情報端末、サーバ、接続先決定方法およびプログラム
【課題】利用されるアプリケーションに応じて、適切な周辺デバイスと動的に接続状態を確立することが可能な情報端末、情報端末と通信可能なサーバ、接続制御方法、および接続制御プログラムを提供する。
【解決手段】カラオケ施設に設置されたICタグから、その位置を示す場所IDが情報端末に取得される(S5)。利用するカラオケサービスに対応する起動アプリが情報端末にダウンロードされ、起動される(S6)。使用デバイスDBを参照して、起動アプリで使用される周辺デバイスである使用デバイスが決定される(S7)。設置デバイスDBを参照して、使用デバイスに適合し、且つ、場所IDが示す場所に設置されている周辺デバイスが、接続先デバイスとして決定される(S11)。情報端末は、無線通信部を制御して、接続先デバイスと無線セッションを生成し、接続状態を確立する(S13)。
【解決手段】カラオケ施設に設置されたICタグから、その位置を示す場所IDが情報端末に取得される(S5)。利用するカラオケサービスに対応する起動アプリが情報端末にダウンロードされ、起動される(S6)。使用デバイスDBを参照して、起動アプリで使用される周辺デバイスである使用デバイスが決定される(S7)。設置デバイスDBを参照して、使用デバイスに適合し、且つ、場所IDが示す場所に設置されている周辺デバイスが、接続先デバイスとして決定される(S11)。情報端末は、無線通信部を制御して、接続先デバイスと無線セッションを生成し、接続状態を確立する(S13)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線により外部機器に接続可能な情報端末、情報端末と通信可能なサーバ、情報処理装置における接続先決定方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の通信カラオケシステムは、一般的に、楽曲配信機能等を有するサーバと、配信された楽曲の演奏機能等を有するコマンダ(カラオケ装置)と、音響機器、ディスプレイ、マイク等の周辺デバイスと、コマンダに対する指示機能を有するリモコンを含む。カラオケ施設では、通常、サーバ以外の機器(コマンダ、周辺デバイスおよびリモコン)が同等の構成で部屋毎に設置される。従って、ある部屋の機器と別の部屋の機器との間の混信を防止するために、同じ部屋の機器同士を対応付ける必要が生じる。例えば、特許文献1は、リモコンがコマンダに対して赤外線通信によりリモコン識別番号を送信し、コマンダがリモコンに対して電波を媒体とする無線通信でコマンダ識別信号を送信することで、リモコンとコマンダを対応付ける方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−159557号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在の通信カラオケシステムは、コマンダを中心としてカラオケサービスが提供されることを前提とする。しかし、近年の通信技術の発展や情報端末の高性能化に伴い、今後のカラオケシステムは、コマンダやリモコンを必要としない新たな構成に変化していくと考えられる。新たな構成では、利用者が携帯する情報端末がハブ機器として利用され、サービス利用時に、情報端末と周辺デバイスとが動的に無線で接続されると考えられる。例えば、利用者は、自己の情報端末とカラオケの周辺デバイスとを無線で接続させ、サーバからオンデマンドで所望のアプリケーションやコンテンツを情報端末に取得しながら、様々なカラオケサービスを利用すると考えられる。
【0005】
このような今後のカラオケシステムでも、混信を防止するために、情報端末と周辺デバイスとの対応付けを適正に管理する必要が生ずる。しかしながら、特許文献1に開示されているような、コマンダを中心とする現在のカラオケシステムを前提とした技術は、前述の新たな構成のカラオケシステムには対応できない。つまり、従来の技術は、利用されるアプリケーションに応じて、情報端末と適切な周辺デバイスとを動的に対応付け、接続させることはできない。
【0006】
本発明は、利用されるアプリケーションに応じて、適切な周辺デバイスと動的に接続状態を確立することが可能な情報端末、情報端末と通信可能なサーバ、情報処理装置における接続先決定方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一の態様に係る情報端末は、無線により外部機器に接続可能な情報端末であって、位置情報取得手段と、デバイス決定手段と、第一接続先決定手段と、接続確立手段とを備えている。前記位置情報取得手段は、前記情報端末の位置を示す情報である端末位置情報を取得する。前記デバイス決定手段は、前記情報端末上で起動されるアプリケーションである起動アプリケーションで使用される周辺デバイスである使用デバイスを決定する。前記第一接続先決定手段は、第一記憶手段を参照して、前記使用デバイスに適合し、且つ、前記端末位置情報が示す位置に設置された周辺デバイスを、前記情報端末と前記無線による接続状態を確立する接続先デバイスとして決定する。前記第一記憶手段は、複数の位置に設置された周辺デバイスを示す情報と、前記複数の位置を示す位置情報とを対応付けて記憶する。前記接続確立手段は、前記接続先デバイスとの間で前記無線による接続状態を確立する。
【0008】
かかる情報端末は、取得した端末位置情報を基に、第一記憶手段を参照して、起動アプリケーションの使用デバイスに適合し、且つ、情報端末が存在する位置に設置された周辺デバイスを接続先デバイスとして決定し、接続先デバイスとの間で無線による接続状態が確立することができる。つまり、情報端末は、起動アプリケーションに応じて、情報端末が存在する位置に設置された適切な周辺デバイスとの間で動的に接続状態を確立することができる。
【0009】
前記情報端末は、前記情報端末上で動作可能な複数のアプリケーションのうち、指定されたアプリケーションを前記起動アプリケーションとして決定するアプリケーション決定手段を更に備えてもよい。そして、前記デバイス決定手段は、前記複数のアプリケーションを示す情報と、前記複数のアプリケーションで使用される少なくとも1つの周辺デバイスを示す情報とを対応付けて記憶する第二記憶手段を参照して、前記起動アプリケーションに対応する少なくとも1つの使用デバイスを決定してもよい。前記第一接続先決定手段は、前記少なくとも1つの使用デバイスに適合し、且つ、前記端末位置情報が示す位置に設置された前記周辺デバイスを、前記情報端末と前記無線による接続状態を確立する前記接続先デバイスとして決定してもよい。
【0010】
この場合、情報端末のユーザは、複数のアプリケーションのうち所望のアプリケーションを指定することで、情報端末を、所望のアプリケーションに対応する適切な周辺デバイスに接続させることができる。
【0011】
前記情報端末において、前記起動アプリケーションは、少なくとも、カラオケで使用される楽曲の音および前記楽曲に応じた画像を再生するための機能を有してもよい。そして、前記デバイス決定手段は、カラオケで使用される楽曲の音および前記楽曲に応じた画像を再生する周辺デバイスである楽曲出力装置および表示装置を、前記使用デバイスとして決定してもよい。この場合、情報端末は、カラオケに使用される起動アプリケーションに応じて、楽曲出力装置および表示装置がその時情報端末が存在する位置に設置されていれば、これらの装置との間で接続状態を確立することができる。
【0012】
前記情報端末は、前記接続確立手段によって前記接続先デバイスとの接続状態が確立された後、前記起動アプリケーションの前記機能により、前記接続先デバイスに前記音および前記画像の少なくとも一方を出力させる出力制御手段を更に備えてもよい。この場合、情報端末は、情報端末との間で接続状態が確立された表示装置および楽曲出力装置に楽曲の音および楽曲に応じた画像を出力させることができる。従って、利用者は、表示装置および楽曲出力装置を利用してカラオケを行うことができる。
【0013】
前記情報端末は、前記接続確立手段によって前記接続状態が確立された前記接続先デバイスの属性に応じて、前記情報端末のユーザに対する課金額を決定する課金決定手段を更に備えてもよい。この場合、情報端末は、起動アプリケーションに応じて情報端末との間で接続状態が確立された接続先デバイスの利用について、適切な課金額を決定することができる。
【0014】
前記第二記憶手段は、前記位置情報と前記周辺デバイスを示す前記情報として、カラオケ施設の複数の部屋を特定する情報と、前記複数の部屋に設置された周辺デバイスを示す情報とを対応付けて記憶してもよい。カラオケ施設には通常複数の部屋が存在し、それぞれの部屋に同じ周辺デバイスが設置されている場合も多い。このような場合、情報端末は、情報端末が存在する部屋に設置された適切な周辺デバイスとの間で動的に接続状態を確立することができる。よって、情報端末は、別の部屋に設置された同じ周辺デバイスを誤作動させることがない。
【0015】
本発明の第二の態様に係る情報端末は、無線により外部機器に接続可能な情報端末であって、位置情報取得手段と、デバイス決定手段と、第一送信手段と、第一受信手段と、第二接続先決定手段と、接続確立手段とを備えている。前記位置情報取得手段は、前記情報端末の位置を示す情報である端末位置情報を取得する。前記デバイス決定手段は、前記情報端末上で起動されるアプリケーションである起動アプリケーションで使用される周辺デバイスである使用デバイスを決定する。前記第一送信手段は、前記端末位置情報を、前記情報端末に接続されたサーバに送信する。前記第一受信手段は、前記第一送信手段によって送信された前記端末位置情報に基づいて前記サーバで決定された、前記端末位置情報が示す位置に設置された周辺デバイスを示す情報を、前記サーバから受信する。前記第二接続先決定手段は、前記第一受信手段によって受信された前記情報が示す前記周辺デバイスが前記使用デバイスに適合する場合、前記使用デバイスに適合する前記周辺デバイスを接続先デバイスとして決定する。前記接続確立手段は、前記接続先デバイスとの間で前記無線による接続状態を確立する。
【0016】
かかる情報端末は、情報端末が存在する位置に設置された周辺デバイスを示す情報をサーバから取得した上で、情報端末が存在する位置に設置された周辺デバイスが起動アプリケーションの使用デバイスに適合する場合、これを接続先デバイスとして決定し、接続先デバイスとの間で無線による接続状態が確立することができる。つまり、情報端末は、起動アプリケーションに応じて、情報端末が存在する位置に設置された適切な周辺デバイスとの間で動的に接続状態を確立することができる。
【0017】
本発明の第三の態様に係る情報端末は、無線により外部機器に接続可能な情報端末であって、位置情報取得手段と、第二送信手段と、第二受信手段と、第三接続先決定手段と、接続確立手段とを備えている。前記位置情報取得手段は、前記情報端末の位置を示す情報である端末位置情報を取得する。前記第二送信手段は、前記情報端末上で起動されるアプリケーションである起動アプリケーションを示す情報である起動アプリケーション情報を、前記情報端末に接続されたサーバに送信する。前記第二受信手段は、前記第二送信手段によって送信された前記起動アプリケーション情報に基づいて前記サーバで決定された、前記起動アプリケーションで使用される周辺デバイスである使用デバイスを示す情報を、前記サーバから受信する。前記第三接続先決定手段は、第一記憶手段を参照して、前記第二受信手段によって受信された前記情報が示す前記使用デバイスに適合し、且つ、前記端末位置情報が示す位置に設置された周辺デバイスを、接続先デバイスとして決定する。前記第一記憶手段は、複数の位置に設置された周辺デバイスを示す情報と、前記複数の位置を示す位置情報とを対応付けて記憶する。前記接続確立手段は、前記接続先デバイスとの間で前記無線による接続状態を確立する。
【0018】
かかる情報端末は、起動アプリケーションで使用される使用デバイスを示す情報をサーバから取得した上で、取得した端末位置情報を基に、第一記憶手段を参照して、使用デバイスに適合し、且つ、情報端末が存在する位置に設置された周辺デバイスを接続先デバイスとして決定し、接続先デバイスとの間で無線による接続状態が確立することができる。つまり、情報端末は、起動アプリケーションに応じて、情報端末が存在する位置に設置された適切な周辺デバイスとの間で動的に接続状態を確立することができる。
【0019】
本発明の第四の態様に係るサーバは、端末情報取得手段と、デバイス決定手段と、第四接続先決定手段と、接続先通知手段とを備えている。前記端末情報取得手段は、無線により外部機器に接続可能な情報端末から、前記情報端末の位置を示す情報である端末位置情報を取得する。前記デバイス決定手段は、前記情報端末上で起動されるアプリケーションである起動アプリケーションで使用される周辺デバイスである使用デバイスを決定する。前記第四接続先決定手段は、第一記憶手段を参照して、前記使用デバイスに適合し、且つ、前記端末位置情報が示す位置に設置された周辺デバイスを、前記情報端末と前記無線による接続状態を確立する接続先デバイスとして決定する。前記第一記憶手段は、複数の位置に設置された周辺デバイスを示す情報と、前記複数の位置を示す位置情報とを対応付けて記憶する。前記接続先通知手段は、前記第四接続先決定手段によって決定された前記接続先デバイスに関する情報を、前記情報端末へ送信する。
【0020】
かかるサーバは、情報端末の位置を示す端末位置情報を情報端末から取得した上で、情報端末が存在する位置に設置された周辺デバイスが起動アプリケーションの使用デバイスに適合する場合、これを接続先デバイスとして決定し、接続先デバイスに関する情報を情報端末に送信することができる。従って、この情報を受信した情報端末は、起動アプリケーションに応じて、情報端末が存在する位置に設置された適切な周辺デバイスとの間で動的に接続状態を確立することができる。
【0021】
本発明の第五の態様に係る接続先決定方法は、情報処理装置において処理される接続先決定方法であって、位置情報取得ステップと、デバイス決定ステップと、第一接続先決定ステップとを備えている。前記位置情報取得ステップでは、無線により外部機器に接続可能な情報端末の位置を示す情報である端末位置情報が取得される。前記デバイス決定ステップでは、前記情報端末上で起動されるアプリケーションである起動アプリケーションで使用される周辺デバイスである使用デバイスが決定される。前記第一接続先決定ステップでは、第一記憶手段を参照して、前記使用デバイスに適合し、且つ、前記端末位置情報が示す位置に設置された周辺デバイスが、前記情報端末と前記無線による接続状態を確立する接続先デバイスとして決定される。前記第一記憶手段は、複数の位置に設置された周辺デバイスを示す情報と、前記複数の位置を示す位置情報とを対応付けて記憶する。
【0022】
かかる接続先決定方法が情報処理装置において処理されることで、端末位置情報を基に、第一記憶手段を参照して、起動アプリケーションの使用デバイスに適合し、且つ、情報端末が存在する位置に設置された周辺デバイスが接続先デバイスとして決定される。従って、情報端末がこの方法で決定された接続先デバイスとの間で無線による接続状態を確立すれば、情報端末は、起動アプリケーションに応じて、情報端末が存在する位置に設置された適切な周辺デバイスとの間で動的に接続状態を確立することができる。
【0023】
本発明の第六の態様に係るプログラムは、無線により外部機器に接続可能な情報端末のコンピュータに、位置情報取得ステップと、デバイス決定ステップと、第一接続先決定ステップとを実行させる指示を含む。前記位置情報取得ステップでは、前記情報端末の位置を示す情報である端末位置情報が取得される。前記デバイス決定ステップでは、前記情報端末上で起動されるアプリケーションである起動アプリケーションで使用される周辺デバイスである使用デバイスが決定される。前記第一接続先決定ステップでは、第一記憶手段を参照して、前記使用デバイスに適合し、且つ、前記端末位置情報が示す位置に設置された周辺デバイスが、前記情報端末と前記無線による接続状態を確立する接続先デバイスとして決定される。前記第一記憶手段は、複数の位置に設置された周辺デバイスを示す情報と、前記複数の位置を示す位置情報とを対応付けて記憶する。
【0024】
かかるプログラムの指示が情報端末のコンピュータによって実行されると、端末位置情報を基に、第一記憶手段を参照して、起動アプリケーションの使用デバイスに適合し、且つ、情報端末が存在する位置に設置された周辺デバイスが接続先デバイスとして決定される。従って、情報端末がこのようにして決定された接続先デバイスとの間で無線による接続状態を確立すれば、情報端末は、起動アプリケーションに応じて、情報端末が存在する位置に設置された適切な周辺デバイスとの間で動的に接続状態を確立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】カラオケシステム1の概略構成の説明図である。
【図2】情報端末100およびサーバ群200の構成を示すブロック図である。
【図3】使用デバイスDB216の構成の説明図である。
【図4】設置デバイスDB217の構成の説明図である。
【図5】情報端末100で実行される第一実施形態の処理のフローチャートである。
【図6】情報端末100で実行される第二実施形態の処理のフローチャートである。
【図7】デバイス管理サーバ210で実行される第二実施形態の処理のフローチャートである。
【図8】チケットのデータ構造の説明図である。
【図9】発行済チケットリスト218の説明図である。
【図10】情報端末100で実行される第三実施形態の処理のフローチャートである。
【図11】デバイス管理サーバ210で実行される第三実施形態の処理のフローチャートである。
【図12】情報端末100で実行される第四実施形態の処理のフローチャートである。
【図13】デバイス管理サーバ210で実行される第四実施形態の処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0027】
<第一実施形態>
図1を参照して、第一実施形態に係るカラオケシステム1全体の概略構成について説明する。カラオケシステム1は、サーバ群200と、情報端末100と、音響機器71等の周辺デバイスを含む。サーバ群200は、クラウドシステム上に構築されたカラオケサービスセンター2に配備される。サーバ群200は、ルータ11を介してネットワーク10(例えば、インターネット)に接続されている。サーバ群200は、カラオケサービスで利用されるアプリケーションやデータを記憶しており、情報端末100等の外部機器からの要求に応じてこれらを提供する。
【0028】
本実施形態のサーバ群200は、デバイス管理サーバ210、アプリケーション配信サーバ(以下、アプリ配信サーバという)220、楽曲配信サーバ230、およびソーシャルネットワークサービスサーバ(以下、SNSサーバという)240の4つのサーバで構成されている。デバイス管理サーバ210は、主にカラオケサービスで使用される周辺デバイスの管理機能を司る。アプリ配信サーバ220は、主に情報端末100等の外部機器にアプリケーションを配信する機能を司る。楽曲配信サーバ230は、主に情報端末100等の外部機器に楽曲データを配信する機能を司る。SNSサーバ240は、主に情報端末100から送信された投稿データを他の情報端末100と共有させる機能等を司る。各サーバの構成の詳細については後述する。
【0029】
情報端末100は、近接無線通信機能および広域無線通信機能を有する情報処理装置である。また、本実施形態の情報端末100は、利用者が携帯可能な端末装置である。よって、利用者は、例えば、カラオケ専用の店舗(所謂、カラオケボックス)3や、カラオケ設備を備えたスナック等の飲食店4等へ、自分が使用する情報端末100を持ち込むことができる。通常、店舗3には、同等の構成を有する複数の部屋30が用意されている。各部屋30には、各種カラオケサービスで使用されうる4種類の周辺デバイスである音響機器71、マイク72、ディスプレイ73、およびカメラ74が設置されている。
【0030】
音響機器71は、楽曲の音を再生する装置であり、MIDIデータ再生部、アンプ、およびスピーカを含む。マイク72は、周辺の音を取得する機器である。特にカラオケでは、マイク72は、歌唱者の音声データを取得するのに使用される。ディスプレイ73は、楽曲の歌詞テロップや背景映像等、楽曲に応じた画像を再生表示する装置である。カメラ74は、動画像を撮影可能な機器である。例えば、カメラ74は、歌唱中の歌唱者の動画を撮影するのに使用される。本実施形態では、これらの周辺デバイスはすべて無線通信部(図示略)を備え、近接無線通信機能を有している。よって、情報端末100と近接無線により接続することができる。
【0031】
また、各部屋30には、無線アクセスポイント(以下、無線APという)13が配備されている。各部屋30の無線AP13は、スイッチ12およびルータ11を介してネットワーク10に接続されている。よって、情報端末100は、近接無線により無線AP13に接続することで、ネットワーク10に接続することができる。更に、各部屋30には、各部屋30の位置を特定する情報が少なくとも記憶された非接触型のICタグ80が配備されている。ICタグ80は、例えば、情報読み取りを促すメッセージとともに、部屋30の壁に貼り付けられていればよい。ICタグ80は、情報端末100が位置情報を取得するのに使用される。
