説明

感圧接着フィルムおよびその製造方法

本発明は、ポリオレフィン系支持体層をアクリル系水性分散液ベースの接着剤層で被覆して得られる、感圧接着フィルムに関する。本発明はまた、当該フィルムを得る被覆方法に関する。
当該フィルムは、自動車車体の保護に適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感圧接着フィルムおよびその製造方法に関する。
【0002】
本発明は、自動車車体の保護分野において利用可能である。
【背景技術】
【0003】
最近では、ラッカー塗装された自動車車体は、汚れ、および車両の組立、輸送および保管時のダメージから、特に保護フィルムにより、保護される必要がある。
【0004】
保護フィルムは、貼付装置または手作業によって車体に貼り付けることができるが、どのような貼付方法によっても、表面が平らではないため、ラッカー塗装とフィルムとの間に、常に空気泡または湿気が入ってしまう。長期の自然暴露、および特に高温への暴露が加わるこれら特定の貼付条件では、フィルムを剥がし取った後に、気泡の外周に対応する位置にマークが付く。
【0005】
今日の自動車市場においては、このマークの量および/または大きさを最小化/最少化することが、あるいはさらに自然暴露期間の後に、このマークが消失することが求められている。
【0006】
このマークを定量化するための基準となる方法はないが、自動車車体に塗布されたラッカー塗装は、二次元では異なる振幅と波長の正弦波の重ね合わせによりモデル化可能な、表面粗さを示す。粗さの状態は、図1に示すように、通常、基本振幅H0および基本波長L0により特徴づけられる。
【0007】
当該マークは、ラッカー塗装の変形が原因であり、二次元では、図2に示すように、振幅Hと幅Lによって特徴づけられる曲線によりモデル化できる輪郭を有する。HおよびL値は、タクタイル・プロフィロメトリ(tactile profilometry)によって測定できる。通常は、L値がL0−0.15mm以上であり、かつH値がH0+0.15μm以下である限り、このマークは、観測者には、視認できないものとして残る(30cmの距離での人間の目の解像度は、約0.1mmである)。これらの値においては、マークとラッカー塗装とのコントラストが最小化されている。
【0008】
現在使用されている保護フィルムは、支持体層と、支持体層上に形成される接着剤層とを有し、接着剤層は、コーティングの場合には、溶媒相を介して形成される。例えば、特許文献1には、ポリオレフィン支持体層上に溶媒相のゴムをコーティングして得た、粘性係数が60℃で2×104〜70×104であるフィルムが開示されている。特許文献2には、溶媒相のEVA系混合物をポリオレフィン支持体上にコーティングするか、共押出して得た、接着剤層の損失正接tanδが、60℃、10-2Hzの測定で0.6〜1.0であり、60℃、10Hzの測定で0.4〜0.7であるフィルムを開示している。
【0009】
これらのフィルムにおいて生成するマークの量は、自動車市場において許容できる量である。しかし、溶媒相の製品を使用する必要がある場合には、環境面において満足のいくものではない。
【0010】
また、特許文献3より、ポリウレタンタイプの接着剤層が低接着レベルである、自動車の窓用保護フィルムが知られている。特許文献4では、支持体層上を被覆する接着部が、架橋ポリウレタンに基づいている保護フィルムが開示されている。これらの接着剤層は、損失正接tanδが、室温で10-1rad/sから102rad/sへと急速に増加する、または変化しないことに特徴を有する。しかし、この保護フィルムの特性では、保護層を取り去った後に、自動車のラッカー塗装表面にマークまたは残留物がつくのが阻止されていない。また、フィルムの接着レベルは、市場の要求に比べると低すぎるものである。
【特許文献1】欧州特許出願公開第0519278号明細書
【特許文献2】米国特許第5925456号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第0826542号明細書
【特許文献4】国際公開第01/96489号パンフレット
【発明の開示】
【0011】
水相に組込み可能な架橋システムを配合した特定のアクリル系水性分散液によれば、上述の欠点(マーク、低接着レベル、溶媒の使用)がなく、自然暴露(例えば、フロリダで6ヶ月)の後、時期尚早の接着剤移りのない、自動車車体用保護フィルムを作製できることを今や見出し、これは、本発明の基礎となるものである。当該フィルムは、例えば、アクリル−メラミン、アルキド−メラミン、ポリウレタン、または他のタイプのラッカー塗装を保護し得るものであり、当該ラッカー塗装は、1成分系または2成分系(1Kまたは2K)タイプであってよい。
【0012】
従って、第一の側面によれば、本発明の主題は、自動車車体の保護に特に適した感圧接着フィルムである。
【0013】
当該感圧接着フィルムは、支持体層を、以下を含む混合物で被覆することによって得ることができる:
