説明

情報記録装置および情報記録方法

【課題】情報記録装置の記憶領域から、複数の記録媒体に分けて情報をバックアップする場合でも、どの記録媒体にどの情報が入っているかについて容易に確認することが可能な技術を提供する。
【解決手段】ビデオカメラ装置100は、複数のコンテンツおよびこの複数のコンテンツのそれぞれに対して昇順に付与され、かつ、一意に識別可能な識別子であるコンテンツ識別子を記憶するHDD127と、複数のコンテンツの記録媒体へのバックアップを、コンテンツ識別子の昇順に実行し、バックアップが終了または中断した際に、バックアップが完了したコンテンツのうち、最後にバックアップを完了したコンテンツに対応付けられたコンテンツ識別子をバックアップメディア一覧情報としてHDD127に記憶するCPU120と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報記録装置および情報記録方法に関し、特に、コンテンツをバックアップする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報記録装置の記憶領域、例えば、デジタルカメラ等のHDD(Hard Disk Drive)等の記憶領域に記録された静止画および動画を含む画像を他の記録媒体にバックアップした状態は、バックアップされた媒体の中身と、カメラの中の画像を人の目による確認と過去の記憶による判断で行うことになるため、間違って消してしまう可能性があった。
【0003】
例えば、特許文献1に開示された技術においては、バックアップされたファイルの情報を保持することで、バックアップ済みのファイルを識別し、分類して表示したりアイコンを付けていることでわかりやすくしたりしている。又、削除の操作に対して警告を出すことで、不明確な判断によるデータ消失といった誤操作を未然に防ぐことを提案している。
【0004】
【特許文献1】特開2006−311067号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、ファイルそのものに属性を付けたり、バックアップの履歴専用のリストに、すべてのバックアップファイルを登録するため、情報量が多く無駄になっている。又、HDDのような大容量のデータをCD−RやDVD−Rなど、HDDに比較して容量が小さい記録媒体にバックアップすると、複数の記録媒体に分けて保存することになり、どの記録媒体にどの画像が入っているか、記録媒体を再生装置に入れ替えながら確認する必要があった。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、情報記録装置の記憶領域から、複数の記録媒体に分けて情報をバックアップする場合でも、どの記録媒体にどの情報が入っているかについて容易に確認することが可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のある観点によれば、複数のコンテンツおよびこの複数のコンテンツのそれぞれに対して昇順に付与され、かつ、一意に識別可能な識別子であるコンテンツ識別子を記憶する記憶部と、複数のコンテンツの記録媒体へのバックアップを、コンテンツ識別子の昇順に実行し、バックアップが終了または中断した際に、バックアップが完了したコンテンツのうち、最後にバックアップを完了したコンテンツに対応付けられたコンテンツ識別子をバックアップメディア一覧情報として記憶部に記憶する制御部と、を備える情報記録装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、情報記録装置の記憶領域から、複数の記録媒体に分けて情報をバックアップする場合でも、どの記録媒体にどの情報が入っているかについて容易に確認することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0010】
《記録装置または記録再生装置の一例の使用形態について》
先ず、理解を容易とするために、この発明の各実施形態に適用可能な記録装置または記録再生装置について概略的に説明する。
【0011】
図1を用いて、この発明が適用された記録装置または記録再生装置としてのビデオカメラ装置100の一例の使用形態について説明する。
【0012】
図1において、ビデオカメラ装置100は、筐体12内に記録媒体13を内蔵すると共に、着脱可能な記録媒体15を装填するためのドライブ装置14を有する。
記録媒体13は、例えばハードディスクからなる。
【0013】
記録媒体15は、記録可能なタイプのDVD(Digital Versatile Disc)やBlu−ray Disc(登録商標)といったデータの書き込みが可能とされた光ディスク、光磁気ディスク、不揮発性の半導体メモリ、着脱可能なタイプのハードディスクなど、様々に考えられる。記録媒体15として磁気テープを用いることも考えられる。
【0014】
なお、記録媒体13および記録媒体15の種類は、上述に限定されない。
【0015】
また、上述では記録媒体13が筐体12に内蔵されるように説明したが、記録媒体15と共に記録媒体13も着脱可能としてもよい。
【0016】
このビデオカメラ装置100は、被写体からの光が光学系11に入射され、この光をCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)イメージセンサといった撮像素子で受光して、受光された光を光電変換により電気信号に変換し所定の処理を施して、ディジタルビデオデータとする。このディジタルビデオデータは、例えば記録媒体13に記録される。記録媒体13に記録されたディジタルビデオデータは、出力端(図示しない)を介して外部に出力したり、ビデオカメラ装置100が有する表示素子(図示しない)に映出したりできる。
【0017】
このビデオカメラ装置100は、記録媒体13に記録されたディジタルビデオデータをドライブ装置14に転送し、ドライブ装置14に装填された記録媒体15に記録することができるようにされている。
【0018】
例えば、記録媒体13をハードディスク、記録媒体15を記録可能なタイプのDVDとした場合、記録媒体13に記録されたディジタルビデオデータのバックアップを記録媒体15に取っておき、記録媒体15を別途、保存する。
【0019】
図2は、発明の各実施形態に適用可能なビデオカメラ装置100(情報記録装置)の一例の構成を示す。
【0020】
制御部の一例としてのCPU(Central Processing Unit)120は、ROM123に予め記憶されたプログラムデータに基づき、RAM121をワークメモリとして用いてこのビデオカメラ装置100の全体を制御する。CPU120は、ROM123からプログラムデータを読み出しRAM121上に展開して当該プログラムを実行する。
【0021】
なお、図2では、CPU120とビデオカメラ装置100を構成する各部とが直接的に接続されるように示されているが、これはこの例に限らず、各部がバスに接続され、バスを介してコマンドやデータのやりとりを行うようにしてもよい。
【0022】
光学レンズ部110は、上述した光学系11を構成し、被写体からの光を光電変換部111が有する撮像素子に導くためのレンズ系、絞り調整機構、フォーカス調整機構、ズーム機構、シャッタ機構などを備え、被写体からの光を集光し光電変換部111に入射させる。
【0023】
絞り調整機構、フォーカス調整機構、ズーム機構、シャッタ機構は、CPU120の制御に基づきカメラ機能部115により制御される。
【0024】
光電変換部111は、例えばCCDやCMOSイメージセンサといった撮像素子を有し、光学レンズ部110を介して入射された光を光電変換により電気信号に変換し、さらに所定の信号処理を施し撮像信号として出力する。
【0025】
画像信号処理部112は、例えば、光電変換部111から出力された撮像信号をディジタル信号に変換する撮像信号処理部と、撮像信号処理部で撮像信号が変換されたディジタル信号に対して所定の信号処理を施すと共にベースバンドのディジタルビデオデータに変換するビデオ信号処理部と、ビデオ信号処理部で得られたベースバンドのディジタルビデオデータを所定の方式で圧縮符号化する圧縮符号化部とを有する。
【0026】
撮像信号処理部は、例えば光電変換部111から出力された撮像信号に対して、CDS(Correlated Double Sampling)回路により画像情報を有する信号だけをサンプリングすると共に、ノイズを除去し、AGC(Auto Gain Control)回路によりゲインを調整する。
【0027】
そして、A/D変換によりディジタル信号に変換する。また、撮像信号処理部は、光電変換部111から出力された撮像信号の情報をCPU120に送る。
【0028】
CPU120は、この情報に基づき光学レンズ部110を制御するための制御信号を生成し、フォーカス調整機構や絞り調整機構などの制御を行う。
【0029】
ビデオ信号処理部は、撮像信号処理部で得られたディジタル信号に対して所定の信号処理を施す。
【0030】
例えば、ビデオ信号処理部は、ディジタル信号に対して検波系の信号処理を施し、R(赤色)、G(緑色)およびB(青色)各色の成分を取り出す。
【0031】
そして、取り出された各色成分に基づきγ補正やホワイトバランス補正などの処理を行い、最終的に1本のベースバンドのディジタルビデオデータとして出力する。
【0032】
圧縮符号化部は、ビデオ信号処理部から出力されたベースバンドのディジタルビデオデータを、例えばMPEG2(Moving Pictures Experts Group 2)方式に従い圧縮符号化する。
【0033】
この例に限定されず、例えばH.264|AVCすなわちITU−T(International Telecommunication Union−Telecommunication Standarization Sector)勧告H.264あるいはISO(International Organization for Standarization)/IEC(International Electrotechnical Commission)国際標準14496−10(MPEG−4パート10)Advanced Video Codingに準じた圧縮符号化方式を用いることも考えられる。
【0034】
