説明

情報配信システム、情報受信装置並びに情報受信方法

【課題】ユーザに特別な操作を課すことなく、放送対象地域内であれば他の通信手段を介してコンテンツを出力させる。
【解決手段】電波を送出する無線局(放送局20)と、無線局が電波で送出する情報および/または無線局が電波で送出する情報以外の他の情報を他の通信手段(IP通信網100)により配信可能な情報配信装置(放送局20)と、無線局が電波で送出する情報および/または無線局が電波で送出する情報以外の他の情報を情報配信装置から受信した際に、無線局から送出される電波の受信状況を検出する受信状況検出部と、受信状況検出部で検出した値に基づいて無線局が電波で送出する情報および/または無線局が電波で送出する情報以外の他の情報を出力するか否かを判定する出力可否判定部と、を少なくとも備えた情報受信装置(受信機40)とを備える情報配信システム10とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報配信システム、情報受信装置並びに情報受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地上デジタル放送においてコンテンツを配信する場合には、放送事業を行うための放送免許を放送対象地域別に取得する必要がある。しかしながら、当該コンテンツをIP通信網経由で配信すると、ブロードキャストされてしまうため、放送免許を取得している放送対象地域以外にも配信されてしまう。したがって、放送局が放送波で送信したコンテンツをIP通信網経由で再配信する場合には、放送対象地域内にのみ存在する移動体端末やTV、STB(set top box)へ配信されるように、地域別のアクセス制御を行う必要がある。
【0003】
たとえば、受信機の設置される地域によってアクセス制御を行う方法の1つとして、IPデータのヘッダに含まれるTTL(Time To Live)値、つまり経由するルータのホップ数を放送対象地域毎に予め設定するものが提案されている(特許文献1参照)。このような設定をしてコンテンツを配信すると、ブロードキャストや特定のIPアドレス範囲のみを指定したIPマルチキャストによる再配信であっても、このIPデータに設定されたTTL値がゼロになると、当該コンテンツを転送するルータがIPデータを途中で破棄するため、IP通信網経由であっても、コンテンツが放送対象地域のみに送信することが可能となる。
【0004】
また、他の観点として、使用者が放送波を受信可能な地域に居住し、携帯できる受信機を有している場合に、コンテンツを受信したい場所が当該地域外であるときのアクセス制御方法の1つとして、特定の登録地域での受信許可を示す情報が記憶された記憶媒体を装着した受信機を用いるものが提案されている(特許文献2参照)。このような構成を採用してコンテンツを再配信すると、正当な利用者であれば、登録地域外にいる場合であっても、IP通信網経由でコンテンツを受信することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−336022号公報(要約など)
【特許文献2】特開2008−141429号公報(要約など)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示される技術では、コンテンツを初めて配信するか、再配信するかに係わらず、放送対象地域毎にTTL値を厳密に設定しなければ、放送対象地域内にのみ配信できるようにならない。また、経由する各ルータの採用するルーティングプロトコルよっては、同一の放送対象地域内であっても、コンテンツが到着するまでの経路が異なることも考えられ、TTL値が必ずしも放送対象地域内にのみ到達できる値となっているか保証されるものではない。したがって、放送対象地域内であってもコンテンツが配信されない可能性や、放送対象地域外であってもコンテンツが配信される可能性があるため、IPデータのTTL値を利用したアクセス制御方法は、信頼性という観点から問題がある。
【0007】
また、特許文献2に開示される技術では、コンテンツを初めて配信するか、再配信するかに係わらず、受信機に受信許可を示す情報が記憶された記憶媒体を必ず装着しなければならない。したがって、ユーザが仮に放送対象地域内で受信機を持っていたとしても、この記憶媒体を受信機に常に装着していないとコンテンツが配信されない。また、仮に日本全国でこの方式を採用するためには、全ての放送局で統一されたユーザ毎の受信許可を示す情報を管理する必要も生じる。
【0008】
そこで、本発明は、上述した課題に鑑み、ユーザに特別な操作を課すことなく、無線局の放送対象地域内であれば他の通信手段を介してコンテンツを出力させることができる情報配信システム、情報受信装置並びに情報受信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面である情報受信装置は、無線局から送出される電波を受信可能であると共に、電波で送出する情報および/または電波で送出する情報以外の他の情報を配信する情報配信装置と電波以外の他の通信手段を介して通信可能である情報受信装置において、無線局が電波で送出する情報および/または無線局が電波で送出する情報以外の他の情報を情報配信装置から受信した際に、無線局から送出される電波の受信状況を検出する受信状況検出部と、受信状況検出部で検出した値に基づいて無線局が電波で送出する情報および/または無線局が電波で送出する情報以外の他の情報を出力するか否かを判定する出力可否判定部と、を備えるものである。
【0010】
また、本発明の一側面である情報受信装置は、上述した構成に加えて、受信状況検出部は、無線局からの電波の受信電界強度および/または受信誤り率の値を検出することが好ましい。
【0011】
また、本発明の一側面である情報受信装置は、上述した構成に加えて、情報配信装置から受信した情報に基づいて受信状況検出部および出力可否判定部の処理を行うか否かを決定することが好ましい。
【0012】
