いている場合には、当該電子メールを受信する。
【0017】
決定部は、取得部により取得された電子メールの差出元アドレスに基づいて第1種又は第2種かを決定する。
【0018】
例えば、秘匿にしておきたい電子メールの差出元アドレスは第1グループに、第三者に閲覧されてもよい電子メールの差出元アドレスは第2グループに予め分類して登録されているとする。そして、秘匿にしたい電子メールは第1種データ、第三者に開示してもよい電子メールは第2種データに分類されて記憶部に記憶されるとする。決定部は、まず、受信した電子メールの差出元アドレスが、どのグループに属するか判断する。受信した電子メールの差出元アドレスが第1グループに属すると判断された場合、決定部は、当該差出元アドレスを有する電子メールを第1種データであると決定する。一方、受信した電子メールの差出元アドレスが第2グループに属すると判断された場合、決定部は、当該差出元アドレスを有する電子メールを第2種データであると決定する。
【0019】
保存部は、決定部により決定された種類に分類して、電子メールを記憶部に記憶させる。
【0020】
すなわち、保存部は、決定部が第1種データと決定した電子メールを、第1種データとして記憶部に格納させ、決定部が第2種データと決定した電子メールを、第2種データとして記憶部に格納させる。
【0021】
本発明によれば、電子メールの受信の度に設定を行わなくても、所定の差出元アドレスの電子メールを秘匿にする設定をすることができる。
【0022】
また、提示部は、受付部により受け付けられた記号列が、第1のパスワードと第2のパスワードとのいずれとも一致しない場合、データの提示ができない旨を提示するようにしてもよい。
【0023】
例えば、ユーザが入力した記号列が第1及び第2のパスワードではない“ZZZZ”であった場合、提示部は、入力された記号列がパスワードとして正しくない旨のメッセージをユーザに提示する。
【0024】
本発明によれば、ユーザによる入力が予め設定されたパスワードではないことを、ユーザに知らせることができる。
【0025】
また、提示部は、受付部により受け付けられた記号列が第1のパスワードと一致する場合、
(a)当該記号列が受け付けられた時刻が所定の時間帯に含まれれば、記憶部に記憶されるデータのうち、第1種に分類されたデータと第2種に分類されたデータとをユーザに提示し、
(b)当該記号列が受け付けられた時刻が所定の時間帯に含まれなければ、第1種に分類されたデータと第2種に分類されたデータとをユーザに提示するのにかえて、データの提示ができない旨を提示するようにしてもよい。
【0026】
ここで、所定の時間帯は、ユーザにより予め指定される時間帯である。例えば、所定の時間帯が“午後”と指定され、ユーザが第1のパスワードである記号列“XXXX”を“13時00分”に入力したとする。この場合、提示部は、記号列が受け付けられた時刻が所定の時間帯に含まれると判断し、秘匿にしたい第1種データ及び第三者に開示してもよい第2種データを提示する。一方、ユーザが第1のパスワード“XXXX”を“11時00に入力した場合、提示部は、記号列が受け付けられた時刻が所定の時間帯に含まれないと判断し、データを提示できない旨のメッセージをユーザに提示する。
【0027】
本発明によれば、予め設定した時間帯でないと秘匿にしたいデータを閲覧することができないので、秘匿にしたいデータをより漏洩しにくくすることができる。
【0028】
あるいは、提示部は、受付部により受け付けられた記号列が第1のパスワードと一致する場合、
(a)当該記号列が受け付けられた時刻が所定の時間帯に含まれれば、記憶部に記憶されるデータのうち、第1種に分類されたデータと第2種に分類されたデータとをユーザに提示し、
(b)当該記号列が受け付けられた時刻が所定の時間帯に含まれなければ、第1種に分類されたデータと第2種に分類されたデータとをユーザに提示するのにかえて、第2種に分類されたデータをユーザに提示するようにしてもよい。
【0029】
例えば、所定の時間帯が“午後”と指定され、ユーザが第1のパスワードである記号列“XXXX”を“13時00分”に入力した場合、提示部は、記号列が受け付けられた時刻が所定の時間帯に含まれると判断し、秘匿にしたい第1種データ及び第三者に開示してもよい第2種データを提示する。一方、ユーザが第1のパスワード“XXXX”を“11時00分”に入力した場合、提示部は、記号列が受け付けられた時刻が所定の時間帯に含まれないと判断し、第三者に開示してもよい第2種データのみをユーザに提示する。
【0030】
本発明によれば、2つのパスワードが設定されていることが、第三者に知られてしまい、2つのパスワードを入力してデータを秘匿にする設定を解除するよう強要されたとしても、所定の時間帯でなければ第三者に開示してもよいデータを提示することにより、真に秘匿にしたいデータを漏洩しにくくすることができる。
【0031】
本発明の第2の観点に係る処理方法は、受付部と、複数のデータがその種類に分類されて記憶される記憶部と、提示部と、を有する情報処理装置が実行する処理方法であって、受付工程と、提示工程と、を備え、以下のように構成する。
【0032】
受付工程において、受付部が、第1のパスワードと第2のパスワードを有するユーザから記号列の入力を受け付ける。
【0033】
提示工程において、提示部が、受付部により受け付けられた記号列が第1のパスワードと一致する場合、記憶部に記憶されるデータのうち第1種に分類されたデータと第2種に分類されたデータとをユーザに提示し、受付部により受け付けられた記号列が第2のパスワードと一致する場合、記憶部に記憶されるデータのうち第2種に分類されたデータをユーザに提示する。
【0034】
本発明のその他の観点に係るプログラムは、コンピュータを上記情報処理装置として機能させ、コンピュータに上記処理方法を実行させるように構成する。
【0035】
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記録媒体に記録することができる。
【0036】
