説明

情報処理装置及び情報処理方法

【課題】過去に実行したミス設定条件に基づく画像処理ミスをユーザに繰り返させないようにする情報処理部102aを提供する。
【解決手段】失敗データ記憶手段405と、新設定条件により新画像データが生成されると、前記新設定条件がミス設定条件と部分的に一致するか否かを判定するミス設定条件判定手段404と、前記新設定条件が前記ミス設定条件と部分的に一致する場合、全体の画像データに対して新画像データの画素とミス画像データの画素とが一致する割合が所定の閾値より高いか否かを判定するミス画像データ判定手段408と、全体の画像データに対して新画像データの画素とミス画像データの画素とが一致する割合が所定の閾値より高い場合、前記新画像データに基づく画像処理は失敗する可能性が高いことを示す警告を表示する警告表示手段409とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関し、詳しくは、過去に実行したミス設定条件に基づく画像処理ミスをユーザに繰り返させないようにすることが可能な情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、MFP(Multi Function Peripheral)で代表される画像形成装置は、多様な機能を有するため、画像データをプリントする際の設定が複雑になっている。このため、入力されたジョブに設定された処理条件(設定条件)と、処理能力との間で生じるエラーを検出する画像処理装置が登場してきている。
【0003】
しかしながら、上述した従来の画像処理装置では、処理能力との間で生じるエラーが発生しなければエラーを検出しない。例えば、ユーザが処理条件を誤って解釈し設定したが、処理能力と処理条件との間でエラーが発生しない場合があり、この場合はユーザが入力した処理条件に従って処理が実行されてしまう。このような場合には、ユーザが所望した状態(画像形成状態)でプリントされないという問題がある。
【0004】
このような問題を解決する技術として、例えば、特開2010−72687号公報(特許文献1)には、抽出手段と報知手段とを備える情報処理装置が開示されている。前記抽出手段は、プリント設定手段によりパラメータが設定された後、プリントジョブ送信手段によりプリントジョブが送信される前の段階で、送信予定のプリントジョブに関連する関連情報と同じ関連情報を含み、かつ、設定エラー対象に設定された履歴情報を予め記憶された履歴情報のうちから抽出する。又、前記報知手段は、前記抽出手段により前記履歴情報が抽出される場合、報知する。これにより、前記履歴情報に基づいて、過去に設定されたミスと同じ設定が繰り返えされることを防止することが出来るとしている。
【0005】
又、特開2007−58428号公報(特許文献2)には、設定登録手段と、登録手段と、判断手段と、通知手段とを備える画像形成システムが開示されている。前記設定登録手段は、クライアントPCの記憶装置に操作者が設定ミスを犯しやすい印刷設定(以後『ミス設定』)を登録する。又、前記登録手段は、前記クラアントPCの記憶装置に印刷時に操作者が指定した印刷設定(以後『印刷設定』)を記憶させる。更に、前記判断手段は、前記印刷設定に基づいて前記クライアントPC上でジョブを生成する時に、前記ミス設定に該当する前記印刷設定があるか否かを判断する。そして、前記通知手段は、該当する前記印刷設定がある場合には、操作者に警告を通知する。これにより、各操作者に合わせた印刷設定ミス防止策を提供することが出来るとしている。
【0006】
又、過去の設定ミスに対応する履歴情報などに基づいて設定ミスを防止する技術として、特開2007−174077号公報(特許文献3)、特開2008−210321号公報(特許文献4)、特開2009−23165号公報(特許文献5)などが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−72687号公報
【特許文献2】特開2007−58428号公報
【特許文献3】特開2007−174077号公報
【特許文献4】特開2008−210321号公報
【特許文献5】特開2009−23165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1−5のいずれかに記載の技術では、過去に入力されたミス印刷設定条件に基づいて、新たに入力された印刷設定条件が当該ミス印刷設定条件と近似しているかを判定するため、当該ミス印刷設定条件に基づいて出力される画像データが具体的にどのような画像データとなるのかユーザが直感的に理解することが出来ないという問題がある。又、新たに入力された印刷設定条件が、前記ミス印刷設定条件と一律に比較、照合された結果、当該印刷設定条件がミス印刷設定条件であると判定されるため、現実に処理される画像データに対しては当該印刷設定条件が適切であるにも関わらず、ミス印刷設定条件と判定される場合もあり、ミスの検知の精度が低いという問題もある。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、過去に実行したミス設定条件に基づく画像処理ミスをユーザに繰り返させないようにすることが可能な情報処理装置及び情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報処理装置は、ユーザにより新たに入力された設定条件が、過去に実行されたミス設定条件であることを知らせる情報処理装置を前提として、以下の構成を採用する。
【0011】
即ち、当該情報処理装置は、前記ミス設定条件と、当該ミス設定条件により生成されたミス画像データとを関連付けて記憶する失敗データ記憶手段と、ユーザにより新たに入力された新設定条件により新画像データが生成されると、当該新設定条件と、前記失敗データ記憶手段のミス設定条件とを比較して、前記新設定条件が前記ミス設定条件と部分的に一致するか否かを判定するミス設定条件判定手段とを備える。更に、当該情報処理装置は、前記ミス設定条件の判定の結果、前記新設定条件が前記ミス設定条件と部分的に一致する場合、前記新画像データと、当該ミス設定条件に関連付けられたミス画像データとを比較して、全体の画像データに対して新画像データの画素とミス画像データの画素とが一致する割合が所定の閾値より高いか否かを判定するミス画像データ判定手段と、前記ミス画像データの判定の結果、全体の画像データに対して新画像データの画素とミス画像データの画素とが一致する割合が所定の閾値より高い場合、前記新画像データに基づく画像処理は失敗する可能性が高いことを示す警告を表示する警告表示手段とを備える。
