情報処理装置および動作制御方法
【課題】省電力状態からの復帰時の動作環境を適切に設定可能とした情報処理装置および動作制御方法を提供する。
【解決手段】省電力モードの期間中、EC/KBC119は、タイマ140が所定の日時を計時したか、あるいはAutoSyncボタン16,17が押下されたことを検知すると、このタイミングで実行すべきタスク用に定義された動作環境の設定を実行する。このタスクごとの動作環境設定を終えると、EC/KBC119は、省電力モードから復帰させてタスクを実行し、その終了後、省電力モードに戻るAutoSync処理を実行する。
【解決手段】省電力モードの期間中、EC/KBC119は、タイマ140が所定の日時を計時したか、あるいはAutoSyncボタン16,17が押下されたことを検知すると、このタイミングで実行すべきタスク用に定義された動作環境の設定を実行する。このタスクごとの動作環境設定を終えると、EC/KBC119は、省電力モードから復帰させてタスクを実行し、その終了後、省電力モードに戻るAutoSync処理を実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置に適用される動作制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ノートブックタイプのパーソナルコンピュータなど、バッテリ駆動可能で携行容易な情報処理装置が広く普及している。この種の情報処理装置の中には、無線通信機能を備えるものも多く、外出先や移動中においても、メールのチェックやデータのダウンロードを行うことが可能となってきている。
【0003】
また、この種の情報処理装置では、例えば前日の終業時の状態からその日の作業を再開すること等を可能とする、いわゆるサスペンド/レジューム機能を備えているのが一般的である。さらに、複数の状態をセーブでき、レジューム要因に応じて、その複数の状態の中から1つの状態を選択して復帰できるようにする提案もなされている(例えば特許文献1等参照)。
【特許文献1】特開平10−63362号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、サスペンド状態からレジュームする場合、情報処理装置の前回のサスペンド時の動作環境が再現されるのが一般的である。即ち、レジューム後に実行されるタスクに応じて動作環境が設定されるといったことは行われていない。これは、レジューム要因に応じて複数の状態の中のいずれかの状態を復帰する場合についても同様である。
【0005】
例えばメールのチェック等を定期的に行うために、所定のタイミング毎にサスペンド状態からレジュームし、メールのチェック等が終了した後、再度サスペンド状態に自動的に戻るといった機能を搭載することを考える。この場合、消費電力の低減やセキュリティ保護の観点からも、たとえサスペンド時に表示装置がオンされていたとしても、例えば表示装置はオフのまま維持されることが好ましい。
【0006】
しかしながら、これまでは、レジューム時の動作環境をタスク毎に設定するといった動作制御は行われていなかった。
【0007】
この発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、省電力状態からの復帰時の動作環境を適切に設定可能とした情報処理装置および動作制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために、この発明の情報処理装置は、所定のタイミングで省電力状態から復帰して所定のタスクを実行し、その終了後に省電力状態に移行する機能を備えた情報処理装置であって、前記情報処理装置が省電力状態にある期間中において、前記所定のタスクを実行すべき前記所定のタイミングで前記情報処理装置を省電力状態から復帰させる場合に、予め定義された動作環境に前記情報処理装置を設定する環境設定手段を具備することを特徴とする。
【0009】
また、この発明の情報処理装置の動作制御方法は、所定のタイミングで省電力状態から復帰して所定のタスクを実行し、その終了後に省電力状態に移行する機能を備えた情報処理装置の動作を制御する動作制御方法であって、前記情報処理装置が省電力状態にある期間中において、前記所定のタスクを実行すべき前記所定のタイミングで前記情報処理装置を省電力状態から復帰させる場合に、予め定義された動作環境に前記情報処理装置を設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、省電力状態からの復帰時の動作環境を適切に設定可能とした情報処理装置および動作制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照してこの発明の実施形態について説明する。
【0012】
図1には、この発明の一実施形態に係る情報処理装置の利用例が示されている。本実施形態の情報処理装置6は、無線通信機能を有するバッテリ駆動可能な例えばノートブックタイプのパーソナルコンピュータとして構成しており、いずれかの基地局4が形成する無線サービスエリア5内に位置している場合、その基地局4との間で無線通信を実行することが可能である。
【0013】
各基地局4は、制御局3によって収容され、制御局3は、各基地局4と公衆回線網2との間を中継する。メールサーバ1は、この公衆回線網2に接続されている。つまり、情報処理装置6は、外出先や移動中においても、いずれかの基地局4が形成する無線サービスエリア内に位置していれば、メールサーバ1にアクセスして新着メールのチェックやその取り込みを行うことができる。また、メールサーバ1に限らず、他のサーバからデータをダウンロードしたり、あるいはWebページを閲覧することも可能である。
【0014】
また、この情報処理装置6は、省電力モードから所定のタイミング毎に復帰して新着メールのチェックやデータのダウンロード等を自動的に実行し、その実行後に省電力モードに戻る機能を有している。以下では、この機能をAutoSync機能と称する。このAutoSync機能によって、基地局4とのデータ通信が自動実行される。なお、このAutoSync機能は単なる例示であって、省電力モードから復帰して自動実行させる処理としては、新着メールのチェック等のデータ通信に限らず、いずれの処理も適用可能である。
【0015】
ところで、外出などで不在中に新着メールのチェック等が自動実行される場合、セキュリティの観点からも、例えば表示装置をオンするのは好ましくない。また、この程度の処理であれば、消費電力低減の観点からも、例えばCPUを高速で稼働させるのは好ましくない。そこで、この情報処理装置6は、省電力モードからの復帰時の動作環境を適切に設定できる仕組みを備えるようにしたものであり、以下、この点について詳述する。
【0016】
図2は、ディスプレイユニットを開いた状態における情報処理装置(コンピュータ)6を正面側から見た斜視図である。
【0017】
本コンピュータ6は、コンピュータ本体11と、ディスプレイユニット12とから構成される。ディスプレイユニット12には、LCD(Liquid Crystal Display)20から構成される表示装置が組み込まれており、そのLCD20の表示画面はディスプレイユニット12のほぼ中央に位置されている。
【0018】
ディスプレイユニット12は、コンピュータ本体11に支持され、そのコンピュータ本体11に対してコンピュータ本体11の上面が露出される開放位置とコンピュータ本体11の上面を覆う閉塞位置との間を回動自由に取り付けられている。コンピュータ本体11は薄い箱形の筐体を有しており、その上面には本コンピュータ6を電源オン/オフするためのパワーボタン13、キーボード14およびタッチパッド15が配置されている。
【0019】
