説明

情報提供装置及び情報提供方法、並びに通信システム

【課題】ユーザーが無線通信を試行する前に視覚的にトラフィック状況を認知することを可能にする。
【解決手段】位置情報に対応付けられた通信パラメーターを取得し、地図情報上に通信パラメーターを表記した画像情報をユーザーに提供する。ユーザーは、無線接続を試行する前に、各通信事業者のトラフィック状況を視覚的に確認した上で、よりトラフィックの少ない通信事業者と接続することができる。結果的にトラフィックが平準化されるので、通信事業者は無駄な基地局増強費用を削減でき、相乗効果として、ユーザーも安い通信サービスを受けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話やスマートフォンなどの基地局を介して無線通信を行なう無線通信装置の無線接続に関する通信パラメーターを提供する情報提供装置及び情報提供方法、並びに通信システムに係り、特に、1以上の無線通信サービスを利用する無線通信装置についての、各基地局のトラフィック状況などの通信パラメーターを提供する情報提供装置及び情報提供方法、並びに通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
2002年より、日本では第3世代と呼ばれる3G方式の携帯電話サービスが開始された。当初、当該サービスは、音声、メールなどの小容量のパケットが主なアプリケーションであった。その後、基地局から端末への下り方向のパケット通信速度を向上させたHSDPA(High Speed Downlink Access)などの導入により、音楽ファイルのダウンロード、あるいはYouTube(登録商標)を始めとする動画共有サービスの利用(視聴)など、より大きなサイズのパケットのダウンロードが行なわれるようになってきた。
【0003】
また、ダウンロードされるパケット容量の増加に伴い、無線ネットワーク側の拡張も行われ、3GPP系では最大21Mbpsを実現するHSPA+のサービス、IEEE系では最大40Mbpsを実現するMobile WiMAXのサービスも開始された。さらに、3GPP系では、2010年後半に、Mobile WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)と同様に、ダウンリンクにOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)を使用するLTE(Long Term Evolution)、2015年頃には4G(LTE−Advanced)のサービス開始も予定されている。これらのサービスの開始により、準固定で最大1Gbps、移動環境でも最大100Mbpsを実現することが期待される。
【0004】
また、大容量データのダウンロードの利用増加などの変化に連動するように、パケット通信をメインとする「スマートフォン」と呼ばれる高機能な無線通信端末の普及が進みつつある。また、通信事業者及びインターネットを利用したサービス業者が、モバイル環境にいるユーザーに対して、よりユーザー・オリエンテッドなサービスを提供する上で、位置情報は重要な情報になりつつある。このような状況から、ほとんどのスマートフォンには、位置情報を検出するためのGPS(Global Positioning System)受信器が搭載されている。例えば、GPS信号を捕捉不可能となった移動端末に対して基地局から精度の高い推定位置の位置情報を提供する無線通信システムについて提案がなされている(例えば、特許文献1を参照のこと)。移動端末は、基地局から提供された高精度の位置情報に基づいて、現在位置に依存した情報を提供するアプリケーションなどを動作させることが可能となる。
【0005】
ここで、ある特定の基地局にユーザーが集中し、容量の大きなパケットのダウンロードを行なうことで、局所的にトラフィックが集中し、十分なレートが得られない、という問題が生じつつある。この局所的な基地局の混雑は、定常的なものと、動的なものがあると考えられる。定常的なものに関しては、費用はかさむものの、基地局を密に配置することで理論的には緩和することが可能である。一方、動的なものに関しては予想が難しく、極端な場合には通信事業者側で接続制限を設けるなどして対処することで対応しているのが実情である。よって、ユーザーにとっては、通信レートが極端に落ちる、若しくは、全く接続できないなど、通信試行後の体感によってのみこのトラフィック状況を知ることができるというのが現状である。
【0006】
ユーザーが基地局を介した無線通信を開始する前に、当該基地局のトラフィック状況を確認できないと、トラフィックの集中を緩和することは難しく、ユーザーも接続できないので不快な思いをすることになる。
【0007】
また、今後は、携帯無線通信端末装置のSIM(Subscriber Identity Module)の管理において、接続できる通信事業者を1つに固定するのではなく、複数の通信事業者との接続を使い分ける方法が導入されることも考えられる。あるいは、高速な通信レートを提供する多様な無線通信サービスの開始が予定されており、このようなヘテロジニアスな無線環境下では無線リソースを有効に活用するための仕組みが重要になると考えられる。例えば、複数の無線通信サービスに対応する無線通信装置は、各無線通信サービスの最大通信レート、又は受信信号強度に基づいていずれの無線通信サービスを利用するかを選択することができる。
【0008】
ところが、最大通信レートの高い無線通信サービスにトラフィックが集中した場合、当該無線通信サービスの実効通信レート(実際の通信レート)は減少し、他の無線通信サービスの実効通信レートの方が高くなるケースも想定される。結局のところ、ユーザーが各通信事業者のトラフィック状況を確認することができないと、接続の使い分けによってトラフィックを平準化することはできないであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−298484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、携帯電話やスマートフォンなどの基地局を介して無線通信を行なう無線通信装置の無線接続に関する通信パラメーターを好適に提供することができる、優れた情報提供装置及び情報提供方法、並びに通信システムを提供することにある。
【0011】
本発明のさらなる目的は、1以上の無線通信サービスを利用する無線通信装置についての、各基地局のトラフィック状況などの通信パラメーターを提供することができる、優れた情報提供装置及び情報提供方法、並びに通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願は、上記課題を参酌してなされたものであり、請求項1に記載の発明は、
少なくとも位置の情報、住所の情報、建物の名称、又は店舗の名称のうちの1つの情報が対応付けられた地図情報を保持する地図情報保存部と、
位置の情報に対応付けられた通信パラメーターを取得する通信パラメーター取得部と、
前記位置の情報との対応付けが行なわれた前記通信パラメーターを前記地図情報上に表記した画像情報を作成する画像情報作成部と、
前記画像情報作成部が作成した画像情報を表示する表示部と、
を具備する情報提供装置である。
【0013】
本願の請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の情報提供装置が扱う位置の情報は、ユーザーが通信を行なう場所についての位置の情報のことである。また、通信パラメーター取得部は、前記ユーザーが利用することができる通信事業者の基地局の混雑具合、又は混雑具合から求められる通信レートに関する情報を含む、固定若しくは動的に変化する通信パラメーターを取得するように構成されている。
【0014】
本願の請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の情報提供装置は、画像情報作成部が作成した画像情報を前記情報提供装置外の表示装置へ送信する送信部をさらに備えている。
【0015】
本願の請求項4に記載の発明によれば、請求項1に記載の情報提供装置は、所定のネットワークに接続する通信部をさらに備え、画像情報作成部が作成した画像情報を前記ネットワーク経由で提供するように構成されている。
【0016】
本願の請求項5に記載の発明によれば、請求項1に記載の情報提供装置は、画像情報作成部は、ユーザーの無線接続先の候補となる基地局を管理又は運営する事業者に関する情報を前記地図情報に併せて表記するように構成されている。
【0017】
本願の請求項6に記載の発明によれば、請求項5に記載の情報提供装置は、画像情報作成部は、ユーザーの無線接続先の候補となる基地局を管理又は運営する事業者に関する情報をダウンロードするためのリンクを前記地図情報に張るように構成されている。
【0018】
また、本願の請求項7に記載の発明は、
