説明

情報処理装置及び情報処理方法

【課題】電子地図上に複数の画像を表示する際の画像の識別を、視認性を確保しながら容易にすることができる情報処理装置及び情報処理方法等を提供する。
【解決手段】電子地図を表示し(ステップS402)、更に、第1の位置情報及び第2の位置情報を含む画像ファイルを前記電子地図上に表示する(ステップS403〜S413)。前記第1の位置情報は、前記画像ファイルが作成された位置に関する情報を示し、前記第2の位置情報は、任意の位置に関する情報を示す。そして、前記画像ファイルを表示する際には、前記電子地図の縮尺に応じて前記第1の位置情報及び第2の位置情報のいずれかを選択し(ステップS404〜S410)、選択されたものが示す位置に前記画像ファイルを表示する(ステップS407、S410)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子地図上への画像の表示に好適な情報処理装置及び情報処理方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
GPS(Global Positioning System)受信機をデジタルカメラに内蔵又は装着し、GPS衛星から得られたGPS情報(位置情報、時間、受信衛星の数等)を、撮影画像とともに記録するシステムが提案されている。GPS受信機は、GPS衛星から発信された電波を受信し、電波発信の時刻とGPS受信機に電波が到着した時刻との時間差及び搬送波を解析し、地球上の観測している位置(緯度、経度、高度等)を測定する。なお、GPS衛星は、米国国防総省により管理、運営されており、地球上を周回している。GPS衛星の数は24個である。
また、JEIDA(日本電子工業振興協会)が策定したデジタルカメラ用の画像メタデータのフォーマットであるExif(Exchangeable image file format)には、GPSに関する付属情報を記録するタグが用意されている。例えば、GPS受信機によって受信されたGPS情報はこのタグに記録される。
このようなシステムによれば、ユーザは、撮影画像を再生する際に、GPS情報を参照して撮影画像の撮影場所を知ることができ、また、撮影場所による所望の撮影画像を検索することができる。
また、GPS情報が付加された画像ファイルを電子地図上の撮影場所に配置して表示する技術も提案されている(特許文献1)。この技術では、撮影画像の表示に際して、Exifタグに記録されたGPS情報が参照されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−352659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の従来の技術では、狭い範囲内で撮影された複数の画像が電子地図上に表示されると、地図の縮尺によっては画像が重なり合ってしまい、各画像の識別が困難となってしまう。また、画像の重なり合いを防ぐため、画像の表示サイズを小さくしたのでは、画像の視認性が低下してしまう。
【0005】
本発明は、電子地図上に複数の画像を表示する際の画像の識別を、視認性を確保しながら容易にすることができる情報処理装置及び情報処理方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報処理装置は、電子地図を表示する地図表示手段と、第1の位置情報及び第2の位置情報を含む画像ファイルを前記電子地図上に表示する画像表示手段と、を有し、前記第1の位置情報は、前記画像ファイルが作成された位置に関する情報を示し、前記第2の位置情報は、任意の位置に関する情報を示し、前記画像表示手段は、前記電子地図の縮尺に応じて前記第1の位置情報及び第2の位置情報のいずれかを選択し、選択されたものが示す位置に前記画像ファイルを表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電子地図の縮尺に応じて位置情報を選択するため、視認性の低下を避けながら、画像の識別を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】画像ファイルのデータ構造の一例を示す図である。
【図3】GPS情報のデータ構造を示す図である。
【図4】撮像装置の外観を示す図である。
【図5】撮像装置20の機能構成を示すブロック図である。
【図6】二次記憶部1204に記録される位置情報等を示す図である。
【図7】撮像装置20の処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】(a)は、GPSメニューの初期画面を示す図であり、(b)は、確認メッセージ画面2190を示す図である。
【図9】(a)は、失敗メッセージ画面2290を示す図であり、(b)は、GPSオプションメニュー2390を示す図である。
【図10】撮像装置20の撮影時の処理を示すフローチャートである。
【図11】PC100の動作を示すフローチャートである。
【図12】プログラムのUIの表示形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。
【0010】
[情報処理装置(画像再生装置)について]
先ず、本実施形態に係る情報処理装置(画像再生装置)の構成について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。本実施形態に係る情報処理装置は、例えばパーソナルコンピュータ(以下、PCという)100である。
このPC100には、CPU101、RAM102、HDD103、外部記録装置104、ネットワークI/F105、VRAM106、表示装置107、サウンドデバイス108、キーボード109及びポインティングデバイス110が設けられている。また、PC100には、印刷装置111及び通信I/F112も設けられている。
CPU(Central Processing Unit)101は、PC100に含まれる上記の各構成要素を制御する。RAM(Random Access Memory)102には、CPU101の動作の際にプログラム及び画像データが展開される。プログラムは、画像表示及び画像処理を制御するためのプログラムコードであり、CPU101によって実行される。RAM102は、CPU101のワーク領域及びエラー処理時のデータの退避領域等としても使用される。HDD(Hard Disk Drive)103には、上記のCPU101が実行するプログラム、並びに電子地図、画像ファイル及びテキストファイル等のコンテンツファイル等が格納されている。
