説明

情報漏洩防止方法

【課題】たとえばPCへIP電話を掛けることにより、通話が可能となるような環境が整っていなくても、受信機を携帯しておくことで手元にない携帯電話に着信があることを容易かつ確実に知る。
【解決手段】携帯電話10を収納する携帯電話一時保管庫100の各収納部110に設けられる振動検知センサ130により、携帯電話10における着信動作を検出し、制御ボックス200の制御回路により、振動検知センサ130による着信動作の検出結果からいずれの収納部110に収納されている携帯電話10に着信があるかどうかを判断し、送信機300により、制御回路によって判断された収納部110に対応するコード信号を送信し、収納部110の各々に対応して設けられる受信機400により、送信機300からのコード信号を受信し、該コード信号が自己宛である場合に携帯電話10に着信があることが知らされるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばカメラ付きの携帯電話等による重要情報の漏洩対策に適した情報漏洩防止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各企業や団体の研究・開発部門や個人情報取扱部門、あるいは裁判所や美術館等においても、情報漏洩対策のため、携帯電話等の敷地内への持ち込み規制が急激に増加してきている。このような動きに対して、管理が比較的簡単な一時保管庫が各社から販売されている。
【0003】
このような携帯電話等の持ち込みを規制するものとして、特許文献1では、ユーザが所有するカメラ付き携帯電話機を収納するロッカーと、ユーザが所有するカメラ付き携帯電話機番号と収納すべきロッカー番号の情報がユーザ毎に登録されたテーブルと、ユーザが使用する情報端末の起動要求に対し、テーブルを参照し、当該ユーザ自身が所有する携帯電話機を予め定めたロッカー内に収納しているかを確認し、収納していたならば当該ユーザが使用する情報端末の起動を許可する手段とを有する管理装置とを備えたカメラ付き携帯電話機による情報漏洩防止システムを提案している。
【特許文献1】特開2006−235819号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に示される情報漏洩防止システムでは、ロッカーにカメラ付き携帯電話機を収納するとき、カメラ付き携帯電話機のデータ出力部分に携帯電話管理サーバを介して室内のPC(パーソナルコンピュータ)と通信が可能となるケーブルを接続し、ロッカーの中のカメラ付き携帯電話機に着信があった場合、携帯電話管理サーバによりユーザが使用中のPCに着信信号の転送が行われ、PCへIP電話を掛けることにより、通話が可能となっている。すなわち、各ユーザが使用するPCには、それぞれにIPアドレスが割り振られていてIP電話により通話を行える環境が整っている。
【0005】
ところが、このような情報漏洩防止システムでは、ロッカーの中のカメラ付き携帯電話機に着信があった場合、携帯電話管理サーバによりユーザが使用中のPCに着信信号の転送が行われ、PCへIP電話を掛けることにより、通話が可能となるような環境が整っていなければ、ロッカーに収納してあるカメラ付き携帯電話機に着信があったことを知ることができないという問題があった。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決することができる情報漏洩防止方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の情報漏洩防止方法は、カメラ付きの携帯電話を一時保管することで、情報漏洩対策を行う情報漏洩防止方法であって、前記携帯電話を収納する複数の収納部の各々に設けられる着信動作検出手段により、前記携帯電話における着信動作を検出する工程と、着信判断手段により、前記着信動作検出手段による着信動作の検出結果からいずれの収納部に収納されている携帯電話に着信があるかどうかを判断する工程と、コード信号送信手段により、前記着信判断手段によって判断された前記収納部に対応するコード信号を送信する工程と、前記収納部の各々に対応して設けられる受信手段により、前記コード信号送信手段からのコード信号を受信し、該コード信号が自己宛である場合に前記携帯電話に着信があることを知らせる工程とを有することを特徴とする。
また、前記着信動作検出手段は、前記携帯電話における着信動作を、着信時に発せられる振動、光又は音のいずれかで検出するようにすることができる。
また、前記収納部の各々に設けられる収納部位置検出手段により、前記収納部の閉じ位置又は開け位置を検出する工程を有し、前記着信判断手段は、全ての前記収納部位置検出手段により前記収納部の閉じ位置が検出されたとき、前記携帯電話に着信があるかどうかを判断するようにすることができる。
