説明

感光材現像処理方法及び導電膜付きフィルムの製造方法

【課題】銀汚れ、傷、膜剥がれなどを発生させることなく、幅方向においてムラの無いほぼ均一な現像銀画像が得られる感光材現像処理方法及び導電膜付きフィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】現像処理槽16内に配置される液中ターンバー28Aは、第1円筒体34の複数のスリット状の吐出口36から、1m当たりの現像液の吐出量が50〜200l/min(リットル/分)となるように現像液を吐出するように設定する。また、第1円筒体34の幅方向両端部に、第1円筒体34の表面から突出する規制板42を設ける。この規制板42により感光ウエブ12の幅方向両端から排出される現像液の排出量を規制し、第1円筒体34と感光ウエブ12との間隔を調整する。これにより、感光ウエブ12と液中ターンバー28Aとの間隔が幅方向においてほぼ均一となり、感光ウエブ12が液中ターンバー28Aと非接触で方向転換される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光済みの帯状感光材を現像液内で現像処理する感光材現像処理方法及び導電膜付きフィルムの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
銀塩感光材料を露光して現像処理した後、表面抵抗低減処理を施した透光性導電膜としては、近年PDP(プラズマディスプレイパネル)の電磁波シールド膜が知られている。
【0003】
PDPの電磁波シールド膜を銀塩感光材料で製造するには、該銀塩の現像銀の導電性を向上させるために、特許文献1に開示されるように銀塩乳剤のバインダー減量や銀塩乳剤塗膜の膨潤量を大きくすることが有効であるが、現像時に銀塩塗膜の強度が弱くなることと、現像時の銀溶出量が多くなり、通常のローラトランスポート型自動現像機では銀塩塗膜の膜剥がれや、還元銀がローラを介して膜面に付着し面状欠陥が生じやすい。
【0004】
この対策として、特許文献2に開示されるように、搬送ガイドである方向転換部材の表面に設けられた複数の噴出孔から流体を噴出させ、方向転換部材とフィルムとの間に間隙をつくってフィルムの搬送を非接触で行う装置が提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開2006−332459号公報
【0006】
【特許文献2】特開平8−245028号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献2に記載される装置では、方向転換部材の表面に設けられた複数の噴出口から流体が噴出されるため、方向転換部材の幅方向に渡って流体が噴出する場所と噴出されない場所が生じる。
【0008】
例えば、現像処理を行う場合に方向転換部材の幅方向に渡って現像液が一様に当たらないと、銀塩含有層表面の現像液の更新が異なり現像速度の差を生じ、結果として現像銀画像に筋状のムラが生じる可能性がある。
【0009】
方向転換部材の幅方向に一様な現像液を噴出させるためには、方向転換部材の幅方向に渡って複数のスリットを設けることが良いが、スリット形状が噴出口の場合、方向転換部材の幅方向に渡って現像液の噴出量を一様にするのは困難であり、方向転換部材の幅方向でフィルムの浮上量に差が生じる可能性がある。結果として前述した現像速度の差を生じ、現像銀画像にムラを生じる可能性がある。
【0010】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、銀汚れ、傷、膜剥がれなどを発生させることなく、幅方向においてムラの無いほぼ均一な現像銀画像が得られる感光材現像処理方法及び導電膜付きフィルムの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、支持フィルム上に銀塩含有層を有する帯状感光材を現像液内に搬送して現像処理すると共に、前記現像液内で前記帯状感光材の搬送方向と交差する方向に配置された感光材方向転換部材で前記帯状感光材を方向転換させる感光材現像処理方法であって、前記感光材方向転換部材の表面に長手方向に沿って形成された複数のスリット状の吐出口から、1m当たりの前記現像液の吐出量が50〜200l/minとなるように前記現像液を吐出し、前記帯状感光材を前記感光材方向転換部材から浮揚させて非接触で方向転換させることを特徴としている。
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、支持フィルム上に銀塩含有層を有する帯状感光材を現像液内に搬送して現像処理する。現像液内では、帯状感光材の搬送方向と交差する方向に感光材方向転換部材が配置されており、表面に長手方向に沿って形成された複数のスリット状の吐出口から、1m当たりの現像液の吐出量が50〜200l/min(リットル/分)となるように現像液を吐出する。複数のスリット状の吐出口から吐出される現像液により、帯状感光材が感光材方向転換部材の表面から幅方向にほぼ均一に浮揚し、帯状感光材が感光材方向転換部材の表面と非接触で方向転換される。このため、感光材方向転換部材の表面と帯状感光材との接触による帯状感光材の銀汚れ、傷などの発生が抑制されると共に、現像液の吐出流が大きいことによる膜剥がれ(銀塩塗膜や現像銀画像の剥がれ)などの発生が抑制される。このため、支持フィルム上の幅方向においてムラの無いほぼ均一な現像銀画像を得ることができる。
【0013】
これに対して、感光材方向転換部材の1m当たりの現像液の吐出量が、50l/minより小さいと、感光材方向転換部材の表面からの帯状感光材の浮揚が幅方向において不十分となる部分が生じ、感光材方向転換部材の表面と帯状感光材との接触により帯状感光材の銀汚れ、傷などが発生する可能性がある。また、感光材方向転換部材の1m当たりの現像液の吐出量が、200l/minより大きいと、現像液の吐出流が大きいため、膜剥がれなどが発生する可能性がある。
【0014】
請求項2に記載の発明は、支持フィルム上に銀塩含有層を有する帯状感光材を現像液内に搬送して現像処理すると共に、前記現像液内で前記帯状感光材の搬送方向と交差する方向に配置された感光材方向転換部材で前記帯状感光材を方向転換させる感光材現像処理方法であって、前記感光材方向転換部材の表面に長手方向に沿って形成された複数のスリット状の吐出口から前記現像液を吐出し、前記帯状感光材を前記感光材方向転換部材から浮揚させて非接触で方向転換させると共に、前記感光材方向転換部材の幅方向両端部に設けた規制板で前記帯状感光材の幅方向両端から排出される前記現像液の排出量を規制し、前記帯状感光材と前記感光材方向転換部材との間隔を調整することを特徴としている。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、支持フィルム上に銀塩含有層を有する帯状感光材を現像液内に搬送して現像処理する。現像液内では、帯状感光材の搬送方向と交差する方向に感光材方向転換部材が配置されており、表面の長手方向に形成された複数のスリット状の吐出口から現像液を吐出する。吐出口からの現像液の吐出により、帯状感光材が感光材方向転換部材の表面から浮揚して非接触で方向転換される。