情報処理装置、印刷装置及び印刷システム
【課題】印刷対象のドキュメントに付加画像を合成すべきか否かをユーザ毎に設定することが可能な情報処理装置、印刷装置及び印刷システムを提供する。
【解決手段】情報処理装置2は、プリンタドライバを実行した場合、印刷対象のドキュメントを印刷する際に合成すべき付加画像データの選択を受け付ける。情報処理装置2は、親展印刷が設定された場合、親展印刷が許可されたユーザ毎に、付加画像データをドキュメントに合成するか否か、付加画像データをドキュメントに合成するか否かをユーザが選択するか否かを示す設定情報を受け付ける。情報処理装置2は、印刷対象のドキュメント、付加画像データ、設定情報を含む印刷ジョブ情報を生成して印刷装置1へ送信する。印刷装置1は、取得した印刷ジョブ情報に対する親展印刷の実行時に、実行を指示したユーザ毎に、ドキュメントに付加画像を合成すべきか否かを判断し、必要に応じて付加画像を合成して印刷する。
【解決手段】情報処理装置2は、プリンタドライバを実行した場合、印刷対象のドキュメントを印刷する際に合成すべき付加画像データの選択を受け付ける。情報処理装置2は、親展印刷が設定された場合、親展印刷が許可されたユーザ毎に、付加画像データをドキュメントに合成するか否か、付加画像データをドキュメントに合成するか否かをユーザが選択するか否かを示す設定情報を受け付ける。情報処理装置2は、印刷対象のドキュメント、付加画像データ、設定情報を含む印刷ジョブ情報を生成して印刷装置1へ送信する。印刷装置1は、取得した印刷ジョブ情報に対する親展印刷の実行時に、実行を指示したユーザ毎に、ドキュメントに付加画像を合成すべきか否かを判断し、必要に応じて付加画像を合成して印刷する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物の複製を牽制するための画像を付加するための情報処理装置、印刷装置及び印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷物が不正に複製されることを防止するために、印刷されるドキュメントに「複写禁止」、「機密文書」等の文言を含む地紋パターンを合成して画像出力する技術が知られている。地紋パターンが合成された印刷物を複写した場合、地紋パターンに含まれる文言も複写されるので、地紋パターンが合成される前のドキュメントの画質を再現することができず、複写された印刷物自体に複製を抑止する効果を持たせることができる。
【0003】
印刷対象のドキュメントに地紋パターンを合成させる処理は、複写処理を行なう画像形成装置(印刷装置)で行なう場合と、プリンタドライバで行なう場合とが考えられる。画像形成装置で地紋パターンを合成する場合、例えば、画像形成装置に対して、ドキュメントに地紋パターンを合成するか否かの設定を行ない、地紋パターンを合成すると設定された場合に、全てのドキュメントに対して地紋パターンの合成を行なう。また、画像形成装置に対して地紋パターンを合成しないと設定された場合には、全てのドキュメントに対して地紋パターンの合成を行なわない。このような画像形成装置では、ドキュメント毎に地紋パターンを合成させるか否かを切り替えることができない。
【0004】
また、プリンタドライバで地紋パターンを合成する場合、例えば、印刷対象のドキュメントの画像に地紋パターンを合成させる機能を持たせたプリンタドライバを利用する。この場合、このようなプリンタドライバが組み込まれた情報処理装置の内部において、ドキュメント毎に地紋パターンを合成するか否かの設定を行ない、地紋パターンを合成すると設定されたドキュメントに対して地紋パターンの合成を行なう。このような構成では、ドキュメント毎に地紋パターンを合成させるか否かを切り替えることができる。
【0005】
また、プリンタドライバでは各ドキュメントに対して地紋パターンの合成を行なうか否かの設定のみを行ない、画像形成装置が、設定内容に基づいて、ドキュメントに地紋パターンを合成する構成が提案されている(特許文献1参照)。この場合、情報処理装置の内部において、ドキュメント毎に地紋パターンを合成するか否かの設定を行ない、設定内容と共にドキュメントのデータが画像形成装置へ伝送される。画像形成装置は、ドキュメントのデータと共に、地紋パターンを合成する旨を示す設定内容を取得した場合、取得したドキュメントに対して地紋パターンの合成を行なう。よって、このような構成でも、ドキュメント毎に地紋パターンを合成させるか否かを切り替えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−175959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したような構成では、プリンタドライバを操作したユーザが、プリンタドライバにて、各ドキュメントに地紋パターンを合成するか否かを設定する。即ち、プリンタドライバにて、地紋パターンを合成すると一旦設定された印刷データに基づいて印刷処理を行なった場合、常に地紋パターンが合成されてしまう。
【0008】
ところで、ドキュメントを印刷する場合、例えば、プリンタドライバにてドキュメントにパスワードを付与して画像形成装置へ送信し、画像形成装置において正当なパスワードの入力があった場合にドキュメントの印刷を実行する「親展印刷」の技術が普及している。このように、プリンタドライバを用いてドキュメントの印刷を指示したユーザと、ドキュメントの印刷を実行するユーザとが異なる場合であっても、上述したような印刷データに基づく印刷処理では、常に地紋パターンが合成された画像が出力される。即ち、印刷を実行するユーザに拘わらず、ドキュメントに対して地紋パターンを合成するか否かが設定されているので、親展印刷等で異なるユーザが同一のドキュメントを印刷した場合、地紋パターンが合成されたドキュメントが常に印刷されることになる。
【0009】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、印刷対象の情報に付加画像を付加すべきか否かをユーザ毎に設定することにより、ユーザに応じた印刷物の作成が可能である情報処理装置、印刷装置及び印刷システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る情報処理装置は、印刷情報を外部の印刷装置へ伝送し、伝送した印刷情報に基づく印刷処理を前記印刷装置に行なわせる情報処理装置において、印刷情報に付加すべき1又は複数の画像情報を記憶する記憶部と、該記憶部に記憶してある画像情報から、前記印刷装置へ伝送する印刷情報に付加する画像情報の選択を受け付ける選択受付部と、前記印刷処理の実行を許可されたユーザ毎に、前記選択受付部が選択を受け付けた画像情報を前記印刷情報に付加すべきか否かを設定する設定部と、前記印刷情報、前記選択受付部が選択を受け付けた画像情報、及び前記設定部が設定した設定情報を含む印刷ジョブ情報を生成する生成部とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る情報処理装置は、前記設定部は、前記選択受付部が選択を受け付けた画像情報を前記印刷情報に付加するか否かを示す設定情報、又は前記画像情報を前記印刷情報に付加するか否かをユーザに選択させることを示す設定情報のいずれかを設定するようにしてあることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る情報処理装置は、前記設定部は、前記ユーザ毎に、設定した情報の有効期間を設定するようにしてあることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る印刷装置は、印刷情報を取得し、取得した印刷情報に基づいて印刷処理を行なう印刷装置において、印刷情報、該印刷情報に付加すべき画像情報、及び前記印刷情報に基づく印刷処理の実行を許可されたユーザ毎に、前記印刷情報に前記画像情報を付加すべきか否かを示す設定情報を含む印刷ジョブ情報を取得する取得部と、該取得部が取得した印刷ジョブ情報に基づく印刷処理を実行するユーザ毎に、前記印刷ジョブ情報に含まれる設定情報に基づいて、前記印刷情報に前記画像情報を付加すべきか否かを判定する判定部と、該判定部による判定結果に基づき、前記印刷情報に前記画像情報を付加する画像付加部と、該画像付加部が前記画像情報を付加した前記印刷情報に基づいて印刷処理を行なう印刷処理部とを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る印刷装置は、前記取得部が取得した印刷ジョブ情報に含まれる設定情報が、前記画像情報を前記印刷情報に付加するか否かをユーザに選択させることを示す場合、前記画像情報を前記印刷情報に付加するか否かの選択を受け付ける受付部を備え、前記判定部は、前記受付部が前記画像情報を前記印刷情報に付加する選択を受け付けた場合、前記印刷情報に前記画像情報を付加すると判定するようにしてあることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る印刷装置は、前記取得部が取得した印刷ジョブ情報に含まれる設定情報が、該設定情報の有効期間を含む場合、前記取得部が前記印刷ジョブ情報を取得してから前記有効期間を経過したか否かを判断する判断部を備え、前記判定部は、前記判断部が有効期間を経過していないと判断した場合、前記印刷ジョブ情報に含まれる設定情報に基づいて、前記印刷情報に前記画像情報を付加すべきか否かを判定するようにしてあることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る印刷システムは、上述した情報処理装置と、上述した印刷装置とを備え、該印刷装置は、前記情報処理装置から伝送されてきた印刷ジョブ情報に基づいて印刷処理を行なうようにしてあることを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、1又は複数の画像情報を記憶する記憶部を備える情報処理装置が、印刷処理を行なうために印刷装置へ伝送する印刷情報に付加すべき画像情報を、記憶部に記憶してある画像情報から選択する。また、情報処理装置は、印刷処理の実行を許可されたユーザ毎に、選択した画像情報を印刷情報に付加すべきか否かを設定し、印刷情報、選択された画像情報、設定された設定情報を含む印刷ジョブ情報を生成する。そして、情報処理装置は、生成した印刷ジョブ情報を印刷装置へ伝送する。よって、地紋パターンのような画像が付加された印刷物を作成するために、印刷すべき文書又はグラフィックス等の印刷情報(印刷対象のドキュメント)と地紋パターン等の画像情報とを印刷装置へ伝送できる。また、地紋パターンを印刷対象のドキュメントに付加すべきか否かをユーザ毎に設定するので、ユーザに応じた印刷物の作成が可能となる。
【0018】
具体的には、ユーザ毎に、画像情報を印刷対象のドキュメントに付加するか否か、又は画像情報を印刷対象のドキュメントに付加するか否かをユーザに選択させるか否かを設定する。よって、地紋パターンをドキュメントに付加すべきか否かを設定できるだけでなく、地紋パターンをドキュメントに付加するか否かをユーザに選択させることも可能となる。また、ユーザ毎に設定した条件の有効期間を設定することにより、期間限定で地紋パターンをドキュメントに付加することも可能となる。
【0019】
本発明によれば、印刷処理を行なう印刷装置が、印刷対象の印刷情報(ドキュメント)、ドキュメントに付加すべき画像情報、ユーザ毎に設定された、画像情報をドキュメントに付加すべきか否かの設定情報を含む印刷ジョブ情報を取得する。また、印刷装置は、印刷処理を実行するユーザ毎に、設定情報に基づいて、印刷対象のドキュメントに画像情報を付加すべきか否かを判定し、判定結果に基づいて、ドキュメントに画像情報を付加する。そして、印刷装置は、画像情報を付加したドキュメントに基づいて印刷処理を行なう。よって、地紋パターンのような画像を付加した印刷物を作成できると共に、ユーザ毎に地紋パターンを付加するか否かを異ならせることができる。また、印刷装置は、外部から取得したドキュメントに画像情報を付加して印刷処理を行なうので、画像情報を自身の装置内に予め用意しておく必要がない。
【0020】
また、ユーザによって地紋パターンを付加するか否かを選択できるようにした場合、印刷処理を行なうユーザの指示に従って、地紋パターンを付加するか否かを選択できる。更に、ドキュメントに地紋パターンを付加するか否かの設定情報の有効期間を設定するようにした場合、例えば、正式発表日までは「ドラフト」と記載された地紋パターンをドキュメントに付加し、正式発表日以降は地紋パターンを付加せずに印刷するような処理が可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明では、印刷処理の実行を許可されたユーザ毎に、印刷対象のドキュメントに画像情報を付加すべきか否かを設定する。よって、ユーザに応じた印刷物の作成が可能となる。具体的には、印刷物の不正複製を禁止する必要があるユーザが印刷する場合に地紋パターンを付加して印刷することによって、印刷物の不用意な複製を防止できる。また、画像情報をドキュメントに付加するか否かをユーザに選択させる旨を設定した場合、印刷を実行するユーザの選択に応じた印刷物の作成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施形態に係る印刷システムの構成を示す模式図である。
【図2】情報処理装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】プリンタドライバの実行によってユーザI/F部に表示される表示画面の構成例を示す模式図である。
【図4】印刷装置の内部構成を示すブロック図である。
【図5】ユーザ情報テーブル及び設定情報テーブルの記憶内容を示す模式図である。
【図6】印刷装置のユーザI/F部に表示される表示画面の構成例を示す模式図である。
【図7】情報処理装置が印刷装置に印刷ジョブ情報を送信する処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】印刷装置が情報処理装置から印刷ジョブ情報を取得する処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】印刷装置による親展印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】印刷装置による親展印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】合成判定処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明に係る情報処理装置及び印刷装置を備えた印刷システムについて、その実施形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は本実施形態に係る印刷システムの構成を示す模式図である。本実施形態の印刷システム100は、1つの印刷装置1と、複数の情報処理装置2,2とを備え、印刷装置1及び情報処理装置2,2は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク100aを介して相互に接続されている。なお、図1では、2つの情報処理装置2,2がネットワーク100aに接続されている状態を示しているが、1つの情報処理装置2、又は3つ以上の情報処理装置2,2がネットワーク100aに接続されていてもよい。
【0024】
印刷装置1は、用紙、OHPフィルム等のシート上に画像形成を行なうプリント機能を有する画像形成装置である。なお、印刷装置1は、プリント機能のほかに、原稿の画像を読み取るスキャナ機能、読み取った画像をシート上に形成するコピー機能、読み取って取得した画像データを外部へ送信するネットワークスキャナ機能等を有する複合機でもよい。