また、本発明の一側面である情報受信方法は、無線局から送出される電波を受信可能であると共に、電波で送出する情報および/または電波で送出する情報以外の他の情報を配信する情報配信装置と電波以外の他の通信手段を介して通信可能である情報受信装置に用いられる情報受信方法において、無線局が電波で送出する情報および/または無線局が電波で送出する情報以外の他の情報を情報配信装置から受信した際に、無線局から送出される電波の受信状況を検出する受信状況検出ステップと、受信状況検出ステップで検出した値に基づいて無線局が電波で送出する情報および/または無線局が電波で送出する情報以外の他の情報を出力するか否かを判定する出力可否判定ステップと、を有するものである。
【0013】
また、本発明の一側面である情報配信システムは、電波を送出する無線局と、無線局が電波で送出する情報および/または無線局が電波で送出する情報以外の他の情報を電波以外の他の通信手段を介して配信可能な情報配信装置と、無線局が電波で送出する情報および/または無線局が電波で送出する情報以外の他の情報を情報配信装置から受信した際に、無線局から送出される電波の受信状況を検出する受信状況検出部と、受信状況検出部で検出した値に基づいて無線局が電波で送出する情報および/または無線局が電波で送出する情報以外の他の情報を出力するか否かを判定する出力可否判定部と、を少なくとも備えた情報受信装置と、を備えるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ユーザに特別な操作を課すことなく、放送対象地域内であれば他の通信手段を介してコンテンツを出力させることができる情報配信システム、情報受信装置並びに情報受信方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態に係る情報配信システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す放送局の全体構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す受信機の全体構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示す受信機の動作を示すフローチャートである。
【図5】図4に示すステップS5の検出処理を行うための受信誤り率検出回路の一例を示すブロック図である。
【図6】図1に示す受信機の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2実施形態に係る情報配信システムに含まれる放送局および受信機の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0016】
まず、本発明の第1実施形態に係る情報配信システム10について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る情報配信システム10の全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、情報配信システム10は、放送局20、受信機40を有している。この情報配信システム10では、放送局20から送出された放送波を受信機40がアンテナで受信することにより、放送コンテンツを受信することができる。また、受信機40は、IP通信網100を介して放送局20から放送コンテンツおよび/もしくは放送コンテンツ以外のコンテンツを受信することができる。なお、図1には、1つの放送局20および2つの受信機40を図示したが、情報配信システム10には、複数の放送局20および3以上の受信機40を有していてもよい。
【0017】
また、この情報配信システム10では、受信機40が放送局20からIP通信網100を介して送信されるコンテンツを受信した場合に、当該放送局20から送出される放送波の受信状況を検出し、当該検出状況に応じて受信したコンテンツの出力可否を判定するものである。なお、IP通信網100は、放送局20と受信機40間の通信を行うための通信網である。このIP通信網100は、たとえば、TCP/IPなどの通信プロトコルを利用したインターネット、CATV、専用線、VPN(仮想LAN)、WANなどのいずれか、もしくはそれらの組み合わせたネットワークで構成されていてもよい。なお、請求項の他の通信手段としてはIP通信以外の他の通信プロトコルを利用してもよい。
【0018】
放送局20は、放送スケジュールに沿って放送番組用のコンテンツをストリームデータとして送出する。また、放送局20は、放送波にデータ放送、EPG(Electronic Program Guide)情報を重畳して送出することができる。また、放送局20は、IP通信網100を介して放送番組に関する静止画、音声、動画といった関連コンテンツや、放送番組とは関係なく独自に制作した独自コンテンツ(たとえば、放送局20が提供するホームページ、テキスト情報、静止画情報、動画情報)などを受信機40に対して提供することもできる。
【0019】
つまり、放送局20は、放送番組の映像及び音声と連動して、放送番組に関する情報や天気予報やニュースなどの独立した情報を提供するデータ放送や、電子番組表と言われるEPG情報などを、アンテナから放送波を発して送出できる無線局であると共に、IP通信網100を介して受信機40に上述した情報を送信できる情報配信装置でもある。なお、放送局20は、請求項の電波を送出する無線局、情報配信装置またはコンテンツ配信サーバに相当する。
【0020】
受信機40は、上述した放送局20からの放送波を受信し、受信した放送番組の映像、音声出力やEPG情報の出力を行う。また、受信機40は、放送局2のアンテナから送出される放送波の受信状況が所定のレベル以上の場合には、放送局20がIP通信網100を介して送信した、その放送局20が放送波によって送信するコンテンツと同一のコンテンツおよび/もしくは当該コンテンツに関連するコンテンツ、それ以外の異なるコンテンツを出力することができる。なお、受信機40は、請求項の情報受信装置に相当する。
【0021】
