説明

情報配信システム、情報配信方法及び情報配信プログラム

【課題】ユーザが乗車している列車独自の最新情報を効率的に配信する。
【解決手段】車上データサーバ(列車情報取得手段)1は、列車内に設けられ、列車に関するデータを検出する各種センサからの出力を取得して、列車内の状況を把握する。情報提供データサーバ2は、車上データサーバ1から各種情報を取得して自身のDB(データベース)内に記憶する。車両端末3−1〜3−3は、各車両の所定の場所に設置された、近接無線装置や、近距離無線装置などからなり、近接無線装置は、列車に設けられた構造物に設置され、近距離無線装置は、列車の壁部などに設置される。携帯端末4−1〜4−6は、車両端末3−1〜3−3を介して、情報提供データサーバ2から当該列車に関する最新の情報を取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報配信システム、情報配信方法及び情報配信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、列車内の乗客の携帯電話や、PDA等の携帯端末に対して、情報提供を行う情報配信システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この従来技術では、列車の車両内にBluetooth通信装置とメモリ装置とを含む複数の基地局を配置し、車外にデータサーバにネットワークを介してアクセス可能な車外基地局とを配置している。このような構成において、車外基地局から車両内の特定の基地局に対してデータを送信することで、車両内の基地局それぞれのメモリ装置の情報を書き換えることで、携帯端末に対して更新された情報を配信するようになっている。
【特許文献1】特開2006−54558号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した従来技術(特許文献1)では、車外基地局からデータを更新するようになっているため、例えば、トンネル内、山間部などでは、車外基地局と車内基地局との通信に障害が生じた場合、データ更新が円滑に行えなくなるという問題がある。
【0004】
また、車外基地局からデータ更新を行うため、列車毎のきめ細かな情報を配信することが難しくなる。すなわち、車外基地局が設置されている駅には、非常に多くの列車が停車、もしくは通過するわけで、それぞれの列車毎に特定の情報、例えば、各駅での発着時刻や、遅れ、列車の混雑状況など、それぞれの列車の乗客が所望するであろう情報を配信することは事実上不可能である。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、ユーザが乗車している列車独自の最新情報を効率的に配信することができる情報配信システム、情報配信方法及び情報配信プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、列車を利用する乗客の携帯端末に対して列車に関する情報を配信する情報配信システムであって、前記列車に設けられ、前記列車内で得られた前記列車に関する最新情報を取得する列車情報取得手段と、前記列車に設けられ、前記列車情報取得手段により取得された列車に関する最新情報を前記携帯端末に対して配信する車両端末とを具備することを特徴とする情報配信システムである。
【0007】
本発明は、上記の発明において、前記車両端末が、通信可能な領域内に前記乗客が前記携帯端末を近接させることによって通信を行う第1の車両端末、又は、前記携帯端末から送信された通信要求が入力されることによって通信を行う第2の車両端末の少なくともいずれか一方であることを特徴とする。
【0008】
本発明は、上記の発明において、前記車両端末は、前記列車の壁部又は前記列車に設置された構造物に設けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明は、上記の発明において、前記列車を走行させるための業務情報に基づいて、前記携帯端末に表示可能な乗客サービス情報を生成する生成手段を備え、前記列車情報取得手段は、前記列車に関する最新情報を、前記業務情報として取得し、前記車両端末は、前記列車に関する最新情報を、前記生成手段によって生成された乗客サービス情報として前記携帯端末に対して配信することを特徴とする。
【0010】
本発明は、上記の発明において、前記業務情報は、前記列車の現在位置情報を含んでおり、前記生成手段は、前記現在位置情報と前記携帯端末から送信された目的駅情報とによって特定される、区間に関する区間情報を前記業務情報から抽出し、前記区間情報に基づいて、前記乗客サービス情報を生成することを特徴とする。
【0011】
また、上述した課題を解決するために、本発明は、列車に設けられた車両端末によって、乗客の携帯端末に対して列車に関する情報を配信する情報配信方法であって、前記列車内で得られた前記列車に関する最新情報を取得するステップと、前記車両端末によって、前記携帯端末に対して、前記取得された列車に関する最新情報を配信するステップとを含むことを特徴とする情報配信方法である。
【0012】
また、上述した課題を解決するために、本発明は、列車に設けられた車両端末によって、乗客の携帯端末に対して列車に関する情報を配信する情報配信装置を制御するコンピュータに、前記列車内で得られた前記列車に関する最新情報を取得する列車情報取得機能、前記車両端末によって、前記携帯端末に対して、前記列車情報取得機能により取得された列車に関する最新情報を配信する配信機能を実行させることを特徴とする情報配信プログラムである。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、列車内で得られた列車に関する最新情報を取得し、列車に設けられた車両端末により、乗客の携帯端末に対して、取得された列車に関する最新情報を配信する。したがって、列車外部との通信状況の適否にかかわらず、乗客が乗車している列車独自の最新情報を乗客の携帯端末に確実に配信することができるという利点が得られる。
【0014】
また、本発明によれば、通信可能な領域内に乗客が携帯端末を近接させることによって、第1の車両端末と携帯端末とが通信を行い、又は、携帯端末から送信された通信要求が入力されることによって、第2の車両端末と携帯端末とが通信を行う。
したがって、第1の車両端末であれば、乗客が第1の車両端末に携帯端末をかざす(タッチする)という簡易なアクションを行うだけで、列車に関する最新情報を迅速かつ容易に配信することができる。
また、第2の車両端末であれば、第2の車両端末の通信可能範囲内においては、乗客が列車内のどの位置にいても、列車に関する最新情報を迅速かつ容易に配信することができる。
さらに、第1の車両端末と第2の車両端末とがともに利用可能であれば、乗客の利便性を向上させることができる。
【0015】
また、本発明によれば、車両端末が、列車の壁部又は列車内に設置された構造物に設けられる。
したがって、乗客が、乗車した車両で立っている状況、あるいは移動できるような状況などに合わせて車両端末を設置することにより、列車独自の最新情報を携帯端末に容易かつ確実に配信することができるという利点が得られる。
なお、「列車の壁部」とは、例えば列車の床壁部、側壁部、天井壁部など、車両を形成する各壁部をすべて含むものとし、車内側に配される壁部の内面だけでなく、車外側に配される壁部の外面も含むものとする。
また、「列車に設置された構造物」とは、例えば、つり革、座席、手すり(ポールや取手)など、乗客が利用するためのすべての構造物を含むものとする。
【0016】
また、本発明によれば、業務情報に基づいて、生成手段が、携帯端末に表示可能な乗客サービス情報を生成する。そして、列車情報取得手段は、列車に関する最新情報を業務情報として取得する。さらに、車両端末は、その列車に関する最新情報を乗客サービス情報として配信する。
これにより、列車に関する最新情報を効率的に配信することができる。
なお、「業務情報」としては、列車の運行情報や、列車に設置されたセンサなどから入力されたセンサ情報などを含むものとする。
【0017】
また、本発明によれば、生成手段が、現在位置情報と携帯端末から送信された目的駅情報とによって特定される区間情報を、業務情報から抽出し、乗客サービス情報として生成する。
これにより、乗客の目的駅に応じた個別の区間情報を配信することができ、乗客の列車利用に対する利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態による情報配信システムの構成を示すブロック図である。図1において、車上データサーバ(列車情報取得手段)1は、列車内に設けられ、列車に関するデータを検出する各種センサからの出力を取得して、列車内の状況を把握する。