【0025】
情報処理装置2は、パーソナルコンピュータ又はワークステーション等である。情報処理装置2には、文書、グラフィックス等を作成するためのアプリケーションプログラム、及びネットワーク100aを介して印刷装置1を利用するためのドライバプログラム(プリンタドライバ)が予めインストールされている。また、情報処理装置2は、任意のアプリケーションからプリンタドライバを呼び出し、当該プリンタドライバが生成したプリントジョブ(印刷ジョブ)の情報(印刷ジョブ情報)を印刷装置1へ送信する。これにより、情報処理装置2は、作成した文書、グラフィックス(ドキュメント)等をプリント出力する構成となっている。
【0026】
本実施形態の印刷システム100では、ユーザが情報処理装置2を用いて作成した文書、グラフィックス(ドキュメント)等に対して、情報処理装置2に予め保存してある付加画像を付加(合成)できるようにしている。情報処理装置2に予め保存してある付加画像としては、「マル秘」、「重要」、「ドラフト」といった文言を含む画像、文書の複製を禁止又は抑制するための地紋画像、部署コード等の特定の情報を含む画像等が含まれる。なお、以下ではユーザが作成した印刷対象のドキュメントに対して付加されるこれらの画像を総称して付加画像と呼ぶ。
【0027】
なお、情報処理装置2側では、付加画像の付加の要否、及びいずれの付加画像を付加するかを示す設定情報をユーザから受け付け、受付けた設定情報を含む印刷ジョブ情報を生成して印刷装置1へ送信する。印刷装置1側では、受信した印刷ジョブ情報から付加画像の付加の要否、付加すべき付加画像を判断し、付加画像を付加することが要求されている場合には、該当する付加画像を印刷対象のドキュメントに合成する。
【0028】
図2は情報処理装置2の内部構成を示すブロック図である。本実施形態の情報処理装置2は、制御部20、メモリ21、記憶部22、ユーザインタフェース部(以下、ユーザI/F部という)23、通信部24等を備える。上述したハードウェア各部は、バスを介して相互に接続されている。制御部20は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processor Unit)等である。制御部20は、上述したようなハードウェア各部を制御すると共に、メモリ21に格納されている制御プログラムを適宜読み出して実行する。
【0029】
メモリ21は、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)、フラッシュROM、HDD(Hard Disk Drive)等である。メモリ21は、情報処理装置2を動作させるために必要な種々の制御プログラム、制御部20による制御プログラムの実行時に発生する種々のデータ、プリンタドライバ等を記憶している。なお、本実施形態のプリンタドライバは、画像データ選択機能、設定機能、印刷ジョブ生成機能及び印刷ジョブ送信機能等を備える。よって、制御部20がプリンタドライバを実行することにより、画像データ選択処理、設定処理、印刷ジョブ生成処理及び印刷ジョブ送信処理等を行なう。なお、本実施形態のプリンタドライバは、親展印刷機能も有している。
【0030】
記憶部22は、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)等の記憶手段であり、印刷対象のドキュメントに付加される付加画像を示す付加画像データを1又は複数記憶する。なお、記憶部22が書き換え可能な記憶手段であれば、記憶部22に記憶してある付加画像データを適宜更新することができる。なお、付加画像データを記憶するための記憶部22を備えず、付加画像データをメモリ21に格納させる構成としてもよい。
【0031】
ユーザI/F部23は、例えば、キーボード及びマウス等を含む入力部と、液晶パネル又はCRTディスプレイ等の表示部とを備える。入力部は、ユーザからの印刷指示及び印刷設定等、ユーザの操作に基づく各種の情報を受け付ける。表示部は、情報処理装置2の動作状況、情報処理装置2を操作するために必要な情報等を表示する。
【0032】
通信部24は、ネットワーク100aに接続するためのインタフェースであり、ネットワーク100aを介して他の情報処理装置2又は印刷装置1との間で通信を行なう。なお、本実施形態では、通信部24は、情報処理装置2で作成されたドキュメント(印刷情報)を印刷するための印刷ジョブ情報を、ネットワーク100aを介して印刷装置1へ伝送する。
【0033】
以下に、上述した構成の情報処理装置2において、制御部20が、プリンタドライバを実行することにより、印刷対象のドキュメントに基づく印刷ジョブ情報を生成する処理について説明する。図3はプリンタドライバの実行によってユーザI/F部23に表示される表示画面の構成例を示す模式図である。情報処理装置2のユーザは、情報処理装置2を用いて作成したドキュメント、ネットワーク100aを介して外部装置から取得したドキュメント等を印刷したい場合、印刷対象のドキュメントを指定してプリンタドライバを実行させる。情報処理装置2において、制御部20は、ユーザからの指示に従ってプリンタドライバを実行した場合、画像データ選択処理を行ない、図3(a)に示す付加画像の選択画面をユーザI/F部23に表示させる。
【0034】
付加画像の選択画面は、印刷対象のドキュメントを印刷する際に合成させる付加画像データ(画像情報)を選択するための画面である。付加画像の選択画面は、記憶部22に記憶されている付加画像データのデータ名(ファイル名)を一覧表示しており、制御部(選択受付部)20は、この選択画面を介して、印刷対象のドキュメントに合成させる付加画像の選択を受け付ける。図3(a)に示す選択画面では、ファイル名が「A.bmp」の付加画像が選択された状態を示しており、この状態でOKボタンが操作された場合、制御部20は、印刷対象のドキュメントに合成させる付加画像のファイル名として「A.bmp」を受け付ける。
【0035】
付加画像データのファイル名の一覧には「合成なし」が含まれており、印刷対象のドキュメントにいずれの付加画像も合成させない場合、ユーザは「合成なし」を選択してOKボタンを操作する。この場合、制御部20は、印刷対象のドキュメントに付加画像を合成させない旨を受け付ける。なお、付加画像データのファイル名の一覧の代わりに、付加画像データの一部を表示させてもよく、付加画像データから生成されたサムネイル画像を表示させてもよい。
【0036】
本実施形態の情報処理装置2は、記憶部22に記憶されている付加画像データのファイル名の一覧を付加画像の選択画面に表示させることにより、ユーザに、記憶部22に記憶されている付加画像のうちから、印刷対象のドキュメントに合成させる付加画像を選択させる構成である。このような構成のほかに、例えば、印刷装置1で付加画像データを保持しておき、情報処理装置2が、付加画像の選択画面をユーザI/F部23に表示させる際に、印刷装置1が保持する付加画像データのファイル名を印刷装置1から取得するようにしてもよい。
【0037】
付加画像の選択画面においてOKボタンが操作された場合、制御部20は、プリンタドライバによる設定処理を実行し、図3(b)に示す親展印刷の設定画面をユーザI/F部23に表示させる。なお、付加画像の選択画面においてキャンセルボタンが操作された場合、制御部20は、プリンタドライバの実行を終了する。親展印刷の設定画面は、印刷対象のドキュメントに対して親展印刷を行なうか否か、親展印刷時にパスワードの入力を要するか否か、ドキュメントに合成する画像データ(付加画像データ)を印刷装置1で保存しておくか否かについて、それぞれ選択するための選択ボタンを表示する。よって、制御部20は、親展印刷の設定画面を介して、親展印刷を行なうか否か、親展印刷時にパスワードの入力を要するか否か、合成する画像データを印刷装置1で保存しておくか否か、等の設定を受け付ける。
【0038】
また、親展印刷の設定画面は、親展印刷時にパスワードの入力を要することが設定された場合、パスワードの入力欄を表示し、制御部20は、設定画面を介して、パスワードの入力を受け付ける。なお、図3(b)に示す設定画面では、親展印刷を行なうことと、親展印刷時にパスワードの入力を要することとが設定された状態を示している。
【0039】
親展印刷の設定画面は、詳細設定ボタンを表示しており、詳細設定ボタンが操作された場合、制御部20は、図3(c)に示す詳細設定画面をユーザI/F部23に表示させる。なお、親展印刷の設定画面においてキャンセルボタンが操作された場合、制御部20は、プリンタドライバの実行を終了する。詳細設定画面は、親展印刷の実行を許可するユーザを登録すると共に、登録したユーザ毎に、図3(a)に示す選択画面を介して選択された付加画像を印刷対象のドキュメントに合成すべきか否かを設定するための画面である。詳細設定画面は、左側に、親展印刷の実行を許可するユーザに対する詳細設定情報の入力欄を表示し、中央に追加ボタン及び削除ボタンを表示し、右側に、既に登録されたユーザ毎の詳細設定情報の一覧を表示する。
【0040】
詳細設定画面の左側の詳細設定情報の入力欄は、親展印刷の実行を許可するユーザのユーザ名の入力欄を表示する。また、詳細設定情報の入力欄は、入力されたユーザ名のユーザに対して、図3(a)に示す選択画面を介して選択された付加画像データを印刷対象のドキュメントに常に合成するか、常に合成しないか、合成するか否かをユーザが選択するかのいずれかを選択するための選択ボタン(ラジオボタン)を表示する。更に、詳細設定情報の入力欄は、入力されたユーザ名のユーザに対して設定された内容に対する有効期間の入力欄を表示する。
【0041】
詳細設定情報の入力欄において、ユーザ名及び有効期間が入力され、いずれかの設定内容が選択された状態で、追加ボタンが操作された場合、制御部20は、入力された各情報を、詳細設定画面の右側の詳細設定情報の一覧に追加して表示させる。なお、有効期間については、「有効期間なし」を設定することができる。また、詳細設定情報の一覧からいずれかの詳細設定情報が選択された状態で、削除ボタンが操作された場合、制御部20は、選択された詳細設定情報を詳細設定情報の一覧から削除する。
【0042】
図3(c)に示す詳細設定画面では、ユーザ名が「aaaaa」のユーザに対しては、情報処理装置2が印刷装置1に印刷ジョブ情報を伝送してから3日間は常に(無条件で)付加画像データを印刷対象のドキュメントに合成することが設定されている。また、ユーザ名が「bbbbb」のユーザに対しては、常に(無条件で)付加画像データを印刷対象のドキュメントに合成しないことが設定されている。更に、詳細設定画面の左側の詳細設定情報の入力欄では、ユーザ名が「ccccc」のユーザに対して、情報処理装置2が印刷装置1に印刷ジョブ情報を伝送してから3日間は、付加画像データを印刷対象のドキュメントに合成するか否かをユーザが選択するという内容の詳細設定情報が入力されている。なお、本実施形態の印刷システム100では、詳細設定画面を介して設定された有効期間の経過後は、付加画像データを印刷対象のドキュメントに合成せずに印刷することとする。
【0043】
このように、本実施形態では、ユーザ毎に付加画像データを印刷対象のドキュメントに合成させるか否かを設定する。これにより、情報処理装置2から印刷装置1に印刷ジョブ情報を伝送するユーザが、親展印刷によって実際に印刷を実行する他のユーザ毎に、印刷対象のドキュメントに、印刷物の複製を防止するための地紋パターンを付加するか否かを異ならせることができる。また、設定された内容に有効期間を設けることによって、例えば、正式発行日までは「ドラフト」と記載された地紋パターンを印刷対象のドキュメントに付加し、正式発表日以降は地紋パターンを付加しない等の操作が可能となる。
【0044】
詳細設定画面においてOKボタンが操作された場合、制御部20は、詳細設定画面の右側に表示された詳細設定情報を受け付け、図3(b)に示す親展印刷の設定画面のユーザI/F部23への表示に戻る。親展印刷の設定画面においてOKボタンが操作された場合、制御部20は、プリンタドライバの印刷ジョブ生成処理を実行し、印刷ジョブ情報を生成する。なお、詳細設定画面においてキャンセルボタンが操作された場合、制御部20は、プリンタドライバの実行を終了する。
【0045】
印刷ジョブ生成処理を実行した制御部(生成部)20は、図3(b),(c)に示した各画面を介して設定された設定情報(詳細設定情報を含む)を、図3(a)に示した選択画面を介して選択した付加画像データと共に、印刷対象のドキュメントに付加して印刷ジョブ情報を生成する。これにより、制御部(設定部)20は、印刷処理が指示されたドキュメントに対して、親展印刷の実行を許可するユーザ毎に、図3(a)に示した選択画面を介して選択した付加画像データを合成すべきか否かを設定する。また、制御部20は、プリンタドライバの印刷ジョブ送信処理を実行し、生成した印刷ジョブ情報を通信部24に伝送し、通信部24からネットワーク100aを介して印刷装置1へ送信する。
【0046】
なお、付加画像の選択画面において「合成なし」が選択されてOKボタンが操作された場合、次に表示される親展印刷の設定画面では、ドキュメントに合成する画像データを印刷装置1で保存しておくか否かを選択するための選択ボタンが、選択できないように表示される。また、更に次に表示される詳細設定画面では、ドキュメントに付加画像を合成させるか否かを選択するための選択ボタンが、選択できないように表示され、有効期間も設定できないようになる。即ち、付加画像の選択画面において「合成なし」が選択された場合、親展印刷の設定画面において親展印刷の設定は可能であるが、詳細設定画面においては、親展印刷を許可するユーザの設定のみを行なうことになる。
【0047】
また、親展印刷の設定画面において、親展印刷を行なわないことが設定された場合、パスワードを設定するか否かを選択するための選択ボタン及び詳細設定ボタンが、選択できないように表示される。即ち、親展印刷を行なわないことが設定された場合、付加画像の選択画面においてドキュメントに合成すべき付加画像が選択されていれば、親展印刷の設定画面において、ドキュメントに合成する画像データを印刷装置1で保存しておくか否かの選択のみを行なうことになる。
【0048】
従って、図3(b),(c)に示した各画面を介して設定された設定情報は、親展印刷を設定するか否かを示す情報、親展印刷が設定された場合、パスワードを設定するか否かを示す情報、パスワードを設定するのであればパスワード、親展印刷を許可するユーザのユーザ情報(ユーザ名)を含む。また、図3(a)に示した選択画面においてドキュメントに付加画像を合成することが設定された場合、設定情報は、付加画像を印刷装置1に保存するか否かを示す情報を含む。更に、ドキュメントに付加画像を合成することが設定され、親展印刷が設定された場合には、設定情報は、親展印刷を許可するユーザ毎に、ドキュメントに付加画像を合成するか否か等を設定した詳細設定情報を含む。
【0049】
図4は印刷装置1の内部構成を示すブロック図である。本実施形態の印刷装置1は、制御部10、メモリ11、記憶部12、ユーザインタフェース部(以下、ユーザI/F部という)13、通信部14、印刷処理部15等を備える。上述したハードウェア各部は、バスを介して相互に接続されている。制御部10は、CPU又はMPU等である。制御部10は、上述したようなハードウェア各部を制御すると共に、メモリ11に格納されている制御プログラムを適宜読み出して実行する。
【0050】
メモリ11は、EEPROM、フラッシュROM、HDD等である。メモリ11は、印刷装置1を動作させるために必要な種々の制御プログラム、制御部10による制御プログラムの実行時に発生する種々のデータ等を記憶している。なお、本実施形態では、制御部10が実行する制御プログラムとして、ユーザ認証処理プログラム、画像合成制御処理プログラム、画像合成処理プログラム及び画像出力処理プログラム等がメモリ11に格納されている。よって、制御部10は、これらの制御プログラムを実行することにより、ユーザ認証機能、画像合成制御機能、画像合成機能及び画像出力機能等を実現する。
