説明

情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び、電子機器

【課題】基準位置に専用の気圧センサを設けず、階を特定ができる情報処理装置を提供する。
【解決手段】複数階の建物内の各階に存在する、気圧センサを有する複数の電子機器とネットワークを介して接続され、当該複数の電子機器が測定した気圧値を取得する取得部と、取得した複数の気圧値に基づいて同じ値の気圧値の度数を算出し、当該度数に基づいて気圧値を分類し、当該分類された気圧値に、建物の階を対応付ける対応情報を生成する設定部と、いずれかの電子機器から、電子機器を識別する識別情報とともに気圧値を受信した場合、生成された対応情報に基づいて該気圧値に対応づけられた建物の階に関する情報を、送信する送信部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び、電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話装置などの電子機器には、GPS(Gloval Positioning System)などを利用した位置特定部や大気圧を測定する気圧センサなどの測定装置が搭載されるようになってきた。
【0003】
このうち、この気圧センサを利用して、現在の場所における高度や建物の階数を特定したいという要望がある。しかし、気圧は、天候の変化に伴う大気圧に起因して随時変化しているため、気圧センサの値(以下気圧センサ値)から直接、高度や建物の階数を特定する事ができない。
【0004】
このため、従来は、以下の手法により、電子機器の現在の高度や階数を特定していた。
【0005】
即ち、予め、高度が分かっている基準位置に専用の気圧センサを設けておく。そして、電子機器は、通信により、この専用の気圧センサの現在の気圧センサ値を取得し、電子機器に搭載されている気圧センサによる気圧センサ値との差を求め、求めた差によって基準位置との高度差を求める事で、高度を求める。従来の技術においては、建物の階を特定するために、さらに、求めた高度を階数に換算する処理を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−245027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のように、基準位置に設置した専用の気圧センサと、電子機器の現在位置との気圧差から建物の階数を正確に特定しようとすると、以下の課題が生じる。
【0008】
まず、階数ごとの標高差がメートル単位程度と大きくないため、建物が建っている土地の標高が、気圧センサの設置位置の標高と少しでも異なっていれば、階数を正確に特定することが難しくなる。よって、気圧センサの設置位置の標高と、建物の位置における標高との差を予め情報として取得しておき、補正を行なう必要がある。これを実現するには、各建物の標高と、気圧センサが設置された位置の標高との差を、数十センチ程度の精度で取得できることが望ましい。即ち、このような精度の情報を取得・管理するには大きな手間がかかってしまう。
【0009】
この課題を解消するために、建物単位で、基準の気圧センサを設けることも考えられるが、階数の特定は、専用の気圧センサが設置された建物しかできず、制限がある。
【0010】
加えて、建物の階数毎の標高差は、一般に3〜5m程度であるが、建物によって標高差が異なっている。このため、従来のように、標高差で階数を特定するには、各建物の階数ごとの標高差の情報を予め管理しておく必要がある。
【0011】
本技術は、これらの課題に鑑み、基準位置に専用の気圧センサを設けず、かつ、各種建物の階数ごとの標高差に関する情報を管理せずとも、階を特定できる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本技術は、複数階の建物内の各階に存在する、気圧センサを有する複数の電子機器とネットワークを介して接続され、当該複数の電子機器が測定した気圧値を取得する取得部と、取得した複数の気圧値に基づいて同じ値の気圧値の度数を算出し、当該度数に基づいて気圧値を分類し、当該分類された気圧値に、建物の階を対応付ける対応情報を生成する設定部と、いずれかの電子機器から、電子機器を識別する識別情報とともに気圧値を受信した場合、生成された対応情報に基づいて該気圧値に対応づけられた建物の階に関する情報を、送信する送信部と、とを有する。
【発明の効果】
【0013】
本技術は、上記構成により、基準位置に専用の気圧センサを設けず、かつ、各種建物の標高差に関する情報を管理せずとも、正確に階数特定ができる情報処理装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施の形態における情報処理システムのハードウエア図である。
【図2】本実施の形態における情報処理システムの機能ブロック図である。
【図3】本実施の形態における建物の気圧幅を取得するための原理について説明した概要図
【図4】本実施の形態における建物の気圧幅を取得するための原理について説明した概要図
【図5】本実施の形態の携帯電話装置2aが行なう処理のフローチャートである。
【図6】本実施の形態の携帯電話装置2aが行なう、気圧センサ値・位置情報取得処理のフローチャートである。
【図7】本実施の形態の定期通知情報220aを示した図である。
【図8】本実施の形態の階数取得リクエスト220bを示した図である。
【図9】本実施の形態のレスポンス110aを示した図である。
【図10】本実施の形態の携帯電話装置2aで表示される位置特定結果を示した図である。
【図11】本実施の形態のサーバ1の処理を示したフローチャートである。
【図12】本実施の形態の気圧センサ値蓄積部146aに蓄積されている蓄積情報100を示した図である。
