説明

情報記録装置

【課題】複数の情報記録媒体のそれぞれにどのようなコンテンツデータが記録されているのかをまとめて管理することのできる情報記録装置を提供する。
【解決手段】本発明の情報記録装置は、コンテンツデータを記録するコンテンツデータ蓄積部と、コンテンツデータの複製および移動の少なくとも一方を管理するための管理情報を生成する管理情報生成部と、管理情報を記録する管理情報蓄積部とを備える。管理情報生成部は、コンテンツデータが情報記録媒体に複製または移動される場合に、複製または移動したコンテンツデータを識別するためのコンテンツデータ識別情報と、コンテンツデータの複製先または移動先である情報記録媒体を識別するための情報記録媒体識別情報とを含む管理情報を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツデータの複製および移動を管理する情報記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
HDD(Hard Disk Drive)等の大容量情報記録媒体を搭載する情報記録装置が普及してきている。このような、情報記録装置では、記録したコンテンツデータを管理するためのコンテンツデータ管理情報が生成されてHDD内に記録される。コンテンツデータ管理情報は、例えば、番組名情報、番組出演者情報、チャンネル情報、番組視聴回数等を示しており、管理情報をユーザに提示することにより、ユーザによるコンテンツデータの管理を容易にしている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−369138号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
光ディスク媒体、半導体メモリカード等のリムーバブル媒体にコンテンツデータを記録した場合、それらのリムーバブル媒体にそのコンテンツデータが記録されていることを明らかにするために、一般に、リムーバブル媒体表面にラベルを付与するなどしてペン等により記録内容を書き込むことが行われている。
【0004】
しかしながら、これらのリムーバブル媒体表面に長文を記載することは困難である。また、書き換え可能な情報記録媒体表面に常に最新の情報を記載することは非常に手間がかかる。
【0005】
また、デジタル放送コンテンツデータのようにコピーが禁止されているコピーワンスコンテンツデータを情報記録装置から情報記録媒体に移動(ムーブ)させた場合、ユーザの記憶が薄れると、どの情報記録媒体に移動させたか分からなくなってしまうという問題がある。
【0006】
また、ユーザが所有する情報記録媒体の個数が増大した場合、それらの情報記録媒体をひとつひとつ手にとって、所望のコンテンツデータが記録されている情報記録媒体を探し出すことは、非常に手間がかかる。
【0007】
また、情報記録装置のHDDからコンテンツデータを削除した場合、そのコンテンツデータが完全に削除されてしまったのか、あるいは、別の情報記録媒体に複製されて残っているのかの把握は、ユーザ自身の記憶に頼らなければならないという問題がある。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の情報記録媒体のそれぞれにどのようなコンテンツデータが記録されているのかをまとめて管理することのできる情報記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の情報記録装置は、コンテンツデータを記録するコンテンツデータ蓄積部と、前記コンテンツデータの複製および移動の少なくとも一方を管理するための管理情報を生成する管理情報生成部と、前記管理情報を記録する管理情報蓄積部とを備え、前記管理情報生成部は、前記コンテンツデータが情報記録媒体に複製または移動される場合に、複製または移動した前記コンテンツデータを識別するためのコンテンツデータ識別情報と、前記コンテンツデータの複製先または移動先である前記情報記録媒体を識別するための情報記録媒体識別情報とを含む前記管理情報を生成することを特徴とする。
【0010】
ある実施形態によれば、前記コンテンツデータ蓄積部から前記コンテンツデータが削除された場合でも、前記管理情報蓄積部は、前記コンテンツデータに関連する前記管理情報を保持する。
【0011】
ある実施形態によれば、前記情報記録媒体が記録しているコンテンツデータの状態を検出する検出部をさらに備え、管理情報生成部は、前記検出したコンテンツデータの状態と前記管理情報が示す内容とが異なっている場合には、前記検出したコンテンツデータの状態を反映するように前記管理情報を更新する。
【0012】
ある実施形態によれば、前記管理情報は、前記情報記録媒体の空き容量を示しており、前記情報記録装置は、前記管理情報蓄積部が複数の情報記録媒体のそれぞれに関する前記管理情報を蓄積している場合に、前記情報記録媒体のそれぞれの空き容量を所定の順番で表示するための空き容量情報を生成する空き容量情報生成部をさらに備える。
