説明

情報通信システム、端末、サーバ、及び、プログラム

【課題】サーバにおいて、近接通信する通信端末のペアを正確に特定する。
【解決手段】送信元の端末10は、ランダムにチャネル情報を作成し、このチャネル情報を音声に変換して、送信先の端末10に出力する。そして、端末10は、ネットワーク30を介して、サーバ20に作成したチャネル情報を送信する。一方、端末10は、端末10から音声を受信すると、この音声信号からチャネル情報を取得し、取得したチャネル情報をサーバ20に送信する。サーバ20は、チャネル情報が一致する端末10,10間で送受信されるデータを中継する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報通信システム、端末、サーバ、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
非接触ICチップが内蔵されていない端末間においても、近接通信を可能にする技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、音声信号を用いて近接通信を行う技術について記載されている。具体的には、特許文献1には、近接された電子手帖から受信した音声信号(DTMF(Dual-Tone Multi-Frequency)信号)を変換テーブルを用いてメールアドレス等に変換し、表示部に表示させる多機能電話装置について記載されている。
【0004】
また、通信端末を互いに衝突させる(ぶつける)ことにより、衝突した各通信端末とそれぞれネットワークを介して接続されたサーバが、互いに衝突した通信端末のペアを特定(マッチング)し、特定したペアの通信端末間で、各通信端末に記録されているそれぞれのプロフィール等の情報を交換させる情報通信システムについても知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−205464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されているように音声信号を介してデータを送信する場合、文字情報等の比較的サイズの小さいデータしか送信できず、画像データ等の大容量のデータを送信するのが困難であるという課題がある。
【0007】
また、衝突した通信端末のペアを特定し、特定したペア間でサーバを介して通信をする場合、多数の端末がサーバに同時にアクセスしている場合にサーバがペアを特定するのが困難になる虞がある。また、第三者の端末が不正にサーバにアクセスし、ペアを構成する通信端末になりすまして、情報を不正に入手できてしまう可能性もある。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、サーバにおいて、近接通信する通信端末のペアを正確に特定することができる、情報通信システム、端末、サーバ、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る情報通信システムは、
第1の端末と、前記第1の端末から出力される音声データを受信可能な第2の端末と、前記第1の端末及び前記第2の端末とネットワークを介して接続するサーバと、を備える情報通信システムであって、
前記第1の端末は、
ランダムなチャネル情報を生成するチャネル情報生成手段と、
前記チャネル情報を音声信号に変換して出音する出音手段と、
前記チャネル情報生成手段が生成したチャネル情報を、前記ネットワークを介して前記サーバに送信する第1のチャネル送信手段と、を備え、
前記第2の端末は、
前記第1の端末から受信した音声信号を変換してチャネル情報を取得するチャネル情報取得手段と、
前記チャネル情報取得手段が取得したチャネル情報を、前記ネットワークを介して前記サーバに送信する第2のチャネル送信手段と、を備え、
前記サーバは、
前記第1の端末から受信したチャネル情報と前記第2の端末から受信したチャネル情報とが一致する、前記第1の端末と前記第2の端末とのペアを特定するペア特定手段と、
前記ペア特定手段が特定した前記第1の端末と前記第2の端末のペア間で、送受信される送信データを中継する中継手段と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
前記第1の端末は、
データを暗号化するための暗号化キー情報をランダムに生成する暗号化キー生成手段と、
生成した暗号化キーを用いて、前記送信データを暗号化する暗号化手段と、をさらに備え、
前記出音手段は、前記暗号化キー情報を音声信号に変換して出音し、
前記中継手段は、前記暗号化手段により暗号化された前記送信データを中継し、
前記第2の端末は、
前記第1の端末から受信した音声信号を変換して前記暗号化キー情報を取得する暗号化キー情報取得手段と、
取得した暗号化キー情報を用いて、前記中継手段により前記サーバから受信した暗号化された前記送信データを復号する復号手段と、をさらに備えてもよい。
【0011】
前記サーバは、
前記第1の端末とチャネル情報が一致する前記第2の端末が複数ある場合、該第2の端末のそれぞれに互いに異なる識別情報を割り当て、各第2の端末の表示部に割り当てられた識別情報を表示させる手段、をさらに備え、
前記中継手段は、前記第1の端末によって指定された前記識別情報が割り当てられた1又は複数の前記第2の端末と該第1の端末とのペア間で送信データを中継してもよい。
【0012】
前記送信データは、送信先の前記第1の端末又は第2の端末に、所定の処理を実行させる指示情報であってもよい。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る端末は、
ネットワークを介してサーバと接続する端末であって、
ランダムなチャネル情報を生成するチャネル情報生成手段と、
前記チャネル情報を音声信号に変換して出音する出音手段と、
