成形型移動式ブロー成形方法
【課題】ラベル、把手などのインモールド用の部品の装着機構などを組み込むのに適した二軸延伸ブロー成形装置を提案すること。
【解決手段】二軸延伸ブロー成形装置1の作業ステーション7およびブロー成形ステーション8では、回転盤46に一対のブロー金型41が搭載され、各ブロー金型41は作業位置61においてラベル4が装着される。ラベル4が装着されたブロー金型41は、回転盤46によってブロー成形位置14の直上まで移動する。ブロー成形位置14には、ブロー成形に適した温度状態のプリフォーム2が位置決めされて待機している。ブロー金型41を下降させ、その中にプリフォーム2を装着して、ブロー成形が行われ、外周面にラベル4が接着固定された容器3が成形される。ブロー金型41を移動させることにより、ラベル、把手などをインモールド成形可能な小型でコンパクトな二軸延伸ブロー成形装置を実現できる。
【解決手段】二軸延伸ブロー成形装置1の作業ステーション7およびブロー成形ステーション8では、回転盤46に一対のブロー金型41が搭載され、各ブロー金型41は作業位置61においてラベル4が装着される。ラベル4が装着されたブロー金型41は、回転盤46によってブロー成形位置14の直上まで移動する。ブロー成形位置14には、ブロー成形に適した温度状態のプリフォーム2が位置決めされて待機している。ブロー金型41を下降させ、その中にプリフォーム2を装着して、ブロー成形が行われ、外周面にラベル4が接着固定された容器3が成形される。ブロー金型41を移動させることにより、ラベル、把手などをインモールド成形可能な小型でコンパクトな二軸延伸ブロー成形装置を実現できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定温度に加熱したプリフォームをブロー成形して、飲料用容器などのブロー成形容器を製造するブロー成形方法に関するものである。更に詳しくは、ラベル、把手などをインモールド成形する場合などに適したブロー成形方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
飲料用容器などは、予め射出成形されたプリフォームあるいはパリソンを所定温度に加熱した後にブロー成形することにより製造されている。このために用いられるブロー成形装置では、プリフォームを加熱しながら搬送してブロー成形に適した温度状態とし、しかる後に、定位置において型開き状態で待機しているブロー成形型に加熱状態のプリフォームを入れ、ブロー成形を行っている。ブロー成形を効率良く行うために、ターンテーブル上に複数台のブロー成形型を乗せ、ブロー成形型を円形の移動軌跡に沿って循環させながら、プリフォームの供給、型締め、ブロー成形、型開き、およびブロー成形品の排出を繰り返し行うロータリ式のものも知られている。
【0003】
ここで、飲料用容器などのブロー成形容器では、ブロー成形後に、その外周面に熱収縮性フィルムなどからなるラベルが取り付けられることがある。また、大型容器などにおいては、ブロー成形後に、射出成形などによって製造した把手が容器胴部に取り付けられる場合がある。ラベル、把手などの部品の取り付けを、ブロー成形型にこれらを予め装着した状態でプリフォームをブロー成形するインモールド成形により行えば、生産効率が改善されるので望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ラベル、把手などの部品をインモールド成形によりブロー成形容器に取り付けるためには、ブロー成形型の隣接位置に、ブロー成形型内にインモールド用の部品を装着するための機構を配置する必要がある。しかしながら、ブロー成形型の設置場所には、プリフォームの供給路、ブロー成形用の圧縮空気供給機構、延伸ロッドの駆動機構などが設置されている。したがって、装置寸法の増加を伴うことなく、インモールド用の部品を装着するための機構を設置するスペースを確保することが困難である。
【0005】
また、ロータリ式のブロー成形型の場合には、円形の移動軌跡に沿って移動している各ブロー成形型にインモールド用の部品を装着する必要がある。移動中のブロー成形型に部品を装着することは困難であり、特に、移動中のブロー成形型内の所定の部位に精度良く部品を装着することが困難である。
【0006】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、ラベル、把手などのインモールド用の部品の装着機構などを組み込むのに適したブロー成形方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明によるブロー成形方法は、
ブロー成形に適した温度に加熱されたプリフォームをブロー成形位置に搬送するプリフォーム搬送工程と、
ブロー成形位置に至った前記プリフォームを当該ブロー成形位置に待機させるプリフォーム待機工程と、
ブロー成形型を前記ブロー成形位置に移動して、待機している前記プリフォームが当該ブロー成形型に装着された状態を形成するブロー成形型移動工程と、
前記ブロー成形型内において前記プリフォームをブロー成形してブロー成形容器を成形するブロー成形工程と、
前記ブロー成形型を前記ブロー成形位置から待機位置に戻すブロー成形型戻し工程とを含むことを特徴としている。
【0008】
本発明によるブロー成形方法では、プリフォームをブロー成形位置に固定し、ブロー成形型を待機位置から、プリフォームを待機させてあるブロー成形位置に移動させて、プリフォームをブロー成形型に装着するようにしている。このように、ブロー成形型を移動させるようにすれば、ブロー成形位置から離れたブロー成形型の待機位置などにおいて、ラベル、把手などのインモールド用の部品をブロー成形型に装着する機構を設置することができる。また、待機位置に止まっているブロー成形型にインモールド用の部品を装着すればよいので、装着作業も簡単であり、また、目標とするブロー成形型内の部位に正確に装着することもできる。
【0009】
一般的には、インモールド用の部品をブロー成形型に装着するなどの作業工程を、前記待機位置に戻った前記ブロー成形型に対して行うようにすればよい。
【0010】
また、前記ブロー成形型として複数のブロー成形型を用意し、一つの前記ブロー成形型に対する前記ブロー成形工程と、別の前記ブロー成形型に対する前記作業工程とが並行して行われる形態で、各ブロー成形型に対して、前記ブロー型移動工程、前記ブロー成形工程、前記ブロー成形型戻し工程および前記作業工程を繰り返し行うことが望ましい。
【0011】
さらに、前記ブロー成形型として、複数のブロー成形型からなるブロー成形型群を複数組用意し、一つの前記ブロー成形型群に対する前記ブロー成形工程と、別の前記ブロー成形型群に対する前記作業工程とが並行して行われる形態で、各ブロー成形型群に対して、前記ブロー成形工程および前記作業工程を繰り返し行うことが望ましい。
【0012】
次に、前記の作業工程として、インモールド用の部品の装着作業以外の作業を行うことも可能である。すなわち、本発明のブロー成形方法は、前記ブロー成形工程に先立って、前記ブロー成形型を所定温度に加熱する加熱工程を含み、前記ブロー成形型戻し工程では、成形された前記ブロー成形容器を前記ブロー成形型内に保持したまま前記待機位置に戻し、前記作業工程では、前記ブロー成形容器内に圧縮空気を吹き込むことにより当該ブロー成形容器を冷却し、しかる後に、当該ブロー成形容器を前記ブロー成形型から取り出すことを特徴としている。
【0013】
一方、前記プリフォームとしては、一般に、一端が口部として開口している有底筒状のものが用いられている。前記プリフォーム搬送工程、前記プリフォーム待機工程および前記ブロー成形工程においては、前記プリフォームを、前記口部が下向きの倒立姿勢、あるいは、前記口部が上向きの正立姿勢に保持すればよい。
【0014】
この場合、前記プリフォームを搬送するために、前記プリフォームの口部に差し込み可能な差し込みコアを備えたプリフォーム固定用マンドレルを用いることができる。
【0015】
また、前記ブロー成形型としては一端が開口している筒状成形型を用いることができ、この場合には、前記ブロー成形型移動工程において、当該筒状成形型を上昇あるいは下降させ、その中に前記プリフォームを位置決めし、当該筒状成形型の端面を前記プリフォーム固定用マンドレルに当接させて型締め状態を形成すればよい。
【0016】
前記ブロー成形型として、左右に開閉可能な一対の開閉型を用いることもできる。この場合には、前記ブロー成形型移動工程において、開いた状態の前記開閉型を上昇あるいは下降させ、これらの間に前記プリフォームを位置決めし、しかる後に、これらの開閉型を閉じて型締め状態を形成すればよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によるブロー成形方法では、プリフォームが待機しているブロー成形位置にブロー成形型を移動して、当該ブロー成形型にプリフォームが装着された状態を形成するようにしている。したがって、ブロー成形位置から離れた位置において、インモールド用の部品をブロー成形型の内部の所定位置に装着する作業などを行うことが可能になる。この結果、このような作業を行うための機構の設置スペースを、装置寸法を増加させることなく確保することができる。
【0018】