また、このコンピュータ本体11の上面には、パワーボタン13と並んで、2つのAutoSyncボタン16,17が設けられている。AutoSyncボタン16,17は、AutoSync機能による新着メールのチェックやデータのダウンロードをユーザが好きな時に指示するためのボタンであり、AutoSyncボタン16が押下されると新着メールのチェック、AutoSyncボタン17が押下されるとデータのダウンロードがそれぞれ実行される。
【0020】
図3には、本コンピュータ6のハードウェア構成の一例が示されている。
【0021】
図3に示すように、コンピュータ6は、CPU111、ノースブリッジ112、主メモリ113、グラフィクスコントローラ114、サウスブリッジ115、ハードディスクドライブ(HDD)116、デジタルバーサタイルディスクドライブ(DVDD)117、BIOS(Basic Input Output System)−ROM118、エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)119、電源回路120、有線通信デバイス131、無線通信デバイス132、USB(Universal Serial Bus)コントローラ133等を備えている。
【0022】
CPU111は、本コンピュータ6の動作を制御するメインプロセッサである。このCPU111は、HDD116から主メモリ113にロードされる、オペレーティングシステムおよび各種アプリケーションプログラム/ユーティリティプログラムを実行する。このユーティリティプログラムの中の1つとして、後述するAutoSyncユーティリティプログラム101が存在する。また、CPU111は、BIOS−ROM118に格納されたBIOS(基本入出力システム)も実行する。BIOSは、ハードウェア制御のためのプログラムである。
【0023】
ノースブリッジ112は、CPU111のローカルバスとサウスブリッジ115との間を接続するブリッジデバイスである。また、ノースブリッジ112は、AGP(Accelerated Graphics Port)バスなどを介してグラフィクスコントローラ114との通信を実行する機能も有している。さらに、ノースブリッジ112には、主メモリ113を制御するメモリコントローラも内蔵されている。
【0024】
グラフィクスコントローラ114は、本コンピュータ6のディスプレイモニタとして使用されるLCD20を制御する表示コントローラである。サウスブリッジ115は、PCI(Peripheral Component Interconnect)バスおよびLPC(Low Pin Count)バスにそれぞれ接続されている。また、サウスブリッジ115には、HDD116やDVDD117を制御するIDEコントローラも内蔵されている。
【0025】
エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)119は、電源管理のためのエンベデッドコントローラと、キーボード(KB)14およびタッチパッド15などを制御するキーボードコントローラとが集積された1チップマイクロコンピュータである。エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC119は、電源回路120と協働して、ユーザによるパワーボタンスイッチ14の操作に応じて本コンピュータ6を電源オン/電源オフする。
【0026】
AutoSync機能による省電力モードからの復帰は、このEC/KBC119によって実行制御されるものであり、そのために、EC/KBC119は、日時を計時するためのタイマ140と、AutoSync機能に関する各種設定情報を保持するためのAutoSyncレジスタ141とを有している。また、AutoSyncボタン16,17のオン/オフも、このEC/KBC119で検知される。
【0027】
つまり、EC/KBC119は、AutoSync機能を作動させるタイミングとして、タイマ140が所定の日時を計時した、AutoSyncボタン16,17が押下された、の2通りのトリガを監視しており、これらのタイミングを検知したら、さらに本コンピュータ6を省電力モードから復帰させるかどうかの判断を行う。また、このEC/KBC119には、本コンピュータ6の筐体内に設けられる温度センサ123および加速度センサ124の検出データが入力されている。
【0028】
電源回路120は、バッテリ121またはACアダプタ122を介して供給される外部電源を用い、本コンピュータ6の各コンポーネントに供給すべき動作電源を生成する。本コンピュータ6が電源オフ状態の時も、EC/KBC119には電源回路120から動作電源が供給されている。
【0029】
有線通信デバイス131は、有線通信路を介した外部装置との通信を実行し、無線通信デバイス132は、無線通信規路を介した外部装置との通信を実行する。USBコントローラ133は、シリアルインターフェースによって例えばカメラ134等の周辺機器との通信を実行する。
【0030】
次に、このようなハードウエア構成をもつ本コンピュータ6でAutoSync機能を実現するためのソフトウェア構成を図4を参照しながら説明する。
【0031】
オペレーティングシステム(OS)100は、本コンピュータ6のリソース管理を一元的に司る基本プログラムである。EC/KBC119は、本コンピュータ6が省電力モードにある期間中において、AutoSync機能により何らかの処理(以下、この処理をタスクと称することがある)を実行すべきタイミングを検知した場合、この処理を実行するのに適した動作環境を設定した後、オペレーティングシステム100を起動する。
【0032】
EC/KBC119から起動されると、オペレーティングシステム100は、続いてAutoSyncユーティリティプログラム101を起動する。そして、AutoSyncユーティリティプログラム101は、例えばメールソフト等、そのタイミングで実行すべき処理を司るタスク実行プログラム102を起動する。
【0033】
また、以上のように起動されたタスク実行プログラム102は、自分の行うべき処理が完了すると、その旨をAutoSyncユーティリティプログラム101に通知して終了する。一方、この通知を受けたAutoSyncユーティリティプログラム101も、本コンピュータ6を省電力モードに移行させる旨をオペレーティングシステム100に要求して終了する。これにより、本コンピュータ6は省電力モードに戻ることになる。
【0034】
図5は、前述のハードウェア構成およびソフトウェア構成で実現されるAutoSync処理の基本的な流れを示すフローチャートである。
【0035】
何らかの処理を実行すべきタイミングが訪れると(ステップA1)、本コンピュータ6は省電力モードから復帰し(ステップA2)、その処理を実行する(ステップA3)。そして、この処理が終了すると、本コンピュータ6は、省電力モードに移行する(ステップA4)。よって、ユーザから見ると、省電力モードのまま放置しているにも関わらず、新着メールのチェック等がいつの間にか行われているようになる。
【0036】
また、図6は、AutoSyncユーティリティプログラム101がユーザインタフェース用に表示する設定画面を示す図である。
【0037】
図6に示すように、AutoSyncユーティリティプログラム101が表示する設定画面上には、「メール送受信タスク」、「フォルダ同期タスク」、「Web巡回タスク」、「カメラ撮影タスク」の4つのタスクを個別に設定するための4つのフィールドa1〜a4が設けられている。「メール送受信タスク」は、新着メールのチェック(受信)と未送信メールの送信を行うものであり、「フォルダ同期タスク」は、例えば所定のサーバからスケジュールデータをダウンロードして本コンピュータ6上のスケジュールデータに反映させる等を行うものである。「Web巡回タスク」は、予め指定されたサイトのWebページを参照して新規・更新分のWebページを取り込むといったことを行うものであり、「カメラ撮影タスク」は、USBコントローラ133経由で外部接続されるカメラに撮像指示用の制御信号を送出するといったことを行うものである。
【0038】