なお、車上データサーバ1は、例えば、TIMS(Train Information Management System:列車情報管理システム)などからなるものである。
車上データサーバ1の監視項目としては、下記のものがある。
【0020】
(1)列車番号:列車のID(識別情報)。これは、列車の運行前に、各種運行データが記憶されたICカードが運転手に渡されるので、それを運転台のICカード読み取り装置に読み取らせることによって、列車のIDや、他の下記の項目の情報が読み出され、運転席の表示パネルに表示される。
【0021】
(2)キロ程:車輪の回転数をカウントし、このカウント結果から算出した、列車の移動距離。この移動距離に基づいて、下記の停車場名のうち、現在、どの駅に停車しているかを判定することができる。また、停車時にはドアが開くので、このドアが開いた時点の移動距離から、停車駅(あるいは通過駅)を割り出すことができる(検出距離に多少の誤差があっても、誤差範囲内であれば、停車駅(あるいは通過駅)を認識できる)。
【0022】
(3)乗車率:列車のダンパに設けられた、空気圧力を圧力センサによって検出し(乗客の人数に比例して、ダンパにかかる圧力が増加する)、この検出した圧力から乗車人数を算出する(例えば、1人あたり55Kgとして計算)。
【0023】
(4)停車場名:ICカードに記憶されている、当該列車が始発から終点までに停車する駅名。
(5)発着時刻:ICカードに記憶されている、各駅の発着時刻。
(6)着発番線:ICカードに記憶されている、各駅の着発番線。
【0024】
(7)走行速度:速度検出センサの出力から算出した、当該列車の走行速度(リアルタイム)。
(8)外気温:外気を検出する温度センサの出力から算出した外気温(リアルタイム)。
(9)車内室温:列車内の温度を検出するセンサの出力から算出した車内気温(リアルタイム)。
(10)車内湿度:列車内の湿度を検出するセンサの出力から算出した車内湿度(リアルタイム)。
【0025】
なお、上記項目のうち、(1)列車番号、(4)停車場名、(5)発着時刻、(6)着発番線が、列車の運行情報であり、(2)キロ程、(3)乗車率、(7)走行速度、(8)外気温、(9)車内室温、(10)車内湿度が、センサ情報である。
そして、これら運行情報及びセンサ情報が、列車を走行させるための業務情報となる。すなわち、車上データサーバ1は、列車に関する最新情報を業務情報として取得し記憶するものである。
また、車上データサーバ1は、例えば、ATOS(Autonomous decentralized Transport Operation control System:東京圏輸送管理システム)などからなる地上データサーバ202から列車の在線情報や、列車の遅れを示す遅延時間、他路線の運転見合わせ情報、列車の運行計画などを取得するようになっている。地上データサーバ202は、各車両を監視する指令室に設けられる装置である。
【0026】
次に、情報提供データサーバ(生成手段)2は、列車に関する最新情報を上述した業務情報として、車上データサーバ1から取得して自身のDB(データベース)内に記憶する。
また、情報提供データサーバ2は、携帯端末4−1〜4−6からの要求に応じて、記憶した業務情報に基づいて、携帯端末4−1〜4−6に表示可能な乗客サービス情報を生成する。そして、情報提供データサーバ2は、列車に関する最新情報を、乗客サービス情報として、車両端末3−1〜3−3を介して、携帯端末4−1〜4−6に送信するようになっている。また、本発明と直接関係するわけでないが、携帯端末4−1〜4−6は、インターネット200を介して、Webサーバ201が提供するWeb情報などを受信するようになっている。
【0027】
車両端末3−1〜3−3は、各車両の所定の場所に設置された、RF−IDなどのリーダライタ(第1の車両端末)や、赤外線通信装置(第2の車両端末)などからなる。リーダライタは、通信可能な領域内に携帯端末4−1〜4−6が近接されると、各種列車に関する最新情報を携帯端末4−1〜4−6に送信する。このリーダライタは、車両の所定の場所(車両壁部、つり革、座席、手すり(ポールや取手)など)に設置される。
【0028】
また、赤外線通信装置は、例えば、車両の天井などの車両壁部に設けられていて、赤外線を用いて携帯端末4−1〜4−4との間で通信を行い、携帯端末4−1〜4−6からの送信要求に応じて、各種列車に関する最新情報を携帯端末4−1〜4−6に送信する。赤外線通信装置は、リーダライタに届かない位置に乗車している乗客の携帯端末であっても通信可能となっている。なお、車両端末3−1〜3−3の種類(リーダライタや、赤外線通信装置など)や、形状、設置場所などの詳細については後述する。
【0029】
なお、車両端末3−1〜3−3において、リーダライタで供給される情報と、赤外線通信で供給される情報は、基本的には同じである。但し、リーダライタで供給される情報が車両端末3−1〜3−3から携帯端末4−1〜4−6に一括して送信されるのに対して(一方向通信)、赤外線通信の場合には、携帯端末4−1〜4−6で起動したアプリケーションを介して、ユーザからの要求に応じて各種情報を配信する(双方向通信)。
【0030】
携帯端末4−1〜4−6は、赤外線通信機能、あるいは、リーダライタとの通信機能を有し、車両端末3−1〜3−3から送信される各種列車に関する最新情報を受信して、画面上にその情報を表示する機能を有する。また、携帯端末4−1〜4−6は、ユーザからのアプリケーションの起動指示を受けて、赤外線通信を行うアプリケーションを起動し、車両端末3−1〜3−3と赤外線通信を行い、受信した各種列車に関する最新情報を画面上に表示する機能を有する。また、携帯端末4−1〜4−6は、車両端末から得た情報(リンクボタン等)から、WEB上のサーバ201にアクセスすることも可能である。
【0031】
つまり、携帯端末4−1〜4−6は、情報提供データサーバ2から取得した上記各種情報から、現在の位置(走行している位置)A、停車駅(当該列車が停止する駅名)B、列車の経路C、乗換に関する情報(乗換時刻、列車名、乗り場など)D、各車両の乗車率Eなどを取得することが可能となっている。そして、これら情報から、ユーザは、降車駅に近づくと携帯端末4−1〜4−6のアラームを報知する降車駅アラームAAや、目的地(駅)までの経路検索BB、乗換駅・発着時刻・乗り場などの乗換案内CC、各車両の混み具合を示す乗車率案内DDなどのサービスを享受することが可能となっている。
【0032】
なお、詳細は後述するが、運行情報として、関連する路線での事故や、振替路線の案内、振替乗車票の発行、近郊路線の運行情報、停車駅・定刻案内として、定刻からの遅れ時間(遅延時間:現在時刻と運行予定時刻との差)なども取得することが可能となっている。
【0033】
また、車両端末3−1〜3−3にLED(発光ダイオード)やランプなどの発光手段を設け、遅延時間が更新された場合など、積極的に情報を配信する場合には、車両端末3−1〜3−3に設けられた発光手段を点滅させて、ユーザに情報の取得を促すようにしてもよい。
【0034】
ここで、上述した乗車率について説明する。普通車両においては、前述したように、列車のダンパに設けられた圧力センサによって、乗客の人数に応じて増減する圧力を検出し、この検出した圧力から乗車人数を算出する。これに対して、グリーン車などの追加料金を支払うことにより座席を優先的に確保する車両については、グリーン券の購入履歴や、着席状況から乗車人数を算出する。
【0035】
グリーン券は、乗車前に購入するか、乗車後に購入することになる。乗車前にグリーン券を購入した場合には、グリーン車の座席上面にあるリーダライタ(既存)にプリペイカード(Suicaなど:登録商標)をタッチすることによって、車上データサーバ1に着席状況を通知する。これにより、グリーン車両の乗車率を把握、管理することが可能となる。その座席上面のリーダライタのランプが赤から緑に変わることで、その座席が既に購入済であることが分かるようになっている(周知技術)。
【0036】
本実施形態では、上記グリーン車の座席上面にあるリーダライタ(既存)にユーザがプリペイカードをタッチさせると、該着席状況をリーダライタ(既存)を介して、情報提供データサーバ2(あるいは車上データサーバ1)に通知するようになっている。
【0037】
