説明

情報処理装置、操作誘導方法及びプログラム

【課題】階層構造を有する操作画面であっても、視覚狭窄者等に対し、目的とする設定項目への視覚的な誘導及び操作支援を行う情報処理装置等を提供すること。
【解決手段】本発明に係る情報処理装置は、タッチパネル式ディスプレイを備え、ディスプレイに表示された操作画面上の表示部品に対応したタッチパネルの座標が押下されたとき表示部品に関連付けられた操作を入力する情報処理装置であって、操作画面を生成する為の画面情報と、所定設定を行う為の操作手順が記述された操作手順情報とを記憶する記憶手段と、画面情報と操作手順情報とに基づき、所定設定を行う際に押下すべき表示部品の前記座標を決定する座標決定手段と、決定された座標上において交差させた2以上の操作誘導線を描画する描画手段とを有し、操作誘導線は、操作画面上の押下すべき表示部品上に描画されてディスプレイに表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、操作誘導方法及びプログラムの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ファックス、プリンタ、コピーおよびスキャナなどの各装置の機能を1つの筐体内に収納した画像形成装置が知られるようになった。この画像形成装置は、1つの筐体内に表示部、印刷部および撮像部などを設けると共に、ファックス、プリンタ、コピーおよびスキャナにそれぞれ対応する4種類のアプリケーションを設け、そのアプリケーションを切り替えることより、ファックス、プリンタ、コピーおよびスキャナとして動作させるものである。
【0003】
近年、画像形成装置の多機能化に伴い、画像形成装置の操作パネル上における液晶パネル(タッチパネル)も大型化してきており、その表示内容も充実している。例えば、アイコン等を用いた多彩な表示画面をソフトウェアの制御に基づいて表示させることにより、ユーザフレンドリなユーザインタフェースを提供している。その一方、操作画面においては、その設定項目は益々増加しており、また設定を行う操作画面の階層も深くなってきている。
【0004】
ところで、視覚障害の一つに、視野が狭くなったり、一部欠けたりする視野狭窄、視野欠損というものがある。視野が狭いと焦点が当たっている物の全体像を一度に視野内に収めるということが困難である。そのためこのような視覚障害を持つ者にとって、全体像を一度に視野内に収容するのが難しいところ、画像形成装置の液晶パネル画面上に表示されているボタンや文字、画像を認識するには、視点を何度も動かして操作を行わなくてはならない。従って、操作画面の複雑化や画面の階層化が進む中、視野狭窄等の視覚障害を持つ者に対してその画面操作を分かり易くガイダンスするには課題が多い。
【0005】
これに関する技術として、特許文献1には、視覚障害者の使用を考慮した画像形成装置として、下位の階層の画面を操作中のボタンの近傍に表示させる技術が記載されている。また特許文献2には、階層構造に対して音声で操作ガイドするという技術が記載され、特許文献3には、視野狭窄の者でも操作手順情報を用いて現在のボタンから次に押す候補のボタンを矢印で誘導する技術が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来技術のように、今までの下位の階層の内容をまとめて近傍に表示するだけでは、視野が限定的な場合、つまり視野の範囲によっては表示自体が視野の範囲外にあるような場合、表示自体を把握できないため、正確な誘導をすることができないことや、上位階層での誘導が不可能であるという問題があった。また、階層に対応するガイドもあくまで音声でのみ操作を指示するので、ユーザが主体的に視覚を使った誘導はできない問題があった。
【0007】
このようなことから、画面操作支援方法において、視野狭窄等の視覚障害を持つ者に対して、視界の広さに依存せずに、階層の遷移を含め目的とする設定項目への視覚的な誘導を行なえるようなガイダンス方法、画面操作支援方法が望まれる。
【0008】
即ち本発明では上記のような問題に鑑みて、階層構造を有する操作画面であっても、視覚狭窄者等に対し、目的とする設定項目への視覚的な誘導及び操作支援を行う情報処理装置、操作誘導方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで上記課題を解決するため、本発明に係る情報処理装置は、タッチパネル式ディスプレイを備え、ディスプレイに表示された操作画面上の表示部品に対応したタッチパネルの座標が押下されたとき前記表示部品に関連付けられた操作を入力する情報処理装置であって、前記操作画面を生成する為の画面情報と、所定設定を行う為の操作手順が記述された操作手順情報とを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記画面情報と前記操作手順情報とに基づき、所定設定を行う際に押下すべき前記表示部品の前記座標を決定する座標決定手段と、前記座標決定手段により決定された座標上において交差させた2以上の操作誘導線を描画する描画手段とを有し、前記操作誘導線は、操作画面上の押下すべき表示部品上に描画されてディスプレイに表示されることを特徴とする。
【0010】
また上記課題を解決するため、前記情報処理装置において、操作画面において前記操作誘導線が描画された前記押下すべき表示部品が押下され、当該操作画面が異なる操作画面に遷移したとき、遷移前の操作画面における操作誘導線の表示は維持しつつ、さらに前記異なる操作画面における新たな操作誘導線が、当該異なる操作画面上の押下すべき表示部品上に描画されてディスプレイに表示されることを特徴とする。