【0051】
記憶部12は、RAM又はフラッシュメモリ等の記憶手段である。記憶部12は、図5(a)に示すようなユーザ情報テーブル、印刷対象のドキュメントに合成(付加)される付加画像を示す付加画像データ、図5(b)に示すような設定情報テーブル、情報処理装置2,2から取得した印刷ジョブ情報等を記憶する。なお、記憶部12を備えず、記憶部12に記憶される各データをメモリ11に格納させる構成としてもよい。
【0052】
ユーザI/F部13は、例えばタッチパネルディスプレイであり、印刷装置1を操作するために必要な情報を表示する液晶パネル等の表示部と、ユーザの操作に基づく各種の情報が入力されるタッチパネル等の入力部とを備える。
【0053】
通信部14は、ネットワーク100aに接続するためのインタフェースであり、ネットワーク100aを介して情報処理装置2,2との間で通信を行なう。なお、本実施形態では、通信部(取得部)14は、上述したように情報処理装置2で生成された印刷ジョブ情報を取得する。具体的には、印刷ジョブ情報は、印刷対象のドキュメント、図3(a)に示した選択画面を介して選択された付加画像データ、図3(b),(c)に示した各画面を介して設定された設定情報を含む。
【0054】
印刷処理部15は、電子写真方式又はインクジェット方式等のプリンタであり、情報処理装置2,2から取得した印刷ジョブ情報に基づく印刷処理を行ない、記録用紙又はOHPフィルム等のシート上に画像を形成する。
【0055】
図5はユーザ情報テーブル及び設定情報テーブルの記憶内容を示す模式図である。なお、図5(a)はユーザ情報テーブルを示し、図5(b)は設定情報テーブルを示す。ユーザ情報テーブルには、印刷装置1の使用が許可されたユーザに関するユーザ情報が登録されており、ユーザ情報は、各ユーザのユーザ名、各ユーザに与えられている権限、ユーザ毎に予め設定されたパスワード等を含む。ユーザ情報テーブルに記憶されているユーザ情報は、印刷装置1の管理者がユーザI/F部13を用いて、新たなユーザ情報の登録、登録済みのユーザ情報の削除又は登録済みのユーザ情報の変更を行なった場合に、制御部10によって追加、削除又は更新される。
【0056】
設定情報テーブルには、印刷装置1が情報処理装置2,2から取得した印刷ジョブ情報を識別するジョブIDに対応付けて、印刷ジョブ情報に含まれる設定情報が格納されている。設定情報は、印刷対象のドキュメントを親展印刷する際に要するパスワード、親展印刷に関する詳細設定情報等を含む。詳細設定情報は、親展印刷の実行が許可されたユーザのユーザ名、このユーザに対して設定された設定内容、設定内容に対する有効期間等を含む。なお、詳細設定情報は、情報処理装置2,2において、図3(b),(c)に示した各画面を介して設定された情報である。設定情報テーブルに記憶されている設定情報は、印刷装置1が情報処理装置2,2から印刷ジョブ情報を取得する都度、制御部10によって追加され、印刷装置1が記憶する印刷ジョブ情報が削除される都度、制御部10によって削除される。
【0057】
本実施形態の印刷装置1において、制御部10は、情報処理装置2,2から印刷ジョブ情報を取得した場合、取得した印刷ジョブ情報を、印刷対象のドキュメント、ドキュメントを印刷する際にドキュメントに合成される付加画像データ、設定情報に分離する。なお、印刷対象のドキュメントに付加画像を合成しない設定が行なわれた場合、印刷ジョブ情報に付加画像データは含まれない。
【0058】
制御部10は、分離した設定情報に基づいて、印刷対象のドキュメントに親展印刷が設定されているか否かを判断する。親展印刷が設定されていないと判断した場合、制御部10は、画像合成制御処理プログラムを実行し、印刷対象のドキュメントに付加画像を合成すべきか否かを判断する。具体的には、制御部10は、印刷ジョブ情報から付加画像データを分離できていれば、ドキュメントに合成すべき付加画像があると判断する。
【0059】
ドキュメントに合成すべき付加画像があると判断した場合、制御部10は、画像合成処理プログラムを実行し、印刷ジョブ情報から分離したドキュメントに、付加画像データを合成する。そして、制御部10は、画像出力処理プログラムを実行し、合成して得られた印刷用データを印刷処理部15へ伝送し、印刷処理部15に印刷処理を実行させる。なお、ドキュメントに合成すべき付加画像がないと判断した場合、制御部10は、画像出力処理プログラムを実行し、印刷ジョブ情報から分離したドキュメントから印刷用データを生成して印刷処理部15へ伝送し、印刷処理部15に印刷処理を実行させる。
【0060】
一方、制御部10は、印刷対象のドキュメントに親展印刷が設定されていると判断した場合、印刷ジョブ情報を識別するためのジョブIDを割り当て、割り当てたジョブIDに対応付けて、印刷ジョブ情報から分離した設定情報を設定情報テーブルに記憶させる。なお、設定情報には、パスワード及び詳細設定情報が含まれる。また、制御部10は、この印刷ジョブ情報の受付日時(受信日時)を検出し、検出した受付日時及びジョブIDと共に、印刷ジョブ情報から分離したドキュメント及び付加画像データを記憶部12に蓄積する。なお、制御部10は、受付日時及びジョブIDと共に、情報処理装置2から取得した印刷ジョブ情報をそのまま記憶部12に蓄積させてもよい。
【0061】
また、制御部10は、印刷ジョブ情報から分離した設定情報に基づいて、印刷ジョブ情報から分離された付加画像データを印刷装置1で保存することが設定されているか否かを判断する。付加画像データを印刷装置1で保存することが設定されていると判断した場合、制御部10は、印刷ジョブ情報から分離させた付加画像データを記憶部12に記憶させる。
【0062】
以下に、上述した処理によって、親展印刷が設定された印刷ジョブ情報が記憶部12に蓄積されている印刷装置1において、ユーザが自身宛の親展印刷を実行する際に、印刷装置1が行なう処理について説明する。図6は印刷装置1のユーザI/F部13に表示される表示画面の構成例を示す模式図である。印刷装置1はログイン機能を有し、印刷装置1が待機状態である場合、制御部10は、メモリ11に格納されているユーザ認証処理プログラムを実行し、図6(a)に示すログイン画面(認証画面)をユーザI/F部13に表示させる。なお、本実施形態の印刷装置1は、印刷装置1の使用が許可されたユーザ、即ち、ユーザ情報テーブルにユーザ情報が登録されているユーザがログイン画面を介して印刷装置1にログインすることによって使用される。
【0063】
図6(a)に示すログイン画面は、ログインするユーザのユーザ名の入力欄、パスワードの入力欄、ログインボタンを表示している。印刷装置1を使用したいユーザは、ログイン画面を介して、自身のユーザ名及びパスワードをユーザI/F部13を介して入力し、ログインボタンを操作する。なお、ユーザ名の入力欄は、ユーザ情報テーブルにユーザ情報が登録されているユーザのユーザ名をプルダウンメニューで表示させるように構成されていてもよい。この場合、各ユーザが、プルダウンメニューに表示されたユーザ名から自身のユーザ名を選択すればよい。
【0064】
ログイン画面においてログインボタンが操作された場合、制御部10は、入力されたユーザ名及びパスワードを受け付け、受け付けたユーザ名及びパスワードがユーザ情報テーブルに登録されているか否かを判断する。制御部10は、受け付けたユーザ名及びパスワードがユーザ情報テーブルに登録されていると判断した場合にのみ、このユーザの印刷装置1の使用を可能とする。
【0065】
受け付けたユーザ名及びパスワードがユーザ情報テーブルに登録されていると判断した場合、制御部10は、ログインしたユーザ宛の親展印刷があるか否かを検索し、親展印刷がある場合、図6(b)に示すような親展印刷リストをユーザI/F部13に表示させる。具体的には、制御部10は、ログイン画面を介して入力されたユーザ名が、設定情報テーブルに登録されているか否かを検索し、登録されていれば、対応するジョブIDを全て読み出す。
【0066】
また、制御部10は、設定情報テーブルから読み出したジョブIDを割り当てられた印刷ジョブ情報に含まれるドキュメントのファイル名と印刷ジョブ情報の受付日時とを、記憶部12に蓄積されている印刷ジョブ情報から検索する。記憶部12から検索できた場合、制御部10は、検索できたドキュメントのファイル名及び受付日時を記憶部12から取得し、取得したファイル名及び受付日時の一覧を表示した親展印刷リストを作成し、ユーザI/F部13に表示させる。
【0067】
親展印刷リストは、ファイル名及び受付日時が表示された印刷ジョブ(印刷ジョブ情報)に対する親展印刷の実行を受け付ける。親展印刷リストにおいて、いずれかの印刷ジョブのファイル名及び受付日時が選択(操作)された場合、制御部10は、図6(c)に示すような処理選択画面をユーザI/F部13に表示する。処理選択画面は、親展印刷リストを介して選択された印刷ジョブに対して、印刷の実行を指示する印刷ボタンと、印刷ジョブ情報の記憶部12からの削除を指示する削除ボタンとを表示する。
【0068】
処理選択画面において、削除ボタンが操作された場合、制御部10は、設定情報テーブルに登録されている設定情報に基づいて、この印刷ジョブに対してパスワードが設定されているか否かを判断する。制御部10は、設定情報テーブルに登録されている設定情報にパスワードが含まれているか否かを判断し、含まれている場合、この印刷ジョブに対してパスワードが設定されていると判断する。パスワードが設定されていると判断した場合、制御部10は、図6(d)に示すようにパスワードの入力欄を表示する。
【0069】
制御部10は、パスワードの入力欄に入力されたパスワードを取得した場合、設定情報テーブルに登録してある設定情報に含まれるパスワードに一致するか否かを判断する。パスワードが一致すると判断した場合、制御部10は、親展印刷リストを介して選択された印刷ジョブの印刷ジョブ情報を記憶部12から削除する。また、制御部10は、この印刷ジョブ情報のジョブIDに対応する設定情報を設定情報テーブルから削除する。なお、同一の印刷ジョブに対して複数のユーザが親展印刷を許可されている場合があるので、処理選択画面において削除ボタンが操作された場合、制御部10は、この時点でログインしているユーザの設定情報のみを設定情報テーブルから削除するようにしてもよい。
【0070】
処理選択画面において、印刷ボタンが操作された場合、制御部10は、削除ボタンが操作された場合と同様に、設定情報テーブルに登録されている設定情報に基づいて、この印刷ジョブに対してパスワードが設定されているか否かを判断し、必要に応じて、図6(d)に示すようにパスワードの入力欄を表示する。
【0071】
制御部10は、パスワードの入力欄に入力されたパスワードが、設定情報テーブルに登録してある設定情報に含まれるパスワードに一致するか否かを判断する。一致すると判断した場合、制御部(判定部)10は、画像合成制御処理プログラムを実行し、設定情報テーブルに登録してある設定情報に基づいて、現在ログイン中のユーザが親展印刷を行なう際にドキュメントに付加画像を合成すべき否かを判断する。具体的には、制御部10は、設定情報テーブルに登録してある設定情報から、現在ログイン中のユーザに対応する詳細設定情報を読み出す。
【0072】
制御部(判断部)10は、この印刷ジョブ情報の受付日時及び現在日時から、読み出した詳細設定情報に含まれる有効期間が経過したか否かを判断し、経過したと判断した場合、ドキュメントに付加画像を合成させないと判断する。一方、有効期間が経過していないと判断した場合、制御部10は、読み出した詳細設定情報に含まれる設定内容が「常に合成する」であれば、ドキュメントに付加画像を合成させると判断し、「常に合成しない」であれば、ドキュメントに付加画像を合成させないと判断する。
【0073】
また、読み出した詳細設定情報に含まれる設定内容が「ユーザが選択」であれば、制御部10は、図6(e)に示すような、付加画像を合成するか否かの選択を受け付ける選択画面をユーザI/F部13に表示させる。ログイン中のユーザは、ドキュメントに付加画像を合成したいか否かに基づいて、「合成する」ボタン又は「合成しない」ボタンを操作する。制御部(受付部)10は、選択画面を介して、印刷対象のドキュメントに付加画像を合成するか否かの選択を受け付ける。制御部10は、ユーザが「合成する」ボタンを操作した場合、ドキュメントに付加画像を合成させると判断し、ユーザが「合成しない」ボタンを操作した場合、ドキュメントに付加画像を合成させないと判断する。
【0074】
ドキュメントに付加画像を合成させると判断した場合、制御部(画像付加部)10は、画像合成処理プログラムを実行し、印刷ジョブ情報から分離して記憶部12に記憶してあるドキュメントに、同様に記憶部12に記憶してある付加画像データを合成する。また、制御部10は、画像出力処理プログラムを実行し、合成して得られた印刷用データを印刷処理部15へ伝送し、印刷処理部15に印刷処理を実行させる。一方、ドキュメントに付加画像を合成させないと判断した場合、制御部10は、画像出力処理プログラムを実行し、印刷ジョブ情報から分離して記憶部12に記憶してあるドキュメントを印刷処理部15へ伝送し、印刷処理部15に印刷処理を実行させる。なお、制御部10は、ドキュメントから印刷用データを生成した後に印刷処理部15へ伝送する構成でもよい。
【0075】
以下に、本実施形態の印刷システム100において、情報処理装置2が印刷装置1に印刷ジョブ情報を送信する際に行なう処理について説明する。図7は情報処理装置2が印刷装置1に印刷ジョブ情報を送信する処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、情報処理装置2のメモリ21に格納されている制御プログラム(プリンタドライバ)に従って、制御部20によって実行される。
【0076】
情報処理装置2の制御部20は、ユーザからの指示に従ってプリンタドライバを実行した場合、図3(a)に示す付加画像の選択画面をユーザI/F部23に表示させる(S1)。付加画像の選択画面において、任意の付加画像が選択されてOKボタンが操作された場合、制御部20は、任意の付加画像の選択を受け付ける(S2)。なお、付加画像の選択画面において「合成なし」が選択された場合、制御部20は、印刷対象のドキュメントに付加画像を合成させない旨を受け付ける。
【0077】
次に、制御部20は、図3(b)に示す親展印刷の設定画面をユーザI/F部23に表示させる(S3)。制御部20は、親展印刷の設定画面及び図3(c)に示す詳細設定画面を介して、親展印刷に関してユーザが設定した設定情報を受け付ける(S4)。具体的には、制御部20は、印刷対象のドキュメントに対して親展印刷を行なうか否か、親展印刷時にパスワードの入力を要するか否か、ドキュメントに合成する画像データ(付加画像データ)を印刷装置1で保存しておくか否か等の設定情報を受け付ける。また、制御部20は、親展印刷の実行を許可するユーザのユーザ名と共に、ユーザ毎に設定された詳細設定情報を受け付ける。
【0078】
制御部20は、ステップS4で受け付けた設定情報を、ステップS2で選択された付加画像データと共に、印刷対象のドキュメントに付加して印刷ジョブ情報を生成する(S5)。そして、制御部20は、生成した印刷ジョブ情報を通信部24から印刷装置1へ送信する(S6)。
【0079】
