説明

情報通信装置及び通信方法

【課題】 本当に高解像度通信が必要な場合には高解像度での画像通信を可能としつつ、画像情報の通信時間が長くなることを有効に防止できる情報通信装置を提供する。
【解決手段】 所定の解像度での画像通信が可能な情報通信装置であって、画像通信における受信側情報通信装置に、送信側装置に自装置で受信可能な解像度を通知する通知手段を備え、画像通信における送信側情報通信装置に、受信側装置の受信可能解像度中の所定解像度で画像を送信する送信手段を備え、前記送信手段は、画像通信中に通信エラーが発生した場合には次回の同じ通信相手との画像通信において先に通信した解像度での画像送信を禁止する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は所定の解像度での画像通信が可能な情報通信装置及び通信方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のファクシミリ装置の解像度は、一般に主走査方向、副走査方向ともに、最大で400dpiまでの解像度での通信であった。最も解像度の低いファクシミリ通信は、主走査方向200dpi、副走査方向100dpiの解像度であり、従来の高解像度のファクシミリ通信は低解像度の通信に比し約8倍の情報量であった。
【0003】即ち、従来のファクシミリ装置で通信可能な解像度としては、主に標準モード(主走査8pel/mm(=200dpi相当)、副走査3.85line/mm(=100dpi相当))、ファインモード(主走査8pel/mm、副走査7.7line/mm(=200dpi相当))、スーパーファインモード(主走査8pel/mm、副走査15.4line/mm(=400dpi相当))、ウルトラファインモード(主走査16pel/mm(=400dpi相当)、15.4line/mm)が存在していた。
【0004】そして、従来のファクシミリ装置においては、ファクシミリ通信を行う際の解像度に制約は特に設けず、受信側で送信側で選択された解像度での受信が可能であれば送信側で希望する解像度でのファクシミリ通信を実行していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最近、送信情報をより高解像度で送信したいというニーズがあり、ITU−Tにて勧告化の決定した、600dpiの解像度あるいは1200dpiの解像度でのファクシミリ通信、特に1200dpiの解像度でのファクシミリ通信を考えると、既存の主走査方向200dpi、副走査方向100dpiのファクシミリ通信に対して約72倍の解像度となり、ファクシミリ通信の目的を考えると、全てのユーザに対してこれらの通信を無制限で許可すると、ファクシミリ通信における即時性が減ってしまう。即ち、通信に多大な時間を要し、ファクシミリ装置を使用しようと思っても使用できない場合が想定される。更に、通信コストが莫大になってしまうという大きな欠点があった。
【0006】更に、例えば主走査方向の情報を教えた場合、同一サイズの情報においても6倍の情報量となり、1ライン分の情報を処理する時間も長くなり、通信時間タイマーetcにて問題の発生する可能性があるという欠点があった。即ち、通信が不成立となってしまうという欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の課題を解決することを目的としてなされたもので、上述の課題を解決する一手段として以下の構成を備える。
【0008】即ち、複数種類の通信媒体を介して画像通信可能な情報通信装置において、少なくも2種の解像度での画像通信のうちのいずれかの解像度での画像通信を選択する選択手段を有し、前記選択手段は、特定の条件に合致した通信の場合に高解像度での画像通信を選択し、特定の条件以外の場合は低解像度で画像通信を実行することを特徴とする。
【0009】そして例えば、前記複数種類の通信媒体は一般公衆電話回線網とインターネット通信網を含み、前記選択手段はインターネット通信網を介した画像通信を高解像で画像通信するように選択することを特徴とする。
【0010】また例えば、前記複数種類の通信媒体は一般公衆電話回線網とインターネット通信網を含み、前記一般公衆電話回線網のみを介した画像通信において高解像度での画像通信を許可するためのパスワードを登録する登録手段と、画像通信に先立ち、前記登録手段に登録してあるパスワードが入力されると前記一般公衆電話回線網のみを介した画像通信において高解像度での画像通信を行う通信制御手段とを備えることを特徴とする。
【0011】更に例えば、画像通信として同一の相手に回線を開放せずに連続して異なる情報を通信する一括送信が指定された場合であっても、通信毎に前記パスワードの入力がないと、同高解像度での画像通信を許可しないことを特徴とする。
【0012】また、所定の解像度での画像通信が可能な情報通信装置であって、画像通信における受信側情報通信装置に、送信側装置に自装置で受信可能な解像度を通知する通知手段を備え、画像通信における送信側情報通信装置に、受信側装置の受信可能解像度中の所定解像度で画像を送信する送信手段を備え、前記送信手段は、画像通信中に通信エラーが発生した場合には次回の同じ通信相手との画像通信において先に通信した解像度での画像送信を禁止することを特徴とする。
【0013】そして例えば、前記送信手段による画像通信中に通信エラーが発生した場合において、前記送信手段は次回の同じ通信相手との画像通信において先に通信した解像度とは異なる解像度での画像通信を行うように選択し、通信エラーの発生、次回の同じ通信相手との画像通信における画像通信解像度を表示することを特徴とする。
【0014】また例えば、前記送信手段による画像通信履歴を保持する保持手段を備え、前記送信手段は、所定回連続して通信エラーが発生した場合において、前記送信手段は同じ通信相手との画像通信において先に通信した解像度とは異なる解像度での画像通信を行うように選択することを特徴とする。
【0015】更に例えば、前記送信手段による画像通信中に通信エラーが発生した場合において、次回の同じ通信相手との画像通信における画像通信解像度は先の画像通信解像度より低い解像度であることを特徴とする。
【0016】また例えば、前記画像通信は、少なくとも600dpiまたは1200dpiの解像度での通信が可能なファクシミリ通信であることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に従つて本発明に係る一実施の形態例を詳細に説明する。
【0018】[第1の実施の形態例]以下、図1を参照して本発明に係る一発明の実施の形態例を詳細に説明する。図1は本発明に係る一発明の実施の形態例の構成を示すブロック図であり、情報通信装置であるファクシミリ装置の詳細構成及び該装置を含むデータ通信ネットワークシステムのシステム構成を示している。
