説明

情報配信システム、情報配信装置、情報配信方法及びプログラム

【課題】特定のユーザに縛られず、その状況に応じた情報を提供する。
【解決手段】情報配信システム100は、配信情報を配信する情報配信装置1と、配信情報を表示する情報表示端末2とを備えている。情報配信装置1は、ユーザに関するユーザ情報を管理するユーザ情報管理部12と、情報表示端末2の近傍に存在するユーザを特定する宅内判定部15aと、宅内判定部15aによって特定されたユーザのユーザ情報をユーザ情報管理部12から読み出し、ユーザ情報に基づいてユーザを対象とした配信情報を作成する配信情報作成部15bとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報配信システム、情報配信装置、情報配信方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザに情報を提供するに際し、ユーザの状況に応じた最適な情報を提供する技術が知られている。例えば、特許文献1に係る技術では、或る特定のユーザに関し、そのユーザが誰と一緒にいるのか、すなわち、友人といるのか、恋人といるのか、子供といるのかを判定し、その状況に応じた情報を提供している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2004−049224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に係る技術は、非常に個人的な技術で汎用性がない。すなわち、特許文献1に係る技術は、或る1人の特定のユーザが必須である。その特定のユーザに情報を提供することを前提として、その特定のユーザが誰と一緒にいるのかによって、提供する情報を適宜変更するものである。つまり、その特定のユーザがその場に存在しない場合には、特許文献1に係る技術を利用することはできない。
【0005】
特許文献1に係る技術では、例えば、家族で使用する情報表示端末に情報を配信するような場合に利便性が悪い。例えば、特定のユーザを父とすると、父が母と一緒にいる場合、父が息子と一緒にいる場合、父が娘と一緒にいる場合などには、その状況に応じた情報を提供することができる。しかしながら、父が不在の場合には、かかる技術を利用することができず、その状況に応じた情報を提供することができない。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、特定のユーザに縛られず、その状況に応じた情報を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、配信情報を配信する情報配信装置と、該配信情報を表示する情報表示端末とを備えた情報配信システムが対象である。そして、前記情報配信装置は、ユーザに関するユーザ情報を管理するユーザ情報管理手段と、前記情報表示端末の近傍に存在するユーザを特定するユーザ特定手段と、前記ユーザ特定手段によって特定されたユーザの前記ユーザ情報を前記ユーザ情報管理手段から読み出し、該ユーザ情報に基づいて該ユーザを対象とした前記配信情報を作成する配信情報作成手段とを有するものとする。
【0008】
別の本発明は、配信情報を配信する情報配信装置と、該配信情報を表示する情報表示端末とを備えた情報配信システムが対象である。そして、前記情報表示端末は、該情報表示端末の近傍に存在するユーザを特定するユーザ特定手段を有し、前記情報配信装置は、ユーザに関するユーザ情報を管理するユーザ情報管理手段と、前記ユーザ特定手段によって特定されたユーザの前記ユーザ情報を前記ユーザ情報管理手段から読み出し、該ユーザ情報に基づいて該ユーザを対象とした前記配信情報を作成する配信情報作成手段とを有するものとする。
【0009】
さらに別の発明は、情報表示端末に配信情報を配信する情報配信装置を対象とする。そして、ユーザに関するユーザ情報を管理するユーザ情報管理手段と、前記情報表示端末の近傍に存在するユーザを特定するユーザ特定手段と、前記ユーザ特定手段によって特定されたユーザの前記ユーザ情報を前記ユーザ情報管理手段から読み出し、該ユーザ情報に基づいて該ユーザを対象とした前記配信情報を作成する配信情報作成手段とを有するものとする。
【0010】
さらに別の発明は、情報表示端末へ配信情報を配信する情報配信方法を対象とする。そして、この情報配信方法は、前記情報表示端末の近傍に存在するユーザを特定するユーザ特定ステップと、ユーザに関するユーザ情報を管理するユーザ情報管理手段から、前記ユーザ特定手段によって特定されたユーザの該ユーザ情報を読み出し、該ユーザ情報に基づいて該ユーザを対象とした前記配信情報を作成する配信情報作成ステップと、前記配信情報を配信するステップとを含むものとする。
【0011】
さらに別の発明は、情報表示端末に配信情報を配信する情報配信装置のためのプログラムが対象である。そして、該プログラムは、前記情報表示端末の近傍に存在するユーザを特定するユーザ特定ステップと、ユーザに関するユーザ情報を管理するユーザ情報管理部から、前記ユーザ特定ステップによって特定されたユーザの前記ユーザ情報を読み出す読み出しステップと、前記読み出しステップによって読み出した前記ユーザ情報に基づいて該ユーザを対象とした前記配信情報を作成する配信情報作成ステップとをコンピュータに実行させるものとする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、情報表示端末の近傍に存在するユーザを特定し、そのユーザを対象とした配信情報を提供することができるので、特定のユーザが不在であっても、その状況に応じた情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態1の情報配信システムのシステム構成を示す図である。
【図2】携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図3】情報表示端末の構成を示すブロック図である。
【図4】情報配信装置の構成を示すブロック図である。
【図5】ユーザ情報の一例を示す図である。
【図6】宅内判定の方法を説明するための模式図である。
【図7】携帯端末が端末情報及び位置情報を送信する動作を示すフローチャートである。
【図8】情報表示端末が端末情報及び位置情報を送信する動作を示すフローチャートである。
【図9】情報配信装置の宅内判定処理を示すフローチャートである。
【図10】情報表示端末が情報配信装置から配信情報を取得するときの動作を示すフローチャートである。
【図11】情報配信装置が配信情報を送信する動作を示すフローチャートである。
【図12】登録されたユーザの全てが宅内に存在するときの情報配信システムの全体の処理の流れを示すシーケンス図である。
【図13】登録されたユーザの全てが宅内に存在するときに情報表示端末に表示される画面を示す図である。
【図14】登録されたユーザの何れかが宅内に存在しないときの情報配信システムの全体の処理の流れを示すシーケンス図である。
