説明

情報記録再生装置

【課題】 簡易な手段でトラッキングエラー信号を得ることができる情報記録再生装置を提供する。
【解決手段】 プローブ64の先端からはレーザダイオード67の発する光が情報記憶媒体65上に照射される。プローブ64の先端部はアクチュエータにより一定周期で情報記憶媒体65の径方向に振動する。情報記憶媒体65で反射した光はフォトダイオード73に入射して光電変換される。この光電変換後の信号はプリアンプ74で増幅され、ローパスフィルタ75により高周波数帯域の成分が除去される。この高周波成分が除去された信号の平均値(バイアス値)はトラッキングエラー信号として出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報記憶媒体上に情報の記録、再生を行う情報記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
(1)従来技術1:特開平7−192280号公報
この従来技術1は、エヴァネッセント光を利用した高密度の記録、再生において、トラッキング制御の精度を高めようとするものである。また、ディスク状の情報記憶媒体を使用可能にしようとするものである。
【0003】
そのため、図1に示すように、半導体レーザ1から放射させたレーザ光をレンズ2で集束して光ファイバ3に、その開口4を通じて与える。光ファイバ3の先細の先端部に走査ヘッド5は、レーザ光の波長とほぼ同等かそれよりも小さい直径の開口6を先端面に有し、情報記憶媒体の記録面7は、開口6に対し相対的に移動する。記録面7から走査ヘッド5を通じて取り出された反射光は光検出器8で検出される。走査ヘッド5に一体的に並設された走査制御ヘッド9は独自の光源である半導体レーザ10、レンズ系および光電変換素子17を有し、走査ヘッド5を記録面7のトラックに位置合わせするためのトラッキングエラー検知信号を発生する。
【0004】
(2)従来技術2:特開平8−321084号公報
この従来技術2は、走査型プローブメモリ技術において、トラック幅方向の位置制御を精度よく行い、精度のよい再生または記録を行おうとするものである。
【0005】
そのため、図2に示すように、記録または再生のためのプローブ11〜14に隣接してトラッキング用プローブ15,16を設け、このトラッキング用プローブ15,16により検出するトラッキングエラー信号によって記録または再生のためのプローブ11〜14のトラック幅方向の位置制御を行っている。
【0006】
(3)従来技術3:特開平8−7323号公報
この従来技術3は、超高密度で、かつ、小型の情報記録再生装置を提供しようとするものである。
【0007】
そのため、図3に示すように、半導体レーザ21、光検出器22、エバネセント光発生用プローブ23が、浮上スライダ24上に搭載されている。そして、プローブ23により発生したエバネセント光25により、情報を媒体26に記録する。情報再生時には、半導体レーザの電流値を閾値でバイアスし、S/N比を向上する。
【0008】
トラッキングは次のようにして行う。すなわち、図4に示すように、図3に示すプローブ23を用いてトラック方向(媒体26の円板の周方向)にはエバネセント光、それと垂直な方向には、若干幅の広がった光ビームを形成する。このビーム径の比は5:1以上であることが望ましい。媒体26には、プリピット27が予め形成されているサーボ領域28と、データ領域29とがある。プリピット27はトラック中心から、その中心が左右に一定距離ずれたところに配置されたウォブルピットである。この上を光ビームにより走査した場合、もしも、光30がトラック中心からずれていた場合、連続した2つのプリピットからの信号にアンバランスが生じる。そこで、これらの信号の差をとってトラッキング誤差信号とする。
【0009】
(4)従来技術4:特開平9−17047号公報
この従来技術4は、高密度記録再生方式において、ヘッドの高速なアクセスおよび位置決め制御を行い、記録再生の高速化を達成せんとする。
【0010】
そのため、記録再生のための走査型プローブヘッドと位置制御のための光ヘッドを複合したヘッドを用いて記録再生を行う。すなわち、記録再生速度の高速化のために、記録再生ヘッドの高さおよび位置制御に光を制御信号として用いる。つまり、記録再生のための走査型プローブヘッドに位置制御用の光ヘッドを備えた複合型ヘッドを用いる。この複合型ヘッドでは、記録再生を行うのが走査型プローブヘッドであり、その位置制御を行うのが走査型プローブヘッドに設けられた光ヘッドである。この光ヘッドを用いることで、高精度な位置決め制御を行い、高速に記録、再生を行うことができる。情報記憶媒体のランド部には複数のトラックのマークを記録し、隣接するトラッキング専用のランド部にはトラッキング専用のヘッドを用いてトラッキングを行う。
【0011】
(5)従来技術5:特開平7−225975号公報
この従来技術5は、プローブを情報記憶媒体表面に沿って走査させながら情報の記録、再生を行う情報記録再生装置などにおいて、実用上充分な速度でのプローブ走査を実現せんとする。
【0012】
そのため、図5に示すように、光源31から出射した直線偏光の光束は偏波面保存型光ファイバ32をとおり、前記光の波長よりも小さな微小開口部33を有する金属マスク34を経てエバネッセント波の形態をとる。ここで、金属マスク34、光磁気情報記憶媒体36は導体であるので、その双方に電極を取り付けて容量距離センサ35に接続することにより、両者間の容量から距離dを感知することができる。その効果としては、金属マスク34の光磁気情報記憶媒体36に正対した部分の面積が微小開口部33の面積に比べて大きいため、高精度かつ高帯域な前記距離dの情報を得ることができる。この距離dの情報をアクチュエータ37に帰還させて微小開口部33の位置を制御することにより、高速プローブ走査が可能になる。
【0013】
(6)従来技術6:特開平7−21564号公報
この従来技術6は、フォトンSTM型光メモリのいかなる操作状況においても常にプローブと記録層との高精度な距離の制御が行えるようするものである。
【0014】
そのため、その構成は、図6に示すように、先端部に微小開口部を有する透明体41中を導波する第1の光42が該微小開口部に形成する第1のエバネッセント場43中に情報記憶媒体45の記録層44を設置し、前記第1の光42を用いて情報記憶媒体45への情報を記録しあるいは記録情報を再生するとともに、情報記憶媒体45中に第1の光42とは異なる波長の第2の光46を導波させて、その導波光が情報記憶媒体表面に形成する第2のエバネッセント波47を前記透明体41により検出し、これを波長分離手段48を用いて第1の光42による導波光と分離して第2の光46の強度を検出することにより、透明体41と情報記憶媒体45との距離を調節可能とした。
【0015】
(7)従来技術7:特開平10−172172号公報
この従来技術7では、プローブ顕微鏡を応用した情報記録再生装置において、光プローブ形状に製造誤差や経時変化などがあると、光プローブと情報記憶媒体との間隔を一定に保持できず、所定の記録密度を得ることが困難となることに鑑み、光プローブの形状のばらつきや経時変化などの光プローブの分解能を変化させる原因があっても、所定の記録密度を維持できるようにしたものである。
【0016】
そのため、図7に示すように、情報記憶媒体49上に異なる周期を有する周期パターン50,51を設け、これらの周期パターン50,51を光プローブ52で検出し、得られる信号を周波数分析して比較し、光プローブ52と情報記憶媒体49との間隔を検出する。距離Hが大きいと高い空間周波数の成分が小さくなり、これから距離Hを測定することができる。
【0017】
(8)従来技術8:「金属酸化物表面に吸着した有機分子のSTMによるマニピュレーション」、大西洋、他、第55回応用物理学界学術講演会講演予稿集(1994秋)、19a-Q-2
この従来技術8では、TiO2(110)単結晶表面上のギ酸イオン(DCOO-)を、これに数Vの電圧を印加したプローブ先端を近づけることにより分解・離脱する技術が開示されている。これにより分子一個を位置ピットとするメモリを構成できる。
【0018】
(9)従来技術9:「AFMによるGeTeSb薄膜相変化記録の試み」、加道博行、他、第55回応用物理学界学術講演会講演予稿集(1994秋)、22a-Q-7
この従来技術9では、先端が非常に鋭利に、例えばその曲率半径が100nm以下の導電性プローブを用いる。その先端はエッチングや電解研磨法などにより細く先鋭化されている。このプローブと記録媒体の間に所定のバイアス電圧を印加し、プローブの先端と媒体表面の間の距離が10nm以下になると、両者間にトンネル電流が流れる。媒体としては、記録層がGeTeSb薄膜の相変化材料が挙げられる。アモルファス相の膜に、トンネル電流を流す。そうすると電流の流れたところでジュール熱が発生し、その部分が多結晶化する。このようにしてアモルファス相のフィールドに多結晶相のマークを書くことができる。このマークの有無により情報を書き込むことができる。これらの膜が多結晶相の場合の比抵抗とアモルファス相の場合の比抵抗が異なる。したがって、プローブ先端と記録層表面の距離が一定であっても、抵抗値が異なるので、多結晶層の上にプローブ先端がある場合のトンネル電流の方がアモルファス層のそれよりも大きくなる。この電流値はバイアス電圧Vbと導電性プローブの間に設けた電流計により測定することができる。これにより書き込んだマークを読み取ることができる。
【0019】
(10)従来技術10:一般のSNOMに用いられているシアフォースを検出することにより、表面の凹凸を検出し、これにより情報を読み取ることができることが知られている。主に予め情報が書き込まれている、所謂ROMの読み出しを行うことができる。
【0020】
【特許文献1】特開平7−192280号公報
【特許文献2】特開平8−321084号公報
【特許文献3】特開平8−7323号公報
【特許文献4】特開平9−17047号公報
【特許文献5】特開平7−225975号公報
【特許文献6】特開平7−21564号公報
【特許文献7】特開平10−172172号公報
【非特許文献1】「金属酸化物表面に吸着した有機分子のSTMによるマニピュレーション」、大西洋、他、第55回応用物理学界学術講演会講演予稿集(1994秋)、19a-Q-2
【非特許文献2】「AFMによるGeTeSb薄膜相変化記録の試み」、加道博行、他、第55回応用物理学界学術講演会講演予稿集(1994秋)、22a-Q-7
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
従来技術1においては、トラッキングエラー信号を得るために、エヴァネッセント光による書込み、読出しを行うプローブとは別に、トラッキングエラー信号を得るためだけの光源、レンズ、光電変換素子などを必要とする。
【0022】
従来技術2においては、トラッキング信号を得るためだけの近接場プローブを必要とする。
【0023】
従来技術3においては、楕円形の偏平なスポット光が出るようにプローブに工夫が必要であり、トラッキングエラー信号を得るためにウォブルピットを情報記憶媒体に作製しなければならない。そのため、情報の記録密度が低くなる不具合がある。
【0024】
従来技術4においては、書込み、読出しを行うプローブとは別に、トラッキングエラー信号を得るためだけの光源、レンズ、光電変換素子などを必要とする。また、トラッキングエラー信号を得るためだけに、情報記憶媒体上にランドが必要になり、情報の記録密度が低くなる不具合がある。
【0025】
この発明の目的は、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得ることができる情報記録再生装置を提供することにある。
【0026】
また、従来技術5においては、プローブの先端の導電と媒体表面間の静電容量により両者の距離を測定している。したがって、媒体表面が導電性である必要があり、媒体の構成上制約が多いという不具合がある。また、導電性の強磁性体を媒体材料として用いているが、非導電性の保護膜が必要な相変化材料を用いたメディアには適用することができない。さらに、静電容量を測定する回路が必要であり、充分な測定精度を得るために、プローブ先端の金属膜の面積を、500nm×500nm以上にしなければならないので、プローブ側の制約も大きいという不具合もある。
【0027】
従来技術6においては、記録再生を行う光源以外にプローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離を測定するための別な波長の光源を必要とする。
【0028】
従来技術7では、プローブ先端と情報記憶媒体表面の距離を測定するために、情報記憶媒体に空間周波数の異なるパターンを設ける必要があり、情報記憶媒体の記録密度が低くなるという不具合がある。また、得られた信号を周波数分析する必要があり、これらの処理に時間がかかり、充分な速度でプローブ先端と情報記憶媒体表面の距離を制御することができない不具合もある。
【0029】
従来技術8〜10では、しかしながら、トラッキングエラー信号検出およびトラッキングアクチュエータに関する構成については何ら述べられていない。
【0030】
この発明の別の目的は、簡易な手段でプローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる情報記録再生装置を提供することにある。
【0031】
この発明の別の目的は、プローブ先端と情報記憶媒体表面の距離を高感度に測定することができる情報記録再生装置を提供することにある。
【0032】
この発明の別の目的は、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる情報記録再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0033】
本発明は、プローブを備え、このプローブと情報記憶媒体との間に所定の物理的な作用を生じさせることにより、前記情報記憶媒体に対する情報の記録および再生のうちの少なくとも一方を行う情報記録再生装置において、前記物理的な作用を生じさせる位置を前記情報記憶媒体のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動する移動装置と、前記物理的な作用の変動から前記プローブから前記物理的な作用を生じさせる位置のトラッキングエラー信号を前記周期的移動に関連して取得する信号取出装置と、を備えていることを特徴とする情報記録再生装置であるように構成することができる。
【0034】
したがって、移動装置以外にトラッキング専用の手段を設ける必要が無く、情報記憶媒体上にも記録密度を低下するトラッキング専用のランドやマークを必要とせず、プローブ自身にも特別な工夫を必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得ることができる。
【0035】
また、本発明は、プローブを備え、このプローブと情報記憶媒体との間に所定の物理的な作用を生じさせることにより、前記情報記憶媒体に対する情報の記録および再生のうちの少なくとも一方を行う情報記録再生装置において、前記物理的な作用を生じさせる位置を前記情報記憶媒体のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動する移動装置と、前記物理的な作用の変動から前記プローブの先端と前記情報記憶媒体の表面との間の距離に関する信号を前記周期的移動に関連して取得する信号取出装置と、を備えていることを特徴とする情報記録再生装置であるように構成することができる。
【0036】
したがって、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でプローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0037】
また、本発明において、信号取出装置は、物理的な作用の変動を取り出して、その瞬時値を保持し、この値からトラッキングエラー信号およびプローブ先端と情報記憶媒体表面の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することができる。
【0038】
したがって、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0039】
また、本発明において、信号取出装置は、物理的な作用の変動を取り出して、その信号の最大値と最小値を保持し、この最大値および最小値からトラッキングエラー信号およびプローブ先端と情報記憶媒体表面の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することができる。
【0040】
したがって、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0041】
また、本発明において、周期的に移動する移動装置は、物理的な作用を生じさせる位置を周期ωで移動させ、信号取出装置は、物理的な作用の変動を取り出して、この信号のω成分からトラッキングエラー信号を取得し、周波数2ωの成分からプローブ先端と情報記憶媒体表間の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することができる。
【0042】
したがって、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0043】
また、本発明において、周期的に移動する移動装置は、プローブをその共振周波数ωoで振動することにより、物理的な作用を生じさせる位置を周期ωoで移動させるものであり、信号取出装置は、物理的な作用の変動を取り出して、前記ωoの成分からトラッキングエラー信号を取得し、周波数2ωoの成分からプローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することができる。
【0044】
したがって、プローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離を高感度に測定することができる。
【0045】
また、本発明において、周期的に移動する移動装置は、物理的な作用を生じさせる位置をトラッキングするトラッキング装置と同一のアクチュエータであることを特徴とするように構成することができる。
【0046】
したがって、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0047】
また、本発明において、アクチュエータは、静電引力を用いたものであることを特徴とするように構成することができる。
【0048】
したがって、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0049】
また、本発明において、アクチュエータは、電磁力を用いたものであることを特徴とするように構成することができる。
【0050】
したがって、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0051】
また、本発明において、アクチュエータは、圧電効果を用いたものであることを特徴とするように構成することができる。
【0052】
したがって、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0053】
また、本発明は、情報記憶媒体上にプローブの先端から光を照射して情報の記録および再生のうちの少なくとも一方を行う情報記録再生装置において、前記光の照射位置を前記情報記憶媒体のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動する移動装置と、前記光の反射光または透過光から前記照射位置のトラッキングエラー信号を前記周期的移動に関連して取得する信号取出装置と、を備えていることを特徴とする情報記録再生装置であるように構成することができる。
【0054】
したがって、移動装置以外にトラッキング専用の手段を設ける必要が無く、情報記憶媒体上にも記録密度を低下するトラッキング専用のランドやマークを必要とせず、プローブ自身にも特別な工夫を必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得ることができる。
【0055】
また、本発明は、情報記憶媒体上にプローブの先端から光を照射して情報の記録および再生のうちの少なくとも一方を行う情報記録再生装置において、前記光の照射位置を前記情報記憶媒体のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動する移動装置と、前記光の反射光または透過光から前記プローブ先端と前記情報記憶媒体表面との間の距離に関する信号を前記周期的移動に関連して取得する信号取出装置と、を備えていることを特徴とする情報記録再生装置であるように構成することができる。
【0056】
したがって、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でプローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0057】
また、本発明において、信号取出装置は、情報記憶媒体上に照射した光から所定の信号を取り出してその瞬時値を保持し、この値からトラッキングエラー信号およびプローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することができる。
【0058】
したがって、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0059】
また、本発明において、信号取出装置は、情報記憶媒体上に照射した光から所定の信号を取り出してその信号の最大値と最小値を保持し、この最大値および最小値からトラッキングエラー信号およびプローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することができる。
【0060】
したがって、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0061】
また、本発明において、周期的に移動する移動装置は、光の照射位置を周期ωで移動させ、信号取出装置は、情報記憶媒体上に照射した光から信号を取り出して、この信号の周波数ωの成分からトラッキングエラー信号を取得し、周波数2ωの成分からプローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することができる。
【0062】
したがって、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0063】
また、本発明において、周期的に移動する移動装置は、プローブをその共振周波数ωoで振動することにより光の照射位置を周期ωoで移動させるものであり、信号取出装置は、情報記憶媒体上に照射した光から信号を取り出して、この信号の周波数ωoの成分からトラッキングエラー信号を取得し、周波数2ωoの成分からプローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することができる。
【0064】
したがって、プローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離を高感度に測定することができる。
【0065】
また、本発明において、周期的に移動する移動装置は、光の照射位置をトラッキングするトラッキング装置と同一のアクチュエータであることを特徴とするように構成することができる。
【0066】
したがって、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0067】
また、本発明において、アクチュエータは、静電引力を用いたものであることを特徴とするように構成することができる。
【0068】
したがって、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0069】
また、本発明において、アクチュエータは、電磁力を用いたものであることを特徴とするように構成することができる。
【0070】
したがって、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0071】
また、本発明において、アクチュエータは、圧電効果を用いたものであることを特徴とするように構成することができる。
【0072】
したがって、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0073】
また、本発明は、情報記憶媒体との間にトンネル電流を流すプローブを備え、前記トンネル電流により前記情報記憶媒体に対して情報の記録および再生のうちの少なくとも一方を行う情報記録再生装置において、前記トンネル電流が流れる位置を前記情報記憶媒体のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動する移動装置と、前記トンネル電流の変動から前記トンネル電流が流れる位置のトラッキングエラー信号を前記周期的移動に関連して取得する信号取出装置と、を備えていることを特徴とする情報記録再生装置であるように構成することができる。
【0074】
したがって、移動装置以外にトラッキング専用の手段を設ける必要が無く、情報記憶媒体上にも記録密度を低下するトラッキング専用のランドやマークを必要とせず、プローブ自身にも特別な工夫を必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得ることができる。
【0075】
また、本発明は、情報記憶媒体との間にトンネル電流を流すプローブを備え、前記トンネル電流により前記情報記憶媒体に対して情報の記録および再生のうちの少なくとも一方を行う情報記録再生装置において、前記トンネル電流が流れる位置を前記情報記憶媒体のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動する移動装置と、前記トンネル電流の変動から前記プローブ先端と前記情報記憶媒体表面との間の距離に関する信号を前記周期的移動に関連して取得する信号取出装置と、を備えていることを特徴とする情報記録再生装置であるように構成することができる。
【0076】
したがって、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でプローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0077】
また、本発明において、信号取出装置は、トンネル電流の変動を取り出して、その瞬時値を保持し、この値からトラッキングエラー信号およびプローブ先端と情報記憶媒体表面の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することができる。
【0078】
したがって、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0079】
また、本発明において、信号取出装置は、トンネル電流の変動を取り出して、その信号の最大値と最小値を保持し、この最大値および最小値からトラッキングエラー信号およびプローブ先端と情報記憶媒体表面の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することができる。
【0080】
したがって、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0081】
