説明

情報処理装置、情報処理方法およびプログラム

【課題】直感的な操作によって撮像を自在に制御する。
【解決手段】情報処理装置100は、被写体を撮像する撮像部110と、撮像部110の制御のための1つの操作子310が少なくとも表示される表示部120と、操作子310に対する第1の種類の操作および第2の種類の操作を取得する操作部130と、第1の種類の操作の操作量に応じてタイマー160を設定し、タイマー160の進行に応じて表示部120における操作子310の表示を変化させ、第2の種類の操作またはタイマー160の値に応じて撮像部110に被写体を撮像させる制御部150と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関し、特に、撮像を制御する情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置の1つとして、映像をデジタルデータとして記録するデジタルカメラが、現在広く用いられている。多くのデジタルカメラには、撮像の対象画像などの情報を表示するディスプレイを設けられている。また、PC(Personal Computer)、または携帯端末などにカメラを取り付けることも一般的である。この場合、PCなどのディスプレイに、カメラによる撮像の対象画像などの情報が表示される。
【0003】
そこで、ディスプレイをタッチスクリーンとして用いて、カメラの操作性を向上される技術が開発されている。例えば、特許文献1には、デジタルカメラのタッチスクリーンに対する複数の種類のなぞり操作に複数の撮影モードを対応付け、簡便かつ直感的な撮影モード切替操作を可能にする技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−055598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、カメラを用いて、ユーザ自身を被写体として撮像する場合、タイマー(いわゆるセルフタイマー)を用いることが一般的である。しかし、デジタルカメラでタイマーを用いる場合、設定画面などにおけるタイマーの設定の後にシャッターボタンを押すなど、複数の段階の操作が必要になり、操作が煩雑であるという問題があった。
【0006】
また、PCなどに取り付けられるカメラは、チャットなどのリアルタイム性をもったコミュニケーション手段において映像を送信するために用いられる場合がある。この場合、タイマーを設定後に再度調整したり、タイマーを打ち切って途中で撮影したりといった細かい操作が所望される場合があり、タイマーを用いるための操作が煩雑であるという問題は一層切実であった。
【0007】
しかし、従来の技術は、特許文献1に記載のように、ダイヤルまたはボタンの機能をタッチスクリーン上での操作に置き換えるにとどまっており、例えば上記のようなタイマー設定操作の煩雑さを解消するには至っていない。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、直感的な操作によって撮像を自在に制御することが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、被写体を撮像する撮像部と、上記撮像部の制御のための1つの操作子が少なくとも表示される表示部と、上記操作子に対する第1の種類の操作および第2の種類の操作を取得する操作部と、上記操作部によって上記第1の種類の操作が取得された場合に、上記第1の種類の操作の操作量に応じてタイマーを設定し、上記タイマーの進行に応じて上記表示部における上記操作子の表示を変化させ、上記操作部によって上記第2の種類の操作が取得された場合、または上記タイマーが満了した場合に、上記撮像部に上記被写体を撮像させる制御部と、を備える情報処理装置が提供される。
【0010】
かかる構成によれば、1つの操作子によって撮像のためのタイマーの設定と撮像の実行との両方の動作を制御でき、また、設定されるタイマーの長さを操作子に対する操作量として視覚的に把握でき、直感的な操作による撮像の自在な制御が実現される。
【0011】
上記操作子は、ボタンであり、上記第1の種類の操作は、上記ボタンのドラッグ操作であり、上記第2の種類の操作は、上記ボタンの押下操作であり、上記操作量は、上記ドラッグ操作による上記表示部における上記ボタンの移動距離であり、上記制御部は、上記タイマーの進行に応じて、上記表示部における上記ボタンの表示位置を、上記ドラッグ操作の方向に変化させてもよい。
【0012】
上記制御部は、上記タイマーの残り時間を、上記ドラッグ操作による上記表示部における上記ボタンの移動の軌跡として上記表示部に表示させてもよい。
【0013】
上記撮像部は、上記被写体の動画を撮像し、上記制御部は、上記ドラッグ操作による上記表示部における上記ボタンの移動距離に応じて、上記動画の撮像開始までのタイマーと、上記動画の持続時間のタイマーとを設定してもよい。
【0014】
上記操作部は、上記ボタンに対する、上記ドラッグ操作の方向とは異なる方向へのドラッグ操作を第3の種類の操作として取得し、上記制御部は、上記異なる方向へのドラッグ操作による上記表示部における上記ボタンの移動距離に応じて、上記撮像部に設定されているパラメータを変更してもよい。
【0015】
上記操作子は、ボタンであり、上記第1の種類の操作は、上記ボタンの所定の値以上の押圧力での押下操作であり、上記第2の種類の操作は、上記ボタンの上記所定の値未満の押圧力での押下操作であり、上記操作量は、上記所定の値以上の押圧力での押下操作において加えられた押圧力の大きさであり、上記制御部は、上記タイマーの進行に応じて、上記表示部における上記ボタンの表示サイズを変化させてもよい。
【0016】
上記制御部は、上記タイマーの残り時間を、上記所定の値以上の押圧力での押下操作の前後での上記ボタンの表示サイズの差として上記表示部に表示させてもよい。
【0017】
上記操作部は、上記ボタンに対するドラッグ操作を第3の種類の操作として取得し、上記制御部は、上記ドラッグ操作による上記表示部における上記ボタンの移動距離に応じて、上記撮像部に設定されている第1のパラメータを変更してもよい。
【0018】
上記操作部は、上記ボタンに対する、上記ドラッグ操作の方向とは異なる方向へのドラッグ操作を第4の種類の操作として取得し、上記制御部は、上記異なる方向へのドラッグ操作による上記表示部における上記ボタンの移動距離に応じて、上記撮像部に設定されている第2のパラメータを変更してもよい。
【0019】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、被写体を撮像する撮像部の制御のための1つの操作子を表示するステップと、上記操作子に対する第1の種類の操作および第2の種類の操作を取得するステップと、上記第1の種類の操作が取得された場合に、上記第1の種類の操作の操作量に応じてタイマーを設定し、上記タイマーの進行に応じて上記操作子の表示を変化させ、上記第2の種類の操作が取得された場合、または上記タイマーが満了した場合に、上記撮像部に上記被写体を撮像させるステップと、を含む情報処理方法が提供される。