また、複数のブロー成形型を用いる場合には、一つのブロー成形型によるブロー成形中に、ブロー成形位置から離れた待機位置などに止まっている他のブロー成形型に対して部品の装着作業などを行うことができる。よって、生産効率を低下させることなく、ブロー成形以外の作業を並行して行うことのできるコンパクトなブロー成形装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した二軸延伸ブロー成形装置の実施例を説明する。
【0020】
(全体構成)
図1は本例の二軸延伸ブロー成形装置の平面構成図であり、図2はその側面図である。二軸延伸ブロー成形装置1は、カップ状のプリフォーム2を二軸延伸ブローして、有底円筒状の容器3を製造するためのものであり、容器3は、その胴部外周面にインモールド成形によってラベル4が接着固定されている。プリフォーム2は外周面に雄ねじ部が形成されている口部2aを備えており、この口部2aは延伸ブローされることなく、そのまま容器3の口部3aとして残る。プリフォーム2の口部2a以外の部分が二軸延伸ブローされて、容器3の口部3aに連続している筒状胴部3bおよび底部3cが形成される。
【0021】
二軸延伸ブロー成形装置1は、プリフォーム2の供給ステーション5と、プリフォーム2をブロー成形に適した温度に加熱する加熱ステーション6と、インモールド成形するためのラベル4をブロー金型内に装着するラベル装着用の作業ステーション7と、加熱後のプリフォーム2をラベル4が装着されたブロー金型内で二軸延伸ブロー成形するブロー成形ステーション8と、成形された容器3を回収する回収ステーション9とを有している。
【0022】
供給ステーション5から供給されるプリフォーム2は、口部2aが下向きの倒立状態で、プリフォーム固定用マンドレル10に担持される。プリフォーム2が担持されたプリフォーム固定用マンドレル10は、上記の各ステーションを経由するほぼ水平な循環経路を循環する。
【0023】
プリフォーム固定用マンドレル10の循環経路は、供給ステーション5からプリフォーム2が供給される供給位置11から直線状に延びている供給経路12と、加熱ステーション6に沿って配置されている細長いU状の加熱経路13と、加熱後のプリフォーム2をブロー成形ステーション8のブロー成形位置14に搬送するための直線状の搬送経路15と、成形後の容器3をブロー成形ステーション8から排出して回収位置16において回収ステーション9に引き渡した後に、空のプリフォーム固定用マンドレル10をプリフォーム供給位置に戻すためのU状の戻り経路17とを備えている。また、供給経路12と加熱経路13の間は、外周面に半円形の溝が形成されたスターホイール18、19によって形成された移送路によって繋がっている。同様に、加熱経路13と搬送経路15の間も、スターホイール21によって形成される移送路によって繋がっている。
【0024】
プリフォーム2の供給ステーション5では、ホッパ31に投入されたプリフォーム2が、ベルトコンベヤ32によって上方に搬送された後に、上端からシュート33に落下する。シュート33を移動する間に、プリフォーム2は口部2aが上向きの正立姿勢で1個ずつ整列された状態になり、この状態で、スライドレール34に引き渡される。プリフォーム2はスライドレール34に沿って滑り落ちる。スライドレール34の下端部には、プリフォーム2を6個ずつ供給経路12の側に供給するための反転供給機構35が配置されている。反転供給機構35は、一定間隔で配列されている6個のプリフォーム2を把持し、隣接する供給経路12の供給位置11に待機している6個のプリフォーム固定用マンドレル10に対して、180度姿勢を反転させた倒立状態で上側から差し込む。
【0025】
プリフォーム固定用マンドレル10は、中心に貫通孔10aが形成されており、その上端部がプリフォーム2の口部2aに差し込み可能な外径のコア10bとされ、このコア10bの下端外周面には大径のフランジ10cが形成されている。コア10bの下端から延びている円筒部10dの外周面には、スライド用の大径フランジ10eが形成されている。
【0026】
プリフォーム2が差し込まれたプリフォーム固定用マンドレル10は不図示の送り機構によって前方に送り出される。送り出されたプリフォーム固定用マンドレル10は、回転しているスターホイール18に1個ずつ順次に引き渡され、スターホイール19を介して、加熱経路13に移送される。加熱経路13が通過する加熱ステーション6では、加熱経路13に沿って複数の箇所に、加熱ランプなどの加熱源が配置されている。加熱経路13に沿って搬送される間に、プリフォーム2は所定温度に加熱される。
【0027】
加熱後のプリフォーム2は、プリフォーム固定用マンドレル10と共に搬送経路15に引き渡され、ここを通って、ブロー成形に適した温度状態でブロー成形ステーション8のブロー成形位置14に至る。ブロー成形位置14に至ったプリフォーム2はその位置において、ブロー金型41が移動してくるのを待機する。ブロー金型41がブロー成形位置14に移動して、その中にプリフォーム2が装着された状態で型締めが行われた後に、二軸延伸ブロー成形が行われる。なお、プリフォーム2がブロー成形位置に至る前に、ブロー金型41を移動して、ブロー成形位置の真上あるいは真下に待機させるようにしてもよい。
【0028】
ブロー成形後にブロー金型41が移動した後に、成形された容器3はプリフォーム固定用マンドレル10に担持された状態のままで排出され、回収位置16において、プリフォーム固定用マンドレル10から引き抜かれて、回収ステーション9の側に回収される。空になったプリフォーム固定用マンドレル10は戻り経路17に沿って移動して、再び、供給位置11に戻り、新たなプリフォーム2が供給される。
【0029】
(ブロー成形ステーションおよび作業ステーション)
図3はブロー成形ステーション8およびラベル装着用の作業ステーション7の平面図であり、図4はその概略断面図である。図5はブロー成形動作を示す説明図である。
【0030】
これらの図を参照してステーション7、8の構造を説明する。装置架台1aには水平基板43が取り付けられており、この水平基板43には4本の垂直支柱44が立設され、これらの上端に、矩形の水平枠板45が支持されている。水平枠板45には円形開口部45aが形成されており、この内周縁には上方に面する円環状段面が形成され、ここに、上側から円形の回転盤46が回転自在の状態で装着されている。回転盤46は、上方に外れないように、複数の箇所において止め金具47によって上方への移動が規制されている。
【0031】
回転盤46の下面中心には、垂直回転軸48の上端が固着されている。垂直回転軸48は、水平基板43に取り付けた円筒軸受部材49によって回転自在の状態で支持されている。水平基板43の裏面にはサーボモータ50が取り付けられており、このサーボモータ50の回転が、不図示の減速機構を介して、垂直回転軸48に伝達されるようになっている。
【0032】
回転盤46には、その直径方向の両端部に、点対称状態で2組のブロー金型アセンブリ51が搭載されている。ブロー金型アセンブリ51は、回転盤46に支持されているブロー金型昇降シリンダ52と、このブロー金型昇降シリンダ52の昇降ロッド53の下端に水平に取り付けられている昇降板54の下面に垂直に取り付けられているブロー金型41とを備えている。ブロー金型41は、6個取り用の金型であり、一定の間隔でブロー成形用のキャビティ55が6個形成されており、各キャビティ55は下方に開口している。
【0033】
回転盤46を回転させることにより、ブロー金型アセンブリ51のブロー金型41をブロー成形位置14の真上に位置決め可能となっている。位置決め状態においては、ブロー金型41の各キャビティ55の真下に、それぞれ、ブロー成形位置14において待機している6個のプリフォーム2が位置決めされた状態になる。ブロー金型41を下降させると、各キャビティ55にプリフォーム2が装着された状態が形成される。また、ブロー金型41の下端面411が、プリフォーム2を担持している各プリフォーム固定用マンドレル10のフランジ10cの上面に密着した型締め状態が形成される。
【0034】
また、ブロー成形位置14の下側には、6個の圧縮空気吹き出し口56が配列されており、各圧縮空気吹き出し口56を介して、垂直に配置された延伸ロッド57が上方に突出可能となっている。各延伸ロッド57は水平基板43の裏面に取り付けた延伸ロッド昇降シリンダ58によって昇降されるようになっている。プリフォーム2を担持している6個のプリフォーム固定用マンドレル10がブロー成形位置14に待機した状態では、各マンドレル10が圧縮空気吹き出し口56の真上に位置決めされた状態になる。ブロー成形時においては、圧縮空気吹き出し口56が上昇してマンドレル10の下端に密着し、マンドレル10の中心貫通孔10aを介して圧縮空気がプリフォーム2に吹き込まれる。また、延伸ロッド57もマンドレル10の中心貫通孔10aを介してプリフォーム2を延伸する。
【0035】
次に、上記のように一方のブロー金型アセンブリ51がブロー成形位置14の真上に位置決めされた状態においては、他方のブロー金型センブリ51は、ラベル装着ステーション7におけるラベル装着用の作業位置61の真上に位置決めされた状態となる。
【0036】
図4に示すように、ラベル装着ステーション7は、水平基板43の上面に搭載されたスライドレール62と、このスライドレール62に沿って作業位置61および退避位置63の間を往復移動可能なラベル装着具64とを備えている。ラベル装着具64は、ブロー金型41の6個のキャビティ55に差し込み可能な6個のラベル装着コア65を備えている。ラベル4は、退避位置63において、各ラベル装着コア65に取り付けられる。
