情報通信システム、情報処理装置、情報処理プログラム、情報処理プログラムが記憶された記憶媒体、操作端末、及び携帯端末装置
【課題】所定の支点を通る所定の軸に対し、当該支点を中心として傾倒可能に構成された操作端末をユーザが操作して、画面上に表示されるオブジェクトを容易に所望の位置に表示させることが可能な情報通信システムを提供する。
【解決手段】受信手段K1は、コントローラ20から送信された座標値を受信し、当該座標値を記憶手段K2は記憶する。判定手段K3は、受信手段K1が受信した第1の座標値が所定の座標値であるか否かを判定し、当該判定結果が否定的である場合、表示位置決定手段K4は、当該第1の座標値と、受信手段K1が当該座標値を受信する前に受信し記憶手段K2に記憶された第2の座標値との変分を算出し、当該変分に基づいて、表示制御手段K5がスクリーン11に表示させたポインタPの新たな表示位置を決定する。上記判定結果が肯定的である場合、表示位置決定手段K4は、ポインタPの現在の表示位置を新たな表示位置として決定する。
【解決手段】受信手段K1は、コントローラ20から送信された座標値を受信し、当該座標値を記憶手段K2は記憶する。判定手段K3は、受信手段K1が受信した第1の座標値が所定の座標値であるか否かを判定し、当該判定結果が否定的である場合、表示位置決定手段K4は、当該第1の座標値と、受信手段K1が当該座標値を受信する前に受信し記憶手段K2に記憶された第2の座標値との変分を算出し、当該変分に基づいて、表示制御手段K5がスクリーン11に表示させたポインタPの新たな表示位置を決定する。上記判定結果が肯定的である場合、表示位置決定手段K4は、ポインタPの現在の表示位置を新たな表示位置として決定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の支点を通る所定の軸に対し、当該支点を中心として傾倒可能に構成された操作端末と、当該操作端末と通信可能な情報処理装置とから構成される情報通信システムに用いて好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、操作軸を備え、この操作軸を傾倒させたり、傾倒させた状態で回動させたりすることができる操作端末と、このような操作端末が接続されたエンタテイメント装置とからなる情報通信システムがある。このような情報通信システムの中には、例えば、飛行機や自動車などのオブジェクトを画面上に表示し、ユーザが操作端末を操作することにより、これらのオブジェクトを画面上に移動表示させて、フライトシュミレーションやドライブシュミレーションを行うことができるものがある。このような情報通信システムにおいては、操作端末の操作軸の傾倒角度に応じてオブジェクトの移動速度が決定され、操作軸の傾倒方向に応じてオブジェクトの移動方向が決定される。
【0003】
【特許文献1】特開2001−269485号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような操作端末を操作して、オブジェクトを画面上の所望の位置に表示させる場合、その操作はユーザにとって必ずしも容易でない。
【0005】
例えば、操作端末の操作軸の傾倒角度に応じて決定されるオブジェクトの移動速度と、オブジェクトが現在表示されている位置から所望の位置までの移動距離との関係を直感的に把握し難いと感じるユーザもいる。
【0006】
また、ユーザが操作端末の操作軸の傾倒状態を所定の状態に保持している場合でも、当該傾倒状態における傾倒方向に向かってオブジェクトは等速で移動表示され、ユーザが操作端末の動きを停止させているにも関わらず、オブジェクトは静止表示されず移動表示されることになる。この場合、操作端末における操作状態と、オブジェクトの表示状態とに相違があり、ユーザが違和感を感じる恐れもある。
【0007】
また、移動表示されているオブジェクトを静止表示させる場合には、ユーザは操作軸を傾倒状態から傾倒していない状態(以下、非傾倒状態という)に戻せば良いが、操作軸が傾倒状態から非傾倒状態に戻るまでの間、オブジェクトは、減速しながらも操作軸の傾倒方向に向かって移動表示されてしまう。そして、操作軸が非傾倒状態に戻ってオブジェクトの移動速度が「0」となった時点で、オブジェクトは静止表示されることになる。
【0008】
従ってこの場合、どの位置にオブジェクトが静止表示されるかをユーザは予め把握し難い。このため、ユーザは、所望の位置にオブジェクトを静止表示させたい場合、操作端末を傾倒状態にしたり非傾倒状態に戻したりする操作手順を予め綿密に考えなければならず、また、考えた通りに操作端末を操作したとしてもオブジェクトが必ずしも所望の位置に表示されるとは限らない。それ故、オブジェクトを所望の位置に静止表示させることはユーザにとって必ずしも容易ではない。
【0009】
そこで、本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、所定の支点を通る所定の軸に対し、当該支点を中心として傾倒可能に構成された操作端末をユーザが操作して、画面上に表示されるオブジェクトを容易に所望の位置に表示させることが可能な情報通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る情報通信システムは、所定の支点を通る所定の軸に対し、当該支点を中心として傾倒可能に構成された操作軸を有する操作部と、前記操作部の操作軸の前記所定の軸に対する傾倒角度と傾倒方向とを検出する検出手段と、前記検出手段が検出した傾倒角度と傾倒方向とにより定まる座標値を出力する出力手段と、前記出力手段が出力した座標値を送信する送信手段とを有する操作端末と、当該操作端末と通信可能な情報処理装置とを備える情報処理システムであって、前記情報処理装置が、所定のオブジェクトを表示手段に表示させる表示制御手段と、前記送信手段から送信された座標値を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した前記座標値を記憶する記憶手段と、前記受信手段が受信した第1の座標値と、前記受信手段が当該第1の座標値を受信するより前に受信し前記記憶手段に記憶された第2の座標値との変分を算出し、当該変分に基づいて、前記表示制御手段が前記表示手段に表示させた所定のオブジェクトの新たな表示位置を決定する表示位置決定手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、操作端末の有する操作部の操作軸の前記所定の軸に対する傾倒角度と傾倒方向とに応じて定まる座標値が操作端末から送信され、当該座標値が情報処理装置に受信され、受信された座標値が記憶手段に記憶される。そして受信された第1の座標値と、当該第1の座標値が受信されるより前に受信され記憶手段に記憶された第2の座標値との変分が算出され、当該変分に基づいて、前記表示手段に表示された所定のオブジェクトの新たな表示位置が決定される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。なお、各図において共通する部分には、同一の符号が付されている。また、かかる実施例は本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲で任意に変更可能である。
【0013】
[実施例]
(1)構成
<情報処理システムの構成>
図1は、本実施例に係る情報処理システムSの概要を示す模式図である。情報処理システムSは、情報処理装置1と、ユーザにより操作される操作端末であるコントローラ20とを備える。情報処理装置1とコントローラ20とは、接続ケーブル13を介して接続される。情報処理装置1にはモニタ装置10が接続され、モニタ装置10には情報処理装置1から映像信号及び音声信号が供給される。モニタ装置10は、情報処理装置1から供給された映像信号に基づいて画像を表示するスクリーン11と、情報処理装置1から供給された音声信号に基づいて音声を出力するスピーカ(図示せず)とを備える。
【0014】
<コントローラの構成>
次に、図1及び図2を参照しながら、コントローラ20のハードウェア構成について説明する。
【0015】
コントローラ20は、第1の操作部21、第2の操作部22と、Lボタン23Lと、Rボタン23Rと、スタートボタン24と、選択ボタン25と、アナログ操作が可能なアナログ操作部31,32と、これらアナログ操作部31,32の操作モードを選択するモード選択スイッチ33との各種操作子と、選択された操作モードを表示するための表示部34とを備えている。
【0016】
第1の操作部21は、図2に示すように、方向指示キー21a,21b,21c,21dを有している。方向指示キー21a,21b,21c,21dには、各々上下左右の各方向が割り当てられており、方向指示キー21a,21b,21c,21dがユーザに押下されることにより、画面上における移動対象の移動方向が指示される。また、2つの方向指示キーが同時に押下されることにより、斜め方向の方向が指示される。例えば方向指示キー21a,21bを同時に押圧されると、右斜め上方向の方向が指示される。
【0017】
第2の操作部22は、操作ボタン22a,22b,22c,22dを有している。操作ボタン22a,22b,22c,22dには、アプリケーションプログラムによりそれぞれ異なる機能が割り当てられる。
【0018】
アナログ操作部31,32は、図2に示すように、所定の支点aを通る所定の軸bに対して傾倒可能且つ所定の支点aを中心として傾倒した状態で回動可能に構成された操作軸31a,32aを有する。この操作軸31a,32aは、弾性部材により中立位置に復帰するように取り付けられており、ユーザにより傾倒操作がなされていない時には傾きのない起立した状態(非傾倒状態)でその状態が保持される。
【0019】
<情報処理装置の構成>
次に、図1を参照しながら、情報処理装置のハードウェア構成について説明する。
【0020】
情報処理装置1は、ディスクトレイ3、ボタン4,9、USB(Universal Serial Bus)接続端子5、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394接続端子6、コントローラポート7A,7B、メモリカードスロット8A,8B等を備えている。ディスクトレイ3は、DVD−ROMやCD−ROM等の光ディスクが装填可能に構成されている。ボタン4は、電源のオンやスタンバイ、ゲームのリセットを行うためのオン/スタンバイ/リセットボタンである。ボタン9は、ディスクトレイ3をオープン/クローズさせるオープン/クローズボタンである。コントローラポート7A,7Bは、コントローラ20に接続される接続ケーブル13の有するコネクタ12が着脱自在に構成されている。メモリカードスロット8A,8Bは、半導体メモリであるメモリカード(図示せず)を着脱自在に構成されている。また、図示は省略するが、当該描画処理装置1の背面側には、電源スイッチ、音響映像出力端子(AVマルチ出力端子)、PCカードスロット、光ディジタル出力端子、AC電源入力端子などが設けられている。
【0021】
<コントローラの内部構成>
次に、図3を参照しながら、コントローラ20の主要な内部構成について説明する。図3は、コントローラ20の主要な内部構成を示すブロック図である。
【0022】
図3において、コントローラ20は、CPU81と、ROM82と、バッテリ83と、振動検出素子84と、振動素子85と、スピーカ86と、キーボード87と、表示部(LED)34と、インターフェース88と、RAMから構成されるメインメモリ89とを有し、これらはバス90を介して接続されている。キーボード87とは、コントローラ20に設けられた上記操作子の総称である。
【0023】
ROM82には、コントローラ20の各部を制御するためのオペレーティングシステム等の各種プログラムが記憶されている。
【0024】
CPU81は、コントローラ20の起動時にROM82に記憶されているオペレーティングシステムをメインメモリ89に読み出し、読み出したオペレーティングシステムを実行することにより、情報処理装置1各部の動作を制御する。
【0025】
また、CPU81は、ユーザによって操作されたキーボード87における操作を検出し、当該操作に対応する操作信号をインターフェース89を介して情報処理装置1に送信する。尚、アナログ操作部31,32については、CPU81は、アナログ操作部31,32の有する各操作軸31a,32aの軸bに対する傾倒角度とその傾倒方向とを所定の単位時間(以下、検出時間という)毎に検出し、これらに対応する座標値を求める。ここでは、説明の便宜上、アナログ操作部31に対応する座標値についてのみ説明するが、アナログ操作部32に対応する座標値についてもアナログ操作部31に対応する座標値と略同様の構成である。ここで求められるアナログ操作部31に対応する座標値は、例えば図4に示されるように、操作軸31aの左右方向をXc軸とし、操作軸31aの上下方向をYc軸とするXc−Yc座標上の値である。図4に示すように、Xc−Yc座標上のYc(垂直)方向の値ycは、「0」〜「255」の256段階の値で表現され、Xc(水平)方向の値xcは、「0」〜「255」の256段階の値で表現される。このような座標において、操作軸31aが非傾倒状態のときの座標値を原点a(127,127)として定め、CPU81は、操作軸31aの左右方向の傾きに応じて、Xc方向の値xcを求め、操作軸31aの上下方向の傾きに応じて、Yc方向の値ycを求める。操作軸31aが最大限に傾倒され、操作軸31aの軸bに対する傾倒角度が最大であるときには、座標値(xc,yc)の値は、例えば(0,127)、(255,127)、(127,0)、(127,255)等の値となる。
【0026】
そして、CPU81は、所定の単位時間毎に求めた座標値(xc,yc)に応じた操作信号を情報処理装置1に送信する。
【0027】
インターフェース88は、CPU81の制御の下、コントローラポート7A,7Bを介して、接続ケーブル13に接続された情報処理装置1との間のデータ通信を制御する。
【0028】
表示部34は、CPU81の制御の下、上述の操作モードを表示する。スピーカ86は、CPU81の制御の下、音声信号を出力する。振動素子85は、CPU81の制御の下に駆動されて、コントローラ20に振動を与える。
【0029】
<情報処理装置の内部回路構成>
次に、図5を参照しながら、情報処理装置1の主要な内部構成について説明する。図5は、情報処理装置1の主要な内部構成を示すブロック図である。
【0030】
図5に示すように、情報処理装置1は、メインバス61とサブバス62とを有し、これらのバス61,62は、バスインターフェース63を介して互いに接続され又は切り離される。
【0031】
メインバス61には、メインCPU64と、RAMで構成されるメインメモリ65と、メインDMAC(Direct Memory Access Controller)66と、フレームメモリ67を内蔵する画像処理デバイス(GPU(Graphic Processing Unit))68とが接続される。GPU68には、映像信号を生成するための制御手段であるCRTC(CRT Controller)69が接続される。
【0032】
サブバス62には、マイクロプロセッサなどで構成されるサブCPU73、RAMで構成されるサブメモリ74、サブDMAC75、ROM70、サウンドメモリ76に蓄積された音データを読み出して音声信号を出力する音声処理装置(SPU(Sound Processing Unit))77、周辺機器を制御するIOプロセッサ(IOP)78、通信部79、CD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体であるメディア72を装着するためのメディアドライブ71が接続されている。
【0033】
ROM70には、情報処理装置1の各部を制御するためのオペレーティングシステムや、後述するブラウザや移動表示機能を実現させるためのプログラム(以下、移動表示プログラムという)やゲームプログラムなどの各種プログラムが記憶されている。
【0034】
メインCPU64は、情報処理装置1の起動時にバスインターフェース63を介してROM70に記憶されているオペレーティングシステムをメインメモリ65に読み出し、読み出したオペレーティングシステムを実行することにより、情報処理装置1各部の動作を制御する。
【0035】
メインCPU64は、ROM70に記憶されている上述のブラウザを実行すると、ROM70に記憶されている上述の移動表示プログラムを読み出しこれを実行すると共に、図6に示されるような矢印を表すポインタの画像(以下、ポインタPという)を含むブラウザ画像をモニタ装置10のスクリーン11に表示させる。このブラウザ画像Gにおける領域ARには、メディア72や通信部79を介して取得されたコンテンツを表す画像(以下、コンテンツ画像という)を表示させる。
【0036】
このブラウザ画像Gにおいて少なくともポインタPには、スクリーン11の大きさに応じたスクリーン座標(以下、Xs−Ys座標とする)におけるスクリーン座標値(xs,ys)が割り当てられる。このスクリーン座標値(xs,ys)は、メインメモリ65に記憶される。