上記プログラムは、プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記録媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、第三者にデータ閲覧用のパスワードの入力を強要された場合であっても、秘匿にすべきデータができるだけ漏洩しないようにするのに好適な情報処理装置、処理方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施形態に係る情報処理装置が実現される典型的な携帯型情報処理装置の概要構成を示す模式図である。
【図2】本発明の携帯型情報処理装置の外観を示す図である。
【図3】実施形態1に係る情報処理装置の概要構成を示す図である。
【図4】実施形態1に係る情報処理装置が提示する第1種及び第2種データを説明するための図である。
【図5】実施形態1に係る情報処理装置が提示する第2種データを説明するための図である。
【図6】実施形態1に係る情報処理装置がプレイ履歴テーブルを表示する様子を示す図である。
【図7】実施形態1に係る情報処理装置が提示するメッセージを説明するための図である。
【図8】実施形態1に係る情報処理装置の各部が行う提示処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】実施形態2に係る情報処理装置の各部が行う提示処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】実施形態3に係る情報処理装置の各部が行う提示処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】実施形態4に係る情報処理装置の概要構成を示す図である。
【図12】差出元アドレスとグループとの対応関係を示す図である。
【図13】実施形態4に係る情報処理装置が第1及び第2グループのアドレスを表示する様子を示す図である。
【図14】実施形態4に係る情報処理装置が第2グループのアドレスを表示する様子を示す図である。
【図15】実施形態4に係る情報処理装置が受信メールテーブルを表示する様子を示す図である。
【図16】実施形態4に係る情報処理装置が受信メールを表示する様子を示す図である。
【図17】実施形態4に係る情報処理装置の各部が行うメール取得処理を説明するためのフローチャートである。
【図18】実施形態4に係る情報処理装置が差出元アドレスのグループを設定する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明の情報処理装置は、データを秘匿にする機能を有し、予め設定されたパスワードが入力されると、秘匿にされたデータを提示するものである。データを提示する手法は複数あり、各手法について実施形態1乃至4として説明する。
【0040】
実施形態1では、ユーザが入力したパスワードの種類に基づいて、秘匿にしたいデータ又は第三者に開示してもよいデータを提示する手法について説明する。
実施形態2では、実施形態1の手法において、ユーザがパスワードを入力した時刻が所定の時間帯に含まれる場合、秘匿にしたいデータを提示し、ユーザがパスワードを入力した時刻が所定の時間帯に含まれない場合、データの提示ができない旨を提示する手法について説明する。
実施形態3では、実施形態1の手法において、ユーザがパスワードを入力した時刻が所定の時間帯に含まれる場合、秘匿にしたいデータを提示し、ユーザがパスワードを入力した時刻が所定の時間帯に含まれない場合、第三者に開示してもよいデータを提示する手法について説明する。
実施形態4では、実施形態1乃至3の手法において、提示するデータを電子メールとし、電子メールを差出元のアドレスに基づいて秘匿するデータと第三者に開示してもよいデータとに分類する手法について説明する。
【0041】
以下、これらの実施形態の情報処理装置が実現される典型的な携帯型情報処理装置について説明する。
なお、以下では理解を容易にするため、携帯型情報処理装置に本発明が適用される実施形態を説明するが、各種のコンピュータ、PDA、携帯電話、音楽プレイヤなどにおいても同様に本発明を適用することができる。すなわち、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であれば、これらの各要素もしくは全要素をこれと等しいものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0042】
図1は、本発明の各実施形態に係る情報処理装置が実現される典型的な携帯型情報処理装置の概要構成を示す模式図である。また、図2に携帯型情報処理装置の外観図を示す。以下、これらの図を参照して説明する。
【0043】
携帯型情報処理装置1は、処理制御部10と、コネクタ11と、カートリッジ12と、無線通信部13と、通信コントローラ14と、サウンドアンプ15と、スピーカ16と、マイク17と、操作キー18と、第1の表示部19と、第2の表示部20と、タッチパネル21と、を備える。
【0044】
処理制御部10は、CPU(Central Processing Unit)コア10aと、画像処理部10bと、VRAM(Video Random Access Memory)10cと、WRAM(Work RAM)10dと、LCD(Liquid Crystal Display)コントローラ10eと、タッチパネルコントローラ10fと、を備える。
【0045】
CPUコア10aは、携帯型情報処理装置1全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。具体的には、カートリッジ12がコネクタ11に装着された状態で、カートリッジ12内のROM(Read Only Memory)12aに記憶されたプログラムやデータを読み出して、所定の処理を実行する。
【0046】
画像処理部10bは、カートリッジ12内のROM 12aから読み出されたデータや、CPUコア10aにて処理されたデータを加工処理した後、これをVRAM 10cに格納する。