上述したように、本実施形態の情報処理装置2では、印刷対象のドキュメントに対して、印刷を行なう際に合成すべき付加画像を設定できるだけでなく、親展印刷が設定された場合に、親展印刷を許可するユーザ毎に、付加画像を合成させるか否かを設定できる。よって、親展印刷を実行するユーザ毎に異なる印刷物を作成することができる。例えば、印刷物の複製を禁止したいユーザに対しては、付加画像を合成するように設定し、印刷物の複製を禁止する必要がないユーザに対しては、付加画像を合成しないように設定できる。また、印刷対象のドキュメントに付加画像を合成させるか否かの設定内容に対して有効期間を設定することにより、例えば、正式発行日までは「ドラフト」と記載された地紋パターンを合成するように設定し、正式発表日以降は地紋パターンを合成しないように設定できる。
【0080】
次に、本実施形態の印刷システム100において、情報処理装置2から印刷ジョブ情報を受信した印刷装置1が行なう処理について説明する。図8は印刷装置1が情報処理装置2から印刷ジョブ情報を取得する処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、印刷装置1のメモリ11に格納されている制御プログラムに従って、制御部10によって実行される。
【0081】
印刷装置1の制御部10は、情報処理装置2から送信された印刷ジョブ情報を取得した場合、取得した印刷ジョブ情報を、印刷対象のドキュメント、ドキュメントを印刷する際にドキュメントに合成される付加画像データ、設定情報に分離する(S11)。制御部10は、分離した設定情報に、印刷対象のドキュメントに親展印刷が設定されている旨を示す情報が含まれているか否かに基づいて、親展印刷が設定されているか否かを判断する(S12)。
【0082】
親展印刷が設定されていると判断した場合(S12:YES)、制御部10は、印刷ジョブ情報から分離したドキュメント、付加画像データ、設定情報を記憶部12に保存し(S13)、処理を終了する。具体的には、制御部10は、取得した印刷ジョブ情報にジョブIDを割り当てると共に、この印刷ジョブ情報の受付日時(受信日時)を検出する。そして、制御部10は、割り当てたジョブIDに対応付けて、受付日時、印刷ジョブ情報から分離されたドキュメント及び付加画像データを記憶部12に保存する。
【0083】
また、制御部10は、ジョブIDに対応付けて、印刷ジョブ情報から分離された設定情報に含まれるパスワード及び詳細設定情報を設定情報テーブルに格納させる。なお、制御部10は、印刷ジョブ情報から分離した設定情報に、付加画像データを印刷装置1で保存することが設定されているか否かを判断する。付加画像データを印刷装置1で保存することが設定されている旨を示す情報が含まれている場合、制御部10は、印刷ジョブ情報から分離された付加画像データを記憶部12の所定の記憶領域に記憶させる。
【0084】
親展印刷が設定されていないと判断した場合(S12:NO)、制御部10は、ステップS11で付加画像データを分離できたか否かに基づいて、印刷対象のドキュメントに合成すべき付加画像があるか否かを判断する(S14)。合成すべき付加画像があると判断した場合(S14:YES)、制御部10は、ステップS11で分離されたドキュメントに付加画像データを合成する(S15)。そして、制御部10は、得られた印刷用データに基づいて印刷を行ない(S16)、処理を終了する。
【0085】
一方、合成すべき付加画像がないと判断した場合(S14:NO)、制御部10は、ステップS15の処理をスキップし、ステップS11で分離されたドキュメントに基づいて印刷を行ない(S16)、処理を終了する。なお、ステップS11で印刷ジョブ情報から付加画像データを分離できなかった場合、制御部10は、印刷対象のドキュメントに合成すべき付加画像がないと判断する。
【0086】
上述したように、本実施形態の印刷装置1は、親展印刷が設定された印刷ジョブ情報を取得した場合、取得した印刷ジョブ情報を記憶部12に一旦記憶させておく。また、親展印刷が設定されていない印刷ジョブ情報を取得した場合、印刷装置1は、取得した印刷ジョブ情報に基づく印刷処理を行なう。なお、このとき、印刷対象のドキュメントに対して、印刷時に付加画像を合成するように設定されていれば、印刷装置1は、付加画像が合成された印刷物を生成し、印刷時に付加画像を合成しないように設定されていれば、付加画像が合成されていない印刷物を生成する。よって、親展印刷が設定されていないドキュメントに対しては、ドキュメント毎に付加画像を合成するか否かの設定が可能である。
【0087】
次に、上述した処理によって親展印刷が設定された印刷ジョブ情報を記憶部12に蓄積している印刷装置1が行なう親展印刷処理について説明する。図9及び図10は印刷装置1による親展印刷処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、印刷装置1のメモリ11に格納されている制御プログラムに従って、制御部10によって実行される。
【0088】
印刷装置1の制御部10は、図6(a)に示すログイン画面の表示中に、ユーザによってユーザ名及びパスワードが入力された場合、ユーザ名及びパスワードを受け付ける(S21)。制御部10は、受け付けたユーザ名及びパスワードがユーザ情報テーブルに登録されているか否かを判断し(S22)、登録されていないと判断した場合(S22:NO)、ステップS21に処理を戻す。具体的には、制御部10は、図6(a)に示すログイン画面の表示に処理を戻す。
【0089】
受け付けたユーザ名及びパスワードがユーザ情報テーブルに登録されていると判断した場合(S22:YES)、制御部10は、図6(b)に示す親展印刷リストを生成し、ユーザI/F部13に表示する(S23)。具体的には、制御部10は、ステップS21で受け付けたユーザ名が、設定情報テーブルに登録されているか否かを検索し、登録されていれば、対応するジョブIDの印刷ジョブ情報に含まれるドキュメントのファイル名及び受付日時を記憶部12から読み出す。そして、制御部10は、読み出したファイル名及び受付日時の一覧を表示した親展印刷リストを生成する。
【0090】
制御部10は、親展印刷リストに表示されたいずれかの印刷ジョブに対する親展印刷の実行を受け付ける(S24)。具体的には、制御部10は、親展印刷リストを介して選択された任意の印刷ジョブに対して、図6(c)に示す処理選択画面において印刷処理の実行が選択された場合、この印刷ジョブに対する親展印刷の実行を受け付ける。
【0091】
制御部10は、いずれかの印刷ジョブに対する親展印刷の実行を受け付けた場合、選択された印刷ジョブに対してパスワードが設定されているか否かを判断する(S25)。具体的には、制御部10は、選択された印刷ジョブに対応する設定情報にパスワードが含まれているか否かを判断し、含まれている場合、即ち、パスワードが設定されていると判断した場合(S25:YES)、図6(d)に示すパスワードの入力欄を表示する(S26)。
【0092】
制御部10は、パスワードの入力欄を介して入力されたパスワードを受け付け(S27)、受け付けたパスワードが、選択された印刷ジョブに対して設定されたパスワードに一致するか否かを判断する(S28)。パスワードが一致しないと判断した場合(S28:NO)、制御部10は、ステップS26に処理を戻し、図6(d)に示すパスワードの入力欄を表示する(S26)。なお、選択された印刷ジョブにパスワードが設定されていないと判断した場合(S25:NO)、制御部10は、ステップS26〜S28の処理をスキップする。
【0093】
パスワードが一致すると判断した場合(S28:YES)、制御部10は、合成判定処理を行ない(S29)、ステップS24で親展印刷の実行を受け付けた印刷ジョブに対して、ステップS21でユーザ名を受け付けたユーザが親展印刷を行なう際に、付加画像を合成すべきか否かを判定する。なお、合成判定処理の詳細については後述する。
【0094】
制御部10は、合成判定処理の結果、合成すると判定したか否かを判断し(S30)、合成すると判定した場合(S30:YES)、記憶部12に記憶してあるドキュメントに付加画像データを合成する(S31)。そして、制御部10は、得られた印刷用データに基づいて印刷を行ない(S32)、処理を終了する。一方、合成しないと判定した場合(S30:NO)、制御部10は、ステップS31の処理をスキップし、記憶部12に記憶してあるドキュメントに基づいて印刷を行ない(S32)、処理を終了する。
【0095】
次に、上述した印刷装置1による親展印刷処理における合成判定処理(図10中のステップS29)について説明する。図11は合成判定処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、印刷装置1のメモリ11に格納されている制御プログラムに従って、制御部10によって実行される。
【0096】
印刷装置1の制御部10は、ステップS24で親展印刷の実行を受け付けた印刷ジョブに対応する設定情報のうちで、現在ログイン中のユーザに対応する詳細設定情報を読み出す(S41)。制御部10は、この印刷ジョブの受付日時及び現在日時から、読み出した詳細設定情報に含まれる有効期間が経過したか否かを判断する(S42)。有効期間が経過したと判断した場合(S42:YES)、制御部10は、印刷対象のドキュメントに付加画像を合成しないと判定し(S48)、図10に示す親展印刷処理に戻る。
【0097】
有効期間が経過していないと判断した場合(S42:NO)、制御部10は、ステップS41で読み出した詳細設定情報において、「常に合成する」が設定されているか否かを判断する(S43)。「常に合成する」が設定されていると判断した場合(S43:YES)、制御部10は、印刷対象のドキュメントに付加画像を合成すると判定し(S44)、図10に示す親展印刷処理に戻る。
【0098】
「常に合成する」が設定されていないと判断した場合(S43:NO)、制御部10は、ステップS41で読み出した詳細設定情報において、「ユーザが選択」が設定されているか否かを判断する(S45)。「ユーザが選択」が設定されていないと判断した場合(S45:NO)、即ち、「常に合成しない」が設定されている場合、制御部10は、印刷対象のドキュメントに付加画像を合成しないと判定し(S48)、図10に示す親展印刷処理に戻る。
【0099】
「ユーザが選択」が設定されていると判断した場合(S45:YES)、制御部10は、図6(e)に示すような、付加画像を合成するか否かの選択を受け付ける選択画面をユーザI/F部13に表示させる(S46)。制御部10は、選択画面を介して「合成する」ボタンが操作されたか否かを判断し(S47)、「合成する」ボタンが操作されたと判断した場合(S47:YES)、印刷対象のドキュメントに付加画像を合成すると判定し(S44)、図10に示す親展印刷処理に戻る。一方、「合成する」ボタンが操作されていないと判断した場合(S47:NO)、即ち、「合成しない」ボタンが操作された場合、制御部10は、印刷対象のドキュメントに付加画像を合成しないと判定し(S48)、図10に示す親展印刷処理に戻る。
【0100】
上述したように、本実施形態の印刷システム100では、電子文書(ドキュメント)を印刷する際に、任意の付加画像を合成させることによって、作成された印刷物の複製を防止できる。具体的には、複製を禁止するための地紋パターン等をドキュメントに合成させて印刷することにより、印刷物の不正複製を牽制でき、情報の漏洩が制限できる。また、所定の地紋(付加画像)が合成された原稿(印刷物)を読み取った場合にコピーを禁止するように複合機を構成した場合、この印刷物の複製が自動的に禁止できる。
【0101】
また、本実施形態の印刷システム100では、電子文書に対して親展印刷を設定した場合に、親展印刷の実行を許可するユーザ毎に、ドキュメントに付加画像を合成させるか否かを設定できる。よって、ユーザ毎に、付加画像を合成させた印刷物と、付加画像を合成させない印刷物とを提供できる。即ち、印刷物の不正複製を禁止する必要があるユーザに対しては、地紋パターン等の付加画像を合成させた印刷物を提供し、印刷物の不正複製を禁止する必要がないユーザに対しては、付加画像を合成させない印刷物を提供する。また、ドキュメントに付加画像を合成させるか否かを、親展印刷の実行が許可されたユーザが選択できるように設定することもできる。この場合、印刷物の提供を受けるユーザ毎に、付加画像が合成された印刷物又は付加画像が合成されていない印刷物を選択できる。
【0102】
更に、本実施形態の印刷システム100では、ユーザ毎に設定した条件に有効期間を設定することにより、期間限定で地紋パターン等の付加画像をドキュメントに合成付加することもできる。例えば、最新情報について所定期間中は自部門内に留めておきたい場合に、所定期間内に限り、その旨を記述したパターンをドキュメントに合成して印刷するような処理が可能となる。
【0103】
以上、本発明の好適な実施形態について具体的に説明したが、各構成及び動作等は適宜変更可能であって、上述の実施形態に限定されることはない。
【符号の説明】
【0104】
1 印刷装置
10 制御部
2 情報処理装置
20 制御部
22 記憶部
100 印刷システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物の複製を牽制するための画像を付加するための情報処理装置、印刷装置及び印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷物が不正に複製されることを防止するために、印刷されるドキュメントに「複写禁止」、「機密文書」等の文言を含む地紋パターンを合成して画像出力する技術が知られている。地紋パターンが合成された印刷物を複写した場合、地紋パターンに含まれる文言も複写されるので、地紋パターンが合成される前のドキュメントの画質を再現することができず、複写された印刷物自体に複製を抑止する効果を持たせることができる。
【0003】
印刷対象のドキュメントに地紋パターンを合成させる処理は、複写処理を行なう画像形成装置(印刷装置)で行なう場合と、プリンタドライバで行なう場合とが考えられる。画像形成装置で地紋パターンを合成する場合、例えば、画像形成装置に対して、ドキュメントに地紋パターンを合成するか否かの設定を行ない、地紋パターンを合成すると設定された場合に、全てのドキュメントに対して地紋パターンの合成を行なう。また、画像形成装置に対して地紋パターンを合成しないと設定された場合には、全てのドキュメントに対して地紋パターンの合成を行なわない。このような画像形成装置では、ドキュメント毎に地紋パターンを合成させるか否かを切り替えることができない。
【0004】
また、プリンタドライバで地紋パターンを合成する場合、例えば、印刷対象のドキュメントの画像に地紋パターンを合成させる機能を持たせたプリンタドライバを利用する。この場合、このようなプリンタドライバが組み込まれた情報処理装置の内部において、ドキュメント毎に地紋パターンを合成するか否かの設定を行ない、地紋パターンを合成すると設定されたドキュメントに対して地紋パターンの合成を行なう。このような構成では、ドキュメント毎に地紋パターンを合成させるか否かを切り替えることができる。
【0005】
また、プリンタドライバでは各ドキュメントに対して地紋パターンの合成を行なうか否かの設定のみを行ない、画像形成装置が、設定内容に基づいて、ドキュメントに地紋パターンを合成する構成が提案されている(特許文献1参照)。この場合、情報処理装置の内部において、ドキュメント毎に地紋パターンを合成するか否かの設定を行ない、設定内容と共にドキュメントのデータが画像形成装置へ伝送される。画像形成装置は、ドキュメントのデータと共に、地紋パターンを合成する旨を示す設定内容を取得した場合、取得したドキュメントに対して地紋パターンの合成を行なう。よって、このような構成でも、ドキュメント毎に地紋パターンを合成させるか否かを切り替えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−175959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したような構成では、プリンタドライバを操作したユーザが、プリンタドライバにて、各ドキュメントに地紋パターンを合成するか否かを設定する。即ち、プリンタドライバにて、地紋パターンを合成すると一旦設定された印刷データに基づいて印刷処理を行なった場合、常に地紋パターンが合成されてしまう。