【図15】登録されたユーザの何れかが宅内に存在しないときに情報表示端末に表示される画面を示す図である。
【図16】実施形態2に係る携帯端末のブロック図である。
【図17】実施形態2に係る情報表示端末のブロック図である。
【図18】実施形態2に係る情報配信装置のブロック図である。
【図19】実施形態2に係る情報表示端末が宅内判定を行う動作を示すフローチャートである。
【図20】実施形態2に係る情報配信装置が宅内判定結果を記録する動作を示すフローチャートである。
【図21】ユーザ情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】
《発明の実施形態1》
図1は、本実施形態1の情報配信システムのシステム構成を示す図である。情報配信システム100は、配信情報を配信する情報配信装置1と、該配信情報を受信して表示する情報表示端末2と、ユーザが携帯する携帯端末3a,3b,…とを備えている。情報配信システム100は、情報表示端末2の近傍に存在するユーザを対象とする配信情報を情報配信装置1から情報表示端末2へ配信し、該配信情報を情報表示端末2に表示させるものである。本実施形態では、情報表示端末2をリビング等においてテレビの傍に据え置いて、該情報表示端末2を介してユーザにお勧めのTV番組情報や映画情報等を提供する場合について説明する。以下、携帯端末を他の携帯端末と区別しないときには、単に「携帯端末3」と称する。
【0016】
〈携帯端末〉
図2は、携帯端末3の構成を示すブロック図である。前記携帯端末3は、ユーザに携帯される端末である。本実施形態では、携帯端末3は、携帯電話である。携帯端末3は、ユーザが所有するものであり、そのユーザ固有のものである。すなわち、携帯端末3を識別することによって、その携帯端末3を所有するユーザを特定することができる。また、携帯端末3はユーザに携帯され、ユーザと共に移動するものであるため、携帯端末3の位置がわかれば、ユーザの現在位置を特定することができる。携帯端末3は、ブロードバンドルータ5又は基地局6を介して、インターネット4上の情報配信装置1に接続される。
【0017】
詳しくは、携帯端末3は、携帯端末3に関する情報(端末情報)を記憶しておく端末情報管理部31と、携帯端末3の位置情報を取得して出力する位置情報取得部32と、前記端末情報及び位置情報を送信する通信部33と、これらを制御する制御部34とを有している。
【0018】
前記端末情報管理部31は、ROM、RAM、メモリカード等で構成される記憶装置であって、端末の種類に関する情報と携帯端末IDとを端末情報として記憶している。端末の種類に関する情報は、端末が情報表示端末2であるのか、携帯端末3であるのかを特定可能な種別情報である。携帯端末3の端末情報は、該携帯端末3を他の携帯端末3,3,…から識別できる情報であれば、どのような情報であってもよい。携帯端末IDは、本実施形態では、携帯端末3に対して設定する。ただし、端末情報は、これに限られず、携帯端末3が本実施形態のように携帯電話の場合には、電話番号及びメールアドレスであってもよい。また、端末情報には、端末の種類に関する情報や携帯端末ID以外にも、携帯端末3に関するあらゆる情報が含まれていてもよい。
【0019】
前記位置情報取得部32は、GPS(Global Positioning System)受信機を有しており、携帯端末3自身の位置をGPSによって検出することができる。位置情報取得部32は、GPSによって取得した携帯端末3自身の位置を位置情報として出力する。尚、位置情報取得部32は、これに限定されるものではなく、位置を特定可能なあらゆる手段で実現することが可能である。
【0020】
前記通信部33は、図示は省略するが、送受信アンテナを備えた通信モジュールを有しており、信号の送受信を行う。詳しくは、通信部33は、ネットワークを介して、情報配信装置1との間で信号の授受を行う。
【0021】
前記制御部34は、CPUで構成されており、位置情報取得部32を作動させて位置情報を取得させたり、端末情報管理部31から端末情報を読み出したり、通信部33を作動させて端末情報及び位置情報を送信させたりする。
【0022】
〈情報表示端末〉
図3は、情報表示端末2の構成を示すブロック図である。前記情報表示端末2は、自宅7内に配置され、ブロードバンドルータ5を介して、インターネット4上の情報配信装置1に接続される。前記情報表示端末2は、宅内において、好ましくは、テレビの傍らに据え置かれるものである。情報表示端末2は、前記情報配信装置1から受信した配信情報を所定の形式で表示する。
【0023】
詳しくは、情報表示端末2は、情報表示端末2に関する固有の情報(端末情報)を記憶しておく端末情報管理部21と、情報表示端末2の位置情報を取得して出力する位置情報取得部22と、前記端末情報及び位置情報を送信すると共に、情報配信装置1から配信される配信情報を受信する通信部23と、該配信情報に基づいて画面を表示する画面表示部24と、これらを制御する制御部25とを有している。
【0024】
前記端末情報管理部21は、ROM、RAM、メモリカード等で構成される記憶装置であって、端末の種類に関する情報と情報表示端末IDとを端末情報として記憶している。端末の種類に関する情報は、端末が情報表示端末2であるのか、携帯端末3であるのかを特定可能な種別情報である。情報表示端末IDは、情報表示端末2をユニークに特定可能なIDである。情報表示端末IDは、情報表示端末2に予め設定されていてもよいし、ユーザが情報表示端末2に設定してもよい。情報表示端末2の端末情報は、該情報表示端末2を他の情報表示端末2,2,…から識別できる情報であれば、情報表示端末IDに限定されず、どのような情報であってもよい。また、端末情報には、端末の種類に関する情報や情報表示端末ID以外にも、情報表示端末2に関するあらゆる情報が含まれていてもよい。
【0025】
前記位置情報取得部22は、携帯端末3の位置情報取得部32と同様に、GPS受信機を有しており、GPSによって取得した情報表示端末2自身の位置を位置情報として出力する。尚、位置情報取得部22は、これに限定されるものではなく、位置情報を特定可能なあらゆる手段で実現することが可能である。
【0026】
前記通信部23は、図示は省略するが、送受信アンテナを備えた通信モジュールを有しており、信号の送受信を行う。詳しくは、通信部23は、ネットワークを介して、情報配信装置1との間で信号の授受を行う。
【0027】
前記画面表示部24は、前記通信部23が受信した配信情報に基づいて、画面を表示する。
【0028】
前記制御部25は、CPUで構成されており、位置情報取得部22を作動させて位置情報を取得させたり、端末情報管理部21から端末情報を読み出したり、通信部23を作動させて端末情報及び位置情報を送信させたり、通信部23を介して受信した配信情報を、画面表示部24に表示させたりする。
【0029】
〈情報配信装置〉