前記チャネル情報生成手段が生成したチャネル情報を、前記ネットワークを介して前記サーバに送信するチャネル送信手段と、
を備えることを特徴とする。
【0014】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係る端末は、
ネットワークを介してサーバと接続する端末であって、
他の端末から受信した音声信号を変換してランダムに生成されたチャネル情報を取得するチャネル情報取得手段と、
前記チャネル情報取得手段が取得したチャネル情報を、前記ネットワークを介して前記サーバに送信するチャネル送信手段と、
を備えることを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明の第4の観点に係るサーバは、
第1の端末及び前記第1の端末から出力される音声データを受信可能な第2の端末とネットワークを介して接続するサーバであって、
前記第1の端末から受信したチャネル情報と前記第2の端末から受信したチャネル情報とが一致する、前記第1の端末と前記第2の端末とのペアを特定するペア特定手段と、
前記ペア特定手段が特定した前記第1の端末と前記第2の端末のペア間で、送受信される送信データを中継する中継手段と、
を備えることを特徴とする。
【0016】
上記目的を達成するため、本発明の第5の観点に係るプログラムは、
ネットワークを介してサーバと接続するコンピュータを、
ランダムなチャネル情報を生成するチャネル情報生成手段、
前記チャネル情報を音声信号に変換して出音する出音手段、
前記チャネル情報生成手段が生成したチャネル情報を、前記ネットワークを介して前記サーバに送信するチャネル送信手段、
として機能させる。
【0017】
上記目的を達成するため、本発明の第6の観点に係るプログラムは、
ネットワークを介してサーバと接続するコンピュータを、
端末から受信した音声信号を変換してランダムに生成されたチャネル情報を取得するチャネル情報取得手段、
前記チャネル情報取得手段が取得したチャネル情報を、前記ネットワークを介して前記サーバに送信するチャネル送信手段、
として機能させる。
【0018】
上記目的を達成するため、本発明の第7の観点に係るプログラムは、
第1の端末及び前記第1の端末から出力される音声データを受信可能な第2の端末とネットワークを介して接続するコンピュータを、
前記第1の端末から受信したチャネル情報と前記第2の端末から受信したチャネル情報とが一致する、前記第1の端末と前記第2の端末とのペアを特定するペア特定手段、
前記ペア特定手段が特定した前記第1の端末と前記第2の端末のペア間で、送受信される送信データを中継する中継手段、
として機能させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、サーバにおいて、近接通信する通信端末のペアを正確に特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係る情報通信システムの構成を示す図である。
【図2】端末の構成を示すブロック図である。
【図3】サーバの構成を示すブロック図である。
【図4】通信相手未選択モード時における通信処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】端末の表示部に表示される(A)は送信用画面、(B)は受信用画面の例を示す図である。
【図6】音声データに変換される情報の例を示す図である。
【図7】通信相手選択モード時における通信処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】端末の表示部に表示される(A)は送信先選択画面、(B)は送信元選択画面の例を示す図である。
【図9】変形例における通信処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付す。
【0022】
始めに、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る情報通信システム1の概略を説明する。情報通信システム1は、端末10,10と、サーバ20とを備える。端末10は、例えば、スマートフォン等であり、本情報通信システム1の各ユーザが所有する携帯型の端末である。なお、便宜上、データの送信元の端末10を端末10、送信先の端末10を端末10として以下説明する。また、端末10,10を区別しないときは、単に端末10と記載する。なお、送信元の端末10が複数の端末10に同時にデータを送信してもよく、その場合、端末10は複数あるものとする。端末10,10は、それぞれ、ネットワーク30を介してサーバ20と接続して相互に通信を行う。ネットワーク30は、例えば、インターネットやLAN(Local Area Network)等で構成される。
【0023】
本情報通信システム1は、一方の端末10が他方の端末10に所定の音声信号を送信することにより、サーバ20を介して端末間での情報の送受信(通信)をすることができるシステムである。具体的には、通信を行いたい場合、まず、ユーザ操作により、送信元の端末10から所定の音声信号が出力され、その近傍に位置する送信先の端末10はその音声信号を受信する(ステップS10)。なお、この音声信号には、ランダムに生成されるチャネル情報が含まれているものとする。
【0024】
続いて、端末10,10は、それぞれ、ネットワーク30を介してサーバ20にアクセスする(ステップS20)。この際、端末10は、端末10に送信した音声信号に含めたチャネル情報をサーバ20に送信する。一方、端末10は、端末10から受信した音声信号に含まれているチャネル情報をサーバ20に送信する。
【0025】
続いて、サーバ20は、両端末10,10から受信したチャネル情報を用いて、通信を中継する端末10,10のペアを特定する(ステップS30)。そして、サーバ20は、ネットワーク30を介して、特定した端末10,10間で、所定の通信処理(データの送受信)を中継する(ステップS40)。例えば、サーバ20は、端末10から画像データを受信し、端末10に送信する。