・アクリル酸2−エチルヘキシル40〜70重量%、アクリル酸エチル20〜40重量%、酢酸ビニル5〜15%、スチレン0〜8重量%、およびカルボン酸基を少なくとも1つ有する1種またはそれ以上のモノマー2〜5重量%を含む、モノマー混合物の乳化重合によって得られるアクリル系水性分散液100重量部;
・水相に組込み可能な架橋システム0.05〜30重量部、好ましくは0.1〜15.5重量部;および
・1種またはそれ以上のアンチエージング剤0〜5重量部。
【0014】
言うまでもなく、アクリル系分散液の種々の成分の合計は、100%である。
【0015】
上記カルボン酸基を有するモノマーとしては、有利には、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、マレイン酸、およびこれらの酸の誘導体から選ばれ、アクリル酸および/メタクリル酸が好ましい。
【0016】
有利には、アクリル系水性分散液の平均粒径は、500nmより小さく、好ましくは200nmより小さい。
【0017】
アクリル系水性分散液は、従来の乳化重合法により、例えば、欧州特許出願公開第1378527号明細書記載の方法に従って、得ることができ、当該欧州特許出願公開明細書は、本明細書に参照として組み込まれる。
【0018】
当該分散液の特に好ましい例としては、Acronal(登録商標)DS3559の名で(BASFから)現在販売されている製品が挙げられる。当該製品は、特に、以下の物理化学的特性を有している:
固形分含有量:52±1%;
密度:約1.05g/cm3
pH:5.0〜6.5;
23℃での粘度(DIN 53211):17〜20秒;
Tg≒−30℃。
【0019】
支持体層を被覆するための接着剤混合物の調製に用いられる架橋システムは、有利には、脂肪族または脂環式イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、およびエポキシ系架橋剤より選ばれる1種またはそれ以上の架橋剤からなる。
【0020】
当該架橋システムは、アクリル系分散液の水相に、適合可能でなければならない。
【0021】
本発明の種々の好ましい実施態様では、上記の架橋システムは、
― 0.5〜30重量部、好ましくは1〜15重量部の量で使用されるイソシアネート;
― または0.05〜3重量部、好ましくは0.1〜1.5重量部の量で使用されるアジリジン;
― または0.1〜30重量部、好ましくは0.1〜15重量部の量で使用されるカルボジイミド;
― または0.1〜6重量部、好ましくは0.2〜3重量部の量で使用されるエポキシ;
― または0.05〜0.5重量部の量で使用されるアジリジンと1〜15重量部の量で使用されるイソシアネートの混合物、のいずれかからなる。
【0022】
本発明の枠組みにおいて使用可能な脂肪族イソシアネート架橋剤の例としては、ヘキサメチレンジイソシアネートおよびその3量体などの脂肪族ジイソシアネート、脂肪族トリイソシアネート、並びにこれらのモノマーの単独重合または共重合により生じるポリマーまたはこれらのモノマーの1種またはそれ以上へのポリオールもしくはポリアミンの添加により生じるポリマーが挙げられる。ポリオールまたはポリアミンは、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、またはポリアクリレートであってよい。
【0023】
本発明の枠組みにおいて使用可能な脂環式イソシアネート架橋剤の例としては、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネートまたはIPDIの名でよりよく知られている)、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、およびこれらのジイソシアネートの3量体などの脂環式ジイソシアネート、脂環式トリイソシアネート、並びにまた、これらのモノマーの単独重合または共重合により生じるポリマーまたはこれらのモノマーの1種またはそれ以上へのポリオールもしくはポリアミンの添加により生じるポリマーが挙げられる。ポリオールまたはポリアミンは、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、またはポリアクリレートであってよい。
【0024】
本発明の枠組みにおいて使用可能なアジリジン架橋剤の例としては、トリメチロールプロパントリス(3−アジリジニルプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−(2−メチルアジリジニル)プロピオネート)、トリメチロールプロパントリス[2−アジリジニルブチレート]、トリメチロールプロパントリス−[β−(Nーアジリジニル)プロピオネート]、トリス(1−アジリジニル)ホスフィンオキシド、トリス(2−メチル−1−アジリジニル)ホフフィンオキシド、ペンタエリスリトールトリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトールトリス[β−(Nーアジリジニル)プロピオネート]およびペンタエリスリトールテトラキス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]が挙げられる。
