説明

感光性樹脂組成物及びその硬化物、並びにプリント配線板

【課題】回路の外観不良などの隠蔽性に優れ、且つ高解像性のソルダーレジスト層を形成可能な着色力と解像性に優れる感光性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】ペリレン系着色剤、該ペリレン系着色剤と補色関係にある着色剤、カルボキシル基含有樹脂、分子中に2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物、及び、光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光性樹脂組成物及びその硬化物、並びに該硬化物からなるソルダーレジスト層を有するプリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
アルカリ現像型の感光性樹脂組成物は、プリント配線板用のソルダーレジストとして広く使用されている。このソルダーレジストは、プリント配線板の回路を保護することを目的としており、その着色力は、プリント配線板の外観や回路の隠蔽性に大きく影響する重要な特性である。
【0003】
すなわち、ソルダーレジストの着色力が不十分であると、プリント配線板上に形成されている銅回路の汚れや変色が目立つため、プリント配線板の外観を著しく低下させる。さらに最近では、プリント配線板製造の後工程である実装の工程が自動化されており、機械による部品の取り付けが行われるが、画像認識の際にソルダーレジストと銅回路の認識がうまくできないという不具合がおこる。この現象はプリント配線板の最終検査であるAOI(Automatic Optical Inspection)の際にも同様に問題になっている。
【0004】
一方、現在市販されているフォトソルダーレジストの感光特性としては、膜厚20μm前後でライン幅30μmから50μm程度の解像性を有するレジスト一般的である。
【0005】
しかしながら、従来の黒色ソルダーレジストは、着色力(隠蔽性)という観点からは好適であるが、紫外領域から赤外領域まで吸収を持つ黒色着色剤が添加されているため硬化深度が充分ではなく、微小なライン形成ができないという問題がある。黒色着色剤として一般的には耐侯性に優れるカーボンブラックの着色剤が使用されるが、この着色剤は紫外線領域に大きな吸収を有しているため、その配合量が多いと紫外線を吸収して透過性に影響して良い解像性が得られない。
【0006】
このように、良好な隠蔽性と高解像性を同時に満たすソルダーレジスト層を形成可能な黒色感光性樹脂組成物を提供することは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−257045号公報、特許請求の範囲
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記背景技術に鑑み開発されたものであり、回路の外観不良などの隠蔽性に優れ、且つ高解像性のソルダーレジスト層を形成可能な着色力と解像性に優れる感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明者等は、鋭意研究した結果、着色剤としてペリレン系着色剤と、該ペリレン系着色剤と補色関係にある着色剤とを組み合わせて用いることにより、従来の黒色ソルダーレジストにおける解像性の上記問題が解消され、更に十分な着色力を有する感光性樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、一態様において、ペリレン系着色剤、該ペリレン系着色剤と補色関係にある着色剤、カルボキシル基含有樹脂、分子中に2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物、及び、光重合開始剤を含んでなる感光性樹脂組成物である。
【0011】
上記感光性樹脂組成物は、一形態において、該感光性樹脂組成物を用いて形成される厚さ18〜22μmの乾燥塗膜の波長400〜410nmにおける吸光度が0.5以下であり、且つ該乾燥塗膜の硬化物のCIE L*a*b*表色系におけるL*値が40以下、a*値およびb*値が各々独立に−5から5の範囲内である。
【0012】
また、本発明は、他の態様において、上記感光性樹脂組成物をフィルム上に塗布、乾燥して得られる乾燥塗膜を備えることを特徴とするドライフィルムである。
【0013】
また、本発明は、他の態様において、上記感光性樹脂組成物を基材上に塗布、乾燥して得られる乾燥塗膜、又は請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物をフィルム上に塗布、乾燥して得られた乾燥塗膜を基材上にラミネートして得られる乾燥塗膜を、活性エネルギー線の照射により光硬化させて得られることを特徴とする硬化物である。
【0014】
また、本発明は、他の態様において、上記感光性樹脂組成物を基材上に塗布、乾燥して得られる乾燥塗膜、又は請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物をフィルム上に塗布、乾燥して得られた乾燥塗膜を基材上にラミネートして得られる乾燥塗膜を、活性エネルギー線の照射により光硬化させて得られる硬化物のパターンを有することを特徴とするプリント配線板である。
【発明の効果】
【0015】
着色力が高く且つ解像性にも優れる本発明の感光性樹脂組成物により、高回路厚化、高密度化が進むプリント配線板用のソルダーレジスト層として要求される高い解像性と優れた隠蔽性を同時に満たすソルダーレジスト層の提供が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は着色剤のa*とb*を示す図である。
【図2】図2は感光性樹脂組成物の硬化塗膜からなるパターンの断面形状を示す模式図であり、(A)は深さ方向に設計幅通りの直線性が得られた理想状態を示し、(B)はアンダーカット状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の感光性樹脂組成物は、着色剤として、少なくとも一種のペリレン系着色剤と、該ペリレン系着色剤と補色関係にある少なくとも一種の着色剤(以下において、「補色着色剤」などともいう。)とを組み合わせて用いたことを特徴とする色調が黒色の感光性樹脂組成物であり、本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成されるソルダーレジスト層は高い解像性と優れた隠蔽性を有する。
【0018】
特に、本発明の感光性樹脂組成物が、該組成物を用いて形成される18〜22μmの範囲内にある膜厚を有する乾燥塗膜における、波長400〜410nmのいずれかにおける吸光度が0.5以下を示す場合に、より良好な深部硬化性が得られ好ましい。ここで、吸光度とは、紫外可視分光光度計で吸収スペクトルを測定することにより求められる値であり、光透過率の対数である。例えば、吸光度1は透過率10%に相当する。この吸光度は、より好ましくは0.05〜0.3である。0.5を超える吸光度では十分な深部硬化性が得られない場合があり、一方、0.05未満の吸光度では十分に光硬化しない場合がある。
【0019】
まず、本発明の感光性樹脂組成物に含有される着色剤について説明する。
【0020】
〔着色剤〕
・ペリレン系着色剤
ペリレン系着色剤は、感光性樹脂組成物に添加された場合、着色系のフォトレジスト、特にプリント配線板用のソルダーレジストに対して高解像性を与える。本発明は、ペリレン系着色剤と補色着色剤との混合により色調が黒色の感光性樹脂組成物であるが、従来、黒色着色剤として通常用いられているカーボンブラックは全波長領域に吸収を持ち、特に波長405nmあたりの吸光度が2であることから、光源からの光を充分にレジストの底部まで届けることができず、硬化深度を低下させている。一方、ペリレン系着色剤は上記カーボンブラックに比べて紫外線領域の吸収が少なく、ソルダーレジストの解像性を向上させることができる。また、ペリレン系着色剤は着色力が充分であり、補色着色剤と混合して用いられることにより、解像性と着色力に優れた黒色感光性樹脂組成物を提供できる。
