説明

情報処理装置の制御方法、制御プログラム及び情報処理装置

【課題】本発明の課題は、情報処理装置の障害を効率よく調査することができる方法を提供することである。
【解決手段】課題を解決するために、複数のドライバを記憶する第1記憶部を有する情報処理装置の制御方法において、処理装置が、前記情報処理装置の第1起動の際に、前記ドライバに対応する識別情報を第2記憶部に書き込むと共に前記ドライバを実行し、前記複数のドライバの実行が完了すると、前記第2記憶部に前記情報処理装置の初期化処理が完了したことを示す第1情報を書き込み、前記情報処理装置の前記第1起動の後の第2起動の際に、前記第2記憶部に前記第1情報が書き込まれていない場合、前記情報処理装置に着脱自在に接続可能な記憶媒体に記憶された複数のドライバを実行し、前記記憶媒体に記憶された複数のドライバの実行が完了すると、前記第2記憶部に書き込まれている識別情報を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置の制御方法、制御プログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、BIOS(Basic Input/Output System)に対し新機能を追加したUEFI(Unified Extensible Firmware Interface)が利用されるようになってきている。
【0003】
UEFIは、複数の開発ベンダから提供されたPEI(Pre EFI Initialization)モジュール及びDXE(Driver Execution Enviornment)モジュールを有する。情報処理装置の電源がONになると、CPU(Central Processing Unit)の初期化が行われ、CPUのキャッシュ上でPEIモジュールが実行される。PEIモジュールによって、メモリ等の初期化が行われた後、SPI(Serial Peripheral Interface)ROMやUSB(Universal Serial Bus)メモリなどの他ストレージデバイスに保存されたDXEモジュールがメモリに展開される。メモリ上でDXEモジュールが実行されると、リソース割り当てやデバイスの設定が行われる。その後、BDS(Boot Device Select)フェーズでブートマネージャーによる起動デバイスの選択が行われ、起動デバイスに保存されているOS(Operating System)へ処理が受け渡される。
【0004】
ここで、POST(Power−On Self Test)処理の過程で起動不可が発生した場合、通常はデバック機器を情報処理装置に接続して起動不可の原因となったPEIモジュールまたはDXEモジュールを特定する。また、再現率が低い場合や、情報処理装置にデバック機器が接続できない場合は、開発ツールのディスプレイであるI/O PORT 0x80/0x81への出力コードをBIOSに追加し、POSTコードとして表示させて起動不可の原因となるPEI/DXEモジュールを特定している。
【0005】
例えば、BIOS情報の更新時に、不意の電源断等により更新作業が失敗した場合に、更新前のBIOS情報との差分データから更新後のBIOS情報を生成する技術がある(特許文献1)。
【0006】
また、例えば、BIOSをフラッシュROMと複数のフラッシュメモリに記憶し、BIOSの書き換えに失敗している場合、別のOSに切り替えると共に、切り替えたフラッシュメモリの番号を表示する技術がある(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−316582号公報
【特許文献2】特開2007−323488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
UEFIでは複数の開発ベンダから提供されたPEIモジュールとDXEモジュールとを有し、各ドライバにはI/O PORT 0x80/0x81への出力が組み込まれたものも存在する。ただし、その出力値は開発ベンダ間で一貫性がなく、出力値より不具合箇所の特定が困難である。また、障害を調査するために、PEI/DXEモジュール内にI/O PORT 0x80/0x81への出力コードを追加すると、それにより関連するコードの実行タイミングが変化することで障害の再現頻度に影響をあたえる。さらに、そのようなUEFIを適用するためにUEFIを更新した上で再度の再現確認が必要となり調査効率が低下する。
【0009】
本技術の開示での課題は、情報処理装置の障害を効率よく調査することができる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、処理装置と、周辺機器を動作させるための複数のドライバと前記複数のドライバの識別情報とをそれぞれ対応付けて記憶する第1記憶部と、情報を格納する第2記憶部とを有する情報処理装置の制御方法において、前記処理装置が、前記情報処理装置の第1起動の際に、前記ドライバに対応する識別情報を前記第2記憶部に書き込むと共に前記ドライバを実行し、前記複数のドライバの実行が完了すると、前記第2記憶部に前記情報処理装置の初期化処理が完了したことを示す第1情報を書き込み、前記情報処理装置の前記第1起動の後の第2起動の際に、前記第2記憶部に前記第1情報が書き込まれていない場合、前記情報処理装置に着脱自在に接続可能な記憶媒体に記憶された複数のドライバを実行し、前記記憶媒体に記憶された複数のドライバの実行が完了すると、前記第2記憶部に書き込まれている識別情報を表示する。