フィールドa1〜a4には、各タスクをAutoSync機能で自動実行するかどうかを設定するためのボタン(a11,a21,a31,a41)がそれぞれ設けられ、このボタンがオンされると、各タスクがAutoSync機能で自動実行されることになる。ここでは、「メール送受信タスク」と「フォルダ同期タスク」とがオンされているので、この2つがAutoSync機能で自動実行される。この「メール送受信タスク」と「フォルダ同期タスク」は、ボタンa11,a21のオン/オフに関わらず、AutoSyncボタン16,17の押下によっても適宜に実行される。
【0039】
また、フィールドa1〜a4には、各タスクを何分ごとに実行するのかを設定するための入力エリア(a12,a22,a32,a42)がそれぞれ設けられる。「メール送受信タスク」は30分、「フォルダ同期タスク」は20分、(ボタンa31,a41がオンされたならば)「Web巡回タスク」は80分、「カメラ撮影タスク」は5分ごとに実行されることになる。
【0040】
さらに、フィールドa1〜a4には、各タスクを実行すべきと判断するバッテリ残量を設定するための入力エリア(a13,a23,a33,a43)と、同じくHDDの空き容量を設定するための入力エリア(a14,a24,a34,a44)とがそれぞれ設けられる。例えば「メール送受信タスク」は、本コンピュータ6が、バッテリ残量が5%以下またはHDDの空き容量が10MB以下の状態である場合、本来であれば省電力モードから復帰して実行されるべきタイミングであっても、その実行はキャンセルされ、本コンピュータ6は省電力モードに維持される。
【0041】
なお、EC/KBC119は、電源回路120との通信によって、その時のバッテリ残量を取得する。また、AutoSyncユーティリティプログラム101は、省電力モードへの移行を要求する際、オペレーティングシステム100からHDDの空き容量を取得し、その値をEC/KBC119に出力してAutoSyncレジスタ141に保持させる。EC/KBC119は、この省電力モードへの移行時に保持したAutoSyncレジスタ141内の値を参照することによって、その時のHDDの空き容量を取得する。
【0042】
つまり、この設定画面では、各タスクごとに、そのタスクを実行すべきコンピュータ6の状態を条件として設定することができる。また、バッテリ残量が3%以下、HDDの空き容量が5MB以下、機器温度が一定の温度以上、機器に振動が加えられている、のいずれかの状態にある場合には、すべてのタスクの実行はキャンセルされる。前述の温度センサ123および加速度センサ124は、機器温度が一定の温度以上かどうか、および機器に振動が加えられていないかどうかをEC/KBC119が判断するために設けられるものである。
【0043】
無線LANネットワークに接続不可能な状態にある場合には、「カメラ撮影タスク」を除くすべてのタスクの実行がキャンセルされる。無線通信デバイス132は、基地局からの無線信号の電界強度を常時監視しており、EC/KBC119は、無線通信デバイス132との通信によって、その時の無線LANネットワークへの接続可否を取得する。無線通信デバイス132には、電源回路120から動作電源が常時供給されている。
【0044】
また、フィールドa1〜a4には、各タスクに固有の設定を行う設定画面に移行するためのボタン(a15,a25,a35,a45)がそれぞれ設けられる。例えば「メール送受信タスク」用のフィールドa1に設けられたボタンa15を操作すると、メールサーバ1経由でメールを送受信するための設定作業に移行することができる。
【0045】
この設定画面の下側部に配置されるボタンa51は、以上の設定作業が完了した際に操作されるボタンであり、このボタンa51が操作されると、AutoSyncユーティリティプログラム101は、その設定内容を含むタスク条件テーブルを生成してEC/KBC119に出力し、AutoSyncレジスタ141に保持させる。そして、AutoSyncユーティリティプログラム101は、オペレーティングシステム100に対して要求を発行し、本コンピュータ6を省電力モードに移行させる。
【0046】
図7は、AutoSyncユーティリティプログラム101から出力されてEC/KBC119のAutoSyncレジスタ141内で保持されるタスク条件テーブルを示す図である。図7に示すように、設定画面上で設定された内容は、AutoSyncレジスタ141内でタスク条件テーブルとして保持される。このタスク条件テーブルを保持することで、EC/KBC119は、省電力モードから復帰してタスクを実行すべきかどうかを各タスクごとに適切に判断できることになる。
【0047】
また、このEC/KBC119のAutoSyncレジスタ141内には、各タスクを実行する際、種々のデバイスの動作環境をどのように設定すべきかを示すハードウェア設定テーブルも保持されている(図8)。このハードウェア設定テーブルは、各タスクごとに、DVDD117、USBコントローラ133、LCD20のオン/オフと、CPU111の速度の低速/高速(あるいは多段階)とが定義できるようになっている。このハードウェア設定テーブルを保持することで、EC/KBC119は、不要なデバイスによる電力消費を各タスクごとに適切に抑止できることになる。例えば「メール送受信」の場合、DVDD117、USBコントローラ133、LCD20のすべてがオフと定義されているので、EC/KBC119は、DVDD117、USBコントローラ133、LCD20の電源ラインをオフにする。EC/KBC119は、電源回路120からDVDD117、USBコントローラ133、LCD20に導入される電源ラインをオン/オフする機能を有している。また、この「メール送受信」の場合、CPU111の速度は低速と定義されているので、EC/KBC119は、CPU111を低速に設定する。EC/KBC119は、CPU111を高速/低速(あるいは多段階)に切り換える機能も有している。
【0048】
図9は、AutoSyncユーティリティプログラム101によるAutoSync機能の設定時の動作の流れを示すフローチャートである。
【0049】
AutoSyncユーティリティプログラム101は、ユーザインタフェース用の設定画面を表示してタスク条件の設定を行わせると(ステップB1)、その設定内容を含むタスク条件テーブルを生成してEC/KBC119に出力する(ステップB2)。また、AutoSyncユーティリティプログラム101は、HDDの空き容量をオペレーティングシステム100から取得し、その値をEC/KBC119に出力する(ステップB3)。
【0050】
そして、AutoSyncユーティリティプログラム101は、本コンピュータ6を省電力モードに移行させる旨をオペレーティングシステム100に要求する(ステップB4)。
【0051】
また、図10は、本コンピュータ6におけるAutoSync処理に関わる動作の流れを示すフローチャートである。
【0052】
EC/KBC119は、タスク1を実行すべきタイミングであるかどうかを調べ(ステップC1)、そのタイミングであった場合(ステップC1のYES)、第1に、例えばバッテリ残量やHDD空き容量など、このタスクに対応する条件を満たす状態に本コンピュータ6があるかどうかを調べる(ステップC2)。もし、本コンピュータ6がタスク1に対応する条件を満たす状態にあった場合(ステップC2のYES)、EC/KBC119は、第2に、DVDD117等のオン/オフやCPU111の低速/高速など、このタスクに対応する動作環境を設定する(ステップC3)。
【0053】
このタスク1に対応する動作環境が設定できたら、EC/KBC119は、本コンピュータ6を省電力モードから復帰させ、当該タスク1を実行させる(ステップC4)。そして、このタスク1が終了したら、AutoSyncユーティリティプログラム101は、その時点でのHDDの空き容量をオペレーティングシステム100から取得してEC/KBC119に出力し(ステップC5)、本コンピュータ6を省電力モードへ移行させる旨をオペレーティングシステム100に要求する(ステップC6)。