【0011】
また上記課題を解決するため、前記情報処理装置において、前記操作手順情報に記述された操作手順をスキップする為のスキップ指示を入力する入力手段を有し、前記操作誘導線が、操作画面上の押下すべき表示部品上に描画されてディスプレイに表示されているとき、前記入力手段によりスキップ指示が入力されると、当該表示部品の操作に関連付けられている操作手順をスキップし、次の操作手順に従った操作誘導線が、次の操作手順に従って押下すべき表示部品上に描画されてディスプレイに表示されることを特徴とする。
【0012】
また上記課題を解決するため、前記情報処理装置において、前記遷移前の操作画面における操作誘導線と、前記異なる操作画面における新たな操作誘導線とは、異なる線色又は異なる線形状をもって描画されることを特徴とする。
【0013】
また上記課題を解決するため、前記情報処理装置において、前記操作誘導線は、前記押下すべき表示部品に対して方向性を有して描画されることを特徴とする。
【0014】
また上記課題を解決するため、前記情報処理装置において、前記操作誘導線には、前記押下すべき表示部品に関連付けられている設定内容の説明が付加されることを特徴とする。
【0015】
なお、本発明の構成要素、表現または構成要素の任意の組合せを、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、記録媒体、などに適用したものも本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、階層構造を有する操作画面であっても、視覚狭窄者等に対し、目的とする設定項目への視覚的な誘導及び操作支援を行う情報処理装置、操作誘導方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図2】画像形成装置1の操作パネル11の外観の一例を示す図である。
【図3】本実施形態に係る画像形成装置1の主要機能構成を示す機能ブロック図である。
【図4】画面情報の一例を示す。
【図5】画面情報の一例を示す。
【図6】操作手順情報の一例を示す。
【図7】操作誘導線の表示例を示す図である。
【図8】操作誘導線の表示例を示す図である。
【図9】操作誘導線の表示例を示す図である。
【図10】操作誘導線の表示例を示す図である。
【図11】操作誘導線による操作の誘導に従った視野の移動を説明する図である。
【図12】操作誘導線の描画・表示処理を説明するフローチャートである。
【図13】操作誘導線の表示例を示す図である。
【図14】操作誘導線の表示例を示す図である。
【図15】操作誘導線の表示例を示す図である。
【図16】操作誘導線の描画・表示処理を説明するフローチャートである。
【図17】スキップ処理前後の操作画面の例を示す。
【図18】方向性を有する操作誘導線の例を示す。
【図19】吹き出し効果を付加した操作誘導線の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明を実施するための形態を各実施形態において図面を用いて説明する。なお、本発明を説明するにあたって、情報処理装置の一実施形態である画像形成装置に本発明を適用した例を以下に示す。画像形成装置は、プリンタ、コピーおよびスキャナなどの複数の機能を一つの筐体内に収納したデジタル複合機(MFP:Multi-Function Peripheral)である。またこれら基本機能だけでなく、デジタル画像技術の高度化やMFPに関連する技術の進化に伴い多彩な機能を有し、ユーザ環境において様々な利用形態を提供している。
【0019】
[実施形態1]
(ハードウェア)
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。本実施形態に係る画像形成装置1は、操作パネル11と、記憶メディアI/F12と、コントローラ13と、データ通信I/F14と、スキャナ15と、プロッタ16と、HDD(Hard Disk Drive)17とから構成され、それぞれ相互に接続されている。
【0020】
操作パネル11は、入力装置11aと表示装置11bとを有しており、入力装置11aは、ハードキーなどで構成され、画像形成装置1に各操作信号を入力するのに用いられる。また、表示装置11bは、ディスプレイなどで構成され、例えば画像形成動作に関する各種情報を表示する。データ通信I/F14は、インタフェース装置14aを有しており、画像形成装置1をネットワークやファックスなどのデータ伝送路に接続するインタフェースである。HDD17は、画像形成装置1で取り扱われる受信文書データや読み取り画像データなどの各種データを格納している。また、HDD17は、これらの各種データを、所定のファイルシステムやDB(Data Base)により管理している。
【0021】
HDD17に格納される各種データの中には、記録媒体12bから入力されるデータを含む。記録媒体12bは、記憶メディアI/F12が有するドライブ装置12aにセットされ各種データが記録媒体12bからドライブ装置12aを介してHDD17に格納される。
【0022】