【0020】
また、上記課題を解決するために、本発明のさらに別の観点によれば、被写体を撮像する撮像部の制御のための1つの操作子を表示する処理と、上記操作子に対する第1の種類の操作および第2の種類の操作を取得する処理と、上記第1の種類の操作が取得された場合に、上記第1の種類の操作の操作量に応じてタイマーを設定し、上記タイマーの進行に応じて上記操作子の表示を変化させ、上記第2の種類の操作が取得された場合、または上記タイマーが満了した場合に、上記撮像部に上記被写体を撮像させる処理と、をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように本発明によれば、直感的な操作によって撮像を自在に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置の外観を示す図である。
【図2】同実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図3】同実施形態における初期の操作画面の一例を示す図である。
【図4】同実施形態におけるタイマー設定中の操作画面の一例を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態におけるタイマー設定中の操作画面の一例を示す図である。
【図6】本発明の第3の実施形態におけるパラメータ設定前の操作画面の一例を示す図である。
【図7】同実施形態におけるパラメータ設定後の操作画面の一例を示す図である。
【図8】同実施形態における処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第4の実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図10】同実施形態における操作画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0024】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施形態
1−1.装置構成
1−2.操作画面の動作
2.第2の実施形態
3.第3の実施形態
3−1.操作画面の動作
3−2.処理フロー
3−3.変形例
4.第4の実施形態
4−1.装置構成
4−2.操作画面の動作
4−3.変形例
5.補足
【0025】
<1.第1の実施形態>
まず、図1〜4を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0026】
[1−1.装置構成]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置100の外観を示す図である。図1を参照すると、情報処理装置100は、撮像部110、およびタッチスクリーン140を有する。
【0027】
撮像部110は、被写体を撮像する。図示されている例において、撮像部110の被写体はユーザ自身であるが、それ以外の人や物であってもよい。撮像部110は、被写体の静止画を撮像してもよく、また動画を撮像してもよい。
【0028】
タッチスクリーン140は、ユーザに対して操作画面300を表示し、また操作画面300に対するユーザの操作を取得する。ユーザは、タッチスクリーン140を介して操作画面300を操作することによって、撮像部110を制御する。操作画面300は、シャッターボタン310、および対象画像320を含む。タッチスクリーン140、および操作画面300の詳細については後述する。
【0029】
ここで、情報処理装置100は、フォトフレーム型の端末装置として図示されているが、これには限られず、PC、携帯端末、デジタルカメラ、またはテレビなど、様々な装置でありうる。このうちPC、携帯端末、およびデジタルカメラの例について、以下で説明する。
【0030】
情報処理装置100がPCである場合、PCは、デスクトップ型、ノート型、タブレット型など、あらゆる種類でありうる。この場合、撮像部110は、PCに内蔵、またはUSB(Universal Serial Bus)などを介して外付けされたカメラであり、例えば、PCを操作するユーザを被写体とするWebカメラと呼ばれるものを含む。タッチスクリーン140は、PCに内蔵、またはDVI(Digital Visual Interface)などを介して外付けされたディスプレイであるが、タッチスクリーンの機能を有さないディスプレイと、マウスまたはタブレットなどのポインティングデバイスとによって代用されてもよい。操作画面300は、PCのアプリケーションソフトウェアなどによって表示される画面であり、タッチスクリーン140の一部または全部に表示される。操作画面300は、例えばチャットソフトなど他の機能を含むアプリケーションソフトウェアによって表示される画面の一部として表示されてもよい。
【0031】
情報処理装置100が携帯端末である場合、携帯端末は、例えば、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯ゲーム機などを含む。この場合、撮像部110は、携帯端末に内蔵、または外付けされたカメラである。タッチスクリーン140は、携帯端末のディスプレイ部分である。撮像部110が設置される面とタッチスクリーン140が設置される面とは、同じ面でもよく、反対側の面でもよい。操作画面300は、携帯端末の制御ソフトウェアまたはアプリケーションソフトウェアによって表示される画面であり、タッチスクリーン140の一部または全部に表示される。
【0032】
情報処理装置100がデジタルカメラである場合、撮像部110は、デジタルカメラのうちレンズおよび撮像素子などを含む部分である。タッチスクリーン140は、デジタルカメラに設けられたタッチスクリーンである。通常のデジタルカメラの場合、撮像部110が設置される面とタッチスクリーン140が設置される面とは反対側になる。操作画面300は、デジタルカメラの制御ソフトウェアなどによって表示される画面であり、通常はタッチスクリーン140の全部に表示される。
【0033】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置100の機能構成を示すブロック図である。図2を参照すると、情報処理装置100は、撮像部110、ディスプレイ120とタッチパネル130とを含むタッチスクリーン140、制御部150、タイマー160、および記憶部170を含む。
【0034】
撮像部110は、被写体の静止画または動画を撮像する。撮像部110は、レンズおよび撮像素子などを含み、さらに、アクチュエータ、モータドライブ、および信号処理回路などを必要に応じて含む。上述のように、撮像部110は、情報処理装置100に内蔵されていてもよく、またUSBなどを介して外付けされていてもよい。
【0035】
