情報表示入力装置
【課題】 携帯用情報表示入力装置の手持ち操作によるキーボード入力を効率化する。
【解決手段】 表示手段の背面にキー配列が割付けられたタッチパネルを配置し、タッチパネルの押圧位置を含む周辺キーのキー配列を前面より視認可能とする。その手段として、表示手段を一部を透過として背面のキー文字を表示する、ハーフミラーの裏面のキーを発光する、バックライトにキー文字を表示させる、表示手段の画面の一部をキー文字に切換える。
【解決手段】 表示手段の背面にキー配列が割付けられたタッチパネルを配置し、タッチパネルの押圧位置を含む周辺キーのキー配列を前面より視認可能とする。その手段として、表示手段を一部を透過として背面のキー文字を表示する、ハーフミラーの裏面のキーを発光する、バックライトにキー文字を表示させる、表示手段の画面の一部をキー文字に切換える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は特に携帯に適する情報表示入力装置の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やPDAは半導体や通信デバイス技術の向上により益々小型化が可能になっている一方、文字入力デバイスであるキーボードが占めるスペースが小型化のネックとなっている。
キーボードは入力能率においてアルファベット+数字の34種類以上のキーを備えることが望ましいが、操作者がキーを直視できる様前面に配置するレイアウトでは、同じく前面に表示する必要のある表示手段と共にスペースを占有することとなり、装置の小型化が困難であった。
表示手段にキーボードを表示させ、タッチパネルにより押圧を検出する周知の構成としても、キー入力時は表示手段の多くのスペースがキーボードに占有され、抜本的な解決手段とはなっていなかった。
【0003】
一つの方法として、表示画面の背面に入力キーを設ける発明がなされている。(例えば、特許文献1参照)
また、別の方法として、前面に配置された表示パネル内の押圧キーについて、複数キーの同時押しがされた場合には該当キー周辺を拡大表示することにより、当初のキー配列を小さく表示する発明がなされている。(例えば、特許文献2参照)
【特許文献1】実開平8−1670号公報
【特許文献2】特開平8−234909号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1の発明は、操作者の指により表示部が見えなくなることを解決できるものの、裏面のキーを手探りのみで操作するので、操作性を良くするためには特許文献1の図1に示される様に表示画面にキー領域と同じ面積のキー表示のスペース必要であり、表示画面のスペースを優先させる場合には特許文献1の図6に示される様にキー配列を操作者が習熟する必要があった。
また特許文献2の発明は、複数キーが同時押しされた場合の再入力が手間となることから、操作性を重視する場合は狙ったキーを概ね一回で押せる程度のキースペースが必要であり、表示画面のスペースを優先させる場合には複数キーの同時押しとなる確率が高くなり、結果1文字の入力に概ね2回の操作が必要になる、と言った弱点を持っていた。
【0005】
通常の机上操作用キーボードでの作業を分析した結果、全くの初心者以外はキーの文字を確認後に押圧キーへの指の移動を行うのではなく、押圧キー方向に指先を移動させながら、時折キーを確認しつつ押圧していること、及び誤ったキーを押圧した場合でも、その周辺に正しいキーがある確率が高いことが判った。このことよりキーボード全体が視認できなくても、、操作時に指先で触診した周辺のキーが表示できれば机上操作用キーボードと殆ど変わらない操作性が得られる、との知見を得た。
本発明は以上の知見と従来の欠点に鑑み、出力表示領域を然程犠牲にすることなく、文字情報を高い能率で入力できる情報表示入力装置を提供することを目的としている。
【0006】
なお画像情報とはインターネット経由で配信される情報やアプリケーションソフトにて生成される文字情報等を含むものである。
また本明細書の「透過性を有する」とは、可視光領域において10〜100%の光透過率を有することを意味する。
さらにタッチパネルとは感圧式、光電式、電磁式などの手段により押圧位置情報を取得する入力手段である。
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の記述的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、画像情報を表示する表示手段を前面に備え、表示手段の背面側にタッチパネルを配置し、タッチパネルに文字入力のための複数の入力キーのキー配列を割付ける表示入力制御手段を備え、タッチパネルが検出した押圧位置情報を、表示入力制御手段が表示手段に表示される画像情報の選択、及び/又は文字入力、として反映する情報表示入力装置において、押圧位置情報を取得して、押圧位置を含む複数キーのキー配列を前面より視認可能としている。
【0008】
また押圧位置を含む複数キーのキー配列を前面より視認可能とする手段として、表示手段は透過性を有するFPDであり、FPDと圧力検出面との間にキー配列の各キー毎に透過/反射切換え手段を設け、透過/反射切換え手段の背面側のキー配列に対応する位置に、キーに対応する文字や記号を表記し、表示入力制御手段が押圧位置情報を取得して、透過/反射切換え手段の押圧位置を含む複数キーに対応する領域を透過に切換える。
【0009】
さらに押圧位置を含む複数キーのキー配列を前面より視認可能とする別の手段として、表示手段は透過性を有するFPDであり、FPDの背面に可視光の反射率が10%〜90%であるハーフミラーを設けると共に、押圧位置を検出して押圧位置が発光する発光手段をキー配列内の各キー毎に設けると共に、押圧位置を含む隣接キー領域も発光、及び/又は押圧位置の発光をる導光させている。
【0010】
さらに押圧位置を含む複数キーのキー配列を前面より視認可能とする手段として、表示手段は透過型液晶パネルであり、透過型液晶パネルと圧力検出面との間に、キー配列の各キーの文字が判別可能に表示できる程度の画素数を有する発光パネルを設け、表示入力制御手段が押圧位置情報を取得して、発光パネルの押圧位置を含む複数キーに対応する領域についてキー配列を表示させると共に、キー配列を表示していない領域についてバックライトとして無地色の発光をさせている。
【0011】
また押圧位置を含む複数キーのキー配列を前面より視認可能とする別の手段として、表示入力制御手段が押圧位置情報を取得して、表示手段に押圧位置を含む複数キーに対応する領域のキー配列を表示させている。
【0012】
さらにキー配列領域内の全ての構成を透過性のある材質、または透過性を有する状態に切換え可能な材質としている。