少なくとも位置の情報、住所の情報、建物の名称、又は店舗の名称のうちの1つの情報が対応付けられた地図情報を保持する地図情報保存部と、位置の情報に対応付けられた通信パラメーターを取得する通信パラメーター取得部と、前記位置の情報との対応付けが行なわれた前記通信パラメーターを前記地図情報上に表記した画像情報を作成する画像情報作成部と、前記画像情報作成部が作成した画像情報を前記ネットワーク経由で送信する通信部を有する情報提供サーバーと、
前記情報提供サーバーから前記画像情報を受信する受信部と、受信した画像情報を表示する表示部と、基地局に無線接続する無線通信部を有する無線通信端末装置と、
を具備する通信システムである。
【0019】
但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない。
【0020】
本願の請求項8に記載の発明によれば、請求項7に記載の通信システムにおいて、無線通信端末装置は、通信パラメーターを検出して、位置に関する情報及び時間に関する情報と紐付けする通信パラメーター検出部と、通信パラメーターを情報提供サーバーに送信する送信部をさらに備えている。また、情報提供サーバーは、複数の前記無線通信端末装置から受信した通信パラメーターを収集する通信パラメーター収集部と、時間に関する情報及び位置に関する情報を単位として通信パラメーターを平均化する平均化部をさらに備え、平均化した後の通信パラメーターを前記地図情報上に表記した画像情報を作成して前記無線通信端末装置に提供するように構成されている。
【0021】
本願の請求項9に記載の発明によれば、請求項8に記載の通信システムにおいて、無線通信端末装置の無線通信部が符号分割多重接続方式に対応している場合、通信パラメーター検出部は、複数の基地局に割り当てられたスクランブル・コードに対して相関検出して得られるパイロット信号の受信レベル、又は、複数の基地局から受信したパイロット信号から算出される数値、各基地局のトラフィック状況に関する情報、若しくは通信レートを、通信パラメーターとして検出するようになっている。
【0022】
本願の請求項10に記載の発明によれば、請求項8に記載の通信システムにおいて、無線通信端末装置の無線通信部が直交周波数分割多重接続方式に対応している場合、通信パラメーター検出部は、複数の基地局から受信した信号に含まれる、各フレームの全サブキャリア数に対するユーザーに割り当てられたサブキャリア数の割合に関する情報、各基地局のトラフィック状況に関する情報、若しくは、各フレームの全サブキャリア数に対するユーザーに割り当てられたサブキャリア数の割合に関する情報に基づく通信レートの予測値を通信パラメーターとして検出するようになっている。
【0023】
本願の請求項11に記載の発明によれば、請求項7に記載の通信システムにおいて、無線通信端末装置は、複数の通信事業者又は無線方式を表す文字又は図形を前記表示部の画面に表示するとともに、前記画面に表示された文字又は図形の中から所望する通信事業者又は無線方式を表す文字又は図形を選択する通信事業者選択部をさらに備えている。この場合、無線通信部は、前記通信事業者選択部で選択した通信事業者又は無線方式を表す文字又は図形に対応する無線方式への設定を行なうようになっている。また、表示部は、前記通信事業者選択部で選択した通信事業者又は無線方式を表す文字又は図形に対して、その他の通信事業者又は無線方式を表す文字又は図形とは異なる視覚効果を与えるようになっている。
【0024】
本願の請求項12に記載の発明によれば、請求項7に記載の通信システムにおいて、無線通信端末装置の前記表示部は複数の表示領域に分割され、前記情報提供サーバーから受信した通信パラメーターを表記した画像情報又は通信パラメーターを、分割された表示領域の1つに表示するように構成されている。
【0025】
本願の請求項13に記載の発明によれば、請求項7に記載の通信システムにおいて、情報提供サーバーは、前記画像情報作成部が作成した画像情報を前記通信部から送信する際の情報サイズを制御する情報サイズ制御部をさらに備えている。
【0026】
本願の請求項14に記載の発明によれば、請求項13に記載の通信システムにおいて、情報サイズ制御部は、前記無線通信端末装置の現在の位置に対応する通信パラメーターに基づいて、前記情報サイズを制御するように構成されている。
【0027】
本願の請求項15に記載の発明によれば、請求項13に記載の通信システムにおいて、情報提供サーバーは、前記画像情報作成部が作成した画像情報に付加して送信する付加情報を作成する情報作成部をさらに備えている。そして、情報作成部は、前記情報サイズ制御部が決定した情報サイズに応じた付加情報を作成するように構成されている。
【0028】
本願の請求項16に記載の発明によれば、請求項15に記載の通信システムにおいて、無線通信端末装置の前記表示部は複数の表示領域に分割され、前記情報提供サーバーから通信パラメーターを表記した画像情報及び付加情報を受信し、分割された表示領域の1つに通信パラメーターを表記した画像情報を表示するとともに、分割された表示領域の他の1つに付加情報を表示するように構成されている。
【0029】
また、本願の請求項17に記載の発明は、
少なくとも位置の情報、住所の情報、建物の名称、又は店舗の名称のうちの1つの情報が対応付けられた地図情報を保持する地図情報保持ステップと、
位置の情報に対応付けられた通信パラメーターを取得する通信パラメーター取得ステップと、
前記位置の情報との対応付けが行なわれた前記通信パラメーターを前記地図情報上に表記した画像情報を作成する画像情報作成ステップと、
前記画像情報作成部が作成した画像情報を表示する表示ステップと、
を有する情報提供方法である。
【0030】
また、本願の請求項18に記載の発明は、
少なくとも位置の情報、住所の情報、建物の名称、又は店舗の名称のうちの1つの情報が対応付けられた地図情報を保持する地図情報保存部、
位置の情報に対応付けられた通信パラメーターを取得する通信パラメーター取得部、
前記位置の情報との対応付けが行なわれた前記通信パラメーターを前記地図情報上に表記した画像情報を作成する画像情報作成部、
前記画像情報作成部が作成した画像情報を表示する表示部、
としてコンピューターを機能させるためのコンピューター可読形式で記述されたコンピューター・プログラムである。
【0031】
本願の請求項18に係るコンピューター・プログラムは、コンピューター上で所定の処理を実現するようにコンピューター可読形式で記述されたコンピューター・プログラムを定義したものである。換言すれば、本願の請求項18に係るコンピューター・プログラムをコンピューターにインストールすることによって、コンピューター上では協働的作用が発揮され、本願の請求項1に係る情報提供装置と同様の作用効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、1以上の無線通信サービスを利用する無線通信装置についての、各基地局のトラフィック状況などの通信パラメーターを提供することができる、優れた情報提供装置及び情報提供方法、並びに通信システムを提供することができる。
【0033】
本願の請求項1乃至4、17、18に記載の発明によれば、ユーザーは、自分が所持する携帯端末で無線通信を試行した後の体感によってではなく、無線通信を試行する前に、視覚的にトラフィック状況を認知することが可能となる。
【0034】
本願の請求項3、4、7に記載の発明によれば、遠隔地点にいるユーザーに対し、トラフィックに関連した情報を提供することが可能となる。
【0035】
本願の請求項5、6に記載の発明によれば、無線通信端末装置の無線接続先となる基地局を管理又は運営する事業者に関する情報を、ユーザーが容易に取得することができるようになる。
【0036】
本願の請求項8乃至10に記載の発明によれば、複数の無線通信端末装置が検出した通信パラメーターを情報提供サーバーで収集することができ、情報提供サーバーは、これらの通信パラメーターを平均化することで、より正確なトラフィックに関連した情報を各無線通信端末装置に提供することができる。また、本願の請求項9、10に記載の発明によれば、符号分割多重接続方式又は直交周波数分割多重接続方式に対応したネットワークでの通信パラメーターを検出し、無線接続を試行する前のユーザーに視覚的に認知させることができる。
【0037】
本願の請求項11に記載の発明によれば、ユーザーは、情報提供サーバーから提供された情報に基づいてトラフィック状況を把握するとともに、通信事業者選択部を操作して、所望する無線接続先を選択することができる。
【0038】
本願の請求項12に記載の発明によれば、無線通信端末装置の表示部の表示領域の中に、常に通信パラメーターを表示させる領域を持つことができる。
【0039】
本願の請求項13乃至16に記載の発明によれば、情報提供サーバーは、トラフィックに関連した情報に加え、広告などの付加情報を配信する際に、無線通信端末装置の存在する地点でのトラフィック状況に応じたサイズに調整することができるので、トラフィックへの負荷を最小限にして付加情報を配信することができる。