【0054】
もし、本コンピュータ6がタスク1に対応する条件を満たす状態にない場合(ステップC2のNO)、EC/KBC119は、前述のステップC3〜ステップC6の処理をスキップし、本コンピュータ6を省電力モードのまま維持する。
【0055】
また、タスク1を実行すべきタイミングでない場合(ステップC1のNO)、EC/KBC119は、続いて、タスク2を実行すべきタイミングであるかどうかを調べる(ステップC7)。そして、そのタイミングであった場合(ステップC7のYES)、EC/KBC119は、タスク1に関するステップC2〜ステップC6に対応する、タスク2に関するステップC8〜ステップC12の処理を実行する。
【0056】
以下、同様に、タスクnを実行すべきタイミングであるかどうかまで調べたら(ステップC13)、EC/KBC119は、先頭のタスク1に関するステップC1に戻り、前述の処理を繰り返す。
【0057】
このように、本コンピュータ6では、各タスクごとに、省電力モードからの復帰要否が各々の条件を基に適切に判断され、また、各タスクごとに、本コンピュータ6の動作環境がそれぞれ適切に設定される。
【0058】
これにより、あるタスクを実行できる状態になく、その状態で実行するとエラー終了することが自明または予想される場合に、そのタスクを実行するために省電力モードからわざわざ復帰させてしまうこと等を回避でき、また、そのタスクの実行に不要なデバイスまでをオンして貴重なバッテリの電力を無駄に消費してしまうこと等を回避できる。
【0059】
ところで、前述の実施形態においては、コンピュータ本体11の上面に、AutoSyncボタン16,17の2つのAutoSyncボタンを設け、それぞれに「メール送受信」、「フォルダ同期」のタスクを割り当てるといった説明を行ったが、AutoSyncボタンは1つとし、このAutoSyncボタンが押下された際、AutoSyncユーティリティプログラム101の設定画面でオンに設定されたタスクすべてをタスクセットとして順次実行するようにしても良い。
【0060】
また、このタスクセットという概念を取り入れることにより、例えば図11に示すような制御も可能となる。
【0061】
いま、「メール送受信」のみをタスクセット1、「メール送受信」および「フォルダ同期」をタスクセット2とし、AutoSyncボタンの押下時またはタイマによる所定日時の計時時に、このタスクセット1およびタスクセット2のいずれかをEC/KBC119が実行するものと想定する。
【0062】
このタスクセット1およびタスクセット2のいずれにも、「メール送受信」は含まれており、この「メール送受信」用に起動されるタスク実行プログラム102に、受信メール中に例えば”change”等の所定のキーワードからなるタイトルのメールが存在しないかどうかをチェックするモジュールを付加する。そして、もし、存在すれば、その旨をAutoSyncユーティリティプログラム101に通知するようにしておく。
【0063】
一方、この通知を受けた場合、AutoSyncユーティリティプログラム101は、タスクセットを切り換えるためのデータ出力をEC/KBC119に対して行うようにする。これにより、ユーザは、例えば本コンピュータ6をオフィスに置いたまま外出したような場合であって、このAutoSync機能のタスクセットを外出先や移動中に切り換えたいと考えた場合に、携帯電話機などから”change”等の所定のキーワードからなるタイトルのメールを送信するだけで、次のAntoSync処理が起動された際、当該タスクセットの切り換えを実施することが可能となる。
【0064】
このように、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の利用例を示す図
【図2】同実施形態の情報処理装置のディスプレイユニットを開いた状態における外観を示す斜視図
【図3】同実施形態の情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図
【図4】同実施形態の情報処理装置のソフトウェア構成を示すブロック図
【図5】同実施形態の情報処理装置で実行されるAutoSync処理の基本的な流れを示すフローチャート
【図6】同実施形態の情報処理装置で動作するAutoSyncユーティリティプログラムがユーザインタフェース用に表示する設定画面を示す図
【図7】同実施形態の情報処理装置がEC/KBCのAutoSyncレジスタ内で保持するタスク条件テーブルを示す図
【図8】同実施形態の情報処理装置がEC/KBCのAutoSyncレジスタ内で保持するハードウェア設定テーブルを示す図
【図9】同実施形態の情報処理装置で動作するAutoSyncユーティリティプログラムによるAutoSync機能の設定時の動作の流れを示すフローチャート
【図10】同実施形態の情報処理装置におけるAutoSync処理に関わる動作の流れを示すフローチャート
【図11】同実施形態の情報処理装置のAutoSync処理に関わる一変形例を説明するための図
【符号の説明】
【0066】
1…メールサーバ、2…公衆回線網、3…制御局、4…基地局、5…無線サービスエリア、6…情報処理装置(コンピュータ)、11…コンピュータ本体、16,17…AutoSyncボタン、100…オペレーティングシステム、101…AutoSyncユーティリティプログラム、102…タスク実行プログラム、111…CPU、116…ハードディスクドライブ(HDD)、117…デジタルバーサタイルディスクドライブ(DVDD)、119…エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラ(EC/KBC)、120…電源回路、121…バッテリ、123…温度センサ、124…加速度センサ、132…無線通信デバイス、133…USBコントローラ、134…カメラ。
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置に適用される動作制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ノートブックタイプのパーソナルコンピュータなど、バッテリ駆動可能で携行容易な情報処理装置が広く普及している。この種の情報処理装置の中には、無線通信機能を備えるものも多く、外出先や移動中においても、メールのチェックやデータのダウンロードを行うことが可能となってきている。
【0003】
また、この種の情報処理装置では、例えば前日の終業時の状態からその日の作業を再開すること等を可能とする、いわゆるサスペンド/レジューム機能を備えているのが一般的である。さらに、複数の状態をセーブでき、レジューム要因に応じて、その複数の状態の中から1つの状態を選択して復帰できるようにする提案もなされている(例えば特許文献1等参照)。
【特許文献1】特開平10−63362号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、サスペンド状態からレジュームする場合、情報処理装置の前回のサスペンド時の動作環境が再現されるのが一般的である。即ち、レジューム後に実行されるタスクに応じて動作環境が設定されるといったことは行われていない。これは、レジューム要因に応じて複数の状態の中のいずれかの状態を復帰する場合についても同様である。
【0005】
例えばメールのチェック等を定期的に行うために、所定のタイミング毎にサスペンド状態からレジュームし、メールのチェック等が終了した後、再度サスペンド状態に自動的に戻るといった機能を搭載することを考える。この場合、消費電力の低減やセキュリティ保護の観点からも、たとえサスペンド時に表示装置がオンされていたとしても、例えば表示装置はオフのまま維持されることが好ましい。
【0006】
しかしながら、これまでは、レジューム時の動作環境をタスク毎に設定するといった動作制御は行われていなかった。