その際、感光材方向転換部材の幅方向両端部に設けた規制板で帯状感光材の幅方向両端から排出される現像液の排出量を規制し、帯状感光材と感光材方向転換部材との間隔を調整することにより、帯状感光材と感光材方向転換部材との間隔が幅方向にほぼ均一となる。このため、感光材方向転換部材の表面と帯状感光材との接触による帯状感光材の銀汚れ、傷などの発生が抑制されると共に、現像液の吐出流が大きいことによる膜剥がれなどの発生が抑制される。このため、支持フィルム上の幅方向においてムラの無いほぼ均一な現像銀画像を得ることができる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の感光材現像処理方法において、前記吐出口の開口率を0.6〜2%に設定して前記吐出口から吐出される前記現像液の量を調整することを特徴としている。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、吐出口の開口率を0.6〜2%に設定することで、複数のスリット状の吐出口から排出される現像液の量が適切に調整され、帯状感光材と感光材方向転換部材との間隔がより一層均一となる。このため、感光材方向転換部材の表面と帯状感光材との接触による帯状感光材の銀汚れ、傷などの発生が抑制されると共に、現像液の吐出流が大きいことによる膜剥がれなどの発生が抑制される。これに対して、吐出口の開口率が0.6%より小さいと、複数の吐出口から排出される現像液の量が不十分となり、感光材方向転換部材の表面と帯状感光材との接触により帯状感光材の銀汚れ、傷などが発生する可能性がある。また、吐出口の開口率が2%より大きいと、現像液の吐出流が大きくなり、膜剥がれなどが発生する可能性がある。
【0018】
請求項4に記載の発明に係る導電膜付きフィルムの製造方法は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の感光材現像処理方法を用いて前記帯状感光材を現像処理して金属銀部を形成する工程と、前記金属銀部の上にめっきして導電膜を形成する工程と、を有することを特徴としている。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の感光材現像処理方法を用いて前記帯状感光材を現像処理して金属銀部を形成する工程と、前記金属銀部の上にめっきして導電膜を形成する工程と、を施すことにより、導電膜付きフィルムが製造される。その際、感光材方向転換部材の表面と帯状感光材との接触による帯状感光材の銀汚れ、傷などの発生が抑制されると共に、現像液の吐出流が大きいことによる膜剥がれなどの発生が抑制されることにより、帯状感光材に幅方向においてムラの無いほぼ均一な金属銀部が形成され、金属銀部の上にめっきすることによりムラの無いほぼ均一な導電膜付きフィルムを得ることができる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の感光材現像処理方法において、前記感光材方向転換部材が、前記帯状感光材の搬送方向と交差する方向に配置され、表面に長手方向に沿って前記現像液を吐出する複数のスリット状の吐出口を備えた第1筒状体と、前記第1筒状体の内部に配置され、前記現像液を噴出する噴出口を備えた第2筒状体と、を有することを特徴としている。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、現像液内に配置された感光材方向転換部材が、帯状感光材の搬送方向と交差する方向に配置された第1筒状体と、第1筒状体の内部に配置された第2筒状体とを有しており、第1筒状体には、表面に長手方向に沿って複数のスリット状の吐出口が形成され、第2筒状体には噴出口が形成されている。そして、第2筒状体の噴出口から第1筒状体の内部に現像液が噴出され、さらに第1筒状体の内部の現像液が複数のスリット状の吐出口から第1筒状体と帯状感光材との間に吐出されることにより、帯状感光材が第1筒状体の表面から浮揚し、帯状感光材が第1筒状体の表面と非接触で方向転換される。このため、帯状感光材と第1筒状体の表面との接触が抑制され、帯状感光材の銀汚れ、傷、膜剥がれ(銀塩塗膜や現像銀画像の剥がれ)などの発生が抑制される。また、第1筒状体のスリット状の吐出口からの現像液の吐出が長手方向に連続であることにより、帯状感光材の幅方向において現像ムラの発生が抑制される。
【0022】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の感光材現像処理方法において、前記帯状感光材の搬送方向上流側と搬送方向下流側の前記吐出口の間隔が、前記帯状感光材の搬送方向中間部の前記吐出口の間隔よりも小さいことを特徴としている。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、帯状感光材の搬送方向上流側と搬送方向下流側の吐出口の間隔が、帯状感光材の搬送方向中間部の吐出口の間隔よりも小さいので、帯状感光材の搬送方向上流側と搬送方向下流側では、帯状感光材の搬送方向中間部に比べて間隔が小さい吐出口から現像液が吐出される。第1筒状体の吐出口から吐出された現像液は、帯状感光材の幅方向両端と帯状感光材の搬送方向上流側の入口と搬送方向下流側の出口の4方向から排出されるが、帯状感光材の搬送方向上流側の入口と搬送方向下流側の出口では、帯状感光材と感光材方向転換部材とが接触しやすい傾向がある。本発明では、帯状感光材の搬送方向上流側と搬送方向下流側では、帯状感光材の搬送方向中間部に比べて間隔が小さい吐出口から現像液が吐出されるので、帯状感光材の搬送方向上流側と搬送方向下流側で十分な現像液が吐出され、帯状感光材と第1筒状体との接触が抑制される。このため、帯状感光材の銀汚れ、傷、膜剥がれなどの発生がより一層抑制される。
【0024】
請求項7に記載の発明は、請求項5又は請求項6に記載の感光材現像処理方法において、前記第1筒状体の長手方向両端部に設けられ、前記第1筒状体の表面から突出し、前記帯状感光材の幅方向両端から排出される前記現像液の排出量を規制する規制板を設けたことを特徴としている。
【0025】
請求項7に記載の発明によれば、第1筒状体の長手方向両端部に、第1筒状体の表面から突出する規制板が設けられており、帯状感光材の幅方向両端の第1筒状体との隙間から排出される現像液の排出量を規制することで、帯状感光材と第1筒状体との間隔を調整することができる。このため、第1筒状体の表面と帯状感光材との接触がより一層抑制され、帯状感光材の銀汚れ、傷、膜剥がれなどの発生が抑制されると共に、帯状感光材の幅方向における現像ムラの発生が抑制される。
【0026】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の感光材現像処理方法において、前記第1筒状体の表面からの前記規制板の高さは、前記第1筒状体の表面と前記帯状感光材との間隔より高いことを特徴としている。
【0027】
請求項8に記載の発明によれば、第1筒状体の表面からの規制板の高さは、第1筒状体と帯状感光材との間隔より高いので、帯状感光材の幅方向両端から排出される現像液の排出量がより一層規制され、帯状感光材と第1筒状体との間隔をより効果的に調整することができる。
【0028】