ディスプレイ120は、撮像部110の制御のためのシャッターボタン310を含む操作画面300が表示される表示部である。ディスプレイ120は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、または有機EL(Electro-Luminescence)パネルでありうる。操作画面300を含むディスプレイ120の表示内容は、制御部150によって制御される。
【0036】
タッチパネル130は、ディスプレイ120に表示されたシャッターボタン310に対するユーザの操作を取得する操作部である。タッチパネル130は、シャッターボタン310に対する第1の種類の操作である画面の左右方向へのドラッグ操作と、第2の種類の操作である押下操作とを取得する。ここでいう押下操作は、タッチパネル130上でシャッターボタン310をタップする操作である。なお、タッチパネル130の代わりに、上記の2種類の操作を取得可能なマウスまたはタブレットなどのポインティングデバイスが操作部として用いられてもよい。操作部がマウスである場合の上記の押下操作は、ディスプレイ120に表示されたシャッターボタン310をクリックする操作である。
【0037】
制御部150は、情報処理装置100の各部を制御する。制御部150の機能は、例えば集積回路などを含む回路構成によって実現されてもよく、また、記憶部170に格納されたプログラムをCPU(Central Processing Unit)が実行することによって実現されてもよい。
【0038】
ここで、制御部150は、タッチパネル130によってシャッターボタン310に対するドラッグ操作が取得された場合に、ドラッグ操作によるシャッターボタン310の移動距離に応じて、タイマー160のカウンタ値を設定する。制御部150は、例えば、移動距離から線形の関数によってタイマー160のカウンタ値を決定してもよい。また、制御部150は、移動距離から例えば対数関数などの非線形の関数によってタイマー160のカウンタ値を決定してもよい。
【0039】
また、制御部150は、タイマー160によるカウントダウンの進行に応じて、ディスプレイ120に表示された操作画面300におけるシャッターボタン310の表示を変化させる。具体的には、制御部150は、シャッターボタン310の表示位置を、ドラッグ操作の方向に、ドラッグ操作とは逆向きに変化させる。従って、シャッターボタン310の表示位置は、タイマー160によるカウントダウンの進行に応じて、ドラッグ操作による移動が徐々に巻き戻されていくように変化する。
【0040】
さらに、制御部150は、タッチパネル130によってシャッターボタン310に対する押下操作が取得された場合、またはタイマー160が満了した場合に、撮像部110に被写体の撮像を実行させる。つまり、制御部150は、ユーザによる撮影の指示、またはタイマー160の満了をトリガーとして、撮像部110に撮像を実行させる。
【0041】
タイマー160は、カウンタを有するカウントダウンタイマーである。タイマー160のカウンタ値は、シャッターボタン310に対するドラッグ操作によるシャッターボタン310の移動距離に応じて、制御部150によって設定される。カウンタ値の設定後、タイマー160は、カウンタ値のカウントダウンを開始する。カウンタ値が所定の量カウントダウンされるごとに、制御部150が、ディスプレイ120におけるシャッターボタン310の表示を変化させる。タイマー160が満了した場合、制御部150が、撮像部110に被写体の撮像を実行させる。
【0042】
記憶部170には、情報処理装置100における処理に必要なデータが格納される。例えば、記憶部170には、撮像部110によって撮像されたデジタルデータが格納される。また、記憶部170には、CPUに実行させることによって制御部150の機能を実現するプログラムが格納されてもよい。記憶部170は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などの記憶装置、および光ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記憶媒体を必要に応じて組み合わせて実装される。従って、上記のプログラムは、ネットワーク(図示せず)からダウンロードされて記憶装置に格納されるものでもよく、また予めリムーバブル記憶媒体に格納されたものでもよい。
【0043】
[1−2.操作画面の動作]
(初期の操作画面)
図3は、本発明の第1の実施形態における初期の操作画面300の一例を示す図である。図3を参照すると、操作画面300には、シャッターボタン310、タイマー設定可能時間表示312、および対象画像320が表示される。
【0044】
なお、以下の操作画面の動作の説明においては、ユーザがタッチパネル130を介したドラッグ操作および押下操作によってシャッターボタン310を操作するものとしているが、上述のように、情報処理装置100の操作部がマウスまたはタブレットなどのポインティングデバイスである場合にも、同様に、ドラッグ操作および押下操作によってシャッターボタン310を操作することが可能である。
【0045】
操作画面300は、情報処理装置100の撮像部110を制御するために、制御部150によってディスプレイ120に表示される。操作画面300は、ディスプレイ120の全部に表示されてもよく、一部に表示されてもよい。また、操作画面300の大きさは、ディスプレイ120上で調整可能であってもよい。
【0046】
シャッターボタン310は、撮像部110の制御のための操作子である。ユーザは、タッチパネル130を介して、シャッターボタン310に対するドラッグ操作および押下操作が可能である。シャッターボタン310は略矩形で図示されているが、どのような形でもよい。また、シャッターボタン310は、ボタンであることを示すために立体的に表示されてもよい。
【0047】
タイマー設定可能時間表示312は、シャッターボタン310がドラッグ可能な領域として表示される。図示されている例では、シャッターボタン310から画面左側に、タイマー設定可能時間表示312が表示されている。これは、シャッターボタン310が画面左にドラッグ操作可能であり、最大でタイマー設定可能時間表示312によって示される時間のタイマーを設定可能であることを示す。
【0048】
対象画像320は、撮像部110による撮像の対象となる画像である。対象画像320は、その時点で撮像部110に映っている画像であり、ユーザは対象画像320によって、撮像部110の方向や撮像のタイミングを調整することが可能である。
【0049】
ここで、ユーザがタッチパネル130を介してシャッターボタン310に対するドラッグ操作をした場合、制御部150は、シャッターボタン310をドラッグ操作に従って移動させ、その移動距離に応じてタイマー160を設定する。また、ユーザがタッチパネル130を介してシャッターボタン310に対する押下操作をした場合、制御部150は、撮像部110に被写体の撮像を実行させる。つまり、ユーザは、タイマー160を設定したい場合にはシャッターボタン310をドラッグし、すぐに撮影したい場合にはシャッターボタン310を押下する。
【0050】
