説明

情報出力システム

【課題】PHV車や電気自動車の充電のために建物と車とが接続された状態において、建物側の装置と車側の装置とで情報の授受を円滑に行うことが可能な情報出力システムを提供することを目的とする。
【解決手段】情報制御ユニット28は、ネットワーク40を介して各住居26及び自動車60と接続され、各住居26に設置されたパソコン等の装置と、自動車60に搭載されたカーオーディオシステムやカーナビゲーションシステムと、はネットワーク40を介して地図データや音楽データの授受が可能となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報出力システムに係り、特に、建物側の装置と車側の装置との間で情報の授受を行う情報出力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーオーディオシステムやナビゲーションシステム等の車載用情報出力装置と、ノート型パソコン等の携帯用コンピュータ装置と、の間を赤外線通信等により通信して音楽データや地図データ等の情報を授受する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−283957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、PHV(プラグインハイブリッド)車や電気自動車のように、バッテリーを駆動力とする車では、建物のコンセントに接続してバッテリーを充電する。このように、PHV車や電気自動車の充電のために建物と車とが接続された状態において、建物側の例えばパーソナルコンピュータ等のような装置と、車側の例えばオーディオ装置やナビゲーション装置等の機器との間で情報の授受を行う技術については、未だ提案されていない。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して成されたもので、PHV車や電気自動車の充電のために建物と車とが接続された状態において、建物側の装置と車側の装置とで情報の授受を円滑に行うことが可能な情報出力システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、建物に設けられ、電力を供給する電力供給手段と、充電池を搭載した車両の前記充電池に対して、前記電力供給手段により供給された電力を供給して充電する充電手段と、前記車両が前記充電手段に接続された場合に、前記電力供給手段及び前記充電手段の少なくとも一方により電力が供給されて動作する建物側情報処理装置と前記車両に搭載された車両側情報処理装置とが情報通信するための通信手段と、前記電力供給手段、前記充電手段、及び前記通信手段と接続され、前記建物側情報処理装置と前記車両側情報処理装置とにおける情報の授受を制御する情報制御手段と、前記建物側情報処理装置及び前記車両側情報処理装置の電源が共にオフの状態から、前記建物側情報処理装置及び前記車両側情報処理装置の何れか一方の装置の電源がオンされた場合に、電源がオフのままの他方の装置に対して前記充電手段から電力が供給されるように前記充電手段を制御する電力制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、建物側情報処理装置と車両に搭載された車両側情報処理装置とが情報通信するための通信手段を備え、情報制御手段が建物側情報処理装置と車両側情報処理装置とにおける情報の授受を制御するため、建物側の装置と車側の装置とで情報の授受を行うことが可能となる。
【0008】
また、電力制御手段が、建物側情報処理装置及び車両側情報処理装置の電源が共にオフの状態から、建物側情報処理装置及び車両側情報処理装置の何れか一方の装置の電源がオンされた場合に、電源がオフのままの他方の装置に対して充電手段から電力が供給されるように充電手段を制御するので、その後他方の装置の電源がオンになった場合に、情報の授受を円滑に行うことができる。
【0009】
なお、請求項2記載のように、音源を備えた前記建物側情報処理装置及び前記車両側情報処理装置の利用状態を検出する利用状態検出手段と、前記建物側情報処理装置及び前記車両側情報処理装置の利用状態に応じて、前記建物側情報処理装置及び前記車両側情報処理装置の音源のオンオフを制御する音源制御手段と、を備えた構成としてもよい。
【0010】
また、請求項3に記載したように、前記音源制御手段は、前記建物側情報処理装置が利用されている場合には、前記建物側情報処理装置の音源をオンさせ、前記車両側情報処理装置が利用されている場合には、前記車両側情報処理装置の音源をオンさせるようにしてもよい。
【0011】
また、請求項4に記載したように、前記音源制御手段は、前記建物側情報処理装置が利用されていない場合には、前記建物側情報処理装置の音源をオフさせ、前記車両側情報処理装置が利用されていない場合には、前記車両側情報処理装置の音源をオフさせるようにしてもよい。