【0008】
ところで、ドキュメントを印刷する場合、例えば、プリンタドライバにてドキュメントにパスワードを付与して画像形成装置へ送信し、画像形成装置において正当なパスワードの入力があった場合にドキュメントの印刷を実行する「親展印刷」の技術が普及している。このように、プリンタドライバを用いてドキュメントの印刷を指示したユーザと、ドキュメントの印刷を実行するユーザとが異なる場合であっても、上述したような印刷データに基づく印刷処理では、常に地紋パターンが合成された画像が出力される。即ち、印刷を実行するユーザに拘わらず、ドキュメントに対して地紋パターンを合成するか否かが設定されているので、親展印刷等で異なるユーザが同一のドキュメントを印刷した場合、地紋パターンが合成されたドキュメントが常に印刷されることになる。
【0009】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、印刷対象の情報に付加画像を付加すべきか否かをユーザ毎に設定することにより、ユーザに応じた印刷物の作成が可能である情報処理装置、印刷装置及び印刷システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る情報処理装置は、印刷情報を外部の印刷装置へ伝送し、伝送した印刷情報に基づく印刷処理を前記印刷装置に行なわせる情報処理装置において、印刷情報に付加すべき1又は複数の画像情報を記憶する記憶部と、該記憶部に記憶してある画像情報から、前記印刷装置へ伝送する印刷情報に付加する画像情報の選択を受け付ける選択受付部と、前記印刷処理の実行を許可されたユーザ毎に、前記選択受付部が選択を受け付けた画像情報を前記印刷情報に付加すべきか否かを設定する設定部と、前記印刷情報、前記選択受付部が選択を受け付けた画像情報、及び前記設定部が設定した設定情報を含む印刷ジョブ情報を生成する生成部とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る情報処理装置は、前記設定部は、前記選択受付部が選択を受け付けた画像情報を前記印刷情報に付加するか否かを示す設定情報、又は前記画像情報を前記印刷情報に付加するか否かをユーザに選択させることを示す設定情報のいずれかを設定するようにしてあることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る情報処理装置は、前記設定部は、前記ユーザ毎に、設定した情報の有効期間を設定するようにしてあることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る印刷装置は、印刷情報を取得し、取得した印刷情報に基づいて印刷処理を行なう印刷装置において、印刷情報、該印刷情報に付加すべき画像情報、及び前記印刷情報に基づく印刷処理の実行を許可されたユーザ毎に、前記印刷情報に前記画像情報を付加すべきか否かを示す設定情報を含む印刷ジョブ情報を取得する取得部と、該取得部が取得した印刷ジョブ情報に基づく印刷処理を実行するユーザ毎に、前記印刷ジョブ情報に含まれる設定情報に基づいて、前記印刷情報に前記画像情報を付加すべきか否かを判定する判定部と、該判定部による判定結果に基づき、前記印刷情報に前記画像情報を付加する画像付加部と、該画像付加部が前記画像情報を付加した前記印刷情報に基づいて印刷処理を行なう印刷処理部とを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る印刷装置は、前記取得部が取得した印刷ジョブ情報に含まれる設定情報が、前記画像情報を前記印刷情報に付加するか否かをユーザに選択させることを示す場合、前記画像情報を前記印刷情報に付加するか否かの選択を受け付ける受付部を備え、前記判定部は、前記受付部が前記画像情報を前記印刷情報に付加する選択を受け付けた場合、前記印刷情報に前記画像情報を付加すると判定するようにしてあることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る印刷装置は、前記取得部が取得した印刷ジョブ情報に含まれる設定情報が、該設定情報の有効期間を含む場合、前記取得部が前記印刷ジョブ情報を取得してから前記有効期間を経過したか否かを判断する判断部を備え、前記判定部は、前記判断部が有効期間を経過していないと判断した場合、前記印刷ジョブ情報に含まれる設定情報に基づいて、前記印刷情報に前記画像情報を付加すべきか否かを判定するようにしてあることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る印刷システムは、上述した情報処理装置と、上述した印刷装置とを備え、該印刷装置は、前記情報処理装置から伝送されてきた印刷ジョブ情報に基づいて印刷処理を行なうようにしてあることを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、1又は複数の画像情報を記憶する記憶部を備える情報処理装置が、印刷処理を行なうために印刷装置へ伝送する印刷情報に付加すべき画像情報を、記憶部に記憶してある画像情報から選択する。また、情報処理装置は、印刷処理の実行を許可されたユーザ毎に、選択した画像情報を印刷情報に付加すべきか否かを設定し、印刷情報、選択された画像情報、設定された設定情報を含む印刷ジョブ情報を生成する。そして、情報処理装置は、生成した印刷ジョブ情報を印刷装置へ伝送する。よって、地紋パターンのような画像が付加された印刷物を作成するために、印刷すべき文書又はグラフィックス等の印刷情報(印刷対象のドキュメント)と地紋パターン等の画像情報とを印刷装置へ伝送できる。また、地紋パターンを印刷対象のドキュメントに付加すべきか否かをユーザ毎に設定するので、ユーザに応じた印刷物の作成が可能となる。
【0018】
具体的には、ユーザ毎に、画像情報を印刷対象のドキュメントに付加するか否か、又は画像情報を印刷対象のドキュメントに付加するか否かをユーザに選択させるか否かを設定する。よって、地紋パターンをドキュメントに付加すべきか否かを設定できるだけでなく、地紋パターンをドキュメントに付加するか否かをユーザに選択させることも可能となる。また、ユーザ毎に設定した条件の有効期間を設定することにより、期間限定で地紋パターンをドキュメントに付加することも可能となる。
【0019】
本発明によれば、印刷処理を行なう印刷装置が、印刷対象の印刷情報(ドキュメント)、ドキュメントに付加すべき画像情報、ユーザ毎に設定された、画像情報をドキュメントに付加すべきか否かの設定情報を含む印刷ジョブ情報を取得する。また、印刷装置は、印刷処理を実行するユーザ毎に、設定情報に基づいて、印刷対象のドキュメントに画像情報を付加すべきか否かを判定し、判定結果に基づいて、ドキュメントに画像情報を付加する。そして、印刷装置は、画像情報を付加したドキュメントに基づいて印刷処理を行なう。よって、地紋パターンのような画像を付加した印刷物を作成できると共に、ユーザ毎に地紋パターンを付加するか否かを異ならせることができる。また、印刷装置は、外部から取得したドキュメントに画像情報を付加して印刷処理を行なうので、画像情報を自身の装置内に予め用意しておく必要がない。
【0020】
また、ユーザによって地紋パターンを付加するか否かを選択できるようにした場合、印刷処理を行なうユーザの指示に従って、地紋パターンを付加するか否かを選択できる。更に、ドキュメントに地紋パターンを付加するか否かの設定情報の有効期間を設定するようにした場合、例えば、正式発表日までは「ドラフト」と記載された地紋パターンをドキュメントに付加し、正式発表日以降は地紋パターンを付加せずに印刷するような処理が可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明では、印刷処理の実行を許可されたユーザ毎に、印刷対象のドキュメントに画像情報を付加すべきか否かを設定する。よって、ユーザに応じた印刷物の作成が可能となる。具体的には、印刷物の不正複製を禁止する必要があるユーザが印刷する場合に地紋パターンを付加して印刷することによって、印刷物の不用意な複製を防止できる。また、画像情報をドキュメントに付加するか否かをユーザに選択させる旨を設定した場合、印刷を実行するユーザの選択に応じた印刷物の作成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施形態に係る印刷システムの構成を示す模式図である。
【図2】情報処理装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】プリンタドライバの実行によってユーザI/F部に表示される表示画面の構成例を示す模式図である。
【図4】印刷装置の内部構成を示すブロック図である。
【図5】ユーザ情報テーブル及び設定情報テーブルの記憶内容を示す模式図である。
【図6】印刷装置のユーザI/F部に表示される表示画面の構成例を示す模式図である。
【図7】情報処理装置が印刷装置に印刷ジョブ情報を送信する処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】印刷装置が情報処理装置から印刷ジョブ情報を取得する処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】印刷装置による親展印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】印刷装置による親展印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】合成判定処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明に係る情報処理装置及び印刷装置を備えた印刷システムについて、その実施形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は本実施形態に係る印刷システムの構成を示す模式図である。本実施形態の印刷システム100は、1つの印刷装置1と、複数の情報処理装置2,2とを備え、印刷装置1及び情報処理装置2,2は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク100aを介して相互に接続されている。なお、図1では、2つの情報処理装置2,2がネットワーク100aに接続されている状態を示しているが、1つの情報処理装置2、又は3つ以上の情報処理装置2,2がネットワーク100aに接続されていてもよい。
【0024】
印刷装置1は、用紙、OHPフィルム等のシート上に画像形成を行なうプリント機能を有する画像形成装置である。なお、印刷装置1は、プリント機能のほかに、原稿の画像を読み取るスキャナ機能、読み取った画像をシート上に形成するコピー機能、読み取って取得した画像データを外部へ送信するネットワークスキャナ機能等を有する複合機でもよい。
【0025】
情報処理装置2は、パーソナルコンピュータ又はワークステーション等である。情報処理装置2には、文書、グラフィックス等を作成するためのアプリケーションプログラム、及びネットワーク100aを介して印刷装置1を利用するためのドライバプログラム(プリンタドライバ)が予めインストールされている。また、情報処理装置2は、任意のアプリケーションからプリンタドライバを呼び出し、当該プリンタドライバが生成したプリントジョブ(印刷ジョブ)の情報(印刷ジョブ情報)を印刷装置1へ送信する。これにより、情報処理装置2は、作成した文書、グラフィックス(ドキュメント)等をプリント出力する構成となっている。
【0026】
本実施形態の印刷システム100では、ユーザが情報処理装置2を用いて作成した文書、グラフィックス(ドキュメント)等に対して、情報処理装置2に予め保存してある付加画像を付加(合成)できるようにしている。情報処理装置2に予め保存してある付加画像としては、「マル秘」、「重要」、「ドラフト」といった文言を含む画像、文書の複製を禁止又は抑制するための地紋画像、部署コード等の特定の情報を含む画像等が含まれる。なお、以下ではユーザが作成した印刷対象のドキュメントに対して付加されるこれらの画像を総称して付加画像と呼ぶ。
【0027】
なお、情報処理装置2側では、付加画像の付加の要否、及びいずれの付加画像を付加するかを示す設定情報をユーザから受け付け、受付けた設定情報を含む印刷ジョブ情報を生成して印刷装置1へ送信する。印刷装置1側では、受信した印刷ジョブ情報から付加画像の付加の要否、付加すべき付加画像を判断し、付加画像を付加することが要求されている場合には、該当する付加画像を印刷対象のドキュメントに合成する。
【0028】
図2は情報処理装置2の内部構成を示すブロック図である。本実施形態の情報処理装置2は、制御部20、メモリ21、記憶部22、ユーザインタフェース部(以下、ユーザI/F部という)23、通信部24等を備える。上述したハードウェア各部は、バスを介して相互に接続されている。制御部20は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processor Unit)等である。制御部20は、上述したようなハードウェア各部を制御すると共に、メモリ21に格納されている制御プログラムを適宜読み出して実行する。
【0029】
メモリ21は、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)、フラッシュROM、HDD(Hard Disk Drive)等である。メモリ21は、情報処理装置2を動作させるために必要な種々の制御プログラム、制御部20による制御プログラムの実行時に発生する種々のデータ、プリンタドライバ等を記憶している。なお、本実施形態のプリンタドライバは、画像データ選択機能、設定機能、印刷ジョブ生成機能及び印刷ジョブ送信機能等を備える。よって、制御部20がプリンタドライバを実行することにより、画像データ選択処理、設定処理、印刷ジョブ生成処理及び印刷ジョブ送信処理等を行なう。なお、本実施形態のプリンタドライバは、親展印刷機能も有している。
【0030】
記憶部22は、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)等の記憶手段であり、印刷対象のドキュメントに付加される付加画像を示す付加画像データを1又は複数記憶する。なお、記憶部22が書き換え可能な記憶手段であれば、記憶部22に記憶してある付加画像データを適宜更新することができる。なお、付加画像データを記憶するための記憶部22を備えず、付加画像データをメモリ21に格納させる構成としてもよい。
【0031】
ユーザI/F部23は、例えば、キーボード及びマウス等を含む入力部と、液晶パネル又はCRTディスプレイ等の表示部とを備える。入力部は、ユーザからの印刷指示及び印刷設定等、ユーザの操作に基づく各種の情報を受け付ける。表示部は、情報処理装置2の動作状況、情報処理装置2を操作するために必要な情報等を表示する。
【0032】
通信部24は、ネットワーク100aに接続するためのインタフェースであり、ネットワーク100aを介して他の情報処理装置2又は印刷装置1との間で通信を行なう。なお、本実施形態では、通信部24は、情報処理装置2で作成されたドキュメント(印刷情報)を印刷するための印刷ジョブ情報を、ネットワーク100aを介して印刷装置1へ伝送する。
【0033】