また表示手段の前面より視認可能となる押圧キー、と押圧キー以外のキーとの識別を、点滅、色彩、輝度の少なくても1つの手段によった構成としている。
【0013】
さらに前面より視認可能となるキー配列は、タッチパネルに割付けられたキー配列に対して寸法を縮小して表示構成としている。
またタッチパネルの表面に、触診によるキーの識別が可能となる様、キー配列の境界、及び/又は文字や記号を凹凸により形成している。
さらに筐体の側面に操作者の把握位置の基準となる凹部、又は凸部を設けている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、入力手段となるキーを表示手段の背面に配置していることにより、本体を手の腹部で支持しつつ、人指し指から小指でのキー操作が可能となると共に、押圧キーとその周辺キーを確認、修正できるので、効率の良いキー入力が可能になる。
【0015】
また前面にキーボードがなく、表示手段に占めるキー配列表示を押圧位置とその周辺に限定可能とするため、表示手段の大半のスペースを画像表示に割り当てることが出来る。さらに押圧キー配列と押圧の位置確認のためのキー配列表示を分離しているので、操作性向上のために押圧キー配列を大きくしても、表示手段に表示するキー配列は目視判別が可能な程度まで小さく出来る。
【0016】
さらに、キー配列領域内の全ての構成を透過性のある材質、または透過性を有する状態に切換え可能な材質とすることにより、タッチパネルへの押圧操作の指が前面より視認でき、さらにキー操作が容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面に沿って本発明の情報表示入力装置を詳細に説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は本発明における情報表示入力装置の前面図、図2は背面図、3図は断面図である。
本体21の前面には表示手段1と、カーソル移動キー31、確定キー32、モード選択キー33が備えられ、背面には透過性を有する透過型タッチパネル3が圧力検出面3aを表面に向けて備えられている。また本体側面には操作者の把握位置の基準となる凸部21aを設けている。
その内部構造は図3に示す通り正面より、表示手段1、バックライト8、透過/反射切換え手段2、透過型タッチパネル3の順に配置されている。
【0019】
なお、この場合表示手段は液晶セルとカラーフィルターにより構成される液晶パネルを想定しているが、これに限定されず、例えば透過型の有機ELパネルでも良く、その場合は有機ELパネルが自発光するのでバックライト8は不用となる。
また、透過/反射切換え手段2は液晶シャッターやエレクトロクロミック方式等による電子ペーパなどが適用できる。
【0020】
透過型タッチパネル3の圧力検出面3aにはキー配列の境界を示す凹凸枠3dとキー種類を示す凹凸文字3cが形成された凹凸シート3bが設けられ、表面側には凹凸文字3cに対応した位置に前面から見て正しい向きとなる様にキー文字3eが印刷されている。
なお、CPU、メモリ等からなる表示入力制御手段(図中不記)、電源供給手段としてのバッテリ(図中不記)を本体に内蔵する。
【0021】
次に本実施例の作用について、インターネットからの配信画像34が表示されており、その中の所定欄に文字「M」を入力するケースを例に説明する。
まずカーソル移動キー31により所定欄までカーソル35を移動させる。この際透過/反射切換え手段は全面が「反射」となっており、バックライト8の光がこの反射面に反射され配信画像が鮮明に表示される一方、キー配列3fは表示されていない。
【0022】
次に圧力検出面3aのキー「M」と思われる位置を、操作者の記憶と凹凸枠、凹凸文字の触診により押圧する。結果、押圧位置が「K」であった場合、透過/反射切換え手段2は、「K」に該当する部分が透過と反射を繰り返すことにより点滅(図1では点滅を太枠で表現)し、「K」の周囲8個のキーに該当する部分が透過に切り替わる。
【0023】
透過部分はバックライト8の光が透過/反射切換え手段2を透過し、キー文字3eで反射することにより、押圧キー表示1c、及び押圧部周辺キー表示1bが成される。
また、透過型タッチパネル3も光を透過するので、透過部分は操作者の指36も確認でき、操作性が向上する。
【0024】
操作者は、「K」が点滅であり、その右下に「M」が表示されていることより、押圧位置を斜め右下にずれせば良いと分り、凹凸枠の触診を頼りに「M」を押圧した後、確定キー32の押圧により「M」が入力される。
なお「M」の確定手段としては確定キー押圧の他に、「M」キーのダブルクリック、透過型タッチパネルの検出圧力レベルを2段階とし、強い圧力が検出された場合に確定、などの方法でも良い。
【0025】
また、キーが押圧された時に透過/反射切換え手段を透過に切り替える範囲を周辺キーを含む9個のキーとしたが、範囲は適時選択しても良い。例えば初期状態は全てのキーを透過へ切換え、1回の押圧で確定する確率をチェックし、確率が上がるに従い段階的に範囲を縮小し押圧キーのみ透過、あるいは全く透過しない制御としても良い。机上で行う通常のキーボードにおいて上級者の操作はキーを目視しないブラインドタッチであることより、習熟度が上がれば十分可能であろう。なお、押圧キーが透過されない場合でも、確定後にカーソル位置に入力された押圧キーが表示されることは通常のコンピュータと同様である。
【0026】
なお本体側面の凸部21aは操作時の把握基準として、押圧位置のばらつきを抑え入力の正解率を上げる目的である。
【0027】
また前記9個のキーに該当する表示手段1の配信画像34は、特段変更せずに他の部分と同様の表示としても良いし、液晶の全画素が透過となる白色表示としても良い。さらに配信画像の輝度が低く液晶セルが概ね遮光の部分のみ液晶の遮光率を下げる制御を行っても良い。
【0028】
配信画像に特段変更を加えない場合は、キー文字と重ね合わせて配信画像を確認することが出来るし、白色表示とすればキー文字の表示が鮮明となる。また液晶セルの透過率を制御することによれば、配信画像が暗色の部分のみ輝度を高く出来キー文字の確認が容易になると共に配信画像の判読も可能な状態となる。
以上の制御は表示入力制御手段により行われる。
【0029】
次に図4に示す第2実施例を説明する。
本例の内部構造は正面より、反射型液晶パネル47、透過型タッチパネル3、キースイッチ45の順に配置されている。反射型液晶パネル47の反射面は、ハーフミラー6となっていて、ハーフミラーの背面側にキー文字3eが印刷されている。ハーフミラーは可視光の反射率が10%〜90%の範囲で選定されている。
【0030】