【0032】
また、飲食店4には、例えば、音響機器71、マイク72、およびディスプレイ73が設置されている。これらの周辺デバイスに加え、カメラ74が設置されていてもよい。図1に示すように、飲食店4には、ルータ11や無線AP13が配備されていない場合もある。このような場合でも、情報端末100は、広域無線により無線基地局5に直接接続することで、ネットワーク10に接続することができる。情報端末100の構成の詳細については後述する。
【0033】
なお、前述の店舗3およびその部屋30、並びに飲食店4の数は、図1に例示された数に限られない。また、店舗3および飲食店4という呼称は便宜上使用されているにすぎず、店舗3および飲食店4は、各種カラオケサービスで使用される周辺デバイスが設置されたカラオケ施設としては同じ位置づけにある。
【0034】
このような構成のカラオケシステム1では、ユーザは、例えば次のように、店舗3でカラオケサービスを利用する。まず、ユーザは、ある店舗3の部屋30に自分の情報端末100を持ち込む。そして、ユーザは、情報端末100をサーバ群200に接続させ、自分が利用したいカラオケサービスに応じて、必要なアプリケーションやデータをダウンロードする。また、情報端末100で、部屋30に配備されたICタグ80から、その部屋30の位置を示す情報を、情報端末100の位置情報として読み取る。ダウンロードされたアプリケーションが情報端末100で実行されると、部屋30に設置された周辺デバイスのうち、サービス利用に必要な周辺デバイス(例えば、音響機器71、マイク72、およびディスプレイ73)が決定される。情報端末100と、決定された周辺デバイスとの無線による接続状態が確立された後、周辺デバイスは、情報端末100から送信される指示やデータに従って動作する。
【0035】
つまり、カラオケシステム1では、従来のカラオケ施設で通常部屋毎に用意されていたコマンダやリモコンは使用されない。その代わりに、ユーザが持ち込んだ情報端末100がハブ機器として利用され、利用されるカラオケサービスに応じて、情報端末100と必要な周辺デバイスとが、動的に対応付けられ、接続されるのである。カラオケサービス利用時の情報端末100における処理の詳細は後述する。
【0036】
以下に、図2〜図4を参照して、サーバ群200に含まれる各サーバの詳細について説明する。なお、図2では、説明の簡単化のため、図1では図示されているルータ11やスイッチ12については図示が省略されている。
【0037】
図2に示すように、サーバ群200に含まれるデバイス管理サーバ210、アプリ配信サーバ220、楽曲配信サーバ230、およびSNSサーバ240(以下、総称する場合は、単にサーバ210〜240という)は、記憶装置であるハードディスク装置(以下、HDD)215、225、235、245に記憶される情報が異なる以外、基本的な構成は同一である。具体的には、サーバ210〜240は、それぞれ、CPU211、221、231、241と、ROM212、222、232、242と、RAM213、223、233、243と、通信部214、224、234、244とを含む。CPU211、221、231、241は、それぞれ、ROM212、222、232、242またはHDD215、225、235、245に記憶された各種プログラムを読み出し、その指示に従って各種処理を実行する。
【0038】
デバイス管理サーバ210のHDD215について説明する。HDD215には、使用デバイスデータベース(以下、DB)216および設置デバイスDB217が記憶されている。HDD215には、その他、デバイス管理サーバ210で実行される各種処理のためのプログラムが記憶されている。デバイス管理サーバ210のCPU211は、情報端末100からの要求に応じて、これらのデータベースに記憶されたデータを情報端末100へ送信したり、これらのデータベースを用いて様々な処理を行ったりする。
【0039】
図3に示すように、使用デバイスDB216には、情報端末100上で動作可能な複数のアプリケーションについて、アプリIDと、各アプリIDに対応する少なくとも1つのデバイスIDとが格納されている。
【0040】
アプリIDは、各アプリケーションを識別する情報である。情報端末100上で動作可能なアプリケーションとして、例えば、カラオケの基本サービスである「楽曲の音と画像とともに、マイクで取得された音を出力するサービス(以下、楽曲再生サービスという)」や、付加的なサービスである「歌唱の様子を撮影し、その動画をSNSに提供するサービス(以下、動画撮影サービスという)」等を提供するアプリケーションが挙げられる。これらのアプリケーションの各々に対して、アプリIDとして、「S0001」、「S0002」等の固有の識別コードが付与されている。
【0041】
デバイスIDは、各周辺デバイスを識別する情報である。カラオケサービスで使用される周辺デバイスとして、例えば、音響機器71、マイク72、ディスプレイ73、およびカメラ74がある。これらの周辺デバイスの各々に対して、デバイスIDとして、「D0011」、「S0012」等の固有の識別コードが付与されている。これら周辺デバイスのうち、例えば、「楽曲再生サービス」を提供するには、少なくとも、音響機器71、マイク72、およびディスプレイ73が必要である。「動画撮影サービス」を提供するには、少なくとも、マイク72とカメラ74が必要である。そこで、使用デバイスDB216では、各サービスを提供するアプリケーションのアプリIDに、必要な周辺デバイスのデバイスIDが対応付けられている。
【0042】
なお、図3および上記の例では、必要な周辺デバイスが複数ある例が挙げられている。しかしながら、アプリIDには、そのアプリケーションで使用される少なくとも1つの周辺デバイスのデバイスIDが対応付けられていればよい。
【0043】
図4に示すように、設置デバイスDB217には、複数の場所について、場所IDと、各場所IDに対応する少なくとも1つのデバイスIDと、各デバイスIDに対応する無線アクセス情報と、各デバイスIDに対応する課金額が格納されている。
【0044】
場所IDは、各場所を識別する情報である。本実施形態では、複数の場所として、カラオケ施設である店舗3や飲食店4(図1参照)が想定されている。よって、これらの店舗3や飲食店4の各々に対して、場所IDとして、「P0001」、「P0002」等の固有の識別コードが付与されている。なお、店舗3が、周辺デバイスが設置された複数の部屋30を備えている場合には、部屋30毎に場所IDが付与される。
【0045】
無線アクセス情報は、情報端末100が、無線により周辺デバイスに接続する際に必要な情報である。本実施形態の無線アクセス情報は、周辺デバイスの無線識別IDおよび認証コードを含む。無線識別IDと認証コードは、「=」で接続された形式で、無線アクセス情報として設置デバイスDB217に格納される。情報端末100は、無線アクセス情報を取得することにより、周辺デバイスとの間で無線によるセッションを生成することが可能となる。なお、本実施形態のように、同じ周辺デバイスが設置された複数の部屋30があっても、部屋30毎に無線アクセス情報を区別して管理することで、別の部屋30に設置された同じ周辺デバイスを誤作動させるのを防止することができる。
【0046】
課金額は、各周辺デバイスの単位時間(例えば、1分)当たりの使用に対応するユーザへの課金額である。本実施形態では、課金額は、周辺デバイスの属性に応じて定められている。周辺デバイスの属性とは、例えば、周辺デバイスの種類や性能の優劣である。周辺デバイスの種類により、デバイス自体の価格には高低がある。例えば、音響機器71は、マイク72よりも高額の装置であるから、その単位当たりの課金額は、音響機器71の方が高額に設定されている。また、例えば、ミキシング等の音声エフェクト性能は、音響機器71の機種で異なるし、取得される画像の品質は、カメラ74の機種で異なる。従って、本実施形態では、同じ種類の周辺デバイスで比べると、性能がよい機種ほど高額となるように課金額が設定されている。
【0047】
なお、図4では、各場所に複数のデバイスが設置されている例が挙げられている。しかしながら、場所IDには、その場所IDが示す場所に設置された少なくとも1つの周辺デバイスのデバイスIDが対応付けられていればよい。
【0048】
アプリ配信サーバ220のHDD225について説明する。図2に示すように、HDD225には、アプリケーションDB226や、アプリ配信サーバ220で実行される各種処理のためのプログラムが記憶されている。詳細は図示しないが、アプリケーションDB226には、アプリ配信サーバ220が情報端末100に配信可能な複数のカラオケ用のアプリケーションが、アプリIDと対応付けて格納されている。アプリ配信サーバ220のCPU221は、情報端末100からの配信要求に応じて、これらのアプリケーションのいずれかを情報端末100へ配信する。カラオケ用のアプリケーションとして、例えば、後述する基本アプリケーションや、楽曲再生サービス、動画撮影サービス等の個別のサービス用のアプリケーションがある。
【0049】
楽曲配信サーバ230のHDD235について説明する。HDD235には、楽曲DB236や、楽曲配信サーバ230で実行される各種処理のためのプログラムが記憶されている。詳細は図示しないが、楽曲DB236には、楽曲配信サーバ230が情報端末100に配信可能な複数の楽曲の楽曲データが、楽曲を識別する情報と対応付けて格納されている。楽曲データは、楽曲の伴奏内容および歌詞を示すデータであって、音のデータ(例えば、MIDIデータ)および画像のデータを含む。楽曲配信サーバ230のCPU231は、情報端末100からの配信要求に応じて、これらの楽曲データのいずれかを情報端末100へ配信する。なお、図1に示すルータ11は、配信された楽曲データを蓄積可能に構成されたコンテンツキャッシュ型ルータである。よって、情報端末100が楽曲データの配信を要求した場合、いずれかのルータ11のキャッシュデータベース(図示略)にすでにその楽曲データが蓄積されていれば、そのルータ11から情報端末100に楽曲データが送信される。これにより、楽曲配信サーバ230の負荷が軽減される。
【0050】
SNSサーバ240のHDD245について説明する。HDD245には、投稿データDB246や、SNSサーバ240で実行される各種処理のためのプログラムが記憶されている。詳細は図示しないが、投稿データDB246には、様々なユーザの歌唱中の動画データが、ユーザの情報と対応付けて記憶されている。歌唱中の動画データは、動画撮影サービスによって情報端末100で取得されてSNSサーバ240に送信され、投稿データとして投稿データDB246記憶される。そして、SNSサーバ240のCPU241は、投稿データを他のユーザが利用する情報端末100とも共有させる処理等を行う。
【0051】
以下に、図2を参照して、情報端末100の詳細について説明する。図2に示すように、情報端末100は、CPU101と、ROM102と、RAM103と、不揮発性メモリ104と、無線通信部105と、表示部106と、操作部107と、情報読取り部108とを備えている。CPU101は、ROM102または不揮発性メモリ104に記憶された各種プログラムを読み出し、その指示に従って各種処理を実行する。不揮発性メモリ104には、プログラムの他、例えば、サーバ210〜240のいずれかからダウンロードされたアプリケーションやデータが記憶される。
【0052】
無線通信部105は、CPU101からの指示に応じて、近接無線または広域無線により、外部機器との接続状態を確立し、通信を行う。本実施形態では、情報端末100は、無線通信部105により、無線AP13または無線基地局5を介してネットワーク10経由でサーバ群200に接続し、サーバ210〜240のいずれかからアプリケーションやデータを取得する。また、情報端末100は、無線通信部105により、周辺デバイスと接続状態を確立した後、周辺デバイスに対して指示やデータを送信することで、周辺デバイスを動作させる。
【0053】
表示部106には各種情報が表示される。操作部107は、ユーザが様々な指示を入力するのに用いられる。情報端末100が図1に示すようなタブレット型の場合には、表示部106と操作部107は、タッチパネル式液晶ディスプレイとして構成されるが、別個のディスプレイおよびキー・スイッチ等で構成されてもよい。本実施形態の情報読取り部108は、前述の非接触型のICタグ80に記憶された情報を読み取る非接触ICリーダである。ICタグ80および非接触ICリーダについては周知の技術であるため、ここでの説明は省略する。
【0054】
以下に、図5を用いて、本実施形態において、カラオケサービス利用時に情報端末100のCPU101(図2参照)によって実行される処理について説明する。図5に示す処理は、情報端末100のユーザが、操作部107(図2参照)から、カラオケサービスの実行に必要な基本アプリケーション(以下、基本アプリという)のダウンロードの指示を入力すると開始される。
【0055】
まず、CPU101は、無線通信部105を制御して、無線AP13または無線基地局5を介してネットワーク10経由でアプリ配信サーバ220に接続する。そして、アプリ配信サーバ220に対して、情報端末100の識別情報と基本アプリの送信を要求する情報を含む送信要求を送信する。アプリ配信サーバ220のCPU221は、送信要求に応じて、アプリケーションDB226(図2参照)から基本アプリを取得し、情報端末100に送信する。情報端末100のCPU101は、基本アプリを受信し、不揮発性メモリ104の所定の記憶エリアに記憶させる(S1)。これで基本アプリのダウンロードが完了する。
【0056】
基本アプリに続き、情報端末100と接続状態を確立する周辺デバイス(以下、接続先デバイスという)を決定するのに必要なデータがダウンロードされる。具体的には、ステップS1と同様の方法で、情報端末100からデバイス管理サーバ210に対して、使用デバイスDB216および設置デバイスDB217の送信要求が送信された後、使用デバイスDB216および設置デバイスDB217がデバイス管理サーバ210からダウンロードされる(S2およびS3)。
【0057】
このようにして必要なアプリケーションとDBのダウンロードが完了すると、ステップS1で不揮発性メモリ104に記憶された基本アプリが読み出され、起動される(S4)。すると、例えば、表示部106(図2参照)に、「部屋にあるICタグから、位置情報を読み取ってください。」というメッセージが表示される。メッセージに促されたユーザは、情報端末100の情報読取り部108(図2参照)に、部屋30の壁に貼り付けられたICタグ80(図1参照)から、各部屋30の位置を特定する情報を読み取らせる。本実施形態では、ICタグ80には、部屋30の位置を特定する情報として、前述の場所ID、つまり、店舗3の部屋30および飲食店4毎に付与された固有の識別コードが記憶されている。読み取られた場所IDは、情報端末100の位置を示す端末位置情報として、RAM103に記憶される(S5)。
【0058】
続いて、表示部106には、情報端末100で利用可能な複数のカラオケサービスの一覧が表示される。よって、ユーザは、この一覧から、自分が利用したいカラオケサービス(以下、単にサービスともいう)を操作部107を操作して指定することができる。本実施形態では、サービスの各々に対して、サービス実行時に必要なプリケーションが定められている。不揮発性メモリ104の所定の記憶エリアには、基本アプリのダウンロード時に、その対応関係が記憶される。指定が受け付けられると、情報端末100のCPU101は、指定されたサービスに対応するアプリケーションを特定する。以下では、ここで特定された情報端末100上で起動されるアプリケーションを、起動アプリというものとする。CPU101は、アプリ配信サーバ220から起動アプリをダウンロードする処理を行う(S6)。
【0059】
具体的には、CPU101は、アプリ配信サーバ220に対して、情報端末100の識別情報である端末IDと、起動アプリを識別する情報である起動アプリのアプリIDを含む送信要求を送信する。アプリ配信サーバ220のCPU221は、送信要求に応じて、アプリケーションDB226(図2参照)から送信要求に含まれるアプリIDに基づいて起動アプリを取得し、情報端末100に送信する。情報端末100のCPU101は、受信した起動アプリを、一旦不揮発性メモリ104の所定の記憶エリアに記憶させた後、起動する。この後に続く処理は、起動アプリに従って行われる。
【0060】
CPU101は、ステップS2でデバイス管理サーバ210からダウンロードされ、不揮発性メモリ104に記憶されている使用デバイスDB216(図3参照)を参照して、起動アプリによりサービス実行時に使用される周辺デバイス(以下、使用デバイスという)を決定する(S7)。具体的には、使用デバイスDB216を参照して、起動アプリのアプリIDに対応付けられているデバイスIDが特定され、RAM103に記憶される。
【0061】
更に、CPU101は、ステップS3でデバイス管理サーバ210からダウンロードされ、不揮発性メモリ104に記憶されている設置デバイスDB217(図4参照)を参照して、ステップS5で端末位置情報として取得された場所IDが示す場所に設置されている周辺デバイス(以下、設置デバイスという)を特定する(S8)。具体的には、設置デバイスDB217を参照して、ステップS5で取得された場所IDに対応付けられているデバイスIDが特定される。
【0062】
CPU101は、ステップS7およびS8でそれぞれ特定された使用デバイスおよび設置デバイスのデバイスIDに基づき、使用デバイスに適合する設置デバイスが全て揃っているか否かを判断する(S9)。より具体的には、使用デバイスのデバイスIDの全てが、設置デバイスのデバイスIDに含まれていれば、使用デバイスに適合する設置デバイスが全て揃っていると判断される(S9:YES)。
【0063】
一方、例えば、端末位置情報として取得された場所IDが「P0002」の場合、設置デバイスのデバイスIDは「D0012」、「D0012」、「D1203」であるから、使用デバイスのデバイスIDが「D0034」含まれていない。つまり、設置デバイスに足りない使用デバイスが存在すると判断されることになる(S9:NO)。よって、CPU101は、ユーザが指定したサービスを実行することができない旨のメッセージを表示部106に表示してユーザに通知し(S10)、図5に示す処理を終了する。
【0064】
CPU101は、使用デバイスに適合する設置デバイスが全て揃っていると判断した場合(S9:YES)、使用デバイスと一致する設置デバイスを、接続先デバイスとして決定する(S11)。続いて、CPU101は、全ての接続先デバイスと接続状態を確立したか否かを判断する(S12)。接続状態を確立していない接続先デバイスがある場合は(S12:NO)、CPU101は、無線通信部105を制御して、接続先デバイスとの間で無線によるセッションを生成させる(S13)。具体的には、CPU101は、設置デバイスDB217(図4参照)から、接続先デバイスのデバイスIDに対応する無線アクセス情報を取得する。そして、無線アクセス情報に含まれる接続先デバイスの無線識別IDおよび認証コードを用いて、接続先デバイスとの無線セッションをピア・ツー・ピアで生成する。これにより、情報端末100と接続先デバイスとの接続状態が確立される。CPU101は、接続先デバイスの全てと接続状態を確立できるまで、ステップS12〜S13の処理を繰り返す。
【0065】
全接続先デバイスとの接続状態が確立されると(S12:YES)、CPU101は、接続が完了した旨のメッセージを表示部106に表示してユーザに通知する(S14)。また、情報端末100に内蔵されたタイマ(図示略)により、接続先デバイスとの接続時間(セッション保持時間)の計測を開始する。
【0066】
CPU101は、起動アプリに従い、カラオケサービスを実行する(S15)。例えば、起動アプリで提供されるサービスが「楽曲再生サービス」であれば、CPU101は、以下の処理を実行する。なお、ここまでの段階で、接続先デバイスとして、その部屋30に設置された音響機器71、マイク72、およびディスプレイ73(図1参照)が決定され(S11)、すでに情報端末100と各デバイスの無線セッションが生成されている(S12〜S14)。
【0067】
まず、CPU101は、無線AP13または無線基地局5を介してネットワーク10に接続し、ネットワーク10上のいずれかのルータ11または楽曲配信サーバ230から、ユーザが操作部107を操作して指定した楽曲の楽曲データをダウンロードする。そして、無線セッションにより、各接続先デバイスへデータや指示を送受信することで、接続先デバイスを動作させる。具体的には、CPU101は、楽曲データに基づき、音響機器71に楽曲の伴奏音を出力させるとともに、ディスプレイ73に歌詞テロップや背景画像を出力させる。また、マイク72から取得された歌唱者の音声データを音響機器71に出力させる。このようにして、ユーザは、音響機器71、マイク72、およびディスプレイ73を利用して、カラオケを楽しむことができる。
【0068】
