説明

情報検索システム

【課題】 携帯電話のユーザに対し、簡便な操作でもって必要な情報の検索・入手を済ますことのできるシステムを提供する。
【解決手段】 情報案件を蓄積しておく案件データベース54と、インターネット接続機能を備えたユーザの携帯電話24から送信された検索要求電子メールを受信すると共に、電子メール中に記述された検索条件を抽出するメール受信部34と、案件データベース54内を検索し、検索条件に該当する情報案件を抽出する検索処理部36と、抽出された情報案件のリストを記述した電子メールを生成するメール生成部38と、電子メールをユーザの電子メールアドレス宛に返信するメール送信部40を備えた情報検索システム10。

【発明の詳細な説明】
【001】
【発明の属する技術分野】この発明は情報提供システムに係り、特に、インターネット接続機能を備えた携帯電話に対して、飲食店や遊戯施設等に関する情報を検索・配信することを可能とするシステムに関する。
【002】
【従来の技術】近時、携帯電話やPHS(以下「携帯電話」と総称する)の普及率が爆発的に高まり、その中でインターネット接続機能を備えた携帯電話の占める割合も増加してきている。携帯電話のユーザは、文字通り携帯電話を日常的に持ち歩いており、パソコンよりも簡単にインターネットに接続できるため、ちょっとした空き時間を利用してメールチェックやホームページの閲覧を行っている。このように、携帯電話が通話機能以外にインターネット接続機能を備えた結果、これを日常生活に必要な様々な情報の取得手段として有効活用したいという要請が生じるのは当然の成り行きであり、現在でも様々な情報の提供サービスが展開されている。
【003】例えば、ユーザの携帯電話から発信された検索要求に従い、サーバのデータベース内に蓄積されたレストラン情報を抽出し、これをユーザの携帯電話に送信する「グルメ情報」提供サービスがある。この場合ユーザは、携帯電話の入力キーを介して地域やジャンル(和食、洋食、中華等の別)を指定することで候補の飲食店をディスプレイ上にリストアップし、その中の一つを選択することで当該飲食店のお奨めメニューや価格帯、定休日、営業時間、所在地、電話番号等の情報を入手することができる。また、携帯電話は自動ダイヤル機能(Phone to機能)を備えているため、上記電話番号の表示部分を選択することにより、該当の飲食店に対する発呼が実行され、携帯電話の通話機能を用いて予約を入れることができる。この他にも、ホテルやカラオケボックス、映画等に関する情報の提供サービスが実施されている。携帯電話の場合、その小型軽量性ゆえに常時携帯でき、ケーブルレスでインターネットに接続できる利点があり、生活に密着した細々とした情報の検索手段として極めて有用であるといえる。
【004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の携帯電話を用いた情報提供システムにあっては、インターネットのWWW(World Wide Web)機能をベースにしており、目的の検索サイトに接続するのに比較的長時間を要することとなる。検索サイトに接続した後も、階層化された検索メニューを深化していく度にWebページの読み込みを行う必要があり、つぎの画面が表示されるまでの間、ディスプレイを見つめたまま待機せざるを得ない。結局、最終的な検索結果を得るまでに、ユーザはWebページの読み込みとメニューの選択動作を繰り返す必要があり、検索行為に一定時間拘束されることとなる。比較的時間に余裕のある場合であればともかく、歩行中や会議中に長時間ディスプレイを眺めていることは憚られる。また、電車や車で移動中の場合、トンネルに入った時点で接続が中断されることとなり、ストレスが溜まる。
【005】この発明は、従来の携帯電話を用いた情報提供システムが抱えている上記問題点を解決するために案出されたものであり、携帯電話のユーザに対し、簡便な操作でもって必要な情報の検索・入手を済ますことのできるシステムを提供することを目的としている。
【006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、請求項1に記載の情報検索システムは、各種情報案件を蓄積しておく案件データベースと、インターネット接続機能を備えたユーザの携帯電話から送信された検索要求電子メールを受信する手段と、該電子メール中に記述された検索条件を抽出する手段と、上記案件データベース内を検索し、上記検索条件に該当する情報案件を抽出する手段と、抽出された情報案件のリストを記述した電子メールを生成する手段と、当該電子メールをユーザの電子メールアドレス宛に返信する手段とを備えたことを特徴としている。上記「情報案件」としては、飲食店や遊技施設等の店舗情報が典型例である。あるいは、求人情報や求職情報、求婚情報等であってもよい。上記「インターネット接続機能を備えたユーザの携帯電話」としては、NTTドコモ(登録商標)の「iモード」(登録商標)や、「au」(登録商標)の「Ezweb」(登録商標)、「J-Phone」(登録商標)の「JSky」(登録商標)などが該当する。