透過型タッチパネル3は圧力検出位置を内部接点の導通により検出する機能の他、表面に透過性材質によるプリント基板が形成されており、電源が各キースイッチに対応する位置の基板接点49に給電されている。キースイッチ45はLED照明44にを内蔵し、LED照明の端子であるLED接点48が、キーが押されたときに基板接点49と導通する位置に設置されている。
【0031】
本実施例について、インターネットからの配信画像が反射型液晶パネル47に表示された状態での文字入力の作用を説明する。 キースイッチ45が押されていないときは、ハーフミラー6により外光が反射され配信画像のみが表示される。
キースイッチ45が軽く押されるとLED接点48が基板接点49と導通し押圧キーに対応するLED照明44が発光し、ハーフミラー6の背面のキー文字3eが前面からハーフミラーを通して視認できる。さらに発光手段からの光の一部が隣接キーへも導光され、隣接キーのキー文字3eも薄暗く視認出来ることより、操作者のキー位置確認が可能となる。
操作者がキー文字の視認により入力すべき文字位置を確認できたなら、さらにキーを強く押すことにより透過型タッチパネル3が圧力を検出し、押圧キーが確定入力される。
【0032】
本実施例によれば、キー文字の表示に表示入力制御手段を使用していないので、キーに触れてからキー文字が表示されるまでの応答時間が非常に短い。また文字表示の際に反射型液晶パネル47の表示を変更しないので、文字認識の際の目の疲労が軽減されると考える。さらに表示入力制御手段の負担が軽くなるメリットもある。
【0033】
次に図5に示す第3実施例を説明する。
本例の内部構造は正面より、透過型液晶パネル46、ELパネル42、タッチパネル5の順に配置されている。透過型液晶パネル46はインターネット画像や文字表示を目的としている。一方ELパネル42はバックライトとキー文字3eの発光表示の目的を兼ねており、高い解像度は必要なく、例えばQVGA程度の画素数があれば良い。
【0034】
本実施例でタッチパネル5が圧力を検出していないときはELパネル42が全面白色発光することにより、透過型液晶パネル46のバックライトとして機能し、透過型液晶パネルの画像情報のみが表示される。
タッチパネル5が圧力を検出すると表示制御手段が、ELパネル42の押圧位置に対応するキー文字を点滅表示させると共に、押圧位置の隣接キーに対応するキー文字も表示させ、前面よりキー文字が視認出来る。ELパネル42のキー文字表示以外の領域は白色発光のままでバックライトとして機能させている。なお押圧キーとその隣接キーとの識別は点滅によらず、キー文字の色彩や輝度によっても良い。
【0035】
その際表示入力制御手段はELパネル42が文字表示を行っている領域について、透過型液晶パネル46の配信画像の輝度が低く液晶セルが概ね遮光となっている場合には遮光率を下げる制御を行ない、キー文字の認識を容易にさせる。
さらにELパネル42とタッチパネル5を透過型として、ELパネルのキー文字表示領域の背景部分を透明色とすれば、操作者の指も視認できる。
また表示入力制御手段は別途モード設定によりELパネルが表示する文字をアルファベットとハングル文字等、複数種の言語に切換え表示しても良いし、片手操作に適する様に別途シフトキー等の入力によりキー配列の左半分を右側キーに対応させる制御を行うことも出来る。
【0036】
本構成では、ELパネルがバックライトとキー文字表示の機能を有するので、画像表示領域の画質が向上すると共に、キー文字の表示内容を任意に変更できる。
さらに押圧キーの隣接キーに限らず表示入力制御手段により指定する任意の範囲でキーを表面より視認可能とすることが出来る。
【0037】
次に図6に示す第4実施例を説明する。
本例の内部構造は正面より、表示手段1、タッチパネル5の順に配置されている。
表示手段は反射型液晶パネル、または有機ELパネル、またはマイクロカプセル型の電子ペーパーなどで構成されている。
【0038】
本構成では、タッチパネル5が圧力を検出していないときは、配信画像が表示されるのみであるが、圧力を検出すると表示入力制御手段により配信画像の隅に、押圧位置を含む所定領域のキー配列を表示し、操作者が押圧位置を認識できる。タッチパネル操作に適したキー寸法に対しキー文字を認識する為に必要なキー寸法は小さいことより、表示手段1に割付けるキー配列表示は小さい面積で良い。
押圧キー表示1cと押圧部周辺キー表示1bは、表示色を変える、または点滅させる、などの方法により識別可能となる。また、圧力検出時の表示を配信画像からキー文字に切換えずに、両画像を合成した画像を表示する、または時分割により両画像を切換表示する、などの方法をとっても良い。
本実施例によれば表示手段を単純な構成とすることが出来る他、配信画像の表示領域を殆ど犠牲にせずに押圧位置とその周辺キーのキー配列を前面から視認できる。
【0039】
次に図7〜10に示す第5実施例を説明する。本実施例の基本構成は第4実施例と同一であるが透過型タッチパネル3は、表裏両面からの押圧を検出可能なものを枠体に装着したタッチスクリーン4とし、表示手段1に対し蝶番43により回転自在に係合することにより、表示手段1とタッチスクリーン4の配置を変更可能とした情報表示入力装置である。
【0040】
図7は手持ちキー入力に適した配置で、タッチスクリーン4の押圧により表示手段1に押圧位置とその周辺のキー配列を表示させる。
図8の配置は図7に対しタッチスクリーン4を360°左に回転して表示手段1の全面に配置したもので、表示画面と同じ前面からの操作となることより手書き入力に適した配置で、タッチスクリーンへの押圧、移動による手書き文字の入力や、表示手段に表示させたアイコンの選択、などの作業に好適である。
図9は図8に対しタッチスクリーン4を180°右回転させた机上キー入力に適する配置で、タッチスクリーン4をキーボードとして使用する点で図7と同一であるが、操作面が図7に対し逆となるので表示入力制御手段はタッチスクリーンに、図7でのキー配列を反転したキー配列を割付ける。
【0041】
これらの配列に応じた表示入力制御手段の機能変更はタッチスクリーンの配置を検出するスイッチ(図中不記)等の手段により行うことが出来る。
なお、図8、図9の配置では操作者が押圧部を直視できるので、押圧部周辺のキー配列の表示は不要である。
【0042】
手書き入力においては面は平滑であることが好ましいので、タッチスクリーン4は透明で凹凸の無い平板としているが一方でこれにより図7の配置において触診によるキー判別が出来ず、図9の配置では目視でのキー判別が出来ない。これを解決するためにキー配列の境界を示す凹凸枠3dとキー種類を示す凹凸文字3cを形成したシート、及びキー文字3eを印刷したシートを別途タッチスクリーン4に装着できる構成としている。図10はこの2種類のシートを表裏に形成した触診キー文字シート52であり、図7の配置では凹凸文字面を表面として、図9の配置ではキー文字面を表面としてタッチスクリーン4に装着する。