【0007】
この発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、省電力状態からの復帰時の動作環境を適切に設定可能とした情報処理装置および動作制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために、この発明の情報処理装置は、所定のタイミングで省電力状態から復帰して所定のタスクを実行し、その終了後に省電力状態に移行する機能を備えた情報処理装置であって、前記情報処理装置が省電力状態にある期間中において、前記所定のタスクを実行すべき前記所定のタイミングで前記情報処理装置を省電力状態から復帰させる場合に、予め定義された動作環境に前記情報処理装置を設定する環境設定手段を具備することを特徴とする。
【0009】
また、この発明の情報処理装置の動作制御方法は、所定のタイミングで省電力状態から復帰して所定のタスクを実行し、その終了後に省電力状態に移行する機能を備えた情報処理装置の動作を制御する動作制御方法であって、前記情報処理装置が省電力状態にある期間中において、前記所定のタスクを実行すべき前記所定のタイミングで前記情報処理装置を省電力状態から復帰させる場合に、予め定義された動作環境に前記情報処理装置を設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、省電力状態からの復帰時の動作環境を適切に設定可能とした情報処理装置および動作制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照してこの発明の実施形態について説明する。
【0012】
図1には、この発明の一実施形態に係る情報処理装置の利用例が示されている。本実施形態の情報処理装置6は、無線通信機能を有するバッテリ駆動可能な例えばノートブックタイプのパーソナルコンピュータとして構成しており、いずれかの基地局4が形成する無線サービスエリア5内に位置している場合、その基地局4との間で無線通信を実行することが可能である。
【0013】
各基地局4は、制御局3によって収容され、制御局3は、各基地局4と公衆回線網2との間を中継する。メールサーバ1は、この公衆回線網2に接続されている。つまり、情報処理装置6は、外出先や移動中においても、いずれかの基地局4が形成する無線サービスエリア内に位置していれば、メールサーバ1にアクセスして新着メールのチェックやその取り込みを行うことができる。また、メールサーバ1に限らず、他のサーバからデータをダウンロードしたり、あるいはWebページを閲覧することも可能である。
【0014】
また、この情報処理装置6は、省電力モードから所定のタイミング毎に復帰して新着メールのチェックやデータのダウンロード等を自動的に実行し、その実行後に省電力モードに戻る機能を有している。以下では、この機能をAutoSync機能と称する。このAutoSync機能によって、基地局4とのデータ通信が自動実行される。なお、このAutoSync機能は単なる例示であって、省電力モードから復帰して自動実行させる処理としては、新着メールのチェック等のデータ通信に限らず、いずれの処理も適用可能である。
【0015】
ところで、外出などで不在中に新着メールのチェック等が自動実行される場合、セキュリティの観点からも、例えば表示装置をオンするのは好ましくない。また、この程度の処理であれば、消費電力低減の観点からも、例えばCPUを高速で稼働させるのは好ましくない。そこで、この情報処理装置6は、省電力モードからの復帰時の動作環境を適切に設定できる仕組みを備えるようにしたものであり、以下、この点について詳述する。
【0016】
図2は、ディスプレイユニットを開いた状態における情報処理装置(コンピュータ)6を正面側から見た斜視図である。
【0017】
本コンピュータ6は、コンピュータ本体11と、ディスプレイユニット12とから構成される。ディスプレイユニット12には、LCD(Liquid Crystal Display)20から構成される表示装置が組み込まれており、そのLCD20の表示画面はディスプレイユニット12のほぼ中央に位置されている。
【0018】
ディスプレイユニット12は、コンピュータ本体11に支持され、そのコンピュータ本体11に対してコンピュータ本体11の上面が露出される開放位置とコンピュータ本体11の上面を覆う閉塞位置との間を回動自由に取り付けられている。コンピュータ本体11は薄い箱形の筐体を有しており、その上面には本コンピュータ6を電源オン/オフするためのパワーボタン13、キーボード14およびタッチパッド15が配置されている。
【0019】
また、このコンピュータ本体11の上面には、パワーボタン13と並んで、2つのAutoSyncボタン16,17が設けられている。AutoSyncボタン16,17は、AutoSync機能による新着メールのチェックやデータのダウンロードをユーザが好きな時に指示するためのボタンであり、AutoSyncボタン16が押下されると新着メールのチェック、AutoSyncボタン17が押下されるとデータのダウンロードがそれぞれ実行される。
【0020】
図3には、本コンピュータ6のハードウェア構成の一例が示されている。
【0021】
図3に示すように、コンピュータ6は、CPU111、ノースブリッジ112、主メモリ113、グラフィクスコントローラ114、サウスブリッジ115、ハードディスクドライブ(HDD)116、デジタルバーサタイルディスクドライブ(DVDD)117、BIOS(Basic Input Output System)−ROM118、エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)119、電源回路120、有線通信デバイス131、無線通信デバイス132、USB(Universal Serial Bus)コントローラ133等を備えている。
【0022】
CPU111は、本コンピュータ6の動作を制御するメインプロセッサである。このCPU111は、HDD116から主メモリ113にロードされる、オペレーティングシステムおよび各種アプリケーションプログラム/ユーティリティプログラムを実行する。このユーティリティプログラムの中の1つとして、後述するAutoSyncユーティリティプログラム101が存在する。また、CPU111は、BIOS−ROM118に格納されたBIOS(基本入出力システム)も実行する。BIOSは、ハードウェア制御のためのプログラムである。
【0023】
ノースブリッジ112は、CPU111のローカルバスとサウスブリッジ115との間を接続するブリッジデバイスである。また、ノースブリッジ112は、AGP(Accelerated Graphics Port)バスなどを介してグラフィクスコントローラ114との通信を実行する機能も有している。さらに、ノースブリッジ112には、主メモリ113を制御するメモリコントローラも内蔵されている。
【0024】
グラフィクスコントローラ114は、本コンピュータ6のディスプレイモニタとして使用されるLCD20を制御する表示コントローラである。サウスブリッジ115は、PCI(Peripheral Component Interconnect)バスおよびLPC(Low Pin Count)バスにそれぞれ接続されている。また、サウスブリッジ115には、HDD116やDVDD117を制御するIDEコントローラも内蔵されている。
【0025】
エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)119は、電源管理のためのエンベデッドコントローラと、キーボード(KB)14およびタッチパッド15などを制御するキーボードコントローラとが集積された1チップマイクロコンピュータである。エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC119は、電源回路120と協働して、ユーザによるパワーボタンスイッチ14の操作に応じて本コンピュータ6を電源オン/電源オフする。