図2は、図1に示す放送局20の構成を示すブロック図である。図2に示すように、放送局20は、コンテンツストリーム作成部21、EPG情報作成部22、データ放送作成部23、MUX(MUltipleXer)部24、受信部25、送信可否判定部26、コンテンツ生成部27、送信部28、放送用コンテンツDB21a、放送スケジュールDB22a、データ放送用コンテンツDB23a、送信可情報DB26a、コンテンツDB27aを主要な構成要素としている。なお、本実施形態では、放送局20が、請求項の無線局、情報配信装置、コンテンツ配信サーバに対応しているが、無線局としての機能(コンテンツストリーム作成部21、EPG情報作成部22、データ放送作成部23、MUX部24、放送用コンテンツDB21a、放送スケジュールDB22a、データ放送用コンテンツDB23aに相当する機能)と、情報配信装置またはコンテンツ配信サーバとしての機能(受信部25、送信可否判定部26、コンテンツ生成部27、送信部28、送信可情報DB26a、コンテンツDB27aとしての機能)とを別々の装置で実現するようにしてもよい。
【0022】
ここで、上述したコンテンツストリーム作成部21、EPG情報作成部22、データ放送作成部23、送信可否判定部26、コンテンツ生成部27の各機能が実現する情報処理は、放送局20全体を制御する制御部29が不図示のハードウェア資源と協働して実行することにより実現される。具体的には、制御部29は、不図示のハードウェア資源であるCPUなどから構成され、CPUが不図示のROMに格納されている各種プログラムを不図示のRAMに読み出して協働して実行することにより実現している。
【0023】
また、上述した放送用コンテンツDB21a、放送スケジュールDB22a、データ放送用コンテンツDB23a、送信可情報DB26a、コンテンツDB27aは記憶部30に記憶されており、記憶部30は、たとえばHDD(Hard Disc Drive)やフラッシュメモリなどから構成される。
【0024】
コンテンツストリーム作成部21は、放送用コンテンツDB21aを参照して放送用コンテンツを作成する。なお、本実施例において、放送用コンテンツは、MPEG2−TS(Motion Photographic Codeing Experts Groupe−2 Transport Stream)規格に準拠して符号化及び多重化されているものとして説明する。MPEG2−TS規格では、伝送されるコンテンツの映像及び音声等は、符号化されたES(Elementary Stream)として生成され、ESを意味のある単位毎にパケット化されたPES(Packetized Elementary Stream)が生成される。更に、PESを分割したTS(Transport Stream)パケットが、放送局20から伝送される。
【0025】
また、各TSパケットのヘッダにPIDと呼ばれる13ビットのパケット識別子を付与することにより、各TSパケットが、放送用コンテンツの映像データ、音声データ、制御データ等のいずれであるのか分類することができる。
【0026】
また、ここでいう制御データとは、SI/PSI(Service Information/Program Specific Information)と呼ばれるデータを指している。SI/PSIのSIは、EPG情報を作成するために必要な情報等を含み、PSIは、基本的な制御をするための情報を含む制御データのことである。なお、TSパケットには、放送局20の意図に反する視聴を防止するための暗号化処理(以下、「スクランブル処理」という)が施されていてもよい。ここで、スクランブル処理の方式としてたとえば、Multi2を使用することができる。このMulti2は、デジタルデータを暗号化する方式の一つであり、BSデジタル放送や地上デジタル放送などでも広く採用されている。なお、放送用コンテンツDB21aには、上述した放送用コンテンツの元になる情報が記憶されている。
【0027】
EPG情報作成部22は、放送スケジュールDB22aを参照してEPG情報を作成する。なお、放送スケジュールDB22aには、放送局20の放送スケジュールが記憶されているが、他の放送局20の放送スケジュール情報が記憶されていてもよい。
【0028】
データ放送作成部23は、データ放送用コンテンツDB23aから例えば天気予報や番組に関連した情報等のデータ放送を作成する。なお、データ放送も、上述した放送用コンテンツと同様にMPEG2−TS規格に準拠して符号化及び多重化されているものとして説明する。なお、データ放送用コンテンツDB23aには、天気予報や番組に関連した情報等のデータ放送以外にも、その番組に関係する放送局20が提供するURL(Uniform Resource Locator)情報やP2P(Peer to Peer)方式で利用できる検索クエリ情報が記憶されていてもよい。なお、データ放送作成部23は、これらの情報をあわせてMUX部24に供給する。
【0029】
MUX部24は、コンテンツストリーム作成部21が放送用コンテンツDB21aを参照して作成したコンテンツデータと、EPG情報作成部22が放送スケジュールDB22aを参照して作成したEPG情報と、放送作成部23がデータ放送用コンテンツDB23aを参照して作成したデータ放送番組データとを多重化した放送データを生成する。そして、当該放送データは、放送局20のアンテナから放送波として送出される。
【0030】
受信部25は、IP通信網100を介して、受信機40からのコンテンツ要求を受信することができる通信インターフェースである。
【0031】
送信可否判定部26は、コンテンツ要求を送信してきた受信機40が正当なユーザであるか否かを送信可情報DB26aを参照して判定する。送信可否判定部26は、コンテンツ要求を送信してきた受信機40が正当なユーザではない場合には、コンテンツを送信できない旨を当該受信機40に対して通知する。なお、送信可否判定部26は、コンテンツ要求を送信してきた受信機40が正当なユーザである場合には、当該コンテンツ要求を許可する信号をコンテンツ生成部27へ供給する。なお、送信可情報DB26aには、当該情報配信システム1を利用可能なユーザと関連付けられているIPアドレス、当該ユーザのユーザID、当該ユーザIDに関連付けられたパスワードなどの受信機40のユーザ情報記憶部52(図3参照)に格納されている情報が少なくとも格納されている。
