説明

感受性洗濯洗剤または洗浄剤含有物質の顆粒物

本発明は、感受性洗濯-または洗浄剤を含有する材料の顆粒物であって、下記の成分:(a)感受性洗濯-または洗浄剤を含有する材料;(b)個別支持材料(吸着剤);(c)(b)と異なる、結合剤としての成分;および、(d)(b)および(c)と異なる、任意の付加的成分;を含有し、24時間後に少なくとも50%の崩壊指数を示す顆粒物に関する。このような顆粒物は、液体-またはゲル-形成水性洗濯-または洗浄剤における使用に特に適している。本発明は、洗濯-および洗浄剤に関するそのような顆粒物の製造法、ならびにそのような顆粒物の製造のための、適切な成分(a)、(b)、(c)および(d)の使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、洗濯洗剤または洗浄剤組成物の感受性成分の顆粒物、そのような顆粒物の製造法、対応する洗濯洗剤および洗浄剤組成物、ならびにそのような顆粒物の製造に好適な成分の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯洗剤または洗浄剤組成物の感受性成分、特に固体形態の酵素の組み込みに関して、広範囲な先行技術が存在する。それは、粒子、さらに好ましくは複数の成分から成るので、一緒になって顆粒物の表現形態を生じる顆粒物粒子(granulate particles)(粒子、ペレット)を包含する。洗濯洗剤および洗浄剤組成物を製造するために、顆粒物の形態の極めて多様な成分を、好適な、大抵は固体の物質に組み込むことが一般的な方法である。
【0003】
これの根本的代替法は液体状態の酵素の組み込みによって示され、該酵素は一般に、液体またはゲル化洗濯洗剤および洗浄剤組成物に前もって混合される。しかし、この形態において、酵素は、該洗濯洗剤および洗浄剤組成物の他の成分の負の作用に対して物理的に保護されない。いくつかの成分に関して、この不利益は、化学物質を添加することによって克服でき;例えば、阻害剤を添加することによって、例えばプロテアーゼが、他の酵素分子を加水分解するのを防止する。繰り返しの凍結および解凍からの負の作用は、例えばポリオールの添加によって、除くことができる。しかし、他の成分、特に漂白剤は、貯蔵中に感受性成分に負の作用をするのを、困難を伴って抑制し得るにすぎない。
【0004】
酵素および他の感受性成分を、主に液体またはゲル化洗濯洗剤および洗浄剤組成物中の他の成分の作用から保護するために、種々の解決法が先行技術に提示されている。1つは、全配合を適切に設計することから成る。すなわち、例えば、WO 2004/110610 A1は、ハロゲン化物イオン含有量を最小限にし、pHを酸性ないし中性pH値に下げ、遊離または活性界面活性剤の含有量を最小限にし、非イオン界面活性剤の含有量を最小限にし、錯化剤を添加し、カタラーゼを添加し、ペルオキシカルボン酸の貧溶媒である溶媒を添加すること等によって、界面活性剤含有水性分散物中のペルオキシカルボン酸を安定化することを開示している。ここで、イオン強度を制御することによってペルオキシカルボン酸の溶解を減少させ、かつ、水誘導加水分解反応を遅くするために、できる限り、潜在的反応相手を添加しないようにもされている。
【0005】
他の方法は、攻撃的成分をカプセル化し、それによって液体組成物の貯蔵中に該成分がいずれの他の成分とも反応できないようにすることから成る。例えば、有機ペルオキシカルボン酸を有する粒子を被覆するための、貯蔵安定性の多層高分子電解質カプセル系が、WO 2004/110610 A1に開示されている。可能な代替的被覆手段として、3種類のカプセルがWO 2004/110612 A1に記載されており、これらは、少なくとも1つの無機塩、例えば硫酸塩に基づいたカプセル外皮を有する。これに関する他の代替物は、WO 2004/110611 A1における漂白剤の表現形態(ペルオキシカルボン酸を、含み覆うゲルカプセル)である。しかし、これらの方法は、酵素の貯蔵安定性に関して不満足な結果しか生じない。特に35℃を超える貯蔵温度において、配合物の製造後すぐに、溶解漂白剤の濃度が、実質的に全てのこれらの溶液にとってほとんど許容できないレベルにまで増加する。
【0006】
基本的に異なる方法は、固体顆粒物の形態の感受性成分を、液体洗濯洗剤および洗浄剤組成物に添加することから成る。この発想は、固体組成物における使用のための酵素顆粒物の製造から収集された広範囲な経験に基づく。実際に、酵素顆粒物は、先行技術において、洗濯洗剤および洗浄剤組成物における使用に関してしばしば記載されているが、液体組成物は、まれにしか記載されておらず、多くは、液体および固体組成物を明確に区別せずに洗濯洗剤および洗浄剤組成物について一般的に記載している。これは、ここ数年で液体およびゲル化組成物が集中的に開発されているにすぎず、以前の先行技術文献は、実質的に常に固体組成物を扱ってきたことによる。固体組成物用に開発された顆粒物は、液体、特に水性組成物への組み込みには一般に適さないが、これは、該顆粒物が該水性組成物中で物理的に不安定であり、即ち、該顆粒物が溶媒の作用によって急速に分解するからである。
【0007】
固体形態の酵素を液体組成物に添加することは、WO 99/00471 A1およびWO 99/00478 A1に開示されている。両方の場合に、酵素は、固体組成物にそれらを添加する場合にも一般にそうであるようにプリル(小粒)に形成されており、即ちこの固体形態に外部保護を与えていない。さらに、両方の場合に、これは、無水組成物に関係していた。これら出願の内、第一の出願は、固体粒子が、その密度に関して、中程度の密度(即ち、1.7g/mL未満)に匹敵し、それによって貯蔵中の粒子の適切な安定性を確実にすることを開示している。これら出願の内、第二の出願は、含有されている酵素の洗浄力が、エチレンジアミン-N-N'-二琥珀酸(EDDS)またはその塩を添加することによって増加されることを開示している。
【0008】
その後の開発は、主に、酵素粒体または粒子を他の成分と共に保護コーティングによって付加的に覆うことに集中している。例えば、WO 00/29534 A1は、種々の層を不活性コアまたは担体に付着させる顆粒物の製造を開示している。これらの層の中に酵素層も存在することができ、該酵素層は1つまたは複数の保護コーティングの必須外部被覆を有する。二酸化チタン、メチルセルロース(Methocel A15)、ポリエチレングリコール(PEG 500)、ポリビニルアルコール(Elvanol 51-05)のような物質および特定の非イオン界面活性剤(Neodol 23-6.5)が、酵素用の保護コーティングとして開示されている。その開示によれば、これらの粒体は高安定性および低ダスト数を示す。液体、および無水または本質的に無水の組成物における適用性は、確かに示唆されているが実証されていない。主として水性の組成物に関する適用可能性は、明確には考慮されていない。
【0009】
この応用分野用の酵素を含む顆粒物のためのPEG含有コーティングが、例えばWO 96/38527 A1およびWO 97/39116 A1に記載されている。この場合、PEG含有層は、二酸化チタンも含むことができる。この目的のためのPEGおよびPVAの基本的互換性は、例えばWO 00/63336 A1に開示されている。
【0010】
水性組成物においても使用することができる感受性成分用の液体付着性コーティング系も、EP 1586241 A1に開示されている。コーティング系は、60〜95wt%のワックス、3〜25wt%の脂肪酸、0〜20wt%の添加剤、および脂肪酸の遊離カルボキシル基の総量の少なくとも70%を中和するのに充分な量のアルカリ金属イオンから成る。これは、それがワックス/石鹸/脂肪酸混合物であることを意味する。
【0011】
さらに、疎水性またはワックス質材料への感受性成分の封入、さらには、多相系の形成も、先行技術に記載されている。例えば、WO 01/23513 A1によれば、酵素をワックスに封入し、この形態で、液体洗濯洗剤および洗浄剤組成物に添加することができ、該出願に開示されている組成物は実質的に無水である。
【0012】
EP 0356239 A2は、酵素が、特定の高分子保護材料(マトリックス)に均一に分散されているか、または該材料(高分子シェル)で被覆されている系を開示している。それらは、低水分の液体洗濯洗剤または洗浄剤組成物において保存した場合に、物理的に安定であると考えられ、それにより酵素の完全性が確実になり、洗浄サイクルの開始時に水で希釈した際に初めて分解する。WO 92/20771 A1は、基本的に、60wt%までの水分を有する液体洗濯洗剤配合物用の同溶液を開示している。
【0013】
WO 2005/028603 A1およびWO 2005/028604 A1は、70wt%までの水分を有する液体洗濯洗剤および洗浄剤組成物を開示し、該組成物において、含有されている酵素は、それらがゲルに封入されていることによって安定化されている。これは、特定のシランを用いて形成されている。このような場合も、封入された成分は、貯蔵中に保護され、水性洗濯液で希釈された際にのみ放出される。
【0014】
US 2005/0245418 A1は、水性洗濯洗剤および洗浄剤組成物において使用すために、水溶性ゲルへの酵素の封入を記載している。
【0015】
EP 0653485 A1は、酵素のような感受性成分の油への溶解または懸濁、およびこれらの油滴のポリマーカプセルへの組み込みを開示している。このようなカプセルは、液体媒質、例えば、35wt%までの水を含有する洗濯洗剤に添加し得るように設計され、洗浄液でさらに希釈された際にのみ破裂して内容物を放出する。
【0016】
さらに他の区画化法が、WO 03/106607 A1に開示されている。即ち、疎水性シリコーン環境において界面活性剤を用いて、酵素または酵素結晶を水性相に安定に維持することができ、該シリコーン相も、親水性外部相において界面活性剤によって安定化されている。
【0017】
液体またはゲル化、特に水性の洗濯洗剤または洗浄剤組成物に使用するための、化学的感受性成分、特に酵素を構成する定着した方法は、満足のいくものではない。それらはいずれにせよ液体であるために化学的に極めて繊細な調製物であり、それ以外に必要とされる活性物質の一部、特に漂白剤を避けるべきであり、顆粒物は物理的または化学的に不安定であるか、またはそれらはきわめて複雑な、即ち、多くの時間を要する高価な被覆系によってのみ安定形態で得られる。これらの課題は、実際に、水、漂白剤および酵素を含有する液体またはゲル化洗濯洗剤または洗浄剤組成物が現在市販されていないことによって示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
従って、液体またはゲル化洗濯洗剤または洗浄剤組成物、特に水性組成物において使用するための、特に酵素の、本質的に安定な包囲方法が現在も必要とされている。特に、比較的複雑でない、即ち、より低いコストの下記のような包囲方法が必要とされている:例えば液体調製物用の、高価な安定化化合物を添加しない方法;または、固体調製物の場合のように、高分子化学を使用する複雑な封入法を使用しない方法;および、感受性成分を添加することを意図した洗濯洗剤または洗浄剤組成物において、それ以外に必要とされる活性物質の一部、特に漂白剤の使用を避ける必要のない方法。
【0019】
これらの背景に鑑みて、本発明の目的は、感受性成分、特に酵素が、洗濯洗剤および洗浄剤組成物、特に液体、特に水性の洗濯洗剤および洗浄剤組成物中での貯蔵の間に、例えば攻撃的成分、特に漂白成分による失活に対して適切に保護されるような包囲形態を開発することである。有利には、それは比較的低コストで得られるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的は、洗濯洗剤または洗浄剤組成物の感受性成分の顆粒物であって、
(a)洗濯洗剤または洗浄剤組成物の感受性成分;
(b)粒状担体物質(吸着剤);
(c)(b)と異なる、結合剤としての成分;および
(d)(b)および(c)と異なる、任意の付加的成分。
を含む、24時間後に少なくとも50%の崩壊指数を有する顆粒物によって達成できる。
【0021】
このような顆粒物は、特に液体またはゲル化洗濯洗剤または洗浄剤組成物配合物において、本質的に物理的に安定であり、さらに、他の化合物に対して有効な保護を示す。従って、本出願の実施例に記載されているように、このように粒状化された酵素成分の活性は、それ以外は液体の組成物において、驚くほど長時間にわたって高レベルに維持される。特に、そのような組成物に含まれている漂白剤に対する保護を生じる。さらに、洗濯洗剤および洗浄剤組成物に使用した場合に、それらは適用時に優れた崩壊および溶解挙動を示し、含有物質の迅速な放出を可能にし、洗濯物にどのような残留物も実質的に残さない。さらに、それらは比較的容易に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明において、顆粒物は、固体包囲形態であって、複数の成分(この場合、成分(a)、(b)、(c)および任意に(d))が粉末形態ではなく個別の粒子または粒状化粒子(ショット、ペレット)の形態に調製された固体包囲形態を意味するものと理解される。それらの集合は顆粒物と称される。一般的に言えば、顆粒物は、整合した幾何学的形状を有さず;それらの表面は、むしろ、平滑、不均一、または角がある場合もある。多くの場合、該物質は大体において多孔質である。
【0023】
それらは、好ましくは、その粒状化粒子が本質的に均一な大きさ、および/またはほぼ球形を有する顆粒物である。
【0024】
製造法自体は当業者に既知である。例えば、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry(Wiley, VCH, 2005) における項目"Laundry detergents"の第6章 ("Production of Powdered etergents") において、多様な化学コンパウンドを包囲する種々の確立された先行技術法が、特に、洗濯洗剤および洗浄剤組成物における適用に関して記載されている。これらの方法として、押出法も挙げられ、該方法により、比較的高密度および無塵の製品を製造し得る。この文献によれば、押出しを使用して、酵素のような感受性成分を製造することもできる。本発明において、酵素調製物の熱への暴露を低く維持することができるので、これは特に有利である。原理的に、本発明によって全ての既知の押出法を使用することができる。従って、この製造法の故に押出物とも称することができる本発明の顆粒物が好ましい。
【0025】
代替押出法は、例えば、以下に見出される:ハンドブック"Wirbelschicht-Spruehgranulation" H. UhlemannおよびL. Moerl, Springer-Verlag, Berlin, Heidelberg, New York, 2000, 第1章(Grundlagen der Wirbelshicht-Spruehgranulation), p. 69-126、および第8章 (Verfahrensvarianten), p. 219-244。
【0026】
本発明において、洗濯洗剤または洗浄剤組成物の感受性成分(a)は、下記のような物質を意味するものと理解される:洗濯洗剤または洗浄剤組成物配合物に関して、該組成物の洗濯または洗浄性能に肯定的にかつ望ましく寄与し、かつ、該配合物の少なくとも1つの他の物質の作用によるか、または他の妨害物質(例えば、空気または包装材料からの物質)によって、その性能が損なわれ得るあらゆる化合物。洗濯洗剤または洗浄剤組成物のそのような感受性成分の例は、以下の物質である:
− 例えば漂白成分によって、少なくとも部分的に不活性化され得る酵素(例えば、プロテアーゼ、アミラーゼまたはセルラーゼ);
− 例えば酸化成分によって、対応する異なるまたは非芳香性の誘導体、例えばカルボン酸に変換され得る芳香剤または香料(例えば、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステルまたは不飽和化合物);
− 二重結合とアダクトを形成することによって蛍光発光挙動を失い得る蛍光増白剤(例えば、縮合二重結合を有するビフェニル誘導体);
− 尚早に、即ち貯蔵中に既に、漂白剤と反応し、それよって組成物の全体的漂白力を失わせる漂白活性剤。
【0027】
本発明の特徴的態様は、洗濯洗剤または洗浄剤組成物の感受性成分が、成分(b)および(c)によって本質的に均一な顆粒物にされることである。
【0028】
本発明において、本発明の顆粒物への組み込み前の粒状担体物質(b)は、下記のような物質を意味するものと理解される:室温固体、粉状または粒状の物質であって、化学的に極めて不活性であり、それによって顆粒物の製造、加工および貯蔵の条件下に、顆粒物または組成物の他のどの成分とも、顆粒物の全体的活性を損なうどのような程度にも反応しない物質。その構造により、それは、ある程度物理的に、液体またはゲル化またはペースト状の物質に、その表面で結合することができ、それにより本発明においてそれは吸着剤とみなすこともできる。
【0029】
粒状担体物質(b)は、以下のような無機物質を包含する:クレー、シリケートまたはスルフェート、特にタルカム、珪酸、金属酸化物、特に酸化アルミニウム、シリケート、特に層状シリケート、珪酸アルミニウムナトリウム、ベントナイトおよび/またはアルモシリケート(ゼオライト)および/または二酸化チタン。粒状担体物質(b)は、有機化合物、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、特に、少なくとも部分的に加水分解したPVAも包含する。洗濯洗剤または洗浄剤組成物に添加した際に、これらの化合物が付加的作用、例えばビルダー機能を果たす場合に、特に有利である。PEGは特に有利であることが判明していないので、少なくとも吸着剤の好ましい実施態様の特徴として本発明に含まれず、特に好ましくは、吸着剤の一部としてさえ含まれない。
【0030】
本発明において、結合剤(c)は、下記のような物質を意味するものと理解される:室温固体、ペースト状(ワックス状)または液体の物質であり、化学的に極めて不活性であり、それによって顆粒物の製造、加工および貯蔵の条件下に、顆粒物または組成物の他のどの成分とも、顆粒物の全体的活性を損なうどのような程度にも反応しない物質。結合剤(c)は(b)と異なる物質である。顆粒物製造の条件下に、それは極めて粘性であるか、または少なくとも、極めて粘性になり、それによって、実際に、他の成分を接着させる。これに関して、吸着剤との物理化学的相互作用が特に重要である。なぜならこの相互作用によって、得られる素材が全体的均質相になることができ、次に、該相を個々の顆粒物粒子に変換し得るからである。吸着剤成分および結合剤成分から主として形成されたこのマッシュ(かゆ状物、Brei)が、他の成分、特に包囲すべき成分を、捕捉する。成分(b)と(c)との相互作用は、顆粒物粒子の物理的安定性に特に寄与する。
【0031】
好適な結合剤は、前述の特性を有する無機または有機物質であり、例えば、下記の群から選択される非架橋高分子化合物である:ポリアクリレート、ポリメタクリレート、メタクリル酸−エチルアクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、多糖または置換多糖、特にセルロースエーテル、ポリビニルアルコール(PVA)、好ましくは部分加水分解ポリビニルアルコールおよび/またはエトキシル化ポリビニルアルコール、ならびにそれらのコポリマーおよび混合物。ポリエチレングリコールは、これに関して特に有利であることが判明しておらず、従って、結合剤の好ましい実施態様ではなく、特に好ましくは、結合剤の一部としてさえ含まれない。
【0032】
例えばPVAのようないくつかの化合物は、それらの吸着特性およびそれらの同時結合作用により、成分(b)ならびに成分(c)の両方として好適である。本発明によれば、それらが(b)として存在していない場合に、(c)として使用することができる。
【0033】
本発明において、任意の付加的成分(d)は、下記のような物質を意味するものと理解される:化学的に極めて不活性であり、それによって顆粒物の製造、加工および貯蔵の条件下に、顆粒物または組成物の他のどの成分とも、顆粒物の全体的活性を損なうどのような程度にも反応しない基本的にあらゆる化合物。
【0034】
可塑剤は、これら任意成分の注目すべき種類である。可塑剤は、顆粒物の製造法を向上させるために添加し得る化合物または混合物である。特に、可塑剤は、粒状化される化合物の粘性および/または可塑性(押出ストランドの引張強度など)に物理化学的作用を及ぼす。可塑剤は、好ましくは、0〜50wt%(顆粒物に基づく)の重量部分を占める。それは、好ましくは下記の群から選択される:水分散性有機ポリマー、ポリエチレングリコール(PEG)、特に短鎖PEG、脂肪酸または脂肪酸の塩、トリアセチンおよび/またはトリエチルシトレート、または多価アルコール、例えば1,2-プロパンジオールまたはグリセリン。
【0035】
溶解性向上剤(膨潤剤、崩壊助剤または崩壊剤としても知られている)も、これらの任意成分の注目すべき種類分である。溶解性向上剤は、本発明に従って、実際に崩壊させようとする際に、即ち、目的とする組成物の適用時に、顆粒物の溶解性を向上させるために添加し得る化合物または混合物である。実際に、洗濯洗剤および洗浄剤組成物は、一般に希釈形態で使用され、即ち、水性洗液に添加される。この水での強希釈の際に、水が顆粒物に拡散し、すぐに顆粒物が破裂し、その成分を放出して、作用を開始することができる。この崩壊過程は、溶解促進剤を添加することによって向上させることができる。
【0036】
これにより、例えば、粒状化成分のみが、組成物の1つまたは複数の他の成分より幾分遅れて溶解するという意味において、時間制御作用も生じ得る。従って、本発明の1つの実施態様として、例えば、粒状化酵素が組成物に含有されている任意漂白剤より遅れて作用を開始し、それにより漂白剤の一部が洗液中で既に反応しており、酵素がそれほど強く損なわれない場合が例示される。当然、類似の方法で、漂白剤または漂白活性剤の作用も遅延させることができる。
【0037】
溶解促進剤は、好ましくは、0〜50wt%(顆粒物に基づく)の重量部分を占める。溶解促進剤は、好ましくは、下記の群から選択される:水溶性無機塩、単糖、好ましくはグルコース、少糖、および膨潤剤、特に崩壊剤として好適な化合物、とりわけ、セルロース、圧縮セルロース、セルロース誘導体および/または架橋有機ポリマー、好ましくは架橋ポリビニルピロリドンまたは架橋ポリアクリレート。
【0038】
これらの任意成分の更なる種類は、例えば、水、酵素安定剤、着色剤、pH緩衝剤、酸化防止剤、密度調節化合物および/または他の成分である。これらは、好ましくは、0〜40wt%(顆粒物に基づく)の重量部分を占める。
【0039】
任意に存在する成分として、例えば、酵素製造から生じ、完全に分離されていない発酵媒体の構成成分も挙げられる。それらの存在は、酵素における安定化作用を示す場合に特に有利である。成分が複雑な化合物、例えば香料である場合、それは、合成から生じ、完全に分離されていない他の中間体または立体異性体を伴うことができる。
【0040】
他の成分について、それは、洗濯洗剤または洗浄剤組成物中の顆粒物の意図する後の使用に関して付加的作用を示す化合物に関することができ、従って、それは「有益剤(benefit agent)」とも称することができる。