【0012】
また、請求項5に記載したように、前記建物側情報処理装置及び前記車両側情報処理装置は、パーソナルコンピュータ、オーディオ装置、及びナビゲーション装置の少なくとも一つを含むようにしてもよい。
【0013】
また、請求項6に記載したように、前記電力供給手段は、複数種類の電力を供給可能であり、前記電力制御手段は、前記建物側情報処理装置及び前記車両側情報処理装置へ供給する電力を前記複数種類の電力の中から選択するようにしてもよい。
【0014】
また、請求項7に記載したように、前記複数種類の電力は、太陽光発電による電力、燃料電池による電力、商用電源による電力、及び蓄電池に蓄電された電力のうち少なくとも2つを含むようにしてもよい。
【0015】
また、請求項8に記載したように、前記充電手段を複数備え、当該複数の前記充電手段に複数の前記車両が各々接続されている場合、前記情報制御手段は、複数の前記車両の前記車両側情報処理装置同士における情報の授受を制御するようにしてもよい。
【0016】
また、請求項9に記載したように、前記利用状態検出手段は、人感センサである構成としてもよい。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明によれば、PHV車や電気自動車の充電のために建物と車とが接続された状態において、建物側の装置と車側の装置とで情報の授受が可能になる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態に係る集合住宅用電力供給システムの概略構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る集合住宅用電力供給システムの制御装置の詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る集合住宅用電力供給システムの制御装置で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係わる集合住宅用電力供給システムの概略構成を示す図である。
【0020】
本発明の実施形態に係る集合住宅用電力供給システム10は、複数の入居者が入居する集合住宅12に設けられ、集合住宅12への電力供給を制御する。
【0021】
集合住宅用電力供給システム10の電源としては、商用電源16からの電力や、太陽光発電装置14等の発電装置からの電力が電源として用いられ、これらの電源から得られる電力を集合住宅12へ供給する。なお、電源としては商用電源や太陽光発電装置に限らず、燃料電池を用いてもよい。
【0022】
本実施の形態では、発電装置として、集合住宅12の屋上等に太陽光発電装置14を備えており、自然エネルギとして太陽光を利用して発電して、発電された電力を集合住宅12へ供給する。なお、本実施の形態では、発電装置として、太陽光発電装置14を例として説明するが、これに限られるものではなく、風力発電や水力発電等の太陽光以外の他の自然エネルギーを利用した発電装置を適用するようにしてもよい。
【0023】
また、集合住宅用電力供給システム10には、自動車60の車両用蓄電池62(図2も参照)を充電するための充電スタンド64が設けられている。ここで、自動車60は、例えばPHV(プラグインハイブリッド)車や電気自動車のように、電源プラグ68を家庭用の電源コンセントに差し込むことで電力の供給を受けて車両用蓄電池62を充電し、充電された車両用蓄電池62が供給する電力によって走行可能な車両である。
【0024】
本実施形態では、自動車60の電源プラグを充電スタンド64の電源コンセントに差し込むことで充電スタンド64から電力の供給を受けて車両用蓄電池62を充電することができる。なお、充電スタンド64は、複数設けられていてもよい。
【0025】
また、集合住宅用電力供給システム10は、発電電力及び商用電源16の電力の少なくとも一方の電力を蓄電する蓄電池18を備えている。蓄電池18は、太陽光発電装置14の発電電力や、深夜電力(予め定めた深夜の電力料金の安い時間帯の商用電源16からの電力)を利用して蓄電して、商用電源16の電力より安い蓄電した電力(発電電力や深夜電力)を集合住宅12へ供給することが可能とされている。
【0026】
これらの電力の集合住宅12への供給制御は、制御装置20によって行われる。すなわち、制御装置20には、太陽光発電装置14、商用電源16、及び蓄電池18が接続されていると共に、集合住宅12の各部(共用部24や、各住居26、充電スタンド64)へ電力を供給するための分電盤22が接続されており、太陽光発電装置14の発電電力、商用電源16の電力、及び蓄電池18の蓄電電力の少なくとも1つの電力が、分電盤22を介して集合住宅12の各部へ供給される。太陽光発電装置14の発電電力、または蓄電池18の蓄電電力を集合住宅12に供給する場合には、制御装置20は、直流を交流に変換して供給するようになっている。
【0027】