【0040】
このように、本発明によれば、ユーザーが所持する携帯電話若しくはスマートフォンなどの通信端末は、ユーザーが視覚的にトラフィックの集中状況を確認できる手段を備えている。したがって、ユーザーは、基地局を介した無線通信を開始する前に、当該基地局のトラフィック状況を視覚的に確認することができ、トラフィックの集中を緩和することができる。この結果、ユーザーは、接続できないなど不快な思いをしないで済む。
【0041】
また、携帯無線通信端末装置のSIMの管理において複数の通信事業者との接続を使い分ける方法が導入された場合、あるいは複数の無線通信サービスを利用可能なヘテロジニアスな無線環境下において、本発明によれば、ユーザーは、各通信事業者のトラフィック状況を視覚的に確認した上で、よりトラフィックの少ない通信事業者と接続することができる。また、各ユーザーがトラフィック状況に応じて接続先の通信事業者を選択すると、結果的にトラフィックが平準化されることになる。したがって、通信事業者にとっては、無駄な基地局増強費用を削減できるメリットが期待でき、相乗効果として、ユーザーも安い通信サービスを受けることができる。
【0042】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、本発明が適用される通信システムの構成例を模式的に示した図である。
【図2】図2は、通信パラメーターを視覚的に確認するための情報をユーザーに提供する情報提供装置200の構成例を模式的に示した図である。
【図3】図3は、通信パラメーター(基地局の混雑具合)を地図情報上に表記した画像情報の一例を示した図である。
【図4】図4は、通信パラメーター(基地局の通信レート)を地図情報上に表記した画像情報の他の例を示した図である。
【図5】図5は、通信パラメーターを視覚的に確認するための情報をユーザーに提供する情報提供装置500の構成例を示した図である。
【図6】図6は、通信パラメーターを視覚的に確認するための情報をユーザーに提供する情報提供装置600と、提供された情報を利用する無線通信端末装置620からなる通信システムの構成例を示した図である。
【図7】図7は、通信パラメーターを視覚的に確認するための情報をユーザーに提供する情報提供装置700と、提供された情報を利用する無線通信端末装置720からなる通信システムの他の構成例を示した図である。
【図8】図8は、通信パラメーターを視覚的に確認するための情報をユーザーに提供する情報提供装置800と、提供された情報を利用する無線通信端末装置820からなる通信システムの他の構成例を示した図である。
【図9】図9は、通信パラメーターを視覚的に確認するための情報をユーザーに提供する情報提供装置900と、提供された情報を利用する無線通信端末装置920からなる通信システムのさらに他の構成例を示した図である。
【図10】図10は、図9に示した通信システムの変形例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0045】
図1には、本発明が適用される通信システムの構成例を模式的に示している。図示の通信システム100は、携帯無線通信端末装置のSIMの管理において複数の通信事業者との接続を使い分ける方法が導入され、あるいは複数の無線通信サービスを利用可能なヘテロジニアスな無線環境を想定している。
【0046】
図示の通信システム100は、携帯端末120と、複数の第1の基地局130A及び130Bと、第1のコア・ネットワーク140と、複数の第2の基地局150A及び150Bと、第2のコア・ネットワーク160を備えている。
【0047】
第1のコア・ネットワーク140は、第1の無線通信サービス(例えば、3Gサービス)と提供するための通信事業者のネットワークであり、複数の第1の基地局130が接続されている。第1のコア・ネットワーク140は、例えば、データ通信用のセッションの設定、開放やハンドオーバーの制御などを行なうMME(Mobile Management Entity)や、ユーザー・データのルーティング、転送などを制御するゲートウェイなどを含んでいる。
【0048】
第2のコア・ネットワーク160は、第2の無線通信サービス(例えば、LTE、WiMAX、4Gなど)と提供するための通信事業者のネットワークであり、複数の第2の基地局150が接続されている。第2のコア・ネットワーク160は、第1のコア・ネットワーク140と同様に、MMEやゲートウェイなどを含んでいる。
【0049】
第1の基地局130及び第2の基地局150などの基地局は、携帯端末120による通信を制御する。例えば、基地局は、携帯端末120から受信したデータを宛先へ向けて中継し、携帯端末120宛てのデータを受信すると当該データを携帯端末120へ送信する。また、基地局は、直交周波数分割多重接続(OFDMA)、時間分割多重接続(TDMA)、又は符号分割多重接続(CDMA)などの無線多重接続方式を適用して携帯端末120と通信することができる。
【0050】
携帯端末120は、第1の基地局130又は第2の基地局150を介し、多様なデータを他の装置と通信することができる。多様なデータとしては、音楽、講演およびラジオ番組などの音楽データや、映画、テレビジョン番組、ビデオプログラム、写真、文書、Webページ、絵画及び図表などの映像データや、ゲーム及びソフトウェアなどが挙げられる。
【0051】
なお、図1においては無線通信装置の一例として携帯端末120を示しているが、無線通信装置はかかる例に限定されない。例えば、無線通信装置は、PC(Personal Computer)、家庭用映像処理装置(DVDレコーダ、ビデオデッキなど)、PDA(Personal Digital Assistants)、家庭用ゲーム機器、家電機器などの情報処理装置であってもよい。また、無線通信装置は、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、携帯用音楽再生装置、携帯用映像処理装置、携帯用ゲーム機器などの情報処理装置であってもよい。
【0052】
また、第1の基地局130及び第2の基地局150としては、マクロセル基地局、マクロセル基地局及び携帯端末120間の通信を中継するリレーノード、家庭用小型基地局であるフェムトセル(femtocell)など、多様な基地局が想定される。
【0053】
本発明は、図1に示したような通信システムにおいて、携帯電話などの無線通信装置を所持して活動するユーザーに対して、各通信事業者のトラフィック状況などの通信パラメーターを視覚的に確認するための手段を提供するものである。
【0054】
図2には、通信パラメーターを視覚的に確認するための情報をユーザーに提供する情報提供装置200の構成例を模式的に示している。以下、各部について説明する。図示の情報提供装置200は、通信パラメーターをユーザー(若しくは、ユーザーが所有する無線通信装置)の現在位置を含む地図上で表示する機能を有している。
【0055】
同図に示すように、情報提供装置200は、地図情報保存部210と、通信パラメーター取得部211と、位置情報対応付け部212と、画像情報作成部213と、表示部214を備えている。
【0056】
地図情報保存部210に保存される地図情報206は、例えば、位置情報201、住所情報202、建物名称情報203、店舗名称情報204を含んでいる。これらの情報201〜204のうち建物名称情報203には、例えば、鉄道の駅、路線バスのバス停、史跡、名勝、公園、河川、港湾などの一般的な地図に記載される名称が含まれる。
【0057】
ここで言う位置情報は、地図表示を要求された場所(例えば、情報提供先となるユーザー(若しくは、ユーザーが所有する無線通信装置)の現在位置に相当する。地図情報作成部205は、位置情報201、住所情報202、建物名称情報203、店舗名称情報204から地図情報206を作成するが、本発明の要旨は特定の地図情報の作成方法に限定されるものではない。地図情報作成部205は、情報提供装置200内に装備される必要はない。例えば、ネットワーク上に構築された地図情報作成サーバーなどの情報提供装置200の外部に地図情報作成部205が設置され、情報提供装置200などからの要求に応じて、該当する場所を地図表示するための地図情報206を作成する。情報提供装置200は、地図情報作成部205が作成した地図情報206を取得すると、地図情報保存部210に保存する。
【0058】