図4は、情報配信装置1の構成を示すブロック図である。前記情報配信装置1は、インターネット4に接続されており、情報表示端末2及び携帯端末3と情報通信が可能である。情報配信装置1は、情報表示端末2の近傍に存在する携帯端末3,3,…を特定し、特定された携帯端末3,3,…を所持するユーザを対象とした配信情報を作成し、作成した配信情報を該情報表示端末2へ配信する。
【0030】
詳しくは、情報配信装置1は、情報表示端末2及び携帯端末3からの端末情報及び位置情報を受信すると共に、配信情報を送信する通信部11と、ユーザに関する情報であるユーザ情報を記憶しておくユーザ情報管理部12と、情報表示端末2の位置情報及び携帯端末3,3,…の宅内判定結果を記憶しておく宅内情報管理部13と、ユーザに提供する各種情報を記憶しておく配信情報管理部14と、これらを制御する制御部15とを有している。
【0031】
前記通信部11は、図示は省略するが、送受信アンテナを備えた通信モジュールを有しており、信号の送受信を行う。詳しくは、通信部11は、ネットワークを介して、情報表示端末2からの端末情報及び位置情報、並びに、携帯端末3,3,…からの端末情報及び位置情報を受信すると共に、情報表示端末2に対して配信情報を送信する。
【0032】
前記ユーザ情報管理部12は、ROM、RAM、ハードディスク、メモリカード等で構成される記憶装置であって、情報表示端末2を利用するユーザのユーザ情報を記憶している。ユーザ情報管理部12は、1つの情報表示端末2についてのユーザ情報のみならず、複数の情報表示端末2,2,…のユーザ情報を記憶している。すなわち、ユーザ情報管理部12は、複数の情報表示端末2,2,…について、各情報表示端末2に関連したユーザのユーザ情報を記憶している。このユーザ情報管理部12がユーザ情報管理手段を構成する。
【0033】
ここで、ユーザ情報とは、ユーザの識別情報(例えば、ユーザが所有する携帯端末3の携帯端末ID)、ユーザの属性及び嗜好に関する情報である。ユーザの属性とは、ユーザの特徴、性質であって、例えば、性別及び年齢等である。ユーザの嗜好とは、ユーザの嗜みや好みであって、例えば、趣味及び好きなTV番組ジャンル等である。
【0034】
図5に、ユーザ情報管理部12に記憶しておくユーザ情報の一例を示す。ユーザ情報には、情報表示端末2の情報表示端末IDと、該情報表示端末2と紐付けられた携帯端末3a,3b,…の携帯端末IDと、携帯端末3a,3b,…を所有するユーザのユーザ名と、該ユーザの性別と、該ユーザの年齢と、該ユーザの趣味と、該ユーザの好きなTV番組ジャンルとが含まれている。ユーザ名は、宅内でユーザを特定可能な識別子であって、場合によっては情報表示端末2に表示される。ユーザの性別、年齢、趣味及び好きなTV番組ジャンルは、配信情報を作成する際に考慮される。これらのユーザ情報は、ユーザが情報配信装置1に事前に登録しておく。情報配信装置1への登録は、インターネットを介して専用のホームページにアクセスして、専用のホームページ上で情報を入力することで行われる。ホームページ上で入力された情報がユーザ情報管理部12に記憶される。
【0035】
図5の例では、情報表示端末IDが「1001」の情報表示端末2に対して、該情報表示端末2が設置される宅内に居住するユーザの所有する携帯端末3a,3b,…の携帯端末IDが「2001」、「2002」、「2003」として登録されている。そして、携帯端末ID「2001」に関しては、ユーザ名「父」、性別「男」、年齢「45歳」、趣味「映画鑑賞」、好きなTV番組ジャンル「ニュース、ゴルフ、野球、映画」が設定されている。携帯端末ID「2002」に関しては、ユーザ名「母」、性別「女」、年齢「40歳」、趣味「料理、映画鑑賞」、好きなTV番組ジャンル「料理、ドラマ、映画」が設定されている。携帯端末ID「2003」に関しては、ユーザ名「長男」、性別「男」、年齢「15歳」、趣味「釣り」、好きなTV番組ジャンル「ドラマ」が設定されている。
【0036】
尚、図5では、情報表示端末IDが「1001」で表される情報表示端末2に関連するユーザ情報のみを示しているが、ユーザ情報管理部12には、他の情報表示端末IDの情報表示端末2に関連するユーザ情報も記憶されている。また、ユーザ情報は、上記の情報以外の情報であってもよい。例えば、好きなアーティストや興味のある言語等をユーザ情報としてもよい。あるいは、ユーザ情報として、趣味や好きなTV番組ジャンル等のカテゴリーにとらわれず、自由なキーワードを設定可能にしてもよい。
【0037】
前記宅内情報管理部13は、ROM、RAM、ハードディスク、メモリカード等で構成される記憶装置であって、携帯端末3が宅内に存在するか否かを表す宅内フラグを携帯端末IDと共に記憶している。この宅内情報管理部13は、ユーザ情報管理部12と別の記憶装置であってもよいし、同じ記憶装置で構成されていてもよい。また、宅内情報管理部13は、情報表示端末2の端末情報及び位置情報を記憶している。
【0038】
前記配信情報管理部14は、ユーザに提供する情報を記憶しておくデータベースである。例えば、配信情報管理部14は、料理のレシピや、お出かけ情報、映画情報及び、番組情報を記憶している。配信情報管理部14は、これらの情報を画面上に表示するための画面情報と合わせて記憶している。尚、配信情報管理部14に記憶される情報は、これに限定されるものではない。また、配信情報管理部14に記憶される情報のうち、番組情報や天気情報のように、日々変更される情報は、定期的に更新される。
【0039】
制御部15は、携帯端末3,3,…が宅内に存在するか否かを判定する宅内判定部15aと、実際に配信する情報を作成する配信情報作成部15bとを有している。制御部15は、例えば、CPUで構成されており、このCPUがプログラムを実行することによって、該宅内判定部15a及び配信情報作成部15bとして機能する。尚、情報配信装置1は、宅内判定部15aとして機能するCPUと、配信情報作成部15bとして機能するCPUとを別々に有していてもよい。
【0040】
前記宅内判定部15aは、情報表示端末2から各携帯端末3までの距離に基づいて、該携帯端末3が宅内に存在するか否かを判定(以下、この判定を「宅内判定」という)する。図6は、携帯端末3a,3b,…が宅内に存在するか否かを判定する方法を説明するための模式図である。宅内判定部15aは、情報表示端末2の端末情報及び位置情報が通信部11を介して受信されたときに、該情報表示端末2の端末情報及び位置情報を宅内情報管理部13に記憶させる。また、宅内判定部15aは、携帯端末3の端末情報及び位置情報が通信部11を介して受信されたときには、該携帯端末3が紐付けられた情報表示端末2の位置情報を宅内情報管理部13から読み出し、以下の宅内判定を行う。この宅内判定部15aがユーザ特定手段を構成する。
【0041】