【0013】
ある実施形態によれば、前記コンテンツデータを管理するためのコンテンツデータ管理情報を生成するコンテンツデータ管理情報生成部をさらに備え、前記コンテンツデータ管理情報は、前記コンテンツデータの複製の有無および複製の回数を示す情報を含む。
【0014】
ある実施形態によれば、前記コンテンツデータを管理するためのコンテンツデータ管理情報を生成するコンテンツデータ管理情報生成部をさらに備え、前記コンテンツデータ管理情報は、前記コンテンツデータの移動の有無を示す情報を含む。
【0015】
ある実施形態によれば、前記管理情報は、前記コンテンツデータを前記情報記録媒体へ複製または移動した日時と、複製または移動した後の前記コンテンツデータのフォーマットの種類と、前記コンテンツデータの一部を表す代表静止画像と、前記コンテンツデータの一部を表す代表動画像と、前記情報記録媒体の種類と、前記情報記録媒体の空き容量と、前記情報記録媒体が記録しているコンテンツデータの数とのうちの少なくとも1つを示す。
【0016】
ある実施形態によれば、前記情報記録媒体識別情報は、ユーザが設定した文字、記号および絵のうちの少なくとも1つを含む。
【0017】
ある実施形態によれば、前記管理情報を前記情報記録装置外部へ出力するための出力部をさらに備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、コンテンツデータが情報記録装置から情報記録媒体に複製または移動される場合に、複製または移動したコンテンツデータを識別するためのコンテンツデータ識別情報と、コンテンツデータの複製先または移動先である情報記録媒体を識別するための識別情報とを含む管理情報を生成し、管理情報蓄積部に記録する。どのコンテンツデータが複製または移動されたのかの管理、およびどの情報記録媒体にコンテンツデータが複製または移動されたのかの管理を情報記録装置で行うことができるので、ユーザは情報記録装置にアクセスするだけで、複製または移動が行われたコンテンツデータ、およびコンテンツデータの複製先または移動先の情報記録媒体を容易に特定することができる。また、特定の情報記録媒体にどのようなコンテンツデータが記録されているのかを容易に特定することができる。また、複数の情報記録媒体のそれぞれにどのようなコンテンツデータが記録されているのかを一台の情報記録装置でまとめて管理することができるので、ユーザは、情報記録装置にアクセスするだけで自身が所有するコンテンツデータおよび情報記録媒体の全体像を容易に把握することができる。
【0019】
本発明のある実施形態によれば、情報記録装置からコンテンツデータが削除された場合でも、情報記録装置は、その削除されたコンテンツデータに関連する管理情報を保持しておく。このことにより、情報記録装置から削除されたコンテンツデータが完全に削除されてしまったのか、あるいは、別の情報記録媒体に複製または移動されて残っているのかの確認を、情報記録装置にアクセスするだけで容易に行うことができる。
【0020】
また、本発明のある実施形態によれば、情報記録媒体が記録しているコンテンツデータの状態を検出し、検出したコンテンツデータの状態と管理情報が示す内容とが異なっている場合には、検出したコンテンツデータの状態を反映するように管理情報を更新する。複製先または移動先の情報記録媒体でコンテンツデータの状態に変化(例えば、削除、編集、さらなる複製および移動)が生じた場合には、情報記録装置が有する管理情報を更新することにより、管理情報を最新の状態に保つことができる。
【0021】
また、本発明のある実施形態によれば、情報記録装置は、複数の情報記録媒体のそれぞれの空き容量を所定の順番で表示するための空き容量情報を生成する。空き容量情報は、例えば、空き容量の多い順に情報記録媒体を示している。これにより、ユーザは、空き容量情報を確認することで、所望のコンテンツデータを複製または移動可能な情報記録媒体を容易に特定することができる。
【0022】
また、本発明のある実施形態によれば、情報記録装置はコンテンツデータの複製の有無および複製の回数を示す情報を保持している。これにより、ユーザは情報記録装置にアクセスするだけで、特定のコンテンツデータのバックアップの有無およびその回数を容易に特定することができる。
【0023】
また、本発明のある実施形態によれば、管理情報は、コンテンツデータの一部を表す代表静止画像および/または代表動画像を示す。これにより、ユーザは文字情報だけでなく映像情報からもコンテンツデータを特定することができ、より直感的且つ簡単にコンテンツデータの管理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明による情報記録装置の実施形態を説明する。
【0025】