表示部114は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)を表示素子として用い、画像信号処理部112から供給されたディジタルビデオデータに基づく表示を行うことができる。
【0035】
表示部114は、撮影時には撮影画像のモニタとして用いられ、再生時には、再生画像を映出させることができる。
【0036】
画像入出力部113は、画像信号処理部112から出力されたディジタルビデオデータを外部に出力する。外部から供給されたディジタルビデオデータを画像信号処理部112に供給することもできる。
【0037】
また、画像入出力部113にA/D変換部やD/A変換部を持たせ、画像信号処理部112から出力されたディジタルビデオデータをアナログビデオ信号に変換して出力したり、外部から供給されたアナログビデオ信号をディジタルビデオデータに変換して画像信号処理部112に供給するようにしてもよい。
【0038】
音声入出力部116は、マイクロフォン、スピーカといった音声の入出力手段を有し、外部の音声を音声信号に変換したり、音声信号を音声に変換したりする。また、音声入出力部116は、音声信号の入出力手段も有する。
【0039】
音声処理部117は、音声入出力部116から供給されるアナログ音声信号をA/D変換してディジタルオーディオデータとし、ノイズ除去や音質補正など所定の音声信号処理を施してベースバンドのディジタルオーディオデータとして出力する。
【0040】
ベースバンドのディジタルオーディオデータを所定の方式で圧縮符号化してもよい。また、音声処理部117は、供給されるディジタルオーディオデータに対して音質補正や音量調整などの所定の音声信号処理を施してD/A変換してアナログ音声信号とし、増幅処理などを行い音声入出力部116に供給する。
【0041】
操作入力部124は、このビデオカメラ装置100の動作をユーザが操作するための操作子が所定に設けられ、操作子に対する操作に応じた制御信号を出力する。この制御信号は、CPU120に供給される。
【0042】
CPU120は、ユーザ操作に応じて操作入力部124から供給された制御信号に基づきなされるプログラムの処理により、ビデオカメラ装置100の各部の動作を制御する。
【0043】
また、操作入力部124に、簡易的な表示部を設け、ビデオカメラ装置100の動作に関する所定の表示を行うようにしてもよい。
【0044】
コントローラ部126は、少なくとも上述した記録媒体13に対応するハードディスク127と、上述したドライブ装置14に対応するドライブ装置128が接続され、CPU120からの命令に基づきこれらハードディスク127およびドライブ装置128によるデータの記録、再生の制御を行う。
【0045】
例えば、コントローラ部126は、CPU120の命令に基づき、光電変換部111の撮像素子で撮像され画像信号処理部112で所定に圧縮符号化されたディジタルビデオデータをハードディスク127に記録するように制御を行う。
【0046】
また例えば、コントローラ部126は、CPU120の命令に基づき、ハードディスク127からデータを読み出し、読み出されたデータをドライブ装置128に装填された記録媒体130に記録するように制御を行う。
【0047】
ドライブ装置128に対して適用可能な記録媒体130は、ディジタルデータの記録が可能であれば特に種類を問わないが、記録可能なタイプのDVD(Digital Versatile Disc)やCD(Compact Disc)、Blu−ray Disc(登録商標)といった光ディスク、光磁気ディスクといったディスク状記録媒体、書き換え可能で不揮発性の半導体メモリが用いて好適である。
【0048】
着脱可能なハードディスクをドライブ装置128に適用可能な記録媒体130として用いることもできる。
【0049】
通信部125は、CPU120の制御に基づき、所定のプロトコルを用いて、有線および/または無線により外部機器との通信を行う。
【0050】
有線および/または無線通信のインターフェイスは、ディジタル通信が可能であれば特に種類を問わないが、有線通信としては、USB、IEEE1394、イーサネット(登録商標)などによるLAN(Local Area Network)などが考えられる。
【0051】
また、無線通信としては、IEEE802.11a/b/g、bluetoothなどが考えられる。
【0052】
また、USBやIEEE1394といったインターフェイスで、パーソナルコンピュータなどのホスト機能を有する外部機器と、このビデオカメラ装置100とを接続することで、ビデオカメラ装置100のコントローラ部126に接続されるハードディスク127やドライブ装置128に装填される記録媒体を、外部機器に対してマウントすることができる。
【0053】
電源部131は、例えばバッテリからなり、このビデオカメラ装置100の各部に対して電源を供給する。
【0054】
電源部131による電源の供給のON/OFFは、例えば操作入力部124に対する所定の操作に応じて、CPU120により制御される。
【0055】
CPU120に対して、電源の供給が無くても記憶内容の保持が可能な不揮発性メモリ129が接続される。
【0056】
CPU120は、この不揮発性メモリ129に対して、このビデオカメラ装置100に対する設定情報や、所定の管理情報を記憶し保持させることができる。
【0057】
《発明の実施形態に適用可能なファイルシステムについて》
この発明の各実施形態に適用可能な記録装置として図2に例示したビデオカメラ装置100は、主として、撮像および収音により得られるディジタルビデオデータおよびディジタルオーディオデータからなるコンテンツファイルFctを、上述したように、ハードディスク127に対して記録させるようにされている。
【0058】
ここでは、ビデオカメラ装置100において、コンテンツファイルFctは、ハードディスク127に対してFAT(File Allocation Table)ファイルシステムにより管理され、記録されるものとする。FATファイルシステムは、周知のように、ツリー型のディレクトリ構造によりファイルを管理するものとされている。
【0059】
また、データの書き込みおよび読み出しについては、クラスタといわれる論理的な最小データ管理単位により行うものとされている。クラスタは、記録媒体における物理的なデータ書き込みおよび読み出しの最小単位であるセクタを所定数にまとめたものが1単位となる。
【0060】
図3は、FATファイルシステムの一般的なシステム構成を階層モデルにより示す。
先ず、この階層モデルとしては、ソフトウェア層と、その下層となるハードウェア層とに大別される。
【0061】
ソフトウェア層は、記録媒体に対してホスト側となるCPU(図2の例ではCPU120)が実行するプログラムおよび各種ファームウェア、ミドルウェアなどにより実現されるソフトウェア処理が対応する。
【0062】
この場合のソフトウェア層は、図示するように、アプリケーション50、ファイルシステム51の上位にアプリケーション50が位置する構成となっている。ハードウェア層には、記録媒体そのものの物理的な記録領域が位置するものとして考えることができる。
【0063】
アプリケーション50は、例えばファイルの記録再生機能などを有して記録媒体52を使用するアプリケーションソフトウェアが対応し、ファイルレベルでのアクセス要求をファイルシステム51に対して行う。
【0064】
ファイルシステム51は、ファイルシステムとしての機能を実現するソフトウェアが対応する。この例ではファイルシステムとしてFATファイルシステムを用いているので、ファイルシステム51の機能を提供するソフトウェアとしても、FATファイルシステムに対応して構成される。このファイルシステム51では、アプリケーション50からのアクセス要求に従い、記録媒体52へのアクセス要求を行う。
【0065】
記録媒体52は、論理的にはFATファイルシステムに従ってフォーマット(初期化)されたものとなる。図2ではハードディスク127がこの記録媒体52に相当する。
また、図2において、ドライブ装置128に装填される記録媒体130も、この記録媒体52に相当する。なお、記録媒体130が記録可能なタイプのDVDや、Blu−ray Discであった場合には、記録媒体130に適用されるファイルシステムは、UDF(Universal Disk Format)とされる。
【0066】
UDFは、ISO(International Organization for Standarization)9660によるフォーマットを含んでおり、コンピュータ装置に用いられる様々なファイルシステムでアクセス可能なようになっており、FATファイルシステムを包含する。この場合、CPU120は、ファイルシステム51の機能を提供するソフトウェアとして、UDFに対応した構成をさらに持つ必要がある。
【0067】
記録媒体52は、ファイルシステム51からのアクセス要求に応答して、指定されたアドレスからデータを読み出して、ファイルシステム51に返すことで、アクセス応答を実行する。
【0068】
ファイルシステム51は、記録媒体52からのアクセス応答としてのデータの受け取りを行い、この受け取ったデータをアプリケーション50に受け渡すようにされる。アプリケーション50は、受け取ったデータファイルについて、例えばユーザによる操作入力などに応じたアプリケーションレベルでの所要の処理を実行する。
【0069】
また、FATファイルシステムは、ファイルをツリー型のディレクトリ構造により管理し、また、ファイルをクラスタ単位の集合として管理するようにされている。
このようなファイル管理、データ管理は、周知のようにしてディレクトリエントリおよびFATとしてのテーブル情報(管理情報)を備えることにより実現される。
ディレクトリエントリは、記録媒体52上におけるファイルやディレクトリ、サブディレクトリの所在をクラスタレベルで示す情報であり、FATは、ディレクトリおよびファイルをなす、クラスタレベルでのリンクを示す情報である。
【0070】
図4は、ハードディスク127に記録されるファイルの一例の管理構造を示す。ファイルは、ディレクトリ構造により階層的に管理される。ハードディスク127上には、インデックスファイルディレクトリおよびコンテンツファイルディレクトリの2のディレクトリが、少なくとも形成される。
【0071】
