情報配信システム、センター装置、車載器
【課題】車載器に搭載されている再生機の種類に変更があった場合に、ユーザが手間をかけることなく変更後の再生機に応じたコンテンツ情報を車載器で受信できるようにする。
【解決手段】本発明に係る情報配信システム100によれば、センター装置30の制御部31は、車載器10から受信されたアップリンク情報に含まれるカーナビ部型番情報と車載器テーブル342に記憶されている車載器10の前回通信時のカーナビ部型番情報とに基づいて、車載器10に搭載されている再生機1hの種類が変更されたか否かを判断する。再生機1hの種類が変更された場合、制御部31は、アップリンク情報に含まれる嗜好情報において、前回通信時の再生機1hの種類に対応する項目が嗜好する項目に設定されているか否かを判断し、嗜好する項目に設定されている場合、変更後の再生機1hの種類に対応する項目を嗜好する項目に追加した嗜好情報を生成し車載器に送信する。
【解決手段】本発明に係る情報配信システム100によれば、センター装置30の制御部31は、車載器10から受信されたアップリンク情報に含まれるカーナビ部型番情報と車載器テーブル342に記憶されている車載器10の前回通信時のカーナビ部型番情報とに基づいて、車載器10に搭載されている再生機1hの種類が変更されたか否かを判断する。再生機1hの種類が変更された場合、制御部31は、アップリンク情報に含まれる嗜好情報において、前回通信時の再生機1hの種類に対応する項目が嗜好する項目に設定されているか否かを判断し、嗜好する項目に設定されている場合、変更後の再生機1hの種類に対応する項目を嗜好する項目に追加した嗜好情報を生成し車載器に送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報配信システム、センター装置、車載器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車載器では、DSRC(Dedicated Short Range Communication:狭域通信)を利用して路上や駐車場等に設置された路側無線装置と無線通信を行い、当該路側無線装置を介してセンター装置から自車の周辺にある施設(例えば、店舗や医療機関等)に関するコンテンツ情報の提供を受けることが可能となっている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−109032号公報
【0003】
DSRC通信を用いてセンター装置から車載器に情報を配信する情報配信システムでは、できるだけ配信するコンテンツ情報の内容を車内のユーザに合わせるため、ユーザの嗜好情報等をセンター装置に提供するしくみが検討されている。センター装置は、通信開始時に車載器から送信されるユーザの嗜好情報等に基づいて車内のユーザに適したコンテンツ情報を編成して配信する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、ユーザが希望するカテゴリのコンテンツ情報を受信するためには、車載器において嗜好情報を設定する操作が必要となる。例えば、車載器に搭載されている再生装置(以下、再生機という)に関連するコンテンツ情報を受信したい場合には、当該再生機の種類に対応するカテゴリを嗜好情報に設定する操作が必要となる。また、車載器に搭載されている再生機の種類に変更があった場合には、嗜好情報の設定を変更する必要がある。この嗜好情報の設定変更は、ユーザにとっては手間を必要とし、煩雑であった。
【0005】
本発明の課題は、路側無線装置を介してセンター装置から車載器にコンテンツ情報を配信する配信サービスにおいて、車載器に搭載されている再生機の種類に変更があった場合に、ユーザが手間をかけることなく変更後の再生機に応じたコンテンツ情報を車載器で受信できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
ユーザが嗜好するコンテンツ情報のカテゴリを示す嗜好情報に応じてコンテンツ情報を配信するセンター装置と、ユーザの操作に応じて設定された嗜好情報を前記センター装置に送信して前記嗜好情報に応じたコンテンツ情報を受信する車載器と、が路側無線装置を介してデータ送受信可能に接続された情報配信システムであって、
前記車載器は、
音声及び/又は映像を再生する再生装置と、
当該車載器の識別情報、前記設定されたユーザの嗜好情報及び前記再生装置の機種情報を前記センター装置に送信する情報送信手段と、を備え、
前記センター装置は、
前記車載器との最終通信時における当該車載器の再生装置の機種情報を当該車載器の識別情報に対応付けて記憶する車載器情報記憶手段と、
前記車載器から前記機種情報が受信された際に、当該受信された機種情報と前記車載器情報記憶手段に記憶されている当該車載器に対応する機種情報とに基づいて当該車載器に搭載されている再生装置の種類が変更されたか否かを判断し、変更された場合に、変更後の再生装置の種類に対応するカテゴリを前記ユーザの嗜好情報に追加して前記車載器に送信する制御手段と、を備える。
【0007】
請求項2に記載の発明は、
ユーザが嗜好するコンテンツ情報のカテゴリを示す嗜好情報に応じてコンテンツ情報を車載器に配信するセンター装置であって、
路側無線装置を介して、前記車載器とデータ送受信を行う通信手段と、
前記車載器との最終通信時における前記車載器の再生装置の機種情報を当該車載器の識別情報に対応付けて記憶する車載器情報記憶手段と、
前記通信手段により前記車載器から送信された当該車載器の識別情報、当該車載器のユーザの嗜好情報及び当該車載器に備えられた再生装置の機種情報が受信された際に、当該受信された機種情報及び前記車載器情報記憶手段に記憶されている当該車載器に対応する機種情報とに基づいて当該車載器に搭載されている再生装置の種類が変更されたか否かを判断し、変更された場合に、変更後の再生装置の種類に対応するカテゴリを前記ユーザの嗜好情報に追加して前記通信手段により前記車載器に送信する制御手段と、
を備える。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、
前記制御手段は、前記受信したユーザの嗜好情報に変更前の再生装置の種類に対応するカテゴリが含まれているか否かを判断し、含まれている場合に、前記変更後の再生装置の種類に対応するカテゴリを前記ユーザの嗜好情報に追加する。
【0009】
請求項4に記載の発明は、
ユーザが嗜好するコンテンツ情報のカテゴリを示す嗜好情報に応じてコンテンツ情報を配信するセンター装置と、ユーザの操作に応じて設定された嗜好情報を前記センター装置に送信して前記嗜好情報に応じたコンテンツ情報を受信する車載器と、が路側無線装置を介してデータ送受信可能に接続された情報配信システムであって、
前記車載器は、
前記設定されたユーザの嗜好情報を記憶する嗜好情報記憶手段と、
音声及び/又は映像を再生する再生装置と、
前記再生装置の変更時に変更前の再生装置の機種情報を記憶する機種情報記憶手段と、
前記機種情報記憶手段に記憶された変更前の再生装置の機種情報と現在の再生装置から取得した機種情報とに基づいて、当該車載器に搭載されている再生装置の種類が変更されたか否かを判断し、変更された場合に、変更後の再生装置の種類に対応するカテゴリを前記ユーザの嗜好情報に追加する制御手段と、
を備える。
【0010】
請求項5に記載の発明は、
ユーザが嗜好するコンテンツ情報のカテゴリを示す嗜好情報に応じてコンテンツ情報を配信するセンター装置と路側無線装置を介してデータ送受信を行う通信手段を備え、ユーザの操作に応じて設定された嗜好情報を前記通信手段により前記センター装置に送信し前記嗜好情報に応じたコンテンツ情報を受信する車載器であって、
前記設定されたユーザの嗜好情報を記憶する嗜好情報記憶手段と、
音声及び/又は映像を再生する再生装置と、
前記再生装置の変更時に変更前の再生装置の機種情報を記憶する機種情報記憶手段と、
前記機種情報記憶手段に記憶された変更前の再生装置の機種情報と現在の再生装置から取得した機種情報とに基づいて、当該車載器に搭載されている再生装置の種類が変更されたか否かを判断し、変更された場合に、変更後の再生装置の種類に対応するカテゴリを前記ユーザの嗜好情報に追加する制御手段と、
を備える。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、
前記制御手段は、前記嗜好情報記憶手段に記憶されているユーザの嗜好情報に変更前の再生装置の種類に対応するカテゴリが含まれているか否かを判断し、含まれている場合に、前記変更後の再生装置の種類に対応するカテゴリを前記ユーザの嗜好情報に追加する。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、
操作手段と、
前記操作手段による操作に応じてユーザの嗜好情報を設定するための設定画面を表示する表示手段とを備え、
前記制御手段は、前記車載器に搭載されている再生装置の種類が変更された場合に、変更後の再生装置の種類に対応するカテゴリを追加した嗜好情報を前記設定画面に表示させ、前記操作手段による設定指示に応じて、前記変更後の再生装置の種類に対応するカテゴリを追加した嗜好情報を前記嗜好情報記憶手段に記憶させる。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項5〜7の何れか一項に記載の発明において、
前記制御手段は、前記再生装置に接続されるスピーカの変更時に、変更前後のスピーカ構成情報を取得し、当該取得した変更前後のスピーカ構成情報に基づいて、前記再生装置におけるスピーカ構成がサラウンド構成に変更されたか否かを判断し、サラウンド構成に変更された場合に、サラウンド構成の前記再生装置に対応するカテゴリを前記ユーザの嗜好情報に追加する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、路側無線装置を介してセンター装置から車載器にコンテンツ情報を配信する配信サービスにおいて、車載器に搭載されている再生機の種類に変更があった場合に、ユーザが手間をかけることなく変更後の再生機に応じたコンテンツ情報を車載器で受信することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0016】
〈第1の実施の形態〉
まず、第1の実施の形態の構成を説明する。
図1に、本実施形態における情報配信システム100を示す。
情報配信システム100は、図1に示すように、車両Cに搭載された車載器10、路側無線装置20、センター装置30を含んで構成され、センター装置30が路側無線装置20を介して車載器10にコンテンツ情報を配信する。路側無線装置20は路上や駐車場等に複数設置され、各路側無線装置20はネットワークNを介してセンター装置30と接続されている。また、路側無線装置20と、路上を走行する車両Cの車載器10とは無線通信が可能である。
【0017】
センター装置30が車載器10に配信するコンテンツ情報の内容としては、例えば、車両C周辺の店舗、駐車場、医療施設等の各種施設のサービス案内等が挙げられる。なお、図1では1台のセンター装置30のみ示したが、コンテンツ情報を配信する配信事業者は複数あり、センター装置30は配信事業者毎に備えられるものである。
【0018】
以下、各構成装置について詳細に説明する。
路側無線装置20は、図2に示すように本体装置20aとアンテナ20bとから構成されている。路側無線装置20は、道路脇や道路上方、駐車場、道の駅等に設置されたアンテナ20bから、到達距離が限定されたDSRCの電波を放射して、路側無線装置20近傍に相互通信エリアZを形成する。この相互通信エリアZ内にある車両Cの車載器10とだけ双方向狭域無線通信が可能となる。以下、路側無線装置20と車載器10間の狭域無線通信を路車間通信という場合がある。
【0019】
DSRCは5.8GHz帯域の電波を使った通信方式であり、その通信範囲は例えば数メートルから数十メートルである。路側無線装置20からのDSRCの送信出力は何れも同じ程度に設定されているので、複数の路側無線装置20がそれぞれ形成する相互通信エリアZは設置場所に関係なく、ほぼ一定である。
【0020】
本体装置20aは、車載器10とセンター装置30間の情報のやりとりを仲介するための処理を行う。すなわち、アンテナ20bを介して車載器10から受信された情報をセンター装置30に転送し、センター装置30から送信されたコンテンツ情報を車載器10へ転送する。本体装置20aは、情報処理や通信制御を行う制御部、記憶部等を備えたコンピュータ端末を適用することができる。
なお、路側無線装置20の本体装置20aがセンター装置30としての機能を一部或いは全部備えていてもよい。
【0021】
車載器10は、車両Cに搭載され、案内経路への誘導のための処理等を行うナビゲーション機能の他、DSRCによるETC(Electronic Toll Collection System)利用のた
めの処理を行う機能等を有している。
車載器10は、図3に示すように、カーナビ部1、通信モジュール2、DSRC部3、制御部4を備えて構成されている。カーナビ部1、通信モジュール2、DSRC部3は、それぞれが独立して動作可能となっており、制御部4の制御により各部を協調動作させることにより車載器10として動作する。従って、車載器10のユーザは、カーナビ機能の向上等の目的でカーナビ部1を変更することができる。
【0022】
制御部4は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)
等から構成され、記憶部1fに記憶された制御プログラムとの協働により各種演算を行う他、各部の集中制御を行う。
例えば、路側無線装置20との路車間通信を行う際にはDSRC部3の通信動作を制御する。なお、DSRC部3の制御にあたってはDSRC部3のDSRC制御部3aとの協働により制御を行う。また、DSRC部3を介してセンター装置30から受信したコンテンツ情報の保存、再生制御等を行う。
【0023】
カーナビ部1は、カーナビ制御部1a、現在地検出部1b、地図記憶部1c、入力部1d、表示部1e、記憶部1f、音声出力部1g、再生機1h、メモリカードI/F1i等を備えて構成され、車両Cを案内経路へ誘導するための処理や、DSRC部3を介して受信されたコンテンツ情報の再生等を行うナビゲーション装置である。
カーナビ制御部1aは、現在地検出部1bから取得した現在地の情報及び地図記憶部1cに記憶された地図情報等に基づいて、車両Cの現在地から入力部1dを介して設定された目的地までの案内経路を算出する。そして、地図記憶部1cに記憶されている地図情報を用いて算出した案内経路へ誘導するための地図画面を生成し、表示部1eにより表示させる。
【0024】
現在地検出部1bは、GPSアンテナ、角度センサ、方位センサ、距離センサ等の各種センサを備え、これらセンサによる検出結果に基づいて車両Cの現在地を検出する。GPSアンテナは、GPS衛星から送信されるGPS信号を検出する。また、角度センサは移動方向の変化量を示す車の加速度(単位時間あたりの水平方向への回転速度)を検出し、方位センサは地磁気の検出を行い、車両の絶対方位を検出する。現在地検出部1bは、これらセンサから取得した各検出結果に基づいて車両の現在地を示す現在地情報(経度、緯度等の情報)を生成し、カーナビ制御部1aに出力する。
【0025】
地図記憶部1cは、不揮発メモリやDVD等の記録媒体から構成され、案内表示に必要な地図情報、通信モジュール2を介して受信されるガイド情報(道路情報、渋滞情報等)等を記憶している。
【0026】
入力部1dは、操作キーや表示部1eと一体に構成されるタッチパネル等から構成されている。入力部1dは、これらの操作に対応する操作信号を生成し、制御部4に出力する。
表示部1eは、モニタを備え、制御部4の制御に従ってモニタ上に各種情報を表示する。例えば、設定画面や地図画面、センター装置30から受信したコンテンツ情報の表示画面等である。
【0027】
記憶部1fは、不揮発メモリ等により構成され、制御部4やカーナビ制御部1aにより実行される制御プログラム、プログラムの実行に必要なパラメータやデータ等を記憶している。
また、記憶部1fは、アップリンク情報を記憶するとともに、センター装置30から受信したコンテンツ情報を記憶し保存する。
【0028】
ここで、アップリンク情報について説明する。アップリンク情報とは、路側無線装置20を介して車載器10とセンター装置30との通信が確立した際にセンター装置30に送信される情報であり、センター装置30において車載器10にどのような内容のコンテンツ情報を配信するかを決定する際に用いられる。アップリンク情報には、配信事業者特定情報、車両Cの目的地情報、経由地情報、累計走行距離情報、過去の立ち寄り地情報、ユーザの嗜好情報、受信/再生履歴情報、カーナビ部1の型番情報(カーナビ部型番情報という)等が含まれる。アップリンク情報は配信事業者毎に各配信事業者に応じた内容で制御部4により生成され、記憶部1fに記憶される。アップリンク情報は最新の内容となるように制御部4が常に更新を行って記憶部1fに保存させる。
【0029】
配信事業者特定情報は、ユーザが予めコンテンツ情報の配信について契約した配信事業者を特定する情報であり、例えば事業者コード、事業者名等である。
車両Cの目的地情報は、カーナビ部1で設定された目的地の緯度、経度の情報であり、経由地情報はカーナビ部1で設定された目的地までの誘導経路において経由する地点の緯度、経度の情報である。また、累計走行距離情報はDSRC部3のセットアップ(販売店などにより、車両情報を登録する作業)時点から現在までの車両Cの累計走行距離の情報であり、過去の立ち寄り地情報は過去に車両Cが停車した(つまり車載器10の電源がON又はOFFされた)地点の緯度、経度の情報及び時刻情報である。
【0030】
嗜好情報は、センター装置30においてユーザの嗜好に応じて配信するコンテンツ情報を選択するために用いるものである。嗜好情報は、コンテンツ情報の内容を分類した複数の項目(カテゴリ)毎に、ユーザが嗜好する項目として設定したか否かを示す情報を設定したものである。即ち、嗜好情報は、ユーザが嗜好するコンテンツ情報のカテゴリを示す情報である。項目は配信事業者が任意に設定でき、センター装置30により後述するコンテンツ情報(図9参照)のID80に含めて車載器10に配信される。
【0031】
図4に、センター装置30から配信される嗜好情報の一例を示す。センター装置30から配信される嗜好情報は、図4に示すように、コンテンツ情報の内容を分類した各項目についての「項目番号」、項目名を示すテキスト情報である「表示用テキスト」、階層を示す「表示用ネスト」、デフォルトの設定を示す「デフォルト値」、項目名を音声出力するための「表音文字列」等により構成されている。バージョンが異なると、各項目の内容が異なるものとなる。なお、嗜好情報には、図4では図示しないが、嗜好情報のバージョンを示す情報が含まれる。
【0032】
項目は階層構造を有しており、上記階層の情報である「表示用ネスト」は各項目がどの階層にあたるのかを示す。「0」は最上位の階層であることを示し、「1」、「2」と数字が大きくなるにつれて下位になることを示す。また、項目間の従属関係は項目番号により示す。つまり、従属関係のある項目群単位で各項目を並べ、その項目群の中でも従属関係のある項目については、上位の項目のすぐ後に従属する下位の項目を並べて項目番号を付与することにより、項目番号順に階層の情報を読み込めば従属関係と階層を判断することができる。