【0026】
続いて、図2を参照して、端末10の構成を説明する。端末10は、通信部11と、操作部12と、表示部13と、集音部14と、発音部15と、記憶部16と、制御部17とを備える。
【0027】
通信部11は、NIC(Network Interface Card)等の通信インターフェースによって構成される。通信部11は、制御部17の制御のもと、ネットワーク30を介してサーバ20と相互に通信を行う。
【0028】
操作部12は、端末10を使用するユーザの操作を受け付けるものであり、例えば、電源キー、メニューキー、決定キー、通話キー等の各種操作キーによって構成される。操作部12は、各種キーが操作されると操作に対応する操作信号を制御部17に供給する。
【0029】
表示部13は、制御部17から供給される各種画像データや各種画面データ等に基づいて各種画像や各種画面等を表示するものであり、例えば、表示パネルと表示パネル駆動回路等によって構成される。表示パネル駆動回路は、CPUから供給される画像データに従って表示パネルを駆動し、表示パネルに画像を表示させる。表示パネルは、液晶パネル、有機EL(Electro Luminescence)パネル等によって実現される。
【0030】
なお、操作部12と表示部13とは、タッチパネルによって構成されても良い。タッチパネルは、所定の操作を受け付ける操作画面を表示すると共に、操作画面においてユーザが接触操作を行った位置に対応する操作信号を制御部17に供給する。
【0031】
集音部14は、集音マイクによって構成される。集音部14は、制御部17の制御のもと、周囲の音を集音し、集音した音に所定の信号処理等を施した音信号を制御部17に供給する。例えば、集音部14は、他の端末10が出力した音声信号を集音する。なお、端末10を、音声データを送信(出音)する端末10としてのみ用いる場合には、集音部14を備えなくてもよい。
【0032】
発音部15は、スピーカによって構成される。制御部17は、チャネル情報等を音声に変換した音声データを、発音部15を介して周囲に音として出力する。なお、端末10を、音声データを受信する端末10としてのみ用いる場合には、発音部15を備えなくてもよい。
【0033】
記憶部16は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び、ハードディスク装置等を備え、各種の情報、固定データ、アプリケーション、画面データ、端末ID、及び、制御部17が実行するためのプログラム等を記憶する。また、記憶部13は、制御部17が処理を実行するためのワークエリアとして機能する。
【0034】
また、記憶部16は、数字やアルファベットなどのビット文字を音声に変換(又は、逆変換)するための変換テーブル161を記憶する。具体的には、変換テーブル161には、各文字と該文字に対応する音とを定義する情報(周波数等)とが対応付けられて記憶されている。
【0035】
制御部17は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等を備え、端末10の各部の制御を行う。なお、制御部17は、CPU以外に、ASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)、DSP(Digital Signal Processor)等を含んでも良い。この場合、ASIC、DSP等は、CPUが行う処理の少なくとも一部を行う。
【0036】
また、制御部17は、記憶部16に記憶されているプログラムを実行することにより、前述した通信処理の端末10側の動作を実行する。なお、制御部17が実行する通信処理の詳細については後述する。
【0037】
続いて、図3を参照して、サーバ20の構成を説明する。サーバ20は、通信部21と、操作部22と、表示部23と、記憶部24と、制御部25とを備える。
【0038】
通信部21は、NIC等の通信インターフェースによって構成される。通信部21は、制御部25の制御のもと、ネットワーク30を介して各端末10と通信を行う。
【0039】
操作部22は、サーバ20を使用するユーザ(管理者)の操作を受け付けるものであり、例えば、キーボードやマウスによって構成される。操作部22は、各種キーが操作されると操作に対応する操作信号を制御部22に供給する。
表示部23は、CRTディスプレイなどから構成され、各種の情報や画面を表示する。
【0040】
記憶部24は、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等によって構成される。記憶部24は、制御部25が動作するためのメインメモリ及びワークメモリとして機能する。また、記憶部24は、制御部25によって実行される動作プログラムを記憶する。また、記憶部は、端末10間で送受信されるデータを一時的に記憶する。
【0041】
制御部25は、例えば、CPU(Central Processing Unit)によって構成され、サーバ20の各部の制御を行い、サーバ20全体の制御を行う。
【0042】
(通信相手未選択モード時の通信処理)
続いて、情報通信システム1で実行される端末10間の通信処理について詳細に説明する。なお、本情報通信システム1は、通信相手先の端末10を選択(指定)しないで近くに位置する音声信号を受信可能な全ての端末10に情報を送信する通信相手未選択モードと、音声信号を受信可能な複数の端末10のうち、特定の端末10のみを選択して情報を送信する通信相手選択モードと、の2つの通信モードを有している。始めに、通信相手未選択モード時における通信処理の詳細について、図4を参照して説明する。
【0043】
