説明

感光性樹脂組成物およびそれを用いた印刷版材

【課題】本発明は、水現像および画像再現性に優れ、生版、製版・置版後のいずれの段階においても印刷原版または印刷版に反りを生じない感光性樹脂組成物およびそれを用いた印刷版材を提供することを課題とする。
【解決手段】水溶性または水膨潤性ポリマー(A)、エチレン性不飽和化合物(B)、光重合開始剤(C)を含有する感光性樹脂組成物であって、水溶性または水膨潤性ポリマー(A)が部分鹸化ポリ酢酸ビニル(a)を含有し、エチレン性不飽和化合物(B)がウレタン(メタ)アクリレート(b)を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は感光性樹脂組成物およびそれからなる感光性樹脂層を有する感光性印刷原版ならびにそれを用いた印刷版に関する。
【背景技術】
【0002】
感光性樹脂組成物を印刷版材として使用することは一般的に行われ、凸版、平版、凹版印刷の各分野において主流となっている。
【0003】
このような印刷版材に利用される感光性樹脂組成物は、一般にポリマー、エチレン性不飽和化合物、光重合開始剤からなり、ポリマーとして変性PVAを使用する感光性樹脂組成物(例えば特許文献1)、エチレン性不飽和化合物としてウレタンアクリレートを使用する感光性樹脂組成物(例えば特許文献2)など、各種の感光性樹脂組成物の提案がなされている。
【0004】
現在では使用される印刷版の大半が水現像できるものとなっており、このような感光性樹脂組成物は水現像性を付与するために、原料のポリマー、エチレン性不飽和化合物などの構造中に親水性基(水酸基、アミド基、ポリオキシアルキレン基など)を有するため吸水性が高く、印刷版を作成した後の感光層の湿度寸法変化により印刷版にそりを生ずるという問題を持っている。一般的に感光性樹脂印刷版は感光性樹脂層と支持体が積層された構成となっているため、置版時に感光性樹脂層が乾燥収縮することにより、感光性樹脂層を内側に支持体が外側になるように反ることが多い。一方印刷版を印刷機の版胴にセットする際には感光性樹脂層が外側になるよう反らせる必要があり、その際に外力により印刷版にヒビが入るというトラブルが起きやすい。また版胴には両面テープなどにより印刷版を固定するが、反りにより版胴から印刷版が浮いてくる等の問題も発生しやすい。このような背景から感光性樹脂組成物中のポリマー成分として、ポリ酢酸ビニル部分ケン化物とアルデヒド類との反応生成物を使用する提案がされている(特許文献3)。
【0005】
感光性樹脂組成物を使用した印刷版材は、従来ネガティブ、ポジティブの原画フィルムを感光層に密着させ、活性光線を原画フィルムを通して照射することにより、感光層中に現像液に溶解する部分と溶解しない部分を形成することでレリーフ像を形成し、印刷版として使用するのが一般的であった。近年コンピューターの進歩に伴い、コンピューター上で処理された情報を印刷版材上に直接出力し、原画フィルムの作成工程を必要とせずに凸版印刷版を得る、いわゆるCTP(computer to plate)方式が提案されている(特許文献4)。従来の原画フィルムを使用する場合には原画フィルムを印刷版に真空密着させていたために、結果的に印刷版の一部が露光台から浮くことなく固定されていた。しかしマスクタイプのCTP版では、画像再現性を向上させるために露光時に真空密着を行わないことが一般的であり、露光前の印刷原版にそりがあると印刷原版全体に紫外線が垂直に入射せず画像再現性が著しく損なわれる恐れがある。そのため印刷原版を露光台に固定する手間が必要となっていた。
【特許文献1】特開平8−254826(特許請求の範囲)
【特許文献2】特開昭63−278053(特許請求の範囲)
【特許文献3】特開平7−319160(特許請求の範囲)
【特許文献4】特開2004−163925(特許請求の範囲)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、水現像性および画像再現性に優れ、生版、製版・置版後のいずれの段階においても印刷原版または印刷版に反りを生じない感光性樹脂組成物およびそれからなる感光性樹脂層を有する感光性印刷原版ならびにそれを用いた印刷版を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は主として次の構成を有する。すなわち「水溶性または水膨潤性ポリマー(A)、エチレン性不飽和化合物(B)、光重合開始剤(C)を含有する感光性樹脂組成物であって、水溶性または水膨潤性ポリマー(A)が部分鹸化ポリ酢酸ビニル(a)を含有し、エチレン性不飽和化合物(B)がウレタン(メタ)アクリレート(b)を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。」である。