【007】検索を希望するユーザは、携帯電話のメール機能を用いて検索条件を記述した電子メールを所定のメールアドレス宛に送信しておくだけで済み、後はシステム側で自動的に検索処理が実行され、その結果が電子メールの形でユーザの携帯電話に送信されることとなる。すなわち、ユーザは検索結果が送信されるまでの間、メニューの選択動作を繰り返したり、携帯電話のディスプレイを眺め続ける必要がなく、予め検索要求を電子メールの形で送信しておきさえすれば、後でゆっくりと結果を閲読することが可能となる。
【008】請求項2に記載の情報検索システムは、検索キーと類義語との対応関係を登録しておく類義語データベースと、上記類義語データベースを参照して、ユーザが記述した検索条件に対応する検索キーを特定する手段と、上記案件データベース内を検索し、上記検索キーに該当する情報案件を抽出する手段とを備えたことを特徴としている。
【009】例えば、案件データベース内の店舗情報に予め検索キーとして「イタリアン」が設定されている場合に、「イタリアン」の類義語として「イタメシ」を類義語データベースに登録しておけば、ユーザが検索条件として「イタメシ」を記述している場合であってもイタリアンレストランを有効に検索可能となる。WWWをベースとした検索システムであれば、リアルタイムの双方向性があるため、ユーザが無効な検索条件を入力した場合には即座に訂正を求めることができる。これに対し、本システムは電子メールを媒介とした検索システムであり、検索要求時と検索実行時、検索結果閲読時に一定のタイムラグが存在することが前提となるため、上記のような類義語データベースを用意し、1回の検索要求に対してなるべく有効な回答を返信できるように工夫しておくことが望ましい。
【0010】請求項3に記載の情報検索システムは、上記案件情報データベース内に、カテゴリと関連地域が検索キーとして各情報案件毎に設定されていることを特徴としている。「カテゴリ」とは、情報案件の種別を示すインデックスのことであり、例えば「飲食店」や「遊技施設」といった店舗情報の種類を示すものが該当する。さらに、「飲食店」の下位概念として「和食」「寿司」「洋食」・・・等の細分類カテゴリを設定しておくこともできる。また、「関連地域情報」とは、情報案件が店舗情報の場合に「最寄り駅」や「駅からの時間(距離)」等が該当する。ユーザは、これらのカテゴリや関連地域情報を検索条件として記述することで、検索対象を絞り込むことが可能となる。
【0011】請求項4に記載の情報検索システムは、上記案件データベース内に少なくとも案件名及び電話番号が各情報案件毎に登録されており、ユーザに返信される電子メール中には抽出された案件名が電話番号と共に記述されることを特徴としている。携帯電話は自動ダイヤル機能(Phone to機能)を備えているため、ユーザは携帯電話のキー操作を通じて特定案件の電話番号を選択することで、当該情報案件に関連した電話番号に対してワンタッチで発呼することが可能となる。
【0012】請求項5に記載の情報検索システムは、ユーザに返信される電子メール中に所定のWebサイトに接続するためのURL、あるいは当該URLに関連付けられた文字や図形が各案件名毎に表示されており、ユーザがキー操作を通じて当該文字や図形を選択し、携帯電話から当該Webサイトに接続して特定の情報案件に関する詳細情報の送信を要求した場合に、上記案件データベースを参照して該当の情報案件に関する詳細情報が記述されたWebページを生成する手段と、当該Webページをユーザの携帯電話に送信する手段とを備えたことを特徴としている。電子メールにる検索処理が完了し、案件数がある程度絞り込まれた後は、WWW機能を用いて詳細情報を閲覧する機会をユーザに付与することが望ましい。