また、本発明において、周期的に移動する移動装置は、トンネル電流が流れる位置を周期ωで移動させ、信号取出装置は、前記トンネル電流の変動を取り出して、この信号の周波数ωの成分からトラッキングエラー信号を取得し、周波数2ωの成分からプローブ先端と情報記憶媒体表間の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することができる。
【0082】
したがって、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0083】
また、本発明において、周期的に移動する移動装置は、プローブをその共振周波数ωoで振動することによりトンネル電流が流れる位置を周期ωoで移動させるものであり、信号取出装置は,前記トンネル電流信号を取り出して、この信号ωoの成分からトラッキングエラー信号を取得し、周波数2ωoの成分からプローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することができる。
【0084】
したがって、プローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離を高感度に測定することができる。
【0085】
また、本発明において、周期的に移動する移動装置は、トンネル電流が流れる位置をトラッキングするトラッキング装置と同一のアクチュエータであることを特徴とするように構成することができる。
【0086】
したがって、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0087】
また、本発明において、アクチュエータは、静電引力を用いたものであることを特徴とするように構成することができる。
【0088】
したがって、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0089】
また、本発明において、アクチュエータは、電磁力を用いたものであることを特徴とするように構成することができる。
【0090】
したがって、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0091】
また、本発明において、アクチュエータは、圧電効果を用いたものであることを特徴とするように構成することができる。
【0092】
したがって、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0093】
また、本発明は、プローブを備え、このプローブと情報記憶媒体との間に働くシアフォースにより前記情報記憶媒体に対する情報の記録および再生のうち少なくとも一方を行う情報記録再生装置において、前記シアフォースが働く位置を前記情報記憶媒体のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動する移動装置と、前記シアフォースの変動から前記シアフォースが働く位置のトラッキングエラー信号を前記周期的移動に関連して取得する信号取出装置と、を備えていることを特徴とする情報記録再生装置であるように構成することができる。
【0094】
したがって、移動装置以外にトラッキング専用の手段を設ける必要が無く、情報記憶媒体上にも記録密度を低下するトラッキング専用のランドやマークを必要とせず、プローブ自身にも特別な工夫を必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得ることができる。
【0095】
また、本発明は、プローブを備え、このプローブと情報記憶媒体との間に働くシアフォースにより前記情報記憶媒体に対する情報の記録および再生のうち少なくとも一方を行う情報記録再生装置において、前記シアフォースが働く位置を前記情報記憶媒体のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動する移動装置と、前記シアフォースの変動から前記プローブ先端と前記情報記憶媒体表面との間の距離に関する信号を前記周期的移動に関連して取得する信号取出装置と、を備えていることを特徴とする情報記録再生装置であるように構成することができる。
【0096】
したがって、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でプローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0097】
また、本発明において、信号取出装置は、前記シアフォースの変動を取り出して、その瞬時値を保持し、この値からトラッキングエラー信号およびプローブ先端と情報記憶媒体表面の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することができる。
【0098】
したがって、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0099】
また、本発明において、信号取出装置は、前記シアフォースの変動を取り出して、その信号の最大値と最小値を保持し、この最大値および最小値からトラッキングエラー信号およびプローブ先端と情報記憶媒体表面との距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することができる。
【0100】
したがって、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0101】
また、本発明において、周期的に移動する移動装置は、前記シアフォースが働く位置を周期ωで移動させ、信号取出装置は、前記シアフォースの変動を取り出して、この信号のω成分からトラッキングエラー信号を取得し、周波数2ωの成分からプローブ先端と情報記憶媒体表間の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することができる。
【0102】
したがって、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0103】
また、本発明において、周期的に移動する移動装置は、プローブをその共振周波数ωoで振動することにより前記シアフォースが働く位置を周期ωoで移動させるものであり、信号取出装置は、前記シアフォースの変動を取り出して、この信号ωoの成分からトラッキングエラー信号を取得し、周波数2ωoの成分からプローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することができる。
【0104】
したがって、プローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離を高感度に測定することができる。
【0105】
また、本発明において、周期的に移動する移動装置は、シアフォースが働く位置をトラッキングするトラッキング装置と同一のアクチュエータであることを特徴とするように構成することができる。
【0106】
したがって、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0107】
また、本発明において、アクチュエータは、静電引力を用いたものであることを特徴とするように構成することができる。
【0108】
したがって、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0109】
また、本発明において、アクチュエータは、電磁力を用いたものであることを特徴とするように構成することができる。
【0110】
したがって、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0111】
また、本発明において、アクチュエータは、圧電効果を用いたものであることを特徴とするように構成することができる。
【0112】
したがって、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0113】
また、本発明は、プローブを備え、このプローブと情報記憶媒体間に働くコンタクトモードの原子間力により前記情報記憶媒体に対する情報の記録および再生のうち少なくとも一方を行う情報記録再生装置において、前記コンタクトモードの原子間力が働く位置を前記情報記憶媒体のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動する移動装置と、前記コンタクトモードの原子間力の変動から前記コンタクトモードの原子間力が働く位置のトラッキングエラー信号を前記周期的移動に関連して取得する信号取出装置と、を備えていることを特徴とする情報記録再生装置であるように構成することができる。
【0114】
したがって、移動装置以外にトラッキング専用の手段を設ける必要が無く、情報記憶媒体上にも記録密度を低下するトラッキング専用のランドやマークを必要とせず、プローブ自身にも特別な工夫を必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得ることができる。
【0115】
また、本発明は、プローブを備え、このプローブと情報記憶媒体間に働くコンタクトモードの原子間力により前記情報記憶媒体に対する情報の記録および再生のうち少なくとも一方を行う情報記録再生装置において、前記コンタクトモードの原子間力が働く位置を前記情報記憶媒体のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動する移動装置と、前記コンタクトモードの原子間力の変動から前記プローブ先端と前記情報記憶媒体表面との間の距離に関する信号を前記周期的移動に関連して取得する信号取出装置と、を備えていることを特徴とする情報記録再生装置であるように構成することができる。
【0116】
したがって、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でプローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0117】
また、本発明において、信号取出装置は、前記コンタクトモードの原子間力の変動を取り出して、その瞬時値を保持し、この値からトラッキングエラー信号およびプローブ先端と情報記憶媒体表面の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することができる。
【0118】
したがって、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0119】
また、本発明において、信号取出装置は、前記コンタクトモードの原子間力の変動を取り出して、その信号の最大値と最小値を保持し、この最大値および最小値からトラッキングエラー信号およびプローブ先端と情報記憶媒体表面の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することができる。
【0120】
したがって、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0121】
また、本発明において、周期的に移動する移動装置は、前記コンタクトモードの原子間力が働く位置を周期ωで移動させ、信号取出装置は、前記コンタクトモードの原子間力の変動を取り出して、この信号のω成分からトラッキングエラー信号を取得し、周波数2ωの成分からプローブ先端と情報記憶媒体表間の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することができる。
【0122】
したがって、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0123】
また、本発明において、周期的に移動する移動装置は、プローブをその共振周波数ωoで振動することにより前記コンタクトモードの原子間力が働く位置を周期ωoで移動させるものであり、信号取出装置は、前記コンタクトモードの原子間力の変動を取り出して、この信号ωoの成分からトラッキングエラー信号を取得し、周波数2ωoの成分からプローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することができる。
【0124】
したがって、プローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離を高感度に測定することができる。
【0125】
また、本発明において、周期的に移動する移動装置は、前記コンタクトモードの原子間力が働く位置をトラッキングするトラッキング装置と同一のアクチュエータであることを特徴とするように構成することができる。
【0126】
したがって、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0127】
また、本発明において、アクチュエータは、静電引力を用いたものであることを特徴とするように構成することができる。
【0128】
したがって、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0129】
また、本発明において、アクチュエータは、電磁力を用いたものであることを特徴とするように構成することができる。
【0130】
したがって、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0131】
また、本発明において、アクチュエータは、圧電効果を用いたものであることを特徴とするように構成することができる。
【0132】
したがって、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0133】
また、本発明は、プローブを備え、このプローブと情報記憶媒体間に働くノンコンタクトモードの原子間力により前記情報記憶媒体に対する情報の記録および再生のうち少なくとも一方を行う情報記録再生装置において、前記ノンコンタクトモードの原子間力が働く位置を前記情報記憶媒体のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動する移動装置と、前記ノンコンタクトモードの原子間力の変動から前記ノンコンタクトモードの原子間力が働く位置のトラッキングエラー信号を前記周期的移動に関連して取得する信号取出装置と、を備えていることを特徴とする情報記録再生装置であるように構成することができる。
【0134】
したがって、移動装置以外にトラッキング専用の手段を設ける必要が無く、情報記憶媒体上にも記録密度を低下するトラッキング専用のランドやマークを必要とせず、プローブ自身にも特別な工夫を必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得ることができる。
【0135】
また、本発明は、プローブを備え、このプローブと情報記憶媒体間に働くノンコンタクトモードの原子間力により前記情報記憶媒体に対する情報の記録および再生のうち少なくとも一方を行う情報記録再生装置において、前記ノンコンタクトモードの原子間力が働く位置を前記情報記憶媒体のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動する移動装置と、前記ノンコンタクトモードの原子間力の変動から前記プローブ先端と前記情報記憶媒体表面との間の距離に関する信号を前記周期的移動に関連して取得する信号取出装置と、を備えていることを特徴とする情報記録再生装置であるように構成することができる。
【0136】
したがって、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でプローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0137】
また、本発明において、信号取出装置は、前記ノンコンタクトモードの原子間力の変動を取り出して、その瞬時値を保持し、この値からトラッキングエラー信号およびプローブ先端と情報記憶媒体表面の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することができる。
【0138】
したがって、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0139】
また、本発明において、信号取出装置は、前記ノンコンタクトモードの原子間力の変動を取り出して、その信号の最大値と最小値を保持し、この最大値および最小値からトラッキングエラー信号およびプローブ先端と情報記憶媒体表面の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することができる。
【0140】
したがって、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0141】
また、本発明において、周期的に移動する移動装置は、前記ノンコンタクトモードの原子間力が働く位置を周期ωで移動させ、信号取出装置は、前記ノンコンタクトモードの原子間力の変動を取り出して、この信号のω成分からトラッキングエラー信号を取得し、周波数2ωの成分からプローブ先端と情報記憶媒体表間の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することができる。
【0142】
したがって、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0143】
また、本発明において、周期的に移動する移動装置は、プローブをその共振周波数ωoで振動することにより前記ノンコンタクトモードの原子間力が働く位置を周期ωoで移動させるものであり、信号取出装置は、前記ノンコンタクトモードの原子間力の変動を取り出して、この信号ωoの成分からトラッキングエラー信号を取得し、周波数2ωoの成分からプローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することができる。
【0144】
したがって、プローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離を高感度に測定することができる。
【0145】
また、本発明において、周期的に移動する移動装置は、前記ノンコンタクトモードの原子間力が働く位置をトラッキングするトラッキング装置と同一のアクチュエータであることを特徴とするように構成することができる。
【0146】
したがって、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0147】
また、本発明において、アクチュエータは、静電引力を用いたものであることを特徴とするように構成することができる。
【0148】
したがって、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0149】
また、本発明において、アクチュエータは、電磁力を用いたものであることを特徴とするように構成することができる。
【0150】
したがって、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0151】
また、本発明において、アクチュエータは、圧電効果を用いたものであることを特徴とするように構成することができる。
【0152】
したがって、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【発明の効果】
【0153】
本発明によれば、移動装置以外にトラッキング専用の手段を設ける必要が無く、情報記憶媒体上にも記録密度を低下するランドやマークを必要とせず、プローブ自身にも特別な工夫を必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0154】
[発明の実施の形態1]
図8は、この発明の実施の形態1である、情報記憶媒体65に光を照射して情報の記録、再生を行う情報記録再生装置のヘッド部分の縦断面図である。このヘッドは、アーム61の先端部にサスペンション62を介してスライダ63が取り付けられている。そして、先端から光を放つ光ファイバをプローブ64とし、このプローブ64をスライダ63に載せている。スライダ63は、情報記憶媒体65と接触しないフライングスライダでもよいし、接触するコンタクトスライダでもよい。スライダ63により、情報記憶媒体65が回転中は、情報記憶媒体6565とプローブ64の距離は安定して数十nmを保つ。
【0155】
プローブ64は、図36に示すように、先端95が円錐台の形状に加工されており、その開口96以外は金属膜80(金やアルミなど)で覆われた構成となっている。先端の開口96の大きさは、情報記憶媒体65にエネルギーを供給する手段によって異なり、主に通常の光(伝播光)の形態でエネルギーを供給する場合(例えば、特開平11−271339号公報に開示のようなファイバープローブ64の場合)には、用いる光の波長程度またはそれ以上とし、エバネッセント光(近接場光)の形態でエネルギーを供給する場合には、用いる光の波長より小さく形成させておく。この例では、どちらの形態であってもよい。
【0156】
図9に示すように、情報記憶媒体65が円盤状の場合は、情報記憶媒体65の表面あるいは表面近傍には、情報記憶媒体65の円周方向にマークピット66が並んでいて、情報が書き込まれている。情報記憶媒体65は回転するが、これを回転させるモータの軸ずれや、情報記憶媒体65自身の軸ずれにより、マークピット66の列は蛇行する。したがって、マークピット66の中心にプローブ64の先端がくるようにプローブ64が動かされないと、正しい情報の書込みまたは読出しが行えない。
【0157】
情報記憶媒体65が、板状の、例えば光カードメモリの場合は、図35に示すようにマークピット66は直線状に並んでいて、情報が書き込まれている。情報記憶媒体65はデータ列方向に直進するので、マークピット66の中心にプローブ64の先端がくるようにプローブ64が動かされないと、正しい情報の書き込みまたは読出しが行えない。
【0158】
次に、図8に示すヘッド部分の動作について説明する。まず、プローブ64から出射し情報記憶媒体65を照射する光は、後述する所定の手段により円板型の情報記憶媒体65のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動(振動)する。図10にその様子を示す。図10において、情報記憶媒体65上にはすでにマークピット66が記録されている。このマークピット66の光の反射率または透過率は他の部分より高くなっている。
【0159】
図10中に符号(1)〜(4)で示しているのは、図11に示す時刻(1)〜(4)における情報記憶媒体65上の光スポットの位置である。図10に示す時刻(1)の位置では、マークピット66の情報記憶媒体65の径方向の位置と光スポットの位置が一致しているので、反射するまたは透過する光信号強度が最大となる。図10に示す時刻(2)の位置では、光スポットが最もマークピット66の中心軸から離れるので、光信号強度が最小となる。図10に示す時刻(3)の位置では、時刻(1)の位置と同様に光信号強度が最大となる。図10に示す時刻(4)の位置では、時刻(2)の位置と同様に光信号強度が最小となる。以上から時間変化に対する光信号強度および情報記憶媒体65のデータ列の並ぶ方向と直交する方向の位置の変化は図11に示すとおりである。
【0160】
次に、図12に示すように、光スポットの振動の中心がマークピット66の列の中心からずれている(トラッキングがずれている)場合について考える。図12に示す時刻(1)の位置では、光スポットがマークピット66の反射率が変わる境にかかっているので、反射するまたは透過する信号光強度は最大値の半分程度になる。時刻(2)の位置では光スポットがすべて反射率または透過率の小さいところに照射するので、最も光信号強度が小さくなる。時刻(3)の位置では、時刻(1)の場合と同様に信号光強度は最大値の半分程度になる。時刻(4)の位置では、光スポットが反射率または透過率の大きいところを照射するので、光信号強度が最大値になる。以上から、時間変化に対する光信号強度および情報記憶媒体65の径方向の位置の変化は図13に示すとおりである。この場合に、光スポットが、光信号強度が小さくなる領域に当たっている時間が長くなるので、その平均値(バイアス)が小さくなる。
【0161】
プローブ64が情報記憶媒体65のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に振動する周波数は、読出し時のマークピット66の変調周波数よりも非常に小さい。図14は、マークピット66を読み出すための反射型の光学系と回路を示すものである。すなわち、レーザダイオード67から出射された光は、レンズ68、PBS69、λ/4板70、レンズ71を介してプローブ64に入射し、プローブ64の先端から出射して情報記憶媒体65に照射される。その反射光は、プローブ64、レンズ71、λ/4板70、PBS69、レンズ72を介して、フォトダイオード73に集光する。そして、フォトダイオード73で光電変換されて、その信号はプリアンプ74で増幅される。プリアンプ74が出力した信号は、ローパスフィルタ75とハイパスフィルタ76に入力する。信号取出装置であるローパスフィルタ75は、高周波数帯域の成分を除去する。この高周波成分が除去された信号の平均値(バイアス値)はトラッキングエラー信号として出力される。また、ハイパスフィルタ76は、低周波数帯域の成分を除去してマークピット66の読出し信号を取り出す。なお、図15に示すように、マークピット66を読み出すための光学系と回路を透過型のものとしてもよい。図15において、図14と同一符号の部材は、図14の例と共通の部材である。
【0162】
前記した理由により、図12、図13に示す場合のほうが、図10、図11に示す場合より光信号強度が小さくなる。そこで、図16に示すように、図14に示す回路例に光信号強度の最小値を検出する回路(ボトムホールド回路)77を付け加えることにより、トラッキングエラー信号を得ることができる。この場合も、図15に示すような透過型としてもよい。
【0163】
以上では、マークピット66自身の反射率または透過率の違いにより、トラッキングエラー信号を得る手段について説明したが、これに限定するものではなく、例えば、図17に示すように、情報記憶媒体65上にランド78とグルーブ79を形成し、このランド78とグルーブ79の反射率または透過率の違いにより、図14〜図16を参照して前記したと同様の手法によりトラッキングエラー信号を得ることができる。このトラッキングエラー信号により、プローブ64のトラッキングを行う図示しないアクチュエータと、プローブ64と情報記憶媒体65との距離を調節する図示しないアクチュエータを制御することができる。
【0164】
次に、前記したプローブ64から出射し情報記憶媒体65を照射する光を、情報記憶媒体65の径方向に周期的に移動(振動)する手段について説明する。
【0165】
まず、図18に示すように、プローブ64は、基端部は固定され、尾端部は自由となっている片持ち梁構造をなしている。尾端部はエッチングなどによって先鋭に形成されている。そして、この尾端部の小さな開口からのみ光が放射するように、金属膜80がプローブ64周辺に被覆されている。なお、この開口は、例えば光ファイバの中を伝播する光の波長以下の開口径になっており、この開口からいわゆる近接場光(エバネッセント光)を発する。しかし、この開口は光の波長より大きくて、エバネッセント光は発しないものとしてもよい。このような光により、情報記憶媒体65への書き込み、読出しを行う。前記金属膜80は接地されている。そして、情報記憶媒体65の径方向に、プローブ64を挟むように移動装置である2つの固定電極81,81が設けられている。そして、この固定電極81、81と金属膜80の間に、それぞれ別の電圧を印加する。これにより、固定電極81,81とプローブ64との間に静電引力が働き、プローブ64の先端部は振動して、プローブ64から出射する光も振動する。
【0166】