まず、端末10と端末10のユーザは、それぞれ、自身の端末10を音声信号を送受信できる程度まで十分接近させる。なお、端末10が複数の端末10に同時にデータを送信してもよく、この場合、複数の端末10のそれぞれを端末10に接近させる必要がある。続いて、端末10のユーザは、操作部12を操作して、表示部13の画面(例えばデスクトップ画面)からデータ送信用のアプリケーション起動用のアイコンを選択する。端末10の制御部17は、この選択操作に応答して、データ送信用のアプリケーションを起動する(ステップS11)。このアプリケーションの起動により、図5(A)に示すような送信用画面が表示部13に表示される。端末10のユーザは、操作部12を操作して、この送信用画面から、送信データの指定と送信対象の選択とを行い、送信ボタンを押下する。なお、通信相手未選択通信モードでデータを送信するため、ここでは送信対象「全員に送る」を選択する。また、送信データは、例えば、画像データ等であり、比較的サイズの大きなデータであり、予め記憶部16に格納されている。
【0044】
送信ボタンを押下した操作に応答して、端末10の制御部17は、所定サイズのチャネル情報と暗号化キー情報とをランダムに作成する(ステップS12)。例えば、チャネル情報は、64ビット文字列のデータであり、ランダムに生成された数字を示す。また、暗号化キー情報は、例えば、56ビット文字列のデータであり、後の処理で、送信データを暗号化するために使用される。なお、この暗号化キー情報を用いて暗号化された送信ファイルは、同じ暗号化キー情報を用いて復号もできるものとする。なお、制御部17は、記憶部16に予めチャネル情報と暗号化キー情報とを複数記憶しておき、チャネル情報とキー情報とをそれらのなかからランダムに1つずつ選択してもよい。
【0045】
続いて、端末10の制御部17は、変換テーブル161を参照して、各種の情報を音声データに変換する(ステップS13)。具体的には、制御部17は、図6に示すような、ヘッダー情報と、端末IDと、ステップS12で作成したチャネル情報と暗号化キー情報とを、変換テーブル161を用いて、音声データに変換する。なお、ヘッダー情報は、8ビット文字列のデータであり、出力する音声データの種類を示す。この例では、ヘッダー情報は、通信相手未選択モード時において作成された音声データであることを示すものとする。また、端末IDは、8ビット文字列のデータであり、当該端末10を一意に識別させる識別情報である。なお、端末IDは、記憶部16に格納されているプログラムと共に割り当てられたIDでも良いし、ユーザ(ここでは端末10の所有者)が本システムの利用登録を行ったときに、サーバ20から割り当てられる端末IDでも良いし、また、端末10固有の端末ID(例えば、端末10が携帯電話であればその電話番号)であっても良い。
【0046】
図4に戻り、続いて、端末10の制御部17は、発音部15から、変換した音声データを出力(放音)する(ステップS14)。例えば、制御部17は、ヘッダー情報と、端末IDと、チャネル情報と、暗号化キー情報とを音声化した音声データを、1音ずつ所定の時間間隔で順に発音部から放音すればよい。なお、音声化して放音する各情報の間に、情報の区切りを示す特定周波数の音声を放音してもよい。
【0047】
音声データの出力が終了すると、端末10の制御部17は、ステップS12で作成した暗号化キー情報を用いて、送信用画面から選択された送信データを暗号化する(ステップS15)。そして、制御部17は、ネットワーク30を介して、ステップS12で作成したチャネル情報と暗号化した送信データとを含む送信中継要求情報をサーバ20に送信する(ステップS16)。送信された送信中継要求情報は、サーバ20の記憶部24に一時的に格納される。以上で送信側の端末10の処理は終了する。
【0048】
一方、受信側である端末10の制御部17は、端末10から所定の音声信号を受信したか否かを判別する(ステップS21)。音声信号を受信していないと判別した場合(ステップS21;No)、制御部17は、この判別処理(ステップS21)を繰り返す。
【0049】
前述のステップS14の処理により端末10から音声が出力され、集音部14を介して、この音声を受信した場合(ステップS21;Yes)、端末10の制御部17は、変換テーブル161を用いて受信した音声データをビット文字列に変換することにより、受信した音声データからチャネル情報と暗号化キー情報とを取得する(ステップS22)。
【0050】
続いて、端末10の制御部17は、ネットワーク30を介して、取得したチャネル情報を含む受信中継要求情報をサーバ20に送信する(ステップS23)。送信された受信中継要求情報は、サーバ20の記憶部24に一時的に格納される。
【0051】
なお、ステップS21〜ステップS23の処理は、端末10からの音声信号を受信した全ての端末10で実施され、音声信号を受信した全ての端末10から、受信中継要求情報がサーバ20に送信される。
【0052】
一方、サーバ20の制御部25は、比較対象となるステップS16で端末10から受信した送信中継要求情報、及び、ステップS23で端末10から受信した受信中継要求情報とが、それぞれ記憶部24に1つ以上記憶されているか否かを判別する(ステップS31)。
【0053】
送信中継要求情報及び受信中継要求情報が記憶されていないと判別した場合(ステップS31;No)、制御部25は、記憶されるまでこの判別処理(ステップS31)を繰り返す。
【0054】
比較する送信中継要求情報及び受信中継要求情報が記憶されていると判別した場合(ステップS31;Yes)、サーバ20の制御部25は、これらの送信・受信中継要求情報を用いて、通信を中継する端末10のペアを特定する処理を行う(ステップS32)。
【0055】
具体的には、サーバ20の制御部25は、送信中継要求情報に含まれるチャネル情報と受信中継要求情報に含まれるチャネル情報とが一致するペアを特定する。なお、端末10の周囲に端末10が複数ある場合、各端末10から同じチャネル情報を含む受信中継要求情報がサーバ20に送信されるため、1つの受信中継要求情報に対して、チャネル情報が一致する複数の送信中継要求情報が特定される。