【0032】
コンテンツ生成部27は、送信可否判定部26からコンテンツ要求を許可する信号を受け取ると、コンテンツDB27aを参照して、当該受信機40に対して送信すべきコンテンツを生成する。ここで、受信機40に対して送信すべきコンテンツとは、受信機40が要求するコンテンツでもよいし、当該放送番組に連動するコンテンツを生成するようにしてもよい。特定のコンテンツを受信機40が要求した場合に選択されたコンテンツを生成するようにし、それ以外では番組連動型のコンテンツを自動で生成し、送信するようにしてもよい。なお、受信機40による放送局20の受信可否により、特定のコンテンツの送信可否を判定するようにしていたが、受信可否によって、当該放送局20の運営する特定のサイトへのアクセス制限をしてもよい。
【0033】
コンテンツDB27aには、種々のコンテンツが記憶されている。コンテンツDB27aに記憶されているコンテンツは番組連動型のものや放送終了後にもアクセスできるコンテンツ、また、エリア限定のものではないコンテンツ等が記憶されている。具体的なコンテンツの例としては、静止画、動画、音声等である。なお、これらの情報は例えばXML(eXtensible Markup Language)やBML(Broadcast Markup Language)等のマークアップ言語で記述されており、このようなマークアップ言語を用いることで、IP通信網100との親和性を良好なものとすることができる。
【0034】
送信部28は、IP通信網100を介して、受信機40からのコンテンツ要求を受けて受信機40へコンテンツを送信する通信インターフェースである。
【0035】
続いて、受信機40について説明する。図3は、図1に示す受信機40のブロック構成を示す図である。受信機40は、たとえばTV放送やラジオ放送を受信する端末であり、固定されている受信端末であるか、携帯できる移動体端末であるかを問わない。また、受信機40は、放送局20から受信した情報を表示装置60、音声再生装置70へ出力する。なお、本実施形態に係る受信機40は、表示装置60、音声再生装置70とは別個の装置としている。しかし、これに限定するものではなく、受信機40、表示装置60、音声再生装置70が同じ筐体内に具備されるようなもの、例えばテレビセットとしても良い。また、受信機40と表示装置60とが同一の筐体内に具備され、音声再生装置70だけが別の筐体内に具備されるような構成であっても良い。つまり、これら3つの受信機40、表示装置60、音声再生装置70をどのような装置内に具備するのかについては特に限定するものではない。また、受信機40には録画機能、録音機能を有していてもよい。
【0036】
図3に示すように、受信機40は、操作入力部41、制御部42、チューナー43、DEMUX(DEMUltipleXer)部44、デコード部45、映像音声出力部46、記録部47、ネットワーク接続部48、ネットワーク情報デコード部49、受信状況検出部50、出力可否判定部51、ユーザ情報記憶部52とを主要な構成要素としている。ここで、制御部42は、たとえば不図示のハードウェア資源であるCPUなどで構成されており、記録部47やROMなどに格納されている各種プログラムをRAMに読み出して、各種演算処理を協働して実行することで、受信機40の各部の機能が行う情報処理を実現することができる。
【0037】
操作入力部41は、たとえばリモコンやタッチパネルで構成されるが、音声入力等ができるように構成されてもよい。また、操作入力部41は、ユーザからの操作入力を受け付けて、制御部42へユーザの指示を伝える。ユーザは、この操作入力部41を操作することで、受信機40への操作入力を行うことができる。なお、受信機40への操作入力は、赤外線などの無線信号(操作信号)を介して受信機40内に設けられた操作入力部41に入力されるようにしてもよい。操作入力部41に入力された操作信号は、不図示のバスを介して制御部42に入力される。
【0038】
制御部42は、不図示のCPUなどで構成され、操作入力部41に入力された操作信号を解析し、受信機40を構成する各部若しくはその一部の動作を制御する中央演算処理装置である。例えば、ユーザが操作入力部41を用いてチャンネルの選局指示を入力すると、この選局指示内容を示す信号が、操作入力部41および不図示のバスを介して制御部42に入力される。これにより制御部42は、不図示のバスを介してチューナー43に対して、ユーザが選局したチャンネルへの選局指示を送信する。
【0039】
チューナー43は、放送局20の放送波をアンテナで受信し、受信したRF(Radio Frequency)信号を復調し、誤り訂正等を行い、TSパケットからなるTS信号をDEMUX部44へ出力する。なお、図3では、チューナー43は地上デジタル放送を受信するために1つのみ図示したが、アナログ放送、ラジオ放送(アナログ、デジタル)、BS放送(アナログ、デジタル)も受信する場合にはそれらのチューナー43を備え、2つ以上のチューナー43を備えるようにしてもよい。
【0040】
DEMUX部44は、TSパケットからなるTS信号(つまり、送信側の放送局20のMUX部24で映像や音声などの複数のストリームを多重化した放送データ)を、映像や音声などのストリームデータと、SI/PSIなどのセクション形式のデータとに分離する処理を行う。なお、DEMUX部44によって分離された各データは、制御部42の指示にしたがい、デコード部45に供給される。
【0041】
デコード部45は、制御部42の指示にしたがい、放送用コンテンツやEPG情報、データ放送などをデコードする。また、デコード部45は、デコードしたこれらのデータを記録部47に供給する。なお、デコード部45が記録部47に供給するデータは、映像信号、音声信号としてデコードせずに、データ信号としてそのまま供給するようにしてもよい。
【0042】