別の手段として、図19に示すように、プローブ64の基端部に、情報記憶媒体65のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に、プローブ64の基端部を挟むように2つの圧電素子82,82を配置し、図18に示した金属膜80と同様の金属膜83と、固定電極84,84を用いて、移動装置である2つの圧電素子82,82の各々に別々の交流電圧を印加することにより、圧電効果によりプローブ64を振動させるようにすることもできる。
【0167】
さらに別の手段として、図20に示すように、金属膜80,83に代えて磁性膜85をプローブ64に形成し、情報記憶媒体65の径方向に、プローブ64の尾端部を挟むように移動装置である2つのコイル86,86を配置する。そして、2つのコイル86,86の各々に別々の交流電圧を印加することにより、磁力によりプローブ64を振動させるようにすることもできる。
【0168】
前記の各手段は、プローブ64のみを振動させるものであったが、図21に示すように、サスペンション62とスライダ63との間に移動装置である所定のアクチュエータ87を設けて、スライダ63全体を振動させるようにしてもよい。
【0169】
図22〜図24には、アクチュエータ87の具体例を示す。すなわち、図22に示す例は、圧電素子88と、この圧電素子88の動きを拡大する拡大機構89からなるもので、圧電効果を用いた例である。図23に示す例は、コイル90、磁気コア91、ムービングマグネット92からなるもので、磁力を用いた例である。図24に示す例は、電極93と拡大機構94からなるもので、静電引力を用いた例である。
【0170】
以上説明した情報記録再生装置によれば、プローブ64から出射し情報記憶媒体65を照射する光を、情報記憶媒体65のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動(振動)する手段以外にトラッキングエラー信号を得る専用の手段を設ける必要が無く、情報記憶媒体65上にも記録密度を低下するランドやマークを必要とせず、プローブ64自身にも特別な工夫を必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得ることができる。
【0171】
また、プローブ64の先端部は、情報記憶媒体65の表面と離れていると振動するが、接触すると先端部が情報記憶媒体65に拘束されて振動しなくなる。図10〜図13を参照して前記したように、光信号強度の時間的な変動はプローブ64の振動により発生するわけであるから、プローブ64の先端と情報記憶媒体65とが接触して振動しなくなると、光信号強度の時間的な変化(交流的振動)もなくなる。そこで、これを用いてプローブ64の先端と情報記憶媒体65との接触、非接触(すなわち、プローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離に関する信号)を検出することができる。
【0172】
具体的には、図14のローパスフィルタ75の時定数をプローブ64の振動による光信号変化だけを捉えられるように設定し、その出力の振幅を測定すればよい。この振幅が小さくまたは0になれば、プローブ64の先端と情報記憶媒体65とが接触していることがわかる。この信号により、プローブ64のトラッキングを調節する図示しないアクチュエータとプローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離を調節する図示しないアクチュエータを制御する。
【0173】
このように、この情報記録再生装置によれば、プローブ64から出射し情報記憶媒体65を照射する光を、情報記憶媒体65のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動(振動)する手段を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体65の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ64の先端と情報記憶媒体65表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブ64への工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体65上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でプローブ64の先端と情報記憶媒体65表面との間の距離を知ることができる。
【0174】
[発明の実施の形態2]
図25は、この発明の実施の形態2である情報記録再生装置のマークピット66を読み出すための光学系と回路のブロック図である。この図25において、図14と同一符号の部材は、発明の実施の形態1と共通であり、詳細な説明は省略する。
【0175】
図25に示すように、移動装置であるバイブレータ101は、プローブ64を加振するもので、図18〜図20を参照して前記したいずれのものであってもよい。3つのサンプルホールド回路102,103,104には、ローパスフィルタ75の出力が入力される。バイブレータ101を駆動する交流電源105からサンプルホールド回路102,103,104には、ローパスフィルタ75の出力の瞬時値をサンプリングするタイミングを決めるサンプリングタイミング信号が入力する。信号取出装置である差動増幅器106はサンプルホールド回路102と103の差信号を距離検出信号として出力し、信号取出装置である差動増幅器107はサンプルホールド回路102と104の差信号をトラッキングエラー信号として出力する。サンプルホールド回路102,103,104は、各々、図11、図13の時刻(2),(3),(4)における光信号強度をサンプルホールドする。
【0176】
トラッキングがあっているときは、光信号強度の時刻(2)と時刻(4)の出力は等しい。したがって、トラッキングエラー信号の出力は0である。トラッキングが図12、図13を参照して前記したようにずれた場合、時刻(2)の光信号強度は時刻(4)の光信号強度より小さいので、トラッキングエラー信号は負になる。また、トラッキングが図12、図13を参照して前記した場合の反対にずれたとき、時刻(2)の光信号強度は時刻(4)の光信号強度より大きいので、トラッキングエラー信号は正になる。以上により、トラッキングがずれていることと、どちら側にずれているかを知ることができる。
【0177】
一方、光信号強度の時刻(2)と時刻(3)の差である距離検出信号は、プローブ64の振動振幅を示しているので、前記したように、プローブ64の先端と情報記憶媒体65の表面との距離に関する。
【0178】
これらの信号から、プローブ64のトラッキングを調節する図示しないアクチュエータと、プローブ64の先端と情報記憶媒体65の表面との距離を調節する図示しないアクチュエータを制御する。なお、前記の例では、トラッキングエラー信号と距離検出信号とを同時に測定する場合について説明したが、どちらか一方だけを検出するようにしてもよい。
【0179】
このようにして、プローブ64から出射し情報記憶媒体65を照射する光を、情報記憶媒体65のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動(振動)するバイブレータ101を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体65の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ64の先端と情報記憶媒体65表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブ64への工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体65上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ64の先端と情報記憶媒体65表面との間の距離を知ることができる。
【0180】
[発明の実施の形態3]
図26は、この発明の実施の形態3である情報記録再生装置のマークピット66を読み出すための光学系と回路のブロック図である。この図26において、図25と同一符号の部材は、発明の実施の形態2と共通であり、詳細な説明は省略する。
【0181】
図26に示すように、ローパスフィルタ75の出力信号はピークホールド回路108、ボトムホールド回路109に入力され、ローパスフィルタ75の出力信号の最大値、最小値が検出される。そして、差動増幅器110はピークホールド回路108が出力する最大値と、ボトムホールド回路109が出力する最小値の差を取り、その差信号を信号取出装置である判別回路111に出力する。
【0182】
図10〜図13を参照して前記したように、トラッキングがずれると、光信号強度の最大値と最小値の差、すなわち、差動増幅器110の出力する差信号が大きくなる。また、プローブ64の先端と情報記憶媒体65との間の距離が小さくなり、プローブ64の振幅が小さくなると、光信号強度の最大値と最小値の差、すなわち、差動増幅器110の出力する差信号が小さくなる。
【0183】
そこで、このような特性から、判別回路111はトラッキングエラー信号と、距離検出信号を出力する。そして、これらの信号から、プローブ64のトラッキングを調節する図示しないアクチュエータと、プローブ64の先端と情報記憶媒体65の表面との距離を調節する図示しないアクチュエータを制御する。
【0184】
このようにして、プローブ64から出射し情報記憶媒体65を照射する光を、情報記憶媒体65のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動(振動)するバイブレータ101を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体65の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ64の先端と情報記憶媒体65表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブ64への工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体65上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ64の先端と情報記憶媒体65表面との間の距離を知ることができる。
【0185】
[発明の実施の形態4]
図27は、この発明の実施の形態4である情報記録再生装置のマークピット66を読み出すための光学系と回路のブロック図である。この図27において、図25と同一符号の部材は、発明の実施の形態2と共通であり、詳細な説明は省略する。
【0186】
図27に示すように、信号取出装置である同期検波増幅回路112,113には、ローパスフィルタ75の出力信号が入力される。この同期検波増幅回路112,113は、参照信号と同じ周波数の信号のみを参照信号の位相に同期して検波し、その実効値を直流電圧として出力する。そして、同期検波増幅回路113には、プローブ64が出射する光がアクチュエータ116の作用により振動するときの周波数、すなわち交流電源105の周波数ωが参照信号として入力される。同期検波増幅回路112には、図示しない回路により周波数ωから周波数2ωを作り出し、この周波数2ωの信号が参照信号として入力される。
【0187】
以上のような構成において、図11に明らかなように、トラッキングがあっているときは、光信号強度に周波数ωの成分はない。したがって、同期検波増幅回路113の出力は0である。トラッキングが図12に示す方向にずれると、図13に示すように、周波数ωの成分が現われる。したがって、同期検波増幅回路113に電圧出力が現われる。このときの電圧出力を正とすると、トラッキングが図12に示す方向と反対の方向にずれたときは、同期検波増幅回路113に負の電圧出力が現われる。このようにして、トラッキングがずれていることと、どちら側にずれているかを知ることができるので、同期検波増幅回路113の出力信号はトラッキングエラー信号となる。そして、この信号によりプローブ64のトラッキングを調節する図示しないアクチュエータを制御することができる。
【0188】
プローブ64の先端と情報記憶媒体65との間の距離が小さくまたは大きくなると、図11に示すように光信号強度の振幅が小さくまたは大きくなる。図11に示す光信号強度の周波数はプローブ64の振動周波数の二倍、すなわち2ωである。したがって、同期検波増幅回路112の出力からプローブ64の先端と情報記憶媒体65との間の距離に関する情報を得ることができる。しかし、同期検波増幅回路113は2ωの周波数成分入力には不感であるから、距離の変化に伴う2ω成分の振幅変動に対しては不感である。したがって、同期検波増幅回路113はプローブ64の先端と情報記憶媒体65表面との間の距離変動に対して独立にトラッキングエラー信号を得ることができる。同様に、同期検波増幅回路112は、ωの周波数成分の入力には不感であるから、トラッキングのずれに伴うω成分の振幅変動に対しては不感である。したがって、同期検波増幅回路112は、トラッキングのずれに対して独立にプローブ64の先端と情報記憶媒体65との間の距離を示す距離検出信号を得ることができる。
【0189】
このようにして、プローブ64から出射し情報記憶媒体65を照射する光を、情報記憶媒体65のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動(振動)するバイブレータ101を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体65の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ64の先端と情報記憶媒体65表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブ64への工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体65上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ64の先端と情報記憶媒体65表面との間の距離を知ることができる。
【0190】
また、この発明の実施の形態4の変形例として、プローブ64、すなわち、プローブ64が照射する光を振動させる周波数ωを、図18〜図20に例示するような片持ち梁の共振周波数ωoとしてもよい。
【0191】
すなわち、プローブ64の先端と情報記憶媒体65の表面との間が近づき、両者間に原始間力や静電気などのキャピラリー力が働くと、片持ち梁の共振周波数がずれてくる。しかしながら、バイブレータ101は、元々の共振周波数で強制振動しているから振幅が小さくなる。この手段により、共振周波数を用いない場合に比べてはるかにキャピラリー力に対する感度が高くなり、よって、プローブ64の先端と情報記憶媒体65の表面との間の距離測定を高感度に行うことができる。
【0192】
[発明の実施の形態5]
図18〜図20、図22〜図24を参照して前記したプローブ64を情報記憶媒体65の径方向に振動させる手段は、トラッキングのためにプローブ64から出射するスポット光と同じ方向に振動している。したがって、プローブ64を振動させることとトラッキングとをひとつのアクチュエータで行うことができる。
【0193】
図28は、この発明の実施の形態5である情報記録再生装置のマークピット66を読み出すための光学系と回路のブロック図である。この図28において、図25と同一符号の部材は、発明の実施の形態2と共通であり、詳細な説明は省略する。
【0194】
図28において、帰還回路114は、トッラッキンクエラー信号に基づいてトラッキング制御信号を出力し、交流電源105と直列に接続した可変直流電源115の出力電圧、すなわちトラッキングを調節する電圧を制御する。
【0195】
その結果、アクチュエータ116には、プローブ64を振動させる電圧である交流電源105の出力と、プローブ64をトラッキングする電圧である可変直流電源115の出力とが重畳された電圧が印加される。これにより、プローブ64を振動させる装置をトラッキングする装置と同一のアクチュエータ116としたので、これらの装置を簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0196】
[発明の実施の形態6]
図29は、この発明の実施の形態6である情報記録再生装置のマークピット66を読み出すための光学系と回路のブロック図である。この図29において、図28と同一符号の部材は、発明の実施の形態5と共通であり、詳細な説明は省略する。
【0197】
この発明の実施の形態6の例では、プローブ64を振動させることとトラッキングを行うことに加え、プローブ64の先端と情報記憶媒体65との間の距離の制御(これをここではフォーカシングと呼ぶ)も移動装置であるひとつのアクチュエータ116で行うことができるようにしたものである。
【0198】
すなわち、図29において、帰還回路117は、距離検出信号に基づいてフォーカシング制御信号を出力し、可変直流電源118の出力電圧、すなわちフォーカシングを調節する電圧を制御する。そして、この電圧をアクチュエータ116に入力することにより、アクチュエータ116を駆動してフォーカシングを行うことができる。
【0199】
よって、プローブ64を振動させる装置、トラッキングする装置およびフォーカシングを行う装置を同一のアクチュエータ116としたので、これらの装置を簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0200】
以下では、アクチュエータ116の詳細について説明する。図30は、アクチュエータ116を備えた情報記録再生装置のヘッド部分の縦断面図である。
【0201】
すなわち、スライダ63に縦孔を空け、円筒型振動子121をこの孔に挿通して、円筒型振動子121の上部を孔に接着固定する。また、円筒型振動子121の内部にプローブ64を挿通して、円筒型振動子121の下部で接着固定されている。以上により、アクチュエータ116が構成されている。
【0202】
図31は、円筒型振動子121の斜視図である。この円筒型振動子121は、電極3分割タイプの円筒型圧電振動子であり、円筒の内周面全面には電極膜を形成し、電気的にアースしている。そして、円筒の外周面には周方向に3分割した電極122,123,124を形成し、各々に駆動回路A,B,Cを接続している。振動子の分極は厚さ方向の軸心に向かう方向とする。
【0203】
次に、動作について説明する。3つの駆動回路A,B,Cにより電極122,123,124に等しい負の電圧を印加すると、円筒型振動子121は、軸方向に伸びる。ここで、駆動回路A,B,Cからの出力電圧を制御すれば、フォーカシングが行える。また、駆動回路A,Bに負の、駆動回路Cに正の電圧を印加すると、円筒型振動子121は電極124の方向に曲がる。また、この電圧を逆転すれば電極124とは逆の方向に曲がる。ここで、駆動回路A,B,Cからの出力電圧を制御すればプローブ64の振動とトラッキングが行える。
【0204】
図32は、円筒型振動子121の他の例を示すものである。この円筒型振動子121が、図31のものと異なる点は、円筒の外周面には周方向に4分割した電極122,123,124,125を形成し、各々に駆動回路A,B,C,Dを接続している点にある。
【0205】
動作について説明すると、電極122と電極124が対向しており、これに駆動回路A,Cで等しい電圧を印加することにより円筒型振動子121は伸び縮みし、フォーカシングが行える。また、電極122と電極124に直交し、互いに対向する電極123と電極125に互いに逆特性の電圧を印加すると、正の電圧側の電極方向に円筒型振動子121が曲がるので、プローブ64の振動とトラッキングが行える。このように、図32に示す円筒型振動子121では、フォーカシングと、プローブ64の振動およびトラッキングが独立に制御可能となる。
【0206】
図33は、円筒型振動子121の他の例を示すものである。この円筒型振動子121が、図32のものと異なる点は、円筒の外周面の周方向に分割された第5の電極126を設け、この電極126に発生する電圧を検出する位置検出回路Eを接続した点にある。すなわち、圧電効果により、円筒型振動子121の変位量に応じた電圧が電極126に生じるので、これを位置検出回路Eで検出することにより、円筒型振動子121の変位量を知ることができる。そこで、位置検出回路Eの検出信号を駆動回路A〜Dにフィードバックすることにより、フォーカス位置やトラッキング位置を所望に制御することができる。
【0207】
図34の例は、円筒型振動子121に代えて、4角筒の金属筒127の周囲の4面に平板状の電極128〜131を張りつけたものである。
【0208】
動作について説明すると、電極128と電極130が対向しており、これに等しい電圧を印加することにより金属筒127は伸び縮みし、フォーカシングが行える。また、電極128と電極130に直交し、互いに対向する電極129と電極131に互いに逆特性の電圧を印加すると、正の電圧側の電極方向に金属筒127が曲がるので、プローブ64の振動とトラッキングが行える。
【0209】
図34に示す構成とすれば、図31〜図33に示す円筒型振動子121に比べ、プローブ64の接着が容易となり、耐衝撃性も高めることができる。
【0210】
[発明の実施の形態7]
図37は、この発明の実施の形態7である情報記録再生装置のヘッド部分の縦断面図である。この情報記録再生装置においては、その先端からトンネル電流を情報記憶媒体65に流す先鋭化した導電性のプローブ64を用いる。先端が非常に鋭利に、例えば、その曲率半径が100nm以下の導電性のプローブ64は、図37に示すように、その上端根元側はスライダ63に固定され、情報記憶媒体65に対向する先端側は自由になっている、いわゆる片持ち梁構造とされている。先端はエッチングや電解研磨法などにより細く先端曲率半径は数十nm以下に先鋭化されている。このプローブ64と情報記憶媒体65の間に所定のバイアス電圧を印加し、プローブ64の先端と媒体表面の間の距離が10nm以下になると、両者間にトンネル電流が流れる。
【0211】
情報記憶媒体65としては、例えば、記録層は抵抗が低い材料で構成され、その下地に導電性の薄膜または基板が形成されている構成が考えられる。記録層としては相変化材料が挙げられる。例えば、GeTbSb薄膜あるいはAgInSbTe薄膜が考えられる。これらの膜をスパッタなどで成膜した場合、その膜はアモルファス相になる。この膜に、先に述べた手段でトンネル電流を流す。このようにすると電流の流れたところでジュール熱が発生し、その部分が多結晶化する。このようにしてアモルファス相のフィールドに多結晶相のマークを書くことができる。このマークの有無により情報を書き込むことができる。これらの膜が多結晶相の場合の比抵抗とアモルファス相の場合の比抵抗が異なる。したがって、プローブ64の先端と情報記憶媒体65の記録層の表面との距離が一定であっても、抵抗値が異なるので、多結晶層の上にプローブ64の先端がある場合のトンネル電流の方がアモルファス層のそれよりも大きくなる。この電流値はバイアス電圧Vbと導電性プローブ64の間に設けた電流計により測定することができる。これにより書き込んだマークを読み取ることができる。なお、情報記憶媒体65の情報を読み取る時の電流は、情報を書き込む時の電流よりも少なくした方がよい。
【0212】
別な手段としては、スパッタ成膜後の記録層を一回別な方法で全面多結晶化し、先と同じ方法で多結晶のフィールドにアモルファス相のマークを書き込み、読み取ることもできる。
【0213】
プローブ64と情報記憶媒体65の導電層および接地との間には、バイアス電圧Vbを印加するバイアス電圧印加手段としての電源が接続されている。このバイアス電圧Vbは正負何れであってもよい。また、情報記憶媒体65の記録層の材料としては、キノン環とヒドロキノン環を両端に有する有機分子であってもよい(1994年第55回応用物理学界学術講演会における予稿集20p-Q-9参照)。
【0214】
図37は、この発明の実施の形態7である、情報記憶媒体65にトンネル電流を流して情報の記録、再生を行う、この情報記録再生装置のヘッド部分の縦断面図である。このヘッドは、アーム61の先端部にサスペンションを介してスライダ63が取り付けられている。そして、その先端からトンネル電流を流出する導電性のプローブ64をスライダ63に載せている。スライダ63は、情報記憶媒体65と接触しないフライングスライダでもよいし、接触するコンタクトスライダでもよい。スライダ63により、情報記憶媒体65が回転中は、情報記憶媒体65とプローブ64の距離は安定して約10nmを保つ。
【0215】
図38に示すように、情報記憶媒体65が円盤状の場合は、情報記憶媒体65の表面または表面近傍には、情報記憶媒体65の円周方向にマークピット66が並んでいて、情報が書き込まれている。情報記憶媒体65は回転するが、これを回転させるモータの軸ずれや、情報記憶媒体65自身の軸ずれにより、マークピット66の列は蛇行する。したがって、マークピット66の中心にプローブ64の先端がくるようにプローブ64が動かされないと、正しい情報の書き込みまたは読出しが行えない。
【0216】
情報記憶媒体65が、板状の、例えばカードメモリの場合は、図35に示すようにマークピット66は直線状に並んでいて、情報が書き込まれている情報記憶媒体65はデータ列方向に直進するので、マークピット66の中心にプローブ64の先端がくるようにプローブ64が動かされないと、正しい情報の書き込みまたは続出しか行えない。
【0217】
次に、図37に示すヘッド部分の動作について説明する。まず、プローブ64の先端は図示しない後述する所定の加振手段により情報記憶媒体65のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に振動している。したがって、このプローブ64から流出するトンネル電流が情報記憶媒体65に流れ込む位置は、円盤型の情報記憶媒体65のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動(振動)する。この振動周波数はプローブ64の片持ち梁の共振周波数よりも小さい方が望ましい。図39にその様子を示す。図39において、情報記憶媒体65上にはすでにマークピット66が記録されている。このマークピット66の比抵抗は情報記憶媒体65上の他の部分より高くまたは低くなっている。このマークピット66が書き込まれる様子は先に説明した。これからの説明を簡単にするためにマークピット66の部分は情報記憶媒体65上の他の部分よりも比抵抗が低いということにして説明を行うが、この逆、すなわちマークピット66部分の抵抗値が高い場合でも同様の効果が得られる。
【0218】
図39中に符号(1)〜(4)で示しているのは、図40に示す時刻(1)〜(4)における情報記憶媒体65上のトンネル電流が流れ込む位置である。図39に示す時刻(1)の位置では、マークピット66の、情報記憶媒体65の径方向の位置とトンネル電流が流れ込む位置が一致しているので、流れ込むトンネル電流が最大となる。図39に示す時刻(2)の位置では、トンネル電流が流れ込む位置が最もマークピット66の中心軸から離れるので、トンネル電流が最小となる。図39に示す時刻(3)の位層では、時刻(1)の位置と同様にトンネル電流が最大となる。図39に示す時刻(4)の位置では、時刻(2)の位置と同様にトンネル電流が最小となる。以上から時間変化に対するトンネル電流信号強度および情報記憶媒体65のデータ列の並ぶ方向と直交する方向の位置の変化は図40に示すようになる。
【0219】