【0041】
顆粒物の製造において、水は一般に、単に不純物として、例えば水性酵素調製物と共に持ち込まれる。いくらかの水分は、特に押出のために、処理されるマッシュに好ましい稠度を与えることができる。さらに、特定の平衡水分が、水性媒質中で顆粒物粒子を保存する際に生じるが、これは一般に、粒子の完全性を全体として損なうことはない。必要とされる溶解工程の間に、即ち、水性液への組成物の強希釈の際に、水分が極めて増加し、それによって粒子が完全に崩壊する。
【0042】
従って、(d)に包含される成分の1つは水である。粒子の水分は、特にその製造方法の種類によって制御される。即ち、例えば、成分の水性混合物の流動床噴霧粒状化において、水のかなりの部分が蒸発によって除去される。特に、後続の乾燥工程を一般に用いないプラスチックコンパウンドの押出による顆粒物の製造において、顆粒物の水分は、添加されたコンパウンドの水分によって、例えば、組み込まれた液体酵素調製物によって、制御される。
【0043】
酵素安定剤は、好ましい付加的成分として、特に酵素含有顆粒物に、含有される。それは、特に貯蔵において、例えば物理的作用、酸化またはタンパク質分解開裂による、不活性化、変性または分解のような劣化に対する保護として、特に有用である。
【0044】
タンパク質分解の阻害は、特に組成物がプロテアーゼも含有している場合に、タンパク質および/または酵素の微生物的調製の際に、特に好ましい。本発明による好ましい顆粒物(または組成物;下記参照)は、この目的のために安定剤を含む。
【0045】
安定剤の1つの群は、可逆性プロテアーゼ阻害剤である。このために、ベンズアミジンヒドロクロリド、硼砂、硼酸、ボロン酸、またはそれらの塩またはエステルがよく使用され、特に、芳香族基を有するあらゆる誘導体、例えば、オルト、メタまたはパラ置換フェニルボロン酸、特に4-ホルミルフェニルボロン酸、または前記化合物の塩またはエステルが使用される。ペプチドアルデヒド、即ち還元C-末端を有するオリゴペプチド、特に2〜50モノマーからのオリゴペプチドも、この目的に使用される。特にオボムコイドおよびロイペプチンは、ペプチド可逆性プロテアーゼ阻害剤に属する。プロテアーゼサブチリシンおよびプロテアーゼからの融合タンパク質の特異性可逆性ペプチド阻害剤、および特異性ペプチド阻害剤も好適である。
【0046】
更なる酵素安定剤は、アミノアルコール、例えば、モノ-、ジ-、トリエタノール-および-プロパノールアミンおよびそれらの混合物、C12までの脂肪族カルボン酸、例えば琥珀酸、他のジカルボン酸、または前述の酸の塩である。末端キャップされた脂肪酸アミドアルコキシレートも、この目的に好適である。結合剤として使用される特定の有機酸が、酵素を付加的に安定化させることもできる。
【0047】
低級脂肪族アルコール、特にポリオール、例えば、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはジグリセリンホスフェートも、物理的作用に対する酵素安定剤として使用されることが多い。同様に、カルシウムおよび/またはマグネシウム塩、例えば、酢酸カルシウムまたは蟻酸カルシウムも使用される。
【0048】
ポリアミドオリゴマーまたは高分子化合物、例えば、リグニン、水溶性ビニルコポリマーまたはセルロースエーテル、アクリルポリマーおよび/またはポリアミドは、酵素調製物を特に物理的作用またはpH変動に対して安定化する。ポリアミン-N-オキシドを含有するポリマーは、同時に酵素安定剤および色移行抑制剤として作用する。他の高分子安定剤は、線状C8〜C18ポリオキシアルキレンである。アルキルポリグリコシドも、本発明物質の酵素成分を安定化することができ、さらに、その性能を有利に増加させることもできる。架橋窒素含有化合物は、主に、汚れ剥離剤および酵素安定剤として二元機能を果たす。疎水性非イオン高分子安定剤は、特に、任意に存在するセルラーゼを安定化する。
【0049】
還元剤および酸化防止剤は、酸化分解に対して、酵素の安定性を増加させ;この場合、硫黄含有還元剤、例えば、亜硫酸ナトリウムおよび還元糖が、一般に使用される。
【0050】
安定剤、例えば、ポリオール、硼酸および/または硼砂の組合せ;硼酸またはボレートと還元塩および琥珀酸または他のジカルボン酸との組合せ;または硼酸またはボレートとポリオールまたはポリアミノ化合物と還元糖との組合せの使用が、特に好ましい。ペプチド-アルデヒド安定剤の作用は、硼酸および/または硼酸誘導体およびポリオールの組合せよって、さらには、二価陽イオン、例えばカルシウムイオンの付加的作用によって、一般に増大する。
【0051】
顆粒物粒子の美的印象を向上させるために、または洗濯洗剤または洗浄剤組成物の使用中に洗濯物(washing)に吸着させるために、固体を添加することができる。固体は、有利には、全粒子に均一に分散されるように組み込まれる。固体自体は、先行技術において既知である。
【0052】
顔料も、顆粒物粒子の美的印象を向上させる作用をする。顔料も、粒子に均一に分散させることができる。しかし、この場合、主要態様は、特に、顆粒物の固有の色を隠すために粒子表面を顔料で覆うことである。顔料も、それ自体先行技術において既知である。このために使用されることが多い白色顔料は、二酸化チタンである。
【0053】
pH緩衝剤は、貯蔵中に、例えば周囲媒質からのpHの影響に対して、問題となる成分を保護するために組み込むことができる。しかし、pH緩衝剤は、添加されて洗液に入った際にのみ、成分と同時に粒子から放出され、それによって洗浄媒質のpHに作用するように組み込むこともできる。この方法で、例えば、酵素の放出と同時に、その活性を向上させるために特定のpH活性プロフィールで、pHシフトを誘発させることができる。
【0054】
酸化防止剤は、特に、貯蔵中に大気酸素または他の酸化剤に対する保護を与えるために、組み込むことができる。
【0055】
顆粒物における密度調節物質の使用は、それ自体で既知である。従って、例えば、パーライト、デンプンまたはフェザー(feather)粒子を添加することによって、密度を減少させることができ、あるいはクレーまたはシリケート結晶を添加することによって増加させることができる。これは、輸送または貯蔵の間の分離過程を避けるために、粒子の嵩密度を固体洗濯洗剤および洗浄剤組成物の嵩密度と適合させるのに有利である。液体またはゲル化組成物における顆粒物の意図した使用に関して、同様の方法で該組成物の密度を適合させ、それによって顆粒物を、巨視的均一に、理想的な場合は表面における浮沈なく、該組成物に分散させることができる。
【0056】
本発明において、崩壊は、顆粒物粒子の巨視的に観察される分解を意味するものと理解される。粒状化成分の活性を有意に損なわない強含水環境における顆粒物粒子の可能なわずかな膨潤を、ここでは意味しない。そのような膨潤は、本発明の顆粒物ではよく観察することができる。同様に、わずかな摩耗が生じた場合も、本発明に適合し、該摩耗は、本発明の粒子を懸濁物質として含む液体またはゲル化調製物において観察することができ、および/またはわずかな濁りを生じる。重要なことは、予期される貯蔵の期間後に、特に、標準としての本発明の硫酸ナトリウム/クエン酸ナトリウム溶液から、個々の固体粒子相として肉眼で識別できる個別顆粒物を示し得ることである。
【0057】
本発明において、貯蔵は、対象とする調製物を23℃の定温で、少なくと24時間、好ましくは、少なくとも30時間、36時間、42時間、48時間、3日間、4日間、5日間、6日間、最も好ましくは少なくとも7日間にわたって、維持することを意味するものと理解される。これは、密閉された気密非真空容器で行い、この場合、空気相の容積は測定液体の容積を超えない。基準系は、硫酸ナトリウム16%およびクエン酸ナトリウム3%から成り、pH5.0±0.1の水性緩衝液系である。
【0058】
この期間後に、何らかの崩壊が本発明によって生じるかどうかの実験測定のために、顆粒物を含有する液体を、篩分け試験に付す。そのために、顆粒物が篩によって保持されるように顆粒物より小さいメッシュサイズの篩で、圧力または真空を使用せずに、定量的に測定する。メッシュサイズの大きさは例えば280μmである。篩を、新しく調製した硫酸ナトリウム/クエン酸ナトリウム溶液で、次に、蒸留水で濯ぐ。この試験手順は、実施例11に記載されており、同実施例では付加的低速振とうをインキュベーション中に行ったが、これは本発明に絶対的に必要なわけではない。次に、残留物の乾燥後、初めに計量した粒子(溶液に入れて撹拌する前)の50wt%を超える粒子素材が篩に残った場合、発明では非崩壊であると言える。より好ましくは、初めに計量した粒子の60%、70%、80%、90%を超える、特に好ましくは95%を超える粒子が篩に残る。
【0059】
対象とする粒子の崩壊指数は、篩に残留した粒子(残留物)と初めに計量した粒子との比率として定義され、wt%残留物として示される。ここで、残留物は、水中の硫酸ナトリウム16%およびクエン酸ナトリウム3%から成るpH5.0±0.1の水性緩衝液系において、粒子を所定時間にわたって保存した後に測定される。時間は、少なくとも24時間、好ましくは、少なくとも30時間、36時間、42時間、48時間、3日間、4日間、5日間、6日間、最も好ましくは少なくとも7日間である。従って、崩壊指数の数値が高くなるほど、保存期間中に崩壊して篩に保持されなかった粒子がより少ない。即ち、崩壊指数が少なくとも50%である場合に、本発明による非崩壊が存在する。崩壊指数は、より好ましくは60%、70%、80%、90%を超え、特に好ましくは95%を超える。
【0060】
本発明の溶液は、本発明において先に記載した全ての成分を付与され得る。実際に、それらは基本的に全て同様に、特に酸化の危険にさらされ、基本的に本発明によって同じ方法で保護される。
【0061】
酵素顆粒物の特定の実施態様において、崩壊の尺度を、粒子の顕著な保持ではなく、酵素活性の保持に関連付けることができる。酵素活性は、処理された酵素に依存して、既知の方法を使用して測定することができる。即ち、本発明の実施例に記載されている顆粒物について、初期の計量粒子(溶液に入れて撹拌する前)の大部分が篩に残るだけでなく、酵素活性の大部分も保持されるかを実験的に測定した。保持された酵素活性は、50%を超え、より好ましくは60%、70%、80%、90%を超え、特に好ましくは95%を超える。これに対して、不活性コア(MgSO4)を有し、そのコアに酵素含有コーティングを付着させた顆粒物を包含する構造的に異なる先行技術の顆粒物は、顕著に低い数値を示し、該顆粒物は、前述の篩分け試験において、これらの粒子は、明らかにほぼ保持された物理的安定性を(前述の篩分け試験により50%以下の場合でも)示したが、酵素層は急速に洗い流されるので、これらの顆粒物は本発明の目的に使用できない。
【0062】
そのような本発明の顆粒物は、成分(b)および(c)が、1:50〜50:1、好ましくは1:20〜20:1、特に好ましくは1:5〜5:1の(b)対(c)重量比で存在する本発明の好ましい実施態様を形成しする。
【0063】
実際に、記載されているこれら両成分の相乗作用は、特に上記の比率において生じる。本出願の実施例に記載されている配合物は、これらの所定限度内の特に好適な重量比を示す。
【0064】
各場合の実際の混合比率は、下記のようになるように実験的に最適化される:第一に、コンパウンドを極めて脆くする大過剰の吸着剤が残留しないようにし、第二に、得られるコンパウンドを粘着性にし、従って加工しにくくする大過剰の結合剤が残留しないようにする。ここで、付加的成分も、それらの各特性に依存して、材料の状態および顆粒物粒子に影響を与えることを考慮すべきである。
【0065】
本発明の好ましい実施態様は、下記の構成成分を含む本発明の顆粒物によって形成される:
(a)洗濯洗剤または洗浄剤組成物の感受性成分;
(b)粒状担体物質(吸着剤)10〜80wt%;
(c)(b)と異なる、結合剤としての成分3〜50wt%;および
(d)(b)および(c)と異なる、任意の付加的成分としての、
可塑剤0〜50wt%(顆粒物に基づく);
溶解促進剤(膨潤剤、崩壊助剤、崩壊剤)0〜50wt%(顆粒物に基づく);および/または
水、酵素安定剤、着色剤、顔料、pH緩衝物質、酸化防止剤、密度調節化合物および/または他の成分0〜40wt%(顆粒物に基づく)。
【0066】
これらの構成成分の個々の好ましい成分は、先に既に挙げられており、対応する好ましい実施態様として下記にも示される。これらの各群の、特に吸着剤の群および結合剤の群の、前記物質の2つまたは3つの組合せを使用することが特に有利である。
【0067】
これらの構成成分のいくつかに関して考慮し得る物質は、1回しか含められないので、本発明の各顆粒物において、少なくとも成分(a)と(b)およびそれらと異なる成分(c)の混合物が、常に存在する。本発明の核心は、吸着剤および結合剤を互いに調整して組み合わせて、好ましい特性を有する顆粒物を得ることである。付加的任意成分またはさまざまに調製される成分(a)(例えば、さまざまな総タンパク質または水の含有量を有する酵素調製物)を添加する場合、各重量比は、実験によって最適化すべきである。前述の硫酸ナトリウムおよび/またはクエン酸ナトリウム溶液中での適切な保存後の、前述の篩分け試験は、そのためのだイドラインの役割をする。
【0068】
前述の材料比率を採用した場合に、有利な安定化作用が、酵素含有顆粒物について観察された。例えば、本出願の実施例1において、顆粒物は、約5wt%の成分(a)、36wt%の成分(b)、18wt%の成分(c)、および成分(d)としての31wt%の可塑剤および約10wt%の水を含有する。粒状担体物質の一部、即ちTiO2は、顆粒物の全質量の13wt%を構成し、前記配合物において、顔料としても作用する。例えば、本出願の実施例2において、顆粒物は、約5wt%の成分(a)(酵素)、31wt%の成分(b)、22wt%の成分(c)、および成分(d)としての24wt%の可塑剤、約8wt%の溶解促進剤および約10wt%の水を含有する。粒状担体物質の一部、即ちTiO2は、顆粒物の全質量の8wt%を構成し、前記配合物において、顔料としても作用する。実施例3は、5wt%の成分(a)(酵素)、78wt%の種々の成分(b)、7wt%の成分(c)、および約10wt%の水分(d)のみを有する顆粒物を開示している。
【0069】
実施例3から分かるように、任意の付加的成分(d)がほとんど使用されない場合、即ち、合計で、顆粒物の40wt%未満、好ましくは30wt%未満、特に好ましくは20wt%未満を占める場合、50wt%を超え、好ましくは60wt%を超え、特に好ましくは70wt%を超える吸着剤(b)が、特に有利である。
【0070】
本発明の好ましい実施態様は、感受性の洗濯洗剤または洗浄剤組成物成分(a)が、香料、蛍光増白剤、漂白活性剤または酵素、好ましくは酵素、特に、酸化に対して安定化された酵素に関係するような本発明の顆粒物によって形成される。
【0071】
これらの物質群自体は、既に列挙したが、再び、さらに詳しく記載する。
【0072】
製品の美的印象を向上させ、かつ、必要とされる洗濯および洗浄性能だけでなく、視覚的および感覚的に「典型的かつ間違えようのない」製品を消費者に提供するために、芳香剤を洗濯洗剤または洗浄剤組成物に添加する。特に、洗濯サイクルの終了後も残るある種の芳香を、洗濯物、例えば布地に与えることが望まれる場合がある。
【0073】
芳香性物質の揮発性は、知覚可能性にとって極めて重要であり、官能基の種類および化合物の構造に加えて、分子量も重要な役割を果たす。例えば、大部分の芳香性物質は、約200ダルトンまでの分子量を有し、300ダルトンおよびそれ以上の分子量は極めて例外的である。芳香性物質の種々の揮発性により、複数の芳香性物質から成る香料または芳香剤の匂いは蒸発の間に変化し、匂いの印象は、「トップノート(top note)」、「ミドルノート(middle note)」または「ボディ(body)」および「エンドノート(end note)」または「ドライアウト(dry out)」に分類される。匂いの知覚は、匂いの強度にもかなり依存するので、香料または芳香剤のトップノートは高揮発性化合物だけから成るのではなく、エンドノートは、大部分、より低い揮発性の物質、即ち持続性芳香性物質から成る。香料の組成物において、より高い揮発性の芳香性物質を、例えば特定の固着剤に結合させることができ、それによって急速な蒸発を抑制できる。下記の、芳香性物質の「より揮発性」または「持続性」芳香性物質への分類において、匂いの印象について、さらには、関連する芳香性物質がトップノートとして知覚されるかボディーノートとして知覚されるかについて記載されない。
【0074】
個々の芳香性化合物、例えば、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭化水素型の合成化合物を、芳香剤として使用することができる。エステル型の芳香性化合物は、例えば、ベンジルアセテート、フェノキシエチルイソブチレート、p-t-ブチルシクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、フェニルエチルアセテート、リナリルベンゾエート、ベンジルホルメート、エチルメチルフェニルグリシネート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、スチラリルプロピオネートおよびベンジルサリチレートである。エーテルは、例えば、ベンジルエチルエーテルを包含し;アルデヒドは、例えば、8〜18個の炭素原子を有する直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアールおよびブルゲオナール(bourgeonal)を包含し;ケトンは、例えば、イオノン、α-イソメチルイオノンおよびメチルセドリルケトンを包含し;アルコールは、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコールおよびテルピネオールを包含し;炭化水素は、特に、テルペン、例えばリモネンおよびピネンを包含する。しかし、魅力的芳香を共に生じる種々の芳香性物質の混合物を使用するのが好ましい。このような香料は、植物源、例えば、マツ、柑橘類、ジャスミン、パチョリ、バラまたはイランイラン油から得られる天然芳香性混合物も含有し得る。ムスカテル油、セージ油、カモミレ油、チョウジ油、メリッサ油、ハッカ油、シナモンリーフ油、ライムブロッサム油、杜松子油、ベチベル油、オリバナム油、ガルバヌム油およびラウダナム油およびオレンジブロッサム油、ネロリ油、トウ皮油、およびサンダルウッド油も好適である。洗濯洗剤または洗浄剤組成物における芳香剤の含有量は、一般に、全配合物の2w%までである。これは、洗濯洗剤および洗浄剤組成物に使用される本発明顆粒物を設計する際に考慮すべきである。
【0075】
本発明の別の実施態様は、蛍光増白剤の顆粒物に関する。特に織物洗剤に関して、この定着した種類の成分は、肯定的な視覚的印象を、洗濯物に与える。
【0076】
本発明のこの態様の好ましい実施態様は、ジアミノスチルベンスルホン酸の誘導体またはそのアルカリ金属塩に関する。好適な蛍光増白剤は、例えば、4,4’-ビス-(2-アニリノ-4-モルホリノ-1,3,5-トリアジニル-6-アミノ)スチルベン-2,2’-ジスルホン酸の塩、または、モルホリノ基の代わりにジエタノールアミノ基、メチルアミノ基、アニリノ基または2-メトキシエチルアミノ基を有する類似構造の化合物である。置換ジフェニルスチリル型の蛍光増白剤、例えば、4,4’-ビス(2-スルホスチリル)ビスフェニル、4,4’-ビス(4-クロロ-3-スルホスチリル)ビスフェニルまたは4-(4-クロロスチリル)-4’-(2-スルホスチリル)ビスフェニルのアルカリ金属塩も存在し得る。前述の増白剤の混合物も使用し得る。ジスチリル-ビフェニル誘導体およびスチルベントリアジン誘導体からの蛍光増白剤の混合物が特に適している。これらの増白剤は、互いに任意の混合比で使用することができる。これらの種類の増白剤は、例えば、Cibaから商品名Tinopal(登録商標)で入手可能である。
【0077】
洗濯洗剤は、60℃およびそれ未満の洗濯温度において、特に前処理洗濯の間に、優れた漂白作用を得るために、漂白活性剤も含むことができる。本発明において、この成分も、その反応性により、本発明の顆粒物の形態に調整される。
【0078】
使用し得る漂白活性剤は、過加水分解条件下に、好ましくは1〜10個の炭素原子、特に2〜4個の炭素原子を有する脂肪族ペルオキシカルボン酸、および/または任意に置換された過安息香酸を生じる化合物である。前述の数の炭素原子を有するO-アシルおよび/またはN-アシル基、および/または任意に置換されたベンゾイル基を有する物質が好適である。
【0079】
以下の物質が好ましい:ポリアシル化アルキレンジアミン、特に、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、アシル化トリアジン誘導体、特に、1,5-ジアセチル-2,4-ジオキソヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン(DADHT)、アシル化グリコルリル、特に、1,3,4,6-テトラアセチルグリコルリル(TAGU)、N-アシルイミド、特に、N-ノナノイルスクシンイミド(NOSI)、アシル化フェノールスルホネート、特に、n-ノナノイル-またはイソノナノイルオキシベンゼンスルホネート(n-またはイソ-NOBS)、無水カルボン酸、特に、無水フタル酸、無水イサト酸および/または無水琥珀酸、カルボン酸アミド、例えば、N-メチルジアセトアミド、グリコリド、アシル化多価アルコール、特に、トリアセチン、エチレングリコールジアセテートおよび2,5-ジアセトキシ-2,5-ジヒドロフランおよびエノールエステルならびにアセチル化ソルビトールおよびマンニトールまたはそれらの混合物(SORMAN)、アシル化糖誘導体、特に、ペンタアセチルグルコース(PAG)、ペンタアセチルフルクトース、テトラアセチルキシロースおよびオクタアセチルラクトースならびにアセチル化、任意N-アルキル化グルカミンおよびグルコノラクトン、トリアゾールまたはトリアゾール誘導体および/または粒状カプロラクタムおよび/またはカプロラクタム誘導体、好ましくはN-アシル化ラクタム、例えば、N-ベンゾイルカプロラクタムおよびN-アセチルカプロラクタム。親水的置換アシルアセタールおよびアシルラクタムを使用するのも好ましい。従来の漂白活性剤の組合せも使用し得る。ニトリル誘導体、例えば、シアノピリジン、ニトリルクアット(nitrilequats)、例えば、N-アルキルアンモニウムアセトニトリル、および/またはシアナミド誘導体も使用し得る。好ましい漂白活性剤は、ナトリウム4-(オクタノイルオキシ)ベンゼンスルホネート、n-ノナノイル-またはイソノナノイルオキシベンゼンスルホネート(n-またはイソ-NOBS)、ウンデセノイルオキシベンゼンスルホネート(UDOBS)、ナトリウムドデカノイルオキシベンゼンスルホネート(DOBS)、デカノイルオキシ安息香酸(DOBA、OBC 10)および/またはドデカノイルオキシベンゼンスルホネート(OBS 12)、およびN-メチルモルホリナムアセトニトリル(MMA)である。
【0080】
本出願に関して、他の好ましい漂白活性剤は、陽イオン性ニトリル、特に下記式の陽イオン性ニトリルの群からの化合物である:
【化1】