【0013】請求項6に記載の情報検索システムは、上記案件データベース内に各情報案件に関する画像データが格納されており、上記Webページ中には各情報案件毎に画像データと関連付けられた文字や図形が記述されており、ユーザがキー操作を通じて当該文字や図形を選択し、携帯電話から上記Webサイトに接続して特定の情報案件に関する画像データの送信を要求した場合に、上記案件データベースから該当の画像データを抽出し、これを表示するためのWebページを生成する手段と、当該Webページ及び画像データをユーザの携帯電話に送信する手段とを備えたことを特徴としている。「画像データ」としては、例えば写真データや地図データが該当する。これらを参照することにより、ユーザは自己にとって最適な情報案件を選択することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、この発明に係る情報検索システム10の全体イメージを示すものであり、このシステム10の運用者が管理するセンターサーバ12と、情報提供者が管理する通信端末としてのパソコン14と、飲食店16が管理する通信端末としてのパソコン18とが、インターネット20や専用回線(図示省略)を介してネットワーク接続されている。また、各ユーザ22が所持するインターネット接続機能を備えた携帯電話24が、通信キャリアのパケット通信網26及びゲートウェイサーバ28を介してインターネット20に接続されている。各ユーザ22の携帯電話24は、通信キャリアの公衆回線網(移動通信網を含む)30を介して飲食店16の電話機32に着信させることもできる。
【0015】上記センターサーバ12は、WWW(World Wide Web)サーバ機能、メールサーバ機能、アプリケーションサーバ機能、データベースサーバ機能等を備えており、実際には複数のワークステーションやパソコンをネットワーク接続することによって構成されている。
【0016】図2は、このシステム10の主な機能構成を示すブロック図であり、センターサーバ12は、メール受信部34と、検索処理部36と、メール生成部38と、メール送信部40と、情報案件受信部42と、情報案件登録部44と、Webページ配信部46と、Webページ生成部48と、類義語データベース50と、検索ログデータベース52と、案件データベース54とを備えている。上記メール受信部34、検索処理部36、メール生成部38、メール送信部40、情報案件受信部42、情報案件登録部44、Webページ配信部46、Webページ生成部48は、センターサーバ12を構成するコンピュータのCPUが、OSや専用プログラムに従って必要な処理を実行することによって実現される。また、上記類義語データベース50、検索ログデータベース52、案件データベース54は、同コンピュータのハードディスク内に格納されている。
【0017】図3は、案件データベース54内に設定されるデータ項目の一例を示すものであり、店舗IDを筆頭に、店舗名、店舗カテゴリ、店舗概要、住所、最寄り駅、駅からの時間、電話番号、メールアドレス、地図データ、写真データの各項目が設けられている。これらのデータ項目は一例であり、必要に応じて増減可能であることは言うまでもない。
【0018】上記「店舗カテゴリ」には、各店舗の分類種別が記述される。以下に具体例を示す。


上記のカテゴリは固定的なものではなく、時代や流行の変遷に応じて適宜更新される。
【0019】上記「店舗概要」には、当該店舗の営業時間や休業日、収容能力、料金体系、主なメニュー構成、キャッチフレーズといった情報が簡潔に記述されている。また、「最寄り駅」には、当該店舗に近い1または複数の駅名が記述される。「駅からの時間」には、各最寄り駅からの徒歩時間が記述される。「地図データ」には当該店舗の略図を示す画像データが、「写真データ」には当該店舗の外観あるいは内部を撮影した画像データが、所定のファイル形式で格納されている。
【0020】上記センターサーバ12の案件データベース54には、情報提供者のパソコン14からインターネット20経由で情報案件としての店舗情報が随時アップロードされる。例えば、地域の店舗事情に精通したミニコミ誌編集者は、自己のパソコン14からインターネット20経由でセンターサーバ12のWebサイトにアクセスし、店舗情報入力用フォームをブラウザ上に呼び出す(図示省略)。この入力フォーム中に、取材を通じて収集した最新の店舗情報を所定の書式に沿って入力し、登録ボタンをクリックすると、センターサーバ12の情報案件受信部42が当該入力データを受け取り、情報案件登録部44に渡す。これを受けた情報案件登録部44は、案件データベース54内に新規登録あるいは更新登録する。もちろん、店舗16側に自店の情報を案件データベース54に登録する権限を与えることもできる。この場合、各店舗16の経営者や店長等は、自店のパソコン18からインターネット20経由でセンタサーバ12のWebサイトにアクセスし、上記と同様の手順に従って店舗情報を新規登録あるいは更新登録する。