【0037】
ラベル4が取り付けられたラベル装着具64は不図示の駆動機構によって作業位置61まで送り出され、その位置で待機する。回転盤46の回転によってブロー金型41が作業位置61の真上に位置決めされた後に、ブロー金型昇降シリンダによってブロー金型41が下降すると、下側から各キャビティ内にラベル装着コア65が差し込まれて、それらに担持されているラベル4がキャビティ内周面に密着する。例えば、ブロー金型41のキャビティ内周面部分に真空吸引口が複数個形成されており、ラベル4が真空吸引されて、キャビティ内周面に密着する。このようにしてラベル4が各キャビティ内に装着された後は、ブロー金型41が上昇する。
【0038】
次に、図5を参照して、ブロー成形ステーション8および作業ステーション7における動作を以下に纏めて説明する。
【0039】
まず、ブロー成形に適した温度状態となったプリフォーム2を担持している6個のプリフォーム固定用マンドレル10を搬送経路15に沿ってブロー成形ステーション8に送り込み、ブロー成形位置14に位置決めし、そこに待機させる(ステップST1)。
【0040】
プリフォーム搬送動作と並行して、ブロー金型41をブロー成形位置14の真上に位置決めするための移動も行われる。回転盤46が図3、4に示す回転位置まで回転して停止すると、一方のブロー金型アセンブリ51のブロー金型41がブロー成形位置14の真上に位置決めされる(ステップST2)。
【0041】
この後は、ブロー金型41を下降させて、各プリフォーム2が各キャビティ内に装着された型締め状態を形成する(ステップST3)。
【0042】
次に、ブロー成形ステーション8の側のブロー金型41においては、下側から圧縮空気吹き出し口56が上昇してマンドレル10の中心貫通孔10aに連通した状態になり、圧縮空気がプリフォーム2に吹き込まれ、同時に、延伸ロッド57が上昇してプリフォーム2の延伸も開始される。このようにしてプリフォーム2の二軸延伸ブローが行われて、容器3が成形される(ステップST4)。
【0043】
ここで、ブロー金型41の各キャビティ55内の成形面には後述のように、予めラベル4が装着されている。したがって、ラベル4がインモールド成形によって容器3の胴部外周面に接着される。この後は圧縮空気を排出した後に、延伸ロッド57が下降し、しかる後にブロー金型41が上昇する(ステップST5)。
【0044】
この後は、ブロー成形されたラベル付きの容器3が回収ステーション9に向けて排出される(ステップST6)。また、加熱されたプリフォーム2がブロー成形位置14に入ってくる。さらに、回転盤46が180度回転して、ブロー成形位置14の真上に上昇したブロー金型41を、反対側のラベル装着位置61まで移動する。
【0045】
ブロー金型41が作業位置61の真上に位置決めされる前に、作業ステーション7においては、退避位置63でラベル4が供給されたラベル装着具64が、作業位置61に位置決めされ、ここで待機している(ステップST11)。ブロー金型41を作業位置61の真上に位置決めした後に(ステップST12)、ブロー金型41を下降させて、各キャビティ55内にラベル4が取り付けられているラベル装着コア65を挿入してラベル4を各キャビティ55に装着する(ステップST13)。例えば、キャビティ内周面に真空吸引して密着させる。しかる後に、ブロー金型41を上昇させ(ステップST14)、ラベル装着具64を退避位置63に戻す(ステップST15)。
【0046】
この後は、回転盤46を回転して、ラベル4が装着されたブロー金型41をブロー成形位置14に向けて移動して、そこに位置決めされる(ステップST2)。ブロー金型41の移動中において、ラベル装着ステーション7では、退避位置63のラベル装着具64にラベル4を供給する動作が行われる(ステップST16)。
【0047】
以上のように、一対のブロー金型41に対して、ブロー成形工程およびラベル装着工程を交互に繰り返しながら、二軸延伸ブロー成形が行われて、6個ずつ、ラベル付き容器3が製造される。
【0048】
なお、本例では、一対のブロー金型41が搭載されているが、例えば、図6に示すように、90度間隔で4組のブロー金型41を回転盤46に搭載し、点対称の位置にある2組のブロー成形型41における一方においてブロー成形を行い、他方においてラベル装着作業を行う動作を繰り返し行うようにしてもよい。
【0049】
(実施の形態2)
図7は、上記のブロー成形および作業ステーションの別の実施形態を示す平面図および概略断面図であり、図8はその動作を示す説明図である。本例のブロー成形ステーション8Aおよび作業ステーション7Aの基本構成は、図3ないし5に示す場合と同様であるので、対応する部位には同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
【0050】
本例のブロー成形ステーション8Aでは、回転盤46に搭載されている一対のブロー金型アセンブリ51Aは、それぞれ、左右に開閉する一対の開閉型41a、41bと、これらの開閉型を開閉するためのブロー型開閉シリンダ71a、71bを備えている。ブロー成形動作は上記の例と基本的に同一であるが、左右の開閉型41a、41bは、ブロー成形位置14の真上に位置決めされて型開きが行われる(図8のステップST2A)。この後に、型開き状態で下降し(図8のステップST3A)、型締めおよびブロー成形が行われる(図8のステップST4A)。なお、型が閉じた状態で左右の開閉型41a、41bを下降させて、それらの間に下側からプリフォームが装着された型締め状態を形成することもできる。ブロー成形の後は、型開きが行われた後に型開き状態のままで開閉型41a、41bが上昇する(図8のステップST5A)。
【0051】
また、本例の作業ステーション7Aは、ラベル装着用の作業ステーションではなく、把手4Aをブロー金型41Aに装着する作業を行う。把手4Aを装着するための装着具64Aを備えており、そこに形成されている把手装着コア65に把手4Aが取り付けられる。ブロー金型41Aの左右の開閉型41a、41bが開いた状態で把手装着用の作業位置61の真上に位置決めされ、その状態で下降した後に型締め動作が行われ、把手4Aが開閉型41aあるいは41bの所定の部位に装着される。
【0052】
なお、ブロー金型41Aを回転盤46に対して3組以上搭載することも可能である。例えば、図9に示すように、90度間隔で4組搭載することもできる。
【0053】
(実施の形態3)
次に、図10は、上記のブロー成形および作業ステーションの別の実施形態を示す平面図および概略断面図であり、図11はその動作説明図である。本例のブロー成形ステーションの構成は、図7、8に示すものと同一であるので、対応する部位は同一の符号を付し、それらの説明を省略する。
【0054】
本例の作業ステーション7Bは、ブロー成形ステーション8Aとほぼ同一構成とされている。したがって、対応する部位には同一の符号を付して示してある。作業ステーション7Bにおいては、ブロー成形ステーション8Aにおいて最終製品にほぼ近い形状に成形された成形品3Aに対して、再度、ブロー成形を行って、最終製品である容器3の成形精度の向上、および/または、耐熱性の向上を図っている。
【0055】
図11を参照して、本例のブロー成形および作業ステーションにおける動作を説明する。本例においては、ブロー金型41Aが常に、100℃以上で180℃以下の加熱状態に保持されている。まず、ブロー成形に適した温度状態となったプリフォーム2を担持している6個のプリフォーム固定用マンドレル10を搬送経路15に沿ってブロー成形ステーション8Aに送り込み、ブロー成形位置14に位置決めし、そこに待機させる(ステップST31)。
【0056】
プリフォーム搬送動作と並行して、ブロー金型をブロー成形位置14の真上に位置決めするための移動も行われる。回転盤46が図10に示す回転位置まで回転して停止すると、一方のブロー金型アセンブリ51のブロー金型がブロー成形位置14の真上に位置決めされ、型開きが行われる(ステップST32)。
【0057】
この後は、開いた状態のブロー金型を下降させて、各プリフォーム2が左右に開かれた開閉型41a、41bの各キャビティの間に位置決めされた状態を形成する(ステップST33)。
【0058】
次に、ブロー金型41Aの型閉めを行い、下側から圧縮空気吹き出し口56を上昇させてマンドレル10の中心貫通孔10aに連通した状態を形成し、圧縮空気をプリフォーム2に吹き込む。同時に、延伸ロッド57を上昇させプリフォーム2の延伸も開始する。このようにしてプリフォーム2の二軸延伸ブローが行われて、最終製品に近い形状の成形品3Aが成形される(ステップST34)。
【0059】
この後は圧縮空気を排出した後に、延伸ロッド57を下降させ、しかる後に型締め状態のままでブロー金型41Aを引き上げる。この結果、成形品3Aはブロー金型41Aに装着された状態のまま、プリフォーム固定用マンドレル10と共に引き上げられる(ステップST35)。
【0060】
この後は、回転盤46を180度回転して、ブロー成形位置14の真上にあるブロー金型を、反対側の作業位置61に移動し、その真上に位置決めする。
【0061】
そして、ブロー金型を下降させて、その中に保持されている成形品3Aに圧縮空気を吹き込み、最終成形品である容器3を成形し、同時に容器3を冷却する。この後は圧縮空気を排出する(ステップST36)。
【0062】