【発明の効果】
【0011】
本開示の技術の一側面によれば、情報処理装置の障害を効率よく調査することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図2】UEFIの起動処理を示すフローチャート(その1)である。
【図3】PEIドライバの実行処理を示すフローチャートである。
【図4】UEFIの起動処理を示すフローチャート(その2)である。
【図5】DXEドライバの実行処理を示すフローチャートである。
【図6】USBメモリ起動モードの設定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本実施形態における情報処理装置について説明する。
【0014】
図1は、本実施形態における情報処理装置10のハードウェア構成の一例を簡略的に示すブロック図である。情報処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)101によって全体が制御されている。
【0015】
CPU101及び主記憶装置102には、システムコントローラ103が接続されている。システムコントローラ103は、CPU101と主記憶装置102との間のデータ転送や、CPU101とバス104との間のデータ転送を制御する。さらに、システムコン
トローラ103には、バス104を介して、グラフィックスコントローラ105、EP−ROM(Erasable Programmable−Read Only Memory)106、ネットワークコントローラ107、電源109、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)111、キーボードコントローラ50及びディスクコントローラ112が接続されている。
【0016】
主記憶装置102には、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、主記憶装置102には、CPU101による処理に必要な各種データが格納される。主記憶装置102には、例えば、RAM(Random Access Memory)が用いられている。
【0017】
ディスクコントローラ112には、ハードディスク113が接続されている。ハードディスク113には、OSやアプリケーションのプログラム、各種データが格納される。
【0018】
EP−ROM106には、例えば、UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)プログラムが格納される。
【0019】
UEFIは、PEI(Pre EFI Initialization)モジュール及びDXE(Driver Execution Enviornment)モジュールから成る。PEIモジュールは、CPU等を初期化する32ビットのコードである。PEIモジュールは、複数のPEIドライバから成る。各PEIドライバは、GUID(Globally Unique Identifier)を有する。電源109がONになると、CPU101の初期化が行われた後、CPU101のキャッシュ上で、各PEIドライバが実行される。各PEIドライバは、主記憶装置102等の初期化処理を行う。DXEモジュールは、各デバイスの初期化を行う64ビットのコードである。DXEモジュールは、複数のDXEドライバから成る。各DXEドライバは、GUIDを有する。主記憶装置102等の初期化処理が終了した後に、主記憶装置102上で、各DXEドライバが実行される。各DXEドライバは、デバイス等の設定を行う。
【0020】
CMOS111は、NVRAM(Non Volatile RAM)として機能し、GUID等の各種情報を格納する。
【0021】
USBメモリ108は、DXEモジュールを格納する。USBメモリ108に格納されたDXEモジュールも、複数のDXEドライバから成り、DXEドライバは、CMOS111に格納されたGUIDを表示する機能を有する。USBメモリ108に格納されたDXEモジュールは、設計者がコードを改良することができるため、新たな機能を追加することができる。
【0022】
グラフィックスコントローラ105には、LCD(Liquid Crystal Monitor)等の表示部114が接続されており、CPU101からの命令に従って画像を表示部114の画面に表示させる。
【0023】
ネットワークコントローラ107は、ネットワークと接続されており、ネットワークを介して、CPU101もしくはハードディスク113と他の情報処理装置との間で、データの送受信を行う。
【0024】
キーボードコントローラ50には、操作部20が接続されており、操作部20から送られてくる信号を、バス104を介してCPU101に送信する。
【0025】
電源109は、不図示の電源線を介して情報処理装置10内の各ハードウェアに対して電力を供給する。