【0021】
本発明において使用し得るペリレン系着色剤としては、慣用公知のものを使用することができ、ペリレン系着色剤であれば顔料、染料、色素のいずれでもよい。
ペリレン系着色剤には緑色、黄色、橙色、赤色、紫色、黒色などの色を示すものがあり下記のようなカラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 社発行)番号がつけられているものを挙げることができる。
【0022】
−緑色:Solvent Green 5
−橙色:Solvent Orange 55
−赤色:Solvent Red 135, 179; Pigment Red 123, 149, 166, 178, 179, 190, 194, 224;
−紫色:Pigment Violet 29
−黒色:Pigment Black 31, 32
上記以外のペリレン系着色剤も使用することができ、例えば、カラーインデックスの番号はないが近赤外線透過黒色有機顔料として知られているBASF社のLumogen(登録商標)Black FK4280、Lumogen Black FK4281、集光性蛍光染料として知られているLumogen F Yellow 083、Lumogen F Orange 240、Lumogen F Red305、Lumogen F Green850等も他のペリレン系化合物と同様に紫外線領域の吸収が少なく、着色力が高いため好適に使用することができる。
【0023】
ペリレン系着色剤の配合率は、着色性と紫外線吸収量とを考慮して、後述するカルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜8.0質量部、より好ましくは0.05〜5.0質量部である。
【0024】
・補色着色剤
本発明においてペリレン系着色剤と組み合わせて用いられる補色着色剤について以下に説明する。まず、本発明における補色関係について説明する。
着色剤はカラーインデックスカラーの通りの色彩を呈していない場合もあるため、JIS Z8729に規定される方法により感光性樹脂組成物の外観色調を測定・表示し、L*a*b*表色系中の色彩を示すa*値およびb*値を座標軸(図1を参照)で確認し、ペリレン系着色剤との組み合わせで得られる塗膜の(a*値,b*値)を(0,0)に限りなく近づけるための着色剤を補色関係にある着色剤として選定する。ここで、塗膜とは、18〜22μmの範囲内にある乾燥塗膜の硬化物を意味する。また、(0,0)に限りなく近い(a*値,b*値)としては、a値及びb値がそれぞれ−5〜+5の範囲であることが好ましく、−2〜+2の範囲であることがより好ましい。また、補色関係にある着色剤としてはペリレン系着色剤でもペリレン系着色剤以外の着色剤でもいい。
【0025】
補色着色剤の感光性樹脂組成物中における配合率並びに上述したペリレン系着色剤との混合比は、感光性樹脂組成物の色調が黒色を呈する範囲内において適宜設定され得る。感光性樹脂組成物中の補色着色剤の配合率として、後述するカルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜8.0質量部、より好ましくは0.05〜5.0質量部の範囲内でペリレン系着色剤との比率を定めることができる。詳細は後述する。
【0026】
ここでペリレン系着色剤と補色関係にある着色剤としては、ペリレン系着色剤との組合せによって表色系a*値およびb*値をより0に近づけることができるものであればいずれの着色剤(顔料、染料、色素のいずれでもよい)であってもよく、以下の着色剤が挙げられる。より好ましいペリレン系着色剤との組合せとしては、Pigment Red 149,178,179と後述する緑色アントラキノン系着色剤(Solvent Green 3、Solvent Green 20、Solvent Green 28等)の組合せであり、ペリレン系着色剤同士の混色(組合せ)であれば、赤色ペリレン系着色剤(Pigment Red 149,178,179)と黒色ペリレン系着色剤(Pigment Black 31、32)という組合せと、黒色ペリレン系着色剤(Pigment Black 31、32)と同じく黒色ペリレン系着色剤(Lumogen(登録商標)BlackFK4280.4281)との組合せである。
【0027】
(1)青色着色剤
青色着色剤はフタロシアニン系、アントラキノン系があり、顔料系はピグメント(Pigment)に分類されている化合物、具体的には、下記のようなカラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 社発行)番号が付されているものを挙げることができる。
【0028】
Pigment Blue 15、Pigment Blue 15:1、Pigment Blue 15:2、Pigment Blue 15:3、Pigment Blue 15:4、Pigment Blue 15:6、Pigment Blue 16、Pigment Blue 60。
【0029】
染料系としては、
Solvent Blue 35、Solvent Blue 45、Solvent Blue 63、Solvent Blue 68、Solvent Blue 70、Solvent Blue 83、Solvent Blue 87、Solvent Blue 94、Solvent Blue 97、Solvent Blue 101、Solvent Blue 104、Solvent Blue 122、Solvent Blue 136、Solvent Blue 67、Solvent Blue 70等を使用することができる。上記以外にも金属置換もしくは無置換のフタロシアニン系着色剤も使用することができる。
【0030】
(2)緑色着色剤
緑色着色剤としては同様にフタロシアニン系、アントラキノン系があり、具体的には、
Pigment Green 7、Pigment Green 36、Solvent Green 3、Solvent Green 20、Solvent Green 28等を使用することができる。上記以外にも金属置換もしくは無置換のフタロシアニン系着色剤も使用することができる。
【0031】
(3)黄色着色剤
黄色着色剤としてはアントラキノン系、イソインドリノン系、縮合アゾ系、ベンズイミダゾロン系、モノアゾ系、ジスアゾ系等があり具体的には以下のものが挙げられる。
【0032】
(アントラキノン系)
Solvent Yellow 163、Pigment Yellow 24、Pigment Yellow 108、Pigment Yellow 193、Pigment Yellow 147、Pigment Yellow 199、Pigment Yellow 202;
(イソインドリノン系)
Pigment Yellow 110、Pigment Yellow 109、Pigment Yellow 139、Pigment Yellow 179、Pigment Yellow 185;
(縮合アゾ系)
Pigment Yellow 93、Pigment Yellow 94、Pigment Yellow 95、Pigment Yellow 128、Pigment Yellow 155、Pigment Yellow 166、Pigment Yellow 180;
(ベンズイミダゾロン系)
Pigment Yellow 120、Pigment Yellow 151、Pigment Yellow 154、Pigment Yellow 156、Pigment Yellow 175、Pigment Yellow 181;
(モノアゾ系)
PigmentYellow1,2,3,4,5,6,9,10,12,61,62,62:1,65,73,74,75,97,100,104,105,111,116,167,168,169,182,183;