【0021】つぎに、図4、図5のフローチャート及び図6〜図12のレイアウト図に従い、ユーザが店舗情報を入手する際の処理手順について説明する。例えば、ユーザが渋谷界隈で食事を取ろうと思い立った場合、携帯電話24のメール作成機能を起動させる。この結果、図6に示すように、携帯電話24のディスプレイ56上にメール作成画面が表示される。まずユーザは、「宛先」欄にセンターサーバ12のメールアドレスを入力する。このメールアドレスは、予め携帯電話24のメモリ内に格納されているため、ワンタッチで入力が完了する。つぎに、「題名」欄はブランクのままにしておき、図7に示すように、「本文」欄にテンキーを介して「渋谷 和食 5分」と入力する。このように作成した電子メールを携帯電話24から発信すると、通信キャリアのゲートウェイサーバ28からインターネット20上に送信され、センターサーバ12のメールサーバに到達する。
【0022】これを受けたセンターサーバ12のメール受信部34は(図4のS10)、電子メールの本文中に記述された検索条件を示す文字「渋谷 和食 5分」を抽出し(S12)、検索処理部36に出力する。検索処理部36は、類義語データベース50を参照し、上記文字がそのまま検索キーとして使えることを確認する(S14)。つぎに、検索処理部36は案件データベース54内を検索し、上記キーワードに該当する店舗を抽出する(S16)。具体的には、店舗カテゴリとして「和食」が、最寄り駅として「渋谷」が、駅からの時間として「5分〜0分」が設定されている店舗が該当する。
【0023】上記の検索結果はメール生成部38に出力され、ユーザ宛ての返信メールが生成される(S18)。すなわち、宛先欄に当該ユーザの電子メールアドレスが記述されると共に、題名欄に「★検索結果のお知らせ★」が、また本文欄に店舗リストが記述された電子メールが自動的に生成される。この返信メールは、メール送信部40を介してインターネット20上に送出され(S20)、ゲートウェイサーバ28及びパケット通信網26を介してユーザの携帯電話24に配信される。着信音によって電子メールの着信を認識したユーザは、所定のキー操作を介してメール本文をディスプレイ56上に表示させる。
【0024】図8はその一例を示すものであり、ヒットした各店舗の名称、電話番号、詳細情報が列記されている。このリストを眺めてユーザが特定の店舗に決めた場合には、キー操作を通じて当該店舗の電話番号を選択する。この結果、携帯電話24の自動ダイヤル機能(Phone to機能)により、ユーザの携帯電話24から当該店舗16の電話機32に対して発呼される。後は、携帯電話24の通話機能によって店舗16のスタッフと会話し、予約を入れたり、満席・空席の確認を行えばよい。
【0025】これに対し、より詳細な情報を検討してから店舗を絞り込みたい場合には、「詳細情報」を選択する。この「詳細情報」の文字には、センターサーバ12のWebサイトに接続するためのURLが関連付けられており、ユーザが特定店舗の「詳細情報」を選択すると同時に携帯電話24はWWWモードに切り替わり、センターサーバ12に対して当該店舗の詳細情報送信要求が出力される。これを受けたセンターサーバのWebページ配信部46は(図5R>5のS22)、Webページ生成部48に対して当該店舗の詳細情報を記述したWebページの生成を指令する。ウェブページ生成部48は、案件データベース54からユーザが選択した店舗の詳細情報を抽出し、当該携帯電話24において表示可能なファイル形式のWebページを生成する(S24)。このWebページファイルは、Webページ配信部46を介してインターネット20上に送出され(S26)、ゲートウェイサーバ28等を経由してユーザの携帯電話24に送信される。この結果、ユーザの携帯電話24のディスプレイ56上には、図9に示すように、営業時間や席数、主要なメニュー構成、キャッチコピー等の詳細情報が表示される。
【0026】このWebページ中の「地図」をユーザが選択すると、センターサーバ12に対して当該店舗の略図送信要求が出力される。これを受けたセンターサーバ12のWebページ配信部46は(S28)、Webページ生成部48に対して当該店舗の地図データを含むWebページの生成を指令する。ウェブページ生成部48は、案件データベース54から該当店舗の地図データを抽出し、当該携帯電話24において表示可能なファイル形式のWebページを生成する(S30)。このWebページファイルは、Webページ配信部46を介してインターネット20上に送出され(S32)、ゲートウェイサーバ28等を経由してユーザの携帯電話24に送信される。この結果、ユーザの携帯電話24のディスプレイ56上には、図10に示すように、当該店舗の略図が表示される。同様に、ユーザが詳細情報ページ中の「写真」を選択すると、図示は省略したが、該当店舗の写真データが携帯電話24のディスプレイ56上に表示される(S34〜S38)。
【0027】上記の詳細情報、地図、写真を検討した結果、ユーザが当該店舗に決定した場合には、キー操作を通じて当該店舗の電話番号を選択し、携帯電話の自動ダイヤル機能(Phone to機能)によって電話を掛ける。これに対し、他の店舗の詳細情報を検討したい場合には、ディスプレイ中の「戻る」ボタンを選択して図8の検索結果リスト画面に戻り、他の店舗の詳細情報を選択する。