次に、図41に示すように、トンネル電流が流れ込む位置の振動の中心がマークピット66の列の中心からずれている(トラッキングがずれている)場合について考える。図41に示す時刻(1)の位置では、トンネル電流が流れ込む位置がマークピット66の比抵抗が変わる境にかかっているので、トンネル電流信号強度は最大値の半分程度になる。時刻(2)の位置ではトンネル電流がすべて比抵抗の高いところに流れ込むので、最もトンネル電流が小さくなる。時刻(3)の位置では、時刻(1)の場合と同様に信号強度は最大値の半分程度になる。時刻(4)の位置では、トンネル電流が比抵抗の低いところに流れ込むので、トンネル電流信号強度が最大値になる。以上から、時間変化に対するトンネル電流信号強度および情報記憶媒体65の径方向の位置の変化は、図42に示すようになる。この場合に、トンネル電流が、比抵抗が高い領域に当たっている時間が長くなるので、その平均値(バイアス)が小さくなる。
【0220】
プローブ64が情報記憶媒体65のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に振動する周波数は、情報の読出し時におけるマークピット66の変調周波数よりも非常に小さい。図43は、この発明の実施の形態7である情報記録再生装置のマークピット66を読み出すための回路を示すものである。すなわち、電流電圧変換器201と、電流電圧変換器201の非反転入力端子に接続されている電圧源Vbとにより、プローブ64の先端にはバイアス電圧Vbが印加される。また、情報記憶媒体65は接地されている。先に述べたように、プローブ64の先端が情報記憶媒体65に10nm程度に近づくと、プローブ64の先端から情報記憶媒体65にトンネル電流iが流れ込む。電流電圧変換器201はこの電流値を電圧出力に変換する。電流電圧変換器201の出力側に接続された差動増幅器202の出力Voは、電流電圧変換器201の帰還抵抗の抵抗値をRとすると、
Vo=it×R
となる。
【0221】
差動増幅器202の出力信号Voは、ローパスフィルタ203とハイパスフィルタ204に入力される。信号取出装置であるローパスフィルタ203は、高周波数帯域の成分を除去する。この高周波成分が除去された信号の平均値(バイアス値)はトラッキングエラー信号として出力される。また、ハイパスフィルタ204は、低周波教帯域の成分を除去してマークピット66の読出し信号を取り出す。
【0222】
なお、図44に示すように、プローブ64と情報記憶媒体65間に電位差を与える電源Vbを情報記憶媒体65側に、トンネル電流を検出する回路をプローブ64側に接続するようにしてもよい。また、これとは逆に図45に示すように、プローブ64と情報記憶媒体65間に電位差を与える電源Vbをプローブ64側に、トンネル電流を検出する回路を情報記憶媒体65側に接続するようにしてもよい。図44、図45に示す回路例の場合は、差動増幅器202を省くことができる。図44、図45において、図43と同一符号の回路要素などは、図43の例と共通のものである。
【0223】
前記した理由により、図41、図42に示す場合の方が、図39、図40に示す場合よりトンネル電流信号強度が小さくなる。そこで、図46に示すように、図43に示す回路例にトンネル電流信号強度の最小値を検出する回路(ボトムホールド回路205)を付け加えることにより、トラッキングエラー信号を得ることができる。この場合も、図44、45に示す回路例と同様に電源電圧Vbと電流検出回路となる電流電圧変換器201とを分離した構成にしてもよい。
【0224】
以上の例では、マークピット66自身の比抵抗の違いにより、トラッキングエラー信号を得る手段について説明したが、これに限定するものではなく、例えば、図47に示すように、情報記憶媒体65上に比抵抗が大きい(または小さい)部分206と比抵抗が小さい(または大きい)部分207をストライプ状に形成し、このストライプに流れるトンネル電流の違いにより、図43〜図46を参照して前記したと同様の手法により、トラッキングエラー信号を得ることができる。 このトラッキングエラー信号により、プローブ64のトラッキングを行う図示しないアクチュエータと、プローブ64と情報記憶媒体65との距離を調節する図示しないアクチュエータを制御することができる。
【0225】
次に、前記したプローブ64から流出して情報記憶媒体65に流れ込むトンネル電流を、情報記憶媒体65の径方向に周期的に移動(振動)する手段について説明する。
【0226】
まず、図48に示すように、プローブ64は、その基端部をスライダ63に介装されているコモン電極208に固定され、先端部は自由となっている片持ち梁構造をなしている。プローブ64の先端部はエッチングなどによって先鋭に形成されている。そして、この先端部は100nm以下の曲率半径になっていて、情報記憶媒体65との間に電圧が印加され、かつ、両者間の距離が10nm以下になると,先端から情報記憶媒体65にトンネル電流が流れる。このトンネル電流により先に述べたようにマークピット66の書き込み、読み出し、消去を行う。プローブ64は電流計209とバイアス電圧Vbtを供給する電源Vbtに接続されている。
【0227】
そして、情報記憶媒体65の径方向に、移動装置である2つの固定電極210,210が、プローブ64を挟むように、絶縁膜211,211を介装してスライダ63に設けられている。そして、この固定電極210,210とグラウンドとの間に、それぞれ別の交流電源212,212が介装されている。バイアス電圧Vbtは直流電圧なので、この交流電源212,212の交流電圧の周波数に対応した周波数の静電引力がプローブ64と固定電極210,210との間に働く。これにより、プローブ64の先端部は振動して、プローブ64から情報記憶媒体65に流れ込むトンネル電流の位置も変わる。電流計209と電源Vbtの接続は、図48に示したもの以外に、例えば図49に示すように、情報記憶媒体65側に接続してもよい。また、図50に示すように、電流計209のみを情報記憶媒体65側に、バイアス電圧をプローブ64側に接続してもよい。また、図51に示すように、電源Vbtのみを情報記憶媒体65側に、電流計209をプローブ64側に接続してもよい。
【0228】
別の手段として、図52に示すように、プローブ64の基端部に、情報記憶媒体65のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に、プローブ64の基端部を挟むように2つの圧電素子213,213を配置する。各圧電素子213,213のプローブ64側の電極215,215とプローブ64との間には絶縁膜214,214を設けて、両者間を絶縁する。各圧電素子213,213のプローブ64側の電極215,215を接続してコモン電極とする。このコモン電極215,215と、各圧電素子213,213の、スライダ63側の各々の電極216,216間に(つまり移動装置である2つの圧電素子213,213に)各々に交流電源217,217で別々の交流電圧を印加することにより、圧電効果によりプローブ64を振動させるようにすることもできる。
【0229】
さらに別の手段として、図53に示すような手段も可能である。ここでは、プローブ64をコバルト(Co)やニッケル(Ni)などの磁性材料で作製するか、あるいは別な材料で作製されたプローブ64にこれらの磁性材料をコートしたものとする。いずれにしろ、磁界がかかれば磁力が発生すようにする。さらに、情報記憶媒体65の径方向に、プローブ64の先端部を挟むように移動装置である2つのコイル218,218を配置する。そして、2つのコイル218,218の各々に別々の交流電圧を印加することにより、磁力によりプローブ64を振動させるようにすることもできる。
【0230】
前記の各手段は、プローブ64のみを振動させるものであったが、すでに図21〜図24を参照して説明した例のように、サスペンションとスライダとの間に移動装置である所定のアクチュエータを設けて、スライダ全体を振動させるようにしてもよい。アクチュエータとしては図22〜図24に示したように、圧電素子と、この圧電素子の動きを拡大する拡大機構からなるもの、磁気コイル、磁気コアおよびムービングマグネットからなる、静電引力を用いたものなどが適用できる。
【0231】
以上説明した情報記録再生装置によれば、プローブ64から流れ出て情報記憶媒体65に流れ込むトンネル電流を、情報記憶媒体65のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動(振動)する手段以外に、トラッキングエラー信号を得る専用の手段を設ける必要がなく、情報記憶媒体65上にも記録密度を低下するランドやマークを形成する必要がなく、プローブ64自身にも特別な手段を必要とすることなく、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得ることができる。
【0232】
また、プローブ64の先端部は、情報記憶媒体65の表面と離れていると振動するが、接触するとプローブ64の先端部が情報記憶媒体65に拘束されて振動しなくなる。図39〜図42を参照して前記したように、トンネル電流信号強度の時間的な変動は、プローブ64の振動により発生するわけであるから、プローブ64の先端と情報記憶媒体65とが接触して振動しなくなると、トンネル電流信号強度の時間的な変化(交流的振動)もなくなる。そこで、これを用いてプローブ64の先端と情報記憶媒体65との接触、非接触(すなわち、プローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離に関する信号)を検出することができる。
【0233】
具体的には、図43に示す回路のローパスフィルタ203の時定数をプローブ64の振動によるトンネル電流信号変化だけを捉えられるように設定し、その出力の振幅を測定すればよい。この振幅が小さくまたは0になれば、プローブ64の先端と情報記憶媒体65とが接触していることがわかる。この信号により、プローブ64のトラッキングを調節する図示しないアクチュエータとプローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離を調節する図示しないアクチュエータを制御する。
【0234】
このように、この情報記録再生装置によれば、プローブ64から流れ出したトンネル電流が情報記憶媒体65に流れ込む位置を、情報記憶媒体65のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動(振動)する手段を用いるだけで、その他に、情報記憶媒体65の構成、材料に制限を加えることなくプローブ64の先端と情報記憶媒体65表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブ64への工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体65上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要とすることなく、簡易な手段でプローブ64の先端と情報記憶媒体65表面との間の距離を知ることができる。
【0235】
[発明の実施の形態8]
図54は、この発明の実施の形態8である情報記録再生装置のマークピット66を読み出すための回路のブロック図である。この図54において、図43と同一符号の回路要素などは、発明の実施の形態7と共通であり、詳細な説明は省略する。
【0236】
図54に示すように、移動装置であるバイブレータ219は、プローブ64を加振するもので、図48〜図53および図22〜図24を参照して前記した何れの手段を用いて実現してもよい。3つのサンプルホールド回路220,221,222には、ローパスフィルタ203の出力が入力される。バイブレータ219を駆動する交流電源223からサンプルホールド回路220,221,222には、ローパスフィルタ203の出力の瞬時値をサンプリングするタイミングを決めるサンプリングタイミング信号が入力する。信号取出装置である差動増幅器224はサンプルホールド回路20と221の差信号を距離検出信号として出力し、信号取出装置である差動増幅器225はサンプルホールド回路220と222の差信号をトラッキングエラー信号として出力する。サンプルホールド回路220,221,222は、各々、図40、図42に示す時刻(3),(2),(4)におけるトンネル電流信号強度をサンプルホールドする。
【0237】
トラッキングがあっているときは、トンネル電流信号強度の時刻(2)と時刻(4)の出力は等しい。したがって、トラッキングエラー信号の出力は0である。トラッキングが図41、図42を参照して前記したようにずれた場合、時刻(2)のトンネル電流信号強度は時刻(4)のトンネル電流信号強度より小さいので、トラッキングエラー信号は負になる。また、トラッキングが図41、図42を参照して前記した場合の反対にずれた時、時刻(2)のトンネル電流信号強度は時刻(4)のトンネル電流信号強度より大きいので、トラッキングエラー信号は正になる。
【0238】
以上により、トラッキングがずれていることと、どちら側にずれているかを知ることができる。
【0239】
一方、トンネル電流信号強度の時刻(2)と時刻(3)の差である距離検出信号は、プローブ64の振動振幅を示しているので、前記したように、プローブ64の先端と情報記憶媒体65の表面との距離に関するものである。
【0240】
これらの信号から、プローブ64のトラッキングを調節する図示しないアクチュエータと、プローブ64の先端と情報記憶媒体65の表面との距離を調節する図示しないアクチュエータを制御する。 なお、前記の例では、トラッキングエラー信号と距離検出信号とを同時に測定する場合について説明したが、どちらか一方だけを検出するようにしてもよい。このようにして、プローブ64から流れ出したトンネル電流が情報記憶媒体65に流れ込む位置を、情報記憶媒体65のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動(振動)するバイブレータ219を用いるだけで、その他に、情報記憶媒体65の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ64の先端と情報記憶媒体65表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブ64への工夫が不要とし、特別な波長の光源や情報記憶媒体65上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得て、プローブ64の先端と情報記憶媒体65表面との間の距離を知ることができる。
【0241】
[発明の実施の形態9]
図55は、この発明の実施の形態9である情報記録再生装置のマークピット66を読み出すための回路のブロック図である。この図55において、図54と同一符号の回路要素などは、発明の実施の形態8と共通であり、詳細な説明は省略する。
【0242】
図55に示すように、ローパスフィルタ203の出力信号はピークホールド回路(P/H)226、ボトムホールド回路(B/H)227に入力され、ローパスフィルタ203の出力信号の最大値、最小値が検出される。そして、差動増幅器228はピークホールド回路226が出力する最大値と、ボトムホールド回路227が出力する最小値の差を取り、その差信号を信号取出装置である判別回路229に出力する。
【0243】
図39〜図42を参照して前記したように、トラッキングがずれると、光信号強度の最大値と最小値の差、すなわち、差動増幅器228の出力する差信号が大きくなる。また、プローブ64の先端と光情報記緑媒体65との間の距離が小さくなり、プローブ64の振幅が小さくなると、光信号強度の最大値と最小値の差、すなわち、差動増幅器228の出力する差信号が小さくなる。
【0244】
そこで、このような特性から、判別回路229はトラッキングエラー信号と、距離検出信号を出力する。そして、これらの信号から、プローブ64のトラッキングを調節する図示しないアクチュエータと、プローブ64の先端と情報記憶媒体65の表面との距離を調節する図示しないアクチュエータを制御する。
【0245】
このようにして、プローブ64から流れ出したトンネル電流が情報記憶媒体65に流れ込む位置を、情報記憶媒体65のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動(振動)するバイブレータを用いるだけで、その他に情報記憶媒体65の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ64の先端と情報記憶媒体65表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブ64への工夫を不要とし、特別な波長の光源や情報記憶媒体65上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要とせずに、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得て、プローブ64の先端と情報記憶媒体65表面との間の距離を知ることができる。
【0246】
[発明の実施の形態10]
図56は、この発明の実施の形態10である情報記録再生装置のマークピット66を読み出すための回路のブロック図である。この図56において、図54と同一符号の回路要素などは、発明の実施の形態8と共通であり、詳細な説明は省略する。
【0247】
図56に示すように、信号取出装置である同期検波増幅回路231,232には、ローパスフィルタ203の出力信号が入力される。この同期検波増幅回路231,232は、参照信号と同じ周波数の信号のみを参照信号の位相に同期して検波し、その実効値を直流電圧として出力するものである。そして、同期検波増幅回路232には、プローブ64から流れ出したトンネル電流が情報記憶媒体65に流れ込む位置がバイブレータの作用により振動する時の周波数、すなわち交流電源223の周波数ωが参照信号として入力される。同期検波増幅回路231には、図示しない回路により周波数ωから周波数2ωを作り出し、この周波数2ωの信号が参照信号として入力される。
【0248】
以上のような構成において、図40に明らかなように、トラッキングがあっているときは、光信号強度に周波数ωの成分はない。したがって、同期検波増幅回路232の出力は0である。トラッキングが図41に示す方向にずれると、図42に示すように、周波数ωの成分が現われる。したがって、同期検波増幅回路232に電圧出力が現われる。この時の電圧出力を正とすると、トラッキングが図41に示す方向と反対の方向にずれたときは、同期検波増幅回路232に負の電圧出力が現われる。このようにして、トラッキングがずれていることと、どちら側にずれているかを知ることができるので、同期検波増幅回路232の出力信号はトラッキングエラー信号となる。そして、この信号により、プローブ64のトラッキングを調節する図示しないアクチュエータを制御することができる。
【0249】
プローブ64の先端と情報記憶媒体65との間の距離が小さくまたは大きくなると、図40に示すように、トンネル電流の信号強度の振幅が小さくまたは大きくなる。図40に示す光信号強度の周波数はプローブ64の振動周波数の二倍、すなわち2ωである。したがって、同期検波増幅回路231の出力からプローブ64の先端と情報記憶媒体65との間の距離に関する情報を得ることができる。しかし、同期検波増幅回路232は2ωの周波数成分入力には不感であるから、距離の変化に伴う2ω成分の振幅変動に対しては不感である。したがって、同期検波増幅回路232はプローブ64の先端と情報記憶媒体65表面との間の距離変動に対して独立にトラッキングエラー信号を得ることができる。同様に、同期検波増幅回路231は、ωの周波数成分の入力には不感であるから、トラッキングのずれに伴うω分の振動変動に対しては不感である。したがって、同期検波増幅回路231は、トラッキングのずれに対して独立にプローブ64の先端と情報記憶媒体65との間の距離を示す距離検出信号を得ることができる。
【0250】
このようにして、プローブ64から流れ出したトンネル電流が情報記憶媒体65に流れ込む位置を、情報記憶媒体65のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動(振動)するバイブレータ219を用いるだけで、その他に、情報記憶媒体65の構成、材料などに制限を加えることなく、プローブ64の先端と情報記憶媒体65表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブ64への工夫を不要として、特別な波長の光源や情報記憶媒体65上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要とせずに、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得て、プローブ64の先端と情報記憶媒体65表面との間の距離を知ることができる。
【0251】
また、この発明の実施の形態10の変形例として、プローブ64から流れ出したトンネル電流が情報記憶媒体65に流れ込む位置を振動させる周波数ωを、図48〜図53に例示するような片持ち梁の共振周波数ωoとしてもよい。
【0252】
すなわち、プローブ64の先端と情報記憶媒体65の表面との間が近づき、両者間に原子間力や静電気などのキャピラリー力が働くと、片持ち梁の共振周波数がずれてくる。しかしながら、バイブレータ219は、元々の共振周波数で強制振動しているから振幅が小さくなる。この手段により、共振周波数を用いない場合に比べてはるかにキャピラリー力に対する感度が高くなり、よって、プローブ64の先端と情報記憶媒体65の表面との間の距離測定を高感度に行うことができる。
【0253】
[発明の実施の形態11]
図57は、この発明の実施の形態11である情報記録再生装置のマークピット66を読み出すための回路のブロック図である。この図57において、図54と同一符号の回路要素などは、発明の実施の形態8と共通であり、詳細な説明は省略する。
【0254】
図57において、帰還回路233は、トッラッキングエラー信号に基づいてトラッキング制御信号を出力し、交流電源223と直列に接続した可変直流電源234の出力電圧、すなわちトラッキングを調節する電圧を制御する。
【0255】
その結果、バイブレータを兼用するアクチュエータ237には、プローブ64を振動させる電圧である交流電源223の出力と、プローブ64をトラッキングする電圧である可変直流電源234の出力とが重量された電圧が印加される。これにより、プローブ64を振動させる装置をトラッキングする装置と同一のアクチュエータ237とすることができるので、図48〜図53および図22〜図24を参照して前記したプローブ64を情報記憶媒体65の径方向に振動させる手段と同様に、プローブ64を振動させることとトラッキングとをひとつのアクチュエータ237で行うことができる。そして、これらの装置を簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0256】
この構成を特に詳しく示すと、図58のようになる。図58の回路で図49と同一符号の回路要素などは、前記した発明の実施の形態7と同様であるため、詳細な説明は省略する。図58に示すように、2つの固定電極210,210の各々にトラッキング制御信号により制御される直流電源234,234を接続する。この電圧は、一定のバイアス電圧に、トラッキング制御信号により互いに逆の極性で、その絶対値は等しい変動電圧分が重畳した電圧である。このようにすることによりプローブ64を振動させ、かつトラッキングアクチュエータとしての機能も発揮する。図48、図50〜図53を参照して前記した場合についても同様な構成で同じ機能が得られる。
【0257】
[発明の実施の形態12]
図59は、この発明の実施の形態12である情報記録再生装置のマークピット66を読み出すための回路のブロック図である。この図59において、図57と同一符号の回路要素などは、発明の実施の形態11と共通であり、詳細な説明は省略する。
【0258】
この発明の実施形態12の例では、プローブ64を振動させることとトラッキングを行うことに加え、プローブ64の先端と情報記憶媒体65間の距離の制御(これをここではフォーカシングと呼ぶ)も移動装置であるひとつのアクチュエータ237で行うことができるようにしたものである。
【0259】
すなわち、図59において、帰還回路235は、距離検出信号に基づいてフォーカシング制御信号を出力し、フォーカシング制御用の電源236の出力電圧、すなわちフォーカシングを調節する電圧を制御する。そして、この電圧をアクチュエータ237に入力することにより、アクチュエータ237を駆動してフォーカシングを行うことができる。
【0260】
よって、プローブ64を振動させる装置、トラッキングする装置およびフォーカシングを行う装置を同一のアクチュエータ237としたので、これらの装置を簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0261】
以下では、アクチュエータ237の構成の詳細について説明する。図60は、アクチュエータ237を備えた情報記録再生装置のヘッド部分の縦断面図である。
【0262】
すなわち、図60に示すように、スライダ63に縦孔を空け、円筒型振動子121をこの孔に挿通して、円筒型振動子121の上部を孔に接着固定する。また、円筒型振動子121の内部にプローブ64を挿通して、円筒型振動子121の下部で接着固定されている。以上により、アクチュエータ237が構成されている。
【0263】
円筒型振動子121としては、すでに説明した図31、図32、図33、図34に示した構造のものを用いることができる。
【0264】
[発明の実施の形態13]
図61は、この発明の実施の形態13である情報記録再生装置のヘッド部分の縦断面図である。図61において、図37、図38と同一符号の部材などは発明の実施の形態7と同様であるため、詳細な説明は省略する。この情報記録再生装置においては、その先鋭化されたプローブ64の先端と情報記憶媒体65との間に働くシアフォースを用いる。先端が非常に鋭利に、例えばその曲率半径が100nm以下のプローブ64は、図61に示すように、水晶振動子241に固定されている。この水晶振動子241は圧電素子242を介してスライダ63に固定され、情報記憶媒体65に対向する先端側は自由になっている。先端はエッチングや電解研磨法などにより細く先端曲率半径は数十nm以下に先鋭化されている。
【0265】
圧電素子242は交流電源243により駆動され、水晶振動子241は圧電素子242によりその共振周波数で加振される。情報記憶媒体65の表面がプローブ64の先端に近づくと、情報記憶媒体65の表面と導電性プローブ64の先端との間に原子間力に基づくシアフォースが働く。この力が情報記憶媒体65の表面と導電性プローブ64の先端との間のばねとして働き、この振動系全体の共振周波数が変化する。しかし、圧電素子242により、加振されている周波数は以前と変わらないので、振動系全体は共振状態から外れ、これにより振動の振幅は小さくなる。この振動は水晶振動子241により交流電圧に変換される。この交流電圧は差動増幅器245で取り出して、AC/DC変換器244により直流電圧に変換される。したがって、この直流電圧Vdからプローブ64の先端と情報記憶媒体65との間の距離を知ることができる。両者間の距離が大きければ直流電圧Vdは大きくなり、距離が小さくなれば直流電圧Vdも小さくなる。
【0266】
プローブ64の先端と情報記憶媒体65との間の距離を知るための他の手段を、図62を参照して説明する。図62に示すように、プローブ64の根元は圧電素子242を介してスライダ63に固定されている。プローブ64の先端は自由になっていて、片持ち梁構造になっている。圧電素子242にはこの片持ち梁の共振周波数の交流電圧が交流電源243により印加されている。したがって、プローブ64は共振振動している。
