説明

情報処理装置及びその制御方法

【課題】 メモリカードの内容を壊さないようにメモリカードへの書き込み制御を行うとともに、ユーザの意図を反映して動的に動作モードを変更できる制御方法が求められていた。
【解決手段】 接続されたメモリカードへのデータ書き込みを禁止する禁止モードが設定されている場合にメモリカードが接続されると、設定されている動作モードをメモリカードへデータの書き込みを行わない動作モードに変更する(S23)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続されたメモリカードにアクセスできる情報処理装置及びその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばデジタルカメラ等で撮影された画像を記憶しているメモリカードを装置本体に装着し、そのメモリカードの内容にアクセスしたり、或はそのメモリカードにデータを書き込むことができる複合機が知られている(特許文献1)。
【0003】
このような複合機では、その装着されたメモリカードの情報を読み出したり、そのメモリカードにデータを書き込む機能を有する一方、その複合機に接続されたパソコンなどにより、そのメモリカードへデータの書き込みや読み取り等を可能にした複合機も出現している。
【0004】
このような複合機では、メモリカードへのアクセスが複数発生するため、ユーザの意図しないメモリカードの書き換えが発生しないように、例えば複合機に接続されたパソコンからメモリカードへのデータ書き込み処理を行わない等の処置が取られている。また外部からの印刷指示がある場合は、メモリカードへのデータの書き込みを禁止することにより、メモリカードの情報が破壊されないような制御を行っている(特許文献2)。
【特許文献1】特開平10−136299号公報
【特許文献2】特開2003−103883号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような複合機単体では、メモリカードにデータを書き込んだり、メモリカードへのデータの書き込みを禁止したりするという設定ができる。ここで、表示機能を有する複合機の動作モードを考えると、メモリカードを挿入することによってメモリカード内の画像を表示するモードを設けることが考えられる。この場合、メモリカードを挿入した時にメモリカード内の画像を表示するためのモードに移行することを所望するユーザがある。
【0006】
一方、メモリカードを挿入することによって、PCなどの外部装置からメモリカードにデータを書き込むためのモードも考えられる。この場合、メモリカードを挿入した時にメモリカード内へ画像を書き込むためのモードに移行することを所望するユーザがある。
【0007】
複合機での設定がメモリカードへの書き込みを禁止している場合、ユーザは、メモリカードの画像が破壊されることを防ぐと共に、メモリカードの画像を表示することを希望していると考えられる。しかしこのような場合でも、メモリカードの挿入時に、ユーザが操作してメモリカード内の画像を表示するモードに移行しなければならず、ユーザにとっては不便である。
【0008】
そこで、装着されたメモリカードにアクセスして情報の読み書きが可能であり、また外部から接続されたパソコンなどの機器からメモリカードの情報の読み書きも可能な装置において、ユーザの意図を反映して動的に動作モードを変更できる制御方法が求められていた。
【0009】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、本願発明の特徴は、メモリカードへのアクセスモードに応じてユーザにより操作される動作モードを設定する情報処理装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る情報処理装置は以下のような構成を備える。即ち、
接続されたメモリカードにアクセスするメモリアクセス手段と、
前記メモリカードへのデータ書き込みを禁止する禁止モードを設定する禁止モード設定手段と、
動作モードを設定するモード設定手段と、
前記禁止モード設定手段により前記禁止モードが設定されている場合に前記メモリカードが接続されると、前記モード設定手段により設定されている動作モードを前記メモリカードへデータの書き込みを行わない動作モードに変更するモード変更手段と、
を有することを特徴とする。
【0011】
本発明の一態様に係る情報処理装置の制御方法は以下のような工程を備える。即ち、
接続されたメモリカードにアクセスするメモリアクセス工程と、
前記メモリカードへのデータ書き込みを禁止する禁止モードを設定する禁止モード設定工程と、
動作モードを設定するモード設定工程と、