【0008】
また、「少なくとも支持体(D)、感光性樹脂層(E)を有する感光性印刷原版であって、感光性樹脂層(E)が前記の感光性樹脂組成物からなり、置版後の反りの中心角が180°以下であることを特徴とする感光性印刷原版。」および「少なくとも支持体(D)、感光性樹脂層(E)を有する感光性印刷原版であって、感光性樹脂層(E)が前記の感光性樹脂組成物からなり、生版の反りの中心角が±45°以下であることを特徴とする感光性印刷原版。」である。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、水現像性および画像再現性に優れ、生版、製版・置版後のいずれの段階においても印刷原版または印刷版に反りを生じない感光性樹脂組成物およびそれからなる感光性樹脂層を有する感光性印刷原版ならびにそれを用いた印刷版を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明における感光性樹脂組成物は、水溶性または水膨潤性ポリマー(A)を含有する。
【0011】
本発明における水溶性または水膨潤性ポリマーとは、25℃の水に24時間浸漬することで、水に溶解または分散するポリマーである。水溶性または水膨潤性ポリマーの具体例としては、部分鹸化ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリマー主鎖中にポリオキシアルキレンセグメントまたは脂環式ジアミンセグメントなどの親水性基を導入したポリアミド樹脂およびこれらの樹脂の変性体などがあげられ、その他の公知の水溶性または水膨潤性ポリマーも使用することができる。
【0012】
本発明の水溶性または水膨潤性ポリマー(A)は、水現像性、画像再現性が優れ、版面粘着が少ないことから部分鹸化ポリ酢酸ビニル(a)を含有することが必要である。部分鹸化ポリ酢酸ビニル(a)の鹸化度は好ましくは60〜85モル%、さらに好ましくは65〜75モル%である。60〜85モル%の範囲であればエチレン性不飽和化合物(B)との相溶性が十分確保される。また鹸化度が60モル%以上であれば水現像性が良好であり、85モル%以下であればポリマーの吸水性が押さえられる他、結晶性が低減されるため感光性樹脂に柔軟性が付与され、印刷版とした場合の反り低減効果が得られる。
【0013】
部分鹸化ポリ酢酸ビニル(a)の鹸化度の測定方法としては、JIS K6726(1994)3.5 けん化度に従い、水酸化ナトリウムで部分鹸化ポリ酢酸中の残存酢酸基(モル%)を定量し、100から差し引いて鹸化度(モル%)を測定することができる。
【0014】
部分鹸化ポリ酢酸ビニル(a)の重合度は、数平均重合度で好ましくは300〜1000であり、さらに好ましくは300〜800の範囲である。重合度が300以上あれば感光性樹脂に強靱性が付与でき、また1000以下であれば良好な水現像性が維持される。
【0015】
部分鹸化ポリ酢酸ビニル(a)の重合度の測定方法としては、JIS K6726(1994)3.7 平均重合度に従い、部分鹸化ポリ酢酸ビニルを水酸化ナトリウムで完全鹸化後、粘度計を用いて水との相対粘度を求め、相対粘度から平均重合度を算出することができる。
【0016】
また部分鹸化ポリ酢酸ビニル(a)はエチレン性不飽和化合物(B)と架橋可能な反応基をもつことが好ましい。架橋可能な反応基としては、部分鹸化ポリ酢酸ビニルの一部に重合性の不飽和結合を導入したものが好ましく使用される。例えば部分鹸化ポリ酢酸ビニルとジカルボン酸無水物を反応させ側鎖にカルボキシル基を付加させた変性部分鹸化ポリビニルである。酸無水物としては、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水コハク酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水グルタル酸、水添フタル酸無水物、ナフタリンジカルボン酸無水物などが使用できる。酸無水物残基の含有量は、酢酸ビニル単位および反応前のビニルアルコール単位の和に対して、好ましくは0.1〜10モル%の範囲である。0.1モル%以上であれば画像再現性や耐刷性良好であり、10モル%以下であれば良好な水現像性が維持される。
【0017】
部分鹸化ポリ酢酸ビニルとジカルボン酸無水物を反応させ、ポリマー側鎖にカルボキシル基を導入させる方法としては、アセトンやN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等中で部分鹸化ポリ酢酸ビニルを膨潤させ、酸無水物と反応させた後、乾燥させて変性部分鹸化ポリ酢酸ビニルを得る方法等があげられる。
【0018】