【0012】
これにより、ユーザにより入力された新設定条件と、当該新設定条件により生成された新画像データとを、ミス設定条件とミス画像データとで照合することにより、コピー機能の実行が失敗に終わる可能性の高い新設定条件の場合にだけ、ユーザに警告を表示することとなる。そのため、前記新設定条件により生成された新画像データがコピー機能の実行のミスに繋がらないにも関わらず、当該新設定条件がミス設定条件であるという誤検知を防止することが可能となる。又、画像データの照合を行うことで、コピー機能の実行の失敗を精度高く検知して、ユーザにコピー機能の実行の失敗を繰り返させないようにすることが可能となる。
【0013】
又、前記新画像データに基づいて画像処理が実行された際に、当該画像処理の実行が失敗であることを示す失敗キーを選択可能に表示して、当該失敗キーの選択をユーザから受け付ける失敗キー表示受付手段と、前記失敗キーが選択されると、当該失敗キーの選択の直前に入力された前記新設定条件と、前記新画像データとを関連付けて前記失敗データ記憶手段に記憶させる失敗データ登録手段とを備える構成を採用することが出来る。
【0014】
又、前記ミス設定条件判定手段は、前記新設定条件と前記ミス設定条件とを比較する際に、各設定条件の設定項目のうち、画像データの生成に関連する設定項目のみを比較対象として、両者を比較する構成を採用することが出来る。
【0015】
又、前記ミス設定条件判定手段は、前記新設定条件と前記ミス設定条件とが一致する設定項目の数をカウントし、全ての設定項目について集計した第一のカウント数が、予め記憶された第一の閾値を超過するか否かを判定することで、当該新設定条件が当該ミス設定条件と部分的に一致するか否かを判定する構成を採用することが出来る。
【0016】
又、前記ミス画像データ判定手段は、前記新画像データの一部の画素の画素値と、対応する前記ミス画像データの一部の画素の画素値とが所定の範囲内に含まれる画素の数をカウントし、比較対象の全ての画素について集計した第二のカウント数を当該全ての画素の総数で除算した所定の一致割合を算出し、当該一定割合が、予め記憶された第二の閾値を超過するか否かを判定することで、全体の画像データに対して新画像データの画素とミス画像データの画素とが一致する割合が所定の閾値より高いか否かを判定する構成を採用することが出来る。
【0017】
又、前記警告表示手段は、前記警告を表示する際に、前記新画像データのプレビュー画像も表示する構成を採用することが出来る。
【0018】
又、本発明に係る情報処理装置は、画像処理装置に備える構成を採用することが出来る。
【0019】
又、本発明は、ユーザにより入力された設定条件が、過去に失敗した画像処理に対応するミス設定条件であることを知らせる情報処理装置の情報処理方法として提供することが出来る。即ち、当該情報処理方法は、ユーザにより新たに入力された新設定条件により新画像データが生成されると、前記ミス設定条件と、当該ミス設定条件により生成されたミス画像データとを関連付けて記憶する失敗データ記憶手段を参照する参照ステップと、前記新設定条件と、前記失敗データ記憶手段のミス設定条件とを比較して、前記新設定条件が前記ミス設定条件と部分的に一致するか否かを判定するミス設定条件判定ステップとを備える。又、当該情報処理方法は、前記ミス設定条件の判定の結果、前記新設定条件が前記ミス設定条件と部分的に一致する場合、前記新画像データと、当該ミス設定条件に関連付けられたミス画像データとを比較して、全体の画像データに対して新画像データの画素とミス画像データの画素とが一致する割合が所定の閾値より高いか否かを判定するミス画像データ判定ステップと、前記ミス画像データの判定の結果、全体の画像データに対して新画像データの画素とミス画像データの画素とが一致する割合が所定の閾値より高い場合、前記新画像データに基づく画像処理は失敗する可能性が高いことを示す警告を表示する警告表示ステップとを備える。当該構成としても、上述と同様の効果を得ることが可能となる。
【0020】
又、本発明は、電気通信回線などを介して個別に流通する、コンピュータに実行させるためのプログラムとして提供することができる。この場合、中央演算処理装置(CPU)が、本発明のプログラムに従ってCPU以外の各回路と協働して制御動作を実現する。又、前記プログラム及びCPUを用いて実現される各手段は、専用のハードウェアを用いて構成することもできる。又、当該プログラムは、CD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された状態で流通させることも可能である。
【発明の効果】
【0021】
本発明の情報処理装置及び情報処理方法によれば、過去に実行したミス設定条件に基づく画像処理ミスをユーザに繰り返させないようにすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係る複合機の内部の全体構成を示す概念図である。
【図2】本発明の実施形態に係る操作部の全体構成を示す概念図である。
【図3】本発明の実施形態に係る複合機及び情報処理部の制御系ハードウェアの構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る複合機の機能ブロック図である。
【図5】本発明の実施形態に係る実行手順を示すためのフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態のタッチパネル上に表示された初期画面の一例を示す図(図6(A))と、本発明の実施形態に係る失敗データテーブルの一例を示す第一の図(図6(B))である。