前記禁止モード設定工程で前記禁止モードが設定されている場合に前記メモリカードが接続されると、前記モード設定工程により設定されている動作モードを前記メモリカードへデータの書き込みを行わない動作モードに変更するモード変更工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、メモリカードの外部機器からの情報書き込みを許可/禁止するスイッチを装置側に設け、スイッチによりカード挿入時の装置の動作を変える事で、ユーザの意図に近い動作を装置に行わせることができる。具体的には、メモリカードの外部からの情報書き込みを許可しない設定を行った場合、ユーザは外部からの書き込み動作はないと考えられるので、ユーザがメモリカードを挿入した際は、メモリカード内の画像を表示するためのモードへ、ユーザによるキー操作を行わずに自動的に移行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳しく説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置(例えば、複写機及びファクシミリ装置、プリンタ装置の機能を有する複合機)の構成を示すブロック図である。
【0015】
図において、CPU101は、RAM103或はROM102に記憶されているプログラムに従ってこの装置全体の動作を制御している。ROM102は、CPU101が実行する制御プログラムや組み込みオペレーティングシステム(OS)プログラム等を格納する。本実施の形態では、ROM102に格納されている各制御プログラムは、ROM102に格納されている組み込みOSの管理下で、スケジューリングやタスク切替え等のソフトウェア制御を行う。RAM103は、SRAM(static RAM)等で構成され、CPU101により実行されるプログラムや、その制御変数等を格納したり、或はオペレータが登録した設定値や画像処理装置100の管理データ等を格納する。更に、このRAM103には各種ワーク用バッファ領域が設けられている。
【0016】
画像メモリ104は、DRAM(DRAM)等で構成されて画像データを蓄積する。データ変換部105は、ページ記述言語(PDL)等のデータ解析や、キャラクタデータのCG(コンピュータグラフィック)展開等、画像データの変換等を行う。読取制御部106は、スキャナなどの読取部107が、CISイメージセンサ(密着型イメージセンサ)によって原稿を光学的に読み取るように制御する。また、その読み取った画像信号を画像データに変換し画像処理制御部(不図示)を介して、2値化処理や中間調処理等の各種画像処理を施し、高精細な画像データとして出力する。尚、この実施の形態では、読取制御部106は、原稿を搬送しながら読み取りを行うシート読取制御方式と、原稿台にある原稿をスキャンするブック読取制御方式の両制御方式に対応している。操作・表示部108は、数値入力キー、文字入力キー、ワンタッチ電話番号キー、モード設定キー、決定キー、取り消しキー等を備えており、ユーザが画像の送信先を指定するためのデータの入力や登録値の設定データや省エネモードの設定等の指定を行うための操作部と、各種キー、LED(発光ダイオード)とLCD(液晶ディスプレイ)を有し、ユーザによる各種入力操作や画像処理装置100の動作状況、ステータス状況の表示等を行う表示部201(図2)を有している。また、この操作・表示部108には、メモリカード118の画像データも表示される。尚、メモリカード118の画像データの表示に際して、その画像データは印刷で使用するデータ変換部105により画像データに展開される。
【0017】
通信制御部109は、モデム(変復調装置)やNCU(網制御装置)等を備えている。本実施の形態では、通信制御部109は、アナログの通信回線(PSTN)131に接続され、T30プロトコルでの通信制御、通信回線に対する発呼と着呼等の回線制御を行っている。解像度変換処理部110は、画像データのミリ−インチ解像度変換等の解像度変換制御を行う。尚、この解像度変換部110において、画像データの拡大及び縮小処理も可能である。符号復号化処理部(CODEC)111は、この画像処理装置100で扱う画像データを、例えばMH,MR,MMR,JBIG,JPEG等で符号化したり、また復号処理や拡大縮小処理を行うことができる。記録制御部112は、印刷される画像データに対して画像処理制御部(不図示)を介して、スムージング処理や記録濃度補正処理、色補正等の各種画像処理を施して高精細な画像データに変換して記録部113に出力する。また記録部113を制御することにより、定期的に記録部113の状態情報を取得する役割も果たす。記録部113は、例えばレーザビームプリンタやインクジェットプリンタ等のプリンタエンジンを含み、カラー画像データ又はモノクロ画像データを印刷部材(記録シート)に印刷する。給紙部114は、記録部113で記録される記録シートを保持しており、記録制御部112の制御に応じて、給紙部114から記録部113に記録シートが給紙されて、その記録シートに画像が記録される。特に給紙部114は、複数種類の記録シートを保持するために、複数の給紙カセットを装着可能である。この場合、記録制御部112は、その給紙カセットから給紙を行うかを指定して記録することができる。
