説明

情報提供プログラム、該プログラムを記録した記録媒体、情報提供装置、および情報提供方法

【課題】低コストかつ安全管理の向上を図ること。
【解決手段】問い合わせ情報の表示画面600には、治療対象部位の画像情報となる歯列が表示されている。ここでは、『歯科における過去および現在の時系列順の治療箇所』という問い合わせ情報であるとする。まず、(A)の状態からカーソル601を移動させて右上7番の歯を選択することで(B)の状態となる。(B)では、選択された歯は黒塗りに反転表示される。丸数字は選択順をあらわす数字である。つぎに、(B)の状態からカーソル601を移動させて左下6番の歯を選択することで(C)の状態となる。最後に、(C)の状態からカーソル601を移動させて右下6番の歯を選択することで(D)の状態となる。このあと、送信ボタン602をクリックすることで、『右上7→左下6→右下6』という回答情報が情報提供装置に送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、患者の本人認証をおこなう情報提供プログラム、該プログラムを記録した記録媒体、情報提供装置、および情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療機関が保有する患者のカルテを見たいという要求が高まっており、今後、医療機関のカルテ情報等を患者に対して開示することが考えられる。そのような個人情報の開示を、ネットワークを介して行う場合、一般的なパスワードによる認証では不十分である。そのため、利用者端末に備えた生体情報取得装置によって取得した生体情報を用いて認証を行う技術が開示されている(下記特許文献1を参照。)。
【0003】
この特許文献1の従来技術では、試験機関が取得を依頼された個人情報の取得を完了したとき該個人情報に識別番号を添付して個人情報保管サービス機関へ送出し、個人情報保管サービス機関が個人から個人の生体情報を提示して上記個人情報の開示を求められたとき、提示された生体情報と保管されている生体情報とを照合し、両者が一致したとき、上記個人情報を開示する。
【0004】
【特許文献1】特開2002−132932号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術では、利用者端末に生体情報取得装置を備える必要があり、利用者端末のコストが高くなり、利用者の経済的負担が増大するという問題が生じることとなる。また、生体情報取得装置を備えていない利用者端末の利用者は情報提供を受けることができないため、汎用性に乏しく、生体情報取得装置を備えている利用者端末の利用者にしか普及しないという問題が生じることとなる。
【0006】
また、サーバには患者の電子カルテのほか患者の生体情報が登録されるが、生体情報は不変された情報であるため、生体情報が漏洩した場合、変更することができない。たとえば、登録された眼球の虹彩データが漏洩した場合、その虹彩データを変更することができない。したがって、万が一、生体情報が漏洩した場合、人体の別の部位の生体情報に変更しなければならない。たとえば、虹彩データが漏洩した場合は指紋データに変更するなど大幅なシステム変更を余儀なくされる。このため、情報提供サービスの運用面でのコストが増大するという問題が生じることとなる。
【0007】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、低コストかつ安全管理の向上を図ることができる情報提供プログラム、該プログラムを記録した記録媒体、情報提供装置、および情報提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる情報提供プログラム、該プログラムを記録した記録媒体、情報提供装置、および情報提供方法は、患者の電子カルテを生成し、生成された電子カルテを更新し、更新後の電子カルテに記録されている診療内容を特定する情報を取得し、前記患者の通信端末から送信された診療内容を特定する情報と、取得された診療内容を特定する情報とに基づいて、前記患者の認証をおこない、前記患者が認証された場合、前記更新後の電子カルテを前記患者の通信端末に送信することを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、同一の患者であっても電子カルテの更新前後において診療内容を特定する情報を異ならせることができる。
【0010】
また、上記発明において、現時点からさかのぼって所定回数分または所定期間分の診療内容を特定する情報を取得することとしてもよい。
【0011】
この発明によれば、最新の情報により診療内容を特定する情報を取得することができ、所定回数以前または所定期間以前の過去の情報を除外することができる。したがって、上記過去の情報を知った悪意の要求者による認証を防止することができる。
【0012】
また、上記発明において、前記治療内容を特定する情報は、前記患者に対する治療箇所を特定する情報であり、前記患者の通信端末から送信された診療内容を特定する情報は、前記患者に選ばれた治療箇所を特定する入力情報であることとしてもよい。
【0013】
また、前記治療内容を特定する情報は、治療箇所およびその治療順を特定する情報であり、前記患者の通信端末から送信された診療内容を特定する情報は、前記患者に選ばれた治療箇所およびその治療順を特定する入力情報であることとしてもよい。
【0014】
さらに、前記治療内容を特定する情報は、前記患者を診療した診療科を特定する情報であり、前記患者の通信端末から送信された診療内容を特定する情報は、前記患者に選ばれた前記患者を診療した診療科を特定する入力情報であることとしてもよい。
【0015】
これらの発明によれば、患者が実際に治療を受けた治療箇所により認証することができるため、セキュリティの向上を図ることができる。また、電子カルテの更新により、治療箇所が追加された場合、診療内容を特定する情報の固定化を防止することができる。また、診療内容を特定する情報は患者しか知りえない情報であるため、真の患者であれば容易に回答を導き出すことが期待できる。