通信パラメーター取得部211は、位置情報201に紐付けられた通信に係るパラメーターを取得する。ここで言う通信に係るパラメーターは、複数の公衆無線基地局(若しくは、ユーザーが利用することができる各通信事業者の基地局)の混雑具合や、混雑具合から算出される通信レート(実効通信レート)に関する情報などである。但し、通信に係るパラメーターは、固定値に限定されるものではなく、さらに時間情報と紐付けられて動的に変化するパラメーターを含むものとする。以下では、単に「通信パラメーター」と呼ぶことにする。なお、通信パラメーター取得部211が通信パラメーターを取得する方法は任意である。例えば、基地局を含むコア・ネットワーク(前述)は、通信パラメーターに関する情報を容易に把握することができ、通信パラメーター取得部211は、コア・ネットワーク等の外部の装置から通信パラメーターを取得するようにしてもよい。あるいは、通信パラメーター取得部211が自ら基地局の混雑具合や通信レートの情報を測定又は推定し、その結果に基づいて通信パラメーターを得るようにしてもよい。
【0059】
位置情報対応付け部212は、地図情報保存部210に保存されている地図情報と、通信パラメーター取得部211で取得された通信パラメーターに対して、位置情報との対応付けを行なう。
【0060】
画像情報作成部213は、位置情報との対応付けが行なわれた通信パラメーターを地図情報206上に表記した画像情報の作成を行なう。ここで、通信パラメーターを地図情報206上に表記する方法としては、数値、グラフ、色の変化など、視覚的に変化を識別できる手法全般を挙げることができる。画像情報作成部213は、GPSの位置情報に対応する地図情報上の位置に、所定の情報を表示させる処理を行なう訳であるが、このような処理の詳細には、例えば本出願人に既に譲渡されている特開2009−193083号公報に開示されている。
【0061】
画像情報作成部213で作成された画像情報は、表示部214に転送され、画面に表示出力される。
【0062】
ここで、地図の変化がほとんどなく(対象とする無線通信装置の位置の移動が小さく)、通信パラメーターのみが動的に変化する場合などには、位置情報対応付け部212が通信パラメーターの変化分のみを画像情報作成部213に送信し、画像情報作成部213はその変化分の情報に基づいて画像情報を作成するようにしてもよい。また、表示部214も通信パラメーターの変化分の情報に基づいて、画像情報を表示させることも可能である。
【0063】
また、画像情報作成部213は、通信パラメーターを地図情報上に表記した画像情報に加えて、テキスト情報、若しくは、符号化した情報を併せて生成することもできる。このような場合、表示部214は、画像情報とテキスト情報、若しくは、符号化した情報を分離する機能を備えていても良い。
【0064】
図3には、画像情報作成部213が作成した、通信パラメーターを地図情報上に表記した画像情報の一例を示している。図示の画像情報は、表示部214による画像情報の表示例でもある。図示の例では、地図上に、通信事業者毎の通信パラメーターの1つである、各基地局の混雑具合を示す数値を表示させている。
【0065】
また、図4には、画像情報作成部213が作成した、通信パラメーターを地図情報上に表記した画像情報の他の例を示している。図示の画像情報は、表示部214による画像情報の表示例でもある(同上)。図示の例では、地図上に、通信事業者毎の通信パラメーターの1つである、各基地局の通信レート(実効通信レート)の予想値を表示させている。
【0066】
ユーザーは、無線通信を開始する前に、図3並びに図4に示した画面情報を表示部214の表示画面で見ることによって、接続先となる基地局のトラフィック状況を視覚的に確認することができる。例えば当該基地局のトラフィックが混雑していることを視覚的に確認したときに、ユーザーは、当該基地局との接続を回避したり、実効通信レートのより高い通信事業者の基地局を接続先に選択したりすることで、不快な思いをしないで済む。
【0067】
また、携帯無線通信端末装置のSIMの管理において複数の通信事業者との接続を使い分ける方法が導入された場合、あるいは複数の無線通信サービスを利用可能なヘテロジニアスな無線環境下において、ユーザーは、各通信事業者のトラフィック状況を視覚的に確認した上で、よりトラフィックの少ない通信事業者と接続することができる。また、各ユーザーがトラフィック状況に応じて接続先の通信事業者を選択すると、結果的にトラフィックが平準化されることになる。したがって、通信事業者にとっては、無駄な基地局増強費用を削減できるメリットが期待でき、相乗効果として、ユーザーも安い通信サービスを受けることができる。
【0068】
上述したような通信パラメーターを地図情報上に表記した画像情報を、通信装置1すなわちユーザーが所持する通信端末上で作成するのではなく、サーバーなどの情報提供装置が行ない、遠隔の表示装置(ユーザーが所持する通信装置1など)にネットワーク経由で提供する、という実施形態も考えられる。
【0069】
図5には、通信パラメーターを視覚的に確認するための情報をユーザーに提供する情報提供装置500の構成例を示している。図2とは相違し、情報提供装置500は、通信パラメーターを地図情報上に表記した画像情報を、遠隔の表示装置514に送信するように構成されている。
【0070】
図示の情報提供装置500は、地図情報506を保存する地図情報保存部510と、通信パラメーター取得部511と、位置情報対応付け部512と、画像情報作成部513と、送信部515を備えている。
【0071】
地図情報保存部510に保存される地図情報506は、例えば、位置情報、住所情報、建物名称情報、店舗名称情報を含んでいる。このうち建物名称情報には、例えば、鉄道の駅、路線バスのバス停、史跡、名勝、公園、河川、港湾などの一般的な地図に記載される名称が含まれる(同上)。ここで言う位置情報は、地図表示を要求された場所(例えば、情報提供先となるユーザー(若しくは、ユーザーが所有する無線通信装置)の現在位置に相当する。
【0072】
通信パラメーター取得部511は、位置情報に紐付けられた通信パラメーターを取得する。ここで言う通信パラメーターは、複数の公衆無線基地局(若しくは、ユーザーが利用することができる各通信事業者の基地局)の混雑具合や、混雑具合から算出される通信レートに関する情報などである(同上)。但し、通信パラメーターは、固定値に限定されるものではなく、さらに時間情報と紐付けられて動的に変化するパラメーターを含むものとする。
【0073】
位置情報対応付け部512は、地図情報保存部510に保存されている地図情報506と、通信パラメーター取得部511で取得された通信パラメーターに対して、位置情報との対応付けを行なう(同上)。
【0074】
画像情報作成部513は、位置情報との対応付けが行なわれた通信パラメーターを地図情報506上に表記した画像情報の作成を行なう。画像情報作成部513で作成される画像情報は、図3並びに図4に示したものと同様とする。
【0075】
送信部515は、有線若しくは無線の通信手段を備えており、情報提供装置500は、送信部515を介して表示装置514に接続されている。表示装置514は、例えばインターネットを介して接続されるパーソナル・コンピューターなどである。表示装置514が情報提供装置4の設置場所から地理的に離れていたとしても、画像情報作成部513で作成した画像情報を、送信部515から転送して、表示装置514上で画面表示させることができる。
【0076】
表示装置514は、公共交通機関の乗り物内、乗用車内、商用車内、建造物の壁、駅構内、公共施設内などに設置されたディジタル・サイネージ(Digital Signage)であってもよい。情報提供装置500は、有線若しくは無線通信の手段を介して、地図上に通信パラメーターを表示する画像情報を表示させることも可能である。
【0077】
ユーザーは、自分が所持している携帯端末の無線接続を開始する際に、表示装置514の表示画面から、各通信事業者のトラフィック状況を視覚的に確認して、接続先の通信事業者を選択することができる。この結果、トラフィックが平準化されることになるので、通信事業者にとっては、無駄な基地局増強費用を削減できるメリットが期待できる。その相乗効果として、ユーザーも安い通信サービスを受けることができるようになる。
【0078】
図6には、通信パラメーターを視覚的に確認するための情報をユーザーに提供する情報提供装置600と、提供された情報を利用する無線通信端末装置620からなる通信システムの構成例を示している。
【0079】
図示の情報提供装置600は、地図情報606を保存する地図情報保存部610と、通信パラメーター取得部611と、位置情報対応付け部612と、画像情報作成部613と、通信部615を備えている。
【0080】
一方、無線通信端末装置620は、受信部621と、表示部630と、無線通信部640を備えている。無線通信端末装置620は、例えば、ユーザーが所持する携帯電話機やスマートフォンなどの通信端末などである。無線通信端末装置620は、図示した以外の機能ブロックを備えているが、ここでは説明を省略する。
【0081】
地図情報保存部610に保存される地図情報606は、例えば、位置情報、住所情報、建物名称情報、店舗名称情報を含んでいる。このうち建物名称情報には、例えば、鉄道の駅、路線バスのバス停、史跡、名勝、公園、河川、港湾などの一般的な地図に記載される名称が含まれる(同上)。ここで言う位置情報は、地図表示を要求された場所(例えば、情報提供先となるユーザー(若しくは、ユーザーが所有する無線通信装置)の現在位置に相当する。