また、前記着信判断手段又は前記コード信号送信手段は、時刻情報生成手段により時刻情報を生成する工程を有し、前記受信手段は、前記時刻情報を記憶手段に記憶する工程を有し、前記着信判断手段は、いずれかの前記収納部位置検出手段により前記収納部の開け位置が検出された後に閉じ位置が検出されたとき、前記時刻情報生成手段に対してその時点での時刻情報を生成させるとともに、その時刻情報を前記収納部位置検出手段により検出された前記収納部に対応する前記受信手段に送信させて前記記憶手段に入室時刻として記憶させ、次にいずれかの前記収納部位置検出手段により前記収納部の開け位置が検出された後に閉じ位置が検出されたとき、前記時刻情報生成手段に対してその時点での時刻情報を生成させるとともに、その時刻情報を前記収納部位置検出手段により検出された前記収納部に対応する前記受信手段に送信させて前記記憶手段に退室時刻として記憶させるようにすることができる。
本発明の情報漏洩防止方法では、携帯電話を収納する複数の収納部の各々に設けられる着信動作検出手段により、携帯電話における着信動作を検出し、着信判断手段により、着信動作検出手段による着信動作の検出結果からいずれの収納部に収納されている携帯電話に着信があるかどうかを判断し、コード信号送信手段により、着信判断手段によって判断された収納部に対応するコード信号を送信し、収納部の各々に対応して設けられる受信手段により、コード信号送信手段からのコード信号を受信し、該コード信号が自己宛である場合に携帯電話に着信があることが知らされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の情報漏洩防止方法によれば、着信判断手段により、着信動作検出手段による着信動作の検出結果からいずれの収納部に収納されている携帯電話に着信があるかどうかを判断し、コード信号送信手段により、着信判断手段によって判断された収納部に対応するコード信号を送信し、収納部の各々に対応して設けられる受信手段により、コード信号送信手段からのコード信号を受信し、該コード信号が自己宛である場合に携帯電話に着信があることが知らされるようにしたので、たとえばPCへIP電話を掛けることにより、通話が可能となるような環境が整っていなくても、受信手段を携帯しておくことで手元にない携帯電話に着信があることを容易かつ確実に知ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本実施形態では、携帯電話を収納する複数の収納部の各々に設けられる着信動作検出手段により、携帯電話における着信動作を検出し、着信判断手段により、着信動作検出手段による着信動作の検出結果からいずれの収納部に収納されている携帯電話に着信があるかどうかを判断し、コード信号送信手段により、着信判断手段によって判断された収納部に対応するコード信号を送信し、収納部の各々に対応して設けられる受信手段により、コード信号送信手段からのコード信号を受信し、該コード信号が自己宛である場合に携帯電話に着信があることが知らされるようにした。
【0010】
これにより、たとえばPCへIP電話を掛けることにより、通話が可能となるような環境が整っていなくても、受信手段を携帯しておくことで手元にない携帯電話に着信があることを容易かつ確実に知ることができる。
【実施例】
【0011】
以下、本発明の実施例の詳細について説明する。図1は、本発明の情報漏洩防止方法に係る情報漏洩防止システムの一実施例を説明するための図である。
【0012】
同図に示す情報漏洩防止システムは、携帯電話一時保管庫100と、制御ボックス200と、送信機300と、受信機400とを備えている。
【0013】
携帯電話一時保管庫100は、たとえばカメラ付きの携帯電話10を収容する25個の収納部110を有している。これらの収納部110は、たとえば引き出し自在とされているとともに、図示しないロック装置によって閉じ位置にてロックされるようになっている。また、それぞれの収納部110のロック装置は、それぞれの専用の鍵によってロックが解除されるようになっている。また、これらの収納部110は、携帯電話一時保管庫100からの引き出しによる開け位置と、押し戻しによる閉じ位置とに応じて後述のマイクロSW(スイッチ)120がオン/オフするようになっている。
【0014】
また、各収納部110には、携帯電話10を載置する携帯電話載置プレート131と、この携帯電話載置プレート131の背面に貼着されている振動検知センサ130とが収容されている。この振動検知センサ130は、携帯電話10がマナーモードとされているとき、携帯電話10の着信動作に伴って発生する振動を検知するものである。
