説明

情報機器

【課題】機器の動作可能時間、燃料の補給時期、燃料カートリッジの交換時期などを的確にユーザに知らしめることが可能な情報機器を提供する。
【解決手段】燃料改質器又は燃料電池の運転状態及び/又は運転環境に応じた燃料の使用量と燃料電池で発電される電流量との関係を表すデータを記憶しておき、このデータに基づいて例えば機器の動作可能な時間を計算することで、的確なタイミングで燃料を補給したり、燃料カートリッジを交換したりすることを可能にする。また、燃料タンクや燃料カートリッジの残量表示と、補助電池の蓄電残量表示と、機器の動作可能時間表示を選択的に表示したり、同時に表示したりすることを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオカメラなどの情報機器であって燃料電池を用いることができるものに関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオカメラなどの情報機器では、充電可能な二次電池を電源とすることができる。これらの充電可能な二次電池としては、リチウムイオン二次電池や、ニッケル水素二次電池、ニッケルカドミウム二次電池、鉛蓄電池などが使われている。
【特許文献1】特開平09−213359号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方、近年、ビデオカメラなどの情報機器の電源として燃料電池が提案されている。燃料電池とは、水素を燃料として電気を発電させて電力を得るものである。燃料電池の燃料として、純水素を直接燃料とする方式と共に、原油を原料とするガソリンやLPガス、天然ガス、メタノールなどを燃料として、これらの燃料を改質することで改質水素を生成し、この改質水素から発電する方式も各種提案されている。
【0004】
しかしながら、ビデオカメラなどの情報機器の電源として燃料電池を用いた場合には、燃料補給のタイミングや燃料カートリッジの交換時期を、どのように検出するかが課題となっている。さらに、その検出結果をどのような手法でユーザに知らしめるかも課題となっていた。
【0005】
そこで、本発明は、燃料の補給時期、燃料カートリッジの交換時期などをユーザに知らせることができる情報機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報機器は、二次電池の出力によって動作する情報機器であって、燃料電池に供給される燃料の残量を検出する手段と、前記燃料電池で発電された電気により充電される前記二次電池の残量を検出する手段と、前記二次電池が前記燃料電池で発電された電気により充電されている場合は、前記燃料電池に供給される燃料の残量と、前記二次電池の残量とを表示するとともに、前記二次電池が充電中であることを表示する表示手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、二次電池が燃料電池で発電された電気により充電されている場合は、当該二次電池が充電中であることを表示するだけでなく、当該燃料電池に供給される燃料の残量と、当該二次電池の残量とを表示することができる。これにより、燃料の補給時期、燃料カートリッジの交換時期などをユーザに知らせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0009】
[第一実施形態]
<ハード構成>
図1は、第一実施形態に係る情報機器のハード構成を示すブロック図である。第一実施形態に係る情報機器は、燃料電池を電源としたビデオカメラであっても、それ以外の画像処理装置であってもよい。
【0010】
図1中の101はビデオカメラブロック、102は記録/再生ブロック、103はランダムアクセス可能な記録メディア(光ディスク、光磁気ディスク、ハードディスク、固体メモリ、不揮発メモリなど)である。CPUバス108を介して接続されたCPU104に制御されて動作する。カメラブロック101で撮影された静止画像や動画像は、記録/再生ブロック102で圧縮符号化されて記録メディア103へ記録される。
【0011】
スイッチ106は外部操作スイッチであり、ユーザから指示されている機器のモードや状態(例えば記録モードや再生モード)をCPU104へ知らせ、CPU104はこれに従い、機器の各部を制御する。EEPROM105は、機器の情報を予め記憶しておくための不揮発メモリであり、表示器107は、液晶ディスプレイや、CRTディスプレイに代表されるモニタディスプレイである。表示器107では、ビデオカメラブロック101から出力される動画像や静止画像、又は記録メディア103に記録されて記録/再生ブロック102で再生される動画像や静止画像を表示する。そして、CPU104から指示された機器の各種情報を、例えば図3や図4のように、前記映像の上にオンスクリーンディスプレイとして、文字やアイコン表示する。