【0082】
通信パラメーター取得部611は、位置情報に紐付けられた通信パラメーターを取得する。ここで言う通信パラメーターは、複数の公衆無線基地局(若しくは、ユーザーが利用することができる各通信事業者の基地局)の混雑具合や、混雑具合から算出される通信レートに関する情報などである(同上)。但し、通信パラメーターは、固定値に限定されるものではなく、さらに時間情報と紐付けられて動的に変化するパラメーターを含むものとする。
【0083】
位置情報対応付け部612は、地図情報保存部610に保存されている地図情報606と、通信パラメーター取得部611で取得された通信パラメーターに対して、位置情報との対応付けを行なう(同上)。
【0084】
画像情報作成部613は、位置情報との対応付けが行なわれた通信パラメーターを地図情報606上に表記した画像情報の作成を行なう。画像情報作成部613で作成される画像情報は、図3並びに図4に示したものと同様とする。
【0085】
ここで、画像情報の提供先となる無線通信端末装置620が現在の位置で受信可能なすべての通信事業者の基地局の通信レートが所定の閾値を下回っている場合には、画像情報作成部613は、その周辺で比較的高い通信レートを提供している基地局(候補基地局)の通信事業者名並びにその位置を示す画像情報をさらに地図情報606上に表記するようにしてもよい。また、このような候補基地局候補が、ある店舗が管理又は運営するアクセスポイントやフェムトセルである場合には、画像情報作成部613は、その店舗名も併せて地図情報606上に表記するようにしてもよい。また、このような店舗に関する情報を簡単な操作でダウンロードできるよう、画像情報作成部613は、地図情報に必要なリンクを張っておくようにしてもよい。
【0086】
通信部615は、所定のネットワークに接続して通信を行なう通信手段を備えている。情報提供装置600は、通信部615からネットワークを介して無線通信端末装置620と通信することができる。無線通信端末装置620側では、受信部621が画像情報を情報提供装置600から取得すると、この情報を表示部630上で画面表示させることができる。
【0087】
携帯無線通信端末装置のSIMの管理において複数の通信事業者との接続を使い分ける方法が導入された場合、あるいは複数の無線通信サービスを利用可能なヘテロジニアスな無線環境下において、無線通信端末装置620のユーザーは、表示部630に画面表示された地図情報(図3又は図4を参照のこと)から、各通信事業者のトラフィック状況を視覚的に確認して、無線通信部640の接続先の通信事業者を選択することができる。この結果、トラフィックが平準化されることになるので、通信事業者にとっては、無駄な基地局増強費用を削減できるメリットが期待できる。その相乗効果として、ユーザーも安い通信サービスを受けることができるようになる。
【0088】
なお、無線通信端末装置620上で任意のアプリケーションを起動している際に、常時通信パラメーターを地図上に表記した画像情報を表示させておくことも可能であり、この画像情報を動的に変化させることも可能である。地図情報に店舗情報が合わせて表記され、店舗情報へのリンクが張られている場合には、ユーザーは表示画面を介して店舗情報を簡単な操作でダウンロードすることができる。
【0089】
図7には、通信パラメーターを視覚的に確認するための情報をユーザーに提供する情報提供装置700と、提供された情報を利用する無線通信端末装置720からなる通信システムの他の構成例を示している。図6に示した通信システムとの主な相違点は、無線通信端末装置720が通信パラメーター検出部723を備え、情報提供装置700が無線通信端末装置720から通信パラメーターを収集する点にある。
【0090】
無線通信端末装置720は、例えばユーザーが所持する携帯電話機やスマートフォンなどの通信端末などであるが、受信部721と表示部730に加え、通信パラメーター検出部723と、送信部724と、無線通信部740を備えている。無線通信端末装置720は、例えば、ユーザーが所持する携帯電話機やスマートフォンなどの通信端末などである。無線通信端末装置720は、図示した以外の機能ブロックを備えているが、ここでは説明を省略する。
【0091】
通信パラメーター検出部722で検出する通信パラメーターは、少なくとも、位置に関する情報及び時間に関する情報と紐付けられたものである。例えば本出願人に既に譲渡されている特願2010−142384号明細書には、無線通信装置が通信パラメーターを取得する方法について記載されている。通信パラメーター検出部722で検出する通信パラメーターを、以下に例示しておく。
【0092】
(1)符号分割多重接続方式に対応した1若しくは複数の基地局に割り当てられたスクランブル・コードに対して相関検出して得られるパイロット信号の受信レベル、又は、複数の基地局から受信したパイロット信号から算出される数値若しくは通信レート。
(2)直交周波数分割多元接続方式に対応した1若しくは複数の基地局から受信した信号に含まれる、各フレームの全サブキャリア数に対するユーザーに割り当てられたサブキャリア数の割合に関する情報、各基地局のトラフィック状況に関する情報、若しくは、各フレームの全サブキャリア数に対するユーザーに割り当てられたサブキャリア数の割合に関する情報から算出した通信レートの予測値。
【0093】
そして、無線通信端末装置720は、通信パラメーター検出部722で検出された通信パラメーターを、位置に関する情報及び時間に関する情報と紐付けした後、送信部723を介して、サーバーとしての情報提供装置700に送られる。
【0094】
情報提供装置700は、地図情報保存部710、通信パラメーター取得部711、位置情報対応付け部712、画像情報作成部713、通信部715に加え、通信パラメーター収集部716と平均化部717をさらに備えている。
【0095】
情報提供装置700は、1つ若しくは複数の無線通信端末装置720から送信される通信パラメーターを、通信部715の受信部715−2で受信して、通信パラメーター収集部716で収集する。
【0096】
平均化部717は、通信パラメーター収集部716で集められた通信パラメーターを、位置に関する情報の任意の分解能毎に平均化する。つまり、平均化部717は、同時刻と近似可能な各時刻において、地理的に近接した位置で検出されたものと近似可能な複数の通信パラメーターをその母数にわたって平均化する。平均化部717は、この平均化に伴って、分散を計算し、極端に散らばりの大きなサンプルを除外するなどの演算を行なうことも可能である。平均化部717で得られる有限な分解能での位置情報に紐付けられた通信パラメーターの平均値は、通信パラメーター取得部711から参照可能である。
【0097】
位置情報対応付け部712は、地図情報保存部710に保存されている地図情報706と、通信パラメーター取得部711で平均化部717から参照した通信パラメーターの平均値に対して、位置情報との対応付けを行なう。画像情報作成部713は、位置情報との対応付けが行なわれた通信パラメーターの平均値を地図情報上に表記した画像情報の作成を行なう。画像情報作成部713で作成される画像情報は、図3並びに図4に示したものと同様とする。そして、情報提供装置700は、画像情報作成部713で作成した画像情報を、通信部715の送信部715−1を介して、無線通信端末装置720と送信する。
【0098】
無線通信端末装置720側では、情報提供装置700から画像情報作成部713で作成した画像情報を受信部721で取得すると、表示部730上で画面表示させることができる。携帯無線通信端末装置のSIMの管理において複数の通信事業者との接続を使い分ける方法が導入された場合、あるいは複数の無線通信サービスを利用可能なヘテロジニアスな無線環境下において、無線通信端末装置720のユーザーは、表示部730に画面表示された地図情報(図3又は図4を参照のこと)から、各通信事業者のトラフィック状況を視覚的に確認して、接続先の通信事業者を選択することができる。この結果、トラフィックが平準化されることになるので、通信事業者にとっては、無駄な基地局増強費用を削減できるメリットが期待できる。その相乗効果として、ユーザーも安い通信サービスを受けることができるようになる。
【0099】
図8には、通信パラメーターを視覚的に確認するための情報をユーザーに提供する情報提供装置800と、提供された情報を利用する無線通信端末装置820からなる通信システムの他の構成例を示している。図6に示した通信システムとの主な相違点は、表示部830の画面に表示されている、各通信事業者を表す文字やアイコンなどの図形、又は、搬送波周波数などを含む無線方式に対応する文字やアイコンなどの図形の中から、所望する通信事業者に対応する文字やアイコン、又は、搬送波周波数などの無線方式に対応する文字やアイコンに対して、異なる視覚効果を与えて選択する点にある。ユーザーは、当該選択した無線方式を設定した後、通話、若しくはパケット通信を実行することができる。更に、表示部830に画面表示された地図情報(図3又は図4を参照のこと)、若しくは、符号化した地図情報が、自動の手段によりユーザーの嗜好に合った無線通信部840の接続先の通信事業者を選択することができる。なお、この自動の手段のために、ユーザーの嗜好に係る設定をユーザー自身が行なっておくことも可能である。