外部記録媒体(図示せず)に、上記のCPU101が実行するプログラム、並びに画像ファイル及びテキストファイル等のコンテンツファイル等が格納されていることもある。外部記録装置(Removable Drive)104は、このような場合、外部記録媒体からプログラム及びコンテンツファイル等の読み出しを行う。外部記録装置104が読み出しを行った場合、CPU101は、読み出されたプログラム及びコンテンツファイル等をRAM102にロードする。外部記録媒体としては、例えば、DVD−RWドライブ、CD−ROM、CD−R、及びDVD−RAM等の光ディスク、フレキシブルディスク、及びMO等の磁気ディスク、並びにフラッシュメモリ等の不揮発性メモリが挙げられる。
ネットワークI/F(Interface)105は、LAN(Local Area Network)及びWWW(World Wide Web)等のネットワークに接続される。CPU101は、ネットワークI/F105を介して、ネットワークに接続されている外部の記録装置等に記録されているプログラム、電子地図及び画像データ等をロードする。
VRAM(Video RAM)106は、画像データ及びCPU101により実行されたプログラムのUI(User Interface)等の映像信号を表示装置107に出力する。表示装置107は、VRAM106から入力された映像信号の表示処理を行う。表示装置107としては、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)及びLCD(Liquid Crystal Display)が用いられる。また、表示装置107として、SED(Surface-conduction Electron-emitter Display)及びEL(Electro Luminescent)が用いられてもよい。
サウンドデバイス(Sound Device)108は、例えば、画像データに添付されている音声データを処理し、スピーカ等に転送する。キーボード109は、文字等を入力するための各種キーを有する。ポインティングデバイス110として、例えばマウスパッドが挙げられる。ポインティングデバイス110は、表示装置107の表示画面上に表示されたマウスポインタを制御し、プログラムのメニュー及びその他のオブジェクトを操作するために使用される。
印刷装置(プリントデバイス)111は、例えばインクジェットプリンタや昇華型プリンタが挙げられる。印刷装置111は、HDD103に保存された、または外部記録装置(Removable Drive)104から読み込まれた画像やテキストなどのコンテンツデータを紙媒体に印刷するために使用される。
通信I/F112の規格として、例えばPTP規格が挙げられる。PTPは、Picture Transfer Protocol(PIMA 15740:2000, PHOTOGRAPHIC AND IMAGING MANUFACTURERS ASSOCIATION, INC.参照)である。PC100は、この通信I/F112を用いて、外部デバイスとの間でデータの送受信を行うことが可能である。
【0011】
そして、本実施形態では、CPU101が、HDD103に記録されたプログラム、画像ファイル及び電子地図等をRAM102にロードし、CPU101がプログラムを実行することにより、PC100が画像再生装置として機能する。また、電子地図のデータは、データベース化されている。即ち、電子地図のデータには、地図の画像データ、緯度及び経度等の位置データ、及び地名等のテキストデータが含まれており、これらが互いに関連付けされ、HDD103に保存されている。CPU101は、プログラムを実行し、電子地図の表示処理を行う場合、電子地図のデータベースにアクセスし、地図の縮尺及び表示位置に応じて、表示に必要な電子地図データの一部をデータベースから取得する。そして、表示装置107がCPU101の制御に基づいて表示する。
【0012】
[画像ファイルのデータ構造について]
次に、CPU101が取り扱う画像ファイルのデータ構造について説明する。本実施形態では、画像ファイルの形式がExif−JPEGであるとする。図2は、本実施形態における画像ファイルのデータ構造の一例を示す図である。
画像ファイルであるExif−JPEG200には、例えば、SOI201、APP1 202、データブロック203、Compressed Data204、及びEOI205が含まれている。SOI201は、Exif−JPEG200の開始を示すマーカである。APP1 202は、Exif−JPEG200のヘッダ部に相当するアプリケーションマーカである。データブロック203には、例えば量子化テーブル(DQT)、ハフマンテーブル(DHT)、フレーム開始マーカ(SOF)、及びスキャン開始マーカ(SOS)が含まれている。Compressed Data204は、圧縮された画像データである。EOI205は、Exif−JPEG200の終端を示すマーカである。
【0013】
APP1 202には、データブロック206、0th IFD207、1st IFD211、及びThumbnail212が含まれている。データブロック206には、APP1 202のサイズを示すAPP1 Length、及びAPP1 202の識別コードを示すExif Identifier Codeが含まれている。0th IFD207は、圧縮された画像データに関する付属情報を記録するデータブロックである。0th IFD207の一部には、Exif IFD208のデータブロック、及びGPS IFD210のデータブロックが存在する。Exif IFD208には、Exifバージョンに関するタグ、画像データの特性及びや構造に関するタグ、日時に関するタグ、並びにシャッタースピード及びレンズ焦点距離等が記録された撮影条件に関するタグ等が含まれている。GPS IFD210には、GPS情報に関するタグが含まれている。1st IFD211は、サムネイル画像に関する付属情報を記録するデータブロックである。Thumbnail212は、サムネイルの画像データである。