この後は、ブロー金型を開いた後に、上昇させて容器3を離型する(ステップST37)。このようにして成形された容器3を作業位置61から排出する(ステップST38)。
【0063】
この後は、回転盤46を回転して、ブロー金型をブロー成形位置14に向けて移動する。他方のブロー金型は、成形品3Aを保持したまま作業位置61に向けて移動する。以上のように、一対のブロー金型に対して、ブロー成形工程および最終成形・冷却作業工程を交互に繰り返しながら、二軸延伸ブロー成形が行われて、6個ずつ、容器3が製造される。
【0064】
なお、本例では、180度の角度間隔で一対のブロー金型が配置されている。この代わりに、90度間隔で4組のブロー金型を回転盤46に配置してもよい。この場合には、例えば、ブロー成形位置14においてブロー成形を行い、この位置から90度回転した位置および180度回転した各位置において、圧縮空気を吹き込み成形品の冷却などを行い、270度回転した位置において、ブロー金型から容器を取り出すようにしてもよい。
【0065】
(その他の実施の形態)
上記の各例は、ラベル装着、把手装着、および最終成形・冷却などの作業を行う作業ステーション7、7A、7Bが備わった二軸延伸ブロー成形装置の例である。本発明は、作業ステーションが備わっていない二軸延伸ブロー成形装置にも適用可能である。この場合には、単に、作業ステーションを省略すればよい。
【0066】
次に、上記の各例では、プリフォーム2を倒立姿勢で搬送してブロー成形を行うようになっている。この代わりに、プリフォーム2を正立姿勢で搬送してブロー成形を行うこともできる。
【0067】
この場合には、例えば、図12に示す構成のブロー成形ステーション8Cを用いることができる。ブロー成形ステーション8Cでは、装置架台1aに取り付けた水平基板43が上側に配置され、下側に、水平枠45によって回転可能に支持された回転盤46が配置されている。上側の水平基板43におけるブロー成形位置14には、6組の圧縮空気吹き出し口56と、延伸ロッド57およびその昇降シリンダ58が取り付けられている。
【0068】
下側の回転盤46には、直径方向の両端部に、一対のブロー金型アセンブリ51Bが搭載されている。各ブロー金型アセンブリ51Bは、回転盤46に搭載されたブロー金型昇降シリンダ52と、その昇降ロッド53の先端に取り付けた昇降板54と、当該昇降板54に搭載されたブロー金型41Aとを備えている。
【0069】
この構成のブロー成形ステーション8Cを備えた二軸延伸ブロー成形装置の全体構成は、基本的には図1に示す構成と同一である。異なる点は、プリフォーム2が正立状態でプリフォーム固定用マンドレル10Aから吊り下げられた状態で搬送されることである。
【0070】
図13はブロー成形ステーション8Cにおける動作説明図である。まず、ブロー成形に適した温度状態となったプリフォーム2を担持している6個のプリフォーム固定用マンドレル10を搬送経路15に沿ってブロー成形ステーション8Cに送り込み、ブロー成形位置14に位置決めし、そこに待機させる(ステップST41)。
【0071】
プリフォーム搬送動作と並行して、ブロー金型41Aをブロー成形位置14の真下に位置決めするための移動も行われる。回転盤46が図12に示す回転位置まで回転して停止すると、一方のブロー金型アセンブリ51Bのブロー金型41Aがブロー成形位置14の真下に位置決めされ、この後に型開きが行われる(ステップST42)。
【0072】
この後は、ブロー金型41Aを上昇させて、各プリフォーム2を開閉型41a、41bの各キャビティ間に位置決めする(ステップST43)。
【0073】
次に、下側から圧縮空気吹き出し口56を下降させてマンドレル10Aの中心貫通孔10aに連通させ、圧縮空気をプリフォーム2に吹き込み、同時に、延伸ロッド57を下降させてプリフォーム2の延伸も開始する。このようにしてプリフォーム2の二軸延伸ブローが行われて、容器3が成形される(ステップST44)。
【0074】
この後は、延伸ロッド57を上昇させ、ブロー金型41Aの型開きを行い、ブロー金型41を下降させ、容器3の離型が行われる(ステップST45)。この後は、容器3が回収ステーション9に向けて排出される(ステップST46)。かかる二軸延伸ブロー成形動作が、一対のブロー金型41Aを用いて交互に行われる。
【0075】
なお、本例では、一対のブロー金型41が搭載されているが、例えば、図14に示すように、90度間隔で4組のブロー金型41Aを回転盤46に搭載し、回転盤46を間歇的に回転させながら、各ブロー金型41Aを順次に用いて、ブロー成形を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明を適用した二軸延伸ブロー成形装置の平面構成図である。
【図2】図1の二軸延伸ブロー成形装置の側面図である。
【図3】図1の二軸延伸ブロー成形装置のラベル装着およびブロー成形ステーションを示す部分平面図である。
【図4】図1のラベル装着およびブロー成形ステーションを示す部分断面図である。
【図5】図3、4に示すステーションでの動作を示す動作説明図である。
【図6】図3、4に示すステーションの別の実施例を示す部分平面図および部分断面図である。
【図7】図3、4に示すステーションの別の実施例を示す部分平面図および部分断面図である。
【図8】図7のステーションでの動作を示す動作説明図である。
【図9】図7のステーションの変形例を示す部分平面図および部分断面図である。
【図10】図3、4に示すステーションの別の実施例を示す部分平面図および部分断面図である。
【図11】図10のステーションでの動作を示す動作説明図である。
【図12】本発明によるブロー成形ステーションの一例を示す部分平面図および部分断面図である。
【図13】図12のステーションでの動作を示す動作説明図である。
【図14】図12のステーションの変形例を示す部分平面図および部分断面図である。
【符号の説明】
【0077】
1 二軸延伸ブロー成形装置
2 プリフォーム
3 容器
4 ラベル
4A 把手
5 プリフォーム供給ステーション
6 プリフォーム加熱ステーション
7、7A、7B 作業ステーション
8、8A、8B ブロー成形ステーション
9 回収ステーション
11 プリフォーム供給位置
14 ブロー成形位置
41、41A ブロー金型
41a、41b 開閉型
46 回転盤
51、51A ブロー金型アセンブリ
56 圧縮空気吹き出し口
57 延伸ロッド
61 作業位置
63 退避位置
64 装着具
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定温度に加熱したプリフォームをブロー成形して、飲料用容器などのブロー成形容器を製造するブロー成形方法に関するものである。更に詳しくは、ラベル、把手などをインモールド成形する場合などに適したブロー成形方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
飲料用容器などは、予め射出成形されたプリフォームあるいはパリソンを所定温度に加熱した後にブロー成形することにより製造されている。このために用いられるブロー成形装置では、プリフォームを加熱しながら搬送してブロー成形に適した温度状態とし、しかる後に、定位置において型開き状態で待機しているブロー成形型に加熱状態のプリフォームを入れ、ブロー成形を行っている。ブロー成形を効率良く行うために、ターンテーブル上に複数台のブロー成形型を乗せ、ブロー成形型を円形の移動軌跡に沿って循環させながら、プリフォームの供給、型締め、ブロー成形、型開き、およびブロー成形品の排出を繰り返し行うロータリ式のものも知られている。
【0003】
ここで、飲料用容器などのブロー成形容器では、ブロー成形後に、その外周面に熱収縮性フィルムなどからなるラベルが取り付けられることがある。また、大型容器などにおいては、ブロー成形後に、射出成形などによって製造した把手が容器胴部に取り付けられる場合がある。ラベル、把手などの部品の取り付けを、ブロー成形型にこれらを予め装着した状態でプリフォームをブロー成形するインモールド成形により行えば、生産効率が改善されるので望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ラベル、把手などの部品をインモールド成形によりブロー成形容器に取り付けるためには、ブロー成形型の隣接位置に、ブロー成形型内にインモールド用の部品を装着するための機構を配置する必要がある。しかしながら、ブロー成形型の設置場所には、プリフォームの供給路、ブロー成形用の圧縮空気供給機構、延伸ロッドの駆動機構などが設置されている。したがって、装置寸法の増加を伴うことなく、インモールド用の部品を装着するための機構を設置するスペースを確保することが困難である。
【0005】
また、ロータリ式のブロー成形型の場合には、円形の移動軌跡に沿って移動している各ブロー成形型にインモールド用の部品を装着する必要がある。移動中のブロー成形型に部品を装着することは困難であり、特に、移動中のブロー成形型内の所定の部位に精度良く部品を装着することが困難である。
【0006】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、ラベル、把手などのインモールド用の部品の装着機構などを組み込むのに適したブロー成形方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明によるブロー成形方法は、