【0033】
図4の例で説明すると、最上位である「地域の情報」の項目は項目番号「000」、階層は「0」である。そのすぐ後の項目番号「001」の「工事のお知らせ」の項目は階層が「1」であるので、「地域の情報」の項目より階層が下位でありかつ「地域の情報」の項目に従属していることが分かる。
【0034】
車載器10の制御部4は、センター装置30から嗜好情報が配信されると、配信された嗜好情報に基づいて、ユーザが各項目毎に嗜好する/しない(即ち、視聴する/しない)を設定するための嗜好項目設定画面G1を表示部1eに表示する。
図5に、嗜好項目設定画面G1の一例を示す。嗜好項目設定画面G1には、階層に従って、各項目毎に、嗜好する項目として設定することを指示するための「ON」ボタン、嗜好しない項目として設定することを指示するための「OFF」ボタンが表示される。センター装置30から送信された嗜好情報のデフォルト値「1」は、当該項目が嗜好する項目として設定されていることを示す。デフォルト値「0」は、当該項目が嗜好しない項目として設定されていることを示す。デフォルト値「0」の場合は、例えば、「ON」ボタンが網掛け表示される。なお、車載器10に初回に嗜好情報が配信される際には、全ての項目が、例えば「1」に設定される等、ユーザの嗜好とは関係なく、配信事業者が自由に設定したうえで配信される。入力部1dを介してユーザが「ON」ボタンまたは「OFF」ボタンを押下することにより、現在の設定とは異なる設定を行うことができる。即ち、嗜好するカテゴリを嗜好情報に追加したり削除したりすることができる。現在の設定と同じでよい場合は、ユーザは入力操作をする必要はない。
入力部1dの操作により嗜好項目設定画面G1により設定が行われ、「OK」ボタンB1が押下されると、制御部4は、設定内容に基づいてセンター装置30への送信用の嗜好情報を生成しアップリンク情報の一部として記憶部1fに記憶させる。記憶部1fに記憶される送信用の嗜好情報は、図4に示す嗜好情報の各項目の表示用テキスト、表示用ネスト、各項目についての設定値(嗜好する項目として設定された項目は「1」、嗜好しない項目として設定された項目は「0」)、及び嗜好情報のバージョンを示す情報を含む。
【0035】
受信/再生履歴情報は、受信したコンテンツ情報の情報コード、再生したコンテンツ情報の情報コード等の情報である。
カーナビ部型番情報は、カーナビ部1の機種名を示す情報である。なお、第1〜第3の実施の形態においては、車載器10に搭載されている再生機1hの機種を示す情報としてカーナビ部型番情報を使用する場合を例にとり説明するが、再生機1hの機種情報としては、これに限定されず、再生機1hそのものの機種を示す情報を用いても良い。
【0036】
音声出力部1gは、音声処理部、D/A変換器、増幅器、スピーカ等を備えて構成される。音声出力部1gは、制御部4から指示された音声データをD/A変換器によりアナログ信号に変換してスピーカにより音声出力する。また、音声出力部1gは、制御部4から指示された表音文字列データに基づいて音声処理部により合成音声信号を生成し、スピーカにより音声出力する。
【0037】
再生機1hは、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、又はブルーレイディスク等の記録メディアに記録されている音声データ及び/又は映像データ等を読み出して再生する。カーナビ部1に搭載されている再生機1hの種類(例えば、CDプレーヤ、DVDプレーヤ、ブルーレイディスクプレーヤ、・・・)は、カーナビ部1の機種によって決まる。また、再生機1hは、外部スピーカSPが複数接続可能に構成されており、ユーザが再生機1hのスピーカ構成を自由に変更できるようになっている。
【0038】
メモリカードI/F1iは、メモリカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の外部メモリデバイスEDを接続可能であり、外部メモリデバイスEDとのデータの入出力を行うためのインターフェースである。
【0039】
通信モジュール2は、光通信用、FM通信用、2.4GHz電波通信用のアンテナをそれぞれ備え、通信センターと光通信、FM通信、電波通信を行う。通信モジュール2は通信センターから渋滞情報や道路交通情報等を受信し、制御部4に出力する。通信センターとしてはVICSセンター等を挙げることができるが、これに限らず、また、通信センターから受信する情報としては、渋滞情報や道路交通情報に限らない。
なお、通信モジュール2は他にもWiMax(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等のDSRC以外の通信手段を使用することにより、インターネット等の情報を入手することもできる。
【0040】
DSRC部3は、DSRCによるETC利用のための処理や、センター装置30からコンテンツ情報を受信するための通信処理等を行う。
DSRC部3は、図3に示すようにDSRC制御部3a、通信部3b、記憶部3c、ETC処理部3e、ICカードI/F3fを備えて構成されている。
【0041】
DSRC制御部3aは、CPU、RAM等から構成され、記憶部3cに記憶されている制御プログラムとの協働によりDSRC部3の各部の動作を制御する。
例えば、ETCによる決済を行う際には、通信部3bの通信動作を制御してETC基地局(ETC決済を行うためにETCゲート付近等に設けられる無線基地局)と決済情報の送受信を行わせる。また、ETC処理部3eにより決済情報の書込処理を行わせる。
また、センター装置30からコンテンツ情報を受信する際には、制御部4の指示に従って記憶部3cのアップリンク情報記憶領域MEに記憶されている情報を、通信部3bにより路側無線装置20に送信させる一方、通信部3bにより路側無線装置20を介してコンテンツ情報を受信した場合にはこれを制御部4に出力する。
【0042】
通信部3bは、例えば車両Cのダッシュボード上でフロントガラス近傍に固設されたアンテナを備え、このアンテナを介して路側無線装置20やETC基地局等と、DSRCの電波の送受信を行う。
【0043】
記憶部3cは、不揮発メモリ等により構成され、DSRC制御部3aにより実行される制御プログラム等を記憶している。
また、記憶部3cにはアップリンク情報記憶領域MEが設けられている。アップリンク情報記憶領域MEは、センター装置30に情報を提供するために専用に設けられた記憶領域であり、アップリンク情報の他、車載器10の特性情報(図示せず)が記憶される。
【0044】
特性情報とは、車載器10の機器特性に関する情報をいう。特性情報には、車載器10の車載器ID、車載器10が対応できる言語、地図の測地系、車載器10が対応可能な著作権管理技術、表示部1eのディスプレイの解像度、SVG(Scalable Vector Graphics)の対応、コンテンツ情報の蓄積が可能な記憶容量等の情報が含まれる。なお、車載器IDは各車載器10に固有の識別情報である。
【0045】
アップリンク情報をセンター装置30に送信する際のデータ形式は予め定められており、記憶部1fに記憶されたアップリンク情報は、所定のタイミングで、上記予め定められたデータ形式に則ってアップリンク情報記憶領域MEに書き込まれる。例えば、嗜好情報は、そのバージョン情報と、各項目の設定値(「1」又は「0」)を項目番号順に並べたデータが書き込まれる。
【0046】
ETC処理部3eは、ICカードI/F3fに挿抜されるIC付きクレジットカード又はデビットカード等に対して決済情報等の読み書きを行う。
ICカードI/F3fは、上記クレジットカード等のスロットを備え、このスロットに挿入されたクレジットカード等のICとETC処理部3eの間で情報のやりとりを仲介する。
【0047】
次に、センター装置30について説明する。
センター装置30は、コンテンツ情報を記憶し、これを車載器10に配信する。
図6に、センター装置30の機能的構成を示す。
図6に示すように、センター装置30は制御部31、入力部32、表示部33、記憶部34、通信部35を備えて構成されている。
【0048】
制御部31は、CPU、RAM等から構成され、記憶部34に記憶された制御プログラムとの協働により各種演算を行う他、各部の集中制御を行う。
例えば、制御部31は記憶部34に保存されているコンテンツ情報を読み出して編成したり、編成したコンテンツ情報の配信制御を行う。なお、編成とは配信するコンテンツ情報をアップリンク情報に基づいて選択すること等をいう。
【0049】
入力部32は、キーボード等を備えて操作入力を受け付け、当該操作入力に応じた操作信号を制御部31に出力する。
表示部33はディスプレイを備え、制御部31の表示制御に従ってディスプレイ上に各種画面を表示する。
【0050】
記憶部34は、不揮発メモリやハードディスク等により構成され、制御部31により実行されるプログラムの他、プログラムの実行に必要な各種データを記憶する。
【0051】
例えば、記憶部34は、コンテンツ情報の配信事業者に個別に付与されている事業者コードを記憶している。また、記憶部34は、各バージョンの嗜好情報を記憶している。また、ユーザはコンテンツ情報の配信サービスに加入する契約を行う際、会員登録を行うので、記憶部34はこの会員登録されたユーザの氏名、住所等の特定情報の他、ユーザが所有する車載器10の車載器IDをユーザ毎にデータベース化して記憶する。
【0052】
また、記憶部34は、図6に示すように、再生機テーブル341、車載器テーブル342等を記憶している。
【0053】
図7に、再生機テーブル341のデータ格納例を示す。図7に示すように、再生機テーブル341は、車載器10にカーナビ部1として搭載可能なナビゲーション装置のメーカ名(「メーカ」)及び型番情報(「カーナビ部型番」)を示す情報と、当該ナビゲーション装置に搭載されている再生機の種類を示す情報(「再生機」)とを対応付けて記憶する。なお、ここでの再生機の種類を示す情報は、表示用テキストの形式で格納されている。再生機テーブル341の内容は、車載器10に搭載可能なナビゲーション装置が新しく発売される度に更新される。
【0054】
図8に、車載器テーブル342のデータ格納例を示す。図8に示すように、車載器テーブル342は、コンテンツ配信サービスの会員が所有する車載器10を識別するための「車載器ID」と、その車載器10に搭載されているカーナビ部1の型番を示すカーナビ部型番情報(「カーナビ部型番」)とを対応付けて記憶する。車載器テーブル342の内容は、各車載器10との通信が行われる毎に制御部31により更新され、最終通信時における車載器10のカーナビ部型番情報が記憶される。
【0055】
また、記憶部34は、コンテンツ情報の配信事業者に個別に付与されている事業者コードや、配信すべきコンテンツ情報を記憶している。コンテンツ情報は嗜好情報の項目毎に分類されて記憶されている。
【0056】
図9に、センター装置30から配信されるコンテンツ情報のデータフォーマットの一例を示す。
コンテンツ情報は、図9に示すように、大区分番号(ID)により分類される情報がいくつかの格納可能なファイルにより構成され、提供するコンテンツの内容に応じて必要なIDの情報が格納されている。
【0057】
ここで、IDにより分類される情報のうち、本実施形態に必要な主要な情報について説明する。
ID00に分類される「構成ID情報」は、当該コンテンツ情報を構成するIDの情報である。即ち、構成ID情報は、当該コンテンツ情報の何れのIDに情報が格納されているかを示す情報である。
ID01に分類される「事業者情報」は、当該コンテンツ情報を配信する配信事業者に関する情報であり、例えば、コンテンツを提供する配信事業者の「事業者コード」、「事業者名表示用テキスト」等が含まれる。
【0058】
ID02、ID03に分類される「コンテンツ属性情報」は、当該コンテンツ情報の属性を示す情報である。
ID02に分類される「コンテンツ属性情報」には、例えば、コンテンツ情報を提供する情報提供企業の「情報提供企業コード」、「情報提供企業名表示用テキスト」、コンテンツ情報を特定するために個別に付与された識別コードである「情報コード」、コンテンツ情報の内容を示す「情報タイトル表示用テキスト」、コンテンツ情報のカテゴリを示す「嗜好データカテゴリ情報」等が含まれる。この嗜好データカテゴリ情報は、コンテンツ情報のカテゴリを上述の嗜好情報の項目番号で示すものである。
ID03に分類される「コンテンツ属性情報」には、当該コンテンツを相互通信エリアZ外でも利用可能なコンテンツとして蓄積するか、受信完了後に即時再生するかを表す識別子としての「即時/蓄積コード」が含まれる。
ID04に分類される「有効期限情報」は、当該コンテンツ情報の有効期限を示す情報であり、「開始年月日時分秒」、「終了年月日時分秒」等が含まれる。
【0059】
ID10に分類される「対象地点情報」は、当該コンテンツ情報により案内されるサービスが提供される地点(対象地点という)に関する情報やコンテンツの実データ(画像、音声等のデータ)を含む。「対象地点情報」は、対象地点の緯度経度を示す「対象地点座標情報」、対象地点で提供されるサービスや店舗の名称を示す「サービス名称表示用テキスト」、サービスの説明用テキスト情報である「表示用文字データ」、サービス案内の画面を表示するための「表示画像データ」、サービスの音声案内のための「表音文字列データ」及び「圧縮音声データ」、当該コンテンツ情報の内容に関連する情報を提供するWebページの格納場所のアドレスを示す「URL情報」、対象地点以外の提携駐車場を示す「提携駐車場情報」、対象地点を地図画面上に表示する際の「アイコン表示画像データ」等が含まれる。
【0060】
ID80に分類される「嗜好情報」は、上述のように、嗜好情報のバージョンを示す「嗜好情報バージョン情報」、コンテンツの分類を示す各項目毎の「項目番号」「表示用テキスト」「表示用ネスト」「デフォルト値」、「音声文字列」等が含まれる。
【0061】
次に、動作について説明する。
図10は、コンテンツ情報を配信する際におけるセンター装置30、路側無線装置20、車載器10のDSRC部3及び制御部4における処理の流れを説明するフローチャートである。
図10に示すように、まず車両Cのエンジンが起動し、車載器10の電源が投入されると(ステップS1)、制御部4は車載器10の特性情報を生成し、記憶部3cのアップリンク情報記憶領域MEに書き込む(ステップS2)。特性情報は、予めセンター装置30との間で取り決められている項目について制御部4が表示部1e等の各部に問い合わせて取得したり、予め記憶部1fに記憶されている情報を読み出す等して取得する。そして、取得された情報を制御部4がコード化し、アップリンク情報記憶領域MEの対応する領域に当該コードを書き込む。なお、実際には書込を指示する制御情報をDSRC制御部3aに出力し、このDSRC制御部3aがアップリンク情報記憶領域MEに書き込む。
【0062】
その後、車両Cが走行を開始し、路側無線装置20の相互通信エリアZに進入すると(エリアイン)、路側無線装置20は車両Cを検出し、車載器10のDSRC部3とDSRC通信による接続処理を開始する(ステップS3a、S3b)。すなわち、DSRCの電波を送出し、車載器10からの応答が得られると、通信路を確立する。通信路を確立すると、路側無線装置20はセンター装置30に対し接続が完了した旨の通知情報を送信する(ステップS4a)。一方、車載器10のDSRC部3は制御部4に対し接続が完了した旨の通知情報を出力する(ステップS4b)。
【0063】
次いで、DSRC部3はアップリンク情報記憶領域MEに書き込まれている特性情報を路側無線装置20に送信する(ステップS5)。特性情報は路側無線装置20を介してセンター装置30に送信される。
センター装置30において、通信部35により特性情報が受信されると、制御部31は、受信した特性情報に含まれる車載器IDに基づいて車載器10のユーザが配信サービスの会員か否かを判断する(ステップS6)。
【0064】
センター装置30の制御部31は、記憶部34に記憶されている会員データベースに登録されている配信サービスの全会員の車載器IDのうち、受信した車載器IDと一致するものがなく、車載器10のユーザが非会員であると判断すると(ステップS6;NO)、記憶部34から非会員用のコンテンツ情報を読み出し、通信部35により、路側無線装置20を介して車載器10に配信する(ステップS21)。配信が終了すると、センター装置30の制御部31は、配信終了を通知するメッセージ情報を生成して車載器10に送信し(ステップS22)、センター装置30における処理を終了する。非会員用のコンテンツ情報とは、例えば、電車の遅延情報、納税通知情報等の公共の広告情報等の一般向けの内容の情報である。
【0065】
一方、受信した車載器IDと一致する車載器IDが記憶部34に記憶されている会員情報データベースに登録されており、車載器10のユーザが会員であると判断すると(ステップS6;YES)、センター装置30の制御部31は、通信部35により、路側無線装置20を介して会員用のデフォルトのコンテンツ情報を車載器10に配信する(ステップS7)。会員用のデフォルトのコンテンツ情報は、例えば、コンテンツ情報の配信開始を示すWelcome画面情報等である。
【0066】
また、制御部31は、車載器10に対し定期的にポーリングを行って(ステップS8、S11)、アップリンク情報記憶領域MEに書き込まれたアップリンク情報の送信を要求する。
【0067】
路側無線装置20を介してコンテンツ情報が受信されると、車載器10の制御部4は、受信されたコンテンツ情報に含まれる事業者コードと、記憶部1fに記憶されているアップリンク情報に含まれる事業者コードとを照合することにより、受信されたコンテンツ情報を配信した配信事業者が契約した事業者であるか否かを判断する(ステップS9)。受信されたコンテンツ情報を配信した配信事業者が契約した事業者ではないと判断すると(ステップS9;NO)、制御部4は、ステップS18の処理に移行し、センター装置30からの配信終了を通知するメッセージ情報の受信に応じて、全てのコンテンツ情報が揃ったか否か、受信したコンテンツ情報のデータは全て正常か否か等の検査を行い(ステップS18)、受信したコンテンツ情報を記憶部1fに保存する(ステップS19)。そして、制御部4は、記憶部1fにコンテンツ情報の受信履歴情報を記憶し(ステップS20)、制御部4における処理を終了する。なお、契約していない事業者からのコンテンツ情報については、受信履歴情報の記憶は省略してもよい。
【0068】
一方、受信されたコンテンツ情報を配信した配信事業者が契約した事業者であると判断すると(ステップS9;YES)、制御部4は、当該事業者コードに対応するアップリンク情報を記憶部1fから読み出してアップリンク情報記憶領域MEに書き込む(ステップS10)。
【0069】
DSRC部3は、制御部4によりアップリンク情報の書込が行われると、センター装置30からのポーリングに応じて、アップリンク情報記憶領域MEに記憶されているアップリンク情報を、路側無線装置20を介してセンター装置30に送信する(ステップS12)。
【0070】