【0014】
Exif IFD208には、MakerNote209のデータブロックが存在する。MakerNote209には、カメラメーカ固有の情報が記録されている。本実施形態で用いる画像ファイルには、MakerNote209の中にGPS情報213が記録されている。
【0015】
ここで、GPS IFD210に含まれるGPS情報、及びGPS情報213に記録されているGPS情報のデータ構造について説明する。図3は、GPS情報のデータ構造を示す図である。このGPS情報のデータ構造300には、種々のタグ名称が存在する。例えば、「GPSタグのバージョン」、「北緯(N) or 南緯(S)」、「緯度(数値)」、「東経(E) or 西経(W)」、「経度(数値)」、「高度基準」、「高度(数値)」、「GPS時間(原子時計の時間)」等である。また、他のGPS情報のタグ名称が含まれていてもよい。即ち、ExifのGPS IFDで定義されたタグが含まれている。そして、これらに対応して情報が記述されている。
本実施形態では、詳細は後述するが、これらのタグのうち、「北緯(N) or 南緯(S)」、「緯度(数値)」、「東経(E) or 西経(W)」、及び「経度(数値)」の4種類を参照して、特有の処理を行う。後述の、詳細GPS情報、及び代表GPS情報を参照するとは、以上のタグを参照することを指す。
【0016】
[GPS情報の記録について]
次に、画像ファイルに、位置情報の一例であるGPS情報の記録について説明する。上述のように、本実施形態で処理される画像ファイルでは、GPS IFD210にGPS情報が記録されており、また、GPS情報213にもGPS情報が記録されている。つまり、2種類のGPS情報が記録されている。GPS IFD210に記録されたGPS情報は、撮影が行われた地点に関する詳細なGPS情報であり、以下、詳細GPS情報(第1のGPS情報)という。一方、GPS情報213に記録されたGPS情報は、撮影者が撮影場所の基準とした地点に関する代表的なGPS情報であり、以下、代表GPS情報(第2のGPS情報)という。このように、GPS IFD210に詳細GPS情報が記録され、GPS情報213に代表GPS情報が記録されていることになる。
上記のように、詳細GPS情報は撮影が行われた地点に関するGPS情報であるが、代表GPS情報は、撮影が行われた地点に関するGPS情報ではないことがある。例えば、ある複数の画像ファイル間で、詳細GPS情報が相違していながら、代表GPS情報が共通であることがある。即ち、ある娯楽施設で作成された画像ファイル間で、代表GPS情報は、当該娯楽施設の入場門付近で取得された共通のGPS情報であり、詳細GPS情報は当該娯楽施設内の種々のアトラクション付近で取得された個々のGPS情報となっていることがある。
【0017】
次に、詳細GPS情報及び代表GPS情報がどのようにしてExif−JPEG200に記録されるかについて説明する。
例えば、デジタルカメラ等の撮像装置がGPS受信機を用いて撮影が行われた際にGPS情報を生成した画像ファイルに記録する機能を有していれば、撮影が行われた地点に関するGPS情報が詳細GPS情報としGPS IFD210に記録される。更に、撮像装置に代表GPS情報を追記するアプリケーションがインストールされていれば、アプリケーションのUI上からGPS情報をテキスト入力して代表GPS情報を追記することが可能となる。つまり、詳細GPS情報が記録されたExif−JPEG200に、後から代表GPS情報を記録することが可能である。また、UI上に電子地図を表示させてユーザに所望の位置を指定させ、その地点のGPS情報を代表GPS情報として追記するようにしてもよい。このような構成は、撮像装置がGPS情報を記録する機能を有していない場合にも有効である。即ち、既に作成された画像ファイルに詳細GPS情報及び代表GPS情報を追記するように構成してもよい。更に、このようなGPS情報の追記は、撮像装置上で行われずとも、PC100等の情報処理装置に同様のソフトウェアがインストールされていれば実行することが可能である。
また、位置情報として、GPS装置から受信したもの以外に、例えば、携帯電話等の通信端末、電子地図のウェブサイト、他の画像ファイルに記録されたGPS情報等を用いてもよい。また、周辺の無線LANのアクセスポイントから情報を受信し、アクセスポイントの相対的な位置から自機の位置を算出してもよい。
【0018】
また、撮像装置に、詳細GPS情報及び代表GPS情報を記録する機能を設けておいてもよい。以下、このような撮像装置について説明する。図4は、撮像装置の外観を示す図である。撮像装置20には、電源ボタン2101、シャッターボタン2102、及び撮影再生切り替えスイッチ2106が設けられている。電源ボタン2101は撮像装置20の電源を入り切りするためのものである。撮影再生切り替えスイッチ2106は、撮像装置20の撮影モード、再生モードを切り替えるためのものである。シャッターボタン2102は、撮影を行うためのものである。
撮像装置20には、更に、液晶表示部1209が設けられている。液晶表示部1209には、撮像装置20の動作の設定を指定するための各種メニューが表示される。また、撮影時のファインダーとしても機能する。撮像装置20に内蔵されたメモリーカードに格納されている撮影済みの画像の再生等にも用いられる。
撮像装置20には、更に、メニューボタン2103、GPSメニューボタン2108、セットボタン2104、移動ボタン2105、及び移動ホイール2107が設けられている。メニューボタン2103は、撮影時及び再生時の撮像装置20の動作を設定、指定するためのメニュー画面を液晶表示部1209に表示させるときに指定するもので、このボタンが押されると、液晶表示部1209に各種メニューが表示される。GPSメニューボタン2108は、GPS関連の処理を実行、又は設定するためのGPSメニュー画面を液晶表示部1209表示させるときに指定するもので、このボタンが押されると、液晶表示部1209にGPS用のメニューが表示される。詳細は後述するが、GPSメニューでは、GPS情報のキャッシュに関する操作及び設定が行われる。セットボタン2104、移動ボタン2105、及び移動ホイール2107は、メニュー画面中のカーソル等を操作するときに使用するものである。具体的には、移動ボタン2105の上下ボタンでカーソルを移動させ、セットボタン2104で選択決定するような操作を実現するためのものである。