詳しくは、宅内判定部15aは、情報表示端末2から各携帯端末3a,3b,…までの距離Dを求め、当該距離Dが所定の距離D0以下であれば、その携帯端末3a,3b,…は宅内に存在すると判定する。図6の例で説明すれば、携帯端末3aは、情報表示端末2からの距離DaがD0以下であるので、宅内に存在すると判定される。一方、携帯端末3bは、情報表示端末2からの距離DbがD0よりも大きいので、宅内に存在しないと判定される。ここで、宅内判定の基準となる距離D0は、宅内に存在すると判定できる程度の値に予め設定されている。尚、この距離D0は、ユーザが設定可能であってもよい。宅内判定部15aは、この宅内判定を、携帯端末3からの端末情報及び位置情報を受信する度に実行する。そして、宅内判定部15aは、宅内判定の結果に基づいて、携帯端末3が宅内に存在するか否かを表す宅内フラグを設定し、該宅内フラグを該携帯端末3の携帯端末IDと紐付けて宅内情報管理部13に記憶させる。例えば、携帯端末3が宅内に存在する場合には、宅内フラグを「1」に設定する一方、携帯端末3が宅内に存在しない場合には、宅内フラグを「0」に設定する。
【0042】
前記配信情報作成部15bは、宅内情報管理部13に記憶された、宅内に存在する携帯端末3,3,…のユーザ情報をユーザ情報管理部12から読み出し、読み出したユーザ情報に基づいて配信情報管理部14内の情報を選択し、情報表示端末2に配信する配信情報(画面情報)を作成する。すなわち、配信情報作成部15bは、情報表示端末2に紐付けられた携帯端末3,3,…のいずれが宅内に存在するかによって、送信する配信情報を変更する。この配信情報作成部15bが配信情報作成手段を構成する。
【0043】
続いて、このように構成された情報配信システム100の動作について説明する。
【0044】
図7は、携帯端末3が端末情報及び位置情報を送信する動作を示すフローチャートである。まず、ステップSa1において、携帯端末3の制御部34は、位置情報取得部32に該携帯端末3の位置情報を取得させる。次に、ステップSa2において、制御部34は、端末情報管理部31から端末情報を読み出す。続いて、制御部34は、ステップSa3において、該端末情報及び位置情報を通信部33へ入力し、通信部33に該端末情報及び位置情報を情報配信装置1へ送信させる。制御部34は、これらステップSa1〜Sa3を定期的(例えば、1時間ごと)に行う。すなわち、携帯端末3は、端末情報及び位置情報を情報配信装置1へ定期的に送信する。
【0045】
図8は、情報表示端末2が端末情報及び位置情報を送信する動作を示すフローチャートである。まず、ステップSb1において、情報表示端末2の制御部25は、位置情報取得部22に該情報表示端末2の位置情報を取得させる。次に、ステップSb2において、制御部25は、端末情報管理部21から端末情報を読み出す。続いて、制御部25は、ステップSb3において、該端末情報及び位置情報を通信部23へ入力し、通信部23に該端末情報及び位置情報を情報配信装置1へ送信させる。制御部25は、これらステップSb1〜Sb3を定期的(例えば、1時間ごと)に行う。すなわち、情報表示端末2は、端末情報及び位置情報を情報配信装置1へ定期的に送信する。尚、情報表示端末2が端末情報及び位置情報を送信する時間間隔は、携帯端末3が端末情報及び位置情報を送信する時間間隔と同じであってもよいし、異なっていてもよい。情報表示端末2が宅内に据え置かれることが想定される場合には、情報表示端末2は携帯端末3のように頻繁に移動するものではないため、送信頻度は、例えば、1日1回などのように、携帯端末3よりも少なくてもよい。
【0046】
図9は、情報配信装置1の宅内判定処理を示すフローチャートである。まず、ステップSc1において、情報配信装置1の宅内判定部15aは、情報表示端末2からの端末情報及び位置情報、又は、携帯端末3からの端末情報及び位置情報を通信部11を介して受信する。次に、宅内判定部15aは、ステップSc2において、受信された端末情報及び位置情報が携帯端末3からのものか否かを判定する。そして、情報表示端末2からのものであるときにはステップSc3へ進む一方、携帯端末3のものであるときにはステップSc4へ進む。
【0047】
ステップSc3では、宅内判定部15aは、情報表示端末2の端末情報及び位置情報を宅内情報管理部13に記憶させる。端末情報が一致する情報表示端末2の位置情報が宅内情報管理部13に既に記憶されている場合には、宅内判定部15aは、その位置情報を受信した位置情報で更新する。
【0048】
一方、ステップSc4では、宅内判定部15aは、受信した携帯端末3の端末情報に基づいて、該携帯端末3が紐付けられた情報表示端末2の位置情報を宅内情報管理部13から読み出す。そして、宅内判定部15aは、読み出した情報表示端末2の位置情報と受信した携帯端末3の位置情報とを用いて前述の宅内判定を行う。宅内判定部15aは、判定結果に基づいて、宅内フラグを設定して、該宅内フラグを携帯端末IDと共に宅内情報管理部13に記憶させる。詳しくは、携帯端末3が宅内に存在するときには、宅内判定部15aは、ステップSc6において、宅内フラグを有効に設定して、宅内情報管理部13に記憶させる。一方、携帯端末3が宅内に存在しないときには、宅内判定部15aは、ステップSc7において、宅内フラグを無効に設定して、宅内情報管理部13に記憶させる。尚、端末情報が一致する携帯端末3の宅内フラグが既に宅内情報管理部13に記憶されている場合には、宅内判定部15aは、最新の判定結果に基づいて宅内フラグを更新する。
【0049】
図10は、情報表示端末2が情報配信装置1から配信情報を取得するときの動作を示すフローチャートである。まず、ステップSd1において、制御部25は、端末情報管理部21から端末情報を取得する。次に、ステップSd2において、制御部25は、該端末情報と共に配信情報要求を通信部23を介して情報配信装置1へ送信する。この配信情報要求は、制御部25が定期的(例えば、1時間ごとに)に行ってもよいし、ユーザから情報表示端末2への入力があったときに行ってもよい。続いて、ステップSd3において、制御部25は、情報配信装置1から配信された配信情報を通信部23を介して受信する。そして、ステップSd4において、制御部25は、受信した配信情報に基づいて、画面表示部24に画面を表示させる。
【0050】
図11は、情報配信装置1が配信情報を送信する動作を示すフローチャートである。まず、ステップSe1において、配信情報作成部15bは、情報表示端末2からの端末情報を含んだ配信情報要求を通信部11を介して受信する。次に、配信情報作成部15bは、該端末情報により識別される情報表示端末2に紐付けられている携帯端末3,3,…のうち、宅内に存在する携帯端末3,3,…を宅内情報管理部13から検索する。詳しくは、配信情報作成部15bは、宅内フラグに基づいて、宅内に存在する携帯端末3,3,…を検索する。続いて、配信情報作成部15bは、ステップSe3において、宅内に存在する携帯端末3,3,…のユーザ情報をユーザ情報管理部12から読み出し、配信情報にどのコンテンツを含めるかを選択する。配信情報作成部15bは、ステップSe4において、選択したコンテンツに基づいて、配信情報管理部14から情報を取得し、配信情報を作成する。具体的には、配信情報作成部15bは、選択したコンテンツに応じて、配信情報管理部14から画面情報を取得して、配信情報を作成する。配信情報作成部15bは、ステップSe5において、作成した配信情報を通信部11を介して情報表示端末2へ送信させる。