【図7】本発明の実施形態に係る比較対象テーブルの一例を示す(図7(A))と、本発明の実施形態に係る新設定条件の一例を示す(図7(B))である。
【図8】本発明の実施形態に係る新画像データとミス画像データの判定処理の一例を示す(図8(A))と、本発明の実施形態のタッチパネル上に表示された初期画面の警告の一例を示す図(図8(B))である。
【図9】本発明の実施形態のタッチパネル上に表示されたコピー機能実行直後の初期画面の一例を示す図(図9(A))と、本発明の実施形態に係る失敗データテーブルの一例を示す第二の図(図9(B))である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、添付図面を参照して、本発明の情報処理装置を備えた画像形成装置の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。又、フローチャートにおける数字の前に付されたアルファベット「S」はステップを意味する。
【0024】
<情報処理装置と画像形成装置>
図1は、シート後形成装置123と折り装置122を接続した複合機100(画像形成装置)の全体構成を示す概念図である。前記複合機100は、具体的には、デジタル複写機、プリンタ、複合機などが該当する。前記シート後形成装置123と折り装置122により、画像形成されたシートはステープル処理、パンチ処理、折り処理などの処理を施される。尚、一例として複合機100を利用して原稿のコピー機能を提供する際の複合機100の動作を簡単に説明する。
【0025】
ユーザが前記複合機100を利用する場合、原稿を原稿台101に載置する。前記原稿台101近傍には後述する操作部101a(操作パネル)が備えられており、当該操作部101aを介して設定条件が入力され、ユーザによりスタートキーが押下されることにより、前記複合機100が、前記設定条件に基づく印刷処理を開始する。
【0026】
前記画像読取部102において、光源104から照射された光は、前記原稿台101に置かれた原稿に反射される。前記反射光は、ミラー105、106、107によって撮像素子108に導かれる。導かれた前記反射光は前記撮像素子108により光電変換され、前記原稿の画像データが生成される。
【0027】
前記画像データが生成されると、前記複合機100に内蔵された情報処理部102a(情報処理)が駆動し、先ほど入力された新設定条件と、生成された新画像データと、所定の記憶媒体に予め記憶されたミス設定条件とミス画像データとに基づいて、当該新画像データに基づいて印刷処理が実行されると失敗するか否かを判定する(後述する)。以下では、前記印刷処理が失敗しないと判定された場合について説明する。
【0028】
前記画像データをトナー像として転写する駆動部が前記画像形成部103である。前記画像形成部103には感光体ドラム109が備えられている。前記感光体ドラム109は、一定速度で所定の方向に回転し、その周囲には、回転方向の上流側から順に、帯電器110、露光器111、現像器112、転写器113、クリーニングユニット114などが配置されている。
【0029】
前記帯電器110は、前記感光体ドラム109表面を一様に帯電させる。前記露光器111は、前記画像データに応じて光を照射し、前記感光体ドラム109上に静電潜像を形成する。前記現像器112は、前記露光器111によって形成された静電潜像にトナーを付着させ、前記感光体ドラム109上にトナー像を形成する。前記転写器113は、前記感光体ドラム109上のトナー像をシートに転写する。前記クリーニングユニット114は、前記感光体ドラム109に付いた余分なトナーを取り除く。これらの一連のプロセスは、前記感光体ドラム109が回転することにより実行される。
【0030】
前記シートは、前記複合機100に備えられた複数の給紙カセット115から搬送される。搬送される時は、前記シートはピックアップローラ116により何れか1つの前記給紙カセット115から搬送路へ引き出される。前記各給紙カセット115には、それぞれ異なる紙種のシートが収容されており、前記設定条件に基づいて前記シートが給紙される。
【0031】
搬送路に引き出された前記シートは、搬送ローラ117やレジストローラ118により前記感光体ドラム109と前記転写器113の間に送り込まれる。前記シートは、前記転写器113により前記トナー像が転写され、定着装置119に搬送される。
【0032】
前記シートが前記定着装置119に備えられた加熱ローラ120と加圧ローラ121の間に通過すると、前記トナー像に熱と圧力が印加されて、可視像が前記シートに定着される。前記加熱ローラの熱量は紙種に応じて最適に設定され、前記定着が適切に行われる。前記可視像が定着され、前記シートに画像形成が実行されると、当該シートは折り装置122へ搬送される。
【0033】
前記搬送されたシートは、折り装置122で折り処理が施され、前記シート後形成装置123に搬送され、前記設定条件に対応して、ステープルやパンチが施される。
【0034】
前記手順により、複合機100はコピー機能の処理をユーザに提供する。
【0035】
図2は、本発明に係る操作部の全体構成を示す概念図である。ユーザは、前記操作部101aを用いて、上述のような画像形成についての設定条件等を入力したり、入力された設定条件を確認したりする。前記設定条件が入力される場合、前記操作部103に備えられたタッチパネル301、タッチペン302、操作キー303が用いられる。
【0036】
前記タッチパネル301には、設定条件を入力する機能と当該設定条件を表示する機能が兼ね備えられている。即ち、タッチパネル301上に表示された画面内の項目(キー)を押下することによって、項目に関連付けられた設定条件が入力される。
【0037】
タッチパネル301の背面には、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示部(図示せず)が設けられており、当該表示部が、例えば、初期画面等の画面を表示したり、画像データに基づいて生成されるプレビュー画像を画面内に表示したりする。タッチパネル301の近傍には、タッチペン302が備えられており、ユーザがそのタッチペン302の先をタッチパネル301に接触させると、タッチパネル301下に設けられたセンサーが接触先を検知する。