【0016】
また、上記発明において、前記治療内容を特定する情報は、前記患者を診療した診療科を特定する情報であり、前記患者の通信端末から送信された診療内容を特定する情報は、前記患者に選ばれた前記患者を診療した診療科を特定する入力情報であることとしてもよい。
【0017】
また、前記治療内容を特定する情報は、前記患者を診療した診療科およびその診療順を特定する情報であり、前記患者の通信端末から送信された診療内容を特定する情報は、前記患者に選ばれた前記患者を診療した診療科およびその診療順を特定する入力情報であることとしてもよい。
【0018】
この発明によれば、患者が実際に診療を受けた診療科により認証することができるため、セキュリティの向上を図ることができる。また、電子カルテの更新により、診療科が追加された場合、診療内容を特定する情報の固定化を防止することができる。また、診療内容を特定する情報は患者しか知りえない情報であるため、真の患者であれば容易に回答を導き出すことが期待できる。
【0019】
また、上記発明において、前記診療内容を特定する情報を解答情報とした場合、当該解答情報に対する問い合わせ情報を前記患者の通信端末に対して送信し、前記患者の通信端末から送信された診療内容を特定する情報を、前記問い合わせ情報送信工程によって送信された問い合わせ情報に対する回答情報として受信し、受信された回答情報と前記解答情報とに基づいて、前記患者の認証をおこなうこととしてもよい。
【0020】
この発明によれば、同一の患者であっても電子カルテの更新前後において異なる解答情報を生成することができる。
【0021】
また、上記発明において、前記問い合わせ情報は、治療箇所に関する問い合わせ情報であり、前記解答情報は、前記患者に対する治療箇所を特定する情報であり、前記回答情報は、前記治療箇所に関する問い合わせ情報に応じて前記患者に選ばれた治療箇所を特定する入力情報であることとしてもよい。
【0022】
さらに、上記発明において、前記問い合わせ情報は、治療箇所およびその治療順に関する問い合わせ情報であり、前記解答情報は、前記患者に対する治療箇所およびその治療順を特定する情報であり、前記回答情報は、前記治療箇所およびその治療順に関する問い合わせ情報に応じて前記患者に選ばれた治療箇所およびその治療順を特定する入力情報であることとしてもよい。
【0023】
この発明によれば、患者が実際に治療を受けた治療箇所を解答情報として生成することができるため、セキュリティの向上を図ることができる。また、電子カルテの更新により、治療箇所が追加された場合、先に生成された解答情報とは異なるあらたな解答情報が生成されるため、解答情報の固定化を防止することができる。また、治療箇所を解答情報としているため、真の患者であれば容易に回答を導き出すことが期待できる。
【0024】
また、上記発明において、前記問い合わせ情報は、診療科に関する問い合わせ情報であり、前記解答情報は、前記患者を診療した診療科を特定する情報であり、前記回答情報は、前記診療科に関する問い合わせ情報に応じて前記患者に選ばれた診療科およびその診療順を特定する入力情報であることとしてもよい。
【0025】
さらに、上記発明において、前記問い合わせ情報は、診療科およびその診療順に関する問い合わせ情報であり、前記解答情報は、前記患者を診療した診療科およびその診療順を特定する情報であり、前記回答情報は、前記診療科およびその診療順に関する問い合わせ情報に応じて前記患者に選ばれた前記診療科およびその診療順を特定する入力情報であることとしてもよい。
【0026】
この発明によれば、患者が実際に診療を受けた診療科を解答情報として生成することができるため、セキュリティの向上を図ることができる。また、電子カルテの更新により、診療科が追加された場合、先に生成された解答情報とは異なるあらたな解答情報が生成されるため、解答情報の固定化を防止することができる。また、診療科を解答情報としているため、真の患者であれば容易に回答を導き出すことが期待できる。
【発明の効果】
【0027】
本発明にかかる情報提供プログラム、該プログラムを記録した記録媒体、情報提供装置、および情報提供方法によれば、低コストかつ安全管理の向上を図ることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる情報提供プログラム、該プログラムを記録した記録媒体、情報提供装置、および情報提供方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0029】
(情報提供システムの概略構成)
まず、この発明の実施の形態にかかる情報提供システムの概略構成について説明する。図1は、この発明の実施の形態にかかる情報提供システムの概略構成を示す説明図である。
【0030】
図1において、情報提供システム100は、サーバとして機能する情報提供装置101と患者の通信端末103とが、インターネットや携帯電話網などのネットワーク102を介して相互に交信可能に接続されている。情報提供装置101は、電子カルテDB110を備えているコンピュータ装置である。電子カルテとは、患者の病状・処置・経過などを記録したカルテを電子化した情報であり、患者ごとに登録されている。電子カルテDB110の詳細については後述する。
【0031】
また、情報提供装置101は、病院、医院などの医療機関に設置されている。また、各病院や医院などのコンピュータ端末とネットワーク102を介して接続された上位のサーバであってもよい。
【0032】
また、通信端末103は、患者が利用するコンピュータ装置であり、ネットワーク102を利用した通信機能や情報をディスプレイに表示するブラウザ機能を備える。通信端末103は、患者が所有するパーソナル・コンピュータでもよく、また、携帯電話機であってもよい。
【0033】
(コンピュータ装置のハードウェア構成)