センター装置30において、通信部35を介してアップリンク情報が受信されると、制御部31は、受信されたアップリンク情報を一時的に記憶するとともに、通信部35により路側無線装置20を介して車載器10にアップリンク情報開放要求を送信する(ステップS13)。車載器10の制御部4は、センター装置30から送信されたアップリンク情報開放要求を路側無線装置20を介して受信すると、ステップS10においてアップリンク情報記憶領域MEに書き込んだアップリンク情報をアップリンク情報記憶領域MEから削除する(ステップS14)。
【0071】
センター装置30の制御部31は、受信されたアップリンク情報に基づいて、再生機変更チェック処理を行う(ステップS15)。
図11は、図10のステップS15においてセンター装置30の制御部31により実行される再生機変更チェック処理を示すフローチャートである。
【0072】
再生機変更チェック処理においては、まず、制御部31は、受信されたアップリンク情報から車載器IDを取得する(ステップS101)。次いで、制御部31は、車載器テーブル342を参照し、取得した車載器IDに対応付けて記憶されているカーナビ部型番情報を取得して変数Xに代入する(ステップS102)。この変数Xに代入されるカーナビ部型番情報は、前回通信を行ったときに送信されたアップリンク情報に含まれていたカーナビ部型番情報である。なお、初回通信時には、車載器テーブル342に車載器ID及びカーナビ部型番情報は記憶されていない。
【0073】
次いで、制御部31は、受信されたアップリンク情報に含まれるカーナビ部型番情報を取得して変数Yに代入する(ステップS103)。この変数Yに代入されるカーナビ部型番情報は、即ち、アップリンク情報送信元の車載器10における現在の(今回の)カーナビ部型番情報である。
【0074】
次いで、制御部31は、変数Xに値が代入されているか否かを判断し、変数Xに値が代入されていないと判断すると(ステップS104;NO)、ステップS101で取得した車載器IDと変数Yに代入したカーナビ部型番情報を対応付けて車載器テーブル342に追加記憶させ(ステップS105)、図10のステップS16の処理に移行する。
【0075】
一方、変数Xに値が代入されていると判断すると(ステップS104;YES)、制御部31は、変数Xに代入されている値と変数Yに代入されている値が一致するか否かを判断する(ステップS106)。変数Xに代入されている値と変数Yに代入されている値が一致すると判断すると(ステップS106;YES)、制御部31は、前回通信時のカーナビ部型番情報と現在のカーナビ部型番情報に変更がないと判断し、図10のステップS16の処理に移行する。
【0076】
変数Xに代入されている値と変数Yに代入されている値が一致しないと判断すると(ステップS106;NO)、制御部31は、再生機テーブル341を参照し、変数Xに代入されているカーナビ部型番情報に対応する再生機1hの種類を示す情報(再生機情報)を取得して、変数Aに代入する(ステップS107)。また、制御部31は、再生機テーブル341を参照し、変数Yに代入されているカーナビ部型番情報に対応する再生機1hの種類を示す再生機情報を取得して、変数Bに代入する(ステップS108)。
【0077】
次いで、制御部31は、変数Aに代入されている値と変数Bに代入されている値が一致するか否かを判断する(ステップS109)。即ち、前回通信時における車載器10の再生機1hの種類と現在の車載器10の再生機1hの種類が同じであるか否かを判断する。変数Aに代入されている値と変数Bに代入されている値が一致すると判断すると(ステップS109;YES)、制御部31は、ステップS113の処理に移行し、車載器テーブル342におけるステップS101で取得した車載器IDに対応するカーナビ部型番を変数Yに代入したカーナビ部型番情報に更新し(ステップS113)、図10のステップS16の処理に移行する。
【0078】
変数Aに代入されている値と変数Bに代入されている値が一致しないと判断すると(ステップS109;NO)、制御部31は、受信したアップリンク情報から車載器10のユーザの嗜好情報を取得する(ステップS110)。そして、取得した嗜好情報において、変数Aに代入されている、前回通信時における再生機1hの種類に対応する項目が嗜好する項目として設定(選択)されているか否かを判断する(ステップS111)。前回通信時における再生機1hの種類に対応する項目に「1」が設定されていない、即ち、前回通信時における再生機1hの種類に対応する項目が嗜好する項目として設定されていないと判断すると(ステップS111;NO)、制御部31は、ステップS113の処理に移行し、車載器テーブル342におけるステップS101で取得した車載器IDに対応するカーナビ部型番情報を変数Yに代入したカーナビ部型番情報に更新し(ステップS113)、図10のステップS16の処理に移行する。
【0079】
前回通信時における再生機1hの種類に対応する項目が嗜好する項目として設定されていると判断すると(ステップS111;YES)、制御部31は、変数Bに代入されている現在の再生機1hの種類に対応する項目のデフォルト値を「1」に変更した、即ち、当該項目を嗜好する項目として追加した嗜好情報を生成し、図9に示すコンテンツ情報のデータフォーマットのID80に格納して、通信部35により路側無線装置20を介して車載器10に配信する(ステップS112)。そして、車載器テーブル342におけるステップS101で取得した車載器IDに対応するカーナビ部型番情報を変数Yに代入したカーナビ部型番情報に更新し(ステップS113)、図10のステップS16の処理に移行する。
【0080】
具体的に、ステップS111においては、受信したアップリンク情報に含まれる嗜好情報と同じバージョンの嗜好情報を記憶部34から読み出し、変数Aに代入されている再生機情報と表示用テキストが一致する項目を検索する。そして、受信したアップリンク情報に含まれる嗜好情報において、上記検索された項目の項目番号に対応する設定値が「1」であるか否かを判断し、「1」であれば前回通信時における再生機1hの種類に対応する項目が嗜好する項目として設定(選択)されていると判断する。また、ステップS112においては、記憶部34から読み出した嗜好情報において、受信したアップリンク情報に含まれる嗜好情報の設定値「1」の項目のデフォルト値を「1」に、それ以外の項目のデフォルト値を「0」に設定するとともに、変数Bに代入されている再生機情報と表示用テキストが一致する項目のデフォルト値を「1」に変更することによりユーザ配信用の嗜好情報を作成し、この作成した嗜好情報を図9に示すコンテンツ情報のデータフォーマットのID80に格納して車載器10に配信する。
【0081】
ステップS111とステップS112の処理によって、例えば、車載器10の前回通信時における再生機1hの種類が「DVD」であり、現在の再生機1hの種類が「BD」である場合、アップリンク情報に含まれる嗜好情報で「DVD」の項目が選択されていれば「BD」の項目が自動的に嗜好する項目として設定されることとなる。即ち、ユーザが車載器10に搭載されている再生機1hに関連するコンテンツ情報の視聴を希望している場合、車載器10の再生機1hの種類が変更されると、変更後の再生機1hの種類に対応する項目が自動的に嗜好する項目に追加される。従って、ユーザは、嗜好項目設定画面G1上で変更後の再生機1hの種類に対応する項目を嗜好する項目として設定する手間を省くことが可能となる。
【0082】
図10のステップS16においては、制御部31は、受信されたアップリンク情報に基づいて配信するコンテンツ情報を編成し、通信部35により路側無線装置20を介して車載器10に配信する(ステップS16)。ステップS16においては、例えば、受信したアップリンク情報の嗜好情報等を参照し、記憶部34に記憶されているコンテンツ情報のうちユーザが嗜好する項目に分類されるコンテンツ情報等を配信するコンテンツとして選択し、該当するコンテンツ情報を記憶部34から読み出して車載器10に配信する。なお、図11のステップS112において既にコンテンツ情報を配信している場合は、配信しなくてもよいし、別のコンテンツ情報を更に配信してもよい。
【0083】
コンテンツ情報の配信が終了すると、センター装置30の制御部31は、配信終了を通知するメッセージ情報を生成し、通信部35により路側無線装置20を介して車載器10に送信する(ステップS17)。
【0084】
車載器10において、センター装置30から配信されたコンテンツ情報及び配信終了通知を路側無線装置20を介して受信すると、車載器10の制御部4は、全てのコンテンツ情報が揃ったか否か、受信したコンテンツ情報のデータは全て正常か否か等の検査を行い(ステップS18)、受信したコンテンツ情報を記憶部1fに保存する(ステップS19)。また、記憶部1fに受信履歴情報を記憶する(ステップS20)。具体的には、記憶部1fに記憶されている当該事業者コードに対応するアップリンク情報に受信したコンテンツ情報の受信情報コードを書き込む。
【0085】
車載器10が相互通信エリアZ外に移動することにより(エリアアウト)一定時間以上路側無線装置20との通信が途絶えると、情報配信の一連の処理は終了する。
【0086】
図10に示す処理によってセンター装置30からコンテンツ情報が受信及び保存されると、車載器10の制御部4は、コンテンツ再生が可能となり、入力部1dを介して入力されるユーザの指示に応じてコンテンツを再生する。
【0087】
以上説明したように、第1の実施の形態における情報配信システム100によれば、センター装置30の制御部31は、車載器10からアップリンク情報を受信した際に、受信されたアップリンク情報に含まれる車載器10のカーナビ部型番情報と車載器テーブル342に記憶されている当該車載器10の前回通信時のカーナビ部型番情報とに基づいて、車載器10に搭載されている再生機1hの種類が変更されたか否かを判断する。再生機1hの種類が変更された場合、制御部31は、アップリンク情報に含まれる嗜好情報において、前回通信時の再生機1hの種類に対応する項目が嗜好する項目に設定されているか否かを判断し、嗜好する項目に設定されている場合、変更後の再生機1hの種類に対応する項目を嗜好する項目に追加した嗜好情報を生成し車載器に送信する。
【0088】
従って、車載器10に搭載されている再生機1hの種類に変更があった場合に、ユーザが手間をかけることなく変更後の再生機1hの種類に応じたコンテンツ情報を受信することが可能となる。例えば、変更後の再生機1hの種類に応じたハードウエア(例えば、レコーダ)やソフトウエアの情報等をユーザが入手することが可能となる。
【0089】
なお、上記実施の形態においては、変更前の再生機1hの種類に応じた項目はそのまま嗜好する項目として残しておくこととしたが、嗜好する項目からはずすようにしてもよい。
【0090】
〈第2の実施の形態〉
以下、本発明に係る第2の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態では、車載器10のカーナビ部1の再生機1hの種類に変更があったか否かをセンター装置30においてチェックし、変更があった場合に、変更後の再生機1hの種類に対応する項目をユーザが嗜好する項目に追加して嗜好情報を更新し車載器10に配信した。第2の実施の形態では、車載器10のカーナビ部1に変更があった場合に、再生機1hの種類に変更があったか否かを車載器10においてチェックし、変更があった場合に、変更後の再生機1hの種類に対応する項目をユーザが嗜好する項目に追加して嗜好情報を更新する。
【0091】
第2の実施の形態において、車載器10の記憶部1fは、第1の実施の形態においてセンター装置30に記憶されていた図7に示す再生機テーブル341と同様の再生機テーブル111を有している。
【0092】
また、記憶部1fは、図12に示す類似嗜好項目テーブル112を記憶している。ここで、上述のように、嗜好情報の各項目及びその表示用テキストは、上述のように配信事業者が設定できるものである。従って、互いに同じ内容を示す項目同士であっても配信事業者等によって表示用テキストが異なることがある。例えば、カーナビ部型番情報と再生機テーブル111により特定される再生機1hの種類を示す情報(テキスト情報)が「BD」であるとする。配信事業者は、嗜好情報においてこの再生機1hの種類に対応する項目の表示用テキストとして「BD」を用いている場合もあるが、「Blu−ray」「Blu−ray Disc」「ブルーレイディスク」等の他の表示用テキストを用いる場合もある。そこで、車載器10においては、再生機テーブル111に含まれる各再生機情報に対応する項目の表示用テキスト(「嗜好項目」)と、これと同じ内容で表記の異なる項目を示す表示用テキスト(「類似嗜好項目」)とを図12に示すような類似嗜好項目テーブル112に予め記憶して、同一内容であるが表記の異なる項目を判別できるようにしている。
【0093】
その他の第2の実施の形態における各装置の構成や、コンテンツ情報、アップリンク情報のデータ構成は第1の実施の形態と略同様であるので説明を援用し、以下、第2の実施の形態の動作について説明する。
【0094】
車載器10の制御部4は、メニュー画面からの入力部1dの操作等によりカーナビ部型番情報等の保存が指示されると、記憶部1fに記憶されているアップリンク情報に含まれるカーナビ部型番情報や配信事業者の事業者コード等をDSRC部3の記憶部3cに、又はメモリカードI/F1iを介して外部メモリデバイスEDに記憶させる機能を有している。
ユーザは、カーナビ部1の変更前に、入力部1dによりカーナビ部型番情報等の保存指示を入力し、変更前のカーナビ部の型番情報をDSRC部3の記憶部3cに、又はメモリカードI/F1iを介して外部メモリデバイスEDに記憶させる。
【0095】
カーナビ部1の変更後、ユーザによるメニュー画面からの入力部1dの操作等により再生機変更チェックの実行指示が入力されると、制御部4は、再生機変更チェック処理を実行する。なお、第1の実施の形態における処理と区別するため、第2の実施の形態における再生機変更チェック処理を再生機変更チェック処理Bとする。
【0096】
図13は、車載器10の制御部4により実行される再生機変更チェック処理Bを示すフローチャートである。
再生機変更チェック処理Bにおいては、まず、制御部4は、記憶部3cから、又はメモリカードI/F1iを介して外部メモリデバイスEDから、変更前のカーナビ部型番情報を取得する(ステップT1)。次いで、制御部4は、記憶部1fに記憶されている再生機テーブル111を参照し、取得したカーナビ部型番情報に対応する再生機1hの種類を示す情報(再生機情報)を取得することにより、変更前のカーナビ部1に搭載されていた再生機情報を取得して、変数Aに代入する(ステップT2)。
【0097】
次いで、制御部4は、再生機テーブル111を参照して現在の(変更後の)カーナビ部1のカーナビ部型番情報に対応する再生機情報を取得して変数Bに代入し(ステップT3)、変数Aの値と変数Bの値を比較することにより変更前後の再生機1hの種類が同一であるか否かを判断する。A=Bであり、変更前後の再生機1hの種類が同一であると判断すると(ステップT4;YES)、制御部4は、本処理を終了する。
【0098】
一方、A=Bではなく、変更前後の再生機1hの種類が同一ではないと判断すると(ステップT4;NO)、制御部4は、変数mに契約した配信事業者数を代入するとともに(ステップT5)、変数nに1を代入する(ステップT6)。次いで、制御部4は、変数mの値と変数nの値を比較し、n≦mである場合に(ステップT7;YES)、n番目の配信事業者の嗜好情報更新処理を実行する(ステップT8)。
【0099】
図14は、図13のステップT8において制御部4により実行されるn番目の配信事業者の嗜好情報更新処理を示すフローチャートである。
n番目の配信事業者の嗜好情報更新処理において、制御部4は、まず、選択チェック処理を実行する(ステップT11)。
【0100】
図15は、図16のステップT11において制御部4により実行される選択チェック処理を示すフローチャートである。
選択チェック処理において、制御部4は、まず、変数iに1を、変数jに1を、変数retにfalseを初期値として代入する(ステップT101)。
【0101】
次いで、制御部4は、記憶部1fに保存されているn番目の配信事業者のコンテンツ情報からID80を含むコンテンツ情報を検索して読み出し(ステップT102)、変数NにID80に格納されている嗜好情報の項目(嗜好項目)の数(嗜好項目数)を代入する(ステップT103)。ここで、n番目の配信事業者のコンテンツ情報であるか否かは、ID01の事業者コードにより判断する。また、n番目の配信事業者のID80を含むコンテンツ情報が複数保存されている場合、その中で最も新しいバージョンのコンテンツ情報が読み出される。n番目の配信事業者のID80を含むコンテンツ情報が存在しない、即ち、まだダウンロードされていない場合、嗜好項目数に0が代入される。
【0102】
次いで、制御部4は、類似嗜好項目テーブル112を参照し、変数Aに格納されている変更前の再生機情報(変数Aの値)及びこの再生機情報に対応付けられている類似嗜好項目(これらを以下嗜好項目候補という)の数の合計をカウントして、嗜好項目候補数として変数Mに代入する(ステップT104)。
【0103】
次いで、制御部4は、変数iの値と変数Nの値を比較し、i≦Nである場合(ステップT105;YES)、読み出したコンテンツ情報のID80に格納されているi番目の嗜好項目の表示用テキストを変数Xに代入する(ステップT106)。また、制御部4は、j番目の嗜好項目候補の表示用テキストを変数Yに代入する(ステップT107)。
【0104】
次いで、制御部4は、変数Xと変数Yの値を比較し、X=Yではない、即ち、ID80におけるi番目の嗜好項目の表示用テキストとj番目の嗜好項目候補の表示用テキストとが一致しないと判断すると(ステップT108;NO)、変数jの値を1インクリメントし(ステップT109)、変数jの値と変数Mの値を比較する。j>Mではない、即ち、まだID80のi番目の嗜好項目との比較が終了していない嗜好項目候補がある場合(ステップT110;NO)、ステップT107の処理に戻る。j>Mである場合、即ち、ID80のi番目の嗜好項目と全ての嗜好項目候補との比較が終了した場合(ステップT110;YES)、制御部4は、変数iを1インクリメントし(ステップT111)、T105の処理に戻り、次の嗜好項目と嗜好項目候補との比較が順次行われる。
【0105】
一方、ステップT108において、X=Yである、即ち、ID80におけるi番目の嗜好項目の表示用テキストとj番目の嗜好項目候補の表示用テキストとが一致している判断すると(ステップT108;YES)、制御部4は、ID80におけるi番目の嗜好項目がユーザの嗜好する項目として設定(選択)されているか否か、即ち、i番目の嗜好項目のデフォルト値が「1」であるか否かを判断する。ID80におけるi番目の嗜好項目がユーザの嗜好する項目として設定(選択)されていない、即ち、i番目の嗜好項目のデフォルト値が「0」であると判断すると(ステップT112;NO)、制御部4は、T109の処理に移行する。ID80におけるi番目の嗜好項目がユーザの嗜好する項目として設定(選択)されている、即ち、i番目の嗜好項目のデフォルト値が「1」であると判断すると(ステップT112;YES)、制御部4は、変数retに「true」を代入し(ステップT113)、図14のT12の処理に移行する。
【0106】