コンテンツファイルディレクトリの配下には、コンテンツファイルFctが格納される。インデックスファイルディレクトリの配下には、インデックスファイルFindexが格納される。
【0072】
インデックスファイルFindexは、FATとは別の方法でコンテンツファイルFctを管理する管理情報が格納される。インデックスファイルFindexは、この場合は静止画や動画などによるコンテンツに特化して、その管理を効率的に行うための管理情報が格納される。
【0073】
このように、FATファイルシステムとは別に、コンテンツファイルFctに特化した専用の管理情報を用いた管理を行うことで、近年において記録媒体の大記憶容量化に伴い記録可能なコンテンツの数が増えたことや、ファイルシステムが持つコンテンツ関連情報(例えばファイル名や更新日時の情報など)以外にもさらに多くの関連情報を効率的に管理するなどの要請に対応可能とされる。例えば、動画再生時には、各コンテンツファイルをそれぞれ代表するサムネイル画像を用いたインデックス表示を行う場合がある。このような場合、専用の管理情報を用いることで、インデックス表示に対応させて、予め各コンテンツファイルに対応するサムネイル画像を埋め込むようにすることが考えられる。すなわち、このようにサムネイル画像を管理情報側に格納することで、インデックス表示を効率的に行うことが可能とされる。
【0074】
また、このようにコンテンツファイル管理に特化した管理情報を別途用いることで、例えばファイルの作成日時順などの所定の区分けでコンテンツファイルディレクトリ配下にディレクトリを作成し、対応するコンテンツファイルを当該ディレクトリに格納するような管理も可能となる。このように専用の管理情報を用いた管理を別途行うことで、汎用のファイルシステムにはなかった管理形態を実現することができる。
【0075】
《発明の実施形態に適用可能なファイル管理形態について》
次に、この発明の各実施形態に適用可能な一例のファイル管理形態について説明する。
図5は、この発明の各実施形態に適用可能な、専用の管理情報としてのインデックスファイルFindexを用いた一例のファイル管理形態を示す。
【0076】
図4を用いて説明したように、インデックスファイルディレクトリ配下には、インデックスファイルFindexが格納される。このインデックスファイルFindexは、図示されるように、管理ファイルスロットSmを複数格納する。
【0077】
各管理ファイルスロットSmは、ファイル名部60、ファイル更新日時部61、エントリID部62、エントリ更新日時部63、コンテンツID部64、コンテンツ更新日時部65、ファイルパス部66などから成る。なお、以下では各管理ファイルスロットSmに格納されるデータのことをエントリデータと称する。
【0078】
《ファイル名部》
図5において、ファイル名部60は、その管理ファイルスロットSmに対応付けられる
コンテンツファイルFctのファイル名の情報が格納される。
【0079】
《ファイル更新日時部》
またファイル更新日時部61は、その管理ファイルスロットSmに対応付けられる
コンテンツファイルFct自体を作成および/または更新した日時を示す情報が格納される。
【0080】
《エントリID部》
エントリID部62は、その管理ファイルスロットSmへのエントリデータを一意に識別するための識別情報(エントリIDと呼ぶ)が格納される。エントリIDは、新たなコンテンツファイルFctの生成に応じて新たなエントリデータが管理ファイルスロットSmにエントリされる毎に付される。
【0081】
《エントリ更新日時部》
エントリ更新日時部63は、その管理ファイルスロットSmへのエントリデータがエントリされた日時または更新された日時を示す情報が格納される。このエントリ更新日時部63に格納される情報は、コンテンツファイルFctの内容が更新されたとしても変更の有無に関わらず、エントリデータの更新に応じて変更される。エントリ更新日時部63に格納される情報が更新される例としては、例えばコンテンツファイルFctに対応付けられるべきメタデータ(図示しない)が更新された場合などが挙げられる。
【0082】
《コンテンツID部》
コンテンツID部64は、その管理ファイルスロットSmに対応付けられた、換言すれば、エントリIDに対応付けられたコンテンツファイルFctを一意に識別し、コンテンツファイルFctのハードディスク127に対する記録順を示すように割り振られたコンテンツIDが格納される。例えば、ハードディスク127に対して新たなコンテンツファイルFctが追加された場合に、所定値、例えば1だけインクリメントされる。
【0083】
また、コンテンツIDは、ハードディスク127に既に記録されているコンテンツファイルFctが更新された場合にも、所定値、例えば1だけインクリメントされる。
【0084】
本発明の実施の形態では、ハードディスク127に対して新たなコンテンツファイルFctが追加される毎、およびコンテンツファイルFctが更新される毎にコンテンツIDを1だけインクリメントされるようにする。このようにすることで、コンテンツIDによってコンテンツファイルFctのハードディスク127に対する記録順を示すことができる。
【0085】
《コンテンツ更新日時部》
コンテンツ更新日時部65は、コンテンツファイルFctを作成および/または更新した日時を示す情報が格納される。このコンテンツ更新日時部65に格納される情報は、対応するコンテンツファイルFctの複製または移動で変化しない。
【0086】
一方、上述のファイル更新日時部61に格納される情報は、コンテンツファイルFctを複製または移動した場合に更新される点で、コンテンツ更新日時部65に格納される情報と異なる。
【0087】
《ファイルパス部》
ファイルパス部66は、その管理ファイルスロットSmと対応付けられるコンテンツファイルFctへのパスの情報が格納される。すなわち、この場合はFATファイルシステム管理下におけるコンテンツファイルFctの所在を示す情報が格納される。
【0088】
ここで、インデックスファイルFindexにおける管理ファイルスロットSmに対し、ファイルシステム51によるハードディスク127上におけるコンテンツファイルFctの生成に応じて、新たなエントリデータが追加される。
【0089】
追加されたエントリデータにおいては、ファイルパス66部に対して、生成されたコンテンツファイルFctのFATファイルシステム管理下での所在を示す情報が格納される。これにより、当該管理ファイルスロットSmと、コンテンツファイルディレクトリ配下にて生成されたコンテンツファイルFctとの対応付けが行われる。
【0090】
また、この場合、図5において破線矢印により示すように、コンテンツID部64に格納されるコンテンツIDによっても、コンテンツファイルディレクトリ配下にて生成されたコンテンツファイルFctを特定することができる。
【0091】
《撮影記録処理について》
この発明の実施の形態に於ける撮影記録処理については、具体的に、操作入力部124からの制御信号に基づき、CPU120は動画撮像開始操作が行われたことを認識した場合、画像信号処理部112、カメラ機能部115をそれぞれ制御し、動画撮像終了時点までこのビデオカメラ装置100における動作モードを動画撮像モードに遷移させる。この場合、光電変換部111は、撮像開始操作の認識時点から撮像終了操作の認識時点まで被写体を所定周期で撮像し、撮像した結果得られる画像データDM1〜DMn(nは整数)を順次画像信号処理部112に送出する。
【0092】
画像信号処理部112は、光電変換部111から順次供給される画像データDM1〜DMnに対して、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)等の所定の圧縮符号化方式に準拠した圧縮処理をそれぞれ施す。そして画像信号処理部112は、この圧縮処理結果として得られた各圧縮画像データを動画ファイルDMFx(x=1、2、3、……、又はm(mは整数))として、CPU120に送出する。
【0093】
CPU120は、画像信号処理部112から送出される動画ファイルDMF1〜DMFmを、コントローラ部126を介してハードディスク127に対応したファイルシステムによってハードディスク127に記録する。それとともに、CPU120は動画ファイルDMF1〜DMFmそれぞれに対応した管理情報生成してハードディスク127上のインデックスファイルFindexに追加する。
【0094】
一方、CPU120は、操作入力部124からの制御信号に基づき、静止画撮像開始操作が行われたことを認識した場合、画像信号処理部112、カメラ機能部115をそれぞれ制御し、このビデオカメラ装置100における動作モードを静止画撮像モードに遷移させる。この場合、光電変換部111は、撮像開始操作の認識時点から撮像終了操作の認識時点まで被写体を所定周期で撮像し、撮像した結果得られる画像データDJを画像信号処理部112に送出する。
【0095】
画像信号処理部112は、光電変換部111から供給される画像データDJに対して、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)等の所定の圧縮符号化方式に準拠した圧縮処理を施し、得られた圧縮画像データを静止画ファイルDJFy(v=1、2、3、……、又はl(lは整数))としてCPU120に送出する。
【0096】
CPU120は、画像信号処理部112から送出される静止画ファイルDJF1〜DJFlを、コントローラ部126を介してハードディスク127に対応したファイルシステムによってハードディスク127に記録する。それとともに、CPU120は静止画ファイルDJF1〜DJFl それぞれに対応した管理情報生成してハードディスク127上のインデックスファイルFindexに追加する。
【0097】
このようにしてこのCPU120は、ユーザ操作に応じて任意に決定された静止画撮像操作時点又は動画撮像開始操作時点から動画撮像終了操作時点までの区間(以下、これを撮像カットと呼ぶ)に撮像された画像をファイルとしてハードディスク127に記録し、それぞれの画像のファイルに内応した管理情報をインデックスファイルFindexに追加することができるようになされている。
【0098】
《バックアップ処理について》