つぎに、図1に示したコンピュータ装置のハードウェア構成について説明する。図2は、図1に示したコンピュータ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図2において、コンピュータ装置は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、HDD(ハードディスクドライブ)204と、HD(ハードディスク)205と、FDD(フレキシブルディスクドライブ)206と、着脱可能な記録媒体の一例としてのFD(フレキシブルディスク)207と、ディスプレイ208と、I/F(インターフェース)209と、キーボード210と、マウス211と、スキャナ212と、プリンタ213と、を備えている。また、各構成部はバス200によってそれぞれ接続されている。
【0034】
ここで、CPU201は、コンピュータ装置の全体の制御を司る。ROM202は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。HDD204は、CPU201の制御にしたがってHD205に対するデータのリード/ライトを制御する。HD205は、HDD204の制御で書き込まれたデータを記憶する。
【0035】
FDD206は、CPU201の制御にしたがってFD207に対するデータのリード/ライトを制御する。FD207は、FDD206の制御で書き込まれたデータを記憶したり、FD207に記憶されたデータをコンピュータ装置に読み取らせたりする。
【0036】
また、着脱可能な記録媒体として、FD207のほか、CD−ROM(CD−R、CD−RW)、MO、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリーカードなどであってもよい。ディスプレイ208は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。このディスプレイ208は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
【0037】
I/F209は、通信回線を通じてインターネットなどのネットワーク102に接続され、このネットワーク102を介して他の装置に接続される。そして、I/F209は、ネットワーク102と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。I/F209には、たとえばモデムやLANアダプタなどを採用することができる。
【0038】
キーボード210は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力をおこなう。また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。マウス211は、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウィンドウの移動やサイズの変更などをおこなう。ポインティングデバイスとして同様に機能を備えるものであれば、トラックボールやジョイスティックなどであってもよい。
【0039】
スキャナ212は、画像を光学的に読み取り、コンピュータ装置内に画像データを取り込む。なお、スキャナ212は、OCR機能を持たせてもよい。また、プリンタ213は、画像データや文書データを印刷する。プリンタ213には、たとえば、レーザプリンタやインクジェットプリンタを採用することができる。
【0040】
(電子カルテDB110の記憶内容)
つぎに、図1に示した電子カルテDB110の記憶内容について説明する。図3は、電子カルテDB110の記憶内容を示す説明図である。図3において、電子カルテDB110は、患者ごとに患者情報および診療履歴情報からなる電子カルテが記憶されている。
【0041】
患者情報には、患者IDと個人情報が含まれている。患者IDとは、患者を特定する識別情報であり、個人情報や診療履歴情報と関連付けられている。個人情報には、その患者の氏名、連絡先(住所、電話番号、電子メールアドレスなど)、保険証番号、性別、年齢、血液型などが含まれている。
【0042】
また、診療履歴情報には、患者の診療内容に関する情報が記憶されている。具体的には、診療科、初診日、治療箇所、治療ステータス、治療部位画像などが記憶されている。なお、治療ステータスとは、治療完了の有無を示すフラグであり、たとえば、「1」の場合は治療完了であり、「0」場合は治療中であることを示している。
【0043】
ここで、患者ID:i(i=1〜N)の患者(以下、「患者i」と称す。)を例に挙げると、当該患者iは、2002年3月7日、2005年12月5日、および2006年9月27日に歯科において歯の治療を受けている。2002年3月7日における診療では、右上7番の歯を治療しており、2005年12月5日における診療では、左下6番の歯を治療しており、2006年9月27日における診療では、右下6番の歯を治療している。
【0044】
また、右上7番および左下6番の歯は治療が完了しており、右下6番の歯は治療中である。治療部位画像Gi1では、治療が完了している右上7番および左下6番の歯については黒塗りであらわしており、治療中である右下6番の歯についてはハッチングであらわしている。また、患者iは2004年6月10日には、眼科において左目の治療を受けている。
【0045】
なお、図3では、特に医師の診断内容は示されていないが、医師の診断内容も電子カルテDB110には含まれていることとしてもよい。この場合、通信端末103に電子カルテが送信される場合には、その診断内容も電子カルテの一部として送信されて、開示されることとなる。
【0046】
(情報提供装置101の機能的構成)
つぎに、この発明の実施の形態にかかる情報提供装置101の機能的構成について説明する。図4は、この発明の実施の形態にかかる情報提供装置101の機能的構成を示すブロック図である。図4において、情報提供装置101は、電子カルテDB110と、受信部401と、生成/更新部402と、取得部403と、作成部404と、送信部405と、認証部406とを備えている。これら各機能的構成401〜406は、具体的には、たとえば、図2に示したROM202,RAM203,HD205などの記録媒体に記録されているプログラムを、CPU201に実行させることによって、またはI/F209によって、その機能を実現する。