【0012】
燃料カートリッジ110は、メタノールやガソリン、LPガス、天然ガスなどに代表される燃料を格納する燃料容器で、燃料122が改質器111に送られ、改質器111にて改質水素に改質される。この際、改質器111はCPU104の指示で改質器制御回路114を介して制御される。改質器111で改質された改質水素123は、燃料電池112へ送られ、雰囲気中の酸素(非表示)と結合することで発電され、同時に水(非表示)を排出する。
【0013】
燃料電池112で発電された電気は、電流124として二次電池113に供給され充電される。この際、二次電池113は、CPU104の指示のもと充電制御回路115にて制御されて充電される。ビデオカメラの各部(カメラブロック101、記録/再生ブロック102、CPU104、他)は、二次電池113から電流121の供給を受けて動作する。
【0014】
燃料残量検出器116は、燃料カートリッジ110内の燃料の残量検出を行う。燃料流量検出器117は、燃料カートリッジ110から改質器111へ供給される燃料122の供給流量を検出する。改質水素流量検出器118は、改質器111で改質されて燃料電池112へ供給される改質水素123の供給流量を検出する。充電電流検出器119は、燃料電池112から二次電池113へ充電される充電電流量124を検出し、二次電池残量検出器120は、二次電池113の残量(充電量)を検出する。
【0015】
また、CPU104は、CPUバス108を介して、燃料残量検出器116、燃料流量検出器117、改質水素流量検出器118、充電電流検出器119、及び二次電池残量検出器120に定期的にアクセスする。これによって、電源系の各情報入手して、これらの情報を基に、機器のモード(記録モード/再生モードなど)ごとに動作可能時間を検出したり、表示器107を介してユーザに逐次電源の状態情報を知らせたりする。
【0016】
<動作可能時間の検出アルゴリズム>
次に、図2のフローチャートを用いて、CPU104がビデオカメラの動作可能時間を検出するアルゴリズムについて説明する。
【0017】
まずステップS201において、CPU104は、燃料流量検出器117にて燃料の流量を検出し、ステップS202では、改質器111の運転状況について調べる。ここで述べる運転状況とは、改質器111の現在の動作温度や、改質器111の運転モード(例えば、始動中、定常運転中、終了動作中など)を表す。
【0018】
この燃料の流量や改質器111の運転状況を基に、ステップS203では、EEPROM105から、現在の状況における改質水素発生効率V220を読み込む。なお、EEPROM105には、前もって燃料の流量や改質器111の運転状況に応じた改質水素の発生効率を測定するなどして覚えさせておく。
【0019】
次に、ステップS209において、残量検出器116にて燃料カートリッジ110の残量を検出して、ステップS208にて発生効率V220に乗ずることで、これからの改質水素の発生可能量V221を求める。さらに、ステップS211において、変換済みで且つまだ発電をしていない改質水素の量(改質器111と燃料電池112の間に溜まっている改質水素の量)を検出して、ステップS210にて加算して、発電可能な改質水素の総量V223を求める。
【0020】
一方、ステップS204では、燃料電池112の運転状況(例えば運転温度や運転負荷状況など)を検出して、予めこれらの相関関係のデータを記憶したEEPROM105からデータを読み出すことで、発電効率V222を調べる。そしてステップS212では、ステップS210で求めた改質水素の総量V223に発電効率を乗ずることで、燃料電池112で発電可能な電力量V224を求める。
【0021】
続いてステップS213では、二次電池113の残量検出器120にて残量を検出して、ステップS214にて燃料電池112での発電可能な電力量V224と加算することで、機器の使用できる総電力量V225を求める。
【0022】
また、ステップS206では、機器の動作モード(例えば、記録モードや再生モードなど)から、ステップS207において、予め機器の動作モードと消費電流との関係を記憶させたEEPROM105から読み込む。これによって、機器の現在の消費電流V226を調べる。ステップS214では、機器で使用できる総電力量V225を消費電流V226で除することで、動作可能時間(ステップS216)を求める。
【0023】
<動作可能時間などの表示>
次に、上述したアルゴリズムで求めた動作可能時間を、どのように表示してユーザに知らせるかについて、図3(A)〜(F)を参照して説明する。