このように、1つの操作子であるシャッターボタン310に対するドラッグ操作および押下操作の2種類の操作で、撮像までのタイマー設定、および撮像の実行の2種類の動作が可能であることによって、ユーザは、タイマー160を用いた撮像と、通常の撮像との操作の違いを意識することなく、これらを容易に使い分けることができる。
【0051】
(タイマー設定中の操作画面)
図4は、本発明の第1の実施形態におけるタイマー設定中の操作画面300の一例を示す図である。図4を参照すると、操作画面300には、シャッターボタン310、タイマー設定可能時間表示312、および対象画像320に加えて、タイマー残り時間表示314、およびタイマー残り時間補助表示316が表示される。
【0052】
ここで、シャッターボタン310は、タッチパネル130を介したユーザのドラッグ操作の結果、画面の左向きに移動して表示されている。情報処理装置100の制御部150は、このときの移動距離に応じてタイマー160のカウンタ値を設定する。タイマー160のカウンタ値が所定の量カウントダウンされるごとに、シャッターボタン310は、ドラッグ操作と同じ方向に、ドラッグ操作とは逆向きに移動して表示される。具体的には、シャッターボタン310は、タイマー160によるカウントダウンの進行に応じて、ドラッグ操作による移動が徐々に巻き戻されていくように移動し、初期表示の位置まで移動したときに、撮像部110によって撮像が実行される。
【0053】
このように、シャッターボタン310のドラッグ操作による移動距離に応じてタイマー160のカウンタ値が設定されることによって、ユーザは、アナログ的な視覚効果を伴う操作によって直感的にタイマー160の設定をすることができる。また、タイマー160によるカウントダウンの進行に応じてシャッターボタン310を移動させることによって、ユーザは、タイマー160のカウントダウンが進行中であることを直感的に把握することができる。
【0054】
タイマー残り時間表示314は、ドラッグ操作によるシャッターボタン310の移動の軌跡として表示される。つまり、タイマー残り時間表示314は、図3に示される初期の操作画面300におけるシャッターボタン310の位置から、図4に示されるタイマー設定中の操作画面300におけるシャッターボタン310の位置までの軌跡である。タイマー残り時間表示314は、シャッターボタン310、およびタイマー設定可能時間表示312とは異なる色で、識別が容易なように表示されてもよい。タイマー残り時間表示314の表示は、タイマー160のカウントダウンの進行に応じたシャッターボタン310の移動に伴って変化してもよい。
【0055】
このように、タイマー残り時間表示314が表示されることによって、ユーザは、タイマー160のカウンタ値、すなわち撮像部110による撮像までの残り時間を、自らのドラッグ操作の軌跡として直感的に把握することができる。
【0056】
タイマー残り時間補助表示316は、タイマー160のカウンタ値を数値化して表示するものである。タイマー残り時間補助表示316がタイマー残り時間表示314とともに操作画面300に表示され、タイマー設定中であること、および、撮像までの残り時間が、冗長性をもってユーザに提示されるようにしてもよい。
【0057】
以上で説明されたタイマー操作中の操作画面300において、ユーザがタッチパネル130を介してシャッターボタン310に対するドラッグ操作をした場合、制御部150は、シャッターボタン310をドラッグ操作に従って移動させ、その移動距離に応じてタイマー160を再設定する。また、ユーザがタッチパネル130を介してシャッターボタン310に対する押下操作をした場合、制御部150は、撮像部110に被写体の撮像を実行させる。つまり、ユーザは、タイマーを設定しなおしたい場合にはシャッターボタン310をドラッグし、すぐに撮影したい場合にはシャッターボタン310を押下する。
【0058】
このように、タイマー設定中でも、シャッターボタン310に対するドラッグ操作および押下操作が可能であり、撮像までのタイマーの再設定、および撮像の実行の2種類の動作が可能であることによって、ユーザは、最初のタイマーの設定が長すぎる、または短すぎると感じた場合に、タイマーのキャンセルなどの操作を減ることなく、直感的な操作によって容易にタイマーを再設定することができる。また、ユーザは、タイマー設定中に気が変わってすぐ撮像したくなった場合にも、タイマーのキャンセルなどの操作を減ることなく、直感的な操作によって容易に撮像を実行することができる。
【0059】
なお、上記で図3および図4を参照して説明された例においては、シャッターボタン310はタイマーのカウンタ値が0に相当する位置に初期表示されるものとしたが、例えば2秒、5秒などのカウンタ値が初期設定されていてもよい。この場合、初期の操作画面300においても、タイマー残り時間表示314およびタイマー残り時間補助表示316が表示されてもよい。
【0060】
<2.第2の実施形態>
次に、図5を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、本発明の第2の実施形態は、第1の実施形態と比べて、制御部150およびタイマー160の機能、ならびにタイマー設定中に表示される操作画面300において相違するが、その他の機能構成は第1の実施形態と略同一であるため、詳細説明は省略する。
【0061】
図5は、本発明の第2の実施形態におけるタイマー設定中の操作画面300の一例を示す図である。図5を参照すると、操作画面300には、シャッターボタン310、タイマー設定可能時間表示312、タイマー残り時間表示314、タイマー残り時間補助表示316、および対象画像320に加えて、撮像持続時間表示318が表示される。
【0062】
本実施形態において、撮像部110は、被写体の動画を撮像する。制御部150は、タッチパネル130が取得した、シャッターボタン310に対するドラッグ操作によるシャッターボタン310の移動距離に応じて、動画の撮像開始までのタイマー、および動画の持続時間のタイマーの、2種類のタイマーを設定する。2種類のタイマーの設定は、タイマー160が2つのカウンタを有することによって実現されてもよい。また、制御部150が、動画の撮像開始までのカウンタ値をタイマー160に設定し、タイマー160が満了して撮像が開始されたときに、動画の持続時間のカウンタ値をタイマー160に設定することによって実現されてもよい。
【0063】
操作画面300において、上記の2種類のタイマーは、例えばシャッターボタン310に対する2段階のドラッグ操作によって設定されてもよい。この場合、ユーザは、第1段階のドラッグ操作によって撮像の持続時間を設定し、第2段階のドラッグ操作によって撮像開始までの時間を設定する。上記の2段階のドラッグ操作は、例えばユーザの指がタッチパネル130から一旦離れることによって識別されてもよいし、ユーザの指がタッチパネル130上で一旦静止することによって識別されてもよい。
【0064】
このように、シャッターボタン310のドラッグ操作の移動距離に応じて2種類のタイマーが設定されることによって、ユーザは、動画の撮像における撮像の持続時間についても、アナログ的な視覚効果を伴う操作によって直感的に設定することができる。