また、デコード部45は、上述した放送用コンテンツやEPG情報、データ放送などに対してデコードを行って、それぞれオーディオデータ、ビデオデータ、番組データを生成する。デコードされたオーディオデータは、上述の音声再生装置70に供給する。音声再生装置70は、供給されたオーディオデータに対してD/A変換処理を行い、音声信号として出力する。また、デコード部45は、デコードされたビデオデータおよび番組データを、映像音声出力部46へ供給する。
【0043】
映像音声出力部46は、供給された番組データを不図示のRAMに格納する。映像音声出力部46は、番組データを描画することでEPG情報を生成する。そして、映像音声出力部46は、デコード部45からのビデオデータに基づいた画面上に、EPG情報に基づいた画面を合成した合成画面を生成し、表示装置60に送出する。表示装置60は、この合成画面を表示する。
【0044】
記録部47は、制御部42からの記録指示によりデコード部45またはネットワーク情報デコード部49でデコードしたデータを記憶する。
【0045】
ネットワーク接続部48は、IP通信網100を介して放送局20と通信を行う通信インターフェースである。ネットワーク接続部48は、放送局20の送信部28からのデータを受信し、ネットワーク情報デコード部49に当該データを送る。
【0046】
ネットワーク情報デコード部49は、ネットワーク接続部48から受信したデータを制御部42の指示にしたがってデコードし、映像音声出力部46に供給する。映像音声出力部46に供給されたデータは、同様に、表示装置60および/または音声再生装置70に出力される。
【0047】
受信状況検出部50は、制御部42からの受信状況検出指示により、放送局20から送出される放送波の受信状況を検出する機能を有する。なお、受信状況検出部50の詳細については、後述する受信機40の動作と共に説明する。受信状況検出部50で検出された値は、出力可否判定部51に供給される。
【0048】
出力可否判定部51は、制御部42からの出力可否判定指示により、受信状況検出部50から供給された値に基づいて、ネットワーク接続部48を介して受信したコンテンツを出力するか否かを判定する。なお、出力可否判定部51の詳細については、後述する受信機40の動作と共に説明する。出力可否判定部51において受信したコンテンツを出力する場合には、出力を許可する信号を映像音声出力部46に対して供給し、受信したコンテンツを出力しない場合には、出力できない旨をネットワーク接続部48を介して、コンテンツ要求をしてきた受信機40に対して通知する。
【0049】
ユーザ情報記憶部52は、当該受信機40を使用して情報配信システム1を利用するユーザについての登録情報が格納されている。なお、ここでいうユーザについての登録情報とは、当該情報配信システム1を利用可能なユーザと関連付けられているIPアドレス、当該ユーザのユーザID、当該ユーザIDに関連付けられたパスワードなどである。
【0050】
なお、受信機40は、放送局20から送出される放送波に重畳される放送データにスクランブル処理がなされている場合には、当該スクランブルを解除するデスクランブラ部(不図示)を備えていてもよい。その場合、デスクランブラ部は、制御部42の指示にしたがい、チューナーで受信したRF信号に重畳され、スクランブル処理を施されて伝送されてきたTSパケットからなるTS信号を通常の信号へと解除する処理を行う。また、デスクランブラ部は、スクランブル処理が解除されたTSパケットからなるTS信号を、DEMUX部44に供給する。
【0051】
続いて、受信機40の動作について説明する。図4は、図1に示す受信機40の動作を示すフローチャートである。なお、以下の処理において放送局20は複数存在し、各放送局20から放送波が送出されているものとする。
【0052】
START:制御部42は、操作入力部41からの操作入力信号を受信すると、処理を開始する。
【0053】
ステップS1:制御部42は、コンテンツ配信サーバとしての放送局20へアクセス要求があるか否かを判定する。アクセス要求がある場合はステップS2の処理へ移行し、アクセス要求がない場合は、アクセス要求があるまでステップS1の判定処理を繰り返す。なお、アクセス要求があるまで監視していてもよい。
【0054】
ステップS2:制御部42は、アクセス要求がある放送局20からIP通信網100を介してコンテンツを受信する。制御部42は、IP通信網100を介して放送局20からコンテンツの受信が完了すると、ステップS3の処理の処理へ移行する。
【0055】
ステップS3:制御部42は、ステップS1でアクセス要求があった放送局20からの放送波を受信中であるか否かを判定する。制御部42は、放送局20からの放送波を受信中である場合には、ステップS5の処理へ移行し、受信中でない場合には、ステップS4の処理へ移行する。
【0056】
ステップS4:制御部42は、アクセス要求がある放送局20にチューニングし、放送波を受信して、ステップS5へ処理を移行する。
【0057】
ステップS5:制御部42は、当該放送局20からの放送波の受信状況を検出して、ステップS6へ処理を移行する。具体的には、制御部42が放送波の電界受信強度および/または受信誤り率を検出する。
【0058】
ここで、請求項の受信状況検出部としての制御部42が、放送波の電界受信強度を検出する方法としては、電界受信強度信号を生成できる電界受信強度信号生成回路(不図示)を受信機40に備えさせ、当該生成回路から得られる値が制御部42に出力されるようにする。たとえば、当該生成回路として、公知のRSSI(Receive Signal StrengthIndication)回路を備えさせ、当該RSSI回路から電界受信強度信号を得られるようにする。なお、電界受信強度が検出できればどのような回路であってもよい。
【0059】