(ジスアゾ系)
PigmentYellow12,13,14,16,17,55,63,81,83,87,126,127,152,170,172,174,176,188,198。
【0033】
(4)赤色着色剤
赤色着色剤としてはモノアゾ系、ジスアゾ系、モノアゾレーキ系、ベンズイミダゾロン系、ジケトピロロピロール系、縮合アゾ系、アントラキノン系、キナクリドン系などがあり、具体的には以下のものが挙げられる。
【0034】
(モノアゾ系)
Pigment Red 1, 2, 3, 4, 5, 6, 8, 9, 12, 14, 15, 16, 17, 21, 22, 23, 31, 32, 112, 114, 146, 147, 151, 170, 184, 187, 188, 193, 210, 245, 253, 258, 266, 267, 268, 269;
(ジスアゾ系)
Pigment Red 37,38,41;
(モノアゾレーキ系)
Pigment Red 48:1, 48:2, 48:3, 48:4, 49:1, 49:2, 50:1, 52:1, 52:2, 53:1, 53:2, 57:1, 58:4, 63:1, 63:2, 64:1, 68;
(ベンズイミダゾロン系)
Pigment Red 171、Pigment Red 175、Pigment Red 176、Pigment Red 185、Pigment Red 208;
(ジケトピロロピロール系)
Pigment Red 254、Pigment Red 255、Pigment Red 264、Pigment Red 270、Pigment Red 272;
(縮合アゾ系)
Pigment Red 220、Pigment Red 144、Pigment Red 166、Pigment Red 214、Pigment Red 220、Pigment Red 221、Pigment Red 242;
(アンスラキノン系)
Pigment Red 168、Pigment Red 177、Pigment Red 216、Solvent Red 149、Solvent Red 150、Solvent Red 52、Solvent Red 207;
(キナクリドン系)
Pigment Red 122、Pigment Red 202、Pigment Red 206、Pigment Red 207、Pigment Red 209。
【0035】
その他色調を調整する目的で紫、オレンジ、茶色、黒などの着色剤を加えても良い。
具体的に例示すれば、Pigment Violet 19、23、32、36、38、42、Solvent Violet 13、36C.I.ピグメントオレンジ1、C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ14、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントオレンジ17、C.I.ピグメントオレンジ24、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ40、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ46、C.I.ピグメントオレンジ49、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ63、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ73、C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25;C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック7等がある。
【0036】
本発明において、着色剤の合計配合率や、ペリレン系着色剤と補色着色剤との配合比は、得られる感光性樹脂組成物やその硬化皮膜からなるソルダーレジスト層が黒色を呈するのに充分な割合とする必要がある。具体的には、上述したように、ペリレン系着色剤及び補色着色剤の感光性樹脂組成物中の配合比が、各々、カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜8.0質量部、より好ましくは0.05〜5.0質量部の範囲内において、感光性樹脂組成物やその硬化皮膜が黒色を呈するように設定され得る。
【0037】
本発明において、感光性樹脂組成物やその硬化皮膜が呈する黒色とは、見者により肉眼で観察された場合にそれを黒系色であると認識される程度の色調を有するものをいう。具体的には、JISZ8729に規定される方法により本発明の感光性樹脂組成物の硬化皮膜(厚さ18〜22μm)の外観色調を測定・表示したときに、銅の前処理にもよるが、CIE L*a*b*表色系におけるL*値が40以下、a*値およびb*値が各々独立に−5から5の範囲内であることが好ましい。より好ましくは、L*値が10から40であり、a*値およびb*値は限りなく0に近いほど好ましい。
【0038】
ペリレン系着色剤と補色関係にあるペリレン系着色剤を含む他の着色剤の配合比率は、用いるペリレン系着色剤の種類や他の添加剤等の種類にも影響されるので一概には言えず適宜設定され得るが、例えば、赤色ペリレン系着色剤と緑色アントラキノン系着色剤との配合比、赤色ペリレン系着色剤:黒色ペリレン系着色剤(Pigment Black 31、32)との配合比および黒色ペリレン系着色剤(Pigment Black 31、32)と、同じく黒色系ペリレン系着色剤(Lumogen(登録商標))との配合比は、質量比で、1:0.01〜1:20の割合で配合することが好ましい。
【0039】
次に、本発明の感光性樹脂組成物に含有される着色剤以外の各構成成分について詳しく説明する。本発明の感光性樹脂組成物には下記のような材料を使用することができる。
【0040】
〔カルボキシル基含有樹脂〕
本発明の組成物には、アルカリ現像性を付与する目的で分子中にカルボキシル基を有するカルボキシル基含有樹脂が用いられ、従来公知の各種樹脂化合物を使用できる。特に、分子中にエチレン性不飽和二重結合を有するカルボン酸含有感光性樹脂が、光硬化性や耐現像性の面からより好ましい。そして、その不飽和二重結合は、アクリル酸もしくはメタアクリル酸又はそれらの誘導体由来のものが好ましい。
【0041】
カルボキシル基含有樹脂の具体例としては、以下に列挙するような化合物が好ましい。
(1)(メタ)アクリル酸と不飽和基含有物との共重合により得られるカルボキシル基含有樹脂。
(2)ジイソシアネートとカルボン酸含有ジアルコール化合物及びジオール化合物の重付加反応によるカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(3)ジイソシアネートと2官能エポキシ(メタ)アクリレートもしくはその部分酸無水物変性物及びカルボン酸含有ジアルコール化合物及びジオール化合物の重付加反応による感光性カルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(4)前記(2)又は(3)の樹脂の合成中に分子内に1つの水酸基と1つ以上の(メタ)アクリル基を有する化合物を加えた末端(メタ)アクリル化カルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(5)前記(2)又は(3)の樹脂の合成中に分子内に1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリル基を有する化合物を加えた末端(メタ)アクリル化カルボキシル基含有ウレタン樹脂。
【0042】
(6)2官能および多官能(固形)エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、側鎖に存在する水酸基に2塩基酸無水物を付加させた感光性カルボキシル基含有樹脂。