ステップT105において、i>Nである場合(ステップT105;NO)、制御部4は、全ての嗜好項目と嗜好項目候補との比較が終了したと判断し、図14のステップT12の処理に移行する。
【0107】
図14のステップT12において、制御部4は、変数ret=trueであるか否かを判断し、変数ret=trueではないと判断すると(ステップT12;NO)、図13のステップT9の処理に移行する。変数ret=trueであると判断すると(ステップT12;YES)、制御部4は、嗜好項目追加処理を実行する(ステップT13)。
【0108】
図16は、図14のステップT13において制御部4により実行される嗜好項目追加処理を示すフローチャートである。
【0109】
嗜好項目追加処理においては、制御部4は、まず、変数iに1を、変数jに1を初期値として代入する(ステップT201)。
【0110】
次いで、制御部4は、記憶部1fに保存されているn番目の配信事業者のコンテンツ情報からID80を含むコンテンツ情報を検索して読み出し(ステップT202)、変数NにID80の嗜好情報に含まれる嗜好項目数を代入する(ステップT203)。
【0111】
次いで、制御部4は、類似嗜好項目テーブル112を参照し、変数Bに格納されている変更後の再生機情報(変数Bの値)及びこの再生機情報に対応付けられている類似嗜好項目(嗜好項目候補)の数の合計をカウントして、嗜好項目候補数として変数Mに代入する(ステップT204)。
【0112】
次いで、制御部4は、変数iの値と変数Nの値を比較し、i≦Nである場合(ステップT205;YES)、読み出したコンテンツ情報のID80に格納されているi番目の嗜好項目の表示用テキストを変数Xに代入する(ステップT206)。また、制御部4は、j番目の嗜好項目候補の表示用テキストを変数Yに代入する(ステップT207)。
【0113】
次いで、制御部4は、変数Xと変数Yの値を比較し、X=Yである、即ち、ID80におけるi番目の嗜好項目の表示用テキストとj番目の嗜好項目候補の表示用テキストとが一致すると判断すると(ステップT208;YES)、ID80に格納されているi番目の嗜好項目のデフォルト値を「1」に設定し(ステップT209)、ステップT210の処理に移行する。X=Yではない、即ち、ID80におけるi番目の嗜好項目の表示用テキストとj番目の嗜好項目候補の表示用テキストとが一致しないと判断すると(ステップT208;NO)、制御部4は、ステップT210の処理に移行する。
【0114】
ステップT210においては、制御部4は、変数jの値を1インクリメントし(ステップT210)、変数jの値と変数Mの値を比較する。j>Mではない、即ち、まだID80のi番目の嗜好項目との比較が終了していない嗜好項目候補がある場合(ステップT211;NO)、制御部4は、ステップT207の処理に戻る。j>Mである場合、即ち、ID80のi番目の嗜好項目と全ての嗜好項目候補との比較が終了した場合(ステップT211;YES)、制御部4は、変数iを1インクリメントし(ステップT212)、ステップT205の処理に戻り、次の嗜好項目と嗜好項目候補との比較が順次行われる。
【0115】
ステップT205において、i>Nであると判断した場合(ステップT205;NO)、制御部4は、図13のステップT9の処理に移行する。
上述のn番目の配信事業者の嗜好情報更新処理により、i番目の配信事業者のコンテンツ情報に含まれる嗜好情報において、変更前にカーナビ部1に搭載されていた再生機1hの種類に対応する項目がユーザの嗜好する項目として設定されている場合に、変更後の再生機1hの種類に対応する項目がユーザの嗜好する項目に自動的に追加される。なお、ステップT209においてデフォルト値が「1」に設定された項目がある場合には、図13のステップT9に移行する前に、制御部4は、記憶部1fに記憶されているアップリンク情報における嗜好情報における対応する項目の設定値も併せて「1」に変更するようにしてもよい。これにより、ユーザの操作を介さずに、自動的に変更後の再生機1hの種類に対応する項目をユーザが嗜好する項目に設定することができる。或いは、制御部4は、変更後の再生機1hの種類に対応する項目が嗜好する項目に追加された嗜好情報に基づいて、表示部1eに嗜好項目設定画面G1を表示することによりユーザに嗜好情報の更新を促し、入力部1dによる「OK」ボタンB1押下に応じて、記憶部1fに記憶されているアップリンク情報における嗜好情報を上記変更後の再生機1hの種類が追加された嗜好情報に更新するようにしてもよい。
【0116】
図13のステップT9においては、制御部4は、変数nを1インクリメントし(ステップT9)、ステップT7の処理に戻る。ステップT7において、n>mと判断すると(ステップT7;NO)、制御部4は、本処理を終了する。
【0117】
上述の再生機変更チェック処理Bの後、車載器10が路側無線装置20の相互通信エリアZに進入すると、図10に示すセンター装置30と車載器10との通信が開始され、変更後の再生機1hの種類が嗜好する項目として追加された嗜好情報を含むアップリンク情報がセンター装置30に送信される。センター装置30においては、更新されたアップリンク情報に基づいて車載器10に配信するコンテンツ情報が決定され、車載器10に配信される。即ち、変更後の再生機1hの種類に対応するカテゴリのコンテンツ情報があれば、車載器10に配信される。
【0118】
以上説明したように、第2の実施の形態における情報配信システム100によれば、車載器10の制御部4は、カーナビ部1の変更前のカーナビ部型番情報を記憶部3c又は外部メモリデバイスEDに記憶しておき、変更前のナビゲーション装置のカーナビ部型番情報と現在のカーナビ部1から取得したカーナビ部型番情報とに基づいて、再生機1hの種類が変更されたか否かを判断し、変更された場合に、嗜好情報における変更後の再生機1hの種類に対応する項目をユーザの嗜好する項目に追加する。
【0119】
従って、車載器10に搭載されている再生機1hの種類に変更があった場合に、嗜好情報における変更後の再生機1hの種類に対応する項目をユーザの嗜好する項目に自動的に追加するので、ユーザが手間をかけることなく変更後の再生機1hの種類に応じたコンテンツ情報を受信することが可能となる。
【0120】
また、変更後の再生機1hの種類に対応する項目をユーザの嗜好する項目に予め設定した嗜好項目設定画面G1を表示し、ユーザによる「OK」ボタンB1の押下に応じてアップリンク情報に含まれる嗜好情報を更新することで、ユーザが嗜好情報に変更があったことを確認した上で、送信用の嗜好情報を更新することが可能となる。
【0121】
なお、上記第2の実施の形態においては、記憶部1fに記憶されているコンテンツ情報に含まれるID80の嗜好情報を用いて、アップリンク情報の嗜好情報を更新する場合を例にとり説明したが、コンテンツ情報に含まれるID80の嗜好情報の代わりにアップリンク情報の嗜好情報を用いて上記n番目の配信事業者の嗜好情報更新処理を実行し、アップリンク情報の嗜好情報を直接更新してもよい。
【0122】
また、上記第2の実施の形態を応用し、再生機1hに接続されている外部スピーカSPが変更になった場合、例えば、サブウーファ等が外部スピーカSPとして新たに接続されたような場合に、スピーカの変更に応じて嗜好情報を自動的に更新するようにしてもよい。以下、スピーカの変更に応じて嗜好情報を更新する例について説明する。
【0123】
スピーカを変更する場合、ユーザはメニュー画面からの入力部1dによる操作等によりスピーカ設定の指示を行う。制御部4は、スピーカ設定の指示が入力されると、表示部1eにスピーカ設定画面等を表示して、変更後のスピーカ構成(チャンネル数等)の選択等、各種設定情報をユーザに入力させる。そして、変更後のスピーカ構成の情報を含む、スピーカ構成設定画面から入力された設定情報を記憶部1fに記憶する。このとき、変更前のスピーカ構成の情報は記憶部1fの別領域に退避しておく。
【0124】
上記スピーカ構成の設定が終了すると、制御部4は、図17に示すスピーカ構成変更チェック処理を実行する。
【0125】
スピーカ構成変更チェック処理においては、制御部4は、まず、記憶部1fに記憶されている変更前のスピーカ構成の情報を読み出して変数Aに代入する(ステップT301)。次いで、変更後のスピーカ構成の情報を読み出して変数Bに代入する(ステップT302)。
【0126】
次いで、制御部4は、変数Aの値と変数Bを比較し、A=Bである、即ち、スピーカ構成に変更がないと判断すると(ステップT303;NO)、本処理を終了する。
【0127】
変数Aの値と変数Bの値が異なる、即ち、スピーカ構成が変更されたと判断すると(ステップT303;YES)、制御部4は、変数Bの値(例えば、チャンネル数)に基づいて、サラウンド構成に変更されたか否かを判断する。サラウンド構成に変更されていないと判断すると(ステップT304;NO)、制御部4は、本処理を終了する。サラウンド構成に変更されたと判断すると(ステップT304;YES)、制御部4は変数mに契約した配信事業者数を代入するとともに(ステップT305)、変数nに1を代入する(ステップT306)。次いで、制御部4は、変数mの値と変数nの値を比較し、n≦mである場合に(ステップT307;YES)、n番目の配信事業者の嗜好情報更新処理を実行する(ステップT308)。
【0128】
ステップT308におけるn番目の配信事業者の嗜好情報更新処理や当該処理におけるサブルーチンは、図14〜図16で説明したものと同様である。ここで、これらの処理を実行するにあたり、例えば、変数Aには、変更前のスピーカ構成の情報に基づいて、「変更前のスピーカ構成名(例えば、モノラル、ステレオ等)+現在の再生機情報」がテキスト情報で代入される。例えば、変更前のスピーカ構成情報が2チャンネルであり、再生機1hの種類がDVDであった場合、変数Aには「ステレオDVD」が代入される。変数Bには、「サラウンド+現在の再生機情報」がテキスト情報で代入される。例えば、変数Bには「サラウンドDVD」が代入される。これにより、嗜好情報における変更前のスピーカ構成に関連する項目が選択されている場合、変更後のスピーカ構成に関連する項目が自動選択される。例えば、変更前に「ステレオDVD」が嗜好情報として選択されていた場合には、変更後に「サラウンドDVD」が自動で選択される。
【0129】
n番目の配信事業者の嗜好情報更新処理が終了すると、制御部4は、変数nを1インクリメントし(ステップT309)、ステップT307に戻る。ステップT307において、n>mであると判断すると(ステップT307;NO)、制御部4は、本処理を終了する。
【0130】
以上、本発明に係る第1及び第2の実施の形態について説明してきたが、上記実施形態は本発明の好適な一例であり、これに限定されない。
例えば、第1の実施の形態において、図12に示す類似嗜好項目テーブル112を記憶部34が有する構成とし、類似嗜好項目を考慮して、前回の再生機1hに対応する項目が嗜好する項目として選択されているか否かの判断や、現在の再生機1hに対応する項目の特定等を行うようにしてもよい。これにより、同一配信事業者において、同一内容を示す異なる項目が存在していたとしても、もれなく現在の再生機1hに対応する項目を嗜好する項目として追加することが可能となる。
【0131】
その他、情報配信システム100を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】本実施形態における情報配信システムを示す図である。
【図2】図1の路側無線装置の相互通信エリアを説明する図である。
【図3】図1の車載器の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】図1のセンター装置から配信される嗜好情報のデータ構成例を示す図である。
【図5】図3の表示部に表示される嗜好項目設定画面の一例を示す図である。
【図6】図1のセンター装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図7】図6の再生機テーブルのデータ格納例を示す図である。
【図8】図6の車載器テーブルのデータ格納例を示す図である。
【図9】図1のセンター装置から配信されるコンテンツ情報のデータフォーマットの一例を示す図である。
【図10】情報配信システムにおいてコンテンツ情報を配信する際における各装置間の処理の流れを説明する図である。
【図11】図6のセンター装置の制御部により実行される再生機変更チェック処理を示すフローチャートである。
【図12】図3のカーナビ部の記憶部に記憶されている類似嗜好項目テーブルのデータ格納例を示す図である。
【図13】図3の車載器の制御部により実行される再生機変更チェック処理Bを示すフローチャートである。
【図14】図13のステップT8において実行されるn番目の配信事業者の嗜好情報更新処理を示すフローチャートである。
【図15】図14のステップT11において実行される選択チェック処理を示すフローチャートである。
【図16】図14のステップT13において実行される嗜好項目追加処理を示すフローチャートである。
【図17】図3の車載器の制御部により実行されるスピーカ構成変更チェック処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0133】
100 情報配信システム
10 車載器
1 カーナビ部
1a カーナビ制御部
1b 現在地検出部
1c 地図記憶部
1d 入力部
1e 表示部
1f 記憶部
1g 音声出力部
1h 再生機
1i メモリカードI/F
111 再生機テーブル
112 類似嗜好項目テーブル
SP 外部スピーカ
ED 外部メモリデバイス
2 通信モジュール
3 DSRC部
3a DSRC制御部
3b 通信部
3c 記憶部
ME アップリンク情報記憶領域
3e ETC処理部
3f ICカードI/F
4 制御部
20 路側無線装置
30 センター装置
31 制御部
32 入力部
33 表示部
34 記憶部
341 再生機テーブル
342 車載器テーブル
35 通信部
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報配信システム、センター装置、車載器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車載器では、DSRC(Dedicated Short Range Communication:狭域通信)を利用して路上や駐車場等に設置された路側無線装置と無線通信を行い、当該路側無線装置を介してセンター装置から自車の周辺にある施設(例えば、店舗や医療機関等)に関するコンテンツ情報の提供を受けることが可能となっている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−109032号公報
【0003】
DSRC通信を用いてセンター装置から車載器に情報を配信する情報配信システムでは、できるだけ配信するコンテンツ情報の内容を車内のユーザに合わせるため、ユーザの嗜好情報等をセンター装置に提供するしくみが検討されている。センター装置は、通信開始時に車載器から送信されるユーザの嗜好情報等に基づいて車内のユーザに適したコンテンツ情報を編成して配信する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、ユーザが希望するカテゴリのコンテンツ情報を受信するためには、車載器において嗜好情報を設定する操作が必要となる。例えば、車載器に搭載されている再生装置(以下、再生機という)に関連するコンテンツ情報を受信したい場合には、当該再生機の種類に対応するカテゴリを嗜好情報に設定する操作が必要となる。また、車載器に搭載されている再生機の種類に変更があった場合には、嗜好情報の設定を変更する必要がある。この嗜好情報の設定変更は、ユーザにとっては手間を必要とし、煩雑であった。
【0005】
本発明の課題は、路側無線装置を介してセンター装置から車載器にコンテンツ情報を配信する配信サービスにおいて、車載器に搭載されている再生機の種類に変更があった場合に、ユーザが手間をかけることなく変更後の再生機に応じたコンテンツ情報を車載器で受信できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
ユーザが嗜好するコンテンツ情報のカテゴリを示す嗜好情報に応じてコンテンツ情報を配信するセンター装置と、ユーザの操作に応じて設定された嗜好情報を前記センター装置に送信して前記嗜好情報に応じたコンテンツ情報を受信する車載器と、が路側無線装置を介してデータ送受信可能に接続された情報配信システムであって、
前記車載器は、
音声及び/又は映像を再生する再生装置と、
当該車載器の識別情報、前記設定されたユーザの嗜好情報及び前記再生装置の機種情報を前記センター装置に送信する情報送信手段と、を備え、
前記センター装置は、
前記車載器との最終通信時における当該車載器の再生装置の機種情報を当該車載器の識別情報に対応付けて記憶する車載器情報記憶手段と、
前記車載器から前記機種情報が受信された際に、当該受信された機種情報と前記車載器情報記憶手段に記憶されている当該車載器に対応する機種情報とに基づいて当該車載器に搭載されている再生装置の種類が変更されたか否かを判断し、変更された場合に、変更後の再生装置の種類に対応するカテゴリを前記ユーザの嗜好情報に追加して前記車載器に送信する制御手段と、を備える。
【0007】
請求項2に記載の発明は、
ユーザが嗜好するコンテンツ情報のカテゴリを示す嗜好情報に応じてコンテンツ情報を車載器に配信するセンター装置であって、
路側無線装置を介して、前記車載器とデータ送受信を行う通信手段と、
前記車載器との最終通信時における前記車載器の再生装置の機種情報を当該車載器の識別情報に対応付けて記憶する車載器情報記憶手段と、
前記通信手段により前記車載器から送信された当該車載器の識別情報、当該車載器のユーザの嗜好情報及び当該車載器に備えられた再生装置の機種情報が受信された際に、当該受信された機種情報及び前記車載器情報記憶手段に記憶されている当該車載器に対応する機種情報とに基づいて当該車載器に搭載されている再生装置の種類が変更されたか否かを判断し、変更された場合に、変更後の再生装置の種類に対応するカテゴリを前記ユーザの嗜好情報に追加して前記通信手段により前記車載器に送信する制御手段と、
を備える。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、
前記制御手段は、前記受信したユーザの嗜好情報に変更前の再生装置の種類に対応するカテゴリが含まれているか否かを判断し、含まれている場合に、前記変更後の再生装置の種類に対応するカテゴリを前記ユーザの嗜好情報に追加する。
【0009】
請求項4に記載の発明は、
ユーザが嗜好するコンテンツ情報のカテゴリを示す嗜好情報に応じてコンテンツ情報を配信するセンター装置と、ユーザの操作に応じて設定された嗜好情報を前記センター装置に送信して前記嗜好情報に応じたコンテンツ情報を受信する車載器と、が路側無線装置を介してデータ送受信可能に接続された情報配信システムであって、
前記車載器は、
前記設定されたユーザの嗜好情報を記憶する嗜好情報記憶手段と、
音声及び/又は映像を再生する再生装置と、
前記再生装置の変更時に変更前の再生装置の機種情報を記憶する機種情報記憶手段と、