【0028】ユーザの携帯電話24から送信された検索キー、検索処理部36による検索結果、ユーザへのメール送信日時、ユーザのメールアドレス等の情報は、ログデータとして検索ログデータベース52内に逐次記述される(図4のS40)。したがって、このログデータを分析することにより、ユーザの嗜好や流行を探知することが可能となる。
【0029】上記にあっては、店舗のカテゴリとしてシステム10内に規定されている「和食」を検索キーとしてユーザが入力した場合を例に挙げたが、ユーザによっては同じ飲食店に関連したキーワードであっても「食事」や「ランチ」、「ディナー」、「メシ」、「昼飯」、「イタメシ」、「ファミレス」というように、様々な用語が入力される可能性がある。この場合、検索処理部36は類義語データベース50内に格納されたカテゴリ対照表を参照することで、当該ユーザが求めている検索対象(カテゴリ)を認識する。
【0030】以下に、カテゴリ対照表の一例を示す。


この結果、ユーザが「イタメシ」という検索条件を入力してきた場合であっても、検索処理部36は「イタリアン」という正規のカテゴリを特定し、該当する店舗を案件データベース54内から正確に抽出することが可能となる。
【0031】


この結果、ユーザが「食事」という検索条件を入力してきた場合であっても、検索処理部は「飲食店」というカテゴリを特定し、該当する店舗を案件データベース54内から正確に抽出することが可能となる。
【0032】ところで、ユーザが「渋谷」や「新宿」といった巨大繁華街を最寄り駅として選択している場合に、「食事」や「メシ」といった「飲食店」に対応する検索条件を入力している場合には、あまりにヒット件数が多くなるという問題が生じる。そこで、「飲食店」という大分類に含まれる細分類カテゴリを列挙すると共に、その中の何れかを選択するよう促す返信メールをメール生成部38が生成し、メール送信部40を通じてユーザの携帯電話24に送信するように運用してもよい。図11はその際の文例を示すものであり、「飲食店」に包含される「和食」「寿司」「洋食」・・・といった細分類カテゴリが列挙されている。これに対しユーザは、図12に示すように、「和食」を記述した返信メールを作成し、センターサーバ12宛てに送信する。
【0033】これを受けたセンターサーバ12では、メール受信部34が検索キー「和食」を抽出し、検索処理部36に渡す。検索処理部36は、検索ログデータベース52内に記録されていた当該ユーザが指定した他の検索キー(例えば、「渋谷」「5分」)を参照し、これらと今回新たに特定された検索キー(「和食」)の条件を満たす店舗を案件データベース54から抽出する。この検索結果は、メール生成部38及びメール送信部40を介してユーザの携帯電話24に電子メールとして配信され、ディスプレイ56上に表示される(図8参照)。
【0034】なお、検索処理部36によって抽出されたヒット件数が多すぎる場合の処理方法として、予め設定された件数(例えば20件)に検索処理部36の側で強制的に絞り込むように運用してもよい。例えば、システム運用者によって予め各店舗に評価ポイントを設定しておき、抽出された店舗をポイントの高い順に整列させ、上位20件のみを返信メールに記述すると共に残りは切り捨てることが該当する。この場合の評価ポイントは、情報提供者であるミニコミ誌編集者の意見等を参考に設定される。
【0035】上記の類義語データベース50内には、カテゴリ以外の検索条件に関しても、用語の対照表が準備されている。以下に、その一例を示す。
[最寄り駅] [類義語]
池袋━━━━━━━━━ブクロ吉祥寺━━━━━━━━ジョージ新宿━━━━━━━━━ジュクこの結果、ユーザが「ジョージ」と入力した場合には、自動的に吉祥寺が最寄り駅として特定される。この対照表の数と内容を充実化させることによって、ユーザが普段使用している言葉でもって検索を行うことが可能となる。したがって、類義語データベース50内に用意する検索キーと類義語との対照表は、時代や流行の変遷に応じて適宜更新されることが望ましい。
【0036】上記にあっては、ユーザが検索条件として「最寄り駅」、「店舗カテゴリ」、「駅からの時間」を指定する場合を例に説明したが、他の検索条件の指定を許容することにより、より精密な検索結果をもたらすこともできる。例えば、ユーザの側で「個室 10名」という条件を追加した場合、検索処理部36は「店舗概要」の項目に記述された個室情報を検索し、10名以上の個室を備えた店舗のみを抽出することとなる。あるいは、「本日 17時」という条件をユーザが追加した場合、検索処理部36は「店舗概要」の項目に記述された休日情報及び営業時間情報を検索し、検索要求メールが送信された日の午後5時に営業している店舗のみを抽出する。