【0056】
続いて、制御部25は、特定した送信中継要求情報と受信中継要求情報のペア毎に、送信中継要求情報に含まれる暗号化された送信データを、受信中継要求情報を送信した端末10に送信する(ステップS33)。以上でサーバ20の処理は終了する。
【0057】
端末10の制御部17は、暗号化された送信データをサーバ20から受信すると、ステップS22で取得した暗号化キー情報を用いて当該データを復号する(ステップS24)。以上で受信側である端末10の処理は終了し、通信相手未選択モード時における通信処理は終了する。
【0058】
このように、本情報通信システム1によれば、非接触通信機能を有さない端末10同士であっても、音声信号を送受信することにより、サーバ20を介して、端末10間でデータを送受信することが可能となる。
【0059】
さらに、本情報通信システム1によれば、比較的狭い範囲内にいる複数組(2組以上)の端末10間で、互いに通信をするために音声信号を送受信した場合であっても、サーバ20においては、端末10から受信した送信中継要求情報と、端末10から受信した受信中継要求情報とにそれぞれ含まれるチャネル情報を比較し、両者が一致する場合に、ペアであると特定するので、サーバ20において、音声信号を送受信する端末10と端末10のペアを正確に特定することができる。
【0060】
さらに、本情報通信システムによれば、端末10から端末10にサーバ20を経由して送信されるデータは暗号化されており、事前に音声信号によって端末10に送信した暗号化キーを用いて復号しなければ元のデータを取り出せない。従って、第三者がサーバ20から送信データを不正に入手できたとしても、復号することはできないため、よりセキュリティの高い通信を行うことが可能となる。
【0061】
(通信相手選択モード時の通信処理)
上述した通信相手未選択モードでの通信処理の場合、1つの端末10から、音声信号を受信可能な位置にある複数の端末10に同時にデータを送信することが可能である。しかしながら、近くに端末10が複数ある場合でも、特定の10にだけデータを送信したい場合も考えられる。このような場合、通信相手選択モードで通信処理を行えばよい。通信相手選択モード時における通信処理の詳細について、図7を参照して説明する。なお、前述した通信相手未選択モード時の通信処理と実質的に同一内容の処理ステップについては、適宜簡略化して説明する。
【0062】
まず、端末10と端末10のユーザは、それぞれ、自身の端末10を音声信号を送受信できる程度まで十分接近させる。なお、端末10の周囲には、音声信号を受信可能な距離に、複数の他の端末10が位置しているものとする。続いて、端末10の制御部17は、ユーザからの操作により、データ送信用のアプリケーションを起動する(ステップS41)。このアプリケーションの起動により、図5(A)に示すような送信用画面が表示部13に表示される。続いて、端末10のユーザは、操作部12を操作して、この送信用画面から、送信データの指定と送信対象の選択とを行い、送信ボタンを押下する。なお、通信相手選択モードでデータを送信するので、ここでは送信対象として「選択した対象に送る」を選択する。
【0063】
送信ボタンを押下した操作に応答して、端末10の制御部17は、所定サイズのチャネル情報と暗号化キー情報とをランダムに作成する(ステップS42)。続いて、制御部17は、変換テーブル161を参照して、ヘッダー情報と端末ID、及び、作成したチャネル情報と暗号化キー情報等を音声データに変換する(ステップS43)。そして、制御部17は、発音部15から、変換した音声データを出力(放音)する(ステップS44)。
【0064】
音声データの出力が終了すると、端末10の制御部17は、ステップS42で作成した暗号化キー情報を用いて、送信用画面から選択された送信データを暗号化する(ステップS45)。そして、制御部17は、ネットワーク30を介して、ステップS42で作成したチャネル情報と暗号化した送信データとを含む送信中継要求情報をサーバ20に送信する(ステップS46)。送信された送信中継要求情報は、サーバ20の記憶部に一時的に格納される。
【0065】
一方、受信側である端末10の制御部17は、端末10から所定の音声信号を受信したか否かを判別し(ステップS51)、受信したと判別すると(ステップS51;Yes)、変換テーブル161を用いて受信した音声データをビット文字列に変換することにより、受信した音声データからチャネル情報と暗号化キー情報とを取得する(ステップS52)。
【0066】
続いて、端末10の制御部17は、ネットワーク30を介して、取得したチャネル情報を含む受信中継要求情報をサーバ20に送信する(ステップS53)。送信された受信中継要求情報は、サーバ20の記憶部24に一時的に格納される。
【0067】
なお、ステップS51〜ステップS53の処理は、端末10からの音声信号を受信した全ての端末10で実施され、音声信号を受信した全ての端末10から、受信中継要求情報がサーバ20に送信される。
【0068】
一方、サーバ20の制御部25は、比較対象となるステップS46で端末10から受信した送信中継要求情報、及び、ステップS53で端末10から受信した受信中継要求情報とが、それぞれ記憶部24に1つ以上記憶されているか否かを判別する(ステップS61)。
【0069】
送信中継要求情報及び受信中継要求情報が記憶されていると判別した場合(ステップS61;Yes)、サーバ20の制御部25は、これらの送信・受信中継要求情報を用いて、通信を中継する端末10のペアの候補を特定する処理を行う(ステップS62)。
【0070】
具体的には、サーバ20の制御部25は、送信中継要求情報に含まれるチャネル情報と受信中継要求情報に含まれるチャネル情報とが一致するペアを特定する。ここでは、受信中継要求情報を送信した端末10が複数あり、1つの送信中継要求情報に対して、チャネル情報が一致する複数の受信中継要求情報が特定される。