このようにして得られた変性部分鹸化ポリ酢酸ビニルの側鎖に存在するカルボキシ基と不飽和エポキシ化合物を反応させることにより、本発明の部分鹸化ポリ酢酸ビニル(a)に重合性の不飽和結合を導入することが出来る。その結果光重合により、感光性樹脂組成物の架橋構造を強化する効果を有する。
【0019】
不飽和エポキシ化合物とは、分子内に少なくとも1個以上のエポキシ基及び少なくとも1個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物である。エチレン性不飽和基としてはアクリロイル基、メタクリロイル基が特に好ましい。具体的な不飽和エポキシ化合物としてはグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメタクリレート等が挙げられる。これらの不飽和エポキシ化合物を単独、または2種類以上同時に用いることも可能である。
【0020】
さらに上記水溶性または水膨潤性ポリマーと他のポリマーとを混合して使用することも可能である。混合するポリマーとしては、ポリアミド樹脂、ポリブタジエン、アクリロニトリルゴム、ブタジエン−アクリロニトリルコポリマー、ブタジエン−スチレンコポリマー、イソプレン−スチレンコポリマー、セルロース誘導体、ポリエステル樹脂、シリコーンゴム、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、部分鹸化ポリ酢酸ビニルやこれらの共重合体等、感光性樹脂組成物に通常使用されているものが挙げられる。
【0021】
本発明における水溶性または水膨潤性ポリマー(A)の含有量は、感光性樹脂組成物中に、好ましくは30〜70wt%、さらに好ましくは40〜60wt%の範囲である。含有量を30wt%以上とすることで印刷版に強靱性が付与され耐刷性が良好となり、70wt%以下とすることで現像性、画像再現性が良好となる。
【0022】
本発明のエチレン性不飽和化合物(B)は、ラジカル重合により架橋可能な化合物であり、公知のエチレン性不飽和化合物を含有することができる。そのようなエチレン性不飽和化合物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシ−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート、クロロエチル(メタ)アクリレート、クロロプロピル(メタ)アクリレート等のハロゲン化アルキル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート等のフェノキシアルキル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングレコール(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート、2、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2,2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和結合を1個だけ有する化合物、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートのようなポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートのようなポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルに不飽和カルボン酸や不飽和アルコール等のエチレン性不飽和結合と活性水素を持つ化合物を付加反応させて得られる多価(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の不飽和エポキシ化合物とカルボン酸やアミンのような活性水素を有する化合物を付加反応させて得られる多価(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の多価(メタ)アクリルアミド、ジビニルベンゼン等の多価ビニル化合物、等の2つ以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物等が挙げられる。
【0023】
本発明におけるエチレン性不飽和化合物(B)の含有量は、感光性樹脂組成物中に好ましくは20〜60wt%、さらに好ましくは30〜50wt%である。含有量が20wt%以上の場合は感光性樹脂の光硬化が十分に進行し印刷版のレリーフを形成することが可能であり、60wt%以下であれば感光性樹脂の柔軟性を損なうことなく印刷版の耐刷性が維持される。
【0024】