【0051】
このように構成された情報配信システム100の全体の処理の流れを、図12〜15を参照しながら説明する。図12は、登録されたユーザの全てが宅内に存在するときの情報配信システム100の全体の処理の流れを示すシーケンス図であり、図13は、登録されたユーザの全てが宅内に存在するときに情報表示端末2に表示される画面の例であり、図14は、登録されたユーザの何れかが宅内に存在しないときの情報配信システム100の全体の処理の流れを示すシーケンス図であり、図15は、登録されたユーザの何れかが宅内に存在しないときに情報表示端末2に表示される画面の例である。以下の例では、携帯端末3aは、父が所有するものであり、携帯端末3bは、母が所有するものであり、携帯端末3cは、長男が所有するものである。
【0052】
まず、父、母及び長男の全員が宅内に存在するときの処理の流れについて説明する。
【0053】
始めに、情報表示端末2が、情報配信装置1に対して、端末情報及び位置情報を送信する(Sf1)。情報配信装置1は、前記情報表示端末2から受信した端末情報及び位置情報を記録する(Sf2)。
【0054】
次に、携帯端末3aが、情報配信装置1に対して、端末情報及び位置情報を送信する(Sf3)。情報配信装置1は、携帯端末3aから端末情報及び位置情報を受信すると、携帯端末3aに関して宅内判定を行う。この例では、携帯端末3aが宅内に存在するので、情報配信装置1は、携帯端末3aを所有する父が宅内にいることを記録する(Sf4)。同様に、携帯端末3b,3cも、情報配信装置1に対して、端末情報及び位置情報を送信し(Sf5,Sf7)、情報配信装置1が携帯端末3b,3cの宅内判定を行う(Sf6,sf8)
続いて、情報表示端末2が、配信情報要求を送信する(Sf9)。情報配信装置1は、配信情報要求を受信すると、情報表示端末2と紐付けられた携帯端末3a,3b,3cのうち、宅内に存在する携帯端末のユーザ情報を宅内情報管理部13から収集する(Sf10)。この例では、情報配信装置1は、父、母及び長男の全員のユーザ情報を収集する。そして、情報配信装置1は、収集したユーザ情報に基づいて、配信情報管理部14から情報を取得し、配信情報を作成する(Sf11)。情報配信装置1は、こうして作成した配信情報を情報表示端末2へ配信する(Sf12)。
【0055】
情報表示端末2は、情報配信装置1から送信された配信情報を受信して、該配信情報に基づいて画面を表示する(Sf13)。
【0056】
この例では、父と母と長男が宅内に存在するため、情報表示端末2には、図13に示すように、週末の計画を立てるためのお出かけ情報を提供するサーバへのリンクや、母と長男が好きなTV番組であるドラマや、家族で楽しめるバラエティ番組がお勧めとして表示される。
【0057】
前記携帯端末3,3,…から情報配信装置1への端末情報及び位置情報の送信は定期的に行われるため、情報配信装置1は、各携帯端末3が宅内に存在するか否かを定期的に判定している。そして、情報配信装置1は、配信情報要求を受信したときの携帯端末3,3,…の在宅状況に応じて、在宅するユーザを対象とする配信情報を作成して、それを配信する。例えば、長男が宅内に不在の場合は、図14に示すような流れとなる。
【0058】
情報表示端末2及び携帯端末3a,3bが情報配信装置1に端末情報及び位置情報を送信し、情報配信装置1がそれらを記録したり、それらを用いて宅内判定を行う流れ(Sg1〜Sg6)は、ユーザの全員が宅内に存在するときと同様である。
【0059】
この例では、長男の携帯端末3cに対する処理が異なる。すなわち、携帯端末3cが、情報配信装置1に対して、端末情報及び位置情報を送信する(Sg7)。情報配信装置1は、携帯端末3cから端末情報及び位置情報を受信すると、携帯端末3cに関して宅内判定を行う。携帯端末3cは宅内に存在しないので、情報配信装置1は、携帯端末3cを所有する長男が宅内にいないことを記録する(Sg8)。
【0060】
続いて、情報表示端末2が、配信情報要求を送信する(Sg9)。情報配信装置1は、配信情報要求を受信すると、父及び母のユーザ情報を収集し、長男のユーザ情報は収集しない(Sg10)。そして、情報配信装置1は、収集したユーザ情報に基づいて、配信情報管理部14から情報を取得し、配信情報を作成する(Sg11)。情報配信装置1は、こうして作成した配信情報を情報表示端末2へ配信する(Sg12)。
【0061】
情報表示端末2は、情報配信装置1から送信された配信情報を受信して、該配信情報に基づいて画面を表示する(Sg13)。
【0062】
この例では、父と母が宅内に存在し、長男が存在しないため、情報表示端末2には、図15に示すように、母の趣味である料理に関連したレシピ情報を提供するサーバへのリンクや、父と母の共通の趣味である映画に関する情報を提供するサーバへのリンクや、父の好きなTV番組であるゴルフ中継及びプロ野球中継や、母の好きなTV番組である料理番組がお勧めとして表示される。
【0063】
前記情報配信装置1は、前述の制御を制御部15に実行させるプログラムを記憶装置(図示省略)に格納しており、該プログラムをメインメモリに読み込むことによって制御部15が前述の制御を実行する。情報表示端末2及び携帯端末3も同様に、前述の制御をそれぞれの制御部25,34に実行させるプログラムを記憶装置(図示省略)に格納しており、該プログラムをメインメモリ(図示省略)に読み込むことによって制御部25,34が前述の制御を実行する。
【0064】
したがって、本実施形態によれば、情報配信システム100の情報配信装置1は、ユーザに関するユーザ情報を管理するユーザ情報管理部12と、情報表示端末2の近傍に存在するユーザを特定する宅内判定部15aと、宅内判定部15aによって特定されたユーザの前記ユーザ情報を前記ユーザ情報管理部12から読み出し、該ユーザ情報に基づいて該ユーザを対象とした配信情報を作成する配信情報作成部15bとを有している。これにより、情報表示端末2の近傍に存在するユーザを対象にした配信情報を提供することができる。すなわち、情報表示端末2の近傍に特定のユーザ(例えば、父)が存在しなくても、その場に存在するユーザを対象とした配信情報を提供できるので、情報配信システム、情報配信装置及び情報表示端末の汎用性を向上させることができる。
【0065】
《発明の実施形態2》
続いて、実施形態2に係る情報配信システム200について説明する。情報配信システム200は、情報表示端末202が宅内判定を行う点で、実施形態1とは異なる。そこで、実施形態1と同様の構成については同様の符号を付して説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。尚、実施形態2において、実施形態1と同様の構成要素については、実施形態1の符号を200番台に変更して表している。
【0066】
