説明

情報処理装置及び方法

【課題】 権限の異なる複数のユーザに対して、同時に適当なメッセージを表示することの出来る情報処理装置及び方法を提供する。
【解決手段】 権限のないユーザA用の第一のメッセージを検索し、表示するステップと、権限のあるユーザBを認証するステップと、ユーザBが権限のあるグループに属するかどうか判断するステップと、属しているならば、ユーザB用の第二のメッセージを検索するステップと、第一と第二のメッセージを合成し、表示するステップを有するように構成することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器に関する情報、状態、および装置の提供するサービスに関する情報、状態を表示するためのユーザインタフェース生成方法、装置及びシステムに関するもので、特に情報処理装置及び方法に係る。
【背景技術】
【0002】
従来は、複写機、プリンタなどの画像処理装置をはじめとする各種情報処理装置は、装置の各種情報、状態をユーザに知らせるために装置本体に設けられた操作パネルに各種表示を行っている。
【0003】
また、ユーザの使い勝手、また装置の管理者の立場からはユーザの利用可能な機能の制限、といった観点から、表示される情報のカスタマイズが行われるようになっている。
【0004】
例えば、プリンタ使用時にトナーがなくなった場合、予備トナーのある場所に取りに行き、交換を行うことになる。カスタマイズしていないエラーメッセージでは、予備トナーのある場所は表示されないが、カスタマイズされたメッセージには、場所を含めることが可能になる。また、トナーのある場所へのアクセス権の有無などエラー処理の権限の有無がある場合、権限のないユーザAには他のプリンタの使用を勧め、権限のあるユーザBにはエラー処理を指示するような表示するようなカスタマイズが可能である。
【特許文献1】特開平08−297542号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
権限のないユーザAがプリンタ使用中にエラーが発生した場合に、そばに権限があるユーザBがいるとしたならば、ユーザA、Bそれぞれに対するメッセージを合わせて表示することができれば、エラー処理とプリント作業の何らかの手段による続行が可能になる。
【0006】
本発明は、上述の問題点に着目してなされたものであって、カスタマイズされたメッセージの合成を適切なタイミングで行うことができるようになり、複数のユーザそれぞれへのメッセージの表示を同時に行うことができる情報処理装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、自身の情報、状態に対応したメッセージを格納するのメッセージ格納手段と、前記複数のメッセージを合成して一つのメッセージにするメッセージ合成手段と、前記メッセージを画面に表示するメッセージ表示表示手段を備えるように構成している。
【0008】
本発明の請求項2の情報処理装置は、装置を利用しているユーザを認証・特定するユーザ認証手段を有し、前記メッセージ格納手段がユーザごとにカスタマイズされた情報を格納するように構成している。
【0009】
本発明の請求項3の情報処理装置は、表示する情報が装置のエラーに関するものである場合に前記メッセージ格納手段は、情報をエラーのリカバリーに関するものと、ユーザの回避措置に関するものを別個に格納する様に構成している。
【0010】
本発明の請求項4の情報処理方法は、ユーザAが認証/特定されているか判断するステップと、認証/特定されていない場合に、デフォルトのメッセージを検索し、表示するステップと、認証/特定されている場合に、ユーザA用の第一のメッセージを検索し、表示するステップと、ユーザBを認証するステップと、ユーザBが権限のあるグループに属するかどうか判断するステップと、属しているならば、ユーザB用の第二のメッセージを検索するステップと、第一のメッセージと第二のメッセージを合成し、表示するステップを有する様に構成している。
【発明の効果】
【0011】
上記請求項記述した方法により、カスタマイズされたメッセージの合成を適切なタイミングで行うことができるようになり、複数のユーザそれぞれへのメッセージの表示を同時に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下本発明を実施するための最良の形態を、実施例により詳しく説明する。
【実施例】
【0013】
本実施例では、特許請求の範囲に記載の情報処理装置として複写機とした例を説明する。
【0014】
本発明を実施する情報処理装置について詳細に、図2以降の図面に基づいて説明する。まず図2に一般的なCOPY/PRINT/FAXなどの機能を有するディジタル複合機のブロック図を示す。
【0015】
原稿読み取り処理を行うスキャナ301と、スキャナから読み取られた画像に画像処理を施しメモリ305に格納するコントローラ302と、スキャナ部により読み取られる画像に対する各種の印刷条件を設定する操作部304と、メモリ305から読み出された画像データを操作部により設定された印刷設定条件に従って記録用紙に可視化された画像形成を行うプリンタ303から構成されている。
【0016】
次にディジタル複写機の制御を行うコントローラのハード構成の詳細について図3を用いて説明する。
【0017】
メインコントローラ 401は、主にCPU402と、バスコントローラ403、及び各種I/Fコントローラ回路から構成される。
