説明

情報処理装置および情報処理方法および情報処理装置の検査方法

【課題】 ハードディスク切り替え時の評価を容易に行うことが可能な情報処理装置を提供する。
【解決手段】 ハードディスクを備えている情報処理装置において、ハードディスク評価用のモードを予め有しており、ハードディスク評価用のモードに基づいて、ハードディスクの性能を評価する評価手段を有していることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置および情報処理方法および情報処理装置の検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタル複写機では、ハードディスク(以下、HDDという)を搭載したものがあり、このハードディスクは、電子ソート機能,画像登録機能等、画像データを一度蓄えて利用する機能に用いられている。
【0003】
ここで、電子ソート機能は、原稿を読み取り、ハードディスクに記憶し、全ての画像を読み取り、ハードディスクに記憶させた後、この画像をページ順にハードディスクから読み出し、プリントアウトするものである。これにより、複数のビンを持つソータ装置を持たなくても、コピー紙をソートした状態で排紙することが可能となる。
【0004】
また、画像登録機能は、予め複数のフォーム画像を登録画像としてハードディスクに記憶することで、再度スキャナで読取ることなく、必要なときに何度でもプリントアウトを行うことができる。
【0005】
特許文献1,特許文献2には、このようなハードディスクを用いたデジタル複写機が示されている。
【0006】
ところで、ハードディスクは、容量等での技術の進歩が早いため、量産から6か月くらいで生産が終了し、新たな技術のハードディスクが生産される。このため、デジタル複写機においては、6ヶ月毎に新しいハードディスクを搭載して生産を行わなければならない。新しいハードディスクに替えるためには、デジタル複写機に搭載したときに不具合や性能劣化を起こさないようメーカーとして動作を保障するために、新しいハードディスクを搭載して、デジタル複写機の様々なモードで評価を行う必要がある。しかしながら、ハードディスクは多くのモードで使用されるため、評価に手間がかかるという問題があった。
【特許文献1】特開平9−321962号公報
【特許文献2】特開平10−11225号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ハードディスク切り替え時の評価を容易に行うことが可能な情報処理装置および情報処理方法および情報処理装置の検査方法を提供することを目的としている。
【0008】
また、本発明は、搭載されるハードディスクの様々なモードでの評価をも、容易に行なうことの可能な情報処理装置および情報処理方法および情報処理装置の検査方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、ハードディスクを備えている情報処理装置において、ハードディスク評価用のモードを予め有していることを特徴としている。
【0010】
また、請求項2記載の発明は、ハードディスクを備えている情報処理装置において、ハードディスクの性能を評価する評価手段を有していることを特徴としている。
【0011】
また、請求項3記載の発明は、ハードディスクを備えている情報処理装置において、ハードディスク評価用のモードを予め有しており、ハードディスク評価用のモードに基づいて、ハードディスクの性能を評価する評価手段を有していることを特徴としている。
【0012】
また、請求項4記載の発明は、請求項2または請求項3記載の情報処理装置において、前記評価手段は、ハードディスクの転送速度を評価するようになっていることを特徴としている。
【0013】
また、請求項5記載の発明は、請求項4記載の情報処理装置において、前記評価手段は、ハードディスク内で使用用途によって分けられた領域ごとに、ハードディスクの転送速度の評価を行うようになっていることを特徴としている。
【0014】
また、請求項6記載の発明は、請求項5記載の情報処理装置において、前記評価手段は、各領域の中で一部の領域についてのみ、ハードディスクの転送速度の評価を行うようになっていることを特徴としている。
【0015】
また、請求項7記載の発明は、請求項2または請求項3記載の情報処理装置において、前記評価手段は、ハードディスクに入力データを入力させた後に、ハードディスクから出力データを出力させ、ハードディスクへの入力データとハードディスクからの出力データとの整合性の確認をとるようになっていることを特徴としている。
【0016】
また、請求項8記載の発明は、請求項7記載の情報処理装置において、整合性の確認は、操作者が実際のデータを目視で確認できるようにハードディスクから出力データを出力し、操作者に確認させることによってなされることを特徴としている。
【0017】