【0019】図1において、FAXA100、FAXB132は、公衆電話回線網(PSTN)134、136を介したファクシミリ通信を行う機能を備えると共に、更にサービスプロバイダA128、サービスプロバイダB130を介して接続可能なインターネット138にも接続可能であり、インターネット138を介したファクシミリ通信を行う機能も備えている。
【0020】128はサービスプロバイダAであり、信号線128aを介してPSTN134に接続され、信号線128bを介してインターネット138に接続される。130はサービスプロバイダBであり、信号線130aを介してPSTN136に接続され、信号線130bを介してインターネット138に接続される。
【0021】100はファクシミリ装置A(FAXA)であり、信号線2aを介してPSTN134に接続される。132はファクシミリ装置B(FAXB)であり、信号線132aを介してPSTN136に接続される。
【0022】本実施の形態例のファクシミリ装置100、132は、600dpiあるいは1200dpiの解像度でのファクシミリ通信が可能であり、どの解像度でのファクシミリ通信を行うかを選択する手段を有している。後述するように、600dpiあるいは1200dpiの解像度でのファクシミリ通信は、特定条件のみ有効とし、それ以外の場合は400dpi以下の解像度でファクシミリ通信を実行する。
【0023】ただし、インターネット138を介したファクシミリ通信を行う場合には、600dpiあるいは1200dpiの解像度でのファクシミリ通信を有効とする。
【0024】一方、PSTN134,136のみを介したファクシミリ通信においては、600dpiあるいは1200dpiの解像度でのファクシミリ通信を有効とするパスワードを登録する手段を有し、ファクシミリ通信に先立ち、このパスワードが入力されると1回のPSTNのみを介したファクシミリ通信において、600dpiあるいは1200dpiの解像度でのファクシミリ通信を有効とする。ここで、一括送信が指定された場合、後から入力された通信に先立ち、前記のパスワードの入力がないと同一通信であるが600dpiあるいは1200dpiの解像度でのファクシミリ通信を有効としない様に制御される。 次にファクシミリ装置A100の詳細構成を説明する。なお、ファクシミリ装置B132もほぼ同一構成を備えている。
【0025】2は電話回線網(PSTN)とのインタフェースを司るNCU(網制御装置)であり、、PSTNを利用してデータ通信等に使用するために、その回線の端末に接続し、電話交換網の接続制御を行ったり、データ通信路への切換えを行ったり、回線の直流ループの保持を行うものである。また、NCU2は、バス26を介した例えばCPU22からの制御により電話回線2aを電話機側に接続(CMLオフ)したり、電話回線2aをファクシミリ装置側に接続(CMLオン)するPSTNとのインタフェースを司る。なお、通常状態では、電話回線2aは、電話機4側に接続されている。
【0026】4は電話機である。6はハイブリッド回路であり、送信系の信号と受信系の信号とを分離し、加算回路12からの送信信号をNCU2経由で電話回線2aに送出し、相手側からの信号をNCU2経由で受取り、信号線6a経由で、変復調器8に送る。
【0027】8はITU−T勧告V.8,V.21,V.27ter,V.29,V.17,V.34に基づいた変調及び復調を行う変復調器(モデム)であり、各伝送モードはCPU22の指定に基づいて行われる。変復調器8は、バス26からの送信信号を入力して変調し、変調データを信号線8aに出力すると共に、信号線6aに出力されている受信信号を入力して復調し、復調データをバス26に出力する。
【0028】10は発呼回路であり、バス38を介して電話番号情報を入力し、信号線10aにDTMFの選択信号を出力する。12は加算回路であり、信号線8aの情報と信号線10aの情報を入力し、加算した結果を信号線12aを介してハイブリッド回路6に出力する。
【0029】14はファクシミリ送信する送信情報を読取り、読取りデータをバス26に出力する読取回路であり、例えばイメージスキャナなどで構成する。16は受信情報を出力する記録回路であり、例えばプリンタなどで構成する。記録回路16は、例えばバス26に出力されている情報を受け取って順次1ライン毎に記録する機能を備えていればよい。
【0030】18はメモリ回路であり、ワーク用のメモリ領域、読取りデータの生情報あるいは符号化した情報を格納するメモリ領域、受信情報あるいは復号化した情報を格納するメモリ領域を備えている。また、その他に、メモリ回路18には600dpiあるいは1200dpiの解像度でのファクシミリ通信を許可するパスワードを登録するパスワードメモリ領域18a及びサービスプロバイダAの電話番号を格納する電話番号メモリ領域18bがある。
【0031】20は操作部であり、例えばワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル、テンキー、*・#キー、セットキー、スタートキー、ストップキー、その他ファンクションキーが設けられており、押下入力されたキー情報はバス26に出力され、CPU22で検知される。
【0032】なお、操作部20のファンクションキーには、メモリ18への600dpiあるいは1200dpiの解像度でのファクシミリ通信を許可するパスワード入力キー、メモリ18へのサービスプロバイダAの登録ボタン、600dpi、1200dpiの解像度送信選択キーが含まれている。
【0033】22はCPU(中央処理装置)であり、ROM24に格納されている制御手順に従って本実施の形態例の各ファクシミリ装置の全体制御を司り、ファクシミリ伝送制御も行う。24は例えばCPU22の制御プログラム等を記憶するリードオンリメモリ(ROM)である。また、26はCPU22と他の各構成との間でデータや制御信号の授受を行うためのバスである。
【0034】以上の構成を備える本実施の形態例のファクシミリ装置の処理の詳細を図2乃至図5を参照して以下に説明する。図2乃至図5は本実施の形態例のファクシミリ装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【0035】まず図2のステップSS2において、CPU22はバス26を介してメモリ18をイニシャライズするなどの初期化処理を実行する。次のステップS4では、バス26を介してNCU2のCMLをオフする。ステップS6では、操作部20の情報を入力し、サービスプロバイダA128の電話番号の登録が選択されたか否かを判断する。サービスプロバイダA128の電話番号の登録が選択されていない場合にはステップS10に進む。
【0036】一方、ステップS6でサービスプロバイダA128の電話番号の登録が選択されるとステップS8に進み、バス26を介してメモリ18の電話番号メモリ領域18bにサービスプロバイダA128の電話番号を登録し、ステップS10に進む。