まず、図1を参照して、本実施形態の情報記録装置101を説明する。図1は、情報記録装置101を模式的に示すブロック図である。情報記録装置101は、ユーザからの命令を受け取るユーザ入力部102と、外部からコンテンツデータを受け取るコンテンツデータ入力部103と、コンテンツデータを蓄積するコンテンツデータ蓄積部105と、コンテンツデータ入力部103が受け取ったコンテンツデータを記録するためにコンテンツデータ蓄積部105へ出力する録画部104と、コンテンツデータ蓄積部105に蓄積されたコンテンツデータを再生する再生部106と、再生部106が出力したコンテンツデータを表示装置131等の外部へ出力する出力部107とを備える。コンテンツデータ入力部103は、例えば、放送局等から送られる放送波、インターネット、ビデオカメラやセットトップボックス(STB)等の外部機器からコンテンツデータを受け取る。コンテンツデータは、映像データおよび音声データのうちの少なくとも一方を含む。録画部104は、受け取ったコンテンツデータのデータフォーマットを必要に応じて変換して、コンテンツデータ蓄積部105へ出力する。コンテンツデータ蓄積部105は、例えばHDDのような大容量の情報記録媒体である。録画部104は、コンテンツデータをコンテンツデータ蓄積部105に蓄積するときに、コンテンツデータを管理するためのコンテンツデータ管理情報を生成し、コンテンツデータと関連付けてコンテンツデータ蓄積部105に記録する。コンテンツデータ管理情報は、例えば、番組名情報、番組出演者情報、チャンネル情報、番組視聴回数等を示す。
【0026】
図4Aを参照して、コンテンツデータを管理するためのコンテンツデータ管理情報を説明する。図4Aは、コンテンツデータ管理情報の一例を示す図である。
【0027】
コンテンツデータ管理情報は、録画部104によって生成され、コンテンツデータと関連付けてコンテンツデータ蓄積部105に記録されている。説明を簡単にするために図示はしていないが、上述したように、コンテンツデータ管理情報は、例えば、番組名情報、番組出演者情報、番組視聴回数等を示す。
【0028】
図4Aを参照して、コンテンツデータ管理情報は、コンテンツデータを識別するためのコンテンツデータ識別情報を含んでいる。コンテンツデータ識別情報は、コンテンツデータの固有の識別子であるコンテンツデータIDと、コンテンツデータのタイトルとを示している。
【0029】
コンテンツデータ管理情報は、コンテンツデータが情報記録装置101によって記録された日時を示すコンテンツ記録日時情報と、コンテンツデータのソースを示すチャンネル情報と、コンテンツデータの一部を表すコンテンツ代表静止画像ファイルと、コンテンツデータの一部を表すコンテンツ代表動画像ファイルと、コンテンツデータからコンテンツ代表静止画像を抽出した時間を示す情報と、コンテンツデータのデータフォーマット種別を示す情報と、コンテンツデータに対するユーザのコメントを示す情報と、をコンテンツデータ識別情報に関連付けて含んでいる。
【0030】
コンテンツ代表静止画像は、コンテンツデータの先頭の画像であってもよいし、コンテンツデータの任意の時間の画像を抽出した画像であってもよい。コンテンツ代表動画像は、コンテンツデータの先頭から始まる画像であってもよいし、コンテンツデータの任意の区間を抽出した画像であってもよい。また、コンテンツ代表動画像は、コンテンツデータの複数の映像をまとめたダイジェスト映像であってもよい。コンテンツデータ識別情報が示すタイトル、コンテンツデータに対するユーザのコメントは、ユーザが任意に設定した文字、記号および絵のうちの少なくとも1つを含む形式で表され得る。
【0031】
コンテンツデータ管理情報は、コンテンツデータが削除されているか否かを示す削除フラグを含んでいる。コンテンツデータ入力部103(図1)が受け取ったコンテンツデータを録画部104がコンテンツデータ蓄積部105へ記録した段階では、削除は行われていないので、削除フラグは削除されていないことを示す「0」となっている。
【0032】
コンテンツデータ管理情報は、コンテンツデータが複製または移動されたことがあるかないかを示す複製・移動フラグと、複製が実施された回数を示す複製回数情報とを含んでいる。コンテンツデータ入力部103(図1)が受け取ったコンテンツデータを録画部104がコンテンツデータ蓄積部105へ記録した段階では、複製も移動も行われていないので、複製・移動フラグは複製も移動も行われていないことを示す「0」となっている。また、複製回数情報も、複製が行われていないことを示す「0」となっている。
【0033】
図1を参照して、情報記録装置101は、複製・移動部108と、管理情報生成部109と、管理情報蓄積部110と、管理情報変換部111とをさらに備える。複製・移動部108は、ユーザ入力部102を介したユーザからの命令に基づき、コンテンツデータ蓄積部105に蓄積されたコンテンツデータをコンテンツデータ記録用情報記録媒体121に複製または移動させる。情報記録媒体121は、光ディスク媒体、半導体メモリ、磁気テープ媒体、HDD、携帯電話、携帯端末機器等である。光ディスク媒体は例えばDVD(Digital Versatile Disc)−RAMである。本発明では、光ディスク媒体等のリムーバブル媒体のみならず、携帯端末機器や据え置き型の情報記録装置のようなデータを記録できる装置も情報記録媒体と呼ぶ。