【0019】
次に、撮像装置20の機能構成について説明する。図5は、撮像装置20の機能構成を示すブロック図である。
撮像装置20には、通信制御部1203、演算部1202、撮像部1201、一次記憶部1205、二次記憶部1204、表示部1206、操作部1210、及びGPS受信部1207が含まれている。更に、撮像装置20には、記憶媒体1208が装着可能である。通信制御部1203は、外部装置と接続し、制御コマンド及びデータの送受信を行う。接続を確立し、データ通信するためのプロトコルとしては、例えばPTP(Picture Transfer Protocol)が用いられる。なお、通信制御部1203は、例えばUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等の有線接続により外部装置との間で通信を行ってもよい。また、無線LAN(Local Area Network)等の無線接続により外部装置との間で通信を行ってもよい。また、外部装置と直接接続してもよいし、サーバを経由するか、インターネット等のネットワークを介して外部装置と接続してもよい。演算部1202は、入力された信号及びプログラムに従って、各種の演算及び制御を行う。撮像部1201には、撮影を行うための一連の部品等が含まれている。例えば、レンズ、絞り、CCD(Charge Coupled Device)、画像処理部等が撮像部1201に含まれている。一次記憶部1205は、演算部1202が演算等を行う際に、一次的にデータを記憶する。つまり、一次記憶部1205は、演算部1202の作業領域として機能する。二次記憶部1204は、撮像装置20の各機能を制御するために演算部1202が実行するプログラム(ファームウェア)及び各種の設定情報を記憶している。表示部1206は、撮影時のビューファインダー画像の表示、撮影した画像の表示、対話的な操作のためのメニュー表示等を行う。この表示部1206に液晶表示部1209が含まれる。操作部1210は、ユーザの操作を受け付けるためのものである。操作部1210に、電源ボタン2101、シャッターボタン2102、撮影再生切り替えスイッチ2106、メニューボタン2103、GPSメニューボタン2108、セットボタン2104、移動ボタン2105、及び移動ホイール2107が含まれる。GPS受信部1207は、複数のGPS衛星が送信する衛星波を受信して、撮像装置20の現在位置の緯度、経度、及び高度等を算出する。撮像装置20の電源が入っているか、又は入っているのに相当する状態にある場合、GPS受信部1207は、定期的にGPS衛星から衛星波を受信し、位置情報を求め、この位置情報及びこれに関する情報を二次記憶部1204に記録する。つまり、GPS受信部1207は、位置情報を定期的に取得しており、撮像部1201が撮影を行った際には、その際の位置情報を第1の位置情報として二次記憶部1204に記録する。また、詳細は後述するが、GPS受信部1207は、所定の条件(ユーザによる指示の入力)が満たされた場合には、その際の位置情報を第2の位置情報として二次記憶部1204に記録する。記憶媒体1208は、撮影により得られた画像データ等を記憶する。なお、撮影後に記憶媒体1208は取り外すことが可能であり、PC100等に装着して画像データを読み出すことが可能である。
【0020】
次に、GPS受信部1207により二次記憶部1204に記録される位置情報及びこれに関する情報について説明する。図6は、二次記憶部1204に記録される位置情報及びこれに関する情報を示す図である。二次記憶部1204には、GPS現在位置情報40、GPSキャッシュ情報41、及びGPSオプション設定値42がGPS受信部1207により記録される。GPS現在位置情報40は、GPS受信部1207により定期的に記録される位置情報である。GPS現在位置情報40には、緯度、経度、及び高度等の位置情報401(第1の位置情報)、及びこの位置情報401が取得された時刻を示す時刻情報402が含まれる。GPSキャッシュ情報41は、詳細は後述するが、ユーザの任意のタイミングで取得した位置情報をキャッシュするための領域である。GPSキャッシュ情報41には、キャッシュされた位置情報411(第2の位置情報)、及びこの位置情報411が取得された時刻を示す時刻情報412が含まれる。GPSオプション設定値42についての詳細は後述するが、GPSオプション設定値42には、GPSキャッシュ無効距離設定値421及びGPSキャッシュ無効時間設定値422が含まれる。なお、時刻情報402及び412には「0」が設定されている場合があり、時刻情報402、412に「0」が設定されているGPS現在位置情報40、GPSキャッシュ情報41は無効な情報である。
【0021】
次に、GPSメニューボタン2108の押下に伴う撮像装置20の処理について説明する。図7は、GPSメニューボタン2108の押下に伴う撮像装置20の処理を示すフローチャートである。この処理は、二次記憶部1204に記録されたプログラムを演算部1202が読み取り、実行することによって実現される。
【0022】
先ず、ユーザによりGPSメニューボタン2108が押下されると、表示部1206が、ステップS10において、図8(a)に示すGPSメニューの初期画面を液晶表示部1209に表示し、更なるユーザの入力を待機する。GPSメニューには、図8(a)に示すように、例えば、位置情報(GPS情報)キャッシュメニュー2091、キャッシュ情報クリアメニュー2092、及びGPSオプションメニュー2093の選択肢が含まれる。
そして、ユーザにより位置情報キャッシュメニュー2091が選択されると、ステップS20からステップS30へと処理が遷移する。また、キャッシュ情報クリアメニュー2092が選択されると、ステップS20を経てステップS100へと遷移し、更にステップS110へと処理が遷移する。GPSオプションメニュー2093が選択されると、ステップS20を経てステップS100へと遷移し、更にステップS120へと処理が遷移する。位置情報キャッシュメニュー2091、キャッシュ情報クリアメニュー2092、GPSオプションメニュー2093の選択は、例えば移動ボタン2105の操作に伴うカーソル2090の移動、及びセットボタン2104の操作に伴う選択決定により行われる。