【0037】ステップS10では、バス26を介して操作部20の情報を入力し、600dpiあるいは1200dpiの解像度でのPSTNのみのファクシミリ通信許可パスワードの登録が選択されたか否かを判断する。600dpiあるいは1200dpiの解像度でのPSTNのみのファクシミリ通信許可パスワードの登録が選択されていない場合にはステップS14に進む。
【0038】一方、ステップS10で600dpiあるいは1200dpiの解像度でのPSTNのみのファクシミリ通信許可パスワードの登録が選択されていた場合にはステップS12に進み、バス26を介してメモリ18のパスワードメモリ領域18aに600dpiあるいは1200dpiの解像度でのPSTNのみのファクシミリ通信許可パスワードを登録する。そしてステップS14に進む。
【0039】ステップS14では、ファクシミリ通信用が選択されたか否かを判断する。そして、ファクシミリ通信が選択されていない場合にはステップS16に進み、対応するその他の必要な処理を実行する。そして当該処理終了後ステップS4に戻り、次の操作部よりの動作指示入力を待つ。
【0040】一方、ステップS14でファクシミリ通信が選択され手いる場合には図3のステップS18に進み、CPU22はバス26を介して操作部20よりの情報を入力し、インターネットを介したファクシミリ送信が選択されているか否かを判断する。インターネットを介したファクシミリ送信が選択されている場合にはステップS20に進む。
【0041】ステップS20では、CPU22はバス26を介してNCU2を制御し、CMLをオンする。続いてステップS22でバス26を介して発呼回路10を制御し、サービスプロバイダAを発呼する。この場合にはメモリ18のサービスプロバイダAの電話番号を格納する電話番号メモリ領域18bへの格納情報を参照して発呼先電話番号を獲得する。
【0042】次にステップS24に進み、バス26を介して操作部20の情報を入力し、通常解像度400dpi以下の解像度)での通信ではなく高解像度(600dpiあるいは1200dpi)での解像度でのファクシミリ送信が選択されているか否かを判断する。高解像度でのファクシミリ通信が選択されている場合にはステップS26に進み、公知の前手順処理を実行しステップS28に進む。
【0043】ステップS28では前手順処理により受信側より送られるステータスを調べ、指定された解像度での受信能力があるか否かを判断する。指定された解像度での受信能力がある場合にはステップS30に進み、指定された解像度での画信号の送信を実行する。送信が終了するとステップS32に進み、公知の後手順処理を実行してステップS4に戻る。
【0044】一方、ステップS28で受信側に指定された解像度での受信能力がない場合にはステップS36に進む。
【0045】一方、ステップS24で高解像度でのファクシミリ通信が選択されていない場合にはテップS34に進み、公知の前手順処理を実行する。前手順処理が終了するとステップS36に進む。
【0046】ステップS36では、受信側において受信可能な解像度と指定された解像度から実際画像通信を行うべき解像度を決定する。そして決定した解像度での画像通信を実行する。そして画像通信が終了するとステップS32に進む。
【0047】一方、ステップS18でインターネットを介したファクシミリ送信が選択されていない場合(PSTNを介したファクシミリ通信が選択されている場合)にはステップS38に進み、バス26を介して操作部20の情報を入力し、高解像度(600dpiあるいは1200dpiの解像度)でのファクシミリ送信が選択されているか否かを判断する。高解像度でのファクシミリ送信が選択されていない場合にはステップS46に進み、CPU22はバス26を介してNCU2に指示してCMLをオンする。続くステップS48でバス26を介して発呼回路10を起動して指定された宛先を発呼する。そして相手先が応答するとステップS34に進む。
【0048】一方、ステップS38で高解像度(600dpiあるいは1200dpiの解像度)でのファクシミリ送信が選択されている場合にはステップS40に進み、バス26を介して操作部20の情報を入力し、高解像度(600dpiあるいは1200dpiの解像度)でのPSTNのみのファクシミリ通信許可のパスワードが入力されたか否かを判断する。高解像度でのPSTNのみのファクシミリ通信許可のパスワードが入力されていない場合にはステップS50に進む。
【0049】ステップS50では、バス26を介してNCU2を制御し、CMLをオンする。続いてステップS52において、バス26を介して発呼回路10を制御して指定された宛先を発呼する。そして相手が応答するとステップS54に進み、公知の前手順処理を実行する。な、この前手順処理においては、上記パスワードの入力がなかったことより指定があったにもかかわらず高解像度での画像通信は行われず、本実施の形態例装置(送信側)で指定された解像度は400dpiとして処理が行われる。
【0050】一方、ステップS40で高解像度(600dpiあるいは1200dpiの解像度)でのPSTNのみのファクシミリ通信許可のパスワードが入力されている場合にはステップS42に進み、バス26を介してNCU2を制御し、CMLをオンする。そして続くステップS44でCPU22はバス26を介して発呼回路10を起動し、指定された宛先を発呼する。そして相手先が応答するとステップS56に進む。
【0051】ステップS56においては前手順処理が行われる、そして、続くステップS58で、CPU22はバス26を介して操作部20の情報を入力し、最も高解像度の1200dpiの解像度が指定されたか否かを判断する。1200dpiの解像度が指定されていない場合にはステップS74に進む。
【0052】一方、ステップS58で1200dpiの解像度が指定されている場合にはステップS60に進み、前手順処理で得たステップS44で発呼した相手装置の性能を調べ、1200dpiの解像度での受信能力があるか否かを判断する。1200dpiの解像度での受信能力がある場合にはステップS62に進み、1200dpiの解像度での画信号の送信を行う。そして当該相手先との当該画像通信が終了するとステップS64に進む。
【0053】一方、ステップS58で1200dpiの解像度での通信が指定されていない場合、あるいはステップS60で受信側が1200dpiの解像度での受信能力を有していない場合にはステップS74に進む。そしてステップS74では、受信側に600dpiの解像度での受信能力があるか否かを判断する。受信側に600dpiの解像度での受信能力が無い場合にはステップS36に進み、受信側において受信可能な解像度と指定された解像度から実際画像通信を行うべき解像度を決定する。そして決定した解像度での画像通信を実行する。
【0054】一方、ステップS74で受信側に600dpiの解像度での受信能力がある場合にはステップS76に進み、高解像度通信の低い方の解像度である600dpiの解像度での画信号の送信を行う。そして当該相手先との当該画像通信が終了するとステップS64に進む。