【0037】
そして、メインCPU64が上述の移動表示プログラムを実行した場合、以下の移動表示機能が実現される。メインCPU64は、所定の単位時間毎にコントローラ20から送信されるアナログ操作部31に対応する座標値(xc,yc)に応じた操作信号について、当該操作信号が送信される都度以下の移動表示処理を行う。メインCPU64は、当該操作信号に対応する座標値(xc,yc)が(127,127)か否かを判定し、当該判定結果が否定的である場合、当該操作信号に対応する座標値を今回座標値としてメインメモリ65に記憶させる。また、当該操作信号が送信される直前に送信された操作信号に対応する座標値は、前回座標値としてメインメモリ65に記憶させる。そして、今回座標値と前回座標値との変分を算出し、算出した変分に基づいて、ポインタPのスクリーン座標値(xs,ys)を更新する。これにより、ポインタPのスクリーン11上の表示位置を決定する。そして、更新したスクリーン座標値(xs,ys)に対応する表示位置にポインタPを描画する描画命令をGPU68に対して行う。この描画命令に従ってGPU68がフレームメモリ67に描画され、当該画像がCRTC69を介してモニタ装置10のスクリーン11に表示される。この結果、スクリーン11上の上記決定された表示位置にポインタPが表示される。上記判定結果が肯定的である場合には、メインCPU64は、今回座標値と前回座標値とを初期値に戻し、スクリーン座標値を更新せずに、当該処理を終了する。尚、前回座標値と今回座標値とには初期値として(127,127)が各々セットされてメインメモリ65に予め記憶されている。
【0038】
また、メインCPU64は移動表示プログラムを実行した場合、操作ボタン22dの操作に対して選択指示操作を割り当て、操作ボタン22bの操作に対して選択取り消し指示操作を割り当て、操作ボタン22cの操作に対してメニュー表示指示操作を割り当てる。具体的には例えば、上述のポインタPの表示位置が所定の項目(例えば、図6における項目IT1)と重なる場合に、操作ボタン22dが押下されると、当該押下操作に対応してコントローラ20から送信される操作信号によってメインCPU64は当該項目IT1がユーザによって選択されたことを判別し、当該判別結果に応じた処理を行う。また、その後操作ボタン22bが押下されると、メインCPU64は当該項目IT1がユーザによって選択取り消しされたことを判別し、当該判別結果に応じた処理を行う。また、操作ボタン22cが押下されると、メインCPU64はメインメモリ65に予め記憶されたメニュー画像をスクリーン11に表示させる。
【0039】
また、ポインタPの表示位置がスクロールボタンSC1又はスクロールボタンSC2の表示位置と重なる場合、ポインタPの方向キー21a又は21bの各押下操作に応じて、ブラウザ画像Gの領域AR内においてコンテンツ画像を図中上又は下方向にスクロールさせ、スクロールボタンSC3又はスクロールボタンSC4の表示位置と重なる場合、方向キー21c又は21dの各押下操作に応じて、ブラウザ画像Gの領域AR内においてコンテンツ画像を図中左又は右方向にスクロールさせる。
【0040】
また、メインCPU64はROM70に記憶された所定のゲームプログラムを実行すると、従来と同様にして、所定のオブジェクト(以下、操作対象オブジェクトとする)につき、操作軸31a,32aの傾倒方向に応じて当該操作対象オブジェクトの移動方向を決定し、操作軸31a,32aの傾倒角度に応じて当該移動速度を決定する。具体的には、例えば、所定の単位時間毎にコントローラ20から送信されたアナログ操作部31に対応する操作信号に対応する座標値(xc,yc)を終点とし、原点a(127,127)を始点とするベクトルに応じて操作対象オブジェクトをスクリーン11上に移動表示させる。このようにして操作対象オブジェクトを移動表示させる機能については、以下、従来移動表示機能という。
【0041】
また、メインCPU64は、メディアドライブ71を制御するとともに、このメディアドライブ71に装着されたメディア72からアプリケーションプログラムや各種データをメインメモリ65に読み出し、読み出したアプリケーションプログラムを実行することにより、各種機能を実現させる。メディア72には、例えば、画像処理用のプログラムや、後述するブラウザにおいて用いられる文章データや画像データなどのコンテンツが記憶されている。
【0042】
また、メインCPU64は、メインメモリ65に読み出した各種データのうち、複数の基本図形(ポリゴン)で構成された3次元オブジェクトデータ(ポリゴンの頂点の座標値など)に対してジオメトリ処理を行って、ディスプレイリストを生成し、生成したディスプレイリストをGPU68に供給する。ディスプレイリストは、ポリゴンを描画するためのポリゴン定義情報であり、ポリゴン定義情報は、描画領域設定情報とポリゴン情報とからなる。描画領域設定情報は、描画領域のフレームバッファアドレスにおけるオフセット座標と、描画領域の外部にポリゴンの座標があった場合に、描画をキャンセルするための描画クリッピング領域の座標からなる。ポリゴン情報は、ポリゴン属性情報と頂点情報とからなり、ポリゴン属性情報は、シェーディングモード、αブレンディングモード、およびテクスチャマッピングモード等を指定する情報であり、頂点情報は、頂点描画領域内座標、頂点テクスチャ領域内座標、および頂点色等の情報である。
【0043】
また、メインCPU64は、MPEG(Moving Picture Experts Group)方式やJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式等で圧縮されたデータを伸張する。
【0044】
メインメモリ65には、メインCPU64がROM70やメディア72から読み出したプログラムや、各種データが記憶される。また、上述したように、ポインタPのスクリーン座標値(xs,ys)、前回座標値、今回座標値が記憶される。
【0045】
GPU68は、描画コンテクストを保持しており、メインCPU64から供給されるディスプレイリストに含まれる画像コンテクストの識別情報に基づいて該当する描画コンテクストを読み出し、これを用いてレンダリング処理を行い、フレームメモリ67にポリゴンを描画する。フレームメモリ67は、テクスチャメモリとしても使用できるため、フレームメモリ67上のピクセルイメージをテクスチャとして描画するポリゴンに貼り付けることができる。
【0046】
CRTC69は、フレームメモリ67に描画された画像に基づいて映像信号を生成し、これを情報処理装置1と接続されているモニタ装置10に供給する。この結果、モニタ装置10のスクリーン11に画像が表示される。
【0047】
メインDMAC66は、メインバス61に接続されている各回路を対象としてDMA転送制御を行うとともに、バスインターフェース63の状態に応じて、サブバス62に接続されている各回路を対象としてDMA転送制御を行う。
【0048】
サブCPU73は、ROM70に記憶されているプログラムに従って各種動作を行う。
サブDMAC75は、バスインターフェース63がメインバス61とサブバス62を切り離している状態においてのみ、サブバス62に接続されている各回路を対象としてDMA転送などの制御を行う。
【0049】
IOP78は、ROM70に記憶されているIOP用のオペレーティングシステムなどのプログラムを実行することにより、コントローラポート7A,7Bを介して授受されるコントローラ20からの操作信号やコントローラ20への制御信号、メモリカードポート8A,8Bを介して授受されるメモリカードにおけるデータの入出力、USB接続端子5やIEEE1394接続端子6におけるデータの入出力を制御する。
【0050】
通信部79は、サブCPU73の制御の下、外部装置とのデータ通信を制御する。外部装置と通信部79とは、例えば、アナログ公衆電話回線や通信衛星回線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)やLAN(Local Area Network)、CATV(Community Antenna Television)網、ISDN(総合ディジタル通信網)などの通信手段を介してデータ通信を行う。
【0051】
<機能的構成>
次に、情報処理装置1の機能的構成について説明する。図7は、本実施例に係る情報処理装置1の機能的構成を模式的に示した機能ブロック図である。本実施例においては、ROM70に記憶されたブラウザや移動表示プログラムなどの各種プログラムをメインCPU64が実行し、この処理の実行過程においてメインCPU64の制御命令に従ってGPU68等の情報処理装置1各部が各種処理を行うことにより、以下の各手段K1〜K5の機能が実現される。
【0052】
表示制御手段K5は、ポインタPをモニタ装置10のスクリーン11に表示させる。受信手段K1は、検出時間毎にコントローラ20から送信されたアナログ操作部31の傾倒状態に応じた座標値に対応する操作信号を受信する。記憶手段K2は、受信手段K1が受信した操作信号に対応する座標値を記憶する。判定手段K3は、受信手段K1が受信した操作信号に対応する座標値が所定の座標値(127,127)であるか否かを判定する。判定手段K3の判定結果が否定的である場合、表示位置決定手段K4は、受信手段K1が受信した操作信号に対応する第1の座標値と、受信手段K1が当該座標値に対応する操作信号を受信する直前に受信した操作信号に対応する座標値であり記憶手段K2に記憶された第2の座標値との変分を算出する。そして、算出した変分とポインタPに対応するスクリーン座標値とを用いて、ポインタPのスクリーン11上の新たな表示位置を決定する。判定手段K3の判定結果が肯定的である場合、表示位置決定手段K4は、ポインタPのスクリーン11上の表示位置を変更せず、ポインタPの現在の表示位置を新たな表示位置として決定する。表示制御手段K5は、当該ポインタPを表示位置決定手段K5が決定した新たな表示位置に表示させる。
【0053】
(2)動作
次に、本願実施例に係る動作について説明する。
【0054】
尚、情報処理装置1の図示しない電源が投入され、ROM70に記憶されたオペレーションシステムなどのプログラムがメインCPU64によってメインメモリ65に読み出されて実行され、ユーザによってそれぞれ指示が入力されることにより、ROM70や光ディスク72からメインメモリ65に読み出された各種プログラムがメインCPU64によって実行され、上述の構成欄で述べた各種機能が実現される。
【0055】
また、コントローラ20には接続ケーブル13を介して接続される情報処理装置1から電源が供給され、ROM82に記憶されたオペレーションシステムなどのプログラムがCPU81によってメインメモリ89に読み出されて実行され、上述の構成欄で述べた各種機能が実現される。
【0056】
まず、ユーザが、コントローラ20の操作ボタン22aを操作して、例えば、メディア72に記憶されているコンテンツの表示を指示すると、コントローラ20のCPU81は、当該操作に応じた操作信号をインターフェース88を介して情報処理装置1へ送信する。メインCPU64は、コントローラ20から送信された操作信号をIOP78を介して受信し、この操作信号に応じて、ブラウザをROM70からメインメモリ65に読み出しこれを実行する。そして、メインCPU64は、当該指示されたコンテンツをメディア72から読み出しメインメモリ65に一時的に記憶させる。そして、メインCPU64は、該コンテンツを表す画像(コンテンツ画像)を含むブラウザ画像の描画命令をグラフィックシステム50に対して行う。グラフィックシステム50は、メインCPU64からの描画命令に従い、コンテンツ画像を含むブラウザ画像をフレームメモリ67を描画する。次に、CRTC69が、フレームメモリ67に描画された画像に基づいて映像信号を生成し、これを情報処理装置1と接続されているモニタ装置10に供給する。この結果、図6に示されるようなポインタPを含むブラウザ画像Gがモニタ装置10のスクリーン11に表示される。
【0057】
尚、ここでは、スクリーン11の大きさが400×300(ピクセル)で表されるとし、ポインタPのスクリーン座標値(xs,ys)は、当該スクリーン11を構成するピクセル単位で(0,0)から(400,300)までのいずれかの値により表されるものとする。尚、図6に示されるようなポインタPは、複数のピクセルから構成される画像であるため、複数のスクリーン座標値が割り当てられるが、説明の便宜上、ポインタPの矢の先端に相当する1つのスクリーン座標値についてのみ説明する。その他のスクリーン座標値についても以下の説明におけるスクリーン座標値と略同様に処理される。
【0058】
また、初期状態では、ポインタPのスクリーン座標値は(200,150)であるとする。このとき、ポインタPは図6の表示位置D1に表示される。また、上述したように、初期状態では、メインメモリ65に記憶されている前回座標値と今回座標値とはそれぞれ(127,127)である。そして、アナログ操作部31の操作軸31aは、非傾倒状態であるとする。
【0059】
一方、コントローラ20のCPU81は、検出時間毎にキーボード87における操作を検出し、検出した操作に対応した操作信号を出力し、これをインターフェース88を介して情報処理装置1へ送信する。アナログ操作部31の操作軸31aについては、その傾倒方向及び傾倒角度によって定まるXc−Yc座標上の座標値に対応する操作信号を出力し、これをインターフェース88を介して情報処理装置1へ送信する。ここでは、アナログ操作部31の操作軸31aがユーザに傾倒操作されることにより、CPU81は、座標値C1〜C9に対応する操作信号をそれぞれ順に出力し、これらを順に情報処理装置1へ送信するものとする。具体的には例えば、ユーザが操作軸31aを非傾倒状態から左斜め下方向に傾倒させたとき、座標値C1(67,113)に対応する操作信号が出力され、その後、操作軸31aを下方向に傾倒させたとき、座標値C2(67,74)に対応する操作信号が出力され、操作軸31aを下方向に傾倒させた状態を保持しているとき、座標値C3(67,74)に対応する操作信号が出力され、その後、操作軸31aを左斜め上方向に最大限に傾倒させたとき、座標値C4(0,127)に対応する操作信号が出力され、その後、操作軸31aを非傾倒状態に戻したとき、座標値C5(127,127)に対応する操作信号が出力され、その後、操作軸31aを右斜め上方向に傾倒させたとき、座標値C6(194,147)に対応する操作信号が出力されるものとする。
【0060】
また、情報処理装置1のメインCPU64は、ブラウザに従い、ROM70に記憶された移動表示プログラムの実行を開始する。そして、情報処理装置1のメインCPU64は、移動プログラムに従い、検出時間毎にコントローラ20から送信されるアナログ操作部31の座標値(xc,yc)に応じた操作信号IOP78を介して受信し、当該操作信号が送信される都度、以下の移動表示処理を行う。図8は、移動表示処理の流れを示すフローチャートである。
【0061】
メインCPU64は、まず、座標値C1に対応する操作信号をコントローラ20から受信すると(ステップS1)、当該操作信号に対応する座標値が(127,127)か否かを判定する(ステップS2)。この判定結果が否定的である場合、メインCPU64は、メインメモリ65に記憶されている前回座標値を、メインメモリ65に記憶されている今回座標値の値に書き換え、次に、メインメモリ65に記憶されている今回座標値を、ステップS1で受信した操作信号に対応する座標値の値に書き換える(ステップS3)。ここでは、今回座標値は(127,127)であり、ステップS1で受信した操作信号に対応する座標値の値は(67,113)であるから、ステップS2の判定結果が肯定的となるため、前回座標値を(127,127)に書き換え、今回座標値を(67,113)に書き換える。次に、前回座標値と今回座標値との変分を算出する(ステップS4)。具体的には、今回座標値のxc成分から前回座標値のxc成分を引くと共に、今回座標値のyc成分から前回座標値のyc成分を引くことにより、各xc成分の変分(以下、xhとする)、yc成分の変分(以下、yhとする)を算出する。ここでは、変分(xh,yh)として(−60,−14)が算出される。次に、算出した変分をメインメモリ65に記憶されているポインタPのスクリーン座標値にそれぞれ加算し、このスクリーン座標値を更新する(ステップS5)。例えば、ポインタPのスクリーン座標値については、(200,150)であるから、これに変分(−60,−14)が加算されて、スクリーン座標値は(140,136)に更新される。
【0062】
次に、メインCPU64は、ステップS5において算出したスクリーン座標値に対応する表示位置にポインタPを描画する命令をGPU68に対して行う(ステップS6)。この描画命令に従って、GPU68がポインタPを含むブラウザ画像をフレームメモリ67に描画し、描画された画像に基づいてCRTCが映像信号を生成して、これをモニタ装置10のスクリーン11に供給する。この結果、例えば図9に示される表示位置D2にポインタPが表示される。即ち、ポインタPは表示位置D1から表示位置D2に移動表示される。