【0267】
一方、この振動を検出する手段として、本発明の実施の形態では、光学的手法を用いている。すなわち、レーザダイオード(LD)246から光を出射し、この光をレンズ247を介して光ファイバ248の一端に集光し、光ファイバ248内に導入する。この光は光ファイバ248内を伝搬し、プローブ64の側面にレーザ光が照射される。プローブ64の側面には金属膜など反射率の高い材料が形成されているので、この光は反射されて再びスライダ63に取り付けられた光ファイバ248に先端に入射する。プローブ64が振動していると、再び光ファイバ248内に戻る光量が振動に同期して増減する。この増減の振幅はプローブ64振動の振幅に比例する。反射した光は再び光ファイバ248内を先程とは反対の方向に伝搬し、ファイバカップラ249により今度はレンズ250を介してフォトダイオード(PD)251の方にその何割かは伝搬していく。したがって、フォトダイオード251の信号を増幅するプリアンプ252の出力である交流信号はプローブ64の振動を表し、その振幅はプローブ64振動の振幅に比例する。これによりプローブ64振動の振幅を知ることができる。
【0268】
プローブ64片持ち梁は圧電素子242によりその共振周波数で加振される。情報記憶媒体65の表面がプローブ64の先端に近づくと、情報記憶媒体65の表面と導電性プローブ64の先端との間に原子間力に基づくシアフォースや静電引力が働く。この力が情報記憶媒体65の表面と導電性プローブ64の先端との間のばねとして働き、この振動系全体の共振周波数が変化する。しかし、圧電素子242により、加振されている周波数は以前と変わらないので、振動系全体は共振状態から外れ、これにより振動の振幅は小さくなる。プリアンプ252の交流電圧出力はAC/DC変換器244により直流電圧に変換される。したがって、この直流電圧からプローブ64の先端と情報記憶媒体65との間の距離を知ることができる。すなわち、両者間の距離が大きければ直流電圧は大きくなり、距離が小さくなれば直流電圧も小さくなる。この振幅から、プローブ64の先端と情報記憶媒体65間の距離を知ることができる。
【0269】
なお、シアフォースを検出するためのプローブ64振動の方向は情報記憶媒体65上のマークピット66のデータ列方向に平行(円盤状の媒体の場合は円周方向)に振動させてもよいし、直交させて振動させてもよい。しかし、後に述べるトラッキングエラー信号を得るためのプローブ64の先端の移動方方向と異なる方向に振動させた方が、両者の信号の分離という点から、シアフォースを検出するためのプローブ64の振動方向をマークピット66のデータ列方向に平行に振動させた方が好ましい。
【0270】
また、図62ではマークピット66のデータ列と直交方向の振動を検出するようにスライダ63内の光ファイバ248が設置されているが、これは図中の説明をしやすくするためであって、この図とは直交する方向に光ファイバ248を設置し、データ列と平行方向の振動を検出するようにしてもよい。
【0271】
例えば、情報記憶媒体65としては、窪み(ピット)を情報のマークとするものを用いる。このピットはCD−ROM作製に使われているスタンパにより作製することができる。
【0272】
マークピット66がプローブ64の先端の下にあるときは、プローブ64の先端と情報記憶媒体65との間の距離が、それ以外のところでは小さくなる。これにより、マークピット66がプローブ64の先端の下にあるときは、プローブ64の先端と情報記憶媒体65との間の距離を示す信号Vdは大きくなり、それ以外のところでは小さくなる。この信号から媒体表面の凹凸の情報を得ることができる。すなわち、記録された情報を知ることができる。
【0273】
図38に示すように、情報記憶媒体65が円盤状の場合は、情報記憶媒体65の表面あるは表面近傍には、情報記憶媒体65の円周方向にマークピット66が並んでいて、情報が書き込まれている。情報記憶媒体65は回転するが、これを回転させるモータの軸ずれや、情報記憶媒体65自身の軸ずれにより、マークピット66の列は蛇行する。したがって、マークピット66の中心にプローブ64の先端がくるようにプローブ64が動かされないと、正しい情報の書き込みまたは読出しが行えない。
【0274】
情報記憶媒体65が、板状の、例えば光カードメモリの場合は、図35に示すようにマークピット66は直線状に並んでいて、情報が書き込まれている情報記憶媒体65はデータ列方向に直進するので、マークピット66の中心にプローブ64の先端がくるようにプローブ64が動かされないと、正しい情報の書き込みまたは読出しか行えない。
【0275】
次に、図61および図62に示すヘッド部分の動作について説明する。まず、プローブ64がシアフォースを検出する位置は、後述する所定の手段により円盤型の情報記憶媒体65のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動(振動)する。この振動周波数はプローブ64片持ち梁の共振周波数よりも小さい方が好ましい。図63にその様子を示す。図63において、情報記憶媒体65上にはすでにマークピット66が記録されている。このマークピット66は他の部分より窪んでいる、または高くなっている。このマークピット66はスタンパにより作製する。これからの説明を簡単にするためにマークピット66の部分は窪んでいるということにして説明を行うが、この逆、すなわちマークピット66部分が出っ張っている場合でも同様の効果が得られる。
【0276】
図63中に符号(1)〜(4)で示しているのは、図64に示す時刻(1)〜(4)における情報記憶媒体65上でプローブ64がシアフォースを検出する位置である。図63に示す時刻(1)の位置では、マークピット66の、情報記憶媒体65の径方向の位置とプローブ64がシアフォースを検出する位置が一致しているので、プローブ64の先端と情報記憶媒体65との間の距離を示す信号Vdが最大となる。図63に示す時刻(2)の位置では、プローブ64がシアフォースを検出する位置が最もマークピット66の中心軸から離れるので、図61または図62で説明した手段により得られるプローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vdが最小となる。図63に示す時刻(3)の位層では、時刻(1)の位置と同様にプローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vdが最大となる。図63に示す時刻(4)の位置では、時刻(2)の位置と同様にプローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vdが最小となる。以上から時間変化に対するトンネル電流信号強度および情報記憶媒体65のデータ列の並ぶ方向と直交する力向の位置の変化は図64に示すとおりである。
【0277】
次に、図65に示すように、プローブ64がシアフォースを検出する位置の振動の中心がマークピット66の列の中心からずれている(トラッキングがずれている)場合について考える。図65に示す時刻(1)の位置では、プローブ64がシアフォースを検出する位置がマークピット66の比抵抗が変わる境にかかっているので、プローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vdは最大値の半分程度になる。時刻(2)の位置ではプローブ64がシアフォースを検出する位置がマークピット66の窪みから完全に外れるので、プローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vdが最も小さくなる。時刻(3)の位置では、時刻(1)の場合と同様にプローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vdは最大値の半分程度になる。時刻(4)の位置では、プローブ64がシアフォースを検出する位置がマークの窪みから完全に一致するので、プローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vdの信号強度が最大値になる。
【0278】
以上から、時間変化に対するプローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vdの信号強度および情報記憶媒体65の、径方向の位置の変化は図66に示すとおりである。この場合に、プローブ64がシアフォースを検出する位置がマークの窪みから外れている時間が長くなるので、プローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vdの平均値(バイアス)が小さくなる。
【0279】
プローブ64が情報記憶媒体65のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に振動する周波数は、読出し時のマークピット66の変調周波数よりも非常に小さい。図67は、マークピット66を読み出すための回路を示すものである。すなわち、図61や図62で示した手段によりプローブ64の先端と情報記憶媒体65表面との間の距離を示す信号を得ることができる。AC/DC変換器261を介して、この信号Vdは、ローパスフィルタ262とハイパスフィルタ263に入力される。信号取出装置であるローパスフィルタ262は、高周波数帯域の成分を除去する。この高周波成分が除去された信号の平均値(バイアス値)はトラッキングエラー信号として出力される。また、ハイパスフィルタ263は、低周波教帯域の成分を除去してマークピット66の読出し信号を取り出す。
【0280】
前記した理由により、図65、図66に示す場合の方が、図63、図64に示す場合より、プローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vdが小さくなる。そこで、図68に示すように、図67に示す回路例のように、プローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vdの最小値を検出するボトムホールド(B/H)回路264を付け加えることにより、トラッキングエラー信号を得ることができる。
【0281】
以上の説明では、マークピット66自身の凹凸により、トラッキングエラー信号を得る手段について説明したが、これに限定するものではなく、例えば、図69に示すように、情報記憶媒体65上に凹(または凸)部265と凸(または凹)部266をストライプ状に形成し、このストライプ表面とプローブ64の先端との距離を示す信号Vdにより、図67〜図68を参照して前記したと同様の手段でトラッキングエラー信号を得ることができる。 このトラッキングエラー信号により、プローブ64のトラッキングを行う図示しないアクチュエータと、プローブ64と情報記憶媒体65との距離を調節する図示しないアクチュエータを制御することができる。
【0282】
次に、前記したプローブ64がシアフォースを検出する位置を、情報記憶媒体65の径方向に周期的に移動(振動)する手段について説明する。
【0283】
まず、図70に示すように、プローブ64は、基端部をコモン電極208を介して固定され、先端部は自由となっている片持ち梁構造をなしている。先端部はエッチングなどによって先鋭に形成されている。そして、金属膜がプローブ64周辺に被覆されている。この金属膜は接地されている。そして、情報記憶媒体65の径方向に、プローブ64を挟むように絶縁膜211,211を介して移動装置である2つの固定電極210,210が設けられている。そして、この固定電極210,210とプローブ64の金属膜との間に、それぞれ別の高電圧を交流電源212,212で印加する。これにより、固定電極210,210とプローブ64との間に静電引力が働き、プローブ64の先端部は振動して、プローブ64がシアフォースを検出する位置も振動する。
【0284】
別の手段として、図71に示すように、プローブ64の基端部に、情報記憶媒体65のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に、プローブ64の基端部を挟むように2つの圧電素子213,213を配置し、図70に示した金属膜と同様の金属膜と、固定電極210,210を用いて、移動装置である2つの圧電素子213,213の各々に別々の交流電圧を印加することにより、圧電効果によりプローブ64を振動させるようにすることもできる。なお、図71において、図52と同一符号の部材などは、図52を参照して前記した内容と同様である。
【0285】
さらに別の手段として、図72に示すように、金属膜に代えて磁性膜をプローブ64に形成し、情報記憶媒体65の径方向に、プローブ64の先端部を挟むように移動装置である2つのコイル218,218を配置する。そして、2つのコイル218,218の各々に別々の交流電圧を交流電源217,217で印加することにより、磁力によりプローブ64を振動させるようにすることもできる。なお、図72において、図53と同一符号の部材などは、図53を参照して前記した内容と同様である。
【0286】
前記の各手段は、プローブ64のみを振動させるものであったが、すでに図21〜図24を参照して説明したように、サスペンション62とスライダ63との間に移動装置である所定のアクチュエータを設けて、スライダ63全体を振動させるようにしてもよい。この場合のアクチュエータとしては図22〜図24に示したように、圧電素子88と、この圧電素子88の動きを拡大する拡大機構からなるもの、コイル90、磁気コア91およびムービングマグネット92からなる、静電引力を用いたものなどが適用できる。
【0287】
以上説明した情報記録再生装置によれば、プローブ64がシアフォースを検出する位置を、情報記憶媒体65のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動(振動)する手段以外に、トラッキングエラー信号を得る専用の手段を設ける必要がなく、情報記憶媒体65上にも記録密度を低下するランドやマークを必要とせず、プローブ64自身にも特別な工夫を必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得ることができる。
【0288】
また、プローブ64の先端部は、情報記憶媒体65の表面と離れていると振動するが、接触すると先端部が情報記憶媒体65に拘束されて振動しなくなる。図63〜図66を参照して前記したように、プローブ64の先端との距離を示す信号Vdの時間的な変動はプローブ64の振動により発生するわけであるから、プローブ64の先端と情報記憶媒体65とが接触して振動しなくなると、プローブ64の先端との距離を示す信号Vdの時間的な変化(交流的振動)もなくなる。そこで、これを用いてプローブ64の先端と情報記憶媒体65との接触、非接触(すなわち、プローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離に関する信号)を検出することができる。
【0289】
具体的には、図67のローパスフィルタ262の時定数をプローブ64の振動によるプローブ64の先端との距離を示す信号Vdの変化だけを捉えられるように設定し、その出力の振幅を測定すればよい。この振幅が小さくまたは0になれば、プローブ64の先端と情報記憶媒体65とが接触していることがわかる。この信号により、プローブ64のトラッキングを調節する図示しないバイブレータ兼アクチュエータと、プローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離を調節する図示しないアクチュエータとを制御する。
【0290】
このように、この情報記録再生装置によれば、プローブ64がシアフォースを検出する位置を、情報記憶媒体65のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動(振動)する手段を用いるだけで、その他に、情報記憶媒体65の構成、材料に制限を加えることなくプローブ64の先端と情報記憶媒体65表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブ64への工夫が不要とし、特別な波長の光源や情報記憶媒体65上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要とせずに、簡易な手段でプローブ64の先端と情報記憶媒体65表面との間の距離を知ることができる。
【0291】
[発明の実施の形態14]
図73は、この発明の実施の形態14である情報記録再生装置のマークピット66を読み出すための回路のブロック図である。この図73において、図67と同一符号の回路要素などは、発明の実施の形態13と共通であり、詳細な説明は省略する。
【0292】
図73に示すように、移動装置である、バイブレータを兼用するアクチュエータ237は、プローブ64を加振するもので、図70〜図72を参照して前記したいずれのものであってもよい。3つのサンプルホールド回路267,268,269には、ローパスフィルタ262の出力が入力される。アクチュエータ237を駆動する交流電源272からサンプルホールド回路267,268,269には、ローパスフィルタ262の出力の瞬時値をサンプリングするタイミングを決めるサンプリングタイミング信号が入力する。信号取出装置である差動増幅器270はサンプルホールド回路267と268の差信号を距離検出信号として出力し、信号取出装置である差動増幅器271はサンプルホールド回路267と269の差信号をトラッキングエラー信号として出力する。サンプルホールド回路267,268,269は、各々、図64、図66の時刻(3),(2),(4)におけるプローブ64の先端との距離を示す信号Vdをサンプルホールドする。
【0293】
トラッキングがあっているときは、プローブ64の先端との距離を示す信号Vdの時刻(2)と時刻(4)の出力は等しい。したがって、トラッキングエラー信号の出力は0である。トラッキングが図65、図66を参照して前記したようにずれた場合、時刻(2)のプローブ64の先端との距離を示す信号Vdは時刻(4)のプローブ64の先端との距離を示す信号Vdより小さいので、トラッキングエラー信号は負になる。また、トラッキングが図12、図13を参照して前記した場合の反対にずれた時、時刻(2)のプローブ64の先端との距離を示す信号Vdは時刻(4)のプローブ64の先端との距離を示す信号Vdより大きいので、トラッキングエラー信号は正になる。以上により、トラッキングがずれていることと、どちら側にずれているかを知ることができる。
【0294】
一方、プローブ64の先端との距離を示す信号Vdの時刻(2)と時刻(3)の差である距離検出信号は、プローブ64の振動振幅を示しているので、前記したように、プローブ64の先端と情報記憶媒体65の表面との距離に関する。
【0295】
これらの信号から、プローブ64のトラッキングを調節する図示しないバイブレータを兼ねたアクチュエータと、プローブ64の先端と情報記憶媒体65の表面との距離を調節する図示しないアクチュエータとを制御する。
【0296】
なお、前記の例では、トラッキングエラー信号と距離検出信号とを同時に測定する場合について説明したが、どちらか一方だけを検出するようにしてもよい。このようにして、プローブ64がシアフォースを検出する位置を、情報記憶媒体65のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動(振動)するバイブレータを用いるだけで、その他に、情報記憶媒体65の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ64の先端と情報記憶媒体65表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブ64への工夫が不要として、特別な波長の光源や情報記憶媒体65上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要とせずに、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得て、プローブ64の先端と情報記憶媒体65表面との間の距離を知ることができる。
〔発明の実施の形態15〕
図74は、この発明の実施の形態15である情報記録再生装置のマークピット66を読み出すための回路のブロック図である。この図74において、図73と同一符号の部材は、発明の実施の形態14と共通であり、詳細な説明は省略する。
【0297】
図74に示すように、ローパスフィルタ262の出力信号はピークホールド回路273、ボトムホールド回路274に入力され、ローパスフィルタ262の出力信号の最大値、最小値が検出される。そして、差動増幅器275はピークホールド回路273が出力する最大値と、ボトムホールド回路274が出力する最小値の差を取り、その差信号を信号取出装置である判別回路276に出力する。
【0298】
図63〜図66を参照して前記したように、トラッキングがずれると、プローブ64の先端との距離を示す信号Vdの最大値と最小値の差、すなわち、差動増幅器275の出力する差信号が大きくなる。また、プローブ64の先端と情報記緑媒体65との間の距離が小さくなり、プローブ64の振幅が小さくなると、プローブ64の先端との距離を示す信号Vdの最大値と最小値の差、すなわち、差動増幅器275の出力する差信号が小さくなる。
【0299】
そこで、このような特性から、判別回路276はトラッキングエラー信号と、距離検出信号を出力する。そして、これらの信号から、プローブ64のトラッキングを調節するバイブレータを兼ねた図示しないアクチュエータと、プローブ64の先端と情報記憶媒体65の表面との距離を調節する図示しないアクチュエータとを制御する。
【0300】
このようにして、プローブ64がシアフォースを検出する位置を、情報記憶媒体65のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動(振動)するバイブレータを用いるだけで、 その他に情報記憶媒体65の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ64の先端と情報記憶媒体65表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブ64への工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体65上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ64の先端と情報記憶媒体65表面との間の距離を知ることができる。
【0301】
[発明の実施の形態16]
図75は、この発明の実施の形態16である情報記録再生装置のマークピット66を読み出すための回路のブロック図である。この図75において、図73と同一符号の回路要素などは、発明の実施の形態14と共通であり、詳細な説明は省略する。
【0302】
図75に示すように、信号取出装置である同期検波増幅回路277,278には、ローパスフィルタ262の出力信号が入力される。この同期検波増幅回路277,278は、参照信号と同じ周波数の信号のみを参照信号の位相に同期して検波し、その実効値を直流電圧として出力する。そして、同期検波増幅回路278には、プローブ64がシアフォースを検出する位置がバイブレータを兼ねたアクチュエータ237の作用により振動する時の周波数、すなわち交流電源272の周波数ωが参照信号として入力される。同期検波増幅回路277には、図示しない回路により周波数ωから周波数2ωを作り出し、この周波数2ωの信号が参照信号として入力される。
【0303】
以上のような構成において、図64に明らかなように、トラッキングがあっているときは、プローブ64の先端との距離を示す信号Vdに周波数ωの成分はない。したがって、同期検波増幅回路278の出力は0である。トラッキングが図65に示す方向にずれると、図66に示すように、周波数ωの成分が現われる。したがって、同期検波増幅回路278に電圧出力が現われる。この時の電圧出力を正とすると、トラッキングが図65に示す方向と反対の方向にずれたときは、同期検波増幅回路278に負の電圧出力が現われる。このようにして、トラッキングがずれていることと、どちら側にずれているかを知ることができるので、同期検波増幅回路278の出力信号はトラッキングエラー信号となる。そして、この信号によりプローブ64のトラッキングを調節するバイブレータを兼ねた図示しないアクチュエータを制御することができる。
【0304】
プローブ64の先鋭と情報記憶媒体65との間の距離が小さくまたは大きくなると、図64に示すようにプローブ64の先端との距離を示す信号Vdの振幅が小さくまたは大きくなる。図64に示すプローブ64の先端との距離を示す信号Vdの周波数はプローブ64の振動周波数の二倍、すなわち2ωである。したがって、同期検波増幅回路277の出力からプローブ64の先端と情報記憶媒体65との間の距離に関する情報を得ることができる。しかし、同期検波増幅回路278は2ωの周波数成分入力には不感であるから、距離の変化に伴う2ω成分の振幅変動に対しては不感である。したがって、同期検波増幅回路278はプローブ64の先端と情報記憶媒体65表面との間の距離変動に対して独立にトラッキングエラー信号を得ることができる。同様に、同期検波増幅回路277は、ωの周波数成分の入力には不感であるから、トラッキングのずれに伴うω分の振動変動に対しては不感である。したがって、同期検波増幅回路277は、トラッキングのずれに対して独立にプローブ64の先端と情報記憶媒体65との間の距離を示す距離検出信号を得ることができる。
【0305】
このようにして、プローブ64がシアフォースを検出する位置を、情報記憶媒体65のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動(振動)するバイブレータを兼ねたアクチュエータ237を用いるだけで、その他に、情報記憶媒体65の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ64の先端と情報記憶媒体65表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブ64への工夫を不要とし、特別な波長の光源や情報記憶媒体65上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要とせずに、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得て、プローブ64の先端と情報記憶媒体65表面との間の距離を知ることができる。
【0306】
また、この発明の実施形態14の変形例として、プローブ64がシアフォースを検出する位置を振動させる周波数ωを、図70〜図72に例示するような片持ち梁の共振周波数ωoとしてもよい。
【0307】
すなわち、プローブ64の先端と情報記憶媒体65の表面との間が近づき、両者間に原始間力や静電気などのキャピラリー力が働くと、片持ち梁の共振周波数がずれてくる。しかしながら、バイブレータを兼ねたアクチュエータ237は、元々の共振周波数で強制振動しているから振幅が小さくなる。この手段により、共振周波数を用いない場合に比べてはるかにキャピラリー力に対する感度が高くなり、よって、プローブ64の先端と情報記憶媒体65の表面との間の距離測定を高感度に行うことができる。
【0308】
[発明の実施の形態17]
図76は、この発明の実施の形態17である情報記録再生装置のマークピット66を読み出すための回路のブロック図である。この図76において、図73と同一符号の部材は、発明の実施の形態14と共通であり、詳細な説明は省略する。
【0309】
図76において、帰還回路279は、トッラッキングエラー信号に基づいてトラッキング制御信号を出力し、交流電源272と直列に接続した可変直流電源280の出力電圧、すなわちトラッキングを調節する電圧を制御する。