情報配信システム200のシステム構成は、実施形態1に係る情報配信システム100と同様である。すなわち、情報配信システム200は、配信情報を配信する情報配信装置201と、該配信情報を受信して表示する情報表示端末202と、ユーザが携帯する携帯端末203a,203b,…とを備えている。
【0067】
〈携帯端末〉
図16に、実施形態2に係る携帯端末203のブロック図を示す。携帯端末203は、基本的な構成は実施形態1と同様であり、携帯端末203の端末情報を記憶しておく端末情報管理部31と、携帯端末203の位置情報を取得して出力する位置情報取得部32と、前記端末情報及び位置情報を送信する通信部233と、これらを制御する制御部234とを有している。端末情報管理部31及び位置情報取得部32は、実施形態1と同様である。
【0068】
通信部233は、情報配信装置1との間で信号の授受を行うための通信モジュールに加えて、Bluetooth(登録商標)通信規格に基づいて無線通信を行うBTモジュールを有している。このBluetooth通信は、近距離無線通信の一例であり、通信部233は、Bluetooth通信規格以外の近距離無線通信規格を採用する近距離無線通信モジュールを有していてもよい。
【0069】
制御部234は、実施形態1における制御に加えて、情報表示端末202からの後述するリクエスト信号を通信部233のBTモジュールを介して受信したときに、端末情報管理部31から携帯端末IDを読み出し、該携帯端末IDを含むID信号を通信部233のBTモジュールを介して送信させる。
【0070】
〈情報表示端末〉
図17に、実施形態2に係る情報表示端末202のブロック図を示す。情報表示端末202は、情報表示端末202の端末情報を記憶しておく端末情報管理部21と、情報表示端末202の位置情報を取得して出力する位置情報取得部22と、前記端末情報及び位置情報を送信すると共に、情報配信装置201から配信される配信情報を受信する通信部223と、該配信情報に基づいて画面を表示する画面表示部24と、これらを制御する制御部225とを有している。端末情報管理部21、位置情報取得部22、及び画面表示部24は、実施形態1と同様である。
【0071】
前記通信部223は、情報配信装置201との間で信号の授受を行うための通信モジュールに加えて、Bluetooth通信規格に基づいて無線通信を行うBTモジュールを有している。このBluetooth通信は、近距離無線通信の一例であり、通信部233は、Bluetooth通信規格以外の近距離無線通信規格を採用する近距離無線通信モジュールを有していてもよい。ただし、近距離無線通信規格は、携帯端末203の近距離無線通信規格と同じである必要がある。
【0072】
制御部225は、通信部223のBTモジュールを介して、リクエスト信号を定期的(例えば、1時間ごと)に送信する。そして、制御部225は、そのリクエスト信号に対して、携帯端末203からのID信号を該通信部223のBTモジュールを介して受信したときには、該携帯端末203が情報表示端末202の近傍に存在する、即ち、宅内に存在すると判定する。Bluetooth通信規格は、電波の到達距離が1〜100m程度であるので、情報表示端末202から電波の到達範囲内に存在する携帯端末203,203,…だけが、情報表示端末202のリクエスト信号に応えてID信号を返信する。こうして、制御部225は、携帯端末203,203,…が情報表示端末202の近傍に存在するか否かを判定することができる。そして、近距離無線通信の電波の到達範囲を変更することによって、携帯端末203,203,…を検出できる範囲を変更することができる。情報表示端末202は、電波の到達範囲を、宅内と判定できる程度の値(例えば、10m)に設定している。この制御部225がユーザ特定手段を構成する。
【0073】
こうして、制御部225は、携帯端末203,203,…の宅内判定を行った後、宅内に存在する携帯端末203の携帯端末IDを通信部223を介して情報配信装置201へ送信する。
【0074】
〈情報配信装置〉
図18に、実施形態2に係る情報配信装置201のブロック図を示す。情報配信装置201は、配信情報を送信する通信部11と、ユーザに関する情報であるユーザ情報を記憶しておくユーザ情報管理部12と、情報表示端末2の位置情報及び携帯端末203の宅内判定結果を記憶しておく宅内情報管理部13と、ユーザに提供する各種情報を記憶しておく配信情報管理部14と、これらを制御する制御部215とを有している。通信部11、ユーザ情報管理部12、宅内情報管理部13及び配信情報管理部14は、実施形態1と同様である。
【0075】
制御部215は、実際に配信する情報を作成する配信情報作成部215bを有しており、実施形態1の宅内判定部15aを有していない。配信情報作成部215bは、情報表示端末202から送信される、携帯端末203の携帯端末IDを通信部11を介して受信すると、該携帯端末IDの宅内フラグを「1」に設定し、該宅内フラグを携帯端末IDと紐付けて宅内情報管理部13に記憶させる。尚、配信情報作成部215bが、情報表示端末2からの配信情報要求を受けて、配信情報を作成して配信する処理は、実施形態1と同様である。
【0076】
続いて、このように構成された情報配信システム200の動作について説明する。
【0077】
図19は、情報表示端末202が宅内判定を行う動作を示すフローチャートである。まず、ステップSh1において、制御部225は、リクエスト信号を送信する。そして、制御部225は、ステップSh2において、携帯端末203,203,…からの携帯端末IDの返信が所定期間内にあるか否かを判定する。制御部225は、所定期間内に携帯端末IDを受信したときには、ステップSh3に進む一方、所定期間内に携帯端末IDを受信しないときには、フローを終了する。携帯端末IDを受信したときには、制御部225は、その携帯端末IDを含む信号を通信部223の通信モジュールを介して情報配信装置201へ送信する。
【0078】
図20は、情報配信装置201が宅内判定結果を記録する動作を示すフローチャートである。まず、ステップSi1において、配信情報作成部215bは、情報表示端末202から、携帯端末IDを含む信号を受信したか否かを判定する。配信情報作成部215bは、該信号を受信したときには、ステップSi2に進む一方、該信号を受信しないときには、ステップSi1を繰り返す。そして、配信情報作成部215bは、ステップSi2において、受信した信号に含まれる携帯端末IDの宅内フラグを有効に設定し、該宅内フラグを宅内情報管理部13に記憶させる。
【0079】
尚、情報配信装置201が配信情報を送信する動作は実施形態1と同様である。
【0080】
前記情報配信装置201は、前述の制御を制御部215に実行させるプログラムを記憶装置(図示省略)に格納しており、該プログラムをメインメモリに読み込むことによって制御部215が前述の制御を実行する。情報表示端末202及び携帯端末203も同様に、前述の制御をそれぞれの制御部225,234に実行させるプログラムを記憶装置(図示省略)に格納しており、該プログラムをメインメモリ(図示省略)に読み込むことによって制御部225,234が前述の制御を実行する。