【0034】
管理情報生成部109は、コンテンツデータの複製および移動を管理するための複製・移動管理情報を生成する。管理情報生成部109は、複製・移動部108によってコンテンツデータが情報記録媒体121に複製された場合には、複製したコンテンツデータを識別するためのコンテンツデータ識別情報と、コンテンツデータの複製先である情報記録媒体121を識別するための情報記録媒体識別情報とを互いに関連付けて含む複製・移動管理情報を生成する。また、管理情報生成部109は、複製・移動部108によってコンテンツデータが情報記録媒体121に移動した場合には、移動したコンテンツデータを識別するためのコンテンツデータ識別情報と、コンテンツデータの移動先である情報記録媒体121を識別するための情報記録媒体識別情報とを互いに関連付けて含む複製・移動管理情報を生成する。管理情報蓄積部110は例えばHDDであり、複製・移動管理情報を蓄積する。同時に、管理情報生成部109は、複製または移動が実施されたことがコンテンツデータ管理情報に反映されるように、コンテンツデータ蓄積部105に記録されているコンテンツデータ管理情報を読み出して更新する。
【0035】
図2を参照して、複製・移動管理情報を説明する。図2は、複製・移動管理情報の一例を示す図である。
【0036】
複製・移動管理情報は、複製・移動管理情報を識別するための固有の識別子である複製・移動管理情報IDと、コンテンツデータの複製先または移動先である情報記録媒体を識別するための情報記録媒体識別情報と、複製または移動したコンテンツデータを識別するためのコンテンツデータ識別情報とを含む。
【0037】
情報記録媒体識別情報は、情報記録媒体の固有の識別子である情報記録媒体IDと、情報記録媒体の固有の名称を示す情報記録媒体名と、情報記録媒体の製造メーカーを示す情報記録媒体メーカーIDと、情報記録媒体の種別を示す情報記録媒体種別とを示している。複製・移動管理情報は、情報記録媒体の空き容量を示す情報、および情報記録媒体が記録しているコンテンツデータの数を示す情報を含む情報記録媒体補足情報を、情報記録媒体識別情報に関連付けて含んでいる。
【0038】
複製・移動管理情報は、複製または移動したコンテンツデータのコンテンツデータ識別情報と、コンテンツ代表静止画像ファイルと、コンテンツ代表動画像ファイルと、コンテンツ代表静止画像を抽出した時間を示す情報と、コンテンツデータに対するユーザのコメントを示す情報とを含んでいる。これらの情報は、管理情報生成部109がコンテンツデータ管理情報(図4A)から抽出し、複製・移動管理情報に加えられている。
【0039】
また、複製・移動管理情報は、コンテンツデータの記録が複製と移動とのどちらによるものなのかを示す情報と、複製または移動が実施された日時を示す情報と、複製または移動後のコンテンツデータのデータフォーマット種別を示す情報とを、コンテンツデータ識別情報に関連付けて含んでいる。
【0040】
次に、図4Bを参照して、複製または移動の実施が反映されたコンテンツデータ管理情報を説明する。図4Bは、複製または移動の実施が反映されたコンテンツデータ管理情報の一例を示す図である。管理情報生成部109(図1)は、複製または移動が実施されたことがコンテンツデータ管理情報に反映されるように、コンテンツデータ蓄積部105に記録されているコンテンツデータ管理情報を読み出して更新する。
【0041】
図4Bを参照して、複製・移動フラグは、複製または移動が行われたことを示す「1」に更新されている。また、複製回数情報は、複製が2回行われたことを示す「2」に更新されている。さらに、コンテンツデータ管理情報は、コンテンツデータの複製または移動に対応する複製・移動管理情報を識別するための複製・移動管理情報IDを含んでいる。図4Bに示す例では2回の複製が行われているので、コンテンツデータ管理情報は、2つの複製・移動管理情報IDを含んでいる。
【0042】
図1を参照して、管理情報変換部111は、管理情報蓄積部110に蓄積された複製・移動管理情報を、例えばGUI(Graphical User Interface)のような表示画面131での表示に適したフォーマットに変換して、出力部107へ出力する。また、管理情報変換部111は、管理情報蓄積部110に蓄積された複製・移動管理情報を管理情報記録用情報記録媒体122への記録に適したデータフォーマットに変換して、管理情報記録用情報記録媒体122に記録する。出力部107は複製・移動管理情報を表示部131へ出力し、表示部131は複製・移動管理情報を例えばGUIとして表示する。
【0043】