ブロー成形に適した温度に加熱されたプリフォームをブロー成形位置に搬送するプリフォーム搬送工程と、
ブロー成形位置に至った前記プリフォームを当該ブロー成形位置に待機させるプリフォーム待機工程と、
ブロー成形型を前記ブロー成形位置に移動して、待機している前記プリフォームが当該ブロー成形型に装着された状態を形成するブロー成形型移動工程と、
前記ブロー成形型内において前記プリフォームをブロー成形してブロー成形容器を成形するブロー成形工程と、
前記ブロー成形型を前記ブロー成形位置から待機位置に戻すブロー成形型戻し工程とを含むことを特徴としている。
【0008】
本発明によるブロー成形方法では、プリフォームをブロー成形位置に固定し、ブロー成形型を待機位置から、プリフォームを待機させてあるブロー成形位置に移動させて、プリフォームをブロー成形型に装着するようにしている。このように、ブロー成形型を移動させるようにすれば、ブロー成形位置から離れたブロー成形型の待機位置などにおいて、ラベル、把手などのインモールド用の部品をブロー成形型に装着する機構を設置することができる。また、待機位置に止まっているブロー成形型にインモールド用の部品を装着すればよいので、装着作業も簡単であり、また、目標とするブロー成形型内の部位に正確に装着することもできる。
【0009】
一般的には、インモールド用の部品をブロー成形型に装着するなどの作業工程を、前記待機位置に戻った前記ブロー成形型に対して行うようにすればよい。
【0010】
また、前記ブロー成形型として複数のブロー成形型を用意し、一つの前記ブロー成形型に対する前記ブロー成形工程と、別の前記ブロー成形型に対する前記作業工程とが並行して行われる形態で、各ブロー成形型に対して、前記ブロー型移動工程、前記ブロー成形工程、前記ブロー成形型戻し工程および前記作業工程を繰り返し行うことが望ましい。
【0011】
さらに、前記ブロー成形型として、複数のブロー成形型からなるブロー成形型群を複数組用意し、一つの前記ブロー成形型群に対する前記ブロー成形工程と、別の前記ブロー成形型群に対する前記作業工程とが並行して行われる形態で、各ブロー成形型群に対して、前記ブロー成形工程および前記作業工程を繰り返し行うことが望ましい。
【0012】
次に、前記の作業工程として、インモールド用の部品の装着作業以外の作業を行うことも可能である。すなわち、本発明のブロー成形方法は、前記ブロー成形工程に先立って、前記ブロー成形型を所定温度に加熱する加熱工程を含み、前記ブロー成形型戻し工程では、成形された前記ブロー成形容器を前記ブロー成形型内に保持したまま前記待機位置に戻し、前記作業工程では、前記ブロー成形容器内に圧縮空気を吹き込むことにより当該ブロー成形容器を冷却し、しかる後に、当該ブロー成形容器を前記ブロー成形型から取り出すことを特徴としている。
【0013】
一方、前記プリフォームとしては、一般に、一端が口部として開口している有底筒状のものが用いられている。前記プリフォーム搬送工程、前記プリフォーム待機工程および前記ブロー成形工程においては、前記プリフォームを、前記口部が下向きの倒立姿勢、あるいは、前記口部が上向きの正立姿勢に保持すればよい。
【0014】
この場合、前記プリフォームを搬送するために、前記プリフォームの口部に差し込み可能な差し込みコアを備えたプリフォーム固定用マンドレルを用いることができる。
【0015】
また、前記ブロー成形型としては一端が開口している筒状成形型を用いることができ、この場合には、前記ブロー成形型移動工程において、当該筒状成形型を上昇あるいは下降させ、その中に前記プリフォームを位置決めし、当該筒状成形型の端面を前記プリフォーム固定用マンドレルに当接させて型締め状態を形成すればよい。
【0016】
前記ブロー成形型として、左右に開閉可能な一対の開閉型を用いることもできる。この場合には、前記ブロー成形型移動工程において、開いた状態の前記開閉型を上昇あるいは下降させ、これらの間に前記プリフォームを位置決めし、しかる後に、これらの開閉型を閉じて型締め状態を形成すればよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によるブロー成形方法では、プリフォームが待機しているブロー成形位置にブロー成形型を移動して、当該ブロー成形型にプリフォームが装着された状態を形成するようにしている。したがって、ブロー成形位置から離れた位置において、インモールド用の部品をブロー成形型の内部の所定位置に装着する作業などを行うことが可能になる。この結果、このような作業を行うための機構の設置スペースを、装置寸法を増加させることなく確保することができる。
【0018】
また、複数のブロー成形型を用いる場合には、一つのブロー成形型によるブロー成形中に、ブロー成形位置から離れた待機位置などに止まっている他のブロー成形型に対して部品の装着作業などを行うことができる。よって、生産効率を低下させることなく、ブロー成形以外の作業を並行して行うことのできるコンパクトなブロー成形装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した二軸延伸ブロー成形装置の実施例を説明する。
【0020】
(全体構成)
図1は本例の二軸延伸ブロー成形装置の平面構成図であり、図2はその側面図である。二軸延伸ブロー成形装置1は、カップ状のプリフォーム2を二軸延伸ブローして、有底円筒状の容器3を製造するためのものであり、容器3は、その胴部外周面にインモールド成形によってラベル4が接着固定されている。プリフォーム2は外周面に雄ねじ部が形成されている口部2aを備えており、この口部2aは延伸ブローされることなく、そのまま容器3の口部3aとして残る。プリフォーム2の口部2a以外の部分が二軸延伸ブローされて、容器3の口部3aに連続している筒状胴部3bおよび底部3cが形成される。
【0021】
二軸延伸ブロー成形装置1は、プリフォーム2の供給ステーション5と、プリフォーム2をブロー成形に適した温度に加熱する加熱ステーション6と、インモールド成形するためのラベル4をブロー金型内に装着するラベル装着用の作業ステーション7と、加熱後のプリフォーム2をラベル4が装着されたブロー金型内で二軸延伸ブロー成形するブロー成形ステーション8と、成形された容器3を回収する回収ステーション9とを有している。
【0022】
供給ステーション5から供給されるプリフォーム2は、口部2aが下向きの倒立状態で、プリフォーム固定用マンドレル10に担持される。プリフォーム2が担持されたプリフォーム固定用マンドレル10は、上記の各ステーションを経由するほぼ水平な循環経路を循環する。
【0023】
プリフォーム固定用マンドレル10の循環経路は、供給ステーション5からプリフォーム2が供給される供給位置11から直線状に延びている供給経路12と、加熱ステーション6に沿って配置されている細長いU状の加熱経路13と、加熱後のプリフォーム2をブロー成形ステーション8のブロー成形位置14に搬送するための直線状の搬送経路15と、成形後の容器3をブロー成形ステーション8から排出して回収位置16において回収ステーション9に引き渡した後に、空のプリフォーム固定用マンドレル10をプリフォーム供給位置に戻すためのU状の戻り経路17とを備えている。また、供給経路12と加熱経路13の間は、外周面に半円形の溝が形成されたスターホイール18、19によって形成された移送路によって繋がっている。同様に、加熱経路13と搬送経路15の間も、スターホイール21によって形成される移送路によって繋がっている。
【0024】
プリフォーム2の供給ステーション5では、ホッパ31に投入されたプリフォーム2が、ベルトコンベヤ32によって上方に搬送された後に、上端からシュート33に落下する。シュート33を移動する間に、プリフォーム2は口部2aが上向きの正立姿勢で1個ずつ整列された状態になり、この状態で、スライドレール34に引き渡される。プリフォーム2はスライドレール34に沿って滑り落ちる。スライドレール34の下端部には、プリフォーム2を6個ずつ供給経路12の側に供給するための反転供給機構35が配置されている。反転供給機構35は、一定間隔で配列されている6個のプリフォーム2を把持し、隣接する供給経路12の供給位置11に待機している6個のプリフォーム固定用マンドレル10に対して、180度姿勢を反転させた倒立状態で上側から差し込む。
【0025】
プリフォーム固定用マンドレル10は、中心に貫通孔10aが形成されており、その上端部がプリフォーム2の口部2aに差し込み可能な外径のコア10bとされ、このコア10bの下端外周面には大径のフランジ10cが形成されている。コア10bの下端から延びている円筒部10dの外周面には、スライド用の大径フランジ10eが形成されている。
【0026】
プリフォーム2が差し込まれたプリフォーム固定用マンドレル10は不図示の送り機構によって前方に送り出される。送り出されたプリフォーム固定用マンドレル10は、回転しているスターホイール18に1個ずつ順次に引き渡され、スターホイール19を介して、加熱経路13に移送される。加熱経路13が通過する加熱ステーション6では、加熱経路13に沿って複数の箇所に、加熱ランプなどの加熱源が配置されている。加熱経路13に沿って搬送される間に、プリフォーム2は所定温度に加熱される。
【0027】