【0015】
制御ボックス200は、たとえば携帯電話一時保管庫100の下部に配設されているが、その詳細については後述する。送信機300もたとえば携帯電話一時保管庫100の下部に配設されているが、その詳細については後述する。なお、制御ボックス200及び送信機300は、携帯電話一時保管庫100の下部に限らず、携帯電話一時保管庫100の左右の側面、背面、上面のいずれかに配設されていてもよいし、いずれかの収納部110に配設されていてもよい。
【0016】
受信機400は、送信機300からのたとえばコード信号を受信し、そのコード信号が自己宛である場合に携帯電話10へ着信があることを知らせるものであるが、その詳細については後述する。
【0017】
図2は、制御ボックス200の詳細について説明するための図である。同図に示すように、制御ボックス200は、接続コネクタ210、マイクロSWオン/オフ検知回路220、接続コネクタ230、振動検知回路240、管理テーブル250、送信機コントローラ260、制御回路270を備えている。
【0018】
接続コネクタ210には、携帯電話一時保管庫100からの収納部110の引き出しによる開け位置と、押し戻しによる閉じ位置とに応じてオン/オフする複数のマイクロSW(スイッチ)120が接続されている。ここで、これらのマイクロSW120は、それぞれの収納部110に対応して設けられているものであり、たとえば携帯電話一時保管庫100から収納部110が引き出されての開け位置でオフし、押し戻されての閉じ位置でオンするようになっている。
【0019】
マイクロSWオン/オフ検知回路220は、各マイクロSW120におけるオン/オフを検知するとともに、いずれのマイクロSW120がオン/オフしたかを制御回路270に通知する。
【0020】
接続コネクタ230には、各携帯電話載置プレート131の背面に貼着されている複数の振動検知センサ130が接続されている。振動検知回路240は、各振動検知センサ130からの検知結果を受け取ると、いずれの振動検知センサ130が振動検知を行ったか
制御回路270に通知する。
【0021】
管理テーブル250には、たとえば図3に示すように、携帯電話一時保管庫100の各収納部110に対応させたたとえば001,002,003,・・・025で示すコードNoが登録されている。また、管理テーブル250には、それぞれのコードNoに対応させて携帯電話10が収納部110に収納されているか否かを示す収納の有無が登録されるようになっている。ここで、収納の有無は、制御回路270によって行われるが、その詳細については後述する。
【0022】
送信機コントローラ260は、送信機300におけるコード信号等の送信を制御する。制御回路270は、所定の手順に従って、各部の動作を制御する。ここで、制御回路270による主な制御としては、マイクロSWオン/オフ検知回路220による各マイクロSW120の検知結果が全てオンであるかどうかを確認し、いずれかのマイクロSW120の検出結果がオフである場合は図示しないブザー又はLEDによっていずれかの収納部110が閉じ位置に戻されていないことを知らせる。
【0023】
また、制御回路270は、いずれかのマイクロSW120の検出結果がオフである場合、振動検知回路240による振動検知動作を停止させる。これは、収納部110の開閉時に生じる振動によって振動検知センサ130がその振動を検知し、振動検知回路240が携帯電話10への着信時に生じる振動とは異なる振動から携帯電話10に着信があるといった誤検知が行われないようにするためである。
【0024】
この場合、制御回路270は、マイクロSWオン/オフ検知回路220による各マイクロSW120の検知結果が全てオンであることを確認した後、振動検知回路240による振動検知を行わせる。
【0025】
また、制御回路270による主な制御としては、振動検知回路240による検知結果をたとえば数回サンプリングし、そのサンプリング時に振動があることが検知されると、携帯電話10に着信があることを認識し、その振動を検知している振動検知センサ130に対応する収納部110のコードNoを管理テーブル250から読み出し、送信機コントローラ260に対して送信機300にそのコードNoに対応するコード信号を送信させることである。
【0026】
ここで、制御回路270による数回のサンプリングは、携帯電話10への着信を確実に認識するためである。すなわち、携帯電話10の着信時の振動は、数回のサンプリングが行われたときに継続して検知されるものであり、数回のサンプリングが行われたときに単発的に検知された場合は携帯電話10の着信時以外の振動であるというような区別が付けられることによるものである。