コントローラ13は、ROM(Read Only Memory)13a、RAM(Random Access Memory)13b、及びCPU(Central Processing Unit)13cとを有しており、ROM13aは、画像形成装置1が起動されるときに実行されるプログラムや各種データを格納している。また、RAM13bは、ROM13aやHDD17から読み出された各種プログラムやデータを一時保持する。更に、CPU13cは、RAM13bが一時保持しているプログラムを実行する。コントローラ13は、例えば、データ通信I/F14を介して印刷データを受信した場合に、ROM13aからRAM13b上に読み出された、PDL(Page Description Language)を解釈可能なプログラム(PDLパーサ)をCPU13cにより実行し、印刷データを解釈してビットマップイメージを生成する。
【0023】
スキャナ15は、画像読取装置15aを有しており、読み取り面に配置された原稿を光学的に読み取り画像データを生成する。プロッタ16は、印刷装置16aを有しており、例えば、電子写真プロセス方式によってビットマップイメージを記録紙に印刷する。
【0024】
図2は、画像形成装置1の操作パネル11の外観の一例を示す図である。上述したように、操作パネル11は、入力装置11aと表示装置11bとを含んで構成される。より具体的には、操作パネル11は、例えば画像形成動作に関する各種情報を表示するディスプレイ18と、利用者が操作指示を行うための物理的なボタンやダイヤルのようなハードキー19で構成される。なお本実施形態のディスプレイ18は、触覚センサによるタッチパネル式ディスプレイであるので、ディスプレイ上の接触操作により画像形成動作に係る操作指示を行うことが可能となっている。
【0025】
このように、本実施形態に係る画像形成装置1では、上記ハードウェア構成により、コピー、プリンタ、ファクシミリ、スキャナなどの複数の機能を実現している。
【0026】
(機能)
図3は、本実施形態に係る画像形成装置1の主要機能構成を示す機能ブロック図である。画像形成装置1は、記憶部301、座標決定部302、描画部303、入力・表示部304を含む構成である。詳細に関しては後述するので、ここでは簡単に説明する。
【0027】
記憶部301は、操作画面を生成する為の画面情報と、所定設定を行う為の操作手順が記述された操作手順情報とを記憶している。画面情報は、ディスプレイ18上に表示される操作画面を構成、生成するための情報である。例えば、操作画面のテンプレート、操作画面上に配置する表示部品(例えばボタン等)、それらのレイアウト情報(座標情報等)など、操作画面を構成、生成するための情報である。また操作手順情報は、所定設定を行う為の操作手順が記述された情報で、例えばある操作画面ではあるボタンを操作(押下等)し、また次のある操作画面ではあるボタンを操作(押下等)する、といった所定の設定を遂行する為の操作手順が記述されている。これら画面情報及び操作手順情報の具体例については、再度後述する。なお説明上、記憶部301aに操作手順情報、記憶部301bに画面情報が記憶されているるが、いうまでもなくこれら情報は物理的又は論理的に同一の記憶部に記憶されていてもよい。
【0028】
座標決定部302は、記憶部301に記憶された画面情報と操作手順情報とに基づき、所定設定を行う際に押下すべき表示部品の座標(座標情報)を決定する機能を有している。この点、詳細は後述する。
【0029】
描画部303は、座標決定部302により決定された座標上において交差させた2以上の操作誘導線を描画する機能を有している。具体的に例えば、操作画面上のあるボタン上に、2本の線を十字状に描画する。利用者は、当該線に誘導されるように操作(押下等)すべきボタンを特定し、当該ボタンを操作する。この点、詳細は後述する。
【0030】
入力・表示部304は、入力手段、表示手段を提供する機能部であり、例えばタッチパネル式ディスプレイ18によって実現される。つまり、操作画面(さらに操作誘導線を含む操作画面)を表示し、またタッチパネルから入力を受付ける等の機能を有している。
【0031】
なおこれらの機能は、実際にはCPU13cが実行するプログラムによりコンピュータ(画像形成装置1)に実現させるものである。
【0032】
(画面情報)
ここで、画面情報について具体的に説明する。実施形態に係る画面情報は、上述の通り記憶部301bに記憶され、ディスプレイ18上に表示される操作画面を構成、生成するための情報である。例えば、操作画面のテンプレート、操作画面上に配置する表示部品(例えばボタン等)、それらのレイアウト情報(座標情報等)など、操作画面を構成、生成するための情報である。画面情報は、操作手順に従って操作誘導線を描画すべき操作画面及び設定項目(表示部品の座標)を特定する情報として使用される。
【0033】
図4は、画面情報の一例を示す。図4(a)は、画面情報の一例を示し、操作画面を構成、生成するための情報を有している。図4(b)は、この画面情報から実際に生成された操作画面の一例を示す。つまり、画面情報は操作画面を生成するにあたって必要とされる情報、例えば、設定項目、対応させて表示する表示部品(ボタン等)、表示部品を配置すべき配置情報(位置情報)、表示部品が押下された際の遷移先画面等の情報で構成され、そして、これら画面情報に基づいて図4(b)に示される実際の操作画面が生成されることになる。なお画面情報上、表示部品は表示部品IDで特定され、IDに対応する表示部品画像が呼出されるようになっている。
【0034】