本構成によれば、使用環境に応じて配置を変更できる情報表示入力装置となる。
【0043】
次に図11〜12に示す第6実施例を説明する。本実施例は両面ELパネル41と透過型タッチパネル3を貼り合わせ、それらを本体54に接続するためのコネクタ(図中不記)を具備した表示感圧パネル53と、表示入力制御手段や電源等を備える本体54とを別体とし、両者はコネクタにより結合される。コネクタは表示感圧パネル53が表裏どちらの向きに本体と結合されても電気的、機械的に機能する構成としている。(表示感圧パネルの向きにより表示入力制御手段がコネクタ端子の信号割付けを変更しても良い)
【0044】
両面ELパネル41は(株)半導体エネルギー研究所にて「デュアルエミッション有機ELパネル」として発表されているもので、透過性があり両面から発光を視認できるEL表示パネルである。本体54は表示感圧パネル53と接する裏面に凹凸枠3dとキー種類を示す凹凸文字3cが形成された柔軟性のある凹凸シート3bを具備、表示感圧パネル53の前面は本体より露出する構造としている。
【0045】
図11は手持ちキー入力に適したレイアウトで、表示感圧パネル53のタッチパネル面を凹凸シート3bに当接させて接続している。
この状態では凹凸シート3bの触診、押圧により表示手段にキー文字が表示される。
【0046】
図12は手書き入力に適したレイアウトで、表示感圧パネル53を図11とは逆にタッチパネル面を本体の前面に向けて接続した状態であり、前面より表示手段による表示を目視すると共に透過型タッチパネル3による入力をするものである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明における情報表示入力装置の第1実施例の前面図である。
【図2】図1の背面図である。
【図3】図1の断面図である。
【図4】本発明における情報表示入力装置の第2実施例の断面図である。
【図5】本発明における情報表示入力装置の第3実施例の断面図である。
【図6】本発明における情報表示入力装置の第4実施例の断面図である。
【図7】本発明における情報表示入力装置の第5実施例の手持ちキー入力時の側面図である。
【図8】図7の情報表示入力装置の手書き入力時の側面図である。
【図9】図8の情報表示入力装置の机上キー入力時の側面図である。
【図10】図7の情報表示入力装置の触診キー文字シートの側面図である。
【図11】本発明における情報表示入力装置の第6実施例の手持ちキー入力時の側面図である。
【図12】図11の情報表示入力装置の手書き入力時の側面図である。
【符号の説明】
【0048】
1 表示手段
1b 押圧部周辺キー表示
1c 押圧キー表示
2 透過/反射切替手段
3 透過型タッチパネル
3a 圧力検出面
3b 凹凸シート
3c 凹凸文字
3d 凹凸枠
3e キー文字
3f キー配列
4 タッチスクリーン
5 タッチパネル
6 ハーフミラー
8 バックライト
21、54 本体
21a 凸部
31 カーソル移動キー
32 確定キー
33 モード選択キー
34 配信画像
35 カーソル
36 指
41 両面ELパネル
42 ELパネル
43 蝶番
44 LED照明
45 キースイッチ
46 透過型液晶パネル
47 反射型液晶パネル
48 LED接点
49 基板接点
52 触診キー文字シート
53 表示感圧パネル
【技術分野】
【0001】
本発明は特に携帯に適する情報表示入力装置の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やPDAは半導体や通信デバイス技術の向上により益々小型化が可能になっている一方、文字入力デバイスであるキーボードが占めるスペースが小型化のネックとなっている。
キーボードは入力能率においてアルファベット+数字の34種類以上のキーを備えることが望ましいが、操作者がキーを直視できる様前面に配置するレイアウトでは、同じく前面に表示する必要のある表示手段と共にスペースを占有することとなり、装置の小型化が困難であった。
表示手段にキーボードを表示させ、タッチパネルにより押圧を検出する周知の構成としても、キー入力時は表示手段の多くのスペースがキーボードに占有され、抜本的な解決手段とはなっていなかった。
【0003】
一つの方法として、表示画面の背面に入力キーを設ける発明がなされている。(例えば、特許文献1参照)
また、別の方法として、前面に配置された表示パネル内の押圧キーについて、複数キーの同時押しがされた場合には該当キー周辺を拡大表示することにより、当初のキー配列を小さく表示する発明がなされている。(例えば、特許文献2参照)
【特許文献1】実開平8−1670号公報
【特許文献2】特開平8−234909号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1の発明は、操作者の指により表示部が見えなくなることを解決できるものの、裏面のキーを手探りのみで操作するので、操作性を良くするためには特許文献1の図1に示される様に表示画面にキー領域と同じ面積のキー表示のスペース必要であり、表示画面のスペースを優先させる場合には特許文献1の図6に示される様にキー配列を操作者が習熟する必要があった。
また特許文献2の発明は、複数キーが同時押しされた場合の再入力が手間となることから、操作性を重視する場合は狙ったキーを概ね一回で押せる程度のキースペースが必要であり、表示画面のスペースを優先させる場合には複数キーの同時押しとなる確率が高くなり、結果1文字の入力に概ね2回の操作が必要になる、と言った弱点を持っていた。
【0005】
通常の机上操作用キーボードでの作業を分析した結果、全くの初心者以外はキーの文字を確認後に押圧キーへの指の移動を行うのではなく、押圧キー方向に指先を移動させながら、時折キーを確認しつつ押圧していること、及び誤ったキーを押圧した場合でも、その周辺に正しいキーがある確率が高いことが判った。このことよりキーボード全体が視認できなくても、、操作時に指先で触診した周辺のキーが表示できれば机上操作用キーボードと殆ど変わらない操作性が得られる、との知見を得た。
本発明は以上の知見と従来の欠点に鑑み、出力表示領域を然程犠牲にすることなく、文字情報を高い能率で入力できる情報表示入力装置を提供することを目的としている。
【0006】
なお画像情報とはインターネット経由で配信される情報やアプリケーションソフトにて生成される文字情報等を含むものである。
また本明細書の「透過性を有する」とは、可視光領域において10〜100%の光透過率を有することを意味する。
さらにタッチパネルとは感圧式、光電式、電磁式などの手段により押圧位置情報を取得する入力手段である。