【0026】
AutoSync機能による省電力モードからの復帰は、このEC/KBC119によって実行制御されるものであり、そのために、EC/KBC119は、日時を計時するためのタイマ140と、AutoSync機能に関する各種設定情報を保持するためのAutoSyncレジスタ141とを有している。また、AutoSyncボタン16,17のオン/オフも、このEC/KBC119で検知される。
【0027】
つまり、EC/KBC119は、AutoSync機能を作動させるタイミングとして、タイマ140が所定の日時を計時した、AutoSyncボタン16,17が押下された、の2通りのトリガを監視しており、これらのタイミングを検知したら、さらに本コンピュータ6を省電力モードから復帰させるかどうかの判断を行う。また、このEC/KBC119には、本コンピュータ6の筐体内に設けられる温度センサ123および加速度センサ124の検出データが入力されている。
【0028】
電源回路120は、バッテリ121またはACアダプタ122を介して供給される外部電源を用い、本コンピュータ6の各コンポーネントに供給すべき動作電源を生成する。本コンピュータ6が電源オフ状態の時も、EC/KBC119には電源回路120から動作電源が供給されている。
【0029】
有線通信デバイス131は、有線通信路を介した外部装置との通信を実行し、無線通信デバイス132は、無線通信規路を介した外部装置との通信を実行する。USBコントローラ133は、シリアルインターフェースによって例えばカメラ134等の周辺機器との通信を実行する。
【0030】
次に、このようなハードウエア構成をもつ本コンピュータ6でAutoSync機能を実現するためのソフトウェア構成を図4を参照しながら説明する。
【0031】
オペレーティングシステム(OS)100は、本コンピュータ6のリソース管理を一元的に司る基本プログラムである。EC/KBC119は、本コンピュータ6が省電力モードにある期間中において、AutoSync機能により何らかの処理(以下、この処理をタスクと称することがある)を実行すべきタイミングを検知した場合、この処理を実行するのに適した動作環境を設定した後、オペレーティングシステム100を起動する。
【0032】
EC/KBC119から起動されると、オペレーティングシステム100は、続いてAutoSyncユーティリティプログラム101を起動する。そして、AutoSyncユーティリティプログラム101は、例えばメールソフト等、そのタイミングで実行すべき処理を司るタスク実行プログラム102を起動する。
【0033】
また、以上のように起動されたタスク実行プログラム102は、自分の行うべき処理が完了すると、その旨をAutoSyncユーティリティプログラム101に通知して終了する。一方、この通知を受けたAutoSyncユーティリティプログラム101も、本コンピュータ6を省電力モードに移行させる旨をオペレーティングシステム100に要求して終了する。これにより、本コンピュータ6は省電力モードに戻ることになる。
【0034】
図5は、前述のハードウェア構成およびソフトウェア構成で実現されるAutoSync処理の基本的な流れを示すフローチャートである。
【0035】
何らかの処理を実行すべきタイミングが訪れると(ステップA1)、本コンピュータ6は省電力モードから復帰し(ステップA2)、その処理を実行する(ステップA3)。そして、この処理が終了すると、本コンピュータ6は、省電力モードに移行する(ステップA4)。よって、ユーザから見ると、省電力モードのまま放置しているにも関わらず、新着メールのチェック等がいつの間にか行われているようになる。
【0036】
また、図6は、AutoSyncユーティリティプログラム101がユーザインタフェース用に表示する設定画面を示す図である。
【0037】
図6に示すように、AutoSyncユーティリティプログラム101が表示する設定画面上には、「メール送受信タスク」、「フォルダ同期タスク」、「Web巡回タスク」、「カメラ撮影タスク」の4つのタスクを個別に設定するための4つのフィールドa1〜a4が設けられている。「メール送受信タスク」は、新着メールのチェック(受信)と未送信メールの送信を行うものであり、「フォルダ同期タスク」は、例えば所定のサーバからスケジュールデータをダウンロードして本コンピュータ6上のスケジュールデータに反映させる等を行うものである。「Web巡回タスク」は、予め指定されたサイトのWebページを参照して新規・更新分のWebページを取り込むといったことを行うものであり、「カメラ撮影タスク」は、USBコントローラ133経由で外部接続されるカメラに撮像指示用の制御信号を送出するといったことを行うものである。
【0038】
フィールドa1〜a4には、各タスクをAutoSync機能で自動実行するかどうかを設定するためのボタン(a11,a21,a31,a41)がそれぞれ設けられ、このボタンがオンされると、各タスクがAutoSync機能で自動実行されることになる。ここでは、「メール送受信タスク」と「フォルダ同期タスク」とがオンされているので、この2つがAutoSync機能で自動実行される。この「メール送受信タスク」と「フォルダ同期タスク」は、ボタンa11,a21のオン/オフに関わらず、AutoSyncボタン16,17の押下によっても適宜に実行される。
【0039】
また、フィールドa1〜a4には、各タスクを何分ごとに実行するのかを設定するための入力エリア(a12,a22,a32,a42)がそれぞれ設けられる。「メール送受信タスク」は30分、「フォルダ同期タスク」は20分、(ボタンa31,a41がオンされたならば)「Web巡回タスク」は80分、「カメラ撮影タスク」は5分ごとに実行されることになる。
【0040】
さらに、フィールドa1〜a4には、各タスクを実行すべきと判断するバッテリ残量を設定するための入力エリア(a13,a23,a33,a43)と、同じくHDDの空き容量を設定するための入力エリア(a14,a24,a34,a44)とがそれぞれ設けられる。例えば「メール送受信タスク」は、本コンピュータ6が、バッテリ残量が5%以下またはHDDの空き容量が10MB以下の状態である場合、本来であれば省電力モードから復帰して実行されるべきタイミングであっても、その実行はキャンセルされ、本コンピュータ6は省電力モードに維持される。
【0041】
なお、EC/KBC119は、電源回路120との通信によって、その時のバッテリ残量を取得する。また、AutoSyncユーティリティプログラム101は、省電力モードへの移行を要求する際、オペレーティングシステム100からHDDの空き容量を取得し、その値をEC/KBC119に出力してAutoSyncレジスタ141に保持させる。EC/KBC119は、この省電力モードへの移行時に保持したAutoSyncレジスタ141内の値を参照することによって、その時のHDDの空き容量を取得する。
【0042】
つまり、この設定画面では、各タスクごとに、そのタスクを実行すべきコンピュータ6の状態を条件として設定することができる。また、バッテリ残量が3%以下、HDDの空き容量が5MB以下、機器温度が一定の温度以上、機器に振動が加えられている、のいずれかの状態にある場合には、すべてのタスクの実行はキャンセルされる。前述の温度センサ123および加速度センサ124は、機器温度が一定の温度以上かどうか、および機器に振動が加えられていないかどうかをEC/KBC119が判断するために設けられるものである。
【0043】
無線LANネットワークに接続不可能な状態にある場合には、「カメラ撮影タスク」を除くすべてのタスクの実行がキャンセルされる。無線通信デバイス132は、基地局からの無線信号の電界強度を常時監視しており、EC/KBC119は、無線通信デバイス132との通信によって、その時の無線LANネットワークへの接続可否を取得する。無線通信デバイス132には、電源回路120から動作電源が常時供給されている。