本発明のエチレン性不飽和化合物(B)は、柔軟性、画像再現性などの観点からウレタン(メタ)アクリレート(b)を必須成分として含有することが好ましい。
【0025】
本発明のウレタン(メタ)アクリレート(b)は分子中にウレタン構造、ポリオキシアルキレン構造、エチレン性不飽和基をそれぞれ少なくとも1つ以上有する化合物である。
【0026】
本発明のウレタン(メタ)アクリレート(b)は分子中に柔軟性、弾性の観点からウレタン構造を有することが好ましい。
【0027】
本発明のウレタン(メタ)アクリレート(b)は分子中にポリオキシアルキレン構造を有することが、柔軟性、水現像性、保水性の観点から好ましい。本発明のポリオキシアルキレン構造としては、水現像性、保水性の観点からポリオキシエチレン構造、ポリオキシプロピレン構造を好ましく使用できる。
【0028】
本発明のウレタン(メタ)アクリレート(b)中のエチレン性不飽和基数としては好ましくは1〜4個、さらに好ましくは1〜3個である。1個以上とすることで画像再現性が良好となり、4個以下とすることで良好な相溶性を維持することができる。
【0029】
本発明のウレタン(メタ)アクリレート(b)の製造方法としては、例えば水酸基を2個以上持ったポリオール化合物とポリイソシアネート化合物を反応させウレタン結合を生成後、例えばポリオール化合物の水酸基にカルボン酸とエチレン性不飽和基を有する化合物を反応させ製造することが出来る。
【0030】
また水酸基を2個以上持ったポリオール化合物とともに、必要に応じてその他の活性水素をもつ化合物(アミン類、アミド類、カルボン酸類など)をポリイソシアネートと反応させ本発明のウレタン(メタ)アクリレート(b)として使用することも可能である。
【0031】
本発明のウレタン(メタ)アクリレート(b)の製造方法としては公知の方法を使用することができ、上記の方法に限定されるものではない。
【0032】
本発明のウレタンアクリレート(b)の数平均分子量は、好ましくは1000〜30000、さらに好ましくは1000〜10000である。1000以上とすることで柔軟性と強靱性が両立でき、30000以下とすることで良好な現像性が維持できる。
【0033】
本発明のウレタンアクリレート(b)の含有量は、エチレン性不飽和化合物(B)に対して好ましくは10〜40wt%、さらに好ましくは20〜30wt%である。10wt%以上とすることで十分な柔軟性が得られ、40wt%以下とすることで画像再現性が良好となる。
【0034】
本発名の光重合開始剤(C)としては、紫外線により自己分解または他分子からの水素引き抜きによってラジカルを生成し、エチレン性不飽和化合物中の炭素−炭素不飽和結合に対し、ラジカル重合反応を開始させる機能を有するものならば特に限定されず、既に公知の光重合開始剤が使用できる。例えば、アセトフェノン類、ベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、アントラキノン類、ベンジル類、ビアセチル類等があげられる。これらの光重合開始剤は単独で使用することも、複数種を併用することも出来る。
【0035】
上記の光重合開始剤のうち、本発明において好ましく用いられる光重合開始剤の具体例としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどがあげられる。
【0036】
本発明における光重合開始剤(C)の含有量は、感光性樹脂組成物中に好ましくは0.5〜5wt%、更に好ましくは1〜3wt%である。0.5wt%以上とすることで、活性光線によりエチレン性不飽和化合物の光重合反応が十分に起こり、5wt%未満とすることで十分な抜線深度を確保することができる。
【0037】
本発明の感光性樹脂組成物には柔軟性を付与し、相溶性を向上させる目的で可塑剤を添加することが好ましい。可塑剤の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等の多価アルコール類、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルコールアミン類を例示することができる。なかでもジエチレングリコールが、柔軟性、相溶性の観点から好ましく用いられる。これらの可塑剤は単独で使用することも、複数種を組み合わせて使用することも出来る。
【0038】
本発明における可塑剤の添加量は、5〜25重量%が好ましく、さらに好ましくは10〜20wt%の範囲である。5wt%以上であれば柔軟性が付与され、25wt%以下であれば良好な画像再現性と印刷適性が維持される。
【0039】
本発明の感光性樹脂組成物には熱安定性の確保を目的に、公知の重合禁止剤を添加することができる。好ましい重合禁止剤としては、フェノール類、カテコール類、ハイドロキノン類、ニトロソアミン類等が挙げられる。