前記機種情報記憶手段に記憶された変更前の再生装置の機種情報と現在の再生装置から取得した機種情報とに基づいて、当該車載器に搭載されている再生装置の種類が変更されたか否かを判断し、変更された場合に、変更後の再生装置の種類に対応するカテゴリを前記ユーザの嗜好情報に追加する制御手段と、
を備える。
【0010】
請求項5に記載の発明は、
ユーザが嗜好するコンテンツ情報のカテゴリを示す嗜好情報に応じてコンテンツ情報を配信するセンター装置と路側無線装置を介してデータ送受信を行う通信手段を備え、ユーザの操作に応じて設定された嗜好情報を前記通信手段により前記センター装置に送信し前記嗜好情報に応じたコンテンツ情報を受信する車載器であって、
前記設定されたユーザの嗜好情報を記憶する嗜好情報記憶手段と、
音声及び/又は映像を再生する再生装置と、
前記再生装置の変更時に変更前の再生装置の機種情報を記憶する機種情報記憶手段と、
前記機種情報記憶手段に記憶された変更前の再生装置の機種情報と現在の再生装置から取得した機種情報とに基づいて、当該車載器に搭載されている再生装置の種類が変更されたか否かを判断し、変更された場合に、変更後の再生装置の種類に対応するカテゴリを前記ユーザの嗜好情報に追加する制御手段と、
を備える。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、
前記制御手段は、前記嗜好情報記憶手段に記憶されているユーザの嗜好情報に変更前の再生装置の種類に対応するカテゴリが含まれているか否かを判断し、含まれている場合に、前記変更後の再生装置の種類に対応するカテゴリを前記ユーザの嗜好情報に追加する。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、
操作手段と、
前記操作手段による操作に応じてユーザの嗜好情報を設定するための設定画面を表示する表示手段とを備え、
前記制御手段は、前記車載器に搭載されている再生装置の種類が変更された場合に、変更後の再生装置の種類に対応するカテゴリを追加した嗜好情報を前記設定画面に表示させ、前記操作手段による設定指示に応じて、前記変更後の再生装置の種類に対応するカテゴリを追加した嗜好情報を前記嗜好情報記憶手段に記憶させる。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項5〜7の何れか一項に記載の発明において、
前記制御手段は、前記再生装置に接続されるスピーカの変更時に、変更前後のスピーカ構成情報を取得し、当該取得した変更前後のスピーカ構成情報に基づいて、前記再生装置におけるスピーカ構成がサラウンド構成に変更されたか否かを判断し、サラウンド構成に変更された場合に、サラウンド構成の前記再生装置に対応するカテゴリを前記ユーザの嗜好情報に追加する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、路側無線装置を介してセンター装置から車載器にコンテンツ情報を配信する配信サービスにおいて、車載器に搭載されている再生機の種類に変更があった場合に、ユーザが手間をかけることなく変更後の再生機に応じたコンテンツ情報を車載器で受信することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0016】
〈第1の実施の形態〉
まず、第1の実施の形態の構成を説明する。
図1に、本実施形態における情報配信システム100を示す。
情報配信システム100は、図1に示すように、車両Cに搭載された車載器10、路側無線装置20、センター装置30を含んで構成され、センター装置30が路側無線装置20を介して車載器10にコンテンツ情報を配信する。路側無線装置20は路上や駐車場等に複数設置され、各路側無線装置20はネットワークNを介してセンター装置30と接続されている。また、路側無線装置20と、路上を走行する車両Cの車載器10とは無線通信が可能である。
【0017】
センター装置30が車載器10に配信するコンテンツ情報の内容としては、例えば、車両C周辺の店舗、駐車場、医療施設等の各種施設のサービス案内等が挙げられる。なお、図1では1台のセンター装置30のみ示したが、コンテンツ情報を配信する配信事業者は複数あり、センター装置30は配信事業者毎に備えられるものである。
【0018】
以下、各構成装置について詳細に説明する。
路側無線装置20は、図2に示すように本体装置20aとアンテナ20bとから構成されている。路側無線装置20は、道路脇や道路上方、駐車場、道の駅等に設置されたアンテナ20bから、到達距離が限定されたDSRCの電波を放射して、路側無線装置20近傍に相互通信エリアZを形成する。この相互通信エリアZ内にある車両Cの車載器10とだけ双方向狭域無線通信が可能となる。以下、路側無線装置20と車載器10間の狭域無線通信を路車間通信という場合がある。
【0019】
DSRCは5.8GHz帯域の電波を使った通信方式であり、その通信範囲は例えば数メートルから数十メートルである。路側無線装置20からのDSRCの送信出力は何れも同じ程度に設定されているので、複数の路側無線装置20がそれぞれ形成する相互通信エリアZは設置場所に関係なく、ほぼ一定である。
【0020】
本体装置20aは、車載器10とセンター装置30間の情報のやりとりを仲介するための処理を行う。すなわち、アンテナ20bを介して車載器10から受信された情報をセンター装置30に転送し、センター装置30から送信されたコンテンツ情報を車載器10へ転送する。本体装置20aは、情報処理や通信制御を行う制御部、記憶部等を備えたコンピュータ端末を適用することができる。
なお、路側無線装置20の本体装置20aがセンター装置30としての機能を一部或いは全部備えていてもよい。
【0021】
車載器10は、車両Cに搭載され、案内経路への誘導のための処理等を行うナビゲーション機能の他、DSRCによるETC(Electronic Toll Collection System)利用のた
めの処理を行う機能等を有している。
車載器10は、図3に示すように、カーナビ部1、通信モジュール2、DSRC部3、制御部4を備えて構成されている。カーナビ部1、通信モジュール2、DSRC部3は、それぞれが独立して動作可能となっており、制御部4の制御により各部を協調動作させることにより車載器10として動作する。従って、車載器10のユーザは、カーナビ機能の向上等の目的でカーナビ部1を変更することができる。
【0022】
制御部4は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)
等から構成され、記憶部1fに記憶された制御プログラムとの協働により各種演算を行う他、各部の集中制御を行う。
例えば、路側無線装置20との路車間通信を行う際にはDSRC部3の通信動作を制御する。なお、DSRC部3の制御にあたってはDSRC部3のDSRC制御部3aとの協働により制御を行う。また、DSRC部3を介してセンター装置30から受信したコンテンツ情報の保存、再生制御等を行う。
【0023】
カーナビ部1は、カーナビ制御部1a、現在地検出部1b、地図記憶部1c、入力部1d、表示部1e、記憶部1f、音声出力部1g、再生機1h、メモリカードI/F1i等を備えて構成され、車両Cを案内経路へ誘導するための処理や、DSRC部3を介して受信されたコンテンツ情報の再生等を行うナビゲーション装置である。
カーナビ制御部1aは、現在地検出部1bから取得した現在地の情報及び地図記憶部1cに記憶された地図情報等に基づいて、車両Cの現在地から入力部1dを介して設定された目的地までの案内経路を算出する。そして、地図記憶部1cに記憶されている地図情報を用いて算出した案内経路へ誘導するための地図画面を生成し、表示部1eにより表示させる。
【0024】
現在地検出部1bは、GPSアンテナ、角度センサ、方位センサ、距離センサ等の各種センサを備え、これらセンサによる検出結果に基づいて車両Cの現在地を検出する。GPSアンテナは、GPS衛星から送信されるGPS信号を検出する。また、角度センサは移動方向の変化量を示す車の加速度(単位時間あたりの水平方向への回転速度)を検出し、方位センサは地磁気の検出を行い、車両の絶対方位を検出する。現在地検出部1bは、これらセンサから取得した各検出結果に基づいて車両の現在地を示す現在地情報(経度、緯度等の情報)を生成し、カーナビ制御部1aに出力する。
【0025】
地図記憶部1cは、不揮発メモリやDVD等の記録媒体から構成され、案内表示に必要な地図情報、通信モジュール2を介して受信されるガイド情報(道路情報、渋滞情報等)等を記憶している。
【0026】
入力部1dは、操作キーや表示部1eと一体に構成されるタッチパネル等から構成されている。入力部1dは、これらの操作に対応する操作信号を生成し、制御部4に出力する。
表示部1eは、モニタを備え、制御部4の制御に従ってモニタ上に各種情報を表示する。例えば、設定画面や地図画面、センター装置30から受信したコンテンツ情報の表示画面等である。
【0027】
記憶部1fは、不揮発メモリ等により構成され、制御部4やカーナビ制御部1aにより実行される制御プログラム、プログラムの実行に必要なパラメータやデータ等を記憶している。
また、記憶部1fは、アップリンク情報を記憶するとともに、センター装置30から受信したコンテンツ情報を記憶し保存する。
【0028】
ここで、アップリンク情報について説明する。アップリンク情報とは、路側無線装置20を介して車載器10とセンター装置30との通信が確立した際にセンター装置30に送信される情報であり、センター装置30において車載器10にどのような内容のコンテンツ情報を配信するかを決定する際に用いられる。アップリンク情報には、配信事業者特定情報、車両Cの目的地情報、経由地情報、累計走行距離情報、過去の立ち寄り地情報、ユーザの嗜好情報、受信/再生履歴情報、カーナビ部1の型番情報(カーナビ部型番情報という)等が含まれる。アップリンク情報は配信事業者毎に各配信事業者に応じた内容で制御部4により生成され、記憶部1fに記憶される。アップリンク情報は最新の内容となるように制御部4が常に更新を行って記憶部1fに保存させる。
【0029】
配信事業者特定情報は、ユーザが予めコンテンツ情報の配信について契約した配信事業者を特定する情報であり、例えば事業者コード、事業者名等である。
車両Cの目的地情報は、カーナビ部1で設定された目的地の緯度、経度の情報であり、経由地情報はカーナビ部1で設定された目的地までの誘導経路において経由する地点の緯度、経度の情報である。また、累計走行距離情報はDSRC部3のセットアップ(販売店などにより、車両情報を登録する作業)時点から現在までの車両Cの累計走行距離の情報であり、過去の立ち寄り地情報は過去に車両Cが停車した(つまり車載器10の電源がON又はOFFされた)地点の緯度、経度の情報及び時刻情報である。
【0030】
嗜好情報は、センター装置30においてユーザの嗜好に応じて配信するコンテンツ情報を選択するために用いるものである。嗜好情報は、コンテンツ情報の内容を分類した複数の項目(カテゴリ)毎に、ユーザが嗜好する項目として設定したか否かを示す情報を設定したものである。即ち、嗜好情報は、ユーザが嗜好するコンテンツ情報のカテゴリを示す情報である。項目は配信事業者が任意に設定でき、センター装置30により後述するコンテンツ情報(図9参照)のID80に含めて車載器10に配信される。
【0031】
図4に、センター装置30から配信される嗜好情報の一例を示す。センター装置30から配信される嗜好情報は、図4に示すように、コンテンツ情報の内容を分類した各項目についての「項目番号」、項目名を示すテキスト情報である「表示用テキスト」、階層を示す「表示用ネスト」、デフォルトの設定を示す「デフォルト値」、項目名を音声出力するための「表音文字列」等により構成されている。バージョンが異なると、各項目の内容が異なるものとなる。なお、嗜好情報には、図4では図示しないが、嗜好情報のバージョンを示す情報が含まれる。
【0032】
項目は階層構造を有しており、上記階層の情報である「表示用ネスト」は各項目がどの階層にあたるのかを示す。「0」は最上位の階層であることを示し、「1」、「2」と数字が大きくなるにつれて下位になることを示す。また、項目間の従属関係は項目番号により示す。つまり、従属関係のある項目群単位で各項目を並べ、その項目群の中でも従属関係のある項目については、上位の項目のすぐ後に従属する下位の項目を並べて項目番号を付与することにより、項目番号順に階層の情報を読み込めば従属関係と階層を判断することができる。
【0033】
図4の例で説明すると、最上位である「地域の情報」の項目は項目番号「000」、階層は「0」である。そのすぐ後の項目番号「001」の「工事のお知らせ」の項目は階層が「1」であるので、「地域の情報」の項目より階層が下位でありかつ「地域の情報」の項目に従属していることが分かる。
【0034】
車載器10の制御部4は、センター装置30から嗜好情報が配信されると、配信された嗜好情報に基づいて、ユーザが各項目毎に嗜好する/しない(即ち、視聴する/しない)を設定するための嗜好項目設定画面G1を表示部1eに表示する。
図5に、嗜好項目設定画面G1の一例を示す。嗜好項目設定画面G1には、階層に従って、各項目毎に、嗜好する項目として設定することを指示するための「ON」ボタン、嗜好しない項目として設定することを指示するための「OFF」ボタンが表示される。センター装置30から送信された嗜好情報のデフォルト値「1」は、当該項目が嗜好する項目として設定されていることを示す。デフォルト値「0」は、当該項目が嗜好しない項目として設定されていることを示す。デフォルト値「0」の場合は、例えば、「ON」ボタンが網掛け表示される。なお、車載器10に初回に嗜好情報が配信される際には、全ての項目が、例えば「1」に設定される等、ユーザの嗜好とは関係なく、配信事業者が自由に設定したうえで配信される。入力部1dを介してユーザが「ON」ボタンまたは「OFF」ボタンを押下することにより、現在の設定とは異なる設定を行うことができる。即ち、嗜好するカテゴリを嗜好情報に追加したり削除したりすることができる。現在の設定と同じでよい場合は、ユーザは入力操作をする必要はない。
入力部1dの操作により嗜好項目設定画面G1により設定が行われ、「OK」ボタンB1が押下されると、制御部4は、設定内容に基づいてセンター装置30への送信用の嗜好情報を生成しアップリンク情報の一部として記憶部1fに記憶させる。記憶部1fに記憶される送信用の嗜好情報は、図4に示す嗜好情報の各項目の表示用テキスト、表示用ネスト、各項目についての設定値(嗜好する項目として設定された項目は「1」、嗜好しない項目として設定された項目は「0」)、及び嗜好情報のバージョンを示す情報を含む。
【0035】
受信/再生履歴情報は、受信したコンテンツ情報の情報コード、再生したコンテンツ情報の情報コード等の情報である。
カーナビ部型番情報は、カーナビ部1の機種名を示す情報である。なお、第1〜第3の実施の形態においては、車載器10に搭載されている再生機1hの機種を示す情報としてカーナビ部型番情報を使用する場合を例にとり説明するが、再生機1hの機種情報としては、これに限定されず、再生機1hそのものの機種を示す情報を用いても良い。
【0036】
音声出力部1gは、音声処理部、D/A変換器、増幅器、スピーカ等を備えて構成される。音声出力部1gは、制御部4から指示された音声データをD/A変換器によりアナログ信号に変換してスピーカにより音声出力する。また、音声出力部1gは、制御部4から指示された表音文字列データに基づいて音声処理部により合成音声信号を生成し、スピーカにより音声出力する。
【0037】
再生機1hは、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、又はブルーレイディスク等の記録メディアに記録されている音声データ及び/又は映像データ等を読み出して再生する。カーナビ部1に搭載されている再生機1hの種類(例えば、CDプレーヤ、DVDプレーヤ、ブルーレイディスクプレーヤ、・・・)は、カーナビ部1の機種によって決まる。また、再生機1hは、外部スピーカSPが複数接続可能に構成されており、ユーザが再生機1hのスピーカ構成を自由に変更できるようになっている。
【0038】
メモリカードI/F1iは、メモリカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の外部メモリデバイスEDを接続可能であり、外部メモリデバイスEDとのデータの入出力を行うためのインターフェースである。
【0039】
通信モジュール2は、光通信用、FM通信用、2.4GHz電波通信用のアンテナをそれぞれ備え、通信センターと光通信、FM通信、電波通信を行う。通信モジュール2は通信センターから渋滞情報や道路交通情報等を受信し、制御部4に出力する。通信センターとしてはVICSセンター等を挙げることができるが、これに限らず、また、通信センターから受信する情報としては、渋滞情報や道路交通情報に限らない。
なお、通信モジュール2は他にもWiMax(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等のDSRC以外の通信手段を使用することにより、インターネット等の情報を入手することもできる。
【0040】
DSRC部3は、DSRCによるETC利用のための処理や、センター装置30からコンテンツ情報を受信するための通信処理等を行う。
DSRC部3は、図3に示すようにDSRC制御部3a、通信部3b、記憶部3c、ETC処理部3e、ICカードI/F3fを備えて構成されている。
【0041】
DSRC制御部3aは、CPU、RAM等から構成され、記憶部3cに記憶されている制御プログラムとの協働によりDSRC部3の各部の動作を制御する。
例えば、ETCによる決済を行う際には、通信部3bの通信動作を制御してETC基地局(ETC決済を行うためにETCゲート付近等に設けられる無線基地局)と決済情報の送受信を行わせる。また、ETC処理部3eにより決済情報の書込処理を行わせる。
また、センター装置30からコンテンツ情報を受信する際には、制御部4の指示に従って記憶部3cのアップリンク情報記憶領域MEに記憶されている情報を、通信部3bにより路側無線装置20に送信させる一方、通信部3bにより路側無線装置20を介してコンテンツ情報を受信した場合にはこれを制御部4に出力する。
【0042】
通信部3bは、例えば車両Cのダッシュボード上でフロントガラス近傍に固設されたアンテナを備え、このアンテナを介して路側無線装置20やETC基地局等と、DSRCの電波の送受信を行う。
【0043】
記憶部3cは、不揮発メモリ等により構成され、DSRC制御部3aにより実行される制御プログラム等を記憶している。
また、記憶部3cにはアップリンク情報記憶領域MEが設けられている。アップリンク情報記憶領域MEは、センター装置30に情報を提供するために専用に設けられた記憶領域であり、アップリンク情報の他、車載器10の特性情報(図示せず)が記憶される。
【0044】
特性情報とは、車載器10の機器特性に関する情報をいう。特性情報には、車載器10の車載器ID、車載器10が対応できる言語、地図の測地系、車載器10が対応可能な著作権管理技術、表示部1eのディスプレイの解像度、SVG(Scalable Vector Graphics)の対応、コンテンツ情報の蓄積が可能な記憶容量等の情報が含まれる。なお、車載器IDは各車載器10に固有の識別情報である。