【0038】
更に、タッチパネル301近傍には、所定数の操作キー303が設けられ、例えば、テンキー304、スタートキー305、クリアキー306、ストップキー307、リセットキー308、電源キー309が備えられている。
【0039】
次に、図3を用いて、複合機100及び情報処理部102aの制御系ハードウェアの構成を説明する。図3は、本発明に係る複合機100及び情報処理部102aの制御系ハードウェアの構成を示す図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【0040】
複合機100の制御回路は、CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303、HDD(Hard Disk Drive)304、各駆動部に対応するドライバ305、内部インターフェイス306を内部バス307によって接続している。前記CPU301は、例えば、RAM303を作業領域として利用し、前記ROM302、HDD304等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて前記ドライバ305と図示しない操作部101aからのデータや指示を授受し、前記図1に示した各駆動部の動作を制御する。また、前記駆動部以外の後述する各手段(図4に示す)についても、前記CPU301がプログラムを実行することで当該各手段を実現する。前記ROM302、HDD304等には、以下に説明する各手段を実現するプログラムやデータが記憶されている。
【0041】
又、情報処理部102aの制御回路は、CPU308、ROM309、RAM310、HDD311、内部インターフェイス312を内部バス313によって接続している。前記情報処理部120aのCPU308は、前記内部インターフェイス312、306を介して、前記複合機100のCPU301とデータ、命令信号などの授受を行う。CPU308、ROM309、RAM310、HDD311の機能も上記と同様であり、後述する各手段(図4に示す)についても、前記CPU308がプログラムを実行することで当該各手段を実現する。
【0042】
<本発明の実施形態>
次に図4、図5を参照しながら、本発明の実施形態に係る情報処理部102aが、過去に実行したミス設定条件に基づく画像処理ミスをユーザに繰り返させないようにする手順について説明する。図4は、本発明の実施形態に係る複合機100及び情報処理部102aの機能ブロック図である。図5は、本発明の実施形態に係る画像処理ミスの繰り返しを防止する手順を示すためのフローチャートである。
【0043】
まず、ユーザが、原稿を原稿台101に載置して、複合機100の電源を投入すると、当該複合機100の表示受付手段401が、所定の初期条件メモリに予め記憶されている初期設定条件を取得して、当該初期設定条件を設定条件として所定の設定条件メモリに記憶させるとともに、当該初期設定条件が反映された初期画面(設定条件入力画面)をタッチパネル301上に表示する(図5:S101)。
【0044】
前記初期画面600には、図6(A)に示すように、コピー機能の実行に対応する設定条件を入力するための複数の選択項目キー601が各設定項目602毎に選択可能に表示される。
【0045】
ここで、前記選択項目キー601は、設定項目602の設定値の数に対応して設けられ、所定の設定項目602の選択項目キー601のうち、上述した初期設定条件の初期値に対応する選択項目キーは、背景色を他の色(白色)とは異なる色(グレー色)に変更され、予め入力(選択)された状態で表示される。例えば、前記設定項目「濃度」では、設定値「1」−「7」のうち、初期値「4」に対応する選択項目「4」キーが予め入力された状態となり、前記設定項目「白黒/カラー」では、設定値「白黒」、「グレー」(グレースケール)、「カラー」のうち、初期値「白黒」に対応する選択項目「白黒」キーが予め入力された状態となる。
【0046】
さて、ユーザが、前記初期画面600を見ながら、自己の所望する設定条件の入力、例えば、前記「濃度」のアップキーを操作することで、選択項目「6」キーを入力するとともに、前記「白黒/カラー」の選択項目「グレー」キーを入力すると、前記表示受付手段401が、当該「6」キーと当該「グレー」キーとの入力を受け付けて(図5:S102YES)、前記設定条件メモリに記憶された設定条件のうち、「濃度」の設定値「4」を「6」に、「白黒/カラー」の設定値「白黒」を「グレー」にそれぞれ変更する。これにより、新たに設定条件(新設定条件とする)が入力されたことになる。
【0047】
更に、ユーザが、操作部103のスタートキー305を選択すると、前記表示受付手段401が当該スタートキー305の選択を受け付けて(図5:S103YES)、その旨を画像読取手段402に通知する。当該通知を受けた画像読取手段402は、前記設定条件メモリに記憶された新設定条件のうち、画像データの生成(画像の読取)に関連する設定項目の設定値、例えば、「濃度」の「6」、「倍率」の「100%」(初期値)、「白黒/カラー」の「グレー」、「集約」の「NORMAL」(初期値)を取得し、当該設定値に基づいて原稿の画像の読取を実行し、当該設定値が反映された新たな画像データ(新画像データとする)を生成する(図5:S104)。
【0048】
前記画像読取手段402が、前記新画像データの生成を完了すると、当該新画像データを画像データ記憶手段403に記憶させるとともに、その旨を情報処理部102aのミス設定条件判定手段404に通知する。当該通知を受けたミス設定条件判定手段404は、前記設定条件メモリに記憶された新設定条件を取得するとともに、失敗データ記憶手段405に記憶された失敗データテーブルを参照する(図5:S105)。
【0049】
前記失敗データテーブル603には、図6(B)に示すように、過去に失敗したコピー機能の実行に対応するミス設定条件604と、当該ミス設定条件604により生成されたミス画像データ605とが関連付けて記憶されている。