(7)2官能(固形)エポキシ樹脂の水酸基をさらにエピクロロヒドリンでエポキシ化した多官能エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、生じた水酸基に2塩基酸無水物を付加させた感光性カルボキシル基含有樹脂。
(8)2官能オキセタン樹脂にジカルボン酸を反応させ、生じた1級の水酸基に2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有ポリエステル樹脂。
(9)上記樹脂にさらに1分子内に1つのエポキシ基と1つ以上の(メタ)アクリル基を有する化合物を付加してなる感光性カルボキシル基含有樹脂。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレート及びそれらの混合物を総称する用語で、他の類似の表現についても同様である。
【0043】
上記のようなカルボキシル基有樹脂は、バックボーン・ポリマーの側鎖に多数の遊離のカルボキシル基を有するため、希アルカリ水溶液による現像が可能になる。
また、上記カルボキシル基含有樹脂の酸価は、40〜200mgKOH/gの範囲が好ましく、より好ましくは45〜120mgKOH/gの範囲である。カルボキシル基含有樹脂の酸価が40mgKOH/g未満であるとアルカリ現像が困難となり、一方、200mgKOH/gを超えると現像液による露光部の溶解が進むために、必要以上にラインが痩せたり、場合によっては、露光部と未露光部の区別なく現像液で溶解剥離してしまい、正常なレジストパターンの描画が困難となるので好ましくない。
【0044】
また、上記カルボキシル基含有樹脂の重量平均分子量は、樹脂骨格により異なるが、一般的に2,000〜150,000、さらには5,000〜100,000の範囲にあるものが好ましい。重量平均分子量が2,000未満であると、タックフリー性能が劣ることがあり、露光後の塗膜の耐湿性が悪く現像時に膜減りが生じ、解像度が大きく劣ることがある。一方、重量平均分子量が150,000を超えると、現像性が著しく悪くなることがあり、貯蔵安定性が劣ることがある。
【0045】
このようなカルボキシル基含有樹脂の配合率は、全組成物中に、好ましくは20〜60質量%、より好ましくは30〜50質量%である。上記範囲より少ない場合、塗膜強度が低下したりするので好ましくない。一方、上記範囲より多い場合、粘性が高くなったり、塗布性等が低下するので好ましくない。
これらカルボキシル基含有樹脂は上記に限らず使用することができ、1種類でも複数混合しても使用することができる。
【0046】
〔光重合開始剤〕
本発明の感光性樹脂組成物は、光重合開始剤を含有する。
光重合開始剤としては、オキシムエステル系光重合開始剤、α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤、及びアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤からなる群から選択される1種以上の光重合開始剤を使用することが好ましい。
オキシムエステル系光重合開始剤としては、市販品としてチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のCGI−325、イルガキュアー OXE01、イルガキュアー OXE02等、ADEKA社製N−1919が挙げられる。これらのオキシムエステル系光重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0047】
α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤としては、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノンなどが挙げられる。市販品としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュアー907、イルガキュアー369、イルガキュアー379などが挙げられる。これとチタノセン系光重合開始剤を組合せて用いることができる。チタノセン系光重合開始剤としては、ビス( η5−シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウムが挙げられる。市販品としては、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製のイルガキュアー784などが挙げられる。
【0048】
アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。市販品としては、BASF社製のルシリンTPO、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュアー819などが挙げられる。
【0049】
このような光重合開始剤の配合率は、前記カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜30質量部、より好ましくは0.5〜15質量部の範囲である。0.01質量部未満であると、銅上での光硬化性が不足し、塗膜が剥離したり、耐薬品性等の塗膜特性が低下したりするので好ましくない。一方、30質量部を超えると、光重合開始剤のソルダーレジスト塗膜表面での光吸収が激しくなり、深部硬化性が低下する傾向があるために好ましくない。
【0050】
なお、オキシムエステル系光重合開始剤の場合、その配合率は、前記カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜20質量部、より好ましくは0.01〜5質量部の範囲である。
【0051】
さらに本発明の感光性樹脂組成物には、上述した化合物以外の光重合開始剤や、光開始助剤及び増感剤を使用することができ、例えば、ベンゾイン化合物、アセトフェノン化合物、アントラキノン化合物、チオキサントン化合物、ケタール化合物、ベンゾフェノン化合物、キサントン化合物、および3級アミン化合物等を挙げることができる。
【0052】
ベンゾイン化合物の具体例を挙げると、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルである。
アセトフェノン化合物の具体例を挙げると、例えば、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノンである。
【0053】
アントラキノン化合物の具体例を挙げると、例えば、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノンである。
チオキサントン化合物の具体例を挙げると、例えば、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンである。
ケタール化合物の具体例を挙げると、例えば、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールである。
ベンゾフェノン化合物の具体例を挙げると、例えば、ベンゾフェノン、4−ベンゾイルジフェニルスルフィド、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、4−ベンゾイル−4’−エチルジフェニルスルフィド、4−ベンゾイル−4’−プロピルジフェニルスルフィドである。
【0054】