【0025】
本発明の枠組みにおいて使用可能なカルボジイミド架橋剤の例としては、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N−シクロヘキシル−N’−(メチルポリスチレン)カルボジイミド、およびこれらの化合物の塩が挙げられる。
【0026】
本発明の枠組みにおいて使用可能なエポキシ架橋剤の例としては、オキサゾリンおよびアクリロキサジンが挙げられる。
【0027】
上記接着剤混合物は、0〜5重量部、好ましくは0〜3重量部の1種またはそれ以上のアンチエージング剤を含んでいてもよい。
【0028】
本発明の枠組みにおいて使用可能なアンチエージング剤は、有利には、第一級もしくは第2級酸化防止剤、立体障害アミン、またはHALS(ヒンダードアミン光安定剤)より選ばれる。同種の試薬を数種用いることもでき、異なる種類の試薬の混合物を用いることもできる。
【0029】
第一級酸化防止剤は、熱の作用により生成するフリーラジカルを吸収することにより、材料の劣化を防止する。第二級酸化防止剤は、パーオキサイドラジカルとポリマーの反応により媒体中に生成するヒドロペルオキシドを吸収することにより、材料の劣化を防止する。
【0030】
本発明の枠組みにおいて使用可能な酸化防止剤の例としては、フェノール系酸化防止剤(イルガノックス(登録商標)1010および1135、チバスペシャリティケミカル製)、アミン酸化防止剤(イルガノックス(登録商標)5057)、ホスファイト類(イルガフォス(登録商標)168)、およびチオエーテル類が挙げられる。
【0031】
立体障害アミンまたはHALSは、UV照射の作用により媒体中に生成するフリーラジカルおよびヒロドペルオキシドを吸収することにより、材料の劣化を防止する。
【0032】
本発明の枠組みにおいて使用可能な立体障害アミンの例としては、Chimassorb(登録商標)2020、およびTinuvin(登録商標)783、770および765の名で市販されている製品が挙げられる。
【0033】
特に好ましい実施態様では、上記の接着剤混合物は、アンチエージング剤として、酸化防止剤と立体障害アミン(HALS)との混合物を含む。
【0034】
接着剤混合物はまた、ブロッキング防止剤、UV吸収剤、可塑剤、湿潤剤、消泡剤、展着剤、タック付与レジン、上記以外の接着レベルを調整する材料などの1種またはそれ以上の添加剤を含んでいてもよい。
【0035】
本発明の枠組みにおいて使用可能なタック付与レジンは、当業者に周知のものであり、また特に、ロジン樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ならびにC5、(C52および/またはC9の石油留分であって、その後部分的にもしくは完全に水素化されていてもよい石油留分から得られる樹脂より選んでもよい。有利には、これらの樹脂は、環球法(ASTM E 28標準)に従い測定して、140℃以下、通常75〜140℃の範囲、好ましくは75〜125℃の範囲の軟化温度を有する。例としては、Escorez(登録商標)(Exxon製)、Sylvares(登録商標)(Arizona製)、およびPermalyn(登録商標)(Eastman製)の名で市販されている製品が挙げられる。
【0036】
これらの添加剤は、通常、接着剤層の重量に対し、0.1〜10重量%の範囲にある量で、存在させる。
【0037】
上記混合物より形成される接着剤層の厚さは、通常、5〜30ミクロンであり、好ましくは、5〜25ミクロン、より好ましくは8〜20ミクロンである。
【0038】
本発明の感圧接着剤フィルムの支持体層は、1種またはそれ以上のポリオレフィンに基づいていてもよい。当該支持体層は、単層型であっても多層型であってもよく、好ましくは3層型である。
【0039】
当該支持体層の各層に使用可能なポリオレフィンの例としては、ラジカルポリエチレン(PE);中密度、低密度または超低密度の直鎖状PE;ポリプロピレン(PP);エチレン−プロピレン共重合体(EPDM);およびこれらの化合物のブレンド物が挙げられる。
【0040】
本発明の定義において、「これらの化合物のブレンド物」との表現は、同種の数種のポリマーのブレンド物、第一の種類の1種またはそれ以上のポリマーと、1種またはそれ以上の他の種類の1種またはそれ以上のポリマーとのブレンド物を包含する。
【0041】
ラジカルPEは、低密度(0.910≦d≦0.925)、中密度(0.925<d≦0.940)、または高密度(0.940<d≦0.960)であってよい。
【0042】
直鎖状PEは、エチレンと、プロぺン、ブテン、ヘキセン、メチルペンテン、オクテンなどのC3−C8オレフィン系モノマーとの共重合体である。有利には、低密度または超低密度の直鎖状PE、すなわちASTM D 1505標準に従って測定される密度が、0.850〜0.936の範囲内にある直鎖状PEが用いられる。