次に、この実施の形態におけるバックアップ処理について説明する。先ず、《発明の実施形態に適用可能なファイル管理形態について》のコンテンツID(コンテンツ識別子)の項でも説明したバックアップ元であるハードディスク127に対して新たなコンテンツファイルFctが追加される毎にインクリメントされる、言い換えればコンテンツファイルFctの記録順を示すコンテンツIDを用いて、コンテンツIDの小さいものから大きいものへと順にコンテンツファイルのバックアップを実行する。その際、記録媒体の空き容量と次にバックアップするコンテンツファイルのファイルサイズとを比較し、不足する場合バックアップの処理を中断し、図6に一例が示されるようなバックアップメディアリストを生成し、最後にバックアップが完了したコンテンツファイルのコンテンツIDを登録して保存する。
【0099】
バックアップメディアリスト(バックアップメディア一覧情報)には、コンテンツIDと関連付けて、その記録媒体に最初に記録したコンテンツファイルに対応する管理ファイルスロットのファイル更新日時部に記録されているファイル更新日時を撮影日時として、バックアップ処理が開始された日時をバックアップ実行日時として、それぞれ登録される。
【0100】
インデックスファイルは、コンテンツファイルに関連するデータを管理するために構成しているので、このように、インデックスファイルとは別にリストを生成することで、バックアップ処理に関するデータを管理できるようになる。
【0101】
バックアップメディアリストは、記憶部に記憶されるが、ハードディスク上に保存されても良いし、不揮発性メモリ129に保存しても良い。この実施の形態ではハードディスクに保存するものとして説明をする。
【0102】
このバックアップメディアリストには、記録媒体が容量不足によりバックアップが中断された際、また、すべてのコンテンツファイルのバックアップが完了した際に、それぞれ最後にバックアップが完了したコンテンツファイルに対応するコンテンツIDと、撮影日時と、バックアップ実行日時が、事象が発生した時点で、リストの最後に追加登録される。このように、生成されたバックアップメディアリストには、各記録媒体に保存された最大の値を持つコンテンツIDが記録媒体毎にリストアップされるので、詳細は後述するが、インデックスファイルと、リストされているコンテンツIDを比較することでハードディスク上のコンテンツファイルを分類することが可能となり、その後のファイル操作などの管理をバックアップされた記録媒体毎に行うことが可能となる。
【0103】
このバックアップメディアリストに含まれるコンテンツIDのうち、リストの最後のコンテンツIDと等しいか、小さい値を持つコンテンツIDは、既にバックアップされたコンテンツファイルに対応する。したがって、バックアップメディアリストの最後のコンテンツIDによって、前回までのバックアップ処理によってバックアップされていないコンテンツファイルが特定される。
【0104】
そこで、バックアップ処理が再開、または全てのコンテンツファイルのバックアップ処理が完了してから新たなコンテンツがハードディスク上に追加されてからバックアップが実行された場合、記録されているコンテンツファイルのうち、バックアップメディアリストの最後のコンテンツIDより大きなコンテンツIDを有するコンテンツファイルを特定するための情報を、図7に一例が示されるような、簡易差分情報リストLSB−eとして生成する。
【0105】
このように、簡易差分情報リストLSB−eは、バックアップメディアリストの最後のコンテンツIDよりも値が大きなコンテンツIDを有するコンテンツファイルFctに対するアクセス情報がリストアップされる。具体的には、ハードディスク127に記録されるインデックスファイルFindexに格納されるファイルパス部66に格納される、該当する各コンテンツファイルFctのファイルパス情報をリストアップする。
【0106】
なお、簡易差分情報リストLSB−eの構成は、上述に限らず、例えばファイルパス情報の代わりに、コンテンツIDをリストアップする構成も考えられる。この、簡易差分情報リストLSB−eにリストアップされたコンテンツファイルを、リストの順にバックアップすることで、コンテンツファイルの重複や、欠落無くバックアップすることが可能となる。
【0107】
図8から図12を用いて、実施の形態によるバックアップ処理について、詳細に説明する。
【0108】
図8の左側に、バックアップ元であるハードディスク127におけるコンテンツファイルFctの一例の格納状態を示す。「×(バツ)」印が付されたコンテンツIDに対応するコンテンツファイルFctは、ハードディスク127から削除されたコンテンツファイルFctを示す。また、図8の右側は、バックアップ先である記録媒体130A、130B、・・・を示す。
【0109】
ここで、ハードディスク127に対し、コンテンツID値「5」までのコンテンツファイルFctが記録されている時点u1で、ハードディスク127の記録内容を記録媒体130にバックアップする場合について考える。なお、この時点で、コンテンツID値「4」のコンテンツファイルFctは、既にハードディスク127から削除されているものとする。また、初期状態において、ハードディスク127に対してバックアップメディアリストは、記録されていない。また、バックアップ処理を行うに当たって、ユーザは、バックアップ先となる記録媒体130Aを、ビデオカメラ装置100が内蔵するドライブ装置128に予め装填しておく。
【0110】
この場合、図9のフローチャートに示す処理に従い、ハードディスク127に記録されているコンテンツファイルFctを、記録媒体130Aに対して、全コンテンツファイル保存処理によるバックアップ保存処理を行う指示がなされると(ステップS1301)、CPU120は、ハードディスク127にバックアップメディアリストが保存されているか否かを判断する(ステップS1302)。
【0111】
この時点では、未だハードディスク127に対してバックアップメディアリストが保存されていないので、CPU120は、ファイルシステム51に対して、ハードディスク127に記録されている全コンテンツファイルFctを、記録媒体130Aに記録するように要求する(ステップS1307)。
【0112】
ファイルシステム51は、この要求に従い、ハードディスク127からコンテンツファイルFctを順次読み出し、記録媒体130Aに記録する(ステップS1308)。このとき、コンテンツファイルFctをハードディスク127から読み出す順序が、コンテンツID順になるように、読み出し順を制御される。
【0113】
又、記録する処理の開始とともに、表示部にはバックアップ処理が実行中であることを示す文言、またはバックアップ処理中であることを図式化した表示と、バックアップ対象となるコンテンツファイルの最小のコンテンツIDを持つコンテンツファイルの撮影日時と、バックアップ処理を実行している現在の日時の表示を開始する。
【0114】
表示例を図10にて示す。このように、バックアップ処理中であることを表示することで、ユーザがバックアップ処理中であることを認識できて、不用意な操作をしないよう注意が喚起できる。
【0115】
又、バックアップの対象ファイルのうち最小のコンテンツIDをもつコンテンツファイルの撮影日時を表示することで、ユーザはいつ撮影したコンテンツファイルからバックアップを行っているか確認できる。
【0116】
また、撮影日時や、バックアップを実行している現在の日時を表示することで、バックアップ先の記録メディアの管理を表示された、日時を記録メディアなどに直接記入することで、記録媒体に記載された日付を見ることで、装置が機械的生成した番号などと違い、ユーザが撮影や、バックアップなどの行動をした日付であることで、直感的に把握しやすくなり、ユーザの利便性がよくなる。
【0117】
記録が終了されると、表示部にバックアップ完了を示す文言、または図式化した表示を行い、バックアップメディアリストがハードディスク127に保存される(ステップS1309)。
【0118】
この場合、時点u1においてハードディスク127に記録されているコンテンツファイルFctが全て記録媒体130Aに記録されたので、ハードディスク127に記録されているコンテンツファイルFctのコンテンツID値のうち最大のコンテンツID値「5」が最後のコンテンツIDとして、またバックアップ対象となるコンテンツファイルのうち最小のコンテンツIDを持つコンテンツファイルのファイル更新日(撮影日時)と、バックアップ実行日時がバックアップメディアリストに登録されている。
【0119】
次に、ハードディスク127に対してコンテンツファイルFctがさらに記録され、コンテンツID値「11」までのコンテンツファイルFctが記録されている時点u2で、ハードディスク127の記録内容を記録媒体130にバックアップする場合について考える。なお、この時点で、コンテンツID値「6」および値「10」のコンテンツファイルFctは、既にハードディスク127から削除されているものとする。
【0120】
先ず、ユーザは、バックアップ先となる記録媒体130Bをドライブ装置128に装填する。
【0121】
ハードディスク127に記録されているコンテンツファイルFctを、バックアップ先の記録媒体130Bにバックアップする旨の指示に応じて、CPU120は、ハードディスク127にバックアップメディアリストが保存されているか否かを判断する。
【0122】
この場合には、コンテンツID値「5」がバックアップメディアリストの最後のコンテンツID値として保存されているので、CPU120は、ハードディスク127に記録されているインデックスファイルFindexを取得する(ステップS1303)。
【0123】
CPU120は、取得されたインデックスファイルFindexに基づき、簡易差分情報リストLSB−eを生成する(ステップS1304)。この図8の例では、コンテンツID値「5」が最後にリストに登録されたコンテンツID値とされているので、コンテンツID値「5」より大きいコンテンツID値、すなわちコンテンツID値「6」〜コンテンツID値「11」にそれぞれ対応するコンテンツファイルFctのファイルパスが、簡易差分情報リストLSB−eにリストアップされる。
【0124】
そして、簡易差分情報リストLSB−eにリストアップされているファイルパスに基づき、ハードディスク127からコンテンツID順にコンテンツファイルFctが順次、読み出され、記録媒体130Bに対して記録される(ステップS1305)。
【0125】