図5は、画面情報の一例を示す。上記と同様に、図5(a)は、画面情報の一例を示し、操作画面を構成、生成するための情報を有している。図5(b)は、この画面情報から実際に生成された操作画面の一例を示す。ここで、図4(b)の操作画面と図5(b)の操作画面との関係としては、上記の図4(b)の「原稿方向」ボタンが押下されたとき、図5(b)に遷移するようになっている。つまり、図5(b)の操作画面は、図4(b)の操作画面から派生した下位層の操作画面であり、また図5(b)の操作画面は、「原稿方向」ボタンの押下から派生しているので、当然ながら「原稿方向」の詳細設定を行うための操作画面となる。従って図4(a)の画面情報には、「原稿方向」ボタンが押下されたとき、図5(b)の操作画面に遷移するよう情報が対応付けられている(遷移先画面ID:002)。
【0035】
なお、図4、5に示される画面情報はあくまで一例であり、操作画面が構成可能であれば、画面情報はこの他にも様々な方法で必要な情報を保持してよい。
【0036】
(操作手順情報)
次いで、操作手順情報について具体的に説明する。実施形態に係る操作手順情報は、上述の通り記憶部301aに記憶され、所定設定を行う為の操作手順が記述された情報である。操作手順情報は、一の操作手順に限られず、ユーザが操作可能な複数の操作手順が記述されており、記憶部301aはいわば操作手順データベースともいえる。例えばある所定の操作手順を行う場合、まずある操作画面であるボタンを操作(押下等)し、また次のある操作画面であるボタンを操作(押下等)する、といったように所定の設定を遂行する為の操作手順が記述される。この操作手順情報は、操作誘導線により操作を誘導する際、誘導すべき操作手順を特定する情報として使用される。
【0037】
図6は、操作手順情報の一例を示す。例えば、操作手順ID:001で示される操作手順情報は、コピーの際の原稿読取詳細を設定するための操作手順が記述(規定)されるものである。手順番号通りに、設定項目IDで特定される設定項目を操作していくことにより、最終的に目的とする操作が完了するように、操作手順が記述(規定)される。操作手順情報は一の操作手順に限られず、操作手順ID:002、003・・・というように、ユーザが操作可能な複数の操作手順が記述されている。予め管理者等が、利用者に対して操作支援を行いたい所定の操作について操作手順を操作手順情報として登録しておく。
【0038】
(操作誘導線の表示例)
次に、図7〜10を参照しながら、実施形態に係る操作誘導線の表示例を説明する。ここでは、操作手順ID:001で示される操作手順情報(図6)に基づき、コピーの際の原稿読取詳細を設定するための操作を誘導するように操作誘導線(操作補助線ともいう)が表示される。
【0039】
実施形態に係る操作画面では、まず「原稿方向」ボタンへの操作を誘導するため、図7に示されるように、「原稿方向」ボタン上に十字の操作誘導線が描画され表示される。そして利用者は、操作誘導線の誘導に従い、「原稿方向」ボタンへの操作(押下)を行う。
【0040】
「原稿方向」ボタンが押下されると、「原稿方向」の詳細設定を行うための操作画面へ遷移する。遷移される操作画面は、「原稿方向」ボタンの押下から派生しているので、下位階層の操作画面である。そして次に「縦(R)」ボタンへの操作を誘導するため、図8に示されるように、「縦(R)」ボタン上に十字の操作誘導線が描画され表示される。
【0041】
「縦(R)」ボタンが押下されると、「縦(R)」の設定の確定する「OK」ボタンへの操作を誘導するため、図9に示されるように、「OK」ボタン上に十字の操作誘導線が描画され表示される。
【0042】
「OK」ボタンが押下されると、原稿方向を縦とする設定が決定され、再び上位階層である操作画面に遷移する。さらに、続く「白黒」ボタンへの操作を誘導するため、図10に示されるように、「白黒」ボタン上に十字の操作誘導線が描画され表示される。そして利用者は、操作誘導線の誘導に従い、「白黒」ボタンへの操作(押下)を行う。この後は、コピー実行キー等を操作することにより、設定された設定条件でコピー動作が行われることになる。
【0043】
このように、実施形態に係る操作画面においては、操作手順情報(図6)に基づき、目的とする操作を誘導するように操作誘導線が表示され、利用者は誘導に従って操作を進めていくことで所定の設定を行うことができるようになっている。
【0044】
図11は、操作誘導線による操作の誘導に従った視野の移動を説明する図である。上述した通り、視覚障害には、視野が狭くなったり、一部欠けたりする視野狭窄、視野欠損というものがある。そしてこのような視野狭窄等の視覚障害を持つ者が、ディスプレイ18を参照し、最初の視界に入ったその視野が、図11の視野1101である場合、この時点で操作誘導線は視野1101内に含まれているものの、操作すべき操作ボタン等は視野1101に収まっておらず、即ち認知されていない。そこで操作誘導線の誘導に従うように、操作誘導線に沿って視野を視野1101から視野1102へと移行させると、2本の操作誘導線が十字にクロスし、交点上に位置する操作ボタンを認知することができる。このように、視野が狭くなったり、一部欠けたりするよう者にとって、ディスプレイ18上に表示される操作画面の一部しか視野に収容できない場合、最初の視野に操作誘導線が1本でも含まれていれば、その操作誘導線に沿って視野を移動することにより、操作すべき操作ボタンを認知することができる。勿論、最初の視界に入ったその視野が、図11の視野1102である場合、その時点で2本の操作誘導線の交点上に位置する操作ボタンを認知できる。
【0045】
(操作誘導線の描画・表示処理)