【0018】
USBファンクション制御部115は、USBインターフェースの通信制御を行っており、USB通信規格に従ってプロトコル制御を行い、CPU101が実行するUSB制御タスクからのデータをパケットデータに変換し、そのUSBパケットを外部の情報処理端末(PC119)に送信したり、逆に、外部の情報処理端末(PC119)からのUSBパケットを受信し、データに変換してCPU101に対して送信する。データ蓄積部116は、各種データを蓄積している。本実施の形態では、画像メモリ104はデータバックアップ用の領域を用意していないため、このデータ蓄積部116にバックアップ用のデータ保存領域を用意している。尚、画像メモリ104がデータバックアップ用の領域を有している場合は、データ蓄積部116は特に有していなくても良い。USBホスト制御部117は、USB通信規格で定められたプロトコルで通信を行うための制御部である。USB通信規格は、双方向のデータ通信を高速に行うことができる規格であり、1台のホスト(マスタ)に対し、複数のハブ又はファンクション(スレーブ)を接続することができる。メモリカード118はデータ記憶媒体で、この画像処理装置100に接続することができる。本実施の形態では、USBホスト制御部117とインターフェースで接続されているがこの限りではなく、例えばカードスロットなどを介して直接装置本体に装着されても良い。このメモリカード118には、画像のデータやその他の電子データが格納されており、USBホスト制御部117を通じてメモリカード118のデータにアクセスすることができる。尚、このUSBホスト制御部117は、メモリカード118が装着された場合に、その装着を検知してCPU101に通知する機能を有している。尚、本実施の形態においては、USB通信は1対1の接続形態を用いる。また上述した各構成要素101〜106、108〜117は、CPU101が管理するCPUバス121を介して、相互に接続されている。
【0019】
図2は、本実施の形態に係る操作・表示部108の操作キーの具体例を説明する図である。尚、ここではテンキーや、文字入力キー、ワンタッチ電話番号キー等は省略して示している。
【0020】
この操作部108は、液晶表示部(LCD)201と、電源キー(power)202と、コピーモードキー(copy)203と、フィルムモードキー(film)204と、スキャンモードキー(scan)205と、フォトモードキー(photo)206と、メニュキー(Menu)207と、戻りキー(Return)208と、フォトインデックスシートキー(photo index sheet)209と、マイナスキー(−)210と、プラスキー(+)211と、セットキー(SET)212と、スライドショー(Slide show)キー213と、用紙設定キー(Paper select)214と、フィーダセレクトキー(FEEDER SELECT)215と、STOP(停止)キー(STOP)216と、モノクロスタートキー(MONO START)217と、カラースタートキー(COLOR START)218を有する。
【0021】
LCD表示部201は、メッセージやオペレーションプロンプト、各種情報を表示する。電源キー202は、この装置の電源をオン/オフするためのキーである。コピーモードキー203は、コピーができる動作モードに設定するためのキーである。このコピーモードキー203を押下することにより、この装置100はコピーモードに設定される。フィルムモードキー204は、フィルム印刷を可能にするフィルムモードを設定する。スキャンモードキー205は、読取部107による原稿画像の走査読取を指示するためのキーである。フォトモードキー206は、デジタル写真を記憶しているメモリカードやカメラからのダイレクト印刷が可能な状態にするためのキーである。このフォトモードキー206を押下することで、この装置100をフォト印刷モードに設定することができる。
【0022】
メニュキー207は、コピーやファックス、メモリカードの画像のダイレクト印刷などの、各種処理を実行する際の設定値を設定する項目を表示するためのキーである。このメニュキー207が押下されると、各種設定項目が表示部201に表示され、プラスキー211やマイナスキー210などにより、表示部201の画面上でカーソルを移動して項目を選択し、セットキー212で、その選択した項目をセットできる。戻る設定キー208は、ユーザが設定値を登録する際に、操作を戻すために使用するキーである。フォトインデックスシートキー209は、メモリカード118に記憶されている画像のフォトインデックスシートを印刷或は読み取るための画面に移行するためのキーである。この画像処理装置100にメモリカード118が装着された状態で、このフォトインデックスシートキー209が押下されると、フォトインデックスシートの印刷、もしくは読み取りを指示できる画面に移行する。このインデックス画面が表示されている状態で、プラスキー211やマイナスキー210などを操作して読取か印刷かを選択し、セットキー212で、所望の画像を指定することができる。マイナスキー210、プラスキー211は、メニュや画像、ユーザ登録などに際して、ユーザが複数の選択肢から選択を行う際に使用されるキーである。マイナス、プラスはそれぞれカーソルの移動方向の逆順、正順に対応している。セットキー212は、そのカーソルにより選択された項目に対して決定を行うキーである。