【0026】
このようなハードウェアによって、情報処理装置10の処理機能を実現することができる。
【0027】
図2を用いて、本実施形態におけるUEFIの起動処理について説明する。
【0028】
ステップS101において、ユーザによって操作部20を介して電源109がONにされる。処理はステップS102へ移行する。
【0029】
ステップS102において、CPU101は、CPU101の初期化処理を行う。処理はステップS103へ移行する。
【0030】
ステップS103において、CPU101は、POST(Power−On Self Test)完了フラグがCMOS111に格納されているか否かを判定する。POST完了フラグは第1情報の一例である。POST完了フラグがCMOS111に格納されている場合、処理はステップS104へ移行する。一方、POST完了フラグがCMOS111に格納されていない場合、処理はステップS105へ移行する。
【0031】
ステップS105において、CPU101は、情報処理装置10がUSBメモリ起動モードに設定されているか否かを判定する。情報処理装置10がUSBメモリ起動モードに設定されている場合、処理はステップS107へ移行する。一方、情報処理装置10がUSBメモリ起動モードに設定されていない場合、処理はステップS104へ移行する。
【0032】
ステップS104において、CPU101は、CMOS111に格納されているPOST完了フラグを消去する。処理はステップS106へ移行する。
【0033】
ステップS106において、CPU101は、PEIドライバの実行処理を行う。処理は図3のステップS1061へ移行する。
【0034】
図3を用いて、本実施形態におけるPEIドライバの実行処理について説明する。
【0035】
ステップS1061において、CPU101は、EP−ROM106に格納されている実行すべきPEIモジュールの数であるNをインクリメントし、新たな値を取得する。処理はステップS1062へ移行する。
【0036】
ステップS1062において、CPU101は、ステップS1061において取得した値に対応するPEIモジュールをEP−ROM106から検出する。処理はステップS1063へ移行する。
【0037】
ステップS1063において、CPU101は、ステップS1062において検出したPEIモジュールをCPU101のキャッシュにロードする。処理はステップS1063へ移行する。
【0038】
ステップS1063において、CPU101は、CPU101のキャッシュにロードしたPEIモジュールから当該PEIモジュールに対応するGUIDを取得する。処理はステップS1065へ移行する。
【0039】
ステップS1065において、CPU101は、USBメモリ起動フラグがCMOS111に格納されているか否かを判定する。USBメモリ起動フラグは第2情報の一例である。USBメモリ起動フラグがCMOS111に格納されている場合、処理はステップS1067へ移行する。一方、USBメモリ起動フラグがCMOS111に格納されていない場合、処理はステップS1066へ移行する。
【0040】
ステップS1066において、CPU101は、ステップS1064において取得したGUIDをCMOS111に格納する。処理はステップS1067へ移行する。
【0041】
ステップS1067において、CPU101は、ステップS1061において取得した値に対応するPEIモジュールを実行する。処理はステップS1068へ移行する。
【0042】
ステップS1068において、CPU101は、ステップS1061において取得した値が、実行すべきPEIモジュールの総数であるX1となったか否かを判定する。ステップS1061において取得した値が、実行すべきPEIモジュールの総数であるX1となった場合、処理はステップS1069へ移行する。一方、ステップS1061において取得した値が、実行すべきPEIモジュールの総数であるX1に満たない場合、処理はステップS1061に戻り、実行すべきPEIモジュールを全て実行するまで、上述した処理を繰り返す。
【0043】
ステップS1069において、CPU101は、DXEIPL(DXE Initial Program Load)を実行する。処理は図4のステップS107へ移行する。
【0044】
なお、上述したフローでは、PEIドライバの実行前に当該PEIドライバのGUIDをCMOS111に書き込んでいるが、PEIドライバの実行後に、当該PEIドライバのGUIDをCMOS111に書き込んでも良い。
【0045】
図4のステップS107において、CPU101は、USBメモリ起動フラグがCMOS111に格納されているか否かを判定する。USBメモリ起動フラグがCMOS111に格納されている場合、処理はステップS112へ移行する。一方、USBメモリ起動フラグがCMOS111に格納されていない場合、処理はステップS108へ移行する。
【0046】
ステップS108において、CPU101は、DXEモジュールの実行処理を行う。処理はステップS109へ移行する。
【0047】
図5を用いて、本実施形態におけるDXEドライバの実行処理について説明する。
【0048】