【0047】
VRAM 10cは、表示用の情報を記憶するフレームメモリであり、画像処理部10b等により加工された画像情報を記憶する。
【0048】
WRAM 10dは、CPUコア10aがプログラムに従った各種処理を実行する際に必要となるワークデータ等を記憶する。
【0049】
LCDコントローラ10eは、第1の表示部19及び第2の表示部20を制御し、所定の表示用画像を表示させる。例えば、LCDコントローラ10eは、VRAM 10cに記憶された画像情報を、所定の同期タイミングで表示信号に変換し、第1の表示部19に出力する。また、LCDコントローラ10eは、第2の表示部20に所定の指示アイコン等を表示する。
【0050】
タッチパネルコントローラ10fは、タッチペン22やユーザの指によるタッチパネル21への接触(タッチ)を検出する。例えば、第2の表示部20に所定の指示アイコン等が表示されている状態で、タッチパネル21上の接触、及びその位置等を検出する。
【0051】
コネクタ11は、カートリッジ12と脱着自在に接続可能な端子であり、カートリッジ12が接続された際に、カートリッジ12との間で所定のデータを送受信する。
【0052】
カートリッジ12は、ROM 12aと、RAM(Random Access Memory)12bと、を備える。
ROM 12aには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データ等が記憶される。
RAM 12bには、ゲームの進行状況等を示す種々のデータが記憶される。
【0053】
無線通信部13は、他の携帯型情報処理装置1の無線通信部13との間で、無線通信を行うユニットであり、図示せぬアンテナ(内蔵アンテナ等)を介して所定のデータを送受信する。
なお、無線通信部13は、所定のアクセスポイントとの間で、無線LAN通信を行うこともできる。また、無線通信部13には、固有のMAC(Media Access Control)アドレスが採番されている。
【0054】
通信コントローラ14は、無線通信部13を制御し、所定のプロトコルに沿って、処理制御部10と他の携帯型情報処理装置1の処理制御部10との間で行われる通信の仲立ちをする。
【0055】
サウンドアンプ15は、処理制御部10にて生成された音声信号を増幅し、スピーカ16に供給する。
【0056】
スピーカ16は、例えば、ステレオスピーカ等からなり、サウンドアンプ15にて増幅された音声信号に従って、所定の楽曲音や効果音等を出力する。
【0057】
マイク17は、ユーザの声等のアナログ信号を受け付け、受け付けた信号は処理制御部10でミキシング等の処理がされる。
【0058】
操作キー18は、携帯型情報処理装置1に適宜配置された方向キー18aやボタン18b等から構成され、ユーザの操作に従って、所定の指示入力を受け付ける。操作キー18には、音量を調節するためのボタンや、つまみ等も含まれる。
【0059】
第1の表示部19及び第2の表示部20は、LCD等からなり、LCDコントローラ10eに制御され、ゲーム画像等を適宜表示する。
【0060】
タッチパネル21は、第2の表示部20の前面に重畳して配置され、タッチペン22やユーザの指の接触による入力を受け付ける。タッチパネル21は、例えば、感圧式のタッチセンサパネル等からなり、ユーザの指等の圧力を検出し、接触状態、及び、接触状態から非接触状態への移行等を検出する。なお、タッチパネル21は、他に静電容量の変化等から、ユーザの指等の接触を検出してもよい。
【0061】
なお、各実施形態に係る情報処理装置は、上述した典型的な携帯型情報処理装置1上に実現されるが、一般的なコンピュータやゲーム装置上に実現することもでき、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。一般的なコンピュータやゲーム装置は、上記携帯型情報処理装置1と同様に、CPUコアや、VRAM、WRAM、を備える。また、通信部として、例えば、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−Tなどの規格に準拠するNIC(Network Interface Controller)、記憶装置としてハードディスクを有する他、DVD−ROMや、光磁気ディスク等が利用できるようになっている。また、タッチパネルの代わりに、キーボードやマウスなどを利用する。そして、プログラムをインストールした後に、そのプログラムを実行させると、情報処理装置として機能させることができる。
【0062】
以下、上記携帯型情報処理装置1において実現される実施形態1乃至4に係る情報処理装置の機能について、図1乃至図17を参照して説明する。ゲーム用のプログラム及びデータを記憶したカートリッジ12をコネクタ11に装着して、携帯型情報処理装置1の電源を投入することにより、当該プログラムが実行され、実施形態1乃至4に係る情報処理装置が実現される。
【0063】
(実施形態1)
実施形態1の情報処理装置200は、ユーザが入力したパスワードの種類に基づいて、秘匿にしたいデータ又は第三者に開示してもよいデータを提示する。
実施形態1の情報処理装置200は、図3に示すように、受付部201と、記憶部202と、提示部203と、を備える。
【0064】
受付部201は、第1及び第2のパスワードを有するユーザから、記号列301の入力を受け付ける。第1及び第2のパスワードはユーザが予め設定できるものとする。例えば、図2に示すように、パスワードの入力を促すメッセージ23が表示されると、ユーザはタッチペン22等を用いてタッチパネル21に記号列を入力し、受付部201は当該記号列の入力を受け付ける。
したがって、CPUコア10a、タッチパネルコントローラ10f、操作キー18、及びタッチパネル21が協働して、受付部201として機能する。
【0065】
なお、上記の第1又は第2のパスワードは、以下のように設定されるようにしてもよい。