【0047】
まず、受信部401は、通信端末103からの各種情報を受信する機能を有する。受信する情報としては、たとえば、患者の電子カルテの取得要求や、通信端末103で入力された入力診療内容特定情報が含まれる。取得要求には、患者IDや送信元の通信端末103を特定するIPアドレスや個体識別情報が含まれている。
【0048】
また、入力診療内容特定情報とは、通信端末103からその患者により入力され、患者の現在までの診療内容を特定した入力情報である。たとえば、図3に示した患者iであれば、診療科:歯科に関して治療箇所:右上7,左下6といった入力情報である。この情報は医師以外は患者しか知りえない情報である。情報提供装置101では、この入力診療内容特定情報を受信して本人認証をおこなう。なお、後述する問い合わせ情報に応じて送信されてきた入力診療内容特定情報を、「回答情報」と称す。
【0049】
また、生成/更新部402は、医師の入力操作により患者の電子カルテの生成/更新をおこなう機能を有する。はじめて診療を受けた患者であれば、その診療内容を記録することにより当該患者固有の電子カルテを生成する。生成された電子カルテは、電子カルテDB110に記憶される。また、電子カルテを更新する場合、当該患者IDをてがかりとしてその患者の電子カルテを電子カルテDB110から呼び出し、診療内容をあらたに記録し、更新後の電子カルテが電子カルテDB110に記憶される。
【0050】
また、取得部403は、電子カルテに記録されている診療内容を特定する情報(以下、「診療内容特定情報」という)を取得する機能を有する。具体的には、受信部により電子カルテの取得要求が受信されたことをトリガとして、診療内容特定情報を取得する。診療内容特定情報とは、診療内容そのものでもよく、診療内容の一部を抜粋した情報でもよい。たとえば、図3において、患者iに着目すると、当該患者iの診療履歴情報のすべてを、診療内容特定情報としてもよく、また、診療科:歯科に関する診療履歴情報を、診療内容特定情報としてもよい。
【0051】
また、取得対象となる電子カルテは、最新の電子カルテである。したがって、患者iについて診療科:歯科に関する診療履歴情報を診療内容特定情報とする場合、電子カルテの取得要求が2006年8月1日とすると、治療箇所:右上6,左下6についての診療履歴情報が取得対象となる。
【0052】
その後、電子カルテの取得要求が2006年9月28日以降にあると、診療履歴情報には、治療箇所:右下6が追加登録されているため、治療箇所:右上6,左下6,右下6についての診療履歴情報が取得対象となる。このように、取得対象となる診療内容特定情報は、電子カルテの更新状況によって異なることとなる。
【0053】
この診療内容特定情報は、入力診療内容特定情報と一致判定をおこなうための情報である。この診療内容特定情報は、患者しか知りえない情報であり、また、診療/治療をおこなうたびに電子カルテの診療履歴情報が更新されるため、患者固有な情報でありながら変化するという特殊性を有する。その反面、患者は実際に治療を受けているため、複雑な記号列からなるパスワードなどのように無理に覚える必要はなく、自然に患者の頭の中に入っているため思い出しやすいという利点がある。
【0054】
また、作成部404は、問い合わせ情報を作成する機能を有する。問い合わせ情報とは、患者に診療内容を問い合わせる情報であり、具体的には、過去に治療した治療箇所、現在治療中の治療箇所、過去に診療をうけた診療科、現在診療を受けている診療科などの診療箇所の選択を促す情報である。問い合わせ情報はあらかじめ設定された情報であってもよく、電子カルテの取得要求を受信される都度ランダムに変更することとしてもよい。問い合わせ情報を生成する場合、特に上述した診療内容特定情報を「解答情報」と称す。
【0055】
たとえば、『過去または/および現在の治療箇所』、『過去x回分の治療箇所』、『○○科における過去または/および現在の診療科』といった問い合わせ情報が得られる。また、『○○科における過去x回分の治療箇所』や『○○科における過去xヶ月分の治療箇所』といったような現時点からさかのぼった回数または期間分の問い合わせ情報としてもよい。これによると、電子カルテが更新されることにより問い合わせ情報に対する解答情報が変化するため、解答情報の固定化を防止することができる。
【0056】
また、問い合わせ情報には、診療/治療順などの時系列順を条件に含めてもよい。また、この問い合わせ情報には、患者の入力を容易にするため、治療対象部位の画像情報を含めるのが好ましい。たとえば、歯科における治療箇所の入力を促す場合には、上下の歯列をあらわした画像情報を送信することにすればよい。
【0057】
また、送信部405は、生成部403や認証部406で得られた各種情報を通信端末103に送信する機能を有する。たとえば、通信端末103に問い合わせ情報を送信する。問い合わせ情報は、通信端末103のブラウザ機能により表示される。患者は表示内容にしたがって、入力キーやタッチパネルにより回答情報を入力する。入力された回答情報は受信部401に受信される。
【0058】
患者は、過去/現在の治療箇所/診療科を思い出して回答情報を入力することとなる。また、治療/診療の順番も認証の判断基準となる場合には、時系列順に入力することとなる。たとえば、問い合わせ情報が『歯科における過去3回分の治療箇所』である場合、患者iは『右上7→左下6→右下6』と入力することにより時系列的な回答情報とすることができる。同様に、問い合わせ情報が(診療科を問わない)『過去4回分の診療科』である場合、『歯科→眼科→歯科→歯科』と入力することにより時系列的な回答情報とすることができる。
【0059】