【0023】
スライドショーキー213は、メモリカード118の画像を表示部108に順に表示するように指定する。用紙設定キー214は、コピーやその他印刷用の用紙設定を行うキーである。フィーダセレクトキー215は、給紙部114の給紙部が複数の給紙カセットを備える場合に、使用する給紙カセットを切り換える際に使用するキーである。停止キー(STOP)216は、ファクシミリ送受信、コピーやその他のオペレーション操作を停止させるキーである。モノクロスタートキー217は、白黒ファクシミリ送信、白黒コピーなどを開始させるキーである。カラースタートキー218は、カラーファクシミリ送信、カラーコピー、カラー写真印刷などを開始させるキーである。
【0024】
図3は、本実施の形態の画像処理装置におけるメモリカード118の書き込みの可否を説明する図である。
【0025】
本実施の形態に係る画像処理装置100では、コピー、スキャン、フィルム、フォトの4つの動作モードを設けており、それぞれ上述のモードキー203〜206により設定される。コピーモードは、コピー動作を行うモードである。スキャンモードは、読取部107で読み取った画像データを、USBファンクション制御部115を介して接続されたPC119に電子情報として送信するモードである。フィルムモードは、読取部107でカメラのフィルムを読み取り、記録部113で印刷するモードである。フォトモードは、メモリカード118が挿入された時にメモリカード118の画像データを表示部201に表示するためのモードである。また、フォトモードであるとき、メモリカード118内のその画像データを印刷することもできる。これらモードは、上述のモードキー203〜206を押下することで、それぞれ対応する動作モードに移行することができる。
【0026】
図3では、各々の動作モードにおいて、メモリカード118への書き込みができるか否かの設定を説明している。本実施の形態の画像処理装置100では、メニュキー207によりメモリカード118への書き込みを許可/禁止を設定する項目を読み出し、そこで「許可」或は「禁止」を選択してセットキー212を押すことにより、メモリカード118へのデータの書き込みを「禁止」或は「許可」することができる。この設定に応じて、外部PC119からメモリカード118へのデータの書き込みの可否を決定できる。
【0027】
本実施の形態では、メモリカード188へのデータの書き込みが「禁止」に設定されていると、全ての動作モードにおいてメモリカード118の書き込みを禁止する。一方、メモリカード188へのデータの書き込みが「許可」に設定されていれば、フォトモード以外ではメモリカード118へのデータの書き込みが可能であるが、フォトモード時にはメモリカード118の書き込みができないようにしている。
【0028】
このように本実施の形態では、メモリカード118への書き込みが「禁止」に設定されている場合は、外部(PC119)からメモリカード118へのデータの書き込みを禁止し、メモリカード118へのデータの書き込みが「許可」に設定されている場合には、メモリカード118を使用するフォトモードではデータの書き込みを禁止し、その他の動作モードでは、メモリカード118へデータの書き込みを許可することにより、メモリカード118の排他制御を行っている。
【0029】
尚、本実施の形態では、動作モードとして4つの場合を示しているが、本発明はこれらに限定されるものでない。また、メモリカードへのデータの書き込みが禁止されていれば、メモリカード118へのデータの書き込みだけでなく、メモリカード118の情報を操作する処理も禁止される。
【0030】
図4は、本実施の形態に係る画像処理装置100におけるメモリカード118へのデータの書き込みを「許可」/「禁止」する処理を説明するフローチャートである。この処理を実行するプログラムは、ここではROM102に記憶されており、CPU101により実行される。
【0031】
まずステップS1で、メニュキー207が押されるとステップS2に進み、メモリカード118への書き込みを許可/禁止を設定する項目を表示する。そして「+」キー211、「−」キー210が操作されて、メモリカード118の書き込み「許可」或は「禁止」が選択される。これはメモリカード118の書き込み許可/禁止の設定項目が表示されている状態で、「+」キー211、「−」キー210が操作されると、「許可」「禁止」が交互に表示され、その状態でセットキー212を押下すると、その時点で選択されている「許可」或は「禁止」モードが設定される。こうしてステップS2で、メモリカード118へのデータの書き込みが「禁止」に設定されるとステップS3に進み、メモリカードへのデータ書き込みを「禁止」に設定する。一方ステップS2で、メモリカード118へのデータの書き込みが「許可」に設定されるとステップS4で、メモリカード118への書き込みを「許可」に設定する。尚、この設定された「許可」或は「禁止」モードは、RAM103に記憶される。