例えば、ユーザが予め設定した数字と、ユーザがパスワードを入力する際の時刻、日付、又は西暦とを足し合わせた数字を第1又は第2のパスワードとする。以下、ユーザが予め設定した数字を“1234”とする。
(a)ユーザが予め設定した数字と、入力時の時刻を足し合わせて第1又は第2のパスワードを求める場合、ユーザがパスワードを入力する時の時刻が17時00分であるとすると、パスワードは、1234+1700=2934と求めることができる。
(b)ユーザが予め設定した数字と、入力時の日付を足し合わせて第1又は第2のパスワードを求める場合、ユーザがパスワードを入力する時の日付が2月20日であるとすると、パスワードは、1234+0220=1454と求めることができる。
(c)ユーザが予め設定した数字と、入力時の西暦を足し合わせて第1又は第2のパスワードを求める場合、ユーザがパスワードを入力する時の西暦が2010年であるとすると、パスワードは、1234+2010=3244と求めることができる。
【0066】
また、さらに、パスワード入力時が、ユーザが予め設定した休日に該当する場合は、ユーザが設定した所定の値(以下、「休日係数」という)を加算するようにしてもよい。例えば、ユーザが休日を日曜日、休日係数を“3”と設定し、上記(a)のように入力時の時刻に基づいて第1又は第2のパスワードを設定する場合、ユーザがパスワードを入力した曜日が日曜日であり、時間が17時00分であったとすると、パスワードは、1234+1700+3=2937と求めることができる。日曜日でなかった場合は、上記(a)に示すように、1234+1700=2934と求められる。
また、加算して桁が繰り上がる場合(例えば、1234+0800)、繰り上がった分を次の位に加算してもよいし(例えば、1234+0800=2034)、繰り上がった分は0と見なすようにしてもよい(1234+0800=1034)。
【0067】
上記に示すように第1又は第2のパスワードを設定すると、第1又は第2のパスワードは、入力時の時刻、日付、西暦、又は休日か否かにより変化するので、第三者に知られにくくすることができる。
以下、第1及び第2のパスワードは、ユーザが予め設定した数字と入力時の日付とを足し合わせることにより求められるとし(上記(b))、第1のパスワード用に設定した数字を“1234”、第2のパスワード用に設定した数字を“4321”とする。そして、パスワードを入力する日付を2月20日として、第1のパスワードを“1454(=1234+0220)”、第2のパスワードを“4541(=4321+0220)”と設定されているとする。
【0068】
記憶部202には、複数のデータがその種類に分類されて記憶される。例えば、情報処理装置200は、ゲームプログラムを実行し、当該ゲームのプレイ履歴を保存する機能を有するとする。ユーザは、秘匿にしたいプレイ履歴のデータと、第三者に開示してもよいプレイ履歴のデータとを分類して記憶部202に記憶させておく。以下、秘匿にしたいデータを「第1種データ202a」、第三者に開示してもよいデータを「第2種データ202b」とする。
したがって、WRAM 10dが、記憶部202として機能する。
【0069】
提示部203は、受付部201により受け付けられた記号列301が第1のパスワード又は第2のパスワードに一致するか否かを判断する。
記号列301が第1のパスワードと一致する場合、提示部203は、記憶部202に記憶されるデータのうち第1種データ202aと、第2種データ202bとをユーザに提示する。
記号列301が第2のパスワードと一致する場合、提示部203は、記憶部202に記憶されるデータのうち第2種データ202bをユーザに提示する。
記号列301がいずれのパスワードとも一致しない場合、提示部203は、データを提示できない旨を提示する。
したがって、CPUコア10a、画像処理部10b、VRAM 10c、WRAM 10d、LCDコントローラ10e、第1の表示部19、及び第2の表示部20が協働して、提示部203として機能する。
【0070】
例えば、情報処理装置200がユーザによりプレイ履歴提示の指示を受け、パスワードの認証が成功したとすると、提示部203により、図4又は図5のプレイ履歴テーブル24が第2の表示部20に表示される(図6)。プレイ履歴テーブル24には、ユーザがゲームを行った日時(プレイ日時24a)と、ゲームを行った時の成績(スコア24b)とが含まれる。ここで、ユーザは、プレイ履歴242、243を秘匿にしたいデータとして予め設定した場合、プレイ履歴242、243は、第1種データ202aとして記憶部202に記憶される。一方、秘匿にしたいデータとして設定されていないプレイ履歴241、244は、第2種データ202bとして、記憶部202に記憶される。
【0071】
このような場合に、ユーザが第1のパスワード“1454”を入力すると、提示部203は、第1種データ202aに分類されたプレイ履歴242、243と、第2種データ202bに分類されたプレイ履歴241、244とが含まれるプレイ履歴テーブル24(図4)を提示する。一方、ユーザが第2のパスワード“4541”を入力すると、提示部203は、第2種データ202bに分類されたプレイ履歴241、244のみが含まれるプレイ履歴テーブル24(図5)を提示する。また、ユーザが入力した記号列301がいずれのパスワードとも一致しない場合は、提示部203は、図7のメッセージ25を提示する。
【0072】
以下、実施形態1に係る情報処理装置200の各部が行う動作について説明する。情報処理装置200に電源が投入され、ユーザによりプレイ履歴を提示する指示がなされると、CPUコア10aは、図2に示すような画面を表示させ、図8のフローチャートに示す提示処理を開始する。
【0073】
受付部201は、ユーザから記号列301を受け付けたか否かを判断する(ステップS101)。受付部201が記号列301を受け付けたと判断した場合(ステップS101;Yes)、提示部203は、記号列301が第1のパスワードか否かを判断する(ステップS102)。一方、受付部201が記号列301を受け付けたと判断しなかった場合(ステップS101;No)、記号列301が受け付けられるまでそのまま待機する。