【0100】
図示の情報提供装置800は、地図情報806を保存する地図情報保存部810と、通信パラメーター取得部811と、位置情報対応付け部812と、画像情報作成部813と、通信部815を備えている。
【0101】
一方、無線通信端末装置820は、受信部821と、表示部830と、通信事業者選択部825と、無線方式設定部826と、無線通信部840を備えている。無線通信端末装置820は、例えば、ユーザーが所持する携帯電話機やスマートフォンなどの通信端末などである。無線通信端末装置820は、図示した以外の機能ブロックを備えているが、ここでは説明を省略する。
【0102】
地図情報保存部810に保存される地図情報806は、例えば、位置情報、住所情報、建物名称情報、店舗名称情報を含んでいる。このうち建物名称情報には、例えば、鉄道の駅、路線バスのバス停、史跡、名勝、公園、河川、港湾などの一般的な地図に記載される名称が含まれる(同上)。ここで言う位置情報は、地図表示を要求された場所(例えば、情報提供先となるユーザー(若しくは、ユーザーが所有する無線通信装置)の現在位置に相当する。
【0103】
通信パラメーター取得部811は、位置情報に紐付けられた通信パラメーターを取得する。ここで言う通信パラメーターは、複数の公衆無線基地局(若しくは、ユーザーが利用することができる各通信事業者の基地局)の混雑具合や、混雑具合から算出される通信レートに関する情報などである(同上)。通信パラメーターは、複数の無線通信装置から収集したものを時間に関する情報及び位置に関する情報を単位として平均化したものであってもよい。但し、通信パラメーターは、固定値に限定されるものではなく、さらに時間情報と紐付けられて動的に変化するパラメーターを含むものとする。
【0104】
位置情報対応付け部812は、地図情報保存部810に保存されている地図情報806と、通信パラメーター取得部811で取得された通信パラメーターに対して、位置情報との対応付けを行なう(同上)。
【0105】
画像情報作成部813は、位置情報との対応付けが行なわれた通信パラメーターを地図情報806上に表記した画像情報の作成を行なう。画像情報作成部813で作成される画像情報は、図3並びに図4に示したものと同様とする。
【0106】
通信部815は、所定のネットワークに接続して通信を行なう通信手段を備えている。情報提供装置800は、通信部815からネットワークを介して無線通信端末装置820と通信することができる。無線通信端末装置820側では、受信部821が画像情報を情報提供装置800から取得すると、この情報を表示部830上で画面表示させることができる。表示部830の画面には、各通信事業者を表す文字やアイコンなどの図形、又は、搬送波周波数などを含む無線方式に対応する文字やアイコンなどの図形が表示されるものとする。
【0107】
無線通信端末装置820のユーザーは、通信事業者選択部825を操作することによって、表示部830の画面に表示されている、各通信事業者を表す文字やアイコンなどの図形、又は、搬送波周波数などを含む無線方式に対応する文字やアイコンなどの図形の中から、所望する通信事業者に対応する文字やアイコン、又は、搬送波周波数などの無線方式に対応する文字やアイコンを選択することができる。
【0108】
また、表示部830は、通信事業者選択部825を介したユーザーの選択結果に応じて、選択された通信事業者を表す文字やアイコンなどの図形、又は、搬送波周波数などを含む無線方式に対応する文字やアイコンなどの図形に対して、選択されなかったその他の通信事業者を表す文字やアイコンなどの図形、又は、搬送波周波数などを含む無線方式に対応する文字やアイコンなどの図形とは異なる視覚効果を与えるようにしてもよい。ここで、異なる視覚効果を与えるというのは、ユーザーのクリック動作などによって表示部830上の文字の色を変化させたり、文字を点滅させたり、文字の背景の色を変化させたり、文字の背景に色を点滅させたりすることなどによって実現される。
【0109】
また、通信事業者選択部825の出力は、無線方式設定部826に送られる。無線方式設定部826は、表示部830上で選択されていない他の通信事業者に対応する文字やアイコンなどの図形、若しくは、搬送波周波数などを含む無線方式に対応する文字やアイコンなどの図形とは異なる視覚効果を与えられた1つの通信事業者に対応する文字やアイコンなどの図形、若しくは、搬送波周波数などを含む無線方式に対応する文字やアイコンなどの図形に対応した無線方式への設定を無線通信部840に行なう。この状態で、通話若しくはパケット通信を開始すると、無線通信部840は、通信事業者選択部825で選択された通信事業者、若しくは、搬送波周波数などを含む無線方式に対応する方式での通話、若しくは、パケット通信を実行する。
【0110】
携帯無線通信端末装置のSIMの管理において複数の通信事業者との接続を使い分ける方法が導入された場合、あるいは複数の無線通信サービスを利用可能なヘテロジニアスな無線環境下において、無線通信端末装置820のユーザーは、表示部830に画面表示された地図情報(図3又は図4を参照のこと)から、各通信事業者のトラフィック状況を視覚的に確認するとともに、通信事業者選択部825を操作することによって接続先の通信事業者を自ら選択することができる。この結果、トラフィックが平準化されることになるので、通信事業者にとっては、無駄な基地局増強費用を削減できるメリットが期待できる。その相乗効果として、ユーザーも安い通信サービスを受けることができるようになる。
【0111】
なお、通信事業者選択部825の選択方法としては、ユーザーの表示部830の表示画面上でのクリック動作に限定される訳ではない。例えば、ユーザーの嗜好をあらかじめ設定しておく設定ファイルに基づいて、通信事業者若しくは無線方式を選択する方法も可能である。具体的には、ユーザーが通信費の安いことを優先すると設定していた場合には、表示部830に表示された情報のうち、最も安価な通信事業者若しくは無線方式を自動的に選択することになる。あるいは、通信レートの速いことを優先すると設定していた場合には、表示部830に表示された情報のうち、最も通信レートの速い通信事業者若しくは無線方式を自動的に選択することになる。
【0112】
図9には、通信パラメーターを視覚的に確認するための情報をユーザーに提供する情報提供装置900と、提供された情報を利用する無線通信端末装置920からなる通信システムのさらに他の構成例を示している。
【0113】
情報提供装置900は、地図情報906を保存する地図情報保存部910と、通信パラメーター取得部911と、位置情報対応付け部912と、画像情報作成部913と、通信部915を備え、例えば無線通信端末装置920に画像情報を提供するサーバーとして機能する。
【0114】
一方、無線通信端末装置920は、受信部921と、表示部930を備えている。無線通信端末装置920は、例えば、ユーザーが所持する携帯電話機やスマートフォンなどの通信端末などである。図6に示した通信システムとの主な相違点は、表示部930が第1の表示領域930−1と第2の表示領域930−2を含む複数の表示領域を備えている点である。
【0115】
地図情報保存部910に保存される地図情報906は、例えば、位置情報、住所情報、建物名称情報、店舗名称情報を含んでいる。このうち建物名称情報には、例えば、鉄道の駅、路線バスのバス停、史跡、名勝、公園、河川、港湾などの一般的な地図に記載される名称が含まれる(同上)。ここで言う位置情報は、地図表示を要求された場所(例えば、情報提供先となるユーザー(若しくは、ユーザーが所有する無線通信装置)の現在位置に相当する。
【0116】
通信パラメーター取得部911は、位置情報に紐付けられた通信パラメーターを取得する。ここで言う通信パラメーターは、複数の公衆無線基地局の混雑具合や、混雑具合から算出される通信レートに関する情報などである(同上)。通信パラメーターは、複数の無線通信装置から収集したものを時間に関する情報及び位置に関する情報を単位として平均化したものであってもよい。但し、通信パラメーターは、固定値に限定されるものではなく、さらに時間情報と紐付けられて動的に変化するパラメーターを含むものとする。
【0117】
位置情報対応付け部912は、地図情報保存部910に保存されている地図情報906と、通信パラメーター取得部911で取得された通信パラメーターに対して、位置情報との対応付けを行なう(同上)。
【0118】