また、例えば、起動アプリで提供されるサービスが「動画撮影サービス」であれば、CPU101は、カメラ74(図1参照)から取得された画像データとマイク72から取得された歌唱者の音声データから動画データを生成し、ネットワーク10経由でSNSサーバ240に送信する処理を行う。このように、ステップS15では、起動アプリに応じて、ステップS11で決定された接続先デバイスとの無線セッションを通じて、様々なサービスがユーザに提供される。
【0069】
CPU101は、サービスを実行しながら、現在実行中のサービスの終了契機が生じたか否かを判断する(S16)。本実施形態では、操作部107を介して、現在実行中のサービスを終了する指示が入力された場合、または、他のサービスを実行する指示が入力された場合に、終了契機が生じたと判断される。そのような指示が入力されていなければ(S16:NO)、CPU101は、デバイス追加指示が入力されたか否かを判断する(S17)。デバイス追加指示とは、現在無線セッション中の接続先デバイスに、他の周辺デバイスを接続先デバイスとして追加する指示である。以下では、サービス実行中に接続先デバイスとして追加される周辺デバイスを、追加デバイスという。
【0070】
サービス実行中に操作部107を介してデバイス追加指示が行われると(S17:YES)、CPU101は、無線通信部105を制御して追加デバイスとの接続状態を確立し、無線セッションを生成する(S18)。具体的には、例えば、以下のような処理が行われる。まず、表示部106に、追加デバイスの無線アクセス情報を入力するための画面が表示される。ユーザは、操作部107を操作して、追加したい周辺デバイスの接続先デバイスの無線識別IDおよび認証コードを入力する。CPU101は、入力された情報に基づき、追加デバイスとの間で新たな無線セッションをピア・ツー・ピアで生成する。追加デバイスとのセッション生成後、CPU101はステップS15の処理に戻り、サービスの実行を継続する。
【0071】
なお、カラオケシステム1においてデバイス追加指示がなされる場合として、次のような場合が想定される。例えば、ユーザが携帯する情報端末100等の端末装置に、楽器機能を有するアプリケーションが内蔵されている場合がある。このような場合、その端末装置を追加デバイスとすれば、楽器機能を利用して、部屋30に設置された周辺デバイスとコラボレーションしながらカラオケを実施することが可能となる。つまり、従来のカラオケシステムにはない、自由なコラボレーションが実現可能となる。よって、本実施形態では、無線接続が可能な周辺デバイスであれば、デバイス追加指示によって、ユーザが希望する周辺デバイスを自由に追加できるように処理が構築されている。例えば、楽器機能を有する追加デバイスが接続された場合、その後のサービス実行中は、追加デバイスが操作されると、情報端末100は、その操作情報に基づき、楽器の固有音を音響機器71から出力させる。
【0072】
サービス実行中に、前述の終了契機が生じた場合(S16:YES)、CPU101は、接続先デバイスとの間で保持されていた無線セッションを順次終了し、接続先デバイスとの接続状態を解除する(S19)。また、タイマ(図示略)による接続時間(セッション保持時間)の計測を終了する。
【0073】
続いて、CPU101は、接続時間(セッション保持時間)に応じて、接続先デバイス毎に、ユーザに対する課金額を算出する(S20)。前述したように、設置デバイスDB217(図4参照)には、周辺デバイスの使用に対する単位時間当たりの課金額が格納されている。よって、各接続先デバイスの単位時間当たりの課金額と接続時間とに基づき、全接続先デバイスの使用に対する課金額が算出される。なお、周辺デバイスの単位時間当たりの課金額は、周辺デバイスの種類および性能の優劣に応じて設定されている。よって、情報端末100は、利用されたサービス(起動アプリ)で使用された接続先デバイスの種類および性能の優劣に応じて、適切な課金額を決定することができる。算出された課金額と情報端末100の端末IDは、ネットワーク10または他のネットワークを介して、情報端末100の使用料をユーザに請求する処理を行う課金サーバ(図示略)に送信される(S21)。図5に示す処理は終了する。
【0074】
以上に説明したように、第一実施形態のカラオケシステム1では、情報端末100は、情報読取り部108により、ユーザがカラオケサービスを利用する場所(店舗3の部屋30や飲食店4等)の位置情報を、端末位置情報として取得する。そして、使用デバイスDB216を参照して、ユーザが指定したサービスを提供する起動アプリで必要な使用デバイスを決定する。更に、設置デバイスDB217を参照して、端末位置情報が示す場所に設置された設置デバイスが使用デバイスに適合する場合、その設置デバイスを接続先デバイスとして決定する。そして、接続先デバイスとの間で無線による接続状態を確立し、無線セッションにより、サービスを実行する。
【0075】
従って、情報端末100は、起動アプリに応じて、情報端末100が存在する場所(位置)に設置された適切な周辺デバイスとの間で動的に接続状態を確立することができる。例えば、多人数が複数の部屋30に分かれてカラオケをする場合、ユーザが自分の情報端末100を持ち歩いて部屋30を行き来することがある。この場合、ユーザは、別の部屋30に入る度にその部屋30の位置情報を取得して、周辺デバイスと接続状態を確立し直すことができる。これにより、ユーザの移動の自由を確保しつつ、情報端末100がある部屋30以外の部屋30の周辺デバイスを誤作動させる不具合を回避することができる。また、利用するサービスを変更したい場合、ユーザは、位置情報を取得し、情報端末100で新たなサービス(起動アプリ)を指定するだけで、そのサービスに必要な周辺デバイスとの接続状態を確立することができる。
【0076】
このように、ユーザは、様々な場所で、サーバからオンデマンドで所望のアプリケーションを情報端末100にダウンロードしながら、アプリケーションに応じて、ハブ機器として機能する情報端末100を適切な周辺デバイスと接続させ、様々なサービスを利用することができる。このように、情報端末100によれば、部屋30等に常設されたコマンダが周辺デバイスを動作させる従来のシステムよりも動的で自由度の高いカラオケシステム1を実現することができる。
【0077】
第一実施形態では、情報端末100が本発明の情報端末に相当する。図5のステップS5で、情報読取り部108が読み取った場所IDを取得するCPU101が、位置情報取得手段に相当する。ステップS7で使用デバイスの決定処理を行うCPU101が、デバイス決定手段に相当する。設置デバイスDB217が記憶された不揮発性メモリ104が、第一記憶手段に相当する。ステップS11で接続先デバイスの決定処理を行うCPU101が、第一接続先決定手段に相当する。ステップS13で、無線通信部105を制御してセッションを生成させるCPU101が、接続確立手段に相当する。また、図5のステップS6で指定されたサービスに対応するアプリケーションを起動アプリとして決定する処理を行うCPU101が、アプリケーション決定手段に相当する。使用デバイスDB216が記憶された不揮発性メモリ104が、第二記憶手段に相当する。図5のステップS15で接続先デバイスに音や画像を出力させる処理を行うCPU101が、出力制御手段に相当する。ステップS20で課金額の決定処理を行うCPU101が、課金決定手段に相当する。情報端末100およびデバイス管理サーバ210は、それぞれ情報処理装置に相当する。
【0078】
<第二実施形態>
以下に、図6〜図9を参照して、第二実施形態について説明する。図1に示すカラオケシステム1の全体構成および図2に示すサーバ群200と情報端末100の構成は、第二実施形態でも基本的に同一である。よって、システムおよび装置構成の説明については省略する(後述する第三および第四実施形態も同様)。一方、第一実施形態では、カラオケサービス実行に係る処理は、ほぼ全て情報端末100で行われるのに対し、第二実施形態では、サーバ群200と情報端末100とで分担して行われる。より詳細には、第二実施形態では、起動アプリに対応する使用デバイスを決定する処理と、使用デバイスと端末位置情報に基づいて接続先デバイスを決定する処理がデバイス管理サーバ210で行われるのが特徴である。以下では、第一実施形態と同様の処理の説明は省略しながら、第二実施形態における処理の詳細について説明する。
【0079】
図6および図8を参照して、カラオケサービス利用時に情報端末100のCPU101によって実行される処理について説明する。処理開始後のステップS101〜S104の処理は、第一実施形態のステップS1、S4〜S6(図5参照)の処理と同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0080】
CPU101は、デバイス管理サーバ210に対してチケット要求を送信する(S105)。第二実施形態のチケット要求は、接続先デバイスの無線アクセス情報を要求する情報であり、情報端末100の端末IDと、端末位置情報である場所IDと、起動アプリのアプリIDとを含む。詳細は後述するが、チケット要求を受信したデバイス管理サーバ210では、適切な周辺デバイスがあれば接続先デバイスが決定され、接続先デバイスの無線アクセス情報を含むチケットが、情報端末100に送信される。一方、適切な周辺デバイスがない場合、接続先デバイスは決定されず、情報端末100には、エラー通知が送信される。つまり、情報端末100はチケットを取得できない(S106:NO)。この場合、CPU101は、ユーザが指定したサービスを実行することができない旨のメッセージを表示部106に表示してユーザに通知し(S107)、図6に示す処理を終了する。
【0081】
デバイス管理サーバ210から送信されたチケットを取得した場合(S106:YES)、CPU101は、チケットに含まれる情報を読み込む(S108)。詳細は後述するが、チケットは、第三者による改竄を防止するために、デバイス管理サーバ210において、公開鍵暗号アルゴリズムの秘密鍵(デバイス管理サーバ210の秘密鍵)を用いて署名されている(チケットの本体データのハッシュ値を前記秘密鍵で暗号化したデータが添付されている)。チケットを受信した情報端末100のCPU101は、基本アプリに従い、予め配布されたデバイス管理サーバ210の公開鍵によって署名を検証することでチケットの真正性を確認する。チケットは、例えば図8に示すようなデータ構造を有し、端末位置情報である場所ID、起動アプリのアプリID、接続先デバイス数、各接続先デバイスの無線アクセス情報(つまり、無線識別IDおよび認証コード)およびチケットの署名を含む。チケット真正性を検証し、改竄されていないことを確認してから接続先デバイスを特定することで、正しく無線接続を行うことができる。
【0082】
CPU101は、第一実施形態のステップS12〜S12(図5参照)と同様にして、全ての接続先デバイスと接続状態を確立した後(S109〜S111)、カラオケサービスを実行する(S112)。CPU101は、デバイス追加指示が入力されたか否かを判断する(S113)。デバイス追加指示が行われた場合(S113:YES)、CPU101は、追加デバイスの指定を受け付ける(S114)。受付方法は、第一実施形態の方法と同様である。CPU101は、デバイス管理サーバ210に対して、デバイス追加要求を送信する(S115)。デバイス追加要求は、接続先デバイスとして追加デバイスを追加したチケットを再発行することを要求する情報であり、情報端末100の端末IDと、追加デバイスの無線アクセス情報とを含む。
【0083】
詳細は後述するが、デバイス追加要求を受信したデバイス管理サーバ210では、前に発行されたチケットの情報に、追加デバイスの情報が追加されたチケットが再発行され、情報端末100に送信される。その後、CPU101は、デバイス管理サーバ210で再発行されたチケットを受信する(S106:YES)。CPU101は、最初のチケットと同様、チケットの署名を検証して情報を読み込む(S108)。チケットの接続先デバイスの情報には、追加デバイスの情報が追加されているので、CPU101は、接続状態が確立されていない接続先デバイスがあると判断し(S109:NO)、追加デバイスの無線アクセス情報に基づき、追加デバイスとの間で無線セッションを生成する(S110)。その後、ステップS109に戻った後の処理は前述の通りである。
【0084】
サービス実行中にデバイス追加指示が入力されない場合(S113:NO)、CPU101は、第一実施形態(図5のS16、S19)と同様、接続解除までの処理(S116〜S117)を行った後、端末IDとともに、接続時間をデバイス管理サーバ210に送信する(S118)。図6に示す処理は以上で終了する。
【0085】
図7〜図9を参照して、デバイス管理サーバ210のCPU211によって実行される処理について説明する。図7に示す処理は、デバイス管理サーバ210の電源がオンにされると開始される。まず、デバイス管理サーバ210のCPU211は、ネットワーク10を介して接続された情報端末100のいずれかから、チケット要求を受信したか否かを判断する(S201)。チケット要求を受信した場合(S201:YES)、CPU211は、チケット要求に含まれている場所IDとアプリIDを抽出する(S202)。場所IDは、チケット要求の送信元の情報端末(以下、要求端末という)100の端末位置情報であり、アプリIDは、要求端末100でユーザにより指定されたサービスに対応する起動アプリのアプリIDである。
【0086】
CPU211は、HDD215に記憶された使用デバイスDB216(図3参照)を参照して、抽出された起動アプリのアプリIDに対応する使用デバイスを決定する(S203)。更に、CPU211は、HDD215に記憶された設置デバイスDB217(図4参照)を参照して、抽出された場所IDが示す場所に設置されている設置デバイスを特定する(S204)。ステップS203〜S204の使用デバイスの決定方法および設置デバイスの特定方法は、第一実施形態のステップS7〜S8(図5参照)と同じである。
【0087】
CPU101は、特定された使用デバイスおよび設置デバイスのデバイスIDに基づき、使用デバイスに適合する設置デバイスが全て揃っているか否かを判断する(S205)。ステップS205の判断方法は、第一実施形態のステップS9(図5参照)と同じである。設置デバイスに足りない使用デバイスが存在する場合(S205:NO)、CPU211は、要求端末100に対して、接続先デバイスが決定できなかった旨の情報を含むサービス利用不可通知を送信し(S206)、ステップS201の処理に戻る。
【0088】
CPU211は、使用デバイスに適合する設置デバイスが全て揃っていると判断した場合(S205:YES)、使用デバイスと一致する設置デバイスを、接続先デバイスとして決定する(S207)。そして、要求端末100が接続先デバイスと接続状態を確立するために必要な無線アクセス情報を含むチケット(図8参照)を発行する(S208)。チケットは、前述したように、公開鍵暗号アルゴリズムの秘密鍵によって署名される。なお、CPU211は、要求端末100の端末IDと、発行したチケットに関する情報を、RAM213の所定の記憶エリアに用意された発行済チケットリスト218(図9参照)に追加する。図9に示すように、発行済チケットリスト218には、要求端末100の端末IDと、起動アプリのアプリIDと、接続先デバイスのデバイスIDと、接続先デバイスの無線アクセス情報とが、互いに対応付けて格納される。CPU211は、要求端末100にチケットを送信し(S209)、ステップS201の処理に戻る。
【0089】
チケット要求を受信していない場合(S201:NO)、CPU211は、ネットワーク10を介して接続された情報端末100のいずれかから、接続時間を受信したか否かを判断する(S210)。接続時間を受信した場合(S210:YES)、CPU211は、RAM103の発行済チケットリスト218(図9参照)と設置デバイスDB217(図4参照)を参照して、接続時間の送信元の情報端末100のユーザに対する課金額を算出する(S211)。課金額の算出方法は、第一実施形態のステップS20と同じである。そして、CPU211は、算出された課金額と接続時間を送信した情報端末100の端末IDを課金サーバ(図示略)に送信する(S212)。また、発行済チケットリスト218から、接続時間の送信元の情報端末100に関する情報を削除して、ステップS201の処理に戻る。
【0090】
接続時間も受信していない場合(S210:NO)、CPU211は、ネットワーク10を介して接続された情報端末100のいずれかから、デバイス追加要求を受信したか否かを判断する(S213)。デバイス追加要求を受信した場合(S213:YES)、CPU211は、RAM103の発行済チケットリスト218(図9参照)と、デバイス追加要求に含まれる情報に基づき、チケットを再発行する(S214)。具体的には、発行済チケットリスト218から、デバイス追加要求に含まれる端末IDで特定される発行済みのチケットの情報を読み出し、更に、デバイス追加要求に含まれる追加デバイスの無線アクセス情報を追加して、チケットを再発行する。再発行されたチケットも、通常のチケットと同様、秘密鍵で署名される。CPU211は、再発行したチケットを、デバイス追加要求の送信元の情報端末100に送信し(S215)、ステップS201の処理に戻る。
【0091】
デバイス追加要求も受信していない場合(S213:NO)、CPU211は、処理の終了指示が入力されたか否かを判断する(S216)。終了指示が入力されていなければ(S216:NO)、CPU211は、ステップS201の処理に戻る。終了指示が入力された場合は(S216:YES)、CPU211は、図7に示す処理を終了する。
【0092】
以上に説明したように、第二実施形態のカラオケシステム1では、情報端末100は、情報読取り部108により端末位置情報を取得する。そして、端末位置情報(場所ID)と、情報端末100のユーザが指定したサービスを提供する起動アプリのアプリIDを含むチケット要求を、デバイス管理サーバ210に送信する。デバイス管理サーバ210は、使用デバイスDB216を参照して、起動アプリで必要な使用デバイスを決定する。デバイス管理サーバ210は、更に、設置デバイスDB217を参照して、端末位置情報が示す場所に設置された設置デバイスが使用デバイスに適合する場合、その設置デバイスを接続先デバイスとして決定する。そして、情報端末100に対して、接続先デバイスと無線による接続状態を確立するのに必要な無線アクセス情報を含むチケットを送信する。情報端末100は、チケットの情報に基づき、接続先デバイスとの間で無線による接続状態を確立し、無線セッションにより、サービスを実行する。
【0093】
このように、第二実施形態でも、第一実施形態と同様、情報端末100は、起動アプリに応じて、情報端末100が存在する場所(位置)に設置された適切な周辺デバイスとの間で動的に接続状態を確立することができる。
【0094】
第二実施形態では、情報端末100が本発明の情報端末に相当し、デバイス管理サーバ210が本発明のサーバに相当する。図7のステップS202で情報端末100から場所IDを取得するCPU211が、端末情報取得手段に相当する。図7のステップS203で使用デバイスの決定処理を行うCPU211が、デバイス決定手段に相当する。設置デバイスDB217が記憶されたHDD215が、第一記憶手段に相当する。ステップS207で接続先デバイスの決定処理を行うCPU211が、第四接続先決定手段に相当する。ステップS209で情報端末100にチケットを送信する処理を行うCPU211が、接続先通知手段に相当する。
【0095】
<第三実施形態>
以下に、図10および図11を参照して、第三実施形態について説明する。第三実施形態では、第二実施形態と同様、カラオケサービス実行に係る処理はサーバ群200と情報端末100とで分担して行われるが、その分担内容が一部のみ異なる。よって、以下では、第二実施形態と同一の処理の説明は省略しながら、第二実施形態と異なる処理の詳細について説明する。なお、図10および図11では、第二実施形態の処理(図6および図7参照)と同一の処理が行われるステップには、同一のステップ番号が付されている。
【0096】
まず、図10を参照して、カラオケサービス利用時に情報端末100のCPU101によって実行される処理について説明する。第三実施形態では、第二実施形態と異なり、使用デバイスの決定および接続先デバイスの決定は、情報端末100で行われる。
【0097】
まず、基本アプリがダウンロードされた後(S101)、情報端末100には、使用デバイスDB216(図3参照)がダウンロードされる(S131)。その方法は、第一実施形態のステップS2(図5参照)と同じである。第二実施形態と同様、ステップS102〜S104の処理が行われる。続いて、起動アプリに対応する使用デバイスが決定される(S132)。使用デバイスの決定方法は、第一実施形態のステップS7(図5参照)と同じである。
【0098】
続いて、CPU101は、デバイス管理サーバ210にチケット要求を送信する(S133)。第三実施形態のチケット要求は、情報端末100の存在する場所にある設置デバイスの情報を要求する情報であり、情報端末100の端末IDと、端末位置情報である場所IDを含む。その後、デバイス管理サーバ210からチケットを取得すると(S134)、CPU101は、チケットの情報を読み込む(S135)。詳細は後述するが、チケットには、情報端末100の存在する場所にある設置デバイスのデバイスIDが含まれている。よって、CPU101は、このデバイスIDと、ステップS132で決定されてRAM103に記憶されている使用デバイスのデバイスIDとに基づき、情報端末100の存在する場所に、使用デバイスに適合する周辺デバイスが全て揃っているか否かを判断する(S136)。ここでの判断方法は、第一実施形態のステップS9(図5参照)と同じである。