[式中、
R1は、-H;-CH3;C2-24アルキルまたはアルケニル基;-Cl、-Br、-OH、-NH2、-CNの群からの少なくとも1個の置換基を有する置換C2-24アルキルまたはアルケニル基;C1-24アルキル基を有するアルキルアリールまたはアルケニルアリール基;または、C1-24アルキル基および芳香環上の少なくとも1つの付加的置換基を有する置換アルキルアリールまたはアルケニルアリール基を表し;
R2およびR3は、互いに独立に、-CH2-CN、-CH3、-CH2-CH3、-CH2-CH2-CH3、-CH(CH3)-CH3、-CH2-OH、-CH2-CH2-OH、−CH(OH)-CH3、-CH2-CH2-CH2-OH、-CH2-CH(OH)-CH3、-CH(OH)-CH2-CH3、-(CH2CH2-O)nH (n=1、2、3、4、5または6)から選択され、
Xは、陰イオンである]。
【0081】
下記式の陽イオン性ニトリルが特に好ましい:
【化2】

[式中、R4、R5およびR6は、互いに独立に、-CH3、-CH2-CH3、-CH2-CH2-CH3、-CH(CH3)-CH3から選択され、R4は-Hであってもよく、Xは陰イオンである。]
好ましくは、R5=R6=-CH3であり、特に、R4=R5=R6=-CH3であり;式(CH3)3(N)(+)CH2-CN X-、(CH3CH2)3N(+)CH2-CN X-、(CH3CH2CH2)3N(+)CH2-CN X-、(CH3CH(CH3)3N(+)CH2-CN X-、または(HO-CH2-CH2)3N(+)CH2-CN X-の化合物が特に好ましく、さらにこれらの物質の群から式(CH3)3(N)(+)CH3 X-の陽イオン性ニトリルが特に好ましく;ここで、X-は、塩化物、臭化物、沃化物、硫酸水素塩、メトスルフェート、p-トルエンスルホネート(トシレート)またはキシレンスルホネートの群から選択される陰イオンを表す。
【0082】
漂白活性剤は、全洗濯洗剤または洗浄剤組成物コンパウンドに基づいて0.01〜20wt%の通常量範囲、好ましくは0.1〜15wt%、特に1〜10wt%の量で含有される。これは、洗濯洗剤および洗浄剤組成物における使用のために本発明顆粒物を設計する際に考慮にすべきである。
【0083】
本発明の好ましい実施態様は、酵素の顆粒物に関する。この定着した種類の成分は、それらの各特異性に依存して、問題とする組成物の洗浄力に、対応する向上を与える。これらは、特に、プロテアーゼ、付加的アミラーゼ、リパーゼ、ヘミセルラーゼ、セルラーゼまたはオキシドレダクターゼ、例えば、ペルオキシダーゼおよび/またはペルヒドロラーゼ、ならびに好ましくはそれらの混合物を包含する。基本的に、これらの酵素は天然であり、天然分子に基づく向上した変異体が、洗濯洗剤または洗浄剤組成物における使用のために入手可能であり、従ってそれらが好ましい。
【0084】
本発明の顆粒物を加えた組成物は、好ましくは、活性タンパク質に基づいて1x10-8〜5wt%の合計量で酵素を含む。これは、洗濯洗剤および洗浄剤組成物における使用のために本発明顆粒物を設計する際に、考慮すべきである。
【0085】
タンパク質濃度は、既知の方法、例えばBCA法(ビシンコニン酸;2,2’-ビキノリル-4,4’-ジカルボン酸)またはビウレット法(A.G. Gornall,. C.S. BardawillおよびM.M. David, J. Biol. Chem., 77(1948), 751-766頁)によって測定することができる。
【0086】
洗濯洗剤および洗浄剤組成物における本発明顆粒物の使用に関して、成分(a)は、下記の酵素を包含する:1つまたは複数の加水分解酵素および/またはオキシドレダクターゼ、特に好ましくは、α-アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、ヘミセルラーゼ、セルラーゼ、β-グルカナーゼ、オキシダーゼ、カタラーゼ、ペルオキシダーゼおよび/またはラクターゼ、特に好ましい酸化安定化α-アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、ヘミセルラーゼ、セルラーゼ、β-グルカナーゼ、オキシダーゼ、ペルオキシダーゼおよび/またはラッカーゼ。
【0087】
この対象物の好ましい実施態様は、酵素が下記の酵素の1つまたは混合物である酵素顆粒物によって形成される:プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、オキシダーゼおよびペルヒドロラーゼ、好ましくは、酸化安定化されたこれらの酵素の1つ。
【0088】
好ましいプロテアーゼは、サブチリシン型のプロテアーゼである。この例は、サブチリシンBPN’およびカールスバーグ(Carlsberg)、プロテアーゼPB92、サブチリシン147および309、Bacillus lentusからのアルカリ性プロテアーゼ、サブチリシンDY、および、より厳密な意味においてサブチリシンとして分類されないサブチラーゼの酵素、サーミターゼ(thermitase)、プロテイナーゼKおよびプロテアーゼTW3およびTW7である。さらに発展した形態のサブチリシンカールスバーグが、商品名Alcalase(登録商標)としてNovozymes A/S, Bagsvaerd, Denmarkから入手可能である。サブチリシン147および309は、商品名Esperase(登録商標)およびSavinase(登録商標)でNovozymes Companyによって市販されている。BLAP(登録商標)と称されるBacillus lentus SM 483からのプロテアーゼ(WO 1/02792 1)から誘導された変異体が、特に、WO 2/21760 1、WO 5/23221 1、WO 2/088340 2およびWO 3/038082 2に記載されている。種々のBacillus sp.およびB. gibsoniiからの他の使用可能なプロテアーゼが、WO 03/054185 A1、WO 03/056017 A2、WO 03/055974 A2およびWO 03/054184 A1に記載されている。
【0089】
他の使用可能なプロテアーゼは、例えば、以下の酵素である:商品名Durazym(登録商標)、Relase(登録商標)、Everlase(登録商標)、Nafizym、Natalase(登録商標)、Kannase(登録商標)およびOvozymes(登録商標)としてNovozymes Companyにより市販されている酵素;商品名Purafect(登録商標)、Purafect(登録商標)OxPおよびProperase(登録商標)としてGenencorにより市販されている酵素;商品名Protosol(登録商標)としてAdvanced Biochemicals Ltd., Thane, Indiaにより市販されている酵素;商品名Wuxi(登録商標)として、Wuxi Snyder Bioproducts Ltd., Chinaにより市販されている酵素;商品名Proleather(登録商標)およびProtease P(登録商標)として、Amano Pharmaceuticals Ltd.,Nagoya,Japanにより市販されている酵素;および、商品名Proteinase K-16として、花王株式会社(東京)により市販されている酵素。
【0090】
本発明による包囲可能なアミラーゼの例は、Bacillus licheniformis、B. amyloliquefaciensまたはB. stearothermophilusからのα-アミラーゼ、ならびに洗濯洗剤または洗浄剤組成物における使用のための、それらの向上したさらなる発展形態である。B.licheniformisからの酵素は、Novozymes Companyから商品名Termamyl(登録商標)として、およびGenencor Companyから商品名Purastar(登録商標)STとして、入手可能である。このα-アミラーゼのさらなる発展製品は、Novozymes Companyから商品名Duramyl(登録商標)およびTermamyl(登録商標)ultraとして、Genencor Companyから商品名Purastar(登録商標)OxAmとして、およびDaiwa Seiko Inc.(東京)からKeistase(登録商標)として、入手可能である。B.amyloliquefaciensからのα-アミラーゼは、Novozymes Companyによって、商品名BAN(登録商標)として市販され、B.stearothermophilusからのα-アミラーゼからの誘導変異体は、商品名BSG(登録商標)およびNovamyl(登録商標)として、これらもまたNovozymes Companyにより市販されている。
【0091】
さらに、これらの目的のために、WO 02/10356 A2に開示されているBacillus sp. A7-7(DSM 12368)からのα-アミラーゼ、およびWO 02/44350 A2に開示されているB. agaradherens(DSM 9948)からのシクロデキストリン-グルカノトランスフェラーゼ(CGTase)に注目すべきである。さらに、WO 03/002711 A2に記載されているα-アミラーゼのシークエンススペース(sequence space)に属するデンプン分解酵素、およびWO 03/054177 A2に記載されているデンプン分解酵素も使用し得る。同様に、前記分子の融合生成物、例えば、出願DE 10138753 A1からの融合生成物またはそれらの点変異体も適用できる。
【0092】
さらに、Company Novozymesから商品名Fungamyl(登録商標)として入手可能な、Aspergillus nigerおよびA.oryzaeからのα-アミラーゼのさらなる発展形態も好適である。使用できる他の市販製品は、例えば、Amylase-LT(登録商標)およびStainzyme(登録商標)であり、後者もまたNovozymes社の製品である。点変異によって得られるこれらの酵素の変異体も、本発明の顆粒物に組み込むことができる。
【0093】
本発明の顆粒物は、リパーゼまたはクチナーゼを、特にそれらのトリグリセリド開裂活性によるだけでなく、適切な予備段階からインサイチューで過酸を生成するためにも、含むことができる。これらは、例えば、Humicola lanuginose(Thermomyces lanuginosus)に由来する入手可能なまたはさらに発展させたリパーゼ、特にアミノ酸置換D96Lを有するリパーゼを包含する。それらは、例えば、Novozymes Companyによって、商品名Lipolase(登録商標)、Lipolase(登録商標)Ultra、LipoPrime(登録商標)、Lipozyme(登録商標)およびLipex(登録商標)として市販されている。さらに、好適なクチナーゼは、本来、例えばFusarium solani pisiおよびHumicola insolensから分離された酵素である。同様に、使用可能なリパーゼは、Amano Companyから、Lipase CE(登録商標)、Lipase P(登録商標)、Lipase B(登録商標)、Lipase CES(登録商標)、Lipase AKG(登録商標)、Bacillis sp. Lipase(登録商標)、Lipase AP(登録商標)、Lipase M-AP(登録商標)およびLipase AML(登録商標)の名称で入手可能である。それらの出発酵素が、本来、Pseudomonas mendocinaおよびFusarium solaniiから分離された好適なリパーゼまたはクチナーゼは、例えば、Genencor Companyから入手可能である。例として挙げられる他の重要な市販製品は、Gist-Brocades Companyからの市販調製物M1 Lipase(登録商標)およびLipomax(登録商標)、およびMeito Sangyo KK Company,JapanによりLipase MY-30(登録商標)、Lipase OF(登録商標)およびLipase PL(登録商標)の名称で市販されている酵素、ならびにGenencor Companyからの製品Lumafast(登録商標)である。
【0094】
本発明の顆粒物は、特にそれらが織物処理に適用される場合、セルラーゼを、それらの目的に応じて、純粋酵素として、酵素調製物として、または個々の成分がそれらの種々の性能を都合よく補完する混合物の形態で、含むことができる。製品の一次洗濯性能、二次洗濯性能(再付着防止(anti-redoposition)活性、または灰色化の抑制)、および柔軟化または増白化(織物への作用)から、「ストーンウォッシュ(stone washed)」作用にわたる特定の寄与が、これらの性能側面に含まれる。
【0095】
使用できる真菌エンドグルカナーゼ(EG)豊富セルラーゼ調製物、またはそのさらなる発展形態は、Novozymes Companyによって商品名Celluzyme(登録商標)として市販されている。H. insolens DSM 1800からの50kD-EG、43kD-EGにそれぞれ基づく製品Endolase(登録商標)およびCarezyme(登録商標)も、Novozymes Companyから得られる。後者は、WO 96/29397 A1に基づく。性能強化セルラーゼ変異体は、例えばWO 98/12307 A1に記載されている。WO 97/14804 A1に開示されているセルラーゼ;例えば、それに開示されているMelanocarpusからの20kD-EGも使用することができ、それは、商品名Ecostone(登録商標)およびBiotouch(登録商標)としてAB Enzymes, Finlandから入手可能である。AB Enzymes Companyからの他の市販製品は、Econase(登録商標)およびEcopulp(登録商標)である。Bacillus sp. CBS 670.93およびCBS 669.93からの他の好適なセルラーゼは、WO 96/34092 A2に開示されており、Bacillus sp.からのCBS 670.93は商品名Puradax(登録商標)としてGenencor Companyから得られる。Genencor Companyからの他の市販製品は"Genencor detergent cellulose L" およびIndiAge(登録商標)Neutraである。
【0096】
洗濯洗剤または洗浄剤組成物に使用される本発明の顆粒物は、特に特定の問題汚れを除去するための、ヘミセルラーゼという用語で集約される付加的酵素を含むことができる。これは、例えば、マンナナーゼ、キサンタンリアーゼ、ペクチンリアーゼ(=ペクチナーゼ)、ペクチンエステラーゼ、ペクタトリアーゼ(pectatlyases)、キシログルカナーゼ(=キシラナーゼ)、プルラナーゼおよびβ-グルカナーゼを包含する。好適なマンナナーゼは、例えば、Gamanase(登録商標)およびPektinex AR(登録商標)の名称でNovozymes Companyから、Rohapec(登録商標)B1の名称でAB Enzymesから、Pyrolase(登録商標)の名称でDiversa Corp. San Diego, CA, USAから、およびPurabrite(登録商標)の名称でGenencor Int., Inc., Palo Alto, CA, USAから入手可能である。B. alcalophilusからの好適なβ-グルカナーゼは、例えばWO 99/06573 A1に記載されている。B. subtilisから抽出されたβ-グルカナーゼは、Cereflo(登録商標)の名称でNovozymes Companyから入手可能である。
【0097】
漂白作用を増加させるために、本発明の顆粒物は、オキシドレダクターゼ、例えば、オキシダーゼ、オキシゲナーゼ、カタラーゼ(ペルオキシダーゼより低いH2O2濃度で反応する)、ペルオキシダーゼ、例えば、ハロ-、クロロ-、ブロモ-、リグニン-、グルコース-またはマンガン-ペルオキシダーゼ、ジオキシゲナーゼまたはラッカーゼ(フェノールオキシダーゼ、ポリフェノールオキシダーゼ)も含むことができる。好適な市販製品は、Novozymes CompanyからのDenilite(登録商標)1および2である。酵素過加水分解のために都合よく使用し得る例示的系について、WO 98/45398 A1を参照し得る。特にそのような系について、例えばWO 2004/058955 A2は、好適なコリンオキシダーゼを開示している。これのために、特に、織物用洗剤において軽度漂白を生じるために、同様に有利に使用することができる顕著なペルヒドロラーゼ活性を有する改質プロテアーゼが、WO 2004/058961 A1に開示されている。オキシダーゼおよびペルヒドロラーゼを含有する組み合わされた酵素漂白剤は、WO 2005/124012に記載されている。本発明によって使用できる他のペルヒドロラーゼも、WO 2005/056782 A2に開示されている。有利には、酵素と相互作用する付加的な、好ましくは有機、特に好ましくは芳香族の化合物を添加して、問題とするオキシドレダクターゼの活性を強化するか、または極めて異なるレドックス電位において酸化酵素と汚れの間の電子流れを促進する(メディエータ)。
【0098】
本発明において、WO 2005/124012による酵素漂白剤またはその成分を含む顆粒物が特に好ましい。従って、本発明の好ましい実施態様は、少なくとも1つのオキシダーゼおよび少なくとも1つのペルヒドロラーゼを含有する一部の酵素漂白剤を含む顆粒物によって示され、オキシダーゼは下記から選択され:
a)そのアミノ酸配列が、WO 2005/124012における配列番号2の配列に、少なくとも76.5%、より好ましくは、少なくとも78%、80%、82%、84%、86%、88%、90%、92%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、特に好ましくは100%一致するコリンオキシダーゼ;
b)そのアミノ酸配列が、WO 2005/124012における配列番号4の配列に、少なくとも89%、より好ましくは、少なくとも90%、92%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、特に好ましくは100%一致するコリンオキシダーゼ;
c)そのアミノ酸配列が、WO 2005/124012における配列番号6の配列に、少なくとも83.8%、より好ましくは、少なくとも84%、86%、88%、90%、92%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、特に好ましくは100%一致するコリンオキシダーゼ;
d)そのアミノ酸配列が、WO 2005/124012における配列番号28の配列に、少なくとも76.4%、より好ましくは、少なくとも78%、80%、82%、84%、86%、88%、90%、92%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、特に好ましくは100%一致するコリンオキシダーゼ;
e)a)、b)、c)またはd)のコリンオキシダーゼであって、a)〜d)のコリンオキシダーゼから、1つまたは多数の保存的アミノ酸交換によって得られるか、またはa)〜d)のコリンオキシダーゼの誘導体化、断片化、欠失突然変異または挿入突然変異によって得られるコリンオキシダーゼ;
および/または、ペルヒドロラーゼは下記から選択される:
f)そのアミノ酸配列が、WO 2005/124012における配列番号26の配列に対応するが、11、15、21、38、50、54、58、77、83、89、93、96、107、117、120、134、135、136、140、147、150、154、155、160、161、171、179、180、181、194、205、208、213、216、217、238、239、251、253、257、261から選択される配列位置において、1つまたは複数の交換アミノ酸を有するペルヒドロラーゼ;
g)そのアミノ酸配列が、WO 2005/124012における配列番号26の配列に対応するが、11、58、77、89、96、117、120、134、135、136、140、147、150、161、208、216、217、238から選択される配列位置において、1つまたは複数の交換アミノ酸を有するペルヒドロラーゼ;
h)そのアミノ酸配列が、WO 2005/124012における配列番号26の配列に対応するが、58、89、96、117、216、217から選択される配列位置において1つまたは複数の交換アミノ酸を有するペルヒドロラーゼ;
i)そのアミノ酸配列が、WO 2005/124012における配列番号26の配列に対応するが、1つまたは複数のアミノ酸交換T58AまたはT58Q、L89S、N96D、G117D L216WおよびN217Dを示すペルヒドロラーゼ;
j)そのアミノ酸配列が、WO 2005/124012における配列番号8、10、12、14、16、18、20、22または24におけるアミノ酸配列に、より好ましくは、少なくとも70%、72.5%、75%、77.5%、80%、82.5%、85%、87.5%、90%、92.5%、95%、97.5%、特に好ましくは100%一致するペルヒドロラーゼ。
【0099】
ペルヒドロラーゼの前記配列の開示に関して、WO 2005/124012における開示が参照される。
【0100】
本発明の顆粒物に使用される酵素は、微生物、例えば、Bacillus、Streptomyces、HumicolaまたはPseudomonas属に由来し、および/または好適な微生物を使用する既知の生物工学法に従って、例えば、Bacillus族の遺伝子導入発現宿主によるかまたは糸状真菌によって生成される。
【0101】
次に、確立した方法、例えば、沈殿、沈降、濃縮、液相の濾過、精密濾過、限外濾過、化学物質との混合、脱臭、またはこれらの工程の好適な組み合わせを都合よく使用して、関連酵素の精製を行う。
【0102】
前述の実施態様に類似して、例えば発酵からの不純物と共に、または安定剤と共に、酵素を本発明によって包囲することができる。
【0103】
これらの全ての酵素の中で、酸化に対して比較的安定であるか、または例えば点変異誘発によって安定化された酵素が特に好ましい。これらの中で、先に記載した市販製品EverlaseおよびPurafect(登録商標)OxPが(そのようなプロテアーゼの例として)およびDuramylが(そのようなα-アミラーゼの例として)特に挙げられる。
【0104】
これは、顆粒物が付加的コーティングによって保護されていない本発明の実施態様に関して、特に言えることである(下記参照)。この形態において、特に、液体洗濯洗剤または洗浄剤組成物中での貯蔵の間に、顆粒物が損傷物質と接触する(たとえ本発明によって全く粒状化されていないかまたは粒状化されていない場合よりかなり少ない程度であるにしても)。特に、顆粒物表面に近接する酵素分子は、特に、ある量の溶媒が顆粒物に浸透する場合に、このような危険にさらされる(完全にそれらを崩壊するわけではないにしても)。従って、問題とする酵素が、酸化不活性化に対してある程度の安定性を示せば特に有利である。
【0105】
顆粒物製造(下記参照)において、例えば発酵による製造から直接得られる液体酵素調製物を、水溶液に組み込んで、顆粒物製造用のマッシュにすることは、本発明に特に有利である。洗濯洗剤および洗浄剤組成物に使用される、特にプロテアーゼおよびアミラーゼのこの種の「液体酵素」調製物は商業的にも入手可能である。例えば、酵素タンパク質分0.1〜50%、好ましくは5〜40%、特に好ましくは10〜35%の液体プロテアーゼ調製物が、顆粒物の製造に適している。それらは、任意に、当業者に既知の方法(例えば、回転蒸発による濃縮、または緩衝液の添加による希釈)によって、さらなる処理に好適な濃度に調節してもよい。
【0106】
本発明の好ましい実施態様は、下記の群から選択される1つまたは複数の化合物を、成分(b)(吸着剤)として含む本発明の顆粒物によって形成される:タルカム、珪酸、酸化アルミニウム、シリケート、特に層状シリケートおよび/または珪酸アルミニウムナトリウム、ベントナイト、アルモシリケート(ゼオライト)、スルフェート、二酸化チタンおよび/またはポリビニルアルコール(PVA)、特に部分加水分解PVA、特に好ましくは、これらの化合物の2つまたは3つの組合せ。
【0107】
約500〜2500の重合度(約20,000〜100,000g/molの分子量)を有する黄白色粉末または粒体として提供される一般的な市販ポリビニルアルコールは、98〜99または87〜89mol%の加水分解度を有し、従って、残留アセチル基分を有している。完全に鹸化されたポリビニルアルコールは、85℃のガラス転移温度、および228℃の融点を有する。部分加水分解(87〜89%)生成物の対応する数値は、かなり低く、それぞれ、約58℃、186℃である。後者の「部分加水分解」PVAは、本発明に特に適している。
【0108】
これらの成分(b)を有する顆粒物は、顕著な安定性を特徴とし、洗濯洗剤または洗浄剤組成物配合物に使用した場合、使用条件における優れた溶解性を特徴とする。これは、本出願の実施例に詳しく記載されている。
【0109】
本発明の好ましい実施態様は、下記の群から選択される1つまたは複数の化合物を、成分(c)(結合剤)として含む本発明の顆粒物によって形成される:ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリビニルピロリドン、多糖または置換多糖、特にセルロースエーテル、ポリビニルアルコール(PVA)、特に部分加水分解PVAまたはエトキシル化PVA、前記化合物のコポリマー、特にメタクリル酸-エチルアクリレートコポリマー、特に好ましくは、これらの化合物の2つまたは3つの組合せ。
【0110】
実際に、これらの成分(c)を有する顆粒物は、顕著な安定性を特徴とし、洗濯洗剤または洗浄剤配合物に使用した場合、使用条件における優れた溶解性を特徴とする。これは、本出願の実施例に詳しく記載されている。
【0111】
列挙し得る好適物質の例は、架橋ポリビニルピロリドン Collidon CL(BASF, Ludwigshafenの市販製品)、およびメタクリル酸-エチルアクリレートコポリマー Eudragit L100(Degussa, Frankfurt/M.)およびCollicoat MEA(BASF)である。
【0112】
本発明の好ましい実施態様は、下記の群から選択される1つまたは複数の化合物を、成分(d)(可塑剤)として含む本発明の顆粒物によって形成される:水分散性有機化合物または水分散性有機ポリマー、特にポリエチレングリコール(PEG)、特に短鎖PEG、脂肪酸または脂肪酸の塩、トリアセチン、トリエチルシトレートおよび/または多価アルコール、好ましくは脂肪酸または脂肪酸の塩、特に好ましくはステアリン酸ナトリウムおよび/またはオレイン酸ナトリウム。
【0113】
実際に、これらの成分(d)の部分を有する顆粒物は、顕著な安定性を特徴とし、洗濯洗剤または洗浄剤組成物配合物に使用した場合、使用条件における優れた溶解性を特徴とする。これは、本出願の実施例に詳しく記載されている。
【0114】
本発明の好ましい実施態様は、下記の群から選択される1つまたは複数の化合物を、成分(d)(溶解促進剤)として含む本発明の顆粒物によって形成される:水溶性無機塩、単糖、特にグルコース、少糖、多糖、特に、セルロース、圧縮セルロースまたはセルロース誘導体、架橋有機ポリマー、特に、架橋ポリビニルピロリドンまたは架橋ポリアクリレート。
【0115】
実際に、これらの成分(d)の部分を有する顆粒物は、顕著な安定性を特徴とし、洗濯洗剤または洗浄剤組成物配合物に使用した場合、使用条件における優れた溶解性を特徴とする。これは、本出願の実施例に詳しく記載されている。
【0116】
本発明の顆粒物の崩壊を促進するために、強吸湿性物質、および/または水と接触して膨潤する化合物を、いわゆる溶解促進剤として組み込むことができ、または崩壊助剤を組み込むこともできる。このようにして、崩壊時間が短縮される。それら自体は、先行技術において既知である。Roempp(第9版、第6巻、p. 4440)およびVoigt "Lehrbuch der pharmazeutischen Technologie" (第6版、1987、p. 182-184)によれば、タブレット崩壊剤または崩壊促進剤は、水および胃液中でのタブレットの迅速崩壊、および吸収可能形態の薬剤の放出を付与する助剤である。
【0117】
それらの作用により崩壊剤としても既知のこれらの物質は、水との接触時に体積を増し、それによって、まず第一に、それらの自体の体積が増加し(膨潤)、第二に、ガスの放出により圧力も生じて、タブレットをより小さい粒子に崩壊させる。周知の崩壊剤は、例えば、カーボネート/クエン酸系であるが、他の有機酸も使用し得る。膨潤崩壊助剤は、例えば、合成ポリマー、例えばポリビニルピロリドン(PVP)、または天然ポリマーおよび改質天然物質、例えばセルロースおよびデンプンならびにそれらの誘導体、アルギネートまたはカゼイン誘導体である。
【0118】
本発明において、セルロースに基づく崩壊剤が好ましい崩壊剤である。
【0119】
本発明の好ましい実施態様は、下記の成分を含む本発明の顆粒物によって形成される:
(a)酵素、好ましくは酸化安定性酵素;
(b)酸化アルミニウム、シリケート、特に珪酸アルミニウムナトリウム、アルモシリケート(ゼオライト)、スルフェート、二酸化チタンおよび/またはポリビニルアルコール(PVA)、好ましくは部分加水分解PVA、特に好ましくは、これらの成分の2つまたは3つの組合せの群から選択される粒状担体物質(吸着剤)20〜80wt%;