なお、ステップS1304における簡易差分情報リストLSB−eの生成方法と、ステップS1305における差分ファイル群処理については、詳細は後述する。
【0126】
記録する処理の開始とともに、表示部には図10で示すように、バックアップ処理が実行中であることを示す文言、またはバックアップ処理中であることを図式化した表示と、バックアップ対象となるコンテンツファイルの最小のコンテンツIDを持つコンテンツファイルの撮影日時と、バックアップ処理を実行している現在の日時の表示を開始する。コンテンツID値「11」に対応するコンテンツファイルFctが記録媒体130Bに記録されたら、表示部にバックアップ完了を示す文言、または図式化した表示を行い、当該コンテンツID値「11」がバックアップメディアリストの最後に登録されてハードディスク127に保存される(ステップS1306)。
【0127】
《簡易差分情報リストの生成処理》
図11は、上述したステップS1304における簡易差分情報リストLSB−eの一例の生成処理をより詳細に示すフローチャートである。
【0128】
最初のステップS1401で、CPU120は、ハードディスク127に保存されているバックアップメディアリストを取得する。次のステップS1402で、ポインタ値[j]をリセットし、値「0」とする。このポインタ値[j]は、上述してステップS1303において、ハードディスク127から取得したインデックスファイルFindex内にエントリされる各エントリデータすなわち管理ファイルスロットSmから、対象とするエントリデータを指し示すためのポインタとしての役割を果たす。
【0129】
次のステップS1403で、ポインタ値[j]が、ハードディスク127に記録される全コンテンツファイル数と一致したか否かを判別する。すなわち、ポインタ値[j]が、取得したインデックスファイルFindex内にエントリされるエントリデータの数と一致したか否かについて判別する。
【0130】
ポインタ値[j]が、ハードディスク127に記録される全コンテンツファイル数と一致していないと判別されれば、処理はステップS1404に移行する。ステップS1404では、[j]番目のコンテンツファイルFctのエントリデータからコンテンツIDを取得する。すなわち、ポインタ値[j]により指し示されるエントリデータ内のコンテンツID部64に格納されるコンテンツIDを取得する。そして、次のステップS1405において、ステップS1404で取得したコンテンツIDの値が、ステップS1401で取得されたバックアップメディアリストの最後に登録されているコンテンツIDの値よりも大きいか否かを判別する。
【0131】
ステップS1405で、ステップS1404で取得したコンテンツIDの値が、ステップS1401で取得されたバックアップメディアリストの最後に登録されているコンテンツIDの値よりも大きいと判別されれば、処理はステップS1406に移行される。これは、換言すれば、記録媒体130にバックアップされたコンテンツファイルFctよりも後に記録されたコンテンツファイルFctがハードディスク127上に存在することを意味する。
【0132】
ステップS1406において、CPU120は、ポインタ値[j]により示されるエントリデータ内のファイルパス部66を参照し、[j]番目のコンテンツのエントリデータからファイルパスを取得する。そして、次のステップS1407で、取得されたファイルパスの情報を、図8を用いて説明した簡易差分情報リストLSB−eにリストアップする。この簡易差分情報リストLSB−eは、例えばRAM121に一時的に記憶される。
【0133】
ステップS1407でファイルパスが簡易差分情報リストLSB−eに追加されると、処理はステップS1408に移行され、ポインタ値[j]が1だけインクリメントされ、処理がステップS1403に戻される。
【0134】
一方、上述のステップS1405において、ステップS1404で取得したコンテンツIDの値が、ステップS1401で取得されたバックアップメディアリストの最後に登録されているコンテンツIDの値よりも小さいと判別された場合は、処理はステップS1408に移行され、ポインタ値[j]が1だけインクリメントされ、処理がステップS1403に戻される。これは、換言すれば、ハードディスク127上に存在するコンテンツファイルFctは、全て、記録媒体130にバックアップされたコンテンツファイルFctよりも前に記録されたコンテンツファイルFctであるので、ハードディスク127上に存在するコンテンツファイルFctに対応するファイルパスの情報を、簡易差分情報リストLSB−eに追加しないことを意味する。
【0135】
なお、ステップS1403において、ポインタ値[j]がハードディスク127に記録される全コンテンツファイル数と一致したと判別されたら、このフローチャートにおける一連の処理が終了され、処理は上述の図9におけるステップS1305に移行される。
【0136】
図12は、上述の図9におけるステップS1305の、差分ファイル群に対する一例の処理をより詳細に示すフローチャートである。最初のステップS1501において、ポインタ値[m]がリセットされ、値「0」とされる。このポインタ値[m]は、簡易差分情報リストLSB−e内にリストアップされるファイルパスから、対象とするファイルパスを指し示すためのポインタとしての役割を果たす。
【0137】
次のステップS1502では、ポインタ値[m]が簡易差分情報リストLSB−eにおけるファイルパスのリストアップ数と一致したか否かが判別される。ステップS1502において、ポインタ値[m]が簡易差分情報リストLSB−e内のリストアップ数と一致していないと判別されれば、処理はステップS1503に移行される。
【0138】
ステップS1503では、CPU120により、簡易差分情報リストLSB−eに示される[m]番目のファイルパスが取得される。[m]番目のファイルパスが取得されると、次のステップS1504で、取得されたファイルパスにより示されるコンテンツファイルFctをハードディスク127から読み出し、記録媒体130に記録する要求がなされる。この要求は、例えば、CPU120によりファイルシステム51に対してなされる。この要求に応じて、次のステップS1505で、ハードディスク127から読み出された当該コンテンツファイルFctが記録媒体130に保存される。
【0139】
ステップS1505の保存処理が実行されると、ステップS1506にてポインタ値[m]が1だけインクリメントされ、処理はステップS1502に戻される。一方、上述のステップS1502において、ポインタ値[m]が簡易差分情報リストLSB−eにリストアップされたファイルパスのリストアップ数と一致したと判別されれば、このフローチャートによる一連の処理が終了され、処理は上述した図9のステップS1306に移行される。
【0140】
なお、この実施の形態では、上述の図9〜図12のフローチャートに例示されるように、簡易差分情報リストLSB−eを生成した上で、当該リストに逐次リストアップされるファイルパス毎に、コンテンツファイルFctのハードディスク127からの読み出しおよび記録媒体130への保存を行うようにしたが、これはこの例に限られない。すなわち、この場合でも、簡易差分情報リストLSB−eを生成せずに、差分のコンテンツファイルFctを1つ特定する毎に、そのコンテンツファイルFctのハードディスク127からの読み出しおよび記録媒体130への保存を行うようにすることもできる。
【0141】
また、この場合において、簡易差分情報リストLSB−eにリストアップされる全てのファイルパスについて、一括してコンテンツファイルFctの記録媒体130への保存を行うように構成することもできる。
【0142】
さらに、この実施の形態では、ハードディスク127にコンテンツファイルFctが記録される記録順を示す情報を、新たなコンテンツファイルFctの記録毎に値が1ずつインクリメントされるレコーディングオーダを用いて実現する場合について説明したが、これはこの例に限定されない。例えば、ファイルパスとファイル更新日時との組み合わせによるコンテンツIDを、記録順を示す情報として用いることができる。
【0143】
ここで、バックアップ先である記録媒体130の記録容量が、バックアップ元であるハードディスク127の記録容量よりも非常に小さい場合、バックアップ処理の途中で記録媒体130における記録可能な容量がコンテンツファイルFctのデータサイズよりも少なくなってしまい、バックアップ処理が中断されてしまうことが考えられる。この実施の形態では、このような場合でも、問題なくバックアップ処理を実行できる。
【0144】
一例として、図9のステップS1305の差分ファイル群処理において、ファイルシステム51は、例えば記録するコンテンツファイルFctのファイルサイズと、記録媒体130Aの空き容量とをチェックしながら記録を制御し、次に記録しようとするコンテンツファイルFctが記録媒体130Aに記録できないと判断したら、コンテンツファイルFctの記録を終了することが考えられる。
【0145】
例えば、記録が終了されると、処理をステップS1305から強制的にステップS1306に移行させ、バックアップが完了したコンテンツファイルFctのコンテンツID値のうち最大のものをバックアップメディアリストに登録して、ハードディスク127に保存するようにする。
【0146】
図8の例で、時点u2でバックアップ処理を行っている最中に、コンテンツID値「8」のコンテンツファイルFctを記録し終わった段階で、次のコンテンツID値「9」のコンテンツファイルFctを記録するように十分な空き容量が記録媒体130Bに存在しない場合を考える。この場合、コンテンツID値「8」のコンテンツファイルFctを記録し終わったらバックアップ処理を中断し、当該コンテンツID値「8」をバックアップメディアリストの最後に登録して、ハードディスク127に保存する。
【0147】
次のバックアップ処理は、先のバックアップメディアリストの最後のコンテンツID値に基づき、次のコンテンツID値「9」のコンテンツファイルFctから開始させることができる。この方法を応用することで、ハードディスク127に多量に蓄積されたコンテンツファイルFctを、記録容量の比較的小さな記録媒体130A、130B、・・・に分散的にバックアップする処理を容易に行うことができる。
【0148】