【0063】
尚、図10は、ステップS1で供給された座標値(供給座標値)と、ステップS3で書き換えられた今回座標値及び前回座標値と、ステップS4で算出された変分と、ステップS5で更新される前のポインタPのスクリーン座標値及び更新された後のポインタPのスクリーン座標値(新スクリーン座標値)と、ステップS6で描画されたポインタPの表示位置との関係を模式的に示した図である。同図の1行目に、上述のステップS1〜S6の処理によって得られた結果が示されている。
【0064】
次に、座標値C2に対応する操作信号がコントローラ20から送信されると、この新たな操作信号に基づいて、メインCPU64は、ステップS1以降の処理を行う。メインCPU64は、ステップS1においてコントローラ20から送信された座標値C2に対応する操作信号を受信した後、ステップS2の処理に移行する。ここでは、座標値C2は(67,74)であるから、ステップS2の判定結果は否定的となり、メインCPU64は、ステップS3の処理を行う。ここでは、今回座標値は(67,113)であり、ステップS1で受信した操作信号に対応する座標値の値は(67,74)であるから、前回座標値を(67,113)に書き換え、今回座標値を(67,74)に書き換える。次に、ステップS4の処理に移行し、前回座標値と今回座標値との変分として(0,−39)を算出する。そして、ステップS5の処理に移行し、スクリーン座標値を更新する。ここでは、例えば、ポインタPのスクリーン座標値については、(140,136)であるから、これに変分(0,−39)を加算されて、スクリーン座標値は(140,97)に更新される。その後、上述と同様にして、メインCPU64がステップS6の処理を行うと、この結果、図9に示される表示位置D3にポインタPが表示される。即ち、ポインタPは表示位置D2から表示位置D3に移動表示される。今回のステップS1〜S6の処理によって得られた結果は、図10の2行目に示されている。
【0065】
次に、座標値C3に対応する操作信号がコントローラ20から送信されると、この新たな操作信号に基づいて、メインCPU64は、ステップS1以降の処理を行う。メインCPU64は、ステップS1においてコントローラ20から送信された座標値C3に対応する操作信号を受信した後、ステップS2の処理に移行する。ここでは、座標値C3は(67,74)であるから、ステップS2の判定結果は否定的となり、メインCPU64は、ステップS3の処理を行う。ここでは、今回座標値は(67,74)であり、ステップS1で受信した操作信号に対応する座標値の値は(67,74)であるから、前回座標値を(67,74)に書き換え、今回座標値を(67,74)に書き換える。次に、ステップS4の処理に移行し、前回座標値と今回座標値との変分として(0,0)を算出する。そして、ステップS5の処理に移行し、スクリーン座標値を更新する。ここでは、ポインタPのスクリーン座標値については、(140,97)であるから、これに変分(0,0)が加算されると、スクリーン座標値は(140,97)に更新される。その後、上述と同様にして、メインCPU64がステップS6の処理を行うと、この結果、図9に示される表示位置D3にポインタPが表示される。即ち、ポインタPは表示位置D3に表示された状態が保持される。今回のステップS1〜S6の処理によって得られた結果は、図10の3行目に示されている。
【0066】
次に、座標値C4に対応する操作信号がコントローラ20から送信されると、この新たな操作信号に基づいて、メインCPU64は、ステップS1以降の処理を行う。メインCPU64は、ステップS1においてコントローラ20から送信された座標値C4に対応する操作信号を受信した後、ステップS2の処理に移行する。ここでは、座標値C4は(0,127)であるから、ステップS2の判定結果は否定的となり、メインCPU64は、ステップS3の処理を行う。ここでは、今回座標値は(67,74)であり、ステップS1で受信した操作信号に対応する座標値の値は(0,127)であるから、前回座標値を(67,74)に書き換え、今回座標値を(0,127)に書き換える。次に、ステップS4の処理に移行し、前回座標値と今回座標値との変分として(−67,53)を算出する。そして、ステップS5の処理に移行し、スクリーン座標値を更新する。ここでは、ポインタPのスクリーン座標値については、(140,97)であるから、これに変分(−67,53)が加算されて、スクリーン座標値は(73,150)に更新される。その後、上述と同様にして、メインCPU64がステップS6の処理を行うと、この結果、図9に示される表示位置D4にポインタPが表示される。即ち、ポインタPは表示位置D3から表示位置D4に移動表示される。今回のステップS1〜S6の処理によって得られた結果は、図10の4行目に示されている。
【0067】
次に、座標値C5に対応する操作信号がコントローラ20から送信されると、この新たな操作信号に基づいて、メインCPU64は、ステップS1以降の処理を行う。メインCPU64は、ステップS1においてコントローラ20から送信された座標値C4に対応する操作信号を受信した後、ステップS2の処理に移行する。ここでは、座標値C5は(127,127)であるから、ステップS2の判定結果は肯定的となり、メインCPU64は、ステップS7の処理を行う。ステップS7では、メインメモリ65に記憶されている今回座標値を、ステップS1で受信した操作信号に対応する座標値の値に書き換える。ここでは、ステップS1で受信した操作信号に対応する座標値の値は(127,127)であるから、今回座標値を(127,127)に書き換える。そして、メインCPU64は、当該移動表示処理を終了する。このとき、メインCPU64は、今回座標値と前回座標値との変分を算出せず、スクリーン座標値も更新しないため、スクリーン座標値は、(73,150)のままである。また、GPU68に対して描画命令も出さないため、図9に示される表示位置D4にポインタPが表示された状態が保持される。今回のステップS1,S2,S7の処理によって得られた結果は、図10の5行目に示されている。
【0068】
次に、座標値C6に対応する操作信号がコントローラ20から送信されると、この新たな操作信号に基づいて、メインCPU64は、ステップS1以降の処理を行う。メインCPU64は、ステップS1においてコントローラ20から送信された座標値C6に対応する操作信号を受信した後、ステップS2の処理に移行する。ここでは、座標値C6は(194,147)であるから、ステップS2の判定結果は否定的となり、メインCPU64は、ステップS3の処理を行う。ここでは、今回座標値は(127,127)であり、ステップS1で受信した操作信号に対応する座標値の値は(194,147)であるから、前回座標値を(127,127)に書き換え、今回座標値を(194,147)に書き換える。次に、ステップS4の処理に移行し、前回座標値と今回座標値との変分として(67,20)を算出する。そして、ステップS5の処理に移行し、スクリーン座標値を更新する。ここでは、ポインタPのスクリーン座標値については、(73,150)であるから、これに変分(67,20)が加算されて、スクリーン座標値は(140,170)に更新される。その後、上述と同様にして、メインCPU64がステップS6の処理を行うと、この結果、図9に示される表示位置D5にポインタPが表示される。即ち、ポインタPは表示位置D4から表示位置D5に移動表示される。今回のステップS1〜S6の処理によって得られた結果は、図10の6行目に示されている。
【0069】
以上のように、メインCPU64は、コントローラ20から座標値(xc,yc)に対応する操作信号を受信する毎に、ステップS1〜S7の処理を行う。
【0070】
そして、例えば、ポインタPが表示位置D5にあるときに、操作ボタン22dが押下された場合、当該押下操作に応じた操作信号をメインCPU64はコントローラ20から受信すると、図9における項目IT1が選択されたことを判別し、当該判別結果に応じた処理を行う。例えば、当該項目IT1にハイパーリンクにより他のコンテンツの格納場所を示すURL(Uniform Resource Locator)が対応付けられている場合、メインCPU64は、通信部79を介して当該URLにアクセスしてコンテンツを取得する等の処理を行う。
【0071】
このようにして、アナログ操作部31の操作軸31aの傾倒方向及び傾倒角度に応じた座標値の変分に基づいてポインタPをスクリーン11上に移動表示させることにより、ユーザはアナログ操作部31を操作して容易にポインタPを所望の表示位置に移動させることができる。
【0072】
また、座標値C5(127,127)に対応する操作のように、検出時間内に、アナログ操作部31の操作軸31aが傾倒状態から非傾倒状態に戻った場合には、操作軸31aの傾倒状態から非傾倒状態に戻るまでの座標値の変分を考慮しないため、ポインタPの表示位置を変更せず、ポインタPを所定の表示位置に静止させることができる。そして、ユーザはアナログ操作部31の操作軸31aを再度傾倒させることにより、ポインタPの表示位置がスクリーン11上のどの位置にあっても、その表示位置から更に所望の表示位置に容易に移動させることができる。
【0073】
また、例えば、上述の座標値C4(0,127)に対応する操作のように、操作軸31aを最大限に傾倒させた場合でも、操作軸31aを非傾倒状態に一旦戻し再度傾倒させることにより、所望の表示位置に容易にポインタPを移動させることができる。
【0074】
また、座標値C3(67,74)に対応する操作のように、操作軸31aの所定の傾倒状態が保持されている場合には、ポインタPの表示位置を変更せずに、ポインタPを所定の位置に静止表示させることができる。
【0075】
従って、以上のような構成により、ユーザの操作性を向上させることができる。
【0076】
尚、ステップS5で算出したスクリーン座標値(xs,ys)の値が、Xs−Ys座標の範囲外となった場合には、範囲内に収まるように補正するクランプ処理を行うことが望ましい。例えば、xsの値が「0」より小さくなった場合には、その値を「0」に補正し、「200」より大きい値となった場合には、その値を「200」に補正する。ysの値についても同様に、「0」より小さい値となったときには、その値を「0」に補正し、また、「300」より大きい値となった場合には、その値を「300」に補正する。
【0077】
また、ステップS4において算出された変分(xh,yh)が(0,0)の場合、ポインタPの表示位置の変更はないため、ステップS5やステップS6の処理を行わないように構成しても良い。
【0078】
[変形例]
<変形例1>
上述の実施例では、ステップS5においては、ステップS4で算出された変分(xh,yh)そのものをスクリーン座標値(xs,ys)に加算することにより、スクリーン座標値(xs,ys)を更新するように構成した。しかし、ステップS4で算出した変分(xh,yh)に対して所定の算式を用いて演算を行い、この演算結果に基づいてスクリーン座標値(xs,ys)を更新するように構成しても良い。例えば、以下の算式(1)、(2)を用いて変分を演算し、演算結果(xe,ye)を得るものとする。
【0079】
xe=xh2×0.05・・・(1)
ye=yh2×0.05・・・(2)
そして、この演算結果(xe,ye)の値を四捨五入して、スクリーン座標値(xs,ys)に加算することにより、スクリーン座標値(xs,ys)を更新する。
【0080】
例えば、上述の第1実施例と同様に、ポインタPのスクリーン座標値(200,150)であるときに、座標値C1に対応する操作信号が送信され、変分(xh,yh)として(−60,−14)が算出された場合、ステップS5において、メインCPU64は、上述の算式(1)、(2)を用いて変分を演算し、演算結果(−180,−9.8)を得る。そして、この演算結果を四捨五入して(−180,−10)を得ると、この値をポインタPのスクリーン座標値(200,150)に加算して、スクリーン座標値を(20,140)に更新する。
【0081】
このような構成により、今回座標値と前回座標値との変分が所定の値(この場合は、「20」)より大きくなるほど、当該変分と比べて演算結果は漸増的に大きくなり、当該変分が所定の値より小さくなるほど、当該変分と比べて演算結果は漸減的に小さくなる。このような演算結果を用いてポインタPのスクリーン座標値を更新することにより、ポインタPの表示位置の変動を加速させたり減速させたりすることができる。従って、例えば、ユーザはアナログ操作部31の傾倒状態及び回動状態を大きく変化させたり小さく変化させたりすることにより、ポインタPの表示位置の移動を加速又は減速させることができ、ポインタPの表示位置の移動を調整することができる。
【0082】
尚、上述の算式(1)、(2)においてxh,yhに対して係数「0.05」を用いたが、この係数に限らず、様々な係数を用いても良い。また、xh,yhに対して同じ係数を用いたが、それぞれ異なる係数を用いても良いし、また、それぞれ全く異なる算式を用いても良い。
【0083】
また、算式(1)、(2)における係数をユーザ自身が設定できるように構成しても良い。例えば、図11に示されるような設定画面において、コントローラ20を操作して、ユーザがスライダSLをスライドさせることにより、上記係数を所望の値に設定できるように構成する。このような構成により、ユーザの操作性や利便性を向上させることができる。
【0084】
また、ステップS4で算出された変分に対してではなく、ステップS1で受信された操作信号に対応する座標値(xc,yc)に対して所定の算式を用いて演算を行うようにしても良い。そして得られた演算結果を今回座標値又は前回座標値として記憶し、記憶した今回座標値と前回座標値との変分を算出し、算出した変分をポインタPのスクリーン座標値に加算するように構成しても良い。例えば、Xc−Xc座標の大きさとXs−Ys座標の大きさとの比に基づく係数を座標値(xc,yc)に乗算し、Xc−Xc座標の大きさをXs−Ys座標の大きさに合わせるようにしても良い。
【0085】
<変形例2>
上述の実施例及び変形例においては、座標値(xc,yc)、スクリーン座標値(xs,ys)には小数や負数を用いない構成としたが、本発明においてはこれに限らず、小数や負数を用いる構成であっても良い。
【0086】
また、上述の実施例においては、ブラウザ画像Gの大きさをXs−Ys座標の大きさと同じにしたが、ブラウザ画像Gの大きさをスクリーン座標の大きさは異ならせるようにしても良い。また、ポインタPをスクリーン11上の任意の位置に移動表示可能としても良いし、スクリーン11の所定の領域においてのみポインタPを移動表示可能とするようにしても良い。
【0087】
<変形例3>
上述の実施例においては、ステップS6の処理を実行する都度ポインタPのスクリーン座標値(xs,ys)を更新するように構成した。しかし、本発明においてはこれに限らず、スクリーン座標値(xs,ys)をステップS6の処理の所定の実行回数分記憶するように構成しても良い。即ち、例えば、上述の実施例において座標値C1〜C6に対応して算出された各スクリーン座標値を共にメインメモリ65に記憶させておいても良い。そして、例えば、表示位置D5にあるポインタPを表示位置D2に戻る指示がユーザによってなされた場合、当該表示位置に対応するスクリーン座標値(xs,ys)をメインメモリ65から読み出し、これを用いてポインタPをスクリーン11に表示させ、ポインタPの表示位置を遡及させるように構成しても良い。
【0088】
<変形例4>
アナログ操作部31における操作に応じてスクリーン11上に移動表示させるオブジェクトは、上述の実施例に限らず、様々な形状や模様や色で表現されるものであっても良い。
【0089】
また、アナログ操作部31,32とのそれぞれ操作により、異なるオブジェクトをそれぞれ移動表示させるように構成しても良い。即ち、上述のポインタPとは異なる他の操作対象オブジェクトをポインタPと共にスクリーン11に表示させ、他の操作対象のオブジェクトをアナログ操作部32における操作によって移動表示させるように構成しても良い。
【0090】
また、アナログ操作部31,32のうち一方に対して上述の移動表示機能を割り当て、他方に対して上述の従来移動表示機能を割り当て、アナログ操作部31,32におけるそれぞれ操作により、それぞれ異なる移動表示機能が実現されるように構成しても良い。
【0091】
<変形例5>
上述の実施例に限らず、本発明においては、アナログ操作部31における操作と、第1の操作部21、第2の操作部22における操作とを組み合わせて、様々な指示操作を行えるように構成しても良い。例えば、操作ボタン22aを押下した状態でアナログ操作部31の操作軸31aを傾倒又は回動させたり、当該傾倒又は回動状態において操作ボタン22aの押下を解除したりすることにより、マウスなどのコントローラにおいて行われるドラッグ操作やドロップ操作などが行えるように構成しても良い。