加熱後のプリフォーム2は、プリフォーム固定用マンドレル10と共に搬送経路15に引き渡され、ここを通って、ブロー成形に適した温度状態でブロー成形ステーション8のブロー成形位置14に至る。ブロー成形位置14に至ったプリフォーム2はその位置において、ブロー金型41が移動してくるのを待機する。ブロー金型41がブロー成形位置14に移動して、その中にプリフォーム2が装着された状態で型締めが行われた後に、二軸延伸ブロー成形が行われる。なお、プリフォーム2がブロー成形位置に至る前に、ブロー金型41を移動して、ブロー成形位置の真上あるいは真下に待機させるようにしてもよい。
【0028】
ブロー成形後にブロー金型41が移動した後に、成形された容器3はプリフォーム固定用マンドレル10に担持された状態のままで排出され、回収位置16において、プリフォーム固定用マンドレル10から引き抜かれて、回収ステーション9の側に回収される。空になったプリフォーム固定用マンドレル10は戻り経路17に沿って移動して、再び、供給位置11に戻り、新たなプリフォーム2が供給される。
【0029】
(ブロー成形ステーションおよび作業ステーション)
図3はブロー成形ステーション8およびラベル装着用の作業ステーション7の平面図であり、図4はその概略断面図である。図5はブロー成形動作を示す説明図である。
【0030】
これらの図を参照してステーション7、8の構造を説明する。装置架台1aには水平基板43が取り付けられており、この水平基板43には4本の垂直支柱44が立設され、これらの上端に、矩形の水平枠板45が支持されている。水平枠板45には円形開口部45aが形成されており、この内周縁には上方に面する円環状段面が形成され、ここに、上側から円形の回転盤46が回転自在の状態で装着されている。回転盤46は、上方に外れないように、複数の箇所において止め金具47によって上方への移動が規制されている。
【0031】
回転盤46の下面中心には、垂直回転軸48の上端が固着されている。垂直回転軸48は、水平基板43に取り付けた円筒軸受部材49によって回転自在の状態で支持されている。水平基板43の裏面にはサーボモータ50が取り付けられており、このサーボモータ50の回転が、不図示の減速機構を介して、垂直回転軸48に伝達されるようになっている。
【0032】
回転盤46には、その直径方向の両端部に、点対称状態で2組のブロー金型アセンブリ51が搭載されている。ブロー金型アセンブリ51は、回転盤46に支持されているブロー金型昇降シリンダ52と、このブロー金型昇降シリンダ52の昇降ロッド53の下端に水平に取り付けられている昇降板54の下面に垂直に取り付けられているブロー金型41とを備えている。ブロー金型41は、6個取り用の金型であり、一定の間隔でブロー成形用のキャビティ55が6個形成されており、各キャビティ55は下方に開口している。
【0033】
回転盤46を回転させることにより、ブロー金型アセンブリ51のブロー金型41をブロー成形位置14の真上に位置決め可能となっている。位置決め状態においては、ブロー金型41の各キャビティ55の真下に、それぞれ、ブロー成形位置14において待機している6個のプリフォーム2が位置決めされた状態になる。ブロー金型41を下降させると、各キャビティ55にプリフォーム2が装着された状態が形成される。また、ブロー金型41の下端面411が、プリフォーム2を担持している各プリフォーム固定用マンドレル10のフランジ10cの上面に密着した型締め状態が形成される。
【0034】
また、ブロー成形位置14の下側には、6個の圧縮空気吹き出し口56が配列されており、各圧縮空気吹き出し口56を介して、垂直に配置された延伸ロッド57が上方に突出可能となっている。各延伸ロッド57は水平基板43の裏面に取り付けた延伸ロッド昇降シリンダ58によって昇降されるようになっている。プリフォーム2を担持している6個のプリフォーム固定用マンドレル10がブロー成形位置14に待機した状態では、各マンドレル10が圧縮空気吹き出し口56の真上に位置決めされた状態になる。ブロー成形時においては、圧縮空気吹き出し口56が上昇してマンドレル10の下端に密着し、マンドレル10の中心貫通孔10aを介して圧縮空気がプリフォーム2に吹き込まれる。また、延伸ロッド57もマンドレル10の中心貫通孔10aを介してプリフォーム2を延伸する。
【0035】
次に、上記のように一方のブロー金型アセンブリ51がブロー成形位置14の真上に位置決めされた状態においては、他方のブロー金型センブリ51は、ラベル装着ステーション7におけるラベル装着用の作業位置61の真上に位置決めされた状態となる。
【0036】
図4に示すように、ラベル装着ステーション7は、水平基板43の上面に搭載されたスライドレール62と、このスライドレール62に沿って作業位置61および退避位置63の間を往復移動可能なラベル装着具64とを備えている。ラベル装着具64は、ブロー金型41の6個のキャビティ55に差し込み可能な6個のラベル装着コア65を備えている。ラベル4は、退避位置63において、各ラベル装着コア65に取り付けられる。
【0037】
ラベル4が取り付けられたラベル装着具64は不図示の駆動機構によって作業位置61まで送り出され、その位置で待機する。回転盤46の回転によってブロー金型41が作業位置61の真上に位置決めされた後に、ブロー金型昇降シリンダによってブロー金型41が下降すると、下側から各キャビティ内にラベル装着コア65が差し込まれて、それらに担持されているラベル4がキャビティ内周面に密着する。例えば、ブロー金型41のキャビティ内周面部分に真空吸引口が複数個形成されており、ラベル4が真空吸引されて、キャビティ内周面に密着する。このようにしてラベル4が各キャビティ内に装着された後は、ブロー金型41が上昇する。
【0038】
次に、図5を参照して、ブロー成形ステーション8および作業ステーション7における動作を以下に纏めて説明する。
【0039】
まず、ブロー成形に適した温度状態となったプリフォーム2を担持している6個のプリフォーム固定用マンドレル10を搬送経路15に沿ってブロー成形ステーション8に送り込み、ブロー成形位置14に位置決めし、そこに待機させる(ステップST1)。
【0040】
プリフォーム搬送動作と並行して、ブロー金型41をブロー成形位置14の真上に位置決めするための移動も行われる。回転盤46が図3、4に示す回転位置まで回転して停止すると、一方のブロー金型アセンブリ51のブロー金型41がブロー成形位置14の真上に位置決めされる(ステップST2)。
【0041】
この後は、ブロー金型41を下降させて、各プリフォーム2が各キャビティ内に装着された型締め状態を形成する(ステップST3)。
【0042】
次に、ブロー成形ステーション8の側のブロー金型41においては、下側から圧縮空気吹き出し口56が上昇してマンドレル10の中心貫通孔10aに連通した状態になり、圧縮空気がプリフォーム2に吹き込まれ、同時に、延伸ロッド57が上昇してプリフォーム2の延伸も開始される。このようにしてプリフォーム2の二軸延伸ブローが行われて、容器3が成形される(ステップST4)。
【0043】
ここで、ブロー金型41の各キャビティ55内の成形面には後述のように、予めラベル4が装着されている。したがって、ラベル4がインモールド成形によって容器3の胴部外周面に接着される。この後は圧縮空気を排出した後に、延伸ロッド57が下降し、しかる後にブロー金型41が上昇する(ステップST5)。
【0044】
この後は、ブロー成形されたラベル付きの容器3が回収ステーション9に向けて排出される(ステップST6)。また、加熱されたプリフォーム2がブロー成形位置14に入ってくる。さらに、回転盤46が180度回転して、ブロー成形位置14の真上に上昇したブロー金型41を、反対側のラベル装着位置61まで移動する。
【0045】
ブロー金型41が作業位置61の真上に位置決めされる前に、作業ステーション7においては、退避位置63でラベル4が供給されたラベル装着具64が、作業位置61に位置決めされ、ここで待機している(ステップST11)。ブロー金型41を作業位置61の真上に位置決めした後に(ステップST12)、ブロー金型41を下降させて、各キャビティ55内にラベル4が取り付けられているラベル装着コア65を挿入してラベル4を各キャビティ55に装着する(ステップST13)。例えば、キャビティ内周面に真空吸引して密着させる。しかる後に、ブロー金型41を上昇させ(ステップST14)、ラベル装着具64を退避位置63に戻す(ステップST15)。
【0046】
この後は、回転盤46を回転して、ラベル4が装着されたブロー金型41をブロー成形位置14に向けて移動して、そこに位置決めされる(ステップST2)。ブロー金型41の移動中において、ラベル装着ステーション7では、退避位置63のラベル装着具64にラベル4を供給する動作が行われる(ステップST16)。
【0047】
以上のように、一対のブロー金型41に対して、ブロー成形工程およびラベル装着工程を交互に繰り返しながら、二軸延伸ブロー成形が行われて、6個ずつ、ラベル付き容器3が製造される。
【0048】
なお、本例では、一対のブロー金型41が搭載されているが、例えば、図6に示すように、90度間隔で4組のブロー金型41を回転盤46に搭載し、点対称の位置にある2組のブロー成形型41における一方においてブロー成形を行い、他方においてラベル装着作業を行う動作を繰り返し行うようにしてもよい。
【0049】
(実施の形態2)