【0040】
本発明における重合禁止剤の添加量は、好ましくは0.5wt%以下の範囲である。0.5wt%以下であれば、感光性樹脂組成物の紫外線硬化に影響を与えることがない。
【0041】
本発明の感光性樹脂組成物には、現像時間の短縮、現像液中の感光性樹脂成分の凝集防止などを目的として界面活性剤を添加することが出来る。
【0042】
本発明における界面活性剤としては、公知の界面活性剤を使用することができる。例えば、ポリオキシアルキレン類などの非イオン界面活性剤、スルホン酸塩類、硫酸エステル類、リン酸エステル類などの陰イオン界面活性剤、アミン類などの陽イオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤などを例示することができる。
【0043】
本発明における界面活性剤の含有量は、感光性樹脂組成物中に好ましくは0.001〜5wt%、更に好ましくは0.05〜3wt%の範囲である。この範囲であれば画像再現性を悪化させることなく、現像時間の短縮、現像液中の感光性樹脂成分の凝集防止などの目的を達成することが出来る。
【0044】
本発明の感光性樹脂組成物には、さらに種々の特性向上を目的として消泡剤、紫外線吸収剤、酸素捕捉剤、増感剤、着色剤(染料、顔料、光発色剤、発色助剤)、香料、などを添加することができる。
【0045】
本発明の支持体(D)としては、ポリエステルなどのプラスチックシートやスチレン−ブタジエンゴムなどの合成ゴムシート、スチール、ステンレス、アルミニウムなどの金属板などを使用することができる。なかでも柔軟性、透明性、寸法安定性の観点からポリエステルなどのプラスチックシートが好ましく使用され、耐熱性、耐薬品性の観点からポリエチレンテレフタレート(以下PETと記載)のシートが好ましい。
【0046】
PETシートの厚さは特に限定されないが、取扱性、柔軟性の観点から好ましく100〜350μmの範囲である。100μm以上であれば支持体として取扱性が確保でき、350μm以下であれば印刷原版としての柔軟性が確保される。
【0047】
本発明の支持体(D)は、感光性樹脂層(E)との接着性を向上させる目的で接着処理されていることが好ましい。支持体表面の接着処理の方法としては、サンドブラストなどの機械的処理、コロナ放電などの物理的処理、コーティングなどによる化学的処理などが例示できるが、コーティングにより易接着層を設けることが接着性の観点から好ましい。
【0048】
本発明の感光性樹脂層(E)は、本発明の感光性樹脂組成物からなり、感光性樹脂層(E)の厚さは、印刷適性、画像再現性の観点から好ましくは0.3〜5mm、さらに好ましくは0.5〜3mmの範囲である。感光性樹脂層が0.3mm以上あれば十分なレリーフ深度が確保でき良好な印刷物を得ることができ、5mm以下であればレリーフ底部まで紫外線が到達し画像再現性が確保できる。
【0049】
本発明の感光性印刷原版は、置版後の印刷版の反りの中心角が180°以下であることが好ましく、さらに好ましくは90°以下である。置版後の印刷版の反りの中心角を180°以下とすることで、印刷版を版胴にセットする際に外力により印刷版にヒビが入るというような問題や、版胴から印刷版が浮いてくる等の問題も防止することが出来る。
【0050】
本発明の置版とは、一連の製版工程(露光、現像、乾燥、後露光)を経た印刷版を、25℃/50%RHに7日間放置することである。
【0051】
本発明の感光性印刷原版は、支持体(D)、感光性樹脂層(E)、カバーフィルムがこの順に積層されていることが、表面保護、異物等の付着防止の観点から好ましい。感光性樹脂層(E)はカバーフィルムと直接接していても良いし、例えば感光性樹脂層表面の粘着を防止する目的で設けられる粘着防止層の様に、何らかの特性を付与する目的で感光性樹脂層(E)とカバーフィルムの間に1層または複数の層を有していても良い。
【0052】
カバーフィルムの材質としては特に限定されないが、ポリエステル、ポリエチレンなどのプラスチックシートが好ましく使用される。カバーフィルムの厚さは特に限定されないが、10〜150μmの範囲が取扱性、コストの観点から好ましい。またカバーフィルム表面は、原画フィルムの密着性向上を目的に粗面化されていても良い。
【0053】
本発明の感光性印刷原版は、カバーフィルム剥離後の露光前の印刷原版の反りの中心角が±45°以内であることが好ましく±30°以内であることがより好ましい。露光前の印刷原版の反りの中心角を±45°以内とすることで、原画フィルムを使用して露光する際の作業性が確保されるほか、マスクタイプのCTP版とした場合も印刷原版の反りにより紫外線が垂直に入射せず露光時に画像再現性が著しく損なわれる恐れがない。