【0310】
その結果、バイブレータを兼ねたアクチュエータ237には、プローブ64を振動させる電圧を出力する交流電源272の出力と、プローブ64をトラッキングする電圧である可変直流電源280の出力とが重量された電圧が印加される。これにより、プローブ64を振動させる装置をトラッキングする装置と同一のアクチュエータとしたので、これらの装置を簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0311】
この構成を特に詳しく示すと、図77に示すように2つの固定電極210,210の各々にトラッキング制御信号により制御される直流電源234を接続する。この電圧は、一定のバイアス電圧に、トラッキング制御信号により互いに逆の極性で、その絶対値は等しい変動電圧分が重畳した電圧である。このようにすることによりプローブ64を振動させ、かつトラッキングアクチュエータとしての機能も発揮する。図70〜72についても同様な構成で同じ機能が得られる。なお、図77において、図58と同一符号の回路要素などは、発明の実施の形態11と同様である。
【0312】
[発明の実施の形態18]
図78は、この発明の実施の形態18である情報記録再生装置のマークピット66を読み出すための回路のブロック図である。この図78において、図76と同一符号の部材は、発明の実施の形態17と共通であり、詳細な説明は省略する。
【0313】
この発明の実施形18の例では、プローブ64を振動させることとトラッキングを行うことに加え、プローブ64の先端と情報記憶媒体65との間の距離の制御(これをここではフォーカシングと呼ぶ)も移動装置であるひとつのアクチュエータ237で行うことができるようにしたものである。
【0314】
すなわち、図78において、帰還回路279は、距離検出信号に基づいてフォーカシング制御信号を出力し、可変直流電源280の出力電圧、すなわちフォーカシングを調節する電圧を制御する。そして、この電圧をアクチュエータ237に入力することにより、アクチュエータ237を駆動してフォーカシングを行うことができる。
【0315】
よって、プローブ64を振動させる装置、トラッキングする装置およびフォーカシングを行う装置を同一のアクチュエータ237で実現したので、これらの装置を簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0316】
以下では、アクチュエータ237の詳細について説明する。図79は、アクチュエータ237を備えた情報記録再生装置のヘッド部分の縦断面図である。
【0317】
すなわち、スライダ63に縦孔を空け、アクチュエータ237の円筒型の筒体283をこの孔に挿通して、その上部を孔に接着固定する。また、筒体283の内部にプローブ64を挿通する。プローブ64は、水晶振動子241とプローブ64を振動させる圧電素子242を介して筒体283の下部に接着固定されている。以上により、アクチュエータ237が構成されている。水晶振動子241の出力電圧からプローブ64の先端と情報記憶媒体65との間の距離を測定できることは、図61を参照して前記した内容と同様である。
【0318】
図80は、アクチュエータ237を備えた情報記録再生装置のヘッド部分における他の例の縦断面図であり、アクチュエータ237を備えた情報記録再生装置のヘッド部分の縦断面図である。
【0319】
すなわち、スライダ63に縦孔を空け、アクチュエータ237の円筒型の筒体283をこの孔に挿通して、その上部を孔に接着固定する。また、筒体283の内部にプローブ64を挿通する。プローブ64は、水晶振動子241とプローブ64を振動させる圧電素子242を介して筒体283の下部に接着固定されている。また、プローブ64の振動を検出するための光ファイバ248が設置されている。この光ファイバ248の一端は、プローブ64に向けられている。光ファイバ248の他端から出るレーザ光からプローブ64の振動が検出できることは図62を参照してすでに述べたとおりである。
【0320】
円筒型のアクチュエータ237としては、すでに述べた図31、図32、図33、図34を参照してすでに説明した構造のものを用いることができる。
【0321】
[発明の実施の形態19]
図81は、この発明の実施の形態19である情報記録再生装置のヘッド部分の縦断面図である。図81において、図61と同一符号の部材などは発明の実施の形態13と同様であるため、詳細な説明は省略する。この情報記録再生装置においては、その先鋭化されたプローブ64の先端と情報記憶媒体65との間に働く原子間力をコンタクトモードで検出することを用いる。
【0322】
図81に示すように、スライダ63には細長い片持ち梁301が取り付けられている。その先端部分には、片持ち梁301の側面から略垂直に立ちあがっているプローブ64が取り付けられている。プローブ64の先端は非常に鋭利で、例えばその曲率半径が100nm以下である。片持ち梁301は、図81のように、基端側は固定台302を介してスライダ63に固定され、情報記憶媒体65に対向する先端側は自由になっている。プローブ64の先端はエッチングや電解研磨法などにより細く先端曲率半径は数十nm以下に先鋭化されている。片持ち梁301の根元には半導体で構成されたピエゾ抵抗303が片持ち梁301に密着して設けられている。ピエゾ抵抗303は、歪みを受けるとピエゾ抵抗効果により抵抗値が変動する素子である。一方、プローブ64の先端が情報記憶媒体65の表面に近づくと、プローブ64の先端に原子間力が働き、これにより、片持ち梁301は曲がる。そのためピエゾ抵抗303は歪んで、その抵抗値変化から原子間力を測定することができる。すなわち、ピエゾ抵抗303には定電流源304により一定電流が通電されており、ピエゾ抵抗303の電圧の変動を差動増幅器305で測定することによりプローブ64の先端と情報記憶媒体65の表面との間の距離を測定することができる。
【0323】
片持ち梁301の歪みを測定する他の手段としては、光てこ法も適用可能であるが、あまりコンパクトに配置できないので、図81に示す構成にするのが望ましい。
【0324】
図38に示すように、情報記憶媒体65が円盤状の場合は、情報記憶媒体65としては、窪み(マークピット66)を情報のマークとするものを用いる。このマークピット66はCD−ROMの作製に使われているスタンパにより作製することができる。
【0325】
マークピット66がプローブ64先端の下にあるときは、プローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離が大きくなり、それ以外のところでは小さくなる。これによりマークピット66がプローブ64先端の下にあるときは、プローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vaは大きくなり、それ以外のところでは小さくなる。この信号から情報記憶媒体65の表面の凹凸の情報を得ることができる。すなわち、情報記憶媒体65に記録された情報を知ることができる。
【0326】
次に、図81に示すヘッド部分の動作について説明する。まず、プローブ64の先端が原子間力を検出する位置は、後述する所定の手段により円盤型の情報記憶媒体65のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動(振動)する。本実施例でもプローブ64先端と媒体間の距離を測定することはできるのであるから、発明の実施の形態13で図63〜図69により説明した動作と同様に、トラッキングエラー信号とデータの読み出し信号を得ることができる。すなわち、図67〜図68のプローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vdの代わりに、図81のプローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vaを接続すればよい。
【0327】
前記したプローブ64が原子間力を検出する位置を、情報記憶媒体65の径方向に周期的に移動(振動)する手段については、すでに図21〜図24に示したように、サスペンション62とスライダ63との間に、バイブレータをかねている移動装置である所定のアクチュエータを設けて、スライダ63の全体を振動させるようにしてもよい。バイブレータを兼ねたアクチュエータとしては、図22〜図24を参照して説明したように、圧電素子88と、この圧電素子88の動きを拡大する拡大機構89からなるもの、コイル90、磁気コア91およびムービングマグネット92からなる、静電引力を用いたものなどが適用できる。
【0328】
以上説明した情報記録再生装置によれば、プローブ64が原子間力を検出する位置を、情報記憶媒体65のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動させる手段以外にトラッキングエラー信号を得る専用の手段を設ける必要がなく、情報記憶媒体65上にも記録密度を低下するランドやマークを必要とせず、プローブ64などにも特別な工夫を必要とせずに、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得ることができる。
【0329】
また、プローブ64の先端部は、情報記憶媒体65の表面と離れていると、上記したバイブレータを兼ねたアクチュエータによりデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動する。しかし、プローブ64の先端部が情報記憶媒体65の表面に接触すると先端部が情報記憶媒体65に拘束されて移動しなくなる。
【0330】
図63〜図66を参照して前記したように、プローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vaの時間的な変動は、プローブ64の周期的移動により発生するわけであるから、プローブ64の先端と情報記憶媒体65とが接触して移動しなくなると、プローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vaの時間的な変化(交流的振動)もなくなる。そこで、これを用いてプローブ64の先端と情報記憶媒体65との接触、非接触(すなわち、プローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離に関する信号)を検出することができる。
【0331】
具体的には、図67のローパスフィルタ262の時定数をプローブ64の周期的移動によるプローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vaの変化だけを捉えられるように設定し、その出力の振幅を測定すればよい。この振幅が小さくまたは0になれば、プローブ64の先端と情報記憶媒体65とが接触していることがわかる。この信号により、プローブ64のトラッキングを調節する図示しないアクチュエータと、プローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離を調節する図示しないアクチュエータとを制御する。
【0332】
このように、この情報記録再生装置によれば、プローブ64が原子間力を検出する位置を、情報記憶媒体65のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動(振動)する手段を用いるだけで、その他に、情報記憶媒体65の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ64先端と情報記憶媒体65表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブ64などへの工夫を不要とし、特別な波長の光源や情報記憶媒体65上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要とすることなしに、簡易な手段でプローブ64先端と情報記憶媒体65表面との間の距離を知ることができる。
【0333】
[発明の実施の形態20]
この発明の実施の形態20は、発明の実施の形態19において、図73のプローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vdの代わりに、図81のプローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vaを接続し、発明の実施の形態13で図63〜図69により説明した動作と同様に、トラッキングエラー信号、プローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号、および、データの読み出し信号を得ることができるようにしたものである。これにより、発明の実施の形態19の例においても、図73〜図76に示した回路により、トラッキングエラー信号、プローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号、および、データの読み出し信号を得ることができる。
【0334】
[発明の実施の形態21]
この発明の実施の形態21は、発明の実施の形態19において、図74のプローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vdの代わりに、図81のプローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vaを接続し、発明の実施の形態13で図63〜図69により説明した動作と同様に、トラッキングエラー信号、プローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号、および、データの読み出し信号を得ることができるようにしたものである。これにより、発明の実施の形態19の例においても、図74に示した回路により、トラッキングエラー信号、プローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号、および、データの読み出し信号を得ることができる。
【0335】
[発明の実施の形態22]
この発明の実施の形態22は、発明の実施の形態19において、図75のプローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vdの代わりに、図81のプローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vaを接続し、発明の実施の形態13で図63〜図69により説明した動作と同様に、トラッキングエラー信号、プローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号、および、データの読み出し信号を得ることができるようにしたものである。これにより、発明の実施の形態19の例においても、図75に示した回路により、トラッキングエラー信号、プローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号、および、データの読み出し信号を得ることができる。
【0336】
[発明の実施の形態23]
この発明の実施の形態23は、発明の実施の形態19において、図76のプローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vdの代わりに、図81のプローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vaを接続し、発明の実施の形態13で図63〜図69により説明した動作と同様に、トラッキングエラー信号、プローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号、および、データの読み出し信号を得ることができるようにしたものである。これにより、発明の実施の形態19の例においても、図76に示した回路により、トラッキングエラー信号、プローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号、および、データの読み出し信号を得ることができる。
【0337】
[発明の実施の形態24]
この発明の実施の形態24は、発明の実施の形態19において、図78のプローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vdの代わりに、図81のプローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vaを接続し、発明の実施の形態13で図63〜図69により説明した動作と同様に、トラッキングエラー信号、プローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号、および、データの読み出し信号を得ることができるようにしたものである。これにより、発明の実施の形態19の例においても、図78に示した回路により、トラッキングエラー信号、プローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号、および、データの読み出し信号を得ることができる。
【0338】
図82は、この発明の実施の形態の情報記録再生装置のヘッド部分の縦断面図である。すなわち、スライダ63に縦孔を空け、円筒型の筒体306をこの孔に挿通して、その上部を孔に接着固定する。また、筒体306の内部先端にプローブ64付きの片持ち梁301の基端部を固定する。以上により、アクチュエータが構成されている。この円筒アクチュエータがマークピット66のデータ列を直交した方向に振動しながらトラッキングエラーを検出し、かつ、トラッキングアクチュエータとしてプローブ64先端をデータ列中心に移動させる。片持ち梁301の根元のピエゾ抵抗303の抵抗値変化からプローブ64先端と情報記憶媒体65表面間の距離を測定できることは、すでに述べたとおりである。
【0339】
筒体306としては、すでに述べた図31、図32、図33、図34に示した円筒型振動子121を用いることができる。
【0340】
[発明の実施の形態25]
図83は、この発明の実施の形態25である情報記録再生装置のヘッド部分の縦断面図である。図83において、図81と同一符号の部材などは発明の実施の形態19と同様であるため、詳細な説明は省略する。この情報記録再生装置においては、片持ち梁の先端に設けられたプローブ64と情報記憶媒体65との間に働く原子間力をノンコンタクトモードで検出することを用いる。
【0341】
図83に示すように、スライダ63には細長い片持ち梁301が取り付けられ、その先の方に、片持ち梁301の側面から略垂直に立ちあがっているプローブ64が取り付けてある。プローブ64の先端は非常に鋭利で、例えばその曲率半径が100nm以下である。片持ち梁301は、図83のように、根本は固定台302を介してスライダ63に固定され、情報記憶媒体65に対向する先端側は自由になっている。プローブ64の先端はエッチングや電解研磨法などにより細く先端曲率半径は数十nm以下に先鋭化されている。片持ち梁301の根元には半導体で構成されるピエゾ抵抗303が片持ち梁301に密着して設けられている。ピエゾ抵抗303は、歪みを受けると、ピエゾ抵抗効果により、その抵抗値が変わる素子で、定電流源304により一定電流が通電されている。片持ち梁301の根元は圧電素子309を介してスライダ63に固定されている。この圧電素子309には交流電源307により交流電源が供給され、片持ち梁301の共振周波数の交流電圧を発生する。したがって、片持ち梁301は共振振動することになる。
【0342】
情報記憶媒体65の表面がプローブ64の先端に近づくと、情報記憶媒体65の表面とプローブ64の先端との間に原子間力が働く。この力が情報記憶媒体65の表面とプローブ64の先端との間のばねとして働き、片持ち梁301の振動系全体の共振周波数が変化する。しかし、圧電素子309により、加振されている周波数は以前と変わらないので、振動系全体は共振状態から外れ、これにより振動の振幅は小さくなる。この振動は水晶振動子により交流電圧に変換される。この交流電圧はAC/DC変換器308により直流電圧に変換される。したがって、この直流電圧からプローブ64の先端と情報記憶媒体65との間の距離を知ることができる。両者間の距離が大きければ直流電圧は大きくなり、距離が小さくなれば直流電圧も小さくなる。
【0343】
片持ち梁301の歪みを測定する他の手段としては、光てこ法や2周波レーザを用いたヘテロダイン法、水晶振動子を用いたものなどがあるが、あまりコンパクトに配置できないので、図83に示す構成にするのが望ましい。
【0344】
図38に示すように、情報記憶媒体65が円盤状の場合は、情報記憶媒体65としては、窪み(マークピット66)を情報のマークとするものを用いる。このマークピット66はCD−ROMの作製に使われているスタンパにより作製することができる。
【0345】
マークピット66がプローブ64先端の下にあるときは、プローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離が大きくなり、それ以外のところでは小さくなる。これにより、マークピット66がプローブ64の先端の下にあるときは、プローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vaは大きくなり、それ以外のところでは小さくなる。この信号から情報記憶媒体65の表面の凹凸の情報を得ることができる。すなわち、記録された情報を知ることができる。
【0346】
次に、図83に示すヘッド部分の動作について説明する。まず、プローブ64の先端が原子間力を検出する位置は、後述する所定の手段により円盤型の情報記憶媒体65のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動(振動)する。本例でもプローブ64の先端と情報記憶媒体65との間の距離を測定することはできるのであるから、発明の実施の形態13で図63〜図69を参照して説明した動作と同様に、トラッキングエラー信号とデータの読み出し信号を得ることができる。すなわち、図67〜図68のプローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vdの代わりに、図83のプローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vaを接続すればよい。
【0347】
前記したプローブ64が原子間力を検出する位置を、情報記憶媒体65の径方向に周期的に移動(振動)する手段については、すでに図21〜24に示したように、サスペンション62とスライダ63との間に移動装置である所定のバイブレータを兼ねたアクチュエータを設けて、スライダ63全体を振動させるようにしてもよい。バイブレータを兼ねたアクチュエータとしては図22〜図24に示したように、圧電素子88と、この圧電素子88の動きを拡大する拡大機構89からなるもの、コイル90、磁気コア91およびムービングマグネット92からなる、静電引力を用いたものなどが適用できる。
【0348】
以上説明した情報記録再生装置によれば、プローブ64が原子間力を検出する位置を、情報記憶媒体65のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動させる手段以外にトラッキングエラー信号を得る専用の手段を設ける必要がなく、情報記憶媒体65上にも記録密度を低下するランドやマークを必要とせず、プローブ64や片持ち梁自身にも特別な工夫を必要とせずに、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得ることができる。
【0349】
また、プローブ64の先端部は、情報記憶媒体65の表面と離れていると、上記したバイブレータを兼ねたアクチュエータによりデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動する。しかし、プローブ64の先端部が情報記憶媒体65の表面に接触すると先端部が情報記憶媒体65に拘束されて移動しなくなる。図63〜図66を参照して前記したように、プローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vaの時間的な変動はプローブ64の周期的移動により発生するわけであるから、プローブ64の先端と情報記憶媒体65とが接触して移動しなくなると、プローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vaの時間的な変化(交流的振動)もなくなる。そこで、これを用いてプローブ64の先端と情報記憶媒体65との接触、非接触(すなわち、プローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離に関する信号)を検出することができる。
【0350】
具体的には、図67のローパスフィルタの時定数をプローブ64の周期的移動によるプローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vaの変化だけを捉えられるように設定し、その出力の振幅を測定すればよい。この振幅が小さくまたは0になれば、プローブ64の先端と情報記憶媒体65とが接触していることがわかる。この信号により、プローブ64のトラッキングを調節する図示しないバイブレータを兼ねたアクチュエータと、プローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離を調節する図示しないアクチュエータを制御する。
【0351】
このように、この情報記録再生装置によれば、プローブ64が原子間力を検出する位置を、情報記憶媒体65のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動(振動)する手段を用いるだけで、その他に、情報記憶媒体65の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ64先端と情報記憶媒体65表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブ64や片持ち梁301への工夫を不要とし、特別な波長の光源や情報記憶媒体65上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要とせずに、簡易な手段でプローブ64先端と情報記憶媒体65表面との間の距離を知ることができる。
【0352】
[発明の実施の形態26]
この発明の実施の形態26は、発明の実施の形態25において、図73のプローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vdの代わりに、図83のプローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vaを接続し、発明の実施の形態13で図63〜図69により説明した動作と同様に、トラッキングエラー信号、プローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号、および、データの読み出し信号を得ることができるようにしたものである。これにより、発明の実施の形態19の例においても、図73〜図76に示した回路により、トラッキングエラー信号、プローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号、および、データの読み出し信号を得ることができる。
【0353】
[発明の実施の形態27]