【0074】
提示部203が、記号列301が第1のパスワードであると判断した場合(ステップS102;Yes)、提示部203は第1種データ202aと第2種データ202bとをユーザに提示する(ステップS103)。例えば、提示部203は、図4に示すプレイ履歴テーブル24を第2の表示部20に表示させる。一方、記号列301が第1のパスワードでないと判断した場合(ステップS102;No)、提示部203は、当該記号列301が第2のパスワードであるか否かを判断する(ステップS104)。
【0075】
提示部203が、記号列301が第2のパスワードであると判断した場合(ステップS104;Yes)、第2種データのみをユーザに提示する(ステップS105)。例えば、提示部203は、図5に示すプレイ履歴テーブル24を第2の表示部20に表示させる。一方、提示部203が、記号列301が第2のパスワードでないと判断した場合(ステップS104;No)、提示部203は、データを提示できない旨のエラーメッセージを提示する(ステップS106)。例えば、提示部203は、図7に示すメッセージ25を第1の表示部19に表示させる。
【0076】
本実施形態によれば、入力するパスワードに基づいて異なるデータを提示させることができる。したがって、データを秘匿にする設定を解除するように強要されたとしても、第三者に開示してもよいデータを提示して秘匿の設定が解除されたように思わせることにより、真に秘匿にしたいデータの開示を防ぐことができる。
【0077】
(実施形態2)
実施形態2の情報処理装置200は、実施形態1の手法において、ユーザがパスワードを入力した時刻が所定の時間帯に含まれる場合、秘匿にしたいデータを提示し、ユーザがパスワードを入力した時刻が所定の時間帯に含まれない場合、データの提示ができない旨を提示する。
実施形態2の情報処理装置200は、実施形態1の情報処理装置200と同様の構成要素を有し、受付部201及び記憶部202の機能は同じである。以下、異なる機能を有する提示部203について説明する。
【0078】
提示部203は、受付部201により受け付けられた記号列301が第1のパスワード又は第2のパスワードに一致するか否かを判断する。
記号列301が第1のパスワードと一致する場合、提示部203はさらに、記号列301が受付部201により受け付けられた時刻(以下、「受付時刻」という)が所定の時間帯に含まれるか否かを判断する。ここで、所定の時間帯はユーザが予め設定することができる値であり、例えば、“午前”、“午後”、“平日”、あるいは“休日”、といったように任意の時間帯を設定できる。受付時刻が所定の時間帯に含まれる場合、提示部203は、記憶部202に記憶される第1種データ202aと第2種データ202bとをユーザに提示する。一方、受付時刻が所定の時間帯に含まれない場合、提示部203は、データの提示ができない旨のメッセージを提示する。
記号列301が第2のパスワードと一致する場合、提示部203は、第2種データ202bをユーザに提示する。
記号列301がいずれのパスワードとも一致しない場合、提示部203は、データを提示できない旨を提示する。
したがって、CPUコア10a、画像処理部10b、VRAM 10c、WRAM 10d、LCDコントローラ10e、第1の表示部19、及び第2の表示部20が協働して、提示部203として機能する。
【0079】
以下、実施形態2に係る情報処理装置200の各部が行う動作について説明する。情報処理装置200に電源が投入され、ユーザによりプレイ履歴を提示する指示がなされると、CPUコア10aは、図2に示すような画面を表示させ、図9のフローチャートに示す提示処理を開始する。なお、図9のフローチャートにおいて、図8と同じステップ番号が付されているステップは、図8のフローチャートにおける処理と同様の処理を行う。
【0080】
ステップS102において、受付部201により受け付けられた記号列301が第1のパスワードであると判断された場合(ステップS102;Yes)、提示部203は、記号列301の受付時刻が所定の時間帯に含まれるか否かを判断する(ステップS201)。受付時刻が所定の時間帯に含まれると判断された場合(ステップS201;Yes)、提示部203は、記憶部202に記憶される第1種データ202aと第2種データ202bとをユーザに提示する(ステップS103)。例えば、ユーザが所定の時間帯を“午後”と設定し、受付時刻が“13時00分”であった場合、提示部203は、受付時刻が所定の時間帯に含まれると判断し、プレイ履歴241〜244を含むプレイ履歴テーブル24(図4)を第2の表示部20に表示させる。
【0081】
一方、受付時刻が所定の時間帯に含まれないと判断された場合(ステップS201;No)、提示部203は、データの提示ができない旨のメッセージを提示する(ステップS106)。例えば、受付時刻が“11時00分”であった場合、提示部203は、受付時刻が所定の時間帯に含まれないと判断し、図7に示すようにメッセージ25を第1の表示部19に表示させる。
【0082】
本実施形態によれば、予め設定した時間帯でないと、秘匿の状態にしたいデータを閲覧することができないので、秘匿にしたいデータをより漏洩しにくくすることができる。
【0083】
(実施形態3)
実施形態3の情報処理装置200は、実施形態1の手法において、ユーザがパスワードを入力した時刻が所定の時間帯に含まれる場合、秘匿にしたいデータを提示し、ユーザがパスワードを入力した時刻が所定の時間帯に含まれない場合、第三者に開示してもよいデータを提示する。
実施形態3の情報処理装置200は、実施形態1の情報処理装置200と同様の構成要素を有し、受付部201及び記憶部202の機能は同じである。以下、異なる機能を有する提示部203について説明する。
【0084】
提示部203は、受付部201により受け付けられた記号列301が第1のパスワード又は第2のパスワードに一致するか否かを判断する。