また、請求項9記載の発明は、請求項7記載の情報処理装置において、前記評価手段は、ハードディスクへの入力データとして内部パターンを発生するパターン発生手段と、パターン発生手段で発生した内部パターンをハードディスクにライトするライト手段と、ハードディスクにライトされた入力データを出力データとしてリードするリード手段と、リード手段によってハードディスクからリードされた出力データパターンと前記内部パターンとを照合するパターン照合手段と、パターン照合手段で照合された結果の判定を行なって整合性の確認を行なう判定手段とを備えていることを特徴としている。
【0018】
また、請求項10記載の発明は、請求項2または請求項3記載の情報処理装置において、前記評価手段は、電源ON時にハードディスクが交換されたことを検知する検知手段を有し、検知手段によって電源ON時にハードディスクが交換されたことが検知されたときに、ハードディスクの性能の評価を開始するようになっていることを特徴としている。
【0019】
また、請求項11記載の発明は、請求項10記載の情報処理装置において、前記評価手段は、ハードディスクが交換されたことが検知された場合、ハードディスクの全領域に対してエラーチェックを行うことを特徴としている。
【0020】
また、請求項12記載の発明は、請求項2または請求項3記載の情報処理装置において、前記評価手段は、EMIに関する評価を行うようになっていることを特徴としている。
【0021】
また、請求項13記載の発明は、請求項12記載の情報処理装置において、前記評価手段は、EMIに関する評価を行うのに、必ずハードディスクを動作させることを特徴としている。
【0022】
また、請求項14記載の発明は、請求項12記載の情報処理装置において、前記評価手段は、EMIに関する評価を行うのに、ハードディスクのみを動作させることを特徴としている。
【0023】
また、請求項15記載の発明は、請求項1乃至請求項14のいずれか一項に記載の情報処理装置において、該情報処理装置は、画像形成装置であることを特徴としている。
【0024】
また、請求項16記載の発明は、請求項1乃至請求項14のいずれか一項に記載の情報処理装置において、該情報処理装置は、複写機機能,ファクシミリ機能,プリンタ機能のうちの少なくとも1つの機能を含んでいることを特徴としている。
【0025】
また、請求項17記載の発明は、ハードディスク評価用のモードを予め有しており、ハードディスク評価用のモードに基づいて、ハードディスクの性能を評価することを特徴としている。
【0026】
また、請求項18記載の発明は、ハードディスクを備えている情報処理装置の検査方法において、電源ON時にハードディスクが交換されたことが検知されたときに、ハードディスクの性能の評価を開始することを特徴としている。
【0027】
また、請求項19記載の発明は、請求項18記載の情報処理装置の検査方法において、前記評価手段は、ハードディスクが交換されたことが検知された場合、ハードディスクの全領域に対してエラーチェックを行うことを特徴としている。
【発明の効果】
【0028】
請求項1,請求項15,請求項16記載の発明によれば、予めハードディスク評価用のモードを情報処理装置が有していることにより、ハードディスクの評価を容易に(具体的には、例えば評価者が一人で簡単に)行うことができ、評価方法を検討する時間や実際の評価時間とマンパワーを削減することができる。また、評価者が評価についての知識がなくても、間違いなく評価を行うことができる。
【0029】
また、請求項2,請求項4乃至請求項16,請求項18,請求項19記載の発明によれば、ハードディスクを備えている情報処理装置において、ハードディスクの性能(例えば品質)を評価する評価手段を有しているので、搭載されるハードディスクの評価を容易に行なうことができる。
【0030】
また、請求項3,請求項4乃至請求項19記載の発明によれば、ハードディスクを備えている情報処理装置において、ハードディスク評価用のモードを予め有しており、ハードディスク評価用のモードに基づいて、ハードディスクの性能(例えば品質)を評価する評価手段を有しているので、搭載されるハードディスクの様々なモードでの評価をも、容易に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
【0032】
(第1の形態)
本発明の第1の形態は、ハードディスク(HDD)を備えている情報処理装置において、ハードディスク評価用のモードを予め有していることを特徴としている。
【0033】
第1の形態によれば、予めハードディスク評価用のモードを情報処理装置が有していることにより、ハードディスクの評価を容易に(具体的には、例えば評価者が一人で簡単に)行うことができ、評価方法を検討する時間や実際の評価時間とマンパワーを削減することができる。また、評価者が評価についての知識がなくても、間違いなく評価を行うことができる。
【0034】
(第2の形態)
本発明の第2の形態は、ハードディスクを備えている情報処理装置において、ハードディスクの性能(例えば品質)を評価する評価手段を有していることを特徴としている。
【0035】