【0099】
使用デバイスに適合する設置デバイスが全て揃っていない場合は(S136:NO)、CPU101は、サービス実行不可のメッセージを表示部106に表示してユーザに通知し(S137)、図10に示す処理を終了する。CPU101は、使用デバイスに適合する設置デバイスが全て揃っていれば(S136:YES)、使用デバイスに一致する設置デバイスを接続先デバイスとして決定する(S138)。その後の接続先デバイスとの接続状態の確立処理やカラオケサービスの実行処理(S109〜S112)については、第二実施形態と同じである。
【0100】
第二実施形態では、サービス実行中に、デバイス追加の指示があれば、追加デバイスに接続する処理が行われるが(図6のステップS113〜S115参照)、第三実施形態のように、この処理は省略されてもよい。また、第二実施形態では、サービス終了契機が生じ(S116:YES)、接続先デバイスとの接続状態が解除された後(S117)、課金額算出のために接続時間がデバイス管理サーバ210に送信されるが(図6のステップS118参照)、第三実施形態のように、この処理は省略されてもよい。この場合、別の任意の方法で課金額が算出されればよい。
【0101】
図11を参照して、デバイス管理サーバ210のCPU211によって実行される処理について説明する。いずれかの情報端末100からチケット要求を受信した場合(S201:YES)、CPU211は、受信したチケット要求に含まれる場所IDを抽出する(S231)。そして、HDD215の設置デバイスDB217(図4参照)を参照して、その場所IDが示す場所、すなわち、チケット要求の送信元の情報端末100が存在する場所にある設置デバイスを特定し(S232)、設置デバイスに関する情報を含むチケットを発行する(S233)。図示は省略するが、第三実施形態のチケットは、例えば、場所ID、アプリID、設置デバイス数、および各設置デバイスのデバイスIDと無線アクセス情報とを含む。なお、各設置デバイスのデバイスIDは、情報端末100で接続先デバイスを決定するために必要な情報である。
【0102】
CPU211は、チケットを送信した後(S209)、ステップS201の処理に戻り、終了指示が入力されると(S216:YES)図11の処理を終了する。なお、本実施形態では、前述のように、デバイス追加や課金額算出の処理は省略されているので、図11に示す処理には、第二実施形態のステップS210〜S215の処理が含まれない。
【0103】
以上に説明したように、第三実施形態のカラオケシステム1では、情報端末100は、情報読取り部108により端末位置情報を取得する。また、使用デバイスDB216を参照して、起動アプリに対応する使用デバイスを決定する。そして、端末位置情報(場所ID)を含むチケット要求を、デバイス管理サーバ210に送信する。デバイス管理サーバ210は、設置デバイスDB217を参照して、端末位置情報が示す場所に設置された設置デバイスを特定する。そして、情報端末100に対して、特定された設置デバイスに関する情報を含むチケットを送信する。情報端末100は、自ら決定した使用デバイスと、受信したチケットに含まれる設置デバイスの情報に基づき、接続先デバイスを決定する。そして、接続先デバイスとの間で無線による接続状態を確立し、無線セッションにより、サービスを実行する。
【0104】
このように、第三実施形態でも、第一実施形態と同様、情報端末100は、起動アプリに応じて、情報端末100が存在する場所(位置)に設置された適切な周辺デバイスとの間で動的に接続状態を確立することができる。
【0105】
第三実施形態では、情報端末100が本発明の情報端末に相当する。図10のステップS103で、情報読取り部108が読み取った場所IDを取得するCPU101が、位置情報取得手段に相当する。ステップS132で使用デバイスの決定処理を行うCPU101が、デバイス決定手段に相当する。ステップS133で無線通信部105を制御してチケット要求を送信するCPU101が、第一送信手段に相当する。ステップS134でチケットを取得するCPU101が、第一受信手段に相当する。ステップS138で接続先デバイスの決定処理を行うCPU101が、第二接続先決定手段に相当する。ステップS110で、無線通信部105を制御してセッションを生成させるCPU101が、接続確立手段に相当する。
【0106】
<第四実施形態>
以下に、図12および図13を参照して、第四実施形態について説明する。第四実施形態でも、第二実施形態と同様、カラオケサービス実行に係る処理はサーバ群200と情報端末100とで分担して行われるが、その分担内容が一部のみ異なる。よって、以下では、第二実施形態と同一の処理の説明は省略しながら、第二実施形態と異なる処理の詳細について説明する。なお、図12および図13では、第二実施形態の処理(図6および図7参照)と同一の処理が行われるステップには、同一のステップ番号が付されている。
【0107】
まず、図12を参照して、カラオケサービス利用時に情報端末100のCPU101によって実行される処理について説明する。第四実施形態では、第二実施形態と異なり、接続先デバイスの決定は、情報端末100で行われる。
【0108】
まず、基本アプリがダウンロードされた後(S101)、情報端末100には、設置デバイスDB217(図4参照)がダウンロードされる(S151)。その方法は、第一実施形態のステップS3(図5参照)と同じである。第二実施形態と同様、ステップS102〜S104の処理が行われる。
【0109】
続いて、CPU101は、デバイス管理サーバ210にチケット要求を送信する(S152)。第四実施形態のチケット要求は、起動アプリに対応する使用デバイスに関する情報を要求する情報であり、情報端末100の端末IDと、起動アプリのアプリIDを含む。その後、デバイス管理サーバ210からチケットを取得すると(S153)、CPU101は、チケットの情報を読み込む(S154)。詳細は後述するが、チケットには、起動アプリに対応する使用デバイスのデバイスIDが含まれている。よって、CPU101は、設置デバイスDB217を参照して、情報端末100の存在する場所に、使用デバイスに適合する周辺デバイスが全て揃っているか否かを判断する(S155)。ここでの判断方法は、第一実施形態のステップS9(図5参照)と同じである。
【0110】
使用デバイスに適合する設置デバイスが全て揃っていない場合は(S155:NO)、CPU101は、サービス実行不可のメッセージを表示部106に表示してユーザに通知し(S156)、図12に示す処理を終了する。使用デバイスに適合する設置デバイスが全て揃っていれば(S155:YES)、CPU101は、使用デバイスに一致する設置デバイスを接続先デバイスとして決定する(S157)。その後の接続先デバイスとの接続状態の確立処理やカラオケサービスの実行処理(S109〜S112)、および処理の終了処理(S116〜S117)については、第二実施形態と同じである。
【0111】
図13を参照して、デバイス管理サーバ210のCPU211によって実行される処理について説明する。いずれかの情報端末100からチケット要求を受信した場合(S201:YES)、CPU211は、受信したチケット要求に含まれる起動アプリのアプリIDを抽出する(S251)。そして、HDD215の使用デバイスDB216(図3参照)を参照して、そのアプリIDが示す起動アプリで使用される使用デバイスを決定し(S252)、使用デバイスに関する情報を含むチケットを発行する(S253)。図示は省略するが、第四実施形態のチケットは、例えば、アプリIDおよび使用デバイスのデバイスIDを含む。CPU211は、チケットを送信した後(S254)、ステップS201の処理に戻り、終了指示が入力されると(S216:YES)図13の処理を終了する。
【0112】
以上に説明したように、第四実施形態のカラオケシステム1では、情報端末100は、情報読取り部108により端末位置情報を取得する。設置デバイスDB217と起動アプリをダウンロードした後、起動アプリのアプリIDを含むチケット要求を、デバイス管理サーバ210に送信する。デバイス管理サーバ210は、使用デバイスDB216を参照して、起動アプリに対応する使用デバイスを決定する。そして、情報端末100に対して、使用デバイスに関する情報を含むチケットを送信する。情報端末100は、受信したチケットに含まれる使用デバイスの情報と、ダウンロードした設置デバイスDBの情報に基づき、接続先デバイスを決定する。そして、接続先デバイスとの間で無線による接続状態を確立し、無線セッションにより、サービスを実行する。
【0113】
このように、第四実施形態でも、第一実施形態と同様、情報端末100は、起動アプリに応じて、情報端末100が存在する場所(位置)に設置された適切な周辺デバイスとの間で動的に接続状態を確立することができる。
【0114】
第四実施形態では、情報端末100が本発明の情報端末に相当する。図12のステップS103で、情報読取り部108が読み取った場所IDを取得するCPU101が、位置情報取得手段に相当する。ステップS153で無線通信部105を制御してチケット要求を送信するCPU101が、第二送信手段に相当する。ステップS153でチケットを取得するCPU101が、第二受信手段に相当する。ステップS157で接続先デバイスの決定処理を行うCPU101が、第三接続先決定手段に相当する。設置デバイスDB217を記憶する不揮発性メモリ104が、第一記憶手段に相当する。ステップS110で、無線通信部105を制御してセッションを生成させるCPU101が、接続確立手段に相当する。
【0115】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、実施形態では、カラオケサービスが利用される場合を例として、情報端末100の処理について説明したが、本発明は、他のシステムにも適用可能である。例えば、実施形態で説明した処理は、起動アプリがプレゼンテーションを実行するアプリケーションである場合に、情報端末が、その位置の周辺に設置されたマイク、音響装置およびプロジェクタと接続状態を確立する処理等に適用可能である。
【0116】
図2に示すように、前述の実施形態では、サーバ群200は、4つのサーバ210〜240を含むが、クラウドシステムではサーバ群200は1つのコンピュータとしてもとらえられる。よって、サーバ210〜240のいずれかで行われる処理をまとめて、1つのサーバにおける処理とみなすことができる。なお、サーバ群200が実際に1つのサーバとして構成され、そのサーバの記憶装置に使用デバイスDB216、設置デバイスDB217等の全てのデータベースが記憶され、そのサーバのCPUが全ての処理を行ってもよいことは言うまでもない。
【0117】
実施形態では、図1に示す部屋30には同じ周辺デバイスが設置されている例を説明したが、部屋30毎に異なる種類の周辺デバイスが設置されていてもよい。また、情報端末100が端末位置情報を取得する方法の一例として、場所IDを記憶したICタグ80をカラオケ施設に装備しておき、情報読取り部108(非接触ICリーダ)でICタグ80から場所IDを読み取る例が挙げられている。しかし、他の任意の方法が採用されてもよい。例えば、バーコードまたは二次元コードの情報を読取る方法や可視光通信が使用されてもよい。また、情報端末100が部屋30に入ると、GPS情報(緯度、経度、高度)が自動的に取得される処理が行われてもよい。この場合、設置デバイスDB217(図4参照)に、場所IDに対応付けて、緯度、経度、高度の特定の範囲が記憶される。そして、情報端末100またはデバイス管理サーバ210は、情報端末100の緯度、経度、高度が属する範囲に対応する場所IDに基づき、設置デバイスを特定すればよい。
【0118】
図5等に示す情報端末100における処理において、基本アプリ、使用デバイスDB216、設置デバイスDB217は、必ずしもこのタイミングでダウンロードされる必要はない。基本アプリ、使用デバイスDB216、設置デバイスDB217は、予めダウンロードされ、不揮発性メモリ104に記憶されていてもよい。この場合、図5等に示す処理は、不揮発性メモリ104に記憶された基本アプリが起動されることで開始されればよい。
【0119】
使用デバイスの決定の際、複数のカラオケサービス用のアプリケーションとその使用デバイスを対応付けて記憶する使用デバイスDB216は、必ずしも使用されなくてもよい。この場合、例えば、特にサービスを区別することなく、カラオケで使用される最小限の周辺デバイス(例えば、音響機器71、マイク72およびディスプレイ73)が一律で使用デバイスとして決定されればよい。また、情報端末100において使用デバイスDB216または設置デバイスDB217が使用される場合、データベースは必ずしも内蔵の不揮発性メモリ104に記憶される必要はない。例えば、メモリカード等の外部メモリに記憶されたものを使用して処理が行われてもよい。
【0120】
第一および第二実施形態の処理において、第三および第四実施形態のように、デバイス追加の処理および課金額の算出に関する処理の少なくとも一方が省略されてもよい。反対に、第三および第四実施形態の処理において、第一および第二実施形態のように、デバイス追加の処理および課金額の算出に関する処理の少なくとも一方が追加されてもよい。また、課金額は、接続時間にかかわらず、接続先デバイスの属性のみに基づいて算出されてもよい。
【符号の説明】
【0121】
100 情報端末
101 CPU
104 不揮発性メモリ
105 無線通信部
108 情報読取り部
200 サーバ群
210 デバイス管理サーバ
211 CPU
215 HDD
216 使用デバイスDB
217 設置デバイスDB
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線により外部機器に接続可能な情報端末、情報端末と通信可能なサーバ、情報処理装置における接続先決定方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の通信カラオケシステムは、一般的に、楽曲配信機能等を有するサーバと、配信された楽曲の演奏機能等を有するコマンダ(カラオケ装置)と、音響機器、ディスプレイ、マイク等の周辺デバイスと、コマンダに対する指示機能を有するリモコンを含む。カラオケ施設では、通常、サーバ以外の機器(コマンダ、周辺デバイスおよびリモコン)が同等の構成で部屋毎に設置される。従って、ある部屋の機器と別の部屋の機器との間の混信を防止するために、同じ部屋の機器同士を対応付ける必要が生じる。例えば、特許文献1は、リモコンがコマンダに対して赤外線通信によりリモコン識別番号を送信し、コマンダがリモコンに対して電波を媒体とする無線通信でコマンダ識別信号を送信することで、リモコンとコマンダを対応付ける方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−159557号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在の通信カラオケシステムは、コマンダを中心としてカラオケサービスが提供されることを前提とする。しかし、近年の通信技術の発展や情報端末の高性能化に伴い、今後のカラオケシステムは、コマンダやリモコンを必要としない新たな構成に変化していくと考えられる。新たな構成では、利用者が携帯する情報端末がハブ機器として利用され、サービス利用時に、情報端末と周辺デバイスとが動的に無線で接続されると考えられる。例えば、利用者は、自己の情報端末とカラオケの周辺デバイスとを無線で接続させ、サーバからオンデマンドで所望のアプリケーションやコンテンツを情報端末に取得しながら、様々なカラオケサービスを利用すると考えられる。
【0005】
このような今後のカラオケシステムでも、混信を防止するために、情報端末と周辺デバイスとの対応付けを適正に管理する必要が生ずる。しかしながら、特許文献1に開示されているような、コマンダを中心とする現在のカラオケシステムを前提とした技術は、前述の新たな構成のカラオケシステムには対応できない。つまり、従来の技術は、利用されるアプリケーションに応じて、情報端末と適切な周辺デバイスとを動的に対応付け、接続させることはできない。
【0006】
本発明は、利用されるアプリケーションに応じて、適切な周辺デバイスと動的に接続状態を確立することが可能な情報端末、情報端末と通信可能なサーバ、情報処理装置における接続先決定方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一の態様に係る情報端末は、無線により外部機器に接続可能な情報端末であって、位置情報取得手段と、デバイス決定手段と、第一接続先決定手段と、接続確立手段とを備えている。前記位置情報取得手段は、前記情報端末の位置を示す情報である端末位置情報を取得する。前記デバイス決定手段は、前記情報端末上で起動されるアプリケーションである起動アプリケーションで使用される周辺デバイスである使用デバイスを決定する。前記第一接続先決定手段は、第一記憶手段を参照して、前記使用デバイスに適合し、且つ、前記端末位置情報が示す位置に設置された周辺デバイスを、前記情報端末と前記無線による接続状態を確立する接続先デバイスとして決定する。前記第一記憶手段は、複数の位置に設置された周辺デバイスを示す情報と、前記複数の位置を示す位置情報とを対応付けて記憶する。前記接続確立手段は、前記接続先デバイスとの間で前記無線による接続状態を確立する。
【0008】
かかる情報端末は、取得した端末位置情報を基に、第一記憶手段を参照して、起動アプリケーションの使用デバイスに適合し、且つ、情報端末が存在する位置に設置された周辺デバイスを接続先デバイスとして決定し、接続先デバイスとの間で無線による接続状態が確立することができる。つまり、情報端末は、起動アプリケーションに応じて、情報端末が存在する位置に設置された適切な周辺デバイスとの間で動的に接続状態を確立することができる。
【0009】
前記情報端末は、前記情報端末上で動作可能な複数のアプリケーションのうち、指定されたアプリケーションを前記起動アプリケーションとして決定するアプリケーション決定手段を更に備えてもよい。そして、前記デバイス決定手段は、前記複数のアプリケーションを示す情報と、前記複数のアプリケーションで使用される少なくとも1つの周辺デバイスを示す情報とを対応付けて記憶する第二記憶手段を参照して、前記起動アプリケーションに対応する少なくとも1つの使用デバイスを決定してもよい。前記第一接続先決定手段は、前記少なくとも1つの使用デバイスに適合し、且つ、前記端末位置情報が示す位置に設置された前記周辺デバイスを、前記情報端末と前記無線による接続状態を確立する前記接続先デバイスとして決定してもよい。
【0010】
この場合、情報端末のユーザは、複数のアプリケーションのうち所望のアプリケーションを指定することで、情報端末を、所望のアプリケーションに対応する適切な周辺デバイスに接続させることができる。
【0011】
前記情報端末において、前記起動アプリケーションは、少なくとも、カラオケで使用される楽曲の音および前記楽曲に応じた画像を再生するための機能を有してもよい。そして、前記デバイス決定手段は、カラオケで使用される楽曲の音および前記楽曲に応じた画像を再生する周辺デバイスである楽曲出力装置および表示装置を、前記使用デバイスとして決定してもよい。この場合、情報端末は、カラオケに使用される起動アプリケーションに応じて、楽曲出力装置および表示装置がその時情報端末が存在する位置に設置されていれば、これらの装置との間で接続状態を確立することができる。
【0012】
前記情報端末は、前記接続確立手段によって前記接続先デバイスとの接続状態が確立された後、前記起動アプリケーションの前記機能により、前記接続先デバイスに前記音および前記画像の少なくとも一方を出力させる出力制御手段を更に備えてもよい。この場合、情報端末は、情報端末との間で接続状態が確立された表示装置および楽曲出力装置に楽曲の音および楽曲に応じた画像を出力させることができる。従って、利用者は、表示装置および楽曲出力装置を利用してカラオケを行うことができる。
【0013】
前記情報端末は、前記接続確立手段によって前記接続状態が確立された前記接続先デバイスの属性に応じて、前記情報端末のユーザに対する課金額を決定する課金決定手段を更に備えてもよい。この場合、情報端末は、起動アプリケーションに応じて情報端末との間で接続状態が確立された接続先デバイスの利用について、適切な課金額を決定することができる。
【0014】
前記第二記憶手段は、前記位置情報と前記周辺デバイスを示す前記情報として、カラオケ施設の複数の部屋を特定する情報と、前記複数の部屋に設置された周辺デバイスを示す情報とを対応付けて記憶してもよい。カラオケ施設には通常複数の部屋が存在し、それぞれの部屋に同じ周辺デバイスが設置されている場合も多い。このような場合、情報端末は、情報端末が存在する部屋に設置された適切な周辺デバイスとの間で動的に接続状態を確立することができる。よって、情報端末は、別の部屋に設置された同じ周辺デバイスを誤作動させることがない。