請求項9に記載の発明は、請求項5から請求項8までのいずれか1項に記載の感光材現像処理方法において、前記吐出口が、前記第1筒状体の裏面側で狭く、前記第1筒状体の表面側で広くなるテーパ状に形成されていることを特徴としている。
【0029】
請求項9に記載の発明によれば、吐出口が、第1筒状体の裏面側で狭く、第1筒状体の表面側で広くなるテーパ状に形成されているので、吐出口から吐出される現像液の流圧が高くなることが抑制され、帯状感光材の膜剥がれなどの発生が抑制される。
【0030】
請求項10に記載の発明は、請求項5に記載の感光材現像処理方法において、前記第2筒状体が、長手方向の一端に前記現像液を導入する導入部を備え、前記噴出口が長手方向に形成された複数の噴出孔であり、長手方向の他端側に設けられた前記噴出孔が、長手方向の一端側に設けられた前記噴出孔よりも小さいことを特徴としている。
【0031】
請求項10に記載の発明によれば、第2筒状体の長手方向の一端に設けられた導入部に現像液が導入され、第2筒状体の長手方向に形成された複数の噴出孔から現像液が噴出される。そのとき、第2筒状体の長手方向の他端側に設けられた噴出孔が、長手方向の一端側に設けられた噴出孔よりも小さいので、他端側の噴出孔と一端側の噴出孔から噴出される現像液量の差が小さくなり、第1筒状体の複数のスリット状の吐出口から吐出される現像液が幅方向においてほぼ均一となる。例えば、第2筒状体の長手方向の一端から現像液を導入すると、第2筒状体の複数の噴出孔を長手方向の一端側から他端側で同径にした場合、または第2筒状体を第1筒状体への導入口にのみ配置した場合には、第1筒状体の他端側は静圧が大きく、他端側の吐出口からの現像液吐出量が大きくなり、一端側(導入側)の吐出口からの現像液吐出量が小さくなる傾向がある。本発明では、長手方向の他端側に設けられた噴出孔が、長手方向の一端側(導入側)に設けられた噴出孔よりも小さいので、他端側の噴出孔と一端側の噴出孔から噴出される現像液量の差が小さく、その結果、第1筒状体の複数の吐出口から吐出される現像液が幅方向においてほぼ均一となる。
【0032】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の感光材現像処理方法において、前記第2筒状体の長手方向の前記他端側から前記一端側に向かうに従って、前記噴出孔が徐々に大きくなるように形成されていることを特徴としている。
【0033】
請求項11に記載の発明によれば、第2筒状体の長手方向の他端側から一端側に向かうに従って、噴出孔が徐々に大きくなるように形成されているので、複数の噴出孔から噴出される現像液量の差がより一層小さくなる。そのため、第1筒状体の複数の吐出口から吐出される現像液が幅方向においてより一層均一となる。
【0034】
請求項12に記載の発明は、請求項5又は請求項6に記載の感光材現像処理方法において、前記第1筒状体は、前記噴出口と対向する部分に前記吐出口を設けないことを特徴としている。
【0035】
請求項12に記載の発明によれば、第1筒状体は、噴出口と対向する部分に前記吐出口を設けないので、第2筒状体の噴出口から噴出された現像液が第1筒状体の内壁に当たって動圧が抑制されると共に、内壁の両側に流れた現像液が第1筒状体の吐出口から吐出される。これにより、第2筒状体の噴出口から噴出された現像液が第1筒状体の吐出口から直接吐出されるショートパスなどが抑制される。

【発明の効果】
【0036】
以上説明したように、本発明によれば、帯状感光材の銀汚れ、傷などの発生を抑制することができると共に、膜剥がれなどの発生を抑制することができる。このため、支持フィルム上の幅方向においてムラの無いほぼ均一な現像銀画像(金属銀部)を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、実質的に同一の機能を有する部材には全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明は省略する場合がある。
【0038】
図1には、本発明に係る感光材現像処理方法が適用される現像処理装置が示されている。この現像処理装置は、露光が施された帯状感光材としての感光ウエブの現像・定着・洗浄を行う装置である。図1に示されるように、現像処理装置10には、帯状の支持フィルム上に銀塩含有層を有する感光ウエブ12が、銀塩含有層を上にして巻き出し軸14にローラ状に巻かれている。この感光ウエブ12は、図示しない露光装置により所望の細線状のパターン露光が施されたものである。
【0039】
巻き出し軸14から送り出された感光ウエブ12の搬送方向下流側には、現像液が貯留された現像処理槽16と、定着液が貯留された定着槽18と、純水(洗浄液)が貯留された水洗槽20と、が配設されている。水洗槽20より感光ウエブ12の搬送方向下流側には、感光ウエブ12の両面を乾燥させる温風発生装置22A、22Bが配設され、さらに感光ウエブ12の搬送方向下流側には、感光ウエブ12を巻き取る巻き取り軸24が配設されている。
【0040】
巻き出し軸14から送り出された感光ウエブ12は、現像処理槽16の上部に配置された支持ロール26を経て現像処理槽16に搬送される。現像処理槽16内には、感光材方向転換部材としての液中ターンバー28が配置されており、液中ターンバー28で感光ウエブ12は銀塩含有層が非接触となるように支持され、方向転換される。感光ウエブ12の搬送方向下流側の現像処理槽16の出口には、感光ウエブ12の両面に対向するようにエアーナイフ30A、30Bが配設されており、現像処理槽16内を搬送された感光ウエブ12は、現像処理槽16の出口でエアーナイフ30A、30Bから吹き出されるエアーにより現像液が掻き落とされ、現像処理槽16の上部と定着槽18の上部に配置された2本の支持ロール26を経て次の定着槽18に導入される。
【0041】
以下、上記の現像処理槽16と同様に、感光ウエブ12は、定着槽18内の液中ターンバー28Bで銀塩含有層が非接触の状態で方向転換され、定着槽18の出口で感光ウエブ12の両面に対向して配置されたエアーナイフ30A、30Bで定着液が掻き落とされ、2本の支持ロール26を経て次の水洗槽20に導入される。さらに感光ウエブ12は、水洗槽20内の液中ターンバー28Cで銀塩含有層が非接触の状態で方向転換され、水洗槽20の出口で感光ウエブ12の両面に配置されたエアーナイフ30A、30Bで純水が掻き落とされ、水洗槽20の上部に配置された支持ロール26を経て温風発生装置22A、22Bに搬送される。そして、温風発生装置22A、22Bから発生する温風により感光ウエブ12の両面が乾燥され、感光ウエブ12は支持ロール26を経て巻き取り軸24で巻き取られる。図示していないがこの一連の現像処理装置10は感光ウエブ12を一定のテンションで搬送できるように巻き出し軸14にはトルク調整機構をもつ。
【0042】
このような現像処理装置10では、複数の支持ロール26と液中ターンバー28A、28B、28Cによって、感光ウエブ12が現像処理槽16、定着槽18、水洗槽20内を搬送されることで、現像・定着・洗浄の各処理が行われ、さらに感光ウエブ12を乾燥させることで、細線メッシュ状の現像銀画像(金属銀部)が形成された感光ウエブ12(導電性材料)が得られる。現像処理装置10により処理されて得られた感光ウエブ12は、透光性電磁波シールド膜に好適に使用できる。例えば、現像処理装置10により感光ウエブ12を処理して発現された細線メッシュ状の現像銀画像(金属銀部)に、めっき処理(例えば、Cuめっきなど)によって導電膜を形成することで、透光性電磁波シールド膜(導電膜付きフィルム)を製造することができる。