【0081】
したがって、本実施形態によれば、情報表示端末202は、該情報表示端末202の近傍に存在するユーザを特定する制御部225を有し、情報配信装置201は、ユーザに関するユーザ情報を管理するユーザ情報管理部12と、前記情報表示端末202の制御部225によって特定されたユーザの前記ユーザ情報を前記ユーザ情報管理部12から読み出し、該ユーザ情報に基づいて該ユーザを対象とした配信情報を作成する配信情報作成部15bとを有している。これにより、情報表示端末202の近傍に存在するユーザを対象にした配信情報を提供することができる。すなわち、情報表示端末202の近傍に特定のユーザ(例えば、父)が存在しなくても、その場に存在するユーザを対象とした配信情報を提供できるので、情報配信システム、情報配信装置及び情報表示端末の汎用性を向上させることができる。
【0082】
《その他の実施形態》
本発明は、実施形態1,2について、以下のような構成としてもよい。
【0083】
前記実施形態1では、携帯端末3が情報配信装置1へ端末情報及び位置情報を定期的に送信することによって宅内判定が行われるが、宅内判定を行うタイミングはこれに限られるものではない。例えば、情報配信装置1がポーリングにより、定期的に、携帯端末3に位置情報を要求することによって宅内判定を行ってもよい。この場合、各携帯端末3が情報配信装置1からの要求信号を受信したときには、各携帯端末3は、位置情報の取得を行って該位置情報及び端末情報を情報配信装置1へ送信する。さらには、情報配信装置1が情報表示端末2からの端末情報及び位置情報を受信したときに、情報配信装置1から携帯端末3,3,…へ端末情報及び位置情報の送信を要求する信号を送信するように構成してもよい。さらにまた、情報配信装置1が情報表示端末2から配信情報要求を受信したときに、情報配信装置1から情報表示端末2及び携帯端末3,3,…へ端末情報及び位置情報の送信を要求する信号を送信するように構成してもよい。また、ユーザ自らがユーザのタイミングで携帯端末3を操作して、携帯端末3から情報配信装置1へ端末情報及び位置情報を送信して、宅内判定を行わせるように構成してもよい。
【0084】
尚、手動による携帯端末3の端末情報及び位置情報の送信は、該端末情報及び位置情報の自動的な送信と組み合わせてもよい。すなわち、携帯端末3から情報配信装置1へ所定のタイミングで端末情報及び位置情報が自動的に送信されることを基本の構成とし、ユーザが帰宅した場合のように、ユーザが情報表示端末2の近傍に位置するようになったときに、そのことをユーザ自らが情報配信装置1へ報知するために、手動で携帯端末3の端末情報及び位置情報を送信するように構成してもよい。
【0085】
前記実施形態2についても同様に、宅内判定は、情報表示端末202からのリクエスト信号の定期的な送信によるものに限られない。例えば、携帯端末203が定期的に携帯端末IDをBluetoothモジュールを介して送信するように構成してもよい。この場合には、情報表示端末202は、携帯端末IDを受信したときに、該携帯端末IDを携帯端末3が宅内に存在すると判定して、該携帯端末IDを情報配信装置201へ送信する。また、ユーザ自らが携帯端末203を操作して、携帯端末203から情報表示端末202へBTモジュールを介して携帯端末IDを送信して、宅内判定を行わせるように構成してもよい。
【0086】
また、情報表示端末202による宅内判定は、Bluetoothに限られるものではない。例えば、RFID(Radio Frequency IDentification)を用いるものであってもよい。すなわち、携帯端末203は、RFIDタグを有し、情報表示端末202は、リーダ/ライタを有する。そして、携帯端末203を情報表示端末202にかざすことによって、携帯端末203が情報表示端末202の近傍に存在することを検知する。
【0087】
尚、実施形態1の変形例と同様に、手動による携帯端末203の端末情報及び位置情報の送信は、該端末情報及び位置情報の自動的な送信と組み合わせてもよい。
【0088】
さらには、携帯端末3を用いない情報配信システムであってもよい。この場合には、宅内に存在するユーザが情報表示端末202を操作する(例えば、情報表示端末202に設けられた在宅スイッチを押圧する)ことによって、情報表示端末202がユーザが宅内に存在するか否かを判定するように構成してもよい。
【0089】
また、前記実施形態1においては、情報表示端末2から情報配信装置1へ端末情報及び位置情報が定期的に送信されているが、これに限られるものではない。情報表示端末2が宅内に据え置かれるものである場合には、情報表示端末2から情報配信装置1へ端末情報及び位置情報を1度だけ送信するように構成してもよい。その場合であっても、ユーザの要求に応じて、情報表示端末2から情報配信装置1への端末情報及び位置情報の送信ができるように構成することが好ましい。こうすることによって、情報表示端末2を移動させたときには、その都度、情報配信装置1へ端末情報及び位置情報を送信して、情報表示端末2の位置を報知することができる。
【0090】
尚、情報表示端末2から情報配信装置1への、情報表示端末2の位置情報の報知は、端末情報及び位置情報の送信に限られるものではない。例えば、専用のホームページを介して、情報表示端末2が設置される自宅の住所又は電話番号等を登録することによって、情報配信装置1に情報表示端末2の端末情報及び位置情報を設定する構成であってもよい。
【0091】
また、前記実施形態1,2においては、情報表示端末2から情報配信装置1への配信情報要求が定期的に行われているが、これに限られるものではない。例えば、ユーザが情報表示端末2を操作することによって、情報表示端末2から情報配信装置1へ配信情報要求が送信されるように構成されていてもよい。さらには、携帯端末3から情報配信装置1へ配信情報要求を送信するように構成されていてもよい。あるいは、配信情報要求なしに、情報配信装置1が定期的に配信情報を配信するように構成されていてもよい。
【0092】
また、前記実施形態1,2では、情報配信装置1,201がユーザ情報管理部12、宅内情報管理部13及び配信情報管理部14を有しているが、これに限られるものではない。ユーザ情報管理部12、宅内情報管理部13及び配信情報管理部14の全て又は何れかは、情報配信装置1,201とは別に、外部のデータベースとして設けられていてもよい。
【0093】
さらに、前記実施形態1,2では、携帯端末3,203として携帯電話を用いているが、これに限られるものではない。情報配信システム専用の携帯端末を採用してもよい。
【0094】