【0015】
本発明の第二の態様に係る情報端末は、無線により外部機器に接続可能な情報端末であって、位置情報取得手段と、デバイス決定手段と、第一送信手段と、第一受信手段と、第二接続先決定手段と、接続確立手段とを備えている。前記位置情報取得手段は、前記情報端末の位置を示す情報である端末位置情報を取得する。前記デバイス決定手段は、前記情報端末上で起動されるアプリケーションである起動アプリケーションで使用される周辺デバイスである使用デバイスを決定する。前記第一送信手段は、前記端末位置情報を、前記情報端末に接続されたサーバに送信する。前記第一受信手段は、前記第一送信手段によって送信された前記端末位置情報に基づいて前記サーバで決定された、前記端末位置情報が示す位置に設置された周辺デバイスを示す情報を、前記サーバから受信する。前記第二接続先決定手段は、前記第一受信手段によって受信された前記情報が示す前記周辺デバイスが前記使用デバイスに適合する場合、前記使用デバイスに適合する前記周辺デバイスを接続先デバイスとして決定する。前記接続確立手段は、前記接続先デバイスとの間で前記無線による接続状態を確立する。
【0016】
かかる情報端末は、情報端末が存在する位置に設置された周辺デバイスを示す情報をサーバから取得した上で、情報端末が存在する位置に設置された周辺デバイスが起動アプリケーションの使用デバイスに適合する場合、これを接続先デバイスとして決定し、接続先デバイスとの間で無線による接続状態が確立することができる。つまり、情報端末は、起動アプリケーションに応じて、情報端末が存在する位置に設置された適切な周辺デバイスとの間で動的に接続状態を確立することができる。
【0017】
本発明の第三の態様に係る情報端末は、無線により外部機器に接続可能な情報端末であって、位置情報取得手段と、第二送信手段と、第二受信手段と、第三接続先決定手段と、接続確立手段とを備えている。前記位置情報取得手段は、前記情報端末の位置を示す情報である端末位置情報を取得する。前記第二送信手段は、前記情報端末上で起動されるアプリケーションである起動アプリケーションを示す情報である起動アプリケーション情報を、前記情報端末に接続されたサーバに送信する。前記第二受信手段は、前記第二送信手段によって送信された前記起動アプリケーション情報に基づいて前記サーバで決定された、前記起動アプリケーションで使用される周辺デバイスである使用デバイスを示す情報を、前記サーバから受信する。前記第三接続先決定手段は、第一記憶手段を参照して、前記第二受信手段によって受信された前記情報が示す前記使用デバイスに適合し、且つ、前記端末位置情報が示す位置に設置された周辺デバイスを、接続先デバイスとして決定する。前記第一記憶手段は、複数の位置に設置された周辺デバイスを示す情報と、前記複数の位置を示す位置情報とを対応付けて記憶する。前記接続確立手段は、前記接続先デバイスとの間で前記無線による接続状態を確立する。
【0018】
かかる情報端末は、起動アプリケーションで使用される使用デバイスを示す情報をサーバから取得した上で、取得した端末位置情報を基に、第一記憶手段を参照して、使用デバイスに適合し、且つ、情報端末が存在する位置に設置された周辺デバイスを接続先デバイスとして決定し、接続先デバイスとの間で無線による接続状態が確立することができる。つまり、情報端末は、起動アプリケーションに応じて、情報端末が存在する位置に設置された適切な周辺デバイスとの間で動的に接続状態を確立することができる。
【0019】
本発明の第四の態様に係るサーバは、端末情報取得手段と、デバイス決定手段と、第四接続先決定手段と、接続先通知手段とを備えている。前記端末情報取得手段は、無線により外部機器に接続可能な情報端末から、前記情報端末の位置を示す情報である端末位置情報を取得する。前記デバイス決定手段は、前記情報端末上で起動されるアプリケーションである起動アプリケーションで使用される周辺デバイスである使用デバイスを決定する。前記第四接続先決定手段は、第一記憶手段を参照して、前記使用デバイスに適合し、且つ、前記端末位置情報が示す位置に設置された周辺デバイスを、前記情報端末と前記無線による接続状態を確立する接続先デバイスとして決定する。前記第一記憶手段は、複数の位置に設置された周辺デバイスを示す情報と、前記複数の位置を示す位置情報とを対応付けて記憶する。前記接続先通知手段は、前記第四接続先決定手段によって決定された前記接続先デバイスに関する情報を、前記情報端末へ送信する。
【0020】
かかるサーバは、情報端末の位置を示す端末位置情報を情報端末から取得した上で、情報端末が存在する位置に設置された周辺デバイスが起動アプリケーションの使用デバイスに適合する場合、これを接続先デバイスとして決定し、接続先デバイスに関する情報を情報端末に送信することができる。従って、この情報を受信した情報端末は、起動アプリケーションに応じて、情報端末が存在する位置に設置された適切な周辺デバイスとの間で動的に接続状態を確立することができる。
【0021】
本発明の第五の態様に係る接続先決定方法は、情報処理装置において処理される接続先決定方法であって、位置情報取得ステップと、デバイス決定ステップと、第一接続先決定ステップとを備えている。前記位置情報取得ステップでは、無線により外部機器に接続可能な情報端末の位置を示す情報である端末位置情報が取得される。前記デバイス決定ステップでは、前記情報端末上で起動されるアプリケーションである起動アプリケーションで使用される周辺デバイスである使用デバイスが決定される。前記第一接続先決定ステップでは、第一記憶手段を参照して、前記使用デバイスに適合し、且つ、前記端末位置情報が示す位置に設置された周辺デバイスが、前記情報端末と前記無線による接続状態を確立する接続先デバイスとして決定される。前記第一記憶手段は、複数の位置に設置された周辺デバイスを示す情報と、前記複数の位置を示す位置情報とを対応付けて記憶する。
【0022】
かかる接続先決定方法が情報処理装置において処理されることで、端末位置情報を基に、第一記憶手段を参照して、起動アプリケーションの使用デバイスに適合し、且つ、情報端末が存在する位置に設置された周辺デバイスが接続先デバイスとして決定される。従って、情報端末がこの方法で決定された接続先デバイスとの間で無線による接続状態を確立すれば、情報端末は、起動アプリケーションに応じて、情報端末が存在する位置に設置された適切な周辺デバイスとの間で動的に接続状態を確立することができる。
【0023】
本発明の第六の態様に係るプログラムは、無線により外部機器に接続可能な情報端末のコンピュータに、位置情報取得ステップと、デバイス決定ステップと、第一接続先決定ステップとを実行させる指示を含む。前記位置情報取得ステップでは、前記情報端末の位置を示す情報である端末位置情報が取得される。前記デバイス決定ステップでは、前記情報端末上で起動されるアプリケーションである起動アプリケーションで使用される周辺デバイスである使用デバイスが決定される。前記第一接続先決定ステップでは、第一記憶手段を参照して、前記使用デバイスに適合し、且つ、前記端末位置情報が示す位置に設置された周辺デバイスが、前記情報端末と前記無線による接続状態を確立する接続先デバイスとして決定される。前記第一記憶手段は、複数の位置に設置された周辺デバイスを示す情報と、前記複数の位置を示す位置情報とを対応付けて記憶する。
【0024】
かかるプログラムの指示が情報端末のコンピュータによって実行されると、端末位置情報を基に、第一記憶手段を参照して、起動アプリケーションの使用デバイスに適合し、且つ、情報端末が存在する位置に設置された周辺デバイスが接続先デバイスとして決定される。従って、情報端末がこのようにして決定された接続先デバイスとの間で無線による接続状態を確立すれば、情報端末は、起動アプリケーションに応じて、情報端末が存在する位置に設置された適切な周辺デバイスとの間で動的に接続状態を確立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】カラオケシステム1の概略構成の説明図である。
【図2】情報端末100およびサーバ群200の構成を示すブロック図である。
【図3】使用デバイスDB216の構成の説明図である。
【図4】設置デバイスDB217の構成の説明図である。
【図5】情報端末100で実行される第一実施形態の処理のフローチャートである。
【図6】情報端末100で実行される第二実施形態の処理のフローチャートである。
【図7】デバイス管理サーバ210で実行される第二実施形態の処理のフローチャートである。
【図8】チケットのデータ構造の説明図である。
【図9】発行済チケットリスト218の説明図である。
【図10】情報端末100で実行される第三実施形態の処理のフローチャートである。
【図11】デバイス管理サーバ210で実行される第三実施形態の処理のフローチャートである。
【図12】情報端末100で実行される第四実施形態の処理のフローチャートである。
【図13】デバイス管理サーバ210で実行される第四実施形態の処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0027】
<第一実施形態>
図1を参照して、第一実施形態に係るカラオケシステム1全体の概略構成について説明する。カラオケシステム1は、サーバ群200と、情報端末100と、音響機器71等の周辺デバイスを含む。サーバ群200は、クラウドシステム上に構築されたカラオケサービスセンター2に配備される。サーバ群200は、ルータ11を介してネットワーク10(例えば、インターネット)に接続されている。サーバ群200は、カラオケサービスで利用されるアプリケーションやデータを記憶しており、情報端末100等の外部機器からの要求に応じてこれらを提供する。
【0028】
本実施形態のサーバ群200は、デバイス管理サーバ210、アプリケーション配信サーバ(以下、アプリ配信サーバという)220、楽曲配信サーバ230、およびソーシャルネットワークサービスサーバ(以下、SNSサーバという)240の4つのサーバで構成されている。デバイス管理サーバ210は、主にカラオケサービスで使用される周辺デバイスの管理機能を司る。アプリ配信サーバ220は、主に情報端末100等の外部機器にアプリケーションを配信する機能を司る。楽曲配信サーバ230は、主に情報端末100等の外部機器に楽曲データを配信する機能を司る。SNSサーバ240は、主に情報端末100から送信された投稿データを他の情報端末100と共有させる機能等を司る。各サーバの構成の詳細については後述する。
【0029】
情報端末100は、近接無線通信機能および広域無線通信機能を有する情報処理装置である。また、本実施形態の情報端末100は、利用者が携帯可能な端末装置である。よって、利用者は、例えば、カラオケ専用の店舗(所謂、カラオケボックス)3や、カラオケ設備を備えたスナック等の飲食店4等へ、自分が使用する情報端末100を持ち込むことができる。通常、店舗3には、同等の構成を有する複数の部屋30が用意されている。各部屋30には、各種カラオケサービスで使用されうる4種類の周辺デバイスである音響機器71、マイク72、ディスプレイ73、およびカメラ74が設置されている。
【0030】
音響機器71は、楽曲の音を再生する装置であり、MIDIデータ再生部、アンプ、およびスピーカを含む。マイク72は、周辺の音を取得する機器である。特にカラオケでは、マイク72は、歌唱者の音声データを取得するのに使用される。ディスプレイ73は、楽曲の歌詞テロップや背景映像等、楽曲に応じた画像を再生表示する装置である。カメラ74は、動画像を撮影可能な機器である。例えば、カメラ74は、歌唱中の歌唱者の動画を撮影するのに使用される。本実施形態では、これらの周辺デバイスはすべて無線通信部(図示略)を備え、近接無線通信機能を有している。よって、情報端末100と近接無線により接続することができる。
【0031】
また、各部屋30には、無線アクセスポイント(以下、無線APという)13が配備されている。各部屋30の無線AP13は、スイッチ12およびルータ11を介してネットワーク10に接続されている。よって、情報端末100は、近接無線により無線AP13に接続することで、ネットワーク10に接続することができる。更に、各部屋30には、各部屋30の位置を特定する情報が少なくとも記憶された非接触型のICタグ80が配備されている。ICタグ80は、例えば、情報読み取りを促すメッセージとともに、部屋30の壁に貼り付けられていればよい。ICタグ80は、情報端末100が位置情報を取得するのに使用される。
【0032】
また、飲食店4には、例えば、音響機器71、マイク72、およびディスプレイ73が設置されている。これらの周辺デバイスに加え、カメラ74が設置されていてもよい。図1に示すように、飲食店4には、ルータ11や無線AP13が配備されていない場合もある。このような場合でも、情報端末100は、広域無線により無線基地局5に直接接続することで、ネットワーク10に接続することができる。情報端末100の構成の詳細については後述する。
【0033】
なお、前述の店舗3およびその部屋30、並びに飲食店4の数は、図1に例示された数に限られない。また、店舗3および飲食店4という呼称は便宜上使用されているにすぎず、店舗3および飲食店4は、各種カラオケサービスで使用される周辺デバイスが設置されたカラオケ施設としては同じ位置づけにある。
【0034】
このような構成のカラオケシステム1では、ユーザは、例えば次のように、店舗3でカラオケサービスを利用する。まず、ユーザは、ある店舗3の部屋30に自分の情報端末100を持ち込む。そして、ユーザは、情報端末100をサーバ群200に接続させ、自分が利用したいカラオケサービスに応じて、必要なアプリケーションやデータをダウンロードする。また、情報端末100で、部屋30に配備されたICタグ80から、その部屋30の位置を示す情報を、情報端末100の位置情報として読み取る。ダウンロードされたアプリケーションが情報端末100で実行されると、部屋30に設置された周辺デバイスのうち、サービス利用に必要な周辺デバイス(例えば、音響機器71、マイク72、およびディスプレイ73)が決定される。情報端末100と、決定された周辺デバイスとの無線による接続状態が確立された後、周辺デバイスは、情報端末100から送信される指示やデータに従って動作する。
【0035】
つまり、カラオケシステム1では、従来のカラオケ施設で通常部屋毎に用意されていたコマンダやリモコンは使用されない。その代わりに、ユーザが持ち込んだ情報端末100がハブ機器として利用され、利用されるカラオケサービスに応じて、情報端末100と必要な周辺デバイスとが、動的に対応付けられ、接続されるのである。カラオケサービス利用時の情報端末100における処理の詳細は後述する。
【0036】
以下に、図2〜図4を参照して、サーバ群200に含まれる各サーバの詳細について説明する。なお、図2では、説明の簡単化のため、図1では図示されているルータ11やスイッチ12については図示が省略されている。
【0037】
図2に示すように、サーバ群200に含まれるデバイス管理サーバ210、アプリ配信サーバ220、楽曲配信サーバ230、およびSNSサーバ240(以下、総称する場合は、単にサーバ210〜240という)は、記憶装置であるハードディスク装置(以下、HDD)215、225、235、245に記憶される情報が異なる以外、基本的な構成は同一である。具体的には、サーバ210〜240は、それぞれ、CPU211、221、231、241と、ROM212、222、232、242と、RAM213、223、233、243と、通信部214、224、234、244とを含む。CPU211、221、231、241は、それぞれ、ROM212、222、232、242またはHDD215、225、235、245に記憶された各種プログラムを読み出し、その指示に従って各種処理を実行する。
【0038】
デバイス管理サーバ210のHDD215について説明する。HDD215には、使用デバイスデータベース(以下、DB)216および設置デバイスDB217が記憶されている。HDD215には、その他、デバイス管理サーバ210で実行される各種処理のためのプログラムが記憶されている。デバイス管理サーバ210のCPU211は、情報端末100からの要求に応じて、これらのデータベースに記憶されたデータを情報端末100へ送信したり、これらのデータベースを用いて様々な処理を行ったりする。
【0039】
図3に示すように、使用デバイスDB216には、情報端末100上で動作可能な複数のアプリケーションについて、アプリIDと、各アプリIDに対応する少なくとも1つのデバイスIDとが格納されている。
【0040】
アプリIDは、各アプリケーションを識別する情報である。情報端末100上で動作可能なアプリケーションとして、例えば、カラオケの基本サービスである「楽曲の音と画像とともに、マイクで取得された音を出力するサービス(以下、楽曲再生サービスという)」や、付加的なサービスである「歌唱の様子を撮影し、その動画をSNSに提供するサービス(以下、動画撮影サービスという)」等を提供するアプリケーションが挙げられる。これらのアプリケーションの各々に対して、アプリIDとして、「S0001」、「S0002」等の固有の識別コードが付与されている。
【0041】
デバイスIDは、各周辺デバイスを識別する情報である。カラオケサービスで使用される周辺デバイスとして、例えば、音響機器71、マイク72、ディスプレイ73、およびカメラ74がある。これらの周辺デバイスの各々に対して、デバイスIDとして、「D0011」、「S0012」等の固有の識別コードが付与されている。これら周辺デバイスのうち、例えば、「楽曲再生サービス」を提供するには、少なくとも、音響機器71、マイク72、およびディスプレイ73が必要である。「動画撮影サービス」を提供するには、少なくとも、マイク72とカメラ74が必要である。そこで、使用デバイスDB216では、各サービスを提供するアプリケーションのアプリIDに、必要な周辺デバイスのデバイスIDが対応付けられている。
【0042】
なお、図3および上記の例では、必要な周辺デバイスが複数ある例が挙げられている。しかしながら、アプリIDには、そのアプリケーションで使用される少なくとも1つの周辺デバイスのデバイスIDが対応付けられていればよい。
【0043】
図4に示すように、設置デバイスDB217には、複数の場所について、場所IDと、各場所IDに対応する少なくとも1つのデバイスIDと、各デバイスIDに対応する無線アクセス情報と、各デバイスIDに対応する課金額が格納されている。
【0044】
場所IDは、各場所を識別する情報である。本実施形態では、複数の場所として、カラオケ施設である店舗3や飲食店4(図1参照)が想定されている。よって、これらの店舗3や飲食店4の各々に対して、場所IDとして、「P0001」、「P0002」等の固有の識別コードが付与されている。なお、店舗3が、周辺デバイスが設置された複数の部屋30を備えている場合には、部屋30毎に場所IDが付与される。
【0045】
無線アクセス情報は、情報端末100が、無線により周辺デバイスに接続する際に必要な情報である。本実施形態の無線アクセス情報は、周辺デバイスの無線識別IDおよび認証コードを含む。無線識別IDと認証コードは、「=」で接続された形式で、無線アクセス情報として設置デバイスDB217に格納される。情報端末100は、無線アクセス情報を取得することにより、周辺デバイスとの間で無線によるセッションを生成することが可能となる。なお、本実施形態のように、同じ周辺デバイスが設置された複数の部屋30があっても、部屋30毎に無線アクセス情報を区別して管理することで、別の部屋30に設置された同じ周辺デバイスを誤作動させるのを防止することができる。
【0046】
課金額は、各周辺デバイスの単位時間(例えば、1分)当たりの使用に対応するユーザへの課金額である。本実施形態では、課金額は、周辺デバイスの属性に応じて定められている。周辺デバイスの属性とは、例えば、周辺デバイスの種類や性能の優劣である。周辺デバイスの種類により、デバイス自体の価格には高低がある。例えば、音響機器71は、マイク72よりも高額の装置であるから、その単位当たりの課金額は、音響機器71の方が高額に設定されている。また、例えば、ミキシング等の音声エフェクト性能は、音響機器71の機種で異なるし、取得される画像の品質は、カメラ74の機種で異なる。従って、本実施形態では、同じ種類の周辺デバイスで比べると、性能がよい機種ほど高額となるように課金額が設定されている。
【0047】
なお、図4では、各場所に複数のデバイスが設置されている例が挙げられている。しかしながら、場所IDには、その場所IDが示す場所に設置された少なくとも1つの周辺デバイスのデバイスIDが対応付けられていればよい。
【0048】
アプリ配信サーバ220のHDD225について説明する。図2に示すように、HDD225には、アプリケーションDB226や、アプリ配信サーバ220で実行される各種処理のためのプログラムが記憶されている。詳細は図示しないが、アプリケーションDB226には、アプリ配信サーバ220が情報端末100に配信可能な複数のカラオケ用のアプリケーションが、アプリIDと対応付けて格納されている。アプリ配信サーバ220のCPU221は、情報端末100からの配信要求に応じて、これらのアプリケーションのいずれかを情報端末100へ配信する。カラオケ用のアプリケーションとして、例えば、後述する基本アプリケーションや、楽曲再生サービス、動画撮影サービス等の個別のサービス用のアプリケーションがある。