この発明の実施の形態27は、発明の実施の形態25において、図74のプローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vdの代わりに、図83のプローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vaを接続し、発明の実施の形態13で図63〜図69により説明した動作と同様に、トラッキングエラー信号、プローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号、および、データの読み出し信号を得ることができるようにしたものである。これにより、発明の実施の形態19の例においても、図74に示した回路により、トラッキングエラー信号、プローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号、および、データの読み出し信号を得ることができる。
【0354】
[発明の実施の形態28]
この発明の実施の形態28は、発明の実施の形態25において、図75のプローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vdの代わりに、図83のプローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vaを接続し、発明の実施の形態13で図63〜図69により説明した動作と同様に、トラッキングエラー信号、プローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号、および、データの読み出し信号を得ることができるようにしたものである。これにより、発明の実施の形態19の例においても、図75に示した回路により、トラッキングエラー信号、プローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号、および、データの読み出し信号を得ることができる。
【0355】
[発明の実施の形態29]
この発明の実施の形態29は、発明の実施の形態25において、図76のプローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vdの代わりに、図83のプローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vaを接続し、発明の実施の形態13で図63〜図69により説明した動作と同様に、トラッキングエラー信号、プローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号、および、データの読み出し信号を得ることができるようにしたものである。これにより、発明の実施の形態19の例においても、図76に示した回路により、トラッキングエラー信号、プローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号、および、データの読み出し信号を得ることができる。
【0356】
[発明の実施の形態30]
この発明の実施の形態30は、発明の実施の形態25において、図78のプローブ64の先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vdの代わりに、図83のプローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号Vaを接続し、発明の実施の形態13で図63〜図69により説明した動作と同様に、トラッキングエラー信号、プローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号、および、データの読み出し信号を得ることができるようにしたものである。これにより、発明の実施の形態19の例においても、図78に示した回路により、トラッキングエラー信号、プローブ64先端と情報記憶媒体65との距離を示す信号、および、データの読み出し信号を得ることができる。
【0357】
図84は、この発明の実施の形態の情報記録再生装置のヘッド部分の縦断面図である。すなわち、スライダ63に縦孔を空け、円筒型の筒体306をこの孔に挿通して、その上部を孔に接着固定する。また、筒体306の内部先端にプローブ64付片持ち梁301の基端部を固定する。以上により、アクチュエータが構成されている。この円筒アクチュエータがマークピット66のデータ列を直交した方向に振動しながらトラッキングエラーを検出し、かつ、トラッキングアクチュエータとしてプローブ64先端をデータ列中心に移動させる。片持ち梁301の根元のピエゾ抵抗303の抵抗値変化からプローブ64先端と情報記憶媒体65表面間の距離を測定できることは、すでに述べたとおりである。
【0358】
筒体306としては、すでに述べた図31、図32、図33、図34に示した円筒型振動子121を用いることができる。
【0359】
以上説明した、発明の実施の形態1〜30は、いずれもプローブ64を用いて情報記憶媒体65の記録マークを何らかの物理的な作用により読み取るものである。このとき、記録マークのデータ列と直交する方向に周期的に振動させる。記録マークを読み取った信号も周期的に変動する。この周期的に変化する信号からトラッキングエラー信号およびプローブ64と情報記憶媒体65との表面間の距離を、これまで述べた手段により検出する。さらにフィードバックをかけてトラッキング動作をし、先の距離を一定に保つように(つまり、フォーカシング制御)する。
【0360】
プローブ64から情報記憶媒体65に作用を施す具体的手段としては、発明の実施の形態1〜30で説明したもの以外にも、以下のものが挙げられる。
【0361】
(1).光磁気効果
図85に示すように、光ファイバーからなるプローブ64の表面に磁性体膜311を形成し、これを磁気コアとして用いる。プローブ64の根元にはコイル312を巻き、これに電流を流したまま、プローブ64の先端から近接場光を出す。このプローブ64は内部集光型のプローブであってもよい。このプローブ64の先端から発した光が情報記録媒体65の強磁性材料である記録層313をキューリ点以上に加熱する。このとき、コイル312に流れる電流方向に対応したプローブ64の先端に存在する磁界の方向に記録層313の磁化方向が揃う。この記録層313が冷えることでこの磁化方向が固定される。情報記録媒体65に書き込まれた情報を読み取る場合は、先のプローブ64から光を記録層313に当て、記録層313からの反射光または透過光の偏光方向が、カー効果あるいはファラデー効果により変化することにより情報を読み取る。あるいは図86に示すように、磁性体311とその回りにコイル312が巻かれているプローブ64は磁気ヘッドとしての機能もあるので、プローブ64と情報記憶媒体65との間の相対運動によりコイル312に電流が流れる。その電流を測定することで、情報記憶媒体65上の情報を読み取ることができる。
【0362】
(2).磁気記録
図87に示すように、プローブ64として磁性体材料を用い、根元にコイル312を巻いておく。通常の磁気ヘッドと同じように、情報の記録の際には記録情報に対応した電流をコイル312に流し、これにより発生する磁界により、情報記録媒体65の強磁性体である記録層313に磁区を形成し、情報を記録していく。情報を読み取るときは、前記の「(1).光磁気効果」の例と同様に、プローブ64と情報記憶媒体65との間の相対運動によりコイル312に電流が流れる。その電流を測定することで、情報記憶媒体65上の情報を読み取る。
【0363】
(3).原子や分子の表面吸着
プローブ64の先端で原子や分子を情報記憶媒体65表面に吸着させ、または、これを除去することによって情報を記録することもできる。記録した情報は表面の凹凸として記録される。
【0364】
例えば、
・ TiO2(110)単結晶表面上のギ酸イオン(DCOO-)を、これに数Vの電圧を印加したプローブ64の先端を近づけることにより分解・離脱することができる。
【0365】
・情報記憶媒体65に正、プローブ64に負の電圧を印加し、導電性プローブ64をシリコンの記録層に近づけると、情報記憶媒体65における記録層の表面の吸着水の電気化学反応がプローブ64の直下で生じ、記録層の表面が局所的に陽極酸化できる。これにより、この部分の抵抗値が高くなるので、記録層の表面にトンネル電流の流れにくいところが局所的にできる。このようにして情報を記録・再生できる。
【0366】
・マイカ表面上の金薄膜を情報記憶媒体65における記録層とする。プローブ64として先鋭化したプローブ64を用いる。プローブ64に数Vの正極性のパルス電圧を印加することで、高さ数nm、直径数十nm程度の隆起が金薄膜表面に生じるので、情報を記録することができる。また、情報記憶媒体65の表面の凹凸をプローブ64で測定することで情報の再生ができる。
【0367】
・情報記憶媒体65の材料として単結晶シリコンを用い、先鋭化したPt-Ir製のプローブ64に数Vの電圧を印加しながら、その先端と情報記憶媒体65の表面を数nmに近づけると,単一原子幅の記録マークを書き込むことができる。また、情報記憶媒体65の表面の凹凸をプローブ64で測定することで情報の再生ができる。
【0368】
以上のように、細長いプローブ64を用い、プローブ64と情報記憶媒体65との間に何らかの物理的な作用を生じさせることにより情報の記録・再生を行う情報記録装置においては、トラッキングという動作は必ず必要になる。したがって、本発明は、これらの情報記録再生装置に対して、すべて適用することができる。
【0369】
本発明によれば、プローブを備え、このプローブと情報記憶媒体との間に所定の物理的な作用を生じさせることにより、前記情報記憶媒体に対する情報の記録および再生のうちの少なくとも一方を行う情報記録再生装置において、前記物理的な作用を生じさせる位置を前記情報記憶媒体のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動する移動装置と、前記物理的な作用の変動から前記プローブの先端と前記情報記憶媒体の表面との間の距離に関する信号を前記周期的移動に関連して取得する信号取出装置と、を備えていることを特徴とする情報記録再生装置であるように構成することにより、移動装置以外にトラッキング専用の手段を設ける必要が無く、情報記憶媒体上にも記録密度を低下するランドやマークを必要とせず、プローブ自身にも特別な工夫を必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得ることができる。
【0370】
また、本発明によれば、プローブを備え、このプローブと情報記憶媒体との間に所定の物理的な作用を生じさせることにより、前記情報記憶媒体に対する情報の記録および再生のうちの少なくとも一方を行う情報記録再生装置において、前記物理的な作用を生じさせる位置を前記情報記憶媒体のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動する移動装置と、前記物理的な作用の変動から前記プローブの先端と前記情報記憶媒体の表面との間の距離に関する信号を前記周期的移動に関連して取得する信号取出装置と、を備えていることを特徴とする情報記録再生装置であるように構成することにより、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブの先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でプローブの先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0371】
また、本発明によれば、前記信号取出装置は、物理的な作用の変動を取り出して、その瞬時値を保持し、この値からトラッキングエラー信号およびプローブ先端と情報記憶媒体表面の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することにより、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブの先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブの先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0372】
また、本発明によれば、前記信号取出装置は、物理的な作用の変動を取り出して、その信号の最大値と最小値を保持し、この最大値および最小値からトラッキングエラー信号およびプローブ先端と情報記憶媒体表面の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することにより、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブの先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブの先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0373】
また、本発明によれば、前記周期的に移動する移動装置は、物理的な作用を生じさせる位置を周期ωで移動させ、信号取出装置は、物理的な作用の変動を取り出して、この信号のω成分からトラッキングエラー信号を取得し、周波数2ωの成分からプローブ先端と情報記憶媒体表間の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することにより、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブの先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブの先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0374】
また、本発明によれば、前記周期的に移動する移動装置は、プローブをその共振周波数ωoで振動することにより、物理的な作用を生じさせる位置を周期ωoで移動させるものであり、信号取出装置は、物理的な作用の変動を取り出して、前記ωoの成分からトラッキングエラー信号を取得し、周波数2ωoの成分からプローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することにより、プローブの先端と情報記憶媒体表面間の距離を高感度に測定することができる。
【0375】
また、本発明によれば、前記周期的に移動する移動装置は、物理的な作用を生じさせる位置をトラッキングするトラッキング装置と同一のアクチュエータであることを特徴とするように構成することにより、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0376】
また、本発明によれば、前記アクチュエータは、静電引力を用いたものであることを特徴とするように構成することにより、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0377】
また、本発明によれば、前記アクチュエータは、電磁力を用いたものであることを特徴とするように構成することにより、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0378】
また、本発明によれば、前記アクチュエータは、圧電効果を用いたものであることを特徴とするように構成することにより、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0379】
また、本発明によれば、情報記憶媒体上にプローブの先端から光を照射して情報の記録および再生のうちの少なくとも一方を行う情報記録再生装置において、前記光の照射位置を前記情報記憶媒体のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動する移動装置と、前記光の反射光または透過光から前記照射位置のトラッキングエラー信号を前記周期的移動に関連して取得する信号取出装置と、を備えていることを特徴とする情報記録再生装置であるように構成することにより、移動装置以外にトラッキング専用の手段を設ける必要が無く、情報記憶媒体上にも記録密度を低下するトラッキング専用のランドやマークを必要とせず、プローブ自身にも特別な工夫を必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得ることができる。
【0380】
また、本発明によれば、情報記憶媒体上にプローブの先端から光を照射して情報の記録および再生のうちの少なくとも一方を行う情報記録再生装置において、前記光の照射位置を前記情報記憶媒体のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動する移動装置と、前記光の反射光または透過光から前記プローブ先端と前記情報記憶媒体表面との間の距離に関する信号を前記周期的移動に関連して取得する信号取出装置と、を備えていることを特徴とする情報記録再生装置であるように構成することにより移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でプローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0381】
また、本発明によれば、前記信号取出装置は、情報記憶媒体上に照射した光から所定の信号を取り出してその瞬時値を保持し、この値からトラッキングエラー信号およびプローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することにより、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0382】
また、本発明によれば、前記信号取出装置は、情報記憶媒体上に照射した光から所定の信号を取り出してその信号の最大値と最小値を保持し、この最大値および最小値からトラッキングエラー信号およびプローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することにより、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0383】
また、本発明によれば、前記周期的に移動する移動装置は、光の照射位置ωで移動させ、信号取出装置は、情報記憶媒体上に照射した光から信号を取り出して、この信号の周波数ωの成分からトラッキングエラー信号を取得し、周波数2ωの成分からプローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することにより、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0384】
また、本発明によれば、前記周期的に移動する移動装置は、プローブをその共振周波数ωoで振動することにより、物理的な作用を生じさせる位置を周期ωoで移動させるものであり、信号取出装置は、情報記憶媒体上に照射した光から信号を取り出して、この信号の周波数ωoの成分からトラッキングエラー信号を取得し、周波数2ωoの成分からプローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することにより、プローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離を高感度に測定することができる。
【0385】
また、本発明によれば、前記周期的に移動する移動装置は、光の照射位置をトラッキングするトラッキング装置と同一のアクチュエータであることを特徴とするように構成することにより、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0386】
また、本発明によれば、前記アクチュエータは、静電引力を用いたものであることを特徴とするように構成することにより、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0387】
また、本発明によれば、前記アクチュエータは、電磁力を用いたものであることを特徴とするように構成することにより、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0388】
また、本発明によれば、前記アクチュエータは、圧電効果を用いたものであることを特徴とするように構成することにより、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0389】
また、本発明によれば、情報記憶媒体との間にトンネル電流を流すプローブを備え、前記トンネル電流により前記情報記憶媒体に対して情報の記録および再生のうち少なくとも一方を行う情報記録再生装置において、前記トンネル電流が流れる位置を前記情報記憶媒体のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動する移動装置と、前記トンネル電流の変動から前記トンネル電流が流れる位置のトラッキングエラー信号を前記周期的移動に関連して取得する信号取出装置と、を備えていることを特徴とする情報記録再生装置であるように構成することにより、移動装置以外にトラッキング専用の手段を設ける必要が無く、情報記憶媒体上にも記録密度を低下するトラッキング専用のランドやマークを必要とせず、プローブ自身にも特別な工夫を必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得ることができる。
【0390】
また、本発明によれば、情報記憶媒体との間にトンネル電流を流すプローブを備え、前記トンネル電流により前記情報記憶媒体に対して情報の記録および再生のうち少なくとも一方を行う情報記録再生装置において、前記トンネル電流が流れる位置を前記情報記憶媒体のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動する移動装置と、前記トンネル電流の変動から前記プローブ先端と前記情報記憶媒体表面との間の距離に関する信号を前記周期的移動に関連して取得する信号取出装置と、を備えていることを特徴とする情報記録再生装置であるように構成することにより、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でプローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0391】
また、本発明によれば、前記信号取出装置は、トンネル電流の変動を取り出して、その瞬時値を保持し、この値からトラッキングエラー信号およびプローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することにより、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0392】
また、本発明によれば、前記信号取出装置は、トンネル電流の変動を取り出して、その信号の最大値と最小値を保持し、この最大値および最小値からトラッキングエラー信号およびプローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することにより、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0393】
また、本発明によれば、前記周期的に移動する移動装置は、トンネル電流が流れる位置を周期ωで移動させ、信号取出装置は、前記トンネル電流の変動を取り出して、この信号の周波数ωの成分からトラッキングエラー信号を取得し、周波数2ωの成分からプローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することにより、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0394】
また、本発明によれば、前記周期的に移動する移動装置は、プローブをその共振周波数ωoで振動することによりトンネル電流が流れる位置を周期ωoで移動させるものであり、信号取出装置は、前記トンネル電流信号を取り出して、この信号ωoの成分からトラッキングエラー信号を取得し、周波数2ωoの成分からプローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することにより、プローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離を高感度に測定することができる。
【0395】
また、本発明によれば、前記周期的に移動する移動装置は、トンネル電流が流れる位置をトラッキングするトラッキング装置と同一のアクチュエータであることを特徴とするように構成することにより、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0396】
また、本発明によれば、前記アクチュエータは、静電引力を用いたものであることを特徴とするように構成することにより、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0397】
また、本発明によれば、前記アクチュエータは、電磁力を用いたものであることを特徴とするように構成することにより、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0398】
また、本発明によれば、前記アクチュエータは、圧電効果を用いたものであることを特徴とするように構成することにより、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0399】
また、本発明によれば、プローブを備え、このプローブと情報記憶媒体との間に働くシアフォースにより前記情報記憶媒体に対する情報の記録および再生のうち少なくとも一方を行う情報記録再生装置において、前記シアフォースが働く位置を前記情報記憶媒体のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動する移動装置と、前記シアフォースの変動から前記シアフォースが働く位置のトラッキングエラー信号を前記周期的移動に関連して取得する信号取出装置と、を備えていることを特徴とする情報記録再生装置であるように構成することにより移動装置以外にトラッキング専用の手段を設ける必要が無く、情報記憶媒体上にも記録密度を低下するトラッキング専用のランドやマークを必要とせず、プローブ自身にも特別な工夫を必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得ることができる。
【0400】
また、本発明によれば、プローブを備え、このプローブと情報記憶媒体との間に働くシアフォースにより前記情報記憶媒体に対する情報の記録および再生のうち少なくとも一方を行う情報記録再生装置において、前記シアフォースが働く位置を前記情報記憶媒体のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動する移動装置と、前記シアフォースの変動から前記プローブ先端と前記情報記憶媒体表面との間の距離に関する信号を前記周期的移動に関連して取得する信号取出装置と、を備えていることを特徴とする情報記録再生装置であるように構成することにより移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でプローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0401】
また、本発明によれば、前記信号取出装置は、前記シアフォースの変動を取り出して、その瞬時値を保持し、この値からトラッキングエラー信号およびプローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することにより、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0402】