【0037】「和食」や「洋食」という「店舗カテゴリ」の代わりに、「生姜焼き」という料理名が検索条件として検索要求メールに記述されている場合に、「店舗のカテゴリを正しく選択して下さい」という返信メールを送信するのも一法であるが、「店舗概要」の項目に記述されたメニュー情報を検索し、「生姜焼き」が含まれている店舗をカテゴリ横断的に抽出することもできる。
【0038】ユーザからの検索要求メール中に、検索条件として単に「渋谷 和食」とだけ記述されており、駅からの時間が特定されていない場合、検索処理部36は与えられた検索条件に基づいて検索処理を実行し、結果をユーザの携帯電話24に送信する。ただし、ヒット件数が非常に多くなってしまい、メール機能の制限文字数以内に納まらない場合には、「ヒット件数が許容数を越えました。駅からの時間を指定して下さい」という返信メールを送信し、検索条件の追加を促すこともできる。
【0039】ユーザが、検索条件として特定の店舗名、あるいはその通称や略称を検索条件としてダイレクトに入力してきた場合、検索処理部36は案件データベース54内に格納された当該店舗名に該当する店舗情報を抽出し、ユーザの携帯電話24にメール送信する。この結果、例えばユーザが「スター○○○○コーヒー 虎ノ門」と検索条件を設定すると、虎ノ門界隈に存在する当該コーヒーチェーン店のリストを入手することが可能となる。
【0040】上記にあっては、ユーザが「渋谷」「和食」「5分」といった検索条件をスペースで区切って記述する例を示したが、各単語間に「&」や「*」等の記号を介在させてもよい。また、上記にあっては検索処理部36が各単語(検索キー)をAND条件で結んで検索する例を説明したが、「+」等の記号を介在させることによって、各単語をOR条件で結んで検索することをユーザが指定することもできる。
【0041】この発明に係る情報検索システム10は、店舗情報以外の検索に応用することも可能である。例えば、案件データベース54内に求人情報を登録しておくことで、アルバイト紹介業において利用することが可能となる。この場合、案件データベース54内には、求人案件ID、会社名、職種カテゴリ、住所、最寄り駅(勤務地)、上限年齢、性別、時給、担当者名、電話番号、メールアドレス、仕事の概要といったデータ項目が設定される。
【0042】そして、ユーザが携帯電話24から「ジョージ ファミレス 23才 女 850円」といった検索条件を記述した電子メールをセンターサーバ12に送信すると、検索処理部36は類義語データベース50を参照して検索キーを特定した上で案件データベース54内を検索し、上記検索条件(吉祥寺、ファミリーレストラン、23才、女性、時給850円以上)に合致する求人情報を抽出する。この検索結果のリストは、メール生成部38及びメール送信部40を介してユーザの携帯電話24に配信される。ユーザは、リスト中の任意の求人案件について詳細情報を検討したり、勤務地の地図を確認することで意中の求人案件を絞り込み、採用担当者に電話を掛けて面接の予約を取り付けることができる。
【0043】
【発明の効果】この発明に係る情報検索システムによれば、検索を希望するユーザは携帯電話のメール機能を用いて検索条件を記述した電子メールを所定のメールアドレス宛に送信しておくだけで済み、後はシステム側で自動的に検索処理が実行され、その結果が電子メールの形でユーザの携帯電話に送信されることとなる。すなわち、ユーザは検索結果が送信されるまでの間、メニューの選択動作を繰り返したり、携帯電話のディスプレイを眺め続ける必要がなく、予め検索要求を電子メールの形で送信しておきさえすれば、後でゆっくりと結果を閲読することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る情報検索システムの全体イメージを示す説明図である。
【図2】このシステムの主要な機能構成を示すブロック図である。
【図3】案件データベース内に設定されるデータ項目例を示す説明図である。
【図4】ユーザが店舗情報を入手する際の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】ユーザが店舗情報を入手する際の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】携帯電話のディスプレイ上に検索メール作成画面が表示された状態を示すレイアウト図である。
【図7】携帯電話のディスプレイ上に検索メール作成画面が表示された状態を示すレイアウト図である。