記号列301が第1のパスワードと一致する場合、提示部203はさらに、記号列301の受付時刻が所定の時間帯に含まれるか否かを判断する。受付時刻が所定の時間帯に含まれる場合、記憶部202に記憶される第1種データ202aと第2種データ202bとをユーザに提示する。一方、受付時刻が所定の時間帯に含まれない場合、第2種データ202bをユーザに提示する。
記号列301が第2のパスワードと一致する場合、提示部203は、第2種データ202bをユーザに提示する。
記号列301がいずれのパスワードとも一致しない場合、提示部203は、データを提示できない旨を提示する。
したがって、CPUコア10a、画像処理部10b、VRAM 10c、WRAM 10d、LCDコントローラ10e、第1の表示部19、及び第2の表示部20が協働して、提示部203として機能する。
【0085】
以下、実施形態3に係る情報処理装置200の各部が行う動作について説明する。情報処理装置200に電源が投入され、ユーザによりプレイ履歴を提示する指示がなされると、CPUコア10aは、図2に示すような画面を表示させ、図10のフローチャートに示す提示処理を開始する。なお、図10のフローチャートにおいて、図8と同じステップ番号が付されているステップは、図8のフローチャートにおける処理と同様の処理を行う。
【0086】
ステップS102において、受付部201により受け付けられた記号列301が第1のパスワードであると判断された場合(ステップS102;Yes)、提示部203は、記号列301の受付時刻が所定の時間帯に含まれるか否かを判断する(ステップS301)。受付時刻が所定の時間帯に含まれると判断された場合(ステップS301;Yes)、提示部203は、記憶部202に記憶される第1種データ202aと第2種データ202bとをユーザに提示する(ステップS103)。例えば、ユーザが所定の時間帯を“午後”と設定し、受付時刻が“13時00分”であった場合、提示部203は、受付時刻が所定の時間帯に含まれると判断し、プレイ履歴241〜244を含むプレイ履歴テーブル24(図4)を第2の表示部20に表示させる。
【0087】
一方、受付時刻が所定の時間帯に含まれないと判断された場合(ステップS301;No)、提示部203は、記憶部202に記憶される第2種データ202bを提示する(ステップS105)。例えば、受付時刻が“11時00分”であった場合、提示部203は、受付時刻が所定の時間帯に含まれないと判断し、プレイ履歴241、244を含むプレイ履歴テーブル24(図5)を第2の表示部20に表示させる。
【0088】
本実施形態によれば、2つのパスワードが設定されていることが、第三者に知られてしまい、2つのパスワードを入力してデータを秘匿にする設定を解除するよう強要されたとしても、所定の時間帯でなければ第三者に開示してもよいデータを提示することにより、真に秘匿にしたいデータを漏洩しにくくすることができる。
【0089】
(実施形態4)
実施形態4の情報処理装置200は、実施形態1乃至3の情報処理装置200において、提示するデータを電子メールとし、電子メールを差出元のアドレスに基づいて秘匿するデータと第三者に開示してもよいデータとに分類する。
実施形態4の情報処理装置200は、図11に示すように、受付部201と、記憶部202と、提示部203と、取得部204と、決定部205と、保存部206と、を備える。本実施形態の受付部201、記憶部202、及び提示部203は、実施形態1乃至3のいずれかのものと同様の機能を有する。以下、異なる機能を有する取得部204、決定部205、及び保存部206について説明する。
【0090】
取得部204は、ユーザ宛の電子メールをサーバから取得する。例えば、ユーザがメール受信の指示を情報処理装置200に入力すると、取得部204は、サーバに接続し、サーバに当該ユーザ宛の電子メールがある場合は、サーバから当該電子メールを読込む。
したがって、CPUコア10a、WRAM 10d、無線通信部13、及び通信コントローラ14が協働して取得部204として機能する。
【0091】
決定部205は、取得部204により取得された電子メールの差出元アドレスに基づいて、当該電子メールを第1種データ202a又は第2種データ202bかを決定する。ここで、差出元アドレスは、ユーザにより予め第1又は第2のグループに分類されて、図12に示すようなテーブル(以下、「アドレステーブル26」という)に登録されているものとする。アドレステーブル26は、差出元アドレス26aと分類されるグループ26bとの対応関係を示すテーブルであり、WRAM 10dに格納されているとする。例えば、秘匿にする第1種データ202aとして保存したい電子メールの差出元アドレスは第1グループに登録し、第三者に開示してもよい第2種データ202bとして保存したい電子メールの差出元アドレスは第2グループに登録しておく。
【0092】
決定部205は、アドレステーブル26を参照し、受信した電子メールの差出元アドレスが第1グループに属する場合、受信した電子メールの種類を第1種データ202aと決定し、受信した電子メールの差出元アドレスが第2グループに属する場合、受信した電子メールの種類を第2種データ202bと決定する。例えば、差出元アドレスが“YYY@yyy”の場合、図12のアドレステーブル26では、“YYY@yyy”は第1グループに分類されているので、決定部205は、“YYY@yyy”が差出元アドレスの電子メールの種類を第1種データ202aと決定する。一方、差出元アドレスが“XXX@xxx”、“ZZZ@zzz”の場合、図12のアドレステーブル26では、“XXX@xxx”、“ZZZ@zzz”は第2グループに分類されているので、決定部205は、“XXX@xxx”、“ZZZ@zzz”が差出元アドレスの電子メールの種類を第2種データ202bと決定する。
したがって、CPUコア10aが、決定部205として機能する。
【0093】