(c)ポリアクリレート、メタクリル酸−エチルアクリレートコポリマー、および/またはポリビニルアルコール(PVA)、好ましくは部分加水分解PVA、特に好ましくは、これらの成分の2つまたは3つの組合せの群から選択される高分子結合剤5〜50wt%;および
(d)任意の付加的成分としての、
脂肪酸または脂肪酸の塩の群から選択される可塑剤0〜50wt%(顆粒物に基づく);
単糖、好ましくはグルコースの群から選択される溶解促進剤0〜50wt%(顆粒物に基づく);および/または
水および/または顔料0〜25wt%(顆粒物に基づく)。
【0120】
実際に、それに包含される顆粒物を本発明において検討し、適切な洗濯洗剤または洗浄剤組成物の使用条件下でのそれらの安定性および溶解性について好結果が得られた。これは実施例から明らかであり、そこに詳しく記載され、先にも記載されている。
【0121】
本発明の好ましい実施態様は、下記の成分を含む本発明の顆粒物によって形成される:
(a)洗濯洗剤または洗浄剤組成物の感受性成分3〜30wt%;
(b)タルカム、珪酸、酸化アルミニウム、シリケート、特に層状シリケート、珪酸アルミニウムナトリウム、ベントナイトおよび/またはアルモシリケート(ゼオライト)、スルフェート、二酸化チタンおよび/またはポリビニルアルコール(PVA)、好ましくは部分加水分解PVAの群から選択される粒状担体物質(吸着剤)20〜80wt%;
(c)ポリアクリレート、メタクリル酸−エチルアクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、多糖または置換多糖、特にセルロースエーテル、ポリビニルアルコール(PVA)、好ましくは部分加水分解PVA、および/またはエトキシル化ポリビニルアルコールの群から選択される非架橋有機高分子結合剤5〜25wt%;および
(d)任意の付加的成分としての、
水分散性有機化合物、水分散性有機ポリマー、ポリエチレングリコール(PEG)、特に短鎖PEG、脂肪酸または脂肪酸の塩、トリアセチンおよび/またはトリエチルシトレートまたは多価アルコール、例えば1,2-プロパンジオールまたはグリセリンの群から選択される可塑剤0〜33wt%(顆粒物に基づく);
水溶性無機塩、単糖、好ましくはグルコース、少糖、および膨潤剤、特に崩壊剤として好適な化合物、特に、セルロース、圧縮セルロース、セルロース誘導体、および/または架橋有機ポリマー、好ましくは架橋ポリビニルピロリドンの群から選択される溶解促進剤0〜10wt%(顆粒物に基づく);および/または
水、酵素安定剤、着色剤、顔料、pH緩衝物質、酸化防止剤、密度調節化合物および/または他の成分10〜25wt%(顆粒物に基づく)。
【0122】
実際に、それに包含される顆粒物を本発明において検討し、適切な洗濯洗剤または洗浄剤組成物の使用条件下のそれらの安定性および溶解性について好結果が得られた。これは実施例から明らかであり、そこに詳しく記載され、先にも記載されている。
【0123】
これに関して、本発明の特に好ましい顆粒物は、下記の組成を有する:
(a)酵素、好ましくは酸化安定性酵素3〜7wt%;
(b)酸化アルミニウム、シリケート、特に珪酸アルミニウムナトリウム、アルモシリケート(ゼオライト)、スルフェート、二酸化チタンおよび/またはポリビニルアルコール(PVA)、好ましくは部分加水分解PVA、特に好ましくは、これらの成分の2つまたは3つの組合せの群から選択される粒状担体物質(吸着剤)30〜80wt%;
(c)ポリアクリレートおよび/またはポリビニルアルコール(PVA)、好ましくは加水分解PVA、特に好ましくは、これらの成分の2つまたは3つの組合せの群から選択される高分子結合剤5〜25wt%;および
(d)任意の付加的成分としての、
脂肪酸または脂肪酸の塩の群から選択される可塑剤0〜33wt%(顆粒物に基づく);
単糖、好ましくはグルコースの群から選択される溶解促進剤0〜10wt%(顆粒物に基づく);および/または
水および/または顔料10〜25wt%(顆粒物に基づく)。
【0124】
実際に、それに包含される顆粒物を本発明において検討し、適切な洗濯洗剤または洗浄剤組成物の使用条件下におけるそれらの安定性および溶解性について好結果が得られた。これは実施例から明らかであり、そこに詳しく記載され、先にも記載されている。
【0125】
本発明の他の実施態様は、単層または多層コーティングによって付加的に被覆された本発明の顆粒物に関する。
【0126】
この付加的コーティングは、特に、付加的保護を成分に与えるだけでなく、他の目的、例えば、遅延放出、嵩密度特性の向上、例えば、粉立ちの減少、安定性の増加および/または視覚印象の向上も果たすことができる。
【0127】
いわゆるコア/シェル型のこの種の顆粒物、およびそれを製造する方法および装置は、それ自体で既知である。製造法は、コーティングのデザインにもほぼ反映される。これらの方法および装置の概要は、例えば、以下に見出される:ハンドブック "Wirbelschicht-Spruehgranulation" 、H. UhlemannおよびL. Moerl, Springer-Velag, Berlin, Heidelberg, NewYork, 2000, 14.3章(Umhuellen/Encapsulation), p. 461-473、および "Agglomeration Processes. Phenomena, Technologies, Equipment" 、W. Pietsch, Verlag Wiley-VCH,Weinheim, 2002。
【0128】
本発明の顆粒物は、例えば、Karin Woestheinrichによる論文 "Einsatzmoeglichkeiten des Huettlin-Kugelcoaters HKC 05-TJ unter Einbeziehung von Simulationen" (これは、オンライン論文として、url http://w210.ub.uni-tuebingen.de/dbt/volltexte/2000/134/index.htmlにおいて参照できる(2004年4月5日調査))に記載されているターボジェットによって製造できる。
【0129】
好適な被覆法において、顆粒物粒子、好ましくは酵素粒子を、熱空気流に導入し、被覆材料を頂部噴霧器によって噴霧する。これは、乾燥条件下、即ち40〜45℃で行われ、それによって、生成物が約35〜38℃の温度を有し、乾燥状態を維持する。
【0130】
この種の好ましい方法および工程生成物は、シリコーン油を基剤とする水性エマルジョンで酵素顆粒物粒子を被覆することを特徴とする。
【0131】
それに劣らず好ましいこの種の方法および工程生成物は、無機顔料を含む高分子溶液で酵素顆粒物粒子を被覆することを特徴とする。
【0132】
これは、例えば、高分子成分PEG、PVA、PVP、デンプン、デンプン誘導体、セルロース、セルロース誘導体またはそれらの混合物またはそれらのコポリマー、およびカオリン、TiO2および/または酸化防止剤を無機顔料とする方法および工程生成物に関する。
【0133】
この場合、ポリマーを、水溶液の形態、例えばPEG水溶液として、組み込むことが有利であり得る。界面活性剤、例えば約80EOを有する非イオン界面活性剤も、コーティングに任意に組み込むことができる。
【0134】
以下の被覆法およびそれによって得られる本発明による被覆顆粒物が特に好ましい:
(1.)下記の物質を含有する顔料含有コーティング:(a)5〜70wt%(コーティングに基づく)の微細、無機、水不溶性顔料、(b)45〜79wt%の、融点40〜70℃の無機物質、および(c)20wt%までの、嵩密度向上剤;そのようなコーティングはEP 0944704 B1に記載されている;
(2.)少なくとも12個の炭素原子を有する非分岐または分岐、不飽和または飽和モノ-またはポリヒドロキシル化脂肪酸の多価金属塩を含むコーティングを付着させる(このようなコーティングはWO 03/020868 A1に記載されている);
(3.)50wt%未満の水分を有するTiO2、尿素およびポリエチレングリコールの混合物を付着させる(このようなコーティングは、未公開出願DE 102004062326.0に記載されている);
(4.)シリコーン油を基剤とするエマルジョンであって、これらは、油中水エマルジョン(W/O)、水中油エマルジョン(O/W)、多重エマルジョン(W/O/W)ならびにナノ-およびミクロエマルジョンの形態で付着される;
(5.)未公開出願DE 102004062326.0による耐摩耗性被覆酵素顆粒物であって、これは、尿素含有水性調製物を顆粒物粒子に付着させることによって製造することができ、水は乾燥によって少なくとも部分的に除去される。この出願によれば、未被覆顆粒物の微粉を2段階風ひによって先ず除去するのが好都合であり、次に、50%未満の水分を有する尿素/PEG/TiO2の高耐摩耗性層を付着させる。
【0135】
本発明の好ましい実施態様は、コーティングが50wt%を超える1つ以上の下記化合物を含有する本発明に従って被覆された顆粒物に関する:水分散性物質、水分散性および/または水溶性ポリマー、脂肪酸、脂肪酸の塩、脂肪アルコール、パラフィン、ポリビニルアセテート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、メタクリル酸-エチルアクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、セルロースエーテル、ポリビニルアルコールおよびエトキシル化ポリビニルアルコール。
【0136】
実際に、本出願の実施例によって示されるように、付加的高分子コーティングを有する本発明の顆粒物は、増加した安定度値を示す。
【0137】
好ましい実施態様は、水溶性ポリマーがポリアクリレートまたはメタクリル酸-エチルアクリレートコポリマーおよび/またはセルロースエーテル、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)またはカルボキシメチルセルロース(CMC)に関係する本発明に従ったポリマー被覆顆粒物に関する。
【0138】
実際に、本出願の実施例によって示されるように、付加的高分子コーティングを有する本発明の顆粒物は、増加した安定度値を示す。実際に、実施例4において、市販ポリアクリレート(メタクリル酸-エチルアクリレートコポリマー(1:1))での被覆を行い、顕著な安定度値を示した。BASFからの市販ポリマーKollicoat MEAもこれに適している。
【0139】
好ましい実施態様は、コーティングが無機粒子、好ましくはシリケートまたは酸化アルミニウム、特に好ましくはタルカムの群から選択される1つまたは複数の充填剤をさらに含む本発明による被覆顆粒物に関する。
【0140】
この種の充填剤は、例えば、問題とするコーティングおよび/または得られる粒子全体の可塑性に作用するため、拡散のためにそれらの不透性を向上させるため、または粒子の嵩密度を調節するために、使用することができる。
【0141】
好ましい実施態様は、コーティングが、トリエチルシトレート、トリアセチン、多価アルコール、特に、1,2-プロパンジオールおよびポリエチレングリコールの群から選択される1つまたは複数の可塑剤をさらに含む本発明の被覆顆粒物に関する。
【0142】
実際に、本発明の実施例によって示されるように、付加的高分子コーティングを有する本発明の顆粒物は、増加した安定度値を示す。実際に、実施例4において、5%可塑剤(被覆ポリマーに基づく)の付加部分を添加した市販ポリアクリレート(メタクリル酸-エチルアクリレートコポリマー(1:1))での被覆を行った。これは、材料の加工性、従って最終的に得られる被覆顆粒物の有利な特性に、積極的な作用を有していた。
【0143】
好ましい実施態様は、コーティングが顔料、好ましくは二酸化チタンをさらに含む本発明の被覆顆粒物に関する。
【0144】
前述のように、本発明により、顔料は、顆粒物の外観を向上させ、各材料の可塑性に全体として向上作用を有し得る。これにより、本発明の範囲は、これらの特性をコーティングまたは被覆材料に与えることにも及ぶ。
【0145】
好ましい実施態様は、コーティングが、酸化防止剤として作用する1つまたは複数の化合物をさらに含む、本発明の被覆顆粒物に関する。
【0146】
漂白剤に対して、即ち酸化に対して、成分を保護することを特に目的とする本発明において、顆粒物のこの保護機能を、コーティングによってなされる酸化に対する付加的保護で補足することは賢明であり、本出願に包含される。従って、それが酸化防止剤を含むことは有利である。
【0147】
酸化防止剤はそれ自体当業者に既知である。即ち、例えば、酸化防止剤(硫黄含有還元剤、亜硫酸ナトリウムおよび還元糖)を使用することによって、酸化分解に対する酵素の安定性を向上させることは一般に行われることである。ここで挙げられる他の好適な化合物は、例えば、アスコルビン酸、トコフェロール、ガレート(没食子酸塩)、チオスルフェート置換フェノール、ヒドロキノン、ピロカテコールおよび芳香族アミンならびに有機スルフィド、ポリスルフィド、ジチオカルバメート、ホスフィット、ホスホネートおよびビタミンEである。
【0148】
好ましい実施態様は、コーティングが、未被覆顆粒物の5〜100wt%、好ましくは10〜80wt%、特に好ましくは15〜60wt%の割合である本発明の被覆顆粒物に関する。
【0149】
これらの数値は、完成包囲顆粒物に関する。製造時において、これらの数値はわずかに異なる場合があり、なぜなら、顆粒物は、それらの被覆後に、別の乾燥工程にも一般に付されるからである。これは、コアおよびコーティングの両方の水分を減少させ、それによって水分の比率の変化を生じ得る。これは、例えば、比較的希釈された、即ち特に水を含有する、酵素調製物が、コアに組み込まれている場合、またはそれが疎水性被覆材料の水性懸濁液で被覆されている場合に当てはまる。後者の場合、得られた最終コーティングの水分は、コアの水分より有意に少ない。
【0150】
本発明の好ましい実施態様は、100〜3000μm、好ましくは200〜2500μm、特に好ましくは400〜2000μmの平均粒径を有する本発明の未被覆または被覆顆粒物に関する。
【0151】
この大きさは第一に製造方法に依存し、それによって被覆顆粒物が未被覆顆粒物より幾分大きい直径を一般に有する。第二に、この大きさは適用分野に依存する。さらに、これらの大きさの範囲は、問題とする材料を使用した際に、成分の迅速崩壊および放出を達成するために、さらには特に美的な印象を製品に与えるために、好都合であることが分かっている。
【0152】
さらに、可能な最も均一な粒度分布を顆粒物粒子に与えることは、視覚的により魅力的であり、さらには取扱いおよび一定の活性プロフィールの達成において有利であり、その場合、特定の変動限界を各製造法に依存して考慮すべきである。粒度は、粒子、特に未被覆粒子の製造に関して、それ自体当業者に既知の種々の製造法によって調節することができる。例えば、全粒子の90%が平均粒度の±20%の範囲内である押出しによって得られる顆粒物が好ましい。これは、ダイプレートによって調節することができる。
【0153】
例えば、全粒子の90%が平均粒度の±50%の範囲内である流動床法によって得られる顆粒物が好ましい。これは、篩分けによって、押出物の場合のように、調節することができる。
【0154】
本発明の好ましい実施態様は、平均密度1.00〜1.5g/mL、好ましくは1.02〜1.30g/mL、特に好ましくは1.05〜1.15g/mLを有する本発明の未被覆または被覆顆粒物に関する。
【0155】
密度を調節し得ることは、それ自体、当業者に既知であり、先に既に示した。本発明による密度の調節は、目的とする組成物の密度を、使用に適合させるために有利である。従って、本発明の液体またはゲル化組成物(下記参照)は、沈降およびクリーミングの両方を避けるために、周囲マトリックスと実質的に同じ密度を有する顆粒物粒子を含む。
【0156】
本出願の実施例4に記載されている顆粒物の密度は、約1.29g/mLである。
【0157】
本発明の全ての顆粒物を製造する方法は、本発明の別の主題である。
【0158】
洗濯洗剤または洗浄剤組成物の感受性成分の顆粒物を製造する方法は、それ自体で当業者に既知である。これに関して、前述のハンドブックおよび引例が参照される。特に酵素顆粒物の製造に関して、実質的な先行技術が存在する。
【0159】
液体濃厚水性酵素調製物に基づく好都合な手順は、次のように記述し得る:本発明関連組成物の、有利には事前に製造し乾燥させた粉末状ないし粒状混合物に、酵素濃厚物を計量しながら供給する。この混合物の水分は、撹拌および打撃装置での処理によって顆粒状の室温で非粘着性の粒子に加工し、高圧の使用によって可塑的に成形し押出し得るように、選択すべきである。次に、易流動性プレミックスを、主要な既知の方法で、押出機に連結したニーダーで処理して、可塑性の、可能ならば均質な素材にする。この場合、該素材は機械的処理によって15〜80℃、特に40〜60℃、特に45〜55℃に加熱される。本発明にとって有利には、押出温度は、60℃未満であり、押出圧力は30〜130バール、特に50〜90バールである。
【0160】
押出機から出る材料を、下流ダイカッターに連結したダイプレートに供給し、それによって規定寸法の円筒形粒子にカットする。ダイプレートにおけるボアの内径は、有利には0.7〜1.2mm、好ましくは0.8〜1.0mmである。押出機のダイプレートから出る素材をすぐにダイヘッドにおいてカットせず、冷却路を配置し、その後、カッティング装置で粒状化を行うのも有利である。
【0161】
次に、このようにして得た粒子を、乾燥し、丸み付けし、および/または被覆することができる。押出機およびカッターから出た円筒形粒子を、封入前に、球状化する、即ち、好適な装置で丸めてバリ取りすることが有利であることが分かっている。固定中実側壁を有する円筒ケース、および下方の回転組込み摩擦プレートから成る装置を、この目的に使用する。このタイプの装置は、商品名Marumerizer(登録商標)として産業界で周知であり、例えば、DE 2137042およびDE 2137043に記載されている。粒度0.1mm未満、特に0.4mm未満の存在し得るダスト部分、ならびに粒度2mm以上、特に1.6mm以上の粗粒部分を、篩分けまたは水ひによって除去し、所望により製造工程に再循環させることができる。球状化の後、流動床乾燥ユニットを使用して、好ましくは35℃〜70℃の流入空気温度、特に60℃を超えない製品温度で、小球を連続的または回分的に乾燥させて、全顆粒物に基づいて例えば2wt%〜10wt%、特に3wt%〜8wt%の所望残留水分にする(それらの初期水分がより高い場合)。
【0162】
顆粒物を被覆する方法は、先に既に記載した。被覆材料、特にワックス状構造(即ち、室温より高い融点において)を有するコーティングを、メルト状態で適用する方法、または特に有機被覆材料を、有機溶媒中の溶液として適用する方法が、先行技術から既知である。全てのこれらの方法は、本発明に使用できる。しかし、被覆材料を水性溶液または懸濁液の形態で適用し、次に、過剰の水を任意に除去する方法が好ましい。実際に、このようにして、顆粒物粒子に含有された酵素が、高温において、または問題とする溶媒と接触して、変性するリスクが回避される。さらに、含有された香料が有機溶媒によって粒子から溶け出る場合がある。さらに、環境保護の面から、水を溶媒とするコーティングが好ましい。
【0163】
本発明において、先の実施態様から選ぶことができ、この記述においても認識できる方法の下記のような変形方法それぞれは、特に互いに組み合わせた場合に、有利であることが示された:
− 吸着剤(b)が主に乾燥した物質として存在し、酵素成分(a)が液体調製物として組み込まれる本発明の方法;
− 結合剤(c)が液体酵素成分(b)と同時に、好ましくはこれら両成分のプレミックスの形態で、組み込まれる本発明の方法;
− 吸着剤(b)がミキサーまたは流動床装置に存在し、結合剤(b)および液体酵素成分(a)が、単独で、または前もって形成された混合物として、噴霧され、それによって均質凝集物が生成される本発明の方法;
− 任意に付加的に含有される固形物を、吸着剤(b)と混合する本発明の方法;
− 付加的な液体物質を、任意に他の液体成分の1つとの混合または乳化によって、液体調製物として任意に組み込む本発明の方法;
− 成分を押出し、任意に球状化し、および/または任意に被覆する本発明の方法。
【0164】
好ましい実施態様は、少なくとも1つの液体成分を、押出し工程の間に、工程条件下に別に供給する本発明の方法に関する。
【0165】
これは、例えば、組み込み可能な感受性成分(a)の液体調製物、特に液体酵素調製物について当てはまる。それは、押出機の工程の任意の時点で、分離液体供給装置から供給することができ、成分(b)、(c)および(d)は、工程の最初に、易流動性顆粒物としてかまたは粉末混合物として供給される。
【0166】
本発明において、先の実施態様から選ぶことができ、この記述においても認識できる方法の下記のような変形方法それぞれは、特に互いに組み合わせた場合に、有利であることが示された:
− より高いまたはより低い密度の材料を、吸着剤(a)の付加的成分として、または付加的成分(d)として、添加することによって、得られる顆粒物粒子の密度を1.00〜1.50g/mL、好ましくは1.02〜1.30g/mL、特に好ましくは1.05〜1.15g/mLの平均密度に調節する本発明の方法;
− 被覆酵素顆粒物を製造する本発明の方法であって、流動床装置において、被覆材料を、水性溶液/懸濁液から、被覆される粒子に吹き付ける方法;
− 被覆酵素顆粒物を製造する本発明の方法であって、被覆材料の全重量が、被覆される粒子の重量の5〜100wt%、好ましくは10〜80wt%、特に好ましくは15〜60wt%である方法。
【0167】
本発明による顆粒物の形態の感受性成分を含む洗濯洗剤または洗浄剤組成物は、本発明の別の目的物である。
【0168】
本発明により、感受性成分(とりわけ、他の成分、特に漂白成分に対して優れた保護を有する酵素)を含む固体、液体またはゲル化洗濯洗剤および洗浄剤組成物を提供する。この包囲形態は、その保護機能を果たすために、物理的にほぼ安定である。しかし、適用において、即ち、水性洗浄液での希釈の際に、それは優れた放出挙動を示し、従って、酵素が急速に活性形態で利用可能になり、洗濯物に残留物を実質的に残さない。
【0169】
本発明において、洗濯洗剤または洗浄剤組成物は、商業規模で洗濯機において、または手での洗濯または洗浄において使用される、あらゆる考え得るタイプの洗浄剤組成物、濃厚物および希釈せずに使用される組成物の両方を意味するものと理解される。これらは、例えば、織物、敷物または天然繊維用の洗濯洗剤を包含し、これらについて「洗濯洗剤」という用語が本発明において使用される。これらは、例えば、食器洗浄機または手での食器洗浄用の食器洗い洗剤、硬質面、例えば、金属、ガラス、瀬戸物、セラミック、タイル、石、塗面、プラスチック、木材または革用の洗浄剤も包含し、これらについては「洗浄剤組成物」という用語が本発明において使用される。
【0170】
本発明の実施態様は、先行技術によって確立されているあらゆるタイプ、および/または本発明の洗濯洗剤または洗浄剤組成物のあらゆる必要とされる表現形態を包含する。これらは、特に、圧縮されたまたは圧縮されていない複数の相からの場合もある固体粉末組成物を包含し、さらに、例えば、大量および小量包装の両方の、押出物、顆粒物、タブレットまたはパウチも包含する。
【0171】
好ましくは酵素(前記参照)の顆粒物に加えて、本発明の洗濯洗剤または洗浄剤組成物は、付加的成分、例えば、酵素安定剤(前記参照)、界面活性剤、例えば、ノニオン、アニオンおよび/または両性界面活性剤、および/または漂白剤、および/またはビルダー、ならびに特に以下に挙げる任意付加的一般成分を含んで成ってもよい:他の、特に先に記載した酵素、金属イオン封鎖剤、電解質、蛍光増白剤、灰色化抑制剤、銀腐食抑制剤、色移行抑制剤、抑泡剤、研磨剤、着色剤および芳香剤、ならびに微生物および/またはUV吸収剤。
【0172】
洗濯洗剤および/または洗浄剤組成物の製造および組成に関する広範囲な先行技術が存在し、それらが本発明で参照される。組成物は、例えば、汚れ、使用温度および使用媒体または応用可能性に関する特定の課題に関して、一般に調整される。本発明の顆粒物は、例えば、その溶解挙動または含有成分の適合に関して、これら種類の最適化に含まれる。
【0173】
これらの実際態様と同等に、洗濯洗剤または洗浄剤組成物における混合成分としての本発明顆粒物の使用は、本発明の別の目的を示す。
【0174】
本発明による、または本発明の方法によって製造された、酵素顆粒物は、固体、特に粒子形状の洗濯洗剤または洗浄剤組成物に使用され、それらは酵素顆粒物とこの種の組成物に一般に使用される粉末成分との単純ブレンドによって得られる。粒子状洗濯洗剤および洗浄剤組成物への組み込みのために、酵素顆粒物は、好ましくは0.7〜2.0mmの平均粒度を示す。本発明の顆粒物は、0.4〜2.0mmの範囲外の粒度を有する粒子を、好ましくは2wt%未満、特に最大で1.4wt%で含む。しかし、その方法はこれらの粒度に限定されず、適用分野に適した広い粒度範囲を包含し、通常、平均粒径(d50)は0.1〜2mmの間にある。
【0175】
本発明の顆粒物に加えて、洗濯洗剤または洗浄剤組成物は界面活性剤も含み、アニオン、ノニオン、両性イオンおよび/または両性界面活性剤を使用することができる。アニオンおよび非イオン界面活性剤の混合物が、技術的観点から好ましい。液体洗濯洗剤または洗浄剤組成物の全界面活性剤分は、全液体洗濯洗剤に基づいて、好ましくは40wt%未満、特に好ましくは35wt%未満である。
【0176】
好ましい非イオン界面活性剤は、アルコキシル化、有利にはエトキシル化された、特に第一級アルコールであって、好ましくは8〜18個の炭素原子、およびアルコール1モルにつき平均で1〜12モルのエチレンオキシド(EO)を有する第一級アルコールであり、それにおいてアルコール基は、直鎖であってもよく、または好ましくは2位でメチル分岐してもよく、またはオキソアルコール基に一般に存在する混合物の形態の直鎖およびメチル分岐基を含有してもよい。しかし、例えばココ-、パーム-、獣脂-またはオレイルアルコールからの、12〜18個の炭素原子を有する天然由来の直鎖アルコール基、およびアルコール1モルにつき平均で2〜8のEOを有するアルコールエトキシレートが、特に好ましい。好ましいエトキシル化アルコールの例は、3EOまたは4EOを有するC12-14アルコール、7EOを有するC9-11アルコール、3EO、5EO、7EOまたは8EOを有するC13-15アルコール、3EO、5EOまたは7EOを有するC12-18アルコール、およびそれらの混合物、ならびに3EOを有するC12-14アルコールと5EOを有するC12-18アルコールとの混合物である。
【0177】
前述のエトキシル化度は、統計的平均値であり、特定の生成物に関して整数または分数の場合がある。好ましいアルコールエトキシレートは、狭い同族体分布を有する(狭範囲エトキシレート、NRE)。これらの非イオン界面活性剤の他に、12EOを超える脂肪アルコールも使用できる。その例は、14EO、25EO、30EOまたは40EOを有する獣脂脂肪アルコールである。さらに、分子中にEOおよびPO基を共に有するオニオン界面活性剤も、本発明に使用できる。この場合、EO-POブロックまたはPO-EOブロックを有するブロックコポリマーだけでなく、EO-PO-EOコポリマーまたはPO-EO-POコポリマーも添加できる。EO-およびPO-単位がブロックに存在せず統計的に分布している混合アルコキシル化非イオン界面活性剤も、当然、使用できる。そのような生成物は、脂肪アルコール上でのエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの同時作用によって得られる。
【0178】
さらに、付加的非イオン界面活性剤として、一般式RO(G)xを満たすアルキルグリコシドを添加することもでき、ここで、Rは、第一級直鎖またはメチル分岐、特に2-メチル分岐した、8〜22個、好ましくは12〜18個の炭素原子を有する脂肪族基を表し、Gは、5または6個の炭素原子を有する単糖単位、好ましくはグルコースを表す。モノグリコシドおよびオリゴグリコシドの分布を規定するオリゴマー化度xは、1〜10、好ましくは1.2〜1.4の任意の数値である。アルキルグリコシドは、既知の緩和界面活性剤である。
【0179】
単一非イオン界面活性剤として、または他の非イオン界面活性剤と組み合わして、使用し得る他の種類の好ましい非イオン界面活性剤は、アルコキシル化された、好ましくはエトキシル化されたまたはエトキシル化およびプロポキシル化された、好ましくは1〜4個の炭素原子をアルキル鎖に有する脂肪酸アルキルエステル、特に脂肪酸メチルエステルである。
【0180】
アミンオキシド型の非イオン界面活性剤、例えば、N-ココアルキル-N,N-ジメチルアミノオキシドおよびN-タローアルキル-N,N-ジヒドロキシエチルアミンオキシドおよび脂肪酸アルカノールアミドも好適である。これらの非イオン界面活性剤が使用される量は、好ましくは、エトキシル化脂肪アルコールが使用される量より少なく、特に、その量の半分以下である。
【0181】
他の好適な界面活性剤は、下記の式(I)に対応するポリヒドロキシ脂肪酸アミドである:
【化3】