【図13】本実施の形態の気圧幅設定部143aの処理を示したフローチャートである。
【図14】本実施の形態の対象となる建物の概要を示した図である。
【図15】本実施の形態の、建物位置情報記憶部145aに記憶されている建物位置情報101を示した図である。
【図16】本実施の形態の気圧幅設定部143aが抽出した気圧センサ値の値単位の集計結果600aを示す図である。
【図17】本実施の形態の気圧幅設定部143aが、選択するピーク値6001〜6004を説明する図である。
【図18】本実施の形態の気圧幅設定部143aが、気圧幅6010〜6040を設定する際の説明する図である。
【図19】本実施の形態の気圧幅設定部143aが、気圧幅6010〜6040を設定する際の説明する図である。
【図20】本実施の形態の気圧幅情報102を示した図である。
【図21】本実施の形態の階数特定部144aによる処理を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本実施の形態における情報処理システムのハードウエア図である。
【0016】
本実施の形態の情報処理システムは、情報処理装置の一種であるサーバ1、電子機器の一種である複数の携帯電話装置2a〜2n、ネットワーク3、及び、携帯電話装置2a〜2nとネットワーク3との通信の中継を行なう基地局4a〜4nとを有する。
【0017】
このうち、サーバ1は、CPU(中央処理装置)11,RAM(Random Access Memory)12,及びROM(Read Only Memory)13,HDD(Hard Disk Drive)14を有する。さらにサーバ1は、ネットワーク3,基地局4a〜nなどを経由して、携帯電話装置2a〜2nとの通信を行なう通信インターフェース15、及び、内部時計17とを有する。
【0018】
また、これら、CPU11,RAM12,ROM13,HDD14,通信インターフェース15、内部時計17は、バス16にて接続されている。
【0019】
HDD14には、制御プログラム141、気圧センサ値管理プログラム142、気圧幅設定プログラム143、及び、階数特定プログラム144を含む各種プログラムが記憶されている。
【0020】
CPU11は、HDD14に記憶されているこれらプログラムを実行することにより、RAM12,ROM13,HDD14へのアクセスや、通信インターフェース15の制御を行うことで各種機能を実現する。
【0021】
また、HDD14は、上記した各種プログラム以外に。建物の位置情報を記憶した建物位置記憶領域145,携帯電話装置2a〜2nからの気圧センサ値を記憶する気圧センサ値蓄積領域146,及び、気圧幅情報102を蓄積する気圧幅記憶領域147とを有する。
【0022】
また、携帯電話装置2aは、基地局4a〜4n及びネットワーク3を経由して、サーバ1と通信を行なう無線インターフェース21を有する。さらに、携帯電話装置2aは、CPU(中央処理装置)22,RAM(Random Access Memory)23,及びROM(Read Only Memory)24を有する。さらに、携帯電話装置2aは、キーボードなどの入力部25、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示部26、気圧センサ27、及び、GPS(Gloval Positioning System)28を有する。 また、携帯電話装置2aの各構成要素は、バス29にて接続されている。また、CPU11は、ROM24内の通信制御プログラム241を実行することで、各種機能を実現する。
【0023】
なお、携帯電話装置2b〜2nは、上記した携帯電話機2aと同様の構成要素を有している。
【0024】
ネットワーク3は、基地局4a〜4nが接続される携帯電話用ネットワーク31と、サーバ1が接続されるインターネットなどの広域ネットワーク32とが接続されることで実現される。
【0025】
上記したように、サーバ1は、CPU11が、HDD14内の各種プログラム、携帯電話装置2a〜2nは、CPU22が、ROM24内の通信制御プログラム241を実行することで、各種機能を実現する。
【0026】
これら各種機能を実現した際の機能ブロック図を、図2に示す。
【0027】
まず、サーバ1について説明する。なお、HDD14内の建物位置情報記憶領域145、気圧センサ値蓄積領域146,及び、気圧幅記憶領域147は、HDD14という1つのハードウエア内に記憶されているものの、各々個別の記憶部として機能するものである。よって、図2では、建物位置情報記憶領域145、気圧センサ値蓄積領域146,及び、気圧幅記憶領域147を、それぞれ、建物位置情報記憶部145a、気圧センサ値蓄積部146a,及び、気圧幅記憶部147aとしてとして説明している。
【0028】
サーバ1において、CPU11が制御プログラム141を実行すると、サーバ1の全体制御を行なう制御部141aとして機能する。また、CPU11が、気圧センサ値管理プログラム142を実行すると、携帯電話装置2a〜2nから送られてくる気圧センサ値を、気圧センサ値蓄積部146aへ記憶する気圧センサ値記憶部142aとして機能する。
【0029】
さらに、CPU11が、気圧幅設定プログラム143を実行すると、気圧センサ値蓄積部146a、建物位置情報記憶部145aを参照して、建物毎の気圧幅を設定し、気圧幅記憶部147aへ蓄積する気圧幅設定部143aとして機能する。
【0030】
加えて、CPU11が、階数特定プログラム144を実行すると、携帯電話装置2a〜2nのいずれかから、階数特定のリクエストがあった場合、該携帯電話装置(2a〜2nのいずれか)の階を特定する階数特定部144aとして機能する。
【0031】