ステップS1081において、EP−ROM106に格納されている実行すべきDXEモジュールの数であるNをインクリメントし、新たな値を取得する。処理はステップS1082へ移行する。
【0049】
ステップS1082において、CPU101は、ステップS1081において取得した値に対応するDXEモジュールをEP−ROM106から検出する。処理はステップS1083へ移行する。
【0050】
ステップS1083において、CPU101は、ステップS1082において検出したDXEモジュールを主記憶装置102にロードする。処理はステップS1084へ移行する。
【0051】
ステップS1084において、CPU101は、主記憶装置102にロードしたDXEモジュールから当該DXEモジュールに対応するGUIDを取得する。処理はステップS1085へ移行する。
【0052】
ステップS1085において、CPU101は、ステップS1081において取得した値に対応するDXEモジュールを実行する。処理はステップS1086へ移行する。
【0053】
ステップS1086において、CPU101は、ステップS1081において取得した値が、実行すべきDXEモジュールの総数であるX2となったか否かを判定する。ステップS1081において取得した値が、実行すべきDXEモジュールの総数であるX2となった場合、処理は図4のステップS109へ移行する。一方、ステップS1081において取得した値が、実行すべきDXEモジュールの総数であるX2に満たない場合、処理はステップS1081に戻り、実行すべきDXEモジュールを全て実行するまで、上述した処理を繰り返す。
【0054】
図4のステップS109において、CPU101は、POST完了フラグをCMOS111に格納する。処理はステップS110へ移行する。
【0055】
ステップS110において、CPU101は、ブートマネージャーを実行する。処理はステップS111へ移行する。
【0056】
ステップS111において、CPU101は、OSを起動する。処理は終了する。
【0057】
ここで、図6を用いて、図3で説明したPEIドライバの実行中に、情報処理装置10がハングした場合の処理について説明する。PEIドライバの実行中に、情報処理装置10がハングすると、表示部114には同じ画像が表示され続けるので、ユーザは情報処理装置10がハングしたと認識することができる。情報処理装置10のハング原因としては、例えば、主記憶装置102のメモリレイテンシの設定が適切に行われていないため、PEIドライバと主記憶装置102との相性が悪くなってしまうことが挙げられる。この場合は、主記憶装置102のメモリレイテンシの設定を適切に行ったり、主記憶装置102を他のメーカーのものに変更したりすることが必要になる。
【0058】
ステップS201において、CPU101は、ユーザによって操作部20を介して電源ボタンが長押しされたか否かを判定する。電源ボタンが長押しされた場合、処理はステップS202へ移行する。一方、電源ボタンが長押しされていない場合、処理はステップS201に戻る。
【0059】
ステップS202において、CPU101は、情報処理装置10の強制終了を行う。処理はステップS203へ移行する。
【0060】
ステップS203において、ユーザによってUSBメモリ起動モードの設定が行われる。USBメモリ起動モードの設定は、例えば、情報処理装置10に標準で装備されているCRISISPINをショートさせればUSBメモリ起動モードとなるように設定すれば良い。USBメモリ起動モードが設定されると、図2のステップS105において、CPU101は、情報処理装置10がUSBメモリ起動モードに設定されていると判定することができ、ステップS107において、CPU101は、CMOS111にUSBメモリ起動フラグを書き込むことができるようになる。
【0061】
再び、図2乃至図5を用いて、情報処理装置10がUSBメモリ起動モードに設定され、ユーザによって再起動された場合の処理について説明する。なお、上述した例の主記憶装置102のメモリレイテンシが原因で、PEIドライバを実行時に情報処理装置10のハングが発生する確率は低いため、情報処理装置10の再起動後には、PEIドライバを実行しても情報処理装置10はハングしないという前提で処理を説明する。
【0062】
図2のステップS101において、ユーザによって操作部20を介して電源109がONにされる。処理はステップS102へ移行する。
【0063】
ステップS102において、CPU101は、CPU101の初期化処理を行う。処理はステップS103へ移行する。
【0064】
ステップS103において、CPU101は、POST完了フラグがCMOS111に格納されているか否かを判定する。本実施形態では、POST処理が完了する前に、情報処理装置10が強制終了されているため、POST完了フラグがCMOS111に格納されておらず、処理はステップS105へ移行する。
【0065】
ステップS105において、CPU101は、情報処理装置10がUSBメモリ起動モードになっているか否かを判定する。本実施形態では、情報処理装置10はUSBメモリ起動モードになっているため、処理はステップS107へ移行する。
【0066】