【0065】
ここで、撮像持続時間表示318は、第1段階のドラッグ操作によるシャッターボタン310の移動の軌跡として表示され、タイマー残り時間表示314は、第2段階のドラッグ操作によるシャッターボタン310の移動の軌跡として表示される。撮像持続時間表示318は、タイマー設定可能時間表示312、およびタイマー残り時間表示314とは異なる色で、識別が容易なように表示されてもよい。また、タイマー残り時間表示314と撮像持続時間表示318との間には、図示されているような区切り線が表示され、「REC START」などの文字が表示されることによって、それぞれの表示が表す時間がユーザに容易に把握されるにしてもよい。撮像持続時間表示318の表示は、タイマー160のカウントダウンの進行に応じたシャッターボタン310の移動に伴って変化してもよい。
【0066】
このように、撮像持続時間表示318を表示することによって、ユーザは、動画の撮像における撮像の持続時間についても、自らのドラッグ操作の軌跡として直感的に把握することができる。
【0067】
<3.第3の実施形態>
次に、図6〜8を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、本発明の第3の実施形態は、第1および第2の実施形態と比べて、制御部150の機能、および操作画面300の表示において相違するが、その他の機能構成は第1または第2の実施形態と略同一であるため、詳細説明は省略する。
【0068】
[3−1.操作画面の動作]
(パラメータ設定前の操作画面)
図6は、本発明の第3の実施形態におけるパラメータ設定前の操作画面300の一例を示す図である。図6を参照すると、操作画面300には、シャッターボタン310、タイマー設定可能時間表示312、タイマー残り時間表示314、タイマー残り時間補助表示316、および対象画像320に加えて、画角設定表示330が表示される。
【0069】
ここで、ユーザは、タッチパネル130を介して、シャッターボタン310に対する第1の種類の操作である画面の左右方向へのドラッグ操作、および第2の種類の操作である押下操作に加えて、第3の種類の操作である、画面の上下方向へのドラッグ操作が可能である。制御部150は、画面の上下方向へのドラッグ操作によるシャッターボタン310の移動距離に応じて、撮像部110に設定されているパラメータである画角を変更する。なお、変更されるパラメータは、例えば、輝度、ホワイトバランス、または動画の撮像の持続時間などであってもよい。
【0070】
このように、1つの操作子であるシャッターボタン310に対する画面の上下方向へのドラッグ操作で、撮像部に設定されているパラメータの変更が可能であることによって、ユーザは、タイマーの設定時、またはタイマーの設定中に、画角、輝度、ホワイトバランス、または動画の撮像の持続時間などを、直感的な操作によって自由に調整することができる。
【0071】
画角設定表示330は、シャッターボタン310が画面の上下方向にドラッグ可能な領域として表示される。図示されている例では、シャッターボタン310から上下両側に、画角設定表示330が表示されている。これは、シャッターボタン310が画面上下の両方にドラッグ操作可能であり、画面の上下方向へのドラッグ操作によって、撮像部110に設定されている画角が変更されることを示す。画角設定表示330は、変更されるパラメータを表示する文字列を伴ってもよい。図示されている例では、シャッターボタン310を画面の上向きにドラッグするとズームイン、下向きにドラッグするとズームアウトする旨の文字列によって、撮像部110に設定されている画角のパラメータが変更されることが示されている。
【0072】
このように、画角設定表示330が表示されることによって、ユーザは、シャッターボタン310の画面上下方向へのドラッグ操作によって画角のパラメータが設定可能であること、およびドラッグの向きと画角のパラメータの増減との関係を容易に把握することができる。
【0073】
(パラメータ設定後の操作画面)
図7は、本発明の第3の実施形態におけるパラメータ設定後の操作画面300の一例を示す図である。図7を参照すると、操作画面300には、シャッターボタン310、タイマー設定可能時間表示312、タイマー残り時間表示314、タイマー残り時間補助表示316、対象画像320、および画角設定表示330が表示される。
【0074】
図示されている例において、制御部150は、撮像部110に設定されているパラメータの値に応じて、シャッターボタン310を画面の上下方向に移動させる。具体的には、シャッターボタン310が下向きにドラッグ操作されたことによって、撮像部110に設定されている画角のパラメータが変更され、変更された画角のパラメータに応じて、制御部150は、シャッターボタン310の位置を下向きに移動させる。ここで、シャッターボタン310が画面の下向きに移動して表示されるのに伴って、タイマー設定可能時間表示312、およびタイマー残り時間表示314も同様に、画面の下向きに移動して表示されてもよい。
【0075】
このように、シャッターボタン310が、撮像部110に設定されているパラメータに応じて移動することによって、ユーザは、撮像部110に設定されているパラメータの値を直感的に把握することができ、例えばパラメータの再設定をするか否かを容易に判断することができる。
【0076】
以上で説明されたパラメータ設定後の操作画面300において、ユーザがタッチパネル130を介して、シャッターボタン310に対する画面の上下方向のドラッグ操作をした場合、制御部150は、シャッターボタン310をドラッグ操作に従って移動させ、その移動距離に応じて、撮像部110に設定されているパラメータを再変更する。パラメータ変更後の操作画面300においても、シャッターボタン310に対する3種類の操作によって、タイマーの設定、撮像の実行、およびパラメータの変更のそれぞれの操作をすることが可能である。
【0077】
このように、パラメータ設定後にも、シャッターボタン310に対する画面の上下方向のドラッグ操作が可能であり、パラメータの再設定が可能であることによって、ユーザは、最初のパラメータ設定が適当でないと感じた場合に、容易にパラメータを再設定することができる。
【0078】
[3−2.処理フロー]
図8は、本発明の第3の実施形態における処理の一例を示すフローチャートである。図8を参照すると、情報処理装置100において所定の周期ごとに実行される処理が示されている。
【0079】
なお、以下で説明するフローチャートに記述されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的にまたは個別的に実行される処理をも含む。また、時系列的に処理されるステップでも、場合によっては適宜順序を変更することが可能である。
【0080】