画像情報作成部913は、位置情報との対応付けが行なわれた通信パラメーターを地図情報上に表記した画像情報の作成を行なう。通信部915は、無線通信手段を備えており、情報提供装置900は、通信部915を介して画像情報を無線通信端末装置920に送信する。無線通信端末装置920側は、受信部921を介して画像情報を取得する。取得された画像情報は、表示部930に送られ、複数ある表示領域の1つである第1の表示領域930−1に表示される。第1の表示領域930−1を、通信パラメーターを表示させる領域として常に利用することができる。
【0119】
携帯無線通信端末装置のSIMの管理において複数の通信事業者との接続を使い分ける方法が導入された場合、あるいは複数の無線通信サービスを利用可能なヘテロジニアスな無線環境下において、無線通信端末装置920のユーザーは、表示部930の第1の表示領域930−1に表示された通信パラメーターから各通信事業者のトラフィック状況を確認して、無線通信部940の接続先の通信事業者を選択することができる。この結果、トラフィックが平準化されることになるので、通信事業者にとっては、無駄な基地局増強費用を削減できるメリットが期待できる。その相乗効果として、ユーザーも安い通信サービスを受けることができるようになる。
【0120】
なお、画像情報作成部913は、地図情報を含まない通信パラメーターの数値のみを送信することも可能である。この場合、第1の表示領域930−1には、1つ若しくは複数の公衆無線基地局に係る通信パラメーターの数値が表示されることになる。ここで、数値を表示する方法としては、数値のまま画面に直接表示させるだけでなく、グラフ形式、メーターのようなディジタル形式での表示、あるいは、混雑具合を想起させるアイコン、通信スピードを想起させるアイコンでの表示を行なうが可能である。
【0121】
また、表示部930の表示領域を複数に分割する方法とは別に、無線通信端末装置920が複数の表示部を備え、そのうちの1つに画像情報作成部913で作成した画像情報を表示させるようにすることも勿論可能である。
【0122】
図10には、図9に示した通信システムの変形例を示している。図7に示した通信システムとの主な相違点は、サーバーとしての情報提供装置1000が、画像情報作成部1013で作成した画像情報のサイズを制御する機能を備えている点にある。
【0123】
情報提供装置1000は、地図情報1006を保存する地図情報保存部1010と、通信パラメーター取得部1011と、位置情報対応付け部1012と、画像情報作成部1013と、通信部1015の他に、さらに情報サイズ制御部1018と、情報作成部1019を備えている。
【0124】
一方、無線通信端末装置1020は、受信部1021と、表示部1030を備えている。無線通信端末装置1020は、例えば、ユーザーが所持する携帯電話機やスマートフォンなどの通信端末などである。図9と同様に、表示部1030は、第1の表示領域1030−1と第2の表示領域1030−2を含む複数の表示領域を備えている。
【0125】
地図情報保存部1010に保存される地図情報1006は、例えば、位置情報、住所情報、建物名称情報、店舗名称情報を含んでいる。このうち建物名称情報には、例えば、鉄道の駅、路線バスのバス停、史跡、名勝、公園、河川、港湾などの一般的な地図に記載される名称が含まれる(同上)。ここで言う位置情報は、地図表示を要求された場所(例えば、情報提供先となるユーザー(若しくは、ユーザーが所有する無線通信装置)の現在位置に相当する。
【0126】
通信パラメーター取得部1011は、位置情報に紐付けられた通信パラメーターを取得する。ここで言う通信パラメーターは、複数の公衆無線基地局の混雑具合や、混雑具合から算出される通信レートに関する情報などである(同上)。通信パラメーターは、複数の無線通信装置から収集したものを時間に関する情報及び位置に関する情報を単位として平均化したものであってもよい。但し、通信パラメーターは、固定値に限定されるものではなく、さらに時間情報と紐付けられて動的に変化するパラメーターを含むものとする。
【0127】
位置情報対応付け部1012は、地図情報保存部1010に保存されている地図情報1006と、通信パラメーター取得部1011で取得された通信パラメーターに対して、位置情報との対応付けを行なう(同上)。また、画像情報作成部1013は、位置情報との対応付けが行なわれた通信パラメーターを地図情報上に表記した画像情報の作成を行なう。
【0128】
情報サイズ制御部1018は、位置情報対応付け部1012で作成した位置に関する情報と通信パラメーターの情報に基づいて、無線通信端末装置1020に送信する情報のサイズを制御する。
【0129】
例えば、ある地点にいる無線通信端末装置1020に広告などの付加情報を送る際、情報提供装置1000は、この無線通信端末装置1020の存在する位置に紐づいた通信パラメーターを読み取る。この通信パラメーターが無線通信端末装置1020の存在する位置でのトラフィックが混雑している、つまり通信レートが低いことを示した場合には、情報サイズ制御部1018は、付加情報の情報サイズを小さくするための信号を情報作成部1019に出力する。そして、情報作成部1019は、情報サイズ制御部1018からの信号に基づいて、サイズの小さな広告などの付加情報を作成する。逆に、通信パラメーターが無線通信端末装置1020の存在する位置でのトラフィックが混雑していない、つまり通信レートが高いことを示した場合には、情報サイズ制御部1018は、情報サイズを大きくするための信号を情報作成部1019に出力する。そして、情報作成部1019は、情報サイズ制御部818からの信号に基づいて、サイズの大きな広告などの付加情報を作成する。なお、情報サイズ制御部1018は、画像情報作成部1013で作成する画像情報のサイズを制御してもよい。
【0130】
情報作成部1019で作成された付加情報は、通信部1015を介して、無線通信端末装置1020に送信される。無線通信端末装置1020側では、表示部1030の表示領域のうち、第1の表示領域1030−1には、通信パラメーターが表記された地図情報が表示される一方、第2の表示領域1030−2には付加情報が表示される。
【0131】
ここで、情報作成部1019で作成された付加情報としては、広告だけではなく、天気予報、ニュース、音楽コンテンツ、画像コンテンツ、動画コンテンツなど、一般的な情報を包含してもよい。また、情報サイズを制御するというのは、画像の圧縮率を変える、圧縮方式を変えることも包含していてもよい。
【0132】
このように、情報提供装置1000は、トラフィックに関連した情報に加え、広告などの付加情報を配信する際に、無線通信端末装置1020の存在する地点でのトラフィック状況に応じたサイズに調整することができるので、トラフィックへの負荷を最小限にして付加情報を配信することができる。
【産業上の利用可能性】
【0133】
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳細に説明してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
【0134】
本明細書では、本発明を3G方式の携帯電話サービに適用した実施形態を中心に説明してきたが、本発明の要旨はこれに限定されるものではない。3G方式以外の携帯電話サービス、ホットスポットを始めとする公衆無線LANサービス、基地局を介して端末が無線通信を行なうその他のさまざまな無線通信システムに、同様に本発明を適用することができる。
【0135】
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
【符号の説明】
【0136】
100…通信システム
120…携帯端末
130…第1の基地局
140…第1のコア・ネットワーク
150…第2の基地局
160…第2のコア・ネットワーク
200…情報提供装置
201…位置情報
202…住所情報
203…建物名称情報
204…店舗名情報
205…地図情報作成部
206…地図情報
210…地図情報保存部
211…通信パラメーター取得部
212…位置情報対応付け部
213…画像情報作成部
214…表示部
500…情報提供装置
506…地図情報
510…地図情報保存部
511…通信パラメーター取得部
512…位置情報対応付け部
513…画像情報作成部
514…表示装置
515…送信部
600…情報提供装置
606…地図情報
610…地図情報保存部
611…通信パラメーター取得部
612…位置情報対応付け部
613…画像情報作成部
615…通信部
620…無線通信端末装置
621…受信部
630…表示部
640…無線通信部
700…情報提供装置
706…地図情報
710…地図情報保存部
711…通信パラメーター取得部
712…位置情報対応付け部
713…画像情報作成部
715…通信部、715−1…送信部、715−2…受信部
716…通信パラメーター収集部
717…平均化部
720…無線通信端末装置
721…受信部
723…通信パラメーター検出部
724…送信部
730…表示部
740…無線通信部
800…情報提供装置
806…地図情報