【0071】
続いて、サーバ20の制御部25は、ペア候補として特定した各受信中継要求情報の送信元である端末10に順番に1〜nの番号を割り当て、割り当てた番号を対応する各端末10に送信する(ステップS63)。なお、各端末10にA,B,C,…等のアルファベットを割り当てて送信してもよく、各端末10のそれぞれを識別可能な情報であれば、割り当てる情報は任意のものを用いてよい。端末10の制御部17は、サーバ20から自身に割り当てられた番号を受信すると、それを表示部13に表示する(ステップS54)。
【0072】
続いて、サーバ20の制御部25は、割り当てた番号(1〜n)のリストを端末10に送信する(ステップS64)。
【0073】
割り当てた番号のリストを受信すると、端末10の制御部17は、当該リストに基づいて、送信先として番号が割り当てられた送信先の端末10のなかから1つ又は複数を選択するための、図8(A)に示すような送信先選択画面を表示部13に表示する(ステップS47)。端末10のユーザは、近くに位置するデータ送信先となる端末10の表示部13の表示を確認する。ステップS54の処理により、この端末10の表示部13には、自身に割り当てられた番号が表示されている。従って、端末10のユーザは、データを送信したい端末10の番号を確認することができ、確認した番号を送信先選択画面から選択する。なお、データを送信したい端末10が複数有る場合、対応する複数の番号を選択してもよい。この選択操作に応答して、端末10の制御部17は、選択した番号を指定する送信先指定情報をサーバ20に送信する(ステップS48)。以上で送信側の端末10の処理は終了する。
【0074】
送信先指定情報を受信すると、サーバ20の制御部25は、当該送信先指定情報で指定された番号が割り当てられた端末10に、ステップS52で取得した暗号化された送信データを送信する(ステップS65)。以上でサーバ20の処理は終了する。
【0075】
端末10の制御部17は、暗号化された送信データをサーバ20から受信すると、ステップS52で取得した暗号化キー情報を用いて当該データを復号する(ステップS55)。以上で受信側である端末10の処理は終了し、通信相手選択モード時における通信処理は終了する。
【0076】
このように、通信相手選択モードでは、送信先の候補となる音声データを受信可能な端末10が周囲に複数あった場合、サーバ20が各端末10に順に番号を割り振る。そして、送信元の端末10が送信先の端末10の番号を指定することにより、サーバ20は適切に複数の端末10から送信先の端末10を正確に特定することができる。
【0077】
また、送信先の端末10を指定する際には、順番に割り振られた番号を選択するだけでよいため、端末ID等の固有のIDを表示、選択して端末10を指定する場合に比べて、プライバシーに配慮することができる。
【0078】
(変形例1)
なお、上記実施形態は、種々の変形、および、応用が可能である。
例えば、上述した通信相手選択モード時の通信処理では、送信側の端末10が、複数の送信先候補の端末10の候補の中から、実際にデータを送信する端末10を選択した。しかしながら、データを受信する側の端末10が、複数の送信元の候補の端末10の中から実際にデータの送信元となる端末10を選択してもよい。
【0079】
この場合の通信処理について、図9のフローチャートを参照して説明する。まず、端末10と端末10のユーザは、それぞれ、自身の端末10を、音声信号が送受信できる程度まで十分接近させる。なお、データの送信先となる端末10の周囲には、音声信号を受信可能な距離に、データの送信元の候補となる複数の端末10が位置しているものとする。続いて、端末10の制御部17は、ユーザからの操作により、データ受信用のアプリケーションを起動する(ステップS81)。このアプリケーションの起動により、図5(B)に示すような受信用画面が表示部13に表示される。続いて、端末10のユーザは、操作部12を操作して、この受信用画面から、受信対象の選択を行い、受信ボタンを押下する。なお、ここではデータの送信元として選択した端末10からデータを受信するため、受信対象「選択した対象から受信」を選択する。
【0080】
図9に戻り、受信ボタンを押下した操作に応答して、端末10の制御部17は、所定サイズのチャネル情報と暗号化キー情報とをランダムに作成する(ステップS82)。続いて、制御部17は、変換テーブル161を参照して、ヘッダー情報と端末ID、及び、作成したチャネル情報と暗号化キー情報等を音声データに変換し(ステップS83)、発音部15から、変換した音声データを出力(放音)する(ステップS84)。
【0081】
音声データの出力が終了すると、端末10の制御部17は、ネットワーク30を介して、ステップS82で作成したチャネル情報を含む受信中継要求情報をサーバ20に送信する(ステップS85)。送信された受信中継要求情報は、サーバ20の記憶部24に一時的に格納される。
【0082】
一方、送信側の端末10では、端末10から音声信号を受信すると(ステップS71;Yes)、制御部17は、変換テーブル161を参照して、受信した音声データからチャネル情報と暗号化キー情報とを取得する(ステップS72)。
【0083】
続いて、端末10の制御部17は、ネットワーク30を介して、取得したチャネル情報をサーバ20に送信する(ステップS73)。送信されたチャネル情報は、サーバ20の記憶部24に一時的に格納される。
【0084】
なお、ステップS71〜ステップS73の処理は、端末10からの音声信号を受信可能な複数の端末10で実施され、各端末10から、チャネル情報がサーバ20に送信される。
【0085】
一方、サーバ20の制御部25は、比較対象となるステップS73で端末10から受信したチャネル情報、及び、ステップS85で端末10から受信した受信中継要求情報とが、それぞれ記憶部24に1つ以上記憶されているか否かを判別する(ステップS91)。