【0024】
図3(A)〜(F)は、第一実施形態の残量表示などを表す画面図であり、文字によって情報を表示する例を示している。
【0025】
図中の301は、表示器107のスクリーンの外枠であり、このスクリーンの中に、CPU104の指示により、カメラや記録メディアの記録/再生画像が表示されると同時に、オンスクリーン表示にてユーザに情報を知らせる例である。
【0026】
図3(A)では、燃料残量検出器116で検出された燃料カートリッジ110の燃料残量のみを表示枠302に文字情報表示している例を示している。図3(B)は、二次電池残量検出器120にて検出された二次電池113の残量のみを表示枠303に文字情報表示している例を示している。図3(C)は、上述のアルゴリズムにて求めた動作可能時間のみを表示枠304に文字情報表示している例を示している。
【0027】
また、図3(D)は、図3(A)、(B)、(C)にて別々に表示した、燃料残量と二次電池残量と動作可能時間の3つを同時に表示枠305に文字情報表示している例を示している。なお、この図3(A)〜(D)までの表示形式は、スイッチ106を操作することで切り替えることが可能であり、ユーザの好みの表示形態を自由に選択することができる。
【0028】
次に、図3(E)、(F)では、アイコンを使って表現した例を示している。すなわち、燃料残量をアイコン311で表現し、二次電池残量をアイコン313で表現する。動作可能時間は、アイコン314のような文字形態で表現している。
【0029】
この図3(E)、(F)では、新たに、燃料電池112の稼動状態を示すアイコン312も表示している。図3(E)のアイコン312は、燃料電池112や改質器111が稼動状態で、二次電池113に充電を行っている最中であることを表している。図3(F)のアイコン312は、二次電池113が満充電であるので、燃料電池112や改質器111は停止状態にあることを示している。
【0030】
<警告の表示>
次に、種々の警告をユーザに発する表示例について、図4(A)〜(F)を参照して説明する。なお、図3(A)〜(F)と共通の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0031】
図4(A)、(B)は、第一実施形態の警告表示を表す画面図であり、燃料カートリッジ110が空になったことをユーザに知らせる警告の例である。
【0032】
図4(A)では、カートリッジ残量が例えば10%を下回ったならば、そのときの表示が、たとえカートリッジ残量表示でない場合(図3(B)、(C))であったとしても、次のようにする例を示している。すなわち、強制的にカートリッジ残量表示(302)に切り替えて、加えて“カートリッジを交換してください”と表示(402)にする例を示している。
【0033】
図4(B)では、燃料カートリッジ110が空になったのを、燃料カートリッジ110のアイコン311を点滅させて、加えて“カートリッジを交換してください”と表示(415)にする例を示している。
【0034】
図4(C)、(D)では、まもなく燃料カートリッジ110が空になることをユーザに知らせる警告の例を示している。図4(C)、(D)は共にアイコン表示であり、燃料カートリッジアイコン311を点滅させて警告しつつ、“カートリッジの準備をしてください”という意味合いの警告表示425、435を所定時間だけ表示する。
【0035】
なお、この警告を発するタイミングは、二次電池113の残量にも依存して決めている。図4(C)の二次電池残量表示313で表された残量の方が、図4(D)の二次電池残量表示313で表された残量の方よりも多いので、燃料カートリッジ110の残量が図4(C)の方が図4(D)よりも少ないにもかかわらず、警告が出ている例である。ここでは、二次電池113の残量にも依存して警告を出したが、二次電池113だけに依存するのではなく、機器の動作可能時間とカートリッジ残量に依存して警告を出しても構わない。
【0036】
図4(E)、(F)では、長期間、機器を使用しなかったりして、燃料カートリッジ110の残量はまだあるにもかかわらず、二次電池113の残量があまり残っていないときの警告の例を示している。即ち、改質器111がまだ十分に起動していため、改質水素を十分に生成できずに充電が追いつかないときの警告の例を示している。
【0037】
図4(E)の例では、充電が間に合わないので機器を動作できないため、動作可能時間の表示314は同図に示すようなキャンセル表示になる。そして、燃料電池112の稼動状態を示すアイコン312が点滅し、さらに“充電が間に合いません“という警告表示445を出す。
【0038】