【0023】
位置情報キャッシュメニュー2091が選択された場合の処理であるステップS30では、演算部1202が、二次記憶部1204に有効なGPSキャッシュ情報41が存在しているかどうかを調べる。有効なGPSキャッシュ情報41が存在している場合、つまり、GPSキャッシュ情報41が有効な値の場合には、ステップS40に処理を移す。有効なGPSキャッシュ情報41が存在していない場合、つまり、GPSキャッシュ情報41が有効な値ではない場合には、ステップS60に処理を移す。ステップS40では、表示部1206が、位置情報を更新することを確認するための確認メッセージ画面を液晶表示部1209に表示する。確認メッセージ画面としては、例えば図8(b)に示す確認メッセージ画面2190が液晶表示部1209に表示される。確認メッセージ画面2190が表示されている状態で、更新ボタン2191が選択されると、ステップS50からステップS60に処理が遷移する。一方、キャンセルボタン2192が選択されると、演算部1202は一連の処理を終了する。ステップS60では、GPS受信部1207が位置情報の取得を試みる。取得に成功した場合には、ステップS70からステップS80に処理が遷移する。一方、取得に失敗した場合には、ステップS70からステップS90に処理が遷移する。ステップS80では、GPS受信部1207が、ステップS60にて取得した位置情報及びその時の時刻情報により、二次記憶部1204に記録されているGPSキャッシュ情報41を更新する。ステップS90では、表示部1206が、位置情報の取得に失敗した旨を示す失敗メッセージ画面を液晶表示部1209に表示し、演算部1202が一連の処理を終了する。失敗メッセージ画面としては、例えば図9(a)に示す失敗メッセージ画面2290が液晶表示部1209に表示される。位置情報の取得の失敗は、例えば室内等でGPS衛星からの電波を受信できなかった場合に生じる。この場合、ステップS80を経ることはないため、GPSキャッシュ情報41は更新されない。
【0024】
キャッシュ情報クリアメニュー2092が選択された場合の処理であるステップS110では、演算部1202が、二次記憶部1204に記録されているGPSキャッシュ情報41の時刻情報に「0」を設定する。つまり、演算部1202がGPSキャッシュ情報41の時刻情報を無効な値とする。
【0025】
GPSオプションメニュー2093が選択された場合の処理であるステップS120では、表示部1206が、GPSオプションメニューを液晶表示部1209に表示する。GPSオプションメニューとしては、例えば図9(b)に示すGPSオプションメニュー2390が液晶表示部1209に表示される。GPSオプションメニュー2390には、例えばキャッシュ無効距離設定2391及びキャッシュ無効時間設定2393の2つの設定項目が含まれる。
キャッシュ無効距離設定2391は、GPSキャッシュ情報41の位置情報411を有効なものとみなす距離の上限をユーザが設定する項目である。つまり、キャッシュ無効距離設定2391は、位置情報401が示す現在位置と位置情報411が示す位置との間の距離が設定欄2392に示された距離以上である場合、演算部1202にGPSキャッシュ情報41を無視させることを設定する項目である。ユーザは、キャッシュ無効距離設定2391を行わない場合には、チェックを外し、設定する場合には、チェックした後に、設定値を設定欄2392に設定すればよい。ここで設定された値は、図6に示すGPSオプション設定値42のGPSキャッシュ無効距離設定値421として二次記憶部1204に演算部1202により記録される。なお、設定が行われない場合には、GPSキャッシュ無効距離設定値421に、無効の値である「0」が演算部1202により記録される。
キャッシュ無効時間設定2393は、GPSキャッシュ情報41の時刻情報412を有効なものとみなす時間の上限をユーザが設定する項目である。つまり、キャッシュ無効時間設定2393は、時刻情報402が示す時刻と時刻情報412が示す時刻との間の時間が設定欄2394に示された時間以上である場合、演算部1202にGPSキャッシュ情報41を無視させることを設定する項目である。ユーザは、キャッシュ無効時間設定2393を行わない場合には、チェックを外し、設定する場合には、チェックした後に、設定値を設定欄2394に設定すればよい。ここで設定された値は、図6に示すGPSオプション設定値42のGPSキャッシュ無効時間設定値422として二次記憶部1204に演算部1202により記録される。なお、設定が行われない場合には、GPSキャッシュ無効時間設定値422に、無効の値である「0」が演算部1202により記録される。
【0026】
次に、上述のように構成された撮像装置20の撮影時の処理について説明する。図10は、撮像装置20の撮影時の処理を示すフローチャートである。この処理は、二次記憶部1204に記録されたプログラムを演算部1202が読み取り、実行することによって実現される。
【0027】
先ず、撮像装置20の撮影再生切り替えスイッチ2106が「REC」の状態でシャッターボタン2102が押されると、ステップS210にて撮像部1201が撮影を行う。つまり、撮像部1201が電子データである画像データを取得する。
撮影が完了すると、演算部1202が、ステップS220にて、二次記憶部1204に記録されているGPSキャッシュ情報41が有効な値かをチェックする。有効な値の場合には、ステップS230に処理が遷移し、無効な値の場合には、ステップS260に処理が遷移する。
ステップS230では、演算部1202が、GPS現在位置情報40の位置情報401が示す位置とGPSキャッシュ情報41の位置情報411が示す位置との間の距離を算出する。そして、演算部1202は、この距離が、キャッシュ無効距離設定2391の設定欄2392に設定された値、つまり、GPSオプション設定値42のGPSキャッシュ無効距離設定値421以下であるか判断する。この判断の結果、距離がGPSキャッシュ無効距離設定値421以下であれば、ステップS240に処理が遷移し、GPSキャッシュ無効距離設定値421より大きければ、ステップS260に処理が遷移する。また、GPSキャッシュ無効距離設定値421が「0」(無効値)の場合、ステップS240に処理が遷移する。