また、管理情報変換部111は、例えば、複製・移動管理情報をHTML形式またはDVD−Video形式に変換し、出力部107および情報記録媒体122に出力する。複製・移動管理情報をHTML形式に変換することで、コンテンツデータ記録用情報記録媒体にどのようなコンテンツデータが複製または移動されているかを示すライブラリ情報としてパソコンで閲覧することやHTMLブラウザを搭載している携帯電話や情報端末で利用することができる。また、複製・移動管理情報をHTML形式にしたデータをWebにアップロードすることにより、ユーザ自身の映像ライブラリを容易にインターネット上で公開することが可能となる。
【0044】
また、複製・移動管理情報をDVD−Video形式に変換することで、コンテンツデータ記録用情報記録媒体にどのようなコンテンツデータが複製または移動されているかを代表静止画像や代表動画像とともに示すライブラリ情報として閲覧することが可能となる。例えば、TV番組の複製・移動管理情報を含むDVD−Videoを作成し、そのDVD−Videoを索引として利用すれば、そこから視聴したい番組を選び出すと共にどの情報記録媒体にその番組が複製・移動されているかを容易に知ることができる。
【0045】
また、情報記録装置101に記録されている複製・移動管理情報を他の情報記録媒体に複製することにより、情報記録装置の買い替え時においても、複製・移動管理情報を引き続き新しい情報記録装置で使用することが可能となる。
【0046】
次に、図3を参照して、表示装置131(図1)にGUIとして表示される複製・移動管理情報の一例を説明する。図3は、GUIとして表示された複製・移動管理情報を示す図である。
【0047】
この例では、管理情報変換部111は、複製・移動管理情報をGUI形式に変換する。変換された複製・移動管理情報は、出力部107を介して表示部131へ出力されて、表示部131で表示される。
【0048】
図3を参照して、情報記録媒体は、情報記録媒体ID「A0000001」、情報記録媒体名「お父さんのディスク」、情報記録媒体メーカーID「Panasonic」、情報記録媒体種別「DVD−RAM」によって識別されている。GUIは、この情報記録媒体に3つのコンテンツデータが複製または移動されていることを示している。GUI中でコンテンツデータを示す情報は、複製・移動管理情報が含む情報であってもよいし、コンテンツデータ管理情報を読み出して抽出した情報であってもよい。
【0049】
このように、複製・移動管理情報を表示することにより、ユーザは特定の情報記録媒体を指定するだけで、その情報記録媒体を動作させることなく、どのようなコンテンツデータが記録されているかを確認することができる。
【0050】
また、情報記録媒体IDのみならず、情報記録媒体名、情報記録媒体メーカーID、情報記録媒体種別からも特定の情報記録媒体を指定することができるようにするとともに、これらの情報を表示することで、特定の情報記録媒体の指定および確認をより容易に行うことができる。特に、DVD−Rのようにディスク表面に情報記録媒体IDが記載されていない情報記録媒体を用いる場合は、様々な視点から情報記録媒体を指定できるようにしておくことで、情報記録媒体の指定および確認を容易に行うことができる。
【0051】
次に、図5を参照して、表示装置131(図1)にGUIとして表示されるコンテンツデータ管理情報および複製・移動管理情報の一例を説明する。図5は、GUIとして表示されたコンテンツデータ管理情報および複製・移動管理情報を示す図である。
【0052】
管理情報変換部111は、コンテンツデータ管理情報と、そのコンテンツデータ管理情報が含んでいる複製・移動管理情報IDに対応する複製・移動管理情報とを読み出して組み合わせる。管理情報変換部111は、組み合わせた情報を、例えばGUIのような表示画面131での表示に適したフォーマットに変換し、出力部107はその組み合わせた情報を表示部131へ出力する。表示部131はその組み合わせた情報を例えばGUIとして表示する。
【0053】
コンテンツデータ管理情報と複製・移動管理情報とを組み合わせてGUIとして表示することで、ユーザはGUIを見ることで、対象のコンテンツデータが複製または移動されているか、更には、どの情報記録媒体に複製または移動を行ったのかを判別することができる。例えば、ユーザは、タイトルが「運動会」のコンテンツデータ(コンテンツデータID「0001」)は既に複製が行われており、その複製先は、名前が「お父さんのディスク」の情報記録媒体(情報記録媒体ID「A0000001」)と、名前が「太郎のメモリカード」の情報記録媒体(情報記録媒体ID「A0000006」)とであることが判別できる。
【0054】
また、例えば個人が撮影した映像のような貴重なコンテンツデータはバックアップをしておくことが重要であるが、対象となるコンテンツデータを既にバックアップしたかどうか、更にはどの情報記録媒体にバックアップしたかを容易に知ることが可能となる。
【0055】