【0043】
有利には、PPは、ASTM D 1505標準に従って測定される密度が、0.890〜0.910の範囲内にある。
【0044】
EPDMは、好ましくは、ASTM D 1505標準に従って測定される密度が、0.84〜0.90の範囲内にあり、有利には、プロピレン含有量が25〜60重量%の範囲内にある。
【0045】
支持体層はまた、接着剤層と支持体層との接着の向上を目的とした、1種またはそれ以上のポリオレフィンを含んでいてもよい。
【0046】
接着剤層と支持体層との接着の向上を目的としたポリオレフィンの例としては、エチレン/酢酸ビニル(EVA)共重合体、エチレン/アクリル酸誘導体(EDA)共重合体、およびこれらの化合物のブレンド物が挙げられる。
【0047】
本発明において、EVAは、酢酸ビニル(VA)含有量が80重量%以下であり、好ましくは、30重量%以下である。有利には、当該EVAは、ASTM 1238標準に従って測定されるメルトフローインデックスが、0.1〜40dg/分の範囲にあり、好ましくは、0.1〜10dg/分の範囲にある。
【0048】
EDAは、好ましくは、例えばアクリル酸ブチルおよび/または(メタ)アクリル酸などのアクリル酸誘導体の含有量が、40重量%以下である。当該EDAは、有利には、ASTM 1238標準に従って測定されるメルトフローインデックスが、0.1〜40dg/分の範囲にあり、好ましくは、0.1〜10dg/分の範囲にある。
【0049】
支持体層はまた、スリップ剤、加工助剤、つや消し剤、染料または顔料、アンチエージング剤、UV吸収剤、ブロッキング防止剤などの添加剤の1種またはそれ以上を含んでいてもよい。支持体層が多層型であった場合には、支持体層の各層が当該添加剤を含んでいてもよい。
【0050】
当該添加剤は、通常、支持体層の重量に対し、0.1〜25重量%の範囲内の量で存在させる。
【0051】
特に好ましい一実施態様では、支持体層は、3層タイプである。
【0052】
中央層は、50〜90%、好ましくは75〜85%のエチレン−プロピレン共重合体、5〜30%、好ましくは5〜15%の直鎖状低密度ポリエチレン、1〜10%、好ましくは1〜5%のラジカル低密度ポリエチレン、0〜15%、好ましくは5〜10%の白色二酸化チタン顔料、0〜5%、好ましくは0.05〜3%のブロッキング防止剤、0〜5%、好ましくは0.01〜3%のフッ素エラストマータイプの加工助剤、0〜5%、好ましくは1〜3%のアンチエージング剤および/またはUV吸収剤を含む。
【0053】
外層は、50〜90%、好ましくは70〜80%のラジカル低密度ポリエチレン、0〜40%、好ましくは10〜30%の直鎖状低密度ポリエチレン、0〜15%、好ましくは5〜10%の白色二酸化チタン顔料、0〜5%、好ましくは0.05〜3%のブロッキング防止剤、0〜5%、好ましくは0.01〜3%のフッ素エラストマータイプの加工助剤、0〜5%、好ましくは1〜3%のアンチエージング剤および/またはUV吸収剤を含む。
【0054】
接着剤層と接触する層は、60〜90%、好ましくは70〜80%のラジカル低密度ポリエチレン、0〜40%、好ましくは20〜30%の直鎖状低密度ポリエチレン、0〜15%、好ましくは5〜10%の白色二酸化チタン顔料、0〜5%、好ましくは0.05〜3%のブロッキング防止剤、0〜5%、好ましくは0.01〜3%のフッ素エラストマータイプの加工助剤、0〜5%、好ましくは1〜3%のアンチエージング剤および/またはUV吸収剤を含む。
【0055】
層厚みは、外層の場合には、総厚みの10〜30%であり、接着剤層と接触する層の場合には、総厚みの10〜30%であり、中央層の場合には、総厚みの40〜80%である。
【0056】
支持体層は、ポリオレフィンと必要により存在する添加剤の(共)押出により得られ、コロナ処理またはプラズマ処理が施される。
【0057】
支持体層の厚みは、通常、10〜100ミクロンであり、好ましくは35〜70ミクロンであり、より好ましくは40〜60ミクロンである。
【0058】
特定の一実施態様では、本発明の接着フィルムは、支持体層のもう一方の側(すなわち、接着剤層と接触していない側)に、有利には、非接着性の保護層を有する。当該保護層は、当業者に周知である。
【0059】
本発明の感圧接着フィルムは、当業者に周知の技術により、支持体層を前記接着剤化合物で被覆することによって得ることができる。
【0060】
第二の側面では、本発明の主題は、自動車車体の保護に適した感圧接着フィルムの製造方法であり、被覆した接着剤層が、5〜30ミクロンの厚みで、かつ0.001〜1重量%の残留水分含有量で得られるようなコーティング条件で、以下を含む混合物で支持体層を被覆することを含むことに特徴を有する。
・アクリル酸2−エチルヘキシル40〜70重量%、アクリル酸エチル20〜40重量%、酢酸ビニル5〜15%、スチレン0〜8重量%、およびカルボン酸基を少なくとも1つ有する1種またはそれ以上のモノマー2〜5重量%を含む、モノマー混合物の乳化重合によって得られるアクリル系水性分散液100重量部;