また、送信部405は、認証部406により認証処理が実行された場合、その認証結果に応じた情報を送信する。たとえば、認証されなかった場合は、認証NGをあらわす画面情報を送信する。一方、認証された場合は、その患者の電子カルテを送信する。
【0060】
また、認証部406は、患者の本人認証をおこなう機能を有する。具体的には、通信端末103から送信されてくる入力診療内容特定情報(または回答情報)が当該患者の電子カルテから得られた診療内容特定情報(または解答情報)と一致する場合は認証されたこととなり、不一致である場合は認証されないこととなる。
【0061】
たとえば、患者iの通信端末103に『歯科における過去2回分の治療箇所』という問い合わせ情報を送信した場合、患者iの電子カルテの診療履歴情報では、2002年3月7日における診療で右上7番の歯を治療しており、2005年12月5日における診療で左下6番の歯を治療しているため、解答情報は『右上7→左下6』となる。この場合、患者iの通信端末103からの回答情報が『右上7→左下6』であれば、認証されることとなる。
【0062】
この場合、患者iの通信端末103から『左上7→右下7』という回答情報が受信された場合は、解答情報『右上7→左下6』と不一致であるため、認証されないこととなる。また、上記問い合わせ情報において時系列順(たとえば、古い順)という条件指定がされている場合において、患者iの通信端末103から『左下6→右上7』という回答情報が受信された場合も、解答情報『右上7→左下6』と不一致であるため、認証されないこととなる。なお上記条件指定がない場合は一致することとなるため認証される。
【0063】
なお、『X→…→Y→…→Z』という表記がなされた場合、Xが時間的に最も古く、Zが時間的に最新となる。なお、X,Y,Zは診療科/治療箇所をあらわしている。
【0064】
つぎに、患者の通信端末103に表示される画面例について説明する。図5は、電子カルテの取得要求画面の一例を示す説明図である。図5において、取得要求画面500には、患者名の入力欄501と患者IDの入力欄502と送信ボタン503とが表示されている。患者は通信端末103の入力キーやマウスを用いて患者名および患者IDをそれぞれの入力欄501,502に入力して送信ボタン503をクリックすることで、患者名および患者IDを含む取得要求が情報提供装置101に送信される。
【0065】
図6は、患者の通信端末103における問い合わせ情報の表示画面の一例を示す説明図である。問い合わせ情報の表示画面600には、治療対象部位の画像情報となる歯列が表示されている。ここでは、『歯科における過去および現在の時系列順の治療箇所』という問い合わせ情報であるとする。図6では、(A)〜(D)の順に患者が選択入力をおこなっており、(A)は未選択の画面、(B)は最も古い治療箇所を選択したときの画面、(C)は次に古い治療箇所を選択したときの画面、(D)は現在の治療箇所を選択したときの画面である。
【0066】
まず、(A)の状態からカーソル601を移動させて右上7番の歯を選択することで、(B)に示した状態となる。(B)では、選択された歯は黒塗りに反転表示される。なお、丸数字は選択順をあらわす数字である。
【0067】
つぎに、(B)の状態からカーソル601を移動させて左下6番の歯を選択することで、(C)に示した状態となる。最後に、(C)の状態からカーソル601を移動させて右下6番の歯を選択することで、(D)に示した状態となる。このあと、送信ボタン602をクリックすることで、選択された歯およびその選択順をあらわす『右上7→左下6→右下6』という回答情報が情報提供装置101に送信される。
【0068】
図7は、認証された場合に通信端末103に表示された電子カルテの一例を示す説明図である。図7では、患者iの電子カルテ700を示している。電子カルテ700には、患者iの患者情報、診療履歴情報、治療部位画像Gi1が表示されている。また、図8は、認証されなかった場合に通信端末103に表示される認証NG情報画面の一例を示す説明図である。認証NG情報画面800において、カーソル801を移動させてリトライボタン802をクリックすると、再度問い合わせ情報が情報提供装置101から送信され、終了ボタン803をクリックすると、情報提供サービスが終了する。
【0069】
(電子カルテの生成/更新処理手順)
つぎに、この発明の実施の形態にかかる電子カルテの生成/更新処理手順について説明する。図9は、この発明の実施の形態にかかる電子カルテの生成/更新処理手順を示すフローチャートである。図9において、まず、生成/更新部402により電子カルテを生成する(ステップS901)。そして、電子カルテDB110に、生成された電子カルテを保存する(ステップS902)。
【0070】
このあと、電子カルテの取得要求が患者の通信端末から受信されたか否かを判断する(ステップS903)。取得要求が受信されていない場合(ステップS903:No)、患者IDが入力されたか否かを判断する(ステップS904)。患者IDが入力されていない場合(ステップS904:No)、ステップS903に戻る。
【0071】
一方、患者IDが入力された場合(ステップS904:Yes)、当該患者IDの電子カルテを電子カルテDB110から呼び出す(ステップS905)。そして、あらたな診療内容を入力することにより、電子カルテを更新する(ステップS906)。そのあと、ステップS903に戻る。
【0072】
一方、ステップS903において、電子カルテの取得要求が受信された場合(ステップS903:Yes)、情報提供処理を実行する(ステップS907)。この情報提供処理のあと、ステップS903に移行する。
【0073】
(情報提供処理手順(その1))
つぎに、図9のステップS907に示した情報提供処理について説明する。図10は、この発明の実施の形態にかかる情報提供処理手順(その1)を示すフローチャートである。図10において、ステップS903:Yesのあと、患者の通信端末103から、入力診療内容特定情報が受信されるのを待ち受け(ステップS1001:No)、受信された場合(ステップS1001:Yes)、患者IDを特定する(ステップS1002)。ここでは、患者iが特定されたこととする。