また、乗車後にグリーン券を購入する場合には、携帯端末4−1〜4−6によってグリーン車両の空き状況を確認し、アテンダントが巡回してきた際に購入すればよい。この場合、アテンダントが乗車券販売に用いるための携帯装置(図示略)でグリーン券を発券したことを、車両端末3−1〜3−3を介して、情報提供データサーバ2(あるいは車上データサーバ1)に通知してもよいし、上述したように、購入したユーザの着席時に、リーダライタ(既存)から通知するようにしてもよい。
【0038】
情報提供データサーバ2(あるいは車上データサーバ1)は、通知されるグリーン車のグリーン券販売情報、着席状況に従って、グリーン車の混雑状況、すなわち、乗車率を把握、管理するようになっている。したがって、本実施形態では、携帯端末4−1〜4−6からの要求に応じて、情報提供データサーバ2(あるいは車上データサーバ1)で把握、管理されている、グリーン車の混雑状況、すなわち、乗車率を通知することが可能となっている。
【0039】
上述したように、乗客は、携帯端末4−1〜4−6によって、普通車あるいはグリーン車の乗車状況を見て、空いている車両に移動したり、グリーン券を購入してグリーン車に移ったりと、乗車する車両を選ぶことができる。
【0040】
次に、図2は、本実施形態による、情報提供データサーバ2と、車両端末3−1〜3−3との略構成を示すブロック図である。図2において、情報提供データサーバ2は、車両内情報取得部2−1、現在時刻計時部2−2、データベース2−3、送受信部2−4及び制御部2−5を備えている。車両内情報取得部2−1は、上述した車上データサーバ1から、列車に関する最新情報を業務情報として取得する。現在時刻計時部2−2は、現在の時刻を計時する。現在時刻は、列車の遅れ時間を算出する際に用いられる。
【0041】
データベース2−3は、車両内情報取得部2−1により取得された業務情報を記憶する。なお、リアルタイムで更新される情報は、所定時間間隔、あるいは車上データサーバ1から随時送信されるものを受信するようになっている。また、制御部2−5は、データベース2−3に記憶されている業務情報に基づいて、乗客のためのサービス情報として、携帯端末4−1〜4−6に表示可能な乗客サービス情報を生成する。送受信部2−4は、車両端末3−1〜3−3を介して、携帯端末4−1〜4−6からの要求を受信するとともに、該要求に応じて、制御部2−5によって生成された乗客サービス情報を、車両端末3−1〜3−3に送信する。
【0042】
次に、車両端末3−1〜3−3は、図2には、2種類の車両端末3−A(第1の車両端末)、3−B(第2の車両端末)として示している。
車両端末3−Aは、上述したリーダライタに相当し、車両端末3−Bは、上述した赤外線通信装置に相当する。
車両端末3−Aは、携帯端末4−1〜4−6が近接して配された場合にのみ、情報提供サーバ2から送信された列車に関する最新情報を受信して、携帯端末4−1〜4−6に送信する。
すなわち、車両端末3−Aが通信可能な領域内に、携帯端末4−1〜4−6が配されると、車両端末3−Aから携帯端末4−1〜4−6に対して、一方向通信が可能となる。この通信を近接無線通信という。
この車両端末3−Aは、制御部30−1及び無線送受信部30−2を備えている。制御部30−1は、情報提供データサーバ2とのデータ通信、無線送受信部31−2の駆動制御などを行う。制御部30−1は、携帯端末4−1〜4−6の近接を検出すると、情報提供データサーバ2からの列車に関する情報を無線で無線送受信部30−2から携帯端末4−1〜4−6に送信する。なお、制御部30−1及び無線送受信部30−2は、近接無線通信手段として機能するものである。
【0043】
車両端末3−Bは、車両端末3−Aよりも通信可能距離が長く設定されている。すなわち、車両端末3−Bは、携帯端末4−1〜4−6が離間して配されても、情報提供サーバ2から送信された列車に関する最新情報を受信して、携帯端末4−1〜4−6に送信することができる。
すなわち、車両端末3−Bが通信可能な領域内において、携帯端末4−1〜4−6が配されて、携帯端末4−1〜4−6が車両端末3−Bに送信要求を送信すると、携帯端末4−1〜4−6と車両端末3−Bとの間で、双方向通信が可能となる。この通信を近距離無線通信という。
この車両端末3−Bは、制御部31−1、赤外線発光部31−2及び赤外線受光部31−3を備えている。制御部31−1は、情報提供データサーバ2とのデータ通信、赤外線発光部31−2及び赤外線受光部31−3の駆動制御などを行う。赤外線発光部31−2は、データを赤外線として発光する。赤外線受光部31−3は、携帯端末4−1〜4−6からの赤外線データを受信する。なお、なお、制御部31−1、赤外線発光部31−2及び赤外線受光部31−3は、近距離無線通信手段として機能するものである。
【0044】
次に、図3及び図4は、本実施形態による車両端末3−1〜3−3(または3−A、3−B)の車両に対する配置例を示す模式図である。図3において、中央には、説明を簡単にするために、細部の構成を省略した、列車の車両の上面図を示している。車両100−1には、乗降口101、102、103が設けられており、座席110が所定の位置に配置されている。車両の乗降口101、102近傍の中央部には、乗客がつかまるための、天井から床まで達するポール(列車に設置された構造物)111、112が設置されている。
【0045】
車両端末3−A(リーダライタ)は、乗降口101、102の戸袋付近(列車の壁部)、ポール111、112などに配置されている。車両端末3−B(赤外線通信装置)は、車両の天井(列車の壁部)に配置されている。また、図3には、1点破線と2点破線とで、車両端末3−Bによる赤外線送受信可能範囲C1、C2を示している。
【0046】
また、車両の乗降口103の上部には、車内ディスプレイ120が配置されている。該車内ディスプレイ120は、現在、次の停車駅を表示したり、乗り換えの案内や、到着時間、ニュース、広告などを表示したりする。本実施形態では、車両端末3−A、3−Bを介して、情報提供データサーバ2から取得する列車に関する最新情報と、上記車内ディスプレイ120で表示される各種情報とを同期させている。
【0047】
図3には、携帯端末4−1〜4−6の表示画面の一例を示している。ホーム(a)の乗客は、乗降口101から車両100−1に乗車する(b、c)。乗降口101近傍に立っている乗客は、携帯端末4−i(i=1〜6)を、戸袋に配置されている車両端末3−A(リーダライタ)にタッチ(近接)させることで、情報提供データサーバ2から列車に関する最新情報を受信することが可能となっている。また、乗客が車両の中央部付近(d)に移動した場合には、ポール111に配置されている車両端末3−A(リーダライタ)にタッチ(近接)させることで、情報提供データサーバ2から列車に関する最新情報を受信することが可能となっている。
【0048】
さらに、乗客が座席110に着席した場合には(e)、携帯端末4−i(i=1〜6)の所定のアプリケーションを起動し、赤外線により、車両端末3−B(赤外線通信装置)と通信し、車両端末3−B(赤外線通信装置)を介して、情報提供データサーバ2から列車に関する最新情報を受信することが可能となっている。上記以外の場所に立っている場合であっても、車両端末3−B(赤外線通信装置)の赤外線送受信可能範囲C1、C2に入っていれば、赤外線通信により、情報提供データサーバ2から列車に関する最新情報を受信することが可能である。このように、車両内であれば、ほぼ全域で、無線もしくは赤外線により、情報提供データサーバ2から列車に関する最新情報を受信することが可能となっている。
【0049】
図5には、前述した図4に示す扉前のポールに設置した車両端末3−A(リーダライタ)を示している。この場合、無線送受信部30−2を上方、下方に傾斜させることで、子どもから大人、あるいは車椅子を利用している人であっても、携帯端末4−iをかざし易くしている。また、各種情報が更新されたことを報知するために、付加機能として、発光部30−3を設けている。
【0050】
次に、本実施形態の動作について説明する。
まず、車両端末3−A(リーダライタ)を介した情報提供サービスについて説明する。
図6乃至図15は、本実施形態による列車情報配信システムの動作(RF−ID)を説明するためのフローチャートである。また、図16乃至図19は、本実施形態による列車情報提供システムの動作時の携帯端末の表示画面例を示す模式図である。
【0051】