[式中、
RCOは、6〜22個の炭素原子を有する脂肪族アシル基を表し;
R1は、水素、1〜4個の炭素原子を有するアルキルまたはヒドロキシアルキル基を表し;
[Z]は、3〜10個の炭素原子および3〜10個のヒドロキシル基を有する直鎖または分岐鎖ポリヒドロキシアルキル基を表す]。
ポリヒドロキシ脂肪酸アミドは既知の物質であり、これは、アンモニア、アルキルアミンまたはアルカノールアミンでの還元糖の還元アミノ化、次に、脂肪酸、脂肪酸アルキルエステルまたは脂肪酸クロリドでのアシル化によって得られる。
【0182】
ポリヒドロキシ脂肪酸アミドの群は、下記の式(II)に対応する化合物も包含する:
【化4】

[式中、
Rは、7〜12個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキルまたはアルケニル基を表し;
R1は、2〜8個の炭素原子を有する直鎖、分岐鎖または環状アルキル基またはアリール基を表し;
R2は、1〜8個の炭素原子を有する直鎖、分岐鎖または環状アルキル基またはアリール基またはオキシアルキル基を表し、C1-4アルキルまたはフェニル基が好ましく;
[Z]は、アルキル鎖が少なくとも2個のヒドロキシル基で置換されている直鎖ポリヒドロキシアルキル基、またはその基のアルコキシル化、好ましくはエトキシル化またはプロポキシル化誘導体である]。
【0183】
[Z]は、糖、例えば、グルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、マンノースまたはキシロースの、還元アミノ化によって得るのが好ましい。次に、N-アルコキシ-またはN-アリールオキシ-置換化合物を、触媒としてのアルコキシドの存在下に、脂肪酸メチルエステルとの反応によって、必要とされるポリヒドロキシ脂肪酸アミドに変換し得る。
【0184】
洗濯洗剤または洗浄剤組成物における非イオン界面活性剤の含有量は、好ましくは5〜30wt%、有利には7〜20wt%、特に9〜15wt%である(各場合に、全洗濯洗剤または洗浄剤組成物に基づく)。
【0185】
非イオン界面活性剤に加えて、洗濯洗剤または洗浄剤組成物は、アニオン界面活性剤も含有し得る。好適なアニオン界面活性剤の例は、スルホネートまたはスルフェート型の界面活性剤である。スルホネート型の好適な界面活性剤は、有利にはC9-13アルキルベンゼンスルホネート、オレフィンスルホネート、即ち、アルケン-およびヒドロキシアルカンスルホネートおよびジスルホネートの混合物であり、それらは、例えば、末端または内部二重結合を有するC12-18モノオレフィンから、ガス状三酸化硫黄でのスルホン化、次に、スルホン化生成物のアルカリまたは酸加水分解によって得られる。C12-18アルカンから、スルホ塩素化またはスルホ酸化、次に、加水分解または中和によって得られるアルカンスルホネートも好適である。α-スルホ脂肪酸のエステル(スルホン酸エステル)、例えば、水素化ココ-、パーム核-または獣脂酸のスルホン化メチルエステルも好適である。
【0186】
他の好適なアニオン界面活性剤は、グリセリンの硫酸化脂肪酸エステルである。それらは、モノ-、ジ-およびトリエステルならびにそれらの混合物、例えば、1〜3モル脂肪酸でのモノグリセリンのエステル化、または0.3〜2モルのグリセリンでのトリグリセリドのエステル交換によって得られる化合物を包含する。この場合、好ましいグリセロールの硫酸化脂肪酸エステルは、6〜22個の炭素原子を有する飽和脂肪酸、例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸またはベヘン酸の硫酸化生成物である。
【0187】
好ましいアルキル(アルケニル)スルフェートは、C12−C18脂肪アルコールから、例えば、ココナツバターアルコール、獣脂アルコール、ラウリル、ミリスチル、セチルまたはステアリルアルコールから、またはC10−C20オキソアルコールから、誘導される硫酸半エステル、および上記鎖長の第二級アルコールの硫酸半エステルの、アルカリ金属塩、特にナトリウム塩である。それらに加えて、石油化学に基づいて生成された合成直鎖アルキル基を有し、脂肪化学原材料に基づく好適な化合物と同様の崩壊挙動を示す、前述の鎖長のアルキル(アルケニル)スルフェートも好ましい。C12−C16アルキルスルフェートおよびC12−C15アルキルスルフェートおよびC14−C15アルキルスルフェートが、洗濯性能の点で好ましい。Shell Oil Companyから商品名DAN(登録商標)で得られる2,3-アルキルスルフェートも、好適なアニオン界面活性剤である。
【0188】
1〜6モルのエチレンオキシドでエトキシル化された直鎖または分岐鎖C7〜21アルコール、例えば、平均3.5モルのエチレンオキシド(EO)を有する2-メチル分岐アルコールまたは1〜4EOを有するC12-18脂肪アルコール、から誘導された硫酸モノエステルも好適である。その高起泡性能により、硫酸モノエステルは洗浄剤組成物において極めて少量、例えば1〜5wt%の量でのみ使用される。
【0189】
他の好適なアニオン界面活性剤は、スルホスクシネートまたはスルホ琥珀酸のエステルとも称されるアルキルスルホ琥珀酸の塩、およびスルホ琥珀酸とアルコール、好ましくは脂肪アルコール、特にエトキシル化脂肪アルコールとのモノエステルおよび/またはジエステルである。好ましいスルホスクシネートは、C8-18脂肪アルコール基またはそれらの混合物を含有する。特に好ましいスルホスクシネートは、非イオン界面活性剤として考えられているエトキシル化脂肪アルコールから誘導された脂肪アルコール基を有する。ここでも、特に好ましいスルホスクシネートは、その脂肪アルコール基が、狭範囲同族体分布を有するエトキシル化脂肪アルコールから誘導されたスルホスクシネートである。アルキル(アルケニル)鎖に好ましくは8〜18個の炭素原子を有するアルキル(アルケニル)琥珀酸、またはそれらの塩を使用することもできる。
【0190】
特に好ましいアニオン界面活性剤は、石鹸である。飽和および不飽和脂肪酸石鹸が好適であり、その例は、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、(水素化)エルカ酸およびベヘン酸の塩、特に、天然脂肪酸、例えば、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸または獣脂脂肪酸から誘導される石鹸混合物である。
【0191】
PAP含有組成物において使用する場合、この酸化剤の反応性により、モノ-、特にポリ-不飽和炭素鎖を有する界面活性剤の含有量をできるだけ低くすることが有利であることが分かっている。
【0192】
石鹸を包含するアニオン界面活性剤は、それらのナトリウム、カリウムまたはアンモニウム塩の形態であってよく、または有機塩基、例えば、モノ-、ジ-またはトリエタノールアミンの可溶塩であってもよい。好ましくは、アニオン界面活性剤は、それらのナトリウムまたはカリウム塩の形態、特にナトリウム塩の形態である。
【0193】
洗濯洗剤または洗浄剤組成物におけるアニオン界面活性剤の含有量は、全洗濯洗剤または洗浄剤組成物に基づいて、有利には0.1〜30wt%である。
【0194】
洗濯洗剤または洗浄剤組成物は、界面活性剤に加えて、洗濯洗剤または洗浄剤組成物の適用技術的特性および/または美的特性をさらに向上させる付加的成分も含有し得る。本発明において、洗濯洗剤または洗浄剤組成物は、好ましくは、下記の群からの1つまたは複数の物質を含む:ビルダー、漂白剤、漂白活性剤、酵素、電解質、非水性溶媒、pH調整剤、香料、香料担体、蛍光剤、染料、ヒドロトロープ、抑泡剤、シリコーン油、再付着防止剤、蛍光増白剤、灰色化抑制剤、防縮剤、防しわ剤、付加的な色移行抑制剤、抗微生物剤、殺菌剤、殺真菌剤、酸化防止剤、防腐剤、腐食抑制剤、帯電防止剤、苦味剤、アイロン助剤、撥水剤および含浸剤、膨潤および滑り止め剤、中性充填塩、軟化成分およびUV吸収剤。
【0195】
洗濯洗剤または洗浄剤組成物は、好ましくは窒素を含有する第二の色移行抑制剤も含有することができる。第二色移行抑制剤の例は、以下の物質である:環状アミンのポリマーまたはコポリマー、例えば、ビニルピロリドンおよび/またはビニルイミダゾール、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルイミダゾール(PVI)、ビニルピロリドンとビニルイミダゾールとのコポリマー(PVP/PVI)、ポリビニルピリジン-N-オキシド、ポリ-N-カルボキシメチル-4-ビニルピリジウムクロリド、ならびにそれらの混合物。
【0196】
添加されるポリビニルピロリドン(PVP)は、好ましくは、平均分子量2,500〜400,000を有し、ISP ChemicalsからPVP K 15、PVP K 30、PVP K 60またはPVP K90として、またはBASFからSokalan(登録商標)HP 50またはSokalan(登録商標)HP53として市販されている。
【0197】
添加されるビニルピロリドンおよびビニルイミダゾールのコポリマー(PVP/PVI)は、好ましくは、分子量5,000〜100,000を有する。市販のPVP/PVIコポリマーは、例えば、BASFからのSokalan(登録商標)HP 56である。
【0198】
第二色移行抑制剤の量は、存在する場合に、洗濯洗剤または洗浄剤組成物の全重量に基づいて、好ましくは0.01〜10wt%、有利には0.05〜5wt%、より好ましくは0.1〜2wt%である。
【0199】
シリケート、珪酸アルミニウム(特にゼオライト)、カーボネート、有機ジ-およびポリカルボン酸の塩、ならびにこれらの物質の混合物が、洗濯洗剤または洗浄剤組成物に含有させることができるビルダーとして特に挙げられる。
【0200】
好適な結晶性層状珪酸ナトリウムは、一般式:NaMSixO2x+1 H2Oに対応し、ここで、Mはナトリウムまたは水素であり、xは1.9〜4の数値であり、yは0〜20の数値であり、xの好ましい数値は2、3または4である。前述の式の好ましい結晶性層状シリケートは、Mがナトリウムを表し、xが2または3の数値であるシリケートである。特に、β-およびδ-ナトリウムジシリケートNa2Si2O5・yH2Oが共に好ましい。
【0201】
他の有用なビルダーは、1:2〜1:3.3、好ましくは1:2〜1:2.8、より好ましくは1:2〜1:2.6の比(Na2O:SiO2比)を有する非晶質珪酸ナトリウムであり、それらは、遅延溶解し、多重洗浄サイクル特性を示す。一般的な非晶質珪酸ナトリウムと比較した場合の溶解の遅延は、種々の方法、例えば、表面処理、配合、加圧/圧縮、または過乾燥によって得られる。本発明において、「非晶質」という用語は、「X線非晶質」も意味する。換言すれば、そのシリケートは、結晶質に典型的な鮮明なX線反射のいずれも生じないが、数度の幅の回折角を有する1つまたはそれ以上の散乱X線の極大を生じる。しかし、電子回折実験において、シリケート粒子が不明瞭なまたは鮮明な回折極大を生じる場合でさえ、特に優れたビルダー特性が得られる。これは、生成物が、10〜数百nmの大きさの微晶質領域を有することを意味するものと理解でき、50nm以下まで、特に20nm以下までの数値が好ましい。加圧/緻密化非晶質シリケート、配合非晶質シリケートおよび過乾燥X線非晶質シリケートが特に好ましい。
【0202】
結合水を含有する好適な微細結晶質合成ゼオライトの中で、ゼオライトAおよび/またはPが好ましい。Zeolite MAP(登録商標)(Crosfield社の市販製品)がゼオライトPとして特に好ましい。しかし、ゼオライトX、ならびにA、Xおよび/またはPの混合物も好適である。例えば、ゼオライトXおよびゼオライトAの共結晶化物(約80wt%のゼオライトX)も商業的に入手可能であり、本発明に使用するのが好ましく、それはSASOL Companyによって商品名VEGOBOND AX(登録商標)として市販されており、下記の式で示すことができる:
【化5】