【0044】
また、フィールドa1〜a4には、各タスクに固有の設定を行う設定画面に移行するためのボタン(a15,a25,a35,a45)がそれぞれ設けられる。例えば「メール送受信タスク」用のフィールドa1に設けられたボタンa15を操作すると、メールサーバ1経由でメールを送受信するための設定作業に移行することができる。
【0045】
この設定画面の下側部に配置されるボタンa51は、以上の設定作業が完了した際に操作されるボタンであり、このボタンa51が操作されると、AutoSyncユーティリティプログラム101は、その設定内容を含むタスク条件テーブルを生成してEC/KBC119に出力し、AutoSyncレジスタ141に保持させる。そして、AutoSyncユーティリティプログラム101は、オペレーティングシステム100に対して要求を発行し、本コンピュータ6を省電力モードに移行させる。
【0046】
図7は、AutoSyncユーティリティプログラム101から出力されてEC/KBC119のAutoSyncレジスタ141内で保持されるタスク条件テーブルを示す図である。図7に示すように、設定画面上で設定された内容は、AutoSyncレジスタ141内でタスク条件テーブルとして保持される。このタスク条件テーブルを保持することで、EC/KBC119は、省電力モードから復帰してタスクを実行すべきかどうかを各タスクごとに適切に判断できることになる。
【0047】
また、このEC/KBC119のAutoSyncレジスタ141内には、各タスクを実行する際、種々のデバイスの動作環境をどのように設定すべきかを示すハードウェア設定テーブルも保持されている(図8)。このハードウェア設定テーブルは、各タスクごとに、DVDD117、USBコントローラ133、LCD20のオン/オフと、CPU111の速度の低速/高速(あるいは多段階)とが定義できるようになっている。このハードウェア設定テーブルを保持することで、EC/KBC119は、不要なデバイスによる電力消費を各タスクごとに適切に抑止できることになる。例えば「メール送受信」の場合、DVDD117、USBコントローラ133、LCD20のすべてがオフと定義されているので、EC/KBC119は、DVDD117、USBコントローラ133、LCD20の電源ラインをオフにする。EC/KBC119は、電源回路120からDVDD117、USBコントローラ133、LCD20に導入される電源ラインをオン/オフする機能を有している。また、この「メール送受信」の場合、CPU111の速度は低速と定義されているので、EC/KBC119は、CPU111を低速に設定する。EC/KBC119は、CPU111を高速/低速(あるいは多段階)に切り換える機能も有している。
【0048】
図9は、AutoSyncユーティリティプログラム101によるAutoSync機能の設定時の動作の流れを示すフローチャートである。
【0049】
AutoSyncユーティリティプログラム101は、ユーザインタフェース用の設定画面を表示してタスク条件の設定を行わせると(ステップB1)、その設定内容を含むタスク条件テーブルを生成してEC/KBC119に出力する(ステップB2)。また、AutoSyncユーティリティプログラム101は、HDDの空き容量をオペレーティングシステム100から取得し、その値をEC/KBC119に出力する(ステップB3)。
【0050】
そして、AutoSyncユーティリティプログラム101は、本コンピュータ6を省電力モードに移行させる旨をオペレーティングシステム100に要求する(ステップB4)。
【0051】
また、図10は、本コンピュータ6におけるAutoSync処理に関わる動作の流れを示すフローチャートである。
【0052】
EC/KBC119は、タスク1を実行すべきタイミングであるかどうかを調べ(ステップC1)、そのタイミングであった場合(ステップC1のYES)、第1に、例えばバッテリ残量やHDD空き容量など、このタスクに対応する条件を満たす状態に本コンピュータ6があるかどうかを調べる(ステップC2)。もし、本コンピュータ6がタスク1に対応する条件を満たす状態にあった場合(ステップC2のYES)、EC/KBC119は、第2に、DVDD117等のオン/オフやCPU111の低速/高速など、このタスクに対応する動作環境を設定する(ステップC3)。
【0053】
このタスク1に対応する動作環境が設定できたら、EC/KBC119は、本コンピュータ6を省電力モードから復帰させ、当該タスク1を実行させる(ステップC4)。そして、このタスク1が終了したら、AutoSyncユーティリティプログラム101は、その時点でのHDDの空き容量をオペレーティングシステム100から取得してEC/KBC119に出力し(ステップC5)、本コンピュータ6を省電力モードへ移行させる旨をオペレーティングシステム100に要求する(ステップC6)。
【0054】
もし、本コンピュータ6がタスク1に対応する条件を満たす状態にない場合(ステップC2のNO)、EC/KBC119は、前述のステップC3〜ステップC6の処理をスキップし、本コンピュータ6を省電力モードのまま維持する。
【0055】
また、タスク1を実行すべきタイミングでない場合(ステップC1のNO)、EC/KBC119は、続いて、タスク2を実行すべきタイミングであるかどうかを調べる(ステップC7)。そして、そのタイミングであった場合(ステップC7のYES)、EC/KBC119は、タスク1に関するステップC2〜ステップC6に対応する、タスク2に関するステップC8〜ステップC12の処理を実行する。
【0056】
以下、同様に、タスクnを実行すべきタイミングであるかどうかまで調べたら(ステップC13)、EC/KBC119は、先頭のタスク1に関するステップC1に戻り、前述の処理を繰り返す。
【0057】
このように、本コンピュータ6では、各タスクごとに、省電力モードからの復帰要否が各々の条件を基に適切に判断され、また、各タスクごとに、本コンピュータ6の動作環境がそれぞれ適切に設定される。
【0058】
これにより、あるタスクを実行できる状態になく、その状態で実行するとエラー終了することが自明または予想される場合に、そのタスクを実行するために省電力モードからわざわざ復帰させてしまうこと等を回避でき、また、そのタスクの実行に不要なデバイスまでをオンして貴重なバッテリの電力を無駄に消費してしまうこと等を回避できる。
【0059】
ところで、前述の実施形態においては、コンピュータ本体11の上面に、AutoSyncボタン16,17の2つのAutoSyncボタンを設け、それぞれに「メール送受信」、「フォルダ同期」のタスクを割り当てるといった説明を行ったが、AutoSyncボタンは1つとし、このAutoSyncボタンが押下された際、AutoSyncユーティリティプログラム101の設定画面でオンに設定されたタスクすべてをタスクセットとして順次実行するようにしても良い。
【0060】
また、このタスクセットという概念を取り入れることにより、例えば図11に示すような制御も可能となる。
【0061】
いま、「メール送受信」のみをタスクセット1、「メール送受信」および「フォルダ同期」をタスクセット2とし、AutoSyncボタンの押下時またはタイマによる所定日時の計時時に、このタスクセット1およびタスクセット2のいずれかをEC/KBC119が実行するものと想定する。
【0062】
このタスクセット1およびタスクセット2のいずれにも、「メール送受信」は含まれており、この「メール送受信」用に起動されるタスク実行プログラム102に、受信メール中に例えば”change”等の所定のキーワードからなるタイトルのメールが存在しないかどうかをチェックするモジュールを付加する。そして、もし、存在すれば、その旨をAutoSyncユーティリティプログラム101に通知するようにしておく。
【0063】