【0054】
本発明において、感光性樹脂組成物がエチレン性不飽和化合物(B)として本発明のウレタン(メタ)アクリレート(b)を含有することにより、生版、製版・置版後のいずれの段階においても印刷原版または印刷版に反りを生じない感光性樹脂組成物およびそれからなる感光性樹脂層を有する感光性印刷原版ならびにそれを用いた印刷版を得ることできる。
【0055】
本発明のウレタン(メタ)アクリレート(b)は分子中にウレタン構造、ポリオキシアルキレン構造、エチレン性不飽和基をそれぞれ少なくとも1つ以上有する化合物である。ウレタン構造、ポリオキシアルキレン構造を有するため感光性樹脂層に柔軟性を付与でき、感光層の湿度寸法変化に従う内部応力を緩和し、印刷原版ならびに印刷版の反りを低減することが可能となる。さらに本発明のウレタン(メタ)アクリレート(b)は、部分鹸化ポリ酢酸ビニル(a)との相溶性に優れることから、より効果的に感光性樹脂層に柔軟性を付与でき、印刷原版ならびに印刷版の反りを低減することが可能となったと推定できる。
【0056】
感光性樹脂層への柔軟性付与はポリエチレングリコールなどの可塑剤の添加によっても達成可能であるが、単に可塑剤を添加するだけでは感光性樹脂層の架橋密度の低下により現像時の耐水性が低下し画像再現性の悪化を招く。本発明のウレタン(メタ)アクリレート(b)は分子中にエチレン性不飽和基を有するために架橋密度を維持するととともに、光硬化による架橋構造中に取り込まれ、感光性樹脂層に柔軟性を付与することが出来る。
【0057】
本発明の感光性印刷原版には支持体(D)、感光性樹脂層(E)、アブレーション層(F)がこの順に積層されていることが、画像再現性、原画フィルムを作成・管理する必要がなくなることから好ましい。
【0058】
本発明のアブレーション層(F)は紫外光を実用上遮断し、描画時には赤外レーザーを効率よく吸収し、その熱により瞬間的に一部または全部が蒸発または融除するものである。これによりレーザーの照射部分と未照射部分の光学濃度に差が生じ、従来の原画フィルムと同様の機能を果たすことができる。
【0059】
本発明のアブレーション層(F)の好ましい具体例としては、赤外線を吸収するカーボンブラックを分散させた樹脂を例示することが出来る。バインダーとなる樹脂成分としては特に限定されないが、アブレーション層(F)の安定性や耐傷性の観点から熱硬化性樹脂が好ましく使用できる。
【0060】
アブレーション層(F)の作成方法としては特に限定されないが、例えばカーボンブラックを分散させた樹脂成分を適当な溶剤で希釈し、コーティングし溶剤を乾燥することにより作成することが出来る。
【0061】
本発明の感光性印刷原版は、感光性樹脂層(E)とアブレーション層(F)の層間に接着力を調整することを目的に接着力調整層を、アブレーション層(F)とカバーフィルムの層間に剥離性を調整することを目的に剥離補助層を有していても何ら問題なく使用できる。
【0062】
本発明の感光性樹脂組成物およびそれを用いた印刷版原版の製造方法としては、通常、水溶性または水膨潤性ポリマー(A)を水/アルコール混合溶媒に加熱溶解した後に、エチレン性不飽和化合物(B)、光重合開始剤(C)および必要に応じて可塑剤その他の添加剤等を添加し、攪拌して十分に混合し、感光性樹脂組成物溶液を得る。この溶液を接着剤が塗布された支持体上に流延し、溶剤を乾燥後、粘着防止層を塗布したカバーフィルムを感光層上に密着させることで感光性樹脂印刷版原版を得ることができる。また、乾式製膜により感光性樹脂シートを作成し、支持体とカバーフィルムで感光性樹脂シートを挟み込むようにラミネートすることでも感光性樹脂印刷版原版を得ることができる。
【0063】
上記の感光性樹脂印刷版原版を用いて印刷用のレリーフ像を形成するためには、まずカバーフィルムを剥離した感光性樹脂層上にネガティブまたはポジティブの原画フィルムを密着させ、またはマスクタイプのCTP版の場合はカバーフィルム剥離後、レーザー描画を行った後、通常300〜400nmの波長を照射できる高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノン灯、カーボンアーク灯、ケミカル灯等により紫外線照射し、光重合によって光硬化を行わせる。特に微細な細線、独立点の再現性が要求される場合は、カバーフィルム剥離前に支持体側から短時間露光(裏露光)することも可能である。
【0064】
次に、感光性樹脂印刷版材を現像液に浸漬し、未重合部分をブラシでこすりだして除去するブラシ式現像装置により基板上にレリーフ像を形成する。またブラシ式現像装置の他にスプレー式現像装置を使用することも可能である。現像時の液温は15℃〜40℃が好ましい。レリーフ像形成後50〜70℃において5〜15分程度乾燥し、必要に応じてさらに大気中ないし真空中で活性光線処理して印刷版を得ることができる。