・水相に組込み可能な架橋システム0.05〜30重量部、好ましくは0.1〜15.5重量部;および
・1種またはそれ以上のアンチエージング剤0〜5重量部。
【0061】
本発明特有の特徴の一つは、上記被覆作業は、オーブン温度50〜95℃、フィルムのオーブン通過時間1〜30秒で行われる乾燥工程を含み、これにより上記厚みと上記水分含有量が実現可能である。
【0062】
通常、かくして得られるフィルムは、剥離力による測定で(180°ピール、ピール速度=300mm/分、室温で測定)、40〜350cN/cmの接着レベルを有する。温度、湿度もしくはUV試験の後、またはこれらの制約を組み合わせた試験の後(例えば、サイクル(23℃、相対湿度100%、6時間、次いで40℃、相対湿度100%、6時間)を14日間)、接着レベルは、40〜500cN/cmであり、保護フィルムを取り去った後の表面が、自動車市場で許容できる接着マークまたは接着剤残りのレベルにある。
【0063】
本発明の第三の側面では、本発明の主題は、上記で定義された感圧接着フィルムの、自動車車体の保護への使用である。
【0064】
本発明の別の側面では、本発明の目的は、前記感圧接着フィルムにより保護された自動車車体を提供することにある。
【実施例】
【0065】
本発明を以下の実施例により説明する。これらの実施例は、単に、指針を目的としたものである。
【0066】
実施例1
アクリル系分散液(Acronal(登録商標)DS3559)100重量部およびイソシアネート架橋剤(Vestanat(登録商標)IPDI(Degussa製))3重量部を、固形分含有量が組成物に対し50%となるように混合し、接着剤組成物を調製した。イソシアネート架橋剤は、酢酸エチル混合25%品として分散液に加えた。
【0067】
三層共押出装置を用い、当業者に知られている通常の条件で、キャストまたはブロー共押出して支持体層を製造した。密度0.924およびメルトフローインデックス0.7のラジカルポリエチレンを押出機1に投入し;密度0.924およびメルトフローインデックス0.7のラジカルポリエチレンと、密度0.925およびメルトフローインデックス0.7の直鎖状ポリエチレン(ブテンコモノマー)との重量比90/10のブレンド物を、押出機2に投入し;密度0.924およびメルトフローインデックス0.7のラジカルポリエチレンを押出機3に投入した。フィルムをつやの無い白色の外観にするために、着色剤(TiO2)を配合した。押出を容易にするために、加工助剤を用いた。ブロッキング防止剤およびUV吸収剤も使用した。このフィルムの厚みは、55ミクロンだった。接着剤層と接触させる表面には、この後、コロナ処理を施した。
【0068】
当業者に知られている通常の条件で、厚み20ミクロン相当の、20g/m2の乾燥被膜が得られるよう、接着剤組成物を支持体層上にコートし、次いで、被膜を85℃で5秒間乾燥した。
【0069】
このフィルムを、ポリウレタンタイプのラッカーが予め塗装された自動車鋼板に手作業で貼り付け、貼り付け1時間後に剥離力により測定(180°ピール、ピール速度=300mm/分、室温で測定)した接着レベルは、約200cN/cmであった。300時間のQUVタイプの試験(40℃、湿度100%、4時間、次いでUV照射4時間のサイクル)の後、接着レベルは、約300cN/cmであり、保護フィルムを取り去った後、自動車のラッカー塗装には、マークも接着剤残りもほとんどなかった。
【0070】
実施例2
アクリル系分散液(Acronal(登録商標)DS3559)100重量部およびイソシアネート架橋剤(Desmodur(登録商標)DA−L(Bayer製))3重量部を、固形分含有量が組成物に対し50%となるように混合し、接着剤組成物を調製した。イソシアネート架橋剤は、酢酸エチル混合50%品として分散液に加えた。アンチエージング剤(Tinuvin(登録商標)770)を、0.5重量部の量で混合物に加えた。
【0071】
三層共押出装置を用い、当業者に知られている通常の条件で、キャストまたはブロー共押出して支持体層を製造した。密度0.924およびメルトフローインデックス0.7のラジカルポリエチレンを押出機1に投入し;密度0.924およびメルトフローインデックス0.7のラジカルポリエチレンと、密度0.925およびメルトフローインデックス0.7の直鎖状ポリエチレン(ブテンコモノマー)との重量比90/10のブレンド物を、押出機2に投入し;密度0.924およびメルトフローインデックス0.7のラジカルポリエチレンを押出機3に投入した。フィルムをつやの無い白色の外観にするために、着色剤(TiO2)を配合した。押出を容易にするために、加工助剤を用いた。ブロッキング防止剤およびUV吸収剤も使用した。このフィルムの厚みは、45ミクロンだった。接着剤層と接触させる表面には、この後、コロナ処理を施した。
【0072】
当業者に知られている通常の条件で、厚み20ミクロン相当の、20g/m2の乾燥被膜が得られるよう、接着剤組成物を支持体層上にコートし、次いで、被膜を85℃で5秒間乾燥した。