図7は、上記のブロー成形および作業ステーションの別の実施形態を示す平面図および概略断面図であり、図8はその動作を示す説明図である。本例のブロー成形ステーション8Aおよび作業ステーション7Aの基本構成は、図3ないし5に示す場合と同様であるので、対応する部位には同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
【0050】
本例のブロー成形ステーション8Aでは、回転盤46に搭載されている一対のブロー金型アセンブリ51Aは、それぞれ、左右に開閉する一対の開閉型41a、41bと、これらの開閉型を開閉するためのブロー型開閉シリンダ71a、71bを備えている。ブロー成形動作は上記の例と基本的に同一であるが、左右の開閉型41a、41bは、ブロー成形位置14の真上に位置決めされて型開きが行われる(図8のステップST2A)。この後に、型開き状態で下降し(図8のステップST3A)、型締めおよびブロー成形が行われる(図8のステップST4A)。なお、型が閉じた状態で左右の開閉型41a、41bを下降させて、それらの間に下側からプリフォームが装着された型締め状態を形成することもできる。ブロー成形の後は、型開きが行われた後に型開き状態のままで開閉型41a、41bが上昇する(図8のステップST5A)。
【0051】
また、本例の作業ステーション7Aは、ラベル装着用の作業ステーションではなく、把手4Aをブロー金型41Aに装着する作業を行う。把手4Aを装着するための装着具64Aを備えており、そこに形成されている把手装着コア65に把手4Aが取り付けられる。ブロー金型41Aの左右の開閉型41a、41bが開いた状態で把手装着用の作業位置61の真上に位置決めされ、その状態で下降した後に型締め動作が行われ、把手4Aが開閉型41aあるいは41bの所定の部位に装着される。
【0052】
なお、ブロー金型41Aを回転盤46に対して3組以上搭載することも可能である。例えば、図9に示すように、90度間隔で4組搭載することもできる。
【0053】
(実施の形態3)
次に、図10は、上記のブロー成形および作業ステーションの別の実施形態を示す平面図および概略断面図であり、図11はその動作説明図である。本例のブロー成形ステーションの構成は、図7、8に示すものと同一であるので、対応する部位は同一の符号を付し、それらの説明を省略する。
【0054】
本例の作業ステーション7Bは、ブロー成形ステーション8Aとほぼ同一構成とされている。したがって、対応する部位には同一の符号を付して示してある。作業ステーション7Bにおいては、ブロー成形ステーション8Aにおいて最終製品にほぼ近い形状に成形された成形品3Aに対して、再度、ブロー成形を行って、最終製品である容器3の成形精度の向上、および/または、耐熱性の向上を図っている。
【0055】
図11を参照して、本例のブロー成形および作業ステーションにおける動作を説明する。本例においては、ブロー金型41Aが常に、100℃以上で180℃以下の加熱状態に保持されている。まず、ブロー成形に適した温度状態となったプリフォーム2を担持している6個のプリフォーム固定用マンドレル10を搬送経路15に沿ってブロー成形ステーション8Aに送り込み、ブロー成形位置14に位置決めし、そこに待機させる(ステップST31)。
【0056】
プリフォーム搬送動作と並行して、ブロー金型をブロー成形位置14の真上に位置決めするための移動も行われる。回転盤46が図10に示す回転位置まで回転して停止すると、一方のブロー金型アセンブリ51のブロー金型がブロー成形位置14の真上に位置決めされ、型開きが行われる(ステップST32)。
【0057】
この後は、開いた状態のブロー金型を下降させて、各プリフォーム2が左右に開かれた開閉型41a、41bの各キャビティの間に位置決めされた状態を形成する(ステップST33)。
【0058】
次に、ブロー金型41Aの型閉めを行い、下側から圧縮空気吹き出し口56を上昇させてマンドレル10の中心貫通孔10aに連通した状態を形成し、圧縮空気をプリフォーム2に吹き込む。同時に、延伸ロッド57を上昇させプリフォーム2の延伸も開始する。このようにしてプリフォーム2の二軸延伸ブローが行われて、最終製品に近い形状の成形品3Aが成形される(ステップST34)。
【0059】
この後は圧縮空気を排出した後に、延伸ロッド57を下降させ、しかる後に型締め状態のままでブロー金型41Aを引き上げる。この結果、成形品3Aはブロー金型41Aに装着された状態のまま、プリフォーム固定用マンドレル10と共に引き上げられる(ステップST35)。
【0060】
この後は、回転盤46を180度回転して、ブロー成形位置14の真上にあるブロー金型を、反対側の作業位置61に移動し、その真上に位置決めする。
【0061】
そして、ブロー金型を下降させて、その中に保持されている成形品3Aに圧縮空気を吹き込み、最終成形品である容器3を成形し、同時に容器3を冷却する。この後は圧縮空気を排出する(ステップST36)。
【0062】
この後は、ブロー金型を開いた後に、上昇させて容器3を離型する(ステップST37)。このようにして成形された容器3を作業位置61から排出する(ステップST38)。
【0063】
この後は、回転盤46を回転して、ブロー金型をブロー成形位置14に向けて移動する。他方のブロー金型は、成形品3Aを保持したまま作業位置61に向けて移動する。以上のように、一対のブロー金型に対して、ブロー成形工程および最終成形・冷却作業工程を交互に繰り返しながら、二軸延伸ブロー成形が行われて、6個ずつ、容器3が製造される。
【0064】
なお、本例では、180度の角度間隔で一対のブロー金型が配置されている。この代わりに、90度間隔で4組のブロー金型を回転盤46に配置してもよい。この場合には、例えば、ブロー成形位置14においてブロー成形を行い、この位置から90度回転した位置および180度回転した各位置において、圧縮空気を吹き込み成形品の冷却などを行い、270度回転した位置において、ブロー金型から容器を取り出すようにしてもよい。
【0065】
(その他の実施の形態)
上記の各例は、ラベル装着、把手装着、および最終成形・冷却などの作業を行う作業ステーション7、7A、7Bが備わった二軸延伸ブロー成形装置の例である。本発明は、作業ステーションが備わっていない二軸延伸ブロー成形装置にも適用可能である。この場合には、単に、作業ステーションを省略すればよい。
【0066】
次に、上記の各例では、プリフォーム2を倒立姿勢で搬送してブロー成形を行うようになっている。この代わりに、プリフォーム2を正立姿勢で搬送してブロー成形を行うこともできる。
【0067】
この場合には、例えば、図12に示す構成のブロー成形ステーション8Cを用いることができる。ブロー成形ステーション8Cでは、装置架台1aに取り付けた水平基板43が上側に配置され、下側に、水平枠45によって回転可能に支持された回転盤46が配置されている。上側の水平基板43におけるブロー成形位置14には、6組の圧縮空気吹き出し口56と、延伸ロッド57およびその昇降シリンダ58が取り付けられている。
【0068】
下側の回転盤46には、直径方向の両端部に、一対のブロー金型アセンブリ51Bが搭載されている。各ブロー金型アセンブリ51Bは、回転盤46に搭載されたブロー金型昇降シリンダ52と、その昇降ロッド53の先端に取り付けた昇降板54と、当該昇降板54に搭載されたブロー金型41Aとを備えている。
【0069】
この構成のブロー成形ステーション8Cを備えた二軸延伸ブロー成形装置の全体構成は、基本的には図1に示す構成と同一である。異なる点は、プリフォーム2が正立状態でプリフォーム固定用マンドレル10Aから吊り下げられた状態で搬送されることである。
【0070】
図13はブロー成形ステーション8Cにおける動作説明図である。まず、ブロー成形に適した温度状態となったプリフォーム2を担持している6個のプリフォーム固定用マンドレル10を搬送経路15に沿ってブロー成形ステーション8Cに送り込み、ブロー成形位置14に位置決めし、そこに待機させる(ステップST41)。
【0071】
プリフォーム搬送動作と並行して、ブロー金型41Aをブロー成形位置14の真下に位置決めするための移動も行われる。回転盤46が図12に示す回転位置まで回転して停止すると、一方のブロー金型アセンブリ51Bのブロー金型41Aがブロー成形位置14の真下に位置決めされ、この後に型開きが行われる(ステップST42)。
【0072】
この後は、ブロー金型41Aを上昇させて、各プリフォーム2を開閉型41a、41bの各キャビティ間に位置決めする(ステップST43)。
【0073】
次に、下側から圧縮空気吹き出し口56を下降させてマンドレル10Aの中心貫通孔10aに連通させ、圧縮空気をプリフォーム2に吹き込み、同時に、延伸ロッド57を下降させてプリフォーム2の延伸も開始する。このようにしてプリフォーム2の二軸延伸ブローが行われて、容器3が成形される(ステップST44)。
【0074】
この後は、延伸ロッド57を上昇させ、ブロー金型41Aの型開きを行い、ブロー金型41を下降させ、容器3の離型が行われる(ステップST45)。この後は、容器3が回収ステーション9に向けて排出される(ステップST46)。かかる二軸延伸ブロー成形動作が、一対のブロー金型41Aを用いて交互に行われる。
【0075】
なお、本例では、一対のブロー金型41が搭載されているが、例えば、図14に示すように、90度間隔で4組のブロー金型41Aを回転盤46に搭載し、回転盤46を間歇的に回転させながら、各ブロー金型41Aを順次に用いて、ブロー成形を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明を適用した二軸延伸ブロー成形装置の平面構成図である。