情報提供データサーバ2は、所定のタイミングで、車両内情報取得部2−1により、車上データサーバ1から業務情報(列車番号、キロ程、乗車率、停車場名、着発時刻、着発番線、走行速度、外気温、車内室温、車内湿度)を取得し、データベース2−3に保存する。リアルタイムで変化する情報(例えば、走行速度や、車内温度、車内湿度など)についてはその都度取得する。また、情報提供データサーバ2は、キロ程、停車場名、着発時刻、走行速度、現在時刻などから、当該列車の遅延時間をリアルタイムで算出し、データベース2−3に保存する。
【0052】
なお、車上データサーバ1によって、地上データサーバ202にアクセスし、当該列車の路線に関する在線情報、遅延時間、他路線の運転見合わせ情報、運行計画などを取得することも可能である。
【0053】
各車両に配置された車両端末3−1〜3−4(以下、車両端末3−Aとする)は、所定の時間間隔で、携帯端末4−iが近接していないかを検出するために、リクエスト(コマンド)信号を送信する(ポーリング:ステップSa1)。そして、リクエスト信号に応じて、携帯端末4−iからの応答信号を受信したか否かを判定し(ステップSa2)、近接(タッチ)した携帯端末4−iから応答信号を受信すると、携帯端末4−iと通信を開始し(ステップSa3)、まず、情報提供データサーバ2に各種情報の送信を要求する(ステップSa4)。
【0054】
そして、情報提供データサーバ2から各種情報を受信すると(ステップSa5)、受信した各種情報を無線で送信する(ステップSa6)。そして、全ての情報の送信が完了したか否かを判定し(ステップSa7)、全ての情報の送信が完了すると、ステップSa1に戻り、上述した動作を繰り返す。
【0055】
これに対して、携帯端末4−iでは、車両端末3−Aからのリクエスト信号を受信したか否かを判定しており(ステップSb1)、車両に乗車したユーザが携帯端末4−iを、車両内に設置された車両端末3−Aのいずれかに近接(タッチ)させると、車両端末3−Aからのリクエスト信号を受信し、車両端末3−Aのいずれかと通信を開始する(ステップSb2)。
【0056】
そして、車両端末3−Aから送信される各種情報を無線で受信し(ステップSb3)、受信が完了すると(ステップSb4)、受信した各種情報を内蔵の(または着脱可能な)記憶媒体に保存する(ステップSb5)。
【0057】
携帯端末4−iでは、車両端末3−Aからの各種情報の受信後、所定の操作(あるいは自動)が行われると、図7に示すフローへ進む。まず、受信した各種情報を、図16に示すように、閲覧するために所定のフォーマットで表示する(ステップSc1)。このとき、携帯端末4−iの操作に不慣れな人でも見やすく分かり易くなるように、受信した各種情報を1ページで表示するようになっている。ページトップには、特定の情報にページ内ジャンプするためのいくつかのページ内リンク([1]運行情報、[2]乗車率案内、[3]停車駅・定刻案内、[α]アプリダウンロード)が設定されている。
【0058】
携帯端末4−iでは、受信した情報を表示した状態で、上記ページ内リンクである、「[1]運行情報」が選択されたか(ステップSc2)、「[2]乗車率案内」が選択されたか(ステップSc3)、「[3]停車駅・定刻案内」が選択されたか(ステップSc4)、「[α]アプリダウンロード」が選択されたか(ステップSc5)、さらに、所定個所に挿入されている「トップへ」が選択されたかを判定する(ステップSc6)。
【0059】
まず、ページ内リンク「[1]運行情報」が選択された場合には、図8に示すように、ページ内の「[1]運行情報」にジャンプする(ステップSc7)。これにより、携帯端末4−iの表示部には、現在の列車の路線に関する運行情報([1]運行情報)が表示されることになる。この「[1]運行情報」には、より詳細な運行情報を閲覧可能とするために、リンクとして「詳しい情報へ」が設定されている。携帯端末4−iでは、上記リンク「詳しい情報へ」が選択されたか否か(ステップSc8)、同ページ内の「トップへ」が選択されたか否かを判定し(ステップSc9)、「トップへ」が選択された場合には、上述したステップSc1に戻り、トップページにジャンプする。
【0060】
一方、「詳しい情報へ」が選択された場合には、図9に示すフローへ進む。まず、図17に示すように、現在の列車の路線に関する更に詳細な運行情報案内ページを表示する(ステップSc10)。該詳細な運行情報案内ページにおいても、ページトップには、特定の情報にページ内ジャンプするためのいくつかのページ内リンク([1]振替路線のご案内、[2]振替乗車票の発行、[3]近郊路線の運行情報)が設定されている。
【0061】
携帯端末4−iでは、図17に示す表示状態で、上記ページ内リンクである、「戻る(所定のキー操作)」が指示されたか(ステップSc11)、「[1]振替路線のご案内」が選択されたか(ステップSc12)、「[2]振替乗車票の発行」が選択されたか(ステップSc13)、「[3]近郊路線の運行情報」が選択されたか(ステップSc14)、遅延証明書ボタンが選択されたか(ステップSc15)、振替乗車票ボタンが選択されたか(ステップSc16)、さらに、所定個所に挿入されている「トップへ」が選択されたかを判定する(ステップSc17)。
【0062】
まず、「戻る(所定のキー操作)」が指示された場合には、ステップSc1に戻る。次に、「[1]振替路線のご案内」が選択された場合には、図10に示すフローに進み、ページ内の「[1]振替路線のご案内」にジャンプする(ステップSc22)。これにより、携帯端末4−iの表示部には、振替路線に関する情報が表示されることになる。次に、同ページ内の「トップへ」が選択されたか否かを判定し(ステップSc23)、「トップへ」が選択された場合には、上述したステップSc10に戻り、トップページにジャンプする。
【0063】
また、図17に示す表示状態で、「[2]振替乗車票の発行」が選択された場合には、図11に示すフローに進み、ページ内の「[2]振替乗車票の発行」にジャンプする(ステップSc24)。これにより、携帯端末4−iの表示部には、振替乗車票の発行に関する情報が表示されることになる。また、該ページには、リンク「振替乗車票ボタン」が設定されている。携帯端末4−iでは、上記リンク「振替乗車票ボタン」が選択されたか否か(ステップSc25)、同ページ内の「トップへ」が選択されたか否かを判定し(ステップSc26)、「トップへ」が選択された場合には、上述したステップSc10に戻り、トップページにジャンプする。
【0064】
また、上記画面で、リンク「振替乗車票ボタン」が選択された場合には、図18に示すような、振替乗車票40の画面を表示し(ステップSc20)、「戻る(所定のキー操作)」が指示されると(ステップSc21)、上述したステップSc10に戻り、トップページにジャンプする。振替乗車票40の画面には、振替可能な路線の一覧が記されている。これらの情報は、情報提供データサーバ2から取得した情報に含まれている。
【0065】
また、図17に示す表示状態で、「[3]近郊路線の運行情報」が選択された場合には、図12に示すフローに進み、ページ内の「[3]近郊路線の運行情報」にジャンプする(ステップSc27)。これにより、携帯端末4−iの表示部には、近郊路線の運行に関する情報が表示されることになる。次に、同ページ内の「トップへ」が選択されたか否かを判定し(ステップSc28)、「トップへ」が選択された場合には、上述したステップSc10に戻り、トップページにジャンプする。
【0066】
また、図17に示す表示状態で、遅延証明書ボタンが選択された場合には、図19に示すような、遅延証明書41の画面を表示し(ステップSc18)、「戻る(所定のキー操作)」が指示されると(ステップSc19)、上述したステップSc10に戻り、トップページにジャンプする。遅延証明書41の画面には、有効期限、発行路線、遅延時間、発行駅、列車番号が記されている。これらの情報は、情報提供データサーバ2から取得した情報に含まれている。
なお、遅延情報は、ICカードに設定されている各駅の定刻の情報と、現在時刻計時部2−2の現在時刻情報とに基づいて、その差分から得られる。さらに、その差分が、あらかじめ設定された閾値を超えたか否かを制御部2−5が判定し、閾値を超えたと判定すると、制御部2−5が、遅延証明書のリンク情報を生成する。一方、差分が閾値を超えない場合には、制御部2−5は、遅延証明書のリンク情報を生成しないことはいうまでもない。
【0067】
また、図17に示す表示状態で、振替乗車票ボタンが選択された場合には、前述したように、図18に示すような、振替乗車票40の画面を表示し(ステップSc20)、「戻る(所定のキー操作)」が指示されると(ステップSc21)、上述したステップSc10に戻り、トップページにジャンプする。