810…地図情報保存部
811…通信パラメーター取得部
812…位置情報対応付け部
813…画像情報作成部
815…通信部
820…無線通信端末装置
821…受信部
825…通信事業者選択部
826…無線方式設定部
830…表示部
840…無線通信部
900…情報提供装置
906…地図情報
910…地図情報保存部
911…通信パラメーター取得部
912…位置情報対応付け部
913…画像情報作成部
915…通信部
920…無線通信端末装置
921…受信部
930…表示部、930−1…第1の表示領域、930−2…第2の表示領域
940…無線通信部
1000…情報提供装置
1006…地図情報
1010…地図情報保存部
1011…通信パラメーター取得部
1012…位置情報対応付け部
1013…画像情報作成部
1015…通信部
1018…情報サイズ制御部
1019…情報作成部
1020…無線通信端末装置
1021…受信部
1030…表示部、1030−1…第1の表示領域、1030−2…第2の表示領域
1040…無線通信部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも位置の情報、住所の情報、建物の名称、又は店舗の名称のうちの1つの情報が対応付けられた地図情報を保持する地図情報保存部と、
位置の情報に対応付けられた通信パラメーターを取得する通信パラメーター取得部と、
前記位置の情報との対応付けが行なわれた前記通信パラメーターを前記地図情報上に表記した画像情報を作成する画像情報作成部と、
前記画像情報作成部が作成した画像情報を表示する表示部と、
を具備する情報提供装置。
【請求項2】
前記位置の情報は、ユーザーが無線通信を行なう場所についての位置の情報であり、
前記通信パラメーター取得部は、前記ユーザーが利用することができる通信事業者の基地局の混雑具合、又は混雑具合から求められる通信レートに関する情報を含む、固定若しくは動的に変化する通信パラメーターを取得する、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記画像情報作成部が作成した画像情報を前記情報提供装置外の表示装置へ送信する送信部をさらに備える、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項4】
所定のネットワークに接続する通信部をさらに備え、
前記画像情報作成部が作成した画像情報を前記ネットワーク経由で提供する、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記画像情報作成部は、ユーザーの無線接続先の候補となる基地局を管理又は運営する事業者に関する情報を前記地図情報に併せて表記する、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記画像情報作成部は、ユーザーの無線接続先の候補となる基地局を管理又は運営する事業者に関する情報をダウンロードするためのリンクを前記地図情報に張る、
請求項5に記載の情報提供装置。
【請求項7】
少なくとも位置の情報、住所の情報、建物の名称、又は店舗の名称のうちの1つの情報が対応付けられた地図情報を保持する地図情報保存部と、位置の情報に対応付けられた通信パラメーターを取得する通信パラメーター取得部と、前記位置の情報との対応付けが行なわれた前記通信パラメーターを前記地図情報上に表記した画像情報を作成する画像情報作成部と、前記画像情報作成部が作成した画像情報を前記ネットワーク経由で送信する通信部を有する情報提供サーバーと、
前記情報提供サーバーから前記画像情報を受信する受信部と、受信した画像情報を表示する表示部と、基地局に無線接続する無線通信部を有する、1以上の無線通信端末装置と、
を具備する通信システム。
【請求項8】
前記無線通信端末装置は、通信パラメーターを検出して、位置に関する情報及び時間に関する情報と紐付けする通信パラメーター検出部と、通信パラメーターを情報提供サーバーに送信する送信部をさらに備え、
前記情報提供サーバーは、複数の前記無線通信端末装置から受信した通信パラメーターを収集する通信パラメーター収集部と、時間に関する情報及び位置に関する情報を単位として通信パラメーターを平均化する平均化部をさらに備え、平均化した後の通信パラメーターを前記地図情報上に表記した画像情報を作成して前記無線通信端末装置に提供する、
請求項7に記載の通信システム。
【請求項9】
前記無線通信端末装置の前記無線通信部は符号分割多重接続方式に対応し、前記通信パラメーター検出部は、複数の基地局に割り当てられたスクランブル・コードに対して相関検出して得られるパイロット信号の受信レベル、又は、複数の基地局から受信したパイロット信号から算出される数値、各基地局のトラフィック状況に関する情報、若しくは通信レートを通信パラメーターとして検出する、
請求項8に記載の通信システム。
【請求項10】
前記無線通信端末装置の前記無線通信部は直交周波数分割多重接続方式に対応し、前記通信パラメーター検出部は、複数の基地局から受信した信号に含まれる、各フレームの全サブキャリア数に対するユーザーに割り当てられたサブキャリア数の割合に関する情報、各基地局のトラフィック状況に関する情報、若しくは、各フレームの全サブキャリア数に対するユーザーに割り当てられたサブキャリア数の割合に関する情報に基づく通信レートの予測値を通信パラメーターとして検出する、
請求項8に記載の通信システム。
【請求項11】
前記無線通信端末装置は、複数の通信事業者又は無線方式を表す文字又は図形を前記表示部の画面に表示するとともに、前記画面に表示された文字又は図形の中から所望する通信事業者又は無線方式を表す文字又は図形を選択する通信事業者選択部をさらに備え、前記無線通信部は、前記通信事業者選択部で選択した通信事業者又は無線方式を表す文字又は図形に対応する無線方式への設定を行ない、前記表示部は、前記通信事業者選択部で選択した通信事業者又は無線方式を表す文字又は図形に対して、その他の通信事業者又は無線方式を表す文字又は図形とは異なる視覚効果を与える、
請求項7に記載の通信システム。
【請求項12】
前記無線通信端末装置の前記表示部は複数の表示領域に分割され、前記情報提供サーバーから受信した通信パラメーターを表記した画像情報又は通信パラメーターを、分割された表示領域の1つに表示する、
請求項7に記載の通信システム。
【請求項13】
前記情報提供サーバーは、前記画像情報作成部が作成した画像情報を前記通信部から送信する際の情報サイズを制御する情報サイズ制御部をさらに備える、
請求項7に記載の通信システム。
【請求項14】
前記情報サイズ制御部は、前記無線通信端末装置の現在の位置に対応する通信パラメーターに基づいて、前記情報サイズを制御する、
請求項13に記載の通信システム。
【請求項15】
前記情報提供サーバーは、前記画像情報作成部が作成した画像情報に付加して送信する付加情報を作成する情報作成部をさらに備え、
前記情報作成部は、前記情報サイズ制御部が決定した情報サイズに応じた付加情報を作成する、
請求項13に記載の通信システム。
【請求項16】
前記無線通信端末装置の前記表示部は複数の表示領域に分割され、前記情報提供サーバーから通信パラメーターを表記した画像情報及び付加情報を受信し、分割された表示領域の1つに通信パラメーターを表記した画像情報を表示するとともに、分割された表示領域の他の1つに付加情報を表示する、
請求項15に記載の通信システム。
【請求項17】
少なくとも位置の情報、住所の情報、建物の名称、又は店舗の名称のうちの1つの情報が対応付けられた地図情報を保持する地図情報保持ステップと、
位置の情報に対応付けられた通信パラメーターを取得する通信パラメーター取得ステップと、
前記位置の情報との対応付けが行なわれた前記通信パラメーターを前記地図情報上に表記した画像情報を作成する画像情報作成ステップと、
前記画像情報作成部が作成した画像情報を表示する表示ステップと、
を有する情報提供方法。
【請求項18】
少なくとも位置の情報、住所の情報、建物の名称、又は店舗の名称のうちの1つの情報が対応付けられた地図情報を保持する地図情報保存部、
位置の情報に対応付けられた通信パラメーターを取得する通信パラメーター取得部、
前記位置の情報との対応付けが行なわれた前記通信パラメーターを前記地図情報上に表記した画像情報を作成する画像情報作成部、
前記画像情報作成部が作成した画像情報を表示する表示部、
としてコンピューターを機能させるためのコンピューター可読形式で記述されたコンピューター・プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−109742(P2012−109742A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−256299(P2010−256299)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】