【0092】
<変形例6>
上述の実施例においては、情報処理装置1が、コントローラ20から受信した座標値に対応する操作信号に基づいて、今回座標値と前回座標値とをそれぞれ記憶するように構成した。しかし、本発明においてはこれに限らず、例えば、コントローラ20のCPU81は、上述の実施例と同様にして検出時間毎に座標値を求める。そして、最後に求めた座標値を今回座標値としてメインメモリ89に記憶させ、最後の直前に求めた座標値を前回座標値としてメインメモリ89に記憶させる。そして、メインメモリ89に記憶された今回座標値と前回座標値とを情報処理装置1に送信するように構成しても良い。一方、情報処理装置1は、コントローラ20から今回座標値と前回座標値とを受信すると、これらの変分を算出し、上述の実施例と同様にして操作対象オブジェクトの表示位置を決定するように構成すれば良い。
【0093】
また、更に、コントローラ20自体が今回座標値と前回座標値との変分を算出するように構成しても良い。例えば、上述のようにメインメモリ89に記憶させた今回座標値と前回座標値とを用いて、上述のステップS2〜S4と同様にして変分を算出する。そして、算出した変分に対応する操作信号を情報処理装置1に送信するように構成しても良い。尚、ステップS2の判定結果が肯定的である場合には、変分を「0」として当該変分に対応する操作信号を情報処理装置1に送信するように構成しても良いし、この場合には、操作信号を情報処理装置1に送信しないように構成しても良い。一方、情報処理装置1は、コントローラ20から送信された変分に対応する操作信号に基づいて、上述のステップS5〜S6の処理を行うように構成すれば良い。
【0094】
また、上述の実施例においては、コントローラ20は、アナログ操作部31の操作軸31aの傾倒状態に応じた座標値対応する操作信号を所定の時間毎に情報処理装置1に送信するように構成した。しかし、本発明においてはこれに限らず、例えば、コントローラ20のCPU81は、アナログ操作部31の操作軸31aの傾倒状態が変化したことを検知したときに、当該傾倒状態に応じた座標値を求め、当該座標値に対応した操作信号を情報処理装置1に送信するように構成しても良い。
【0095】
<変形例7>
上述の実施例においては、情報処理装置1は、コントローラ20からアナログ操作部31の操作軸31aの傾倒状態に応じた座標値に対応する操作信号を受信する毎に、上述のステップS1〜S7の移動表示処理を行うように構成した。しかし、本発明においてはこれに限らず、例えば、情報処理装置1は、情報処理装置1において設定された所定の時間毎に上述の移動表示処理を行うようにしても良く、コントローラ20から受信する上記操作信号のうち、当該所定の時間が経過する各タイミングにおいて受信された操作信号についてのみ、上述の移動表示処理を行うように構成しても良い。
【0096】
<変形例8>
上述の実施例においては、ステップS2の判定結果が肯定的である場合、ステップS7において、今回座標値のみを書き換えるように構成した。しかし、ステップS7においては、ステップS3と同様に、今回座標値のみならず前回座標値をも書き換えるように構成しても良い。
【0097】
また、上述の実施例においては、ステップS2の後にステップS3の処理を行うように構成したが、ステップS1,S3の処理の後にステップS2の処理を行うようにし、ステップS2における判定結果が否定的である場合には、上述のステップS4以降の処理を行い、ステップS2における判定結果が肯定的である場合には、当該移動表示処理を終了するように構成しても良い。
【0098】
<その他の変形例>
上述の実施例においては、ブラウザや移動表示プログラムは、情報処理装置1のROM70に記憶されるように構成したが、サブメモリ74等他の記憶部に記憶されるように構成しても良く、また、これらのプログラムの実行主体は、サブCPU73であるように構成しても良い。
【0099】
上述の実施例においては、コントローラ20と情報処理装置1とはケーブル13を介して接続され通信を行う構成とした。しかし、本発明においてはこれに限らず、コントローラ20と情報処理装置1とはケーブルを介さず、例えばBluetooth(登録商標)などの通信方式によって無線通信を行う構成でも良い。
【0100】
また、上述の実施例においては、コントローラ20と情報処理装置1とモニタ装置10とはそれぞれ別体で構成するようにした。しかし、本発明においてはこれに限らず、情報処理装置1と、コントローラ20のうち少なくともアナログ操作部31と、スクリーン11とを一体的に形成するようにしても良い。
【0101】
上述の実施例においては、コントローラ20に2つのアナログ操作部31,32を設けるように構成したが、本発明においてはこれに限らず、コントローラ20に設けるアナログ操作部の数は、1つであっても良いし、3つ以上であっても良い。
【0102】
また、アナログ操作部31,32の形態は、上述の実施例に限らず、スティック形状等の他の形態であっての良い。
【0103】
また、上述の実施例においては、上述のコンテンツをメディア72から取得するようにしたが、通信部80を介して他のサーバ装置から取得するようにしても良い。
【0104】
上述の各実施の形態の説明は本発明の一例である。このため、本発明は上述の各実施の形態に限定されることはなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、上述の実施の形態以外であっても種々の変更が可能であることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明は、所定の支点を通る所定の軸に対し、当該支点を中心として傾倒可能に構成された操作端末におけるユーザの操作に応じて、所定のオブジェクトを画面上に移動表示させる情報処理システムに用いて好適である。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの概要を示す図である。
【図2】同実施形態におけるコントローラの外部構成を示す図である。
【図3】同実施形態におけるコントローラの内部構成を示すブロック図である。
【図4】同実施形態におけるXc−Yc座標を示す図である。
【図5】同実施形態における情報処理装置の内部構成を示すブロック図である。
【図6】同実施形態におけるスクリーンに表示されるブラウザ画像を例示する図である。
【図7】同実施形態における情報処理装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図8】同実施形態における移動表示処理の流れを示すフロ−チャートである。
【図9】同実施形態におけるスクリーンに表示されるブラウザ画像及びスクリーン座標を例示する図である。
【図10】同実施形態における移動表示処理の実行結果を説明するための図である。
【図11】本発明の一変形例に係る設定画面を例示する図である。
【符号の説明】
【0107】
1・・・情報処理装置、10・・・モニタ装置、11・・・スクリーン、12・・・コネクタ、13・・・接続ケーブル、20・・・コントローラ、21・・・第1の操作部、22・・・第2の操作部、31,32・・・アナログ操作部、31a,32a・・・操作軸、64・・・メインCPU、65・・・メインメモリ、67・・・フレームメモリ、68・・・GPU、70・・・ROM、71・・・メディアドライブ、72・・・メディア、78・・・IOP、79・・・通信部、81・・・CPU、87・・・キーボード、88・・・インターフェース、S・・・情報処理システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の支点を通る所定の軸に対し、当該支点を中心として傾倒可能に構成された操作端末と、当該操作端末と通信可能な情報処理装置とから構成される情報通信システムに用いて好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、操作軸を備え、この操作軸を傾倒させたり、傾倒させた状態で回動させたりすることができる操作端末と、このような操作端末が接続されたエンタテイメント装置とからなる情報通信システムがある。このような情報通信システムの中には、例えば、飛行機や自動車などのオブジェクトを画面上に表示し、ユーザが操作端末を操作することにより、これらのオブジェクトを画面上に移動表示させて、フライトシュミレーションやドライブシュミレーションを行うことができるものがある。このような情報通信システムにおいては、操作端末の操作軸の傾倒角度に応じてオブジェクトの移動速度が決定され、操作軸の傾倒方向に応じてオブジェクトの移動方向が決定される。
【0003】
【特許文献1】特開2001−269485号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような操作端末を操作して、オブジェクトを画面上の所望の位置に表示させる場合、その操作はユーザにとって必ずしも容易でない。
【0005】
例えば、操作端末の操作軸の傾倒角度に応じて決定されるオブジェクトの移動速度と、オブジェクトが現在表示されている位置から所望の位置までの移動距離との関係を直感的に把握し難いと感じるユーザもいる。
【0006】
また、ユーザが操作端末の操作軸の傾倒状態を所定の状態に保持している場合でも、当該傾倒状態における傾倒方向に向かってオブジェクトは等速で移動表示され、ユーザが操作端末の動きを停止させているにも関わらず、オブジェクトは静止表示されず移動表示されることになる。この場合、操作端末における操作状態と、オブジェクトの表示状態とに相違があり、ユーザが違和感を感じる恐れもある。
【0007】
また、移動表示されているオブジェクトを静止表示させる場合には、ユーザは操作軸を傾倒状態から傾倒していない状態(以下、非傾倒状態という)に戻せば良いが、操作軸が傾倒状態から非傾倒状態に戻るまでの間、オブジェクトは、減速しながらも操作軸の傾倒方向に向かって移動表示されてしまう。そして、操作軸が非傾倒状態に戻ってオブジェクトの移動速度が「0」となった時点で、オブジェクトは静止表示されることになる。
【0008】
従ってこの場合、どの位置にオブジェクトが静止表示されるかをユーザは予め把握し難い。このため、ユーザは、所望の位置にオブジェクトを静止表示させたい場合、操作端末を傾倒状態にしたり非傾倒状態に戻したりする操作手順を予め綿密に考えなければならず、また、考えた通りに操作端末を操作したとしてもオブジェクトが必ずしも所望の位置に表示されるとは限らない。それ故、オブジェクトを所望の位置に静止表示させることはユーザにとって必ずしも容易ではない。
【0009】
そこで、本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、所定の支点を通る所定の軸に対し、当該支点を中心として傾倒可能に構成された操作端末をユーザが操作して、画面上に表示されるオブジェクトを容易に所望の位置に表示させることが可能な情報通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る情報通信システムは、所定の支点を通る所定の軸に対し、当該支点を中心として傾倒可能に構成された操作軸を有する操作部と、前記操作部の操作軸の前記所定の軸に対する傾倒角度と傾倒方向とを検出する検出手段と、前記検出手段が検出した傾倒角度と傾倒方向とにより定まる座標値を出力する出力手段と、前記出力手段が出力した座標値を送信する送信手段とを有する操作端末と、当該操作端末と通信可能な情報処理装置とを備える情報処理システムであって、前記情報処理装置が、所定のオブジェクトを表示手段に表示させる表示制御手段と、前記送信手段から送信された座標値を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した前記座標値を記憶する記憶手段と、前記受信手段が受信した第1の座標値と、前記受信手段が当該第1の座標値を受信するより前に受信し前記記憶手段に記憶された第2の座標値との変分を算出し、当該変分に基づいて、前記表示制御手段が前記表示手段に表示させた所定のオブジェクトの新たな表示位置を決定する表示位置決定手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、操作端末の有する操作部の操作軸の前記所定の軸に対する傾倒角度と傾倒方向とに応じて定まる座標値が操作端末から送信され、当該座標値が情報処理装置に受信され、受信された座標値が記憶手段に記憶される。そして受信された第1の座標値と、当該第1の座標値が受信されるより前に受信され記憶手段に記憶された第2の座標値との変分が算出され、当該変分に基づいて、前記表示手段に表示された所定のオブジェクトの新たな表示位置が決定される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。なお、各図において共通する部分には、同一の符号が付されている。また、かかる実施例は本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲で任意に変更可能である。
【0013】
[実施例]
(1)構成
<情報処理システムの構成>
図1は、本実施例に係る情報処理システムSの概要を示す模式図である。情報処理システムSは、情報処理装置1と、ユーザにより操作される操作端末であるコントローラ20とを備える。情報処理装置1とコントローラ20とは、接続ケーブル13を介して接続される。情報処理装置1にはモニタ装置10が接続され、モニタ装置10には情報処理装置1から映像信号及び音声信号が供給される。モニタ装置10は、情報処理装置1から供給された映像信号に基づいて画像を表示するスクリーン11と、情報処理装置1から供給された音声信号に基づいて音声を出力するスピーカ(図示せず)とを備える。
【0014】
<コントローラの構成>
次に、図1及び図2を参照しながら、コントローラ20のハードウェア構成について説明する。
【0015】
コントローラ20は、第1の操作部21、第2の操作部22と、Lボタン23Lと、Rボタン23Rと、スタートボタン24と、選択ボタン25と、アナログ操作が可能なアナログ操作部31,32と、これらアナログ操作部31,32の操作モードを選択するモード選択スイッチ33との各種操作子と、選択された操作モードを表示するための表示部34とを備えている。
【0016】
第1の操作部21は、図2に示すように、方向指示キー21a,21b,21c,21dを有している。方向指示キー21a,21b,21c,21dには、各々上下左右の各方向が割り当てられており、方向指示キー21a,21b,21c,21dがユーザに押下されることにより、画面上における移動対象の移動方向が指示される。また、2つの方向指示キーが同時に押下されることにより、斜め方向の方向が指示される。例えば方向指示キー21a,21bを同時に押圧されると、右斜め上方向の方向が指示される。
【0017】
第2の操作部22は、操作ボタン22a,22b,22c,22dを有している。操作ボタン22a,22b,22c,22dには、アプリケーションプログラムによりそれぞれ異なる機能が割り当てられる。
【0018】
アナログ操作部31,32は、図2に示すように、所定の支点aを通る所定の軸bに対して傾倒可能且つ所定の支点aを中心として傾倒した状態で回動可能に構成された操作軸31a,32aを有する。この操作軸31a,32aは、弾性部材により中立位置に復帰するように取り付けられており、ユーザにより傾倒操作がなされていない時には傾きのない起立した状態(非傾倒状態)でその状態が保持される。
【0019】
<情報処理装置の構成>
次に、図1を参照しながら、情報処理装置のハードウェア構成について説明する。
【0020】
情報処理装置1は、ディスクトレイ3、ボタン4,9、USB(Universal Serial Bus)接続端子5、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394接続端子6、コントローラポート7A,7B、メモリカードスロット8A,8B等を備えている。ディスクトレイ3は、DVD−ROMやCD−ROM等の光ディスクが装填可能に構成されている。ボタン4は、電源のオンやスタンバイ、ゲームのリセットを行うためのオン/スタンバイ/リセットボタンである。ボタン9は、ディスクトレイ3をオープン/クローズさせるオープン/クローズボタンである。コントローラポート7A,7Bは、コントローラ20に接続される接続ケーブル13の有するコネクタ12が着脱自在に構成されている。メモリカードスロット8A,8Bは、半導体メモリであるメモリカード(図示せず)を着脱自在に構成されている。また、図示は省略するが、当該描画処理装置1の背面側には、電源スイッチ、音響映像出力端子(AVマルチ出力端子)、PCカードスロット、光ディジタル出力端子、AC電源入力端子などが設けられている。
【0021】
<コントローラの内部構成>
次に、図3を参照しながら、コントローラ20の主要な内部構成について説明する。図3は、コントローラ20の主要な内部構成を示すブロック図である。