【0043】
ここで、現像・定着・洗浄の各処理は、銀塩写真フィルム、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる現像処理技術を適用することができる。現像液、定着液、洗浄液もこれらに準じて適宜適用することができる。例えば、現像液としては、特に限定しないが、PQ現像液、MQ現像液、MAA現像液等を用いることもでき、例えば、富士フイルム社製のCN−16、CR−56、CP45X、FD−3、パピトール、KODAK社製のC−41、E−6、RA−4、D−19、D−72などの現像液、又はそのキットに含まれる現像液、また、D−85などのリス現像液を用いることができる。なお、定着処理は、未露光部分の銀塩を除去して安定化させる目的で行われる。
【0044】
また、現像処理装置10の現像処理槽16、定着槽18、水洗槽20の各処理槽からの各処理液の持ち出し及び持ち込みは、補充量の増大、次の処理槽での溶解物理現像の促進、処理液の劣化等が生じて好ましくない。また、各処理槽から次の処理槽へのクロスオーバー部における処理液の液ダレは処理むら、乾燥ムラの原因となり、歩留まりを悪化させる。本実施形態の現像処理装置10では、現像処理槽16、定着槽18、水洗槽20の各処理槽の出口に感光ウエブ12の両面に対向してエアーナイフ30A、30Bを配置したので、感光ウエブ12の表裏に付着した処理液を取り除くことができる。
【0045】
エアーナイフ30A、30Bの配置はできるだけ各処理槽の処理液表面を感光ウエブ12が出た直後が好ましいが、エアーの圧力で処理液表面が撹乱され飛散するので、飛散しない距離を開けると共に、感光ウエブ12の流入部、流出部を除いて各処理槽全体に蓋31を設けることが好ましい。
【0046】
また、感光ウエブ12の現像銀画像を有する面はウエット状態で軟膜のため、エアーナイフ30A、30Bに供給するエアー量を少なくするが、特に現像処理槽16からの現像液の持ち出しは定着槽18での液疲労、溶解物理現像を生じやすく、これを回避するために現像処理槽16の後に停止浴槽を設けることが好ましい。
【0047】
図2には、現像処理槽16内に配置された液中ターンバー28Aの長手方向に沿った断面図が示されており、図3には、液中ターンバー28Aの分解斜視図が示されている。また、図4には、液中ターンバー28Aの側面図及び長手方向と直交する方向における断面図等が示されている。なお、定着槽18内に配置された液中ターンバー28B、水洗槽20内に配置された液中ターンバー28Cは、吐出する液が現像液に代えて定着液又は純水である点で異なり、その他は同じであるので、ここでは液中ターンバー28Aを例として説明する。
【0048】
図2に示されるように、液中ターンバー28Aは、現像処理槽16に貯留される現像液32内に、感光ウエブ12の搬送方向とほぼ直交する方向に配置されている。図2〜図4に示されるように、液中ターンバー28Aは、外側に配置された第1円筒体34と、この第1円筒体34の内部に配置された第2円筒体38と、を備えている。第1円筒体34は、表面に長手方向に沿って現像液を吐出する複数のスリット状の吐出口36を備えている。第2円筒体38は、表面に現像液を噴出する複数の噴出口40を備えている。第1円筒体34は、両端部が環状体35で塞がれており、環状体35の中心の開口部に第2円筒体38が挿入されている。
【0049】
第1円筒体34は、感光ウエブ12の搬送方向上流側の入口A付近と搬送方向下流側の出口B付近における吐出口36の間隔(周方向の間隔)よりも、感光ウエブ12の搬送方向中間部Cにおける吐出口36の間隔が大きく形成されており、感光ウエブ12の搬送方向中間部Cから搬送方向上流側の入口A付近と搬送方向下流側の出口B付近に向かって、吐出口36の間隔が徐々に小さくなるように形成されている。また、第1円筒体34には、感光ウエブ12が搬送時に対向しない部分(図3及び図4(B)中の上部)に吐出口36を有しない壁部34Aが設けられている。第1円筒体34の複数のスリット状の吐出口36から現像液が吐出されることで、感光ウエブ12が第1円筒体34の表面から浮揚し、非接触で方向転換されるようになっている。
【0050】
その際、感光ウエブ12の搬送方向中間部Cから搬送方向上流側の入口A付近と搬送方向下流側の出口B付近に向かって、吐出口36の間隔が徐々に小さくなるように形成されているので、入口A付近と出口B付近では、搬送方向中間部Cに比べて間隔が小さい吐出口36から現像液が吐出される。第1円筒体34の吐出口36から吐出された現像液は、感光ウエブ12の幅方向両端と入口Aと出口Bの4方向から排出されるが、一般的に、感光ウエブ12の入口A付近と出口B付近では感光ウエブ12と第1円筒体34とが接触しやすい傾向がある。本実施形態では、感光ウエブ12の入口A付近と出口B付近では、搬送方向中間部Cに比べて間隔が小さい吐出口36から現像液が吐出されるので、感光ウエブ12の入口A付近と出口B付近で十分な現像液が吐出され、帯状感光材と第1筒状体とが接触することが抑制される。
【0051】
第1円筒体34の長手方向両端部には、第1円筒体34の表面から半径方向に突出し、感光ウエブ12の幅方向両端から排出される現像液の排出量を規制するフランジ状の規制板42が設けられている。この規制板42は、感光ウエブ12の幅方向両端よりも外側、すなわち、感光ウエブ12の幅方向長さよりも広い間隔で配置されている。本実施形態では、感光ウエブ12の両端縁から約10mm離れた位置に設けられている。規制板42により感光ウエブ12の幅方向両端から排出される現像液の排出量を規制することで、第1円筒体34と感光ウエブ12との間隔を調整するようになっている。規制板42の半径方向の高さは、吐出口36からの現像液の吐出により感光ウエブ12が浮揚したときに、第1円筒体34と感光ウエブ12との間隔より高くなるように設定されている。
【0052】
第1円筒体34の吐出口36から噴出した現像液は感光ウエブ12の幅方向両端と感光ウエブ12の搬送方向における入口Aと出口Bの4方向から排出される。このため、感光ウエブ12の幅方向両端からの現像液の排出は、感光ウエブ12の幅方向中央部と幅方向両端での現像液の滞留時間に差が生じやすく、銀塩含有層表面の現像液の更新に差が生じ、その結果、銀塩の現像進行に差が生じて幅方向に現像銀画像のムラが生じやすくなる傾向がある。本実施形態では、規制板42を配置して感光ウエブ12の幅方向両端からの現像液の排出を規制することで、第1円筒体34と感光ウエブ12との間の間圧が上昇し、感光ウエブ12の幅方向中央部と幅方向端部の現像液の滞留時間の差を小さくすることができる。
【0053】
第1円筒体34の吐出口36は、図4(C)に示されるように、第1円筒体34の内側で狭く、第1円筒体34の外側で広くなるようにテーパ状に形成されている。これにより、吐出口36から吐出される現像液の流圧が高くなることが抑制され、感光ウエブ12の膜剥がれの発生を抑制することができる。なお、吐出口36は、本実施形態のようにテーパ状に形成せずに、第1円筒体34の内側と外側とで略同一幅としてもよい。