また、請求項の受信状況検出部としての制御部42が、放送波の受信誤り率を検出する方法としては、受信機40に受信誤り率検出回路を備えさせ、当該検出回路から得られる検出信号を制御部42へ出力されるようにする。図5は、図4に示すステップS5の検出処理を行うための受信誤り率検出回路80の一例を示すブロック図である。たとえば、当該検出回路として、受信誤りを検出できる受信誤り検出部81と、当該受信誤り検出部81が受信データのビットを検査する度に1つずつ加算するメインカウンタ82と、誤り検出部81において、受信データの誤りビットを検出する度に1つずつ加算する誤りビットカウンタ83と、上述したメインカウンタ82と誤りビットカウンタ83のカウント値から常時誤り率を算出する受信誤り率算出部84と、予め設定された基準値を保持するメモリ86と、誤り率算出部84で算出された誤り率とメモリ86の基準値を比較して算出された誤り率が基準値を上回ったところで検出信号を出力する判定部85とを備えさせる。なお、メモリ86に予め設定された基準値には、たとえば2×10−2、2×10−3、2×10−4、2×10−5の4つを記憶させ、算出された誤り率がこれらいずれかの基準値を上回った時点で判定部85がそれぞれの検出信号を制御部42へ出力するようにすることで受信誤り率を検出することができる。なお、上述した受信誤り率検出回路80は、あくまでも例示であり、受信誤り率を検出できればどのような回路であってもよい。
【0060】
上述した電界受信強度信号生成回路から得られる電界受信強度信号および/または受信誤り率検出回路80から得られる検出信号を用いることで放送波の受信状況を検出することができる。
【0061】
ステップS6:制御部42は、ステップS5で検出した放送局20の受信状況が所定のレベルに達しているか否かによりコンテンツの出力可否を判定する。制御部42は、受信状況が所定のレベルに達している場合には受信したコンテンツの出力が可能であると判定してステップS8の処理へ移行し、所定のレベルに達していない場合には受信したコンテンツの出力ができないと判定してステップS7の処理へ移行する。
【0062】
ステップS7:制御部42は、受信状況が悪いもしくは受信することができないため、コンテンツを配信できないことを示す旨の情報を表示装置60や音声再生装置70に出力し、処理を終了する(END)。
【0063】
ステップS8:制御部42は、受信したコンテンツを映像や音声の出力データとして表示装置60や音声再生装置70に出力し、処理を終了する(END)。受信したコンテンツは、ストリーミング形式であるか、ダウンロード形式であるかを問わない。なお、受信したコンテンツがストリーミング形式の場合には、ステップS6の出力可否判定時移行に新たに受信したコンテンツを再生する、もしくはステップS1のアクセス要求が発生した後に、コンテンツのバッファリングを行い、ステップS6において出力可能と判定された後にステップS1のアクセス要求が発生した後に受信したコンテンツを再生するようにしてもよい。
【0064】
このように放送局20から受信したコンテンツについて、放送波の受信状況から出力可否を判定することで、受信機40側で放送局20の放送対象地域内であるか否かを判定することができる。したがって、放送局20側では、受信機40からのコンテンツ配信要求に対して、当該受信機40が放送対象範囲内であるか否かを逐一考慮する必要がない。
【0065】
続いて、受信機40の他の動作について説明する。図6は、図1に示す受信機40の動作を示すフローチャートである。図6に示す処理は、図4で示す処理とステップS11が異なり、放送局20よりIP通信網100を介して受信したコンテンツに含まれるデータに基づいて、受信状況検出処理や出力可否判定処理を行うか否かを判定するものである。なお、図4で示した処理と同一の処理(図6のSTART、ステップS1〜ステップS8、END)については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0066】
ステップS11:制御部42は、ステップS2においてIP通信網100を介してコンテンツを受信した場合には、当該コンテンツ内に含まれるデータもしくは当該コンテンツと共に送信されてきたデータから受信状況検出処理や出力可否判定処理を行うか否かを判定する。ここで、受信状況検出処理や出力可否判定処理を行うか否かを判定するための処理判定用データは、たとえば放送局20のコンテンツ作成部27においてコンテンツ作成時に放送局20が付加してもよいし、または、コンテンツDB27aに含まれるコンテンツに予めデータとして含めておいてもよい。そして、このようにして送信されてきた処理判定用データの有無を受信機40側でフラグ判定を行うことで、ステップS11の判定をすることができる。制御部42は、ステップS2においてIP通信網100を介して受信したコンテンツに含まれるデータから、受信状況検出処理や出力可否判定処理を行う必要があると判定した場合(ステップS11でYES)には、ステップS5の処理へ移行し、受信状況検出処理や出力可否判定処理を行う必要がないと判定した場合(ステップS11でNO)には、ステップS8の処理へ移行する。
【0067】
このように放送局20から受信したデータに基づいて受信状況検出処理および出力可否判定処理を行うか否かを決定することで、放送局20からIP通信網100を介して受信したコンテンツすべてに対して受信状況検出処理や出力可否判定処理を逐一行うことがなく、コンテンツを受信して出力させることが可能となる。
【0068】
以上説明したように、このような情報配信システム10とすることで、ユーザに特別な操作を課すことなく、放送対象地域内であればIP通信網100を介して受信機40からコンテンツを出力させることができる。つまり、放送波を受信可能な受信機40に限定して、コンテンツを配信することが可能となる。
【実施例2】
【0069】
続いて、本発明の第2実施形態に係る情報配信システム10Aについて説明する。本発明の第2実施形態に係る情報配信システム10Aは、第1実施形態に係る情報配信システム10と異なり、受信機40Aが放送局20Aから放送波により情報を受信しているときに、当該受信した情報に連動するコンテンツを、IP通信網100を介して受信できるものである。なお、第2実施形態に係る情報配信システム1Aは、放送局20Aおよび受信装置40Aの動作以外は、図1に示す情報配信システム1と構成が同一であるため図1を参照することとし、各構成の機能についての説明は省略する。また、放送局20Aは、請求項の電波を送出する無線局、情報配信装置またはコンテンツ配信サーバに相当し、受信機40Aは、請求項の情報受信装置に相当する。