【0018】
CPU402とバスコントローラは、機器全体の動作を制御するものであり、CPU402はROM404からROM I/F405を経由して読込んだプログラムに基いて動作する。また、PCから受信したPDL(ページ記述言語)コードデータを解釈し、ラスターイメージデータに展開する動作も、このプログラムに記述されており、ソフトウェアによって処理される。バスコントローラ403は各I/Fから入出力されるデータ転送を制御するものであり、バス競合時の調停やDMAデータ転送の制御を行う。
【0019】
DRAM406はDRAM I/F407によってメインコントローラ401と接続されており、CPU402が動作するためのワークエリアや、画像データを蓄積するためのエリアとして使用される。
【0020】
コーデック408は、DRAM406に蓄積されたラスターイメージデータをMH/MR/MMR/JBIG/JPEG等の方式で圧縮し、また逆に圧縮され蓄積されたコードデータをラスターイメージデータに伸長する。SRAM409はコーデック408の一時的なワーク領域として使用される。コーデック408はI/F410を介してメインコントローラ401と接続され、DRAM406との間のデータの転送は、バスコントローラ403によって制御されDMA転送される。
【0021】
グラフィックプロセッサ424は、DRAM406に蓄積されたラスターイメージデータに対して、画像回転、画像変倍、色空間変換、二値化の処理をそれぞれ行う。SRAM425はグラフィックプロセッサ424の一時的なワーク領域として使用される。グラフィックプロセッサ424はI/Fを介してメインコントローラ401と接続され、DRAM406との間のデータの転送は、バスコントローラ403によって制御されDMA転送される。
【0022】
ネットワークコントローラ411はI/F413によってメインコントローラ401と接続され、コネクタ412によって外部ネットワークと接続される。ネットワークとしては一般的にイーサネット(登録商標)があげられる。
【0023】
汎用高速バス415には、拡張ボードを接続するための拡張コネクタ414とI/O制御部416とが接続される。汎用高速バスとしては、一般的にPCIバスがあげられる。I/O制御部416には、スキャナ部201、プリンタ部203の各CPUと制御コマンドを送受信するための調歩同期シリアル通信コントローラ417が2チャンネル装備されており、I/Oバス418によってスキャナI/F回路426,プリンタI/F回路430に接続されている。
【0024】
パネルI/F421は、LCDコントローラ420に接続され、操作部上の液晶画面に表示を行うためのI/Fと、ハードキーやタッチパネルキーの入力を行うためのキー入力I/Fとから構成される。
【0025】
操作部150は液晶表示部と液晶表示部上に張り付けられたタッチパネル入力装置と、複数個のハードキーを有する。タッチパネルまたはハードキーにより入力された信号は前述したパネルI/F421を介してCPU402に伝えられ、液晶表示部はパネルI/F421から送られてきた画像データを表示するものである。液晶表示部には、本画像形成装置の操作における機能表示や画像データ等を表示する。
【0026】
リアルタイムクロックモジュール422は、機器内で管理する日付と時刻を更新/保存するためのもので、バックアップ電池423によってバックアップされている。
【0027】
E−IDEインタフェース439は、外部記憶装置を接続するためのものである。本実施例においては、このI/Fを介してハードディスクドライブ438を接続し、ハードディスク440へ画像データを記憶させ、ハードディスク440から画像データを読み込む動作を行う。コネクタ427と432は、それぞれスキャナ部とプリンタ部とに接続され、同調歩同期シリアルI/F(428,433)とビデオI/F(429,434)とから構成される。
【0028】
スキャナI/F426は、コネクタ427を介してスキャナ部と接続され、また、スキャナバス441によってメインコントローラ401と接続されており、スキャナ部から受け取った画像に対して所定の処理を施す機能を有し、さらに、スキャナ部から送られたビデオ制御信号をもとに生成した制御信号を、スキャナバス429に出力する機能も有する。スキャナバス429からDRAM406へのデータ転送は、バスコントローラ403によって制御される。
【0029】
プリンタI/F430は、コネクタ432を介してプリンタ部と接続され、また、プリンタバス431によってメインコントローラ401と接続されており、メインコントローラ401から出力された画像データに所定の処理を施して、プリンタ部へ出力する機能を有し、さらに、プリンタ部から送られたビデオ制御信号をもとに生成した制御信号を、プリンタバス431に出力する機能も有する。
【0030】
DRAM406上に展開されたラスターイメージデータのプリンタ部への転送は、バスコントローラ403によって制御され、プリンタバス431、ビデオI/F434を経由して、プリンタ部203へDMA転送される。
【0031】
SRAM436は、バックアップ用電池から供給される電源により、装置全体が電源遮断されても記憶内容を保持できる構成となっているメモリであり、バス435を介してI/O制御部と接続されている。EEPROM437も同様にバス435を介してI/O制御部と接続されているメモリである。コントローラのハード構成の詳細は以上である。
【0032】