3級アミン化合物の具体例を挙げると、例えば、エタノールアミン化合物、ジアルキルアミノベンゼン構造を有する化合物、例えば、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン(日本曹達社製ニッソキュアーMABP)、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン(保土ヶ谷化学社製EAB)などのジアルキルアミノベンゾフェノン、7−(ジエチルアミノ)−4−メチル−2H−1−ベンゾピラン−2−オン(7−(ジエチルアミノ)−4−メチルクマリン)等のジアルキルアミノ基含有クマリン化合物、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬社製カヤキュアーEPA)、2−ジメチルアミノ安息香酸エチル(インターナショナルバイオ−シンセエティックス社製Quantacure DMB)、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル(インターナショナルバイオ−シンセエティックス社製Quantacure BEA)、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエチルエステル(日本化薬社製カヤキュアーDMBI)、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル(Van Dyk社製Esolol 507)、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン(保土ヶ谷化学社製EAB)である。
【0055】
上記した中でも、チオキサントン化合物および3級アミン化合物が好ましい。チオキサントン化合物が含まれることは、深部硬化性の面から好ましく、中でも、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン化合物が好ましい。
【0056】
このようなチオキサントン化合物の配合率としては、上記カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。チオキサントン化合物の配合率が多すぎると、厚膜硬化性が低下して、製品のコストアップに繋がるので、好ましくない。
【0057】
3級アミン化合物としては、ジアルキルアミノベンゼン構造を有する化合物が好ましく、中でも、ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物、最大吸収波長が350〜410nmにあるジアルキルアミノ基含有クマリン化合物が特に好ましい。ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物としては、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノンが、毒性も低く好ましい。最大吸収波長が350〜410nmにあるジアルキルアミノ基含有クマリン化合物は、最大吸収波長が紫外線領域にあるため、着色が少なく、無色透明な感光性組成物はもとより、着色剤を用い、着色剤自体の色を反映した着色ソルダーレジスト膜を提供することが可能となる。特に、7−(ジエチルアミノ)−4−メチル−2H−1−ベンゾピラン−2−オンが波長400〜410nmのレーザー光に対して優れた増感効果を示すことから好ましい。
【0058】
このような3級アミン化合物の配合率としては、前記カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.1〜10質量部の割合である。3級アミン化合物の配合率が0.1質量部未満であると、十分な増感効果を得ることができない傾向にある。20質量部を超えると、3級アミン化合物による乾燥ソルダーレジスト塗膜の表面での光吸収が激しくなり、深部硬化性が低下する傾向がある。
【0059】
これらの光重合開始剤、光開始助剤および増感剤は、単独で又は2種類以上の混合物として使用することができる。
【0060】
〔分子中に2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物〕
本発明の感光性樹脂組成物は、分子中に2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物を含有する。
分子中に2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物は、活性エネルギー線照射により、光硬化して、前記カルボン酸含有樹脂を、アルカリ水溶液に不溶化、又は不溶化を助けるものである。このような化合物としては、エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコールのジアクリレート類;ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレートなどの多価アルコール又はこれらのエチレオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド付加物などの多価アクリレート類;フェノキシアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、及びこれらのフェノール類のエチレンオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド付加物などの多価アクリレート類;グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリシジルエーテルの多価アクリレート類;及びメラミンアクリレート、及び/又は上記アクリレートに対応する各メタクリレート類などが挙げられる。
【0061】
さらに、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などの多官能エポキシ樹脂に、アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート樹脂や、さらにそのエポキシアクリレート樹脂の水酸基に、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどのヒドロキシアクリレートとイソホロンジイソシアネートなどのジイソシアネートのハーフウレタン化合物を反応させたエポキシウレタンアクリレート化合物などが挙げられる。このようなエポキシアクリレート系樹脂は、指触乾燥性を低下させることなく、光硬化性を向上させることができる。
【0062】
このような分子中に2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物の配合率は、前記カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、好ましくは5〜100質量部、より好ましくは、1〜70質量部割合である。前記配合率が、5質量部未満の場合、光硬化性が低下し、活性エネルギー線照射後のアルカリ現像により、パターン形成が困難となるので、好ましくない。一方、100質量部を超えた場合、アルカリ水溶液に対する溶解性が低下して、塗膜が脆くなるので、好ましくない。
【0063】
〔熱硬化性成分〕
本発明の感光性樹脂組成物には、耐熱性を付与するために、熱硬化性成分を加えることができる。特に好ましいのは分子中に2個以上の環状エーテル基及び/又は環状チオエーテル基(以下、環状(チオ)エーテル基と略す)を有する熱硬化性成分である。
【0064】
このような分子中に2つ以上の環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化性成分は、分子中に3、4または5員環の環状エーテル基、又は環状チオエーテル基のいずれか一方又は2種類の基を2個以上有する化合物が好ましく、例えば、分子内に少なくとも2つ以上のエポキシ基を有する化合物、すなわち多官能エポキシ化合物、分子内に少なくとも2つ以上のオキセタニル基を有する化合物、すなわち多官能オキセタン化合物、分子内に2個以上の環状チオエーテル基を有する化合物、すなわちエピスルフィド化合物)などが挙げられる。
【0065】