【0027】
図4は、送信機300及び受信機400の詳細について説明するための図である。同図に示すように、送信機300は、コード情報生成回路310、送信部320、制御回路330を備えている。
【0028】
コード情報生成回路310は、たとえばFMパケット通信でのパケットに重畳させるためのコード情報を生成する。送信部320は、コード情報生成回路310によって生成されたコード情報を有するコード信号としてのパケットを送信する。制御回路330は、コード情報生成回路310によって生成されたコード情報をパケットのたとえばヘッダーに重畳させた後、送信部320からコード信号としてのパケットを送信するように制御する。
【0029】
受信機400は、受信部410、告知部420、制御回路430を備えている。受信部410は、送信部320からのコード信号としてのパケットを受信する。告知部420は、携帯電話10に着信があったことを告知する。ここで、告知部420は、液晶表示部、ブザー、LED又はバイブレータのいずれかとすることができる。そして、液晶表示部の場合は、文字等で携帯電話10に着信があることを知らせる。ブザーの場合は、音で携帯電話10に着信があることを知らせる。LEDの場合、点灯又は点滅によって携帯電話10に着信があることを知らせる。バイブレータの場合は振動によって着信があったことを知らせる。
【0030】
制御回路430は、受信部410によって受信されたコード信号としてのパケットのヘッダーに含まれているコード情報から自己宛のパケットかどうかを判断し、自己宛の場合は、告知部420を制御して文字、音、光、振動等により携帯電話10に着信があることを知らせるように制御する。
【0031】
次に、情報漏洩防止システムにおける情報漏洩防止方法について説明する。なお、以下に説明する携帯電話一時保管庫100は、所定の施設の入口に設置されていて、来客者が携帯電話10をいずれかの収納部110に収納した後、その収納部110に対応する受信機400を受け取るものとする。また、来客者が携帯電話10をいずれかの収納部110に収納するとき、携帯電話10をマナーモードに設定するものとする。また、それぞれの収納部110は、上述したように、図示しないロック装置によって引き出しがロックされるようになっているため、来客者又は施設側の担当者によってそのロック装置によるロック又はロック解除が行われるものとする。
【0032】
そして、まず、図5に示すように、全てのマイクロSW120がオンであるかどうかが判断される(ステップS1)。すなわち、収納部110が閉じ位置に戻されていれば、マイクロSW120が上述したようにオンとなるため、全てのマイクロSW120がオンであるかどうかを確認することで、全ての収納部110が閉じ位置に戻されているかどうかが認識されることになる。
【0033】
ここで、いずれかの収納部110のロック装置によるロックが専用の鍵によって解除され、その収納部110が引き出されて開け位置となると、その収納部110に対応するマイクロSW120がオフとなる(ステップS1:no)。
【0034】
このとき、制御ボックス200のマイクロSWオン/オフ検知回路220により、その収納部110に対応するマイクロSW120のオフが検知されると、制御回路270により、図示しないブザー又はLEDによる音又は光によっていずれかの収納部110が引き出されていることが告知される(ステップS2)。
【0035】
また、このとき、制御回路270により、振動検知回路240による振動検知動作が停止される(ステップS3)。これは、上述したように、収納部110への携帯電話10の収納や、収納部110からの携帯電話10の取り出しが行われるとき、その収納部110の引き出し等に伴って振動検知センサ130が携帯電話10への着信時の振動とは異なる他の振動を検知してしまうことを防止するためである。
【0036】
次に、収納部110への携帯電話10の収納や、収納部110からの携帯電話10の取り出しが行われた後、収納部110が閉じ位置に戻されると、その収納部110に対応するマイクロSW120がオンとなる。ここで、収納部110へ携帯電話10を収納するとき、携帯電話10への着信を知らせてほしい場合はマナーモードとしておく。
【0037】
このとき、制御ボックス200のマイクロSWオン/オフ検知回路220により、その収納部110に対応するマイクロSW120のオンが検知され、さらにマイクロSWオン/オフ検知回路220による検知結果から全てのマイクロSW120がオンであることが判断されると(ステップS1:yes)、制御回路270により、図示しないブザー又はLEDによる音又は光による告知が停止されるとともに(ステップS4)、振動検知回路240による振動検知動作が再開される(ステップS5)。