【0070】
図7は、本発明の第2実施形態に係る情報配信システム10Aに含まれる放送局20Aおよび受信機40Aの動作を示すフローチャートである。なお、以下の処理において放送局20Aは複数存在し、各放送局20Aから放送波が送出されているものとする。
【0071】
START:制御部42は、操作入力部41からの操作入力信号を受信すると、処理を開始する。
【0072】
ステップS20:制御部42は、ユーザの操作等により放送局20から放送波を受信すると(ユーザが放送を視聴)、ステップS21の処理へ移行する。
【0073】
ステップS21:制御部42は、当該放送波から番組に連動したコンテンツがあるか否かを検出する。具体的には、制御部42は、放送波に含まれるEPG情報やデータ放送情報を解析して検出する。その結果、制御部42は、番組に連動したコンテンツがある場合(ステップS21でYES)にはステップ22の処理へ移行し、ない場合(ステップS21でNO)にはステップS21の判定処理を繰り返す。
【0074】
ステップS22:制御部42は、番組に連動するコンテンツがある旨を通知してステップS23の処理へ移行する。なお、通知の仕方は、たとえば、表示装置60の表示画面に所定のアイコンによって表示することや、EPG情報を表示する画面内に表示する、ユーザが特定の操作を行うことで呼び出されるメニュー画面等に表示するようにしてもよい。
【0075】
ステップS23:制御部42は、ユーザから番組連動コンテンツの要求があるか否かを検出する。なお、ユーザが、特定の番組について連動コンテンツの表示を予約した場合や番組連動コンテンツがある場合であって、更に連動コンテンツを再生するといった設定がなされている場合は、ユーザから番組連動コンテンツの要求がある(ステップS23でYES)と判断する。なお、このステップS23において、番組連動コンテンツが複数ある場合には、そのコンテンツの取得方法についても設定を行ってもよい。具体的には全てのコンテンツをダウンロードすることや特定のコンテンツのみのダウンロードとするなどの設定である。制御部42は、ユーザから番組連動コンテンツの要求がない場合(ステップS23でNO)には、番組連動コンテンツの要求があるまで、ステップS23の処理を繰り返す。
【0076】
ステップS24:制御部42は、ステップS23で番組連動コンテンツの要求がある場合、当該コンテンツを受信する。なお、連動コンテンツが複数ある場合には、受信機40Aで設定された取得方法を元にコンテンツを受信する。特に設定が無い場合には、連動コンテンツの受信に先立ち、どの連動コンテンツを受信するか否かを示すコンテンツを受信後、コンテンツ要求に応じた連動コンテンツを受信するようにしてもよいし、複数あるうちの1のコンテンツや全てのコンテンツを受信するようにしてもよい。
【0077】
ステップS25:制御部42は、放送局20Aからの放送波の受信状況を検出し、ステップS26の処理へ移行する。なお、放送波の受信状況を検出する方法については、図4のステップS5の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0078】
ステップS26:制御部42は、ステップS25で検出した値に基づいて、受信した番組連動コンテンツを出力するか否かを判定する。制御部42は、受信した番組連動コンテンツを出力する場合(ステップS26でYES)にはステップS28の処理へ移行し、出力しない場合(ステップS26でNO)には、ステップS27の処理へ移行する。
【0079】
ステップS27:制御部42は、放送局20Aから連動コンテンツを出力できない旨のコンテンツを再生(出力)し、処理を終了する(END)。
【0080】
ステップS28:制御部42は、設定された方法で連動コンテンツを再生(出力)し、処理を終了する(END)。具体的には、2画面で放送波と共に再生する、または、放送がラジオ放送等のように音声の場合は、表示装置60に静止画や動画を再生するようにしてもよい。
【0081】
このような情報配信システム10Aとすることで、ユーザに特別な操作を課すことなく、放送対象地域内であればIP通信網100を介して受信機40Aから放送番組に連動するコンテンツを出力させることができる。つまり、放送波を受信可能な受信機40Aに限定して、コンテンツを配信することが可能となる。また、このような情報配信システム10Aにより、放送番組を視聴しているユーザに限定して、当該放送番組に連動したコンテンツ配信を行うことが可能となる。また、ユーザも放送番組を視聴するのみで、放送局20Aが提供する様々なコンテンツを視聴することが可能となる。
【0082】
以上、情報配信システム10、10Aを本発明の実施形態例として説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形や変更が可能である。
【0083】
たとえば、音声で番組連動コンテンツの有無を通知するようにしてもよい。あるいは、放送波の番組放送中に連動コンテンツの有無を通知するようにしてもよい。具体的には、司会者が番組中で紹介することやテロップとして流してもよい。なお、番組放送中で通知する場合には、音声認識や画像認識により、連動コンテンツの有無を検出するようにしてもよい。
【0084】
また、本発明の第1の実施形態では、受信機40側で受信状況を判断し、コンテンツの出力の可否を判断していたが、当該放送局20のHP上に地域限定のコンテンツと地域に限定されないコンテンツとを用意し、地域限定のコンテンツの再生が要求された場合に当該処理を行うようにしてもよい。
【0085】
また、本発明の第1の実施形態における放送局20の送信可否判定部26では、受信機40から放送波の受信状況を示す情報を受信し、当該受信状況から当該コンテンツの送信可否を判定するようにしてもよい。なお、受信機40から要求されるコンテンツが、エリア限定のものではない場合には、当該放送局20を受信可否判定の結果に係わらず、受信機40に対して当該コンテンツを送信可能としてもよい。また、送信可否判定部26は、送信可情報DB26aを参照することにより、一時的に当該放送局20が受信可能と判断されない場合の受信機40についてもコンテンツの送信を行うようにしてもよい。なお、その場合には送信可情報DB26aには、過去に受信機40が送信可能であったか否かについての判定結果情報が予め記憶されていることが好ましい。