次に、携帯電話装置2aについて説明する。携帯電話装置2aのCPU22は、ROM24内の通信制御プログラム241を実行することにより、通信制御部241aとして機能する。この際、RAM23は、各種データを記憶させるための記憶部23aとして機能する。
【0032】
上記したように、携帯電話装置2b〜2nは、携帯電話装置2aと同じ構成要素を有しており、各携帯電話装置2b〜2nにおいても同様の機能が実現されているものとする。
【0033】
また、本実施の形態では、説明を容易にするため、基地局4a〜4nのうち、基地局4aを経由して通信する携帯電話装置2a〜2nを対象として説明する。しかしながら、実際には、他の基地局4a〜4nを使用した通信を行なうことを妨げるものではない。
【0034】
さらに、図1は、ハードウエア構成図のため、ネットワーク3の内部について説明したが、本実施の形態では、特に説明の必要がない限り、ネットワーク3として説明する。
【0035】
次に、本実施の形態で、各携帯電話装置2a〜nが取得した気圧センサ値から、建物の気圧幅を取得するための原理について図3、図4の概要図を用い説明する。
【0036】
なお、携帯電話装置2a〜nは、数が多いため、以下の説明では、全ての携帯電話装置2a〜nを総称する際には、携帯電話装置2と称して説明する。
【0037】
図3は、4階建ての建物5のイメージ図であり、1階51〜4階54を有しているものとする。また、各階の間には、それぞれ、階段512、523、534などの昇降のための設備が設置される。
【0038】
気圧は、標高が低いほど高いため、該建物5内の最下位の階、即ち、1階51の携帯電話装置2の気圧センサ値が最も高くなり、上階の携帯電話装置2の気圧センサ値になるほど低い値となる。
【0039】
また、一般に建物5は、床から天井までの距離は人の身長より高くなるよう設計されている。よって、人が立ったとしても、それより上方向に十分な空間が存在することになる。
【0040】
加えて、下の階の天井から上の階の床までには、配線スペースや、床の下地などがある。即ち、図3の携帯電話装置2nのように、階段512,523,534などの昇降設備でない限り、利用者が存在しない標高値が存在する。
【0041】
このため、建物5内の各携帯電話装置2からの気圧センサ値は、図3のグラフ6に示すように、各階51〜54毎に、出現頻度(度数)が他より高くなる値(ピーク値)61〜64が存在する。
【0042】
ただし、各携帯電話装置2の利用者は、立っている、座っているなど、1m程度の標高差を変化させながら種々活動を行なっている。また、携帯電話装置2の携帯もしくは設置状態も、胸ポケットに入れている、ズボンのポケットに入れている、机に置いているなど様々であり、それだけでも1m程度の標高差が生じる。
【0043】
このため、同じ階にある複数の携帯電話装置2でも、完全に同じ気圧センサ値を得ることができず、図3のグラフ6に示されるように、ピーク値前後の値にもある程度の数の気圧センサ値が出現している。ただし、階段512,523,534などを使用して昇降をおこなっている携帯電話装置2の利用者は、各階51〜54に留まっている利用者に比べ少数であり、ピーク値61〜64の特定に影響を与えることはなく、階数判定に影響を与えることはない。
【0044】
以上のことを踏まえ、本実施の形態の情報処理システムは、以下の手順にて階数の特定を行なう。
(1)建物5の各階51〜54に存在する複数の携帯電話装置2の気圧センサ値を取得/集計することでピーク値61〜64を特定する。
(2)特定したピーク値61〜64を元に、許容範囲を考慮した気圧幅(気圧センサ値の範囲)を設定し、気圧幅が示す値の範囲が高い方から順に1階・2階というように低層階から関連付けておくことにより、気圧値を分類しておく。
(3)いずれかの携帯電話装置2から、気圧センサ値を含む階数特定のリクエストを取得した場合、取得した気圧センサ値が、該気圧幅のいずれに含まれるかを特定する。
【0045】
このようにすることで、本実施の形態の情報処理システムは、基準位置に専用の気圧センサを設けず、かつ、各種建物の標高差に関する情報を管理せずとも、階数特定ができる情報処理システムを提供することが可能となる。
【0046】
以下に、上記してきた原理を実現する本実施の形態の情報処理システムの具体的な処理について説明する。
【0047】
まず、図5のフローチャートを用いて、携帯電話装置2aが行なう処理について説明する。なお、携帯電話装置2b〜nの処理については、明記しないものの、上記したように、携帯電話装置2aと同様の構成要素を有している事から、その処理も同様の処理を行っているものとする。
【0048】
携帯電話装置2aの制御は、通信制御部241aによって行われている。この通信制御部241aは、定期的に、気圧センサ27が取得した気圧の値(気圧センサ値)を、サーバ1へ送信する処理を行なっている。この処理は具体的には、図5のS1001〜S1004の処理によって行われる。
【0049】
即ち、通信制御部241aは、前回の処理より所定時間(本実施の形態では10分)経過したかを確認する(S1001)。ここで、所定時間が経過していれば、通信制御部241aは、気圧センサ27から気圧センサ値、GPS28から現在位置を取得する(S1002)。
【0050】
この取得は、図6のフローチャートに基づく処理が行われる。即ち、通信制御部241aは、気圧センサ27より、気圧センサ値を取得し(S2001)、記憶部23aに記憶する(S2002)。そして、通信制御部241aは、GPS28より、位置情報を取得し(S2003)、記憶部23aに記憶する(S2004)という処理を行なう。なお、本実施の形態では、気圧センサ27からの気圧センサ値はhPa(ヘクトパスカル)の単位の値であるものとする。さらにGPS28からの位置情報は、LAT(緯度)、LNG(経度)を示す情報であるものとする。なお、GPS28の位置情報に含まれる、LAT(緯度)において、数値の前の「+」は北緯、「−」は南緯を表し、LNG(経度)に於いて、「+」は東経、「−」は西経を表すものとする。