【0050】
前記失敗データテーブル603を参照したミス設定条件判定手段404は、当該失敗データテーブル603のミス設定条件604を取得し、先ほど取得した新設定条件と当該ミス設定条件とを比較して、当該新設定条件が当該ミス設定条件と部分的に一致するか否かを判定する(図5:S106)。
【0051】
前記ミス設定条件判定手段404が、前記判定を実行する方法は、どのような方法でも構わないが、例えば、前記ミス設定条件判定手段404は、先ず、比較対象記憶手段406に予め記憶された比較対象テーブルを参照する。
【0052】
前記比較対象テーブル700には、図7(A)に示すように、設定条件の設定項目701(例えば、「部数」701a、「濃度」701bなど)と、当該設定項目701が比較対象の設定項目であるか否かを示す比較対象情報702(例えば、比較対象「1」702a、比較対象でない「0」702b)とが関連付けて記憶されている。
【0053】
ここで、前記比較対象テーブル700の設定項目701のうち、画像データの生成に関連する設定項目(例えば、「濃度」701b、「倍率」、「白黒/カラー」、「集約」)には、比較対象であることを示す比較対象情報「1」702aが関連付けて記憶され、画像データの生成に無関係な設定項目(例えば、「部数」701a、「ステープル/パンチ」)には、比較対象でないことを示す比較対象情報「0」702bが関連付けて記憶される。
【0054】
前記ミス設定条件判定手段404は、前記比較対象テーブル700の「1」702aに関連付けられた設定項目701を参照し、参照した設定項目701のみを比較対象として、前記新設定条件と前記ミス設定条件とを比較する。具体的には、前記ミス設定条件判定手段404は、参照した「濃度」、「倍率」、「白黒/カラー」、「集約」についてのみの前記新設定条件の設定値と、前記ミス設定条件の設定値とを比較し、両者が一致するか否かを、各設定項目毎に判定する。これにより、コピー機能の実行の失敗の原因は、主として、当該コピー機能の実行対象の画像データが不適切である場合であり、当該画像データの生成に対応する設定項目のみを比較対象として限定することによって、当該画像データの生成で入力失敗した新設定条件を精度高く検知するとともに、比較判定処理の効率化を図ることが可能となる。
【0055】
ここで、前記新設定条件の設定値と前記ミス設定条件の設定値とが一致する場合には、前記ミス設定条件判定手段404は、両者が一致する設定項目の数を第一のカウント数としてカウントし、全ての設定項目について集計する。
【0056】
例えば、前記新設定条件703では、図7(B)に示すように、「濃度」が「6」、「倍率」が「100%」、「白黒/カラー」が「グレー」、「集約」が「NORMAL」であり、前記ミス設定条件では、図6(B)に示すように、「濃度」が「6」、「倍率」が「100%」、「白黒/カラー」が「グレー」、「集約」が「NORMAL」であるため、比較対象の全ての設定項目についての第一のカウント数は4となる。
【0057】
さて、前記ミス設定条件判定手段404が、前記第一のカウント数の集計を完了すると、所定のメモリに予め記憶された第一の閾値(例えば、「3」)を取得するとともに、当該第一のカウント数と当該第一の閾値とを比較して、当該第一のカウント数が当該第一の閾値を超過するか否かを判定する。
【0058】
当該判定の結果、前記第一のカウント数が前記第一の閾値以下である場合、前記ミス設定条件判定手段404は、前記新設定条件が前記ミス設定条件と部分的に一致しないと判定し(図5:S106NO)、その旨を機能提供手段407に通知する。当該通知を受けた機能提供手段407は、前記新設定条件と、前記新画像データとに基づいて画像形成を実行する(図5:S107)。この場合は、前記新設定条件が前記ミス設定条件と全く相違するため、当該新設定条件により生成された新画像データでコピー機能が実行されても失敗することはない。
【0059】
一方、前記第一のカウント数の判定の結果、当該第一のカウント数が前記第一の閾値を超過した場合、前記ミス設定条件判定手段404は、前記新設定条件が前記ミス設定条件と部分的に一致すると判定し(図5:S106YES)、その旨をミス画像データ判定手段408に通知する。当該通知を受けたミス画像データ判定手段408は、前記画像データ記憶手段403に記憶された新画像データを取得するとともに、前記失敗データテーブル603から前記部分的に一致すると判定されたミス設定条件604に対応するミス画像データ605を取得し、前記新画像データの一部と、当該ミス設定条件に関連付けられたミス画像データの一部とを比較して、全体の画像データに対して新画像データの画素とミス画像データの画素とが一致する割合が所定の閾値より高いか否かを判定する(図5:S108)。
【0060】
前記ミス画像データ判定手段408が、前記判定を実行する方法は、どのような方法でも構わないが、例えば、図8(A)に示すように、前記ミス画像データ判定手段408は、前記新画像データの一部801(例えば、全体の画像データに対して上半分の領域)を抜き出すとともに、当該新画像データの一部801に対応する前記ミス画像データの一部802を抜き出す。次に、前記ミス画像データ判定手段408が、前記新画像データの一部801の所定の座標(例えば、左上角の座標)に存在する画素803の画素値(例えば、白黒の濃度を示す濃度値)と、当該画素803と同一座標に存在する前記ミス画像データの一部802の画素804の画素値とを比較し、両者が所定の範囲内(例えば、両者の差が所定の画素値以内)に含まれるか否かを、切り出した画像データの一部を構成する比較対象の全ての画素について判定する。尚、前記全ての画素について判定する場合は、前記ミス画像データ判定手段408が、例えば、所定の座標に存在する画素から比較帯である抜き出した画像データの一部にわたって所定の順番(例えば、座標の小さい順番)に各画素毎に判定する。又、所定の範囲は、前記新画像データの一部801の画素の画素値と、対応する前記ミス画像データの画素の画素値とが近似(類似)する範囲であり、例えば、画素値が濃度値であれば、両者の差が所定の画素値(5−10)以内となる範囲である。