次に各種印刷設定を行う操作部について説明する。図4の501に示すような操作部が図3の421のパネルI/Fの先に接続されている。502はユーザが設定した設定値などを取り消すためのリセットキーである。503は動作中のジョブを中止させる時に使用するストップキーである。504は置数などの数値入力を行うためのテンキーである。505はタッチパネル式の操作画面であり、具体的には図5で示すような画面を表示する。各種設定をするためのタッチパネルのボタンが多数存在する。506は原稿の読み込みなどジョブをスタートさせるためのスタートキーである。507は設定などをクリアするためのクリアキーである。以上が操作部の各部の説明である。
【0033】
次に、本発明の情報処理装置による合成されたメッセージの生成過程を図1を用いて説明する。
【0034】
新規の画面の表示を開始する際、情報処理装置は、まずS101において、装置を利用しているユーザAが認証/特定されていないと判断したならば、デフォルトのメッセージを検索し、S103では検索されたメッセージを画面に表示する(図5)。認証/特定されていると判断したならば、S104でユーザA用のメッセージを検索し、S105でメッセージの表示を行う(図6)。図6の701「エラー処理を移管」ボタンを押下すると、S106ユーザ認証画面が表示され、ユーザ認証が行われる。
【0035】
ユーザ認証の結果、S107でユーザBが権限のグループに属さないと判断すると、そのまま終了する。権限のグループに属すると判断すると、S108でユーザB用のメッセージを検索する。S109では、既に表示しているユーザA用のメッセージとユーザB用のメッセージの合成を行う。メッセージは、エラー処理に関する情報の部分とこの装置を利用するか否かに関わらずプリントした出力を得るために必要な情報の部分から構成されており、情報処理装置は、それぞれの部分を別々に管理している。本実施例のユーザA用にメッセージの場合、「総務課(ex.****)に連絡してください。」が前者で、「32事務室のiR8500は使用可能です。」が後者にあたる。ユーザB用のメッセージには、エラー処理に関する情報の部分のみがあり、「予備トナーは、OAコーナーの棚にあります。(型番:XX−YYYY)トナーが用意できたら、まず前カバーを開けてください。」となっている。S109では権限のないユーザのプリント作業に関するメッセージの部分とユーザB用のメッセージのエラー処理に関する部分を合成し、S110で画面に表示を行っている(図7)。
【0036】
以上の手段、方法によりカスタマイズされたメッセージの合成を適切なタイミングで行うことができるようになり、複数のユーザそれぞれへのメッセージの表示を同時に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】情報処理装置が合成されたメッセージの表示を行う一実施例のフローチャート
【図2】ディジタル複写機の概略を示す図
【図3】ディジタル複写機のコントローラのブロック図
【図4】操作パネルハード構成図
【図5】カスタマイズされていないトナー無しエラー画面を示す図
【図6】一般ユーザ用にカスタマイズされたトナー無しエラー画面を示す図
【図7】メッセージの合成が行われたトナー無しエラー画面を示す図
【符号の説明】
【0038】
301 スキャナ
302 コントローラ
303 プリンタ
304 操作部
305 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自身の情報、状態に対応したメッセージを格納するのメッセージ格納手段と、前記複数のメッセージを合成して一つのメッセージにするメッセージ合成手段と、前記メッセージを画面に表示するメッセージ表示表示手段を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
装置を利用しているユーザを認証・特定するユーザ認証手段を有し、前記メッセージ格納手段はユーザごとにカスタマイズされた情報を格納することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
表示する情報が装置のエラーに関するものである場合に前記メッセージ格納手段は、情報をエラーのリカバリーに関するものと、ユーザの回避措置に関するものを別個に格納することを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
ユーザAが認証/特定されているか判断するステップと、
認証/特定されていない場合に、デフォルトのメッセージを検索し、表示するステップと、
認証/特定されている場合に、ユーザA用の第一のメッセージを検索し、表示するステップと、
ユーザBを認証するステップと、
ユーザBが権限のあるグループに属するかどうか判断するステップと、
属しているならば、ユーザB用の第二のメッセージを検索するステップと、
第一のメッセージと第二のメッセージを合成し、表示するステップを有することを特徴とする情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−221344(P2006−221344A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−33069(P2005−33069)
【出願日】平成17年2月9日(2005.2.9)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】