ステップS107において、CPU101は、USBメモリ起動フラグをCMOS111に格納する。処理はステップS106へ移行する。
【0067】
ステップS106において、CPU101は、PEIドライバの実行処理を行う。処理は図3のステップS1061へ移行する。
【0068】
ステップS1061において、CPU101は、EP−ROM106に格納されている実行すべきPEIモジュールの数であるNをインクリメントし、新たな値を取得する。処理はステップS1062へ移行する。
【0069】
ステップS1062において、CPU101は、ステップS1061において取得した値に対応するPEIモジュールをEP−ROM106から検出する。処理はステップS1063へ移行する。
【0070】
ステップS1063において、CPU101は、ステップS1062において検出したPEIモジュールをCPU101のキャッシュにダウンロードする。処理はステップS1063へ移行する。
【0071】
ステップS1063において、CPU101は、CPU101のキャッシュにダウンロードしたPEIモジュールから当該PEIモジュールに対応するGUIDを取得する。処理はステップS1065へ移行する。
【0072】
ステップS1065において、CPU101は、USBメモリ起動フラグがCMOS111に格納されているか否かを判定する。本実施形態においては、USBメモリ起動フラグはCMOS111に格納されているため、処理はステップS1067へ移行する。以降、ステップS1066における実行するPEIドライバのGUIDのCMOS111への書き込み処理をスキップすることで、情報処理装置10のハングの原因となったPEIドライバのGUIDがCMOS111に保存されたままになる。
【0073】
ステップS1067において、CPU101は、ステップS1061において取得した値に対応するPEIモジュールを実行する。処理はステップS1068へ移行する。
【0074】
ステップS1068において、CPU101は、ステップS1061において取得した値が、実行すべきPEIモジュールの総数であるX1となったか否かを判定する。ステップS1061において取得した値が、実行すべきPEIモジュールの総数であるX1となった場合、処理はステップS1069へ移行する。一方、ステップS1061において取得した値が、実行すべきPEIモジュールの総数であるX1に満たない場合、処理はステップS1061に戻り、実行すべきPEIモジュールを全て実行するまで、上述した処理を繰り返す。
【0075】
ステップS1069において、CPU101は、DXEIPLを実行する。処理は図4のステップS107へ移行する。
【0076】
ステップS107において、CPU101は、USBメモリ起動フラグがCMOS111に格納されているか否かを判定する。本実施形態では、USBメモリ起動フラグがCMOS111に格納されているため、処理はステップS112へ移行する。
【0077】
ステップS112において、CPU101は、DXEドライバの実行処理を行う。
【0078】
図5を用いて、本実施形態におけるDXEドライバの実行処理について説明する。なお、情報処理装置10がUSBメモリ起動モードに設定されると、CPU101は、UEFIからUSBメモリ108に格納されているDXEドライバのアドレス情報を取得し、当該取得したアドレス情報を参照して、DXEドライバを主記憶装置102に展開して実行する。
【0079】
ステップS1081において、USBメモリ108に格納されている実行すべきDXEドライバの数であるNをインクリメントし、新たな値を取得する。処理はステップS1082へ移行する。
【0080】
ステップS1082において、CPU101は、ステップS1081において取得した値に対応するDXEドライバをUSBメモリ108から検出する。処理はステップS1083へ移行する。
【0081】
ステップS1083において、CPU101は、ステップS1082において検出したDXEドライバを主記憶装置102にダウンロードする。処理はステップS1084へ移行する。
【0082】
ステップS1084において、CPU101は、主記憶装置102にダウンロードしたDXEドライバから当該DXEドライバに対応するGUIDを取得する。処理はステップS1085へ移行する。
【0083】
ステップS1085において、CPU101は、ステップS1081において取得した値に対応するDXEドライバを実行する。処理はステップS1086へ移行する。
【0084】
ステップS1086において、CPU101は、ステップS1081において取得した値が、実行すべきDXEドライバの総数であるX2となったか否かを判定する。ステップS1081において取得した値が、実行すべきDXEドライバの総数であるX2となった場合、処理は図4のステップS112へ移行する。一方、ステップS1081において取得した値が、実行すべきDXEドライバの総数であるX2に満たない場合、処理はステップS1081に戻り、実行すべきDXEドライバを全て実行するまで、上述した処理を繰り返す。
【0085】
ステップS113において、CPU101は、CMOS111に格納されているUSBメモリ起動フラグを消去する。処理はステップS113へ移行する。