ここで、制御装置20の構成について詳細に説明する。図2は、本発明の実施の形態に係わる集合住宅用電力供給システム10の制御装置20の詳細な構成を示すブロック図である。なお、図2中の実線は情報の流れを示し、点線は電力の流れを示す。
【0028】
制御装置20は、図2に示すように、情報制御ユニット28及び電力供給制御装置30を備えており、情報制御ユニット28が各種情報を収集して、収集した情報に基づいて、電力の供給元及び供給先を決定し、電力供給制御装置30を制御することによって電力の流れを制御する。
【0029】
情報制御ユニット28には、集合住宅用電力供給システム10の各種設定や操作を行うための操作パネル35が接続されている。この操作パネル35からは、自動車60の車両用蓄電池62の充電の予約操作、すなわち充電開始時刻の設定操作等が可能である。
【0030】
また、情報制御ユニット28には、各種情報を収集するために、太陽光発電装置14の発電量を検出するための発電量検出センサ32、蓄電池18の蓄電量を検出するための蓄電量検出センサ34が接続されていると共に、集合住宅12の各住居26及び共用部24の消費電力を検出するセンサ36が接続されている。なお、発電量検出センサ32及びセンサ36は、単位時間あたりの電力量を検出するようにしてもよいし、電力値を検出するようにしてもよい。
【0031】
情報制御ユニット28は、発電量検出センサ32及び蓄電量検出センサ34の各検出結果を取得することにより、太陽光発電装置14の発電量及び蓄電池18の蓄電量を監視すると共に、各センサ36の検出結果を取得することにより集合住宅12で消費される電力を検出して、安価な電力を供給するように、電力供給制御装置30を制御する。
【0032】
一方、電力供給制御装置30は、情報制御ユニット28の指示に従って、発電電力、蓄電電力、商用電力の何れかを各住居26や共用部24、充電スタンド64へ供給する。電力供給制御装置30は、例えば、太陽光発電装置14の発電電力及び蓄電池18の蓄電電力を、商用電源16の電力よりも優先して集合住宅12へ供給するように情報制御ユニット28によって制御することができる。これによって電力料金を安価にすることができる。
【0033】
また、充電スタンド64で車両用蓄電池62に残った電力を集合住宅12に供給する設定等を可能とし、当該設定が行われた場合に、車両用蓄電池62の蓄電電力を集合住宅12に供給可能な構成としてもよい。
【0034】
この場合、充電スタンド64において車両用蓄電池62から集合住宅12へ供給した電力量に応じて家賃の減額等を行うようにしてもよい。例えば、充電スタンド64において集合住宅12に電力を供給する設定を行う際に認証を行い、電力の供給者を特定し、充電スタンド64において車両用蓄電池62から電力供給制御装置30へ供給した電力量を検出し、検出結果を情報制御ユニット28を介して、家賃請求を行う家賃請求システム66へ出力する構成とする。
【0035】
そして、家賃請求システム66が車両用蓄電池62から集合住宅12へ供給した電力量に応じた家賃の減額料金を算出して、入居者に家賃請求を行う等の構成とすることにより、車両用蓄電池62から集合住宅12へ供給した電力に応じた家賃の減額を行うことができる。なお、家賃請求システム66は、例えば、メール等を利用して、各入居者宅へ請求書を送信することにより家賃請求を行う等の構成を適用することができる。
【0036】
また、太陽光発電装置14の発電電力及び蓄電池18の蓄電電力を商用電源16の電力より優先して供給した場合、発電電力や蓄電電力が不足することが考えられる。そこで、発電電力量及び蓄電電力量の少なくとも一方が不足する場合には、共用部24の消費電力を節約する節電処理を行うようにしてもよい。例えば、情報制御ユニット28が、発電量検出センサ32によって検出された現在の発電量に基づいて、現在の時刻から日が沈むまでに発電可能な電力量を予測し、蓄電池18の蓄電量と予測した電力量とを加算して使用可能電力量を算出する。また、各センサ36の検出結果から深夜電力が使用可能な時間までの消費電力量を予測して、使用可能電力量と消費電力量を比較して使用可能電力量が不足するか否かを判断したり、蓄電池18の蓄電量から太陽光発電装置14によって発電可能な時間までの消費電力量を予測して、使用可能電力量が不足するか否か等を判断する。そして、不足すると判断した場合に、共用部24の電気設備の節電制御を行う。節電制御としては、例えば、共用部24の照明の照度を落としたり、点灯する数を減らしたりすることにより節電し、商用電源16からの電力を極力使用しないように制御する。
【0037】
共用部24の電気設備としては、例えば、足元誘導灯、非常灯、ホール空調、ホール照明、廊下照明、駐輪所照明、及び駐車場照明等がある。また、共用部24の各位置に人感センサ等を設けて、節電する際に、人感センサの検出結果を情報制御ユニット28が監視して、人が存在しない共用部24の各電気設備を節電するように制御してもよい。なお、人感センサの代りにスマートキー等の認証装置を用いて人の存在の有無を監視するようにしてもよい。