また、図4(F)の例では、同様に充電が間に合わないので、機器を十分に動作できないが、例えば、消費電力の低い再生モードのみは動かすことができるだけの電力があるので、動作可能時間の表示314は同図に示すような有効表示になる。そして、”再生モードのみ動作可能です“と警告表示455を出す例である。
【0039】
なお、ここで表現されているオンスクリーン表示の言葉やアイコンの図柄、警告の文言は、これに制限されるものではなく、同様の意味合いをユーザに対して伝えられるならば、どのような表現でも構わない。
【0040】
本実施形態によれば、燃料電池112を電源とした、画像記録再生装置などの情報機器において、予め燃料電池112の運転状況に応じた発電効率を記憶しておく。そして、これに基づいて機器の動作可能な時間を計算することで、的確なタイミングで燃料カートリッジ110を交換することができる。
【0041】
さらに、燃料カートリッジ110の残量表示と、二次電池113の残量表示と、機器の動作可能時間を選択的に表示したり、同時に表示したりすることを可能にする。これにより、限られた表示スペースにおいて、使用者の望む表示を選択できるメリットがあり、使用感を高めることができる。
【0042】
また、燃料カートリッジ110の残量表示と、二次電池113の残量表示と、機器の動作可能時間と、燃料電池112から二次電池113への充電動作の、全部もしくは一部をアイコンにて表示する。これにより、限られた表示スペースにて、使用状況や稼動状況を、使用者に的確に分からせることができる。
【0043】
そして、燃料の減少とともに、カートリッジ交換のための警告を段階的に、また二次電池113の残量や機器の動作可能時間を考慮しつつ、文字又はアイコンで表示することで、的確なタイミングで燃料補給やカートリッジの交換ができる。
【0044】
さらに、燃料電池112や改質器111の起動中で、まだ二次電池113に充電が十分にできないにもかかわらず、二次電池113の充電量が少ない時には、警告を出す。これにより、ユーザに状況を知らせると共に、機器の動作を禁止したり、機器の動作を限定して行わせることもできる。
【0045】
なお、本実施形態では、燃料カートリッジ110を交換するタイプで実施形態を説明したが、燃料タンクに直に燃料を補給するタイプでも構わないし、それに合わせて、警告などのオンスクリーンの言葉や図柄を変えても構わない。
【0046】
[第二実施形態]
第二実施形態では、純水素を直接燃料とするタイプの燃料電池を電源とした場合について説明する。
【0047】
<ハード構成>
図5は、第二実施形態に係る情報機器のハード構成を示すブロック図である。第二実施形態に係る情報機器は、燃料電池を電源としたビデオカメラであっても、それ以外の画像処理装置であってもよい。なお、上記第一実施形態の図1と同じ機能を有するブロックに関しては同じ符号で表し、説明を省略する。
【0048】
水素燃料は水素貯蔵機510に貯蔵され、純水素(水素燃料)523が燃料電池112へ供給されて発電される。水素貯蔵器510の純水素の残量は、水素残量検出器516で検出され、水素貯蔵器510から燃料電池112への水素供給量(流量)は、純水素流量検出器518にて検出して、それぞれCPUバス108を介してCPU104へ伝えられる。また、二次電池113の出力は機器各部へ供給され機器が動作するが、この機器各部へ供給される電流は、消費電流検出回路519にて検出され、同様にCPU104に伝えられる。
【0049】
<動作可能時間の検出アルゴリズム>
次に、図6(A)を用いて、本実施形態における動作可能時間の計算アルゴリズム(第1の例)について説明する。
【0050】
まずステップS601では、CPU104は、燃料電池の運転状況(例えば運転温度や運転モードなどの運転負荷状況など)を検出する。続くステップS602にて予めこれらの相関関係のデータを記憶したEEPROM105からデータを読み出すことで、発電効率を調べる。
【0051】
そして、ステップS603において残量検出器516にて検出した水素の総残量にステップS604にて発電効率を乗ずることで、燃料電池で発電可能な電力量V630を求める。ステップS605では、二次電池113の残量検出器120にて残量を検出して、ステップS606にて燃料電池での発電可能な電力量V630と加算することで、機器の使用できる総電力量V631を求める。
【0052】
一方、ステップS607では、機器の動作モード(例えば記録モードや再生モードなど)から、ステップS608にて、予め機器の動作モードと消費電流との関係を記憶させたEEPROM105から読み込むことで、機器の現在の消費電流を調べる。ステップS609では、機器で使用できる総電力量V631を現在の消費電流で除することで、動作可能時間を求める(ステップS610)。