【0073】
このフィルムを、ポリウレタンタイプのラッカーが予め塗装された自動車鋼板に手作業で貼り付け、貼り付け1時間後に剥離力により測定(180°ピール、ピール速度=300mm/分、室温で測定)した接着レベルは、約210cN/cmであった。300時間のQUVタイプの試験(40℃、湿度100%、4時間、次いでUV照射4時間のサイクル)の後、接着レベルは、約310cN/cmであり、保護フィルムを取り去った後、自動車のラッカー塗装には、マークも接着剤残りもほとんどなかった。
【0074】
実施例3
アクリル系分散液(Acronal(登録商標)DS3559)100重量部、イソシアネート架橋剤(Desmodur(登録商標)DA−L(Bayer製))1重量部、およびアジリジン架橋剤(Neocryl CX100)0.15重量部を、固形分含有量が組成物に対し50%となるように混合し、接着剤組成物を調製した。イソシアネート架橋剤は、酢酸エチル混合50%品として分散液に加えた。アジリジン架橋剤は、メトキシプロパノールアセテート混合50%品として分散液に加えた。アンチエージング剤(Tinuvin(登録商標)770)を、0.5重量部の量で混合物に加えた。
【0075】
三層共押出装置を用い、当業者に知られている通常の条件で、キャストまたはブロー共押出して支持体層を製造した。密度0.924およびメルトフローインデックス0.7のラジカルポリエチレンを押出機1に投入し;密度0.924およびメルトフローインデックス0.7のラジカルポリエチレンと、密度0.925およびメルトフローインデックス0.7の直鎖状ポリエチレン(ブテンコモノマー)との重量比90/10のブレンド物を、押出機2に投入し;密度0.924およびメルトフローインデックス0.7のラジカルポリエチレンを押出機3に投入した。フィルムをつやの無い白色の外観にするために、着色剤(TiO2)を配合した。押出を容易にするために、加工助剤を用いた。ブロッキング防止剤およびUV吸収剤も使用した。このフィルムの厚みは、45ミクロンだった。接着剤層と接触させる表面には、この後、コロナ処理を施した。
【0076】
当業者に知られている通常の条件で、厚み20ミクロン相当の、20g/m2の乾燥被膜が得られるよう、接着剤組成物を支持体層上にコートし、次いで、被膜を85℃で5秒間乾燥した。
【0077】
このフィルムを、ポリウレタンタイプのラッカーが予め塗装された自動車鋼板に手作業で貼り付け、貼り付け1時間後に剥離力により測定(180°ピール、ピール速度=300mm/分、室温で測定)した接着レベルは、約210cN/cmであった。300時間のQUVタイプの試験(40℃、湿度100%、4時間、次いでUV照射4時間のサイクル)の後、接着レベルは、約310cN/cmであり、保護フィルムを取り去った後、自動車のラッカー塗装には、マークも接着剤残りもほとんどなかった。
【0078】
実施例4
アクリル系分散液(Acronal(登録商標)A240)100重量部およびイソシアネート架橋剤(Desmodur(登録商標)DA−L)3重量部を、固形分含有量が組成物に対し50%となるように混合し、接着剤組成物を調製した。イソシアネート架橋剤は、酢酸エチル混合50%品として分散液に加えた。アンチエージング剤(Irganox(登録商標)5057)を、0.5重量部の量で混合物に加えた。
【0079】
三層共押出装置を用い、当業者に知られている通常の条件で、キャストまたはブロー共押出して支持体層を製造した。密度0.924およびメルトフローインデックス0.7のラジカルポリエチレンを押出機1に投入し;密度0.924およびメルトフローインデックス0.7のラジカルポリエチレンと、密度0.925およびメルトフローインデックス0.7の直鎖状ポリエチレン(ブテンコモノマー)との重量比90/10のブレンド物を、押出機2に投入し;密度0.924およびメルトフローインデックス0.7のラジカルポリエチレンと、メルトフローインデックス2.5のエチレン−酢酸ビニル共重合体(93/7)との重量比60/40のブレンド物を、押出機3に投入し、後者のブレンド物から得られる層を、被覆がなされる層とした。フィルムをつやの無い白色の外観にするために、着色剤(TiO2)を配合した。押出を容易にするために、加工助剤を用いた。ブロッキング防止剤およびUV吸収剤も使用した。このフィルムの厚みは、40ミクロンだった。接着剤層と接触させる表面には、この後、コロナ処理を施した。
【0080】
当業者に知られている通常の条件で、厚み15ミクロン相当の、15g/m2の乾燥被膜が得られるよう、接着剤組成物を支持体層上にコートし、次いで、被膜を85℃で5秒間乾燥した。
【0081】
このフィルムを、ポリウレタンタイプのラッカーが予め塗装された自動車鋼板に手作業で貼り付け、貼り付け1時間後に剥離力により測定(180°ピール、ピール速度=300mm/分、室温で測定)した接着レベルは、約210cN/cmであった。14日間の温度/湿潤雰囲気試験(23℃、相対湿度100%、6時間、次いで40℃、相対湿度100%、6時間のサイクル)の後、保護フィルムを取り去ると、自動車のラッカー塗装には、マークも接着剤残りもほとんどなかった。