【0038】
また、情報制御ユニット28は、各住居26(に設けられたパーソナルコンピュータ等の情報処理装置)及び充電スタンド64とネットワーク40により相互接続されており、相互に情報の授受が可能な構成となっている。ネットワーク40は、本実施形態では、一例としてLAN(Local Area Network)を採用し、情報制御ユニット28がルーターの機能を備えた場合について説明するが、ネットワーク40の形態はこれに限られるものではなく、相互に情報の授受が可能なものであればよい。また、LANは有線LANに限らず無線LANでもよい。有線LANを採用した場合には、例えば各住居26及び充電スタンド64にLANコネクタが設けられる。本実施形態では、各住居26にLANコネクタが設けられ、このLANコネクタにパーソナルコンピュータ(以下、パソコン)等の情報処理装置が接続可能となっている場合について説明する。なお、情報処理装置としては、パソコンに限らず、携帯電話等の携帯端末装置でもよいが、本実施形態ではパソコンが各住居26のLANケーブルコネクタに接続される場合について説明する。
【0039】
次に、本実施形態の作用として、集合住宅用電力供給システム10の制御装置20の情報制御ユニット28で実行される処理について説明する。図3は、情報制御ユニット28で実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図3に示す処理は、例えば予め定めた時間毎に実行される。
【0040】
ステップ100では、電力供給処理を行う。具体的には、まず自動車60の電源及びパソコンの電源がともにオフの状態から何れかの電源がオンされたか否かを検出する。そして、何れかの電源がオンされた場合には、電源がオフとなったままの側に対して電力を供給するように電力供給制御装置30に指示する。例えば、自動車60及びパソコンの電源がともにオフの状態から、パソコンの電源がオンされた場合には、電源がオフのままである自動車60に対して、発電電力、蓄電電力、商用電力の何れかの電力を充電スタンド64から供給するように電力供給制御装置30に指示する。これにより、充電スタンド64から自動車60の車両用蓄電池62に電力が供給される。どの電力を供給するかについては、例えば、発電量検出センサ32及び蓄電量検出センサ34の各検出結果に基づいて安価な電力を供給するように、すなわち、太陽光発電装置14の発電電力及び蓄電池18の蓄電電力を、商用電源16の電力よりも優先して充電スタンド64に供給するように電力供給制御装置30に指示するようにしてもよい。これによって電力料金を安価にすることができる。また、充電時間を短時間にしたい場合には、商用電源16の電力を充電スタンド64に供給するようにしてもよい。さらに、どの電力を充電スタンド64に供給するかをユーザーが設定できるようにしてもよい。
【0041】
一方、自動車60及びパソコンの電源がともにオフの状態から、自動車60の電源がオンされた場合には、電源がオフのままであるパソコンに対して、発電電力、蓄電電力、商用電力の何れかの電力を充電スタンド64から供給するように電力供給制御装置30に指示する。これにより、充電スタンド64からパソコンに電力が供給される。
【0042】
このように、自動車60及びパソコンの何れか一方側の電源がオンされた場合に、電源がオフのままの他方側に対して電力が供給されるように制御するので、その後他方側の電源がオンになった場合に、両者の装置間における情報の授受を速やか且つ円滑に行うことができる。
【0043】
なお、充電スタンド64に蓄電池を接続しておき、この蓄電池に蓄電された電力を自動車60又はパソコンへ供給するようにしてもよい。また、パソコンへ電力を供給する場合、充電スタンド64に接続された自動車60の車両用蓄電池62に蓄電された電力を供給するようにしてもよい。
【0044】
また、ステップ100では、自動車60の車両用蓄電池20の充電の予約設定がされている場合において、予約された充電開始時刻になった場合にも、充電スタンド64から自動車60に電力が供給されるように電力供給制御装置30に指示する。
【0045】
ステップ102では、各住居26の情報処理装置のネットワーク40への接続状態を取得する。すなわち、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置が各住居26のLANコネクタに接続されているか否かを検出する。具体的には、例えば各住居26に個別のIPアドレスを付与しておき、各IPアドレスに対してPING(Packet InterNet Groper)コマンドを送信する。そして、応答があればパソコンに電源が入っており、ネットワーク40に接続していると判断することができる。
【0046】