【0086】
ステップS114において、CPU101は、CMOS111に格納されているGUIDをグラフィックスコントローラ105を介して表示部114に表示する。これによれば、ユーザは、ハング原因となったPEIドライバのGUIDを取得することができ、ハング原因に対する対策を施すことが可能になる。
【0087】
以上、本発明の例示的な実施の形態の情報処理装置について説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。USBメモリ以外の他の可搬型記録媒体(例えば、CD、DVD、FD、SDカード等)や着脱自在な記憶装置(例えば、外付けハードディスクも利用可能である。
【符号の説明】
【0088】
10 情報処理装置
101 CPU
102 主記憶装置
103 システムコントローラ
104 バス
105 グラフィックスコントローラ
106 EP−ROM
107 ネットワークコントローラ
108 USBメモリ
109 電源
111 CMOS
112 ディスクコントローラ
113 ハードディスク
20 操作部
50 キーボードコントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理装置と、周辺機器を動作させるための複数のドライバと前記複数のドライバの識別情報とをそれぞれ対応付けて記憶する第1記憶部と、情報を格納する第2記憶部とを有する情報処理装置の制御方法において、
前記処理装置が、
前記情報処理装置の第1起動の際に、前記ドライバに対応する識別情報を前記第2記憶部に書き込むと共に前記ドライバを実行し、
前記複数のドライバの実行が完了すると、前記第2記憶部に前記情報処理装置の初期化処理が完了したことを示す第1情報を書き込み、
前記情報処理装置の前記第1起動の後の第2起動の際に、前記第2記憶部に前記第1情報が書き込まれていない場合、前記情報処理装置に着脱自在に接続可能な記憶媒体に記憶された複数のドライバを実行し、
前記記憶媒体に記憶された複数のドライバの実行が完了すると、前記第2記憶部に書き込まれている識別情報を表示する、
ことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項2】
前記処理装置は、前記第1記憶部に記憶された複数のドライバのうちいずれか1つを実行中に、前記情報処理装置に不具合が発生し、前記情報処理装置が終了した場合、前記第2記憶部に前記記憶媒体に記憶された複数のドライバの実行を命令する第2情報を書き込む、
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項3】
前記処理装置は、前記第2記憶部に前記第2情報が格納されている場合、前記記憶媒体に記憶された複数のドライバを実行する、
ことを特徴とする請求項2記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項4】
周辺機器を動作させるための複数のドライバと前記複数のドライバの識別情報とをそれぞれ対応付けて記憶する第1記憶部と、情報を格納する第2記憶部とを有する情報処理装置の制御プログラムであって、
前記情報処理装置に、
前記情報処理装置の第1起動の際に、前記ドライバに対応する識別情報を前記第2記憶部に書き込むと共に前記ドライバを実行し、
前記複数のドライバの実行が完了すると、前記第2記憶部に前記情報処理装置の初期化処理が完了したことを示す第1情報を書き込み、
前記情報処理装置の前記第1起動の後の第2起動の際に、前記第2記憶部に前記第1情報が書き込まれていない場合、前記情報処理装置に着脱自在に接続可能な記憶媒体に記憶された複数のドライバを実行し、
前記記憶媒体に記憶された複数のドライバの実行が完了すると、前記第2記憶部に書き込まれている識別情報を表示する、
処理を実行させるための情報処理装置の制御プログラム。
【請求項5】
周辺機器を動作させるための複数のドライバと前記複数のドライバの識別情報とをそれぞれ対応付けて記憶する第1記憶部を有する情報処理装置において、
情報を格納する第2記憶部と、
前記情報処理装置の第1起動の際に、前記ドライバに対応する識別情報を前記第2記憶部に書き込むと共に前記ドライバを実行し、前記複数のドライバの実行が完了すると、前記第2記憶部に前記情報処理装置の初期化処理が完了したことを示す第1情報を書き込む処理部と、を有し、
前記処理部は、前記情報処理装置の前記第1起動の後の第2起動の際に、前記第2記憶部に前記第1情報が書き込まれていない場合、前記情報処理装置に着脱自在に接続可能な記憶媒体に記憶された複数のドライバを実行し、前記記憶媒体に記憶された複数のドライバの実行が完了すると、前記第2記憶部に書き込まれている識別情報を表示する処理部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−198604(P2012−198604A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60667(P2011−60667)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】