上述したように、本実施形態に係る画像形成装置1は、ディスプレイ18上の操作画面に操作誘導線を描画・表示することで、所定の設定を行う為の操作の誘導、ガイダンスを行う。次に操作誘導線の描画・表示処理について、図面を参照しながら説明していく。図12は、操作誘導線の描画・表示処理を説明するフローチャートである。なお、フローチャート開始の前提として、操作の誘導を所望する設定内容を選択的に指定しておく。
【0046】
まず座標決定部302は、操作の誘導を行うため、記憶部301aから操作手順情報を取得する(S1201)。
【0047】
また記憶部301bから画面情報が取得される(S1202)。大抵の場合は、操作手順として、例えば図7のようなトップ操作画面から操作はスタートされるので、このような場合、トップ操作画面に対応する画面情報が取得される。但しこの時点ではまだディスプレイ18上に生成された操作画面は表示されない。操作誘導線を描画した後、操作誘導線を含めた操作画面を表示するためである。
【0048】
そして座標決定部302は、画面情報と操作手順情報とに基づき、操作対象となる表示部品の座標情報を取得(特定)し、これを所定設定を行う際に押下すべき表示部品の座標として決定する(S1203)。例えば再び図4(a)及び図6を参照し、最初の手順である手順番号1で規定される設定項目ID「001-003」の設定項目「原稿方向」の座標を取得すべく、画面情報から対応する配置座標(10.20)を座標情報として取得する。この座標情報は、設定項目「原稿方向」に対応付けられた表示部品(表示部品ID「A001」)の配置される位置座標を示している。
【0049】
なお本実施形態では、操作画面上、表示部品の配置位置を特定する座標は必ずしも表示部品の中心となっておらず、例えば四角形の表示部品の場合、4つの頂点のうち1の頂点の座標(本実施形態では左上の頂点座標)により表示部品の配置位置を特定している。よってこのような場合、座標決定部302は、後述の操作誘導線が表示部品の中心を通過するように、表示部品の大きさ等に応じて座標を表示部品の中心座標となるよう補正するとよい。
【0050】
ここで、先に取得された画面情報に基づいて操作画面が生成される(S1204)。初回操作の場合、例えば図7のようなトップ操作画面が生成されることになる。
【0051】
そして描画部303は、操作画面の表示部品上、つまり決定された座標上において交差させた2以上の操作誘導線を描画する(S1205)。操作誘導線は少なくとも2本以上描画されることで表示部品上に交点が形成される。従って操作誘導線は3本以上描画されてもよい。本数が多いほど上述の視野に収容される可能性が高くなり操作性の向上に寄与するからである。但し必要以上に本数を多くすると、操作画面上煩雑になり視認性が低下する可能性がある。
【0052】
操作画面内に操作誘導線が描画されると、入力・表示部304は、タッチパネル式ディスプレイ18上に操作誘導線を含む操作画面を表示する(S1206)。つまり、図7に示されるような操作画面がディスプレイ18上に表示される。そして、操作対象となる表示部品、例えば「原稿方向」ボタンが操作されると(S1207)、一旦当該フローチャートを終了し、あらためてS1201から同様にして処理を進め、次の操作手順のための操作画面及び操作誘導線の描画・表示を行えばよい。なお、S1201で操作手順情報は既に取得されているので、S1201を省略しS1202から処理を進めることもできる。
【0053】
以上のようにして、本実施形態に係る画像形成装置1は、ディスプレイ18上の操作画面に操作誘導線を描画・表示し、所定の設定を行う為の操作の誘導、ガイダンスを行う。
【0054】
[実施形態2]
上述の実施形態1では、図7〜10を参照しながら、操作誘導線の表示例について説明を行った。本実施形態においては、階層の異なる操作画面の遷移を認識できるように、階層操作の前後等で表示されていた操作誘導線の表示を残しておくようにしている。以下、説明する。
【0055】
再び図7を参照する。上述の実施形態1の例と同様に、操作手順ID:001で示される操作手順情報(図6)に基づき、コピーの際の原稿読取詳細を設定するための操作を誘導するように操作誘導線が表示される。
【0056】
「原稿方向」ボタンへの操作を誘導するため、図7に示されるように、「原稿方向」ボタン上に十字の操作誘導線が描画され表示される。そして利用者は、操作誘導線の誘導に従い、「原稿方向」ボタンへの操作(押下)を行う。
【0057】
「原稿方向」ボタンが押下されると、「原稿方向」の詳細設定を行うための操作画面へ遷移する(図13)。遷移される操作画面は、「原稿方向」ボタンの押下から派生しているので、下位階層の操作画面である。そして次に「縦(R)」ボタンへの操作を誘導するため、図13に示されるように、「縦(R)」ボタン上に十字の操作誘導線が描画され表示される。またさらに、設定を行った設定項目(ここでは「原稿方向」ボタン)に対する操作誘導線を残して表示しておく。
【0058】
このとき、利用者は、まず図7の操作誘導線に従って「原稿方向」ボタンを操作する。すると、原稿方向を設定する為の下位階層の操作画面が開かれるが、この時点の視野は視野1301にあると考えられる。そして、新たな操作画面において「縦(R)」ボタンへの操作を誘導するため、新たな操作誘導線が描画され表示されるが、視野1301内の先の操作補助線に沿って右又は上方向に視野を移動していくと、必ず新たな操作誘導線にぶつかることになり、そして新たな操作誘導線が視野1302内に収容され、次の操作を行うべくさらに視野1303に視野を移動させる。その結果、次に操作すべき「縦(R)」ボタンへ到達することができる。