まず、制御部150は、タッチパネル130によってシャッターボタン310に対する押下操作が取得されたか否かを判定する(ステップS101)。押下操作が取得されたと判定された場合、制御部150は、撮像部110に撮像を実行させ(ステップS103)、処理を終了する。一方、押下操作が取得されなかったと判定された場合、制御部150は、次に、タッチパネル130によってシャッターボタン310に対するドラッグ操作が取得されたか否かを判定する(ステップS105)。
【0081】
ステップS105において、ドラッグ操作が取得されたと判定された場合、制御部150は、次に、シャッターボタン310の移動量を取得する(ステップS107)。続いて、制御部150は、取得されたドラッグ操作が画面の上下方向のドラッグ操作であるか否かを判定する(ステップS109)。
【0082】
ステップS109において、ドラッグ操作が画面の上下方向のドラッグ操作であると判定された場合、制御部150は、次に、撮像部110に設定されている画角のパラメータを、ステップS107において取得したシャッターボタン310の移動量に応じて変更して設定し(ステップS111)、処理を終了する。一方、ドラッグ操作が画面の上下方向のドラッグ操作ではない、すなわち、他の方向である画面の左右方向のドラッグ操作であると判定された場合、制御部150は、次に、タイマー160のカウンタ値を、ステップS107において取得したシャッターボタン310の移動量に応じて設定し(ステップS113)、処理を終了する。
【0083】
一方、ステップS105において、ドラッグ操作が取得されなかったと判定された場合、制御部150は、タッチパネル130によるシャッターボタン310への操作はなかったと判断し、タイマー160を用いた処理に移行する。ここで、まず、制御部150は、タイマー160のカウンタ値が0よりも大きいか否かを判定する(ステップS115)。
【0084】
ステップS115において、タイマー160のカウンタ値が0よりも大きいと判定された場合、制御部150は、撮像までのタイマーが設定中であると判断し、タイマー160のカウンタ値を所定の量だけカウントダウンする(ステップS117)。ここでは、所定の量を1としている。ステップS117におけるタイマー160のカウンタ値のカウントダウンの後、制御部150は、タイマー160のカウンタ値が0であるか否かを判断する(ステップS119)。
【0085】
ステップS119において、タイマー160のカウンタ値が0であると判定された場合、制御部150は、タイマー160が満了したと判断し、撮像部110に撮像を実行させて(ステップS103)、処理を終了する。一方、タイマー160のカウンタ値が0ではないと判定された場合、制御部150は、処理を終了する。
【0086】
一方、ステップS115において、タイマー160のカウンタ値が0よりも大きくない、つまり0であると判定された場合、制御部150は、撮像までのタイマーは設定されていないと判断し、処理を終了する。
【0087】
[3−3.変形例]
本実施形態の変形例として、制御部150が、撮像部110に設定されているパラメータの値に応じて、シャッターボタン310を画面の上下方向に移動させた後、シャッターボタン310を元の位置に戻す、つまり、画角設定表示330における画面の上下方向の中央に戻す構成としてもよい。この場合、撮像部110に設定されているパラメータの値に応じて、画角設定表示330の一部の色を変化させるなどして、ユーザがパラメータの値を把握できるようにしてもよい。また、制御部150は、パラメータの設定後に、画面の左右方向のドラッグ操作によってタイマー設定がされるときに、画角設定表示330を非表示にしてもよい。
【0088】
このように、シャッターボタン310を元の位置に戻す構成によって、タイマー160の設定に関連する表示要素を一定の場所に表示し、ユーザの混乱や誤操作を防ぐことができる。また、制御部150が画角設定表示330を非表示とした後に、輝度、ホワイトバランス、または動画の撮像の持続時間など他のパラメータの設定表示を表示し、画面の上下方向のドラッグ操作によってこれらのパラメータを変更する構成とすることもできる。
【0089】
<4.第4の実施形態>
次に、図9および図10を参照して、本発明の第4の実施形態について説明する。なお、本発明の第4の実施形態は、第3の実施形態と比べて、タッチパネル230および制御部250の機能、ならびに操作画面400の表示において相違するが、その他の機能構成は第3の実施形態と略同一であるため、詳細説明は省略する。
【0090】
[4−1.装置構成]
図9は、本発明の第4の実施形態に係る情報処理装置200の構成を示すブロック図である。図9を参照すると、情報処理装置200は、撮像部110、ディスプレイ120とタッチパネル230とを含むタッチスクリーン240、制御部250、タイマー160、ならびに記憶部170を含む。
【0091】
情報処理装置200は、第3の実施形態に係る情報処理装置100と同様に、PC、携帯端末、デジタルカメラ、またはテレビなど、様々な装置でありうる。
【0092】
タッチパネル230は、ディスプレイ120に表示されたシャッターボタン410に対するユーザの操作を取得する操作部である。タッチパネル230は、シャッターボタン410に対するユーザの押下操作の押圧力の大きさを取得可能である。タッチパネル230は、シャッターボタン410に対する第1の種類の操作である所定の値以上の押圧力での押下操作、第2の種類の操作である所定の値未満の押圧力での押下操作、第3の種類の操作である画面の上下方向へのドラッグ操作、および、第4の種類の操作である画面の左右方向へのドラッグ操作を取得する。タッチパネル230は、押圧力の大きさを取得可能なタブレットなどのポインティングデバイスによって代用されてもよい。
【0093】
制御部250は、情報処理装置100の各部を制御する。制御部250は、例えば集積回路などを含む回路構成によってハードウェアとして実装されてもよく、また、記憶部170に格納されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)によってソフトウェアとして実装されてもよい。
【0094】
ここで、制御部250は、タッチパネル230によってシャッターボタン410に対する所定の値以上の押圧力での押下操作が取得された場合に、押下操作において加えられた押圧力の大きさに応じて、タイマー160のカウンタ値を設定する。例えば、制御部250は、押圧力の大きさから線形の関数によってタイマー160のカウンタ値を決定してもよい。また、制御部250は、押圧力の大きさから例えば対数関数などの非線形の関数によってタイマー160のカウンタ値を決定してもよい。
【0095】
また、制御部250は、設定されたタイマー160のカウンタ値に応じて、シャッターボタン410の表示サイズを、初期表示の表示サイズよりも縮小する。さらに、制御部250は、タイマー160によるカウントダウンの進行に応じて、シャッターボタン410の表示サイズを初期に表示されたサイズまで徐々に大きくする。
【0096】
また、制御部250は、タッチパネル230によってシャッターボタン410に対する所定の値未満の押圧力での押下操作が取得された場合、またはタイマー160が満了した場合に、撮像部110に被写体の撮像を実行させる。つまり、制御部250は、ユーザによる撮影の指示、またはタイマー160の満了をトリガーとして、撮像部110に撮像を実行させる。