ステップ104では、自動車60のネットワーク40への接続状態を取得する。すなわち、自動車60に搭載されたカーオーディオシステムやカーナビゲーションシステム等の情報処理装置が各充電スタンド64のLANコネクタに接続されているか否かを検出する。具体的には、ステップ102の処理と同様に、例えば各充電スタンド64に個別のIPアドレスを付与しておき、各IPアドレスに対してPING(Packet InterNet Groper)コマンドを送信する。そして、応答があれば、自動車60の電源がオンされており、充電スタンド64のLANコネクタに自動車60に搭載された情報処理装置が接続していると判断することができる。なお、ステップ102、104における情報処理装置の接続状態の確認方法は一例であり、これに限られるものではない。
【0047】
ステップ106では、ネットワーク40に接続されたパソコンが、ユーザーにより利用されているか否かを判断する。具体的には、例えば図1に示すように、各住居26のLANコネクタが設置された居室に人感センサ26Aを設けておき、この人感センサ26Aがオンとなっているときに、ユーザーによるパソコンの利用があると判断することができる。また、ステップ100でパソコンがネットワーク40に接続された状態であると判断されたことのみをもってユーザーによるパソコンの利用があると判断してもよい。
【0048】
そして、パソコンの利用があると判断された場合には、ステップ108へ移行して、パソコンの音源をオンするように、ネットワーク40に接続されたパソコンに対して指示する。
【0049】
一方、パソコンの利用が無いと判断された場合には、ステップ110へ移行し、パソコンの音源をオフするように、ネットワーク40に接続されたパソコンに対して指示する。
【0050】
このように、ユーザーが実際にパソコンを利用していると考えられる場合に限ってパソコンの音源をオンさせるので、不必要にパソコンの音源から音が出力されてしまうのを防ぐことができる。
【0051】
ステップ112では、ネットワーク40に接続された自動車60が、ユーザーにより利用されているか否か、すなわち車内にユーザーが存在しているか否かを判断する。具体的には、例えばパソコンの場合と同様に、図1に示すように自動車60内に人感センサ60Aを設けておき、この人感センサ60Aがオンになったことがネットワーク40を介して検出された場合には、ユーザーが自動車60内に存在すると判断することができる。また、ステップ102で自動車60がネットワーク40に接続された状態であると判断されたことのみをもってユーザーが自動車60内に存在すると判断してもよい。
【0052】
そして、自動車60内にユーザーが存在すると判断された場合には、ステップ114へ移行して、自動車60に搭載されたカーオーディオシステムやカーナビゲーションシステムの音源をオンするように、カーオーディオシステムやカーナビゲーションシステムに対して指示する。
【0053】
一方、自動車60内にユーザーが存在しないと判断された場合には、ステップ116へ移行し、カーオーディオシステムやカーナビゲーションシステムの音源をオフするように、カーオーディオシステムやカーナビゲーションシステムに対して指示する。
【0054】
このように、ユーザーが実際に自動車60内に存在すると考えられる場合に限ってカーオーディオシステムやカーナビゲーションシステムの音源をオンさせるので、不必要にカーオーディオシステムやカーナビゲーションシステムの音源から音が出力されてしまうのを防ぐことができ、無駄に車両用蓄電池62の電力が消費されてしまうのを防ぐことができる。
【0055】
なお、本実施形態では、人感センサ60Aの検出結果に基づいて自動車60内にユーザーが存在するか否かを判断するようにしたが、これに限らず、自動車60のスマートキー等の認証装置を用いてユーザーの存在の有無を判断するようにしてもよい。
【0056】
ステップ118では、住居26のパソコン又は自動車60のカーオーディオシステムやカーナビゲーションシステムから情報授受の要求があったか否かを判断する。
【0057】
情報授受の例としては、パソコンのハードディスクに記憶された音楽データや地図データを、自動車60のカーオーディオシステムやカーナビゲーションシステムに送信する場合や、その逆の場合がある。
【0058】
ユーザーは、パソコンを操作して、パソコンのハードディスクに記憶された音楽データや地図データをカーオーディオシステムやカーナビゲーションシステムに送信するよう指示することができる。この場合、情報制御ユニット28は、パソコンから送信された音楽データや地図データを、自動車60のカーオーディオシステムやカーナビゲーションシステムに送信する。
【0059】
同様に、ユーザーは、自動車60のカーオーディオシステムやカーナビゲーションシステムを操作して、カーオーディオシステムやカーナビゲーションシステムのハードディスクやCD−ROM,DVD−ROM等の記録媒体に記憶された音楽データや地図データを、パソコンに送信するように指示することができる。この場合、情報制御ユニット28は、自動車60のカーオーディオシステムやカーナビゲーションシステムから送信された音楽データや地図データを、パソコンに送信する。