なお、振替乗車票のリンク情報は、自路線が運転を見合わせている場合であって、地上データサーバ202から送信された振替乗車の情報が入力されている場合に、制御部2−5が、振替乗車のリンク情報を生成する。ここでは、制御部2−5は、自路線に関する振替路線のみを配信してもよいし、目的駅情報が入力されている場合には、当該目的駅に応じた振替経路案内情報を配信してもよい。
なお、リンク先の情報は、携帯端末4−iからの指示ごとに送信してもよいし、リンク前の情報と一緒に送信するようにしてもよい。
【0068】
次に、図7に戻り、ステップSc3で、図16に示すページトップの「[2]乗車率案内」が選択された場合には、図13に示すフローに進み、図16に示す同ページ内の「[2]乗車率案内」にジャンプする(ステップSc29)。これにより、携帯端末4−iの表示部には、現在乗車している列車の各車両の乗車率に関する情報が表示されることになる。該乗車率案内では、各車両の乗車率(混み具合)がキャラクタ(ペンギン)の数で表わされるとともに、現在の車両、グリーン車両なども表示される。次に、同ページ内の「トップへ」が選択されたか否かを判定し(ステップSc30)、「トップへ」が選択された場合には、上述したステップSc1に戻り、トップページにジャンプする。
【0069】
また、ステップSc4で、図16に示すページトップの「[3]停車駅・定刻案内」が選択された場合には、図14に示すフローに進み、図16に示す同ページ内の「[3]停車駅・定刻案内」にジャンプする(ステップSc31)。これにより、携帯端末4−iの表示部には、現在乗車している列車の停車駅・定刻に関する情報が表示されることになる。次に、同ページ内の「トップへ」が選択されたか否かを判定し(ステップSc32)、「トップへ」が選択された場合には、上述したステップSc1に戻り、トップページにジャンプする。
【0070】
また、ステップSc5で、図16に示すページトップの「[α]アプリダウンロード」が選択された場合には、図15に示すフローに進み、図16に示す同ページ内の「[α]アプリダウンロード」にジャンプする(ステップSc33)。該ページには、リンク「ダウンロード」が設定されている。携帯端末4−iでは、上記リンク「アプリダウンロードボタン」が選択されたか否か(ステップSc34)、同ページ内の「トップへ」が選択されたか否かを判定し(ステップSc36)、「ダウンロードボタン」が選択された場合いは、所定のアプリケーションをダウンロードする処理へ進む(ステップSc35)。一方、「トップへ」が選択された場合には、上述したステップSc1に戻り、トップページにジャンプする。
【0071】
次に、赤外線を用いた情報提供について説明する。
まず、車両端末3−B(赤外線装置)を介した情報提供サービスについて説明する。
図20乃至図28は、本実施形態による列車情報提供システムの動作(赤外線)を説明するためのフローチャートである。また、図29乃至図35は、本実施形態による携帯端末の表示画面例を示す模式図である。
【0072】
車両端末3−1〜3−4(以下、車両端末3−Bとする)は、携帯端末4−iからの情報要求信号を受信したか否かを判定し(ステップSd1)、情報要求信号を受信すると、赤外線による通信を開始する(ステップSd2)。次に、情報提供データサーバ2に各種情報の送信を要求し(ステップSd3)、情報提供データサーバ2から受信した各種情報を、赤外線で携帯端末4−iに送信する(ステップSd4、Sd5)。そして、送信が完了すると、携帯端末4−iとの通信が終了したか否かを判定し(ステップSd6)、通信が終了していない場合には、更に、携帯端末4−iからの指示を受信し(ステップSd7)、該指示に応じた情報を情報提供データサーバ2に要求し、受信した情報を、携帯端末4−iに送信するという動作を繰り返す。そして、通信が終了すると、当該処理を終了する。
【0073】
これに対して、携帯端末4−iは、ユーザ操作により、赤外線通信により車内情報を取得する所定のアプリケーションが起動されると(ステップSe1)、図29(a)に示す初期画面が表示される。ここで、ユーザが「開始」ボタンを選択すると、携帯端末4−iは、図29(b)に示すように、赤外線による通信を開始する(ステップSe2)。そして、車両端末3−Bを介して、情報提供データサーバ2から情報を受信し(ステップSe3)、受信した情報を保存し、表示する(ステップSe4)。そして、表示画面から設定されたリンクなどを選択することで(ステップSe6)、対応する指示を車両端末3−Bに赤外線で送信し(ステップSe7)、対応する情報を受信し、保存・表示を、通信が終了するまで繰り返す。そして、通信が終了すると、当該処理を終了すべくアプリケーションを終了する。
【0074】
以下、携帯端末4−iの動作について詳細に説明する。
携帯端末4−iでは、アプリケーションが起動されると、図29(a)に示すサービス開始画面を表示し(ステップSf1)、「開始」ボタンが選択されると(ステップSf2)、図29(b)に示すように、赤外線による通信を開始する(ステップSf3)。そして、車両端末3−Bを介して、情報提供データサーバ2からの情報を受信したか否かを判定し(ステップSf4)、情報を受信すると、該情報を保存するとともに、図29(c)に示すように、表示部に表示する(ステップSf5)。この段階では、画面には、「運行情報」、「乗車率案内」、「停車駅・定刻案内」、「降車アラーム」、「便利機能」、「快適・楽しみ機能」などのリンクが設定されている(一部はスクロールすることで表示される。詳細は後述する)。
【0075】
ゆえに、携帯端末4−iでは、上記リンクのいずれかが選択されたかを判定する(ステップSf6、Sf7、Sf8、Sf9、Sf10、Sf12)。そして、「運行情報」が選択された場合には、図22に示すフローに進み、車両端末3−Bを介して、情報提供データサーバ2に運行情報を要求・受信し、図29(d)に示すように表示する(ステップSf15)。画面には、当該列車の路線に関する運行情報と、遅延証明書の発行ボタン、「[1]振替路線のご案内」、「[2]振替乗車票の発行」、「[3]近郊路線の運行情報」、などのリンクが設定されている。
【0076】
携帯端末4−iでは、上記リンクのいずれかが選択されたかを判定する(ステップSf16、Sf17、Sf18、Sf19)。そして、「[1]振替路線のご案内」が選択された場合には、図23に示すフローに進み、車両端末3−Bを介して、情報提供データサーバ2に振替路線情報を要求・受信し、図30(a)に示すように表示する(ステップSf23)。画面には、振替路線の一覧が表示される。次に、リンク「運行情報トップ」が選択されたか(ステップSf24)、リンク「トップメニュー」が選択されたか否かを判定する(ステップSf25)。そして、リンク「運行情報トップ」が選択された場合には、ステップSf15に戻り、リンク「トップメニュー」が選択された場合には、ステップSf5に戻る。
【0077】
また、図29(d)に示す画面で、「[2]振替乗車票の発行」が選択された場合には、図24に示すフローに進み、車両端末3−Bを介して、情報提供データサーバ2に振替乗車票の発行情報を要求・受信し、図30(b)に示すように表示する(ステップSf23)。画面には、振替乗車票の発行に関する情報が表示される。次に、リンク「振替乗車票ボタン」が選択されたか(ステップSf28)、リンク「運行情報トップ」が選択されたか(ステップSf31)、リンク「トップメニュー」が選択されたか否かを判定する(ステップSf32)。そして、リンク「振替乗車票ボタン」が選択された場合には、車両端末3−Bを介して、情報提供データサーバ2に振替乗車票を要求・受信し、前述した図18に示すように表示する(ステップSf29)。そして、「戻る(所定のキー操作)」が指示されると(ステップSf31)、上述したステップSf27に戻る。一方、リンク「運行情報トップ」が選択された場合には、ステップSf15に戻り、リンク「トップメニュー」が選択された場合には、ステップSf5に戻る。
【0078】
また、図29(d)に示す画面で、「[3]近郊路線の運行情報」が選択された場合には、図25に示すフローに進み、車両端末3−Bを介して、情報提供データサーバ2に近郊路線の運行情報を要求・受信し、図30(c)に示すように表示する(ステップSf33)。次に、リンク「運行情報トップ」が選択されたか(ステップSf34)、リンク「トップメニュー」が選択されたか否かを判定する(ステップSf35)。そして、リンク「運行情報トップ」が選択された場合には、ステップSf15に戻り、リンク「トップメニュー」が選択された場合には、ステップSf5に戻る。