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の記述的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、画像情報を表示する表示手段を前面に備え、表示手段の背面側にタッチパネルを配置し、タッチパネルに文字入力のための複数の入力キーのキー配列を割付ける表示入力制御手段を備え、タッチパネルが検出した押圧位置情報を、表示入力制御手段が表示手段に表示される画像情報の選択、及び/又は文字入力、として反映する情報表示入力装置において、押圧位置情報を取得して、押圧位置を含む複数キーのキー配列を前面より視認可能としている。
【0008】
また押圧位置を含む複数キーのキー配列を前面より視認可能とする手段として、表示手段は透過性を有するFPDであり、FPDと圧力検出面との間にキー配列の各キー毎に透過/反射切換え手段を設け、透過/反射切換え手段の背面側のキー配列に対応する位置に、キーに対応する文字や記号を表記し、表示入力制御手段が押圧位置情報を取得して、透過/反射切換え手段の押圧位置を含む複数キーに対応する領域を透過に切換える。
【0009】
さらに押圧位置を含む複数キーのキー配列を前面より視認可能とする別の手段として、表示手段は透過性を有するFPDであり、FPDの背面に可視光の反射率が10%〜90%であるハーフミラーを設けると共に、押圧位置を検出して押圧位置が発光する発光手段をキー配列内の各キー毎に設けると共に、押圧位置を含む隣接キー領域も発光、及び/又は押圧位置の発光をる導光させている。
【0010】
さらに押圧位置を含む複数キーのキー配列を前面より視認可能とする手段として、表示手段は透過型液晶パネルであり、透過型液晶パネルと圧力検出面との間に、キー配列の各キーの文字が判別可能に表示できる程度の画素数を有する発光パネルを設け、表示入力制御手段が押圧位置情報を取得して、発光パネルの押圧位置を含む複数キーに対応する領域についてキー配列を表示させると共に、キー配列を表示していない領域についてバックライトとして無地色の発光をさせている。
【0011】
また押圧位置を含む複数キーのキー配列を前面より視認可能とする別の手段として、表示入力制御手段が押圧位置情報を取得して、表示手段に押圧位置を含む複数キーに対応する領域のキー配列を表示させている。
【0012】
さらにキー配列領域内の全ての構成を透過性のある材質、または透過性を有する状態に切換え可能な材質としている。
また表示手段の前面より視認可能となる押圧キー、と押圧キー以外のキーとの識別を、点滅、色彩、輝度の少なくても1つの手段によった構成としている。
【0013】
さらに前面より視認可能となるキー配列は、タッチパネルに割付けられたキー配列に対して寸法を縮小して表示構成としている。
またタッチパネルの表面に、触診によるキーの識別が可能となる様、キー配列の境界、及び/又は文字や記号を凹凸により形成している。
さらに筐体の側面に操作者の把握位置の基準となる凹部、又は凸部を設けている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、入力手段となるキーを表示手段の背面に配置していることにより、本体を手の腹部で支持しつつ、人指し指から小指でのキー操作が可能となると共に、押圧キーとその周辺キーを確認、修正できるので、効率の良いキー入力が可能になる。
【0015】
また前面にキーボードがなく、表示手段に占めるキー配列表示を押圧位置とその周辺に限定可能とするため、表示手段の大半のスペースを画像表示に割り当てることが出来る。さらに押圧キー配列と押圧の位置確認のためのキー配列表示を分離しているので、操作性向上のために押圧キー配列を大きくしても、表示手段に表示するキー配列は目視判別が可能な程度まで小さく出来る。
【0016】
さらに、キー配列領域内の全ての構成を透過性のある材質、または透過性を有する状態に切換え可能な材質とすることにより、タッチパネルへの押圧操作の指が前面より視認でき、さらにキー操作が容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面に沿って本発明の情報表示入力装置を詳細に説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は本発明における情報表示入力装置の前面図、図2は背面図、3図は断面図である。
本体21の前面には表示手段1と、カーソル移動キー31、確定キー32、モード選択キー33が備えられ、背面には透過性を有する透過型タッチパネル3が圧力検出面3aを表面に向けて備えられている。また本体側面には操作者の把握位置の基準となる凸部21aを設けている。
その内部構造は図3に示す通り正面より、表示手段1、バックライト8、透過/反射切換え手段2、透過型タッチパネル3の順に配置されている。
【0019】
なお、この場合表示手段は液晶セルとカラーフィルターにより構成される液晶パネルを想定しているが、これに限定されず、例えば透過型の有機ELパネルでも良く、その場合は有機ELパネルが自発光するのでバックライト8は不用となる。
また、透過/反射切換え手段2は液晶シャッターやエレクトロクロミック方式等による電子ペーパなどが適用できる。
【0020】
透過型タッチパネル3の圧力検出面3aにはキー配列の境界を示す凹凸枠3dとキー種類を示す凹凸文字3cが形成された凹凸シート3bが設けられ、表面側には凹凸文字3cに対応した位置に前面から見て正しい向きとなる様にキー文字3eが印刷されている。
なお、CPU、メモリ等からなる表示入力制御手段(図中不記)、電源供給手段としてのバッテリ(図中不記)を本体に内蔵する。
【0021】
次に本実施例の作用について、インターネットからの配信画像34が表示されており、その中の所定欄に文字「M」を入力するケースを例に説明する。
まずカーソル移動キー31により所定欄までカーソル35を移動させる。この際透過/反射切換え手段は全面が「反射」となっており、バックライト8の光がこの反射面に反射され配信画像が鮮明に表示される一方、キー配列3fは表示されていない。
【0022】
次に圧力検出面3aのキー「M」と思われる位置を、操作者の記憶と凹凸枠、凹凸文字の触診により押圧する。結果、押圧位置が「K」であった場合、透過/反射切換え手段2は、「K」に該当する部分が透過と反射を繰り返すことにより点滅(図1では点滅を太枠で表現)し、「K」の周囲8個のキーに該当する部分が透過に切り替わる。
【0023】
透過部分はバックライト8の光が透過/反射切換え手段2を透過し、キー文字3eで反射することにより、押圧キー表示1c、及び押圧部周辺キー表示1bが成される。
また、透過型タッチパネル3も光を透過するので、透過部分は操作者の指36も確認でき、操作性が向上する。
【0024】