【0055】ステップS64では、バス26を介して操作部20の情報を入力し、画像通信が同一の宛先に異なる画像を連続して送信する一括送信が選択されているか否かを判断する。一括送信が選択されていない場合には次の送信は無いためステップS66に後手順処理を実行してステップS4に進む。
【0056】一方、ステップS64で一括送信が選択されている場合にはステップS68に進み、次の画像通信に移行する。ステップS68では、操作部20より600dpiあるいは1200dpiの解像度が指定され、かつ600dpiあるいは1200dpiの解像度でのPSTNのみのファクシミリ通信許可パスワードが入力されたか否かを判断する。パスワードの入力がなされている場合にはステップS58に進み、次の通信情報も高解像度で画像通信する。
【0057】一方、ステップS68で600dpiあるいは1200dpiの解像度でのPSTNのみのファクシミリ通信許可パスワードが入力されていない場合にはステップS70に進み、バス26を介して操作部20の情報を入力し、後に通信する画像通信に対して600dpiあるいは1200dpiの解像度が指定されたか否かを判断する。後に通信する画像通信に対して600dpiあるいは1200dpiの解像度が指定されていない場合にはステップS36に進む。
【0058】一方、ステップS70において、後に通信する画像通信に対して600dpiあるいは1200dpiの解像度が指定されている場合にはステップS72に進み、上記パスワードの入力がなかったことより指定があったにもかかわらず高解像度での画像通信は行われず、本実施の形態例装置(送信側)で指定された解像度は400dpiとして決定しステップS36に進む。
【0059】以上説明したように本実施の形態例によれば、インターネットを介したファクシミリ通信可能なファクシミリ装置において、相手機がインターネットを介したファクシミリ通信が可能であると、通信費の著しい増加はないので、600dpiあるいは、1200dpiといった高解像度でのファクシミリ通信をユーザが選択できるように制御し、短時間での画像通信が可能となり、とても使い易いファクシミリ装置が提供できる。
【0060】また、PSTNのみを介したファクシミリ通信においても、ユーザがパスワードを入力することにより、600dpi、あるいは1200dpiの高解像度でのファクシミリ通信が可能で、しかも複数の情報を1宛先にほぼ同一時差で発呼する場合、これらの複数の情報をあたかも1つのファクシミリメッセージとして送信する一括送信においても、ユーザからパスワード入力のあった情報に対してのみ、600dpiあるいは1200dpiの解像度でのファクシミリ通信が可能になり、通信時間がかかるPSTNにおいて、不用意にファクシミリ通信時間が長くなるのを防止でき、ユーザにとっては使い易いファクシミリ装置が提供できる。
【0061】即ち、インターネットを介したファクシミリ通信可能な本実施の形態例のファクシミリ装置は、600dpiあるいは1200dpiといった高解像度でのファクシミリ通信を選択実行可能としながら、600dpiあるいは1200dpiの解像度でのファクシミリ通信は特定条件のみ有効とし、それ以外の場合は400dpi以下の解像度でファクシミリ通信を実行させることができ、必要な時には高解像度での通信が可能であると共に、むやみにファクシミリ通信事件が長くなることを有効に防止できる。
【0062】また、インターネットを介したファクシミリ通信においては、通信時間がさほどかからないことより600dpiあるいは1200dpiの解像度でのファクシミリ通信を有効として、通信時間がかかるPSTNのみを介したファクシミリ通信においては、600dpiあるいは1200dpiの解像度でのファクシミリ通信を有効とするパスワードを登録する手段を備え、ファクシミリ通信に先立ってこのパスワードが入力された時に1回のPSTNのみを介したファクシミリ通信において600dpiあるいは1200dpiの解像度でのファクシミリ通信を有効とすることにより、本当に高解像度通信が必要な場合にはこれを確保しながら通信時間が長くなることを有効に防止できるファクシミリ装置が提供できる。
【0063】これを、一括送信が指定された場合、後から入力された通信に先立ち、前記のパスワードの入力がないと同一通信であっても600dpiあるいは1200dpiの解像度でのファクシミリ通信を有効としないことが可能になり、本当に高解像度通信が必要な場合にはこれを確保しながら通信時間が長くなることを有効に防止できるファクシミリ装置が提供できる。PSTNのみを介したファクシミリ通信においても、ユーザがパスワードを入力することにより、600dpiあるいは1200dpiの解像度でのファクシミリ通信が可能で、しかも、複数の情報を1宛先にほぼ同一時刻に発呼する場合、これらの複数の情報をあたかも1つのfaxメッセージとして送信する一括送信においても、ユーザからパスワード入力のあった情報に対してのみ、600dpiあるいは1200dpiといった高解像度でのファクシミリ通信が可能になり、ユーザにとって使い易くなった。
【0064】[第2の実施の形態例]以上に説明した通信装置では、600dpiあるいは1200dpiといった高解像度でのファクシミリ通信が可能になり、ユーザにとって使い易くなった。しかし、高解像度のデータ通信を実現するためには、一定レベル以上の相手との通信路の品質、各通信装置の性能が必要である。種々の条件が満たされないと通信エラーとなってしまい、かえって通信時間が多くかかることにもなりかねない。
【0065】このような場合には無理に高い解像度を設定し、通信量増加させるのは得策ではない。画像通信の解像度をたとえ落としても、信頼性を向上した方が良いといえる。このように、通信エラーの多い場合において高い信頼性を有する画像通信を可能とする本発明に係る第2の実施の形態例を説明する。第2の実施の形態例においても基本的なハードウエア構成は上述した図1に示す構成と同様であるため、詳細説明を省略して上述した図1に示す第1の実施の形態例と異なる構成を説明する。
【0066】第2の実施の形態例においては、メモリ18の構成が一部異なり、ワンタッチダイヤルとして登録されている宛先に対応して、600dpiの解像度で通信を実行した時の過去所定回数分の通信履歴(第2の実施の形態例では例えば最新の過去3通信分の履歴)、1200dpiの解像度で通信を実行した時の過去所定回数分の通信履歴(第2の実施の形態例では例えば最新の過去3通信分の履歴)が記憶される。
【0067】操作部20は、ワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル、テンキー、*・#キー、スタートキー、セットキー、ストップキー、解像度選択キー(標準モード、ファインモード、スーパーファインモード、ウルトラファインモード、600dpi通信モード、1200dpi通信モードからの選択)、その他ファンクションキーがあり、押下されたキー情報は、バス26に出力される。そして、操作状態や装置の状態を可視表示可能な表示部が備えられている。