【0032】
図10は、RAM103のデータを説明する図で、ステップS3では、メモリカードのデータ書き込み禁止フラグ1001がオン(「1」)にセットされ、ステップS4では、オフ(「0」)にセットされる。
【0033】
図5は、本実施の形態に係る画像処理装置100におけるモード切替処理を説明するフローチャートである。この処理を実行するプログラムは、ここではROM102に記憶されており、CPU101により実行される。
【0034】
ステップS11で、モード切替が行われるモードキー203〜206のいずれかが押下されたかどうかを判定する。モードキー203〜206のいずれかが押下された場合はステップS12に進むが、そうでない場合はステップS11で、モードキーが押下されるまで待ちつづける。ステップS12では、押下されたキーを判定し、コピーモード、スキャンモード、フィルムモード及びフォトモードキーのそれぞれの押下に応じて、ステップS13,S14,S15及びS16で、それぞれ対応するモードを設定する。こうして設定された各モードはRAM103の動作モードフラグ1002(図10)に、それぞ対応するコードで記憶される。
【0035】
本実施の形態では、モードが4つの場合で説明しているが、この限りではない。また、モードの切替えとして各モードに対応したキーを用いているが、モードの設定ができれば、メニュキーなどを用いて設定しても良い。
【0036】
図6は、本発明の実施の形態1に係る画像処理装置におけるモード切替え処理を説明するフローチャートである。尚、この処理を実行するプログラムはROM102に記憶されており、CPU101の制御により実行される。
【0037】
まずステップS21で、メモリカード118が挿入されるとステップS22で、メモリカード118へのデータの書き込みが「許可」に設定されているかを判定する。即ち、RAM103のフラグ1001を参照して、PC119によるメモリカード118のデータ更新が許可されているかをみる。許可されていれば、即ちフラグ1001が「0」であれば何もせずに終了となる。ステップS22で、メモリカード118の書き込みが「禁止」されていれば、即ちフラグ1001が「1」であればステップS23で、フォトモードにするとともにメモリカード118のデータ書き換え禁止に変更して終了する。
【0038】
以上の処理によって、メモリカード118の挿入時に、メモリカード118へのデータの書き込みが「禁止」に設定されている場合には、無条件にフォトモード、即ち、メモリカードへのデータ書き込みを禁止する動作モードにすることにより、ユーザビリティの高い動作モード移行を実現している。
【0039】
この処理を図3を参照して説明する。いまメモリカード118の書き込みが「禁止」に設定されており、現在のモードがコピーモードとする。この場合、ユーザがメモリカード118を装置100に装着すると、メモリカード118の書き込みが「禁止」に設定されているため、ここでメモリカード118を挿入するユーザは、装置100を使用してメモリカード118の情報を読み出すことだけを希望していると考えられる。
【0040】
そこで図6のフローチャートで示すように、メモリカード118の書き込みが「禁止」に設定されている状態で、メモリカード118が装着されると、コピーモードからフォトモードに動作モードを変更する。これによりユーザは、フォトモードでメモリカード118の画像を読み出して表示したり、印刷することができる。このフォトモードでは、メモリカード118へのデータの書き込みが全面的に禁止されているため、メモリカード118の内容が書き換えられる心配はない。
【0041】
一方、コピーモードで、かつメモリカード118の書き込みが「許可」に設定されている状態で、メモリカード118が装着されると、そのユーザはメモリカード118へデータを書き込むことを意図していると考えられる。その場合には、図6の処理でメモリカード118が挿入されると、この装置100の動作モードはコピーモードのままとなる。つまり、その装着されたメモリカード118へのデータの書き込みが可能なままとなる。
【0042】
以上説明したように、装着されたメモリーカード118にアクセスして情報の読み書きが可能であり、また装置100に外部から接続されたパソコンなどの機器からメモリカード118の情報の読み書きも可能な装置100において、メモリカードへのアクセスを制御してユーザの意図に近い動作モードに設定できる。また、メモリカード118がユーザの意図に反して書き換えられるのを防止できる。
【0043】
[実施の形態2]