【0061】
ここで、前記新画像データの一部801の画素の画素値と、対応する前記ミス画像データの画素の画素値とが所定の範囲内に含まれる場合には、前記ミス画像データ判定手段408は、両者が所定の範囲内に含まれる画素の数を第二のカウント数としてカウントし、比較対象である抜き出した全ての画素について集計する。そして、前記ミス画像データ判定手段408は、集計した全ての画素についての第二のカウント数を、比較対象である全ての画素の総数で除算した所定の一致割合(例えば、80%)を算出する。
【0062】
前記ミス画像データ判定手段408が、前記一致割合の算出を完了すると、所定のメモリに予め記憶された第二の閾値(例えば、70%)を取得するとともに、当該一致割合と当該第二の閾値とを比較して、当該一致割合が当該第二の閾値を超過するか否かを判定する。
【0063】
当該判定の結果、前記一致割合が前記第二の閾値以下である場合、前記ミス画像データ判定手段408は、全体の画像データに対して新画像データの画素とミス画像データの画素とが一致する割合が所定の閾値より低いと判定し(図5:S108NO)、その旨を機能提供手段407に通知する。当該通知を受けた機能提供手段407は、S106NOと同様に、前記新設定条件と、前記新画像データとに基づいて画像形成を実行する(図5:S107)。この場合は、前記新設定条件が前記ミス設定条件に部分的に一致(近似)していたものの、当該新設定条件により生成された新画像データが前記ミス画像データと全く相違するため、当該新画像データでコピー機能が実行されても失敗することはない。
【0064】
特に、前記新設定条件が前記ミス設定条件に部分的に一致しているにも関わらず、前記新画像データが前記ミス画像データと全く異なる場合は、例えば、当該新画像データに対応する画像の原稿用紙が普通紙であり、当該ミス画像データに対応する画像の原稿用紙が新聞紙などの藁半紙である場合など、両者の原稿用紙の材質が全く異なる場合が該当する。このような原稿用紙の材質などの相違によるコピー機能の実行の失敗などを、本発明では、効果的に判定し、防止することが可能となる。
【0065】
又、全体の画像データのうち、一部を抜き出して、新画像データとミス画像データとの近似を判定しているため、比較判定処理の効率化を図ることが可能となる。特に、抜き出す画像データの一部は、全体の画像データに対して上半分の領域など、全体の画像データの2分の1の領域とすると、ユーザが集約に関する設定項目を誤って入力した場合(例えば、「2in1」を「4in1」と入力した場合など)、当該入力ミスを画像データを利用して検知することが可能となる。
【0066】
一方、前記一致割合の判定の結果、当該一致割合が前記第二の閾値を超過した場合、前記ミス画像データ判定手段408は、全体の画像データに対して新画像データの画素とミス画像データの画素とが一致する割合が所定の閾値より高いと判定し(図5:S108YES)、その旨を警告表示手段409に通知する。当該通知を受けた警告表示手段409は、前記初期画面の前面に、前記新画像データに基づくコピー機能の実行は失敗する可能性が高いことを示す警告を表示する(図5:S109)。
【0067】
当該初期画面803には、図8(B)に示すように、「この設定条件の画像データでコピーすると、失敗する可能性があります。」の警告の旨のメッセージ804と、前記新画像データのプレビュー画像805と、コピー機能を実行するか否かを促す旨のメッセージ806と、実行キー807と、キャンセルキー808とが表示される。
【0068】
これにより、ユーザに、自己の入力した新設定条件とそれによる新画像データとに基づくコピー機能の実行が失敗に終わることを事前に知らせることが可能となり、従前のユーザが過去に実行して失敗したミス設定条件によるコピー機能の実行を繰り返さないように促すことが可能となる。
【0069】
さて、S109において、前記警告を確認したユーザが、例えば、前記キャンセルキー808を選択すると、前記表示受付手段401が、当該キャンセルキー808の選択を受け付け(図5:S110YES)、前記警告の表示を消去するとともに、前記設定条件メモリに記憶された新設定条件を初期設定条件に変更して(図5:S111)、図6(A)に示す前記初期画面を再表示する(図5:S101)。これにより、ユーザは、再度、前記新設定条件とは異なる設定条件を入力し直すことが可能となる。
【0070】
一方、S110において、ユーザが、前記キャンセルキー808を選択することなく(図5:S110NO)、前記実行キー807を選択すると、前記表示受付手段401が、当該実行キー808の選択を受け付け(図5:S111YES)、その旨を機能提供手段407に通知する。当該通知を受けた機能提供手段407は、前記新設定条件と、前記新画像データとに基づいて画像形成を実行する(図5:S107)。この場合は、ユーザが、前記プレビュー画像805を見て、コピー機能の実行が失敗する可能性があることを了解して、複合機100に当該コピー機能を実行させることになる。そのため、実行したコピー機能が失敗に終わる可能性が高いものの、ユーザの要求に沿ったコピー機能を複合機100に実行させることが可能となる。
【0071】
さて、S107において、どのような設定条件、画像データに基づくコピー機能の実行であったとしても、前記機能提供手段407が、当該コピー機能の実行を完了すると、その旨を失敗キー表示受付手段410に通知する。当該通知を受けた失敗キー表示受付手段410は、前記初期画面の前面に、直前のコピー機能の実行が失敗であることを示す失敗キーを選択可能に表示する(図5:S113)。
【0072】
当該初期画面900には、図9(A)に示すように、「入力した設定条件のコピーは、失敗しましたか」の旨のメッセージ901と、直前のコピー機能の実行に対応する新設定条件と新画像データとを登録するか否かを促す旨のメッセージ902と、失敗キー903と、キャンセルキー904とが表示される。
【0073】