前記多官能エポキシ化合物としては、例えば、ジャパンエポキシレジン社製のエピコート828、エピコート834、エピコート1001、エピコート1004、大日本インキ化学工業社製のエピクロン840、エピクロン850、エピクロン1050、エピクロン2055、東都化成社製のエポトートYD−011、YD−013、YD−127、YD−128、ダウケミカル社製のD.E.R.317、D.E.R.331、D.E.R.661、D.E.R.664、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社のアラルダイド6071、アラルダイド6084、アラルダイドGY250、アラルダイドGY260、住友化学工業社製のスミ−エポキシESA−011、ESA−014、ELA−115、ELA−128、旭化成工業社製のA.E.R.330、A.E.R.331、A.E.R.661、A.E.R.664等(何れも商品名)のビスフェノールA型エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン社製のエピコートYL903、大日本インキ化学工業社製のエピクロン152、エピクロン165、東都化成社製のエポトートYDB−400、YDB−500、ダウケミカル社製のD.E.R.542、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイド8011、住友化学工業社製のスミ−エポキシESB−400、ESB−700、旭化成工業社製のA.E.R.711、A.E.R.714等(何れも商品名)のブロム化エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン社製のエピコート152、エピコート154、ダウケミカル社製のD.E.N.431、D.E.N.438、大日本インキ化学工業社製のエピクロンN−730、エピクロンN−770、エピクロンN−865、東都化成社製のエポトートYDCN−701、YDCN−704、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイドECN1235、アラルダイドECN1273、アラルダイドECN1299、アラルダイドXPY307、日本化薬社製のEPPN−201、EOCN−1025、EOCN−1020、EOCN−104S、RE−306、住友化学工業社製のスミ−エポキシESCN−195X、ESCN−220、旭化成工業社製のA.E.R.ECN−235、ECN−299等(何れも商品名)のノボラック型エポキシ樹脂;大日本インキ化学工業社製のエピクロン830、ジャパンエポキシレジン社製エピコート807、東都化成社製のエポトートYDF−170、YDF−175、YDF−2004、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイドXPY306等(何れも商品名)のビスフェノールF型エポキシ樹脂;東都化成社製のエポトートST−2004、ST−2007、ST−3000(商品名)等の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン社製のエピコート604、東都化成社製のエポトートYH−434、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイドMY720、住友化学工業社製のスミ−エポキシELM−120等(何れも商品名)のグリシジルアミン型エポキシ樹脂;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイドCY−350(商品名)等のヒダントイン型エポキシ樹脂;ダイセル化学工業社製のセロキサイド2021、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイドCY175、CY179等(何れも商品名)の脂環式エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン社製のYL−933、ダウケミカル社製のT.E.N.、EPPN−501、EPPN−502等(何れも商品名)のトリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン社製のYL−6056、YX−4000、YL−6121(何れも商品名)等のビキシレノール型もしくはビフェノール型エポキシ樹脂又はそれらの混合物;日本化薬社製EBPS−200、旭電化工業社製EPX−30、大日本インキ化学工業社製のEXA−1514(商品名)等のビスフェノールS型エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン社製のエピコート157S(商品名)等のビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン社製のエピコートYL−931、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイド163等(何れも商品名)のテトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイドPT810、日産化学工業社製のTEPIC等(何れも商品名)の複素環式エポキシ樹脂;日本油脂社製ブレンマーDGT等のジグリシジルフタレート樹脂;東都化成社製ZX−1063等のテトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂;新日鉄化学社製ESN−190、ESN−360、大日本インキ化学工業社製HP−4032、EXA−4750、EXA−4700等のナフタレン基含有エポキシ樹脂;大日本インキ化学工業社製HP−7200、HP−7200H等のジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂;日本油脂社製CP−50S、CP−50M等のグリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂;さらにシクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートの共重合エポキシ樹脂;エポキシ変性のポリブタジエンゴム誘導体(例えばダイセル化学工業製PB−3600等)、CTBN変性エポキシ樹脂(例えば東都化成社製のYR−102、YR−450等)等が挙げられるが、これらに限られるものではない。これらのエポキシ樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも特にノボラック型エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂又はそれらの混合物が好ましい。
【0066】
前記多官能オキセタン化合物としては、ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、1,4−ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレートやそれらのオリゴマー又は共重合体等の多官能オキセタン類の他、オキセタンアルコールとノボラック樹脂、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、カルド型ビスフェノール類、カリックスアレーン類、カリックスレゾルシンアレーン類、又はシルセスキオキサンなどの水酸基を有する樹脂とのエーテル化物などが挙げられる。その他、オキセタン環を有する不飽和モノマーとアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体なども挙げられる。
【0067】
エピスルフィド化合物としては、例えば、ジャパンエポキシレジン社製のビスフェノールA型エピスルフィド樹脂 YL7000などが挙げられる。また、同様の合成方法を用いて、ノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ基の酸素原子を硫黄原子に置き換えたエピスルフィド樹脂なども用いることができる。