ステップS240では、演算部1202が、GPS現在位置情報40の時刻情報402が示す時刻とGPSキャッシュ情報41の時刻情報412が示す時刻との間の時間を算出する。そして、演算部1202は、この時間が、キャッシュ無効時間設定2393の設定欄2394に設定された値、つまり、GPSオプション設定値42のGPSキャッシュ無効時間設定値422以下であるか判断する。この判断の結果、時間がGPSキャッシュ無効時間設定値422以下であれば、ステップS250に処理が遷移し、GPSキャッシュ無効時間設定値422より大きければ、ステップS260に処理が遷移する。また、GPSキャッシュ無効時間設定値422が「0」(無効値)の場合、ステップS250に処理が遷移する。
ステップS250では、演算部1202が、ステップS210の撮影で取得された画像データに位置情報401及び411を加えた画像ファイルを作成し、この画像ファイルを記憶媒体1208に記録する。
また、ステップS260では、演算部1202が、ステップS210の撮影で取得された画像データに位置情報401を加え、位置情報411の付加を省略した画像ファイルを作成し、この画像ファイルを記憶媒体1208に記録する。
【0028】
そして、上述のように、これらの種々の方法により作成された詳細GPS情報及び代表GPS情報を含むExif−JPEG200が、本実施形態では、HDD103に保存されている。
【0029】
[PC100の動作について]
次に、PC100の動作について説明する。図11は、PC100の動作を示すフローチャートである。図11に示すPC100の動作は、主にCPU101がプログラムを実行することにより実現される。
【0030】
先ず、ステップS401において、CPU101は、HDD103にインストールされている、電子地図上に画像を表示するためのプログラムを起動する。CPU101は、プログラムをRAM102に展開し、実行する処理を行う。CPU101は、また、地図の表示位置及び地図の縮尺の情報をRAM102に保持させる。本実施形態では、プログラムがUIを持つため、CPU101はVRAM106に映像信号を入力し、表示装置107にUIを表示させる。
次いで、ステップS402において、CPU101は、電子地図を表示する処理を行う。地図の表示位置及び地図の縮尺の情報がRAM102に保持されているので、CPU101は、地図の表示位置及び電子地図の縮尺の情報をRAM102から読み取り、これらに関する電子地図データをHDD103に保存されている電子地図から取得する。CPU101は、取得した電子地図のデータをRAM102に展開してVRAM106に映像信号を入力し、UIと共に表示装置107に表示させる。
【0031】
その後、ステップS403において、CPU101は、再生対象となる画像ファイルを列挙する処理を行う。即ち、CPU101は、画像ファイルの情報をHDD103から取得し、画像ファイルの詳細GPS情報を参照し、ステップS402で取得した電子地図データの表示範囲内であるか否かを判定し、表示範囲内の画像ファイルを画像リストに列挙する。画像リストは、RAM102に用意したテーブル(画像テーブル)で構成され、画像のファイル名が列挙される。
【0032】
続いて、ステップS404において、CPU101は、電子地図データの縮尺が1/n以上であるか否かを判定する処理を行う。ここで、「縮尺が大きい」とは、地図での大きさと実際の大きさの比が大きいことをいうものとする。つまり、1/1000と1/10000では、1/10000の方が縮尺が大きいものとする。プログラムには、画像ファイルに記録されたGPS情報の参照先を切り替えるための縮尺の閾値(1/n)が設定されており、CPU101がプログラムを起動した際にRAM102がこの閾値を保持している。CPU101は、RAM102を参照して閾値と、ステップS402で読み取った地図の縮尺の情報とを比較し、電子地図の縮尺が1/n以上、つまり閾値以下であると判定した場合、ステップS405に進む。一方、縮尺が1/nより小さいと判定した場合、ステップS409に進む。
【0033】
ステップS405では、CPU101は、画像ファイルから代表GPS情報及び詳細GPS情報を取得する処理を行う。上述のように、代表GPS情報はGPS情報213に記録されており、CPU101は、画像ファイルのGPS情報213を読み取る。詳細GPS情報はGPS IFD210に記録されており、CPU101は、画像ファイルのGPS IFD210の情報を読み取る。そして、CPU101は、これらの代表GPS情報及び詳細GPS情報を、RAM102に用意したテーブル(代表GPS情報テーブル)に対にして保持する。
【0034】
次いで、ステップS406において、CPU101は、ステップS403で列挙した画像ファイルのいずれか一つ(処理の対象となる画像ファイル)について、代表GPS情報及び詳細GPS情報が同一であるか否かを判定する処理を行う。つまり、CPU101は、RAM102に保持した代表GPS情報及び詳細GPS情報を比較し、情報が一致すると判定した場合、ステップS407に進む。一方、これらが互いに一致しないと判定した場合、ステップS408に進む。
【0035】
ステップS407では、CPU101は、代表GPS情報の位置に、画像ファイルのThumbnail212に記録されているサムネイルを表示する処理を行う。つまり、CPU101は、RAM102に保持されている代表GPS情報を読み取り、電子地図データ上の該当する位置にそのサムネイルを表示する。ステップS407において表示されるUIの具体的な表示については、図12(a)を参照しながら後述する。
【0036】
一方、ステップS408では、CPU101は、代表GPS情報のテーブルに当該画像ファイルをリストアップする処理を行う。つまり、CPU101は、ステップS405にてRAM102に用意した、対象画像ファイルに記録された代表GPS情報と一致する代表GPS情報テーブルに対象画像ファイルに記録された詳細GPS情報を追加する。
【0037】
また、ステップS409では、CPU101は、画像ファイルから詳細GPS情報を取得する処理を行う。上述のように、詳細GPS情報はGPS IFD210に記録されており、CPU101は、画像ファイルのGPS IFD210の情報を読み取る。そして、CPU101は、この詳細GPS情報をRAM102に保持する。