【0045】
アップリンク情報をセンター装置30に送信する際のデータ形式は予め定められており、記憶部1fに記憶されたアップリンク情報は、所定のタイミングで、上記予め定められたデータ形式に則ってアップリンク情報記憶領域MEに書き込まれる。例えば、嗜好情報は、そのバージョン情報と、各項目の設定値(「1」又は「0」)を項目番号順に並べたデータが書き込まれる。
【0046】
ETC処理部3eは、ICカードI/F3fに挿抜されるIC付きクレジットカード又はデビットカード等に対して決済情報等の読み書きを行う。
ICカードI/F3fは、上記クレジットカード等のスロットを備え、このスロットに挿入されたクレジットカード等のICとETC処理部3eの間で情報のやりとりを仲介する。
【0047】
次に、センター装置30について説明する。
センター装置30は、コンテンツ情報を記憶し、これを車載器10に配信する。
図6に、センター装置30の機能的構成を示す。
図6に示すように、センター装置30は制御部31、入力部32、表示部33、記憶部34、通信部35を備えて構成されている。
【0048】
制御部31は、CPU、RAM等から構成され、記憶部34に記憶された制御プログラムとの協働により各種演算を行う他、各部の集中制御を行う。
例えば、制御部31は記憶部34に保存されているコンテンツ情報を読み出して編成したり、編成したコンテンツ情報の配信制御を行う。なお、編成とは配信するコンテンツ情報をアップリンク情報に基づいて選択すること等をいう。
【0049】
入力部32は、キーボード等を備えて操作入力を受け付け、当該操作入力に応じた操作信号を制御部31に出力する。
表示部33はディスプレイを備え、制御部31の表示制御に従ってディスプレイ上に各種画面を表示する。
【0050】
記憶部34は、不揮発メモリやハードディスク等により構成され、制御部31により実行されるプログラムの他、プログラムの実行に必要な各種データを記憶する。
【0051】
例えば、記憶部34は、コンテンツ情報の配信事業者に個別に付与されている事業者コードを記憶している。また、記憶部34は、各バージョンの嗜好情報を記憶している。また、ユーザはコンテンツ情報の配信サービスに加入する契約を行う際、会員登録を行うので、記憶部34はこの会員登録されたユーザの氏名、住所等の特定情報の他、ユーザが所有する車載器10の車載器IDをユーザ毎にデータベース化して記憶する。
【0052】
また、記憶部34は、図6に示すように、再生機テーブル341、車載器テーブル342等を記憶している。
【0053】
図7に、再生機テーブル341のデータ格納例を示す。図7に示すように、再生機テーブル341は、車載器10にカーナビ部1として搭載可能なナビゲーション装置のメーカ名(「メーカ」)及び型番情報(「カーナビ部型番」)を示す情報と、当該ナビゲーション装置に搭載されている再生機の種類を示す情報(「再生機」)とを対応付けて記憶する。なお、ここでの再生機の種類を示す情報は、表示用テキストの形式で格納されている。再生機テーブル341の内容は、車載器10に搭載可能なナビゲーション装置が新しく発売される度に更新される。
【0054】
図8に、車載器テーブル342のデータ格納例を示す。図8に示すように、車載器テーブル342は、コンテンツ配信サービスの会員が所有する車載器10を識別するための「車載器ID」と、その車載器10に搭載されているカーナビ部1の型番を示すカーナビ部型番情報(「カーナビ部型番」)とを対応付けて記憶する。車載器テーブル342の内容は、各車載器10との通信が行われる毎に制御部31により更新され、最終通信時における車載器10のカーナビ部型番情報が記憶される。
【0055】
また、記憶部34は、コンテンツ情報の配信事業者に個別に付与されている事業者コードや、配信すべきコンテンツ情報を記憶している。コンテンツ情報は嗜好情報の項目毎に分類されて記憶されている。
【0056】
図9に、センター装置30から配信されるコンテンツ情報のデータフォーマットの一例を示す。
コンテンツ情報は、図9に示すように、大区分番号(ID)により分類される情報がいくつかの格納可能なファイルにより構成され、提供するコンテンツの内容に応じて必要なIDの情報が格納されている。
【0057】
ここで、IDにより分類される情報のうち、本実施形態に必要な主要な情報について説明する。
ID00に分類される「構成ID情報」は、当該コンテンツ情報を構成するIDの情報である。即ち、構成ID情報は、当該コンテンツ情報の何れのIDに情報が格納されているかを示す情報である。
ID01に分類される「事業者情報」は、当該コンテンツ情報を配信する配信事業者に関する情報であり、例えば、コンテンツを提供する配信事業者の「事業者コード」、「事業者名表示用テキスト」等が含まれる。
【0058】
ID02、ID03に分類される「コンテンツ属性情報」は、当該コンテンツ情報の属性を示す情報である。
ID02に分類される「コンテンツ属性情報」には、例えば、コンテンツ情報を提供する情報提供企業の「情報提供企業コード」、「情報提供企業名表示用テキスト」、コンテンツ情報を特定するために個別に付与された識別コードである「情報コード」、コンテンツ情報の内容を示す「情報タイトル表示用テキスト」、コンテンツ情報のカテゴリを示す「嗜好データカテゴリ情報」等が含まれる。この嗜好データカテゴリ情報は、コンテンツ情報のカテゴリを上述の嗜好情報の項目番号で示すものである。
ID03に分類される「コンテンツ属性情報」には、当該コンテンツを相互通信エリアZ外でも利用可能なコンテンツとして蓄積するか、受信完了後に即時再生するかを表す識別子としての「即時/蓄積コード」が含まれる。
ID04に分類される「有効期限情報」は、当該コンテンツ情報の有効期限を示す情報であり、「開始年月日時分秒」、「終了年月日時分秒」等が含まれる。
【0059】
ID10に分類される「対象地点情報」は、当該コンテンツ情報により案内されるサービスが提供される地点(対象地点という)に関する情報やコンテンツの実データ(画像、音声等のデータ)を含む。「対象地点情報」は、対象地点の緯度経度を示す「対象地点座標情報」、対象地点で提供されるサービスや店舗の名称を示す「サービス名称表示用テキスト」、サービスの説明用テキスト情報である「表示用文字データ」、サービス案内の画面を表示するための「表示画像データ」、サービスの音声案内のための「表音文字列データ」及び「圧縮音声データ」、当該コンテンツ情報の内容に関連する情報を提供するWebページの格納場所のアドレスを示す「URL情報」、対象地点以外の提携駐車場を示す「提携駐車場情報」、対象地点を地図画面上に表示する際の「アイコン表示画像データ」等が含まれる。
【0060】
ID80に分類される「嗜好情報」は、上述のように、嗜好情報のバージョンを示す「嗜好情報バージョン情報」、コンテンツの分類を示す各項目毎の「項目番号」「表示用テキスト」「表示用ネスト」「デフォルト値」、「音声文字列」等が含まれる。
【0061】
次に、動作について説明する。
図10は、コンテンツ情報を配信する際におけるセンター装置30、路側無線装置20、車載器10のDSRC部3及び制御部4における処理の流れを説明するフローチャートである。
図10に示すように、まず車両Cのエンジンが起動し、車載器10の電源が投入されると(ステップS1)、制御部4は車載器10の特性情報を生成し、記憶部3cのアップリンク情報記憶領域MEに書き込む(ステップS2)。特性情報は、予めセンター装置30との間で取り決められている項目について制御部4が表示部1e等の各部に問い合わせて取得したり、予め記憶部1fに記憶されている情報を読み出す等して取得する。そして、取得された情報を制御部4がコード化し、アップリンク情報記憶領域MEの対応する領域に当該コードを書き込む。なお、実際には書込を指示する制御情報をDSRC制御部3aに出力し、このDSRC制御部3aがアップリンク情報記憶領域MEに書き込む。
【0062】
その後、車両Cが走行を開始し、路側無線装置20の相互通信エリアZに進入すると(エリアイン)、路側無線装置20は車両Cを検出し、車載器10のDSRC部3とDSRC通信による接続処理を開始する(ステップS3a、S3b)。すなわち、DSRCの電波を送出し、車載器10からの応答が得られると、通信路を確立する。通信路を確立すると、路側無線装置20はセンター装置30に対し接続が完了した旨の通知情報を送信する(ステップS4a)。一方、車載器10のDSRC部3は制御部4に対し接続が完了した旨の通知情報を出力する(ステップS4b)。
【0063】
次いで、DSRC部3はアップリンク情報記憶領域MEに書き込まれている特性情報を路側無線装置20に送信する(ステップS5)。特性情報は路側無線装置20を介してセンター装置30に送信される。
センター装置30において、通信部35により特性情報が受信されると、制御部31は、受信した特性情報に含まれる車載器IDに基づいて車載器10のユーザが配信サービスの会員か否かを判断する(ステップS6)。
【0064】
センター装置30の制御部31は、記憶部34に記憶されている会員データベースに登録されている配信サービスの全会員の車載器IDのうち、受信した車載器IDと一致するものがなく、車載器10のユーザが非会員であると判断すると(ステップS6;NO)、記憶部34から非会員用のコンテンツ情報を読み出し、通信部35により、路側無線装置20を介して車載器10に配信する(ステップS21)。配信が終了すると、センター装置30の制御部31は、配信終了を通知するメッセージ情報を生成して車載器10に送信し(ステップS22)、センター装置30における処理を終了する。非会員用のコンテンツ情報とは、例えば、電車の遅延情報、納税通知情報等の公共の広告情報等の一般向けの内容の情報である。
【0065】
一方、受信した車載器IDと一致する車載器IDが記憶部34に記憶されている会員情報データベースに登録されており、車載器10のユーザが会員であると判断すると(ステップS6;YES)、センター装置30の制御部31は、通信部35により、路側無線装置20を介して会員用のデフォルトのコンテンツ情報を車載器10に配信する(ステップS7)。会員用のデフォルトのコンテンツ情報は、例えば、コンテンツ情報の配信開始を示すWelcome画面情報等である。
【0066】
また、制御部31は、車載器10に対し定期的にポーリングを行って(ステップS8、S11)、アップリンク情報記憶領域MEに書き込まれたアップリンク情報の送信を要求する。
【0067】
路側無線装置20を介してコンテンツ情報が受信されると、車載器10の制御部4は、受信されたコンテンツ情報に含まれる事業者コードと、記憶部1fに記憶されているアップリンク情報に含まれる事業者コードとを照合することにより、受信されたコンテンツ情報を配信した配信事業者が契約した事業者であるか否かを判断する(ステップS9)。受信されたコンテンツ情報を配信した配信事業者が契約した事業者ではないと判断すると(ステップS9;NO)、制御部4は、ステップS18の処理に移行し、センター装置30からの配信終了を通知するメッセージ情報の受信に応じて、全てのコンテンツ情報が揃ったか否か、受信したコンテンツ情報のデータは全て正常か否か等の検査を行い(ステップS18)、受信したコンテンツ情報を記憶部1fに保存する(ステップS19)。そして、制御部4は、記憶部1fにコンテンツ情報の受信履歴情報を記憶し(ステップS20)、制御部4における処理を終了する。なお、契約していない事業者からのコンテンツ情報については、受信履歴情報の記憶は省略してもよい。
【0068】
一方、受信されたコンテンツ情報を配信した配信事業者が契約した事業者であると判断すると(ステップS9;YES)、制御部4は、当該事業者コードに対応するアップリンク情報を記憶部1fから読み出してアップリンク情報記憶領域MEに書き込む(ステップS10)。
【0069】
DSRC部3は、制御部4によりアップリンク情報の書込が行われると、センター装置30からのポーリングに応じて、アップリンク情報記憶領域MEに記憶されているアップリンク情報を、路側無線装置20を介してセンター装置30に送信する(ステップS12)。
【0070】
センター装置30において、通信部35を介してアップリンク情報が受信されると、制御部31は、受信されたアップリンク情報を一時的に記憶するとともに、通信部35により路側無線装置20を介して車載器10にアップリンク情報開放要求を送信する(ステップS13)。車載器10の制御部4は、センター装置30から送信されたアップリンク情報開放要求を路側無線装置20を介して受信すると、ステップS10においてアップリンク情報記憶領域MEに書き込んだアップリンク情報をアップリンク情報記憶領域MEから削除する(ステップS14)。
【0071】
センター装置30の制御部31は、受信されたアップリンク情報に基づいて、再生機変更チェック処理を行う(ステップS15)。
図11は、図10のステップS15においてセンター装置30の制御部31により実行される再生機変更チェック処理を示すフローチャートである。
【0072】
再生機変更チェック処理においては、まず、制御部31は、受信されたアップリンク情報から車載器IDを取得する(ステップS101)。次いで、制御部31は、車載器テーブル342を参照し、取得した車載器IDに対応付けて記憶されているカーナビ部型番情報を取得して変数Xに代入する(ステップS102)。この変数Xに代入されるカーナビ部型番情報は、前回通信を行ったときに送信されたアップリンク情報に含まれていたカーナビ部型番情報である。なお、初回通信時には、車載器テーブル342に車載器ID及びカーナビ部型番情報は記憶されていない。
【0073】
次いで、制御部31は、受信されたアップリンク情報に含まれるカーナビ部型番情報を取得して変数Yに代入する(ステップS103)。この変数Yに代入されるカーナビ部型番情報は、即ち、アップリンク情報送信元の車載器10における現在の(今回の)カーナビ部型番情報である。
【0074】
次いで、制御部31は、変数Xに値が代入されているか否かを判断し、変数Xに値が代入されていないと判断すると(ステップS104;NO)、ステップS101で取得した車載器IDと変数Yに代入したカーナビ部型番情報を対応付けて車載器テーブル342に追加記憶させ(ステップS105)、図10のステップS16の処理に移行する。
【0075】
一方、変数Xに値が代入されていると判断すると(ステップS104;YES)、制御部31は、変数Xに代入されている値と変数Yに代入されている値が一致するか否かを判断する(ステップS106)。変数Xに代入されている値と変数Yに代入されている値が一致すると判断すると(ステップS106;YES)、制御部31は、前回通信時のカーナビ部型番情報と現在のカーナビ部型番情報に変更がないと判断し、図10のステップS16の処理に移行する。
【0076】
変数Xに代入されている値と変数Yに代入されている値が一致しないと判断すると(ステップS106;NO)、制御部31は、再生機テーブル341を参照し、変数Xに代入されているカーナビ部型番情報に対応する再生機1hの種類を示す情報(再生機情報)を取得して、変数Aに代入する(ステップS107)。また、制御部31は、再生機テーブル341を参照し、変数Yに代入されているカーナビ部型番情報に対応する再生機1hの種類を示す再生機情報を取得して、変数Bに代入する(ステップS108)。
【0077】
次いで、制御部31は、変数Aに代入されている値と変数Bに代入されている値が一致するか否かを判断する(ステップS109)。即ち、前回通信時における車載器10の再生機1hの種類と現在の車載器10の再生機1hの種類が同じであるか否かを判断する。変数Aに代入されている値と変数Bに代入されている値が一致すると判断すると(ステップS109;YES)、制御部31は、ステップS113の処理に移行し、車載器テーブル342におけるステップS101で取得した車載器IDに対応するカーナビ部型番を変数Yに代入したカーナビ部型番情報に更新し(ステップS113)、図10のステップS16の処理に移行する。
【0078】
変数Aに代入されている値と変数Bに代入されている値が一致しないと判断すると(ステップS109;NO)、制御部31は、受信したアップリンク情報から車載器10のユーザの嗜好情報を取得する(ステップS110)。そして、取得した嗜好情報において、変数Aに代入されている、前回通信時における再生機1hの種類に対応する項目が嗜好する項目として設定(選択)されているか否かを判断する(ステップS111)。前回通信時における再生機1hの種類に対応する項目に「1」が設定されていない、即ち、前回通信時における再生機1hの種類に対応する項目が嗜好する項目として設定されていないと判断すると(ステップS111;NO)、制御部31は、ステップS113の処理に移行し、車載器テーブル342におけるステップS101で取得した車載器IDに対応するカーナビ部型番情報を変数Yに代入したカーナビ部型番情報に更新し(ステップS113)、図10のステップS16の処理に移行する。
【0079】
前回通信時における再生機1hの種類に対応する項目が嗜好する項目として設定されていると判断すると(ステップS111;YES)、制御部31は、変数Bに代入されている現在の再生機1hの種類に対応する項目のデフォルト値を「1」に変更した、即ち、当該項目を嗜好する項目として追加した嗜好情報を生成し、図9に示すコンテンツ情報のデータフォーマットのID80に格納して、通信部35により路側無線装置20を介して車載器10に配信する(ステップS112)。そして、車載器テーブル342におけるステップS101で取得した車載器IDに対応するカーナビ部型番情報を変数Yに代入したカーナビ部型番情報に更新し(ステップS113)、図10のステップS16の処理に移行する。
【0080】
具体的に、ステップS111においては、受信したアップリンク情報に含まれる嗜好情報と同じバージョンの嗜好情報を記憶部34から読み出し、変数Aに代入されている再生機情報と表示用テキストが一致する項目を検索する。そして、受信したアップリンク情報に含まれる嗜好情報において、上記検索された項目の項目番号に対応する設定値が「1」であるか否かを判断し、「1」であれば前回通信時における再生機1hの種類に対応する項目が嗜好する項目として設定(選択)されていると判断する。また、ステップS112においては、記憶部34から読み出した嗜好情報において、受信したアップリンク情報に含まれる嗜好情報の設定値「1」の項目のデフォルト値を「1」に、それ以外の項目のデフォルト値を「0」に設定するとともに、変数Bに代入されている再生機情報と表示用テキストが一致する項目のデフォルト値を「1」に変更することによりユーザ配信用の嗜好情報を作成し、この作成した嗜好情報を図9に示すコンテンツ情報のデータフォーマットのID80に格納して車載器10に配信する。
【0081】
ステップS111とステップS112の処理によって、例えば、車載器10の前回通信時における再生機1hの種類が「DVD」であり、現在の再生機1hの種類が「BD」である場合、アップリンク情報に含まれる嗜好情報で「DVD」の項目が選択されていれば「BD」の項目が自動的に嗜好する項目として設定されることとなる。即ち、ユーザが車載器10に搭載されている再生機1hに関連するコンテンツ情報の視聴を希望している場合、車載器10の再生機1hの種類が変更されると、変更後の再生機1hの種類に対応する項目が自動的に嗜好する項目に追加される。従って、ユーザは、嗜好項目設定画面G1上で変更後の再生機1hの種類に対応する項目を嗜好する項目として設定する手間を省くことが可能となる。