【0074】
そして、当該患者iの電子カルテを電子カルテDB110から呼び出して(ステップS1003)、呼び出された電子カルテから診療内容特定情報を取得する(ステップS1004)。このあと、入力診療内容特定情報と診療内容特定情報との一致判定により、患者が認証されたか否かを判断する(ステップS1005)。認証された場合(ステップS1005:Yes)、その患者の最新の電子カルテを患者の通信端末103に送信する(ステップS1006)。
【0075】
一方、認証されなかった場合(ステップS1005:No)、すなわち不一致であった場合、ステップS1007に移行する。ステップS1007では、送信部405により、取得要求元の通信端末103に認証NG情報を送信する。これにより、取得要求元の通信端末103では、図8に示した認証NG情報画面800が表示されることとなる。そして、終了か否かを判断する(ステップS1008)。具体的には、リトライボタン802をクリックした場合(ステップS1008:No)、ステップS1001に戻り、終了ボタン803をクリックした場合(ステップS1008:Yes)、ステップS903に戻る。
【0076】
(情報提供処理手順(その2))
図11は、この発明の実施の形態にかかる情報提供処理手順(その2)を示すフローチャートである。図11において、ステップS903:Yesのあと、患者IDを特定する(ステップS1001)。ここでは、患者iが特定されたこととする。
【0077】
そして、当該患者iの電子カルテを電子カルテDB110から呼び出して(ステップS1102)、この電子カルテに基づいて、解答情報を取得する(ステップS1103)。このあと、問い合わせ情報を作成して、取得要求元となる通信端末103に送信する(ステップS1104)。
【0078】
このあと、取得要求元の通信端末103から回答情報が受信されたか否かを判断する(ステップS1105)。受信されていない場合(ステップS1105:No)、タイムアウトになったか否かを判断する(ステップS1106)。タイムアウトでない場合(ステップS1106:No)、ステップS1105に戻る。一方、タイムアウトである場合(ステップS1108:Yes)、ステップS1108に移行する。
【0079】
また、ステップS1105において回答情報が受信された場合(ステップS1105:Yes)、認証部406により認証処理をおこなう(ステップS1107)。すなわち、ステップS1103で取得された解答情報とステップS1105で受信された回答情報とが一致するか否かを判断する。
【0080】
認証されなかった場合(ステップS1107:No)、すなわち不一致であった場合、ステップS1108に移行する。ステップS1108では、送信部405により、取得要求元の通信端末103に認証NG情報を送信する。これにより、取得要求元の通信端末103では、図8に示した認証NG情報画面800が表示されることとなる。
【0081】
そして、終了か否かを判断する(ステップS1109)。具体的には、リトライボタン802をクリックした場合(ステップS1109:No)、ステップS1104に戻り、終了ボタン803をクリックした場合(ステップS1109:Yes)、ステップS903に戻る。
【0082】
また、ステップS1107において、認証された場合(ステップS1107:Yes)、すなわち、解答情報と回答情報とが一致した場合、ステップS1102の最新の電子カルテを取得要求元の通信端末103に送信する(ステップS1110)。これにより、一連の処理を終了する。
【0083】
このように、本実施の形態によれば、同一の患者であっても電子カルテの更新前後において異なる解答情報が生成されることとなる。したがって、診療箇所の追加は、患者しか知りえない情報であり、このような情報に応じて解答情報が変化することにより、真の患者にのみ電子カルテを安全に開示することができる。
【0084】
治療箇所やその治療順は、実際に治療を受けた患者にしかわからない情報であるため、その情報をキーとして解答情報が生成されることにより、解答情報のセキュリティ性の向上を図ることができる。特に治療箇所が体の内部の箇所である場合は、患者の外観からはわからないため有効である。
【0085】
同様に、診療科やその診療順も、実際に診療を受けた患者にしかわからない情報であるため、その情報をキーとして解答情報が生成されることにより、解答情報のセキュリティ性の向上を図ることができる。特に診療科が複数にまたがる場合や単一の診療科であっても回数が多い場合は、わからなくなるため有効である。
【0086】
このように、解答情報は、患者しか知りえない情報であり、また、診療/治療をおこなうたびに電子カルテの診療履歴情報が更新されるため、患者固有な情報でありながら変化するという特殊性がある。その反面、患者は実際に治療を受けているため、複雑な記号列からなるパスワードなどのように無理に覚える必要はなく、自然に患者の頭の中に入っているため思い出しやすいという利点がある。
【0087】
また、患者の通信端末に生体情報取得装置といった高コストの装置は不要であり、少なくともブラウザ機能がある携帯電話機などの汎用のコンピュータ装置であれば、電子カルテの提供サービスを受けることができるため、普及率の向上を図ることができる。
【0088】
また、生体情報で認証をおこなうシステムでは、生体情報が漏洩すると、同種の生体情報を悪用される恐れがあるため、別の生体情報に変更せざるを得なくなり、運用面でのコストが増大することとなるが、本実施の形態では、電子カルテの更新により解答情報が変化するため、情報漏えいに対しても十分対抗することができ、運用面でのコストの増大を抑制しつつ安全性の向上を図ることができる。
【0089】