【0097】
また、制御部250は、タッチパネル230が取得した、シャッターボタン410に対する画面の上下方向へのドラッグ操作によるシャッターボタン410の移動距離に応じて、撮像部110に設定されている画角のパラメータを変更する。
【0098】
また、制御部250は、タッチパネル230が取得した、シャッターボタン410に対する画面の左右方向へのドラッグ操作によるシャッターボタン410の移動距離に応じて、撮像部110に設定されている輝度のパラメータを変更する。
【0099】
なお、制御部250が、シャッターボタン410に対する画面の上下方向または左右方向へのドラッグ操作に応じて変更するパラメータは、画角、輝度、ホワイトバランス、または動画の撮像の持続時間などから任意に選択されうる。
【0100】
[4−2.操作画面の動作]
図10は、本発明の第4の実施形態における操作画面400の一例を示す図である。図10を参照すると、操作画面300には、シャッターボタン410、タイマー残り時間表示414、タイマー残り時間補助表示416、対象画像320、画角設定表示330、および輝度設定表示440が表示される。
【0101】
シャッターボタン410は、撮像部110の制御のための操作子である。ユーザは、タッチパネル230を介して、シャッターボタン410に対する押下操作、画面の上下方向のドラッグ操作、および画面の左右方向のドラッグ動作が可能である。シャッターボタン410は略円形で図示されているが、どのような形でもよい。また、シャッターボタン410は、ボタンであることを示すために立体的に表示されてもよい。
【0102】
ここで、ユーザがタッチパネル230を介してシャッターボタン410に対する所定の値以上の押圧力での押下操作をした場合、制御部250は、押圧力の大きさに応じてタイマー160を設定する。また、ユーザがタッチパネル230を介してシャッターボタン410に対する所定の押圧力未満の押下操作をした場合、制御部250は、撮像部110に被写体の撮像を実行させる。つまり、ユーザは、タイマーを設定したい場合にはシャッターボタン410を強く押下し、すぐに撮影したい場合にはシャッターボタン410を軽く押下する。
【0103】
このように、1つの操作子であるシャッターボタン410に対する強弱の2種類の押下操作で、撮像までのタイマー設定、および撮像の実行の2種類の動作が可能であることによって、ユーザは、タイマーを用いた撮像と、通常の撮像との操作の違いを意識することなく、これらを容易に使い分けることができる。
【0104】
ここで、シャッターボタン410は、ユーザによる押下操作での押圧力の大きさに応じて設定されたタイマー160のカウンタ値に応じて、初期表示の表示サイズよりも縮小して表示される。その後、シャッターボタン410は、タイマー160によるカウントダウンの進行に応じて、徐々に拡大され、初期表示の表示サイズまで拡大されたときに、撮像部110によって撮像が実行される。
【0105】
このように、シャッターボタン410の押下操作での押圧力の大きさに応じてタイマー160のカウンタ値が設定され、設定されたカウンタ値に応じてシャッターボタン410が縮小して表示されることによって、ユーザは、アナログ的な視覚効果を伴う操作によって直感的にタイマー160の設定をすることができる。また、タイマー160によるカウントダウンの進行に応じてシャッターボタン410を拡大させることによって、ユーザは、タイマー160のカウントダウンが進行中であることを直感的に把握することができる。
【0106】
タイマー残り時間表示414は、押下操作の前後でのシャッターボタン410の表示サイズの差として表示される。タイマー残り時間表示414は、シャッターボタン410とは異なる色で、識別が容易なように表示されてもよい。タイマー160のカウントダウンの進行に応じたシャッターボタン410の拡大に伴って、タイマー残り時間表示414の表示が変化してもよい。
【0107】
このように、タイマー残り時間表示414が表示されることによって、ユーザは、タイマー160のカウンタ値、すなわち撮像部110による撮像までの残り時間を、シャッターボタン410の周りに残された領域として直感的に把握することができる。
【0108】
タイマー残り時間補助表示416は、タイマー160のカウンタ値を数値化して表示するものである。タイマー残り時間補助表示416がタイマー残り時間表示414とともに操作画面300に表示され、タイマー設定中であること、および、撮像までの残り時間が、冗長性をもってユーザに提示されるようにしてもよい。シャッターボタン410がある程度の大きさをもつ場合、タイマー残り時間補助表示416は、図示されているようにシャッターボタン410の内側に表示されてもよい。
【0109】
また、ユーザは、タッチパネル130を介して、シャッターボタン310に対する第3の種類の操作である画面の上下方向へのドラッグ操作、および、第4の種類の操作である画面の左右方向へのドラッグ操作が可能である。制御部150は、画面の上下方向へのドラッグ操作によるシャッターボタン310の移動距離に応じて、撮像部110に設定されている第1のパラメータである画角を変更する。さらに、制御部150は、画面の左右方向へのドラッグ操作によるシャッターボタン310の移動距離に応じて、撮像部110に設定されている第2のパラメータである輝度を変更する。変更される第1および第2のパラメータは、例えば、画角、輝度、ホワイトバランス、または動画の撮像の持続時間などから任意に選択されうる。
【0110】
このように、1つの操作子であるシャッターボタン410に対する画面の上下方向および左右方向へのドラッグ操作で、撮像部に設定されている複数のパラメータの変更が可能であることによって、ユーザは、タイマーの設定時、またはタイマーの設定中に、画角、輝度、ホワイトバランス、または動画の撮像の持続時間などを、直感的な操作によって自由に調整することができる。
【0111】
輝度設定表示440は、シャッターボタン410が画面の左右方向にドラッグ可能な領域として表示される。これは、シャッターボタン410が画面左右の両方にドラッグ操作可能であり、画面の左右方向へのドラッグ操作によって、撮像部110に設定されている輝度が変更されることを示す。輝度設定表示440は、図示されているように、変更されるパラメータを表示する文字列を伴ってもよい。
【0112】
このように、輝度設定表示440が表示されることによって、ユーザは、シャッターボタン410の画面左右方向へのドラッグ操作によって輝度のパラメータが設定可能であることと、ドラッグの向きと輝度のパラメータの増減との関係を容易に把握することができる。
【0113】