【0068】また、ROM24には、600dpiの解像度、あるいは1200dpiの解像度にてファクシミリ通信可能なファクシミリ装置として機能する際に、ファクシミリ受信機として送信機側に600dpiの解像度での受信機能の有無、及び1200dpiの解像度での受信機能の有無を通知する機能と、ファクシミリ送信機として、600dpiの解像度、あるいは1200dpiの解像度でのファクシミリ送信を選択する機能、ファクシミリ送信機側にて600dpiの解像度あるいは1200dpiの解像度が選択され、ファクシミリ受信機側にて、600dpiの解像度あるいは1200dpiの解像度での受信機能があると、600dpiの解像度あるいは1200dpiの解像度にてファクシミリ通信を開始し、このファクシミリ通信にて通信エラー発生時の再ダイヤルでは、600dpiの解像度及び1200dpiの解像度でのファクシミリ送信を禁止する機能が達成でき、600dpiの解像度あるいは1200dpiの解像度でのファクシミリ通信にて、通信エラーが発生時に「その旨、及び再ダイヤルした時の解像度」を表示する機能を達成可能なCPU22で実行可能な制御手順が格納されている。
【0069】以下、以上の構成を備える第2の実施の形態例のファクシミリ通信制御を図6乃至図9を参照して説明する。図6乃至図9は本発明に係る第2の実施の形態例のファクシミリ装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【0070】第2の実施の形態例においては、上述した第1の実施の形態例のファクシミリ動作に加え、以下に説明する制御機能が付加されている。なお、上記第1の実施の形態例の機能を備えず、例えばPSTNのみに接続されるファクシミリ装置であっても良い。以下に説明する機能のみ備えられている場合であっても良いことは勿論である。 第2の実施の形態例において、まず図2のステップS102において、CPU22は、バス26を介してメモリ18のファクシミリ通信に関する各種情報を全てクリアするメモリの初期化処理を実行する。続いてステップS104において、バス26を介して操作部20の表示部をイニシャライズする。
【0071】以上の初期化処理が終了するとステップS106に進み、バス26を介してNCU2を制御してCMLをオフする。そして続くステップS108でリダイヤルフラグを「0」にクリアする。そしてステップS110でファクシミリ送信が選択されたか否かを判断する。ファクシミリ送信が選択されていない場合にはステップS112に進み、その他の処理を実行する。そしてステップS106に戻る。
【0072】一方、ステップS110においてファクシミリ送信が選択されるとステップS114に進み、バス26を介してNCU2を制御してCMLをオンする。次にステップS116においてバス26を介して発呼回路10を起動し指定された宛先を発呼する。そして相手先が応答して相手先との間に通信路が設定されるとステップS118に進み、最初の第1の前手順を実行する。ここでは、例えば、相手受信機から送信される600dpiの解像度、1200dpiの解像度、標準モード、ファインモード、スーパーファインモード、ウルトラファインモードでの受信機能の有無を取得してメモリ18の所定領域に記憶する。そしてステップS120に進む。
【0073】ステップS120では、送信機側の操作部により1200dpiの解像度での通信が選択されたか否かを判断する。操作部により1200dpiの解像度での通信が選択されるとS22に進み、受信側に1200dpiの解像度での受信能力があるか否かを判断する。これは先の前手順で取得した受信側の受信機能を調べればよい。ステップS122で受信側に1200dpiの解像度での受信能力がない場合にはステップS152に進む。
【0074】一方、ステップS122で受信側に1200dpiの解像度での受信能力がある場合にはステップS124に進み、残りの前手順を行う。例えばここでは1200dpiの解像度での通信を指定する等の処理を行う。続いてステップS126で例えば読取回路14から送信原稿を読みとる画信号の読取り処理を行い、読み取った画信号を一旦メモリ18の所定領域に格納する。そして、送信すべき画信号の読取が終了するとメモリから順次画信号を読み出して公知の符号化処理などを行ってファクシミリ送信を行う。この様にして所定のファクシミリ通信が終了するとステップS128に進み、所定の後手順を行う。そしてステップS130に進み、バス26を介してNCU2を制御してCMLをオフする。
【0075】続くステップS132で通信エラーが発生したか否かを判断する。通信エラーが発生していない場合にはステップS134に進み、バス26を介してファクシミリ送信が指示されたワンタッチダイヤルの宛先に対応付けて1200dpiの解像度で画像通信の結果としての最新の通信履歴に正常通信を意味するフラグ、例えば「OK」をメモリ18に記憶する。そしてステップS106に進む。
【0076】一方、ステップS132において、通信エラーが発生している場合にはステップS136に進み、バス26を介してファクシミリ送信が指示されたワンタッチダイヤルの宛先に対応付けて1200dpiの解像度で画像通信の結果としての最新の通信履歴にエラー通信を意味するフラグ、例えば「NG」をメモリ18に記憶する。そしてステップS138に進む。
【0077】ステップS138では1分間が経過するのを待つ。1分間ウエイトするとステップS140に進み、バス26を介してNCU2を制御してCMLをオンする。続いてステップS142でバス26を介して発呼回路10を起動し、先に通信エラーが発生した同一宛先を発呼する。そうして同一の宛先が応答するとステップS144に進み、前手順を実行する。ここでは、ウルトラファインモードが選択されたとして前手順を行い、受信側の受信可能な解像度より、最もウルトラファインモードに近い解像度を決定する。
【0078】そして続くステップS146において、先にステップS126においてメモリに格納した先にエラー送信であった送信情報を読み出してきてファクシミリ送信する。そしてステップS148で後手順を行う。後手順が終了して相手側との通信が終了すると、ステップS149においてCPU22はバス26を介して操作部の表示部に「600dpiあるいは1200dpiの解像度の通信がエラー終了したので、**モード(**は実際に送信をしたモード)での送信をしました」と表示する。これにより、オペレータに相手にどのようなモードで送信したかを認識可能としている。その後この表示を確信したオペレータによる確認が終了すると、何らかのキー操作で消すことができる。そしてステップS106に戻る。