【0038】
次いで、ステップS410において、CPU101は、詳細GPS情報の位置に、画像ファイルのThumbnail212に記録されているサムネイルを表示する処理を行う。つまり、CPU101は、RAM102に保持されている詳細GPS情報を読み取り、電子地図データ上の該当する位置にそのサムネイルを表示する。ステップS410において表示されるUIの具体的な表示については、図12(b)を参照しながら後述する。
【0039】
ステップS407、S408又はS410の後、ステップS411において、CPU101は、ステップS403で列挙した画像ファイルのうち、未処理の画像ファイルがあるか否かを判定する処理を行う。つまり、CPU101は、ステップS403でRAM102に保持している画像テーブルを参照して未処理の画像ファイルがあるかを検索する。そして、未処理の画像ファイルがあると判定した場合は、ステップS404に戻り、未処理の画像ファイルを用いて前述の処理を行う。一方、画像ファイルが全て処理済みと判定した場合は、ステップS412に進む。
【0040】
ステップS412では、CPU101は、電子地図の縮尺が変更されたか否かを判定する処理を行う。電子地図の縮尺はUIを介してユーザ操作によって変更されることがある。CPU101は、電子地図の縮尺が変更されたという情報を検知し、電子地図の縮尺が変更されたと判定した場合は、ステップS402に戻り、未処理の画像ファイルを用いて前述の処理を実行する。一方、電子地図の縮尺が変更されていないと判定した場合は、ステップS413に進む。
【0041】
ステップS413では、CPU101は、電子地図の表示位置が変更されたか否かを判定する処理を行う。電子地図の表示位置はUIを介してユーザ操作によって変更されることがある。CPU101は、電子地図の表示位置が変更されたという情報を検知し、電子地図の表示位置が変更されたと判定した場合は、ステップS402に戻り、電子地図データの再取得、UIへの再表示処理を実行する。一方、電子地図の表示位置が変更されていないと判定した場合は、ステップS414に進む。
【0042】
ステップS414では、CPU101は、アプリケーションプログラムの終了要求を検知したか否かを判定する処理を行う。アプリケーションプログラムの終了要求は、UIを介してユーザ操作によって実行されることがある。CPU101がアプリケーションプログラムの終了要求を検知した場合、CPU101はRAM102に展開しているアプリケーションプログラムの領域を開放し、アプリケーションプログラムを終了させ、処理が完了する。一方、CPU101がアプリケーションプログラムの終了要求を検知しない場合、ステップS412に戻り、電子地図の縮尺が変更されたかを判定する処理を再度実行する。
【0043】
以上の処理をもって、地図の縮尺に応じて画像の表示形態を変更するための処理が完了する。
【0044】
なお、縮尺が1/n以下である場合に、代表GPS情報及び詳細GPS情報が同一である画像ファイルが存在しないときには、ステップS407の処理もステップS410の処理も行われないこととなる。つまり、どの画像ファイルのサムネイルも表示されないこととなる。このような場合、CPU101は代表GPS情報の地点と詳細GPS情報の地点との距離が最も短い画像ファイルを参照し、この画像ファイルのサムネイルを詳細GPS情報の地点に表示することが好ましい。また、代表GPS情報及び詳細GPS情報が同一の画像ファイルが複数存在する場合、CPU101は、撮影日時が最も早い画像ファイルを参照し、そのサムネイルを代表GPS情報の地点に表示することが好ましい。
【0045】
[UIの表示形態について]
次に、ステップS407及びS410において表示されるプログラムのUIの形態について説明する。図12(a)は、ステップS407において表示されるUIの形態を示し、図12(b)は、ステップS410において表示されるUIの形態を示す。
図12(a)に示すように、ステップS407において表示されるUI500aには、代表GPS情報を参照した画像ファイルのサムネイルが表示されている。一方、図12(b)に示すように、ステップS410において表示されるUI500bには、詳細GPS情報を参照した画像ファイルのサムネイルが表示されている。更に、UI500a及びUI500bには、マウスポインタ501、電子地図502又は506、縮尺情報503、終了ボタン504、並びに画像505又は507も表示されている。
マウスポインタ501は、ポインティングデバイス110からの入力によってCPU101に制御される。ユーザは、ポインティングデバイス110を操作してマウスポインタ501を移動させたり、クリック及びドラッグアンドドロップ等の動作を行ったりすることによって、UI500a及び500bの表示の変更及び処理の開始を指示することができる。電子地図502又は506は、ステップS402の処理の結果、UI500a又はUI500bに表示される。縮尺情報503には、現在表示されている電子地図502又は506の縮尺が表示される。ユーザは、例えばマウスポインタ501を操作することで、縮尺を変更することが可能である。例えば、ユーザは縮尺情報503のプルダウンメニューから所望の縮尺を選択することができる。縮尺情報503はRAM102に保持されており、ステップS402及びS404の処理にて使用される。終了ボタン504は、プログラムを終了するためのボタンである。ユーザがマウスポインタ501を操作して、クリック動作を行うと、ステップS414の処理が実行されてプログラムが終了する。
【0046】
画像505には、代表GPS情報を参照した画像ファイルのサムネイル及びこれに付随する情報が含まれる。つまり、図12(a)に示すように、画像505には、ステップS407の処理によって、1つの画像ファイルのサムネイルが表示される。更に、画像505には、ステップS405の処理で生成された代表GPS情報テーブルに記録された画像ファイルが複数ある場合は、複数ある旨を示すアイコンと共に、画像ファイルの総数が表示される。図12(a)には、ステップS403で列挙された画像ファイルの総数が8で、代表GPS情報テーブルに8つの画像ファイルがカウントされている例を示している。なお、マウスポインタ501が画像505上に位置している間、代表GPS情報テーブルに記録された画像ファイルのサムネイルが、スライドショーのように切り替わって表示されてもよい。また、ユーザ操作に応じてサムネイルを切り替えてもよい。