【0054】
第1円筒体34の吐出口36の開口率は、小さい方が現像液の吐出量が少なく、第1円筒体34と感光ウエブ12間の圧力を維持して感光ウエブ12を浮揚させるのに有利であるため、吐出口36のスリット巾は0.3〜0.5mm(内側の狭い部分の巾)が好ましく、開口率は0.6〜2%が好ましい。また、開口率は0.8〜1%がより好ましい。ここで、開口率は、吐出口36のスリット巾をL(mm)とし、第1円筒体34の直径をD(mm)としたとき、
【0055】
開口率(%)=L×スリット本数/πD
【0056】
で求められる。吐出口36の開口率を0.6〜2%に設定することで、複数の吐出口36から排出される現像液の量を適切に調整することができる。なお、スリット形状の場合、一般的に幅方向に渡って液の噴出流量に分布(偏り)が出やすいと言われているが、吐出口36のスリット巾は0.3〜0.5mmのように狭くすることで、円筒体内部の流量分布をなくして幅方向に均一な浮上を得るようできる。
【0057】
感光ウエブ12の搬送方向上流側の入口Aと搬送方向下流側の出口Bには、第1円筒体34の表面と所定の間隔をおいてガイドローラ44が配設されている。第1円筒体34の長手方向両端部には、支持部材46が配設されており、支持部材46にガイドローラ44の軸部44Aが回転可能に支持されている。このガイドローラ44によって感光ウエブ12が搬送方向に案内され、入口A付近と出口B付近で感光ウエブ12が第1円筒体34に接触することが抑制される。
【0058】
なお、第1円筒体34は、本実施形態では中空円筒体であるが、楕円もしくは半円筒でもよい。
【0059】
第2円筒体38は、第1円筒体34の内部に全幅に渡って挿入されている。第2円筒体38の長手方向の一端38Aには、現像液を導入する管状導入部48が接続されており、長手方向の他端38Bは蓋部38Cで塞がれている。第2円筒体38の一端38Aの管状導入部48よりも中央部側には、第2円筒体38の周囲に環状の取付板70が設けられており、ビス72によって取付板70が第1円筒体34に取付けられている。第2円筒体38には、長手方向に沿って複数の円形の噴出口40が設けられている。複数の噴出口40は、長手方向の他端38B側の口径が小さく、他端38B側から長手方向の一端38A側に向かうに従って口径が徐々に大きくなるように形成されている。また、複数の噴出口40は、中心がほぼ等間隔となるように配置されている。噴出口40の口径の合計は第2円筒体38の内径に等しく、口径の決定は圧力損失計算と実験により決定した。本実施形態では、図5に示されるように、噴出口40の中心間の間隔は約45mmであり、第2円筒体38の内径は約25mmであり、また、第2円筒体38の幅方向長さは約800mmに設定されている。また、第2円筒体38の長手方向の一端38A側の最も導入側に近い噴出口40Aの口径は約6.8mmに設定され、第2円筒体38の長手方向の他端38B側の最も端末側に近い噴出口40Bの口径は約5.4mmに設定されている。
【0060】
この第2円筒体38では、複数の噴出口40の口径を長手方向の他端38B側から一端38A側に向かうに従って徐々に大きくなるように形成すると共に、噴出口40の中心をほぼ等間隔に配置することにより、第1円筒体34の複数の吐出口36から吐出される現像液が幅方向においてほぼ均一となる。第2円筒体38の複数の噴出口の口径を長手方向の一端38A側から他端38B側まで同径にした場合、または第2円筒体38を第1円筒体34への導入口にのみ配置した場合には、第1円筒体の他端38B側(端末側)は静圧が大きく、吐出口36からの現像液吐出量が大きくなり、現像液の一端38A側(導入側)は現像液吐出量が小さくなる。
【0061】
また、図4(B)に示されるように、複数の噴出口40は、第1円筒体34の吐出口36を有しない壁部34Aと対向する位置(図3及び図4(B)中の上部)に設けられている。複数の噴出口40を第1円筒体34の壁部34Aと対向する位置に設けることで、複数の噴出口40から噴出された現像液が第1円筒体34の壁部34Aに当たって動圧が抑制されると共に、壁部34Aの両側に流れた現像液が第1円筒体34の吐出口36から吐出される。これにより、複数の噴出口40から噴出された現像液が第1円筒体34の吐出口36から直接吐出されるショートパスなどが抑制される。
【0062】
図2に示されるように、現像処理槽16の上部には、現像液吸い込み口50A、50Bが設けられており、現像液吸い込み口50A、50Bにそれぞれ接続される配管52は1本の配管53となり、配管53には、ポンプ54、自動定流量弁(流量調整弁)56、流量計58、プレート式熱交換器60が設けられている。また、配管53の下流側端部は管状導入部48に接続されている。ここで自動定流量弁56は圧力変動による流量変動をなくす目的で設置され、流量計58は流量を管理する目的で設置され、プレート式熱交換器60は槽内温度ほぼ一定に保つために設置されている。
【0063】
また、現像処理槽16とは別に補充用の現像液を貯留する補充タンク62が設けられており、補充タンク62には配管64が接続され、配管64にポンプ66が設けられている。配管64の下流側は2本の配管65に分岐され、現像処理槽16の上部の現像液吸い込み口50A、50Bの近くに導かれている。感光ウエブ12の現像処理においては、感光ウエブ12の現像処理量に従って現像液の補充が重要である。本実施形態では、液中ターンバー28Aへの現像液の供給は現像処理槽16内の現像液32を循環して行うが、この循環経路上に現像液を補充することで、現像処理槽16内の現像液32の濃度をほぼ均一に維持することができる。また、補充する現像液を循環経路上の現像液吸い込み口50A、50B付近に滴下することで、乱流流れの配管52、53内で混合され、液中ターンバー28A内部の第2円筒体38に幅方向にほぼ均一に供給される。さらに、第1円筒体34の複数の吐出口36から現像液が吐出された後は、感光ウエブ12の入口A、出口B方向、及び感光ウエブ12の幅方向両端から排出され、現像処理槽16内の流動及び拡散で均一化される。
【0064】
このような液中ターンバー28Aでは、第1円筒体34の複数のスリット状の吐出口36から、1m当たりの現像液の吐出量が50〜200l/min(リットル/分)となるように現像液を吐出するように設定している。また、1m当たりの現像液の吐出量は、70〜150l/min(リットル/分)がより好ましく、80〜100l/min(リットル/分)がさらに好ましい。
【0065】
また、感光ウエブ12を搬送するときの張力は、3N/m以上、150N/m以下とすることが好ましい。張力を3N/m未満にすると、支持ロール26が回転しなくなり、フィルムに傷がついてしまった。また150N/mを超えると、感光ウエブ12に皺が発生して液中ターンバー表面にフィルムが接触して現像銀画像に傷をつける問題があった。
【0066】
また、現像処理装置10における現像液の温度は、感光ウエブ12の銀塩含有層の膜強度、現像処理速度によるが、16℃〜40℃の範囲が好ましく、20℃〜36℃の範囲がより好ましい。
【0067】
次に、本実施形態の現像処理方法が適用される液中ターンバー28Aの作用について説明する。
【0068】