【0051】
図5のフローチャートに戻り、通信制御部241aは、S1002の処理により気圧センサ値・位置情報を取得した後、記憶部23aに記憶した記憶センサ値・位置情報を元に、図7に示すような、サーバへ送信する定期通知情報220aを生成する(S1003)。この定期通知情報220aは、図7に示すように送信する情報の種別220a1、端末の識別情報である端末ID220a2、気圧センサ値220a3、位置情報220a4を含む。S1003の処理では、情報種別220a1は、定期的な通知を示す「定期通知」となっている。また、気圧センサ値220a3は、S1002の処理によって記憶部23aに記憶した気圧センサ27からの気圧センサ値である。さらに位置情報220a4は、S1002の処理によって記憶部23aに記憶したGPS28からの位置情報である。
【0052】
そして、通信制御部241aは、無線インターフェース21を制御して、サーバ1へ生成した定期通知情報220aを送信し(S1004)、S1001の処理へ戻る。
【0053】
また、S1001で、所定時間経過していないと判断された場合、通信制御部241aは、入力部25から気圧取得のリクエストがあったかを確認する(S1005)。即ち、S1005の処理は、操作者が、入力部25を操作して、気圧取得のリクエスト220bを行なったかを確認する処理である。
【0054】
このS1005にて、気圧取得のリクエストが無かったと判断した場合、通信制御部241aは、他の処理へ移行した後(S1006)、S1001へ処理を移行する。
【0055】
また、S1005にて、気圧取得のリクエストがあったと判断した場合、通信制御部241aは、S1002の処理と同じ処理、即ち、図6のフローチャートに示される、気圧センサ値、位置情報取得処理を行なう(S1007)。
【0056】
そして、通信制御部241aは、階数取得リクエスト220bを生成する(S1008)。この階数取得リクエスト220bは、図8に示すように送信する情報の種別220b1、端末ID220b2、気圧センサ値220b3、位置情報220b4を含む。S1008の処理の場合は、情報種別220b1は、階数取得リクエスト220bを示す「階数要求」となっている。また、気圧センサ値220b3は、S1007の処理によって記憶部23aに記憶した気圧センサ27からの気圧センサ値である。さらに位置情報220b4は、S1007の処理によって記憶部23aに記憶したGPS28からの位置情報である。
【0057】
そして、通信制御部241aは、無線インターフェース21を制御して、サーバ1へ生成した階数取得リクエスト220bを送信する(S1004)。
【0058】
その後、通信制御部241aは、S1009で送信した階数取得リクエスト220bに対するレスポンス110aを受信するまで待機し(S1010)、サーバ1からレスポンス110aを受信した場合、該レスポンス110aに基づき、表示部26に、位置特定の結果を表示させる(S1011)。
【0059】
S1010の処理で受信するレスポンス110aは、図9に示すものである。(なお、サーバ1における、レスポンス110aの生成については後述する。)
このレスポンス110aは、図9に示すように情報種別110a1、階数取得リクエスト220bを送信してきた携帯電話装置2の端末ID110a2、建物名110a3、階数110a4を含む。図9の例では、建物名110a3は、「Aビル」、階数は「4階」であることを示している。
【0060】
そして、通信制御部241aは、S1010の処理にて、このレスポンス110aを元に。表示部26に、図10に示すような、位置特定の結果を表示させる。
【0061】
なお、このS1010の処理を完了すると、通信制御部241aは、S1001の処理へ移行する。
【0062】
次に、図11を元に、サーバ1による処理について説明する。
【0063】
まず、サーバ1の制御部141aは、通信インターフェース15を介して、携帯電話装置2a〜nのいずれかからの情報を受信する処理を行なう(S3001)。
【0064】
ここで、携帯電話装置2a〜nのいずれかから情報を受信した場合、該情報が、階数特定リクエスト220bを示すものか否かを判定する(S3002)。上記したように、携帯電話装置2a〜nから送信される情報は、図7や図8に示すように「情報種別」を有しており、制御部141aは、この情報種別が「階数要求」となっていれば、階数特定リクエスト220bであると判断する。
【0065】
ここで、階数特定リクエスト220bではないと判断した場合、制御部141aは、S3001の処理にて受信した情報が定期通知情報220aか否かを判断する(S3003)。上記したように、携帯電話装置2a〜nから送信される情報は、図7や図8に示すように「情報種別」を有しており、制御部141aは、この情報種別が「定期通知」となっていれば、定期通知情報220aであると判断する。
【0066】
ここで、定期通知情報220aではないと判断した場合、制御部141aは、他の処理を実行し(S3004)、S3001の処理へ移行する。
【0067】
また、S3003の処理において、定期通知情報220aと判断した場合、制御部141aは、気圧センサ値管理部142aに対し、気圧センサ値蓄積部146aへ、受信した定期通知情報220a内の各種情報を蓄積するよう指示する(S3005)。この指示を受けた気圧センサ値管理部141aは、受信した定期通知情報220a内の各種情報を、気圧センサ値蓄積部146aに蓄積する。
【0068】