【0086】
チャネル情報及び受信中継要求情報が記憶されていると判別した場合(ステップS91;Yes)、サーバ20の制御部25は、これらの情報を用いて、通信を中継する端末10のペアの候補を特定する処理を行う(ステップS92)。
【0087】
具体的には、サーバ20の制御部25は、端末10から受信したチャネル情報と、端末10から受信した受信中継要求情報に含まれるチャネル情報とが一致するペアを特定する。ここでは、チャネル情報を送信した端末10が複数あり、1つの受信中継要求情報に対して、チャネル情報が一致する複数の端末10が特定される。
【0088】
続いて、サーバ20の制御部25は、ペア候補として特定したチャネル情報の送信元である各端末10に順番に1〜nの番号を割り当て、割り当てた番号を対応する各端末10に送信する(ステップS93)。なお、各端末10にA,B,C,…等のアルファベットを割り当てて送信してもよく、各端末10のそれぞれを識別可能な情報であれば、割り当てる情報は任意のものを用いてよい。端末10の制御部17は、サーバ20から自身に割り当てられた番号を受信すると、それを表示部13に表示する(ステップS74)。
【0089】
続いて、サーバ20の制御部25は、割り当てた番号(1〜n)のリストを端末10に送信する(ステップS94)。
【0090】
割り当てた番号のリストを受信すると、端末10の制御部17は、当該リストに基づいて、送信元として番号が割り当てられた端末10のなかから1つを選択するための、図8(B)に示すような送信元選択画面を表示する(ステップS86)。端末10のユーザは、近くに位置するデータの送信元である端末10の表示部13の表示を確認する。ステップS74の処理により、端末10の表示部13には、自身に割り当てられた番号が表示されている。従って、端末10のユーザは、データを受信したい端末10の番号を確認することができ、確認した番号を送信元選択画面から選択する。なお、データを受信したい端末10が複数有る場合、対応する複数の端末10の表示部13にそれぞれ表示されている番号を複数選択してもよい。この選択操作に応答して、端末10の制御部17は、選択した番号を指定する送信元指定情報をサーバ20に送信する(ステップS87)。
【0091】
送信元指定情報を受信すると、サーバ20の制御部25は、この送信元指定情報が示す番号が割り当てられた端末10にデータ送信要求を送信する(ステップS95)。
【0092】
端末10の制御部17は、データ送信要求を受信すると、ステップS72で取得した暗号化キー情報を用いて、データ送信用のアプリケーション起動時に選択した送信データを暗号化する(ステップS75)。
【0093】
続いて、端末10の制御部17は、暗号化した送信データを含む送信中継要求を、サーバ20に送信する(ステップS76)。以上で端末10の処理は終了する。
【0094】
サーバ20の制御部25は、送信中継要求を受信すると、この送信中継要求情報に含まれる暗号化された送信データを、ステップS92でペアの候補として特定した端末10に送信する(ステップS96)。以上でサーバ20の処理は終了する。
【0095】
端末10の制御部17は、暗号化された送信データをサーバ20から受信すると、ステップS82で作成した暗号化キー情報を用いて当該データを復号する(ステップS88)。以上で、通信処理は終了する。
【0096】
このように、この変形例によれば、受信側の端末10が、送信元の候補である複数の端末10の中から実際にデータを受信する端末10を指定して、指定した端末10からデータを受信することが可能となる。
【0097】
(変形例2)
また、端末10間で送受信されるデータは、主に画像データ等であるとして説明した。しかし、いかなる種類のデータを端末間で送受信する場合でも、本発明は適用可能である。例えば、アドレス帳のデータや映像データやアプリケーションプログラム等を送受信する場合にも、本発明は適用可能である。さらに、端末10間で、相手の端末10に特定の動作を指示する指示情報を送受信する場合にも、本発明は適用可能である。例えば、特定のURL先にインターネットを介してアクセスすることを指示する指示情報を、本情報通信システム1の通信処理により、端末10間で送受信してもよい。このようにすることで、例えば、端末10から端末10に音声信号を送信するだけで、サーバを介して端末10を特定のインターネットサイトにアクセスさせたり、特定のアプリケーションを起動させたりすることも可能となる。
【0098】
(その他の変形例)
なお、端末10は、スマートフォン等に限らず、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、PC(Personal Computer)、リーダライタ等といった、音声信号を送受信する機能と、ネットワーク30にアクセスする機能とを有する全ての装置を含む。
【0099】
また、例えば、本発明に係る端末10、サーバ20の動作を規定する動作プログラムを既存のパーソナルコンピュータや情報端末機器等に適用することで、当該パーソナルコンピュータ等を本発明に係る端末10、サーバ20として機能させることも可能である。
【0100】
また、このようなプログラムの配布方法は任意であり、例えば、CD−ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto Optical Disk)、メモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布してもよいし、インターネットなどの通信ネットワークを介して配布してもよい。
【0101】
以上、本発明は、上記実施形態の説明および図面によって限定されるものではなく、上記実施形態および図面に適宜変更等を加えることは可能である。
【符号の説明】
【0102】
1 情報通信システム
10 端末
20 サーバ