以下に、上述した構成の情報処理装置2において、制御部20が、プリンタドライバを実行することにより、印刷対象のドキュメントに基づく印刷ジョブ情報を生成する処理について説明する。図3はプリンタドライバの実行によってユーザI/F部23に表示される表示画面の構成例を示す模式図である。情報処理装置2のユーザは、情報処理装置2を用いて作成したドキュメント、ネットワーク100aを介して外部装置から取得したドキュメント等を印刷したい場合、印刷対象のドキュメントを指定してプリンタドライバを実行させる。情報処理装置2において、制御部20は、ユーザからの指示に従ってプリンタドライバを実行した場合、画像データ選択処理を行ない、図3(a)に示す付加画像の選択画面をユーザI/F部23に表示させる。
【0034】
付加画像の選択画面は、印刷対象のドキュメントを印刷する際に合成させる付加画像データ(画像情報)を選択するための画面である。付加画像の選択画面は、記憶部22に記憶されている付加画像データのデータ名(ファイル名)を一覧表示しており、制御部(選択受付部)20は、この選択画面を介して、印刷対象のドキュメントに合成させる付加画像の選択を受け付ける。図3(a)に示す選択画面では、ファイル名が「A.bmp」の付加画像が選択された状態を示しており、この状態でOKボタンが操作された場合、制御部20は、印刷対象のドキュメントに合成させる付加画像のファイル名として「A.bmp」を受け付ける。
【0035】
付加画像データのファイル名の一覧には「合成なし」が含まれており、印刷対象のドキュメントにいずれの付加画像も合成させない場合、ユーザは「合成なし」を選択してOKボタンを操作する。この場合、制御部20は、印刷対象のドキュメントに付加画像を合成させない旨を受け付ける。なお、付加画像データのファイル名の一覧の代わりに、付加画像データの一部を表示させてもよく、付加画像データから生成されたサムネイル画像を表示させてもよい。
【0036】
本実施形態の情報処理装置2は、記憶部22に記憶されている付加画像データのファイル名の一覧を付加画像の選択画面に表示させることにより、ユーザに、記憶部22に記憶されている付加画像のうちから、印刷対象のドキュメントに合成させる付加画像を選択させる構成である。このような構成のほかに、例えば、印刷装置1で付加画像データを保持しておき、情報処理装置2が、付加画像の選択画面をユーザI/F部23に表示させる際に、印刷装置1が保持する付加画像データのファイル名を印刷装置1から取得するようにしてもよい。
【0037】
付加画像の選択画面においてOKボタンが操作された場合、制御部20は、プリンタドライバによる設定処理を実行し、図3(b)に示す親展印刷の設定画面をユーザI/F部23に表示させる。なお、付加画像の選択画面においてキャンセルボタンが操作された場合、制御部20は、プリンタドライバの実行を終了する。親展印刷の設定画面は、印刷対象のドキュメントに対して親展印刷を行なうか否か、親展印刷時にパスワードの入力を要するか否か、ドキュメントに合成する画像データ(付加画像データ)を印刷装置1で保存しておくか否かについて、それぞれ選択するための選択ボタンを表示する。よって、制御部20は、親展印刷の設定画面を介して、親展印刷を行なうか否か、親展印刷時にパスワードの入力を要するか否か、合成する画像データを印刷装置1で保存しておくか否か、等の設定を受け付ける。
【0038】
また、親展印刷の設定画面は、親展印刷時にパスワードの入力を要することが設定された場合、パスワードの入力欄を表示し、制御部20は、設定画面を介して、パスワードの入力を受け付ける。なお、図3(b)に示す設定画面では、親展印刷を行なうことと、親展印刷時にパスワードの入力を要することとが設定された状態を示している。
【0039】
親展印刷の設定画面は、詳細設定ボタンを表示しており、詳細設定ボタンが操作された場合、制御部20は、図3(c)に示す詳細設定画面をユーザI/F部23に表示させる。なお、親展印刷の設定画面においてキャンセルボタンが操作された場合、制御部20は、プリンタドライバの実行を終了する。詳細設定画面は、親展印刷の実行を許可するユーザを登録すると共に、登録したユーザ毎に、図3(a)に示す選択画面を介して選択された付加画像を印刷対象のドキュメントに合成すべきか否かを設定するための画面である。詳細設定画面は、左側に、親展印刷の実行を許可するユーザに対する詳細設定情報の入力欄を表示し、中央に追加ボタン及び削除ボタンを表示し、右側に、既に登録されたユーザ毎の詳細設定情報の一覧を表示する。
【0040】
詳細設定画面の左側の詳細設定情報の入力欄は、親展印刷の実行を許可するユーザのユーザ名の入力欄を表示する。また、詳細設定情報の入力欄は、入力されたユーザ名のユーザに対して、図3(a)に示す選択画面を介して選択された付加画像データを印刷対象のドキュメントに常に合成するか、常に合成しないか、合成するか否かをユーザが選択するかのいずれかを選択するための選択ボタン(ラジオボタン)を表示する。更に、詳細設定情報の入力欄は、入力されたユーザ名のユーザに対して設定された内容に対する有効期間の入力欄を表示する。
【0041】
詳細設定情報の入力欄において、ユーザ名及び有効期間が入力され、いずれかの設定内容が選択された状態で、追加ボタンが操作された場合、制御部20は、入力された各情報を、詳細設定画面の右側の詳細設定情報の一覧に追加して表示させる。なお、有効期間については、「有効期間なし」を設定することができる。また、詳細設定情報の一覧からいずれかの詳細設定情報が選択された状態で、削除ボタンが操作された場合、制御部20は、選択された詳細設定情報を詳細設定情報の一覧から削除する。
【0042】
図3(c)に示す詳細設定画面では、ユーザ名が「aaaaa」のユーザに対しては、情報処理装置2が印刷装置1に印刷ジョブ情報を伝送してから3日間は常に(無条件で)付加画像データを印刷対象のドキュメントに合成することが設定されている。また、ユーザ名が「bbbbb」のユーザに対しては、常に(無条件で)付加画像データを印刷対象のドキュメントに合成しないことが設定されている。更に、詳細設定画面の左側の詳細設定情報の入力欄では、ユーザ名が「ccccc」のユーザに対して、情報処理装置2が印刷装置1に印刷ジョブ情報を伝送してから3日間は、付加画像データを印刷対象のドキュメントに合成するか否かをユーザが選択するという内容の詳細設定情報が入力されている。なお、本実施形態の印刷システム100では、詳細設定画面を介して設定された有効期間の経過後は、付加画像データを印刷対象のドキュメントに合成せずに印刷することとする。
【0043】
このように、本実施形態では、ユーザ毎に付加画像データを印刷対象のドキュメントに合成させるか否かを設定する。これにより、情報処理装置2から印刷装置1に印刷ジョブ情報を伝送するユーザが、親展印刷によって実際に印刷を実行する他のユーザ毎に、印刷対象のドキュメントに、印刷物の複製を防止するための地紋パターンを付加するか否かを異ならせることができる。また、設定された内容に有効期間を設けることによって、例えば、正式発行日までは「ドラフト」と記載された地紋パターンを印刷対象のドキュメントに付加し、正式発表日以降は地紋パターンを付加しない等の操作が可能となる。
【0044】
詳細設定画面においてOKボタンが操作された場合、制御部20は、詳細設定画面の右側に表示された詳細設定情報を受け付け、図3(b)に示す親展印刷の設定画面のユーザI/F部23への表示に戻る。親展印刷の設定画面においてOKボタンが操作された場合、制御部20は、プリンタドライバの印刷ジョブ生成処理を実行し、印刷ジョブ情報を生成する。なお、詳細設定画面においてキャンセルボタンが操作された場合、制御部20は、プリンタドライバの実行を終了する。
【0045】
印刷ジョブ生成処理を実行した制御部(生成部)20は、図3(b),(c)に示した各画面を介して設定された設定情報(詳細設定情報を含む)を、図3(a)に示した選択画面を介して選択した付加画像データと共に、印刷対象のドキュメントに付加して印刷ジョブ情報を生成する。これにより、制御部(設定部)20は、印刷処理が指示されたドキュメントに対して、親展印刷の実行を許可するユーザ毎に、図3(a)に示した選択画面を介して選択した付加画像データを合成すべきか否かを設定する。また、制御部20は、プリンタドライバの印刷ジョブ送信処理を実行し、生成した印刷ジョブ情報を通信部24に伝送し、通信部24からネットワーク100aを介して印刷装置1へ送信する。
【0046】
なお、付加画像の選択画面において「合成なし」が選択されてOKボタンが操作された場合、次に表示される親展印刷の設定画面では、ドキュメントに合成する画像データを印刷装置1で保存しておくか否かを選択するための選択ボタンが、選択できないように表示される。また、更に次に表示される詳細設定画面では、ドキュメントに付加画像を合成させるか否かを選択するための選択ボタンが、選択できないように表示され、有効期間も設定できないようになる。即ち、付加画像の選択画面において「合成なし」が選択された場合、親展印刷の設定画面において親展印刷の設定は可能であるが、詳細設定画面においては、親展印刷を許可するユーザの設定のみを行なうことになる。
【0047】
また、親展印刷の設定画面において、親展印刷を行なわないことが設定された場合、パスワードを設定するか否かを選択するための選択ボタン及び詳細設定ボタンが、選択できないように表示される。即ち、親展印刷を行なわないことが設定された場合、付加画像の選択画面においてドキュメントに合成すべき付加画像が選択されていれば、親展印刷の設定画面において、ドキュメントに合成する画像データを印刷装置1で保存しておくか否かの選択のみを行なうことになる。
【0048】
従って、図3(b),(c)に示した各画面を介して設定された設定情報は、親展印刷を設定するか否かを示す情報、親展印刷が設定された場合、パスワードを設定するか否かを示す情報、パスワードを設定するのであればパスワード、親展印刷を許可するユーザのユーザ情報(ユーザ名)を含む。また、図3(a)に示した選択画面においてドキュメントに付加画像を合成することが設定された場合、設定情報は、付加画像を印刷装置1に保存するか否かを示す情報を含む。更に、ドキュメントに付加画像を合成することが設定され、親展印刷が設定された場合には、設定情報は、親展印刷を許可するユーザ毎に、ドキュメントに付加画像を合成するか否か等を設定した詳細設定情報を含む。
【0049】
図4は印刷装置1の内部構成を示すブロック図である。本実施形態の印刷装置1は、制御部10、メモリ11、記憶部12、ユーザインタフェース部(以下、ユーザI/F部という)13、通信部14、印刷処理部15等を備える。上述したハードウェア各部は、バスを介して相互に接続されている。制御部10は、CPU又はMPU等である。制御部10は、上述したようなハードウェア各部を制御すると共に、メモリ11に格納されている制御プログラムを適宜読み出して実行する。
【0050】
メモリ11は、EEPROM、フラッシュROM、HDD等である。メモリ11は、印刷装置1を動作させるために必要な種々の制御プログラム、制御部10による制御プログラムの実行時に発生する種々のデータ等を記憶している。なお、本実施形態では、制御部10が実行する制御プログラムとして、ユーザ認証処理プログラム、画像合成制御処理プログラム、画像合成処理プログラム及び画像出力処理プログラム等がメモリ11に格納されている。よって、制御部10は、これらの制御プログラムを実行することにより、ユーザ認証機能、画像合成制御機能、画像合成機能及び画像出力機能等を実現する。
【0051】
記憶部12は、RAM又はフラッシュメモリ等の記憶手段である。記憶部12は、図5(a)に示すようなユーザ情報テーブル、印刷対象のドキュメントに合成(付加)される付加画像を示す付加画像データ、図5(b)に示すような設定情報テーブル、情報処理装置2,2から取得した印刷ジョブ情報等を記憶する。なお、記憶部12を備えず、記憶部12に記憶される各データをメモリ11に格納させる構成としてもよい。
【0052】
ユーザI/F部13は、例えばタッチパネルディスプレイであり、印刷装置1を操作するために必要な情報を表示する液晶パネル等の表示部と、ユーザの操作に基づく各種の情報が入力されるタッチパネル等の入力部とを備える。
【0053】
通信部14は、ネットワーク100aに接続するためのインタフェースであり、ネットワーク100aを介して情報処理装置2,2との間で通信を行なう。なお、本実施形態では、通信部(取得部)14は、上述したように情報処理装置2で生成された印刷ジョブ情報を取得する。具体的には、印刷ジョブ情報は、印刷対象のドキュメント、図3(a)に示した選択画面を介して選択された付加画像データ、図3(b),(c)に示した各画面を介して設定された設定情報を含む。
【0054】
印刷処理部15は、電子写真方式又はインクジェット方式等のプリンタであり、情報処理装置2,2から取得した印刷ジョブ情報に基づく印刷処理を行ない、記録用紙又はOHPフィルム等のシート上に画像を形成する。
【0055】
図5はユーザ情報テーブル及び設定情報テーブルの記憶内容を示す模式図である。なお、図5(a)はユーザ情報テーブルを示し、図5(b)は設定情報テーブルを示す。ユーザ情報テーブルには、印刷装置1の使用が許可されたユーザに関するユーザ情報が登録されており、ユーザ情報は、各ユーザのユーザ名、各ユーザに与えられている権限、ユーザ毎に予め設定されたパスワード等を含む。ユーザ情報テーブルに記憶されているユーザ情報は、印刷装置1の管理者がユーザI/F部13を用いて、新たなユーザ情報の登録、登録済みのユーザ情報の削除又は登録済みのユーザ情報の変更を行なった場合に、制御部10によって追加、削除又は更新される。
【0056】
設定情報テーブルには、印刷装置1が情報処理装置2,2から取得した印刷ジョブ情報を識別するジョブIDに対応付けて、印刷ジョブ情報に含まれる設定情報が格納されている。設定情報は、印刷対象のドキュメントを親展印刷する際に要するパスワード、親展印刷に関する詳細設定情報等を含む。詳細設定情報は、親展印刷の実行が許可されたユーザのユーザ名、このユーザに対して設定された設定内容、設定内容に対する有効期間等を含む。なお、詳細設定情報は、情報処理装置2,2において、図3(b),(c)に示した各画面を介して設定された情報である。設定情報テーブルに記憶されている設定情報は、印刷装置1が情報処理装置2,2から印刷ジョブ情報を取得する都度、制御部10によって追加され、印刷装置1が記憶する印刷ジョブ情報が削除される都度、制御部10によって削除される。
【0057】
本実施形態の印刷装置1において、制御部10は、情報処理装置2,2から印刷ジョブ情報を取得した場合、取得した印刷ジョブ情報を、印刷対象のドキュメント、ドキュメントを印刷する際にドキュメントに合成される付加画像データ、設定情報に分離する。なお、印刷対象のドキュメントに付加画像を合成しない設定が行なわれた場合、印刷ジョブ情報に付加画像データは含まれない。
【0058】
制御部10は、分離した設定情報に基づいて、印刷対象のドキュメントに親展印刷が設定されているか否かを判断する。親展印刷が設定されていないと判断した場合、制御部10は、画像合成制御処理プログラムを実行し、印刷対象のドキュメントに付加画像を合成すべきか否かを判断する。具体的には、制御部10は、印刷ジョブ情報から付加画像データを分離できていれば、ドキュメントに合成すべき付加画像があると判断する。
【0059】
ドキュメントに合成すべき付加画像があると判断した場合、制御部10は、画像合成処理プログラムを実行し、印刷ジョブ情報から分離したドキュメントに、付加画像データを合成する。そして、制御部10は、画像出力処理プログラムを実行し、合成して得られた印刷用データを印刷処理部15へ伝送し、印刷処理部15に印刷処理を実行させる。なお、ドキュメントに合成すべき付加画像がないと判断した場合、制御部10は、画像出力処理プログラムを実行し、印刷ジョブ情報から分離したドキュメントから印刷用データを生成して印刷処理部15へ伝送し、印刷処理部15に印刷処理を実行させる。