【0079】
また、図29(d)に示す画面で、「遅延証明書」ボタンが選択された場合には、車両端末3−Bを介して、情報提供データサーバ2に遅延証明書情報を要求・受信し、前述した図19に示すように表示する(ステップSf21)。そして、「戻る(所定のキー操作)」が指示されると(ステップSf22)、上述したステップSf15に戻る。
【0080】
また、図29(d)に示す画面で、リンク「トップメニュー」が選択された場合には、ステップSf16に戻る。
【0081】
次に、図21のステップSf7に戻り、トップページで図31(a)に示すように、「乗車率案内」が選択された場合には、図26に示すフローに進み、車両端末3−Bを介して、情報提供データサーバ2に乗車率情報を要求・受信し、図31(b)に示すように表示する(ステップSf36)。これにより、携帯端末4−iの表示部には、現在乗車している列車の各車両の乗車率に関する情報が表示されることになる。該乗車率案内では、各車両の乗車率(混み具合)がキャラクタ(ペンギン)の数で表わされるとともに、現在の車両、グリーン車両なども表示される。そして、リンク「トップメニュー」が選択されたか否かを判定し(ステップSf37)、リンク「トップメニュー」が選択された場合には、ステップSf5に戻る。
【0082】
また、トップページで図32(a)に示すように、「停車駅・定刻案内」が選択された場合には、図27に示すフローに進み、車両端末3−Bを介して、情報提供データサーバ2に停車駅・定刻情報を要求・受信し、図32(b)に示すように表示する(ステップSf38)。このとき、制御部2−5が、定刻と現在時刻との差分から遅れ時間を算出して配信することにより、携帯電話4−iの表示部に、遅れ情報を表示することができる。
次に、図32(b)に示す停車駅・定刻案内画面において、いずれかの駅名が選択されたか否かを判定し(ステップSf39)、駅名が選択されない場合には、リンク「トップメニュー」が選択されたか否かを判定し(ステップSf40)、リンク「トップメニュー」が選択された場合には、ステップSf5に戻る。
【0083】
一方、いずれかの駅名が選択された場合には、選択された駅の乗換路線情報及び降車ホーム情報を、車両端末3−Bを介して、情報提供データサーバ2に要求・受信し、図33に示すように表示する(ステップSf41)。図示の例では、駅名として「横浜」が選択された場合を示している。
【0084】
本実施形態では、乗換路線は、自分が乗っている列車の運行状況(遅延しているとか)を考慮して乗換路線を検索することができる。例えば、5分遅延している場合には、通常のダイヤの時刻に5分足して、その場合における乗り換え検索を行うことができる。また、この検索を行う場合には、自分が乗車している列車に関する情報は、車両端末3−1〜3−4を介して情報提供データサーバ2から得られるので、ユーザは、行き先のみを入力すればよい。この場合、他の列車の現在の運行状況を記憶するデータベース(地上データサーバ202)にアクセスし、その運行状況(遅延時間など)を考慮した検索を行うようにしてもよい。
【0085】
次に、リンク「停車駅・定刻案内トップ」が選択されたか(ステップSf42)、リンク「トップメニュー」が選択されたか否かを判定する(ステップSf43)。そして、リンク「停車駅・定刻案内トップ」が選択された場合には、ステップSf42、すなわち、図33に示すトップに戻り、リンク「トップメニュー」が選択された場合には、ステップSf5に戻る。
【0086】
また、トップページで図34(a)に示すように、「降車アラーム」が選択された場合には、図28に示すフローに進み、降車アラーム設定情報を情報提供データサーバ2に要求・受信し、図35(a)に示すように表示する(ステップSf44)。図示の例では、現在利用している列車の停車駅の一覧が表示されており、各停車駅の直前位置に、降車アラームを鳴動させるための「設定」ボタンが表示されている。
【0087】
携帯端末4−iでは、図35(a)の画面で、いずれかの「設定」ボタンが選択されたか否かを判定し(ステップSf45)、いずれかが選択されると、選択された箇所の次の駅の到着前にアラームを設定する(ステップSf46)。なお、図35(a)において、各駅の直前にアラームが設定されることを直感的に把握し易くなるようにするために、「設定」ボタンは、線路上における各駅の直前の位置から延ばされた直線(横線)の先に、「ベル」の図柄を介して配置されている。また、各駅のどれくらい前に、アラームを起動するかは、適宜変更可能である。例えば、2分前などに設定される。
アラームが設定されると、図35(b)に示すような設定完了画面が表示される。図示の例では、横浜駅にアラームが設定された様子が示されている。該画面において、リンク「降車アラームトップ」が選択されたか(ステップSf47)、リンク「トップメニュー」が選択されたか否かを判定する(ステップSf48)。リンク「降車アラームトップ」が選択された場合には、ステップSf44、すなわち、図35(a)に示すトップに戻る。このとき、アラームが設定された箇所には、図35(c)に示すように、「解除」ボタンが表示される。また、リンク「トップメニュー」が選択された場合には、ステップSf5に戻る。
【0088】
なお、上記アラーム機能では、ダイヤに従って正常に運転している場合の到着時刻に携帯端末4−iがアラームを出す。また、遅延が生じている場合には、その遅延時間を加味(遅れ時間を加算した時刻)してアラームを出すことも可能である(ここでは、時刻ベースでアラームする。駅を判定しているものではない)。
【0089】
また、トップページで図34(b)に示すように、「便利機能」が選択された場合には、列車内設備案内や、車掌呼出コール、車内アナウンスデータベースへのアクセスなどの処理へ進む(ステップSf11)。また、トップページで図34(c)に示すように、「快適・楽しみ機能」が選択された場合には、鉄道用語辞典や、天気予報、占い、日替クイズ、沿線情報、懸賞などの処理へ進む(ステップSf13)。
【0090】
なお、上述した実施形態において、その他のコンテンツとして、・沿線イベント情報、・沿線店舗クーポン券、・沿線天気予報、・列車内設備案内、・車内広告データ、・車内掲示板、(自分のメモを車内でアップロードして他人と情報を共有する)、・音楽、・ゲーム、・占い、・クイズ、・懸賞、・アンケート、・ニュースなどがある。
【0091】
次いで、情報提供データサーバ2が、車上データサーバ1によって取得された業務情報に基づいて、携帯端末4−iに表示可能な乗客サービス情報を生成し、車両端末3−A,3−Bを介して、携帯端末4−iに送信する動作について説明する。
図36は、情報提供データサーバ2が、乗客サービス情報を生成して出力する動作を示すフローチャートである。
まず、携帯端末4−iは、ユーザによってあらかじめ目的駅情報が入力されている場合には、通信開始後、乗客サービス情報の要求信号と目的駅情報とを車両端末3−A,3―Bに送信する。
一方、携帯端末4−iは、あらかじめ目的駅情報が入力されていない場合には、乗客サービス情報の要求信号のみを車両端末3−A,3―Bに送信する。
車両端末3−A,3−Bは、乗客サービス情報の要求信号や目的駅情報などを受信すると、それらを情報提供データサーバ2に送信する。
【0092】
情報提供データサーバ2の制御部2−5は、車両端末3−A,3−Bから乗客サービス情報の要求信号を受信すると、その要求信号とともに目的駅情報が入力されているか否かを判定する(ステップS1)。
【0093】
そして、制御部2−5は、目的駅情報が入力されている判定すると(ステップS1;YES)、目的駅を設定する(ステップS2)。すなわち、制御部2−5は、不図示のメモリに目的駅情報を記憶する。
一方、制御部2−5は、目的駅情報が入力されていないと判定すると(ステップS1;NO)、データベース2−3に記憶されている停車場名(業務情報)から、その走行ルートの最終駅を目的駅として設定する(ステップS3)。
例えば、車両端末3−Aが通信を行う場合には、近接無線通信による一方向の通信であり、ユーザによって携帯端末4−iに目的駅があらかじめ入力されていないことが一般的であるため、ステップS3の処理が行われることになる。一方、車両端末3−Bが通信を行う場合には、近距離無線通信による双方向の通信であり、携帯端末4−iにおいてアプリケーションが起動されて目的駅がユーザによってあらかじめ入力されることがあるため、ステップS2とステップS3の処理が選択的に行われることになる。