第2の形態によれば、ハードディスクを備えている情報処理装置において、ハードディスクの性能(例えば品質)を評価する評価手段を有しているので、ハードディスクの評価を容易に行なうことができる。
【0036】
(第3の形態)
本発明の第3の形態は、ハードディスクを備えている情報処理装置において、ハードディスク評価用のモードを予め有しており、ハードディスク評価用のモードに基づいて、ハードディスクの性能(例えば品質)を評価する評価手段を有していることを特徴としている。
【0037】
第3の形態によれば、ハードディスクを備えている情報処理装置において、ハードディスク評価用のモードを予め有しており、ハードディスク評価用のモードに基づいて、ハードディスクの性能(例えば品質)を評価する評価手段を有しているので、ハードディスクの様々なモードでの評価をも、容易に行なうことができる。
【0038】
(第4の形態)
本発明の第4の形態は、第2または第3の形態の情報処理装置において、前記評価手段は、ハードディスクの転送速度を評価するようになっていることを特徴としている。
【0039】
(第5の形態)
本発明の第5の形態は、第4の形態の情報処理装置において、前記評価手段は、ハードディスク内で使用用途によって分けられた領域ごとに、ハードディスクの転送速度の評価を行うようになっていることを特徴としている。
【0040】
すなわち、ハードディスク内で使用用途によって分けられた領域ごとに要求される速度(コマンド毎の転送量(転送セクタ数))とアクセス方式(アドレスの発生方法)が異なる場合、ハードディスク内で使用用途によって分けられた領域ごとに、ハードディスクの転送速度の評価を行うようになっているのが良い。
【0041】
(第6の形態)
本発明の第6の形態は、第5の形態の情報処理装置において、前記評価手段は、各領域の中で一部の領域(高いアドレス部分)についてのみ、ハードディスクの転送速度の評価を行うようになっていることを特徴としている。
【0042】
すなわち、全領域について速度評価を行うと時間がかかるので、時間を短縮する方法として、各用途で使用する領域のアドレスが大きい部分だけを選んで速度評価することで、少ない時間で評価ができる。
【0043】
(第7の形態)
本発明の第7の形態は、第2または第3の形態の情報処理装置において、前記評価手段は、ハードディスクに入力データを入力させた後に、ハードディスクから出力データを出力させ、ハードディスクへの入力データとハードディスクからの出力データとの整合性の確認をとるようになっていることを特徴としている。
【0044】
(第8の形態)
本発明の第8の形態は、第7の形態の情報処理装置において、整合性の確認は、操作者が実際のデータを目視で確認できるようにハードディスクから出力データを出力し、操作者に確認させることによってなされることを特徴としている。
【0045】
(第9の形態)
本発明の第9の形態は、第7の形態の情報処理装置において、前記評価手段は、ハードディスクへの入力データとして内部パターンを発生するパターン発生手段と、パターン発生手段で発生した内部パターンをハードディスクにライトするライト手段と、ハードディスクにライトされた入力データを出力データとしてリードするリード手段と、リード手段によってハードディスクからリードされた出力データパターンと前記内部パターンとを照合するパターン照合手段と、パターン照合手段で照合された結果の判定を行なって整合性の確認を行なう判定手段とを備えていることを特徴としている。
【0046】
(第10の形態)
本発明の第10の形態は、第2または第3の形態の情報処理装置において、前記評価手段は、電源ON時にハードディスクが交換されたことを検知する検知手段を有し、検知手段によって電源ON時にハードディスクが交換されたことが検知されたときに、ハードディスクの性能(例えば、品質)の評価を開始するようになっていることを特徴としている。
【0047】
(第11の形態)
本発明の第11の形態は、第10の形態の情報処理装置において、前記評価手段は、ハードディスクが交換されたことが検知された場合、ハードディスクの全領域に対してエラーチェックを行うことを特徴としている。
【0048】
(第12の形態)
本発明の第12の形態は、第2または第3の形態の情報処理装置において、前記評価手段は、EMIに関する評価を行うようになっていることを特徴としている。
【0049】
(第13の形態)
本発明の第13の形態は、第12の形態の情報処理装置において、前記評価手段は、EMIに関する評価を行うのに、必ずハードディスクを動作させることを特徴としている。
【0050】
(第14の形態)
本発明の第14の形態は、第12の形態の情報処理装置において、前記評価手段は、EMIに関する評価を行うのに、ハードディスクのみを動作させることを特徴としている。
【0051】
(第15の形態)
本発明の第15の形態は、第1乃至第14の形態の情報処理装置において、該情報処理装置は、画像形成装置であることを特徴としている。
【0052】
(第16の形態)
本発明の第16の形態は、第1乃至第14のいずれかの形態の情報処理装置において、該情報処理装置は、複写機機能,ファクシミリ機能,プリンタ機能のうちの少なくとも1つの機能を含んでいることを特徴としている。