【0053】
図6(B)は、本実施形態における動作可能時間の計算アルゴリズムに関する第2の例について説明するものである。
【0054】
本例では、機器の消費電力をEEPROM105のデータから推測するのではなく、ステップS620において消費電流検出回路519にて実測した結果を基に動作可能な時間を求めるようにしたものである。
【0055】
図6(C)は、本実施形態における動作可能時間の計算アルゴリズムに関する第3の例について説明するものである。
【0056】
本例は、動作可能時間の求め方として、EEPROM105の発電効率データを基に機器のもつ電力量に換算する方式ではなく、次のような方式である。即ち、本例は、水素残量検出器516で検出した水素貯蔵残量を純水素流量検出器518で検出した水素流量で除した値と、二次電池113の残量を消費電流量で除した値を加算して、動作可能時間を求める方式のアルゴリズムである。二次電池113の残量は二次電池残量検出器120で検出し、消費電流量は消費電流検出回路519で検出する。
【0057】
<動作可能時間などの表示>
次に、上述したアルゴリズムで求めた動作可能時間を、どのように表示してユーザに知らせるかについて、第二実施形態の残量表示などを表す画面図である図7(A)〜(F)を参照して説明する。
【0058】
第一実施形態の図3に示す表示例がカートリッジ燃料の残量を表示したのに対して、図7(A)〜(F)は、水素貯蔵器510の水素残量を表示するように置き換えたものである(702,703,705,711)。ディスプレイ上の表現も、“カートリッジ残量”から“水素残量”に替わっている(702,703,705)。
【0059】
<警告の表示>
次に、種々の警告をユーザに発する表示例について、第二実施形態の警告表示を表す画面図である図8(A)〜(F)を参照して説明する。
【0060】
図8(A)〜(D)に示す表示例は、図4(A)〜(D)において、カートリッジに対して水素を直接補給するように警告の文言を替えたものである。したがって、“カートリッジを交換してください”の警告表示402,415が“水素を補給してください”の警告表示802,815に替わっている。そして、“カートリッジを準備してください”の警告表示425,435が“まもなく水素の補給が必要です”の警告表示825,835に替わっている。
【0061】
但し、ここで表現されているオンスクリーン表示の言葉やアイコンの図柄、警告の文言は、これに制限されるものではなく、同様の意味合いをユーザに対して伝えられるならば、どのような表現でも構わない。
【0062】
また、本実施形態では、水素貯蔵器510に純水素を貯蔵して燃料とすることから、水素を外部からタンクに補給するイメージになっているが、水素カートリッジを交換するタイプでも構わないし、液体水素を補給するタイプでも構わない。
【0063】
本実施形態によれば、燃料電池112を電源とした、画像記録再生装置などの情報機器において、予め燃料電池112の運転状況に応じた発電効率を記憶しておく。そして、これに基づいて機器の動作可能な時間を計算することで、的確なタイミングで燃料補給することができる。
【0064】
さらに、水素貯蔵器510の残量表示と、二次電池113の残量表示と、機器の動作可能時間を選択的に表示したり、同時に表示したりすることを可能にする。これによって、限られた表示スペースにおいて、使用者の望む表示を選択できるメリットがあり、使用感を高めることができる。
【0065】
また、水素貯蔵器510の残量表示と、二次電池113の残量表示と、機器の動作可能時間と、燃料電池112から二次電池113への充電動作の、全部もしくは一部をアイコンにて表示する。これによって、限られた表示スペースにて、使用状況や稼動状況を、使用者に的確に分からせることができる。
【0066】
そして、燃料の減少とともに、燃料補給のための警告を段階的に、また二次電池113の残量や機器の動作可能時間を考慮しつつ、文字又はアイコンで表示することで、的確なタイミングで燃料補給やカートリッジの交換ができる。
【0067】
さらに、燃料電池112や改質器111の起動中で、まだ二次電池113に充電が十分にできないにもかかわらず、二次電池113の充電量が少ない時には、警告を出すことで、ユーザに状況を知らせる。そして、機器の動作を禁止したり、機器の動作を限定して行わせることもできる。
【0068】
なお、上述した図2又は図6のフローチャートに従ったプログラムを例えばEEPROM105に格納し動作することにより、上述の制御方法を実現させることが可能となる。
【0069】