保存部206は、決定部205により決定された種類に分類して、電子メールを記憶部202に記憶させる。例えば、取得部204が差出元アドレス“YYY@yyy”の電子メールを取得し、決定部205が取得した電子メールを第1種データ202aと決定すると、保存部206は、当該電子メールを第1種データ202aとして記憶部202に記憶させる。一方、取得部204が差出元アドレス“XXX@xxx”の電子メールを取得し、決定部205が取得した電子メールを第2種データ202bと決定すると、保存部206は、当該電子メールを第2種データ202bとして記憶部202に記憶させる。
したがって、CPUコア10aが、保存部205として機能する。
【0094】
そして、上記のように記憶部202に記憶された電子メールは、提示部203によって以下のように提示される。なお、以下では、実施形態1における提示部203がデータを提示する場合を例に説明する。
【0095】
例えば、提示部203は、図13又は図14に示すような、電子メールのアドレスの一覧(以下、「受信メールテーブル27」という)を、図15に示すように第2の表示部20に表示する。受信メールテーブル27には、電子メールの差出元アドレス(差出元アドレス27a)と、電子メールを受信した日時(受信日時27b)とが含まれる。
ユーザが、第1のパスワードを入力した場合、提示部203は、第1種データ202aに分類された電子メールの受信履歴272と、第2種データ202bに分類された電子メールの受信履歴271、273とが含まれる受信メールテーブル27(図13)を提示する。一方、ユーザが第2のパスワードを入力した場合、提示部203は、第2種データ202bに分類された電子メールの受信履歴271、273のみが含まれる受信メールテーブル27(図14)を提示する。また、ユーザが入力した記号列301がいずれのパスワードとも一致しない場合は、提示部203は、図7のメッセージ25を提示する。
【0096】
受信メールテーブル27が提示され、ユーザがタッチペン22等により、受信メールテーブル27に含まれる差出元アドレス27aのいずれかを選択すると(図15では、差出元アドレス“YYY@yyy”を選択)、提示部203は、図16に示すように、“YYY@yyy”が差出元である電子メール28を第2の表示部20に表示させる。すなわち、ユーザは、第1のパスワードを入力したときのみ、受信された全ての電子メールを閲覧することができる。
【0097】
以下、実施形態4に係る情報処理装置200の各部が行うメール取得処理の動作について説明する。情報処理装置200に電源が投入され、ユーザにより受信メール取得の指示がなされると、CPUコア10aは、図17のフローチャートに示すメール取得処理を開始する。
【0098】
取得部204は、所定のプロトコルに従って、サーバに接続する(ステップS401)。そして、取得部204は、サーバにユーザ宛のメールがあるかどうかを判断する(ステップS402)。取得部204が、サーバにユーザ宛のメールがあると判断した場合(ステップS402;Yes)、取得部204は、当該メールをサーバから受信する(ステップS403)。一方、取得部204がサーバにユーザ宛のメールが無いと判断した場合(ステップS402;No)、メール取得処理は終了する。
【0099】
取得部204が電子メールを受信すると、決定部205は、受信した電子メールの差出元アドレスが、第1又は第2のグループに属するか否かを判断する(ステップS404)。決定部205が、差出元アドレスは第1グループに属すると判断した場合(ステップS404;Yes)、決定部205は当該電子メールは第1種データ202aであると決定し、保存部206は、受信した電子メールを第1種データ202aとして記憶部202に記憶させる(ステップS405)。例えば、取得部204が差出元アドレス“YYY@yyy”の電子メールを受信したとすると、決定部205は、図12のアドレステーブル26を参照して、差出元アドレス“YYY@yyy”は第1グループに属すると判断する。そして、決定部205は、当該電子メールの種類を第1種データ202aと決定し、保存部206は、当該電子メールを第1種データ202aとして記憶部202に記憶させる。
【0100】
一方、決定部205が、差出元アドレスは第1グループに属さないと判断した場合(ステップS404;No)、当該差出元アドレスが第2グループに属するか否かを判断する(ステップS406)。決定部205が、差出元アドレスは第2グループに属すると判断した場合(ステップS406;Yes)、決定部205は当該電子メールは第2種データ202bであると決定し、保存部206は、受信した電子メールを第2種データ202bとして記憶部202に記憶させる(ステップS407)。例えば、取得部204が差出元アドレス“XXX@xxx”の電子メールを受信したとすると、決定部205は、図12のアドレステーブル26を参照して、差出元アドレス“XXX@xxx”は第2グループに属すると判断する。そして、決定部205は、当該電子メールの種類を第2種データ202bと決定し、保存部206は、当該電子メールを第2種データ202bとして記憶部202に記憶させる。
【0101】
決定部205が、差出元アドレスは第2グループに属さないと判断した場合(ステップS406;No)、CPUコア10aは、図18に示すようなメッセージ29を第2の表示部20に表示させ、ユーザに当該差出元アドレスを第1又は第2グループに設定するように促す。差出元アドレスが第1又は第2グループに設定された後はステップS404に戻り、決定部205が、差出元アドレスが第1グループに属するか否かの判断をする。例えば、取得部204が差出元アドレス“VVV@vvv”の電子メールを受信したとすると、CPUコア10aはメッセージ29を表示させる。そして、タッチペン22等でユーザが第1グループを示すボタン画像30を選択すると、CPUコア10aは図12のアドレステーブルに、差出元アドレス26a“VVV@vvv”と、グループ26b“第1グループ”とを対応付けて登録する。登録後、決定部205は、差出元アドレス“VVV@vvv”が登録されたアドレステーブルを参照して、差出元アドレス“VVV@vvv”が第1グループに属するか否かの判断をする。
【0102】