【0022】
図3において、コントローラ20は、CPU81と、ROM82と、バッテリ83と、振動検出素子84と、振動素子85と、スピーカ86と、キーボード87と、表示部(LED)34と、インターフェース88と、RAMから構成されるメインメモリ89とを有し、これらはバス90を介して接続されている。キーボード87とは、コントローラ20に設けられた上記操作子の総称である。
【0023】
ROM82には、コントローラ20の各部を制御するためのオペレーティングシステム等の各種プログラムが記憶されている。
【0024】
CPU81は、コントローラ20の起動時にROM82に記憶されているオペレーティングシステムをメインメモリ89に読み出し、読み出したオペレーティングシステムを実行することにより、情報処理装置1各部の動作を制御する。
【0025】
また、CPU81は、ユーザによって操作されたキーボード87における操作を検出し、当該操作に対応する操作信号をインターフェース89を介して情報処理装置1に送信する。尚、アナログ操作部31,32については、CPU81は、アナログ操作部31,32の有する各操作軸31a,32aの軸bに対する傾倒角度とその傾倒方向とを所定の単位時間(以下、検出時間という)毎に検出し、これらに対応する座標値を求める。ここでは、説明の便宜上、アナログ操作部31に対応する座標値についてのみ説明するが、アナログ操作部32に対応する座標値についてもアナログ操作部31に対応する座標値と略同様の構成である。ここで求められるアナログ操作部31に対応する座標値は、例えば図4に示されるように、操作軸31aの左右方向をXc軸とし、操作軸31aの上下方向をYc軸とするXc−Yc座標上の値である。図4に示すように、Xc−Yc座標上のYc(垂直)方向の値ycは、「0」〜「255」の256段階の値で表現され、Xc(水平)方向の値xcは、「0」〜「255」の256段階の値で表現される。このような座標において、操作軸31aが非傾倒状態のときの座標値を原点a(127,127)として定め、CPU81は、操作軸31aの左右方向の傾きに応じて、Xc方向の値xcを求め、操作軸31aの上下方向の傾きに応じて、Yc方向の値ycを求める。操作軸31aが最大限に傾倒され、操作軸31aの軸bに対する傾倒角度が最大であるときには、座標値(xc,yc)の値は、例えば(0,127)、(255,127)、(127,0)、(127,255)等の値となる。
【0026】
そして、CPU81は、所定の単位時間毎に求めた座標値(xc,yc)に応じた操作信号を情報処理装置1に送信する。
【0027】
インターフェース88は、CPU81の制御の下、コントローラポート7A,7Bを介して、接続ケーブル13に接続された情報処理装置1との間のデータ通信を制御する。
【0028】
表示部34は、CPU81の制御の下、上述の操作モードを表示する。スピーカ86は、CPU81の制御の下、音声信号を出力する。振動素子85は、CPU81の制御の下に駆動されて、コントローラ20に振動を与える。
【0029】
<情報処理装置の内部回路構成>
次に、図5を参照しながら、情報処理装置1の主要な内部構成について説明する。図5は、情報処理装置1の主要な内部構成を示すブロック図である。
【0030】
図5に示すように、情報処理装置1は、メインバス61とサブバス62とを有し、これらのバス61,62は、バスインターフェース63を介して互いに接続され又は切り離される。
【0031】
メインバス61には、メインCPU64と、RAMで構成されるメインメモリ65と、メインDMAC(Direct Memory Access Controller)66と、フレームメモリ67を内蔵する画像処理デバイス(GPU(Graphic Processing Unit))68とが接続される。GPU68には、映像信号を生成するための制御手段であるCRTC(CRT Controller)69が接続される。
【0032】
サブバス62には、マイクロプロセッサなどで構成されるサブCPU73、RAMで構成されるサブメモリ74、サブDMAC75、ROM70、サウンドメモリ76に蓄積された音データを読み出して音声信号を出力する音声処理装置(SPU(Sound Processing Unit))77、周辺機器を制御するIOプロセッサ(IOP)78、通信部79、CD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体であるメディア72を装着するためのメディアドライブ71が接続されている。
【0033】
ROM70には、情報処理装置1の各部を制御するためのオペレーティングシステムや、後述するブラウザや移動表示機能を実現させるためのプログラム(以下、移動表示プログラムという)やゲームプログラムなどの各種プログラムが記憶されている。
【0034】
メインCPU64は、情報処理装置1の起動時にバスインターフェース63を介してROM70に記憶されているオペレーティングシステムをメインメモリ65に読み出し、読み出したオペレーティングシステムを実行することにより、情報処理装置1各部の動作を制御する。
【0035】
メインCPU64は、ROM70に記憶されている上述のブラウザを実行すると、ROM70に記憶されている上述の移動表示プログラムを読み出しこれを実行すると共に、図6に示されるような矢印を表すポインタの画像(以下、ポインタPという)を含むブラウザ画像をモニタ装置10のスクリーン11に表示させる。このブラウザ画像Gにおける領域ARには、メディア72や通信部79を介して取得されたコンテンツを表す画像(以下、コンテンツ画像という)を表示させる。
【0036】
このブラウザ画像Gにおいて少なくともポインタPには、スクリーン11の大きさに応じたスクリーン座標(以下、Xs−Ys座標とする)におけるスクリーン座標値(xs,ys)が割り当てられる。このスクリーン座標値(xs,ys)は、メインメモリ65に記憶される。
【0037】
そして、メインCPU64が上述の移動表示プログラムを実行した場合、以下の移動表示機能が実現される。メインCPU64は、所定の単位時間毎にコントローラ20から送信されるアナログ操作部31に対応する座標値(xc,yc)に応じた操作信号について、当該操作信号が送信される都度以下の移動表示処理を行う。メインCPU64は、当該操作信号に対応する座標値(xc,yc)が(127,127)か否かを判定し、当該判定結果が否定的である場合、当該操作信号に対応する座標値を今回座標値としてメインメモリ65に記憶させる。また、当該操作信号が送信される直前に送信された操作信号に対応する座標値は、前回座標値としてメインメモリ65に記憶させる。そして、今回座標値と前回座標値との変分を算出し、算出した変分に基づいて、ポインタPのスクリーン座標値(xs,ys)を更新する。これにより、ポインタPのスクリーン11上の表示位置を決定する。そして、更新したスクリーン座標値(xs,ys)に対応する表示位置にポインタPを描画する描画命令をGPU68に対して行う。この描画命令に従ってGPU68がフレームメモリ67に描画され、当該画像がCRTC69を介してモニタ装置10のスクリーン11に表示される。この結果、スクリーン11上の上記決定された表示位置にポインタPが表示される。上記判定結果が肯定的である場合には、メインCPU64は、今回座標値と前回座標値とを初期値に戻し、スクリーン座標値を更新せずに、当該処理を終了する。尚、前回座標値と今回座標値とには初期値として(127,127)が各々セットされてメインメモリ65に予め記憶されている。
【0038】
また、メインCPU64は移動表示プログラムを実行した場合、操作ボタン22dの操作に対して選択指示操作を割り当て、操作ボタン22bの操作に対して選択取り消し指示操作を割り当て、操作ボタン22cの操作に対してメニュー表示指示操作を割り当てる。具体的には例えば、上述のポインタPの表示位置が所定の項目(例えば、図6における項目IT1)と重なる場合に、操作ボタン22dが押下されると、当該押下操作に対応してコントローラ20から送信される操作信号によってメインCPU64は当該項目IT1がユーザによって選択されたことを判別し、当該判別結果に応じた処理を行う。また、その後操作ボタン22bが押下されると、メインCPU64は当該項目IT1がユーザによって選択取り消しされたことを判別し、当該判別結果に応じた処理を行う。また、操作ボタン22cが押下されると、メインCPU64はメインメモリ65に予め記憶されたメニュー画像をスクリーン11に表示させる。
【0039】
また、ポインタPの表示位置がスクロールボタンSC1又はスクロールボタンSC2の表示位置と重なる場合、ポインタPの方向キー21a又は21bの各押下操作に応じて、ブラウザ画像Gの領域AR内においてコンテンツ画像を図中上又は下方向にスクロールさせ、スクロールボタンSC3又はスクロールボタンSC4の表示位置と重なる場合、方向キー21c又は21dの各押下操作に応じて、ブラウザ画像Gの領域AR内においてコンテンツ画像を図中左又は右方向にスクロールさせる。
【0040】
また、メインCPU64はROM70に記憶された所定のゲームプログラムを実行すると、従来と同様にして、所定のオブジェクト(以下、操作対象オブジェクトとする)につき、操作軸31a,32aの傾倒方向に応じて当該操作対象オブジェクトの移動方向を決定し、操作軸31a,32aの傾倒角度に応じて当該移動速度を決定する。具体的には、例えば、所定の単位時間毎にコントローラ20から送信されたアナログ操作部31に対応する操作信号に対応する座標値(xc,yc)を終点とし、原点a(127,127)を始点とするベクトルに応じて操作対象オブジェクトをスクリーン11上に移動表示させる。このようにして操作対象オブジェクトを移動表示させる機能については、以下、従来移動表示機能という。
【0041】
また、メインCPU64は、メディアドライブ71を制御するとともに、このメディアドライブ71に装着されたメディア72からアプリケーションプログラムや各種データをメインメモリ65に読み出し、読み出したアプリケーションプログラムを実行することにより、各種機能を実現させる。メディア72には、例えば、画像処理用のプログラムや、後述するブラウザにおいて用いられる文章データや画像データなどのコンテンツが記憶されている。
【0042】
また、メインCPU64は、メインメモリ65に読み出した各種データのうち、複数の基本図形(ポリゴン)で構成された3次元オブジェクトデータ(ポリゴンの頂点の座標値など)に対してジオメトリ処理を行って、ディスプレイリストを生成し、生成したディスプレイリストをGPU68に供給する。ディスプレイリストは、ポリゴンを描画するためのポリゴン定義情報であり、ポリゴン定義情報は、描画領域設定情報とポリゴン情報とからなる。描画領域設定情報は、描画領域のフレームバッファアドレスにおけるオフセット座標と、描画領域の外部にポリゴンの座標があった場合に、描画をキャンセルするための描画クリッピング領域の座標からなる。ポリゴン情報は、ポリゴン属性情報と頂点情報とからなり、ポリゴン属性情報は、シェーディングモード、αブレンディングモード、およびテクスチャマッピングモード等を指定する情報であり、頂点情報は、頂点描画領域内座標、頂点テクスチャ領域内座標、および頂点色等の情報である。
【0043】
また、メインCPU64は、MPEG(Moving Picture Experts Group)方式やJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式等で圧縮されたデータを伸張する。
【0044】
メインメモリ65には、メインCPU64がROM70やメディア72から読み出したプログラムや、各種データが記憶される。また、上述したように、ポインタPのスクリーン座標値(xs,ys)、前回座標値、今回座標値が記憶される。
【0045】
GPU68は、描画コンテクストを保持しており、メインCPU64から供給されるディスプレイリストに含まれる画像コンテクストの識別情報に基づいて該当する描画コンテクストを読み出し、これを用いてレンダリング処理を行い、フレームメモリ67にポリゴンを描画する。フレームメモリ67は、テクスチャメモリとしても使用できるため、フレームメモリ67上のピクセルイメージをテクスチャとして描画するポリゴンに貼り付けることができる。
【0046】
CRTC69は、フレームメモリ67に描画された画像に基づいて映像信号を生成し、これを情報処理装置1と接続されているモニタ装置10に供給する。この結果、モニタ装置10のスクリーン11に画像が表示される。
【0047】
メインDMAC66は、メインバス61に接続されている各回路を対象としてDMA転送制御を行うとともに、バスインターフェース63の状態に応じて、サブバス62に接続されている各回路を対象としてDMA転送制御を行う。
【0048】
サブCPU73は、ROM70に記憶されているプログラムに従って各種動作を行う。
サブDMAC75は、バスインターフェース63がメインバス61とサブバス62を切り離している状態においてのみ、サブバス62に接続されている各回路を対象としてDMA転送などの制御を行う。
【0049】
IOP78は、ROM70に記憶されているIOP用のオペレーティングシステムなどのプログラムを実行することにより、コントローラポート7A,7Bを介して授受されるコントローラ20からの操作信号やコントローラ20への制御信号、メモリカードポート8A,8Bを介して授受されるメモリカードにおけるデータの入出力、USB接続端子5やIEEE1394接続端子6におけるデータの入出力を制御する。
【0050】
通信部79は、サブCPU73の制御の下、外部装置とのデータ通信を制御する。外部装置と通信部79とは、例えば、アナログ公衆電話回線や通信衛星回線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)やLAN(Local Area Network)、CATV(Community Antenna Television)網、ISDN(総合ディジタル通信網)などの通信手段を介してデータ通信を行う。
【0051】
<機能的構成>
次に、情報処理装置1の機能的構成について説明する。図7は、本実施例に係る情報処理装置1の機能的構成を模式的に示した機能ブロック図である。本実施例においては、ROM70に記憶されたブラウザや移動表示プログラムなどの各種プログラムをメインCPU64が実行し、この処理の実行過程においてメインCPU64の制御命令に従ってGPU68等の情報処理装置1各部が各種処理を行うことにより、以下の各手段K1〜K5の機能が実現される。
【0052】
表示制御手段K5は、ポインタPをモニタ装置10のスクリーン11に表示させる。受信手段K1は、検出時間毎にコントローラ20から送信されたアナログ操作部31の傾倒状態に応じた座標値に対応する操作信号を受信する。記憶手段K2は、受信手段K1が受信した操作信号に対応する座標値を記憶する。判定手段K3は、受信手段K1が受信した操作信号に対応する座標値が所定の座標値(127,127)であるか否かを判定する。判定手段K3の判定結果が否定的である場合、表示位置決定手段K4は、受信手段K1が受信した操作信号に対応する第1の座標値と、受信手段K1が当該座標値に対応する操作信号を受信する直前に受信した操作信号に対応する座標値であり記憶手段K2に記憶された第2の座標値との変分を算出する。そして、算出した変分とポインタPに対応するスクリーン座標値とを用いて、ポインタPのスクリーン11上の新たな表示位置を決定する。判定手段K3の判定結果が肯定的である場合、表示位置決定手段K4は、ポインタPのスクリーン11上の表示位置を変更せず、ポインタPの現在の表示位置を新たな表示位置として決定する。表示制御手段K5は、当該ポインタPを表示位置決定手段K5が決定した新たな表示位置に表示させる。
【0053】
(2)動作
次に、本願実施例に係る動作について説明する。
【0054】
尚、情報処理装置1の図示しない電源が投入され、ROM70に記憶されたオペレーションシステムなどのプログラムがメインCPU64によってメインメモリ65に読み出されて実行され、ユーザによってそれぞれ指示が入力されることにより、ROM70や光ディスク72からメインメモリ65に読み出された各種プログラムがメインCPU64によって実行され、上述の構成欄で述べた各種機能が実現される。
【0055】
また、コントローラ20には接続ケーブル13を介して接続される情報処理装置1から電源が供給され、ROM82に記憶されたオペレーションシステムなどのプログラムがCPU81によってメインメモリ89に読み出されて実行され、上述の構成欄で述べた各種機能が実現される。
【0056】