【0053】
(第17の形態)
本発明の第17の形態は、ハードディスク評価用のモードを予め有しており、ハードディスク評価用のモードに基づいて、ハードディスクの性能(例えば品質)を評価することを特徴とする情報処理方法である。
【0054】
(第18の形態)
本発明の第18の形態は、ハードディスクを備えている情報処理装置の検査方法において、電源ON時にハードディスクが交換されたことが検知されたときに、ハードディスクの性能の評価を開始することを特徴とする情報処理装置の検査方法である。
【0055】
(第19の形態)
本発明の第19の形態は、第18の形態の情報処理装置の検査方法において、ハードディスクが交換されたことが検知された場合、ハードディスクの全領域に対してエラーチェックを行うことを特徴としている。
【実施例】
【0056】
以下、本発明の実施例を説明する。図1は本発明の実施例としてのデジタル複写機の構成例を示す図である。
【0057】
図1を参照すると、デジタル複写機は、スキャナ部101とレーザー記録部102とで、画像の形成と用紙への印字とを行い、後処理部103で、出力紙揃え,ステープル,パンチ穴の処理を行なうようになっている。
【0058】
ここで、スキャナ部101は、透明ガラス体の原稿台104と、原稿台104の上面の原稿を給送する自動両面原稿送り装置105(以下、RADFという)と、原稿台104の上面に載置された原稿の画像を読み取るスキャナユニット106とによって構成され、スキャナ部101において読み取られた画像データは、レーザー記録部102に出力されるようになっている。
【0059】
RADF105は、図示していない原稿トレイから原稿台を経由して排出トレイに至る片面原稿給送路と、スキャナユニット106による片面の画像の読み取りが完了した原稿の表裏面を反転して再度原稿台に導く両面原稿給送路とを有し、片面,両面の原稿どちらでも対応できるようになっている。
【0060】
また、スキャナユニット106は、後述するCCDボード210,読み取りスキャナ部216などにより構成され、原稿をランプで照射し、レンズ,ミラー等で原稿の反射光を光電変換素子の受光面に結像させ、光電変換素子により、原稿の画像面における反射光を電気信号に変換し、後述する画像処理部204に出力するようになっている。
【0061】
また、レーザー記録部102は、用紙を搬送する用紙搬送部107と、レーザー書き込みユニット108と、電子写真プロセス部(画像形成部)109とを備えている。
【0062】
ここで、用紙搬送部107は、用紙の両面に画像を形成する両面複写モード時、定着ローラを通過した用紙を表裏面を反転して再度電子写真プロセス部に導く副搬送路を備えている。
【0063】
また、レーザー書き込みユニット108は、画像処理部204から供給される画像データに基づいてレーザー光を出射する半導体レーザーを備え、半導体レーザーから出射された光をミラーやレンズを通して電子写真プロセス部109の感光体ドラム表面に配光するようになっている。このとき、感光体ドラム表面には静電潜像が形成され、現像装置からトナーが供給されることにより、トナー画像に顕在化される。このトナー画像は用紙搬送部107から導かれた用紙上に転写され、その後、定着ローラにより、加熱及び加圧を受け、トナー画像が溶融して用紙の表面に定着する。このように用紙に書き込みが終了した後、後処理部103にて一部分の出力用紙が揃えられ、ステープル,パンチ穴の処理が行われ、トレーに排出される。
【0064】
図2は、上記複写機の制御部の構成例を示す図である。図2を参照すると、複写機の制御部は、複写機の上面に設けられた操作パネルを管理するオペレーションパネルボード228と、複写機内の各機器を管理するマシンコントロールボード231と、光電変換素子(CCD)を周辺部品と共に搭載したCCDボード210と、画像データに対して各種の画像処理を施すCPU202を周辺部品と共に搭載した画像処理ボード201とによって構成されている。そして、複写機の制御部は、画像処理ボード201に搭載されたCPU202により、ユニット毎に配置されたボードに搭載されたCPUを介して各ユニットを構成する機器を統括して制御するようになっている。
【0065】
以下に、複写機におけるコピーモードの画像データの処理について説明する。RADF105を介して原稿台に給送された原稿の画像がスキャナユニット106(216,210)で順次読み取られる。すなわち、スキャナユニット106内のCCDボード210上のCCD213がCCD制御部212で駆動され、その出力信号はアナログ回路214でゲイン調整が行われ、A/D変換部211から8ビットの画像データとして画像処理ボード201に送られ、画像処理ボード201の画像処理部204において所定の画像処理が施された後、画像蓄積制御部205により、一度、メモリ206に蓄えられ、メモリ206に蓄えられた画像は次にハードディスク(HDD)208に格納される。これらの処理が、RADF105にセットされた全ての原稿について実行される。画像の読み取り終了後、ハードディスク208に格納された複数枚の画像データは画像蓄積制御部205により、ページ順に読み出す処理が設定部数回だけ繰り返して実行され、画像処理部204において所定の画像処理後、レーザコントロール部207を介してレーザ書込部209に供給される。従って、各原稿の画像を複数部ずつ画像形成する場合にも、各原稿の画像についての読み取り動作を1回のみ行うだけで良い。