【0082】
図10のステップS16においては、制御部31は、受信されたアップリンク情報に基づいて配信するコンテンツ情報を編成し、通信部35により路側無線装置20を介して車載器10に配信する(ステップS16)。ステップS16においては、例えば、受信したアップリンク情報の嗜好情報等を参照し、記憶部34に記憶されているコンテンツ情報のうちユーザが嗜好する項目に分類されるコンテンツ情報等を配信するコンテンツとして選択し、該当するコンテンツ情報を記憶部34から読み出して車載器10に配信する。なお、図11のステップS112において既にコンテンツ情報を配信している場合は、配信しなくてもよいし、別のコンテンツ情報を更に配信してもよい。
【0083】
コンテンツ情報の配信が終了すると、センター装置30の制御部31は、配信終了を通知するメッセージ情報を生成し、通信部35により路側無線装置20を介して車載器10に送信する(ステップS17)。
【0084】
車載器10において、センター装置30から配信されたコンテンツ情報及び配信終了通知を路側無線装置20を介して受信すると、車載器10の制御部4は、全てのコンテンツ情報が揃ったか否か、受信したコンテンツ情報のデータは全て正常か否か等の検査を行い(ステップS18)、受信したコンテンツ情報を記憶部1fに保存する(ステップS19)。また、記憶部1fに受信履歴情報を記憶する(ステップS20)。具体的には、記憶部1fに記憶されている当該事業者コードに対応するアップリンク情報に受信したコンテンツ情報の受信情報コードを書き込む。
【0085】
車載器10が相互通信エリアZ外に移動することにより(エリアアウト)一定時間以上路側無線装置20との通信が途絶えると、情報配信の一連の処理は終了する。
【0086】
図10に示す処理によってセンター装置30からコンテンツ情報が受信及び保存されると、車載器10の制御部4は、コンテンツ再生が可能となり、入力部1dを介して入力されるユーザの指示に応じてコンテンツを再生する。
【0087】
以上説明したように、第1の実施の形態における情報配信システム100によれば、センター装置30の制御部31は、車載器10からアップリンク情報を受信した際に、受信されたアップリンク情報に含まれる車載器10のカーナビ部型番情報と車載器テーブル342に記憶されている当該車載器10の前回通信時のカーナビ部型番情報とに基づいて、車載器10に搭載されている再生機1hの種類が変更されたか否かを判断する。再生機1hの種類が変更された場合、制御部31は、アップリンク情報に含まれる嗜好情報において、前回通信時の再生機1hの種類に対応する項目が嗜好する項目に設定されているか否かを判断し、嗜好する項目に設定されている場合、変更後の再生機1hの種類に対応する項目を嗜好する項目に追加した嗜好情報を生成し車載器に送信する。
【0088】
従って、車載器10に搭載されている再生機1hの種類に変更があった場合に、ユーザが手間をかけることなく変更後の再生機1hの種類に応じたコンテンツ情報を受信することが可能となる。例えば、変更後の再生機1hの種類に応じたハードウエア(例えば、レコーダ)やソフトウエアの情報等をユーザが入手することが可能となる。
【0089】
なお、上記実施の形態においては、変更前の再生機1hの種類に応じた項目はそのまま嗜好する項目として残しておくこととしたが、嗜好する項目からはずすようにしてもよい。
【0090】
〈第2の実施の形態〉
以下、本発明に係る第2の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態では、車載器10のカーナビ部1の再生機1hの種類に変更があったか否かをセンター装置30においてチェックし、変更があった場合に、変更後の再生機1hの種類に対応する項目をユーザが嗜好する項目に追加して嗜好情報を更新し車載器10に配信した。第2の実施の形態では、車載器10のカーナビ部1に変更があった場合に、再生機1hの種類に変更があったか否かを車載器10においてチェックし、変更があった場合に、変更後の再生機1hの種類に対応する項目をユーザが嗜好する項目に追加して嗜好情報を更新する。
【0091】
第2の実施の形態において、車載器10の記憶部1fは、第1の実施の形態においてセンター装置30に記憶されていた図7に示す再生機テーブル341と同様の再生機テーブル111を有している。
【0092】
また、記憶部1fは、図12に示す類似嗜好項目テーブル112を記憶している。ここで、上述のように、嗜好情報の各項目及びその表示用テキストは、上述のように配信事業者が設定できるものである。従って、互いに同じ内容を示す項目同士であっても配信事業者等によって表示用テキストが異なることがある。例えば、カーナビ部型番情報と再生機テーブル111により特定される再生機1hの種類を示す情報(テキスト情報)が「BD」であるとする。配信事業者は、嗜好情報においてこの再生機1hの種類に対応する項目の表示用テキストとして「BD」を用いている場合もあるが、「Blu−ray」「Blu−ray Disc」「ブルーレイディスク」等の他の表示用テキストを用いる場合もある。そこで、車載器10においては、再生機テーブル111に含まれる各再生機情報に対応する項目の表示用テキスト(「嗜好項目」)と、これと同じ内容で表記の異なる項目を示す表示用テキスト(「類似嗜好項目」)とを図12に示すような類似嗜好項目テーブル112に予め記憶して、同一内容であるが表記の異なる項目を判別できるようにしている。
【0093】
その他の第2の実施の形態における各装置の構成や、コンテンツ情報、アップリンク情報のデータ構成は第1の実施の形態と略同様であるので説明を援用し、以下、第2の実施の形態の動作について説明する。
【0094】
車載器10の制御部4は、メニュー画面からの入力部1dの操作等によりカーナビ部型番情報等の保存が指示されると、記憶部1fに記憶されているアップリンク情報に含まれるカーナビ部型番情報や配信事業者の事業者コード等をDSRC部3の記憶部3cに、又はメモリカードI/F1iを介して外部メモリデバイスEDに記憶させる機能を有している。
ユーザは、カーナビ部1の変更前に、入力部1dによりカーナビ部型番情報等の保存指示を入力し、変更前のカーナビ部の型番情報をDSRC部3の記憶部3cに、又はメモリカードI/F1iを介して外部メモリデバイスEDに記憶させる。
【0095】
カーナビ部1の変更後、ユーザによるメニュー画面からの入力部1dの操作等により再生機変更チェックの実行指示が入力されると、制御部4は、再生機変更チェック処理を実行する。なお、第1の実施の形態における処理と区別するため、第2の実施の形態における再生機変更チェック処理を再生機変更チェック処理Bとする。
【0096】
図13は、車載器10の制御部4により実行される再生機変更チェック処理Bを示すフローチャートである。
再生機変更チェック処理Bにおいては、まず、制御部4は、記憶部3cから、又はメモリカードI/F1iを介して外部メモリデバイスEDから、変更前のカーナビ部型番情報を取得する(ステップT1)。次いで、制御部4は、記憶部1fに記憶されている再生機テーブル111を参照し、取得したカーナビ部型番情報に対応する再生機1hの種類を示す情報(再生機情報)を取得することにより、変更前のカーナビ部1に搭載されていた再生機情報を取得して、変数Aに代入する(ステップT2)。
【0097】
次いで、制御部4は、再生機テーブル111を参照して現在の(変更後の)カーナビ部1のカーナビ部型番情報に対応する再生機情報を取得して変数Bに代入し(ステップT3)、変数Aの値と変数Bの値を比較することにより変更前後の再生機1hの種類が同一であるか否かを判断する。A=Bであり、変更前後の再生機1hの種類が同一であると判断すると(ステップT4;YES)、制御部4は、本処理を終了する。
【0098】
一方、A=Bではなく、変更前後の再生機1hの種類が同一ではないと判断すると(ステップT4;NO)、制御部4は、変数mに契約した配信事業者数を代入するとともに(ステップT5)、変数nに1を代入する(ステップT6)。次いで、制御部4は、変数mの値と変数nの値を比較し、n≦mである場合に(ステップT7;YES)、n番目の配信事業者の嗜好情報更新処理を実行する(ステップT8)。
【0099】
図14は、図13のステップT8において制御部4により実行されるn番目の配信事業者の嗜好情報更新処理を示すフローチャートである。
n番目の配信事業者の嗜好情報更新処理において、制御部4は、まず、選択チェック処理を実行する(ステップT11)。
【0100】
図15は、図16のステップT11において制御部4により実行される選択チェック処理を示すフローチャートである。
選択チェック処理において、制御部4は、まず、変数iに1を、変数jに1を、変数retにfalseを初期値として代入する(ステップT101)。
【0101】
次いで、制御部4は、記憶部1fに保存されているn番目の配信事業者のコンテンツ情報からID80を含むコンテンツ情報を検索して読み出し(ステップT102)、変数NにID80に格納されている嗜好情報の項目(嗜好項目)の数(嗜好項目数)を代入する(ステップT103)。ここで、n番目の配信事業者のコンテンツ情報であるか否かは、ID01の事業者コードにより判断する。また、n番目の配信事業者のID80を含むコンテンツ情報が複数保存されている場合、その中で最も新しいバージョンのコンテンツ情報が読み出される。n番目の配信事業者のID80を含むコンテンツ情報が存在しない、即ち、まだダウンロードされていない場合、嗜好項目数に0が代入される。
【0102】
次いで、制御部4は、類似嗜好項目テーブル112を参照し、変数Aに格納されている変更前の再生機情報(変数Aの値)及びこの再生機情報に対応付けられている類似嗜好項目(これらを以下嗜好項目候補という)の数の合計をカウントして、嗜好項目候補数として変数Mに代入する(ステップT104)。
【0103】
次いで、制御部4は、変数iの値と変数Nの値を比較し、i≦Nである場合(ステップT105;YES)、読み出したコンテンツ情報のID80に格納されているi番目の嗜好項目の表示用テキストを変数Xに代入する(ステップT106)。また、制御部4は、j番目の嗜好項目候補の表示用テキストを変数Yに代入する(ステップT107)。
【0104】
次いで、制御部4は、変数Xと変数Yの値を比較し、X=Yではない、即ち、ID80におけるi番目の嗜好項目の表示用テキストとj番目の嗜好項目候補の表示用テキストとが一致しないと判断すると(ステップT108;NO)、変数jの値を1インクリメントし(ステップT109)、変数jの値と変数Mの値を比較する。j>Mではない、即ち、まだID80のi番目の嗜好項目との比較が終了していない嗜好項目候補がある場合(ステップT110;NO)、ステップT107の処理に戻る。j>Mである場合、即ち、ID80のi番目の嗜好項目と全ての嗜好項目候補との比較が終了した場合(ステップT110;YES)、制御部4は、変数iを1インクリメントし(ステップT111)、T105の処理に戻り、次の嗜好項目と嗜好項目候補との比較が順次行われる。
【0105】
一方、ステップT108において、X=Yである、即ち、ID80におけるi番目の嗜好項目の表示用テキストとj番目の嗜好項目候補の表示用テキストとが一致している判断すると(ステップT108;YES)、制御部4は、ID80におけるi番目の嗜好項目がユーザの嗜好する項目として設定(選択)されているか否か、即ち、i番目の嗜好項目のデフォルト値が「1」であるか否かを判断する。ID80におけるi番目の嗜好項目がユーザの嗜好する項目として設定(選択)されていない、即ち、i番目の嗜好項目のデフォルト値が「0」であると判断すると(ステップT112;NO)、制御部4は、T109の処理に移行する。ID80におけるi番目の嗜好項目がユーザの嗜好する項目として設定(選択)されている、即ち、i番目の嗜好項目のデフォルト値が「1」であると判断すると(ステップT112;YES)、制御部4は、変数retに「true」を代入し(ステップT113)、図14のT12の処理に移行する。
【0106】
ステップT105において、i>Nである場合(ステップT105;NO)、制御部4は、全ての嗜好項目と嗜好項目候補との比較が終了したと判断し、図14のステップT12の処理に移行する。
【0107】
図14のステップT12において、制御部4は、変数ret=trueであるか否かを判断し、変数ret=trueではないと判断すると(ステップT12;NO)、図13のステップT9の処理に移行する。変数ret=trueであると判断すると(ステップT12;YES)、制御部4は、嗜好項目追加処理を実行する(ステップT13)。
【0108】
図16は、図14のステップT13において制御部4により実行される嗜好項目追加処理を示すフローチャートである。
【0109】
嗜好項目追加処理においては、制御部4は、まず、変数iに1を、変数jに1を初期値として代入する(ステップT201)。
【0110】
次いで、制御部4は、記憶部1fに保存されているn番目の配信事業者のコンテンツ情報からID80を含むコンテンツ情報を検索して読み出し(ステップT202)、変数NにID80の嗜好情報に含まれる嗜好項目数を代入する(ステップT203)。
【0111】
次いで、制御部4は、類似嗜好項目テーブル112を参照し、変数Bに格納されている変更後の再生機情報(変数Bの値)及びこの再生機情報に対応付けられている類似嗜好項目(嗜好項目候補)の数の合計をカウントして、嗜好項目候補数として変数Mに代入する(ステップT204)。
【0112】
次いで、制御部4は、変数iの値と変数Nの値を比較し、i≦Nである場合(ステップT205;YES)、読み出したコンテンツ情報のID80に格納されているi番目の嗜好項目の表示用テキストを変数Xに代入する(ステップT206)。また、制御部4は、j番目の嗜好項目候補の表示用テキストを変数Yに代入する(ステップT207)。
【0113】
次いで、制御部4は、変数Xと変数Yの値を比較し、X=Yである、即ち、ID80におけるi番目の嗜好項目の表示用テキストとj番目の嗜好項目候補の表示用テキストとが一致すると判断すると(ステップT208;YES)、ID80に格納されているi番目の嗜好項目のデフォルト値を「1」に設定し(ステップT209)、ステップT210の処理に移行する。X=Yではない、即ち、ID80におけるi番目の嗜好項目の表示用テキストとj番目の嗜好項目候補の表示用テキストとが一致しないと判断すると(ステップT208;NO)、制御部4は、ステップT210の処理に移行する。
【0114】
ステップT210においては、制御部4は、変数jの値を1インクリメントし(ステップT210)、変数jの値と変数Mの値を比較する。j>Mではない、即ち、まだID80のi番目の嗜好項目との比較が終了していない嗜好項目候補がある場合(ステップT211;NO)、制御部4は、ステップT207の処理に戻る。j>Mである場合、即ち、ID80のi番目の嗜好項目と全ての嗜好項目候補との比較が終了した場合(ステップT211;YES)、制御部4は、変数iを1インクリメントし(ステップT212)、ステップT205の処理に戻り、次の嗜好項目と嗜好項目候補との比較が順次行われる。
【0115】
ステップT205において、i>Nであると判断した場合(ステップT205;NO)、制御部4は、図13のステップT9の処理に移行する。
上述のn番目の配信事業者の嗜好情報更新処理により、i番目の配信事業者のコンテンツ情報に含まれる嗜好情報において、変更前にカーナビ部1に搭載されていた再生機1hの種類に対応する項目がユーザの嗜好する項目として設定されている場合に、変更後の再生機1hの種類に対応する項目がユーザの嗜好する項目に自動的に追加される。なお、ステップT209においてデフォルト値が「1」に設定された項目がある場合には、図13のステップT9に移行する前に、制御部4は、記憶部1fに記憶されているアップリンク情報における嗜好情報における対応する項目の設定値も併せて「1」に変更するようにしてもよい。これにより、ユーザの操作を介さずに、自動的に変更後の再生機1hの種類に対応する項目をユーザが嗜好する項目に設定することができる。或いは、制御部4は、変更後の再生機1hの種類に対応する項目が嗜好する項目に追加された嗜好情報に基づいて、表示部1eに嗜好項目設定画面G1を表示することによりユーザに嗜好情報の更新を促し、入力部1dによる「OK」ボタンB1押下に応じて、記憶部1fに記憶されているアップリンク情報における嗜好情報を上記変更後の再生機1hの種類が追加された嗜好情報に更新するようにしてもよい。
【0116】
図13のステップT9においては、制御部4は、変数nを1インクリメントし(ステップT9)、ステップT7の処理に戻る。ステップT7において、n>mと判断すると(ステップT7;NO)、制御部4は、本処理を終了する。
【0117】
上述の再生機変更チェック処理Bの後、車載器10が路側無線装置20の相互通信エリアZに進入すると、図10に示すセンター装置30と車載器10との通信が開始され、変更後の再生機1hの種類が嗜好する項目として追加された嗜好情報を含むアップリンク情報がセンター装置30に送信される。センター装置30においては、更新されたアップリンク情報に基づいて車載器10に配信するコンテンツ情報が決定され、車載器10に配信される。即ち、変更後の再生機1hの種類に対応するカテゴリのコンテンツ情報があれば、車載器10に配信される。
【0118】
以上説明したように、第2の実施の形態における情報配信システム100によれば、車載器10の制御部4は、カーナビ部1の変更前のカーナビ部型番情報を記憶部3c又は外部メモリデバイスEDに記憶しておき、変更前のナビゲーション装置のカーナビ部型番情報と現在のカーナビ部1から取得したカーナビ部型番情報とに基づいて、再生機1hの種類が変更されたか否かを判断し、変更された場合に、嗜好情報における変更後の再生機1hの種類に対応する項目をユーザの嗜好する項目に追加する。
【0119】
従って、車載器10に搭載されている再生機1hの種類に変更があった場合に、嗜好情報における変更後の再生機1hの種類に対応する項目をユーザの嗜好する項目に自動的に追加するので、ユーザが手間をかけることなく変更後の再生機1hの種類に応じたコンテンツ情報を受信することが可能となる。
【0120】
また、変更後の再生機1hの種類に対応する項目をユーザの嗜好する項目に予め設定した嗜好項目設定画面G1を表示し、ユーザによる「OK」ボタンB1の押下に応じてアップリンク情報に含まれる嗜好情報を更新することで、ユーザが嗜好情報に変更があったことを確認した上で、送信用の嗜好情報を更新することが可能となる。
【0121】
なお、上記第2の実施の形態においては、記憶部1fに記憶されているコンテンツ情報に含まれるID80の嗜好情報を用いて、アップリンク情報の嗜好情報を更新する場合を例にとり説明したが、コンテンツ情報に含まれるID80の嗜好情報の代わりにアップリンク情報の嗜好情報を用いて上記n番目の配信事業者の嗜好情報更新処理を実行し、アップリンク情報の嗜好情報を直接更新してもよい。
【0122】