すなわち、上述のようにしてバックアップ処理を行いながら、ファイルシステム51によりバックアップ先の記録媒体130の空き容量を常時監視し、次のコンテンツファイルFctが記録可能な分の空き容量が記録媒体130に存在しなければ、その時点で記録を終了させ、記録が完了したコンテンツファイルFctに対応するコンテンツID値のうち最大のコンテンツID値をバックアップメディアリストの最後に追加登録して、ハードディスク127に保存する。そして、記録媒体130を交換して次のバックアップを再開するときに、このバックアップメディアリストの最後のコンテンツIDに基づき、バックアップ処理を制御する。
【0149】
上述したようにして、バックアップ元であるハードディスク127側に保存されたバックアップメディアリストに基づき、ハードディスク127に記録されるコンテンツファイルFctのバックアップを制御することで、バックアップ元に比べて記録容量の小さいバックアップ先に分散的にバックアップを行う場合でも、漏れや重複のないバックアップ処理を容易に実現でき、さらに、記録媒体を交換して順次分散的にバックアップが行われた際の、記録媒体ごとの最後にバックアップされたコンテンツファイルのコンテンツIDがバックアップメディアリストとしてハードディスク127に保存される。このバックアップメディアリストを、ビデオカメラ装置100に内蔵されるハードディスク127上のバックアップ後のコンテンツファイルFctの管理用に使用することで、バックアップした記録媒体毎に分類して管理、操作を行うことが可能となる。
【0150】
《コンテンツファイルの管理について》
次に、ビデオカメラ装置100に内蔵されるハードディスク127上のバックアップ後のコンテンツファイルFctの管理について説明する。ここで言う管理とは、コンテンツの分類や、表示、操作に関するものである。
【0151】
《一覧表示の説明》
ビデオカメラ装置100では、記録されたコンテンツファイルを再生する際に、複数のコンテンツファイルから所望のコンテンツファイルを選択するためにコンテンツファイルを一覧して表示する機能を搭載している。例えば、操作入力部124からの制御信号に基づき、CPU120はコンテンツ一覧表示操作が行われたことを認識した場合、コントローラ部、画像信号処理部をそれぞれ制御して、このビデオカメラ装置100における動作モードをコンテンツ一覧表示モードに遷移させる。この場合、コントローラ部はハードディスクからインデックスファイルFindexを読み込み、CPU120に送出する。
CPU120は送出されたインデックスファイルから、1ないし複数の管理ファイルスロットの情報を、それぞれのコンテンツ更新日時から時系列にソートしたエントリIDの一覧表示リストをRAM121上に生成する。
【0152】
ここではエントリIDのリストを生成するとしたが、コンテンツファイルを一意に指定できればよいので、コンテンツIDであっても良い。
【0153】
一覧表示リスト内では、1画面内に表示できるコンテンツ数(例えば6枚)を1ページとして、リストの先頭から順にエントリIDがページ単位でグループ化され、リストの先頭のグループを第1ページとして、移行第2ページ、第3ページと順にページ番号を割り振られる。
【0154】
図13に一覧表示リストの一例を示す。この一覧表示リストの最終ページに含まれるエントリIDから、インデックスファイル内の対応コンテンツを検索し、対応するコンテンツファイルの管理ファイルスロットからファイルパス部に格納されるコンテンツファイルのパスの情報を取得し、得られたファイルパスのコンテンツファイルファイルをハードディスクから順次読み出し、画像信号処理部にて複合化し、画像サイズを縮小変換した、サムネイル画像を生成させる。
【0155】
順次読み出されたコンテンツファイルから生成されたそれぞれのサムネイル画像は、一つの画面内に同時に表示するようにコンテンツ更新日時順にレイアウトされて表示部に送られ、表示される。
【0156】
尚、動画コンテンツの場合はその先頭の画像をサムネイル画像(縮小画)として使用するが、所定の時間を経過した位置の画像を使用しても良い。
【0157】
また、この実施の形態ではサムネイル画像は、一覧表示モードに遷移しコンテンツファイルを読み込むことによって、随時生成するように構成しているが、コンテンツファイルが生成された時点でサムネイル画像を生成し、ハードディスク上に保存しておいても良く、この場合は、管理ファイルスロット内に、サムネイル画像のファイルパスを格納する部分を設け、管理ファイルスロットからの情報でサムネイル画像を呼び出して表示することで、一覧表示モード内でのサムネイル画像の生成にかかる処理が省略でき、一覧表示の操作に対する反応を良くすることができる。
【0158】
さらに操作入力部124からの制御信号に基づき、現在表示している一覧表示リストのページより、前、または後のページのコンテンツファイルを表示させる操作を認識した場合は、前または、後のページに含まれる管理ファイルスロットからファイルパス部に格納されるコンテンツファイルのパス情報を取得して、同様の処理を行う。
【0159】
尚、最終ページを表示中に、後のページを表示させる操作を認識した場合は、第1ページを表示させても良いし、第1ページを表示中に、前のページを表示させる操作を認識した場合は、最終ページを表示させても良い。
【0160】
このように、コンテンツ更新日時の時系列順に、コンテンツファイルから生成されるサムネイル画像を表示部に一覧表示させ、操作入力部からの制御信号に基づいて、現在表示しているコンテンツファイルに対して、コンテンツ更新日時の時系列順に、新しいもの、または古いものを表示させるように構成することで、限られた画面内で、ハードディスクに記録されている全てのコンテンツファイルを一覧表示させることが可能である。
【0161】
《バックアップ済みコンテンツファイルの一覧表示》
次に、バックアップ処理によって得られた情報によってコンテンツファイルを管理する機能について説明する。先のコンテンツ一覧表示モードにおいて、操作入力部124からの制御信号に基づき、バックアップメディア毎の一覧表示操作が行われたことを認識した場合、コントローラ部、画像信号処理部をそれぞれ制御して、このビデオカメラ装置100における動作モードをバックアップコンテンツ一覧表示モードに遷移させる。
【0162】
この場合、コントローラ部はハードディスクからインデックスファイルFindexと、バックアップメディアリストを読み込み、CPU120に送出する。CPU120は送出されたインデックスファイルから、それぞれのコンテンツIDをコンテンツIDの小さいものから大きいものへソートしたバックアップ一覧表示リストをRAM121上に生成する。
【0163】
次に、バックアップ一覧表示リストの最初の管理ファイルスロットから順にコンテンツIDをバックアップメディアリスト内の一番小さなレコーディングオーダと同じか、小さいものをメディアグループ1とし、以下順に既にメディアグループに割り当てられたものは除外しながら、バックアップメディアリストに含まれるコンテンツIDの2番目に小さいもの、3番目に小さいものと順に、同じか小さいものをメディアグループ2、3と順にメディアグループ番号を割り振る。
【0164】
更に、メディア番号グループごとに、一画面に表示されるコンテンツ数分のページ単位にグループ化し、コンテンツIDの小さなものから順に、ページ1、ページ2と順にページ番号を割り振る。
【0165】
図14にバックアップ一覧表示リストの例を示す。コンテンツID[1]からコンテンツID[38]までがハードディスク上に存在していた場合に、これらが、コンテンツID順にソートされ、次にバックアップメディアリスト上に、コンテンツIDが[8][16][33][38]と記録されている時に、バックアップメディアリストのコンテンツID[8]以下のコンテンツIDを持つバックアップ一覧リスト上のコンテンツID[1]から[8]はメディアグループ1に分類され、以下、[9]から[16]はメディアグループ2に、[17]から[33]はメディアグループ3に、[34]から[38]はメディアグループ4に分類される。
【0166】
更に、メディアグループ1に分類されたコンテンツID[1]から[8]は一画面に表示されるコンテンツ数分のページにグループ化され、コンテンツID[1]から[6]はPage1に分類され、コンテンツID[7]から[8]はPage2に分類される。同様に、メディアグループ毎に、ページ分けされて、バックアップメディア一覧表示リストが完成する。
【0167】
次に、このバックアップ一覧表示リストの最大のメディアグループ番号(図14の例ではメディアグループ4)の、ページ1に含まれるコンテンツIDから、通常の一覧表示の処理と同様に、サムネイル画像を生成し、コンテンツID順に一つの画面に表示するようにレイアウトされ、表示部に表示される。
【0168】
さらに操作入力部124からの制御信号に基づき、現在表示しているバックアップ一覧表示リストのページより、前、または後のページのコンテンツファイルを表示させる操作を認識した場合は、前または、後のページに含まれる管理ファイルスロットからファイルパス部に格納されるコンテンツファイルのパス情報を取得して、同様の処理を行う。
【0169】
この際、同一メディアグループ内のページが、Page1を表示している際に、前ページを表示させる操作を受けた際は、前のメディアグループの最終ページを表示させ、同一メディアグループ内の最終ページを表示している時に、後ページを表示させる操作を受けた際は、次のメディアグループのページ1を表示するようにする。
【0170】
又、最終メディアグループの最終ページを表示中に、後のページを表示させる操作を認識した場合は、メディアグループ1の第1ページを表示させても良いし、メディアグループ1の第1ページを表示中に、前のページを表示させる操作を認識した場合は、最終メディアグループの最終ページを表示させても良い。
【0171】
《表示例説明》
図15にバックアップメディア一覧表示の表示例を示す。内容表示部内に、サムネイル画像表示部、メディア表示部、頁表示部、スクロール表示部からなり、先のコンテンツID順に一つの画面内に表示するようにレイアウトされたサムネイル画像が、サムネイル画像表示部に配置している。
【0172】
スクロール操作部は、例えばタッチパネルを持つ操作部によって、操作を認識させる構成としたときに、スクロール操作部にタッチすることによって前のページ、または後のページを表示させる操作を認識させるために表示する。例えば、上向きの三角の絵柄部分をタッチすれば、前のページを表示させる操作と認識し、下向きの三角の絵柄部分をタッチすることで、後のページを表示させる操作と認識するように、構成させるものである。