【0049】
楽曲配信サーバ230のHDD235について説明する。HDD235には、楽曲DB236や、楽曲配信サーバ230で実行される各種処理のためのプログラムが記憶されている。詳細は図示しないが、楽曲DB236には、楽曲配信サーバ230が情報端末100に配信可能な複数の楽曲の楽曲データが、楽曲を識別する情報と対応付けて格納されている。楽曲データは、楽曲の伴奏内容および歌詞を示すデータであって、音のデータ(例えば、MIDIデータ)および画像のデータを含む。楽曲配信サーバ230のCPU231は、情報端末100からの配信要求に応じて、これらの楽曲データのいずれかを情報端末100へ配信する。なお、図1に示すルータ11は、配信された楽曲データを蓄積可能に構成されたコンテンツキャッシュ型ルータである。よって、情報端末100が楽曲データの配信を要求した場合、いずれかのルータ11のキャッシュデータベース(図示略)にすでにその楽曲データが蓄積されていれば、そのルータ11から情報端末100に楽曲データが送信される。これにより、楽曲配信サーバ230の負荷が軽減される。
【0050】
SNSサーバ240のHDD245について説明する。HDD245には、投稿データDB246や、SNSサーバ240で実行される各種処理のためのプログラムが記憶されている。詳細は図示しないが、投稿データDB246には、様々なユーザの歌唱中の動画データが、ユーザの情報と対応付けて記憶されている。歌唱中の動画データは、動画撮影サービスによって情報端末100で取得されてSNSサーバ240に送信され、投稿データとして投稿データDB246記憶される。そして、SNSサーバ240のCPU241は、投稿データを他のユーザが利用する情報端末100とも共有させる処理等を行う。
【0051】
以下に、図2を参照して、情報端末100の詳細について説明する。図2に示すように、情報端末100は、CPU101と、ROM102と、RAM103と、不揮発性メモリ104と、無線通信部105と、表示部106と、操作部107と、情報読取り部108とを備えている。CPU101は、ROM102または不揮発性メモリ104に記憶された各種プログラムを読み出し、その指示に従って各種処理を実行する。不揮発性メモリ104には、プログラムの他、例えば、サーバ210〜240のいずれかからダウンロードされたアプリケーションやデータが記憶される。
【0052】
無線通信部105は、CPU101からの指示に応じて、近接無線または広域無線により、外部機器との接続状態を確立し、通信を行う。本実施形態では、情報端末100は、無線通信部105により、無線AP13または無線基地局5を介してネットワーク10経由でサーバ群200に接続し、サーバ210〜240のいずれかからアプリケーションやデータを取得する。また、情報端末100は、無線通信部105により、周辺デバイスと接続状態を確立した後、周辺デバイスに対して指示やデータを送信することで、周辺デバイスを動作させる。
【0053】
表示部106には各種情報が表示される。操作部107は、ユーザが様々な指示を入力するのに用いられる。情報端末100が図1に示すようなタブレット型の場合には、表示部106と操作部107は、タッチパネル式液晶ディスプレイとして構成されるが、別個のディスプレイおよびキー・スイッチ等で構成されてもよい。本実施形態の情報読取り部108は、前述の非接触型のICタグ80に記憶された情報を読み取る非接触ICリーダである。ICタグ80および非接触ICリーダについては周知の技術であるため、ここでの説明は省略する。
【0054】
以下に、図5を用いて、本実施形態において、カラオケサービス利用時に情報端末100のCPU101(図2参照)によって実行される処理について説明する。図5に示す処理は、情報端末100のユーザが、操作部107(図2参照)から、カラオケサービスの実行に必要な基本アプリケーション(以下、基本アプリという)のダウンロードの指示を入力すると開始される。
【0055】
まず、CPU101は、無線通信部105を制御して、無線AP13または無線基地局5を介してネットワーク10経由でアプリ配信サーバ220に接続する。そして、アプリ配信サーバ220に対して、情報端末100の識別情報と基本アプリの送信を要求する情報を含む送信要求を送信する。アプリ配信サーバ220のCPU221は、送信要求に応じて、アプリケーションDB226(図2参照)から基本アプリを取得し、情報端末100に送信する。情報端末100のCPU101は、基本アプリを受信し、不揮発性メモリ104の所定の記憶エリアに記憶させる(S1)。これで基本アプリのダウンロードが完了する。
【0056】
基本アプリに続き、情報端末100と接続状態を確立する周辺デバイス(以下、接続先デバイスという)を決定するのに必要なデータがダウンロードされる。具体的には、ステップS1と同様の方法で、情報端末100からデバイス管理サーバ210に対して、使用デバイスDB216および設置デバイスDB217の送信要求が送信された後、使用デバイスDB216および設置デバイスDB217がデバイス管理サーバ210からダウンロードされる(S2およびS3)。
【0057】
このようにして必要なアプリケーションとDBのダウンロードが完了すると、ステップS1で不揮発性メモリ104に記憶された基本アプリが読み出され、起動される(S4)。すると、例えば、表示部106(図2参照)に、「部屋にあるICタグから、位置情報を読み取ってください。」というメッセージが表示される。メッセージに促されたユーザは、情報端末100の情報読取り部108(図2参照)に、部屋30の壁に貼り付けられたICタグ80(図1参照)から、各部屋30の位置を特定する情報を読み取らせる。本実施形態では、ICタグ80には、部屋30の位置を特定する情報として、前述の場所ID、つまり、店舗3の部屋30および飲食店4毎に付与された固有の識別コードが記憶されている。読み取られた場所IDは、情報端末100の位置を示す端末位置情報として、RAM103に記憶される(S5)。
【0058】
続いて、表示部106には、情報端末100で利用可能な複数のカラオケサービスの一覧が表示される。よって、ユーザは、この一覧から、自分が利用したいカラオケサービス(以下、単にサービスともいう)を操作部107を操作して指定することができる。本実施形態では、サービスの各々に対して、サービス実行時に必要なプリケーションが定められている。不揮発性メモリ104の所定の記憶エリアには、基本アプリのダウンロード時に、その対応関係が記憶される。指定が受け付けられると、情報端末100のCPU101は、指定されたサービスに対応するアプリケーションを特定する。以下では、ここで特定された情報端末100上で起動されるアプリケーションを、起動アプリというものとする。CPU101は、アプリ配信サーバ220から起動アプリをダウンロードする処理を行う(S6)。
【0059】
具体的には、CPU101は、アプリ配信サーバ220に対して、情報端末100の識別情報である端末IDと、起動アプリを識別する情報である起動アプリのアプリIDを含む送信要求を送信する。アプリ配信サーバ220のCPU221は、送信要求に応じて、アプリケーションDB226(図2参照)から送信要求に含まれるアプリIDに基づいて起動アプリを取得し、情報端末100に送信する。情報端末100のCPU101は、受信した起動アプリを、一旦不揮発性メモリ104の所定の記憶エリアに記憶させた後、起動する。この後に続く処理は、起動アプリに従って行われる。
【0060】
CPU101は、ステップS2でデバイス管理サーバ210からダウンロードされ、不揮発性メモリ104に記憶されている使用デバイスDB216(図3参照)を参照して、起動アプリによりサービス実行時に使用される周辺デバイス(以下、使用デバイスという)を決定する(S7)。具体的には、使用デバイスDB216を参照して、起動アプリのアプリIDに対応付けられているデバイスIDが特定され、RAM103に記憶される。
【0061】
更に、CPU101は、ステップS3でデバイス管理サーバ210からダウンロードされ、不揮発性メモリ104に記憶されている設置デバイスDB217(図4参照)を参照して、ステップS5で端末位置情報として取得された場所IDが示す場所に設置されている周辺デバイス(以下、設置デバイスという)を特定する(S8)。具体的には、設置デバイスDB217を参照して、ステップS5で取得された場所IDに対応付けられているデバイスIDが特定される。
【0062】
CPU101は、ステップS7およびS8でそれぞれ特定された使用デバイスおよび設置デバイスのデバイスIDに基づき、使用デバイスに適合する設置デバイスが全て揃っているか否かを判断する(S9)。より具体的には、使用デバイスのデバイスIDの全てが、設置デバイスのデバイスIDに含まれていれば、使用デバイスに適合する設置デバイスが全て揃っていると判断される(S9:YES)。
【0063】
一方、例えば、端末位置情報として取得された場所IDが「P0002」の場合、設置デバイスのデバイスIDは「D0012」、「D0012」、「D1203」であるから、使用デバイスのデバイスIDが「D0034」含まれていない。つまり、設置デバイスに足りない使用デバイスが存在すると判断されることになる(S9:NO)。よって、CPU101は、ユーザが指定したサービスを実行することができない旨のメッセージを表示部106に表示してユーザに通知し(S10)、図5に示す処理を終了する。
【0064】
CPU101は、使用デバイスに適合する設置デバイスが全て揃っていると判断した場合(S9:YES)、使用デバイスと一致する設置デバイスを、接続先デバイスとして決定する(S11)。続いて、CPU101は、全ての接続先デバイスと接続状態を確立したか否かを判断する(S12)。接続状態を確立していない接続先デバイスがある場合は(S12:NO)、CPU101は、無線通信部105を制御して、接続先デバイスとの間で無線によるセッションを生成させる(S13)。具体的には、CPU101は、設置デバイスDB217(図4参照)から、接続先デバイスのデバイスIDに対応する無線アクセス情報を取得する。そして、無線アクセス情報に含まれる接続先デバイスの無線識別IDおよび認証コードを用いて、接続先デバイスとの無線セッションをピア・ツー・ピアで生成する。これにより、情報端末100と接続先デバイスとの接続状態が確立される。CPU101は、接続先デバイスの全てと接続状態を確立できるまで、ステップS12〜S13の処理を繰り返す。
【0065】
全接続先デバイスとの接続状態が確立されると(S12:YES)、CPU101は、接続が完了した旨のメッセージを表示部106に表示してユーザに通知する(S14)。また、情報端末100に内蔵されたタイマ(図示略)により、接続先デバイスとの接続時間(セッション保持時間)の計測を開始する。
【0066】
CPU101は、起動アプリに従い、カラオケサービスを実行する(S15)。例えば、起動アプリで提供されるサービスが「楽曲再生サービス」であれば、CPU101は、以下の処理を実行する。なお、ここまでの段階で、接続先デバイスとして、その部屋30に設置された音響機器71、マイク72、およびディスプレイ73(図1参照)が決定され(S11)、すでに情報端末100と各デバイスの無線セッションが生成されている(S12〜S14)。
【0067】
まず、CPU101は、無線AP13または無線基地局5を介してネットワーク10に接続し、ネットワーク10上のいずれかのルータ11または楽曲配信サーバ230から、ユーザが操作部107を操作して指定した楽曲の楽曲データをダウンロードする。そして、無線セッションにより、各接続先デバイスへデータや指示を送受信することで、接続先デバイスを動作させる。具体的には、CPU101は、楽曲データに基づき、音響機器71に楽曲の伴奏音を出力させるとともに、ディスプレイ73に歌詞テロップや背景画像を出力させる。また、マイク72から取得された歌唱者の音声データを音響機器71に出力させる。このようにして、ユーザは、音響機器71、マイク72、およびディスプレイ73を利用して、カラオケを楽しむことができる。
【0068】
また、例えば、起動アプリで提供されるサービスが「動画撮影サービス」であれば、CPU101は、カメラ74(図1参照)から取得された画像データとマイク72から取得された歌唱者の音声データから動画データを生成し、ネットワーク10経由でSNSサーバ240に送信する処理を行う。このように、ステップS15では、起動アプリに応じて、ステップS11で決定された接続先デバイスとの無線セッションを通じて、様々なサービスがユーザに提供される。
【0069】
CPU101は、サービスを実行しながら、現在実行中のサービスの終了契機が生じたか否かを判断する(S16)。本実施形態では、操作部107を介して、現在実行中のサービスを終了する指示が入力された場合、または、他のサービスを実行する指示が入力された場合に、終了契機が生じたと判断される。そのような指示が入力されていなければ(S16:NO)、CPU101は、デバイス追加指示が入力されたか否かを判断する(S17)。デバイス追加指示とは、現在無線セッション中の接続先デバイスに、他の周辺デバイスを接続先デバイスとして追加する指示である。以下では、サービス実行中に接続先デバイスとして追加される周辺デバイスを、追加デバイスという。
【0070】
サービス実行中に操作部107を介してデバイス追加指示が行われると(S17:YES)、CPU101は、無線通信部105を制御して追加デバイスとの接続状態を確立し、無線セッションを生成する(S18)。具体的には、例えば、以下のような処理が行われる。まず、表示部106に、追加デバイスの無線アクセス情報を入力するための画面が表示される。ユーザは、操作部107を操作して、追加したい周辺デバイスの接続先デバイスの無線識別IDおよび認証コードを入力する。CPU101は、入力された情報に基づき、追加デバイスとの間で新たな無線セッションをピア・ツー・ピアで生成する。追加デバイスとのセッション生成後、CPU101はステップS15の処理に戻り、サービスの実行を継続する。
【0071】
なお、カラオケシステム1においてデバイス追加指示がなされる場合として、次のような場合が想定される。例えば、ユーザが携帯する情報端末100等の端末装置に、楽器機能を有するアプリケーションが内蔵されている場合がある。このような場合、その端末装置を追加デバイスとすれば、楽器機能を利用して、部屋30に設置された周辺デバイスとコラボレーションしながらカラオケを実施することが可能となる。つまり、従来のカラオケシステムにはない、自由なコラボレーションが実現可能となる。よって、本実施形態では、無線接続が可能な周辺デバイスであれば、デバイス追加指示によって、ユーザが希望する周辺デバイスを自由に追加できるように処理が構築されている。例えば、楽器機能を有する追加デバイスが接続された場合、その後のサービス実行中は、追加デバイスが操作されると、情報端末100は、その操作情報に基づき、楽器の固有音を音響機器71から出力させる。
【0072】
サービス実行中に、前述の終了契機が生じた場合(S16:YES)、CPU101は、接続先デバイスとの間で保持されていた無線セッションを順次終了し、接続先デバイスとの接続状態を解除する(S19)。また、タイマ(図示略)による接続時間(セッション保持時間)の計測を終了する。
【0073】
続いて、CPU101は、接続時間(セッション保持時間)に応じて、接続先デバイス毎に、ユーザに対する課金額を算出する(S20)。前述したように、設置デバイスDB217(図4参照)には、周辺デバイスの使用に対する単位時間当たりの課金額が格納されている。よって、各接続先デバイスの単位時間当たりの課金額と接続時間とに基づき、全接続先デバイスの使用に対する課金額が算出される。なお、周辺デバイスの単位時間当たりの課金額は、周辺デバイスの種類および性能の優劣に応じて設定されている。よって、情報端末100は、利用されたサービス(起動アプリ)で使用された接続先デバイスの種類および性能の優劣に応じて、適切な課金額を決定することができる。算出された課金額と情報端末100の端末IDは、ネットワーク10または他のネットワークを介して、情報端末100の使用料をユーザに請求する処理を行う課金サーバ(図示略)に送信される(S21)。図5に示す処理は終了する。
【0074】
以上に説明したように、第一実施形態のカラオケシステム1では、情報端末100は、情報読取り部108により、ユーザがカラオケサービスを利用する場所(店舗3の部屋30や飲食店4等)の位置情報を、端末位置情報として取得する。そして、使用デバイスDB216を参照して、ユーザが指定したサービスを提供する起動アプリで必要な使用デバイスを決定する。更に、設置デバイスDB217を参照して、端末位置情報が示す場所に設置された設置デバイスが使用デバイスに適合する場合、その設置デバイスを接続先デバイスとして決定する。そして、接続先デバイスとの間で無線による接続状態を確立し、無線セッションにより、サービスを実行する。
【0075】
従って、情報端末100は、起動アプリに応じて、情報端末100が存在する場所(位置)に設置された適切な周辺デバイスとの間で動的に接続状態を確立することができる。例えば、多人数が複数の部屋30に分かれてカラオケをする場合、ユーザが自分の情報端末100を持ち歩いて部屋30を行き来することがある。この場合、ユーザは、別の部屋30に入る度にその部屋30の位置情報を取得して、周辺デバイスと接続状態を確立し直すことができる。これにより、ユーザの移動の自由を確保しつつ、情報端末100がある部屋30以外の部屋30の周辺デバイスを誤作動させる不具合を回避することができる。また、利用するサービスを変更したい場合、ユーザは、位置情報を取得し、情報端末100で新たなサービス(起動アプリ)を指定するだけで、そのサービスに必要な周辺デバイスとの接続状態を確立することができる。
【0076】
このように、ユーザは、様々な場所で、サーバからオンデマンドで所望のアプリケーションを情報端末100にダウンロードしながら、アプリケーションに応じて、ハブ機器として機能する情報端末100を適切な周辺デバイスと接続させ、様々なサービスを利用することができる。このように、情報端末100によれば、部屋30等に常設されたコマンダが周辺デバイスを動作させる従来のシステムよりも動的で自由度の高いカラオケシステム1を実現することができる。
【0077】
第一実施形態では、情報端末100が本発明の情報端末に相当する。図5のステップS5で、情報読取り部108が読み取った場所IDを取得するCPU101が、位置情報取得手段に相当する。ステップS7で使用デバイスの決定処理を行うCPU101が、デバイス決定手段に相当する。設置デバイスDB217が記憶された不揮発性メモリ104が、第一記憶手段に相当する。ステップS11で接続先デバイスの決定処理を行うCPU101が、第一接続先決定手段に相当する。ステップS13で、無線通信部105を制御してセッションを生成させるCPU101が、接続確立手段に相当する。また、図5のステップS6で指定されたサービスに対応するアプリケーションを起動アプリとして決定する処理を行うCPU101が、アプリケーション決定手段に相当する。使用デバイスDB216が記憶された不揮発性メモリ104が、第二記憶手段に相当する。図5のステップS15で接続先デバイスに音や画像を出力させる処理を行うCPU101が、出力制御手段に相当する。ステップS20で課金額の決定処理を行うCPU101が、課金決定手段に相当する。情報端末100およびデバイス管理サーバ210は、それぞれ情報処理装置に相当する。
【0078】
<第二実施形態>
以下に、図6〜図9を参照して、第二実施形態について説明する。図1に示すカラオケシステム1の全体構成および図2に示すサーバ群200と情報端末100の構成は、第二実施形態でも基本的に同一である。よって、システムおよび装置構成の説明については省略する(後述する第三および第四実施形態も同様)。一方、第一実施形態では、カラオケサービス実行に係る処理は、ほぼ全て情報端末100で行われるのに対し、第二実施形態では、サーバ群200と情報端末100とで分担して行われる。より詳細には、第二実施形態では、起動アプリに対応する使用デバイスを決定する処理と、使用デバイスと端末位置情報に基づいて接続先デバイスを決定する処理がデバイス管理サーバ210で行われるのが特徴である。以下では、第一実施形態と同様の処理の説明は省略しながら、第二実施形態における処理の詳細について説明する。
【0079】
図6および図8を参照して、カラオケサービス利用時に情報端末100のCPU101によって実行される処理について説明する。処理開始後のステップS101〜S104の処理は、第一実施形態のステップS1、S4〜S6(図5参照)の処理と同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0080】