また、情報記録媒体IDのみならず、情報記録媒体名、情報記録媒体種別、情報記録媒体メーカーID(図示せず)からも情報記録媒体を特定できるように、これらの情報を表示することで、情報記録媒体の特定をより容易に行うことができる。特に、DVD−Rのようにディスク表面に情報記録媒体IDが記載されていない情報記録媒体を用いる場合は、様々な視点から情報記録媒体を特定するための情報を表示できるようにしておくことで、情報記録媒体の特定を容易に行うことができる。
【0056】
なお、コンテンツデータ管理情報と複製・移動管理情報とを組み合わせてGUIを生成する例を説明したが、コンテンツデータ管理情報を用いずに、複数の複製・移動管理情報同士を組み合わせて同様のGUIを生成してもよい。
【0057】
次に、図6〜図8を参照して、コンテンツデータの移動が複数回行われたときの複製・移動管理情報およびコンテンツデータ管理情報の更新処理を説明する。
【0058】
図6は、複数回移動したコンテンツデータの状態を示す図である。コンテンツデータは、例えば、デジタル放送から得られるコンテンツデータのように記録後のコピーが禁止されているコピーワンスコンテンツデータである。例えば、移動したコピーワンスコンテンツデータは、図5にタイトル「火曜洋画スペシャル」で示されるコンテンツデータであるとする。図6に示す例では、このコンテンツデータは、情報記録装置101のコンテンツデータ蓄積部105から情報記録媒体「お父さんのディスク」へ移動された後、さらに、情報記録装置201を介して、携帯端末301へ移動している。このような場合、コンテンツデータの最新の移動先を反映するように複製・移動管理情報およびコンテンツデータ管理情報を更新することが望ましい。
【0059】
図7は、複製・移動管理情報およびコンテンツデータ管理情報の更新処理を示すフローチャートである。
【0060】
管理情報生成部109(図1)は、情報記録媒体が記録しているコンテンツデータの状態を検出する検出部としても機能する。図7を参照して、例えば、情報記録装置101に情報記録媒体「お父さんのディスク」が搭載されたときに、情報記録装置が備える記録再生部(図示せず)はその情報記録媒体に記録された情報を読み取る。読み取られた情報から、管理情報生成部109は、その情報記録媒体が記録しているコンテンツデータの状態を検出する(S101)。
【0061】
また、情報記録装置101と携帯端末301とが接続された場合には、管理情報生成部109は、携帯端末301が記録しているコンテンツデータの状態を検出する。このような情報記録装置101と携帯端末301との接続は、直接接続、有線、インターネット回線、電話回線、無線等の通信手段を用いて実現される。また、携帯端末301が記録しているコンテンツデータの状態に変化が生じたときは、携帯端末301が情報記録装置101に、それらの通信手段を介して自動的に、変化が生じたことを伝えてもよい。
【0062】
管理情報生成部109は、検出したコンテンツデータの状態と複製・移動管理情報が示す内容とを比較する(S102)。検出したコンテンツデータの状態と複製・移動管理情報が示す内容とが一致する場合(S103でYes)は、複製・移動管理情報はコンテンツデータの最新の状態を示しており、更新する必要が無いので、処理は終了する。一致しない場合(S103でNo)は、異なっている部分をユーザに提示する(S104)。検出した最新のコンテンツデータの状態を反映するように複製・移動管理情報およびコンテンツデータ管理情報を更新することをユーザが指示した場合(S105でYes)は、管理情報生成部109は、複製・移動管理情報およびコンテンツデータ管理情報をそのように更新する(S106)。ユーザが更新を指示しなかった場合(S105でNo)は、更新処理を終了する。なお、このような更新処理は、ユーザの意思とは関係なく、自動的に行われてもよい。
【0063】
図8は、コンテンツデータ管理情報と複製・移動管理情報とを組み合わせて生成したGUIの一例を示す。この例では、タイトル「火曜洋画スペシャル」で示されるコンテンツデータは、情報記録媒体「お父さんのディスク」から携帯端末「太郎」301へ移動したので、それを反映するように複製・移動管理情報の内容が更新されている。
【0064】
このように、複製先または移動先の情報記録媒体でコンテンツデータの状態に変化(例えば、削除、編集、さらなる複製および移動)が生じた場合には、情報記録装置101が有する複製・移動管理情報およびコンテンツデータ管理情報を更新することにより、複製・移動管理情報およびコンテンツデータ管理情報を最新の状態に保つことができる。
【0065】
また、コンテンツデータの移動を実行した場合は、コンテンツデータ蓄積部105に蓄積されていた元のコンテンツデータは削除される。また、ユーザが意図的に、情報記録装置101からコンテンツデータを削除することもある。このように、コンテンツデータ蓄積部105からコンテンツデータが削除された場合でも、コンテンツデータ蓄積部105および管理情報蓄積部110は、削除されたコンテンツデータに関連するコンテンツデータ管理情報および複製・移動管理情報を削除することなく保持している。また、このとき、管理情報生成部109(図1)は、コンテンツデータ管理情報の削除フラグをコンテンツデータが削除されていることを示す「1」に設定する。このことにより、情報記録装置101から削除されたコンテンツデータが完全に削除されてしまったのか、あるいは、別の情報記録媒体に複製または移動されて残っているのかの確認を、情報記録装置101にアクセスするだけで容易に行うことができる。