ただし、携帯端末4−iにおいてアプリケーションを起動して、ユーザが近接無線通信用に目的駅をあらかじめ入力しておけば、車両端末3−Aによる通信であっても、ステップS2とステップS3の処理が選択的に行われることはいうまでもない。
【0094】
さらに、制御部2−5は、現在位置から目的駅までの間の路線上に関する運行情報が、データベース2−3に記憶されているか否かを判定する(ステップS4)。なお、現在位置(現在位置情報)は、上述したように、車輪の回転数から列車の移動距離を算出して、当該移動距離と、始発駅からの停車駅ごとの距離情報(ICカードに記憶されている。)とを比較することによって、求められる。
そして、制御部2−5は、データベース2−3に運行情報が記憶されていると判定すると(ステップS4;YES)、携帯端末4−iに表示するページに当該運行情報を一項目として設定する(ステップS5)。
一方、制御部2−5は、データベース2−3に運行情報が記憶されていないと判定すると(ステップS5;NO)、運行情報を一項目としてページに設定しない(ステップS6)。
【0095】
さらに、制御部2−5は、乗車率案内についての情報が、データベース2−3に記憶されているか否かを判定する(ステップS7)。
制御部2−5は、データベース2−3に乗車率案内情報が記憶されていると判定すると(ステップS7;YES)、携帯端末4−iに表示するページに当該乗車率案内情報を一項目として設定する(ステップS8)。
一方、制御部2−5は、データベース2−3に乗車率案内情報が記憶されていないと判定すると(ステップS7;NO)、運行情報を一項目としてページに設定しない(ステップS9)。
【0096】
そして、制御部2−5は、列車の遅延についての情報が、データベース2−3に記憶されているか否かを判定する(ステップS10)。
制御部2−5は、データベース2−3に遅延情報が記憶されていると判定すると(ステップS10;YES)、携帯端末4−iに表示するページに当該遅延情報を一項目として設定する(ステップS11)。
一方、制御部2−5は、データベース2−3に遅延情報が記憶されていないと判定すると(ステップS10;NO)、遅延情報を一項目としてページに設定しない(ステップS12)。
【0097】
さらに、制御部2−5は、その他の固定項目を携帯端末4−iに表示するページに設定する(ステップS13)。
そして、制御部2−5は、各項目についての配置を設定する(ステップS14)。すなわち、制御部2−5は、ステップS5,S8,S11,S13で設定された表示対象の項目を読み出し、当該項目情報が、携帯端末4−iの表示部において、所定の位置に、所定の順番で表示されるように、各項目情報と、位置・順番情報とが書き込まれた表示情報を生成する。
さらに、制御部2−5は、各項目情報に対応する詳細情報をデータベース2−3から読み出して、それら詳細情報が所定の位置に表示されるように、位置情報を表示情報に書き込む(ステップS15)。
それから、制御部2−5は、各項目情報に対応する各詳細情報の位置をリンク情報として表示情報に書き込む(ステップS16)。さらに、制御部2−5は、各詳細情報からトップページにジャンプするためのリンク情報や他の情報を表示情報に書き込んで最終表示情報を生成する。このときの最終表示情報が、乗客サービス情報となる。すなわち、乗客サービス情報とは、各業務情報と、これら各業務情報を携帯端末4−iの表示部において表示するための位置、順番、色、大きさなどの付帯情報とを含むものである。
【0098】
そして、制御部2−5は、最終表示情報を車両端末3−A,3−Bに送信して(ステップS17)、処理を終了する。なお、車両端末3−A,3−Bは、最終表示情報を携帯端末4−iに送信し、携帯端末4−iが、最終表示情報を受信する。そして、携帯端末4−iは、表示用のアプリケーションを起動して、最終表示情報に基づいて、例えば図17に示すように、乗客のためのサービス情報を表示する。
【0099】
以上より、本実施形態における列車情報配信システム100によれば、列車内で得られた情報を乗客に配信することができることから、列車外部との通信状況の適否にかかわらず、乗客が乗車している列車独自の最新情報を確実に配信することができる。
また、近接無線通信を行う車両端末3−Aが設置されていることから、乗客が車両端末3−Aに携帯端末4−iをかざすという簡易なアクションを行うだけで、列車に関する最新情報を迅速かつ容易に配信することができる。
また、近距離無線通信を行う車両端末3−Bが設置されていることから、車両端末3−Bの通信可能範囲内においては、乗客が列車内のどの位置にいても、列車に関する最新情報を迅速かつ容易に配信することができる。
【0100】
また、車両端末3-A,3-Bが、天井やポール111,112など列車の壁部又は列車内に設置された構造物に設けられていることから、乗客が、乗車した車両で立っている状況、あるいは移動できるような状況においても、その乗客が乗車している列車独自の最新情報を容易かつ確実に配信することができるという効果を奏することができる。
また、乗車率情報を配信することにより、乗客が空いている車両に向かうように案内することができ、車両間の乗車人数の偏りを改善することができる。そのため、列車の安定走行を可能とするだけでなく、各車両における乗客の乗り降りをスムーズにすることができ、遅延時間の発生を抑制することができる。
【0101】
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、情報提供データサーバ2における機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、車両端末3−A,3−Bを介して、携帯端末4−iに各情報を配信してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0102】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0103】
また、近距離無線通信として、赤外線による通信を例として示したが、これに限ることはなく、適宜変更可能である。例えば、Bluetooth、Zig-Bee、Wi-Fi、可視光通信、ワンセグなどであってもよい。
また、運行情報としては、遅延情報と振替輸送情報とに基づいて、自路線に関するもののみを抽出して、配信するようにしてもよい。また、目的駅情報が入力されていれば、各乗客が利用する路線に関する情報を配信することもできる。
また、経路探索に関して、目的地が入力されることにより、制御部2−5が、自路線を基点とした路線のみを抽出して配信することができる。
【0104】
また、車両端末3−A、3−Bが設けられる位置について、列車に設置された構造物をポール111,112として、また、列車の壁部を戸袋付近及び天井として説明したが、これに限ることはなく、適宜変更可能である。例えば、列車に設置された構造物として、つり革、座席(前後左右上下など)、手すり(棚部や取手など)などであってもよい。また、列車の壁部として、床面や外面であってもよい。列車の外面に車両端末3−A,3−Bを設置すれば、ホームの乗客が有する携帯端末4−iに対して乗客サービス情報を得ることができる。例えば、乗客が乗り込む際に、車両端末3−Aに携帯端末4−iをかざすことにより、自分が乗るべき列車であるか否かを乗客に認識させることができる。このとき、乗客が目的駅情報を入力しておけば、制御部2−5が、乗るべき列車であるか否かを判定することができ、判定結果に応じて、異なる種類の報知をすることにより、自分が乗るべき列車であるか否かを直ちに乗客に認識させることができる。
また、車両端末3−A,3−Bの設置場所に関して、車内空間を構成するパイプの接合部等に後付け設置可能な仕様とし、既存設備に影響を与えないような位置に設置することができるようにしてもよい。
【0105】
また、乗車率の高低を、キャラクターの数で表示するものとしたが、これに限ることはなく、適宜変更可能である。例えば、マークや記号、色の変化、数字、グラフなどによって表示してもよい。
また、各車両の乗車率を絶対的に表示したが、これに限ることはなく、自車両を基準として、相対的に表示するようにしてもよい。
また、車上データサーバ1及び情報提供データサーバ2の設置場所や設置数は、適宜変更可能である。すなわち、車上データサーバ1と情報提供データサーバ2とを異なる車両に設置してもよいし、それぞれ複数設置してもよい。さらに、車上データサーバ1の機能と情報提供データサーバ2の機能とを一つの機器によって実現してもよい。
また、車両端末3−A,3−Bの設置場所や設置数も適宜変更可能であり、少なくとも一つの車両に設置されていればよい。