【0059】
「縦(R)」ボタンが操作されると、同様の要領で、次は「OK」ボタンへ操作誘導線が表示される(図14)。「OK」ボタンが操作されると、原稿方向を縦とする設定が決定され、再び上位階層である操作画面に遷移する(図15)。
【0060】
図15の操作画面においては、続く「白黒」ボタンへの操作誘導線1501、先の操作補助線1502が表示される。また、前に設定した項目(ここでは「OK」ボタン)の上位の設定項目として「原稿方向」ボタンについても操作誘導線1503を残しておく(再表示ともいえる)。これにより操作画面の上下階層空間を認識し易いようにしている。例えば、前の操作画面(図14)に戻る場合は、操作誘導線1503に誘導されるようにして、前に設定した項目の上位の設定項目としての「原稿方向」ボタンを操作すれば、下位操作画面であった操作画面に遷移することができる。つまり、操作誘導線1503は、操作画面の階層の遷移があった場合に表示され、前の設定項目に戻りたい場合、現在の操作画面には階層が異なるので前の設定項目は表示されていないところ、操作誘導線1503を表示することで、当該操作誘導線1503によって誘導される表示部品を操作すれば、異なる階層に位置する前の設定項目を有する操作画面に容易に遷移できる。
【0061】
なお、本実施形態においては、複数の操作誘導線が表示されるので、各線を色で識別できるよう色分けして表示するとよい(例えば、赤、青、緑等)。また、線の形状、例えば破線、実線、太線等により各線を識別できるようにして表示してもよい。複数の操作誘導線を利用者が混同しないようにするためであり、また視認性を向上するためである。
【0062】
[実施形態3]
(操作誘導線の描画・表示処理)
上述の実施形態1では、図12を参照しながら、操作誘導線の描画・表示処理について説明を行った。本実施形態においては、利用者が下位階層の異なる操作画面の遷移、もしくは下位階層の異なる操作画面における設定を不要と考えた場合、下位階層の異なる操作画面の遷移を伴う操作をスキップできるようにしたものである。以下、説明する。図16は、本実施形態に係る操作誘導線の描画・表示処理を説明するフローチャートである。S1201〜1207は図16と同様であり、S1211〜1213のステップが追加されている。
【0063】
まず座標決定部302は操作手順情報を取得する(S1201)。次に画面情報が取得される(S1202)。そして座標決定部302は、画面情報と操作手順情報とに基づき、操作対象となる表示部品の座標情報を取得(特定)し、所定設定を行う際に押下すべき表示部品の座標として決定し(S1203)、描画部303は、操作画面の表示部品上に操作誘導線を描画する(S1205)。操作画面内に操作誘導線が描画されると、入力・表示部304は、タッチパネル式ディスプレイ18上に操作誘導線を含む操作画面を表示する(S1206)。ここまでのS1201〜1206は上述の実施形態1(図12)において説明した通りである。
【0064】
操作誘導線を含む操作画面が表示されると、操作誘導線により誘導される表示部品の遷移先は、階層の異なる下位の操作画面であるか判断される(S1211)。階層の異なる下位の操作画面である(Y)と判断された場合、スキップ操作の入力を可能とする。併せてスキップ可能等の表示を利用者に通知してもよい。スキップ操作の入力は、操作パネル11の所定のハードキー19等から受付ける。スキップ操作がなされると(S1212)、階層の異なる下位の操作画面の操作手順をスキップし、次の操作手順へ進む。
【0065】
具体的に例えば、図7のような操作画面において、「原稿方向」ボタンの操作を誘導するように操作誘導線が表示される。「原稿方向」ボタンが操作された場合、図7の操作画面から派生した下位層の操作画面(図8)へ遷移し、続いて「縦(R)」ボタン、「OK」ボタンの操作を誘導するところ、利用者のスキップ操作に従って、下位層の操作画面における操作手順をスキップするようにする。つまり、利用者からすると、「原稿方向」ボタンの操作が誘導されたものの、「原稿方向」ボタンの詳細設定を行う必要はない(原稿方向は規定値でよい)と考えた場合、上記のスキップ操作を行い、「原稿方向」ボタンの詳細設定に係る操作手順のスキップを行うことができるようになっている。
【0066】
このとき、S1213では図6の操作手順情報が参照され、手順番号2、3をスキップし、手順番号1から4へ進む。手順番号2、3は、例えば画面IDから、操作画面の遷移は把握できるので、手順番号1の画面ID「001」から、手順番号2、3の画面ID「002」へ操作画面の遷移分の操作手順をスキップさせ、画面ID「001」である手順番号4まで操作手順を進めることになる。図17は、スキップ処理前後の操作画面の例を示す。図6の操作手順情報に従えば、図7、8、9、10の順で操作画面が遷移するところ、スキップ処理により、図8、9相当の操作画面はスキップされている。
【0067】
このように、階層の異なる下位の操作画面のスキップ処理、つまり上位設定項目から派生する詳細設定のスキップ処理を行えるので、利用者が不要又は省略したいと考える操作手順についてこれを省略でき、適宜利用者の判断に応じて操作手順を向上させることができる。
【0068】
[変形例]