【0038】
ここで、いずれかの収納部110に収納されている携帯電話10に着信があると、その携帯電話10がマナーモードに設定されていれば振動が生じることで、その収納部110に設けられている携帯電話載置プレート131の背面に貼着されている振動検知センサ130によりその振動が検知される(ステップS6)。
【0039】
このとき、振動検知回路240により、振動検知センサ130からの検知結果が受け取られると、制御回路270により、振動検知回路240による検知結果がたとえば数回サンプリングされ、そのサンプリング時に振動があることが検知されると、携帯電話10に着信があることが認識される(ステップS7)。
【0040】
またこのとき、制御回路270により、振動検知回路240による検知結果からその振動を検知している振動検知センサ130に対応する収納部110が判別され、その収納部110に対応するコードNoが管理テーブル250から読み出され(ステップS8)、送信機コントローラ260に対して送信機300にそのコードNoに対応するコード信号の送信が指示される(ステップS9)。
【0041】
送信機300側では、送信機コントローラ260からのコード信号の送信の指示を受け取ると、コード情報生成回路310により、たとえばFMパケット通信でのパケットに重畳させるためのコード情報が生成される(ステップS10)。すなわち、送信機コントローラ260からのコードNoが001,002,003,・・・025のいずれかであるとき、そのコードNoに対応するコード情報が生成されることになる。
【0042】
ここで、そのコード情報が生成されると、送信機300の制御回路330により、そのコード情報がコード信号としてのパケットのたとえばヘッダーに重畳された後、送信部320からコード信号としてのパケットが送信される(ステップS11)。
【0043】
一方、受信機400側では、受信部410によって送信部320からのコード信号としてのパケットが受信されると、制御回路430により、受信部410によって受信されたコード信号としてのパケットのヘッダーに含まれているコード情報から自己宛のパケットかどうかが判断され(ステップS12)、自己宛の場合は告知部420が制御されて文字、音又は光等により携帯電話10に着信があることが知らされる(ステップS13)。
【0044】
よって、来客者は、受信機400による文字、音、光又は振動等による告知によって収納部110に収納しておいた携帯電話10に着信があることを確認できるため、収納部110の図示しないロック装置によるロックを解除して収納部110を引き出し、携帯電話10を取り出すことでその着信に応答することができる。
【0045】
なお、携帯電話10への着信に直ちに応答することができない場合は、少なくとも携帯電話10に着信があったことを受信機400による文字、音、光又は振動等による告知によって知ることができるため、後で携帯電話10の着信履歴を確認してから相手を呼び出すようにすればよい。
【0046】
このように、本実施例では、携帯電話10を収納する携帯電話一時保管庫100の複数の収納部110の各々に設けられる着信動作検出手段としての振動検知センサ130により、携帯電話10における着信動作を検出し、着信判断手段としての制御ボックス200の制御回路270により、振動検知センサ130による着信動作の検出結果からいずれの収納部110に収納されている携帯電話10に着信があるかどうかを判断し、コード信号送信手段としての送信機300により、制御回路270によって判断された収納部110に対応するコード信号を送信し、収納部110の各々に対応して設けられる受信手段としての受信機400により、送信機300からのコード信号を受信し、該コード信号が自己宛である場合に携帯電話10に着信があることが知らされるようにしたので、たとえばPCへIP電話を掛けることにより、通話が可能となるような環境が整っていなくても、受信機400を携帯しておくことで手元にない携帯電話10に着信があることを容易かつ確実に知ることができる。
【0047】
また、本実施例では、収納部110の各々に収納部110の閉じ位置又は開け位置を検出する収納部位置検出手段としてのマイクロSW120を設け、制御ボックス200の制御回路270により、全てのマイクロSW120により収納部110の閉じ位置が検出されたとき、携帯電話10に着信があるかどうかを判断するようにしたので、収納部110の開閉時に生じる振動によって振動検知センサ130がその振動を検知し、振動検知回路240が携帯電話10への着信時に生じる振動とは異なる振動から携帯電話10に着信があるといった誤検知が行われないようにすることができる。
