説明

情報制御装置、情報制御方法、情報制御プログラム及び記録媒体

【課題】ND情報の受信に失敗したときの操作性を向上させる。
【解決手段】ND情報を受信し、このND情報によって受信した画情報を転送/配信する。ND情報を受信する受信手段と、受信手段がND情報を受信したか否かを判断する判定手段と、判定手段がND情報を受信しないと判断したとき、ND情報の送受信に関する処理を行う制御手段とを備える。制御手段は、下記(A)〜(F)のいずれかの処理を選択的に行う。
(A)ND情報の受信を切断し、次のND情報の受信まで待機する。
(B)受信エラーを表示する。
(C)受信エラーをレポート出力する。
(D)ND情報の送信元に受信エラーを通知する。
(E)ND情報又は受信エラーを他の通信機器に転送する。
(F)着信拒否送信元のND情報に該当するとき、受信を切断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信前情報通知サービス情報(以下、ND情報)を受信し、このND情報によって受信した画情報を転送/配信する情報制御装置、情報制御方法、情報制御プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ファクシミリ装置やパソコン等の通信機器では、ネットワーク網から通知されるND情報を使って転送/配信する機器が開発されている。このような通信機器では、通信に失敗したときに対する処置が必要であり、従来では、特許文献1及び2に記載されるような処置が行われている。すなわち、特許文献1記載の処置では、通信に失敗したとき別ルートによる転送/配信を行うものであり、特許文献2記載の処置では、転送失敗した受信側機器を変更するものである。
【特許文献1】特開2005−182683号公報
【特許文献2】特開2000−35867号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の処置では、情報自体の転送/配信する時のルートまたは転送/配信先を変更するだけである。従って、ノイズ等何らかの要因でND情報(通信前情報通知サービス情報)自体が受信できず、ND情報をキーとした転送/配信については、適用ができず、操作性が悪い問題を有している。
【0004】
本発明は、このような問題点を考慮してなされたものであり、ND情報自体が受信できない場合の制御を行うことにより、操作性を向上させることが可能な情報制御装置、情報制御方法、情報制御プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明の情報制御装置は、通信前情報通知サービス情報(以下、ND情報)を受信し、このND情報によって受信した画情報を転送/配信する情報制御装置であって、前記ND情報を受信する受信手段と、受信手段がND情報を受信したか否かを判断する判定手段と、判定手段がND情報を受信しないと判断したとき、ND情報の送受信に関する処理を行う制御手段とを備えていることを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の情報制御装置であって、前記制御手段は、下記(A)〜(F)のいずれかの処理を選択的に行うことを特徴とする。
(A)ND情報の受信を切断し、次のND情報の受信まで待機する。
(B)受信エラーを表示する。
(C)受信エラーをレポート出力する。
(D)ND情報の送信元に受信エラーを通知する。
(E)ND情報又は受信エラーを他の通信機器に転送する。
(F)着信拒否送信元のND情報に該当するとき、受信を切断する。
【0007】
請求項3記載の発明の情報制御方法は、ND情報を受信し、このND情報によって受信した画情報を転送/配信する情報制御方法であって、前記ND情報を受信する受信ステップと、ND情報を受信したか否かを判断する判定ステップと、ND情報を受信しないと判断したとき、ND情報の送受信に関する処理を行う制御ステップとを備えていることを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の情報制御方法であって、前記制御ステップにおいては、下記(a)〜(f)のいずれかの処理を選択的に行うことを特徴とする。
(a)ND情報の受信を切断し、次のND情報の受信まで待機する。
(b)受信エラーを表示する。
(c)受信エラーをレポート出力する。
(d)ND情報の送信元に受信エラーを通知する。