次に本発明の実施の形態2について説明する。この実施の形態2では、メモリカード118の挿入時に、メモリカードへのデータの書き込みを許可するか否かをユーザが選択できる場合で説明する。尚、この実施の形態2のハードウェア構成は、前述の実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。
【0044】
図7は、本実施の形態2に係る画像処理装置100における処理を説明するフローチャートで、ここではメモリカード118を挿入することによる動作モードの切替例を示している。この処理を実行するプログラムは、ここではROM102に記憶されており、CPU101により実行される。
【0045】
まずステップS31で、メモリカード118が挿入されるとステップS32に進み、図6のステップS22と同様にして、メモリカード118の書き込みが「許可」に設定されているか否かを判定する。「許可」に設定されていればステップS33に進み、ユーザにメモリカード118へのデータの書き込みを行うかどうかを問合せる画面を表示部201に表示する。この画面を使用して、ユーザがメモリカード118へのデータ書き込みを「許可」にすると設定すると、そのまま処理を終了する。
【0046】
ステップS32で、メモリカード118へのデータ書き込みが「禁止」に設定されているとき、或はステップS33で、メモリカード118へのデータ書き込みを「禁止」にすると選択された場合はステップS34に進み、図6のフローチャートのステップS23のように、フォトモードに変更して終了する。
【0047】
以上の処理によって、メモリカード挿入時の動作を変える事でユーザビリティの高いモード移行を実現している。
【0048】
具体例を図3を参照して説明する。いまメモリカード118へのデータ書き込みが「禁止」に設定されていて、コピーモードが設定されているとする。この状態で、ユーザがメモリカード118を装置100に装着すると、メモリカード118への書き込みが「禁止」に設定されているため、ユーザは、ここでメモリカード118の情報を確認したいだけであると思われる。従って、この場合は、図7の処理により、メモリカード118が挿入された際、コピーモードからフォトモードに移行する。これによりユーザは、メモリカード118へのデータの書き込みが禁止された状態で、フォトモードで、メモリカード118の画像を読み出して表示したり印刷することができる。
【0049】
一方、メモリカード118の書き込みが「許可」に設定されている場合には、コピーモードであるため、ユーザはメモリカード118にデータを書き込みむ可能性があると考えられる。従ってこの場合、メモリカード118の挿入時に、ユーザに対してメモリカード118の書き込みを行うかのダイアログを出す。
【0050】
図9は、このダイアログの画面例を示す図である。
【0051】
この画面で「はい」が選択されると、動作モードの変更は行わない。一方、図9で「いいえ」、即ち、メモリカード118に書き込みをしないと選択されると、現在のモードをフォトモードに変更する。つまりメモリカード118へのデータの書き込みを禁止するモードに変更する。
【0052】
以上説明したように、装着されたメモリカード118にアクセスして情報の読み書きが可能であり、また装置100に外部から接続されたパソコンなどの機器からメモリカード118の情報の読み書きも可能な装置100において、メモリカードへのアクセスを制御して、ユーザの意図に近い動作モードに設定できる。また、メモリカード118の内容がユーザの意図に反して書き換えられるのを防止できる。
【0053】
以上説明したように本実施の形態2によれば、装着されたメモリカードにアクセスして情報の読み書きが可能な装置において、設定されている動作モードに応じてメモリカードの内容を壊さないようにメモリカードへのアクセス制御を行うことにより、ユーザの意図に近い動作を実行させることができ、ユーザビリティの高い操作が可能となった。
【0054】
本実施の形態2で設定されるモードは、あくまでも一例であり、これ以外にも、動作モードの種類、用紙サイズなどのような、印刷の属性値を制限する動作モードの場合にも適用できる。
【0055】
また、メモリカードへのデータの書き込みだけでなく、メモリカードの情報を操作する操作の「禁止」「許可」を設定する場合も同様にして処理できる。
【0056】
またメモリカード118へのアクセスを装置単体で行うモードと、そうでないモードにも適用できる。また、モード切替として各モードに対応したキーを用いているが、モードの設定ができる場合はこの限りではない。
【0057】
[実施の形態3]
図8は、本発明の実施の形態3に係る画像処理装置100における処理を説明するフローチャートで、ここではメモリカード118を挿入することによるモード切替例を示している。この処理を実行するプログラムは、ここではROM102に記憶されており、CPU101により実行される。
【0058】