【0066】
例えば、図8を参照して、タイトル「映画12345」で示されるコンテンツデータのように、情報記録装置101から削除されており、複製も移動もされていない場合は、そのことをユーザに提示する情報がGUI中に示される。また、別のコンテンツデータが情報記録装置101から削除されていても、複製または移動されている場合は、その複製先または移動先の情報記録媒体を特定するための情報がGUI中に示される。
【0067】
複製・移動管理情報およびコンテンツデータ管理情報を最新の状態に保つとともに、複製・移動管理情報およびコンテンツデータ管理情報を保持し続けることにより、移動したコンテンツデータが行方不明になることや、既に購入したことのあるコンテンツデータを再び購入するといったことを防ぐことができる。
【0068】
次に、図9および図10を参照して、情報記録媒体の空き容量検索処理を説明する。図9は、表示装置131(図1)に表示される空き容量検索用GUIを示している。空き容量検索用GUIを表示するためのデータは、情報記録装置101が備える検索部112(図1)から出力部107を介して表示装置131へ出力される。ユーザは、複製または移動したいコンテンツデータが必要とするデータ容量を数値入力領域に入力するとともに、検索条件設定を行う。
【0069】
管理情報蓄積部110は、複数の情報記録媒体のそれぞれに関する複製・移動管理情報を蓄積している。検索部112は、管理情報蓄積部110に蓄積されている複製・移動管理情報から、各情報記録媒体の空き容量を示す情報を検索する。検索部112は、検索条件に該当する情報記録媒体のそれぞれの空き容量を所定の順番で表示するための空き容量情報を生成する空き容量情報生成部としても機能する。上述した複製・移動管理情報の更新処理が行われている場合は、情報記録媒体それぞれの空き容量が複製・移動管理情報に正確に反映されているので、精度の高い空き容量検索を行うことができる。
【0070】
図10は、表示装置131にGUIとして表示される空き容量情報を示している。図10に示すGUIでは、所望のデータ容量のコンテンツデータを記録することが可能な情報記録媒体が空き容量の小さい順に表示されている。表示の順は任意であり、例えば、空き容量の大きい順であってもよい。これにより、ユーザは、空き容量情報を確認することで、所望のコンテンツデータを複製または移動可能な情報記録媒体を容易に特定することができる。
【0071】
なお、コンテンツデータが必要とするデータ容量を数値入力領域に入力する代わりに、複製または移動したいコンテンツデータをユーザが指定してもよい。この場合は、検索部112は、指定されたコンテンツデータのデータ容量を自動的に検出して、検索条件設定に合う情報記録媒体を検索する。
【0072】
上述した実施形態では、情報記録装置101は据え置き型の装置であったが、DVDカメラや携帯電話やポータブル映像再生装置等のような据え置き型以外の情報記録装置であってもよい。
【0073】
また、コンテンツデータ蓄積部105と管理情報蓄積部110とは同じ情報記録媒体であってもよい。また、コンテンツデータ蓄積部105および管理情報蓄積部110はHDD以外の情報記録媒体(例えば、光ディスク媒体、半導体メモリ、磁気テープ媒体)であってもよい。
【0074】
また、情報記録装置101が備える各構成要素は電子回路によって実現されるが、少なくとも一部の構成要素はコンピュータが実行可能なプログラムによって実現されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明の情報記録装置は、コンテンツデータの複製および移動を行う技術分野において特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施形態による情報記録装置を模式的に示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態による複製・移動管理情報を示す図である。
【図3】本発明の実施形態によるGUIとして表示された複製・移動管理情報を示す図である。
【図4A】本発明の実施形態によるコンテンツデータ管理情報を示す図である。
【図4B】本発明の実施形態による複製または移動の実施が反映されたコンテンツデータ管理情報を示す図である。
【図5】本発明の実施形態によるコンテンツデータ管理情報と複製・移動管理情報とを組み合わせて生成したGUIを示す図である。
【図6】本発明の実施形態によるコンテンツデータが複数回移動した状態を示す図である。