また、本発明によれば、前記信号取出装置は、前記シアフォースの変動を取り出して、その信号の最大値と最小値を保持し、この最大値および最小値からトラッキングエラー信号およびプローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することにより、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0403】
また、本発明によれば、前記周期的に移動する移動装置は、前記シアフォースが働く位置を周期ωで移動させ、信号取出装置は、前記シアフォースの変動を取り出して、この信号の周波数ωの成分からトラッキングエラー信号を取得し、周波数2ωの成分からプローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することにより、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0404】
また、本発明によれば、前記周期的に移動する移動装置は、プローブをその共振周波数ωoで振動することにより前記シアフォースが働く位置を周期ωoで移動させるものであり、信号取出装置は、前記シアフォースの変動を取り出して、この信号ωoの成分からトラッキングエラー信号を取得し、周波数2ωoの成分からプローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することにより、プローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離を高感度に測定することができる。
【0405】
また、本発明によれば、前記周期的に移動する移動装置は、シアフォースが働く位置をトラッキングするトラッキング装置と同一のアクチュエータであることを特徴とするように構成することにより、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0406】
また、本発明によれば、前記アクチュエータは、静電引力を用いたものであることを特徴とするように構成することにより、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0407】
また、本発明によれば、前記アクチュエータは、電磁力を用いたものであることを特徴とするように構成することにより、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0408】
また、本発明によれば、前記アクチュエータは、圧電効果を用いたものであることを特徴とするように構成することにより、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0409】
また、本発明によれば、プローブを備え、このプローブと情報記憶媒体間に働くコンタクトモードの原子間力により前記情報記憶媒体に対する情報の記録および再生のうち少なくとも一方を行う情報記録再生装置において、前記コンタクトモードの原子間力が働く位置を前記情報記憶媒体のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動する移動装置と、前記コンタクトモードの原子間力の変動から前記コンタクトモードの原子間力が働く位置のトラッキングエラー信号を前記周期的移動に関連して取得する信号取出装置と、を備えていることを特徴とする情報記録再生装置であるように構成することにより、移動装置以外にトラッキング専用の手段を設ける必要が無く、情報記憶媒体上にも記録密度を低下するトラッキング専用のランドやマークを必要とせず、プローブ自身にも特別な工夫を必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得ることができる。
【0410】
また、本発明によれば、プローブを備え、このプローブと情報記憶媒体間に働くコンタクトモードの原子間力により前記情報記憶媒体に対する情報の記録および再生のうち少なくとも一方を行う情報記録再生装置において、前記コンタクトモードの原子間力が働く位置を前記情報記憶媒体のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動する移動装置と、前記コンタクトモードの原子間力の変動から前記プローブ先端と前記情報記憶媒体表面との間の距離に関する信号を前記周期的移動に関連して取得する信号取出装置と、を備えていることを特徴とする情報記録再生装置であるように構成することにより、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でプローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0411】
また、本発明によれば、前記信号取出装置は、前記コンタクトモードの原子間力の変動を取り出して、その瞬時値を保持し、この値からトラッキングエラー信号およびプローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することにより、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0412】
また、本発明によれば、前記信号取出装置は、前記コンタクトモードの原子間力の変動を取り出して、その信号の最大値と最小値を保持し、この最大値および最小値からトラッキングエラー信号およびプローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することにより、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0413】
また、本発明によれば、前記周期的に移動する移動装置は、前記コンタクトモードの原子間力が働く位置を周期ωで移動させ、信号取出装置は、前記コンタクトモードの原子間力を取り出して、この信号のωの成分からトラッキングエラー信号を取得し、周波数2ωの成分からプローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することにより、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0414】
また、本発明によれば、前記周期的に移動する移動装置は、プローブをその共振周波数ωoで振動することにより前記コンタクトモードの原子間力が働く位置を周期ωoで移動させるものであり、信号取出装置は、前記コンタクトモードの原子間力の変動を取り出して、この信号ωoの成分からトラッキングエラー信号を取得し、周波数2ωoの成分からプローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することにより、プローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離を高感度に測定することができる。
【0415】
また、本発明によれば、前記周期的に移動する移動装置は、前記コンタクトモードの原子間力が働く位置をトラッキングするトラッキング装置と同一のアクチュエータであることを特徴とするように構成することにより、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0416】
また、本発明によれば、前記アクチュエータは、静電引力を用いたものであることを特徴とするように構成することにより、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0417】
また、本発明によれば、前記アクチュエータは、電磁力を用いたものであることを特徴とするように構成することにより、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0418】
また、本発明によれば、前記アクチュエータは、圧電効果を用いたものであることを特徴とするように構成することにより、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0419】
また、本発明によれば、プローブを備え、このプローブと情報記憶媒体間に働くノンコンタクトモードの原子間力により前記情報記憶媒体に対する情報の記録および再生のうち少なくとも一方を行う情報記録再生装置において、前記ノンコンタクトモードの原子間力が働く位置を前記情報記憶媒体のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動する移動装置と、前記ノンコンタクトモードの原子間力の変動から前記ノンコンタクトモードの原子間力が働く位置のトラッキングエラー信号を前記周期的移動に関連して取得する信号取出装置と、を備えていることを特徴とする情報記録再生装置であるように構成することにより、移動装置以外にトラッキング専用の手段を設ける必要が無く、情報記憶媒体上にも記録密度を低下するトラッキング専用のランドやマークを必要とせず、プローブ自身にも特別な工夫を必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得ることができる。
【0420】
また、本発明によれば、プローブを備え、このプローブと情報記憶媒体間に働くノンコンタクトモードの原子間力により前記情報記憶媒体に対する情報の記録および再生のうち少なくとも一方を行う情報記録再生装置において、前記ノンコンタクトモードの原子間力が働く位置を前記情報記憶媒体のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動する移動装置と、前記ノンコンタクトモードの原子間力の変動から前記プローブ先端と前記情報記憶媒体表面との間の距離に関する信号を前記周期的移動に関連して取得する信号取出装置と、を備えていることを特徴とする情報記録再生装置であるように構成することにより、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でプローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0421】
また、本発明によれば、前記信号取出装置は、前記ノンコンタクトモードの原子間力の変動を取り出して、その瞬時値を保持し、この値からトラッキングエラー信号およびプローブ先端と情報記憶媒体表面の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することにより、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0422】
また、本発明によれば、前記信号取出装置は、前記ノンコンタクトモードの原子間力の変動を取り出して、その信号の最大値と最小値を保持し、この最大値および最小値からトラッキングエラー信号およびプローブ先端と情報記憶媒体表面の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することにより、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0423】
また、本発明によれば、前記周期的に移動する移動装置は、前記ノンコンタクトモードの原子間力が働く位置を周期ωで移動させ、信号取出装置は、前記ノンコンタクトモードの原子間力の変動を取り出して、この信号のω成分からトラッキングエラー信号を取得し、周波数2ωの成分からプローブ先端と情報記憶媒体表間の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することにより、移動装置を用いるだけで、そのほかに、情報記憶媒体の構成、材料に制限を加えることなく、プローブ先端と情報記憶媒体表面との距離を測定するための複雑な回路やプローブへの工夫が不要で、特別な波長の光源や情報記憶媒体上に設けるパターンや時間を要する信号処理なども必要としない、簡易な手段でトラッキングエラー信号を得、プローブ先端と情報記憶媒体表面との間の距離を知ることができる。
【0424】
また、本発明によれば、周期的に移動する移動装置は、プローブをその共振周波数ωoで振動することにより前記ノンコンタクトモードの原子間力が働く位置を周期ωoで移動させるものであり、信号取出装置は、前記ノンコンタクトモードの原子間力の変動を取り出して、この信号ωoの成分からトラッキングエラー信号を取得し、周波数2ωoの成分からプローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離に関する信号を取得するものであることを特徴とするように構成することにより、プローブ先端と情報記憶媒体表面間の距離を高感度に測定することができる。
【0425】
また、本発明によれば、前記周期的に移動する移動装置は、前記ノンコンタクトモードの原子間力が働く位置をトラッキングするトラッキング装置と同一のアクチュエータであることを特徴とするように構成することにより、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0426】
また、本発明によれば、前記アクチュエータは、静電引力を用いたものであることを特徴とするように構成することにより、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0427】
また、本発明によれば、前記アクチュエータは、電磁力を用いたものであることを特徴とするように構成することにより、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【0428】
また、本発明によれば、前記アクチュエータは、圧電効果を用いたものであることを特徴とするように構成することにより、移動装置をトラッキング装置と同一のアクチュエータとしたので、これらのアクチュエータを簡易な構成とし、記録再生ヘッドを小型化して、高速な書き込み、読出しを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0429】
【図1】この発明の従来技術を説明する概念図である。
【図2】この発明の従来技術を説明する概念図である。
【図3】この発明の従来技術を説明する概念図である。
【図4】この発明の従来技術を説明する概念図である。
【図5】この発明の従来技術を説明する概念図である。
【図6】この発明の従来技術を説明する概念図である。
【図7】この発明の従来技術を説明する概念図である。
【図8】この発明の実施の形態1である情報記録再生装置のヘッド部分の縦断面図である。
【図9】前記ヘッド部分で情報記憶媒体の表面あるは表面近傍を走査している状態の斜視図である。
【図10】前記ヘッド部分のプローブから出射し情報記憶媒体を照射する光の移動(振動)を示す平面図である。
【図11】前記光の移動による光信号強度および情報記憶媒体の径方向の位置の変化を示すグラフである。
【図12】前記光の移動(振動)を示す平面図である。
【図13】前記光の移動による光信号強度および情報記憶媒体の径方向の位置の変化を示すグラフである。
【図14】前記ヘッド部分により情報記憶媒体のマークピットを読み出すための反射型の光学系および回路を示すブロック図である。
【図15】前記ヘッド部分により情報記憶媒体のマークピットを読み出すための透過型の光学系および回路を示すブロック図である。
【図16】前記反射型の光学系および回路の他の例を示すブロック図である。
【図17】前記光の移動(振動)を示す平面図である。
【図18】前記プローブから出射し情報記憶媒体を照射する光を情報記憶媒体の径方向に周期的に移動(振動)する手段の例を示すブロック図である。
【図19】前記プローブから出射し情報記憶媒体65を照射する光を情報記憶媒体の径方向に周期的に移動(振動)する手段の例を示すブロック図である。
【図20】前記プローブから出射し情報記憶媒体を照射する光を情報記憶媒体の径方向に周期的に移動(振動)する手段の例を示すブロック図である。
【図21】前記ヘッド部分のスライダ全体を振動させるアクチュエータの配置を示す図である。
【図22】前記アクチュエータの構成例を示す断面図である。
【図23】前記アクチュエータの構成例を示す断面図である。
【図24】前記アクチュエータの構成例を示す断面図である。
【図25】この発明の実施の形態2である情報記録再生装置のマークピットを読み出すための光学系と回路のブロック図である。
【図26】この発明の実施の形態3である情報記録再生装置のマークピットを読み出すための光学系と回路のブロック図である。
【図27】この発明の実施の形態4である情報記録再生装置のマークピットを読み出すための光学系と回路のブロック図である。
【図28】この発明の実施の形態5である情報記録再生装置のマークピットを読み出すための光学系と回路のブロック図である。
【図29】この発明の実施の形態6である情報記録再生装置のマークピットを読み出すための光学系と回路のブロック図である。
【図30】前記光学系と回路の構成要素であるアクチュエータを備えた情報記録再生装置のヘッド部分の縦断面図である。
【図31】前記アクチュエータの構成例を示す斜視図である。
【図32】前記アクチュエータの構成例を示す斜視図である。
【図33】前記アクチュエータの構成例を示す斜視図である。
【図34】前記アクチュエータの構成例を示す斜視図である。
【図35】前記ヘッド部分で情報記憶媒体の表面あるいは表面近傍を走査している状態の斜視図である。
【図36】この発明の実施の形態1である情報記録再生装置のプローブの先端部分の拡大断面図である。
【図37】この発明の実施の形態7である情報記録再生装置のヘッド部分の縦断面図である。
【図38】前記ヘッド部分で情報記憶媒体の表面あるいは表面近傍を走査している状態の斜視図である。
【図39】前記情報記憶媒体でのトンネル電流の移動(振動)を示す平面図である。
【図40】時間変化に対するトンネル電流信号信号強度および情報記憶媒体の径方向の位置の変化を示すグラフである。
【図41】前記情報記憶媒体でのトンネル電流の移動(振動)を示す平面図である。
【図42】時間変化に対するトンネル電流信号信号強度および情報記憶媒体の径方向の位置の変化を示すグラフである。
【図43】前記情報記録再生装置のマークピットを読み出すための回路の回路図である。
【図44】前記情報記録再生装置のマークピットを読み出すための回路の回路図である。
【図45】前記情報記録再生装置のマークピットを読み出すための回路の回路図である。
【図46】前記情報記録再生装置のマークピットを読み出すための回路の回路図である。
【図47】前記情報記憶媒体でのトンネル電流の移動(振動)を示す平面図である。
【図48】前記プローブから出射し情報記憶媒体に流れるトンネル電流を情報記憶媒体の径方向に周期的に移動(振動)する手段の例を示すブロック図である。
【図49】前記プローブから出射し情報記憶媒体に流れるトンネル電流を情報記憶媒体の径方向に周期的に移動(振動)する手段の例を示すブロック図である。
【図50】前記プローブから出射し情報記憶媒体に流れるトンネル電流を情報記憶媒体の径方向に周期的に移動(振動)する手段の例を示すブロック図である。
【図51】前記プローブから出射し情報記憶媒体に流れるトンネル電流を情報記憶媒体の径方向に周期的に移動(振動)する手段の例を示すブロック図である。
【図52】前記プローブから出射し情報記憶媒体に流れるトンネル電流を情報記憶媒体の径方向に周期的に移動(振動)する手段の例を示すブロック図である。
【図53】前記プローブから出射し情報記憶媒体に流れるトンネル電流を情報記憶媒体の径方向に周期的に移動(振動)する手段の例を示すブロック図である。
【図54】この発明の実施の形態8である情報記録再生装置の情報記憶媒体のマークピットを読み出すための回路のブロック図である。
【図55】この発明の実施の形態9である情報記録再生装置の情報記憶媒体のマークピットを読み出すための回路のブロック図である。
【図56】この発明の実施の形態10である情報記録再生装置の情報記憶媒体のマークピットを読み出すための回路のブロック図である。
【図57】この発明の実施の形態11である情報記録再生装置の情報記憶媒体のマークピットを読み出すための回路のブロック図である。
【図58】前記プローブから出射し情報記憶媒体に流れるトンネル電流を情報記憶媒体の径方向に周期的に移動(振動)する手段の例を示すブロック図である。
【図59】この発明の実施の形態12である情報記録再生装置の情報記憶媒体のマークピットを読み出すための回路のブロック図である。
【図60】前記情報記録再生装置のヘッド部分の縦断面図である。
【図61】この発明の実施の形態13である情報記録再生装置のヘッド部分の縦断面図である。
【図62】前記ヘッド部分の他の例を示す縦断面図である。
【図63】前記情報記憶媒体でのシアフォースの移動(振動)を示す平面図である。
【図64】時間変化に対するプローブ先端と情報記憶媒体との距離を示す信号信号強度および情報記憶媒体の径方向の位置の変化を示すグラフである。
【図65】前記情報記憶媒体でのシアフォースの移動(振動)を示す平面図である。
【図66】時間変化に対するプローブ先端と情報記憶媒体との距離を示す信号信号強度および情報記憶媒体の径方向の位置の変化を示すグラフである。
【図67】前記情報記録再生装置の情報記憶媒体のマークピットを読み出すための回路のブロック図である。
【図68】前記情報記録再生装置の情報記憶媒体のマークピットを読み出すための回路のブロック図である。
【図69】前記情報記憶媒体でのシアフォースの移動(振動)を示す平面図(a)と、そのA−A´断面図(b)である。
【図70】前記プローブと情報記憶媒体との間に働くシアフォースを情報記憶媒体の径方向に周期的に移動(振動)する手段の例を示すブロック図である。
【図71】前記プローブと情報記憶媒体との間に働くシアフォースを情報記憶媒体の径方向に周期的に移動(振動)する手段の例を示すブロック図である。
【図72】前記プローブと情報記憶媒体との間に働くシアフォースを情報記憶媒体の径方向に周期的に移動(振動)する手段の例を示すブロック図である。
【図73】この発明の実施の形態14である情報記録再生装置のマークピットを読み出すための回路のブロック図である。
【図74】この発明の実施の形態15である情報記録再生装置のマークピットを読み出すための回路のブロック図である。
【図75】この発明の実施の形態16である情報記録再生装置のマークピットを読み出すための回路のブロック図である。
【図76】この発明の実施の形態17である情報記録再生装置のマークピットを読み出すための回路のブロック図である。
【図77】前記プローブと情報記憶媒体との間に働くシアフォースを情報記憶媒体の径方向に周期的に移動(振動)する手段の例を示すブロック図である。
【図78】この発明の実施の形態18である情報記録再生装置のマークピットを読み出すための回路のブロック図である。
【図79】前記情報記録再生装置のヘッド部分の縦断面図である。
【図80】前記情報記録再生装置のヘッド部分の他の例を示す縦断面図である。
【図81】この発明の実施の形態19である情報記録再生装置のヘッド部分の縦断面図である。
【図82】この発明の実施の形態24である情報記録再生装置のヘッド部分の縦断面図である。
【図83】この発明の実施の形態25である情報記録再生装置のヘッド部分の縦断面図である。
【図84】この発明の実施の形態30である情報記録再生装置のヘッド部分の縦断面図である。
【図85】この発明の実施の形態である光磁気効果を用いた情報記録再生装置のヘッド部分の説明図である。
【図86】前記情報記録再生装置のヘッド部分の他の例における説明図である。
【図87】この発明の実施の形態である磁気記録を用いた情報記録再生装置のヘッド部分の説明図である。
【符号の説明】
【0430】
64 プローブ
65 情報記憶媒体
75 信号取出装置
81 移動装置
82 移動装置
86 移動装置
87 移動装置
106 信号取出装置
107 信号取出装置
111 信号取出装置
112 信号取出装置
113 信号取出装置
116 移動装置
121 移動装置
127 移動装置
203 信号取出装置
210 移動装置
213 移動装置
218 移動装置
219 移動装置
224 信号取出装置
225 信号取出装置
229 信号取出装置
231 信号取出装置
232 信号取出装置
237 移動装置
262 信号取出装置
270 信号取出装置
271 信号取出装置
276 信号取出装置
277 信号取出装置
278 信号取出装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブを備え、このプローブと情報記憶媒体との間に所定の物理的な作用を生じさせることにより、前記情報記憶媒体に対する情報の記録および再生のうちの少なくとも一方を行う情報記録再生装置において、
前記物理的な作用を生じさせる位置を前記情報記憶媒体のデータ列が並ぶ方向と直交する方向に周期的に移動する移動装置と、
前記物理的な作用の変動から前記プローブから前記物理的な作用を生じさせる位置のトラッキングエラー信号を前記周期的移動に関連して取得する信号取出装置と、を備えていることを特徴とする情報記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【図72】
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【図73】
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【図74】
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【図75】
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【図76】
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【図77】
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【図78】
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【図79】
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【図80】
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【図81】
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【図82】
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【図83】
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【図84】
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【図85】
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【図86】
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【図87】
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【公開番号】特開2007−109403(P2007−109403A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−18553(P2007−18553)
【出願日】平成19年1月29日(2007.1.29)
【分割の表示】特願2000−22846(P2000−22846)の分割
【原出願日】平成12年1月31日(2000.1.31)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】