図12は、気圧センサ値蓄積部146aに蓄積されている情報の例を示したものである。以下、この気圧センサ値蓄積部146aに蓄積されている情報を蓄積情報100として説明する。蓄積情報100は、図12に示されるように、受信した定期通知情報220aに含まれる端末ID220a2を、端末ID100a、気圧センサ値220a3を気圧センサ値100b、位置情報220a4を位置情報100cとして蓄積している。そして、気圧センサ値管理部142aは、気圧センサ値蓄積部146aへ、これらの情報とともに、定期通知情報220aを受信した受信時刻100eをあわせて蓄積する。
【0069】
図11に戻り、このS3005の処理が完了すると、制御部141aは、前回の気圧幅設定処理(後述)より10分以上経過したかを確認し(S3006)、経過していなければ、S3004の処理へ移行する。
【0070】
S3006の処理において、10分以上経過したと判断すると、制御部141aは、気圧幅設定部143aに気圧幅設定処理を行なうよう指示を行なう(S3007)。このS3006,S3007の処理は、10分間隔で、S3007の気圧幅設定処理を行なうことを示している。
【0071】
この指示を受けた気圧幅設定部143aは、図13に示される処理を行なう。
【0072】
まず、気圧幅設定部143aは、建物位置情報記憶部145aを参照して、1つの建物に関する位置情報101を取得する(S4001)。
【0073】
例えば、図14に示すように、建物は、緯度、経度に対し、ある程度の範囲を持っている。そこで、建物位置情報記憶部145aに記憶されている建物位置情報101には、図15に示されるように、各建物(101aの項目、及び、10171,10172,10173・・・・)毎の緯度(LAT)101bの下限値101b1,上限値101b2が記憶されている。同様に、各ビルの経度(LNG)101cについても、下限値101c1、上限値101c2が蓄積されている。
【0074】
気圧幅設定部143aは、図13のS4001において、このうち1つ、例えば、ビルAに関する位置情報10171を取得する。
【0075】
次に気圧幅設定部143aは、気圧センサ値蓄積部146aに蓄積される蓄積情報100を参照し、S4001にて取得した位置情報10171に含まれる緯度101bの範囲内、経度101cの範囲内に入る位置情報100cに対応し、かつ、過去10分間の気圧センサ値100bを抽出する(S4002)。
【0076】
該取得時刻が18:09:00である場合、図12の蓄積情報100では、端末ID100aが「0591」の受信時刻情報100e・位置情報100cが該当するため、この気圧センサ値「1008.45hPa」が抽出される。
【0077】
そして、気圧幅設定部143aは、抽出した気圧センサ値の値単位での集計を行い、気圧の値の出現頻度のピーク値を抽出する(S4003)。
【0078】
図16は、図13のS6003の処理において、気圧幅設定部143aが抽出した気圧センサ値の値単位の集計結果600aを示す図である。なお、気圧幅設定部143aは、CPU11の処理によって実現する機能であり、実際には、該集計結果を数値情報として、該情報を集計しており、図16のようにグラフ化は行っていないが、説明を容易にするため、該集計情報をグラフ化したものを用いて説明する。
【0079】
そして、気圧幅設定部143aは、図16のように集計した各気圧センサ値の数、即ち、同じ値の出現頻度が、その前後の値の出現頻度より高い気圧センサ値(以下ピーク値)6001〜6004を抽出する。この本実施の形態の場合、ピーク値6001〜6004は、図17に示されるように、1008.85hPa、1008.60hPa、1008.40hPa、及び1008.10hPaが抽出される。
【0080】
そして、気圧幅設定部143aは、抽出したピーク値6001〜6004のうち、値が高い方から順に低階層から関連付けていく(S4004)。本実施の形態の場合、気圧幅設定部143aの処理により、各ピーク値6001〜6004と階数の対応は以下のように対応付けられることとなる。
・ピーク値6001(1008.85hPa)−1階
・ピーク値6002(1008.60hPa)−2階
・ピーク値6003(1008.40hPa)−3階
・ピーク値6004(1008.10hPa)−4階
そして、気圧幅設定部143aは、気圧幅の設定処理を行なう(図13:S4005)。具体的にこの設定処理は、以下のように行われる。
【0081】
気圧幅設定部143aは、各ピーク値6001〜6004の隣接する値同士の間隔を算出する。本実施の形態の場合、
・ピーク値6001−6002間 0.25hPa
・ピーク値6002−6003間 0.20hPa
・ピーク値6003−6004間 0.30hPa
となる。
【0082】
次に気圧幅設定部143aは、算出された間隔の平均を算出する。本実施例の場合、0.25hPaとなる。
【0083】
そして、この間隔を、ピーク値6001〜6004を中心とした各階の気圧幅6010〜6040として規定する。
【0084】
ただし、上記したように、ピーク値6001〜6004間の間隔は、完全に均一の間隔を示すとは限らない。このため、単純にピーク値6001〜6004を中央にして各気圧幅として設定してしまうと、図18の気圧幅6030のように、他の気圧幅6020と重複する(気圧センサ値6110で重複している)、もしくは、気圧幅6010〜6040のいずれにも含まれない気圧センサ値6100が発生してしまう場合がある。
【0085】
この状況に対応するため、気圧幅設定部143aは、気圧幅6010〜6040同士が重複せず、連続して設定するように設定する。気圧幅設定部143aは、この際、中心値がピーク値6001〜6004となる気圧幅6010〜6040が一番多くなるよう設定する。
【0086】