【0079】一方、ステップS120で操作部により1200dpiの解像度での通信が選択されていない場合にはステップS150に進み、バス26を介して操作部20の情報を入力し、送信側にて600dpiの解像度通信が選択されたか否かを判断する。600dpiの解像度通信が選択されていない場合にはステップS168に進む。
【0080】一方、ステップS150で600dpiの解像度通信が選択された場合にはステップS152に進む。ステップS152では、受信側に600dpiの解像度での受信能力があるか否かを判断する。受信側に600dpiの解像度での受信能力がある場合にはステップS154に進み、600dpiの解像度での通信を指定した残りの前手順を実行する。 そして続くステップS156で例えば読取回路14から送信原稿を読みとる画信号の読取り処理を行い、読み取った画信号を一旦メモリ18の所定領域に格納する。そして、送信すべき画信号の読取が終了するとメモリから順次画信号を読み出して公知の符号化処理などを行ってファクシミリ送信を行う。この様にして所定のファクシミリ通信が終了するとステップS158に進み、所定の後手順を行う。そしてステップS160に進み、バス26を介してNCU2を制御してCMLをオフする。
【0081】続くステップS162で通信エラーが発生したか否かを判断する。通信エラーが発生していない場合にはステップS164に進み、バス26を介してファクシミリ送信が指示されたワンタッチダイヤルの宛先に対応付けて600dpiの解像度で画像通信の結果としての最新の通信履歴に正常通信を意味するフラグ、例えば「OK」をメモリ18に記憶する。そしてステップS106に進む。
【0082】一方、ステップS162において、通信エラーが発生している場合にはステップS166に進み、バス26を介してファクシミリ送信が指示されたワンタッチダイヤルの宛先に対応付けて600dpiの解像度で画像通信の結果としての最新の通信履歴にエラー通信を意味するフラグ、例えば「NG」をメモリ18に記憶する。そしてステップS138に進む。
【0083】一方、ステップS152において、受信側に600dpiの解像度での受信能力が無い場合にはステップS168に進み、残りの前手順を実行する。ここでは、選択された解像度と受信機の受信可能な解像度から解像度を決定する。続いてステップS170において、例えば読取回路14から送信原稿を読みとる画信号の読取り処理を行い、読み取った画信号を一旦メモリ18の所定領域に格納する。そして、送信すべき画信号の読取が終了するとメモリから順次画信号を読み出して公知の符号化処理などを行ってファクシミリ送信を行う。この様にして所定のファクシミリ通信が終了するとステップS172に進み、所定の後手順を行う。
【0084】そしてステップS174に進み、バス26を介してNCU2を制御してCMLをオフする。続くステップS176で通信エラーが発生したか否かを判断する。通信エラーが発生していない場合にはステップS1064にむ。
【0085】一方、ステップS176で通信エラーが発生していた場合にはステップS178進み、リダイヤルフラグが「0」であるか否かを判断する。リダイヤルフラグが「0」で無ければステップS106に進む。
【0086】一方、ステップS178において、リダイヤルフラグが「0」である場合にはステップS180に進み、リダイヤルフラグに「1」をセットする。その後ステップ182に進み、バス26を介してNCU2を制御してCMLをオンする。そしてステップS184でバス26を介して発呼回路10を起動し、指定された宛先(エラー通信を行った同一の宛先)を発呼する。そして、相手が応答するとステップS168に戻る。
【0087】以上説明したように第2の実施の形態例によれば、例えば、600dpiの解像度あるいは1200dpiの解像度にてファクシミリ通信可能なファクシミリ装置において、ファクシミリ受信機よりファクシミリ送信機に600dpiの解像度での受信機能の有無、及び1200dpiの解像度での受信機能の有無を通知する機能、ファクシミリ送信機において600dpiの解像度あるいは1200dpiの解像度でのファクシミリ送信を選択する機能、ファクシミリ送信機側にて600dpiの解像度あるいは1200dpiの解像度が選択され、ファクシミリ受信機側にて600dpiの解像度あるいは1200dpiの解像度での受信機能があると、600dpiの解像度あるいは1200dpiの解像度にてファクシミリ通信を開始するが、このファクシミリ通信にて通信エラー発生時の再ダイヤルは、600dpiの解像度及び1200dpiの解像度でのファクシミリ送信を禁止する機能を備えることができ、通信エラーを繰り返すようなことのない、確実なファクシミリ通信が可能となる。
【0088】更に、600dpiの解像度あるいは1200dpiの解像度でのファクシミリ通信にて、通信エラーが発生し、低解像度でのファクシミリ通信を行った際に、「その旨、及び再ダイヤルした時の解像度」を表示することが可能であるため、オペレータに確実にファクシミリ通信状態を報知することができる。これらにより、送信機と受信機の何らかのプロトコルの解釈、画信号の送信方法の解釈等により、600dpiの解像度あるいは1200dpiの解像度にて通信エラーとなっても、確実にファクシミリ通信が実行でき、その旨を送信機側のユーザにも通知でき、必要に応じて対応が可能になり、とてもユーザフレンドリーになった。
【0089】[第3の実施の形態例]以上に説明した第2の実施の形態例の画像通信装置では、エラー通信が発生すると、直ちにファクシミリ通信を行う解像度を変更する例について説明した。しかし、本発明は以上の例に限定されるものではなく、例えば所定か数エラー通信が続いて様な場合に初めて通信解像度を変更するように制御しても良い。このように制御する本発明に係る第3の実施の形態例を以下説明する。
【0090】以下の説明は連続して3回エラー通信が発生した場合に解像度を1段階落とす場合について説明する。第3の実施の形態例においても基本的なハードウエア構成は上述した第2の実施の形態例同様であるため、詳細説明を省略する。
【0091】更に、ファクシミリ通信制御も共通しているため、上述した図6乃至図9に示す第2の実施の形態例と異なる制御のみ図10を参照して説明する。図10は本発明に係る第3の実施の形態例の図6乃至図9に示す第2の実施の形態例と異なる制御を説明するためのフローチャートである。
【0092】第3の実施の形態例においては、第2の実施の形態例と同様に、ワンタッチダイヤルに対応し、600dpiの解像度での送信履歴、1200dpiの解像度での送信履歴を記憶する手段を有しており、具体的にはメモリ18中に所定の記憶領域を有している。そして、ここには過去所定回数分(例えば少なくとも最新の3回分)の各ワンタッチダイヤルごと、短縮ダイヤルとしての登録宛先毎に通信履歴を保持可能である。なお、第1乃至第2の実施の形態例のファクシミリ装置においても、この機能は全く同じである。