液中ターンバー28Aへの現像液32の供給は、現像処理槽16の上部に設けられた現像液吸い込み口50A、50Bから配管52、53を経由してポンプ54に送られ、自動定流量弁56、流量計58、プレート式熱交換器60を経由して管状導入部48から第2円筒体38に導かれる。第2円筒体38では、複数の噴出口40の口径が長手方向の他端38B側から一端38A側に向かうに従って徐々に大きくなるように形成されており、複数の噴出口40から現像液が第1円筒体34の内部に幅方向にほぼ均一に噴出される。その際、図4(B)に示されるように、第2円筒体38の複数の噴出口40から現像液が第1円筒体34の内部の壁部34Aの方向(矢印方向)に噴出され、さらに第1円筒体34の壁部34Aの両側に流れた現像液が第1円筒体34の複数のスリット状の吐出口36からポンプ54の圧送によって第1円筒体34と感光ウエブ12との間に吐出される。複数の吐出口36から吐出された現像液は、感光ウエブ12のガイドローラ44付近の入口Aと出口B、及び第1円筒体34の幅方向両端側の感光ウエブ12の幅方向両端から排出される。複数の吐出口36から吐出される現像液により、感光ウエブ12が第1円筒体34から浮揚し、第1円筒体34と非接触で搬送されて方向転換される。
【0069】
また、補充タンク62から補充される現像液(補充液)は、配管64を経てポンプ66に送られ、配管65を経由して現像処理槽16の現像液吸い込み口50A、50Bの近くに滴下される。滴下された現像液(補充液)は循環経路中の配管52、53内の乱流によって完全混合され、第2円筒体38の複数の噴出口40から第1円筒体34の内部に幅方向にほぼ均一に噴出される。
【0070】
このような液中ターンバー28Aでは、第1円筒体34の複数のスリット状の吐出口36から、1m当たりの現像液の吐出量が50〜200l/minとなるように現像液を吐出するように設定することにより、液中ターンバー28A(第1円筒体34)の表面から感光ウエブ12が幅方向にほぼ均一に浮揚し、感光ウエブ12と液中ターンバー28Aの表面とが所定の間隔で維持される。このため、液中ターンバー28Aの表面と感光ウエブ12との接触による感光ウエブ12の銀汚れ、傷などの発生が抑制されると共に、現像液の吐出流が大きいことによる膜剥がれ(銀塩塗膜や現像銀画像の剥がれ)などの発生が抑制される。このため、感光ウエブ12の幅方向においてムラの無いほぼ均一な現像銀画像(金属銀部)を得ることができる。
【0071】
これに対して、液中ターンバー28Aの1m当たりの現像液の吐出量が、50l/minより小さいと、液中ターンバー28Aの表面からの感光ウエブ12の浮揚が不十分となり、液中ターンバー28Aの表面と感光ウエブ12との接触により感光ウエブ12の銀汚れ、傷などが発生する可能性がある。また液中ターンバー28Aの1m当たりの現像液の吐出量が、200l/minより大きいと、現像液の吐出流が大きくなり、膜剥がれなどが発生する可能性がある。なお、膜剥がれは感光ウエブ12の種類によって発生の頻度が異なるが、例えば、硬膜処理されていない感光ウエブ(無硬膜感光ウエブ)のときに発生し易い。本発明では、上述した構成の液中ターンバーを使用して現像液の吐出量を調整することで硬膜処理されていない感光ウエブに対しても効率的に現像処理を行うことができる。なお、本発明では、銀塩感光層に硬膜剤が添加されてゼラチン膜質が強化されたものが硬膜処理されたものであり、硬膜剤が添加されていないものが硬膜処理されていないものである。
【0072】
また、液中ターンバー28Aの両端側の感光ウエブ12の幅方向両端から排出される現像液の排出量を規制板42によって規制することで、感光ウエブ12と液中ターンバー28Aとの間隔を調整する。これにより、感光ウエブ12と液中ターンバー28Aとの間隔が幅方向にほぼ均一となり、液中ターンバー28Aの表面と感光ウエブ12との接触による感光ウエブ12の銀汚れ、傷などの発生が抑制されると共に、現像液の吐出流が小さくても感光ウエブ12と液中ターンバー28Aとの間隔が一定に保持される。
【0073】
また、第1円筒体34の吐出口36の開口率を0.6〜2%に設定することで、複数の吐出口36から排出される現像液の量が適切に調整され、感光ウエブ12と液中ターンバー28Aとの間隔がほぼ均一となる。このため、感光ウエブ12の銀汚れ、傷、膜剥がれなどの発生が抑制される。これに対して、吐出口36の開口率が0.6%より小さいと、吐出口36から排出される現像液の量が不十分となり、液中ターンバー28Aの表面と感光ウエブ12との接触により感光ウエブ12の銀汚れ、傷などが発生する可能性がある。また、吐出口36の開口率が2%より大きいと、現像液の吐出流を大きくする必要があるため、膜剥がれなどが発生する可能性がある。
【0074】
本発明の現像処理装置10により現像処理されて得られた感光ウエブ12は透光性電磁波シールド膜に好適に使用することができ、感光ウエブ12の現像銀画像(金属銀部)にめっき処理して導電膜を形成することで、ムラの無いほぼ均一な透光性電磁波シールド膜(導電膜付きフィルム)を得ることができる。
【0075】
次に、感光ウエブ12について説明する。感光ウエブ12は、例えば、光透過性支持体(支持フィルム)上に銀塩(例えばハロゲン化銀)が含有した銀塩含有層を設けた、感光材料からなる長尺幅広フレキシブル基材である。また、銀塩含有層上には保護層が設けられていてもよく、この保護層とは例えばゼラチンや高分子ポリマーといったバインダーからなる層を意味し、擦り傷防止や力学特性を改良する効果を発現するために銀塩含有層上に形成される。保護層の厚みは0.02〜20μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜10μmであり、さらに好ましくは0.3〜3μmである。
【0076】
これらの銀塩含有層や保護層の組成などは、銀塩写真フィルム、印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に適用されるハロゲン化銀乳剤層(銀塩含有層)や保護層を適宜適用することができる。
【0077】
特に、感光ウエブ12(感光材料)としては、銀塩写真フィルム(銀塩感光材料)が好ましく、白黒銀塩写真フィルム(白黒銀塩感光材料)が最もよい。また、銀塩含有層に適用する銀塩としては、特にハロゲン化銀が最も好適である。
【0078】
一方、光透過性支持体としては、単層のプラスチックフィルムや、これを2層以上組み合わせた多層フィルムを適用することができる。プラスチックフィルムの原料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、及びポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、EVAなどのポリオレフィン類;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂;その他、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)などを用いることができる。
【0079】
これらの中でも、透明性、耐熱性、取り扱いやすさ及び価格の点から、支持体としてのプラスチックフィルムは、銀塩写真フィルム(銀塩感光材料)に通常適用されるポリエチレンテレフタレートフィルムやセルロールトリアセテートフィルム、また、その他、ポリイミドフィルムであることが好ましい。特に、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることが最も好ましい。