なお、本発明の目的は、以下の処理を実行することによって達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。
【0070】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0071】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、次のものを用いることができる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等である。又は、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0072】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現される場合も本発明に含まれる。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0073】
更に、前述した実施形態の機能が以下の処理によって実現される場合も本発明に含まれる。即ち、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行う場合である。
【0074】
このように本発明は本形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】第一実施形態に係る情報機器のハード構成を示すブロック図である。
【図2】第一実施形態に係る動作可能時間の検出アルゴリズムを示すフローチャートである。
【図3】第一実施形態の残量表示を表す画面図である。
【図4】第一実施形態の警告表示を表す画面図である。
【図5】本発明の第二実施形態に係る情報機器のハード構成を示すブロック図である。
【図6】第二実施形態に係る動作可能時間の検出アルゴリズムを示す図である。
【図7】第二実施形態の残量表示などを表す画面図である。
【図8】第二実施形態の警告表示を表す画面図である。
【符号の説明】
【0076】
101 ビデオカメラブロック
102 記録/再生ブロック
103 記録メディア
104 CPU
107 表示器
110 燃料カートリッジ
111 改質器
112 燃料電池
113 二次電池
114 改質器制御回路
115 充電制御回路
116 燃料残量検出器
118 改質水素流量検出器
119 充電電流検出器
120 二次電池残量検出器
510 水素貯蔵機
516 水素残量検出器
519 消費電流検出回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池の出力によって動作する情報機器であって、
燃料電池に供給される燃料の残量を検出する手段と、
前記燃料電池で発電された電気により充電される前記二次電池の残量を検出する手段と、
前記二次電池が前記燃料電池で発電された電気により充電されている場合は、前記燃料電池に供給される燃料の残量と、前記二次電池の残量とを表示するとともに、前記二次電池が充電中であることを表示する表示手段とを有することを特徴とする情報機器。
【請求項2】
前記表示手段は、前記燃料電池に供給される燃料を格納する格納手段の交換を警告するための警告表示を表示する表示手段でもあることを特徴とする請求項1に記載の情報機器。
【請求項3】
前記表示手段は、前記燃料電池に供給される燃料の補給を警告するための警告表示を表示する表示手段でもあることを特徴とする請求項1に記載の情報機器。
【請求項4】
画像を撮影する撮影手段をさらに有し、
前記表示手段は、前記撮影手段によって撮影された画像を表示する表示手段でもあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報機器。
【請求項5】
前記表示手段は、記録メディアから再生された画像を表示する表示手段でもあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報機器。
【請求項6】
前記情報機器は、ビデオカメラであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−228333(P2008−228333A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−104751(P2008−104751)
【出願日】平成20年4月14日(2008.4.14)
【分割の表示】特願2002−109360(P2002−109360)の分割
【原出願日】平成14年4月11日(2002.4.11)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】