CPU101は、デバイス管理サーバ210に対してチケット要求を送信する(S105)。第二実施形態のチケット要求は、接続先デバイスの無線アクセス情報を要求する情報であり、情報端末100の端末IDと、端末位置情報である場所IDと、起動アプリのアプリIDとを含む。詳細は後述するが、チケット要求を受信したデバイス管理サーバ210では、適切な周辺デバイスがあれば接続先デバイスが決定され、接続先デバイスの無線アクセス情報を含むチケットが、情報端末100に送信される。一方、適切な周辺デバイスがない場合、接続先デバイスは決定されず、情報端末100には、エラー通知が送信される。つまり、情報端末100はチケットを取得できない(S106:NO)。この場合、CPU101は、ユーザが指定したサービスを実行することができない旨のメッセージを表示部106に表示してユーザに通知し(S107)、図6に示す処理を終了する。
【0081】
デバイス管理サーバ210から送信されたチケットを取得した場合(S106:YES)、CPU101は、チケットに含まれる情報を読み込む(S108)。詳細は後述するが、チケットは、第三者による改竄を防止するために、デバイス管理サーバ210において、公開鍵暗号アルゴリズムの秘密鍵(デバイス管理サーバ210の秘密鍵)を用いて署名されている(チケットの本体データのハッシュ値を前記秘密鍵で暗号化したデータが添付されている)。チケットを受信した情報端末100のCPU101は、基本アプリに従い、予め配布されたデバイス管理サーバ210の公開鍵によって署名を検証することでチケットの真正性を確認する。チケットは、例えば図8に示すようなデータ構造を有し、端末位置情報である場所ID、起動アプリのアプリID、接続先デバイス数、各接続先デバイスの無線アクセス情報(つまり、無線識別IDおよび認証コード)およびチケットの署名を含む。チケット真正性を検証し、改竄されていないことを確認してから接続先デバイスを特定することで、正しく無線接続を行うことができる。
【0082】
CPU101は、第一実施形態のステップS12〜S12(図5参照)と同様にして、全ての接続先デバイスと接続状態を確立した後(S109〜S111)、カラオケサービスを実行する(S112)。CPU101は、デバイス追加指示が入力されたか否かを判断する(S113)。デバイス追加指示が行われた場合(S113:YES)、CPU101は、追加デバイスの指定を受け付ける(S114)。受付方法は、第一実施形態の方法と同様である。CPU101は、デバイス管理サーバ210に対して、デバイス追加要求を送信する(S115)。デバイス追加要求は、接続先デバイスとして追加デバイスを追加したチケットを再発行することを要求する情報であり、情報端末100の端末IDと、追加デバイスの無線アクセス情報とを含む。
【0083】
詳細は後述するが、デバイス追加要求を受信したデバイス管理サーバ210では、前に発行されたチケットの情報に、追加デバイスの情報が追加されたチケットが再発行され、情報端末100に送信される。その後、CPU101は、デバイス管理サーバ210で再発行されたチケットを受信する(S106:YES)。CPU101は、最初のチケットと同様、チケットの署名を検証して情報を読み込む(S108)。チケットの接続先デバイスの情報には、追加デバイスの情報が追加されているので、CPU101は、接続状態が確立されていない接続先デバイスがあると判断し(S109:NO)、追加デバイスの無線アクセス情報に基づき、追加デバイスとの間で無線セッションを生成する(S110)。その後、ステップS109に戻った後の処理は前述の通りである。
【0084】
サービス実行中にデバイス追加指示が入力されない場合(S113:NO)、CPU101は、第一実施形態(図5のS16、S19)と同様、接続解除までの処理(S116〜S117)を行った後、端末IDとともに、接続時間をデバイス管理サーバ210に送信する(S118)。図6に示す処理は以上で終了する。
【0085】
図7〜図9を参照して、デバイス管理サーバ210のCPU211によって実行される処理について説明する。図7に示す処理は、デバイス管理サーバ210の電源がオンにされると開始される。まず、デバイス管理サーバ210のCPU211は、ネットワーク10を介して接続された情報端末100のいずれかから、チケット要求を受信したか否かを判断する(S201)。チケット要求を受信した場合(S201:YES)、CPU211は、チケット要求に含まれている場所IDとアプリIDを抽出する(S202)。場所IDは、チケット要求の送信元の情報端末(以下、要求端末という)100の端末位置情報であり、アプリIDは、要求端末100でユーザにより指定されたサービスに対応する起動アプリのアプリIDである。
【0086】
CPU211は、HDD215に記憶された使用デバイスDB216(図3参照)を参照して、抽出された起動アプリのアプリIDに対応する使用デバイスを決定する(S203)。更に、CPU211は、HDD215に記憶された設置デバイスDB217(図4参照)を参照して、抽出された場所IDが示す場所に設置されている設置デバイスを特定する(S204)。ステップS203〜S204の使用デバイスの決定方法および設置デバイスの特定方法は、第一実施形態のステップS7〜S8(図5参照)と同じである。
【0087】
CPU101は、特定された使用デバイスおよび設置デバイスのデバイスIDに基づき、使用デバイスに適合する設置デバイスが全て揃っているか否かを判断する(S205)。ステップS205の判断方法は、第一実施形態のステップS9(図5参照)と同じである。設置デバイスに足りない使用デバイスが存在する場合(S205:NO)、CPU211は、要求端末100に対して、接続先デバイスが決定できなかった旨の情報を含むサービス利用不可通知を送信し(S206)、ステップS201の処理に戻る。
【0088】
CPU211は、使用デバイスに適合する設置デバイスが全て揃っていると判断した場合(S205:YES)、使用デバイスと一致する設置デバイスを、接続先デバイスとして決定する(S207)。そして、要求端末100が接続先デバイスと接続状態を確立するために必要な無線アクセス情報を含むチケット(図8参照)を発行する(S208)。チケットは、前述したように、公開鍵暗号アルゴリズムの秘密鍵によって署名される。なお、CPU211は、要求端末100の端末IDと、発行したチケットに関する情報を、RAM213の所定の記憶エリアに用意された発行済チケットリスト218(図9参照)に追加する。図9に示すように、発行済チケットリスト218には、要求端末100の端末IDと、起動アプリのアプリIDと、接続先デバイスのデバイスIDと、接続先デバイスの無線アクセス情報とが、互いに対応付けて格納される。CPU211は、要求端末100にチケットを送信し(S209)、ステップS201の処理に戻る。
【0089】
チケット要求を受信していない場合(S201:NO)、CPU211は、ネットワーク10を介して接続された情報端末100のいずれかから、接続時間を受信したか否かを判断する(S210)。接続時間を受信した場合(S210:YES)、CPU211は、RAM103の発行済チケットリスト218(図9参照)と設置デバイスDB217(図4参照)を参照して、接続時間の送信元の情報端末100のユーザに対する課金額を算出する(S211)。課金額の算出方法は、第一実施形態のステップS20と同じである。そして、CPU211は、算出された課金額と接続時間を送信した情報端末100の端末IDを課金サーバ(図示略)に送信する(S212)。また、発行済チケットリスト218から、接続時間の送信元の情報端末100に関する情報を削除して、ステップS201の処理に戻る。
【0090】
接続時間も受信していない場合(S210:NO)、CPU211は、ネットワーク10を介して接続された情報端末100のいずれかから、デバイス追加要求を受信したか否かを判断する(S213)。デバイス追加要求を受信した場合(S213:YES)、CPU211は、RAM103の発行済チケットリスト218(図9参照)と、デバイス追加要求に含まれる情報に基づき、チケットを再発行する(S214)。具体的には、発行済チケットリスト218から、デバイス追加要求に含まれる端末IDで特定される発行済みのチケットの情報を読み出し、更に、デバイス追加要求に含まれる追加デバイスの無線アクセス情報を追加して、チケットを再発行する。再発行されたチケットも、通常のチケットと同様、秘密鍵で署名される。CPU211は、再発行したチケットを、デバイス追加要求の送信元の情報端末100に送信し(S215)、ステップS201の処理に戻る。
【0091】
デバイス追加要求も受信していない場合(S213:NO)、CPU211は、処理の終了指示が入力されたか否かを判断する(S216)。終了指示が入力されていなければ(S216:NO)、CPU211は、ステップS201の処理に戻る。終了指示が入力された場合は(S216:YES)、CPU211は、図7に示す処理を終了する。
【0092】
以上に説明したように、第二実施形態のカラオケシステム1では、情報端末100は、情報読取り部108により端末位置情報を取得する。そして、端末位置情報(場所ID)と、情報端末100のユーザが指定したサービスを提供する起動アプリのアプリIDを含むチケット要求を、デバイス管理サーバ210に送信する。デバイス管理サーバ210は、使用デバイスDB216を参照して、起動アプリで必要な使用デバイスを決定する。デバイス管理サーバ210は、更に、設置デバイスDB217を参照して、端末位置情報が示す場所に設置された設置デバイスが使用デバイスに適合する場合、その設置デバイスを接続先デバイスとして決定する。そして、情報端末100に対して、接続先デバイスと無線による接続状態を確立するのに必要な無線アクセス情報を含むチケットを送信する。情報端末100は、チケットの情報に基づき、接続先デバイスとの間で無線による接続状態を確立し、無線セッションにより、サービスを実行する。
【0093】
このように、第二実施形態でも、第一実施形態と同様、情報端末100は、起動アプリに応じて、情報端末100が存在する場所(位置)に設置された適切な周辺デバイスとの間で動的に接続状態を確立することができる。
【0094】
第二実施形態では、情報端末100が本発明の情報端末に相当し、デバイス管理サーバ210が本発明のサーバに相当する。図7のステップS202で情報端末100から場所IDを取得するCPU211が、端末情報取得手段に相当する。図7のステップS203で使用デバイスの決定処理を行うCPU211が、デバイス決定手段に相当する。設置デバイスDB217が記憶されたHDD215が、第一記憶手段に相当する。ステップS207で接続先デバイスの決定処理を行うCPU211が、第四接続先決定手段に相当する。ステップS209で情報端末100にチケットを送信する処理を行うCPU211が、接続先通知手段に相当する。
【0095】
<第三実施形態>
以下に、図10および図11を参照して、第三実施形態について説明する。第三実施形態では、第二実施形態と同様、カラオケサービス実行に係る処理はサーバ群200と情報端末100とで分担して行われるが、その分担内容が一部のみ異なる。よって、以下では、第二実施形態と同一の処理の説明は省略しながら、第二実施形態と異なる処理の詳細について説明する。なお、図10および図11では、第二実施形態の処理(図6および図7参照)と同一の処理が行われるステップには、同一のステップ番号が付されている。
【0096】
まず、図10を参照して、カラオケサービス利用時に情報端末100のCPU101によって実行される処理について説明する。第三実施形態では、第二実施形態と異なり、使用デバイスの決定および接続先デバイスの決定は、情報端末100で行われる。
【0097】
まず、基本アプリがダウンロードされた後(S101)、情報端末100には、使用デバイスDB216(図3参照)がダウンロードされる(S131)。その方法は、第一実施形態のステップS2(図5参照)と同じである。第二実施形態と同様、ステップS102〜S104の処理が行われる。続いて、起動アプリに対応する使用デバイスが決定される(S132)。使用デバイスの決定方法は、第一実施形態のステップS7(図5参照)と同じである。
【0098】
続いて、CPU101は、デバイス管理サーバ210にチケット要求を送信する(S133)。第三実施形態のチケット要求は、情報端末100の存在する場所にある設置デバイスの情報を要求する情報であり、情報端末100の端末IDと、端末位置情報である場所IDを含む。その後、デバイス管理サーバ210からチケットを取得すると(S134)、CPU101は、チケットの情報を読み込む(S135)。詳細は後述するが、チケットには、情報端末100の存在する場所にある設置デバイスのデバイスIDが含まれている。よって、CPU101は、このデバイスIDと、ステップS132で決定されてRAM103に記憶されている使用デバイスのデバイスIDとに基づき、情報端末100の存在する場所に、使用デバイスに適合する周辺デバイスが全て揃っているか否かを判断する(S136)。ここでの判断方法は、第一実施形態のステップS9(図5参照)と同じである。
【0099】
使用デバイスに適合する設置デバイスが全て揃っていない場合は(S136:NO)、CPU101は、サービス実行不可のメッセージを表示部106に表示してユーザに通知し(S137)、図10に示す処理を終了する。CPU101は、使用デバイスに適合する設置デバイスが全て揃っていれば(S136:YES)、使用デバイスに一致する設置デバイスを接続先デバイスとして決定する(S138)。その後の接続先デバイスとの接続状態の確立処理やカラオケサービスの実行処理(S109〜S112)については、第二実施形態と同じである。
【0100】
第二実施形態では、サービス実行中に、デバイス追加の指示があれば、追加デバイスに接続する処理が行われるが(図6のステップS113〜S115参照)、第三実施形態のように、この処理は省略されてもよい。また、第二実施形態では、サービス終了契機が生じ(S116:YES)、接続先デバイスとの接続状態が解除された後(S117)、課金額算出のために接続時間がデバイス管理サーバ210に送信されるが(図6のステップS118参照)、第三実施形態のように、この処理は省略されてもよい。この場合、別の任意の方法で課金額が算出されればよい。
【0101】
図11を参照して、デバイス管理サーバ210のCPU211によって実行される処理について説明する。いずれかの情報端末100からチケット要求を受信した場合(S201:YES)、CPU211は、受信したチケット要求に含まれる場所IDを抽出する(S231)。そして、HDD215の設置デバイスDB217(図4参照)を参照して、その場所IDが示す場所、すなわち、チケット要求の送信元の情報端末100が存在する場所にある設置デバイスを特定し(S232)、設置デバイスに関する情報を含むチケットを発行する(S233)。図示は省略するが、第三実施形態のチケットは、例えば、場所ID、アプリID、設置デバイス数、および各設置デバイスのデバイスIDと無線アクセス情報とを含む。なお、各設置デバイスのデバイスIDは、情報端末100で接続先デバイスを決定するために必要な情報である。
【0102】
CPU211は、チケットを送信した後(S209)、ステップS201の処理に戻り、終了指示が入力されると(S216:YES)図11の処理を終了する。なお、本実施形態では、前述のように、デバイス追加や課金額算出の処理は省略されているので、図11に示す処理には、第二実施形態のステップS210〜S215の処理が含まれない。
【0103】
以上に説明したように、第三実施形態のカラオケシステム1では、情報端末100は、情報読取り部108により端末位置情報を取得する。また、使用デバイスDB216を参照して、起動アプリに対応する使用デバイスを決定する。そして、端末位置情報(場所ID)を含むチケット要求を、デバイス管理サーバ210に送信する。デバイス管理サーバ210は、設置デバイスDB217を参照して、端末位置情報が示す場所に設置された設置デバイスを特定する。そして、情報端末100に対して、特定された設置デバイスに関する情報を含むチケットを送信する。情報端末100は、自ら決定した使用デバイスと、受信したチケットに含まれる設置デバイスの情報に基づき、接続先デバイスを決定する。そして、接続先デバイスとの間で無線による接続状態を確立し、無線セッションにより、サービスを実行する。
【0104】
このように、第三実施形態でも、第一実施形態と同様、情報端末100は、起動アプリに応じて、情報端末100が存在する場所(位置)に設置された適切な周辺デバイスとの間で動的に接続状態を確立することができる。
【0105】
第三実施形態では、情報端末100が本発明の情報端末に相当する。図10のステップS103で、情報読取り部108が読み取った場所IDを取得するCPU101が、位置情報取得手段に相当する。ステップS132で使用デバイスの決定処理を行うCPU101が、デバイス決定手段に相当する。ステップS133で無線通信部105を制御してチケット要求を送信するCPU101が、第一送信手段に相当する。ステップS134でチケットを取得するCPU101が、第一受信手段に相当する。ステップS138で接続先デバイスの決定処理を行うCPU101が、第二接続先決定手段に相当する。ステップS110で、無線通信部105を制御してセッションを生成させるCPU101が、接続確立手段に相当する。
【0106】
<第四実施形態>
以下に、図12および図13を参照して、第四実施形態について説明する。第四実施形態でも、第二実施形態と同様、カラオケサービス実行に係る処理はサーバ群200と情報端末100とで分担して行われるが、その分担内容が一部のみ異なる。よって、以下では、第二実施形態と同一の処理の説明は省略しながら、第二実施形態と異なる処理の詳細について説明する。なお、図12および図13では、第二実施形態の処理(図6および図7参照)と同一の処理が行われるステップには、同一のステップ番号が付されている。
【0107】
まず、図12を参照して、カラオケサービス利用時に情報端末100のCPU101によって実行される処理について説明する。第四実施形態では、第二実施形態と異なり、接続先デバイスの決定は、情報端末100で行われる。
【0108】
まず、基本アプリがダウンロードされた後(S101)、情報端末100には、設置デバイスDB217(図4参照)がダウンロードされる(S151)。その方法は、第一実施形態のステップS3(図5参照)と同じである。第二実施形態と同様、ステップS102〜S104の処理が行われる。
【0109】
続いて、CPU101は、デバイス管理サーバ210にチケット要求を送信する(S152)。第四実施形態のチケット要求は、起動アプリに対応する使用デバイスに関する情報を要求する情報であり、情報端末100の端末IDと、起動アプリのアプリIDを含む。その後、デバイス管理サーバ210からチケットを取得すると(S153)、CPU101は、チケットの情報を読み込む(S154)。詳細は後述するが、チケットには、起動アプリに対応する使用デバイスのデバイスIDが含まれている。よって、CPU101は、設置デバイスDB217を参照して、情報端末100の存在する場所に、使用デバイスに適合する周辺デバイスが全て揃っているか否かを判断する(S155)。ここでの判断方法は、第一実施形態のステップS9(図5参照)と同じである。
【0110】
使用デバイスに適合する設置デバイスが全て揃っていない場合は(S155:NO)、CPU101は、サービス実行不可のメッセージを表示部106に表示してユーザに通知し(S156)、図12に示す処理を終了する。使用デバイスに適合する設置デバイスが全て揃っていれば(S155:YES)、CPU101は、使用デバイスに一致する設置デバイスを接続先デバイスとして決定する(S157)。その後の接続先デバイスとの接続状態の確立処理やカラオケサービスの実行処理(S109〜S112)、および処理の終了処理(S116〜S117)については、第二実施形態と同じである。
【0111】
図13を参照して、デバイス管理サーバ210のCPU211によって実行される処理について説明する。いずれかの情報端末100からチケット要求を受信した場合(S201:YES)、CPU211は、受信したチケット要求に含まれる起動アプリのアプリIDを抽出する(S251)。そして、HDD215の使用デバイスDB216(図3参照)を参照して、そのアプリIDが示す起動アプリで使用される使用デバイスを決定し(S252)、使用デバイスに関する情報を含むチケットを発行する(S253)。図示は省略するが、第四実施形態のチケットは、例えば、アプリIDおよび使用デバイスのデバイスIDを含む。CPU211は、チケットを送信した後(S254)、ステップS201の処理に戻り、終了指示が入力されると(S216:YES)図13の処理を終了する。
【0112】
以上に説明したように、第四実施形態のカラオケシステム1では、情報端末100は、情報読取り部108により端末位置情報を取得する。設置デバイスDB217と起動アプリをダウンロードした後、起動アプリのアプリIDを含むチケット要求を、デバイス管理サーバ210に送信する。デバイス管理サーバ210は、使用デバイスDB216を参照して、起動アプリに対応する使用デバイスを決定する。そして、情報端末100に対して、使用デバイスに関する情報を含むチケットを送信する。情報端末100は、受信したチケットに含まれる使用デバイスの情報と、ダウンロードした設置デバイスDBの情報に基づき、接続先デバイスを決定する。そして、接続先デバイスとの間で無線による接続状態を確立し、無線セッションにより、サービスを実行する。