なお、上述した実施の形態では、情報提供装置101を特定の医療機関に設置されたサーバとして説明したが、複数の医療機関の電子カルテを集約して患者に提供するサービスセンタとすることとしてもよい。この場合、電子カルテの生成や更新といった機能(生成/更新部402402)は必要ないが、かわりに電子カルテが送信される都度、各医療機関のサーバから最新の電子カルテ(または更新箇所のみ)を受信することにより、電子カルテDB110を更新することとなる。
【0090】
以上説明したように、この発明にかかる情報提供プログラム、該プログラムを記録した記録媒体、情報提供装置、および情報提供方法によれば、低コストかつ安全管理の向上を図ることができるという効果を奏する。
【0091】
なお、本実施の形態で説明した情報提供方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【0092】
(付記1)患者の電子カルテを更新させる更新工程と、
前記更新工程による更新後の電子カルテに記録されている診療内容を特定する情報を取得させる取得工程と、
前記患者の通信端末から送信された診療内容を特定する情報と、前記取得工程によって取得された診療内容を特定する情報とに基づいて、前記患者の認証をおこなわせる認証工程と、
前記認証工程によって前記患者が認証された場合、前記更新後の電子カルテを前記患者の通信端末に送信させる電子カルテ送信工程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報提供プログラム。
【0093】
(付記2)前記取得工程は、
現時点からさかのぼって所定回数分または所定期間分の診療内容を特定する情報を取得させることを特徴とする付記1に記載の情報提供プログラム。
【0094】
(付記3)前記治療内容を特定する情報は、前記患者に対する治療箇所を特定する情報であり、
前記患者の通信端末から送信された診療内容を特定する情報は、前記患者に選ばれた治療箇所を特定する入力情報であることを特徴とする付記1または2に記載の情報提供プログラム。
【0095】
(付記4)前記治療内容を特定する情報は、治療箇所およびその治療順を特定する情報であり、
前記患者の通信端末から送信された診療内容を特定する情報は、前記患者に選ばれた治療箇所およびその治療順を特定する入力情報であることを特徴とする付記1または2に記載の情報提供プログラム。
【0096】
(付記5)前記治療内容を特定する情報は、前記患者を診療した診療科を特定する情報であり、
前記患者の通信端末から送信された診療内容を特定する情報は、前記患者に選ばれた前記患者を診療した診療科を特定する入力情報であることを特徴とする付記1または2に記載の情報提供プログラム。
【0097】
(付記6)前記治療内容を特定する情報は、前記患者を診療した診療科およびその診療順を特定する情報であり、
前記患者の通信端末から送信された診療内容を特定する情報は、前記患者に選ばれた前記患者を診療した診療科およびその診療順を特定する入力情報であることを特徴とする付記1または2に記載の情報提供プログラム。
【0098】
(付記7)前記診療内容を特定する情報を解答情報とした場合、当該解答情報に対する問い合わせ情報を前記患者の通信端末に対して送信させる問い合わせ情報送信工程と、
前記患者の通信端末から送信された診療内容を特定する情報を、前記問い合わせ情報送信工程によって送信された問い合わせ情報に対する回答情報として受信させる回答情報受信工程と、を前記コンピュータに実行させ、
前記認証工程は、
前記回答情報受信工程によって受信された回答情報と前記解答情報とに基づいて、前記患者の認証をおこなわせることを特徴とする付記1または2に記載の情報提供プログラム。
【0099】
(付記8)前記問い合わせ情報は、治療箇所に関する問い合わせ情報であり、
前記解答情報は、治療箇所を特定する情報であり、
前記回答情報は、前記治療箇所に関する問い合わせ情報に応じて前記患者に選ばれた治療箇所を特定する入力情報であることを特徴とする付記7に記載の情報提供プログラム。
【0100】
(付記9)前記問い合わせ情報は、治療箇所およびその治療順に関する問い合わせ情報であり、
前記解答情報は、前記患者に対する治療箇所およびその治療順を特定する情報であり、
前記回答情報は、前記治療箇所およびその治療順に関する問い合わせ情報に応じて前記患者に選ばれた治療箇所およびその治療順を特定する入力情報であることを特徴とする付記7に記載の情報提供プログラム。
【0101】
(付記10)前記問い合わせ情報は、診療科に関する問い合わせ情報であり、
前記解答情報は、前記患者を診療した診療科を特定する情報であり、
前記回答情報は、前記診療科に関する問い合わせ情報に応じて前記患者に選ばれた診療科を特定する入力情報であることを特徴とする付記7に記載の情報提供プログラム。
【0102】
(付記11)前記問い合わせ情報は、診療科およびその診療順に関する問い合わせ情報であり、
前記解答情報は、前記患者を診療した診療科およびその診療順を特定する情報であり、
前記回答情報は、前記診療科に関する問い合わせ情報に応じて前記患者に選ばれた診療科およびその診療順を特定する入力情報であることを特徴とする付記7に記載の情報提供プログラム。
【0103】
(付記12)付記1〜11のいずれか一つに記載の情報提供プログラムを記録した前記コンピュータに読み取り可能な記録媒体。
【0104】
(付記13)患者の電子カルテを更新する更新手段と、
前記更新手段による更新後の電子カルテに記録されている診療内容を特定する情報を取得する取得手段と、
前記患者の通信端末から送信された診療内容を特定する情報と、前記取得手段によって取得された診療内容を特定する情報とに基づいて、前記患者の認証をおこなう認証手段と、
前記認証手段によって前記患者が認証された場合、前記更新後の電子カルテを前記患者の通信端末に送信する電子カルテ送信手段と、
を備えることを特徴とする情報提供装置。
【0105】
(付記14)患者の電子カルテを更新する更新工程と、
前記更新工程による更新後の電子カルテに記録されている診療内容を特定する情報を取得する取得工程と、
前記患者の通信端末から送信された診療内容を特定する情報と、前記取得工程によって取得された診療内容を特定する情報とに基づいて、前記患者の認証をおこなう認証工程と、