図18は、方向性を有する操作誘導線の例を示す。描画部303は、操作を修道すべき表示部品に対して方向性を有する操作誘導線を描画する。方向性は、図に示されるように例えば矢印によって示される。このようにすることで、利用者は、操作が誘導される際、操作誘導線の方向性を頼りに視野を移動させていくことで、より容易に操作すべき表示部品を認識することが可能となる。
【0069】
図19は、吹き出し効果を付加した操作誘導線の例を示す。描画部303は、操作誘導線を描画するに際し、併せて操作手順に係る説明を付加する。例えば図に示されるように、吹き出しを付加し、当該設定操作の説明や階層情報を通知することで、利用者の操作性を向上させることが可能となる。なお、1/2との表示は、「原稿方向」の設定操作において、2階層の操作画面を有し、現在の階層は1つ目であり、「原稿方向」を操作すると2つ目の階層に遷移することを示している。
【0070】
[総括]
以下、総括として本実施形態に係る画像形成装置1の作用効果について説明する。
【0071】
本実施形態に係る画像形成装置1の構成においては、タッチパネル式ディスプレイを備え、ディスプレイに表示された操作画面上の表示部品に対応したタッチパネルの座標が押下されたとき前記表示部品に関連付けられた操作を入力する情報処理装置であって、前記操作画面を生成する為の画面情報と、所定設定を行う為の操作手順が記述された操作手順情報とを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記画面情報と前記操作手順情報とに基づき、所定設定を行う際に押下すべき前記表示部品の前記座標を決定する座標決定手段と、前記座標決定手段により決定された座標上において交差させた2以上の操作誘導線を描画する描画手段とを有し、前記操作誘導線は、操作画面上の押下すべき表示部品上に描画されてディスプレイに表示される。
【0072】
このように実施形態に係る画像形成装置1においては、画面情報と操作手順情報とに基づいて、操作を誘導すべき表示部品の座標を特定し、当該座標上に交差させた2以上の操作誘導線を描画してディスプレイに表示されるので、利用者、特に視野狭窄や視野欠損などの視覚障害を持つ者にとって、全体像を一度に視野内に収容するのが難しいところ、視野内に収容された操作誘導線に沿って視野を移動していくことにより、視野を散見することなしに、容易に操作すべき表示部品を特定・認識し、当該表示部品の操作を行うことができる。
【0073】
また、前記画像形成装置1の構成においては、操作画面において前記操作誘導線が描画された前記押下すべき表示部品が押下され、当該操作画面が異なる操作画面に遷移したとき、遷移前の操作画面における操作誘導線の表示は維持しつつ、さらに前記異なる操作画面における新たな操作誘導線が、当該異なる操作画面上の押下すべき表示部品上に描画されてディスプレイに表示される。
【0074】
このように実施形態に係る上記画像形成装置1においては、先に設定を行った設定項目に対する操作誘導線を残して表示しておくので、利用者は、視野内の残されている操作誘導線に沿って右又は上方向に視野を移動していくことで、容易に新たな操作誘導線を視野内に収容することができる。また、操作誘導線を残して表示しておくと、過去の操作を認識したり、操作画面の階層の認識をすることが容易となる。
【0075】
前記操作手順情報に記述された操作手順をスキップする為のスキップ指示を入力する入力手段を有し、
また、前記画像形成装置1の構成においては、前記操作誘導線が、操作画面上の押下すべき表示部品上に描画されてディスプレイに表示されているとき、前記入力手段によりスキップ指示が入力されると、当該表示部品の操作に関連付けられている操作手順をスキップし、次の操作手順に従った操作誘導線が、次の操作手順に従って押下すべき表示部品上に描画されてディスプレイに表示される。
【0076】
このように実施形態に係る上記画像形成装置1においては、階層の異なる下位の操作画面のスキップ処理、つまり上位設定項目から派生する詳細設定のスキップ処理を行えるので、利用者が不要又は省略したいと考える操作手順についてこれを省略でき、適宜利用者の判断に応じて操作手順を向上させることができる。
【0077】
また、前記画像形成装置1の構成においては、前記遷移前の操作画面における操作誘導線と、前記異なる操作画面における新たな操作誘導線とは、異なる線色又は異なる線形状をもって描画される。
【0078】
このように実施形態に係る上記画像形成装置1においては、複数の操作誘導線がディスプレイ上に同時に表示されるような場合、各線を色で識別できるよう色分けして表示したり、線の形状、例えば破線、実線、太線等により各線を識別できるようにして表示するので、利用者が複数の操作誘導線を混同することを防止することができる。
【0079】
また、前記画像形成装置1の構成においては、前記操作誘導線は、前記押下すべき表示部品に対して方向性を有して描画される。
【0080】
このように実施形態に係る上記画像形成装置1においては、操作誘導線には、押下すべき表示部品に対して方向性を有しているので、利用者は、操作が誘導される際、操作誘導線の方向性を頼りに視野を移動させていくことで、より容易に操作すべき表示部品を認識することが可能となる。
【0081】
また、前記画像形成装置1の構成においては、前記操作誘導線には、前記押下すべき表示部品に関連付けられている設定内容の説明が付加される。
【0082】
このように実施形態に係る上記画像形成装置1においては、吹き出しを付加し、当該設定操作の説明や階層情報を通知するので、当該操作の内容を認識でき、ひいては利用者の操作性を向上させることが可能となる。
【0083】