一方、この通知を受けた場合、AutoSyncユーティリティプログラム101は、タスクセットを切り換えるためのデータ出力をEC/KBC119に対して行うようにする。これにより、ユーザは、例えば本コンピュータ6をオフィスに置いたまま外出したような場合であって、このAutoSync機能のタスクセットを外出先や移動中に切り換えたいと考えた場合に、携帯電話機などから”change”等の所定のキーワードからなるタイトルのメールを送信するだけで、次のAntoSync処理が起動された際、当該タスクセットの切り換えを実施することが可能となる。
【0064】
このように、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の利用例を示す図
【図2】同実施形態の情報処理装置のディスプレイユニットを開いた状態における外観を示す斜視図
【図3】同実施形態の情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図
【図4】同実施形態の情報処理装置のソフトウェア構成を示すブロック図
【図5】同実施形態の情報処理装置で実行されるAutoSync処理の基本的な流れを示すフローチャート
【図6】同実施形態の情報処理装置で動作するAutoSyncユーティリティプログラムがユーザインタフェース用に表示する設定画面を示す図
【図7】同実施形態の情報処理装置がEC/KBCのAutoSyncレジスタ内で保持するタスク条件テーブルを示す図
【図8】同実施形態の情報処理装置がEC/KBCのAutoSyncレジスタ内で保持するハードウェア設定テーブルを示す図
【図9】同実施形態の情報処理装置で動作するAutoSyncユーティリティプログラムによるAutoSync機能の設定時の動作の流れを示すフローチャート
【図10】同実施形態の情報処理装置におけるAutoSync処理に関わる動作の流れを示すフローチャート
【図11】同実施形態の情報処理装置のAutoSync処理に関わる一変形例を説明するための図
【符号の説明】
【0066】
1…メールサーバ、2…公衆回線網、3…制御局、4…基地局、5…無線サービスエリア、6…情報処理装置(コンピュータ)、11…コンピュータ本体、16,17…AutoSyncボタン、100…オペレーティングシステム、101…AutoSyncユーティリティプログラム、102…タスク実行プログラム、111…CPU、116…ハードディスクドライブ(HDD)、117…デジタルバーサタイルディスクドライブ(DVDD)、119…エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラ(EC/KBC)、120…電源回路、121…バッテリ、123…温度センサ、124…加速度センサ、132…無線通信デバイス、133…USBコントローラ、134…カメラ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のタイミングで省電力状態から復帰して所定のタスクを実行し、その終了後に省電力状態に移行する機能を備えた情報処理装置であって、
前記情報処理装置が省電力状態にある期間中において、前記所定のタスクを実行すべき前記所定のタイミングで前記情報処理装置を省電力状態から復帰させる場合に、予め定義された動作環境に前記情報処理装置を設定する環境設定手段を具備することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記動作環境はタスク毎に定義され、前記環境設定手段は、各タイミングで実行すべきタスクそれぞれに対応した動作環境に前記情報処理装置を設定することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記動作環境の設定には、前記情報処理装置が備えるデバイスに対する電力供給をオンまたはオフのいずれかに設定することを含むことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記デバイスは、表示装置であることを特徴とする請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記動作環境の設定において、前記情報処理装置が備えるCPUの速度が多段階に設定可能であることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
所定のタイミングで省電力状態から復帰して所定のタスクを実行し、その終了後に省電力状態に移行する機能を備えた情報処理装置の動作を制御する動作制御方法であって、
前記情報処理装置が省電力状態にある期間中において、前記所定のタスクを実行すべき前記所定のタイミングで前記情報処理装置を省電力状態から復帰させる場合に、予め定義された動作環境に前記情報処理装置を設定することを特徴とする動作制御方法。
【請求項7】
前記動作環境はタスク毎に定義され、各タイミングで実行すべきタスクそれぞれに対応した動作環境に前記情報処理装置を設定することを特徴とする請求項6記載の動作制御方法。
【請求項1】
所定のタイミングで省電力状態から復帰して所定のタスクを実行し、その終了後に省電力状態に移行する機能を備えた情報処理装置であって、
前記情報処理装置が省電力状態にある期間中において、前記所定のタスクを実行すべき前記所定のタイミングで前記情報処理装置を省電力状態から復帰させる場合に、予め定義された動作環境に前記情報処理装置を設定する環境設定手段を具備することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記動作環境はタスク毎に定義され、前記環境設定手段は、各タイミングで実行すべきタスクそれぞれに対応した動作環境に前記情報処理装置を設定することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記動作環境の設定には、前記情報処理装置が備えるデバイスに対する電力供給をオンまたはオフのいずれかに設定することを含むことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記デバイスは、表示装置であることを特徴とする請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記動作環境の設定において、前記情報処理装置が備えるCPUの速度が多段階に設定可能であることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
所定のタイミングで省電力状態から復帰して所定のタスクを実行し、その終了後に省電力状態に移行する機能を備えた情報処理装置の動作を制御する動作制御方法であって、
前記情報処理装置が省電力状態にある期間中において、前記所定のタスクを実行すべき前記所定のタイミングで前記情報処理装置を省電力状態から復帰させる場合に、予め定義された動作環境に前記情報処理装置を設定することを特徴とする動作制御方法。
【請求項7】
前記動作環境はタスク毎に定義され、各タイミングで実行すべきタスクそれぞれに対応した動作環境に前記情報処理装置を設定することを特徴とする請求項6記載の動作制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−102669(P2007−102669A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−294602(P2005−294602)
【出願日】平成17年10月7日(2005.10.7)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月7日(2005.10.7)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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