まず、ユーザが、コントローラ20の操作ボタン22aを操作して、例えば、メディア72に記憶されているコンテンツの表示を指示すると、コントローラ20のCPU81は、当該操作に応じた操作信号をインターフェース88を介して情報処理装置1へ送信する。メインCPU64は、コントローラ20から送信された操作信号をIOP78を介して受信し、この操作信号に応じて、ブラウザをROM70からメインメモリ65に読み出しこれを実行する。そして、メインCPU64は、当該指示されたコンテンツをメディア72から読み出しメインメモリ65に一時的に記憶させる。そして、メインCPU64は、該コンテンツを表す画像(コンテンツ画像)を含むブラウザ画像の描画命令をグラフィックシステム50に対して行う。グラフィックシステム50は、メインCPU64からの描画命令に従い、コンテンツ画像を含むブラウザ画像をフレームメモリ67を描画する。次に、CRTC69が、フレームメモリ67に描画された画像に基づいて映像信号を生成し、これを情報処理装置1と接続されているモニタ装置10に供給する。この結果、図6に示されるようなポインタPを含むブラウザ画像Gがモニタ装置10のスクリーン11に表示される。
【0057】
尚、ここでは、スクリーン11の大きさが400×300(ピクセル)で表されるとし、ポインタPのスクリーン座標値(xs,ys)は、当該スクリーン11を構成するピクセル単位で(0,0)から(400,300)までのいずれかの値により表されるものとする。尚、図6に示されるようなポインタPは、複数のピクセルから構成される画像であるため、複数のスクリーン座標値が割り当てられるが、説明の便宜上、ポインタPの矢の先端に相当する1つのスクリーン座標値についてのみ説明する。その他のスクリーン座標値についても以下の説明におけるスクリーン座標値と略同様に処理される。
【0058】
また、初期状態では、ポインタPのスクリーン座標値は(200,150)であるとする。このとき、ポインタPは図6の表示位置D1に表示される。また、上述したように、初期状態では、メインメモリ65に記憶されている前回座標値と今回座標値とはそれぞれ(127,127)である。そして、アナログ操作部31の操作軸31aは、非傾倒状態であるとする。
【0059】
一方、コントローラ20のCPU81は、検出時間毎にキーボード87における操作を検出し、検出した操作に対応した操作信号を出力し、これをインターフェース88を介して情報処理装置1へ送信する。アナログ操作部31の操作軸31aについては、その傾倒方向及び傾倒角度によって定まるXc−Yc座標上の座標値に対応する操作信号を出力し、これをインターフェース88を介して情報処理装置1へ送信する。ここでは、アナログ操作部31の操作軸31aがユーザに傾倒操作されることにより、CPU81は、座標値C1〜C9に対応する操作信号をそれぞれ順に出力し、これらを順に情報処理装置1へ送信するものとする。具体的には例えば、ユーザが操作軸31aを非傾倒状態から左斜め下方向に傾倒させたとき、座標値C1(67,113)に対応する操作信号が出力され、その後、操作軸31aを下方向に傾倒させたとき、座標値C2(67,74)に対応する操作信号が出力され、操作軸31aを下方向に傾倒させた状態を保持しているとき、座標値C3(67,74)に対応する操作信号が出力され、その後、操作軸31aを左斜め上方向に最大限に傾倒させたとき、座標値C4(0,127)に対応する操作信号が出力され、その後、操作軸31aを非傾倒状態に戻したとき、座標値C5(127,127)に対応する操作信号が出力され、その後、操作軸31aを右斜め上方向に傾倒させたとき、座標値C6(194,147)に対応する操作信号が出力されるものとする。
【0060】
また、情報処理装置1のメインCPU64は、ブラウザに従い、ROM70に記憶された移動表示プログラムの実行を開始する。そして、情報処理装置1のメインCPU64は、移動プログラムに従い、検出時間毎にコントローラ20から送信されるアナログ操作部31の座標値(xc,yc)に応じた操作信号IOP78を介して受信し、当該操作信号が送信される都度、以下の移動表示処理を行う。図8は、移動表示処理の流れを示すフローチャートである。
【0061】
メインCPU64は、まず、座標値C1に対応する操作信号をコントローラ20から受信すると(ステップS1)、当該操作信号に対応する座標値が(127,127)か否かを判定する(ステップS2)。この判定結果が否定的である場合、メインCPU64は、メインメモリ65に記憶されている前回座標値を、メインメモリ65に記憶されている今回座標値の値に書き換え、次に、メインメモリ65に記憶されている今回座標値を、ステップS1で受信した操作信号に対応する座標値の値に書き換える(ステップS3)。ここでは、今回座標値は(127,127)であり、ステップS1で受信した操作信号に対応する座標値の値は(67,113)であるから、ステップS2の判定結果が肯定的となるため、前回座標値を(127,127)に書き換え、今回座標値を(67,113)に書き換える。次に、前回座標値と今回座標値との変分を算出する(ステップS4)。具体的には、今回座標値のxc成分から前回座標値のxc成分を引くと共に、今回座標値のyc成分から前回座標値のyc成分を引くことにより、各xc成分の変分(以下、xhとする)、yc成分の変分(以下、yhとする)を算出する。ここでは、変分(xh,yh)として(−60,−14)が算出される。次に、算出した変分をメインメモリ65に記憶されているポインタPのスクリーン座標値にそれぞれ加算し、このスクリーン座標値を更新する(ステップS5)。例えば、ポインタPのスクリーン座標値については、(200,150)であるから、これに変分(−60,−14)が加算されて、スクリーン座標値は(140,136)に更新される。
【0062】
次に、メインCPU64は、ステップS5において算出したスクリーン座標値に対応する表示位置にポインタPを描画する命令をGPU68に対して行う(ステップS6)。この描画命令に従って、GPU68がポインタPを含むブラウザ画像をフレームメモリ67に描画し、描画された画像に基づいてCRTCが映像信号を生成して、これをモニタ装置10のスクリーン11に供給する。この結果、例えば図9に示される表示位置D2にポインタPが表示される。即ち、ポインタPは表示位置D1から表示位置D2に移動表示される。
【0063】
尚、図10は、ステップS1で供給された座標値(供給座標値)と、ステップS3で書き換えられた今回座標値及び前回座標値と、ステップS4で算出された変分と、ステップS5で更新される前のポインタPのスクリーン座標値及び更新された後のポインタPのスクリーン座標値(新スクリーン座標値)と、ステップS6で描画されたポインタPの表示位置との関係を模式的に示した図である。同図の1行目に、上述のステップS1〜S6の処理によって得られた結果が示されている。
【0064】
次に、座標値C2に対応する操作信号がコントローラ20から送信されると、この新たな操作信号に基づいて、メインCPU64は、ステップS1以降の処理を行う。メインCPU64は、ステップS1においてコントローラ20から送信された座標値C2に対応する操作信号を受信した後、ステップS2の処理に移行する。ここでは、座標値C2は(67,74)であるから、ステップS2の判定結果は否定的となり、メインCPU64は、ステップS3の処理を行う。ここでは、今回座標値は(67,113)であり、ステップS1で受信した操作信号に対応する座標値の値は(67,74)であるから、前回座標値を(67,113)に書き換え、今回座標値を(67,74)に書き換える。次に、ステップS4の処理に移行し、前回座標値と今回座標値との変分として(0,−39)を算出する。そして、ステップS5の処理に移行し、スクリーン座標値を更新する。ここでは、例えば、ポインタPのスクリーン座標値については、(140,136)であるから、これに変分(0,−39)を加算されて、スクリーン座標値は(140,97)に更新される。その後、上述と同様にして、メインCPU64がステップS6の処理を行うと、この結果、図9に示される表示位置D3にポインタPが表示される。即ち、ポインタPは表示位置D2から表示位置D3に移動表示される。今回のステップS1〜S6の処理によって得られた結果は、図10の2行目に示されている。
【0065】
次に、座標値C3に対応する操作信号がコントローラ20から送信されると、この新たな操作信号に基づいて、メインCPU64は、ステップS1以降の処理を行う。メインCPU64は、ステップS1においてコントローラ20から送信された座標値C3に対応する操作信号を受信した後、ステップS2の処理に移行する。ここでは、座標値C3は(67,74)であるから、ステップS2の判定結果は否定的となり、メインCPU64は、ステップS3の処理を行う。ここでは、今回座標値は(67,74)であり、ステップS1で受信した操作信号に対応する座標値の値は(67,74)であるから、前回座標値を(67,74)に書き換え、今回座標値を(67,74)に書き換える。次に、ステップS4の処理に移行し、前回座標値と今回座標値との変分として(0,0)を算出する。そして、ステップS5の処理に移行し、スクリーン座標値を更新する。ここでは、ポインタPのスクリーン座標値については、(140,97)であるから、これに変分(0,0)が加算されると、スクリーン座標値は(140,97)に更新される。その後、上述と同様にして、メインCPU64がステップS6の処理を行うと、この結果、図9に示される表示位置D3にポインタPが表示される。即ち、ポインタPは表示位置D3に表示された状態が保持される。今回のステップS1〜S6の処理によって得られた結果は、図10の3行目に示されている。
【0066】
次に、座標値C4に対応する操作信号がコントローラ20から送信されると、この新たな操作信号に基づいて、メインCPU64は、ステップS1以降の処理を行う。メインCPU64は、ステップS1においてコントローラ20から送信された座標値C4に対応する操作信号を受信した後、ステップS2の処理に移行する。ここでは、座標値C4は(0,127)であるから、ステップS2の判定結果は否定的となり、メインCPU64は、ステップS3の処理を行う。ここでは、今回座標値は(67,74)であり、ステップS1で受信した操作信号に対応する座標値の値は(0,127)であるから、前回座標値を(67,74)に書き換え、今回座標値を(0,127)に書き換える。次に、ステップS4の処理に移行し、前回座標値と今回座標値との変分として(−67,53)を算出する。そして、ステップS5の処理に移行し、スクリーン座標値を更新する。ここでは、ポインタPのスクリーン座標値については、(140,97)であるから、これに変分(−67,53)が加算されて、スクリーン座標値は(73,150)に更新される。その後、上述と同様にして、メインCPU64がステップS6の処理を行うと、この結果、図9に示される表示位置D4にポインタPが表示される。即ち、ポインタPは表示位置D3から表示位置D4に移動表示される。今回のステップS1〜S6の処理によって得られた結果は、図10の4行目に示されている。
【0067】
次に、座標値C5に対応する操作信号がコントローラ20から送信されると、この新たな操作信号に基づいて、メインCPU64は、ステップS1以降の処理を行う。メインCPU64は、ステップS1においてコントローラ20から送信された座標値C4に対応する操作信号を受信した後、ステップS2の処理に移行する。ここでは、座標値C5は(127,127)であるから、ステップS2の判定結果は肯定的となり、メインCPU64は、ステップS7の処理を行う。ステップS7では、メインメモリ65に記憶されている今回座標値を、ステップS1で受信した操作信号に対応する座標値の値に書き換える。ここでは、ステップS1で受信した操作信号に対応する座標値の値は(127,127)であるから、今回座標値を(127,127)に書き換える。そして、メインCPU64は、当該移動表示処理を終了する。このとき、メインCPU64は、今回座標値と前回座標値との変分を算出せず、スクリーン座標値も更新しないため、スクリーン座標値は、(73,150)のままである。また、GPU68に対して描画命令も出さないため、図9に示される表示位置D4にポインタPが表示された状態が保持される。今回のステップS1,S2,S7の処理によって得られた結果は、図10の5行目に示されている。
【0068】
次に、座標値C6に対応する操作信号がコントローラ20から送信されると、この新たな操作信号に基づいて、メインCPU64は、ステップS1以降の処理を行う。メインCPU64は、ステップS1においてコントローラ20から送信された座標値C6に対応する操作信号を受信した後、ステップS2の処理に移行する。ここでは、座標値C6は(194,147)であるから、ステップS2の判定結果は否定的となり、メインCPU64は、ステップS3の処理を行う。ここでは、今回座標値は(127,127)であり、ステップS1で受信した操作信号に対応する座標値の値は(194,147)であるから、前回座標値を(127,127)に書き換え、今回座標値を(194,147)に書き換える。次に、ステップS4の処理に移行し、前回座標値と今回座標値との変分として(67,20)を算出する。そして、ステップS5の処理に移行し、スクリーン座標値を更新する。ここでは、ポインタPのスクリーン座標値については、(73,150)であるから、これに変分(67,20)が加算されて、スクリーン座標値は(140,170)に更新される。その後、上述と同様にして、メインCPU64がステップS6の処理を行うと、この結果、図9に示される表示位置D5にポインタPが表示される。即ち、ポインタPは表示位置D4から表示位置D5に移動表示される。今回のステップS1〜S6の処理によって得られた結果は、図10の6行目に示されている。
【0069】
以上のように、メインCPU64は、コントローラ20から座標値(xc,yc)に対応する操作信号を受信する毎に、ステップS1〜S7の処理を行う。
【0070】
そして、例えば、ポインタPが表示位置D5にあるときに、操作ボタン22dが押下された場合、当該押下操作に応じた操作信号をメインCPU64はコントローラ20から受信すると、図9における項目IT1が選択されたことを判別し、当該判別結果に応じた処理を行う。例えば、当該項目IT1にハイパーリンクにより他のコンテンツの格納場所を示すURL(Uniform Resource Locator)が対応付けられている場合、メインCPU64は、通信部79を介して当該URLにアクセスしてコンテンツを取得する等の処理を行う。
【0071】
このようにして、アナログ操作部31の操作軸31aの傾倒方向及び傾倒角度に応じた座標値の変分に基づいてポインタPをスクリーン11上に移動表示させることにより、ユーザはアナログ操作部31を操作して容易にポインタPを所望の表示位置に移動させることができる。
【0072】
また、座標値C5(127,127)に対応する操作のように、検出時間内に、アナログ操作部31の操作軸31aが傾倒状態から非傾倒状態に戻った場合には、操作軸31aの傾倒状態から非傾倒状態に戻るまでの座標値の変分を考慮しないため、ポインタPの表示位置を変更せず、ポインタPを所定の表示位置に静止させることができる。そして、ユーザはアナログ操作部31の操作軸31aを再度傾倒させることにより、ポインタPの表示位置がスクリーン11上のどの位置にあっても、その表示位置から更に所望の表示位置に容易に移動させることができる。
【0073】
また、例えば、上述の座標値C4(0,127)に対応する操作のように、操作軸31aを最大限に傾倒させた場合でも、操作軸31aを非傾倒状態に一旦戻し再度傾倒させることにより、所望の表示位置に容易にポインタPを移動させることができる。
【0074】
また、座標値C3(67,74)に対応する操作のように、操作軸31aの所定の傾倒状態が保持されている場合には、ポインタPの表示位置を変更せずに、ポインタPを所定の位置に静止表示させることができる。
【0075】
従って、以上のような構成により、ユーザの操作性を向上させることができる。
【0076】
尚、ステップS5で算出したスクリーン座標値(xs,ys)の値が、Xs−Ys座標の範囲外となった場合には、範囲内に収まるように補正するクランプ処理を行うことが望ましい。例えば、xsの値が「0」より小さくなった場合には、その値を「0」に補正し、「200」より大きい値となった場合には、その値を「200」に補正する。ysの値についても同様に、「0」より小さい値となったときには、その値を「0」に補正し、また、「300」より大きい値となった場合には、その値を「300」に補正する。
【0077】
また、ステップS4において算出された変分(xh,yh)が(0,0)の場合、ポインタPの表示位置の変更はないため、ステップS5やステップS6の処理を行わないように構成しても良い。
【0078】
[変形例]
<変形例1>
上述の実施例では、ステップS5においては、ステップS4で算出された変分(xh,yh)そのものをスクリーン座標値(xs,ys)に加算することにより、スクリーン座標値(xs,ys)を更新するように構成した。しかし、ステップS4で算出した変分(xh,yh)に対して所定の算式を用いて演算を行い、この演算結果に基づいてスクリーン座標値(xs,ys)を更新するように構成しても良い。例えば、以下の算式(1)、(2)を用いて変分を演算し、演算結果(xe,ye)を得るものとする。