また、上記第2の実施の形態を応用し、再生機1hに接続されている外部スピーカSPが変更になった場合、例えば、サブウーファ等が外部スピーカSPとして新たに接続されたような場合に、スピーカの変更に応じて嗜好情報を自動的に更新するようにしてもよい。以下、スピーカの変更に応じて嗜好情報を更新する例について説明する。
【0123】
スピーカを変更する場合、ユーザはメニュー画面からの入力部1dによる操作等によりスピーカ設定の指示を行う。制御部4は、スピーカ設定の指示が入力されると、表示部1eにスピーカ設定画面等を表示して、変更後のスピーカ構成(チャンネル数等)の選択等、各種設定情報をユーザに入力させる。そして、変更後のスピーカ構成の情報を含む、スピーカ構成設定画面から入力された設定情報を記憶部1fに記憶する。このとき、変更前のスピーカ構成の情報は記憶部1fの別領域に退避しておく。
【0124】
上記スピーカ構成の設定が終了すると、制御部4は、図17に示すスピーカ構成変更チェック処理を実行する。
【0125】
スピーカ構成変更チェック処理においては、制御部4は、まず、記憶部1fに記憶されている変更前のスピーカ構成の情報を読み出して変数Aに代入する(ステップT301)。次いで、変更後のスピーカ構成の情報を読み出して変数Bに代入する(ステップT302)。
【0126】
次いで、制御部4は、変数Aの値と変数Bを比較し、A=Bである、即ち、スピーカ構成に変更がないと判断すると(ステップT303;NO)、本処理を終了する。
【0127】
変数Aの値と変数Bの値が異なる、即ち、スピーカ構成が変更されたと判断すると(ステップT303;YES)、制御部4は、変数Bの値(例えば、チャンネル数)に基づいて、サラウンド構成に変更されたか否かを判断する。サラウンド構成に変更されていないと判断すると(ステップT304;NO)、制御部4は、本処理を終了する。サラウンド構成に変更されたと判断すると(ステップT304;YES)、制御部4は変数mに契約した配信事業者数を代入するとともに(ステップT305)、変数nに1を代入する(ステップT306)。次いで、制御部4は、変数mの値と変数nの値を比較し、n≦mである場合に(ステップT307;YES)、n番目の配信事業者の嗜好情報更新処理を実行する(ステップT308)。
【0128】
ステップT308におけるn番目の配信事業者の嗜好情報更新処理や当該処理におけるサブルーチンは、図14〜図16で説明したものと同様である。ここで、これらの処理を実行するにあたり、例えば、変数Aには、変更前のスピーカ構成の情報に基づいて、「変更前のスピーカ構成名(例えば、モノラル、ステレオ等)+現在の再生機情報」がテキスト情報で代入される。例えば、変更前のスピーカ構成情報が2チャンネルであり、再生機1hの種類がDVDであった場合、変数Aには「ステレオDVD」が代入される。変数Bには、「サラウンド+現在の再生機情報」がテキスト情報で代入される。例えば、変数Bには「サラウンドDVD」が代入される。これにより、嗜好情報における変更前のスピーカ構成に関連する項目が選択されている場合、変更後のスピーカ構成に関連する項目が自動選択される。例えば、変更前に「ステレオDVD」が嗜好情報として選択されていた場合には、変更後に「サラウンドDVD」が自動で選択される。
【0129】
n番目の配信事業者の嗜好情報更新処理が終了すると、制御部4は、変数nを1インクリメントし(ステップT309)、ステップT307に戻る。ステップT307において、n>mであると判断すると(ステップT307;NO)、制御部4は、本処理を終了する。
【0130】
以上、本発明に係る第1及び第2の実施の形態について説明してきたが、上記実施形態は本発明の好適な一例であり、これに限定されない。
例えば、第1の実施の形態において、図12に示す類似嗜好項目テーブル112を記憶部34が有する構成とし、類似嗜好項目を考慮して、前回の再生機1hに対応する項目が嗜好する項目として選択されているか否かの判断や、現在の再生機1hに対応する項目の特定等を行うようにしてもよい。これにより、同一配信事業者において、同一内容を示す異なる項目が存在していたとしても、もれなく現在の再生機1hに対応する項目を嗜好する項目として追加することが可能となる。
【0131】
その他、情報配信システム100を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】本実施形態における情報配信システムを示す図である。
【図2】図1の路側無線装置の相互通信エリアを説明する図である。
【図3】図1の車載器の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】図1のセンター装置から配信される嗜好情報のデータ構成例を示す図である。
【図5】図3の表示部に表示される嗜好項目設定画面の一例を示す図である。
【図6】図1のセンター装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図7】図6の再生機テーブルのデータ格納例を示す図である。
【図8】図6の車載器テーブルのデータ格納例を示す図である。
【図9】図1のセンター装置から配信されるコンテンツ情報のデータフォーマットの一例を示す図である。
【図10】情報配信システムにおいてコンテンツ情報を配信する際における各装置間の処理の流れを説明する図である。
【図11】図6のセンター装置の制御部により実行される再生機変更チェック処理を示すフローチャートである。
【図12】図3のカーナビ部の記憶部に記憶されている類似嗜好項目テーブルのデータ格納例を示す図である。
【図13】図3の車載器の制御部により実行される再生機変更チェック処理Bを示すフローチャートである。
【図14】図13のステップT8において実行されるn番目の配信事業者の嗜好情報更新処理を示すフローチャートである。
【図15】図14のステップT11において実行される選択チェック処理を示すフローチャートである。
【図16】図14のステップT13において実行される嗜好項目追加処理を示すフローチャートである。
【図17】図3の車載器の制御部により実行されるスピーカ構成変更チェック処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0133】
100 情報配信システム
10 車載器
1 カーナビ部
1a カーナビ制御部
1b 現在地検出部
1c 地図記憶部
1d 入力部
1e 表示部
1f 記憶部
1g 音声出力部
1h 再生機
1i メモリカードI/F
111 再生機テーブル
112 類似嗜好項目テーブル
SP 外部スピーカ
ED 外部メモリデバイス
2 通信モジュール
3 DSRC部
3a DSRC制御部
3b 通信部
3c 記憶部
ME アップリンク情報記憶領域
3e ETC処理部
3f ICカードI/F
4 制御部
20 路側無線装置
30 センター装置
31 制御部
32 入力部
33 表示部
34 記憶部
341 再生機テーブル
342 車載器テーブル
35 通信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが嗜好するコンテンツ情報のカテゴリを示す嗜好情報に応じてコンテンツ情報を配信するセンター装置と、ユーザの操作に応じて設定された嗜好情報を前記センター装置に送信して前記嗜好情報に応じたコンテンツ情報を受信する車載器と、が路側無線装置を介してデータ送受信可能に接続された情報配信システムであって、
前記車載器は、
音声及び/又は映像を再生する再生装置と、
当該車載器の識別情報、前記設定されたユーザの嗜好情報及び前記再生装置の機種情報を前記センター装置に送信する情報送信手段と、を備え、
前記センター装置は、
前記車載器との最終通信時における当該車載器の再生装置の機種情報を当該車載器の識別情報に対応付けて記憶する車載器情報記憶手段と、
前記車載器から前記機種情報が受信された際に、当該受信された機種情報と前記車載器情報記憶手段に記憶されている当該車載器に対応する機種情報とに基づいて当該車載器に搭載されている再生装置の種類が変更されたか否かを判断し、変更された場合に、変更後の再生装置の種類に対応するカテゴリを前記ユーザの嗜好情報に追加して前記車載器に送信する制御手段と、を備える情報配信システム。
【請求項2】
ユーザが嗜好するコンテンツ情報のカテゴリを示す嗜好情報に応じてコンテンツ情報を車載器に配信するセンター装置であって、
路側無線装置を介して、前記車載器とデータ送受信を行う通信手段と、
前記車載器との最終通信時における前記車載器の再生装置の機種情報を当該車載器の識別情報に対応付けて記憶する車載器情報記憶手段と、
前記通信手段により前記車載器から送信された当該車載器の識別情報、当該車載器のユーザの嗜好情報及び当該車載器に備えられた再生装置の機種情報が受信された際に、当該受信された機種情報及び前記車載器情報記憶手段に記憶されている当該車載器に対応する機種情報とに基づいて当該車載器に搭載されている再生装置の種類が変更されたか否かを判断し、変更された場合に、変更後の再生装置の種類に対応するカテゴリを前記ユーザの嗜好情報に追加して前記通信手段により前記車載器に送信する制御手段と、
を備えるセンター装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記受信したユーザの嗜好情報に変更前の再生装置の種類に対応するカテゴリが含まれているか否かを判断し、含まれている場合に、前記変更後の再生装置の種類に対応するカテゴリを前記ユーザの嗜好情報に追加する請求項2に記載のセンター装置。
【請求項4】
ユーザが嗜好するコンテンツ情報のカテゴリを示す嗜好情報に応じてコンテンツ情報を配信するセンター装置と、ユーザの操作に応じて設定された嗜好情報を前記センター装置に送信して前記嗜好情報に応じたコンテンツ情報を受信する車載器と、が路側無線装置を介してデータ送受信可能に接続された情報配信システムであって、
前記車載器は、
前記設定されたユーザの嗜好情報を記憶する嗜好情報記憶手段と、
音声及び/又は映像を再生する再生装置と、
前記再生装置の変更時に変更前の再生装置の機種情報を記憶する機種情報記憶手段と、
前記機種情報記憶手段に記憶された変更前の再生装置の機種情報と現在の再生装置から取得した機種情報とに基づいて、当該車載器に搭載されている再生装置の種類が変更されたか否かを判断し、変更された場合に、変更後の再生装置の種類に対応するカテゴリを前記ユーザの嗜好情報に追加する制御手段と、
を備える情報配信システム。
【請求項5】
ユーザが嗜好するコンテンツ情報のカテゴリを示す嗜好情報に応じてコンテンツ情報を配信するセンター装置と路側無線装置を介してデータ送受信を行う通信手段を備え、ユーザの操作に応じて設定された嗜好情報を前記通信手段により前記センター装置に送信し前記嗜好情報に応じたコンテンツ情報を受信する車載器であって、
前記設定されたユーザの嗜好情報を記憶する嗜好情報記憶手段と、
音声及び/又は映像を再生する再生装置と、
前記再生装置の変更時に変更前の再生装置の機種情報を記憶する機種情報記憶手段と、
前記機種情報記憶手段に記憶された変更前の再生装置の機種情報と現在の再生装置から取得した機種情報とに基づいて、当該車載器に搭載されている再生装置の種類が変更されたか否かを判断し、変更された場合に、変更後の再生装置の種類に対応するカテゴリを前記ユーザの嗜好情報に追加する制御手段と、
を備える車載器。
【請求項6】
前記制御手段は、前記嗜好情報記憶手段に記憶されているユーザの嗜好情報に変更前の再生装置の種類に対応するカテゴリが含まれているか否かを判断し、含まれている場合に、前記変更後の再生装置の種類に対応するカテゴリを前記ユーザの嗜好情報に追加する請求項5に記載の車載器。
【請求項7】
操作手段と、
前記操作手段による操作に応じてユーザの嗜好情報を設定するための設定画面を表示する表示手段とを備え、
前記制御手段は、前記車載器に搭載されている再生装置の種類が変更された場合に、変更後の再生装置の種類に対応するカテゴリを追加した嗜好情報を前記設定画面に表示させ、前記操作手段による設定指示に応じて、前記変更後の再生装置の種類に対応するカテゴリを追加した嗜好情報を前記嗜好情報記憶手段に記憶させる請求項6に記載の車載器。
【請求項8】
前記制御手段は、前記再生装置に接続されるスピーカの変更時に、変更前後のスピーカ構成情報を取得し、当該取得した変更前後のスピーカ構成情報に基づいて、前記再生装置におけるスピーカ構成がサラウンド構成に変更されたか否かを判断し、サラウンド構成に変更された場合に、サラウンド構成の前記再生装置に対応するカテゴリを前記ユーザの嗜好情報に追加する請求項5〜7の何れか一項に記載の車載器。
【請求項1】
ユーザが嗜好するコンテンツ情報のカテゴリを示す嗜好情報に応じてコンテンツ情報を配信するセンター装置と、ユーザの操作に応じて設定された嗜好情報を前記センター装置に送信して前記嗜好情報に応じたコンテンツ情報を受信する車載器と、が路側無線装置を介してデータ送受信可能に接続された情報配信システムであって、
前記車載器は、
音声及び/又は映像を再生する再生装置と、
当該車載器の識別情報、前記設定されたユーザの嗜好情報及び前記再生装置の機種情報を前記センター装置に送信する情報送信手段と、を備え、
前記センター装置は、
前記車載器との最終通信時における当該車載器の再生装置の機種情報を当該車載器の識別情報に対応付けて記憶する車載器情報記憶手段と、
前記車載器から前記機種情報が受信された際に、当該受信された機種情報と前記車載器情報記憶手段に記憶されている当該車載器に対応する機種情報とに基づいて当該車載器に搭載されている再生装置の種類が変更されたか否かを判断し、変更された場合に、変更後の再生装置の種類に対応するカテゴリを前記ユーザの嗜好情報に追加して前記車載器に送信する制御手段と、を備える情報配信システム。
【請求項2】
ユーザが嗜好するコンテンツ情報のカテゴリを示す嗜好情報に応じてコンテンツ情報を車載器に配信するセンター装置であって、
路側無線装置を介して、前記車載器とデータ送受信を行う通信手段と、
前記車載器との最終通信時における前記車載器の再生装置の機種情報を当該車載器の識別情報に対応付けて記憶する車載器情報記憶手段と、
前記通信手段により前記車載器から送信された当該車載器の識別情報、当該車載器のユーザの嗜好情報及び当該車載器に備えられた再生装置の機種情報が受信された際に、当該受信された機種情報及び前記車載器情報記憶手段に記憶されている当該車載器に対応する機種情報とに基づいて当該車載器に搭載されている再生装置の種類が変更されたか否かを判断し、変更された場合に、変更後の再生装置の種類に対応するカテゴリを前記ユーザの嗜好情報に追加して前記通信手段により前記車載器に送信する制御手段と、
を備えるセンター装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記受信したユーザの嗜好情報に変更前の再生装置の種類に対応するカテゴリが含まれているか否かを判断し、含まれている場合に、前記変更後の再生装置の種類に対応するカテゴリを前記ユーザの嗜好情報に追加する請求項2に記載のセンター装置。
【請求項4】
ユーザが嗜好するコンテンツ情報のカテゴリを示す嗜好情報に応じてコンテンツ情報を配信するセンター装置と、ユーザの操作に応じて設定された嗜好情報を前記センター装置に送信して前記嗜好情報に応じたコンテンツ情報を受信する車載器と、が路側無線装置を介してデータ送受信可能に接続された情報配信システムであって、
前記車載器は、
前記設定されたユーザの嗜好情報を記憶する嗜好情報記憶手段と、
音声及び/又は映像を再生する再生装置と、
前記再生装置の変更時に変更前の再生装置の機種情報を記憶する機種情報記憶手段と、
前記機種情報記憶手段に記憶された変更前の再生装置の機種情報と現在の再生装置から取得した機種情報とに基づいて、当該車載器に搭載されている再生装置の種類が変更されたか否かを判断し、変更された場合に、変更後の再生装置の種類に対応するカテゴリを前記ユーザの嗜好情報に追加する制御手段と、
を備える情報配信システム。
【請求項5】
ユーザが嗜好するコンテンツ情報のカテゴリを示す嗜好情報に応じてコンテンツ情報を配信するセンター装置と路側無線装置を介してデータ送受信を行う通信手段を備え、ユーザの操作に応じて設定された嗜好情報を前記通信手段により前記センター装置に送信し前記嗜好情報に応じたコンテンツ情報を受信する車載器であって、
前記設定されたユーザの嗜好情報を記憶する嗜好情報記憶手段と、
音声及び/又は映像を再生する再生装置と、
前記再生装置の変更時に変更前の再生装置の機種情報を記憶する機種情報記憶手段と、
前記機種情報記憶手段に記憶された変更前の再生装置の機種情報と現在の再生装置から取得した機種情報とに基づいて、当該車載器に搭載されている再生装置の種類が変更されたか否かを判断し、変更された場合に、変更後の再生装置の種類に対応するカテゴリを前記ユーザの嗜好情報に追加する制御手段と、
を備える車載器。
【請求項6】
前記制御手段は、前記嗜好情報記憶手段に記憶されているユーザの嗜好情報に変更前の再生装置の種類に対応するカテゴリが含まれているか否かを判断し、含まれている場合に、前記変更後の再生装置の種類に対応するカテゴリを前記ユーザの嗜好情報に追加する請求項5に記載の車載器。
【請求項7】
操作手段と、
前記操作手段による操作に応じてユーザの嗜好情報を設定するための設定画面を表示する表示手段とを備え、
前記制御手段は、前記車載器に搭載されている再生装置の種類が変更された場合に、変更後の再生装置の種類に対応するカテゴリを追加した嗜好情報を前記設定画面に表示させ、前記操作手段による設定指示に応じて、前記変更後の再生装置の種類に対応するカテゴリを追加した嗜好情報を前記嗜好情報記憶手段に記憶させる請求項6に記載の車載器。
【請求項8】
前記制御手段は、前記再生装置に接続されるスピーカの変更時に、変更前後のスピーカ構成情報を取得し、当該取得した変更前後のスピーカ構成情報に基づいて、前記再生装置におけるスピーカ構成がサラウンド構成に変更されたか否かを判断し、サラウンド構成に変更された場合に、サラウンド構成の前記再生装置に対応するカテゴリを前記ユーザの嗜好情報に追加する請求項5〜7の何れか一項に記載の車載器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
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【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図11】
【図12】
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【図14】
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【図16】
【図17】
【公開番号】特開2009−294899(P2009−294899A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−147732(P2008−147732)
【出願日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】
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