【0066】
図3は、複写機に設けられている操作パネル301を示す図である。
【0067】
図3を参照すると、操作パネル301の上部には液晶ディスプレイ302が設けられており、この液晶ディスプレイ302の表面には透明のタッチパネルが配置されている。タッチパネルは、液晶ディスプレイ302に表示されたキーの操作状態を検出するようになっている。
【0068】
また、この操作パネル301の液晶ディスプレイ302の下側中央には、複写枚数等の数値情報を入力するためのテンキー318が設けられ、また、液晶ディスプレイ302の右側の1番上には、複写動作の実行中に別の複写モードに係わる複写動作を割り込み処理させるための割り込みキー313が設けられ、その下には、テンキー等の設定内容をリセットするリセットキー314が設けられ、その下には、複写動作中に動作の停止を指示するストップキー315が設けられ、その下には、複写動作の開始を指示するスタートキー316が設けられ、その左には、画像文書の登録を行う文書登録キー317が設けられている。
【0069】
ところで、この実施例の複写機はハードディスクテスト機能を有しており、ユーザはこのハードディスクテスト機能を通常使用しないので操作パネル301には明示していないが、例えばテンキーを「#」「1」「1」「0」「1」「1」「9」と押すことにより、操作パネル301上の液晶ディスプレイ302には図4のハードディスクテスト画面が表示されるようになっている。
【0070】
図4の画面において、操作者が、速度評価のボタン表示をタッチすると、図5に示す速度評価画面が表示され、速度評価画面において、評価開始のボタン表示をタッチすることにより、ハードディスクの速度評価テストが実施され、同時に画面が図6の速度評価中を示す画面になる。速度評価の結果としては、ハードディスクがテスト中にエラーのステータスを返してきた場合は図7に示すようにハードディスクが故障しているメッセージを示し、システムが要求する速度を満たさない場合は図8に示すように速度を満たさないことを示すメッセージを表示する。速度評価の結果、システムの仕様を満足する場合には図9のように速度評価が「OK」であることを示すメッセージを表示する。ところで、ハードディスクは、システムでの用途により、使用される領域が図10のように決められている。これは、ハードディスクの転送速度が、図11のようにアドレスの小さい値の部分では転送速度が高いが、アドレスが大きくなるに従い、転送速度が低くなるため、高い転送速度が必要な用途に使用する領域は他の領域よりもアドレスの小さい領域になるように割り当てている。次表(表1)には、各用途ごとのハードディスクへの設定と必要転送速度が示されている。
【0071】
【表1】

【0072】
表1の例は、ハードディスクの各領域ごとに要求される速度(コマンド毎の転送量(転送セクタ数))とアクセス方式(アドレスの発生方法)が異なるので、この実施例では、各領域ごとに速度評価を行う。各領域毎の必要転送速度を満たせば、速度評価の結果はOKとなる。
【0073】
また、全領域について速度評価を行うと時間がかかるので、時間を短縮する方法として、各用途で使用する領域のアドレスが大きい部分だけを選んで速度評価する方法もある。具体的に、例えば、電子ソートは使用領域のなかで24GB〜25GBの領域のみ、画像ファイルは34GB〜35GBの領域のみ、システムは39GB〜40GBの領域のみの速度評価を行うこともできる。この場合には、少ない時間で評価ができる。
【0074】
次に、整合性の確認について説明する。ハードディスクを交換した場合に、もしもインタフェース信号に不具合があった場合、異常画像が出力されることがあるので、入出力データに対する評価(確認)が必要である。このインタフェース信号の不具合は、ホスト側の回路が規格に準拠していなかった場合やハードディスク自体が規格に準拠していなかった場合が考えられる。規格の細かい部分が守られていなかったため、このような不具合を起こすことは、ホスト,ハードディスク共にしばしばあることである。操作者は、図4のハードディスクテスト画面の整合性確認のボタン表示をタッチすることで、図12に示すようにスキャナで画像を読み込ませるように指示が表示され、この指示に基づき、操作者は画像を読み込ませる。通常の画像1枚のコピーを行った場合は画像はメモリに書き込まれ、プリンタから出力される。この間、画像はハードディスクにライトもリードされない。ところが、この整合性確認テストでは、画像をメモリからハードディスクにライトし、ライト終了後、ハードディスクからリードして、メモリに展開しプリンタから出力することで、ハードディスクから出力した出力画像を得ることができる。画像出力後、液晶表示画面には図13に示すように画像データの確認を促す画面が出るので、操作者は、画像を確認後、問題がなければ、OKを押す。