【0079】
xe=xh2×0.05・・・(1)
ye=yh2×0.05・・・(2)
そして、この演算結果(xe,ye)の値を四捨五入して、スクリーン座標値(xs,ys)に加算することにより、スクリーン座標値(xs,ys)を更新する。
【0080】
例えば、上述の第1実施例と同様に、ポインタPのスクリーン座標値(200,150)であるときに、座標値C1に対応する操作信号が送信され、変分(xh,yh)として(−60,−14)が算出された場合、ステップS5において、メインCPU64は、上述の算式(1)、(2)を用いて変分を演算し、演算結果(−180,−9.8)を得る。そして、この演算結果を四捨五入して(−180,−10)を得ると、この値をポインタPのスクリーン座標値(200,150)に加算して、スクリーン座標値を(20,140)に更新する。
【0081】
このような構成により、今回座標値と前回座標値との変分が所定の値(この場合は、「20」)より大きくなるほど、当該変分と比べて演算結果は漸増的に大きくなり、当該変分が所定の値より小さくなるほど、当該変分と比べて演算結果は漸減的に小さくなる。このような演算結果を用いてポインタPのスクリーン座標値を更新することにより、ポインタPの表示位置の変動を加速させたり減速させたりすることができる。従って、例えば、ユーザはアナログ操作部31の傾倒状態及び回動状態を大きく変化させたり小さく変化させたりすることにより、ポインタPの表示位置の移動を加速又は減速させることができ、ポインタPの表示位置の移動を調整することができる。
【0082】
尚、上述の算式(1)、(2)においてxh,yhに対して係数「0.05」を用いたが、この係数に限らず、様々な係数を用いても良い。また、xh,yhに対して同じ係数を用いたが、それぞれ異なる係数を用いても良いし、また、それぞれ全く異なる算式を用いても良い。
【0083】
また、算式(1)、(2)における係数をユーザ自身が設定できるように構成しても良い。例えば、図11に示されるような設定画面において、コントローラ20を操作して、ユーザがスライダSLをスライドさせることにより、上記係数を所望の値に設定できるように構成する。このような構成により、ユーザの操作性や利便性を向上させることができる。
【0084】
また、ステップS4で算出された変分に対してではなく、ステップS1で受信された操作信号に対応する座標値(xc,yc)に対して所定の算式を用いて演算を行うようにしても良い。そして得られた演算結果を今回座標値又は前回座標値として記憶し、記憶した今回座標値と前回座標値との変分を算出し、算出した変分をポインタPのスクリーン座標値に加算するように構成しても良い。例えば、Xc−Xc座標の大きさとXs−Ys座標の大きさとの比に基づく係数を座標値(xc,yc)に乗算し、Xc−Xc座標の大きさをXs−Ys座標の大きさに合わせるようにしても良い。
【0085】
<変形例2>
上述の実施例及び変形例においては、座標値(xc,yc)、スクリーン座標値(xs,ys)には小数や負数を用いない構成としたが、本発明においてはこれに限らず、小数や負数を用いる構成であっても良い。
【0086】
また、上述の実施例においては、ブラウザ画像Gの大きさをXs−Ys座標の大きさと同じにしたが、ブラウザ画像Gの大きさをスクリーン座標の大きさは異ならせるようにしても良い。また、ポインタPをスクリーン11上の任意の位置に移動表示可能としても良いし、スクリーン11の所定の領域においてのみポインタPを移動表示可能とするようにしても良い。
【0087】
<変形例3>
上述の実施例においては、ステップS6の処理を実行する都度ポインタPのスクリーン座標値(xs,ys)を更新するように構成した。しかし、本発明においてはこれに限らず、スクリーン座標値(xs,ys)をステップS6の処理の所定の実行回数分記憶するように構成しても良い。即ち、例えば、上述の実施例において座標値C1〜C6に対応して算出された各スクリーン座標値を共にメインメモリ65に記憶させておいても良い。そして、例えば、表示位置D5にあるポインタPを表示位置D2に戻る指示がユーザによってなされた場合、当該表示位置に対応するスクリーン座標値(xs,ys)をメインメモリ65から読み出し、これを用いてポインタPをスクリーン11に表示させ、ポインタPの表示位置を遡及させるように構成しても良い。
【0088】
<変形例4>
アナログ操作部31における操作に応じてスクリーン11上に移動表示させるオブジェクトは、上述の実施例に限らず、様々な形状や模様や色で表現されるものであっても良い。
【0089】
また、アナログ操作部31,32とのそれぞれ操作により、異なるオブジェクトをそれぞれ移動表示させるように構成しても良い。即ち、上述のポインタPとは異なる他の操作対象オブジェクトをポインタPと共にスクリーン11に表示させ、他の操作対象のオブジェクトをアナログ操作部32における操作によって移動表示させるように構成しても良い。
【0090】
また、アナログ操作部31,32のうち一方に対して上述の移動表示機能を割り当て、他方に対して上述の従来移動表示機能を割り当て、アナログ操作部31,32におけるそれぞれ操作により、それぞれ異なる移動表示機能が実現されるように構成しても良い。
【0091】
<変形例5>
上述の実施例に限らず、本発明においては、アナログ操作部31における操作と、第1の操作部21、第2の操作部22における操作とを組み合わせて、様々な指示操作を行えるように構成しても良い。例えば、操作ボタン22aを押下した状態でアナログ操作部31の操作軸31aを傾倒又は回動させたり、当該傾倒又は回動状態において操作ボタン22aの押下を解除したりすることにより、マウスなどのコントローラにおいて行われるドラッグ操作やドロップ操作などが行えるように構成しても良い。
【0092】
<変形例6>
上述の実施例においては、情報処理装置1が、コントローラ20から受信した座標値に対応する操作信号に基づいて、今回座標値と前回座標値とをそれぞれ記憶するように構成した。しかし、本発明においてはこれに限らず、例えば、コントローラ20のCPU81は、上述の実施例と同様にして検出時間毎に座標値を求める。そして、最後に求めた座標値を今回座標値としてメインメモリ89に記憶させ、最後の直前に求めた座標値を前回座標値としてメインメモリ89に記憶させる。そして、メインメモリ89に記憶された今回座標値と前回座標値とを情報処理装置1に送信するように構成しても良い。一方、情報処理装置1は、コントローラ20から今回座標値と前回座標値とを受信すると、これらの変分を算出し、上述の実施例と同様にして操作対象オブジェクトの表示位置を決定するように構成すれば良い。
【0093】
また、更に、コントローラ20自体が今回座標値と前回座標値との変分を算出するように構成しても良い。例えば、上述のようにメインメモリ89に記憶させた今回座標値と前回座標値とを用いて、上述のステップS2〜S4と同様にして変分を算出する。そして、算出した変分に対応する操作信号を情報処理装置1に送信するように構成しても良い。尚、ステップS2の判定結果が肯定的である場合には、変分を「0」として当該変分に対応する操作信号を情報処理装置1に送信するように構成しても良いし、この場合には、操作信号を情報処理装置1に送信しないように構成しても良い。一方、情報処理装置1は、コントローラ20から送信された変分に対応する操作信号に基づいて、上述のステップS5〜S6の処理を行うように構成すれば良い。
【0094】
また、上述の実施例においては、コントローラ20は、アナログ操作部31の操作軸31aの傾倒状態に応じた座標値対応する操作信号を所定の時間毎に情報処理装置1に送信するように構成した。しかし、本発明においてはこれに限らず、例えば、コントローラ20のCPU81は、アナログ操作部31の操作軸31aの傾倒状態が変化したことを検知したときに、当該傾倒状態に応じた座標値を求め、当該座標値に対応した操作信号を情報処理装置1に送信するように構成しても良い。
【0095】
<変形例7>
上述の実施例においては、情報処理装置1は、コントローラ20からアナログ操作部31の操作軸31aの傾倒状態に応じた座標値に対応する操作信号を受信する毎に、上述のステップS1〜S7の移動表示処理を行うように構成した。しかし、本発明においてはこれに限らず、例えば、情報処理装置1は、情報処理装置1において設定された所定の時間毎に上述の移動表示処理を行うようにしても良く、コントローラ20から受信する上記操作信号のうち、当該所定の時間が経過する各タイミングにおいて受信された操作信号についてのみ、上述の移動表示処理を行うように構成しても良い。
【0096】
<変形例8>
上述の実施例においては、ステップS2の判定結果が肯定的である場合、ステップS7において、今回座標値のみを書き換えるように構成した。しかし、ステップS7においては、ステップS3と同様に、今回座標値のみならず前回座標値をも書き換えるように構成しても良い。
【0097】
また、上述の実施例においては、ステップS2の後にステップS3の処理を行うように構成したが、ステップS1,S3の処理の後にステップS2の処理を行うようにし、ステップS2における判定結果が否定的である場合には、上述のステップS4以降の処理を行い、ステップS2における判定結果が肯定的である場合には、当該移動表示処理を終了するように構成しても良い。
【0098】
<その他の変形例>
上述の実施例においては、ブラウザや移動表示プログラムは、情報処理装置1のROM70に記憶されるように構成したが、サブメモリ74等他の記憶部に記憶されるように構成しても良く、また、これらのプログラムの実行主体は、サブCPU73であるように構成しても良い。
【0099】
上述の実施例においては、コントローラ20と情報処理装置1とはケーブル13を介して接続され通信を行う構成とした。しかし、本発明においてはこれに限らず、コントローラ20と情報処理装置1とはケーブルを介さず、例えばBluetooth(登録商標)などの通信方式によって無線通信を行う構成でも良い。
【0100】
また、上述の実施例においては、コントローラ20と情報処理装置1とモニタ装置10とはそれぞれ別体で構成するようにした。しかし、本発明においてはこれに限らず、情報処理装置1と、コントローラ20のうち少なくともアナログ操作部31と、スクリーン11とを一体的に形成するようにしても良い。
【0101】
上述の実施例においては、コントローラ20に2つのアナログ操作部31,32を設けるように構成したが、本発明においてはこれに限らず、コントローラ20に設けるアナログ操作部の数は、1つであっても良いし、3つ以上であっても良い。
【0102】
また、アナログ操作部31,32の形態は、上述の実施例に限らず、スティック形状等の他の形態であっての良い。
【0103】
また、上述の実施例においては、上述のコンテンツをメディア72から取得するようにしたが、通信部80を介して他のサーバ装置から取得するようにしても良い。
【0104】
上述の各実施の形態の説明は本発明の一例である。このため、本発明は上述の各実施の形態に限定されることはなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、上述の実施の形態以外であっても種々の変更が可能であることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明は、所定の支点を通る所定の軸に対し、当該支点を中心として傾倒可能に構成された操作端末におけるユーザの操作に応じて、所定のオブジェクトを画面上に移動表示させる情報処理システムに用いて好適である。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの概要を示す図である。
【図2】同実施形態におけるコントローラの外部構成を示す図である。
【図3】同実施形態におけるコントローラの内部構成を示すブロック図である。
【図4】同実施形態におけるXc−Yc座標を示す図である。
【図5】同実施形態における情報処理装置の内部構成を示すブロック図である。
【図6】同実施形態におけるスクリーンに表示されるブラウザ画像を例示する図である。
【図7】同実施形態における情報処理装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図8】同実施形態における移動表示処理の流れを示すフロ−チャートである。
【図9】同実施形態におけるスクリーンに表示されるブラウザ画像及びスクリーン座標を例示する図である。
【図10】同実施形態における移動表示処理の実行結果を説明するための図である。
【図11】本発明の一変形例に係る設定画面を例示する図である。
【符号の説明】
【0107】
1・・・情報処理装置、10・・・モニタ装置、11・・・スクリーン、12・・・コネクタ、13・・・接続ケーブル、20・・・コントローラ、21・・・第1の操作部、22・・・第2の操作部、31,32・・・アナログ操作部、31a,32a・・・操作軸、64・・・メインCPU、65・・・メインメモリ、67・・・フレームメモリ、68・・・GPU、70・・・ROM、71・・・メディアドライブ、72・・・メディア、78・・・IOP、79・・・通信部、81・・・CPU、87・・・キーボード、88・・・インターフェース、S・・・情報処理システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の支点を通る所定の軸に対し、当該支点を中心として傾倒可能に構成された操作軸を有する操作部と、前記操作部の操作軸の前記所定の軸に対する傾倒角度と傾倒方向とを検出する検出手段と、前記検出手段が検出した傾倒角度と傾倒方向とにより定まる座標値を出力する出力手段と、前記出力手段が出力した座標値を送信する送信手段とを有する操作端末と、当該操作端末と通信可能な情報処理装置とを備える情報処理システムであって、
前記情報処理装置が、
所定のオブジェクトを表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記送信手段から送信された座標値を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記座標値を記憶する記憶手段と、
前記受信手段が受信した第1の座標値と、前記受信手段が当該第1の座標値を受信するより前に受信し前記記憶手段に記憶された第2の座標値との変分を算出し、当該変分に基づいて、前記表示制御手段が前記表示手段に表示させた所定のオブジェクトの新たな表示位置を決定する表示位置決定手段とを有する
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、前記第1の座標値が所定の座標値であるか否かを判定する判定手段を更に有し、
前記表示位置決定手段は、前記判定手段による判定結果が否定的である場合に、前記変分を算出し、当該変分に基づいて、前記表示制御手段が前記表示手段に表示させた所定のオブジェクトの新たな表示位置を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記表示位置決定手段は、前記判定手段による判定結果が肯定的である場合、前記表示制御手段が前記表示手段に表示させている所定のオブジェクトの表示位置を、新たな表示位置として決定する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記表示位置決定手段は、前記算出した変分に対して所定の算式を用いて演算を行い、当該演算結果を用いて、前記所定のオブジェクトの新たな表示位置を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記所定のオブジェクトの表示位置を表す表示位置座標値が当該所定のオブジェクトに対応付けられ、
前記表示位置決定手段は、前記変分を用いて、前記表示位置座標値を更新する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記所定の座標値は、前記操作部の操作軸が前記所定の軸に対して非傾倒であるときの座標値である
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記送信手段から送信された座標値を前記受信手段が初めて受信した場合、前記表示位置決定手段は、当該座標値と、前記記憶手段に予め記憶された所定の座標値との変分を算出し、当該変分に基づいて、前記表示制御手段が前記表示手段に表示させた所定のオブジェクトの新たな表示位置を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記表示手段において、前記表示位置決定手段が決定した新たな表示位置に前記所定のオブジェクトを表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項9】