ユーザが、前記新画像データが画像形成された用紙を見ながら、今回のコピー機能の実行は失敗であると認識した場合に、前記失敗キー903を選択すると、前記失敗キー表示受付手段410が、当該失敗キー903の選択を受け付けて(図5:S114YES)、その旨を失敗データ登録手段411に通知する。当該通知を受けた失敗データ登録手段411は、前記失敗キーが選択された直前に入力された前記新設定条件と、前記新画像データとを関連付けて前記失敗データ記憶手段405の失敗データテーブルに記憶させる(図5:S115)。
【0074】
前記失敗データ登録手段411は、例えば、図9(B)に示すように、前記新設定条件905と、前記新画像データ906とを関連付けて、前記失敗データテーブル603の最下段に記憶させる。これにより、ユーザが、自己の実行したコピー機能の実行が失敗したと認識した場合に、前記失敗キー903を選択すると、失敗したコピー機能の実行に対応する新設定条件及び新画像データをミス設定条件及びミス画像データとして登録(蓄積)させることが可能となる。そのため、コピー機能の実行の失敗を招く新設定条件及び新画像データが生じた場合、上述したように当該新設定条件及び新画像データを登録することで、後続のユーザに、同様の失敗を繰り返させることを防止することが可能となる。尚、前記登録完了後は、例えば、前記表示受付手段401が、図6(A)に示す初期画面600を再度表示して、ユーザから新たな設定条件の入力を受け付ける。
【0075】
一方、S114において、ユーザが、今回のコピー機能の実行は失敗でないと認識し、前記失敗キー903を選択することなく、前記キャンセルキー904を選択した場合(図5:S114NO)、前記失敗キー表示受付手段410が当該キャンセルキー904の選択を受け付けて、前記失敗キー903等を消去し、全ての処理を終了する。この場合は、例えば、前記表示受付手段401が、図6(A)に示す初期画面600を再度表示して、ユーザから新たな設定条件の入力を受け付けることになる。
【0076】
このように、本発明に係る情報処理部102aは、前記ミス設定条件と、当該ミス設定条件により生成されたミス画像データとを関連付けて記憶する失敗データ記憶手段405と、ユーザにより新たに入力された新設定条件により新画像データが生成されると、当該新設定条件と、前記失敗データ記憶手段のミス設定条件とを比較して、前記新設定条件が前記ミス設定条件と部分的に一致するか否かを判定するミス設定条件判定手段404とを備える。更に、当該情報処理部102aは、前記ミス設定条件の判定の結果、前記新設定条件が前記ミス設定条件と部分的に一致する場合、前記新画像データと、当該ミス設定条件に関連付けられたミス画像データとを比較して、全体の画像データに対して新画像データの画素とミス画像データの画素とが一致する割合が所定の閾値より高いか否かを判定するミス画像データ判定手段408と、前記ミス画像データの判定の結果、全体の画像データに対して新画像データの画素とミス画像データの画素とが一致する割合が所定の閾値より高い場合、前記新画像データに基づく画像処理は失敗する可能性が高いことを示す警告を表示する警告表示手段409とを備える。
【0077】
これにより、ユーザにより入力された新設定条件と、当該新設定条件により生成された新画像データとを、ミス設定条件とミス画像データとで照合することにより、コピー機能の実行が失敗に終わる可能性の高い新設定条件の場合にだけ、ユーザに警告を表示することとなる。そのため、前記新設定条件により生成された新画像データがコピー機能の実行のミスに繋がらないにも関わらず、当該新設定条件がミス設定条件であるという誤検知を防止することが可能となる。又、画像データの照合を行うことで、コピー機能の実行の失敗を精度高く検知して、ユーザにコピー機能の実行の失敗を繰り返させないようにすることが可能となる。
【0078】
尚、本発明の実施形態に係る情報処理部102aでは、前記ミス画像データ判定手段408が、前記新画像データの一部801の画素803の画素値と、前記ミス画像データの一部802の画素804の画素値とを比較する場合に、画素値として濃度値を採用したが、他の値を比較しても構わない。例えば、画像データがカラー画像データである場合には、画素値として、更に、色相、彩度、明度等の情報を採用しても構わない。
【0079】
又、本発明の実施形態に係る情報処理部102aでは、失敗データ記憶手段405が、新設定条件及び新画像データを、前記失敗キーの選択に対応して順次記憶するよう構成しているが、新たに記憶する予定の新設定条件及び新画像データが、既に記憶された新設定条件及び新画像データと一致している場合には、新たに記憶する予定の新設定条件及び新画像データを記憶しないよう構成してもよい。
【0080】
又、本発明の実施形態に係る情報処理部102aでは、複合機100のコピー機能に関して採用したが、例えば、ファックス機能、プリント機能、電子メール送信機能などに対しても採用することが出来る。更に、本発明の実施形態では、情報処理部102aを複合機100に適用した場合について説明したが、当該情報処理部102a(情報処理装置)を備えた各種画像処理装置、各種画像加工装置、各種画像表示装置等に適用しても、同一の作用効果を奏する。
【0081】
又、本発明の実施形態では、情報処理部102aが各手段を備えるよう構成したが、当該各手段を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。当該構成では、前記プログラムを情報処理部102a或いは複合機100に読み出させ、その情報処理部102a或いは複合機100が前記各手段を実現する。その場合、前記記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各手段が実行するステップをハードディスクに記憶させる方法として提供することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0082】
以上のように、本発明に係る画像形成装置は、複合機はもちろん、複写機、プリンタ等に有用であり、過去に実行したミス設定条件に基づく画像処理ミスをユーザに繰り返させないようにすることが可能な情報処理装置及び情報処理方法として有効である。