操作者は、「K」が点滅であり、その右下に「M」が表示されていることより、押圧位置を斜め右下にずれせば良いと分り、凹凸枠の触診を頼りに「M」を押圧した後、確定キー32の押圧により「M」が入力される。
なお「M」の確定手段としては確定キー押圧の他に、「M」キーのダブルクリック、透過型タッチパネルの検出圧力レベルを2段階とし、強い圧力が検出された場合に確定、などの方法でも良い。
【0025】
また、キーが押圧された時に透過/反射切換え手段を透過に切り替える範囲を周辺キーを含む9個のキーとしたが、範囲は適時選択しても良い。例えば初期状態は全てのキーを透過へ切換え、1回の押圧で確定する確率をチェックし、確率が上がるに従い段階的に範囲を縮小し押圧キーのみ透過、あるいは全く透過しない制御としても良い。机上で行う通常のキーボードにおいて上級者の操作はキーを目視しないブラインドタッチであることより、習熟度が上がれば十分可能であろう。なお、押圧キーが透過されない場合でも、確定後にカーソル位置に入力された押圧キーが表示されることは通常のコンピュータと同様である。
【0026】
なお本体側面の凸部21aは操作時の把握基準として、押圧位置のばらつきを抑え入力の正解率を上げる目的である。
【0027】
また前記9個のキーに該当する表示手段1の配信画像34は、特段変更せずに他の部分と同様の表示としても良いし、液晶の全画素が透過となる白色表示としても良い。さらに配信画像の輝度が低く液晶セルが概ね遮光の部分のみ液晶の遮光率を下げる制御を行っても良い。
【0028】
配信画像に特段変更を加えない場合は、キー文字と重ね合わせて配信画像を確認することが出来るし、白色表示とすればキー文字の表示が鮮明となる。また液晶セルの透過率を制御することによれば、配信画像が暗色の部分のみ輝度を高く出来キー文字の確認が容易になると共に配信画像の判読も可能な状態となる。
以上の制御は表示入力制御手段により行われる。
【0029】
次に図4に示す第2実施例を説明する。
本例の内部構造は正面より、反射型液晶パネル47、透過型タッチパネル3、キースイッチ45の順に配置されている。反射型液晶パネル47の反射面は、ハーフミラー6となっていて、ハーフミラーの背面側にキー文字3eが印刷されている。ハーフミラーは可視光の反射率が10%〜90%の範囲で選定されている。
【0030】
透過型タッチパネル3は圧力検出位置を内部接点の導通により検出する機能の他、表面に透過性材質によるプリント基板が形成されており、電源が各キースイッチに対応する位置の基板接点49に給電されている。キースイッチ45はLED照明44にを内蔵し、LED照明の端子であるLED接点48が、キーが押されたときに基板接点49と導通する位置に設置されている。
【0031】
本実施例について、インターネットからの配信画像が反射型液晶パネル47に表示された状態での文字入力の作用を説明する。 キースイッチ45が押されていないときは、ハーフミラー6により外光が反射され配信画像のみが表示される。
キースイッチ45が軽く押されるとLED接点48が基板接点49と導通し押圧キーに対応するLED照明44が発光し、ハーフミラー6の背面のキー文字3eが前面からハーフミラーを通して視認できる。さらに発光手段からの光の一部が隣接キーへも導光され、隣接キーのキー文字3eも薄暗く視認出来ることより、操作者のキー位置確認が可能となる。
操作者がキー文字の視認により入力すべき文字位置を確認できたなら、さらにキーを強く押すことにより透過型タッチパネル3が圧力を検出し、押圧キーが確定入力される。
【0032】
本実施例によれば、キー文字の表示に表示入力制御手段を使用していないので、キーに触れてからキー文字が表示されるまでの応答時間が非常に短い。また文字表示の際に反射型液晶パネル47の表示を変更しないので、文字認識の際の目の疲労が軽減されると考える。さらに表示入力制御手段の負担が軽くなるメリットもある。
【0033】
次に図5に示す第3実施例を説明する。
本例の内部構造は正面より、透過型液晶パネル46、ELパネル42、タッチパネル5の順に配置されている。透過型液晶パネル46はインターネット画像や文字表示を目的としている。一方ELパネル42はバックライトとキー文字3eの発光表示の目的を兼ねており、高い解像度は必要なく、例えばQVGA程度の画素数があれば良い。
【0034】
本実施例でタッチパネル5が圧力を検出していないときはELパネル42が全面白色発光することにより、透過型液晶パネル46のバックライトとして機能し、透過型液晶パネルの画像情報のみが表示される。
タッチパネル5が圧力を検出すると表示制御手段が、ELパネル42の押圧位置に対応するキー文字を点滅表示させると共に、押圧位置の隣接キーに対応するキー文字も表示させ、前面よりキー文字が視認出来る。ELパネル42のキー文字表示以外の領域は白色発光のままでバックライトとして機能させている。なお押圧キーとその隣接キーとの識別は点滅によらず、キー文字の色彩や輝度によっても良い。
【0035】
その際表示入力制御手段はELパネル42が文字表示を行っている領域について、透過型液晶パネル46の配信画像の輝度が低く液晶セルが概ね遮光となっている場合には遮光率を下げる制御を行ない、キー文字の認識を容易にさせる。
さらにELパネル42とタッチパネル5を透過型として、ELパネルのキー文字表示領域の背景部分を透明色とすれば、操作者の指も視認できる。
また表示入力制御手段は別途モード設定によりELパネルが表示する文字をアルファベットとハングル文字等、複数種の言語に切換え表示しても良いし、片手操作に適する様に別途シフトキー等の入力によりキー配列の左半分を右側キーに対応させる制御を行うことも出来る。
【0036】
本構成では、ELパネルがバックライトとキー文字表示の機能を有するので、画像表示領域の画質が向上すると共に、キー文字の表示内容を任意に変更できる。
さらに押圧キーの隣接キーに限らず表示入力制御手段により指定する任意の範囲でキーを表面より視認可能とすることが出来る。
【0037】
次に図6に示す第4実施例を説明する。
本例の内部構造は正面より、表示手段1、タッチパネル5の順に配置されている。
表示手段は反射型液晶パネル、または有機ELパネル、またはマイクロカプセル型の電子ペーパーなどで構成されている。
【0038】
本構成では、タッチパネル5が圧力を検出していないときは、配信画像が表示されるのみであるが、圧力を検出すると表示入力制御手段により配信画像の隅に、押圧位置を含む所定領域のキー配列を表示し、操作者が押圧位置を認識できる。タッチパネル操作に適したキー寸法に対しキー文字を認識する為に必要なキー寸法は小さいことより、表示手段1に割付けるキー配列表示は小さい面積で良い。
押圧キー表示1cと押圧部周辺キー表示1bは、表示色を変える、または点滅させる、などの方法により識別可能となる。また、圧力検出時の表示を配信画像からキー文字に切換えずに、両画像を合成した画像を表示する、または時分割により両画像を切換表示する、などの方法をとっても良い。