【図7】本発明の実施形態による複製・移動管理情報およびコンテンツデータ管理情報の更新処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態によるコンテンツデータ管理情報と複製・移動管理情報とを組み合わせて生成したGUIを示す図である。
【図9】本発明の実施形態による空き容量検索用GUIを示す図である。
【図10】本発明の実施形態によるGUIとして表示される空き容量情報を示す図である。
【符号の説明】
【0077】
101 情報記録装置
102 ユーザ入力部
103 コンテンツデータ入力部
104 録画部
105 コンテンツデータ蓄積部
106 再生部
107 出力部
108 複製・移動部
109 管理情報生成部
110 管理情報蓄積部
111 管理情報変換部
112 検索部
121 コンテンツデータ記録用情報記録媒体
122 管理情報記録用情報記録媒体
131 表示装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツデータを記録するコンテンツデータ蓄積部と、
前記コンテンツデータの複製および移動の少なくとも一方を管理するための管理情報を生成する管理情報生成部と、
前記管理情報を記録する管理情報蓄積部と、
を備え、
前記管理情報生成部は、前記コンテンツデータが情報記録媒体に複製または移動される場合に、複製または移動した前記コンテンツデータを識別するためのコンテンツデータ識別情報と、前記コンテンツデータの複製先または移動先である前記情報記録媒体を識別するための情報記録媒体識別情報とを含む前記管理情報を生成する、情報記録装置。
【請求項2】
前記コンテンツデータ蓄積部から前記コンテンツデータが削除された場合でも、前記管理情報蓄積部は、前記コンテンツデータに関連する前記管理情報を保持する、請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項3】
前記情報記録媒体が記録しているコンテンツデータの状態を検出する検出部をさらに備え、
管理情報生成部は、前記検出したコンテンツデータの状態と前記管理情報が示す内容とが異なっている場合には、前記検出したコンテンツデータの状態を反映するように前記管理情報を更新する、請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項4】
前記管理情報は、前記情報記録媒体の空き容量を示しており、
前記情報記録装置は、前記管理情報蓄積部が複数の情報記録媒体のそれぞれに関する前記管理情報を蓄積している場合に、前記情報記録媒体のそれぞれの空き容量を所定の順番で表示するための空き容量情報を生成する空き容量情報生成部をさらに備える、請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項5】
前記コンテンツデータを管理するためのコンテンツデータ管理情報を生成するコンテンツデータ管理情報生成部をさらに備え、
前記コンテンツデータ管理情報は、前記コンテンツデータの複製の有無および複製の回数を示す情報を含む、請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項6】
前記コンテンツデータを管理するためのコンテンツデータ管理情報を生成するコンテンツデータ管理情報生成部をさらに備え、
前記コンテンツデータ管理情報は、前記コンテンツデータの移動の有無を示す情報を含む、請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項7】
前記管理情報は、
前記コンテンツデータを前記情報記録媒体へ複製または移動した日時と、
複製または移動した後の前記コンテンツデータのフォーマットの種類と、
前記コンテンツデータの一部を表す代表静止画像と、
前記コンテンツデータの一部を表す代表動画像と、
前記情報記録媒体の種類と、
前記情報記録媒体の空き容量と、
前記情報記録媒体が記録しているコンテンツデータの数と、
のうちの少なくとも1つを示す、請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項8】
前記情報記録媒体識別情報は、ユーザが設定した文字、記号および絵のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項9】
前記管理情報を前記情報記録装置外部へ出力するための出力部をさらに備える、請求項1に記載の情報記録装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−228403(P2006−228403A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−6201(P2006−6201)
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】