また、情報提供データサーバ2が生成手段として機能するものとしたが、これに限ることはなく、車両端末3−A,3−Bが生成手段として機能するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の実施形態による情報提供システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態による、情報提供データサーバ2と、車両端末3−1〜3−3との略構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態による車両端末3−1〜3−3(または3−A、3−B)の車両に対する配置例を示す模式図である。
【図4】車両端末3−B(リーダライタ)の車両内での設置場所を示す模式図である。
【図5】車両端末3−B(リーダライタ)の形状例や使用例を示す模式図である。
【図6】本実施形態による列車情報提供システムの動作(近接無線通信)を説明するためのフローチャートである。
【図7】本実施形態による列車情報提供システムの動作(近接無線通信)を説明するためのフローチャートである。
【図8】本実施形態による列車情報提供システムの動作(近接無線通信)を説明するためのフローチャートである。
【図9】本実施形態による列車情報提供システムの動作(近接無線通信)を説明するためのフローチャートである。
【図10】本実施形態による列車情報提供システムの動作(近接無線通信)を説明するためのフローチャートである。
【図11】本実施形態による列車情報提供システムの動作(近接無線通信)を説明するためのフローチャートである。
【図12】本実施形態による列車情報提供システムの動作(近接無線通信)を説明するためのフローチャートである。
【図13】本実施形態による列車情報提供システムの動作(近接無線通信)を説明するためのフローチャートである。
【図14】本実施形態による列車情報提供システムの動作(近接無線通信)を説明するためのフローチャートである。
【図15】本実施形態による列車情報提供システムの動作(近接無線通信)を説明するためのフローチャートである。
【図16】本実施形態による列車情報提供システムの動作時の携帯端末の表示画面例を示す模式図である。
【図17】本実施形態による列車情報提供システムの動作時の携帯端末の表示画面例を示す模式図である。
【図18】本実施形態による列車情報提供システムの動作時の携帯端末の表示画面例を示す模式図である。
【図19】本実施形態による列車情報提供システムの動作時の携帯端末の表示画面例を示す模式図である。
【図20】本実施形態による列車情報提供システムの動作(近距離無線通信)を説明するためのフローチャートである。
【図21】本実施形態による列車情報提供システムの動作(近距離無線通信)を説明するためのフローチャートである。
【図22】本実施形態による列車情報提供システムの動作(近距離無線通信)を説明するためのフローチャートである。
【図23】本実施形態による列車情報提供システムの動作(近距離無線通信)を説明するためのフローチャートである。
【図24】本実施形態による列車情報提供システムの動作(近距離無線通信)を説明するためのフローチャートである。
【図25】本実施形態による列車情報提供システムの動作(近距離無線通信)を説明するためのフローチャートである。
【図26】本実施形態による列車情報提供システムの動作(近距離無線通信)を説明するためのフローチャートである。
【図27】本実施形態による列車情報提供システムの動作(近距離無線通信)を説明するためのフローチャートである。
【図28】本実施形態による列車情報提供システムの動作(近距離無線通信)を説明するためのフローチャートである。
【図29】本実施形態による携帯端末の表示画面例を示す模式図である。
【図30】本実施形態による携帯端末の表示画面例を示す模式図である。
【図31】本実施形態による携帯端末の表示画面例を示す模式図である。
【図32】本実施形態による携帯端末の表示画面例を示す模式図である。
【図33】本実施形態による携帯端末の表示画面例を示す模式図である。
【図34】本実施形態による携帯端末の表示画面例を示す模式図である。
【図35】本実施形態による携帯端末の表示画面例を示す模式図である。
【図36】情報提供データサーバが、乗客サービス情報を生成して出力する動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0107】
1 車上データサーバ(列車情報取得手段)
2 情報提供データサーバ(生成手段)
3−1〜3−4 車両端末
4−1〜4−6 携帯端末
100 列車
201 Webサーバ
202 地上データサーバ
2−1 車両内情報取得部
2−2 現在時刻計時部
2−3 データベース
2−4 送受信部
2−5 制御部
3−A 近接無線方式(RF−ID)の車両端末
3−B 近距離無線(赤外線)方式の車両端末
30−1 制御部(近接無線通信手段)
30−2 無線送受信部(近接無線通信手段)
31−1 制御部(近距離無線通信手段)
31−2 赤外線発光部(近距離無線通信手段)
31−3 赤外線受光部(近距離無線通信手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
列車を利用する乗客の携帯端末に対して列車に関する情報を配信する情報配信システムであって、
前記列車に設けられ、前記列車内で得られた前記列車に関する最新情報を取得する列車情報取得手段と、
前記列車に設けられ、前記列車情報取得手段により取得された列車に関する最新情報を前記携帯端末に対して配信する車両端末と
を具備することを特徴とする情報配信システム。
【請求項2】
前記車両端末は、通信可能な領域内に前記乗客が前記携帯端末を近接させることによって通信を行う第1の車両端末、又は、前記携帯端末から送信された通信要求が入力されることによって通信を行う第2の車両端末の少なくともいずれか一方であることを特徴とする請求項1記載の情報配信システム。
【請求項3】
前記車両端末は、前記列車の壁部又は前記列車に設置された構造物に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の情報配信システム。
【請求項4】
前記列車を走行させるための業務情報に基づいて、前記携帯端末に表示可能な乗客サービス情報を生成する生成手段を備え、
前記列車情報取得手段は、前記列車に関する最新情報を、前記業務情報として取得し、
前記車両端末は、前記列車に関する最新情報を、前記生成手段によって生成された乗客サービス情報として前記携帯端末に対して配信することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報配信システム。
【請求項5】
前記業務情報は、前記列車の現在位置情報を含んでおり、
前記生成手段は、前記現在位置情報と前記携帯端末から送信された目的駅情報とによって特定される、区間に関する区間情報を前記業務情報から抽出し、前記区間情報に基づいて、前記乗客サービス情報を生成することを特徴とする請求項4に記載の情報配信システム。
【請求項6】
列車に設けられた車両端末によって、乗客の携帯端末に対して列車に関する情報を配信する情報配信方法であって、
前記列車内で得られた前記列車に関する最新情報を取得するステップと、
前記車両端末によって、前記携帯端末に対して、前記取得された列車に関する最新情報を配信するステップと
を含むことを特徴とする情報配信方法。
【請求項7】
列車に設けられた車両端末によって、乗客の携帯端末に対して列車に関する情報を配信する情報配信装置を制御するコンピュータに、
前記列車内で得られた前記列車に関する最新情報を取得する列車情報取得機能、
前記車両端末によって、前記携帯端末に対して、前記列車情報取得機能により取得された列車に関する最新情報を配信する配信機能
を実行させることを特徴とする情報配信プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2009−37609(P2009−37609A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−180488(P2008−180488)
【出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000221616)東日本旅客鉄道株式会社 (833)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】