【0060】
一方、制御部10は、印刷対象のドキュメントに親展印刷が設定されていると判断した場合、印刷ジョブ情報を識別するためのジョブIDを割り当て、割り当てたジョブIDに対応付けて、印刷ジョブ情報から分離した設定情報を設定情報テーブルに記憶させる。なお、設定情報には、パスワード及び詳細設定情報が含まれる。また、制御部10は、この印刷ジョブ情報の受付日時(受信日時)を検出し、検出した受付日時及びジョブIDと共に、印刷ジョブ情報から分離したドキュメント及び付加画像データを記憶部12に蓄積する。なお、制御部10は、受付日時及びジョブIDと共に、情報処理装置2から取得した印刷ジョブ情報をそのまま記憶部12に蓄積させてもよい。
【0061】
また、制御部10は、印刷ジョブ情報から分離した設定情報に基づいて、印刷ジョブ情報から分離された付加画像データを印刷装置1で保存することが設定されているか否かを判断する。付加画像データを印刷装置1で保存することが設定されていると判断した場合、制御部10は、印刷ジョブ情報から分離させた付加画像データを記憶部12に記憶させる。
【0062】
以下に、上述した処理によって、親展印刷が設定された印刷ジョブ情報が記憶部12に蓄積されている印刷装置1において、ユーザが自身宛の親展印刷を実行する際に、印刷装置1が行なう処理について説明する。図6は印刷装置1のユーザI/F部13に表示される表示画面の構成例を示す模式図である。印刷装置1はログイン機能を有し、印刷装置1が待機状態である場合、制御部10は、メモリ11に格納されているユーザ認証処理プログラムを実行し、図6(a)に示すログイン画面(認証画面)をユーザI/F部13に表示させる。なお、本実施形態の印刷装置1は、印刷装置1の使用が許可されたユーザ、即ち、ユーザ情報テーブルにユーザ情報が登録されているユーザがログイン画面を介して印刷装置1にログインすることによって使用される。
【0063】
図6(a)に示すログイン画面は、ログインするユーザのユーザ名の入力欄、パスワードの入力欄、ログインボタンを表示している。印刷装置1を使用したいユーザは、ログイン画面を介して、自身のユーザ名及びパスワードをユーザI/F部13を介して入力し、ログインボタンを操作する。なお、ユーザ名の入力欄は、ユーザ情報テーブルにユーザ情報が登録されているユーザのユーザ名をプルダウンメニューで表示させるように構成されていてもよい。この場合、各ユーザが、プルダウンメニューに表示されたユーザ名から自身のユーザ名を選択すればよい。
【0064】
ログイン画面においてログインボタンが操作された場合、制御部10は、入力されたユーザ名及びパスワードを受け付け、受け付けたユーザ名及びパスワードがユーザ情報テーブルに登録されているか否かを判断する。制御部10は、受け付けたユーザ名及びパスワードがユーザ情報テーブルに登録されていると判断した場合にのみ、このユーザの印刷装置1の使用を可能とする。
【0065】
受け付けたユーザ名及びパスワードがユーザ情報テーブルに登録されていると判断した場合、制御部10は、ログインしたユーザ宛の親展印刷があるか否かを検索し、親展印刷がある場合、図6(b)に示すような親展印刷リストをユーザI/F部13に表示させる。具体的には、制御部10は、ログイン画面を介して入力されたユーザ名が、設定情報テーブルに登録されているか否かを検索し、登録されていれば、対応するジョブIDを全て読み出す。
【0066】
また、制御部10は、設定情報テーブルから読み出したジョブIDを割り当てられた印刷ジョブ情報に含まれるドキュメントのファイル名と印刷ジョブ情報の受付日時とを、記憶部12に蓄積されている印刷ジョブ情報から検索する。記憶部12から検索できた場合、制御部10は、検索できたドキュメントのファイル名及び受付日時を記憶部12から取得し、取得したファイル名及び受付日時の一覧を表示した親展印刷リストを作成し、ユーザI/F部13に表示させる。
【0067】
親展印刷リストは、ファイル名及び受付日時が表示された印刷ジョブ(印刷ジョブ情報)に対する親展印刷の実行を受け付ける。親展印刷リストにおいて、いずれかの印刷ジョブのファイル名及び受付日時が選択(操作)された場合、制御部10は、図6(c)に示すような処理選択画面をユーザI/F部13に表示する。処理選択画面は、親展印刷リストを介して選択された印刷ジョブに対して、印刷の実行を指示する印刷ボタンと、印刷ジョブ情報の記憶部12からの削除を指示する削除ボタンとを表示する。
【0068】
処理選択画面において、削除ボタンが操作された場合、制御部10は、設定情報テーブルに登録されている設定情報に基づいて、この印刷ジョブに対してパスワードが設定されているか否かを判断する。制御部10は、設定情報テーブルに登録されている設定情報にパスワードが含まれているか否かを判断し、含まれている場合、この印刷ジョブに対してパスワードが設定されていると判断する。パスワードが設定されていると判断した場合、制御部10は、図6(d)に示すようにパスワードの入力欄を表示する。
【0069】
制御部10は、パスワードの入力欄に入力されたパスワードを取得した場合、設定情報テーブルに登録してある設定情報に含まれるパスワードに一致するか否かを判断する。パスワードが一致すると判断した場合、制御部10は、親展印刷リストを介して選択された印刷ジョブの印刷ジョブ情報を記憶部12から削除する。また、制御部10は、この印刷ジョブ情報のジョブIDに対応する設定情報を設定情報テーブルから削除する。なお、同一の印刷ジョブに対して複数のユーザが親展印刷を許可されている場合があるので、処理選択画面において削除ボタンが操作された場合、制御部10は、この時点でログインしているユーザの設定情報のみを設定情報テーブルから削除するようにしてもよい。
【0070】
処理選択画面において、印刷ボタンが操作された場合、制御部10は、削除ボタンが操作された場合と同様に、設定情報テーブルに登録されている設定情報に基づいて、この印刷ジョブに対してパスワードが設定されているか否かを判断し、必要に応じて、図6(d)に示すようにパスワードの入力欄を表示する。
【0071】
制御部10は、パスワードの入力欄に入力されたパスワードが、設定情報テーブルに登録してある設定情報に含まれるパスワードに一致するか否かを判断する。一致すると判断した場合、制御部(判定部)10は、画像合成制御処理プログラムを実行し、設定情報テーブルに登録してある設定情報に基づいて、現在ログイン中のユーザが親展印刷を行なう際にドキュメントに付加画像を合成すべき否かを判断する。具体的には、制御部10は、設定情報テーブルに登録してある設定情報から、現在ログイン中のユーザに対応する詳細設定情報を読み出す。
【0072】
制御部(判断部)10は、この印刷ジョブ情報の受付日時及び現在日時から、読み出した詳細設定情報に含まれる有効期間が経過したか否かを判断し、経過したと判断した場合、ドキュメントに付加画像を合成させないと判断する。一方、有効期間が経過していないと判断した場合、制御部10は、読み出した詳細設定情報に含まれる設定内容が「常に合成する」であれば、ドキュメントに付加画像を合成させると判断し、「常に合成しない」であれば、ドキュメントに付加画像を合成させないと判断する。
【0073】
また、読み出した詳細設定情報に含まれる設定内容が「ユーザが選択」であれば、制御部10は、図6(e)に示すような、付加画像を合成するか否かの選択を受け付ける選択画面をユーザI/F部13に表示させる。ログイン中のユーザは、ドキュメントに付加画像を合成したいか否かに基づいて、「合成する」ボタン又は「合成しない」ボタンを操作する。制御部(受付部)10は、選択画面を介して、印刷対象のドキュメントに付加画像を合成するか否かの選択を受け付ける。制御部10は、ユーザが「合成する」ボタンを操作した場合、ドキュメントに付加画像を合成させると判断し、ユーザが「合成しない」ボタンを操作した場合、ドキュメントに付加画像を合成させないと判断する。
【0074】
ドキュメントに付加画像を合成させると判断した場合、制御部(画像付加部)10は、画像合成処理プログラムを実行し、印刷ジョブ情報から分離して記憶部12に記憶してあるドキュメントに、同様に記憶部12に記憶してある付加画像データを合成する。また、制御部10は、画像出力処理プログラムを実行し、合成して得られた印刷用データを印刷処理部15へ伝送し、印刷処理部15に印刷処理を実行させる。一方、ドキュメントに付加画像を合成させないと判断した場合、制御部10は、画像出力処理プログラムを実行し、印刷ジョブ情報から分離して記憶部12に記憶してあるドキュメントを印刷処理部15へ伝送し、印刷処理部15に印刷処理を実行させる。なお、制御部10は、ドキュメントから印刷用データを生成した後に印刷処理部15へ伝送する構成でもよい。
【0075】
以下に、本実施形態の印刷システム100において、情報処理装置2が印刷装置1に印刷ジョブ情報を送信する際に行なう処理について説明する。図7は情報処理装置2が印刷装置1に印刷ジョブ情報を送信する処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、情報処理装置2のメモリ21に格納されている制御プログラム(プリンタドライバ)に従って、制御部20によって実行される。
【0076】
情報処理装置2の制御部20は、ユーザからの指示に従ってプリンタドライバを実行した場合、図3(a)に示す付加画像の選択画面をユーザI/F部23に表示させる(S1)。付加画像の選択画面において、任意の付加画像が選択されてOKボタンが操作された場合、制御部20は、任意の付加画像の選択を受け付ける(S2)。なお、付加画像の選択画面において「合成なし」が選択された場合、制御部20は、印刷対象のドキュメントに付加画像を合成させない旨を受け付ける。
【0077】
次に、制御部20は、図3(b)に示す親展印刷の設定画面をユーザI/F部23に表示させる(S3)。制御部20は、親展印刷の設定画面及び図3(c)に示す詳細設定画面を介して、親展印刷に関してユーザが設定した設定情報を受け付ける(S4)。具体的には、制御部20は、印刷対象のドキュメントに対して親展印刷を行なうか否か、親展印刷時にパスワードの入力を要するか否か、ドキュメントに合成する画像データ(付加画像データ)を印刷装置1で保存しておくか否か等の設定情報を受け付ける。また、制御部20は、親展印刷の実行を許可するユーザのユーザ名と共に、ユーザ毎に設定された詳細設定情報を受け付ける。
【0078】
制御部20は、ステップS4で受け付けた設定情報を、ステップS2で選択された付加画像データと共に、印刷対象のドキュメントに付加して印刷ジョブ情報を生成する(S5)。そして、制御部20は、生成した印刷ジョブ情報を通信部24から印刷装置1へ送信する(S6)。
【0079】
上述したように、本実施形態の情報処理装置2では、印刷対象のドキュメントに対して、印刷を行なう際に合成すべき付加画像を設定できるだけでなく、親展印刷が設定された場合に、親展印刷を許可するユーザ毎に、付加画像を合成させるか否かを設定できる。よって、親展印刷を実行するユーザ毎に異なる印刷物を作成することができる。例えば、印刷物の複製を禁止したいユーザに対しては、付加画像を合成するように設定し、印刷物の複製を禁止する必要がないユーザに対しては、付加画像を合成しないように設定できる。また、印刷対象のドキュメントに付加画像を合成させるか否かの設定内容に対して有効期間を設定することにより、例えば、正式発行日までは「ドラフト」と記載された地紋パターンを合成するように設定し、正式発表日以降は地紋パターンを合成しないように設定できる。
【0080】
次に、本実施形態の印刷システム100において、情報処理装置2から印刷ジョブ情報を受信した印刷装置1が行なう処理について説明する。図8は印刷装置1が情報処理装置2から印刷ジョブ情報を取得する処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、印刷装置1のメモリ11に格納されている制御プログラムに従って、制御部10によって実行される。
【0081】
印刷装置1の制御部10は、情報処理装置2から送信された印刷ジョブ情報を取得した場合、取得した印刷ジョブ情報を、印刷対象のドキュメント、ドキュメントを印刷する際にドキュメントに合成される付加画像データ、設定情報に分離する(S11)。制御部10は、分離した設定情報に、印刷対象のドキュメントに親展印刷が設定されている旨を示す情報が含まれているか否かに基づいて、親展印刷が設定されているか否かを判断する(S12)。
【0082】
親展印刷が設定されていると判断した場合(S12:YES)、制御部10は、印刷ジョブ情報から分離したドキュメント、付加画像データ、設定情報を記憶部12に保存し(S13)、処理を終了する。具体的には、制御部10は、取得した印刷ジョブ情報にジョブIDを割り当てると共に、この印刷ジョブ情報の受付日時(受信日時)を検出する。そして、制御部10は、割り当てたジョブIDに対応付けて、受付日時、印刷ジョブ情報から分離されたドキュメント及び付加画像データを記憶部12に保存する。
【0083】
また、制御部10は、ジョブIDに対応付けて、印刷ジョブ情報から分離された設定情報に含まれるパスワード及び詳細設定情報を設定情報テーブルに格納させる。なお、制御部10は、印刷ジョブ情報から分離した設定情報に、付加画像データを印刷装置1で保存することが設定されているか否かを判断する。付加画像データを印刷装置1で保存することが設定されている旨を示す情報が含まれている場合、制御部10は、印刷ジョブ情報から分離された付加画像データを記憶部12の所定の記憶領域に記憶させる。
【0084】
親展印刷が設定されていないと判断した場合(S12:NO)、制御部10は、ステップS11で付加画像データを分離できたか否かに基づいて、印刷対象のドキュメントに合成すべき付加画像があるか否かを判断する(S14)。合成すべき付加画像があると判断した場合(S14:YES)、制御部10は、ステップS11で分離されたドキュメントに付加画像データを合成する(S15)。そして、制御部10は、得られた印刷用データに基づいて印刷を行ない(S16)、処理を終了する。
【0085】
一方、合成すべき付加画像がないと判断した場合(S14:NO)、制御部10は、ステップS15の処理をスキップし、ステップS11で分離されたドキュメントに基づいて印刷を行ない(S16)、処理を終了する。なお、ステップS11で印刷ジョブ情報から付加画像データを分離できなかった場合、制御部10は、印刷対象のドキュメントに合成すべき付加画像がないと判断する。
【0086】
上述したように、本実施形態の印刷装置1は、親展印刷が設定された印刷ジョブ情報を取得した場合、取得した印刷ジョブ情報を記憶部12に一旦記憶させておく。また、親展印刷が設定されていない印刷ジョブ情報を取得した場合、印刷装置1は、取得した印刷ジョブ情報に基づく印刷処理を行なう。なお、このとき、印刷対象のドキュメントに対して、印刷時に付加画像を合成するように設定されていれば、印刷装置1は、付加画像が合成された印刷物を生成し、印刷時に付加画像を合成しないように設定されていれば、付加画像が合成されていない印刷物を生成する。よって、親展印刷が設定されていないドキュメントに対しては、ドキュメント毎に付加画像を合成するか否かの設定が可能である。
【0087】
次に、上述した処理によって親展印刷が設定された印刷ジョブ情報を記憶部12に蓄積している印刷装置1が行なう親展印刷処理について説明する。図9及び図10は印刷装置1による親展印刷処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、印刷装置1のメモリ11に格納されている制御プログラムに従って、制御部10によって実行される。
【0088】