【0080】
また、ディスプレイ用の電磁波遮蔽材では透明性が要求されるため、支持体の透明性は高いことが望ましい。この場合における光透過性支持体の全可視光透過率は70〜100%が好ましく、さらに好ましくは85〜100%であり、特に好ましくは90〜100%である。
【0081】
感光ウエブ12の幅は、例えば、50cm以上とし、厚みは50〜200μmとすることがよい。
【実施例】
【0082】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明する。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。得られた現像銀画像フィルムについては下記の方法により評価した。
【0083】
〔評価方法〕
〈現像銀ムラ〉
銀量分析器にて幅方向の現像銀のばらつきを現像処理前の銀塩含有層の銀量ばらつきと比較した。
【0084】
〈フィルム表面性状〉
透過光、反射光での目視検査及び、10倍ルーペ、光学顕微鏡50倍にて膜剥がれ、傷汚れがないかを判断した。
【0085】
〔製造例1〕
(銀塩含有感光材料塗布試料の作製)
塩化銀70モル%、沃化銀0.08モル%を含む平均粒子径0.22μm、変動係数9%ヨウ塩臭化銀乳剤を用いて調製した乳剤層塗布液を65cm幅のポリエチレンテレフタレート(PET)上にAg7.8g/m2、ゼラチン0.94g/m2になるように塗布し、その後乾燥させたものを塗布試料とした。
【0086】
(露光)
次いで、乾燥させた塗布膜に、ライン/スペース=5μm/195μmの現像銀を与えうる格子状のフォトマスクライン/スペース=5μm/195μm(ピッチ200μm)のスペースが格子状であるフォトマスクを介して高圧水銀ランプを光源とした平行光を用いて露光した。
【0087】
〔実施例1〕
図1に示した現像処理装置10を用い、製造例1で得られた露光済みフィルム(感光ウエブ12)の現像処理を行った。この現像処理装置10は、第1槽目が現像処理槽16であり、幅0.9m×長さ0.25m×高さ0.5mの現像処理槽16に約100リットルの現像液が貯留され、温度は20℃に保たれる。第2槽目は定着槽18であり、幅0.9m×長さ0.25m×高さ1mの定着槽18に約200リットルの定着液が貯留され、温度は20℃に保たれている。第3槽目は水洗槽20であり、幅0.9m×長さ0.25m×高さ1mの槽に約200リットルの純水が貯留されており、温度は20℃に保たれ、毎分2リットルの純水が供給され、水洗槽20からオーバーフローされる。
【0088】
現像処理槽16、定着槽18、水洗槽20の各処理槽には、図2に示す液中ターンバー28A、28B、28C(以後、28A、28B、28Cを区別する必要がない場合はA、B、Cを省略する)が設置されており、液中ターンバー28は、複数の吐出口36から処理液を幅方向にほぼ均一に吐出すると共に、処理槽内の処理液がほぼ均一になるように処理液が循環されている。また、現像処理槽16内の液中ターンバー28Aでは、第1円筒体34の複数のスリット状の吐出口36から、1m当たりの現像液の吐出量が50〜200l/minとなるように現像液を吐出するように設定した。また、液中ターンバー28Aの両端部では規制板42によってフィルム(感光ウエブ12)の両端から排出される現像液量を規制し、また、吐出口36の開口率は0.6〜2%に設定した。
【0089】
図1に示した現像処理装置10でフィルム(感光ウエブ12)を1.0m/minの速度で搬送した。現像処理槽16での滞留時間は液中60秒であり、定着槽18、水洗槽20での滞留時間はそれぞれ液中2分であり、該各処理槽出口で処理液がエアーナイフ30A、30Bで掻き落され、さらに温風発生装置22A、22Bから50℃の温風を送って乾燥させて所望の現像銀画像フィルムを得た。この現像処理を行ったフィルムA−1の評価結果を表1と図6に示す。また、現像処理を行う前のフィルム(フィルムA)のAg量ばらつきを図8に示す。
【0090】
〔比較例1〕
図1に示した現像処理装置10を使用し、図2に示した液中ターンバー28内部の第2円筒体38を設けずに液中ターンバー28の一端側(片方)から処理液を導入し、実施例1の条件でフィルム(感光ウエブ12)を現像処理して得たフィルムA−2の結果を表1と図7に示す。
【0091】
〔比較例2〕
次に図1に示した現像処理装置10を使用し、図3に示した液中ターンバー28に配置した第1円筒体34に代えて、図9に示す第1円筒体100を設けた。第1円筒体100は、表面に複数の矩形状の吐出孔102を千鳥模様に配列したものである。その他の液中ターンバー28の構成は同じであり、実施例1の条件でフィルム(感光ウエブ12)を現像処理して得たフィルムA−3の結果を表1に示す。
【0092】
【表1】

【0093】
表1、図6に示すように、本発明の現像処理装置10により得られた現像銀画像フィルムは、表面に傷、汚れ、ムラがなく幅方向現像銀量ばらつきもほぼ均一であることが判った。表1、図7に示すように、比較例1では液中ターンバー28への処理液を一端側(片方)から供給したが、液中ターンバー28からの処理液の吐出量が処理液供給側よりもその反対側が多く、フィルムの浮揚が幅方向の左右で異なったためフィルム表面に擦れた跡が観察され、銀量分布も左右のバランスが悪くなった。また、表1に示すように、比較例2では第1円筒体100を用いたが、フィルムの全幅に渡って等間隔の濃淡筋が観察された。
【0094】
〔実施例2〜実施例6〕
次に、無硬膜フィルムBと、硬膜剤をゼラチン当たり1%添加してゼラチン膜を強くしたフィルムCとを用い、図1に示した現像処理装置10を用いて第1円筒体34からの現像液の吐出流量を変化させて現像処理を行った。
【0095】
表2に示されるように、使用するフィルムの種類と、現像液の吐出流量については、実施例2〜実施例6、比較例3及び比較例4のように条件を変えて評価を行った。
ここで、無硬膜フィルムBは、製造例1に示すフィルムでゼラチン硬膜していないフィルムである(表2中のフィルムNo B−1〜B−6)。また、フィルムCは、製造例1に示すフィルムでゼラチン硬膜として硬膜剤をゼラチン当たり1%添加してPET上に塗布して乾燥させた試料である(表2中のフィルムNo C−1)。
【0096】
【表2】

【0097】
フィルム性状を評価した結果を表2に示す。比較例3に示されるように、吐出流量40L/min・mでは、第1円筒体34とフィルムB−1の隙間が狭くなり第1円筒体34にフィルムB−1が接触することがあり、現像液が塗布膜の剥がれで濁るのが観察されるとともに、乾燥されて出てきたフィルムB−1はキズがあり画像が無い部分もあった。
【0098】
また、実施例2〜実施例5に示されるように、吐出流量50L/min・m〜200L/min・mの範囲では、第1円筒体34とフィルムB−2〜B−5の隙間は幅方向にほぼ一定に確保されて安定に搬送された。乾燥されてでてきたフィルムB−2〜B−5にはスジ、キズがなく良好であった。
【0099】