【0075】
なお、本発明では別の方式として、スキャナから画像を読み込ませる代わりに、内部で画像1ページ分のパターンを発生し、ハードディスクにライトし、1ページ分をライト後にリードを行い、データ照合を行い、問題なければ、図15のように整合性確認評価がOKであることを表示するように構成することもできる。図14には、このような動作を行う画像蓄積制御部205の回路が示されている。図14を参照すると、通常は、画像データ転送部1401がハードディスクI/F部1405とデータの入出力を行い画像データのライト,リードを行うが、整合性確認のテスト時はCPU202で設定される制御部1404からの信号により、パターン発生部1402からパターンデータが発生し、発生したパターンデータ(入力データ)は、ハードディスクI/F部1405を通してハードディスク(HDD)にライトされる。この時のパターンデータは、ハードディスクデータの1ワードが16ビットなので、0000H、0001H、0002H、・・・、FFFEH、FFFFHといったインクリメントデータの繰り返しである。そして、ハードディスクからのリードデータ(出力データ)はパターン照合部1403で入力データと照合される。この際、予めデータは決まっているので、パターン照合部1403は、前記のインクリメントデータを内部で発生してこれを入力データとし、ハードディスクからのリードデータ(出力データ)との照合を行うことができる。
【0076】
ところで今までは操作パネルからハードディスクテストを指定して、ハードディスクテストを行っていたが、ハードディスクが交換されたことを自動的に検知して評価を行う方式も考えられる。図16には、ハードディスクが交換されたことを自動的に検知して評価を行う方式のフローチャートが示されている。図16を参照すると、電源ON後(ステップ1601)、CPU202はハードディスクのシステム領域のハードディスク識別用の特定のセクタに書き込まれたデータを読み(ステップ1602)、ハードディスクが交換されたか否かを判断する(ステップ1603)。すなわち、セクタ内の256ワードの値が0000H、0001H、0002H、・・・、00FEH、00FFHといったインクリメントデータであれば、ハードディスクが交換されていないと判断する。そうでない場合はハードディスクが交換されたものと判断し、図17のメッセージを表示する。そして、操作者がOKのボタン表示1701をタッチすると、評価が開始される(ステップ1604)。次に、図4の画面を表示し、ユーザーに評価を促し、評価を行う(ステップ1605)。
【0077】
なお、自動的に速度評価と整合性確認評価を行う方法もある。評価終了後、評価結果がOKであれば(ステップ1606)、ハードディスク識別用のセクタに0000H、0001H、0002H、・・・、00FEH、00FFHの256ワードのインクリメントデータを書き込み(ステップ1607)、終了する。
【0078】
また、ステップ1603において、ハードディスクが交換されたと判断された場合(例えば、新規と判定した場合)には、前記ハードディスク評価の前工程もしくは次工程においてハードディスクの全てのエリアについてデータのライト,リードを行い、データを照合してエラーがないことを確認することにより、ハードディスクが良品であることを確認できる。
【0079】
また、本発明においてはEMIテストモードを持つ。量産品のデジタル複写機のハードディスクが変更になる場合には、メーカーでEMIの評価を実施して、問題ないことを確認してから、ハードディスクの採用を決定する必要がある。ハードディスク交換に伴いEMIテストを行う場合は、ハードディスクを動作させてテストを行う必要がある。一般的に電子ソート動作を行わせれば、ハードディスクに画像をライトをしてから画像のリードを行い、プリンタから画像を出力するので、ハードディスクをEMIテスト用に動作させることができる。ところが、操作者に知識がない場合は、電子ソート以外のモードで評価を行ってしまう場合がある。また、電子ソートのモードでも画像枚数が少ないとメモリで全ての画像が蓄積できるので、ハードディスクにライトされない場合がある。このような場合はハードディスクが動作しないので、EMIテストに適さない。
【0080】
本発明では、EMIテストモードに設定することで、必ずハードディスクを動作させ、EMIの評価を行うことができる。すなわち、図4のEMIテストのボタン表示をタッチすると、図18に示すEMIテストモードの画面に操作パネルの液晶表示が切り替わる。スキャナに画像データをセットし、評価開始ボタンにタッチすることで、EMIテストモードが開始される。この動作時は、スキャナから読み込んだ画像がメモリに展開され、メモリからハードディスクにライトし、1ページ分の画像がたまると、ハードディスクからリードしてメモリに展開し、プリンタから出力といった動作を繰り返し行い、EMI評価に適した動作を連続して行う。また、ハードディスクのみから発生される電波を見る場合には、図14のパターン発生部から1ページ分のパターンデータをライトし、ライト後、1ページ分のデータをパターン照合部にリードする動作を繰り返し行う。このとき、パターン照合部ではデータの照合は特に行わず、データを捨てる。このように動作することで、ハードディスク単体でライトリードを行い、EMI評価用に動作させることができる。