印刷装置1の制御部10は、図6(a)に示すログイン画面の表示中に、ユーザによってユーザ名及びパスワードが入力された場合、ユーザ名及びパスワードを受け付ける(S21)。制御部10は、受け付けたユーザ名及びパスワードがユーザ情報テーブルに登録されているか否かを判断し(S22)、登録されていないと判断した場合(S22:NO)、ステップS21に処理を戻す。具体的には、制御部10は、図6(a)に示すログイン画面の表示に処理を戻す。
【0089】
受け付けたユーザ名及びパスワードがユーザ情報テーブルに登録されていると判断した場合(S22:YES)、制御部10は、図6(b)に示す親展印刷リストを生成し、ユーザI/F部13に表示する(S23)。具体的には、制御部10は、ステップS21で受け付けたユーザ名が、設定情報テーブルに登録されているか否かを検索し、登録されていれば、対応するジョブIDの印刷ジョブ情報に含まれるドキュメントのファイル名及び受付日時を記憶部12から読み出す。そして、制御部10は、読み出したファイル名及び受付日時の一覧を表示した親展印刷リストを生成する。
【0090】
制御部10は、親展印刷リストに表示されたいずれかの印刷ジョブに対する親展印刷の実行を受け付ける(S24)。具体的には、制御部10は、親展印刷リストを介して選択された任意の印刷ジョブに対して、図6(c)に示す処理選択画面において印刷処理の実行が選択された場合、この印刷ジョブに対する親展印刷の実行を受け付ける。
【0091】
制御部10は、いずれかの印刷ジョブに対する親展印刷の実行を受け付けた場合、選択された印刷ジョブに対してパスワードが設定されているか否かを判断する(S25)。具体的には、制御部10は、選択された印刷ジョブに対応する設定情報にパスワードが含まれているか否かを判断し、含まれている場合、即ち、パスワードが設定されていると判断した場合(S25:YES)、図6(d)に示すパスワードの入力欄を表示する(S26)。
【0092】
制御部10は、パスワードの入力欄を介して入力されたパスワードを受け付け(S27)、受け付けたパスワードが、選択された印刷ジョブに対して設定されたパスワードに一致するか否かを判断する(S28)。パスワードが一致しないと判断した場合(S28:NO)、制御部10は、ステップS26に処理を戻し、図6(d)に示すパスワードの入力欄を表示する(S26)。なお、選択された印刷ジョブにパスワードが設定されていないと判断した場合(S25:NO)、制御部10は、ステップS26〜S28の処理をスキップする。
【0093】
パスワードが一致すると判断した場合(S28:YES)、制御部10は、合成判定処理を行ない(S29)、ステップS24で親展印刷の実行を受け付けた印刷ジョブに対して、ステップS21でユーザ名を受け付けたユーザが親展印刷を行なう際に、付加画像を合成すべきか否かを判定する。なお、合成判定処理の詳細については後述する。
【0094】
制御部10は、合成判定処理の結果、合成すると判定したか否かを判断し(S30)、合成すると判定した場合(S30:YES)、記憶部12に記憶してあるドキュメントに付加画像データを合成する(S31)。そして、制御部10は、得られた印刷用データに基づいて印刷を行ない(S32)、処理を終了する。一方、合成しないと判定した場合(S30:NO)、制御部10は、ステップS31の処理をスキップし、記憶部12に記憶してあるドキュメントに基づいて印刷を行ない(S32)、処理を終了する。
【0095】
次に、上述した印刷装置1による親展印刷処理における合成判定処理(図10中のステップS29)について説明する。図11は合成判定処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、印刷装置1のメモリ11に格納されている制御プログラムに従って、制御部10によって実行される。
【0096】
印刷装置1の制御部10は、ステップS24で親展印刷の実行を受け付けた印刷ジョブに対応する設定情報のうちで、現在ログイン中のユーザに対応する詳細設定情報を読み出す(S41)。制御部10は、この印刷ジョブの受付日時及び現在日時から、読み出した詳細設定情報に含まれる有効期間が経過したか否かを判断する(S42)。有効期間が経過したと判断した場合(S42:YES)、制御部10は、印刷対象のドキュメントに付加画像を合成しないと判定し(S48)、図10に示す親展印刷処理に戻る。
【0097】
有効期間が経過していないと判断した場合(S42:NO)、制御部10は、ステップS41で読み出した詳細設定情報において、「常に合成する」が設定されているか否かを判断する(S43)。「常に合成する」が設定されていると判断した場合(S43:YES)、制御部10は、印刷対象のドキュメントに付加画像を合成すると判定し(S44)、図10に示す親展印刷処理に戻る。
【0098】
「常に合成する」が設定されていないと判断した場合(S43:NO)、制御部10は、ステップS41で読み出した詳細設定情報において、「ユーザが選択」が設定されているか否かを判断する(S45)。「ユーザが選択」が設定されていないと判断した場合(S45:NO)、即ち、「常に合成しない」が設定されている場合、制御部10は、印刷対象のドキュメントに付加画像を合成しないと判定し(S48)、図10に示す親展印刷処理に戻る。
【0099】
「ユーザが選択」が設定されていると判断した場合(S45:YES)、制御部10は、図6(e)に示すような、付加画像を合成するか否かの選択を受け付ける選択画面をユーザI/F部13に表示させる(S46)。制御部10は、選択画面を介して「合成する」ボタンが操作されたか否かを判断し(S47)、「合成する」ボタンが操作されたと判断した場合(S47:YES)、印刷対象のドキュメントに付加画像を合成すると判定し(S44)、図10に示す親展印刷処理に戻る。一方、「合成する」ボタンが操作されていないと判断した場合(S47:NO)、即ち、「合成しない」ボタンが操作された場合、制御部10は、印刷対象のドキュメントに付加画像を合成しないと判定し(S48)、図10に示す親展印刷処理に戻る。
【0100】
上述したように、本実施形態の印刷システム100では、電子文書(ドキュメント)を印刷する際に、任意の付加画像を合成させることによって、作成された印刷物の複製を防止できる。具体的には、複製を禁止するための地紋パターン等をドキュメントに合成させて印刷することにより、印刷物の不正複製を牽制でき、情報の漏洩が制限できる。また、所定の地紋(付加画像)が合成された原稿(印刷物)を読み取った場合にコピーを禁止するように複合機を構成した場合、この印刷物の複製が自動的に禁止できる。
【0101】
また、本実施形態の印刷システム100では、電子文書に対して親展印刷を設定した場合に、親展印刷の実行を許可するユーザ毎に、ドキュメントに付加画像を合成させるか否かを設定できる。よって、ユーザ毎に、付加画像を合成させた印刷物と、付加画像を合成させない印刷物とを提供できる。即ち、印刷物の不正複製を禁止する必要があるユーザに対しては、地紋パターン等の付加画像を合成させた印刷物を提供し、印刷物の不正複製を禁止する必要がないユーザに対しては、付加画像を合成させない印刷物を提供する。また、ドキュメントに付加画像を合成させるか否かを、親展印刷の実行が許可されたユーザが選択できるように設定することもできる。この場合、印刷物の提供を受けるユーザ毎に、付加画像が合成された印刷物又は付加画像が合成されていない印刷物を選択できる。
【0102】
更に、本実施形態の印刷システム100では、ユーザ毎に設定した条件に有効期間を設定することにより、期間限定で地紋パターン等の付加画像をドキュメントに合成付加することもできる。例えば、最新情報について所定期間中は自部門内に留めておきたい場合に、所定期間内に限り、その旨を記述したパターンをドキュメントに合成して印刷するような処理が可能となる。
【0103】
以上、本発明の好適な実施形態について具体的に説明したが、各構成及び動作等は適宜変更可能であって、上述の実施形態に限定されることはない。
【符号の説明】
【0104】
1 印刷装置
10 制御部
2 情報処理装置
20 制御部
22 記憶部
100 印刷システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷情報を外部の印刷装置へ伝送し、伝送した印刷情報に基づく印刷処理を前記印刷装置に行なわせる情報処理装置において、
印刷情報に付加すべき1又は複数の画像情報を記憶する記憶部と、
該記憶部に記憶してある画像情報から、前記印刷装置へ伝送する印刷情報に付加する画像情報の選択を受け付ける選択受付部と、
前記印刷処理の実行を許可されたユーザ毎に、前記選択受付部が選択を受け付けた画像情報を前記印刷情報に付加すべきか否かを設定する設定部と、
前記印刷情報、前記選択受付部が選択を受け付けた画像情報、及び前記設定部が設定した設定情報を含む印刷ジョブ情報を生成する生成部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記設定部は、前記選択受付部が選択を受け付けた画像情報を前記印刷情報に付加するか否かを示す設定情報、又は前記画像情報を前記印刷情報に付加するか否かをユーザに選択させることを示す設定情報のいずれかを設定するようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記設定部は、前記ユーザ毎に、設定した情報の有効期間を設定するようにしてあることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
印刷情報を取得し、取得した印刷情報に基づいて印刷処理を行なう印刷装置において、
印刷情報、該印刷情報に付加すべき画像情報、及び前記印刷情報に基づく印刷処理の実行を許可されたユーザ毎に、前記印刷情報に前記画像情報を付加すべきか否かを示す設定情報を含む印刷ジョブ情報を取得する取得部と、
該取得部が取得した印刷ジョブ情報に基づく印刷処理を実行するユーザ毎に、前記印刷ジョブ情報に含まれる設定情報に基づいて、前記印刷情報に前記画像情報を付加すべきか否かを判定する判定部と、
該判定部による判定結果に基づき、前記印刷情報に前記画像情報を付加する画像付加部と、
該画像付加部が前記画像情報を付加した前記印刷情報に基づいて印刷処理を行なう印刷処理部と
を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
前記取得部が取得した印刷ジョブ情報に含まれる設定情報が、前記画像情報を前記印刷情報に付加するか否かをユーザに選択させることを示す場合、前記画像情報を前記印刷情報に付加するか否かの選択を受け付ける受付部を備え、
前記判定部は、前記受付部が前記画像情報を前記印刷情報に付加する選択を受け付けた場合、前記印刷情報に前記画像情報を付加すると判定するようにしてあることを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記取得部が取得した印刷ジョブ情報に含まれる設定情報が、該設定情報の有効期間を含む場合、前記取得部が前記印刷ジョブ情報を取得してから前記有効期間を経過したか否かを判断する判断部を備え、
前記判定部は、前記判断部が有効期間を経過していないと判断した場合、前記印刷ジョブ情報に含まれる設定情報に基づいて、前記印刷情報に前記画像情報を付加すべきか否かを判定するようにしてあることを特徴とする請求項4又は5に記載の印刷装置。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理装置と、
請求項4に記載の印刷装置とを備え、
該印刷装置は、前記情報処理装置から伝送されてきた印刷ジョブ情報に基づいて印刷処理を行なうようにしてあることを特徴とする印刷システム。
【請求項1】
印刷情報を外部の印刷装置へ伝送し、伝送した印刷情報に基づく印刷処理を前記印刷装置に行なわせる情報処理装置において、
印刷情報に付加すべき1又は複数の画像情報を記憶する記憶部と、
該記憶部に記憶してある画像情報から、前記印刷装置へ伝送する印刷情報に付加する画像情報の選択を受け付ける選択受付部と、
前記印刷処理の実行を許可されたユーザ毎に、前記選択受付部が選択を受け付けた画像情報を前記印刷情報に付加すべきか否かを設定する設定部と、
前記印刷情報、前記選択受付部が選択を受け付けた画像情報、及び前記設定部が設定した設定情報を含む印刷ジョブ情報を生成する生成部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記設定部は、前記選択受付部が選択を受け付けた画像情報を前記印刷情報に付加するか否かを示す設定情報、又は前記画像情報を前記印刷情報に付加するか否かをユーザに選択させることを示す設定情報のいずれかを設定するようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記設定部は、前記ユーザ毎に、設定した情報の有効期間を設定するようにしてあることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
印刷情報を取得し、取得した印刷情報に基づいて印刷処理を行なう印刷装置において、
印刷情報、該印刷情報に付加すべき画像情報、及び前記印刷情報に基づく印刷処理の実行を許可されたユーザ毎に、前記印刷情報に前記画像情報を付加すべきか否かを示す設定情報を含む印刷ジョブ情報を取得する取得部と、
該取得部が取得した印刷ジョブ情報に基づく印刷処理を実行するユーザ毎に、前記印刷ジョブ情報に含まれる設定情報に基づいて、前記印刷情報に前記画像情報を付加すべきか否かを判定する判定部と、
該判定部による判定結果に基づき、前記印刷情報に前記画像情報を付加する画像付加部と、
該画像付加部が前記画像情報を付加した前記印刷情報に基づいて印刷処理を行なう印刷処理部と
を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
前記取得部が取得した印刷ジョブ情報に含まれる設定情報が、前記画像情報を前記印刷情報に付加するか否かをユーザに選択させることを示す場合、前記画像情報を前記印刷情報に付加するか否かの選択を受け付ける受付部を備え、
前記判定部は、前記受付部が前記画像情報を前記印刷情報に付加する選択を受け付けた場合、前記印刷情報に前記画像情報を付加すると判定するようにしてあることを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記取得部が取得した印刷ジョブ情報に含まれる設定情報が、該設定情報の有効期間を含む場合、前記取得部が前記印刷ジョブ情報を取得してから前記有効期間を経過したか否かを判断する判断部を備え、
前記判定部は、前記判断部が有効期間を経過していないと判断した場合、前記印刷ジョブ情報に含まれる設定情報に基づいて、前記印刷情報に前記画像情報を付加すべきか否かを判定するようにしてあることを特徴とする請求項4又は5に記載の印刷装置。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理装置と、
請求項4に記載の印刷装置とを備え、
該印刷装置は、前記情報処理装置から伝送されてきた印刷ジョブ情報に基づいて印刷処理を行なうようにしてあることを特徴とする印刷システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−34221(P2011−34221A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−178152(P2009−178152)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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