本実施例によれば表示手段を単純な構成とすることが出来る他、配信画像の表示領域を殆ど犠牲にせずに押圧位置とその周辺キーのキー配列を前面から視認できる。
【0039】
次に図7〜10に示す第5実施例を説明する。本実施例の基本構成は第4実施例と同一であるが透過型タッチパネル3は、表裏両面からの押圧を検出可能なものを枠体に装着したタッチスクリーン4とし、表示手段1に対し蝶番43により回転自在に係合することにより、表示手段1とタッチスクリーン4の配置を変更可能とした情報表示入力装置である。
【0040】
図7は手持ちキー入力に適した配置で、タッチスクリーン4の押圧により表示手段1に押圧位置とその周辺のキー配列を表示させる。
図8の配置は図7に対しタッチスクリーン4を360°左に回転して表示手段1の全面に配置したもので、表示画面と同じ前面からの操作となることより手書き入力に適した配置で、タッチスクリーンへの押圧、移動による手書き文字の入力や、表示手段に表示させたアイコンの選択、などの作業に好適である。
図9は図8に対しタッチスクリーン4を180°右回転させた机上キー入力に適する配置で、タッチスクリーン4をキーボードとして使用する点で図7と同一であるが、操作面が図7に対し逆となるので表示入力制御手段はタッチスクリーンに、図7でのキー配列を反転したキー配列を割付ける。
【0041】
これらの配列に応じた表示入力制御手段の機能変更はタッチスクリーンの配置を検出するスイッチ(図中不記)等の手段により行うことが出来る。
なお、図8、図9の配置では操作者が押圧部を直視できるので、押圧部周辺のキー配列の表示は不要である。
【0042】
手書き入力においては面は平滑であることが好ましいので、タッチスクリーン4は透明で凹凸の無い平板としているが一方でこれにより図7の配置において触診によるキー判別が出来ず、図9の配置では目視でのキー判別が出来ない。これを解決するためにキー配列の境界を示す凹凸枠3dとキー種類を示す凹凸文字3cを形成したシート、及びキー文字3eを印刷したシートを別途タッチスクリーン4に装着できる構成としている。図10はこの2種類のシートを表裏に形成した触診キー文字シート52であり、図7の配置では凹凸文字面を表面として、図9の配置ではキー文字面を表面としてタッチスクリーン4に装着する。
本構成によれば、使用環境に応じて配置を変更できる情報表示入力装置となる。
【0043】
次に図11〜12に示す第6実施例を説明する。本実施例は両面ELパネル41と透過型タッチパネル3を貼り合わせ、それらを本体54に接続するためのコネクタ(図中不記)を具備した表示感圧パネル53と、表示入力制御手段や電源等を備える本体54とを別体とし、両者はコネクタにより結合される。コネクタは表示感圧パネル53が表裏どちらの向きに本体と結合されても電気的、機械的に機能する構成としている。(表示感圧パネルの向きにより表示入力制御手段がコネクタ端子の信号割付けを変更しても良い)
【0044】
両面ELパネル41は(株)半導体エネルギー研究所にて「デュアルエミッション有機ELパネル」として発表されているもので、透過性があり両面から発光を視認できるEL表示パネルである。本体54は表示感圧パネル53と接する裏面に凹凸枠3dとキー種類を示す凹凸文字3cが形成された柔軟性のある凹凸シート3bを具備、表示感圧パネル53の前面は本体より露出する構造としている。
【0045】
図11は手持ちキー入力に適したレイアウトで、表示感圧パネル53のタッチパネル面を凹凸シート3bに当接させて接続している。
この状態では凹凸シート3bの触診、押圧により表示手段にキー文字が表示される。
【0046】
図12は手書き入力に適したレイアウトで、表示感圧パネル53を図11とは逆にタッチパネル面を本体の前面に向けて接続した状態であり、前面より表示手段による表示を目視すると共に透過型タッチパネル3による入力をするものである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明における情報表示入力装置の第1実施例の前面図である。
【図2】図1の背面図である。
【図3】図1の断面図である。
【図4】本発明における情報表示入力装置の第2実施例の断面図である。
【図5】本発明における情報表示入力装置の第3実施例の断面図である。
【図6】本発明における情報表示入力装置の第4実施例の断面図である。
【図7】本発明における情報表示入力装置の第5実施例の手持ちキー入力時の側面図である。
【図8】図7の情報表示入力装置の手書き入力時の側面図である。
【図9】図8の情報表示入力装置の机上キー入力時の側面図である。
【図10】図7の情報表示入力装置の触診キー文字シートの側面図である。
【図11】本発明における情報表示入力装置の第6実施例の手持ちキー入力時の側面図である。
【図12】図11の情報表示入力装置の手書き入力時の側面図である。
【符号の説明】
【0048】
1 表示手段
1b 押圧部周辺キー表示
1c 押圧キー表示
2 透過/反射切替手段
3 透過型タッチパネル
3a 圧力検出面
3b 凹凸シート
3c 凹凸文字
3d 凹凸枠
3e キー文字
3f キー配列
4 タッチスクリーン
5 タッチパネル
6 ハーフミラー
8 バックライト
21、54 本体
21a 凸部
31 カーソル移動キー
32 確定キー
33 モード選択キー
34 配信画像
35 カーソル
36 指
41 両面ELパネル
42 ELパネル
43 蝶番
44 LED照明
45 キースイッチ
46 透過型液晶パネル
47 反射型液晶パネル
48 LED接点
49 基板接点
52 触診キー文字シート
53 表示感圧パネル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像情報を表示する表示手段を前面に備え、前記表示手段の背面側にタッチパネルを配置し、前記タッチパネルに文字入力のための複数の入力キーのキー配列を割付ける表示入力制御手段を備え、前記タッチパネルが検出した押圧位置情報を、前記表示入力制御手段が前記表示手段に表示される画像情報の選択、及び/又は文字入力、として反映する情報表示入力装置において、前記押圧位置情報を取得して、押圧位置を含む複数キーのキー配列を前面より視認可能とする手段を有する情報表示入力装置。
【請求項2】
押圧位置を含む複数キーのキー配列を前面より視認可能とする手段として、前記表示手段は透過性を有するFPDであり、前記FPDと前記圧力検出面との間にキー配列の各キー毎に透過/反射切換え手段を設け、前記透過/反射切換え手段の背面側のキー配列に対応する位置に、キーに対応する文字や記号を表記し、前記表示入力制御手段が押圧位置情報を取得して、前記透過/反射切換え手段の押圧位置を含む複数キーに対応する領域を透過に切換えることを特徴とする請求項1の情報表示入力装置。