【0065】
本発明の感光性樹脂組成物は、凸版、平版、凹版印刷の感光性樹脂層として利用可能であり、本発明の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を有する感光性印刷原版は、印刷用レリーフの他、スタンプ、印章、箔押し、エンボス加工、成型品の原型、母型などの用途に応用し利用することも可能である。
【実施例】
【0066】
以下、本発明を実施例で詳細に説明する。
【0067】
(合成例1:部分鹸化ポリ酢酸ビニルの合成)日本合成化学工業(株)製の“ゴーセノール KP−08R”をアセトン中で膨潤させ、無水コハク酸1.0モル%を添加し反応させカルボキシル基を付加させた。このポリマーをアセトン洗浄し未反応の無水コハク酸を除去後乾燥し、酸価を測定したところ酸価は10.9であった。
【0068】
(合成例2:部分鹸化ポリ酢酸ビニルの合成)合成例1と同様の手順で、日本酢ビ・ポバール(株)製の部分鹸化ポリ酢酸ビニル“Jポバール JR−05”を使用し無水コハク酸1.5モル%を添加し反応させカルボキシル基を付加させた。酸価を測定したところ酸価は12.9であった。
【0069】
(合成例3:ポリアミドの合成)数平均分子量600のポリエチレングリコールの両末端にアクリロニトリルを付加し、これを水素還元して得たα,ω−ジアミノポリオキシエチレンとアジピン酸との等モル塩60重量部、ε−カプロラクタム20重量部およびヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モル塩20重量部を通常の条件で溶融重合して相対粘度(ポリマー1gを抱水クロラール100mlに溶解し、25℃で測定)が2.50のポリアミドを得た。
【0070】
(感光性印刷原版の特性評価)
反りの中心角:10×10cmの感光性印刷版を水平な台上に凸状態になるよう置き、図1に示す感光性印刷版の高さ(x)と幅(y)を測定し、下に示す数式より中心角(θ)を計算した。
r=(4x+y)/8x
θ=2sin−1(y/2r) (x≦rのとき)
θ=2(180−sin−1(y/2r)) (x>rのとき)
【0071】
露光前の印刷原版の反りの中心角:10×10cmの感光性印刷原版からカバーフィルムを剥離し、前述の「反りの中心角」測定方法に従い測定を行った。
【0072】
置版後の印刷版の反りの中心角:10×10cmの感光性印刷原版からカバーフィルムを剥離し、フィッリップスエレクトロニクス社製、紫外線低圧水銀ランプで3分間全面露光した。その後ブラシ式現像機で25℃中性水中3分間洗出を行い、60℃で10分間乾燥後、前記の紫外線低圧水銀ランプで3分間後露光した。製版工程を模した前記処理後、25℃50%の条件で7日間放置し、前述の「反りの中心角」測定方法に従い測定を行った。
【0073】
版面粘着:前述の「置版後の印刷版の反りの中心角」測定に使用した印刷版の版面を指先で押さえ、粘着感の有無で判断した。
【0074】
(感光性樹脂印刷原版の画像再現性測定における評価用印刷版の作成)
感光性樹脂印刷原版に感度測定用グレースケールネガフィルムおよび画像再現性評価用ネガフィルム(150線3%網点、150μmの独立点、50μmの細線、300μm幅抜線を持つ)を真空密着させ、紫外線低圧水銀灯でグレースケール感度16±1段となる条件で露光した。その後、現像液温25℃のブラシ式現像装置により現像し、60℃で10分乾燥後、さらに紫外線低圧水銀灯でグレースケール感度16±1段となった同条件で後露光し、評価用印刷版を得た。
【0075】
現像時間:現像液温25℃のブラシ式現像装置により現像を行い、未露光部分が除去されるのに要する時間を測定し、現像時間とした。
【0076】
グレースケール感度:評価用印刷版を作製後、感光性樹脂が洗い出されずに残った段数を読みとった。
【0077】
網点:1×1cmの150線3%の周辺部を観察し、網点の欠けの有無による優劣を以下の基準で判断した。
○:欠けなし
△:角部に欠けあり
×:角部および辺部に欠けあり
【0078】
細線:長さ1cmの50μm幅細線を観察し、曲がりの有無による優劣を以下の基準で判断した。
○:曲がりなし
△:僅かに曲がりあり
×:曲がりあり
【0079】
独立点:150μmの独立点3個を観察し、独立点が再現されている数により優劣を判断した。
【0080】
抜線深度:拡大投影機により300μ幅における抜線深度を測定した。
【0081】
実施例1