【0093】第3の実施の形態例では、この通信履歴の記憶情報に基づいて1200dpiの解像度でのファクシミリ送信を試み、所定回数連続してファクシミリ通信エラーとなると次回以降のこの宛先へのファクシミリ送信は、1200dpiの解像度でのファクシミリ送信を実行せず、また、同様に600dpiの解像度でのファクシミリ送信を試み、所定回数連続してファクシミリ送信エラーとなると、次回以降のこの宛先へのファクシミリ送信は600dpiの解像度でのファクシミリ送信を実行しない。
【0094】図10に示すように第3の実施の形態例によれば、ステップS120での判断で1200dpiの解像度の送信が選択されている場合にはステップS122に進むのではなく、ステップS192の処理に進み、メモリ18の通信履歴記憶領域を検索する。そして、通信が選択された宛先(例えばワンタッチダイヤル指定宛先)への発呼にあたり、1200dpiの解像度の送信にて過去3回連続エラーしたか否かを判断する。エラー通信でなければステップS122に進む。
【0095】一方、ステップS192で過去3回連続エラーした場合にはステップS200に進み、メモリ18の情報を入力し、このワンタッチダイヤルへの発呼にあたり、600dpiの解像度の送信にて、過去3回連続エラーしたか否かを判断する。過去3回連続エラー場合にはステップS204に進み、ウルトラファインモードでの送信が指定されたものとした処理を行うように設定する。そしてこの設定に従ってステップS168の残りの前手順処理を行う。
【0096】一方、ステップS200で過去3回連続エラーしていない場合にはステップS152に進む。
【0097】また、ステップS122で受信側が1200dpiで受信可能でない場合にステップS168に進むのではなく、ステップS200の処理に進む。
【0098】同様に、ステップS150の判断で600dpiの解像度の送信が選択されている場合にはステップS154に進むのではなく、ステップS200の処理に進む。
【0099】なお、以上の連続エラー回数は3回に限定されるものではなく、5回、或いはそれ以上であってもよく、任意の数を設定できる。
【0100】以上に説明した第3の実施の形態例によれば、ワンタッチダイヤル等の宛先記録相手との通信において、600dpiの解像度での送信履歴、1200dpiの解像度での送信履歴を記憶可能であることより、この記憶情報に基づいて、1200dpiの解像度でのファクシミリ送信を試み、所定回数連続してファクシミリ送信エラーとなると、次回以降のこの宛先へのファクシミリ送信は、1200dpiの解像度でのファクシミリ送信を実行せず、また同様に、600dpiの解像度でのファクシミリ送信を試み、所定回数連続してファクシミリ送信エラーとなると、次回以降のこの宛先へのファクシミリ送信は、600dpiの解像度でのファクシミリ送信を実行しないことが可能になる。これにより、各宛先に対応し、600dpiの解像度での通信履歴、1200dpiの解像度での通信履歴を独立に記憶でき、この通信履歴に基づいて適切な解像度での通信を選択でき、使い易いファクシミリ通信が可能となる。特に1段階低い解像度での通信を行うことにより、不用意に低解像度でのファクシミリ通信に移行することなく、確実なファクシミリ通信が可能となる。
【0101】
【他の実施形態】なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0102】また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0103】更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0104】本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した各フローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0105】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、本当に高解像度通信が必要な場合には高解像度での画像通信を可能としつつ、画像情報の通信時間が長くなることを有効に防止できる情報通信装置及び通信方法が提供できる。
【0106】また、通信エラーを繰り返すようなことのない、確実なファクシミリ通信が可能な画像通信装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一発明の実施の形態例の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態例のファクシミリ装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】本実施の形態例のファクシミリ装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】本実施の形態例のファクシミリ装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】本実施の形態例のファクシミリ装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明に係る第2の実施の形態例のファクシミリ装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】第2の実施の形態例のファクシミリ装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】第2の実施の形態例のファクシミリ装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】第2の実施の形態例のファクシミリ装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】本発明に係る第3の実施の形態例の図6乃至図9に示す第2の実施の形態例と異なる制御を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
2 NCU
4 電話機
6 ハイブリッド回路
8 変復調器
10 発呼回路
12 加算回路
14 取消回路
16 記録回路
18 メモリ回路
20 操作部
22 CPU
24 ROM
26 バス
100 FAXA
128 サービスプロバイダA
130 サービスプロバイダB
132 FAXB
134 PSTN
136 PSTN
138 インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数種類の通信媒体を介して画像通信可能な情報通信装置において、少なくも2種の解像度での画像通信のうちのいずれかの解像度での画像通信を選択する選択手段を有し、前記選択手段は、特定の条件に合致した通信の場合に高解像度での画像通信を選択し、特定の条件以外の場合は低解像度で画像通信を実行することを特徴とする情報通信装置。