(e)ND情報又は受信エラーを他の通信機器に転送する。
(f)着信拒否送信元のND情報に該当するとき、受信を切断する。
【0009】
請求項5記載の発明のプログラムは、コンピュータに請求項3又は4記載の各ステップを実行させるための情報制御プログラムであることを特徴とする。
【0010】
請求項6記載の発明の記録媒体は、請求項5記載の情報制御プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、ND情報の受信ができないとき、ND情報の送受信に関する処理を行うため、操作性を向上させることができる情報制御装置、情報制御方法、情報制御プログラム及び記録媒体を提供可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を図示する実施形態により具体的に説明する。図1は、本発明の一実施形態における情報制御装置の構成を示すブロック図である。この情報制御装置としては、ファクシミリ装置に適用されるものである。
【0013】
図1において、操作部1は一般的なファクシミリ操作を行うことが可能である。ファクシミリに関するデータはアスキーコードでFAX制御部3内のRAMに記憶される。表示部2は操作部1を介して設定された送信条件等を表示する。
【0014】
操作部1からファクシミリ発信動作が行われると、FAX制御部3の制御により送信原稿が読取り部4で読み取られ、メモリ7を介して信号発生部6において専用伝送フォーマットに組み立てられ、ファクシミリの場合は回線制御部8を介し、メールの場合はネットワーク制御部9を介して設定された相手先に送信される。回線制御部8及びネットワーク制御部9は、ND情報を受信する受信手段として機能する。
【0015】
受信したフォーマットは、FAX制御部3により分解されて解読され、画像はメモリ7に記憶されると共に記録部5により記録紙に出力される。FAX制御部3は、ファクシミリ装置全体の制御を行う。この実施形態において、FAX制御部3は、ND情報を受信したか否かを判断する判定手段及びND情報を受信しないとき、ND情報の送受信に関する処理を行う制御手段として機能する。
【0016】
この実施形態において、ND受信失敗時の各種設定情報は、操作部1により設定されるとFAX制御部3内のRAMに記憶される。以下に設定情報を説明する。
【0017】
(1)ND情報受信失敗時の機器代替動作情報
ND情報受信失敗時に代替動作させる種別として、『自機出力』、『回線切断』、『番号入力によるリカバリ』、『受信失敗時通知』、『登録宛先への転送』の5つ何れかの設定がされ記憶される。図1に示すファクシミリ装置(以下、機器)は、ND情報受信失敗時に、本設定情報に従い代替動作を行う。
【0018】
(2)ND情報受信失敗時のレポート出力設定情報
ND情報受信失敗時に、機器よりそれを通知するレポートの出力有無を設定記憶される。機器は、ND情報受信失敗時本設定情報でレポート出力有りの場合にレポート出力する。
【0019】
(3)ND情報受信失敗時の履歴出力設定情報
ND情報受信失敗時に、機器よりND受信動作に関する履歴情報を出力する・しないかが設定記憶される。機器は、ND情報受信する場合、常にその動作を履歴として記憶するが、特に、ND情報受信失敗時、本設定情報で出力する設定がされている場合に機器から履歴情報を出力する。
【0020】
(4)ND情報受信失敗時の着信拒否設定情報
ND情報受信失敗し且つ着信拒否する送信元宛先が1つでも登録されている時に受信切断する・しないかが設定記憶される。
【0021】
(5)受信失敗時の通知先設定情報
機器代替動作で『受信失敗時通知』が設定された時に、通知される宛先が設定記憶される。
【0022】
(6)受信失敗時の転送先設定情報
機器代替動作で『登録宛先への転送』が設定された時に、受信画像を転送する宛先が設定記憶される。
【0023】
(7)着信拒否送信元リスト
このリストは、図4に示すように、着信拒否する送信元宛先番号情報を設定記憶する。機器は、ND情報を受信しその発信元情報が本リストに登録されているとき、またはND受信失敗したときに、図4のリストに1つ以上の送信元宛先が登録されているときに受信切断する。
【0024】
図2は、以上の各種設定情報に基づくND受信失敗時の代替動作フローを示す。なお、図2のフローは、『番号入力によるリカバリ』以外の代替動作フローであり、代替動作として『番号入力によるリカバリ』が設定されている時は、図3のような受信ファイルの再転送/配信する動作フローを行う。