頁表示部は、メディアグループ内で、複数のページが存在する場合において、そのページ数を表示することで、同一メディアグループ内のコンテンツを表示していることをユーザにわかりやすくしている。
【0173】
メディア表示部には、現在、表示しいているコンテンツの属するメディアグループのバックアップメディアリストの撮影日時を表示している。例えば、バックアップメディアリストの最初のコンテンツIDによって、分類されたメディアグループ1に対応しては、バックアップメディアリストのそのコンテンツIDに対応する撮影日時に保存された値をここに表示する。
【0174】
このようにすることで、何時撮影されたコンテンツをバックアップしたメディアのコンテンツであるかをユーザが容易に識別できるようにしている。この実施形態では、メディアグループをブンルシするためのコンテンツIDに対応した撮影日時を使用しているが、バックアップ実行日時であってもよく、バックアップ実行日時であるほうがユーザの理解を得られやすいことも考えられる。そこで、好みによって表示内容を変更できるように設定画面を別途用意して、切り替えられるようにしても良い。
【0175】
又、先のスクロール表示部では前や、後のページを選択するよう操作出来るだけであるが、メディア表示部をタッチすることで、メディアを直接選択する、メディア選択表示を呼び出すように構成することで、更にバックアップされたコンテンツの一覧性が向上する。例えば、メディア表示部をタッチすると、図16のように、メディア一覧表示が行われる。
【0176】
メディア一覧表示では、バックアップメディアリストにある、各コンテンツIDの順に、対応する撮影日時、またはバックアップ実行日時をリスト表示し、ユーザが、所望の撮影日時またはバックアップ実行日時の位置をタッチパネルへのタッチ操作によって選択することで、メディアグループを指定する操作部からの操作とし、対応するコンテンツIDを含むメディア一覧表示リストのメディアグループのPage1 を表示させるように制御する。
【0177】
このようにすることで、バックアップされたコンテンツファイルをバックアップされた記録媒体を表示単位として、一覧、検索することが可能になる。バックアップメディアリストが存在しない場合においては、バックアップ一覧表示リストを作成せずに、サムネイル画像表示部にはサムネイル画像表示部の背景色のみで構成された表示とし、同様に、メディア表示部、ページ表示部についてもそれぞれの表示部の背景色のみの表示で構成することで、バックアップされたコンテンツが、ハードディスク上に無いことを表示する。この際、サムネイル表示部に、文言によって、バックアップされたコンテンツファイルが無い事を表示しても良い。これにより、ユーザに対して更にバックアップがされていないことを分り易く出来る。
【0178】
このように、バックアップ済みのコンテンツファイルを一覧表示することで、ユーザに対してハードディスク上のコンテンツファイルがバックアップされているかいないかが容易に確認できるようになる。
【0179】
又、記録媒体毎に分類して、分類毎に一覧表示することで、バックアップされているコンテンツファイルが記録媒体に、どのように分割して保存されているか、どの記録媒体にそのコンテンツファイルがバックアップされているかなど、コンテンツファイルの管理を容易に行うことが可能になる。
【0180】
《コンテンツファイルの削除について》
コンテンツファイルの削除処理について説明する。この実施の形態では、一覧表示またはバックアップ一覧表示中に、コンテンツファイルの削除を指示する操作をすると、表示部に削除方法に対する選択画面を表示させ、削除するファイルを一つずつ指定して削除する方法と、バックアップされたコンテンツファイルのメディアグループ単位で削除する方法を選択することで、所望のコンテンツを容易に削除する方法を提供する。
【0181】
これによって、バックアップ済みのコンテンツファイルについてはバックアップされていることがわかっている物のみをバックアップされた記録媒体単位で一括して削除することが可能になり、バックアップされていないファイルを誤って消してしまうことを避けることが出来る。又、記録媒体毎に削除できるので、バックアップ済みのものでも残しておきたい物は記録媒体単位で残しておくことが容易に出来る。
【0182】
コンテンツファイルを一つずつ指定して削除処理する場合の具体的説明としては、一覧表示またはバックアップ一覧表示中に、操作入力部からの制御信号に基づき、CPUがコンテンツ削除の操作が行われたことを認識した場合、の操作があったと認識した場合、コントローラ部、画像信号処理部、表示部をそれぞれ制御してコンテンツ削除モードに遷移させる。
【0183】
この場合、まず表示部に削除方法の選択画面(図17)を表示させ、ユーザからの削除方法の指定を待つ。ユーザが「画像を指定して削除」を操作入力部のタッチパネルなどを使用して選択すると、表示部に削除画像選択表示を表示させる。削除画像選択表示は、一覧表示と同じ処理によって、サムネイル画像の一覧を表示するよう制御するので、ここでは繰り返し説明はしない。
【0184】
この表示画面では、表示しているサムネイル画像を操作入力部のタッチパネル等を使用して、画像を指定するとサムネイル画像が削除指定された状態とする。この時、CPUは指定された、操作入力部からの操作によって指定されたサムネイル画像に対応するコンテンツファイルを、一覧表示リストの指示された時に表示しいていたページと、指定された画像の順序、配置からコンテンツIDを割り出し、割り出したコンテンツIDを、削除リストを生成してそこに登録し、RAM上に記憶する。複数、指定された場合は、RAM上に記憶されている削除リストに追加する。
【0185】
又、削除リストに登録されているコンテンツIDに対応したコンテンツを一覧表示する際、サムネイル画像に重ねて、削除指定されていることを示すアイコンを重ねて表示して、削除指定されていることをユーザにフィードバックする。アイコンとは異なる方法で、選択されていることを示す表示手段を持つことでもよい。例えばサムネイル画像の周辺に枠をつけることで指定されていないサムネイル画像と差異を付けても良い。
【0186】
以上のように、削除リストに指定されたファイルを登録することで、複数の画像ファイルを同時に削除指定することが可能になり、一つずつ削除を繰り返すより、効率的に画像を削除することができる。ユーザは、削除するファイルを指定し終ったとき、削除実行の操作を行うことで、指定したファイルを実際に削除させる。例えば、操作入力部からの制御信号によって、CPUが削除実行の操作が行われたことを認識すると、表示部に、削除実行の操作が行われたことをユーザに対し確認を要求する画面を表示して、ユーザからの確認操作を待つ。
【0187】
ユーザから、削除実行の確認操作が行われると、削除実行処理に入る。削除実行処理では、CPUはRAM上に生成されている削除リストに登録されているコンテンツIDから、それぞれに対応するファイルパスのコンテンツファイルを、コントローラ部を通して、ハードディスク上から削除する。コンテンツファイルの削除が完了したら、インデックスファイル上から対応するコンテンツファイルの管理ファイルスロットを削除する。同時に、削除リストに登録されていた対応コンテンツIDをリストから削除する。
【0188】
複数のコンテンツIDが削除リストにある場合は、以上の処理を削除リストに登録されているコンテンツIDがなくなるまで繰り返す。以上で削除処理が完了する。このようにすることによって、複数の画像を削除する場合においても、一括して削除することが可能になり、ユーザの操作手数を少なくすることができる。
【0189】
次に、バックアップされたコンテンツファイルのメディアグループ単位での削除についての具体的説明としては先ず、ユーザの操作によってバックアップ一覧表示モードにて、削除したいメディアグループの一覧を表示させる。メディアグループを選択する方法については、先に、バックアップ一覧表示について説明しているので説明を省略する。削除したいメディアグループを一覧表示しているときに、操作入力部をとおして、ユーザが画像ファイル削除の操作を行ったと認識すると、表示部に削除方法の選択画面(図17)を表示させ、ユーザからの削除方法の指定を待つ。
【0190】
ユーザが「画像を指定して削除」を操作入力部のタッチパネルなどを使用して選択すると、表示部に削除画像選択表示を表示させる。ユーザが「バックアップメディグループ削除」を操作入力部のタッチパネルなどを使用して選択すると、メディアグループ削除の処理に入る。
【0191】
メディアグループ削除の処理では、RAM上に削除リストを生成し、それまでに表示していたメディアグループのコンテンツIDをバックアップ一覧表示リストから取得し、生成された削除リスト登録する。同時に、表示部に、バックアップ一覧表示モードで削除処理に入る直前に表示していたメディアグループの撮影日時またはバックアップ実行日時と、削除実行の操作が行われたことをユーザに対し確認を要求する画面を表示して、ユーザからの確認操作を待つ。
【0192】
ユーザから、削除実行の確認操作が行われると、削除実行処理に入る。削除実行処理では、CPUはRAM上に生成されている削除リストに登録されているコンテンツIDから、それぞれに対応するファイルパスのコンテンツファイルを、コントローラ部を通して、ハードディスク上から削除する。
【0193】
コンテンツファイルの削除が完了したら、インデックスファイル上から対応するコンテンツファイルの管理ファイルスロットを削除する。同時に、削除リストに登録されていた対応コンテンツIDをリストから削除する。複数のコンテンツIDが削除リストにある場合は、以上の処理を削除リストに登録されているコンテンツIDがなくなるまで繰り返す。
全ての削除が完了したら、バックアップメディアリストから、メディアグループに対応するコンテンツIDと関連付けられた情報を削除する。以上でメディアグループ単位での削除が完了する。
【0194】