所定の支点を通る所定の軸に対し、当該支点を中心として傾倒可能に構成された操作軸を有する操作部と、前記操作部の操作軸の前記所定の軸に対する傾倒角度と傾倒方向とを検出する検出手段と、前記検出手段が検出した傾倒角度と傾倒方向とにより定まる座標値を出力する出力手段と、前記出力手段が出力した座標値を送信する送信手段とを有する操作端末と、当該操作端末と通信可能な情報処理装置とを備える情報処理システムであって、
前記操作端末が、前記出力手段が出力した座標値を記憶する記憶手段を更に有し、
前記送信手段は、前記出力手段が出力した第1の座標値と、前記出力手段が当該第1の座標値を出力するよりも前に出力し前記記憶手段に記憶された第2の座標値とを送信し、
前記情報処理装置が、
所定のオブジェクトを表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記送信手段から送信された第1の座標値及び第2の座標値を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した第1の座標値及び第2の座標値の変分を算出し、当該変分に基づいて、前記表示制御手段が前記表示手段に表示させた所定のオブジェクトの新たな表示位置を決定する表示位置決定手段とを有する
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項10】
所定の支点を通る所定の軸に対し、当該支点を中心として傾倒可能に構成された操作軸を有する操作部と、前記操作部の操作軸の前記所定の軸に対する傾倒角度と傾倒方向とを検出する検出手段と、前記検出手段が検出した傾倒角度と傾倒方向とにより定まる座標値を出力する出力手段と、前記出力手段が出力した座標値を送信する送信手段とを有する操作端末と通信可能な情報処理装置であって、
所定のオブジェクトを表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記送信手段から送信された座標値を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記座標値を記憶する記憶手段と、
前記受信手段が受信した第1の座標値と、前記受信手段が当該第1の座標値を受信するより前に受信し前記記憶手段に記憶された第2の座標値との変分を算出し、当該変分に基づいて、前記表示制御手段が前記表示手段に表示させた所定のオブジェクトの新たな表示位置を決定する表示位置決定手段とを備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
所定の支点を通る所定の軸に対し、当該支点を中心として傾倒可能に構成された操作軸を有する操作部と、前記操作部の操作軸の前記所定の軸に対する傾倒角度と傾倒方向とを検出する検出手段と、前記検出手段が検出した傾倒角度と傾倒方向とにより定まる座標値を出力する出力手段と、前記出力手段が出力した座標値を送信する送信手段とを有する操作端末と通信可能な情報処理装置のコンピュータに実行させる情報処理プログラムであって、
所定のオブジェクトを表示手段に表示させる表示制御ステップと、
前記送信手段から送信された座標値を受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信された前記座標値を記憶手段に記憶させる記憶ステップと、
前記受信ステップで受信された第1の座標値と、前記受信ステップで当該第1の座標値が受信されるより前に受信し前記記憶手段に記憶された第2の座標値との変分を算出し、当該変分に基づいて、前記表示制御ステップで前記表示手段に表示された所定のオブジェクトの新たな表示位置を決定する表示位置決定ステップとを
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項12】
請求項11に記載の情報処理プログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶
媒体。
【請求項13】
所定の支点を通る所定の軸に対し、当該支点を中心として傾倒可能に構成された操作軸を有する操作部と、前記操作部の操作軸の前記所定の軸に対する傾倒角度と傾倒方向とを検出する検出手段と、前記検出手段が検出した傾倒角度と傾倒方向とにより定まる座標値を出力する出力手段とを有する操作端末であって、
前記出力手段が出力した座標値を記憶する記憶手段と、
前記出力手段が出力した第1の座標値と、前記出力手段が当該第1の座標値を出力するより前に出力し前記記憶手段に記憶された第2の座標値とを、当該操作端末と通信可能な情報処理装置に送信する送信手段とを有する
ことを特徴とする操作端末。
【請求項14】
所定の支点を通る所定の軸に対し、当該支点を中心として傾倒可能に構成された操作軸を有する操作部と、前記操作部の操作軸の前記所定の軸に対する傾倒角度と傾倒方向とを検出する検出手段と、前記検出手段が検出した傾倒角度と傾倒方向とにより定まる座標値を出力する出力手段とを有する操作端末であって、
前記出力手段が出力した座標値を記憶する記憶手段と、
前記出力手段が出力した第1の座標値と、前記出力手段が当該座標値を出力するより前に出力し前記記憶手段に記憶された第2の座標値との変分を算出する算出手段と、
前記算出手段が算出した変分を、当該操作端末と通信可能な情報処理装置に送信する送信手段とを有する
ことを特徴とする操作端末。
【請求項15】
表示手段と、
所定のオブジェクトを前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
所定の支点を通る所定の軸に対し、当該支点を中心として傾倒可能に構成された操作軸を有する操作部と、
前記操作部の操作軸の前記所定の軸に対する傾倒角度と傾倒方向とを検出する検出手段と、
前記検出手段が検出した傾倒角度と傾倒方向とにより定まる座標値を出力する出力手段と、
前記出力手段が出力した座標値を記憶する記憶手段と、
前記出力手段が出力した第1の座標値と、前記出力手段が当該第1の座標値を出力するより前に出力し前記記憶手段に記憶された第2の座標値との変分を算出し、当該変分に基づいて、前記表示制御手段が前記表示手段に表示させた所定のオブジェクトの新たな表示位置を決定する表示位置決定手段とを備える
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項1】
所定の支点を通る所定の軸に対し、当該支点を中心として傾倒可能に構成された操作軸を有する操作部と、前記操作部の操作軸の前記所定の軸に対する傾倒角度と傾倒方向とを検出する検出手段と、前記検出手段が検出した傾倒角度と傾倒方向とにより定まる座標値を出力する出力手段と、前記出力手段が出力した座標値を送信する送信手段とを有する操作端末と、当該操作端末と通信可能な情報処理装置とを備える情報処理システムであって、
前記情報処理装置が、
所定のオブジェクトを表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記送信手段から送信された座標値を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記座標値を記憶する記憶手段と、
前記受信手段が受信した第1の座標値と、前記受信手段が当該第1の座標値を受信するより前に受信し前記記憶手段に記憶された第2の座標値との変分を算出し、当該変分に基づいて、前記表示制御手段が前記表示手段に表示させた所定のオブジェクトの新たな表示位置を決定する表示位置決定手段とを有する
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、前記第1の座標値が所定の座標値であるか否かを判定する判定手段を更に有し、
前記表示位置決定手段は、前記判定手段による判定結果が否定的である場合に、前記変分を算出し、当該変分に基づいて、前記表示制御手段が前記表示手段に表示させた所定のオブジェクトの新たな表示位置を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記表示位置決定手段は、前記判定手段による判定結果が肯定的である場合、前記表示制御手段が前記表示手段に表示させている所定のオブジェクトの表示位置を、新たな表示位置として決定する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記表示位置決定手段は、前記算出した変分に対して所定の算式を用いて演算を行い、当該演算結果を用いて、前記所定のオブジェクトの新たな表示位置を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記所定のオブジェクトの表示位置を表す表示位置座標値が当該所定のオブジェクトに対応付けられ、
前記表示位置決定手段は、前記変分を用いて、前記表示位置座標値を更新する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記所定の座標値は、前記操作部の操作軸が前記所定の軸に対して非傾倒であるときの座標値である
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記送信手段から送信された座標値を前記受信手段が初めて受信した場合、前記表示位置決定手段は、当該座標値と、前記記憶手段に予め記憶された所定の座標値との変分を算出し、当該変分に基づいて、前記表示制御手段が前記表示手段に表示させた所定のオブジェクトの新たな表示位置を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記表示手段において、前記表示位置決定手段が決定した新たな表示位置に前記所定のオブジェクトを表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項9】
所定の支点を通る所定の軸に対し、当該支点を中心として傾倒可能に構成された操作軸を有する操作部と、前記操作部の操作軸の前記所定の軸に対する傾倒角度と傾倒方向とを検出する検出手段と、前記検出手段が検出した傾倒角度と傾倒方向とにより定まる座標値を出力する出力手段と、前記出力手段が出力した座標値を送信する送信手段とを有する操作端末と、当該操作端末と通信可能な情報処理装置とを備える情報処理システムであって、
前記操作端末が、前記出力手段が出力した座標値を記憶する記憶手段を更に有し、
前記送信手段は、前記出力手段が出力した第1の座標値と、前記出力手段が当該第1の座標値を出力するよりも前に出力し前記記憶手段に記憶された第2の座標値とを送信し、
前記情報処理装置が、
所定のオブジェクトを表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記送信手段から送信された第1の座標値及び第2の座標値を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した第1の座標値及び第2の座標値の変分を算出し、当該変分に基づいて、前記表示制御手段が前記表示手段に表示させた所定のオブジェクトの新たな表示位置を決定する表示位置決定手段とを有する
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項10】
所定の支点を通る所定の軸に対し、当該支点を中心として傾倒可能に構成された操作軸を有する操作部と、前記操作部の操作軸の前記所定の軸に対する傾倒角度と傾倒方向とを検出する検出手段と、前記検出手段が検出した傾倒角度と傾倒方向とにより定まる座標値を出力する出力手段と、前記出力手段が出力した座標値を送信する送信手段とを有する操作端末と通信可能な情報処理装置であって、
所定のオブジェクトを表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記送信手段から送信された座標値を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記座標値を記憶する記憶手段と、
前記受信手段が受信した第1の座標値と、前記受信手段が当該第1の座標値を受信するより前に受信し前記記憶手段に記憶された第2の座標値との変分を算出し、当該変分に基づいて、前記表示制御手段が前記表示手段に表示させた所定のオブジェクトの新たな表示位置を決定する表示位置決定手段とを備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
所定の支点を通る所定の軸に対し、当該支点を中心として傾倒可能に構成された操作軸を有する操作部と、前記操作部の操作軸の前記所定の軸に対する傾倒角度と傾倒方向とを検出する検出手段と、前記検出手段が検出した傾倒角度と傾倒方向とにより定まる座標値を出力する出力手段と、前記出力手段が出力した座標値を送信する送信手段とを有する操作端末と通信可能な情報処理装置のコンピュータに実行させる情報処理プログラムであって、
所定のオブジェクトを表示手段に表示させる表示制御ステップと、
前記送信手段から送信された座標値を受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信された前記座標値を記憶手段に記憶させる記憶ステップと、
前記受信ステップで受信された第1の座標値と、前記受信ステップで当該第1の座標値が受信されるより前に受信し前記記憶手段に記憶された第2の座標値との変分を算出し、当該変分に基づいて、前記表示制御ステップで前記表示手段に表示された所定のオブジェクトの新たな表示位置を決定する表示位置決定ステップとを
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項12】
請求項11に記載の情報処理プログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶
媒体。
【請求項13】
所定の支点を通る所定の軸に対し、当該支点を中心として傾倒可能に構成された操作軸を有する操作部と、前記操作部の操作軸の前記所定の軸に対する傾倒角度と傾倒方向とを検出する検出手段と、前記検出手段が検出した傾倒角度と傾倒方向とにより定まる座標値を出力する出力手段とを有する操作端末であって、
前記出力手段が出力した座標値を記憶する記憶手段と、
前記出力手段が出力した第1の座標値と、前記出力手段が当該第1の座標値を出力するより前に出力し前記記憶手段に記憶された第2の座標値とを、当該操作端末と通信可能な情報処理装置に送信する送信手段とを有する
ことを特徴とする操作端末。
【請求項14】
所定の支点を通る所定の軸に対し、当該支点を中心として傾倒可能に構成された操作軸を有する操作部と、前記操作部の操作軸の前記所定の軸に対する傾倒角度と傾倒方向とを検出する検出手段と、前記検出手段が検出した傾倒角度と傾倒方向とにより定まる座標値を出力する出力手段とを有する操作端末であって、
前記出力手段が出力した座標値を記憶する記憶手段と、
前記出力手段が出力した第1の座標値と、前記出力手段が当該座標値を出力するより前に出力し前記記憶手段に記憶された第2の座標値との変分を算出する算出手段と、
前記算出手段が算出した変分を、当該操作端末と通信可能な情報処理装置に送信する送信手段とを有する
ことを特徴とする操作端末。
【請求項15】
表示手段と、
所定のオブジェクトを前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
所定の支点を通る所定の軸に対し、当該支点を中心として傾倒可能に構成された操作軸を有する操作部と、
前記操作部の操作軸の前記所定の軸に対する傾倒角度と傾倒方向とを検出する検出手段と、
前記検出手段が検出した傾倒角度と傾倒方向とにより定まる座標値を出力する出力手段と、
前記出力手段が出力した座標値を記憶する記憶手段と、
前記出力手段が出力した第1の座標値と、前記出力手段が当該第1の座標値を出力するより前に出力し前記記憶手段に記憶された第2の座標値との変分を算出し、当該変分に基づいて、前記表示制御手段が前記表示手段に表示させた所定のオブジェクトの新たな表示位置を決定する表示位置決定手段とを備える
ことを特徴とする携帯端末装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−140741(P2007−140741A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−331421(P2005−331421)
【出願日】平成17年11月16日(2005.11.16)
【出願人】(395015319)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (871)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月16日(2005.11.16)
【出願人】(395015319)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (871)
【Fターム(参考)】
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