まずステップS41で、メモリカード118が挿入されるとステップS42に進み、前述のステップS22と同様に、メモリカード118の書き込みが「許可」に設定されているかどうかを判定する。「許可」に設定されていればステップS43に進み、ユーザにメモリカード118へのデータの書き込みを行うかどうかを問合せる画面を表示する。この画面を使用して、メモリカード118へのデータ書き込みを行うと選択されるとステップS45に進み、現在のモードをコピーモードに設定する。これにより、メモリカード118の書き換えが可能になる。
【0059】
またステップS42で、メモリカード118へのデータ書き込みが「許可」に設定されていない場合、或はステップS43で、メモリカード118へのデータ書き込みをしないと選択された場合はステップS44に進み、図6のフローチャートのS23のように動作モードをフォトモードに変更して処理を終了する。
【0060】
この例を図3を参照して説明する。メモリカード118の書き込みが「禁止」に設定されており、コピーモードに設定されているものとする。この場合にユーザがメモリカード118を装置100に装着すると、メモリカード118への書き込みが「禁止」に設定されているため、ここでユーザは、メモリカード118の情報を確認だけをしたいユーザであると考えられる。従ってこの場合は、メモリカード118が挿入された際に、コピーモードからフォトモードに移行する。こうしてユーザは、このフォトモードで、メモリカード118の画像を読み出して表示したり印刷することができる。
【0061】
一方、メモリカード118の書き込みが「許可」に設定されていると、ユーザがメモリカード118を挿入した場合は、メモリカード118の書き込みを行いたいと考えられる。そこでこの場合はメモリカード118が挿入されると、ユーザにメモリカード118への書き込みを行うかを問合せるためのダイアログを表示する(図9)。
【0062】
ここで「はい」が選択されてメモリカード118に書き込むと指示されると、ステップS45で、現在の動作モードをコピーモードに変更し、メモリカード118への書き込みを可能にする。
【0063】
一方、ステップS43で「いいえ」が選択されてメモリカード118に書き込みをしないと選択されるとステップS44で、動作モードをフォトモードに変更する。つまりメモリカード118を挿入して、それを参照できるだけの動作モードとする。
【0064】
こうして、メモリカード118に情報を書き込みたいユーザは、メモリカード118に書き込みを行う動作モードで動作することができ、そうでないユーザには、メモリカードの画像を参照するモードで処理が実行される。
【0065】
以上説明したように、装着されたメモリカードにアクセスできる装置100において、メモリカード118の内容を保存できるようにメモリカードへのアクセスの排他処理を行いながら、ユーザの意図に近い動作を行わせることができ、ユーザビリティの高い操作が可能となった。
【0066】
上述した実施の形態で設定される動作モードは一例であり、記録シートの種類、シートサイズなど印刷の属性値を制限するよう動作モードの場合にも適用できる。
【0067】
またメモリカード118への書き込み処理を、装置単体で行うモードと、外部より行うモードがある場合は、各モードごとに、上記の設定を行うようにしても良い。
【0068】
尚、上述の実施の形態では、メモリカードへの書き込みが禁止されている場合、フォトモードに変更するように説明したが本発明はこれに限定されるものでなく、単にメモリカードの内容を参照するだけの動作モードがあれば、その動作モードを設定しても良い。
【0069】
[他の実施の形態]
本発明の目的は前述したように、実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体をシステム或は装置に提供し、そのシステム或は装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。このようなプログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピィ(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM,CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0070】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータで稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0071】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書きこまれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含む。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る操作・表示部の操作キーの具体例を説明する図である。