【0025】
ND情報受信失敗すると、図2の処理を開始する。着信拒否設定情報をチェックする(ステップS11)。拒否設定されている場合で、且つ着信拒否送信元リストに1つ以上の送信元が登録されている時に(ステップS11/YES)、受信を切断する(ステップS12)。切断後、終了処理へ移行する。
【0026】
拒否設定されている場合で、且つ着信拒否送信元リストに1つ以上の送信元が登録されていない場合(ステップS11/NO)、代替動作情報をチェックする(ステップS13)。『回線切断』設定されている場合は(ステップS13/YES)、ステップS12に移行して受信切断し、終了へ移行する。『回線切断』設定されていない場合は(ステップS13/NO)、ファクシミリ受信を行い受信画像をメモリ7に蓄積する(ステップS14)。
【0027】
ステップS14に続くステップS15では、代替動作情報をチェックする(ステップS15)。そして、『自機出力』が設定されている場合は(ステップS15/YES)、受信画像を出力する(ステップS16)。その後、受信画像を削除する(ステップS21)。その後、ステップS22へ移行する。『自機出力』が設定されていない場合は(ステップS15/NO)、代替動作情報をチェックする(ステップS17)。
【0028】
代替動作情報をチェックし、『受信失敗時通知』が設定されていると判断した場合(ステップS17/YES)、ND受信失敗したことを通知先情報に設定された宛先に通知し(ステップS18)、その後、受信画像を削除し(ステップS21)、ステップS22へ移行する。
代替動作情報をチェックし、『受信失敗時通知』が設定されていないと判断した場合(ステップS17/NO)、代替動作情報をチェックする(ステップS19)。
【0029】
代替動作情報をチェックし、『登録宛先への転送』が設定されていると判断した場合は(ステップS19/YES)、転送先設定情報に設定されている宛先に受信画像を転送/配信する(ステップS20)。その後、受信画像を削除する(ステップS21)。削除後、ステップS22へ移行する。代替動作情報をチェックし、『登録宛先への転送』が設定されていないと判断した場合は(ステップS19/NO)、レポート出力設定情報をチェックする(ステップS22)。
【0030】
ステップS22の処理のレポート出力設定情報をチェック後、出力有りと判断した場合は(ステップS22/YES)、オペレータにND受信失敗したことを通知するためにレポート出力する(ステップS25)。ステップS22の処理のレポート出力設定情報をチェック後、出力なしと判断した場合は(ステップS22/NO)、ログ出力有りか否かを判断する(ステップS24)。
【0031】
ステップS24では、履歴出力設定情報をチェックし、出力すると判断した場合は(ステップS24/YES)、ND情報受信失敗に関する履歴情報を出力し、オペレータに履歴情報を元に機器環境の調整を促す(ステップS25)。ステップS24の処理で、履歴出力設定情報をチェックし、出力しないと判断した場合は(ステップS24/NO)、処理を終了する。
【0032】
以上の処置により、ND情報の受信が行われなかった場合の操作性が向上する。
【0033】
図3は、代替動作情報に『番号入力によるリカバリ』が設定されていた場合におけるオペレータによる番号再入力後の動作フローである。すなわち、『番号入力によるリカバリ』以外の代替動作を終了し、蓄積中の受信画像がある場合は図3のフローに従いオペレータによる番号入力を待ち、設定されると、設定された受信画像が当該情報を元に転送/配信動作及び転送/配信済み画像の削除を行う。
【0034】
図3のステップS31において、『番号入力によるリカバリ』以外の代替動作設定を終了したか否かを判断する(ステップS31)。『番号入力によるリカバリ』以外の代替動作設定を終了したと判断した場合(ステップS31/YES)、ステップS32に移行し、受信画像有無をチェックする(ステップS32)。『番号入力によるリカバリ』以外の代替動作設定を終了していないと判断した場合、(ステップS31/NO)、処理を終了する。ステップS32の処理では、受信画像有無をチェックし、画像が無いと判断した場合は(ステップS31/YES)、終了処理へ移行する。
【0035】