【0082】
実施例5
アクリル系分散液(Acronal(登録商標)DS3559)100重量部、Acronal(登録商標)LA449S 30重量部、およびアジリジン架橋剤(Neocryl CX100)0.25重量部を、固形分含有量が組成物に対し50%となるように混合し、接着剤組成物を調製した。イソシアネート架橋剤は、酢酸エチル混合50%品として分散液に加えた。アジリジン架橋剤は、メトキシプロパノールアセテート混合50%品として分散液に加えた。アンチエージング剤(Irganox(登録商標)5057)を、0.5重量部の量で混合物に加えた。
【0083】
三層共押出装置を用い、当業者に知られている通常の条件で、キャストまたはブロー共押出して支持体層を製造した。密度0.924およびメルトフローインデックス0.7のラジカルポリエチレンを押出機1に投入し;密度0.924およびメルトフローインデックス0.7のラジカルポリエチレンと、密度0.925およびメルトフローインデックス0.7の直鎖状ポリエチレン(ブテンコモノマー)との重量比90/10のブレンド物を、押出機2に投入し;密度0.924およびメルトフローインデックス0.7のラジカルポリエチレンと、メルトフローインデックス2.5のエチレン−酢酸ビニル共重合体(93/7)との重量比60/40のブレンド物を、押出機3に投入し、後者のブレンド物から得られる層を、被覆がなされる層とした。フィルムをつやの無い白色の外観にするために、着色剤(TiO2)を配合した。押出を容易にするために、加工助剤を用いた。ブロッキング防止剤およびUV吸収剤も使用した。このフィルムの厚みは、40ミクロンだった。接着剤層と接触させる表面には、この後、コロナ処理を施した。
【0084】
当業者に知られている通常の条件で、厚み20ミクロン相当の、20g/m2の乾燥被膜が得られるよう、接着剤組成物を支持体層上にコートし、次いで、被膜を85℃で5秒間乾燥した。
【0085】
このフィルムを、ポリウレタンタイプのラッカーが予め塗装された自動車鋼板に手作業で貼り付け、貼り付け1時間後に剥離力により測定(180°ピール、ピール速度=300mm/分、室温で測定)した接着レベルは、約150cN/cmであった。14日間の温度/湿潤雰囲気試験(23℃、相対湿度100%、6時間、次いで40℃、相対湿度100%、6時間のサイクル)の後、保護フィルムを取り去ると、自動車のラッカー塗装には、マークも接着剤残りもほとんどなかった。
【0086】
実施例6
アクリル系分散液(Acronal(登録商標)DS3559)100重量部、およびアジリジン架橋剤(Neocryl CX100)0.25重量部を、固形分含有量が組成物に対し50%となるように混合し、接着剤組成物を調製した。アジリジン架橋剤は、メトキシプロパノールアセテート混合50%品として分散液に加えた。Tinuvin(登録商標)765 0.5重量部およびIrganox(登録商標)5057 0.5重量部の混合物からなるアンチエージング剤も、混合物に加えた。
【0087】
三層共押出装置を用い、当業者に知られている通常の条件で、キャストまたはブロー共押出して支持体層を製造した。密度0.924およびメルトフローインデックス0.7のラジカルポリエチレンを押出機1に投入し;密度0.924およびメルトフローインデックス0.7のラジカルポリエチレンと、密度0.925およびメルトフローインデックス0.7の直鎖状ポリエチレン(ブテンコモノマー)との重量比90/10のブレンド物を、押出機2に投入し;密度0.924およびメルトフローインデックス0.7のラジカルポリエチレンを押出機3に投入した。フィルムをつやの無い白色の外観にするために、着色剤(TiO2)を配合した。押出を容易にするために、加工助剤を用いた。ブロッキング防止剤およびUV吸収剤も使用した。このフィルムの厚みは、45ミクロンだった。接着剤層と接触させる表面には、この後、コロナ処理を施した。
【0088】
当業者に知られている通常の条件で、厚み20ミクロン相当の、20g/m2の乾燥被膜が得られるよう、接着剤組成物を支持体層上にコートし、次いで、被膜を85℃で5秒間乾燥した。
【0089】
最外表面層が2つの化合物のブレンド物から得られ、その2番目の化合物がイソシアネートタイプであるこのフィルムを、自動車鋼板に手作業で貼り付けたとき、貼り付け1時間後に剥離力により測定(180°ピール、ピール速度=300mm/分、室温で測定)した接着レベルは、約240cN/cmであった。14日間の温度/湿潤雰囲気試験(23℃、相対湿度100%、6時間、次いで40℃、相対湿度100%、6時間のサイクル)の後、保護フィルムを取り去ると、自動車のラッカー塗装には、マークも接着剤残りもほとんどなかった。より正確には、観測可能なマークは、プロフィメトリで測定して、特徴となる寸法LおよびH(図2)が、それぞれ0.24mmおよび0.14μmであった。これらの寸法では、ラッカー塗装を観察する者が、約30cmの距離でマークを視認するのは困難である。