【0203】
ゼオライトは、噴霧乾燥された粉末として、または未乾燥であって、製造に起因して湿潤した形態の安定化懸濁液として、使用できる。ゼオライトを懸濁液として添加する場合、これは、少量の非イオン界面活性剤、例えば、ゼオライトに基づいて1〜3wt%の、2〜5エチレンオキシド基を有するエトキシル化C12-C18脂肪アルコール、4〜5エチレンオキシド基を有するC12〜C14脂肪アルコール、またはエトキシル化イソトリデカノールを、安定剤として含有し得る。好適なゼオライトは、10μm未満の平均粒度を有し(クールターカウンター法によって測定される容積分布)、好ましくは18〜22wt%、より好ましくは20〜22wt%の結合水を含有する。
【0204】
一般に既知のホスフェートも、その使用が環境上の理由から避けるべきでない限り、当然、結合剤として添加することができる。オルトホスフェート、ピロホスフェート、特にトリポリホスフェートの、ナトリウム塩が特に好適である。
【0205】
洗濯洗剤または洗浄剤組成物に存在し得る有機ビルダーは、例えば、ナトリウム塩の形態のポリカルボン酸であり、該ポリカルボン酸は、2個以上の酸性官能基を有するカルボン酸を意味するものと理解される。これは、例えば、クエン酸、アジピン酸、琥珀酸、グルタル酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、糖酸、アミノカルボン酸、ニトリロ三酢酸(NTA)およびそれらの誘導体ならびにそれらの混合物である。好ましい塩は、クエン酸、アジピン酸、琥珀酸、グルタル酸、酒石酸、糖酸およびそれらの混合物の塩である。
【0206】
酸を、それままで使用することもできる。酸は、そのビルダー作用に加えて、酸性化成分の特徴も一般に有し、従って、洗濯洗剤または洗浄剤組成物のより弱いおよびより緩和なpHを調節する機能も果たす。特に、クエン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、グルコン酸およびこれらの任意の混合物が、これに関して挙げられる。
【0207】
高分子ポリカルボキシレートもビルダーとして好適である。これは、例えばポリアクリル酸またはポリメタクリル酸のアルカリ金属塩であり、例えば500〜70,000g/molの相対分子量を有する。
【0208】
高分子ポリカルボキシレートに関して本明細書に記載する分子量は、特定の酸形態の重量平均分子量Mwであり、これは、基本的に、UV検出器を取り付けたゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって測定された。測定は、ポリアクリル酸を外部標準として行われ、該標準は、分析されるポリマーとの構造類似性により、実際的な分子量値を与える。これらの数値は、標準としてのポリスチレンスルホン酸に対して測定される分子量とは明らかに異なる。ポリスチレンスルホン酸に対して測定される分子量は、一般に、本明細書に記載する分子量より有意に高い。
【0209】
特に好適なポリマーは、好ましくは2,000〜20,000g/molの分子量を有するポリアクリレートである。この群の好ましい代表例は、それらの優れた溶解性により、2,000〜10,000g/mol、特に3,000〜5,000g/molの分子量を有する短鎖ポリアクリレートである。
【0210】
好適なポリマーは、ビニルアルコールまたはその誘導体の単位から部分的にまたは全体的に成る物質も包含し得る。
【0211】
共重合ポリカルボキシレート、特に、アクリル酸とメタクリル酸との共重合体、およびアクリル酸またはメタクリル酸とマレイン酸との共重合体も好適である。50〜90wt%のアクリル酸および50〜10wt%のマレイン酸を含有するアクリル酸/マレイン酸コポリマーが特に好適であることが分かっている。遊離酸に基づくそれらの相対分子量は、一般に2,000〜70,000g/mol、好ましくは20,000〜50,000g/mol、より好ましくは30,000〜40,000g/molである。(共)重合ポリカルボキシレートは、水溶液としてまたは好ましくは粉末形態で使用し得る。
【0212】
水溶性を向上させるために、ポリマーは、アリルスルホン酸、例えばアリルオキシベンゼンスルホン酸およびメタリルスルホン酸を、モノマーとして含むこともできる。
【0213】
他の特に好ましいポリマーは、3つ以上の異なるモノマー単位の生分解性ポリマーであり、例えば、アクリル酸およびマレイン酸の塩ならびにビニルアルコールまたはビニルアルコール誘導体をモノマーとして含有するポリマー、またはアクリル酸および2-アルキルアリルスルホン酸の塩ならびに糖誘導体をモノマーとして含有するポリマーである。
【0214】
他の好ましいコポリマーは、好ましくはアクロレインおよびアクリル酸/アクリル酸塩またはアクロレインおよびビニルアセテートを、モノマーとして含有するコポリマーである。
【0215】
他の好ましいビルダーとして挙げられるのは、高分子量アミノジカルボン酸、その塩または先駆物質である。ビルダー特性の他に漂白安定作用を有するポリアスコルビン酸またはその塩および誘導体が特に好ましい。
【0216】
好適な更なるビルダーはポリアセタールであり、これは、ジアルデヒドと、5〜7個の炭素原子および少なくとも3個のヒドロキシル基を有するポリオールカルボン酸との反応によって得られる。好ましいポリアセタールは、ジアルデヒド、例えば、グリオキサール、グルタルアルデヒド、テレフタルアルデヒドおよびそれらの混合物から、およびボリオールカルボン酸、例えば、グルコン酸および/またはグルコヘプトン酸から得られる。
【0217】
他の好適な有機ビルダーは、デキストリン、例えば炭化水素のオリゴマーまたはポリマーであって、それらはデンプンの部分加水分解によって得られる。加水分解は、標準的な方法、例えば、酸-または酵素-触媒法によって行い得る。最終生成物は、好ましくは、平均分子量400〜500,000g/molの加水分解生成物である。0.5〜40、特に2〜30のデキストロース当量(DE)を有する多糖が好ましく、DEは、100のDEを有するデキストロースとの比較による多糖の還元作用の公認測度である。3〜20のDEを有するマルトデキストリンおよび20〜37のDEを有する乾燥グルコースシロップの両方、および2,000〜30,000g/molの比較的高い分子量を有するいわゆる黄色デキストリンおよび白色デキストリンも使用し得る。
【0218】
そのようなデキストリンの酸化誘導体は、糖環のアルコール官能基の少なくとも1つをカルボン酸官能基に酸化することができる酸化剤と、それらのデキストリンとの反応生成物である。酸化少糖も好ましい。糖環のC6において酸化された生成物が特に有利である。
【0219】
他の好適なコビルダーは、オキシジスクシネート、およびジスクシネートの他の誘導体、好ましくはエチレンジアミンジスクシネートである。エチレンジアミン-N,N’-ジスクシネート(EDDS)は、好ましくは、そのナトリウムまたはマグネシウム塩の形態で使用される。グリセロールジスクシネートおよびグリセロールトリスクシネートもこれに関して好ましい。
【0220】
他の有用な有機コビルダーは、例えば、アセチル化ヒドロキシカルボン酸およびその塩であって、それらは、任意にラクトン形態で存在してもよく、少なくとも4個の炭素原子、少なくとも1個のヒドロキシル基および多くて2個の酸基を有する。
【0221】
ビルダー、例えば、クエン酸/シトレート、ポリカルボキシレートおよびホスホネートは、液体配合物に特に好適であり、従って、本発明において特に好ましい。
【0222】
漂白剤として作用し、水中でH2O2を遊離する化合物の中で、過硼酸ナトリウム四水和物および過硼酸ナトリウム一水和物が特に重要である。使用し得る他の漂白剤の例は、ペルオキシピロホスフェート、クエン酸過水和物およびH2O2-遊離過酸塩または過酸、例えば、過硫酸塩または過硫酸である。式:H2N-CO-NH2・H2O2で示される尿素ペルオキシハイドレートペルカルバミドも好適である。特に、組成物を、例えば自動食器洗浄機において、硬質面の洗浄に使用する場合、組成物は、必要であれば、有機漂白剤の群からの漂白剤も含有し得るが、基本的にそれらは織物の洗浄にも使用できる。一般的な有機漂白剤は、ジアシルペルオキシド、例えばジベンゾイルペルオキシドである。他の一般的な有機漂白剤はペルオキシ酸であり、その例として、アルキルペルオキシ酸およびアリールペルオキシ酸が特に挙げられる。好ましい代表例は、以下の化合物である:ペルオキシ安息香酸およびその環置換誘導体、例えばアルキルペルオキシ安息香酸、およびペルオキシα-ナフトエ酸およびマグネシウムモノペルフタレート、脂肪族または置換脂肪族ペルオキシ酸、例えば、ペルオキシラウリン酸、ペルオキシステアリン酸、ε-フタルイミドペルオキシカプロン酸(フタロイミノペルオキシヘキサン酸、PAP)、o-カルボキシベンズアミドペルオキシカプロン酸、N-ノネニルアミド過アジピン酸およびN-ノネニルアミドペルスクシネート、ならびに脂肪族および芳香脂肪族ペルオキシジカルボン酸、例えば、1,12-ジペルオキシカルボン酸、1,9-ジペルオキシアゼライン酸、ジペルオキシセバシン酸、ジペルオキシブラシル酸、ジペルオキシフタル酸、2-デシルジペルオキシブタン-1,4-二酸、N,N-テレフタロイル-ジ(6-アミノペルカプロン酸)である。
【0223】
過硼酸塩一水和物、ペルカーボネートまたはPAPを使用するのが特に有利であり、PAPが好ましい。
【0224】
他の好適な漂白剤は、塩素-および臭素-放出物質である。好適な塩素-または臭素-放出物質として挙げられるのは、例えば、複素環式N-ブロムアミドおよびN-クロルアミド、例えば、トリクロロイソシアヌル酸、トリブロモイソシアヌル酸、ジブロモイソシアヌル酸および/またはジクロロイソシアヌル酸(DICA)、および/またはカリウムおよびナトリウムのような陽イオンとのそれらの塩である。ヒダントイン化合物、例えば1,3-ジクロロ-5,5-ジメチルヒダントインも好適である。
【0225】
組成物における漂白剤の含有量は、0.1〜40wt%、好ましくは0.5〜30wt%、特に好ましくは1〜25wt%、特に2〜20wt%である。洗濯洗剤または洗浄剤組成物、特に食器洗浄機用洗剤の活性酸素含有量は、組成物の全重量に基づいて、好ましくは0.3〜15wt%、特に好ましくは0.5〜10wt%、特に0.6〜8wt%、例えば5wt%である。特に好ましい物質は、0.7wt%を超え、特に好ましくは0.8wt%を超え、特に1.0wt%を超える含有量の活性酸素を有する。特に好適な漂白剤としてのPAPは、約5%の活性酸素含有量しか有さないが、極めて反応性であるので、全配合物に基づいて1〜5wt%、好ましくは2〜4wt%、特に好ましくは2.5〜3wt%のPAP含有量が、本発明における含有量である。
【0226】
洗濯洗剤または洗浄剤組成物は、60℃およびそれ未満の洗濯温度での向上した漂白作用を得るために、漂白活性剤を含有し得る。使用し得る漂白活性剤は、過加水分解条件下に、好ましくは1〜10個の炭素原子、特に2〜4個の炭素原子を有する脂肪族ペルオキシカルボン酸、および/または任意置換過安息香酸を生じる化合物である。前述の数の炭素原子を有するO-アシルおよび/またはN-アシル基、および/または任意置換ベンゾイル基を有する物質が好適である。以下の物質が好ましい:ポリアシル化アルキレンジアミン、特にテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、アシル化トリアジン誘導体、特に1,5-ジアセチル-2,4-ジオキソヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン(DADHT)、アシル化グリコールウリル、特に1,3,4,6-テトラアセチルグリコールウリル(TAGU)、N-アシルイミド、特にN-ノナノイルスクシンイミド(NOSI)、アシル化フェノールスルホネート、特にn-ノナノイル-またはイソノナノイルオキシベンゼンスルホネート(n-またはイソ-NOBS)、アシル化ヒドロキシカルボン酸、例えばトリエチル-O-アセチルシトレート(TEOC)、カルボン酸無水物、特に、無水フタル酸、イサト酸無水物および/または無水琥珀酸、カルボン酸アミド、例えばN-メチルジアセトアミド、グリコリド、アシル化多価アルコール、特に、トリアセチン、エチレングリコールジアセテート、イソプロペニルアセテートおよび2,5-ジアセトキシ-2,5-ジヒドロフラン、およびドイツ特許出願DE 19616693およびDE 19616767から既知のエノールエステルならびにヨーロッパ特許EP 0525239(SORMAN)に記載されているアセチル化ソルビトールおよびマンニトールまたはそれらの混合物、アシル化糖誘導体、特に、ペンタアセチルグルコース(PAG)、ペンタアセチルフルクトース、テトラアセチルキシロースおよびオクタアセチルラクトースならびにアセチル化、任意N-アルキル化グルカミンおよびグルコノラクトン、トリアゾールまたはトリアゾール誘導体および/または粒子状カプロラクタムおよび/またはカプロラクタム誘導体、好ましくはN-アシル化ラクタム、例えばN-ベンゾイルカプロラクタムおよびN-アセチルカプロラクタム。親水的置換アシルアセタールおよびアシルラクタムを使用することも好ましい。従来の漂白活性剤の組合せも使用し得る。ニトリル誘導体、例えば、シアノピリジン、ニトリルクアット、例えばN-アルキルアンモニウムアセトニトリル、および/またはシアナミド誘導体も使用できる。このましい漂白活性剤は、以下の物質である:ナトリウム4-(オクタノイルオキシ)ベンゼンスルホネート、n-ノナノイル-またはイソノナノイルオキシベンゼンスルホネート(n-またはイソ-NOBS)、ウンデセノイルオキシベンゼンスルホネート(UDOBS)、ナトリウムドデカノイルオキシベンゼンスルホネート(DOBS)、ドデカノイルオキシ安息香酸(DOBA、OBC 10)および/またはドデカノイルオキシベンゼンスルホネート(OBS 12)、およびN-メチルモルホリナムアセトニトリル(MMA)。
【0227】
そのような漂白活性剤は、全組成物に基づいて0.01〜20wt%、好ましくは0.1〜15wt%、特に1〜10wt%の通常の量範囲で含有される。
【0228】
本発明において、他の好ましい漂白活性剤は、陽イオン性ニトリル、特に下記式の陽イオン性ニトリルの群からの化合物である:
【化6】

[式中、
R1は、-H;-CH3;C2-24アルキルまたはアルケニル基;-Cl、-Br、-OH、-NH2、-CN、C1-24アルキル基を有するアルキルアリールまたはアルケニルアリール基の群からの、少なくとも1個の置換基を有する置換C2-24アルキルまたはアルケニル基を表すか、または、C1-24アルキル基および芳香環上の少なくとも1個の付加的置換基を有する置換アルキルアリールまたはアルケニルアリール基を表し;
R2およびR3は、互いに独立に、-CH2-CN、-CH3、-CH2-CH3、-CH2-CH2-CH3、-CH(CH3)-CH3、-CH2-OH、-CH2-CH2-OH、-CH(OH)-CH3、-CH2-CH2-CH2-OH、-CH2-CH(OH)-CH3、-CH(OH)-CH2-CH3、-(CH2CH2-O)nH(n=1、2、3、4、5または6)から選択され;
Xは、陰イオンである]。
【0229】
下記式:
【化7】

[式中、R4、R5およびR6は、互いに独立に、-CH3、-CH2-CH3、-CH2-CH2-CH3、-CH(CH3)-CH3から選択され;R4は-Hであってもよく;Xは陰イオンである。]
で示される陽イオン性ニトリルが特に好ましい。
好ましくは、R5=R6=-CH3、特にR4=R5=R6=-CH3であり;式(CH3)3N(+)CH2-CN X-、(CH3CH2)3N(+)CH2-CN X-、(CH3CH2CH2)3N(+)CH2-CN X-、(CH3CH(CH3))3N(+)CH2-CN X-、または(HO -CH2-CH2)3N(+)CH2-CN X-の化合物が特に好ましく、さらに、これらの物質の群から、式:(CH3)3N(+)CH3 X-の陽イオン性ニトリルが特に好ましく、ここで、X-は、塩素、臭素、沃素、硫酸水素塩、メトスルフェート、p-トルエンスルホネート(トシレート)またはキシレンスルホネートの群から選択される陰イオンを表す。
【0230】
従来の漂白活性剤に加えてまたは代えて、いわゆる漂白触媒を洗濯洗剤または洗浄剤組成物に組み込んでもよい。これらの物質は、漂白増強遷移金属塩または遷移金属錯体、例えば、マンガン-、鉄-、コバルト-、ルテニウム-またはモリブデン-サレンまたは-カルボニル錯体である。窒素含有三脚リガンドを有するマンガン、鉄、コバルト、ルテニウム、モリブデン、チタン、バナジウムおよび銅錯体、ならびにコバルト-、鉄-、銅-およびルテニウム-アミン錯体も、漂白触媒として使用し得る。
【0231】
原子価状態II、III、IVまたはVのマンガンの錯体を使用するのが特に好ましく、これは好ましくは、ドナー官能基N、NR、PR、Oおよび/またはSを有する1個または複数の大環状リガンドを有する。好ましくは、窒素ドナー官能基を有するリガンドが使用される。これに関して、巨大分子リガンドとして下記を有する漂白触媒を、本発明の組成物に組み込むのが特に好ましい:1,4,7-トリメチル-1,4,7-トリアザシクロノナン(Me-TACN)、1,4,7-トリアザシクロノナン(TACN)、1,5,9-トリメチル-1,5,9-トリアザシクロドデカン(Me-TACD)、2-メチル-1,4,7-トリメチル-1,4,7-トリアザシクロノナン(Me/Me-TACN)および/または2-メチル-1,4,7-トリアザシクロノナン(Me/TACN)。好適なマンガン錯体は、例えば以下の錯体である:[MnIII2(μ-O)1(μ-OAc)2(TACN)2](ClO4)2、[MnIIIMnIV(μ-O)2(μ-OAc)1(TACN)2](BPh4)2、[MnIV4(μ-O)6(TACN)4](ClO4)4、[MnIII2(μ-O)1(μ-OAc)2(Me-TACN)2](ClO4)2、[MnIIIMnIV(μ-O)1(μ-OAc)2(Me-TACN)2](ClO4)S、[MnIV2(μ-O)3(Me-TACN)2](PF6)2、および[MnIV2(μ-O)3(Me/Me-TACN)2](PF6)2(OAc=OC(O)CH3)。
【0232】
漂白触媒は、通常の量、好ましくは0.0025〜1wt%、特に好ましくは0.01〜0.25wt%(それぞれ、漂白活性剤含有組成物の全重量に基づく)の量で添加することができる。しかし、特定の場合に、より多い漂白触媒を添加することもできる。
【0233】
洗濯洗剤または洗浄剤組成物が、(「2イン1」)柔軟化洗濯洗剤または洗浄剤組成物であることが好ましい場合もある。この目的のために、洗濯洗剤または洗浄剤組成物は、色移行抑制剤および界面活性剤に加えて、柔軟化成分も含む。
【0234】
柔軟化成分の例は、アンモニウム化合物、例えば、モノアルキル(アルケニル)トリメチルアンモニウム化合物、ジアルキル(アルケニル)ジメチルアンモニウム化合物、脂肪酸とアルカノールアミンとのモノ-、ジ-またはトリエステルである。
【0235】
第四アンモニウム化合物の好適な例は、例えば式(III)および(IV):
【化8】

で示される。式(III)において、Rは、12〜24個の炭素原子を有する非環式アルキル基を表し;R1は、飽和C1-C4アルキルまたはヒドロキシアルキル基を表し;R2およびR3は、RまたはR1と同じであるかまたは芳香族基を表す。X-は、ハライド-、メトスルフェート-、メトホスフェート-またはホスフェートイオン、ならびにそれらの混合物を表す。式(III)の陽イオン化合物は、モノタロートリメチルアンモニウムクロリド、モノステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジタロージメチルアンモニウムクロリドまたはジヘキサデシルアンモニウムクロリドを表す。
【0236】
式(IV)、(V)および(VI)の化合物は、いわゆるエステルクアットである。エステルクアットは、顕著な生分解性を特徴とする。式(IV)において、R4は、12〜22個の炭素原子、0、1、2または3個の二重結合および/または任意に置換基を有する脂肪族アルキル(アルケニル)基を表し;R5は、H、OHまたはO(CO)R7を表し;R6は、R5から独立に、H、OHまたはO(CO)R8を表し、ここで、R7およびR8は、互いに独立に、12〜22個の炭素原子、0、1、2または3個の結合を有する脂肪族アルキル(アルケニル)基を表し;m、nおよびpは、それぞれ独立に、1、2または3の数値を有し得る。X-は、ハライド-、メトスルフェート-、メトホスフェート-またはホスフェートイオン、ならびにこれらの陰イオンの混合物を表す。R5が基O(CO)R7を表す化合物が好ましい。特に好ましい化合物は、R5が基O(CO)R7を表し、R4およびR7が16〜18個の炭素原子を有するアルキル(アルケニル)基である化合物である。それに加えてR6がOHを表す化合物が特に好ましい。式(IV)の化合物の例は、以下の化合物である:メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)-N,N-ジ(タローアシルオキシチル)アンモニウムメトスルフェート、ビス(パルミトイルオキシエチル)ヒドロキシエチル-メチル-アンモニウムメトスルフェート、1,2-ビス[タローアシルオキシ]-3-トリメチルアンモニウムプロパンクロリド、またはメチル-N,N-ビス(ステアロイルオキシエチル)-N-(2-ヒドロキシエチル)アンモニウムメトスルフェート。
【0237】
不飽和アルキル鎖を有する式(IV)の四級化化合物を使用する場合、対応する脂肪酸が1〜100、好ましくは5〜80、より好ましくは10〜60、特に15〜45の沃素価を有し、30:70より大、好ましくは50:50より大、特に60:40より大のシス/トランス異性体比(重量比)を有するアシル基が好ましい。市販化合物の例は、Stepan社によって商品名Stepantex(登録商標)として市販されているメチル-ヒドロキシアルキル-ジアルコイルオキシアルキルアンモニウムメトスルフェート、またはCognisからの商品名Dehyquart(登録商標)で既知の製品、またはDegussa製造の商品名Rewoquat(登録商標)で既知の製品、またはKaoからの商品名Tetranyl(登録商標)で既知の製品である。他の好ましい化合物は、下記の式(V)のジエステルクアットであり、それらは商品名Rewoquat(登録商標)W222 LMおよびCR 3099として入手可能である:
【化9】

【0238】
この場合、R21およびR22は、それぞれ互いに独立に、12〜22個の炭素原子、0、1、2または3個の二重結合を有する脂肪族基を表す。Rが長鎖アルキル(アルケニル)基を表すエステル基O(CO)Rに代えて、以下の基:RO(CO)、N(CO)RまたはRN(CO)、を有する柔軟化化合物を添加することができ、これらの基の中でN(CO)R基が好ましい。
【0239】
前述の四級化合物に加えて、他の化合物、例えば、下記の式(VI)の四級イミダゾリニウム化合物を、柔軟化化合物として添加することもできる:
【化10】

式中、R9は、H、または1〜4個の炭素原子を有する飽和アルキル基を表し;R10およびR11は、それぞれ互いに独立に、12〜18個の炭素原子を有する脂肪族飽和または不飽和アルキル基を表し;または、R10は、O(CO)R20を表すこともでき、ここで、R20は12〜18個の炭素原子を有する脂肪族飽和または不飽和アルキル基を意味し;Zは、NH基または酸素を意味し;X-は陰イオンである。Qは1〜4の整数の数値である。
【0240】
特に好ましいエステルクアットは、下記の式(VII)で示される:
【化11】

式中、R12、R13およびR14は、互いに独立に、C1-4アルキル、アルケニルまたはヒドロキシアルキル基を表し;R15およびR16は、それぞれ独立に選択されて、C8〜28アルキル基を表し;X-は陰イオンであり;rは0〜5の数である。式(VII)の陽イオン沈殿助剤の好ましい例は、2,3-ビス[タローアシルオキシ]-3-トリメチルアンモニウムプロパンクロリドである。
【0241】
本発明による他の好適な柔軟化成分は、例えば、四級化タンパク質加水分解物またはプロトン化アミンである。
【0242】
さらに、陽イオンポリマーも好適な柔軟化成分である。好適な陽イオンポリマーは、以下の物質を包含する:CTFA Cosmetic Ingredient Dictionary(The Cosmetic,Toiletry and Fragrance,Inc.,1997)に記載のようなポリクアテルニウムポリマー、特に、Merquats(AmercholからのPolymer JR、LRおよびKGシリーズ)としても記載されるポリクアテルニウム-6、ポリクアテルニウム-7、ポリクアテルニウム-10ポリマー、ポリクアテルニウム-4-コポリマー、例えば、アリルジメチルアンモニウムクロリドを介して結合した第四アンモニウム基とセルロース主鎖とのグラフトコポリマー、陽イオングアルのような陽イオンセルロース誘導体、例えば、グアルヒドロキシプロピルトリアンモニウムクロリド、および類似の四級化グアル誘導体(例えば、Cognis製造のCosmedia Guar、またはRhodiaからのJaguarシリーズ)、陽イオン第四糖誘導体(陽イオンアルキルポリグルコシド)、例えば、市販製品Glucquat(登録商標)100、CTFA命名法により "Lauryl Methyl Gluceth-10 Hydroxypropyl Dimonium Chloride" 、PVPとジメチルアミノメタクリレートとのコポリマー、ビニルイミダゾールとビニルピロリドンとのコポリマー、アミノシリコーンポリマーおよびコポリマー。
【0243】
多四級化ポリマー(例えば、BASFからのLuviquat(登録商標)Care)、ならびにキチンおよびその誘導体に基づく陽イオンバイオポリマー、例えば、商品名Chitosan(登録商標)(製造会社:Cognis)として得られるポリマーも使用できる。
【0244】
前述の陽イオンポリマーのいくつかは、肌ケアおよび/または織物ケア特性もさらに示す。
【0245】
下記の式(VIII)の化合物も好適である:
【化12】