【請求項3】
押圧位置を含む複数キーのキー配列を前面より視認可能とする手段として、前記表示手段は透過性を有するFPDであり、前記FPDの背面に可視光の反射率が10%〜90%であるハーフミラーを設けると共に、押圧位置を検出して押圧位置が発光する発光手段を前記キー配列内の各キー毎に設けると共に、押圧位置を含む隣接キー領域も発光、及び/又は押圧位置の発光を導光することを特徴とする請求項1の情報表示入力装置。
【請求項4】
押圧位置を含む複数キーのキー配列を前面より視認可能とする手段として、前記表示手段は透過型液晶パネルであり、前記透過型液晶パネルと前記圧力検出面との間に、前記キー配列の各キーの文字が判別可能に表示できる程度の画素数を有する発光パネルを設け、前記表示入力制御手段が押圧位置情報を取得して、発光パネルの押圧位置を含む複数キーに対応する領域についてキー配列を表示させると共に、キー配列を表示していない領域についてバックライトとして無地色の発光を行うことを特徴とする請求項1の情報表示入力装置。
【請求項5】
押圧位置を含む複数キーのキー配列を前面より視認可能とする手段として、前記表示入力制御手段が押圧位置情報を取得して、表示手段に押圧位置を含む複数キーに対応する領域のキー配列を表示させることを特徴とする請求項1の情報表示入力装置。
【請求項6】
キー配列領域内の全ての構成を透過性のある材質、または透過性を有する状態に切換え可能な材質として、タッチパネルへの押圧操作の指先を前面より視認可能とすることを特徴とする請求項1または2または4の情報表示入力装置。
【請求項7】
表示手段の前面より視認可能となる押圧キー、と押圧キー以外のキーとの識別を、点滅、色彩、輝度の少なくとも1つの手段により可能とすることを特徴とする請求項1から5のいづれかの情報表示入力装置。
【請求項8】
前面より視認可能となるキー配列は、前記タッチパネルに割付けられたキー配列に対して寸法を縮小して表示されるとしたことを特徴とする請求項4または5の情報表示入力装置。
【請求項9】
前記タッチパネルの表面に、触診によるキーの識別が可能となる様、キー配列の境界、及び/又は文字や記号を凹凸により形成したことを特徴とする請求項1〜8の情報表示入力装置。
【請求項10】
筐体の側面に操作者の把握位置の基準となる凹部、又は凸部を設けたことを特徴とする請求項1〜9の情報表示入力装置。
【請求項1】
画像情報を表示する表示手段を前面に備え、前記表示手段の背面側にタッチパネルを配置し、前記タッチパネルに文字入力のための複数の入力キーのキー配列を割付ける表示入力制御手段を備え、前記タッチパネルが検出した押圧位置情報を、前記表示入力制御手段が前記表示手段に表示される画像情報の選択、及び/又は文字入力、として反映する情報表示入力装置において、前記押圧位置情報を取得して、押圧位置を含む複数キーのキー配列を前面より視認可能とする手段を有する情報表示入力装置。
【請求項2】
押圧位置を含む複数キーのキー配列を前面より視認可能とする手段として、前記表示手段は透過性を有するFPDであり、前記FPDと前記圧力検出面との間にキー配列の各キー毎に透過/反射切換え手段を設け、前記透過/反射切換え手段の背面側のキー配列に対応する位置に、キーに対応する文字や記号を表記し、前記表示入力制御手段が押圧位置情報を取得して、前記透過/反射切換え手段の押圧位置を含む複数キーに対応する領域を透過に切換えることを特徴とする請求項1の情報表示入力装置。
【請求項3】
押圧位置を含む複数キーのキー配列を前面より視認可能とする手段として、前記表示手段は透過性を有するFPDであり、前記FPDの背面に可視光の反射率が10%〜90%であるハーフミラーを設けると共に、押圧位置を検出して押圧位置が発光する発光手段を前記キー配列内の各キー毎に設けると共に、押圧位置を含む隣接キー領域も発光、及び/又は押圧位置の発光を導光することを特徴とする請求項1の情報表示入力装置。
【請求項4】
押圧位置を含む複数キーのキー配列を前面より視認可能とする手段として、前記表示手段は透過型液晶パネルであり、前記透過型液晶パネルと前記圧力検出面との間に、前記キー配列の各キーの文字が判別可能に表示できる程度の画素数を有する発光パネルを設け、前記表示入力制御手段が押圧位置情報を取得して、発光パネルの押圧位置を含む複数キーに対応する領域についてキー配列を表示させると共に、キー配列を表示していない領域についてバックライトとして無地色の発光を行うことを特徴とする請求項1の情報表示入力装置。
【請求項5】
押圧位置を含む複数キーのキー配列を前面より視認可能とする手段として、前記表示入力制御手段が押圧位置情報を取得して、表示手段に押圧位置を含む複数キーに対応する領域のキー配列を表示させることを特徴とする請求項1の情報表示入力装置。
【請求項6】
キー配列領域内の全ての構成を透過性のある材質、または透過性を有する状態に切換え可能な材質として、タッチパネルへの押圧操作の指先を前面より視認可能とすることを特徴とする請求項1または2または4の情報表示入力装置。
【請求項7】
表示手段の前面より視認可能となる押圧キー、と押圧キー以外のキーとの識別を、点滅、色彩、輝度の少なくとも1つの手段により可能とすることを特徴とする請求項1から5のいづれかの情報表示入力装置。
【請求項8】
前面より視認可能となるキー配列は、前記タッチパネルに割付けられたキー配列に対して寸法を縮小して表示されるとしたことを特徴とする請求項4または5の情報表示入力装置。
【請求項9】
前記タッチパネルの表面に、触診によるキーの識別が可能となる様、キー配列の境界、及び/又は文字や記号を凹凸により形成したことを特徴とする請求項1〜8の情報表示入力装置。
【請求項10】
筐体の側面に操作者の把握位置の基準となる凹部、又は凸部を設けたことを特徴とする請求項1〜9の情報表示入力装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−216087(P2006−216087A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2006−143870(P2006−143870)
【出願日】平成18年5月24日(2006.5.24)
【出願人】(305055068)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−143870(P2006−143870)
【出願日】平成18年5月24日(2006.5.24)
【出願人】(305055068)
【Fターム(参考)】
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