一方、画像507としては、例えばステップS410の処理によって表示されるサムネイルが表示される。図12(b)には、ステップS403で列挙された画像ファイルの数が8となっている例を示している。
そして、図12(a)に示すUI500aが表示されている状態で縮尺情報503が「1/5,000」に変更されると、CPU101は、ステップS412を経て、表示装置107にUI500bを表示させる。逆に、図12(b)に示すUI500bが表示されている状態で縮尺情報503が「1/25,000」に変更されると、CPU101は、ステップS412を経て、表示装置107にUI500aを表示させる。
【0047】
このように、本実施形態によれば、複数の地点のGPS情報が記録された画像ファイルを用いて電子地図の縮尺に応じて画像の表示形態を変更するため、画像の重なり合いを避けつつ、視認しやすく画像を表示することが可能となる。
【0048】
なお、本実施形態では、情報処理装置(画像再生装置)の例としてPC100を挙げているが、本発明はこれに限定されない。例えば、デジタルカメラ等の静止画・動画が撮影可能な撮像装置などは、LCD等の表示部を備えていることが一般的である。従って、デジタルカメラのCPUが上記の処理を行い、表示部に地図表示を行ってもよい。また、撮像装置とPCとを接続し、撮像装置の記憶媒体内の画像をPCに送信し、PCのディスプレイで地図表示を行うことも可能である。また、PCだけでなく、デジタルテレビ等にも本実施形態は適用可能である。
また、本実施形態における処理の制御は、CPU101が行うこととしたが、必ずしも1つのハードウェアで行う必要はない。例えば、複数の制御部が処理を分担することにより、PC100全体の制御を実現するようにしてもよい。
また、画像ファイルの形式はExif−JPEGに限定されず、Exif−TIFF等の画像データにメタデータが記録できるデータ構造になっている形式でも実施可能である。
また、画像ファイル及び電子地図等が外部記録装置104に保存されていてもよい。また、ネットワークI/F105を介して外部の記録装置等から画像ファイル及び電子地図等が取得されてもよい。
本発明の各工程は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウェア(プログラム)をパーソナルコンピュータ等の処理装置(CPU、プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
【符号の説明】
【0049】
500a、500b:UI 502、506:電子地図 503:縮尺情報 504、終了ボタン 505、507:画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子地図を表示する地図表示手段と、
第1の位置情報及び第2の位置情報を含む画像ファイルを前記電子地図上に表示する画像表示手段と、
を有し、
前記第1の位置情報は、前記画像ファイルが作成された位置に関する情報を示し、
前記第2の位置情報は、任意の位置に関する情報を示し、
前記画像表示手段は、前記電子地図の縮尺に応じて前記第1の位置情報及び第2の位置情報のいずれかを選択し、選択されたものが示す位置に前記画像ファイルを表示することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記画像表示手段は、前記電子地図の縮尺が予め定められた閾値以下である場合は、前記第2の位置情報を選択し、前記電子地図の縮尺が予め定められた閾値を超えている場合は、前記第1の位置情報を選択することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記画像表示手段は、前記第2の位置情報を選択した場合、前記第1の位置情報及び前記第2の位置情報が互いに一致する画像ファイルを前記電子地図上に表示し、前記第1の位置情報及び前記第2の位置情報が互いに異なる画像ファイルの表示を省略することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記画像表示手段は、前記第1の位置情報及び前記第2の位置情報が互いに一致する画像ファイル、並びに前記第1の位置情報及び前記第2の位置情報が互いに異なる画像ファイルの総数を表示することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
電子地図を表示する地図表示ステップと、
第1の位置情報及び第2の位置情報を含む画像ファイルを前記電子地図上に表示する画像表示ステップと、
を有し、
前記第1の位置情報は、前記画像ファイルが作成された位置に関する情報を示し、
前記第2の位置情報は、任意の位置に関する情報を示し、
前記画像表示ステップは、前記電子地図の縮尺に応じて前記第1の位置情報及び第2の位置情報のいずれかを選択し、選択されたものが示す位置に前記画像ファイルを表示するステップを有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータに、
電子地図を表示する地図表示ステップと、
第1の位置情報及び第2の位置情報を含む画像ファイルを前記電子地図上に表示する画像表示ステップと、
を実行させ、
前記第1の位置情報は、前記画像ファイルが作成された位置に関する情報を示し、
前記第2の位置情報は、任意の位置に関する情報を示し、
前記画像表示ステップは、前記電子地図の縮尺に応じて前記第1の位置情報及び第2の位置情報のいずれかを選択し、選択されたものが示す位置に前記画像ファイルを表示するステップを有することを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−71736(P2011−71736A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−221047(P2009−221047)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】