水/エタノール比率=55/45(重量比)の混合溶剤に、表1に示す水溶性または水膨潤性ポリマーと可塑剤を表2の添加量に従い70℃2時間で溶解させた。次にグリシジルメタクリレートを表2の添加量に従い添加し70℃で0.5時間混合した。さらに表1に示す各種エチレン性不飽和化合物、光重合開始剤、添加剤(染料、熱重合禁止剤、紫外線吸収剤)を表2の添加量に従い添加し70℃で0.5時間混合し感光性樹脂組成物溶液を得た。このとき感光性樹脂組成物溶液の固形分濃度が60wt%となるように調製した。
溶液を目視で確認したところ、溶液の分離・濁りは見られず均一な溶液であった。
【0082】
得られた感光性樹脂組成物溶液を、接着剤を塗布した厚さ0.19mmのポリエステルフィルム上に流延し60℃で2.5時間乾燥した。このとき乾燥後の版厚(ポリエステルフィルム+感光層)が1.14mmとなるよう調節した。このようにして得られた感光層上に、水/エタノール=50/50(重量比)の混合溶剤を塗布し、表面に粘着防止層を持つマット化されたポリエステルフィルムを圧着してカバーフィルムとし、感光性樹脂印刷版原版を得た。
【0083】
得られた感光性樹脂印刷版原版の特性を評価した結果を表3に示す。印刷原版の反りは小さく、版面粘着がなく、また画像再現性が良好であった。
【0084】
実施例2〜6、比較例1〜3
表1および表2に従い、実施例1と同様にして感光性樹脂印刷版原版を得た。
【0085】
得られた感光性樹脂印刷版原版の特性を評価した結果を表3に示す。実施例2〜6はいずれも反りが小さく、版面粘着がなく、画像再現性が良好であった。
【0086】
一方、水溶性または水膨潤性ポリマーとしてポリアミドを使用する比較例1、2は版面粘着があった。またウレタン(メタ)アクリレートを含有しない比較例3は反りが大きかった。
【0087】
【表1】

【0088】
【表2】

【0089】
【表3】

【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】実施例及び比較例で得られた印刷原版および置版後の印刷版の反りの中心角の評価方法を示す概略図である。
【符号の説明】
【0091】
x:感光性印刷版の高さ
y:感光性印刷版の幅
r:半径
θ:中心角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性または水膨潤性ポリマー(A)、エチレン性不飽和化合物(B)、光重合開始剤(C)を含有する感光性樹脂組成物であって、水溶性または水膨潤性ポリマー(A)が部分鹸化ポリ酢酸ビニル(a)を含有し、エチレン性不飽和化合物(B)がウレタン(メタ)アクリレート(b)を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
【請求項2】
部分鹸化ポリ酢酸ビニル(a)の鹸化度が60〜85mol%、重合度が300〜1000であることを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項3】
部分鹸化ポリ酢酸ビニル(a)が、エチレン性不飽和化合物(B)と架橋可能な反応基をもつことを特徴とする請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項4】
ウレタン(メタ)アクリレート(b)がポリオキシアルキレン構造を有することを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の感光性樹脂組成物。
【請求項5】
少なくとも支持体(D)、感光性樹脂層(E)を有する感光性印刷原版であって、感光性樹脂層(E)が請求項1〜4いずれかに記載の感光性樹脂組成物からなり、置版後の印刷版の反りの中心角が180°以下であることを特徴とする感光性印刷原版。
【請求項6】
少なくとも支持体(D)、感光性樹脂層(E)を有する感光性印刷原版であって、感光性樹脂層(E)が請求項1〜4いずれかに記載の感光性樹脂組成物からなり、露光前の印刷原版の反りの中心角が±45°以内であることを特徴とする感光性印刷原版。
【請求項7】
感光性印刷原版がさらにアブレーション層(F)を有することを特徴とする請求項5または6に記載の感光性印刷原版。
【請求項8】
請求項5〜7いずれかに記載の印刷版原版を用いたことを特徴とする印刷版。

【図1】
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【公開番号】特開2009−271277(P2009−271277A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−121003(P2008−121003)
【出願日】平成20年5月7日(2008.5.7)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】