式中、R17は、12〜22個の炭素原子、0、1、2または3個の二重結合を有する脂肪族アルキル(アルケニル)基であり;sは、0〜5の数値であり;R18およびR19は、それぞれ互いに独立に、H、C1-4アルキルまたはヒドロキシアルキルを表し;X-は陰イオンである。
【0246】
他の好適な柔軟化成分は、プロトン化または四級化ポリアミンを包含する。
【0247】
エステル基および/またはアミド基によって中断された少なくとも1個のアルキル鎖を有するアルキル化第四アンモニウム化合物が、特に好ましい柔軟化成分である。N-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)-N,N-(ジタローアシルオキシエチル)アンモニウムメトスルフェートまたはビス-(パルミトイルオキシエチル)-ヒドロキシエチル-メチル-アンモニウムメトスルフェートが極めて好ましい。
【0248】
洗濯洗剤または洗浄剤組成物は、増粘剤を含むことができる。増粘剤の例は、以下の物質である:ポリアクリレート増粘剤、キサンタンガム、ゲランガム、グアルナット粉末、アルギネート、カラゲナン、カルボキシメチルセルロース、ベントナイト、ウェランガム、イナゴマメ粉末、寒天、トラガカント、アラビアガム、ペクチン、多糖類、デンプン、デキストリン、ゼラチンおよびカゼイン。改質天然物、例えば改質デンプンおよびセルロース、例えば、カルボキシメチルセルロースおよび他のセルロースエーテル、ヒドロキシエチルおよびヒドロキシプロピルセルロースならびに豆粉エーテルも、増粘剤として使用することができる。
【0249】
ポリアクリル酸およびポリメタクリル酸増粘剤は、例えば、ポリアルケニルポリエーテル、特に、サッカロース、ペンタエリトリトールまたはプロピレンのアリルエーテルと架橋したアクリル酸の高分子量ホモポリマー(The Cosmetic, Toiletry and Fragrance Association(CTFA)の "International Dictionary of Cosmetic Ingredients" によるINCI名:カーボマー)であり、それらはカルボキシビニルポリマーとも称される。そのようポリアクリル酸は、特に、Company 3V Sigmaから商品名Polygel(登録商標)、例えばPolygel DAとして、およびCompany Noveon(前B.F. Goodrich)から商品名Carbopol(登録商標)、例えば、Carbopol 940(分子量約4,000,000)、Carbopol 941(分子量約1,250,000)またはCarbopol 934(分子量約3,000,000)として入手可能である。その他に、以下のアクリル酸コポリマーもこの分類に含まれる:
(i)アクリル酸、メタクリル酸、およびそれらの単純エステル(好ましくはC1-4アルコールから生成)の群からの2つ以上のモノマーのコポリマー(INCI アクリレートコポリマー)であり、それに属するコポリマーは、例えば、メタクリル酸、ブチルアクリレートおよびメチルメタクリレートのコポリマー(Chemical Abstracts ServiceによるCAS番号:25035-69-2)またはブチルアクリレートおよびメチルメタクリレートのコポリマー(CAS 25852-37-3)であり、それらは、例えば、Rohm & Haasから商品名Aculyn(登録商標)およびAcusol(登録商標)として、およびDegussa(Goldschmidt)から商品名Tego(登録商標)Polymerとして入手可能であり、その例は、陰イオン非結合性ポリマーAculyn 22、Aculyn 28、Aculyn 33(架橋)、Acusol 810、Acusol 820、Acusol 823およびAcusol 830(ACS 25852-37-3)である;
(ii)架橋高分子量アクリル酸コポリマーであって、その例は、C10-30アルキルアクリレートと、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらの単純エステル(好ましくはC1-4アルコールから生成)の群からの1つ以上のモノマーとのコポリマーであって、サッカロースまたはペンタエリトリトールのアリルエーテルと架橋したコポリマー(INCI アクリレート/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマー)であり、それらはNoveon Company(前B.F.Coodrich)から商品名Carbopol(登録商標)として入手可能であり、その例は、疎水化Carbopol TD 2623およびCarbopol 1382(INCI アクリレート/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマー)ならびにCarbopol Aqua 30(前Carbopol EX 473)である。
【0250】
使用し得る他の好ましい高分子増粘剤は、キサンタンガム、Xanthomonas campestrisおよび他のいくつかの種によって好気条件下に産生される分子量200万から1500万ダルトンの微生物陰イオン複合多糖類である。キサンタンは、側鎖を有する連鎖β-1,4-グルコース(セルロース)の鎖から形成される。サブグループの組成は、グルコース、マンノース、グルクロン酸、アセテートおよびピルベートから成る(ピルベート単位の数は、キサンタンガムの粘性を決定する)。
【0251】
脂肪アルコールも、増粘剤とみなし得る。脂肪アルコールは、分岐または非分岐であってよく、天然由来または石油化学由来であってよい。好ましい脂肪アルコールは、10〜20個、好ましくは12〜18個の炭素原子の炭素鎖長を有する。種々の炭素鎖長の混合物、例えば、牛脂脂肪アルコールまたはココ脂肪アルコールを使用するのが好ましい。その例は、Lorol(登録商標)Spezial(C12-14 ROH)またはLorol(登録商標)Technisch(C12-18 ROH)(両方ともCognisより)である。
【0252】
他の種類の増粘剤は、シリケート状粒子、例えば、商品名OptigelまたはThixogel(Suedchemie)で市販されているシリケート状粒子、または珪酸である。Optigel WX(Suedchemie)が特に好ましい。
【0253】
洗濯洗剤または洗浄剤組成物は、0.01〜3wt%、好ましくは0.1〜1wt%の増粘剤を含むことができる。添加される増粘剤の量は、増粘剤の種類、および所望される増粘の程度に依存する。
【0254】
洗濯洗剤または洗浄剤組成物は、非発明的粒状化酵素もさらに含むことができる。好適な酵素は、特に、加水分解酵素の種類からの酵素、例えば、プロテアーゼ、エステラーゼ、リパーゼまたは脂肪分解酵素、アミラーゼ、セルラーゼまたは他のグリコシルヒドロラーゼ、ヘミセルラーゼ、クチナーゼ、β-グルカナーゼ、オキシダーゼ、ペルヒドロラーゼおよび/またはラッカーゼ、および前記酵素の混合物である。洗濯物において、これらの全ての加水分解酵素は、汚れ、例えば、タンパク質、脂肪またはデンプン質汚れの除去、および灰色化の防止に寄与する。さらに、セルラーゼおよび他のグリコシルヒドロラーゼは、毛玉および微細繊維の除去によって、織物の柔軟性の増加および色保留に寄与し得る。酸化還元酵素を、漂白剤に、または色移行を抑制するために、添加することができる。細菌源または真菌、例えば、bacillus subtilis、bacillus licheniformis、streptomyceus griseusおよびhumicola insolensから得られる酵素活性物質が特に適している。サブチリシン型のプロテアーゼ、特にbacillus lentusから得られるプロテアーゼを使用するのが好ましい。ここで、酵素の混合物が特に関心の持たれるものであり、その例は以下の混合物である:プロテアーゼおよびアミラーゼ;または、プロテアーゼおよびリパーゼまたは脂肪分解酵素;または、プロテアーゼおよびセルラーゼ;または、セルラーゼおよびリパーゼまたは脂肪分解酵素;または、プロテアーゼ、アミラーゼおよびリパーゼまたは脂肪分解酵素;または、プロテアーゼ、リパーゼまたは脂肪分解酵素およびセルラーゼ;特に、プロテアーゼおよび/またはリパーゼ-含有混合物、または脂肪分解酵素との混合物。そのような脂肪分解酵素の例は、既知のクチナーゼである。ペルオキシダーゼまたはオキシダーゼも、特定の場合に好適であることが分かっている。好適なアミラーゼは、特に、α-アミラーゼ、イソ-アミラーゼ、プルラナーゼおよびペクチナーゼを包含する。セロビオヒドロラーゼ、エンドグルカナーゼおよびβ-グルコシダーゼ(これらは、セロビアーゼとしても既知)、またはそれらの混合物が、好ましいセルラーゼである。種々のセルラーゼ型は、それらのCMCアーゼ-およびアビセラーゼ活性において異なり、必要とされる活性は、セルラーゼの制御混合物によって調節することができる。
【0255】
酵素は、早期分解から保護するために、担体に封入するかまたは吸着することができる。洗濯洗剤または洗浄剤組成物における酵素、液体酵素配合物または酵素粒体の含有量は、例えば、0.01〜5wt%、好ましくは0.12〜約3.5wt%であってよい。
【0256】
無機塩の群からの極めて多様な塩を、電解質として使用することができる。好ましい陽イオンは、アルカリ金属およびアルカリ土類金属であり、好ましい陰イオンは、ハロゲン化物および硫酸塩である。洗濯洗剤または洗浄剤組成物における電解質の含有量は、通常、0.1〜5wt%である。
【0257】
洗濯洗剤または洗浄剤組成物に添加することができる非水性溶媒は、所定の濃度範囲で水と混和性である限り、例えば、一価または多価アルコール、アルカノールアミンまたはグリコールエーテルの群からの溶媒である。好ましくは、溶媒は以下から選択される:エタノール、n-またはi-プロパノール、ブタノール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールプロピルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールメチル-、-エチル-または-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチル-または-エチルエーテル、メトキシ-、エトキシ-またはブトキシトリグリコール、1-ブトキシエトキシ-2-プロパノール、3-メチル-3-メトキシブタノール、プロピレングリコールt-ブチルエーテル、ジ-n-オクチルエーテル、ならびにこれらの溶媒の混合物。非水性溶媒は、洗濯洗剤または洗浄剤組成物に、0.5〜15wt%、好ましくは12wt%未満、特に9wt%未満の量で添加することができる。
【0258】
本発明組成物のpHを所望範囲にするために、pH調整剤を添加することが考えられる。任意の既知の酸またはアルカリを、それらの添加が技術的または環境保護的見地または消費者保護の見地から禁じられない限り、添加することができる。一般に、この調整剤の量は、全配合物の10wt%を超えない。
【0259】
洗濯洗剤または洗浄剤組成物のpHは、一般に3〜7、好ましくは3.5〜6.5、特に好ましくは4.0〜5.5である。
【0260】
好ましい実施態様において、洗濯洗剤または洗浄剤組成物は、1つまたは複数の(任意に付加的な)香料を、通常10wt%まで、好ましくは0.01〜5wt%、特に0.3〜3wt%の量で含む。ここで、基本的に、この適用分野に関して先行技術において既知の全ての香料、特に、本発明において包囲可能として先に記載した香料が考えられる。好適な香油または芳香剤は、個々の香料化合物、例えば、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭水和物型の合成物である。魅力的芳香を共に生じる種々の芳香性物質の混合物が、特に好ましい。そのような香油は、植物源から得られる芳香性化合物の天然混合物を含有することもできる。
【0261】
洗濯洗剤または洗浄剤組成物の美的印象を向上させるために、それらを適切な着色剤で着色することができる。当業者が容易に選択できる好ましい着色剤は、高貯蔵安定性を有し、洗濯洗剤の他の成分または光によって影響を受けず、織物繊維にどのような顕著な親和性も有さず、従ってそれらを着色しない。フタロシアニン着色剤がこれに特に適している。
【0262】
所望により担体物質に付着させた石鹸、パラフィンまたはシリコーン油は、洗濯洗剤または洗浄剤組成物に組み込むことができる抑泡剤の例である。
【0263】
好適な再付着防止剤(汚れ剥離剤とも称される)は、例えば、以下の物質である:非イオン性セルロースエーテル、例えば、メチルセルロースおよびメチルヒドロキシプロピルセルロース(非イオン性セルロースエーテルにそれぞれ基づいて、15〜30wt%のメトキシ基分および1〜15w%のヒドロキシプロピル基分を有する);ならびに、先行技術から既知のフタル酸および/またはテレフタル酸のポリマーまたはそれらの誘導体、特に、エチレンテレフタレートおよび/またはポリエチレン-および/またはポリプロピレングリコールテレフタレートのポリマーまたは陰イオン的および/または非イオン的に改質されたそれらの誘導体。好適な誘導体は、フタル酸ポリマーおよびテレフタル酸ポリマーのスルホン化誘導体を包含する。
【0264】
処理される織物の灰色化および黄色化を除去するために、蛍光増白剤(いわゆる「増白剤」)を、洗濯洗剤または洗浄剤組成物に添加することができる。このような物質は、繊維に吸収され、不可視紫外線が可視光線に変換される増白および疑似漂白作用を生じ、日光から吸収された紫外線が弱い青色蛍光として放射されて、灰色化または黄色化した洗濯物の黄ばみに純粋な白色を与える。好適な化合物は、例えば下記の物質種に由来する:4,4’-ジアミノ-2,2’-スチルベンジスルホン酸(フラボン酸(flavonic acids))、4,4’-ジスチリルビフェニレン、メチルウンベリフェロン、クマロン、ジヒドロキノリノン、1,3-ジアリールピラゾリン、ナフトエ酸イミド、ベンゾキサゾール-、ベンズイソキサゾール-およびベンズイミダゾール-系、ならびに複素環式置換ピレン誘導体。蛍光増白剤は、完成洗濯洗剤または洗浄剤組成物に基づいて0〜3wt%の量で一般に添加される。
【0265】
灰色化抑制剤は、繊維から除去された汚れを、洗濯液に懸濁した状態に維持し、それによって再付着を防止する。ほぼ有機質の水溶性コロイドはこれに好適であり、その例は、グルー、ゼラチン、デンプンまたはセルロースのエーテルスルホン酸の塩、またはセルロースまたはデンプンの酸性硫酸エステルの塩である。水溶性の酸基含有ポリアミドも、この目的に好適である。さらに、可溶性デンプン調製物なども、前述のデンプン生成物として使用でき、その例は、分解デンプン、アルデヒドデンプンである。ポリビニルピロリドンも使用できる。しかし、好ましいのはセルロースエーテルの使用であり、その例は、カルボキシメチルセルロース(Na塩)、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースおよび混合エーテル、例えば、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロースおよびそれらの混合物であり、それらは、洗濯洗剤または洗浄剤組成物の総量に基づいて、例えば0.1〜5wt%の量で添加することができる。
【0266】
織物、特に、レーヨン、スパンレーヨン、コットンおよびそれらの混紡は、個々の繊維が繊維方向に直角の屈曲、曲げ、加圧および絞りに対して感受性である故に、しわになりやすいので、洗濯洗剤または洗浄剤組成物は合成の防しわ剤を含むことができる。それは、例えば、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪酸アルキロールエステル、脂肪酸アルキロールアミド、またはエチレンオキシドで主に処理された脂肪アルコールに基づく合成物、またはレシチンまたは改質リン酸エステルに基づく生成物である。
【0267】
洗濯洗剤または洗浄剤組成物は、微生物を抑制するために抗微生物剤を含むことができる。抗菌スペクトルおよび作用機序に基づいて、抗微生物剤は、静菌剤および殺菌剤、静真菌剤および殺真菌剤などに分類される。これらの群の重要な代表例は、例えば、塩化ベンザルコニウム、アルキルアリールスルホネート、ハロフェノールおよびフェノール酢酸水銀であり、これらの化合物は、本発明の洗濯洗剤または洗浄剤組成物に全く使用せずに済ますこともできる。
【0268】
本発明の洗濯物処理組成物は、防腐剤を含むことができ、その場合、皮膚刺激可能性を有さないかごく僅かしか有さない防腐剤のみを使用するのが好ましい。その例は、以下の物質である:ソルビン酸およびその塩、安息香酸およびその塩、サリチル酸およびその塩、フェノキシエタノール、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート、ナトリウムN-(ヒドロキシメチル)グリシネート、ビフェニル-2-オール、ならびにそれらの混合物。好適な防腐剤は、例えば、ジアゾリジニル尿素、安息香酸ナトリウムおよびソルビン酸カリウムの溶媒不含水性組合せ(Euxyl(登録商標)K 00としてSchuelke & Mayrより入手可能)であり、それは7までのpH範囲で使用することができる。
【0269】
洗濯物処理組成物は、酸素および他の酸化過程によって洗濯物処理組成物および/または処理される織物に生じる望ましくない変化を防止するために、酸化防止剤を含むことができる。この種の化合物は、例えば、置換フェノール、ヒドロキノン、ピロカテコールおよび芳香族アミン、ならびに有機スルフィド、ポリスルフィド、ジチオカルバメート、ホスフィット、ホスホネートおよびビタミンEである。
【0270】
着用快適性の向上は、洗濯洗剤または洗浄剤組成物に含有し得る帯電防止剤の付加的使用から得られる。帯電防止剤は、表面導電性を増加させ、それによって蓄積電荷の向上した放電を可能にする。一般に、表面用帯電防止剤は、少なくとも1つの親水性分子リガンドを有する物質であり、表面に幾分か吸湿性の薄膜を与える。これらの主に界面活性の帯電防止剤は、窒素含有(アミン、アミド、第四アンモニウム化合物)、燐含有(リン酸エステル)および硫黄含有(アルキルスルホネート、アルキルスルフェート)帯電防止剤に分類することができる。ラウリル(またはステアリル)ジメチルベンジルアンモニウムクロリドは、織物用に、または洗濯物処理組成物への添加剤として、好適な帯電防止剤であり、付加的仕上効果を生じる。
【0271】
例えばシリコーン誘導体を、洗濯物処理組成物に組み込んで、処理された織物の再湿潤性を向上させることができ、かつ、処理された織物のアイロン掛けを容易にすることができる。その抑泡特性によって、シリコーン誘導体は、洗濯洗剤または洗浄剤組成物の最終すすぎ洗い挙動を付加的に向上させる。好ましいシリコーン誘導体の例は、ポリジアルキルシロキサンまたはアルキルアリールシロキサンであり、それらにおいて、アルキル基は1〜5個の炭素原子を有し、完全にまたは部分的に弗素化されている。好ましいシリコーンは、ポリジメチルシロキサンであって、それは任意に誘導体化することができ、それにより、アミノ官能性であるか、または四級化されているか、またはSi-OH、Si-Hおよび/またはSi-Cl結合を有する。好ましいシリコーンの25℃での粘度は、100〜100,000mPasであり、その場合、シリコーンは、洗濯洗剤または洗浄剤組成物の総量に基づいて0.2〜5wt%の量で添加することができる。
【0272】
最後に、洗濯洗剤または洗浄剤組成物はUV吸収剤も含むことができ、それは、処理された織物に吸収されて、繊維の光安定性を向上させる。これらの所望特性を有する化合物は、例えば、有効な無放射失活化合物、並びに2位および/または4位に置換基を有するベンゾフェノンの誘導体である。下記の物質も好適である:置換ベンゾトリアゾール、アクリレート(3位でフェニル置換され(桂皮酸誘導体)、任意に、2位にシアノ基を有する)、サリチレート、有機Ni錯体、ならびに天然物質、例えばウンベリフェロンおよび内生ウロカニン酸。
【0273】
ある種の洗濯洗剤成分の重金属触媒分解を防止するために、重金属を錯体化する物質を添加することができる。好適な重金属イオン封鎖剤は、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)またはニトリロ三酢酸(NTA)のアルカリ塩、ならびに陰イオン高分子電解質のアルカリ金属塩、例えば、ポリアクリレート、ポリマレエートおよびポリスルホネートである。
【0274】
好ましい種類の金属イオン封鎖剤はホスホネートであり、それは洗濯洗剤または洗浄剤組成物に0.01〜2.5wt%、好ましくは0.02〜2wt%、特に0.03〜1.5wt%の量で含有される。これらの好ましい化合物は、オルガノホスホネート、例えば、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸(HEDP)、アミノトリ(メチレンホスホン酸)(ATMP)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(DTPMPまたはDETPMP)ならびに2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸(PBS-AM)を特に包含し、それらは、主に、それらのアンモニウムまたはアルカリ金属塩の形態で添加される。
【0275】
本発明の洗濯洗剤または洗浄剤組成物は、織物、特に色織物の洗濯および/または洗浄に使用することができる。
【0276】
本発明の洗濯洗剤または洗浄剤組成物を製造するために、既知の方法および工程を使用して、以下のように基礎配合物を先ず製造する:基礎配合物の成分を撹拌器で単純に混合し、水、非水性溶媒および界面活性剤を有利に存在させ、付加的成分、脂肪アルキルジアルキルヒドロキシエチル-アンモニウム塩、を色移行抑制剤として少しずつ添加する。製造の間に特別な加熱は必要ないが、必要であれば、混合物の温度が80℃を超えないようにする。
【0277】
本発明のこの目的物の好ましい実施態様は、主として液体またはゲル化またはペースト状の、好ましくは水を含有する洗濯洗剤または洗浄剤組成物に関する。
【0278】
本発明の漂白剤含有液体またはゲル化組成物は、好ましくは、魅力的な流れ挙動を有するものとして消費者に認識され、および/または申し分なく製造されている織物洗浄用の強力洗剤に関する。
【0279】
本発明のこの目的物の好ましい実施態様は、以下の特徴を有する本発明の洗濯洗剤または洗浄剤組成物に関する:
− 漸増的に好ましい水分5〜95wt%、10〜90wt%、20〜80wt%、30〜70wt%、40〜60wt%、45〜55wt%、特に好ましくは50wt%の水分;
− 液体、ゲル化またはペースト相における無機塩、好ましくは硫酸塩、特に好ましくは硫酸ナトリウムの含有量3〜30wt%、好ましくは5〜20wt%、特に7〜10wt%;
− 密度1.00〜1.50g/mL、好ましくは1.02〜1.30g/mL、特に好ましくは1.05〜1.15g/mL。
【0280】
実際に、これらの組成物の水分および/または電解質分並びに(おそらくそれに関連した)それらの密度を調節する(これ自体は当業者に既知)ことによって、該組成物をそれらの物理化学的特性に関して顆粒物粒子に適合させることができる。最適の、粒子の密度、外観および溶解挙動ならびに組成物の水分および/電解質分および密度は、個別に実験的に求められる。これに関して、粒子が尚早に崩壊しないように特に注意すべきである。液体組成物に浮遊する粒子が、有利であり、多くの場合に所望され、このようにして達成できる。
【0281】
本出願の実施例5に記載されている顆粒物の密度は約1.094g/mLであるが、ここで導入される粒子の密度は約1.29g/mLである。これは、両方の密度が必ずしも同じでなくてもよく、それらはある範囲で相互に異なり得ることを示している。実際に、さらに付加的な表面作用(電荷、疎水性/親水性作用など)が生じ、これらは細部にわたって実験的に補正される。さらに、組成物の流れ挙動によって、浮遊粒子の安定化が生じる。流動限界の存在は、液体またはゲル化組成物における粒子相の有効な安定化を特に与える。
【0282】
本発明のこの目的物の好ましい実施態様は、酵素漂白剤、無機漂白剤、有機漂白剤またはそれらの混合物の群から選択される漂白剤を含む本発明の洗濯洗剤または洗浄剤組成物に関する。
【0283】
洗濯洗剤および洗浄剤組成物に使用される漂白系は、それ自体で既知であり、先に記載した。酵素系も先に記載され、少なくとも本発明の顆粒物が構成される限り、本発明の粒状化形態で、または別の方法で、本発明の組成物に添加することができる。それは、例えば、そのような漂白系の基質であることもできる(前記参照)。
【0284】
これらの説明に対応して、本発明のこの態様の好ましい実施態様は、漂白系が下記に関係する本発明の洗濯洗剤または洗浄剤組成物によって形成される:
(i)H2O2またはH2O2形成系、特にペルカーボネート;
(ii)H2O2またはH2O2形成系であって、それぞれ、ペルオキシカルボン酸先駆物質、特にテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)との組合せ;
(iii)前もって形成されたペルオキシカルボン酸、特に1,12-ジペルオキシドデカンニ酸(DPDDA)、フタルイミドペルオキシヘキサン酸(PAP)、特に好ましくはPAP;または
(iv)(a)、(b)および/または(c)の組合せ。
【0285】
実際に、第一に、これは特に強力な漂白剤(前記参照)を含む。第二に、本発明の実施例において、付加的PAPを含有し、対応する粒子で固定された(spiked)本発明の配合物が正確に示されている。これらの例は、本発明の利点を示している。
【0286】
本発明のこの態様の好ましい実施態様は、漂白剤が粒子として、好ましくは被覆粒子として、液体またはゲル化組成物に存在する本発明の洗濯洗剤および洗浄剤組成物である。
【0287】
この思想の実現可能性は、導入部に既に示した。特に、WO 2004/110610 A1、WO 2004/110612 A1およびWO 2004/110611 A1を参照し得る。それらに記載されているコーティングがそれ自体では液体形態に組み込まれた酵素を安定化するのに不充分であるとしても、漂白剤を封入するためのこれらの提案を、本発明の感受性成分の顆粒物と組み合わすことは有利である。この方法によって、感受性成分のさらに向上した保護が得られる。
【0288】
本発明のこの態様の好ましい実施態様は、感受性成分が酸化酵素である本発明の洗濯洗剤および洗浄剤組成物である。
【0289】
この方法で、酸化性酵素を、例えば液体洗剤配合物の高濃度界面活性剤からの、活性化合物に対して先ず保護する。第二に、この方法で、酵素および基質を、少なくとも本質的に相互に分離し、それによって、それらは、使用の際に、即ち、顆粒物粒子が水で強希釈された際に破裂した際にのみ、互いに反応し得る。この方法により、基質が尚早に使用されず、所望使用のために実質的に全部使用できる。
【0290】
前述の実施態様に従って、洗濯洗剤および洗浄剤組成物の感受性成分を比較的安定な顆粒物の形態に包囲するために好適な実施可能性によって、本発明も実施される。
【0291】
従って、本発明によれば、以下の成分:
(b)粒状担体物質(吸着剤);
(c)(b)と異なる、結合剤としての成分;および
(d)(b)および(c)と異なる、任意の付加的成分;
を使用して、これら成分と洗濯洗剤または洗浄剤組成物の感受性成分(成分(a))との均質混合物において、24時間後に少なくとも50%の崩壊指数を有する洗濯洗剤または洗浄剤組成物のこの感受性成分の顆粒物を製造する。
【0292】
好ましい使用に対応する前述の説明の1つにおいて、成分(b)および(c)は、1:50〜50:1、好ましくは1:20〜20:1、特に好ましくは1:5〜5:1の(b)対(c)重量比で存在する。
【0293】
それに対応して、以下の成分を用いる本発明の使用が好ましい:
(a)洗濯洗剤または洗浄剤組成物の感受性成分;
(b)10〜80wt%の、粒状担体物質(吸着剤);
(c)(b)と異なる、3〜50wt%の結合剤としての成分;および
(d)(b)および(c)と異なる、任意の付加的成分としての、
0〜50wt%(顆粒物に基づく)の可塑剤;
0〜50wt%(顆粒物に基づく)の溶解促進剤(膨潤剤、崩壊助剤、崩壊剤);および/または
0〜40wt%(顆粒物に基づく)の、水、酵素安定剤、着色剤、顔料、pH緩衝剤、酸化防止剤、密度調節化合物および/または他の成分。
【0294】
洗濯洗剤または洗浄剤組成物の感受性成分が、香料、蛍光増白剤、漂白活性剤または酵素、好ましくは酵素、特に好ましくは酸化に対して安定化された酵素に関係する本発明による使用が、それに対応して好ましい。
【0295】
本発明のこの態様の他の実施態様は、対応する方法で、本発明の顆粒物の前述の例、その製造法および/または洗濯洗剤および洗浄剤組成物から生じる。
【0296】
本発明の他の実施態様および態様は、以下の実施例から生じる。
【実施例1】
【0297】
【表1】