また、比較例4に示されるように、吐出流量250L/min・mでは、第1円筒体34とフィルムB−6の隙間は確保されて安定に搬送されたが、噴流でフィルムB−6上の塗膜が剥がされ、現像液が濁るのが観察された。さらに、乾燥後のフィルムB−6には膜剥がれの後があり、画像にムラがあった。
【0100】
次に、実施例6に示されるように、吐出流量200L/min・mで硬膜剤で塗膜を強くしたフィルムC−1を用いて現像処理をしたところ、現像液の濁りもなく乾燥後のフィルムC−1も良好であった。
【0101】
なお、本実施形態では、光透過性電磁波遮蔽材料を製造する装置及び製造方法について説明したが、これに限られず、例えば、その他工業品などの微細な導電性金属部からなる細線状パターンを有する光透過性導電性材料の製造装置及び製造方法としても適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の一実施形態における感光材現像処理方法が適用された現像処理装置を示す概略構成図である。
【図2】図1に示す現像処理装置で用いられる液中ターンバーの長手方向に沿って切断した状態で示す構成図である。
【図3】図1に示す現像処理装置で用いられる液中ターンバーを示す分解斜視図である。
【図4】図1に示す現像処理装置で用いられる液中ターンバーを示す側面図、液中ターンバーの長手方向と直交する方向に切断した状態で示す構成図、吐出口の部分拡大図である。
【図5】液中ターンバーに用いられる第2円筒体の長手方向に沿って切断した状態で示す構成図である。
【図6】実施例1のフィルムの現像処理後の幅方向のAg量ばらつきを示すグラフである。
【図7】比較例1のフィルムの現像処理後の幅方向のAg量ばらつきを示すグラフである。
【図8】現像処理前のフィルムの幅方向のAg量ばらつきを示すグラフである。
【図9】比較例2の液中ターンバーに用いられる第1円筒体を示す側面図である。
【符号の説明】
【0103】
10 現像処理装置
12 感光ウエブ(帯状感光材)
16 現像処理槽
18 定着槽
20 水洗槽
26 支持ロール
28A 液中ターンバー(感光材方向転換部材)
28B 液中ターンバー(感光材方向転換部材)
28C 液中ターンバー(感光材方向転換部材)
32 現像液
34 第1円筒体
36 吐出口
38 第2円筒体
38A 一端
38B 他端
40 噴出口
42 規制板
44 ガイドローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持フィルム上に銀塩含有層を有する帯状感光材を現像液内に搬送して現像処理すると共に、前記現像液内で前記帯状感光材の搬送方向と交差する方向に配置された感光材方向転換部材で前記帯状感光材を方向転換させる感光材現像処理方法であって、
前記感光材方向転換部材の表面に長手方向に沿って形成された複数のスリット状の吐出口から、1m当たりの前記現像液の吐出量が50〜200l/minとなるように前記現像液を吐出し、前記帯状感光材を前記感光材方向転換部材から浮揚させて非接触で方向転換させることを特徴とする感光材現像処理方法。
【請求項2】
支持フィルム上に銀塩含有層を有する帯状感光材を現像液内に搬送して現像処理すると共に、前記現像液内で前記帯状感光材の搬送方向と交差する方向に配置された感光材方向転換部材で前記帯状感光材を方向転換させる感光材現像処理方法であって、
前記感光材方向転換部材の表面に長手方向に沿って形成された複数のスリット状の吐出口から前記現像液を吐出し、前記帯状感光材を前記感光材方向転換部材から浮揚させて非接触で方向転換させると共に、
前記感光材方向転換部材の幅方向両端部に設けた規制板で前記帯状感光材の幅方向両端から排出される前記現像液の排出量を規制し、前記帯状感光材と前記感光材方向転換部材との間隔を調整することを特徴とする感光材現像処理方法。
【請求項3】
前記吐出口の開口率を0.6〜2%に設定して前記吐出口から吐出される前記現像液の量を調整することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の感光材現像処理方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の感光材現像処理方法を用いて前記帯状感光材を現像処理して金属銀部を形成する工程と、
前記金属銀部の上にめっきして導電膜を形成する工程と、
を有することを特徴とする導電膜付きフィルムの製造方法。
【請求項5】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の感光材現像処理方法において、
前記感光材方向転換部材が、
前記帯状感光材の搬送方向と交差する方向に配置され、表面に長手方向に沿って前記現像液を吐出する複数のスリット状の吐出口を備えた第1筒状体と、
前記第1筒状体の内部に配置され、前記現像液を噴出する噴出口を備えた第2筒状体と、
を有することを特徴とする感光材現像処理方法。
【請求項6】
前記帯状感光材の搬送方向上流側と搬送方向下流側の前記吐出口の間隔が、前記帯状感光材の搬送方向中間部の前記吐出口の間隔よりも小さいことを特徴とする請求項5に記載の感光材現像処理方法。
【請求項7】
前記第1筒状体の長手方向両端部に設けられ、前記第1筒状体の表面から突出し、前記帯状感光材の幅方向両端から排出される前記現像液の排出量を規制する規制板を設けたことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の感光材現像処理方法。
【請求項8】
前記第1筒状体の表面からの前記規制板の高さは、前記第1筒状体の表面と前記帯状感光材との間隔より高いことを特徴とする請求項7に記載の感光材現像処理方法。
【請求項9】
前記吐出口が、前記第1筒状体の裏面側で狭く、前記第1筒状体の表面側で広くなるテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項5から請求項8までのいずれか1項に記載の感光材現像処理方法。
【請求項10】
前記第2筒状体が、長手方向の一端に前記現像液を導入する導入部を備え、
前記噴出口が長手方向に形成された複数の噴出孔であり、
長手方向の他端側に設けられた前記噴出孔が、長手方向の一端側に設けられた前記噴出孔よりも小さいことを特徴とする請求項5に記載の感光材現像処理方法。
【請求項11】
前記第2筒状体の長手方向の前記他端側から前記一端側に向かうに従って、前記噴出孔が徐々に大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項10に記載の感光材現像処理方法。
【請求項12】
前記第1筒状体は、前記噴出口と対向する部分に前記吐出口を設けないことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の感光材現像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−271476(P2009−271476A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−127105(P2008−127105)
【出願日】平成20年5月14日(2008.5.14)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】