【0048】
また、本実施例では、制御ボックス200の制御回路270により、振動検知センサ130による着信動作の検出結果を数回サンプリングし、そのサンプリング時に着信動作が検知されると携帯電話10に着信があったと判断するようにしているので、携帯電話10への着信を確実に認識することができる。すなわち、携帯電話10の着信時の振動は、上述したように、数回のサンプリングが行われたときに継続して検知されるものであり、数回のサンプリングが行われたときに単発的に検知された場合は携帯電話10の着信時以外の振動であるというような区別が付けられることによるものである。
【0049】
また、本実施例では、マイクロSW120が収納部110の閉じ位置でオンし、収納部110が引き出されたときオフする場合で説明したが、この例に限らず、マイクロSW120が収納部110の閉じ位置でオフし、収納部110が引き出されたときオンするようにしてもよい。
【0050】
また、本実施例では、いずれかのマイクロSW120のオフが検知されると、制御回路270により、振動検知回路240による振動検知動作が停止される場合について説明したが、この例に限らず、いずれかのマイクロSW120のオフが検知されても、振動検知回路240による振動検知動作を継続させることも可能である。これは、振動検知回路240によって振動検知センサ130による振動検知が個別に行われているためと、制御回路270により、振動検知回路240による検知結果がたとえば数回サンプリングされ、そのサンプリング時に振動があることが検知されるで携帯電話10に着信があることが認識されるためである。
【0051】
また、本実施例では、振動検知センサ130により、携帯電話10への着信を振動によって検知する場合について説明したが、この例に限らず、携帯電話10への着信を光又は音によって検知するようにしてもよい。
【0052】
すなわち、携帯電話10に着信があると、携帯電話10の表示部のライト等が点灯するため、そのライト等の点灯を検知することで着信を検知することが可能となる。また、携帯電話10をマナーモードにしておかない場合は、着信があると着信音が発生されるため、その着信音を検知することで着信を検知することが可能となる。
【0053】
また、本実施例では、受信機400によって収納部110に収納しておいた携帯電話10に着信があることを知らせるようにした場合について説明したが、この例に限らず、受信機400にたとえば入室時間や退室時間等を記憶させるようにしておくことも可能である。
【0054】
この場合、たとえば図6に示すように、送信機300に時刻情報生成手段としての時刻情報生成回路340を追加し、受信機400に記憶手段としての受信情報記憶部440と受信情報出力部450とを追加しておく。ここで、時刻情報生成回路340により、たとえば収納部110に携帯電話10を収納した時刻を示す時刻情報と、収納部110から携帯電話10を取り出した時刻を示す時刻情報とが生成されるようにする。なお、時刻情報生成回路340は、送信機300側に限らず、制御ボックス200側に設けられているようにしてもよい。
【0055】
すなわち、収納部110への携帯電話10の収納は、上述したように、マイクロSW120がオン(収納部110が閉じ位置にある)→オフ(収納部110が引き出される)→オン(収納部110が閉じ位置に戻される)となることで検知できるため、その検知した時点での時刻情報を時刻情報生成回路340により生成されるようにすればよい。言い換えれば、この時点での時刻は、来客者が入室したときの時刻となる。
【0056】
そして、その時点での時刻情報生成回路340により生成される時刻情報を受信機400に送信することで、受信機400側の受信情報記憶部440にその時刻情報が記憶されるようにする。
【0057】
一方、収納部110からの携帯電話10の取り出しは、上述したように、マイクロSW120がオン(収納部110が閉じ位置にある)→オフ(収納部110が引き出される)→オン(収納部110が閉じ位置に戻される)となることで検知できるため、上記同様に、その検知した時点での時刻情報を時刻情報生成回路340により生成されるようにすればよい。言い換えれば、この時点での時刻は、来客者が退室したときの時刻となる。
【0058】
そして、その時点での時刻情報生成回路340により生成される時刻情報を受信機400に送信することで、上記同様に、受信機400側の受信情報記憶部440にその時刻情報が記憶されるようにする。
【0059】