このようにして設定された例を図19に示す。この例では、ピーク値6003以外のピーク値6001,6002,6004は、各々の気圧幅6010,6020,6040の中央値であり、気圧幅設定部143aは、この気圧幅6010〜6040の値を各階の値として関連付けて設定する。
【0087】
気圧幅設定部143aは、上記のようにして、設定された気圧幅6010〜6040と各階とを対応付けた対応情報を、気圧幅情報102として気圧幅記憶部147aへ記憶する(S4006)。
【0088】
以上のようにして気圧幅設定部143aは、気圧値を気圧幅6010〜6040に分類する。
【0089】
この蓄積された気圧幅情報102の例を図20に示す。この図20に示されるように、気圧幅設定部143aのS4006の処理により、建物102aの階数102b毎に、S4005で設定された気圧幅6010〜6040の上限値102c・下限値102eが記憶される。
【0090】
このようにして、図13:S4006の処理を完了した気圧幅設定部143aは、建物位置情報記憶部145aのすべての建物について、S4001の処理で位置情報を取得したかを確認し(S4007)、取得していなければ、S4001の処理へ移行する。取得していれば、本処理は終了し、図11のS3004の処理へ移行する。
【0091】
図11の処理に戻り、制御部141aは、S3002にて、受信した情報が階数特定リクエスト220bであると判断した場合、階数特定部144aに階数特定処理を実行させる(S3008)。
【0092】
この処理について、図21を参照し、以下説明する。
【0093】
まず、階数特定部144aは、図21に示されるように、階数特定リクエスト220b内にある位置情報220b4と、建物位置情報記憶部145aにある建物位置情報101とを照合することにより、対象の建物を特定する(S5001)。
【0094】
図8に示される階数特定リクエスト220bの場合、その位置情報220b4は、図15の建物位置情報101の「Aビル」の範囲内であるため、階数特定部144aは、対象建物として、「Aビル」を特定する。
【0095】
次に、階数特定部144aは、気圧幅記憶部147aから、S5001の処理で抽出された建物の気圧幅情報102と、階数特定リクエスト220bの気圧センサ値220b3とを比較し、階数を特定する(S5002)。
【0096】
図8の示す階数特定リクエスト220bの場合、S5001の処理にて「Aビル」と特定されたので、その気圧センサ値220b3は、図20に示されるAビルの気圧幅情報102と比較される。ここでは、「4階」の気圧幅内に、該気圧センサ値220b3が含まれているので、階数特定部144aは、階数が「4階」であると特定する。
【0097】
この階数特定部144aによる特定が完了すると、制御部141aは、特定された階数・建物名を元に、レスポンス110aを作成する。このレスポンス110aは、図9に示されるように、情報種別110a1として、レスポンスであることを示す「階数応答」、階数特定リクエスト220bを送信してきた携帯電話装置2の端末ID110a2、S5001で特定された建物名110a3、S5002で特定された階数100a4を含む。そして、制御部141aは、通信インターフェース15を制御して、作成したレスポンス110aを、階数特定リクエスト220bを送信してきた携帯電話装置2へ送信する(図11:S3009)。
【0098】
以上のように、本実施の形態では、サーバ1は、各携帯電話装置2a〜nより、気圧センサ値及び位置情報を収集しておく。そして、サーバ1は、この収集された情報を元に、定期的に気圧幅情報102を生成蓄積する。さらにサーバ1は、ある携帯電話装置2から気圧センサ値及び位置情報を含む階数特定リクエスト220bを受信し、蓄積されている各建物の気圧幅情報102と比較することで、建物とその階数を特定する。この構成により、本実施の形態では、基準となる専用の気圧センサを設定しなくとも、階数を特定する事が可能となる。
【0099】
なお、本実施の形態では、位置情報による建物の特定を行なったが、例えば、その建物内で使用できない屋内用の携帯電話装置2の場合は、この位置情報を使用せず、接続可能なすべての携帯電話装置2a〜nからの気圧センサ値を元に気圧幅の設定を行っても良い。
【0100】
また、社給の携帯電話装置の場合、特定の建物内での使用が中心となるため、全ての携帯電話装置の気圧センサ値を元に気圧幅の設定を行っても、社給対象の会社の建物内部の階数を特定することは可能である。
【0101】
さらに、本実施の形態の場合、図13に示される処理にて気圧幅6010〜6040を特定したが、これに限るものではなく、例えば、ウォード法やK平均方などを利用し、与えられたデータを外的な基準なしで分類可能なクラスタ分類を利用して気圧幅の設定を行うようにしても良い。
【0102】
さらに、本実施の形態の場合、10分単位で、各建物の気圧幅を設定・仕切り直している。これは、気象条件により、気圧が随時変化していくため、定期的に気圧幅の見直しをおこない、より新しい気圧センサ値を使用した気圧幅を用いる方がより正確に階数の特定が可能になるためである。
【0103】
この10分という間隔は、気圧幅の精度に大きな影響を与えない限り、任意の時間で良い。
【0104】
なお、この間隔が短いほど、単位時間あたりで、該処理を処理する回数が大きくなるためサーバ1や各携帯電話装置2a〜nの処理負荷が大きくなる。
【0105】
逆に、上記したように、気圧は随時変化していることから、この間隔が長いほど、気圧幅値の精度が低下することになる。よって、これらのトレードオフを考慮した間隔にて、気圧幅部143aによる気圧幅の設定処理を実行することが望ましい。
【0106】