以上、本発明によれば、階層構造を有する操作画面であっても、視覚狭窄者等に対し、目的とする設定項目への視覚的な誘導及び操作支援を行う情報処理装置、操作誘導方法及びプログラムを提供できる。
【0084】
本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば本実施形態においては情報処理装置の一例として、画像形成装置に対して本発明を適用したものであり、その他のシステムや装置においても広く適用され得る。
【符号の説明】
【0085】
1 画像形成装置
11 操作パネル
11a 入力装置
11b 表示装置
12 記憶メディアI/F
12a ドライブ装置
12b 記録媒体
13 コントローラ
13a ROM
13b RAM
13c CPU
14 データ通信I/F
14a インターフェース装置
15 スキャナ
15a 画像読取装置
16 プロッタ
16a 印刷装置
17 HDD
301 記憶部
302 座標決定部
303 描画部
304 入力・表示部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0086】
【特許文献1】特開2007−062218
【特許文献2】特開2004−139524
【特許文献3】特開2006−155164

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネル式ディスプレイを備え、ディスプレイに表示された操作画面上の表示部品に対応したタッチパネルの座標が押下されたとき前記表示部品に関連付けられた操作を入力する情報処理装置であって、
前記操作画面を生成する為の画面情報と、所定設定を行う為の操作手順が記述された操作手順情報とを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記画面情報と前記操作手順情報とに基づき、所定設定を行う際に押下すべき前記表示部品の前記座標を決定する座標決定手段と、
前記座標決定手段により決定された座標上において交差させた2以上の操作誘導線を描画する描画手段とを有し、
前記操作誘導線は、操作画面上の押下すべき表示部品上に描画されてディスプレイに表示されること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
操作画面において前記操作誘導線が描画された前記押下すべき表示部品が押下され、当該操作画面が異なる操作画面に遷移したとき、
遷移前の操作画面における操作誘導線の表示は維持しつつ、さらに前記異なる操作画面における新たな操作誘導線が、当該異なる操作画面上の押下すべき表示部品上に描画されてディスプレイに表示されること、
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記操作手順情報に記述された操作手順をスキップする為のスキップ指示を入力する入力手段を有し、
前記操作誘導線が、操作画面上の押下すべき表示部品上に描画されてディスプレイに表示されているとき、前記入力手段によりスキップ指示が入力されると、当該表示部品の操作に関連付けられている操作手順をスキップし、次の操作手順に従った操作誘導線が、次の操作手順に従って押下すべき表示部品上に描画されてディスプレイに表示されること、
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記遷移前の操作画面における操作誘導線と、前記異なる操作画面における新たな操作誘導線とは、異なる線色又は異なる線形状をもって描画されること、
を特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記操作誘導線は、前記押下すべき表示部品に対して方向性を有して描画されること、
を特徴とする請求項1ないし4何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記操作誘導線には、前記押下すべき表示部品に関連付けられている設定内容の説明が付加されること、
を特徴とする請求項1ないし5何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
タッチパネル式ディスプレイを備え、ディスプレイに表示された操作画面上の表示部品に対応したタッチパネルの座標が押下されたとき前記表示部品に関連付けられた操作を入力する情報処理装置における操作誘導方法であって、
前記操作画面を生成する為の画面情報と、所定設定を行う為の操作手順が記述された操作手順情報とを記憶する記憶手順と、
前記記憶手順に記憶された前記画面情報と前記操作手順情報とに基づき、所定設定を行う際に押下すべき前記表示部品の前記座標を決定する座標決定手順と、
前記座標決定手順により決定された座標上において交差させた2以上の操作誘導線を描画する描画手順と、
前記操作誘導線を操作画面上の押下すべき表示部品上に描画されてディスプレイに表示する表示手順と、
を有することを特徴とする操作誘導方法。
【請求項8】
請求項7に記載の操作誘導方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−53813(P2011−53813A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−200616(P2009−200616)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】