ここで、受信情報記憶部440には、来客者の入室時の時刻情報と、退室時の時刻情報とが記憶されているため、受信情報出力部450からその時刻情報を読み出すことで、来客者の入退室を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】図1は、本発明の情報漏洩防止方法に係る情報漏洩防止システムの一実施例を説明するための図である。
【図2】図1の制御ボックスの詳細について説明するための図である。
【図3】図2の管理テーブルを説明するための図である。
【図4】図1の送信機及び受信機の詳細について説明するための図である。
【図5】図1の情報漏洩防止システムにおける情報漏洩防止方法について説明するためのフローチャートである。
【図6】図1の情報漏洩防止システムの構成を変えた場合の他の実施例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0061】
100 携帯電話一時保管庫
110 収納部
120 マイクロSW(収納部位置検出手段)
130 振動検知センサ(着信動作検出手段)
131 携帯電話載置プレート
200 制御ボックス
210 接続コネクタ
220 マイクロSWオン/オフ検知回路
230 接続コネクタ
240 振動検知回路
250 管理テーブル
260 送信機コントローラ
270 制御回路(着信判断手段)
300 送信機(コード信号送信手段)
310 コード情報生成回路
320 送信部
330 制御回路
340 時刻情報生成回路(時刻情報生成手段)
400 受信機(受信手段)
410 受信部
420 告知部
430 制御回路
440 受信情報記憶部(記憶手段)
450 受信情報出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラ付きの携帯電話を一時保管することで、情報漏洩対策を行う情報漏洩防止方法であって、
前記携帯電話を収納する複数の収納部の各々に設けられる着信動作検出手段により、前記携帯電話における着信動作を検出する工程と、
着信判断手段により、前記着信動作検出手段による着信動作の検出結果からいずれの収納部に収納されている携帯電話に着信があるかどうかを判断する工程と、
コード信号送信手段により、前記着信判断手段によって判断された前記収納部に対応するコード信号を送信する工程と、
前記収納部の各々に対応して設けられる受信手段により、前記コード信号送信手段からのコード信号を受信し、該コード信号が自己宛である場合に前記携帯電話に着信があることを知らせる工程とを有する
ことを特徴とする情報漏洩防止方法。
【請求項2】
前記着信動作検出手段は、前記携帯電話における着信動作を、着信時に発せられる振動、光又は音のいずれかで検出することを特徴とする請求項1に記載の情報漏洩防止方法。
【請求項3】
前記収納部の各々に設けられる収納部位置検出手段により、前記収納部の閉じ位置又は開け位置を検出する工程を有し、
前記着信判断手段は、全ての前記収納部位置検出手段により前記収納部の閉じ位置が検出されたとき、前記携帯電話に着信があるかどうかを判断する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報漏洩防止方法。
【請求項4】
前記着信判断手段又は前記コード信号送信手段は、時刻情報生成手段により時刻情報を生成する工程を有し、
前記受信手段は、前記時刻情報を記憶手段に記憶する工程を有し、
前記着信判断手段は、いずれかの前記収納部位置検出手段により前記収納部の開け位置が検出された後に閉じ位置が検出されたとき、前記時刻情報生成手段に対してその時点での時刻情報を生成させるとともに、その時刻情報を前記収納部位置検出手段により検出された前記収納部に対応する前記受信手段に送信させて前記記憶手段に入室時刻として記憶させ、次にいずれかの前記収納部位置検出手段により前記収納部の開け位置が検出された後に閉じ位置が検出されたとき、前記時刻情報生成手段に対してその時点での時刻情報を生成させるとともに、その時刻情報を前記収納部位置検出手段により検出された前記収納部に対応する前記受信手段に送信させて前記記憶手段に退室時刻として記憶させる
ことを特徴とする請求項3に記載の情報漏洩防止方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−283601(P2008−283601A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−127666(P2007−127666)
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【出願人】(597074066)日本エス・エム・テー株式会社 (6)
【Fターム(参考)】