【符号の説明】
【0083】
100 複合機
102a 情報処理部
401 表示受付手段
402 画像読取手段
403 画像データ記憶手段
404 ミス設定条件判定手段
405 失敗データ記憶手段
406 比較対象記憶手段
407 機能提供手段
408 ミス画像データ判定手段
409 警告表示手段
410 失敗キー表示受付手段
411 失敗データ登録手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザにより入力された設定条件が、過去に失敗した画像処理に対応するミス設定条件であることを知らせる情報処理装置において、
前記ミス設定条件と、当該ミス設定条件により生成されたミス画像データとを関連付けて記憶する失敗データ記憶手段と、
ユーザにより新たに入力された新設定条件により新画像データが生成されると、当該新設定条件と、前記失敗データ記憶手段のミス設定条件とを比較して、前記新設定条件が前記ミス設定条件と部分的に一致するか否かを判定するミス設定条件判定手段と、
前記ミス設定条件の判定の結果、前記新設定条件が前記ミス設定条件と部分的に一致する場合、前記新画像データと、当該ミス設定条件に関連付けられたミス画像データとを比較して、全体の画像データに対して新画像データの画素とミス画像データの画素とが一致する割合が所定の閾値より高いか否かを判定するミス画像データ判定手段と、
前記ミス画像データの判定の結果、全体の画像データに対して新画像データの画素とミス画像データの画素とが一致する割合が所定の閾値より高い場合、前記新画像データに基づく画像処理は失敗する可能性が高いことを示す警告を表示する警告表示手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記新画像データに基づいて画像処理が実行された際に、当該画像処理の実行が失敗であることを示す失敗キーを選択可能に表示して、当該失敗キーの選択をユーザから受け付ける失敗キー表示受付手段と、
前記失敗キーが選択されると、当該失敗キーの選択の直前に入力された前記新設定条件と、前記新画像データとを関連付けて前記失敗データ記憶手段に記憶させる失敗データ登録手段とを備える
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ミス設定条件判定手段は、前記新設定条件と前記ミス設定条件とを比較する際に、各設定条件の設定項目のうち、画像データの生成に関連する設定項目のみを比較対象として、両者を比較する
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ミス設定条件判定手段は、前記新設定条件と前記ミス設定条件とが一致する設定項目の数をカウントし、全ての設定項目について集計した第一のカウント数が、予め記憶された第一の閾値を超過するか否かを判定することで、当該新設定条件が当該ミス設定条件と部分的に一致するか否かを判定する
請求項1−3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ミス画像データ判定手段は、前記新画像データの一部の画素の画素値と、対応する前記ミス画像データの一部の画素の画素値とが所定の範囲内に含まれる画素の数をカウントし、比較対象の全ての画素について集計した第二のカウント数を当該全ての画素の総数で除算した所定の一致割合を算出し、当該一定割合が、予め記憶された第二の閾値を超過するか否かを判定することで、全体の画像データに対して新画像データの画素とミス画像データの画素とが一致する割合が所定の閾値より高いか否かを判定する
請求項1−4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記警告表示手段は、前記警告を表示する際に、前記新画像データのプレビュー画像も表示する
請求項1−5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
請求項1−6のいずれか一項に記載の情報処理装置を備えた画像処理装置。
【請求項8】
ユーザにより入力された設定条件が、過去に失敗した画像処理に対応するミス設定条件であることを知らせる情報処理装置の情報処理方法において、
ユーザにより新たに入力された新設定条件により新画像データが生成されると、前記ミス設定条件と、当該ミス設定条件により生成されたミス画像データとを関連付けて記憶する失敗データ記憶手段を参照する参照ステップと、
前記新設定条件と、前記失敗データ記憶手段のミス設定条件とを比較して、前記新設定条件が前記ミス設定条件と部分的に一致するか否かを判定するミス設定条件判定ステップと、
前記ミス設定条件の判定の結果、前記新設定条件が前記ミス設定条件と部分的に一致する場合、前記新画像データと、当該ミス設定条件に関連付けられたミス画像データとを比較して、全体の画像データに対して新画像データの画素とミス画像データの画素とが一致する割合が所定の閾値より高いか否かを判定するミス画像データ判定ステップと、
前記ミス画像データの判定の結果、全体の画像データに対して新画像データの画素とミス画像データの画素とが一致する割合が所定の閾値より高い場合、前記新画像データに基づく画像処理は失敗する可能性が高いことを示す警告を表示する警告表示ステップと
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
請求項8に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムを記憶したコンピュータに読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−249219(P2012−249219A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121346(P2011−121346)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】