30 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端末と、前記第1の端末から出力される音声データを受信可能な第2の端末と、前記第1の端末及び前記第2の端末とネットワークを介して接続するサーバと、を備える情報通信システムであって、
前記第1の端末は、
ランダムなチャネル情報を生成するチャネル情報生成手段と、
前記チャネル情報を音声信号に変換して出音する出音手段と、
前記チャネル情報生成手段が生成したチャネル情報を、前記ネットワークを介して前記サーバに送信する第1のチャネル送信手段と、を備え、
前記第2の端末は、
前記第1の端末から受信した音声信号を変換してチャネル情報を取得するチャネル情報取得手段と、
前記チャネル情報取得手段が取得したチャネル情報を、前記ネットワークを介して前記サーバに送信する第2のチャネル送信手段と、を備え、
前記サーバは、
前記第1の端末から受信したチャネル情報と前記第2の端末から受信したチャネル情報とが一致する、前記第1の端末と前記第2の端末とのペアを特定するペア特定手段と、
前記ペア特定手段が特定した前記第1の端末と前記第2の端末のペア間で、送受信される送信データを中継する中継手段と、
を備えることを特徴とする情報通信システム。
【請求項2】
前記第1の端末は、
データを暗号化するための暗号化キー情報をランダムに生成する暗号化キー生成手段と、
生成した暗号化キーを用いて、前記送信データを暗号化する暗号化手段と、をさらに備え、
前記出音手段は、前記暗号化キー情報を音声信号に変換して出音し、
前記中継手段は、前記暗号化手段により暗号化された前記送信データを中継し、
前記第2の端末は、
前記第1の端末から受信した音声信号を変換して前記暗号化キー情報を取得する暗号化キー情報取得手段と、
取得した暗号化キー情報を用いて、前記中継手段により前記サーバから受信した暗号化された前記送信データを復号する復号手段と、をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報通信システム。
【請求項3】
前記サーバは、
前記第1の端末とチャネル情報が一致する前記第2の端末が複数ある場合、該第2の端末のそれぞれに互いに異なる識別情報を割り当て、各第2の端末の表示部に割り当てられた識別情報を表示させる手段、をさらに備え、
前記中継手段は、前記第1の端末によって指定された前記識別情報が割り当てられた1又は複数の前記第2の端末と該第1の端末とのペア間で送信データを中継する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報通信システム。
【請求項4】
前記送信データは、送信先の前記第1の端末又は第2の端末に、所定の処理を実行させる指示情報である、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の情報通信システム。
【請求項5】
ネットワークを介してサーバと接続する端末であって、
ランダムなチャネル情報を生成するチャネル情報生成手段と、
前記チャネル情報を音声信号に変換して出音する出音手段と、
前記チャネル情報生成手段が生成したチャネル情報を、前記ネットワークを介して前記サーバに送信するチャネル送信手段と、
を備えることを特徴とする端末。
【請求項6】
ネットワークを介してサーバと接続する端末であって、
他の端末から受信した音声信号を変換してランダムに生成されたチャネル情報を取得するチャネル情報取得手段と、
前記チャネル情報取得手段が取得したチャネル情報を、前記ネットワークを介して前記サーバに送信するチャネル送信手段と、
を備えることを特徴とする端末。
【請求項7】
第1の端末及び前記第1の端末から出力される音声データを受信可能な第2の端末とネットワークを介して接続するサーバであって、
前記第1の端末から受信したチャネル情報と前記第2の端末から受信したチャネル情報とが一致する、前記第1の端末と前記第2の端末とのペアを特定するペア特定手段と、
前記ペア特定手段が特定した前記第1の端末と前記第2の端末のペア間で、送受信される送信データを中継する中継手段と、
を備えることを特徴とするサーバ。
【請求項8】
ネットワークを介してサーバと接続するコンピュータを、
ランダムなチャネル情報を生成するチャネル情報生成手段、
前記チャネル情報を音声信号に変換して出音する出音手段、
前記チャネル情報生成手段が生成したチャネル情報を、前記ネットワークを介して前記サーバに送信するチャネル送信手段、
として機能させるプログラム。
【請求項9】
ネットワークを介してサーバと接続するコンピュータを、
端末から受信した音声信号を変換してランダムに生成されたチャネル情報を取得するチャネル情報取得手段、
前記チャネル情報取得手段が取得したチャネル情報を、前記ネットワークを介して前記サーバに送信するチャネル送信手段、
として機能させるプログラム。
【請求項10】
第1の端末及び前記第1の端末から出力される音声データを受信可能な第2の端末とネットワークを介して接続するコンピュータを、
前記第1の端末から受信したチャネル情報と前記第2の端末から受信したチャネル情報とが一致する、前記第1の端末と前記第2の端末とのペアを特定するペア特定手段、
前記ペア特定手段が特定した前記第1の端末と前記第2の端末のペア間で、送受信される送信データを中継する中継手段、
として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−85009(P2013−85009A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−221402(P2011−221402)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(591271450)株式会社ビー・ユー・ジー (9)
【Fターム(参考)】