【0113】
このように、第四実施形態でも、第一実施形態と同様、情報端末100は、起動アプリに応じて、情報端末100が存在する場所(位置)に設置された適切な周辺デバイスとの間で動的に接続状態を確立することができる。
【0114】
第四実施形態では、情報端末100が本発明の情報端末に相当する。図12のステップS103で、情報読取り部108が読み取った場所IDを取得するCPU101が、位置情報取得手段に相当する。ステップS153で無線通信部105を制御してチケット要求を送信するCPU101が、第二送信手段に相当する。ステップS153でチケットを取得するCPU101が、第二受信手段に相当する。ステップS157で接続先デバイスの決定処理を行うCPU101が、第三接続先決定手段に相当する。設置デバイスDB217を記憶する不揮発性メモリ104が、第一記憶手段に相当する。ステップS110で、無線通信部105を制御してセッションを生成させるCPU101が、接続確立手段に相当する。
【0115】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、実施形態では、カラオケサービスが利用される場合を例として、情報端末100の処理について説明したが、本発明は、他のシステムにも適用可能である。例えば、実施形態で説明した処理は、起動アプリがプレゼンテーションを実行するアプリケーションである場合に、情報端末が、その位置の周辺に設置されたマイク、音響装置およびプロジェクタと接続状態を確立する処理等に適用可能である。
【0116】
図2に示すように、前述の実施形態では、サーバ群200は、4つのサーバ210〜240を含むが、クラウドシステムではサーバ群200は1つのコンピュータとしてもとらえられる。よって、サーバ210〜240のいずれかで行われる処理をまとめて、1つのサーバにおける処理とみなすことができる。なお、サーバ群200が実際に1つのサーバとして構成され、そのサーバの記憶装置に使用デバイスDB216、設置デバイスDB217等の全てのデータベースが記憶され、そのサーバのCPUが全ての処理を行ってもよいことは言うまでもない。
【0117】
実施形態では、図1に示す部屋30には同じ周辺デバイスが設置されている例を説明したが、部屋30毎に異なる種類の周辺デバイスが設置されていてもよい。また、情報端末100が端末位置情報を取得する方法の一例として、場所IDを記憶したICタグ80をカラオケ施設に装備しておき、情報読取り部108(非接触ICリーダ)でICタグ80から場所IDを読み取る例が挙げられている。しかし、他の任意の方法が採用されてもよい。例えば、バーコードまたは二次元コードの情報を読取る方法や可視光通信が使用されてもよい。また、情報端末100が部屋30に入ると、GPS情報(緯度、経度、高度)が自動的に取得される処理が行われてもよい。この場合、設置デバイスDB217(図4参照)に、場所IDに対応付けて、緯度、経度、高度の特定の範囲が記憶される。そして、情報端末100またはデバイス管理サーバ210は、情報端末100の緯度、経度、高度が属する範囲に対応する場所IDに基づき、設置デバイスを特定すればよい。
【0118】
図5等に示す情報端末100における処理において、基本アプリ、使用デバイスDB216、設置デバイスDB217は、必ずしもこのタイミングでダウンロードされる必要はない。基本アプリ、使用デバイスDB216、設置デバイスDB217は、予めダウンロードされ、不揮発性メモリ104に記憶されていてもよい。この場合、図5等に示す処理は、不揮発性メモリ104に記憶された基本アプリが起動されることで開始されればよい。
【0119】
使用デバイスの決定の際、複数のカラオケサービス用のアプリケーションとその使用デバイスを対応付けて記憶する使用デバイスDB216は、必ずしも使用されなくてもよい。この場合、例えば、特にサービスを区別することなく、カラオケで使用される最小限の周辺デバイス(例えば、音響機器71、マイク72およびディスプレイ73)が一律で使用デバイスとして決定されればよい。また、情報端末100において使用デバイスDB216または設置デバイスDB217が使用される場合、データベースは必ずしも内蔵の不揮発性メモリ104に記憶される必要はない。例えば、メモリカード等の外部メモリに記憶されたものを使用して処理が行われてもよい。
【0120】
第一および第二実施形態の処理において、第三および第四実施形態のように、デバイス追加の処理および課金額の算出に関する処理の少なくとも一方が省略されてもよい。反対に、第三および第四実施形態の処理において、第一および第二実施形態のように、デバイス追加の処理および課金額の算出に関する処理の少なくとも一方が追加されてもよい。また、課金額は、接続時間にかかわらず、接続先デバイスの属性のみに基づいて算出されてもよい。
【符号の説明】
【0121】
100 情報端末
101 CPU
104 不揮発性メモリ
105 無線通信部
108 情報読取り部
200 サーバ群
210 デバイス管理サーバ
211 CPU
215 HDD
216 使用デバイスDB
217 設置デバイスDB
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線により外部機器に接続可能な情報端末であって、
前記情報端末の位置を示す情報である端末位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記情報端末上で起動されるアプリケーションである起動アプリケーションで使用される周辺デバイスである使用デバイスを決定するデバイス決定手段と、
複数の位置に設置された周辺デバイスを示す情報と、前記複数の位置を示す位置情報とを対応付けて記憶する第一記憶手段を参照して、前記使用デバイスに適合し、且つ、前記端末位置情報が示す位置に設置された周辺デバイスを、前記情報端末と前記無線による接続状態を確立する接続先デバイスとして決定する第一接続先決定手段と、
前記接続先デバイスとの間で前記無線による接続状態を確立する接続確立手段と
を備えたことを特徴とする情報端末。
【請求項2】
前記情報端末上で動作可能な複数のアプリケーションのうち、指定されたアプリケーションを前記起動アプリケーションとして決定するアプリケーション決定手段を更に備え、
前記デバイス決定手段は、前記複数のアプリケーションを示す情報と、前記複数のアプリケーションで使用される少なくとも1つの周辺デバイスを示す情報とを対応付けて記憶する第二記憶手段を参照して、前記起動アプリケーションに対応する少なくとも1つの使用デバイスを決定し、
前記第一接続先決定手段は、前記少なくとも1つの使用デバイスに適合し、且つ、前記端末位置情報が示す位置に設置された前記周辺デバイスを、前記情報端末と前記無線による接続状態を確立する前記接続先デバイスとして決定することを特徴とする請求項1に記載の情報端末。
【請求項3】
前記起動アプリケーションは、少なくとも、カラオケで使用される楽曲の音および前記楽曲に応じた画像を再生するための機能を有し、
前記デバイス決定手段は、カラオケで使用される楽曲の音および前記楽曲に応じた画像を再生する周辺デバイスである楽曲出力装置および表示装置を、前記使用デバイスとして決定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報端末。
【請求項4】
前記接続確立手段によって前記接続先デバイスとの接続状態が確立された後、前記起動アプリケーションの前記機能により、前記接続先デバイスに前記音および前記画像の少なくとも一方を出力させる出力制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項3に記載の情報端末。
【請求項5】
前記接続確立手段によって前記接続状態が確立された前記接続先デバイスの属性に応じて、前記情報端末のユーザに対する課金額を決定する課金決定手段を更に備えたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の情報端末。
【請求項6】
前記第二記憶手段は、前記位置情報と前記周辺デバイスを示す前記情報として、カラオケ施設の複数の部屋を特定する情報と、前記複数の部屋に設置された周辺デバイスを示す情報とを対応付けて記憶することを特徴とする請求項2に記載の情報端末。
【請求項7】
無線により外部機器に接続可能な情報端末であって、
前記情報端末の位置を示す情報である端末位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記情報端末上で起動されるアプリケーションである起動アプリケーションで使用される周辺デバイスである使用デバイスを決定するデバイス決定手段と、
前記端末位置情報を、前記情報端末に接続されたサーバに送信する第一送信手段と、
前記第一送信手段によって送信された前記端末位置情報に基づいて前記サーバで決定された、前記端末位置情報が示す位置に設置された周辺デバイスを示す情報を、前記サーバから受信する第一受信手段と、
前記第一受信手段によって受信された前記情報が示す前記周辺デバイスが前記使用デバイスに適合する場合、前記使用デバイスに適合する前記周辺デバイスを接続先デバイスとして決定する第二接続先決定手段と、
前記接続先デバイスとの間で前記無線による接続状態を確立する接続確立手段とを備えたことを特徴とする情報端末。
【請求項8】
無線により外部機器に接続可能な情報端末であって、
前記情報端末の位置を示す情報である端末位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記情報端末上で起動されるアプリケーションである起動アプリケーションを示す情報である起動アプリケーション情報を、前記情報端末に接続されたサーバに送信する第二送信手段と、
前記第二送信手段によって送信された前記起動アプリケーション情報に基づいて前記サーバで決定された、前記起動アプリケーションで使用される周辺デバイスである使用デバイスを示す情報を、前記サーバから受信する第二受信手段と、
複数の位置に設置された周辺デバイスを示す情報と、前記複数の位置を示す位置情報とを対応付けて記憶する第一記憶手段を参照して、前記第二受信手段によって受信された前記情報が示す前記使用デバイスに適合し、且つ、前記端末位置情報が示す位置に設置された周辺デバイスを、接続先デバイスとして決定する第三接続先決定手段と、
前記接続先デバイスとの間で前記無線による接続状態を確立する接続確立手段とを備えたことを特徴とする情報端末。
【請求項9】
無線により外部機器に接続可能な情報端末から、前記情報端末の位置を示す情報である端末位置情報を取得する端末情報取得手段と、
前記情報端末上で起動されるアプリケーションである起動アプリケーションで使用される周辺デバイスである使用デバイスを決定するデバイス決定手段と、
複数の位置に設置された周辺デバイスを示す情報と、前記複数の位置を示す位置情報とを対応付けて記憶する第一記憶手段を参照して、前記使用デバイスに適合し、且つ、前記端末位置情報が示す位置に設置された周辺デバイスを、前記情報端末と前記無線による接続状態を確立する接続先デバイスとして決定する第四接続先決定手段と、
前記第四接続先決定手段によって決定された前記接続先デバイスに関する情報を、前記情報端末へ送信する接続先通知手段と
を備えたことを特徴とするサーバ。
【請求項10】
情報処理装置において処理される接続先決定方法であって、
無線により外部機器に接続可能な情報端末の位置を示す情報である端末位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記情報端末上で起動されるアプリケーションである起動アプリケーションで使用される周辺デバイスである使用デバイスを決定するデバイス決定ステップと、
複数の位置に設置された周辺デバイスを示す情報と、前記複数の位置を示す位置情報とを対応付けて記憶する第一記憶手段を参照して、前記使用デバイスに適合し、且つ、前記端末位置情報が示す位置に設置された周辺デバイスを、前記情報端末と前記無線による接続状態を確立する接続先デバイスとして決定する第一接続先決定ステップと、
を備えたことを特徴とする接続先決定方法。
【請求項11】
無線により外部機器に接続可能な情報端末のコンピュータに、
前記情報端末の位置を示す情報である端末位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記情報端末上で起動されるアプリケーションである起動アプリケーションで使用される周辺デバイスである使用デバイスを決定するデバイス決定ステップと、
複数の位置に設置された周辺デバイスを示す情報と、前記複数の位置を示す位置情報とを対応付けて記憶する第一記憶手段を参照して、前記使用デバイスに適合し、且つ、前記端末位置情報が示す位置に設置された周辺デバイスを、前記情報端末と前記無線による接続状態を確立する接続先デバイスとして決定する第一接続先決定ステップと、
を実行させる指示を含むことを特徴とするプログラム。
【請求項1】
無線により外部機器に接続可能な情報端末であって、
前記情報端末の位置を示す情報である端末位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記情報端末上で起動されるアプリケーションである起動アプリケーションで使用される周辺デバイスである使用デバイスを決定するデバイス決定手段と、
複数の位置に設置された周辺デバイスを示す情報と、前記複数の位置を示す位置情報とを対応付けて記憶する第一記憶手段を参照して、前記使用デバイスに適合し、且つ、前記端末位置情報が示す位置に設置された周辺デバイスを、前記情報端末と前記無線による接続状態を確立する接続先デバイスとして決定する第一接続先決定手段と、
前記接続先デバイスとの間で前記無線による接続状態を確立する接続確立手段と
を備えたことを特徴とする情報端末。
【請求項2】
前記情報端末上で動作可能な複数のアプリケーションのうち、指定されたアプリケーションを前記起動アプリケーションとして決定するアプリケーション決定手段を更に備え、
前記デバイス決定手段は、前記複数のアプリケーションを示す情報と、前記複数のアプリケーションで使用される少なくとも1つの周辺デバイスを示す情報とを対応付けて記憶する第二記憶手段を参照して、前記起動アプリケーションに対応する少なくとも1つの使用デバイスを決定し、
前記第一接続先決定手段は、前記少なくとも1つの使用デバイスに適合し、且つ、前記端末位置情報が示す位置に設置された前記周辺デバイスを、前記情報端末と前記無線による接続状態を確立する前記接続先デバイスとして決定することを特徴とする請求項1に記載の情報端末。
【請求項3】
前記起動アプリケーションは、少なくとも、カラオケで使用される楽曲の音および前記楽曲に応じた画像を再生するための機能を有し、
前記デバイス決定手段は、カラオケで使用される楽曲の音および前記楽曲に応じた画像を再生する周辺デバイスである楽曲出力装置および表示装置を、前記使用デバイスとして決定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報端末。
【請求項4】
前記接続確立手段によって前記接続先デバイスとの接続状態が確立された後、前記起動アプリケーションの前記機能により、前記接続先デバイスに前記音および前記画像の少なくとも一方を出力させる出力制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項3に記載の情報端末。
【請求項5】
前記接続確立手段によって前記接続状態が確立された前記接続先デバイスの属性に応じて、前記情報端末のユーザに対する課金額を決定する課金決定手段を更に備えたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の情報端末。
【請求項6】
前記第二記憶手段は、前記位置情報と前記周辺デバイスを示す前記情報として、カラオケ施設の複数の部屋を特定する情報と、前記複数の部屋に設置された周辺デバイスを示す情報とを対応付けて記憶することを特徴とする請求項2に記載の情報端末。
【請求項7】
無線により外部機器に接続可能な情報端末であって、
前記情報端末の位置を示す情報である端末位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記情報端末上で起動されるアプリケーションである起動アプリケーションで使用される周辺デバイスである使用デバイスを決定するデバイス決定手段と、
前記端末位置情報を、前記情報端末に接続されたサーバに送信する第一送信手段と、
前記第一送信手段によって送信された前記端末位置情報に基づいて前記サーバで決定された、前記端末位置情報が示す位置に設置された周辺デバイスを示す情報を、前記サーバから受信する第一受信手段と、
前記第一受信手段によって受信された前記情報が示す前記周辺デバイスが前記使用デバイスに適合する場合、前記使用デバイスに適合する前記周辺デバイスを接続先デバイスとして決定する第二接続先決定手段と、
前記接続先デバイスとの間で前記無線による接続状態を確立する接続確立手段とを備えたことを特徴とする情報端末。
【請求項8】
無線により外部機器に接続可能な情報端末であって、
前記情報端末の位置を示す情報である端末位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記情報端末上で起動されるアプリケーションである起動アプリケーションを示す情報である起動アプリケーション情報を、前記情報端末に接続されたサーバに送信する第二送信手段と、
前記第二送信手段によって送信された前記起動アプリケーション情報に基づいて前記サーバで決定された、前記起動アプリケーションで使用される周辺デバイスである使用デバイスを示す情報を、前記サーバから受信する第二受信手段と、
複数の位置に設置された周辺デバイスを示す情報と、前記複数の位置を示す位置情報とを対応付けて記憶する第一記憶手段を参照して、前記第二受信手段によって受信された前記情報が示す前記使用デバイスに適合し、且つ、前記端末位置情報が示す位置に設置された周辺デバイスを、接続先デバイスとして決定する第三接続先決定手段と、
前記接続先デバイスとの間で前記無線による接続状態を確立する接続確立手段とを備えたことを特徴とする情報端末。
【請求項9】
無線により外部機器に接続可能な情報端末から、前記情報端末の位置を示す情報である端末位置情報を取得する端末情報取得手段と、
前記情報端末上で起動されるアプリケーションである起動アプリケーションで使用される周辺デバイスである使用デバイスを決定するデバイス決定手段と、
複数の位置に設置された周辺デバイスを示す情報と、前記複数の位置を示す位置情報とを対応付けて記憶する第一記憶手段を参照して、前記使用デバイスに適合し、且つ、前記端末位置情報が示す位置に設置された周辺デバイスを、前記情報端末と前記無線による接続状態を確立する接続先デバイスとして決定する第四接続先決定手段と、
前記第四接続先決定手段によって決定された前記接続先デバイスに関する情報を、前記情報端末へ送信する接続先通知手段と
を備えたことを特徴とするサーバ。
【請求項10】
情報処理装置において処理される接続先決定方法であって、
無線により外部機器に接続可能な情報端末の位置を示す情報である端末位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記情報端末上で起動されるアプリケーションである起動アプリケーションで使用される周辺デバイスである使用デバイスを決定するデバイス決定ステップと、
複数の位置に設置された周辺デバイスを示す情報と、前記複数の位置を示す位置情報とを対応付けて記憶する第一記憶手段を参照して、前記使用デバイスに適合し、且つ、前記端末位置情報が示す位置に設置された周辺デバイスを、前記情報端末と前記無線による接続状態を確立する接続先デバイスとして決定する第一接続先決定ステップと、
を備えたことを特徴とする接続先決定方法。
【請求項11】
無線により外部機器に接続可能な情報端末のコンピュータに、
前記情報端末の位置を示す情報である端末位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記情報端末上で起動されるアプリケーションである起動アプリケーションで使用される周辺デバイスである使用デバイスを決定するデバイス決定ステップと、
複数の位置に設置された周辺デバイスを示す情報と、前記複数の位置を示す位置情報とを対応付けて記憶する第一記憶手段を参照して、前記使用デバイスに適合し、且つ、前記端末位置情報が示す位置に設置された周辺デバイスを、前記情報端末と前記無線による接続状態を確立する接続先デバイスとして決定する第一接続先決定ステップと、
を実行させる指示を含むことを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−182590(P2012−182590A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−43076(P2011−43076)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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