【0068】
前記分子中に2つ以上の環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化性成分の配合率は、前記カルボキシル基含有樹脂のカルボキシル基1当量に対して、好ましくは0.6〜2.5当量、より好ましくは、0.8〜2.0当量となる範囲にある。分子中に2つ以上の環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化性成分の配合率が0.6当量未満である場合、ソルダーレジスト膜にカルボキシル基が残り、耐熱性、耐アルカリ性、電気絶縁性などが低下するので、好ましくない。一方、2.5当量を超える場合、低分子量の環状(チオ)エーテル基が乾燥塗膜に残存することにより、塗膜の強度などが低下するので、好ましくない。
【0069】
本発明の感光性樹脂組成物において、上記分子中に2つ以上の環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化性成分を使用する場合、熱硬化触媒を含有することが好ましい。そのような熱硬化触媒としては、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等のアミン化合物、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等のヒドラジン化合物;トリフェニルホスフィン等のリン化合物など、また市販されているものとしては、例えば四国化成工業社製の2MZ−A、2MZ−OK、2PHZ、2P4BHZ、2P4MHZ(いずれもイミダゾール系化合物の商品名)、サンアプロ社製のU−CAT3503N、U−CAT3502T(いずれもジメチルアミンのブロックイソシアネート化合物の商品名)、DBU、DBN、U−CATSA102、U−CAT5002(いずれも二環式アミジン化合物及びその塩)などが挙げられる。特に、これらに限られるものではなく、エポキシ樹脂やオキセタン化合物の熱硬化触媒、もしくはエポキシ基及び/又はオキセタニル基とカルボキシル基の反応を促進するものであればよく、単独で又は2種以上を混合して使用してもかまわない。また、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メラミン、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等のS−トリアジン誘導体を用いることもでき、好ましくはこれら密着性付与剤としても機能する化合物を前記熱硬化触媒と併用する。
【0070】
これら熱硬化触媒の配合率は、通常の量的割合で充分であり、例えばカルボキシル基含有樹脂または分子中に2つ以上の環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化性成分100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.5〜15.0質量部である。
【0071】
本発明の感光性樹脂組成物には、その塗膜の物理的強度等を上げるために、必要に応じて、フィラーを配合することができる。このようなフィラーとしては、公知慣用の無機又は有機フィラーが使用できるが、特に硫酸バリウム、球状シリカおよびタルクが好ましく用いられる。さらに、酸化チタンや金属酸化物、水酸化アルミなどの金属水酸化物を体質顔料フィラーとしても使用することができる。フィラーの配合率は、好ましくは組成物全体量の75質量%以下、より好ましくは0.1〜60質量%の割合である。フィラーの配合率が、組成物全体量の75質量%を超えた場合、絶縁組成物の粘度が高くなり塗布、成形性が低下したり、硬化物が脆くなるので好ましくない。
【0072】
さらに、本発明の感光性性樹脂組成物は、上記カルボキシル基含有樹脂の合成や組成物の調製のため、又は基板やキャリアフィルムに塗布するための粘度調整のため、有機溶剤を使用することができる。
【0073】
このような有機溶剤としては、ケトン類、芳香族炭化水素類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルアセテート類、エステル類、アルコール類、脂肪族炭化水素、石油系溶剤などが挙げることができる。より具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどのエステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤などである。このような有機溶剤は、単独で又は2種以上の混合物として用いられる。
【0074】
本発明の感光性性樹脂組成物は、さらに必要に応じて、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、t−ブチルカテコール、ピロガロール、フェノチアジンなどの公知慣用の熱重合禁止剤、微粉シリカ、有機ベントナイト、モンモリロナイトなどの公知慣用の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系などの消泡剤及び/又はレベリング剤、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系等のシランカップリング剤、酸化防止剤、防錆剤などのような公知慣用の添加剤類を配合することができる。
【実施例】
【0075】
以下に実施例および比較例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものではないことはもとよりである。なお、以下において「部」とあるのは、特に断りのない限り全て「質量部」を表わす。
【0076】
<カルボキシル基含有樹脂の合成>
本発明のカルボキシル基含有樹脂を下記合成例に従い作製した。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、“エピクロン”(登録商標)N−695、エポキシ当量:220)220部を撹拌機及び還流冷却器の付いた四つ口フラスコに入れ、カルビトールアセテート214部を加え、加熱溶解した。次に、重合禁止剤としてハイドロキノン0.46部と、反応触媒としてトリフェニルホスフィン1.38部を加えた。この混合物を95〜105℃に加熱し、アクリル酸72部を徐々に滴下し、16時間反応させた。この反応生成物を80〜90℃まで冷却し、テトラヒドロフタル酸無水物106部を加え、8時間反応させ、冷却後、反応溶液(ワニスと称する。)を取り出した。このようにして得られたカルボキシル基含有樹脂は、固形物の酸価100mgKOH/g、不揮発分65%であった。
【0077】
<配合例>
下記成分を下記配合量において攪拌機にて予備混合した後、3本ロールミルで混練することにより各ソルダーレジスト用感光性樹脂組成物(実施例1〜4および比較例1〜3)を調製した。ここで、得られた感光性樹脂組成物の分散度をエリクセン社製グラインドメータによる粒度測定にて評価したところ15μm以下であった。
【0078】
・表1に記載の各着色剤 表1に記載の各質量部
・ワニス 154部(固形分100部)
・2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)
−ブタン−1−オン 10部
・ビス( η5−シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−
(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム2,4−ジエチル
チオキサントン 1部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(DPHA/日本化薬製) 20部
・フェノールノボラック型エポキシ樹脂
(ダウケミカル社製 DEN−431) 20部
・ビキシレノール型エポキシ樹脂