このように、バックアップメディアリストから生成されたバックアップ一覧表示リストから削除するコンテンツを抽出することで、バックアップされた記録媒体ごとの削除ファイルをしてすることが可能になり、ユーザはバックアップされた記録媒体単位で、削除するファイルを指定する事が容易になる。これによって、バックアップ済みのファイルを容易に識別して削除をすることが可能になる。
【0195】
更に、バックアップした記録媒体ごとに削除を指定するので、バックアップ済みであっても残しておきたい画像以外を、バックアップした記録媒体単位で削除することが可能になり、個別にファイルを指定して削除する場合に比べて、少ない手数で削除することができる。
【0196】
《発明の各実施の形態に対する変形例について》
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は、上述した実施の各形態に限定されるべきものではない。例えば、上述では、バックアップ先である記録媒体130がビデオカメラ装置100に内蔵されるドライブ装置128に対して装填されるような形態であるように説明したが、これはこの例に限定されない。例えば、通信部125を介して所定のインターフェイスで接続されることで、CPU120に、このビデオカメラ装置100の外部ストレージ装置であると認識されるような記録装置を、バックアップ先の記録媒体130として用いることができる。
【0197】
さらにまた、上述では、この発明が携帯用のビデオカメラ装置に適用されるものとして説明したが、これはこの例に限定されない。すなわち、この発明は、1筐体で異なる2以上の記録媒体を並列的に使用可能であれば、他の種類の電子機器にも適用可能なものである。
【0198】
例えば、撮像素子を用いて主として静止画像を撮像して記録媒体に記録するようにされたディジタルスチルカメラに対して、この発明を適用することができる。また例えば、近年では、携帯電話端末に撮像素子および記録または記憶媒体を設けて静止画像や動画像の撮像および記録を可能とした製品が広く普及している。記録または記憶媒体として、小型のハードディスクを内蔵した機種も出現している。このような撮像機能付き携帯電話端末に対して、この発明を適用することも可能である。
【0199】
本実施形態によれば、バックアップ用記録媒体毎のバックアップ履歴を記憶することで、バックアップされたメディアごとの分類が容易になり、バックアップの履歴情報から、バックアップ済みのファイルを確認することが出来きるので容易に削除しても良い画像を判断することが出来る。更に、バックアップした記録媒体毎に削除を行うので、残したい画像を消さないようにしたい場合、残したいファイル以外をすべて指定して削除する場合に比べて、残したい画像のメディアグループだけ残して、他を削除した後にファイルを指定して削除を行うことで、削除ファイルの指定する利用者の手間を少なくすることが出来る。
【0200】
画像データの生成順に付与される連続性を示す情報(連番または、日時)順にバックアップの順番を決定し、バックアップが完了した最後の画像の情報のみを記憶することで、重複したバックアップを防ぐことが可能になり、効率の良いバックアップが実行できる。
【0201】
さらにバックアップの履歴を最小の情報量で記憶することが可能になり、バックアップの履歴を効率よく保存できるようになる。
【0202】
バックアップ時に、バックアップされた画像に関連した情報(撮影日時、バックアップ実行日時)を表示することで、ユーザに対して、記録媒体へ記入させる情報として利用価値の高い情報(ユーザにとって、内容を想像しやすい)を提供しているので、利用者にとって検索性がよくなる。
【0203】
上記では、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0204】
本実施形態においては、動画を記録するビデオカメラ装置について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、静止画像、音声画像、テキストファイル等のコンテンツを記録する情報記録装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0205】
【図1】この発明が適用された記録装置または記録再生装置としてのビデオカメラ装置100の一例の使用形態を示す図である。
【図2】ビデオカメラ装置の一例の構成を示す図である。
【図3】FATファイルシステムの一般的なシステム構成を階層モデルにより示す図である。
【図4】ハードディスクに記録されるファイルの一例の管理構造を示す。
【図5】この発明の各実施形態に適用可能な、専用の管理情報としてのインデックスファイルFindexを用いた一例のファイル管理形態を示す図である。
【図6】バックアップメディアリストの一例を示す図である。
【図7】簡易差分情報リストLSB−eの一例を示す図である。
【図8】バックアップ処理の一例を模式的に示す図である。
【図9】バックアップ処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】バックアップ処理実行中の画面表示の一例を示す図である。
【図11】簡易差分情報リストLSB−eの一例の生成処理をより詳細に示すフローチャートである。
【図12】図9におけるステップS1305の、差分ファイル群に対する一例の処理をより詳細に示すフローチャートである。
【図13】一覧表示リストの一例を示す図である。
【図14】バックアップ一覧表示リストの一例を示す図である。
【図15】バックアップメディア一覧表示の表示例を示す図である。
【図16】メディア一覧表示の一例を示す図である。
【図17】削除方法の選択画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0206】
11 光学系
12 筐体
13 記録媒体
14 ドライブ装置
15 記録媒体
50 アプリケーション
51 ファイルシステム
52 記録媒体
60 ファイル名部
61 ファイル更新日時部
62 エントリID部
63 エントリ更新日時部
64 コンテンツID部
65 コンテンツ更新日時部
66 ファイルパス部
100 ビデオカメラ装置
110 光学レンズ部
111 光電変換部
112 画像信号処理部
113 画像入出力部
114 表示部
115 カメラ機能部
116 音声入出力部
117 音声処理部
120 CPU
121 RAM
123 ROM
124 操作入力部
125 通信部
126 コントローラ部
127 ハードディスク
128 ドライブ装置
129 不揮発性メモリ
130 記録媒体
131 電源部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンテンツおよび当該複数のコンテンツのそれぞれに対して昇順に付与され、かつ、一意に識別可能な識別子であるコンテンツ識別子を記憶する記憶部と、
前記複数のコンテンツの記録媒体へのバックアップを、前記コンテンツ識別子の昇順に実行し、当該バックアップが終了または中断した際に、当該バックアップが完了した前記コンテンツのうち、最後にバックアップを完了した前記コンテンツに対応付けられた前記コンテンツ識別子をバックアップメディア一覧情報として前記記憶部に記憶する制御部と、
を備える、情報記録装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記バックアップメディア一覧情報が前記記憶部に記憶されている場合には、当該バックアップメディア一覧情報として記憶されている前記コンテンツ識別子のうちで、最大の前記コンテンツ識別子の次のコンテンツ識別子に対応するコンテンツの前記記録媒体へのバックアップから再開する
請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項3】
前記記憶部は、
前記複数のコンテンツのそれぞれに対応付けてコンテンツの撮影日時を記憶し、
前記制御部は、
前記バックアップが終了または中断した際に、最後にバックアップを完了した前記コンテンツに対応付けられた前記撮影日時を、前記コンテンツ識別子に対応付けて、前記バックアップメディア一覧情報として前記記憶部に記憶する
請求項1または請求項2に記載の情報記録装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記バックアップが終了または中断した際に、前記記録媒体それぞれに対して昇順に付与され、かつ、一意に識別可能な識別子である記録媒体識別子を生成し、生成した当該記録媒体識別子を、前記コンテンツ識別子に対応付けて、前記バックアップメディア一覧情報として前記記憶部に記憶する
請求項1または請求項2に記載の情報記録装置。
【請求項5】
前記制御部は、
バックアップ済みのコンテンツを前記記憶部から削除する際に、削除対象として指定されたコンテンツに対応付けられた前記コンテンツ識別子よりも1つ小さいコンテンツ識別子が前記バックアップメディア一覧情報として前記記憶部に記憶されている場合には、当該コンテンツ識別子の次のコンテンツ識別子に対応付けられたコンテンツから、削除対象として指定されたコンテンツまでを前記記憶部から削除する
請求項1または請求項2に記載の情報記録装置。
【請求項6】
バックアップ実行中に、バックアップの対象となっているコンテンツの前記撮影日時を表示する表示部をさらに備える
請求項3に記載の情報記録装置。
【請求項7】
複数のコンテンツおよび当該複数のコンテンツのそれぞれに対して昇順に付与され、かつ、一意に識別可能な識別子であるコンテンツ識別子を記憶する記憶部を備える情報記録装置の制御部が、
前記複数のコンテンツの記録媒体へのバックアップを、前記コンテンツ識別子の昇順に実行するステップと、
当該バックアップが終了または中断した際に、当該バックアップが完了した前記コンテンツのうち、最後にバックアップを完了した前記コンテンツに対応付けられた前記コンテンツ識別子をバックアップメディア一覧情報として前記記憶部に記憶するステップと、
を実行する、情報記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−27100(P2010−27100A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−184173(P2008−184173)
【出願日】平成20年7月15日(2008.7.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】