【0060】
これにより、パソコンと自動車60のカーオーディオシステムやカーナビゲーションシステムとの間で、音楽データや地図データ等の情報を共有することができる。
【0061】
なお、本実施形態では、パソコンと自動車60のカーオーディオシステムやカーナビゲーションシステムとの間で音楽データや地図データの情報を共有する場合について説明したが、共有する情報は音楽データや地図データに限られるものではない。また、例えば複数の自動車60が複数の充電スタンド64に各々接続されている場合には、自動車60間で情報を共有することも可能である。
【符号の説明】
【0062】
10 集合住宅用電力供給システム
12 集合住宅
14 太陽光発電装置
16 商用電源
18 蓄電池
20 制御装置
22 分電盤
24 共用部
26 住居
26A 人感センサ
28 情報制御ユニット
30 電力供給制御装置
32 発電量検出センサ
34 蓄電量検出センサ
35 操作パネル
36 センサ
40 ネットワーク
60 自動車
60A 人感センサ
62 車両用蓄電池
64 充電スタンド
66 家賃請求システム
68 電源プラグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物に設けられ、電力を供給する電力供給手段と、
充電池を搭載した車両の前記充電池に対して、前記電力供給手段により供給された電力を供給して充電する充電手段と、
前記車両が前記充電手段に接続された場合に、前記電力供給手段及び前記充電手段の少なくとも一方により電力が供給されて動作する建物側情報処理装置と前記車両に搭載された車両側情報処理装置とが情報通信するための通信手段と、
前記電力供給手段、前記充電手段、及び前記通信手段と接続され、前記建物側情報処理装置と前記車両側情報処理装置とにおける情報の授受を制御する情報制御手段と、
前記建物側情報処理装置及び前記車両側情報処理装置の電源が共にオフの状態から、前記建物側情報処理装置及び前記車両側情報処理装置の何れか一方の装置の電源がオンされた場合に、電源がオフのままの他方の装置に対して前記充電手段から電力が供給されるように前記充電手段を制御する電力制御手段と、
を備えた情報出力システム。
【請求項2】
音源を備えた前記建物側情報処理装置及び前記車両側情報処理装置の利用状態を検出する利用状態検出手段と、
前記建物側情報処理装置及び前記車両側情報処理装置の利用状態に応じて、前記建物側情報処理装置及び前記車両側情報処理装置の音源のオンオフを制御する音源制御手段と、
を備えた請求項1記載の情報出力システム。
【請求項3】
前記音源制御手段は、前記建物側情報処理装置が利用されている場合には、前記建物側情報処理装置の音源をオンさせ、前記車両側情報処理装置が利用されている場合には、前記車両側情報処理装置の音源をオンさせる
請求項2記載の情報出力システム。
【請求項4】
前記音源制御手段は、前記建物側情報処理装置が利用されていない場合には、前記建物側情報処理装置の音源をオフさせ、前記車両側情報処理装置が利用されていない場合には、前記車両側情報処理装置の音源をオフさせる
請求項2又は請求項3記載の情報出力システム。
【請求項5】
前記建物側情報処理装置及び前記車両側情報処理装置は、パーソナルコンピュータ、オーディオ装置、及びナビゲーション装置の少なくとも一つを含む
請求項1〜4の何れか1項に記載の情報出力システム。
【請求項6】
前記電力供給手段は、複数種類の電力を供給可能であり、前記電力制御手段は、前記建物側情報処理装置及び前記車両側情報処理装置へ供給する電力を前記複数種類の電力の中から選択する
請求項1〜5の何れか1項に記載の情報出力システム。
【請求項7】
前記複数種類の電力は、太陽光発電による電力、燃料電池による電力、商用電源による電力、及び蓄電池に蓄電された電力のうち少なくとも2つを含む
請求項1〜6の何れか1項に記載の情報出力システム。
【請求項8】
前記充電手段を複数備え、当該複数の前記充電手段に複数の前記車両が各々接続されている場合、前記情報制御手段は、複数の前記車両の前記車両側情報処理装置同士における情報の授受を制御する
請求項1〜7の何れか1項に記載の情報出力システム。
【請求項9】
前記利用状態検出手段は、人感センサである
請求項2〜8の何れか1項に記載の情報出力システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−5479(P2013−5479A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130944(P2011−130944)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(504093467)トヨタホーム株式会社 (391)
【Fターム(参考)】