さらに、本実施の形態の場合、単純に、階数を出力するものであった。しかしながら、建物位置情報記憶部145aに、建物の、各階のサービス情報、例えば、デパートなどでは、1階−食品売り場、2階−婦人服売り場と対応付けた情報を蓄積しておき、階数特定部144aが、建物と階数を特定する際、さらに該情報を提供するようにすれば、携帯電話装置2a〜2nにさらに有用な情報を提供することが可能となる。
【0107】
なお、その情報の中に非常口が何階にあるなどの付加情報を付加することにより、避難する場合などに、携帯電話装置2a〜nの利用者に、一番近い避難経路を選択させるための情報を提供することも可能となる。
【0108】
また、本実施の形態では、階数を特定する処理は、情報処理装置の一種であるサーバ1が行ったが、サーバ1は、気圧幅情報102を蓄積する処理までを行い、携帯電話装置2からのリクエストに応じて、該気圧幅情報102を携帯電話装置2に送信するようにし、携帯端末装置2の通信制御部23が、受信した気圧幅情報102と気圧センサ27の気圧センサ値とを対比することで特定した階数に関する情報を取得するようにしても良い。
【0109】
更に、上記実施の形態では、階数特定リクエスト220bを送信してきた携帯電話装置2に階数の特定結果(レスポンス110a)を送信するようにしている。
【0110】
しかしながら、携帯電話装置2の通信制御部241aが送信する制御部定期通知情報220aにも端末ID220a2が付されている。そして、気圧センサ値蓄積部146aには図12に示すように、気圧センサ値100bと該端末ID100aとが記憶されている。
【0111】
よって、気圧幅設定部144aは、気圧幅6010〜6040を設定した後、気圧幅6010〜6040と気圧センサ値蓄積部146aを参照し、定期通知情報220aを送信してきた各携帯電話装置2が存在する建物及びその階数を特定する。そして、気圧幅設定部144aは、特定した各携帯電話装置2の建物・階数の情報を気圧センサ値蓄積部146aに蓄積する。そして、階数特定リクエスト220bを受信した場合、気圧センサ値蓄積部146aを参照して、階数特定リクエスト220bに対応して特定した階に存在する携帯電話装置2に対し、関連する情報を送信するようにしても良い。これにより、例えば、出張者がオフィスに戻ってきたことをその階の社員に通知するなど、単に階数を知るのみでなく、建物に関する様々なサービスを提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0112】
1 サーバ
2a〜2n 携帯電話装置
3 ネットワーク
4a〜4n 基地局
11 CPU
12 RAM
13 ROM
14 HDD
15 通信インターフェース
16 バス
17 内部時計
21 無線インターフェース
22 CPU
23 RAM
24 ROM
25 入力部
26 表示部
27 気圧センサ
28 GPS
29 バス
31 携帯電話用ネットワーク
32 広域ネットワーク
141 制御ブログラム
141a 制御部
142 気圧センサ値管理プログラム
142a 気圧センサ値管理部
143 気圧幅設定プログラム
143a 気圧幅設定部
144 階数特定プログラム
144a 階数特定部
145 建物位置記憶領域
145a 建物位置情報記憶部
146 気圧センサ値蓄積領域
146a 気圧センサ値蓄積部
147 気圧幅記憶領域
147a 気圧幅記憶部
241 通信制御プログラム
241a 通信制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数階の建物内の各階に存在する、気圧センサを有する複数の電子機器とネットワークを介して接続され、当該複数の電子機器が測定した気圧値を取得する取得部と、
前記取得した複数の気圧値に基づいて同じ値の気圧値の度数を算出し、当該度数に基づいて気圧値を分類し、当該分類された気圧値に、前記建物の階を対応付ける対応情報を生成する設定部と、
いずれかの前記電子機器から、前記電子機器を識別する識別情報とともに気圧値を受信した場合、前記生成された対応情報に基づいて該気圧値に対応づけられた前記建物の階に関する情報を、送信する送信部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記送信部は、前記建物の階に関する情報を、前記識別情報に基づいて送信することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、当該複数の電子機器が測定した気圧値を前記電子機器を識別する識別情報とともに取得し、
前記設定部は、取得部が取得した各電子機器の気圧値と電子機器の識別情報、及び、前記対応情報を元に、前記電子機器の各々と前記建物の階とを関連付けし、
前記送信部は、前記気圧値に対応付けられた建物の階に関する情報を、該建物の階と関連付けられた電子機器へ送信することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記設定部は、所定時間毎に前記対応情報を生成する
事を特徴とする請求項1〜3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
位置特定部と、気圧センサを有する複数の電子機器からの各々の前記電子機器の位置情報と気圧の値を取得する取得部と、
建物ごとの位置情報を記憶した建物位置情報記憶部と、
前記建物位置情報記憶部に蓄積されている建物の位置に対応した気圧の値毎に、前記取得した複数の気圧値に基づいて同じ値の気圧値の度数を算出し、当該度数に基づいて気圧値を分類し、当該分類された気圧値に、該対象となる建物の階を対応付ける対応情報を生成する設定部と、