本実施形態によれば、電子メールの受信の度に設定を行わなくても、電子メールを秘匿にする設定をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明によれば、第三者にデータ閲覧用のパスワードの入力を強要された場合であっても、秘匿にすべきデータができるだけ漏洩しないようにするのに好適な情報処理装置、処理方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0104】
1 携帯型情報処理装置
10 処理制御部
10a CPUコア
10b 画像処理部
10c VRAM
10d WRAM
10e LCDコントローラ
10f タッチパネルコントローラ
11 コネクタ
12 カートリッジ
12a ROM
12b RAM
13 無線通信部
14 通信コントローラ
15 サウンドアンプ
16 スピーカ
17 マイク
18 操作キー
18a 方向キー
18b ボタン
19 第1の表示部
20 第2の表示部
21 タッチパネル
22 タッチペン
23、25、29 メッセージ
24 プレイ履歴テーブル
24a プレイ日時
24b スコア
241、242、243、244 プレイ履歴
26 アドレステーブル
26a 差出元アドレス
26b グループ
27 受信メールテーブル
27a 差出元アドレス
27b 受信日時
271、272、273 受信履歴
28 電子メール
30 ボタン画像
200 情報処理装置
201 受付部
202 記憶部
202a 第1種データ
202b 第2種データ
203 提示部
204 取得部
205 決定部
206 保存部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のパスワードと第2のパスワードを有するユーザから記号列の入力を受け付ける受付部と、
複数のデータがその種類に分類されて記憶される記憶部と、
前記受付部により受け付けられた記号列が前記第1のパスワードと一致する場合、前記記憶部に記憶されるデータのうち第1種に分類されたデータと第2種に分類されたデータとをユーザに提示し、前記受付部により受け付けられた記号列が前記第2のパスワードと一致する場合、前記記憶部に記憶されるデータのうち第2種に分類されたデータをユーザに提示する提示部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記データは電子メールであり、
前記ユーザ宛の電子メールをサーバから取得する取得部と、
前記取得部により取得された電子メールの差出元アドレスに基づいて第1種又は第2種かを決定する決定部と、
前記決定部により決定された種類に分類して、前記電子メールを前記記憶部に記憶させる保存部と、
をさらに備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記提示部は、前記受付部により受け付けられた記号列が、前記第1のパスワードと第2のパスワードとのいずれとも一致しない場合、データの提示ができない旨を提示する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記提示部は、前記受付部により受け付けられた記号列が前記第1のパスワードと一致する場合、
(a)当該記号列が受け付けられた時刻が所定の時間帯に含まれれば、前記記憶部に記憶されるデータのうち、第1種に分類されたデータと第2種に分類されたデータとをユーザに提示し、
(b)当該記号列が受け付けられた時刻が所定の時間帯に含まれなければ、第1種に分類されたデータと第2種に分類されたデータとをユーザに提示するのにかえて、データの提示ができない旨を提示する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記提示部は、前記受付部により受け付けられた記号列が前記第1のパスワードと一致する場合、
(a)当該記号列が受け付けられた時刻が所定の時間帯に含まれれば、前記記憶部に記憶されるデータのうち、第1種に分類されたデータと第2種に分類されたデータとをユーザに提示し、
(b)当該記号列が受け付けられた時刻が所定の時間帯に含まれなければ、第1種に分類されたデータと第2種に分類されたデータとをユーザに提示するのにかえて、第2種に分類されたデータをユーザに提示する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
受付部と、複数のデータがその種類に分類されて記憶される記憶部と、提示部と、を有する情報処理装置が実行する処理方法であって、
前記受付部が、第1のパスワードと第2のパスワードを有するユーザから記号列の入力を受け付ける受付工程と、
前記提示部が、前記受付部により受け付けられた記号列が前記第1のパスワードと一致する場合、前記記憶部に記憶されるデータのうち第1種に分類されたデータと第2種に分類されたデータとをユーザに提示し、前記受付部により受け付けられた記号列が前記第2のパスワードと一致する場合、前記記憶部に記憶されるデータのうち第2種に分類されたデータをユーザに提示する提示工程と、
を備えることを特徴とする処理方法。
【請求項7】
コンピュータを、
第1のパスワードと第2のパスワードを有するユーザから記号列の入力を受け付ける受付部、
複数のデータがその種類に分類されて記憶される記憶部、
前記受付部により受け付けられた記号列が前記第1のパスワードと一致する場合、前記記憶部に記憶されるデータのうち第1種に分類されたデータと第2種に分類されたデータとをユーザに提示し、前記受付部により受け付けられた記号列が前記第2のパスワードと一致する場合、前記記憶部に記憶されるデータのうち第2種に分類されたデータをユーザに提示する提示部、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−191850(P2011−191850A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−55514(P2010−55514)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】