【0081】
従来では、デジタル複写機の様々なモードを評価するに当たり、どのように評価するのか、評価者はどこの部署の人間が行うか等、評価を行う度に会社の中で決定しなければならなかったが、本発明では、予めハードディスク評価用のモードをデジタル複写機が有していることにより、ハードディスク切り替え時の評価を評価者が一人で簡単に行うことができる。
【0082】
すなわち、本発明では、ハードディスクを搭載したデジタル複写機等のシステム,装置において、ハードディスク評価を行うモードを有することによって、搭載ハードディスク変更(切り替え)によるメーカーでの評価や故障時のサービスマンが行うハードディスク交換の作業を軽減することができる。
【0083】
なお、上述の例では、デジタル複写機を例にとって説明したが、本発明は、デジタル複写機に限らず、任意の複写機,ファクシミリ,プリンタのうちの少なくとも1つを含む装置,システムに適用可能である。すなわち、本発明は、複写機機能,ファクシミリ機能,プリンタ機能のうちの少なくとも1つの機能を含んでいる装置,システムに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明のデジタル複写機の構成例を示す図である。
【図2】複写機の制御部の構成例を示す図である。
【図3】複写機に設けられている操作パネルを示す図である。
【図4】ハードディスクテスト画面を示す図である。
【図5】速度評価画面を示す図である。
【図6】速度評価中を示す画面を示す図である。
【図7】ハードディスクが故障しているメッセージを示す図である。
【図8】速度を満たさないことを示すメッセージを示す図である。
【図9】速度評価が「OK」であることを示すメッセージを示す図である。
【図10】ハードディスクの使用される領域の一例を示す図である。
【図11】ハードディスクアドレスに対する転送速度を示す図である。
【図12】スキャナで画像を読み込ませる指示を示す図である。
【図13】画像データの確認を促す画面を示す図である。
【図14】画像蓄積制御部の回路を示す図である。
【図15】整合性確認評価がOKであることの表示を示す図である。
【図16】ハードディスクが交換されたことを自動的に検知して評価を行う方式のフローチャートである。
【図17】ハードディスク評価を開始するときの画面を示す図である。
【図18】EMIテストモードの画面を示す図である。
【符号の説明】
【0085】
101 スキャナ部
102 レーザ記録部
103 後処理部
104 原稿台
105 RADF
106 スキャナユニット
107 用紙搬送部
108 レーザ書き込みユニット
109 電子写真プロセス部
201 画像処理ボード
202 CPU
203 RAM
204 画像処理部
205 画像蓄積制御部
206 メモリ
207 レーザコントロール部
208 HDD
209 レーザ書込部
210 CCDボード
211 A/D変換部
212 CCD制御部
213 CCD
214 アナログ回路
215 プロセス部
216 読み取りスキャナ部
217 画面ユニット
218 RADF
219 給紙搬送部
220 後処理装置
221,222 CPU
223 LCD
224 操作キー
225 操作パネル
226 CPU
227 RAM
228 オペレーションパネルボード
229 RAM
230 CPU
231 マシンコントロールボード
301 操作パネル
302 液晶ディスプレイ
313 割り込みキー
314 リセットキー
315 ストップキー
316 スタートキー
317 文書登録キー
318 テンキー
1401 画像データ転送部
1402 パターン発生部
1403 パターン照合部
1404 制御部
1405 HDD I/F部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハードディスクを備えている情報処理装置において、ハードディスク評価用のモードを予め有していることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
ハードディスクを備えている情報処理装置において、ハードディスクの性能を評価する評価手段を有していることを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