【請求項2】 前記複数種類の通信媒体は一般公衆電話回線網とインターネット通信網を含み、前記選択手段はインターネット通信網を介した画像通信を高解像で画像通信するように選択することを特徴とする請求項1記載の情報通信装置。
【請求項3】 前記複数種類の通信媒体は一般公衆電話回線網とインターネット通信網を含み、前記一般公衆電話回線網のみを介した画像通信において高解像度での画像通信を許可するためのパスワードを登録する登録手段と、画像通信に先立ち、前記登録手段に登録してあるパスワードが入力されると前記一般公衆電話回線網のみを介した画像通信において高解像度での画像通信を行う通信制御手段とを備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載の情報通信装置。
【請求項4】 画像通信として同一の相手に回線を開放せずに連続して異なる情報を通信する一括送信が指定された場合であっても、通信毎に前記パスワードの入力がないと、同高解像度での画像通信を許可しないことを特徴とする請求項3記載の情報通信装置。
【請求項5】 所定の解像度での画像通信が可能な情報通信装置であって、画像通信における受信側情報通信装置に、送信側装置に自装置で受信可能な解像度を通知する通知手段を備え、画像通信における送信側情報通信装置に、受信側装置の受信可能解像度中の所定解像度で画像を送信する送信手段を備え、前記送信手段は、画像通信中に通信エラーが発生した場合には次回の同じ通信相手との画像通信において先に通信した解像度での画像送信を禁止することを特徴とする情報通信装置。
【請求項6】 前記送信手段による画像通信中に通信エラーが発生した場合において、前記送信手段は同じ通信相手との画像通信において先に通信した解像度とは異なる解像度での画像通信を行うように選択し、通信エラーの発生及び通信相手との画像通信における画像通信解像度を報知可能とすることを特徴とする請求項5記載の情報通信装置。
【請求項7】 前記送信手段による画像通信履歴を保持する保持手段を備え、前記送信手段は、所定回連続して通信エラーが発生した場合において、前記送信手段は同じ通信相手との画像通信において先に通信した解像度とは異なる解像度での画像通信を行うように選択することを特徴とする請求項5記載の情報通信装置。
【請求項8】 前記送信手段による画像通信中に通信エラーが発生した場合において、次回の同じ通信相手との画像通信における画像通信解像度は先の画像通信解像度より低い解像度であることを特徴とする請求項6または請求項7記載の情報通信装置。
【請求項9】 前記画像通信は、少なくとも600dpiまたは1200dpiの解像度での通信が可能なファクシミリ通信であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の情報通信装置。
【請求項10】 複数種類の通信媒体を介して画像通信可能な情報通信装置における通信方法であって、少なくも2種の解像度での画像通信のうちのいずれかの解像度での画像通信を選択し、特定の条件に合致した通信の場合に高解像度での画像通信を選択し、特定の条件以外の場合は低解像度で画像通信を実行することを特徴とする通信方法。
【請求項11】 前記複数種類の通信媒体は一般公衆電話回線網とインターネット通信網を含み、インターネット通信網を介した画像通信を高解像で画像通信するように選択することを特徴とする請求項10記載の通信方法。
【請求項12】 前記複数種類の通信媒体は一般公衆電話回線網とインターネット通信網を含み、前記一般公衆電話回線網のみを介した画像通信において高解像度での画像通信を許可するためのパスワードを予め登録しておき、画像通信に先立ち、前記登録してあるパスワードが入力されると前記一般公衆電話回線網のみを介した画像通信において高解像度での画像通信を行うことを特徴とする請求項10または請求項11記載の通信方法。
【請求項13】 画像通信として同一の相手に回線を開放せずに連続して異なる情報を通信する一括送信が指定された場合であっても、通信毎に前記パスワードの入力がないと、同高解像度での画像通信を許可しないことを特徴とする前記請求項12記載の通信方法。
【請求項14】 所定の解像度での画像通信が可能な情報通信装置における通信方法であって、画像通信における受信側情報通信装置より送信側装置に自装置で受信可能な解像度を通知し、画像通信における送信側情報通信装置は受信側装置の受信可能解像度中の所定解像度で画像を送信中に通信エラーが発生した場合には次回の同じ通信相手との画像通信において先に通信した解像度での画像送信を禁止することを特徴とする通信方法。
【請求項15】 前記画像送信中に通信エラーが発生した場合には、次回の同じ通信相手との画像通信において先に通信した解像度とは異なる解像度での画像通信を行うように選択し、通信エラーの発生と同じ通信相手との画像通信における画像通信解像度を表示することを特徴とする請求項14記載の通信方法。
【請求項16】 前記送信手段による画像通信履歴を保持し、所定回連続して通信エラーが発生した場合には、前記同じ通信相手との画像通信において先に通信した解像度とは異なる解像度での画像通信を行うように選択することを特徴とする請求項14記載の通信方法。
【請求項17】 前記画像通信中に通信エラーが発生した場合において、次回の同じ通信相手との画像通信における画像通信解像度は先の画像通信解像度より低い解像度であることを特徴とする請求項15または請求項16記載の通信方法。
【請求項18】 前記画像通信は、少なくとも600dpiまたは1200dpiの解像度での通信が可能なファクシミリ通信であることを特徴とする請求項10乃至請求項17のいずれかに記載の通信方法。
【請求項19】 前記請求項1乃至請求項18のいずれか1項に記載の機能を実現するコンピュータプログラム列。
【請求項20】 前記請求項1乃至請求項18のいずれか1項に記載の機能を実現するコンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読記録媒体。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図4】
image rotate


【図3】
image rotate


【図5】
image rotate


【図6】
image rotate


【図7】
image rotate


【図8】
image rotate


【図9】
image rotate


【図10】
image rotate


【公開番号】特開2002−51183(P2002−51183A)
【公開日】平成14年2月15日(2002.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−234644(P2000−234644)
【出願日】平成12年8月2日(2000.8.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】