【0086】
また、上述した各実施形態に係る情報配信システム10,10Aでは、放送局20、20Aからコンテンツをダウンロードするクライアントサーバ型のネットワーク方式を採用していたが、P2P型のネットワーク方式で行うようにしてもよい。この場合、放送局20、20Aに対するコンテンツの要求を検索クエリとして送信すると共に、当該受信状況を示す情報も送信し、受信状況を示す情報が基準値を満たす場合に限り、当該コンテンツを保有するピアの情報を伝え、当該ピアからコンテンツをダウンロードするようにしてもよい。
【0087】
また、上述した各実施形態に係る情報配信システム10,10Aで説明した各部の機能すべてまたは一部をプログラムによって構成し、このプログラムを情報処理装置(コンピュータ)にインストールすることで実現してもよい。具体的には、コンピュータをとして機能させるためにプログラムとすることができる。なお、このプログラムを実行可能な状態で記録した媒体からコンピュータに直接インストールすることも可能であるが、ネットワーク経由で遠隔にあるコンピュータにインストールしてもよい。
【符号の説明】
【0088】
10,10A 情報配信システム、20,20A 放送局(無線局,情報配信装置,コンテンツ配信サーバ)、21 コンテンツストリーム作成部、22 EPG情報作成部、23 データ放送作成部、24 MUX部、25 受信部、26 送信可否判定部、27 コンテンツ生成部、28 送信部、29 制御部、30 記憶部、21a 放送用コンテンツDB、22a 放送スケジュールDB、23a データ放送用コンテンツDB、26a 送信可情報DB、27a コンテンツDB、40,40A 受信機(情報受信装置)、41 操作入力部、42 制御部、43 チューナー、44 DEMUX部、45 デコード部、46 映像音声出力部、47 記録部、48 ネットワーク接続部、49ネットワーク情報デコード部 、50 受信状況検出部、51 出力可否判定部、52 ユーザ情報記憶部、60 表示装置、70 音声再生装置、80 受信誤り率検出回路、81 誤り検出部、82 メインカウンタ、83 誤りビットカウンタ、84 誤り率算出部、85 判定部、86 メモリ、100 IP通信網(他の通信手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線局から送出される電波を受信可能であると共に、上記電波で送出する情報および/または上記電波で送出する情報以外の他の情報を配信する情報配信装置と上記電波以外の他の通信手段を介して通信可能である情報受信装置において、
上記無線局が上記電波で送出する情報および/または上記無線局が上記電波で送出する情報以外の他の情報を上記情報配信装置から受信した際に、上記無線局から送出される電波の受信状況を検出する受信状況検出部と、
上記受信状況検出部で検出した値に基づいて上記無線局が上記電波で送出する情報および/または上記無線局が上記電波で送出する情報以外の他の情報を出力するか否かを判定する出力可否判定部と、
を備えることを特徴とする情報受信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報受信装置において、
前記受信状況検出部は、
前記無線局からの前記電波の受信電界強度および/または受信誤り率の値を検出することを特徴とする情報受信装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の情報受信装置において、
前記情報配信装置から受信した情報に基づいて前記受信状況検出部および前記出力可否判定部の処理を行うか否かを決定することを特徴とする情報受信装置。
【請求項4】
無線局から送出される電波を受信可能であると共に、上記電波で送出する情報および/または上記電波で送出する情報以外の他の情報を配信する情報配信装置と上記電波以外の他の通信手段を介して通信可能である情報受信装置に用いられる情報受信方法において、
上記無線局が上記電波で送出する情報および/または上記無線局が上記電波で送出する情報以外の他の情報を上記情報配信装置から受信した際に、上記無線局から送出される電波の受信状況を検出する受信状況検出ステップと、
上記受信状況検出ステップで検出した値に基づいて上記無線局が上記電波で送出する情報および/または上記無線局が上記電波で送出する情報以外の他の情報を出力するか否かを判定する出力可否判定ステップと、
を有することを特徴とする情報受信方法。
【請求項5】
電波を送出する無線局と、
上記無線局が上記電波で送出する情報および/または上記無線局が上記電波で送出する情報以外の他の情報を上記電波以外の他の通信手段を介して配信可能な情報配信装置と、
上記無線局が上記電波で送出する情報および/または上記無線局が上記電波で送出する情報以外の他の情報を上記情報配信装置から受信した際に、上記無線局から送出される電波の受信状況を検出する受信状況検出部と、上記受信状況検出部で検出した値に基づいて上記無線局が上記電波で送出する情報および/または上記無線局が上記電波で送出する情報以外の他の情報を出力するか否かを判定する出力可否判定部と、を少なくとも備えた情報受信装置と、
を備えたことを特徴とする情報配信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−200173(P2010−200173A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−44835(P2009−44835)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(308036402)JVC・ケンウッド・ホールディングス株式会社 (1,152)
【Fターム(参考)】