ハードディスクを備えている情報処理装置において、ハードディスク評価用のモードを予め有しており、ハードディスク評価用のモードに基づいて、ハードディスクの性能を評価する評価手段を有していることを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3記載の情報処理装置において、前記評価手段は、ハードディスクの転送速度を評価するようになっていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項4記載の情報処理装置において、前記評価手段は、ハードディスク内で使用用途によって分けられた領域ごとに、ハードディスクの転送速度の評価を行うようになっていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項5記載の情報処理装置において、前記評価手段は、各領域の中で一部の領域についてのみ、ハードディスクの転送速度の評価を行うようになっていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項2または請求項3記載の情報処理装置において、前記評価手段は、ハードディスクに入力データを入力させた後に、ハードディスクから出力データを出力させ、ハードディスクへの入力データとハードディスクからの出力データとの整合性の確認をとるようになっていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
請求項7記載の情報処理装置において、整合性の確認は、操作者が実際のデータを目視で確認できるようにハードディスクから出力データを出力し、操作者に確認させることによってなされることを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
請求項7記載の情報処理装置において、前記評価手段は、ハードディスクへの入力データとして内部パターンを発生するパターン発生手段と、パターン発生手段で発生した内部パターンをハードディスクにライトするライト手段と、ハードディスクにライトされた入力データを出力データとしてリードするリード手段と、リード手段によってハードディスクからリードされた出力データパターンと前記内部パターンとを照合するパターン照合手段と、パターン照合手段で照合された結果の判定を行なって整合性の確認を行なう判定手段とを備えていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
請求項2または請求項3記載の情報処理装置において、前記評価手段は、電源ON時にハードディスクが交換されたことを検知する検知手段を有し、検知手段によって電源ON時にハードディスクが交換されたことが検知されたときに、ハードディスクの性能の評価を開始するようになっていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
請求項10記載の情報処理装置において、前記評価手段は、ハードディスクが交換されたことが検知された場合、ハードディスクの全領域に対してエラーチェックを行うことを特徴とする情報処理装置。
【請求項12】
請求項2または請求項3記載の情報処理装置において、前記評価手段は、EMIに関する評価を行うようになっていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項13】
請求項12記載の情報処理装置において、前記評価手段は、EMIに関する評価を行うのに、必ずハードディスクを動作させることを特徴とする情報処理装置。
【請求項14】
請求項12記載の情報処理装置において、前記評価手段は、EMIに関する評価を行うのに、ハードディスクのみを動作させることを特徴とする情報処理装置。
【請求項15】
請求項1乃至請求項14のいずれか一項に記載の情報処理装置において、該情報処理装置は、画像形成装置であることを特徴とする情報処理装置。
【請求項16】
請求項1乃至請求項14のいずれか一項に記載の情報処理装置において、該情報処理装置は、複写機機能,ファクシミリ機能,プリンタ機能のうちの少なくとも1つの機能を含んでいることを特徴とする情報処理装置。
【請求項17】
ハードディスク評価用のモードを予め有しており、ハードディスク評価用のモードに基づいて、ハードディスクの性能を評価することを特徴とする情報処理方法。
【請求項18】
ハードディスクを備えている情報処理装置の検査方法において、電源ON時にハードディスクが交換されたことが検知されたときに、ハードディスクの性能の評価を開始することを特徴とする情報処理装置の検査方法。
【請求項19】
請求項18記載の情報処理装置の検査方法において、前記評価手段は、ハードディスクが交換されたことが検知された場合、ハードディスクの全領域に対してエラーチェックを行うことを特徴とする情報処理装置の検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−3945(P2006−3945A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−176525(P2004−176525)
【出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】