さらに、シャッターボタン410は、撮像部110に設定されているパラメータの値に応じて、画面の上下方向または左右方向に移動して表示されてもよい。図示されている例では、シャッターボタン410が上向きにドラッグ操作されたことによって、撮像部110に設定されている画角のパラメータが変更され、変更された画角のパラメータに応じて、シャッターボタン410の位置が上向きに移動して表示されている。ここで、シャッターボタン410が画面の上向きに移動して表示されるのに伴って、輝度設定表示440も同様に、画面の上向きに移動して表示されてもよい。
【0114】
[4−3.変形例]
本実施形態の変形例として、シャッターボタン410に対する第1の種類の操作として所定の時間以上持続する押下操作を、第2の種類の操作として所定の時間未満の押下操作をそれぞれ取得する構成としてもよい。また、制御部150が、第1の種類の操作の持続時間に応じてタイマー160のカウンタ値を設定する構成としてもよい。
【0115】
このように、押下操作における押圧力の大きさの代わりに押下操作の持続時間を用いる構成とすれば、タッチパネル230がユーザの押下操作の押圧力を取得可能ではない場合、および、タッチパネル230がマウスなどのポインティングデバイスによって代用されている場合にも、本実施形態と同様の操作画面400を表示することができる。
【0116】
<5.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0117】
100,200 情報処理装置
110 撮像部
120 ディスプレイ
130,230 タッチパネル
150,250 制御部
160 タイマー
170 記憶部
300,400 操作画面
310,410 シャッターボタン
320 対象画像


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像する撮像部と、
前記撮像部の制御のための1つの操作子が少なくとも表示される表示部と、
前記操作子に対する第1の種類の操作および第2の種類の操作を取得する操作部と、
前記操作部によって前記第1の種類の操作が取得された場合に、前記第1の種類の操作の操作量に応じてタイマーを設定し、前記タイマーの進行に応じて前記表示部における前記操作子の表示を変化させ、前記操作部によって前記第2の種類の操作が取得された場合、または前記タイマーが満了した場合に、前記撮像部に前記被写体を撮像させる制御部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記操作子は、ボタンであり、
前記第1の種類の操作は、前記ボタンのドラッグ操作であり、
前記第2の種類の操作は、前記ボタンの押下操作であり、
前記操作量は、前記ドラッグ操作による前記表示部における前記ボタンの移動距離であり、
前記制御部は、前記タイマーの進行に応じて、前記表示部における前記ボタンの表示位置を、前記ドラッグ操作の方向に変化させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記タイマーの残り時間を、前記ドラッグ操作による前記表示部における前記ボタンの移動の軌跡として前記表示部に表示させる、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記撮像部は、前記被写体の動画を撮像し、
前記制御部は、前記ドラッグ操作による前記表示部における前記ボタンの移動距離に応じて、前記動画の撮像開始までのタイマーと、前記動画の持続時間のタイマーとを設定する、請求項2または3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記操作部は、前記ボタンに対する、前記ドラッグ操作の方向とは異なる方向へのドラッグ操作を第3の種類の操作として取得し、
前記制御部は、前記異なる方向へのドラッグ操作による前記表示部における前記ボタンの移動距離に応じて、前記撮像部に設定されているパラメータを変更する、請求項2〜4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記操作子は、ボタンであり、
前記第1の種類の操作は、前記ボタンの所定の値以上の押圧力での押下操作であり、
前記第2の種類の操作は、前記ボタンの前記所定の値未満の押圧力での押下操作であり、
前記操作量は、前記所定の値以上の押圧力での押下操作において加えられた押圧力の大きさであり、
前記制御部は、前記タイマーの進行に応じて、前記表示部における前記ボタンの表示サイズを変化させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記タイマーの残り時間を、前記所定の値以上の押圧力での押下操作の前後での前記ボタンの表示サイズの差として前記表示部に表示させる、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記操作部は、前記ボタンに対するドラッグ操作を第3の種類の操作として取得し、
前記制御部は、前記ドラッグ操作による前記表示部における前記ボタンの移動距離に応じて、前記撮像部に設定されている第1のパラメータを変更する、請求項6または7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記操作部は、前記ボタンに対する、前記ドラッグ操作の方向とは異なる方向へのドラッグ操作を第4の種類の操作として取得し、
前記制御部は、前記異なる方向へのドラッグ操作による前記表示部における前記ボタンの移動距離に応じて、前記撮像部に設定されている第2のパラメータを変更する、請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
被写体を撮像する撮像部の制御のための1つの操作子を表示するステップと、
前記操作子に対する第1の種類の操作および第2の種類の操作を取得するステップと、
前記第1の種類の操作が取得された場合に、前記第1の種類の操作の操作量に応じてタイマーを設定し、前記タイマーの進行に応じて前記操作子の表示を変化させ、前記第2の種類の操作が取得された場合、または前記タイマーが満了した場合に、前記撮像部に前記被写体を撮像させるステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項11】
被写体を撮像する撮像部の制御のための1つの操作子を表示する処理と、
前記操作子に対する第1の種類の操作および第2の種類の操作を取得する処理と、
前記第1の種類の操作が取得された場合に、前記第1の種類の操作の操作量に応じてタイマーを設定し、前記タイマーの進行に応じて前記操作子の表示を変化させ、前記第2の種類の操作が取得された場合、または前記タイマーが満了した場合に、前記撮像部に前記被写体を撮像させる処理と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−18535(P2012−18535A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−155115(P2010−155115)
【出願日】平成22年7月7日(2010.7.7)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】