【図1】

【図2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車車体の保護に適した感圧接着フィルムであって、支持体層を、以下を含む混合物で被覆して得られることを特徴とする、感圧接着フィルム。
・アクリル酸2−エチルヘキシル40〜70重量%、アクリル酸エチル20〜40重量%、酢酸ビニル5〜15%、スチレン0〜8重量%、およびカルボン酸基を少なくとも1つ有する1種またはそれ以上のモノマー2〜5重量%を含む、モノマー混合物の乳化重合によって得られるアクリル系水性分散液100重量部;
・水相に組込み可能な架橋システム0.05〜30重量部、好ましくは0.1〜15.5重量部;および
・1種またはそれ以上のアンチエージング剤0〜5重量部。
【請求項2】
前記カルボン酸基を少なくとも1つ有するモノマーが、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、マレイン酸、およびこれらの酸の誘導体から選ばれる請求項1に記載の接着フィルム。
【請求項3】
前記アクリル系水性分散液の平均粒径が、500nmより小さい、好ましくは200nmより小さい請求項1または2のいずれかに記載の接着フィルム。
【請求項4】
前記架橋システムが、脂肪族もしくは脂環式イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、およびエポキシ系架橋剤より選ばれる1種またはそれ以上の架橋剤からなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着フィルム。
【請求項5】
前記架橋システムが、
― 0.5〜30重量部、好ましくは1〜15重量部の量で使用されるイソシアネート;
― または0.05〜3重量部、好ましくは0.1〜1.5重量部の量で使用されるアジリジン;
― または0.1〜30重量部、好ましくは0.1〜15重量部の量で使用されるカルボジイミド;
― または0.1〜6重量部、好ましくは0.2〜3重量部の量で使用されるエポキシ;
― または0.05〜0.5重量部の量で使用されるアジリジンと1〜15重量部の量で使用されるイソシアネートの混合物、
のいずれかからなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の接着フィルム。
【請求項6】
前記支持体層が、単層または多層である、好ましくは3層である請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着フィルム。
【請求項7】
前記支持体層が、ラジカルポリエチレン、エチレンとC3−C8オレフィン系モノマーとの共重合体、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、またはこれらの化合物のブレンド物である請求項1〜6のいずれか1項に記載の接着フィルム。
【請求項8】
前記支持体層が、接着剤層と支持体層との接着の向上を目的とした、1種またはそれ以上のポリオレフィンをさらに含み、当該ポリオレフィンが、特に、エチレン/酢酸ビニル(EVA)共重合体およびエチレン/アクリル酸誘導体共重合体から選ばれる請求項1〜7のいずれか1項に記載の接着フィルム。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に定義された接着フィルムの、自動車車体の保護のための使用。
【請求項10】
自動車車体の保護に適した感圧接着フィルムの製造方法であって、被覆した接着剤層が、5〜30ミクロンの厚みで、かつ0.001〜1重量%の残留水分含有量で得られるような条件で、以下を含む混合物で支持体層を被覆することを含むことを特徴とする製造方法。
・アクリル酸2−エチルヘキシル40〜70重量%、アクリル酸エチル20〜40重量%、酢酸ビニル5〜15%、スチレン0〜8重量%、およびカルボン酸基を少なくとも1つ有する1種またはそれ以上のモノマー2〜5重量%を含む、モノマー混合物の乳化重合によって得られるアクリル系水性分散液100重量部;
・水相に組込み可能な架橋システム0.05〜30重量部、好ましくは0.1〜15.5重量部;および
・1種またはそれ以上のアンチエージング剤0〜5重量部。
【請求項11】
前記の被覆方法において、50〜95℃の温度で、1〜30秒間、乾燥工程が行われることを特徴とする請求項10に記載の方法。

【公表番号】特表2007−532744(P2007−532744A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−507810(P2007−507810)
【出願日】平成17年3月14日(2005.3.14)
【国際出願番号】PCT/FR2005/000606
【国際公開番号】WO2005/111101
【国際公開日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(503431574)
【Fターム(参考)】