ステップS32において、画像が存在すると判断した場合には(ステップS32/YES)、オペレータに、ND受信失敗し受信画像が存在することを表示部2に表示して通知する。オペレータは受信画像が存在することの通知を受け、機器通信履歴表示等により当該画情報の送信元を確認し送信元番号を操作部1から入力する(ステップS33)。ステップS32において、画像が存在しないと判断した場合には(ステップS32/NO)、処理を終了する。
【0036】
ステップS33の処理後、オペレータにより番号入力されているかチェックする(ステップS34)。オペレータにより番号入力されているかチェックされていれば(ステップS34/YES)、当該画像を予め登録されている転送先に転送/配信する(ステップS35)。入力されていない場合は(ステップS34/NO)、ステップS32の処理に戻り、再び、受信画像の有無をチェックする。
【0037】
このような処置により、ND情報受信失敗時に、オペレータにより設定された代替動作に従い動作することができ、操作性が向上する。
【0038】
本発明の情報制御プログラムは、以上のフローチャートが記録されてコンピュータに実行させるプログラムである。本発明の記録媒体は、この制御制御プログラムをコンピュータが読取可能に記録された記録媒体である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】情報制御のフローチャートである。
【図3】図2に続く情報制御のフローチャートである。
【図4】着信拒否送信元のリスト例を示す正面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 操作部
2 表示部
3 FAX制御部
4 読取り部
5 記録部
6 信号発生部
7 メモリ
8 回線制御部
9 ネットワーク制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信前情報通知サービス情報(以下、ND情報)を受信し、前記ND情報によって受信した画情報を転送/配信する情報制御装置であって、
前記ND情報を受信する受信手段と、
前記受信手段が前記ND情報を受信したか否かを判断する判定手段と、
前記判定手段が前記ND情報を受信しないと判断したとき、前記ND情報の送受信に関する処理を行う制御手段とを備えていることを特徴とする情報制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、下記(A)〜(F)のいずれかの処理を選択的に行うことを特徴とする請求項1記載の情報制御装置。
(A)ND情報の受信を切断し、次のND情報の受信まで待機する。
(B)受信エラーを表示する。
(C)受信エラーをレポート出力する。
(D)ND情報の送信元に受信エラーを通知する。
(E)ND情報又は受信エラーを他の通信機器に転送する。
(F)着信拒否送信元のND情報に該当するとき、受信を切断する。
【請求項3】
ND情報を受信し、前記ND情報によって受信した画情報を転送/配信する情報制御方法であって、
前記ND情報を受信する受信ステップと、前記ND情報を受信したか否かを判断する判定ステップと、
前記ND情報を受信しないと判断したとき、前記ND情報の送受信に関する処理を行う制御ステップとを備えていることを特徴とする情報制御方法。
【請求項4】
前記制御ステップにおいては、下記(a)〜(f)のいずれかの処理を選択的に行うことを特徴とする請求項3記載の情報制御方法。
(a)ND情報の受信を切断し、次のND情報の受信まで待機する。
(b)受信エラーを表示する。
(c)受信エラーをレポート出力する。
(d)ND情報の送信元に受信エラーを通知する。
(e)ND情報又は受信エラーを他の通信機器に転送する。
(f)着信拒否送信元のND情報に該当するとき、受信を切断する。
【請求項5】
コンピュータに請求項3又は4記載の各ステップを実行させるための情報制御プログラム。
【請求項6】
請求項5記載の情報制御プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−227765(P2008−227765A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−61004(P2007−61004)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】