(ジャパンエポキシレジン社製 YX−4000) 30部
・ジシアンジアミド 0.3部
・硫酸バリウム(堺化学社製 硫酸バリウムB30) 100部
・有機ベントナイト系 10部
・シリコーン系消泡剤 3部
・DPM(ジプロピレングリコールモノメチルエーテル) 20部。
【表1】

【0079】
レジスト性能評価:
〔評価基板作製方法〕
上記のようにして得られた実施例1〜4および比較例1〜3の組成物を、パターン形成された銅箔基板上にスクリーン印刷で全面塗布し、80℃で30分乾燥し、室温まで放冷した。この基板にメタルハライドランプを搭載した露光装置(株式会社オーク製作所製)を用いて最適露光量でソルダーレジストパターンを露光し、30℃の1%NaCO水溶液をスプレー圧0.2MPaの条件で60秒間現像を行い、レジストパターンを得た。この基板を、150℃で60分加熱して硬化させた。得られたプリント基板(評価基板)に対して以下のように特性を評価した。
【0080】
<色調・L*a*b*値>
上記評価基板作製方法に従い、実施例1〜4および比較例1〜3の感光性樹脂組成物の硬化塗膜を作製した。膜厚は、乾燥後の膜厚が20±2μmになるように作製した。得られた硬化塗膜を分光測色計を用いて測色した。分光測色計にはKONICA MINOLTA社製 CM−2600dを使用し、表色系にはCIE L*a*b*を用いた。銅箔基板上の均一な塗膜表面にてSCIモードで測定した値を測色値とした。その評価結果を表2に示す。
【0081】
<最適露光量>
銅貼り積層基板をバフロール研磨後、水洗、乾燥し、実施例1〜4および比較例1〜3の感光性樹脂組成物をスクリーン印刷法により塗布し、80℃の熱風循環式乾燥炉で30分乾燥させる。乾燥後、フォトマスク(イーストマン・コダック社製、ステップタブレットNo.2)を介して、メタルハライドランプ搭載オーク製作所(株)製露光機を用いて露光した。照射したものをテストピースとし、スプレー圧2kg/cmの現像液(炭酸ナトリウム水溶液)にて60秒間の現像を行った後、残存塗膜の段数を目視判定した。残存塗膜の段数が6段になる露光量を適正露光量とした。その評価結果を表2に示す。
【0082】
<解像性・ライン断面形状>
基板として、銅厚が35μmの銅張積層板にライン/スペースが300/300の回路パターンが形成された基板に、前処理としてバフロール研磨後、水洗し、乾燥したものを用いた。実施例1〜4および比較例1〜3の感光性樹脂組成物を、前処理が施された上記基板上にスクリーン印刷法により塗布し、80℃の熱風循環式乾燥炉で30分間乾燥させた。乾燥後、高圧水銀灯露光装置を用いて露光した。露光パターンは、スペース部に30/40/50/60/70/80/90/100μmのラインを描画させるパターンを使用した。露光量は、最適露光量評価によって得られた露光量とした。露光後、30℃の1%NaCO水溶液をスプレー圧0.2MPaの条件で60秒間現像を行ってパターンを形成し、残存した最小ラインの幅を解像性とした。
【0083】
さらに、150℃,60分の熱硬化をすることにより硬化塗膜を得た後、硬化塗膜の設計値100μmライン部の断面を観察した。この断面形状を大きく図2に記載した模式図のように、別けて評価した。図面は、以下のような現象が発生した時の模式図を示す。特に、〇評価の場合、設計値からのずれがライン上部、下部ともに5μm以内のものとした。×評価は、アンダーカットが発生しており、ソルダーレジストとして改善の余地はあるが使用可能な程度である。その結果を表2に示す。
【0084】
○評価:深さ方向に設計幅通りの直線性が得られる理想状態(図2(A)を参照)
×評価:アンダーカット状態(図2(B)を参照)
<吸光度>
実施例1〜4および比較例1〜3の組成物を、ガラス板上に乾燥塗膜として20±2μmになるよう全面塗布し、80℃で30分乾燥し、室温まで放冷した。このガラス板を紫外可視分光光度計にセットし405±5nm部分の吸収スペクトルを測定し、405nmの吸光度を算出した。
【表2】

【0085】
<はんだ耐熱性>
上記評価基板作製方法に従い、実施例1〜4および比較例1〜3の感光性樹脂組成物の硬化塗膜を作製した。膜厚は、乾燥後の膜厚が20±2μmになるように作製した。これを260℃のはんだ浴に10秒間の浸漬を3回繰り返し、塗膜の剥がれや変色を目視で確認した。その結果、実施例1〜4および比較例1〜3を用いて作製した評価基板はいずれも剥がれや変色は確認されなかった。
【0086】
〔ドライフィルムとしての評価〕
実施例2および比較例1の感光性樹脂組成物をメチルエチルケトンで希釈し、キャリアフィルム上に塗布した。これを加熱乾燥して厚さ20μmの感光性樹脂組成物層を形成し、80℃の熱風乾燥器で30分乾燥させた。さらに、得られた塗膜上にカバーフィルムを貼り合わせてドライフィルムを得た。その後、カバーフィルムを剥がし、パターン形成された銅箔基板に、得られたフィルムを熱ラミネートし、次いで、同様にメタルハライドランプを搭載した露光装置(株式会社オーク製作所製)を用いて露光した。露光後、キャリアフィルムを剥がし、150℃の熱風乾燥器で60分加熱硬化を行ない、試験基板を作製した。得られた硬化皮膜を有する試験基板について、前述の組成物に関する試験方法及び評価方法と同様の方法にて、各特性の評価試験を行なった。結果は、表1に示される実施例2および比較例1の評価結果と同様であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペリレン系着色剤、該ペリレン系着色剤と補色関係にある着色剤、カルボキシル基含有樹脂、分子中に2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物、及び、光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物。
【請求項2】
前記感光性樹脂組成物において、該感光性樹脂組成物を用いて形成される厚さ18〜22μmの乾燥塗膜の波長400〜410nmにおける吸光度が0.5以下であり、且つ該乾燥塗膜の硬化物のCIE L*a*b*表色系におけるL*値が40以下、a*値およびb*値が各々独立に−5から5の範囲内であること特徴とする、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物をフィルム上に塗布、乾燥して得られる乾燥塗膜を備えることを特徴とするドライフィルム。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物を基材上に塗布、乾燥して得られる乾燥塗膜、又は請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物をフィルム上に塗布、乾燥して得られた乾燥塗膜を基材上にラミネートして得られる乾燥塗膜を、活性エネルギー線の照射により光硬化させて得られることを特徴とする硬化物。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物を基材上に塗布、乾燥して得られる乾燥塗膜、又は請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物をフィルム上に塗布、乾燥して得られた乾燥塗膜を基材上にラミネートして得られる乾燥塗膜を、活性エネルギー線の照射により光硬化させて得られる硬化物のパターンを有することを特徴とするプリント配線板。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−75678(P2011−75678A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−225059(P2009−225059)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(591021305)太陽ホールディングス株式会社 (327)
【Fターム(参考)】