前記実施形態1,2では、情報表示端末2,202が宅内に設置されるものであるが、これに限られるものではない。例えば、情報表示端末2,202は、旅行等の外出時にユーザに携帯されるものであってもよい。その場合には、携帯端末3,203が宅内に存在するか否かではなく、携帯端末3,203が情報表示端末2,202の近傍に存在するか否かが判定され、それに応じて配信情報が作成される。具体的には、実施形態1の場合には、携帯端末3が情報表示端末2から距離D0の範囲内に存在するか否かによって、携帯端末3が情報表示端末2の近傍に存在するか否かを判定する。このときの基準となる距離D0は、宅内判定のときと同じ値であってもよいし、例えば、車内や、集団で一緒に歩いているときを想定して、宅内判定のときよりは短い値に設定してもよい。実施形態2の場合には、携帯端末203が情報表示端末202から、近距離無線通信を実行することができる範囲内に存在するか否かによって、携帯端末203が情報表示端末202の近傍に存在するか否かを判定する。
【0095】
また、情報表示端末2,202が外出時に使用されるように構成されている場合には、ユーザ情報として、前記実施形態の他に、目的地に関する嗜好や食に関する嗜好を追加することが好ましい。その一例を図21に示す。目的地に関する嗜好としては、旅行に訪れたい場所のジャンルや、遊びに行きたい場所のジャンル等であって、具体的には、海、山、市街地、寺・神社、遺跡、世界遺産、遊園地、ショッピングモール等である。食に関する嗜好としては、食べ物のジャンルに関するものであって、具体的には、和食、洋食、中華、ラーメン、スイーツ等である。情報配信装置1,201は、これらのユーザ情報に基づいて、ユーザに適した情報を配信する。例えば、情報配信装置1,201は、地図情報と情報表示端末2,202の位置情報とに基づいて、情報表示端末2,202の周辺に存在する、目的地に関する嗜好として登録された場所や食に関する嗜好として登録された店を検索し、検索された場所及び店の情報を情報表示端末2,202へ配信する。尚、情報表示端末202は、実施形態2の説明では、それ自体の位置情報の取得についての説明はされていないが、外出時に携帯される構成の場合には、実施形態1の情報表示端末2と同様に、それ自体の位置情報を取得し、情報配信装置201へ送信する。
【0096】
また、本発明は、装置として実現するだけでなく、このような装置が備える処理手段を備える集積回路として実現したり、その装置を構成する処理手段をステップとする方法として実現したり、それらステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したり、そのプログラムを示す情報、データまたは信号として実現したりすることもできる。そして、それらプログラム、情報、データ及び信号は、CD−ROM等の記録媒体やインターネット等の通信媒体を介して配信してもよい。
【0097】
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施形態に施したものや、異なる実施形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明は、情報配信システム、情報配信装置、情報表示端末及び携帯端末に利用することができる。
【符号の説明】
【0099】
100,200 情報配信システム
1,201 情報配信装置
2,202 情報表示端末
3,203 携帯端末
12 ユーザ情報管理部(ユーザ情報管理手段)
15a 宅内判定部(ユーザ特定手段)
15b 配信情報作成部(配信情報作成手段)
225 制御部(ユーザ特定手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信情報を配信する情報配信装置と、該配信情報を表示する情報表示端末とを備えた情報配信システムであって、
前記情報配信装置は、ユーザに関するユーザ情報を管理するユーザ情報管理手段と、前記情報表示端末の近傍に存在するユーザを特定するユーザ特定手段と、前記ユーザ特定手段によって特定されたユーザの前記ユーザ情報を前記ユーザ情報管理手段から読み出し、該ユーザ情報に基づいて該ユーザを対象とした前記配信情報を作成する配信情報作成手段とを有することを特徴とする情報配信システム。
【請求項2】
配信情報を配信する情報配信装置と、該配信情報を表示する情報表示端末とを備えた情報配信システムであって、
前記情報表示端末は、該情報表示端末の近傍に存在するユーザを特定するユーザ特定手段を有し、
前記情報配信装置は、ユーザに関するユーザ情報を管理するユーザ情報管理手段と、前記ユーザ特定手段によって特定されたユーザの前記ユーザ情報を前記ユーザ情報管理手段から読み出し、該ユーザ情報に基づいて該ユーザを対象とした前記配信情報を作成する配信情報作成手段とを有することを特徴とする情報配信システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報配信システムにおいて、
ユーザに携帯され、該ユーザ固有の識別情報を記憶し、該識別情報を送信するように構成された携帯端末をさらに備え、
前記ユーザ特定手段は、前記携帯端末が前記情報表示端末の近傍に存在するか否かを判定することによって、該情報表示端末の近傍に存在するユーザを特定することを特徴とする情報配信システム。
【請求項4】
情報表示端末に配信情報を配信する情報配信装置であって、
ユーザに関するユーザ情報を管理するユーザ情報管理手段と、
前記情報表示端末の近傍に存在するユーザを特定するユーザ特定手段と、
前記ユーザ特定手段によって特定されたユーザの前記ユーザ情報を前記ユーザ情報管理手段から読み出し、該ユーザ情報に基づいて該ユーザを対象とした前記配信情報を作成する配信情報作成手段とを有することを特徴とする情報配信装置。
【請求項5】
情報表示端末へ配信情報を配信する情報配信方法であって、
前記情報表示端末の近傍に存在するユーザを特定するユーザ特定ステップと、
ユーザに関するユーザ情報を管理するユーザ情報管理手段から、前記ユーザ特定手段によって特定されたユーザの該ユーザ情報を読み出し、該ユーザ情報に基づいて該ユーザを対象とした前記配信情報を作成する配信情報作成ステップと、
前記配信情報を配信するステップとを含むことを特徴とする情報配信方法。
【請求項6】
情報表示端末に配信情報を配信する情報配信装置のためのプログラムであって、
前記情報表示端末の近傍に存在するユーザを特定するユーザ特定ステップと、
ユーザに関するユーザ情報を管理するユーザ情報管理部から、前記ユーザ特定ステップによって特定されたユーザの前記ユーザ情報を読み出す読み出しステップと、
前記読み出しステップによって読み出した前記ユーザ情報に基づいて該ユーザを対象とした前記配信情報を作成する配信情報作成ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2012−164056(P2012−164056A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−22654(P2011−22654)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】