【図3】本実施の形態の画像処理装置におけるメモリカードの書き込みの可否を説明する図である。
【図4】本実施の形態に係る画像処理装置におけるメモリカードへのデータの書き込みを「許可」/「禁止」する処理を説明するフローチャートである。
【図5】本実施の形態に係る画像処理装置におけるモード切替処理を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態1に係る画像処理装置におけるモード切替え処理を説明するフローチャートである。
【図7】本実施の形態2に係る画像処理装置における処理を説明するフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態3に係る画像処理装置における処理を説明するフローチャートである。
【図9】本実施の形態2,3に係るダイアログの画面例を示す図である。
【図10】本実施の形態に係るRAMのデータ構成を説明する図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続されたメモリカードにアクセスするメモリアクセス手段と、
前記メモリカードへのデータ書き込みを禁止する禁止モードを設定する禁止モード設定手段と、
動作モードを設定するモード設定手段と、
前記禁止モード設定手段により前記禁止モードが設定されている場合にメモリカードが接続されると、前記モード設定手段により設定されている動作モードを前記メモリカードへデータの書き込みを行わない動作モードに変更するモード変更手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記禁止モード設定手段により前記禁止モードが設定されていない場合にメモリカードが接続されると、前記メモリカードへデータの書き込みを行うかどうかをユーザに問合せるユーザインターフェース手段と、
前記ユーザインターフェース手段により前記メモリカードへデータの書き込みを禁止するモードが指定されると、前記モード設定手段により設定されている動作モードを前記メモリカードへデータの書き込みを行わない動作モードに変更する手段とを更に有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ユーザインターフェース手段により前記メモリカードへデータの書き込みを禁止しないモードが指定されると、前記モード設定手段により設定されている動作モードを前記メモリカードへデータの書き込みが可能な動作モードに変更する手段を更に有することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記禁止モードは、インターフェースを介して外部装置から前記メモリカードへのデータの書き込みを禁止するモードであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
接続されたメモリカードにアクセスするメモリアクセス工程と、
前記メモリカードへのデータ書き込みを禁止する禁止モードを設定する禁止モード設定工程と、
動作モードを設定するモード設定工程と、
前記禁止モード設定工程で前記禁止モードが設定されている場合にメモリカードが接続されると、前記モード設定工程により設定されている動作モードを前記メモリカードへデータの書き込みを行わない動作モードに変更するモード変更工程と、
を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項6】
前記禁止モード設定工程で前記禁止モードが設定されていない場合にメモリカードが接続されると、前記メモリカードへデータの書き込みを行うかどうかをユーザに問合せる工程と、
ユーザにより前記メモリカードへデータの書き込みを禁止するモードが指定されると、前記モード設定工程で設定されている動作モードを前記メモリカードへデータの書き込みを行わない動作モードに変更する工程とを更に有することを特徴とする請求項5に記載の制御方法。
【請求項7】
ユーザにより前記メモリカードへデータの書き込みを禁止しないモードが指定されると、前記モード設定工程により設定されている動作モードを前記メモリカードへデータの書き込みが可能な動作モードに変更する工程を更に有することを特徴とする請求項6に記載の制御方法。
【請求項8】
前記禁止モードは、外部装置から前記メモリカードへのデータの書き込みを禁止するモードであることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−72905(P2006−72905A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−258407(P2004−258407)
【出願日】平成16年9月6日(2004.9.6)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】