前記認証工程によって前記患者が認証された場合、前記更新後の電子カルテを前記患者の通信端末に送信する電子カルテ送信工程と、
を含んだことを特徴とする情報提供方法。
【産業上の利用可能性】
【0106】
以上のように、本発明にかかる情報提供プログラム、該プログラムを記録した記録媒体、情報提供装置、および情報提供方法は、本人認証をおこなった各種情報提供サービスに有用であり、特に、電子カルテのほか、時間の経過にしたがって更新される各種情報の提供に適している。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】この発明の実施の形態にかかる情報提供システムの概略構成を示す説明図である。
【図2】図1に示したコンピュータ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】電子カルテDBの記憶内容を示す説明図である。
【図4】この発明の実施の形態にかかる情報提供装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図5】電子カルテの取得要求画面の一例を示す説明図である。
【図6】患者の通信端末における問い合わせ情報の表示画面の一例を示す説明図である。
【図7】認証された場合に通信端末に表示された電子カルテの一例を示す説明図である。
【図8】認証されなかった場合に通信端末に表示される認証NG情報画面の一例を示す説明図である。
【図9】この発明の実施の形態にかかる情報提供装置の電子カルテ生成/更新処理手順を示すフローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態にかかる情報提供装置の情報提供処理手順(その1)を示すフローチャートである。
【図11】この発明の実施の形態にかかる情報提供装置の情報提供処理手順(その2)を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0108】
100 情報提供システム
101 情報提供装置
102 ネットワーク
103 通信端末
110 電子カルテDB
401 受信部
402 生成/更新部
403 取得部
404 作成部
405 送信部
406 認証部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の電子カルテを更新させる更新工程と、
前記更新工程による更新後の電子カルテに記録されている診療内容を特定する情報を取得させる取得工程と、
前記患者の通信端末から送信された診療内容を特定する情報と、前記取得工程によって取得された診療内容を特定する情報とに基づいて、前記患者の認証をおこなわせる認証工程と、
前記認証工程によって前記患者が認証された場合、前記更新後の電子カルテを前記患者の通信端末に送信させる電子カルテ送信工程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報提供プログラム。
【請求項2】
前記取得工程は、
現時点からさかのぼって所定回数分または所定期間分の診療内容を特定する情報を取得させることを特徴とする請求項1に記載の情報提供プログラム。
【請求項3】
前記治療内容を特定する情報は、前記患者に対する治療箇所を特定する情報であり、
前記患者の通信端末から送信された診療内容を特定する情報は、前記患者に選ばれた治療箇所を特定する入力情報であることを特徴とする請求項1または2に記載の情報提供プログラム。
【請求項4】
前記診療内容を特定する情報を解答情報とした場合、当該解答情報に対する問い合わせ情報を前記患者の通信端末に対して送信させる問い合わせ情報送信工程と、
前記患者の通信端末から送信された診療内容を特定する情報を、前記問い合わせ情報送信工程によって送信された問い合わせ情報に対する回答情報として受信させる回答情報受信工程と、を前記コンピュータに実行させ、
前記認証工程は、
前記回答情報受信工程によって受信された回答情報と前記解答情報とに基づいて、前記患者の認証をおこなわせることを特徴とする請求項1または2に記載の情報提供プログラム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の情報提供プログラムを記録した前記コンピュータに読み取り可能な記録媒体。
【請求項6】
患者の電子カルテを更新する更新手段と、
前記更新手段による更新後の電子カルテに記録されている診療内容を特定する情報を取得する取得手段と、
前記患者の通信端末から送信された診療内容を特定する情報と、前記取得手段によって取得された診療内容を特定する情報とに基づいて、前記患者の認証をおこなう認証手段と、
前記認証手段によって前記患者が認証された場合、前記更新後の電子カルテを前記患者の通信端末に送信する電子カルテ送信手段と、
を備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項7】
患者の電子カルテを更新する更新工程と、
前記更新工程による更新後の電子カルテに記録されている診療内容を特定する情報を取得する取得工程と、
前記患者の通信端末から送信された診療内容を特定する情報と、前記取得工程によって取得された診療内容を特定する情報とに基づいて、前記患者の認証をおこなう認証工程と、
前記認証工程によって前記患者が認証された場合、前記更新後の電子カルテを前記患者の通信端末に送信する電子カルテ送信工程と、
を含んだことを特徴とする情報提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−117229(P2008−117229A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−300726(P2006−300726)
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】