【図8】携帯電話のディスプレイ上に検索結果のリスト画面が表示された状態を示すレイアウト図である。
【図9】携帯電話のディスプレイ上に検索結果の詳細情報が表示された状態を示すレイアウト図である。
【図10】携帯電話のディスプレイ上に検索結果に関する略図が表示された状態を示すレイアウト図である。
【図11】携帯電話のディスプレイ上に、細分類カテゴリを列挙すると共に、その中の何れかを選択するよう促すメールの文面が表示された状態を示すレイアウト図である。
【図12】携帯電話のディスプレイ上に表示された返信メール作成中の画面を示すレイアウト図である。
【符号の説明】
10 情報検索システム
12 センターサーバ
14 パソコン
16 飲食店
18 パソコン
20 インターネット
24 携帯電話
26 パケット通信網
28 ゲートウェイサーバ
30 公衆回線網(移動通信網を含む)
32 電話機
34 メール受信部
36 検索処理部
38 メール生成部
40 メール送信部
42 情報案件受信部
44 情報案件登録部
46 Webページ配信部
48 Webページ生成部
50 類義語データベース
52 検索ログデータベース
54 案件データベース
56 ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】情報案件を蓄積しておく案件データベースと、インターネット接続機能を備えたユーザの携帯電話から送信された検索要求電子メールを受信する手段と、該電子メール中に記述された検索条件を抽出する手段と、上記案件データベース内を検索し、上記検索条件に該当する情報案件を抽出する手段と、抽出された情報案件のリストを記述した電子メールを生成する手段と、当該電子メールをユーザの電子メールアドレス宛に返信する手段と、を備えたことを特徴とする情報検索システム。
【請求項2】検索キーと類義語との対応関係を登録しておく類義語データベースと、上記類義語データベースを参照して、ユーザが記述した検索条件に対応する検索キーを特定する手段と、上記案件データベース内を検索し、上記検索キーに該当する情報案件を抽出する手段と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の情報検索システム。
【請求項3】上記案件情報データベース内には、各情報案件毎にカテゴリと関連地域が検索キーとして設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の情報検索システム。
【請求項4】上記案件データベース内には、各情報案件毎に案件名及び電話番号が登録されており、ユーザに返信される電子メール中には、抽出された案件名が電話番号と共に記述されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の情報検索システム。
【請求項5】ユーザに返信される電子メール中には、所定のWebサイトに接続するためのURL、あるいは当該URLに関連付けられた文字や図形が各案件名毎に表示されており、ユーザがキー操作を通じて当該文字や図形を選択し、携帯電話から当該Webサイトに接続して特定の情報案件に関する詳細情報の送信を要求した場合に、上記案件データベースを参照して該当の情報案件に関する詳細情報が記述されたWebページを生成する手段と、当該Webページをユーザの携帯電話に送信する手段と、を備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の情報検索システム。
【請求項6】上記案件データベース内には、各情報案件に関する画像データが格納されており、上記Webページ中には、各情報案件毎に画像データと関連付けられた文字や図形が記述されており、ユーザがキー操作を通じて当該文字や図形を選択し、携帯電話から上記Webサイトに接続して特定の情報案件に関する画像データの送信を要求した場合に、上記案件データベースから該当の画像データを抽出し、これを表示するためのWebページを生成する手段と、当該Webページ及び画像データをユーザの携帯電話に送信する手段と、を備えたことを特徴とする請求項5に記載の情報検索システム。

【図1】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2003−44476(P2003−44476A)
【公開日】平成15年2月14日(2003.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−230093(P2001−230093)
【出願日】平成13年7月30日(2001.7.30)
【出願人】(500382705)株式会社レッドライスメディウム (1)
【Fターム(参考)】