いずれかの前記電子機器から、前記電子機器を識別する識別情報とともに気圧値及び位置情報を受信した場合、前記建物位置記憶部を参照して、該受信した位置情報に対応する建物を特定し、前記生成された対応情報のうち、該特定した建物の対応情報を参照して、該受信した気圧値に対応づけられた該特定した建物の階に関する情報を送信する送信部と、
を有する情報処理装置。
【請求項6】
前記送信部は、前記建物の階に関する情報を、前記識別情報に基づいて送信することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記取得部は、当該複数の電子機器が測定した気圧値を前記電子機器を識別する識別情報とともに取得し、
前記設定部は、前記建物位置情報記憶部を参照し、前記各電子機器から取得した位置情報から、前記各電子機器と建物とを対応付けすると共に、前記取得部が取得した前記各電子機器の気圧値と前記各電子機器の識別情報、及び、前記対応情報を元に、前記電子機器の各々が対応する建物の階とを関連付けし、
前記送信部は、前記気圧値に対応付けられた該特定した建物の階に関する情報を、該特定した建物の階と関連付けられた電子機器へ送信することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記気圧幅設定部は、所定時間毎に気圧幅設定処理を実行する
事を特徴とする請求項5から7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが、
複数階の建物内の各階に存在する、気圧センサを有する複数の電子機器とネットワークを介して接続され、当該複数の電子機器が測定した気圧値を取得し、
前記取得した複数の気圧値に基づいて同じ値の気圧値の度数を算出し、当該度数に基づいて気圧値を分類し、当該分類された気圧値に、前記建物の階を対応付ける対応情報を生成し、
いずれかの前記電子機器から、前記電子機器を識別する識別情報とともに気圧値を受信した場合、前記生成された対応情報に基づいて該気圧値に対応づけられた前記建物の階に関する情報を、前記識別情報に基づいて送信する
事を特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
建物ごとの位置情報を記憶した建物位置情報記憶部へアクセス可能なコンピュータが、
位置特定部と、気圧センサを有する複数の電子機器からの各々の前記電子機器の位置情報と気圧の値を取得し、
前記建物位置情報記憶部に蓄積されている建物の位置に対応した気圧の値毎に、前記取得した複数の気圧値に基づいて同じ値の気圧値の度数を算出し、当該度数に基づいて気圧値を分類し、当該分類された気圧値に、該対象となる建物の階を対応付ける対応情報を生成し、
いずれかの前記電子機器から、前記電子機器を識別する識別情報とともに気圧値及び位置情報を受信した場合、前記建物位置記憶部を参照して、該受信した位置情報に対応する建物を特定し、前記生成された対応情報のうち、該特定した建物の対応情報を参照して、該受信した気圧値に対応づけられた該特定した建物の階に関する情報を送信する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータに、
複数階の建物内の各階に存在する、気圧センサを有する複数の電子機器とネットワークを介して接続され、当該複数の電子機器が測定した気圧値を取得させ、
前記取得した複数の気圧値に基づいて同じ値の気圧値の度数を算出し、当該度数に基づいて気圧値を分類し、当該分類された気圧値に、前記建物の階を対応付ける対応情報を生成させ、
いずれかの前記電子機器から、前記電子機器を識別する識別情報とともに気圧値を受信した場合、前記生成された対応情報に基づいて該気圧値に対応づけられた前記建物の階に関する情報を、前記識別情報に基づいて送信させる
事を特徴とする情報処理プログラム。
【請求項12】
建物ごとの位置情報を記憶した建物位置情報記憶部へアクセス可能なコンピュータに、
位置特定部と、気圧センサを有する複数の電子機器からの各々の前記電子機器の位置情報と気圧の値を取得させ、
前記建物位置情報記憶部に蓄積されている建物の位置に対応した気圧の値毎に、前記取得した複数の気圧値に基づいて同じ値の気圧値の度数を算出し、当該度数に基づいて気圧値を分類し、当該分類された気圧値に、該対象となる建物の階を対応付ける対応情報を生成させ、
いずれかの前記電子機器から、前記電子機器を識別する識別情報とともに気圧値及び位置情報を受信した場合、前記建物位置記憶部を参照して、該受信した位置情報に対応する建物を特定し、前記生成された対応情報のうち、該特定した建物の対応情報を参照して、該受信した気圧値に対応づけられた該特定した建物の階に関する情報を送信させる
ことを有する情報処理方法。
【請求項13】
表示部と、
気圧センサと、
複数階の建物内の各階に存在する、気圧センサを有する複数の電子機器からの気圧の値を取得して蓄積する蓄積部と、気圧幅を記憶する気圧幅記憶部と、前記蓄積部に蓄積されている気圧の値のうち、出現頻度の多い値を元に設定された気圧幅と、前記建物の階とを対応付けて前記気圧幅記憶部へ記憶する気圧幅設定処理を実行する気圧幅設定部を有する情報処理装置との通信を行なう通信部と、
前記通信部を制御して、前記情報処理装置の前記気圧幅記憶部に記憶されている前記気圧幅を取得し、該取得した気圧幅と前記気圧センサの気圧センサ値とを対比することで特定した階に関する情報を、前記表示部に表示する制御部と、
を有することを有する電子機器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−216984(P2012−216984A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−80471(P2011−80471)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】