【0298】
全ての粉末状乾燥物質1〜5を、予備混合し、粉末投与装置(dosing unit)で二軸スクリュー押出機20/40D型(Brabender Company,Duisburg,Germany)(スクリュー直径D:20mm;押出機の処理長さ:40xD、即ち800mm)に供給した。ダイへの入口の温度および圧力は、それぞれ50℃および30バールであり;押出機トルクは37Nmであり、スクリュー速度は100rpmに設定した。液体成分6は、M5型 Lewa Lab実験用計量型ポンプ(Hermann Ott Company AG,Leonberg)によって12Dで添加した。粉末/液体の供給比は13:0.6〜0.4であった。
【0299】
次に、均質化および溶融を処理長さ28xDで行った。包囲のために、酵素コンパウンドを環状ストランドダイ(直径1mm)からベルト引取装置(belt take-off)に吐出し、1mの冷却セクション後に、グラニュレーター881203型(Brabender)に供給した。得られた円筒形押出物粒子を機械的に丸み付けした。
【0300】
これらの顆粒物は、以下の成分から成っていた:(a)約5%の純粋酵素;他の成分は下記の量で含有されていた:(b)36wt%の粒状担体物質(Wessalith、DispersalおよびTiO2から成る)、(c)18wt%の結合剤(PVAから成る)、(d)31wt%の可塑剤(ステアリン酸ナトリウムから成る)、および約10%の水。粒状担体物質の一部、即ちTiO2は、顆粒物の総質量の13%を占め、顔料として付加的に作用する。(b)対(c)重量比は約2:1であった。
【実施例2】
【0301】
酵素顆粒物E2の製造
押出物(顆粒物E2)を、以下の成分から製造した。
【表2】

【0302】
粒状化は、以下の違いを除いて、実施例1と同様であった:
− 全ての粉末状または乾燥物質、即ち成分1〜6を、予備混合し、押出機に供給した;
− 粉末/液体の供給比は、15:0.6〜0.4であった;
− 圧力は5〜15バールに調節し、トルクは23Nmであった。
【0303】
これらの顆粒物は、以下の成分から成っていた:(a)約5%の純粋酵素;他の成分は下記の量で含有されていた:(b)31wt%の粒状担体物質(Wessalith、DispersalおよびTiO2から成る)、(c)22wt%の結合剤(PVAから成る)、(d)24wt%の可塑剤(ステアリン酸ナトリウムから成る)、8wt%の溶解促進剤(グルコースから成る)、および約10%の水。粒状担体物質の一部、即ちTiO2は、顆粒物の総質量の8%を占め、顔料として付加的に作用する。(b)対(c)重量比は約1.4:1であった。
【実施例3】
【0304】
流動床顆粒物E3、E4およびE5の製造
以下の担体物質成分を、他の3つの顆粒物に使用した:
(E3) 珪酸アルミニウムナトリウム(商品名Wessalith(登録商標)4000;製造会社:Degussa Frankfurt/M.,Germany);
(E4) 部分加水分解PVA(商品名Mowiol(登録商標)4-88;製造会社:Clariant,Frankfurt/M.,Germany);および
(E5) 硫酸ナトリウム。
【0305】
3つの顆粒物E3、E4およびE5について、各担体600gを、流動床装置(Fielder-Aeromatic,Bubendorf,Switzerland)に入れた。次に、それらを60℃で、500mLのプロテアーゼ溶液(Everlase(登録商標)16L,Novozymes Company A/S)と、濃水酸化ナトリウムでpH7.2に前もって調節された500mLのポリアクリレート(メタクリル酸-エチルアクリレートコポリマー(1:1);市販製品Eudragit(登録商標)L 100-55、Roehm,Darmstadt,Germany;現Degussa,Frankfurt/M)の10%濃度溶液との混合物と共に、噴霧した。このようにして得た顆粒物を篩にかけて、0.6mm〜1.2mmの粒度範囲にした。
【0306】
従って、これらの顆粒物は、プロテアーゼ成分(約5wt%)および水(約10wt%)に加えて、78wt%の粒状担体物質(b)(珪酸アルミニウムナトリウム、PVAまたは硫酸ナトリウム)および7wt%の結合剤(c)(ポリアクリレート)を含有していた。(b)対(c)重量比は約11:1であった。
【実施例4】
【0307】
被覆流動床-顆粒物E3c、E4cおよびE5cの製造
実施例3で製造した各酵素顆粒物E3、E4およびE5(各900g)を、濃厚水酸化ナトリウムでpH7.2に前もって調節され、5%トリエチルシトレート(ポリマー分に基づく)を可塑剤として添加された1800mLのEudragit(登録商標)L 100-55(前記参照)の10%濃度溶液と共に、60℃で、実施例3で使用した流動床装置において噴霧した。このようにして得た酵素顆粒物を2000μm篩で篩にかけた。それらを、E3c、E4cおよびE5cとして同定した。
【0308】
従って、包囲顆粒物E3c、E4cおよびE5cは、各顆粒物コアの質量の約21%を占めるコーティングを有していた。各被覆顆粒物の密度は、約1.29g/mLであった。
【実施例5】
【0309】
液体強力洗濯洗剤の製造
液体強力洗濯洗剤を以下の組成で製造し、該組成において、wt%での量は活性成分の各含有量に基づく。
【表3】

【0310】
製造は、水を撹拌器に入れ、次に、キサンタンを添加することを含んでいた。キサンタンが膨潤した後(30分後)、硫酸塩を添加した。次に、界面活性剤を他の原材料を所定の順序で攪拌しながら添加した。濃NaOHを使用して、pHを5.0±0.2に調節した。
【0311】
このようにして得た液体強力洗濯用配合物は、F1(E1使用)、F2(E2使用)、F3c(E3c使用)、F4c(E4c使用)およびF5c(E5c使用)であった。
【0312】
液相の密度は、約1.094g/mLであった。
【実施例6】
【0313】
先行技術による比較配合物の製造
市販供給形態のプロテアーゼ、即ちNovozymes A/Z,Bagsvaerd,DenmarkからのプロテアーゼEverlaseを成分7として使用した以外は、実施例5に示した配合で、液体強力洗濯洗剤を製造した。以下の比較配合物を得た:
V1:3.5%Everlase(登録商標)12 T(顆粒物)を使用
V2:2%Everlase(登録商標)16 L(液体酵素)を使用、配合物中の残部:水
【0314】
この顆粒物のコーティングは、先行技術からの多くの記載、例えばWO 97/39116A1に一致して、PEGおよび二酸化チタンを必須成分として含有すると考えられる。
【実施例7】
【0315】
貯蔵安定性の測定
前記実施例に従って製造した配合物F1、F2、F3c、F4c、F5cおよびV1およびV2を、密閉気密ガラス瓶において保存温度25℃で保存した。1、2、4および8週間の貯蔵時間後に、酵素活性を「持続流装置」(Skalar Company,Erkelenz)で測定した。その方法は、カゼイン開裂に基づき、加水分解生成物をトリニトロベンゼンスルホン酸で染色し、次に、光度測定を行った。原理的に、プロテアーゼ活性を測定する任意の他の方法を、その方法が界面活性剤の存在によって阻害されない限り、使用することができる。
【0316】
下記の表において、試料調製後すぐに測定した初期活性に基づく、各保存時間後のプロテアーゼの残留活性パーセントを示す。
【表4】

【0317】
試料V2に液体形態で存在する酵素が、おそらくは、含有されている漂白剤により、最も短い時間で完全に不活性化されることが観察できる。
【0318】
V1における市販の酵素顆粒物は、より高いが、決して許容されない安定性を示す。従って、粒状化および被覆は、貯蔵中の漂白剤の相互作用を不充分にしか防止できない。さらに、V1に関して、その顆粒物が時間と共に崩壊することも観察された。
【0319】
これに対して、未被覆顆粒物E1およびE2は、有意により長く保持されている高酵素活性を既に示し、従って、事実上のより高い酵素安定性を示唆している。問題とする配合物が50wt%より多い水を含むので、これは特に注目に値する。それらの形態に関して、両顆粒物は変化せずに維持され、即ち、それらは崩壊しない。
【0320】
配合物E3c、E4cおよびE5cの結果は、選択されたコーティングの付加的補助によっても、実質的な安定化が得られることを示す。絶対的最高値が、硫酸ナトリウムをコアの粒状担体物質として含有するE5cによって示され、PVAをコアの担体物質として含有するE4cがそれに続く。それらの形態に関して、両顆粒物も変化せずに維持され、即ち、それらは崩壊しない。
【0321】
E1(PVA、ステアリン酸ナトリウム、珪酸アルミニウムナトリウム、酸化アルミニウムおよび二酸化チタンを含有する顆粒物コア)と、実施例4のコーティング(ポリアクリレート/トリエチルシトレート)との組合せは、付加的な安定性増加を生じた。
【実施例8】
【0322】
酵素顆粒物E6の製造
押出物(顆粒物E6)を、以下の成分から、実施例1に記載のように製造した:
【表5】

【0323】
このように、この配合物は、No.6の、感受性成分(a)としての約4.2wt%の酵素、No.1および4の、合計22.7wt%の成分(b)、No.5の、13wt%の成分(c)、No.2および3の、成分(d)の一部としての合計22.7wt%の可塑剤、および主要残部としての水を含んで成っていた。
【0324】
次に、E6の一部を、実施例4に記載のように被覆し、被覆された顆粒物をE6cと称した。
【実施例9】
【0325】
酵素顆粒物E7の製造
押出物(顆粒物E7)を、以下の成分から、実施例1に記載のように製造した:
【表6】

【0326】
このように、この配合物は、No.5の、成分(a)としての約4wt%の酵素、No.1および3の、合計32wt%の成分(b)、No.4の、16wt%の成分(c)、No.2の、成分(d)の一部としての12wt%の可塑剤、および主要残部としての水を含んで成っていた。
【0327】
次に、E7の一部を、実施例4に記載のように被覆し、被覆された顆粒物をE7cと称した。
【実施例10】
【0328】
酵素顆粒物E8の製造
押出物(顆粒物E8)を、以下の成分から、実施例1に記載のように製造した:
【表7】

【0329】
このように、この配合物は、No.6の、成分(a)としての約4wt%の酵素、No.1および3の、合計28wt%の成分(b)、No.4および5の、20wt%の成分(c)、No.2の、成分(d)の一部としての12wt%の可塑剤、および主要残部としての水を含んで成っていた。
【0330】
次に、E8の一部を、実施例4に記載のように被覆し、被覆された顆粒物をE8cと称した。
【実施例11】
【0331】
酵素顆粒物の崩壊試験
前記実施例からの顆粒物E7、E7c、E8、E8cおよびE5c、ならびに対照としての市販製品K1(Purafect(登録商標) OX4000E;Genencor)およびK2(Everlase(登録商標)12T;Movozymes)の両方を、下記の崩壊試験に付すことによって、酵素顆粒物の崩壊速度を測定した。
【0332】
50mLガラス瓶に入れた各1gの各酵素調製物に、10%の濃硫酸でpH5.0に調節された30mLの16% Naスルフェート/3% Naシトレート溶液を添加した。この混合物を、実験室用振とう機(Certomat(登録商標)U、Braun,Melsungen)で100rpmにおいて23℃で24時間振とうした。次に、このように処理した分散物を、圧力を加えずにE-D篩(網目の大きさ0.28mm)にかけ、50mLの蒸留水で濯いだ。
【0333】
篩を35℃で48時間乾燥させ、篩に残留している顆粒物を計量し、開始値と比較した。各試料について二重測定を行った。
【0334】
下記の結果を得た。
【表8】

【0335】
先行技術の顆粒物に対応する顆粒物K2は、はるかに悪い結果を生じ、即ち、実質的に崩壊したことがわかる。
【0336】
50%を超える顆粒物K1が崩壊した。さらに、これらの顆粒物において大部分の酵素含有活性層が溶解したことも観察された。
【0337】
本発明の顆粒物E7、E7c、E8、E8c、E5cは、50%より高い残留値を明らかに示し、これは、大部分の顆粒物が、試験溶液中での保存において(かつ振とうした場合でさえ)崩壊しないことを意味する。従って、それらは本発明の要求条件を満たしている。
【0338】
さらに、コーティングの付着によって、本発明の顆粒物に付加的安定化が付与されることも観察できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯洗剤または洗浄剤組成物の感受性成分の顆粒物であって、
(a)洗濯洗剤または洗浄剤組成物の感受性成分;
(b)粒状担体物質(吸着剤);
(c)(b)と異なる、結合剤としての成分;および
(d)(b)および(c)と異なる、任意の付加的成分;
を含む、24時間後に少なくとも50%の崩壊指数を有する顆粒物。
【請求項2】
前記成分(b)および(c)が、1:50〜50:1、好ましくは1:20〜20:1、特に好ましくは1:5〜5:1の(b)対(c)重量比で存在する請求項1に記載の顆粒物。
【請求項3】
下記の成分を含む請求項1または2に記載の顆粒物:
(a)洗濯洗剤または洗浄剤組成物の感受性成分;
(b)粒状担体物質(吸着剤)10〜80wt%;
(c)(b)と異なる、結合剤としての成分3〜50wt%;および
(d)(b)および(c)と異なる、任意の付加的成分としての、
可塑剤0〜50wt%(顆粒物に基づく);
溶解促進剤(膨潤剤、崩壊助剤、崩壊剤)0〜50wt%(顆粒物に基づく);および/または
水、酵素安定剤、着色剤、顔料、pH緩衝剤、酸化防止剤、密度調節化合物および/または他の成分0〜40wt%(顆粒物に基づく)。
【請求項4】
前記感受性洗濯洗剤または洗浄剤組成物成分(a)が、香料、蛍光増白剤、漂白活性剤または酵素、好ましくは酵素、特に好ましくは、酸化に対して安定化された酵素に関係する請求項1〜3のいずれかに記載の顆粒物。
【請求項5】
前記酵素が、下記の酵素の1つまたは混合物に関係する請求項4に記載の顆粒物:プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、オキシダーゼおよびペルヒドロラーゼ、好ましくは、これらの酵素の1つが酸化安定化されたもの。
【請求項6】
成分(b)(吸着剤)として、下記の群から選択される1つまたは複数の化合物を含む請求項1〜5のいずれかに記載の顆粒物:タルカム、珪酸、酸化アルミニウム、シリケート、特に層状シリケートおよび/または珪酸アルミニウムナトリウム、ベントナイト、アルモシリケート(ゼオライト)、スルフェート、二酸化チタンおよび/またはポリビニルアルコール(PVA)、特に部分加水分解PVA、特に好ましくはこれらの化合物の2つまたは3つの組合せ。
【請求項7】
成分(c)(結合剤)として、下記の群から選択される1つ以上の化合物を含む請求項1〜6のいずれかに記載の顆粒物:ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリビニルピロリドン、多糖または置換多糖、特にセルロースエーテル、ポリビニルアルコール(PVA)、特に部分加水分解PVAまたはエトキシル化PVA、前記化合物のコポリマー、特にメタクリル酸−エチルアクリレートコポリマー、特に好ましくはこれらの化合物の2つまたは3つの組合せ。
【請求項8】
成分(d)(可塑剤)の一部として、下記の群から選択される1つ以上の化合物を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の顆粒物:水分散性有機化合物または水分散性有機ポリマー、特にポリエチレングリコール(PEG)、特に短鎖PEG、脂肪酸または脂肪酸の塩、トリアセチン、トリエチルシトレートおよび/または多価アルコール、好ましくは脂肪酸または脂肪酸の塩、特に好ましくはステアリン酸ナトリウムおよび/またはオレイン酸ナトリウム。
【請求項9】
成分(d)(溶解促進剤)の一部として、下記の群から選択される1つまたは複数の化合物を含む、請求項1〜8のいずれかに記載の顆粒物:水溶性無機塩、単糖、特にグルコース、少糖、多糖、特に、セルロース、圧縮セルロースまたはセルロース誘導体、架橋有機ポリマー、特に架橋ポリビニルピロリドンまたは架橋ポリアクリレート。
【請求項10】
単層または多層コーティングによって付加的に被覆された請求項1〜9のいずれかに記載の顆粒物。
【請求項11】
前記コーティングが、50wt%を超える1つ以上の下記化合物から成る請求項10に記載の顆粒物:水分散性物質、水分散性および/または水溶性ポリマー、脂肪酸、脂肪酸の塩、脂肪アルコール、パラフィン、ポリビニルアセテート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、メタクリル酸-エチルアクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、セルロースエーテル、ポリビニルアルコールおよびエトキシル化ポリビニルアルコール。
【請求項12】
前記水溶性ポリマーがポリアクリレートまたはメタクリル酸-エチルアクリレートコポリマーに関係し、および/またはセルロースエーテルが、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)またはカルボキシメチルセルロース(CMC)に関係する請求項11に記載の顆粒物。
【請求項13】
前記コーティングが、無機粒子、好ましくはシリケートまたは酸化アルミニウム、特に好ましくはタルカムの群から選択される1つまたは複数の充填剤をさらに含む請求項10〜12のいずれかに記載の顆粒物。
【請求項14】
前記コーティングが、下記の群から選択される1つまたは複数の可塑剤をさらに含む請求項10〜13のいずれかに記載の顆粒物:トリエチルシトレート、トリアセチン、多価アルコール、特に、1,2-プロパンジオールおよびポリエチレングリコール。
【請求項15】
前記コーティングが、顔料、好ましくは二環化チタンをさらに含む請求項10〜14のいずれかに記載の顆粒物。
【請求項16】
前記コーティングが、酸化防止剤として作用する1つまたは複数の化合物をさらに含む請求項10〜15のいずれかに記載の顆粒物。
【請求項17】
前記コーティングが、未被覆顆粒物の5〜100wt%、好ましくは10〜80wt%、特に好ましくは15〜60wt%である請求項10〜16のいずれかに記載の顆粒物。
【請求項18】
100〜3000μm、好ましくは200〜2500μm、特に好ましくは400〜2000μmの平均粒径を有する請求項1〜17のいずれかに記載の顆粒物。
【請求項19】
1.00〜1.50g/mL、好ましくは1.02〜1.30g/mL、特に好ましくは1.05〜1.15g/mLの平均密度を有する請求項1〜18のいずれかに記載の顆粒物。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれかに記載の顆粒物の製造法。
【請求項21】
前記吸着剤(b)が主に乾燥物質として存在し、酵素成分(a)が液体調製物として組み込まれる請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記結合剤(c)が、液体酵素成分(a)と同時に、好ましくはこれら両成分のプレミックスの形態で組み込まれる請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
前記吸着剤(b)をミキサーまたは流動床装置に入れ、結合剤(b)および/または液体酵素成分(a)を個々にまたは事前形成混合物として吹き付け、それによって均質凝集物を生成する請求項20〜22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
任意に含有される付加的固形物が、吸着剤(b)と混合される請求項20〜23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
任意に含有される付加的液体物質が、任意に、1つ以上の他の液体成分との事前混合または乳化により、液体調製物として組み込まれる請求項20〜24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
前記成分が押し出され、任意に球状化されおよび/または任意に被覆される請求項20または21に記載の方法。
【請求項27】
工程条件下に液体である少なくとも1つの成分を、押出工程中に別に供給する請求項26に記載の方法。
【請求項28】
より高いまたはより低い密度の材料を、吸着剤(a)の付加的成分として、または付加的成分(d)として添加することによって、得られる顆粒物粒子の密度を、1.00〜1.50g/mL、好ましくは1.02〜1.30g/mL、特に好ましくは1.05〜1.15g/mLの平均密度に調節する請求項20〜27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
流動床装置において、被覆材料を、水性溶液/懸濁液から、被覆される粒子に吹き付ける請求項20〜28のいずれかに記載の被覆酵素顆粒物の製造法。
【請求項30】
前記コーティング材料の総重量が、被覆される粒子の重量の5〜100wt%、好ましくは10〜80wt%、特に好ましくは15〜60wt%である請求項20〜29のいずれかに記載の被覆酵素顆粒物の製造法。
【請求項31】
感受性成分を、請求項1〜19のいずれかに記載の顆粒物の形態で含む洗濯洗剤または洗浄剤組成物。
【請求項32】
主として液体、ゲル化またはペースト状であり、好ましくは水を含有する請求項31に記載の洗濯洗剤または洗浄剤組成物。
【請求項33】
漸増的に好ましい5〜95wt%、10〜90wt%、20〜80wt%、30〜70wt%、40〜60wt%、45〜55wt%の水分、特に好ましくは50wt%の水分を有する請求項31または32に記載の洗濯洗剤または洗浄剤組成物。
【請求項34】
液体、ゲル化またはペースト相のそれぞれにおいて、無機塩を3〜30wt%、好ましくは5〜20wt%、特に好ましくは7〜10wt%の含有量で有する請求項32または33に記載の洗濯洗剤または洗浄剤組成物。
【請求項35】
1.00〜1.50g/mL、好ましくは1.02〜1.30g/mL、特に好ましくは1.05〜1.15g/mLの密度を有する請求項32〜34のいずれかに記載の洗濯洗剤または洗浄剤組成物。
【請求項36】
酵素漂白剤、無機漂白剤、有機漂白剤またはそれらの混合物の群から選択される漂白剤を含む請求項31〜35のいずれかに記載の洗濯洗剤または洗浄剤組成物。
【請求項37】
漂白剤が下記の物質に関係する請求項36に記載の洗濯洗剤または洗浄剤組成物:
(i)H2O2またはH2O2形成系、特にペルカーボネート;
(ii)H2O2またはH2O2形成系であって、それぞれ、ペルオキシカルボン酸先駆物質、特にテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)との組合せ;
(iii)前もって形成されたペルオキシカルボン酸、特に1,12-ジペルオキシドデカン二酸(DPDDA)、フタルイミドペルオキシヘキサン酸(PAP)、特に好ましくはPAP;または
(iv)(a)、(b)および/または(c)の組合せ。
【請求項38】
前記漂白剤が、粒子として、好ましくは被覆粒子として、液体またはゲル化組成物中に存在する請求項36または37に記載の洗濯洗剤または洗浄剤組成物。
【請求項39】
前記感受性成分が酸化酵素である請求項31〜38のいずれかに記載の洗濯洗剤または洗浄剤組成物。
【請求項40】
下記の成分の使用であって:
(b)粒状担体物質(吸着剤);
(c)(b)と異なる、結合剤としての成分;および
(d)(b)および(c)と異なる、任意の付加的成分;
これらの成分と、洗濯洗剤または洗浄剤組成物の感受性成分(成分(a))との均質混合物において、24時間後に少なくとも50%の崩壊指数を有する洗濯洗剤または洗浄剤組成物のこの感受性成分の顆粒物を製造するための使用。
【請求項41】
前記成分(b)および(c)が、1:50〜50:1、好ましくは1:20〜20:1、特に好ましくは1:5〜5:1の(b)対(c)重量比で存在する請求項40に記載の使用。
【請求項42】
下記の成分を使用する請求項40または41に記載の使用:
(a)洗濯洗剤または洗浄剤組成物の感受性成分;
(b)粒状担体物質(吸着剤)10〜80wt%;
(c)(b)と異なる、結合剤としての成分3〜50wt%;および
(d)(b)および(c)と異なる、任意の付加的成分としての、
可塑剤0〜50wt%(顆粒物に基づく);
溶解促進剤(膨潤剤、崩壊助剤、崩壊剤)0〜50wt%(顆粒物に基づく);および/または
水、酵素安定剤、着色剤、顔料、pH緩衝剤、酸化防止剤、密度調節化合物および/または他の成分0〜40wt%(顆粒物に基づく)。
【請求項43】
前記洗濯洗剤または洗浄剤組成物の感受性成分が、香料、蛍光増白剤、漂白活性剤または酵素、好ましくは酵素、特に好ましくは酸化に対して安定化された酵素に関係する請求項40〜42のいずれかに記載の使用。

【公表番号】特表2009−534493(P2009−534493A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−505861(P2009−505861)
【出願日】平成19年4月16日(2007.4.16)
【国際出願番号】PCT/EP2007/053678
【国際公開番号】WO2007/122126
【国際公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(391008825)ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン (309)
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D−40589 Duesseldorf,Germany
【Fターム(参考)】