【図2】図1の二軸延伸ブロー成形装置の側面図である。
【図3】図1の二軸延伸ブロー成形装置のラベル装着およびブロー成形ステーションを示す部分平面図である。
【図4】図1のラベル装着およびブロー成形ステーションを示す部分断面図である。
【図5】図3、4に示すステーションでの動作を示す動作説明図である。
【図6】図3、4に示すステーションの別の実施例を示す部分平面図および部分断面図である。
【図7】図3、4に示すステーションの別の実施例を示す部分平面図および部分断面図である。
【図8】図7のステーションでの動作を示す動作説明図である。
【図9】図7のステーションの変形例を示す部分平面図および部分断面図である。
【図10】図3、4に示すステーションの別の実施例を示す部分平面図および部分断面図である。
【図11】図10のステーションでの動作を示す動作説明図である。
【図12】本発明によるブロー成形ステーションの一例を示す部分平面図および部分断面図である。
【図13】図12のステーションでの動作を示す動作説明図である。
【図14】図12のステーションの変形例を示す部分平面図および部分断面図である。
【符号の説明】
【0077】
1 二軸延伸ブロー成形装置
2 プリフォーム
3 容器
4 ラベル
4A 把手
5 プリフォーム供給ステーション
6 プリフォーム加熱ステーション
7、7A、7B 作業ステーション
8、8A、8B ブロー成形ステーション
9 回収ステーション
11 プリフォーム供給位置
14 ブロー成形位置
41、41A ブロー金型
41a、41b 開閉型
46 回転盤
51、51A ブロー金型アセンブリ
56 圧縮空気吹き出し口
57 延伸ロッド
61 作業位置
63 退避位置
64 装着具
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロー成形に適した温度に加熱されたプリフォームをブロー成形位置に搬送するプリフォーム搬送工程と、
ブロー成形位置に至った前記プリフォームを当該ブロー成形位置に待機させるプリフォーム待機工程と、
ブロー成形型を前記ブロー成形位置に移動して、待機している前記プリフォームが当該ブロー成形型に装着された状態を形成するブロー成形型移動工程と、
前記ブロー成形型内において前記プリフォームをブロー成形してブロー成形容器を成形するブロー成形工程と、
前記ブロー成形型を前記ブロー成形位置から待機位置に戻すブロー成形型戻し工程とを含むことを特徴とするブロー成形方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記待機位置に戻った前記ブロー成形型に対して所定の作業を行う作業工程を含むことを特徴とするブロー成形方法。
【請求項3】
請求項2において、
前記ブロー成形型として複数のブロー成形型を用意し、
一つの前記ブロー成形型に対する前記ブロー成形工程と、別の前記ブロー成形型に対する前記作業工程とが並行して行われる形態で、各ブロー成形型に対して、前記ブロー型移動工程、前記ブロー成形工程、前記ブロー成形型戻し工程および前記作業工程を繰り返し行うことを特徴とするブロー成形方法。
【請求項4】
請求項2において、
前記ブロー成形型として、複数のブロー成形型からなるブロー成形型群を複数組用意し、
一つの前記ブロー成形型群に対する前記ブロー成形工程と、別の前記ブロー成形型群に対する前記作業工程とが並行して行われる形態で、各ブロー成形型群に対して、前記ブロー成形工程および前記作業工程を繰り返し行うことを特徴とするブロー成形方法。
【請求項5】
請求項2において、
前記作業工程では前記ブロー成形型にインモールド用の部品を装着し、
前記ブロー成形工程では、前記部品がインモールドされた状態の前記ブロー成形容器が得られることを特徴とするブロー成形方法。
【請求項6】
請求項5において、
前記インモールド用の部品は、前記ブロー成形容器の外周面にインモールドされるラベルであることを特徴とするブロー成形方法。
【請求項7】
請求項5において、
前記インモールド用の部品は、前記ブロー成形容器にインモールドされる把手であることを特徴とするブロー成形方法。
【請求項8】
請求項2において、
前記ブロー成形工程に先立って、前記ブロー成形型を所定温度に加熱する加熱工程を含み、
前記ブロー成形型戻し工程では、成形された前記ブロー成形容器を前記ブロー成形型内に保持したまま前記待機位置に戻し、
前記作業工程では、前記ブロー成形容器内に圧縮空気を吹き込むことにより当該ブロー成形容器を冷却し、しかる後に、当該ブロー成形容器を前記ブロー成形型から取り出すことを特徴とするブロー成形方法。
【請求項9】
請求項2において、
前記プリフォームは一端が口部として開口している有底筒状のものであり、
前記プリフォーム搬送工程、前記プリフォーム待機工程および前記ブロー成形工程においては、前記プリフォームを、前記口部が下向きの倒立姿勢、あるいは、前記口部が上向きの正立姿勢に保持することを特徴とするブロー成形方法。
【請求項10】
請求項9において、
前記プリフォームを搬送するために、前記プリフォームの口部に差し込み可能な差し込みコアを備えたプリフォーム固定用マンドレルを用いることを特徴とするブロー成形方法。
【請求項11】
請求項10において、
前記ブロー成形型は一端が開口している筒状成形型であり、
前記ブロー成形型移動工程では、当該筒状成形型を上昇あるいは下降させ、その中に前記プリフォームを位置決めし、当該筒状成形型の端面を前記プリフォーム固定用マンドレルに当接させて型締め状態を形成することを特徴とするブロー成形方法。
【請求項12】
請求項10において、
前記ブロー成形型は左右に開閉可能な一対の開閉型であり、
前記ブロー成形型移動工程では、開いた状態の前記開閉型を上昇あるいは下降させ、これらの間に前記プリフォームを位置決めし、しかる後に、これらの開閉型を閉じて型締め状態を形成することを特徴とするブロー成形方法。
【請求項1】
ブロー成形に適した温度に加熱されたプリフォームをブロー成形位置に搬送するプリフォーム搬送工程と、
ブロー成形位置に至った前記プリフォームを当該ブロー成形位置に待機させるプリフォーム待機工程と、
ブロー成形型を前記ブロー成形位置に移動して、待機している前記プリフォームが当該ブロー成形型に装着された状態を形成するブロー成形型移動工程と、
前記ブロー成形型内において前記プリフォームをブロー成形してブロー成形容器を成形するブロー成形工程と、
前記ブロー成形型を前記ブロー成形位置から待機位置に戻すブロー成形型戻し工程とを含むことを特徴とするブロー成形方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記待機位置に戻った前記ブロー成形型に対して所定の作業を行う作業工程を含むことを特徴とするブロー成形方法。
【請求項3】
請求項2において、
前記ブロー成形型として複数のブロー成形型を用意し、
一つの前記ブロー成形型に対する前記ブロー成形工程と、別の前記ブロー成形型に対する前記作業工程とが並行して行われる形態で、各ブロー成形型に対して、前記ブロー型移動工程、前記ブロー成形工程、前記ブロー成形型戻し工程および前記作業工程を繰り返し行うことを特徴とするブロー成形方法。
【請求項4】
請求項2において、
前記ブロー成形型として、複数のブロー成形型からなるブロー成形型群を複数組用意し、
一つの前記ブロー成形型群に対する前記ブロー成形工程と、別の前記ブロー成形型群に対する前記作業工程とが並行して行われる形態で、各ブロー成形型群に対して、前記ブロー成形工程および前記作業工程を繰り返し行うことを特徴とするブロー成形方法。
【請求項5】
請求項2において、
前記作業工程では前記ブロー成形型にインモールド用の部品を装着し、
前記ブロー成形工程では、前記部品がインモールドされた状態の前記ブロー成形容器が得られることを特徴とするブロー成形方法。
【請求項6】
請求項5において、
前記インモールド用の部品は、前記ブロー成形容器の外周面にインモールドされるラベルであることを特徴とするブロー成形方法。
【請求項7】
請求項5において、
前記インモールド用の部品は、前記ブロー成形容器にインモールドされる把手であることを特徴とするブロー成形方法。
【請求項8】
請求項2において、
前記ブロー成形工程に先立って、前記ブロー成形型を所定温度に加熱する加熱工程を含み、
前記ブロー成形型戻し工程では、成形された前記ブロー成形容器を前記ブロー成形型内に保持したまま前記待機位置に戻し、
前記作業工程では、前記ブロー成形容器内に圧縮空気を吹き込むことにより当該ブロー成形容器を冷却し、しかる後に、当該ブロー成形容器を前記ブロー成形型から取り出すことを特徴とするブロー成形方法。
【請求項9】
請求項2において、
前記プリフォームは一端が口部として開口している有底筒状のものであり、
前記プリフォーム搬送工程、前記プリフォーム待機工程および前記ブロー成形工程においては、前記プリフォームを、前記口部が下向きの倒立姿勢、あるいは、前記口部が上向きの正立姿勢に保持することを特徴とするブロー成形方法。
【請求項10】
請求項9において、
前記プリフォームを搬送するために、前記プリフォームの口部に差し込み可能な差し込みコアを備えたプリフォーム固定用マンドレルを用いることを特徴とするブロー成形方法。
【請求項11】
請求項10において、
前記ブロー成形型は一端が開口している筒状成形型であり、
前記ブロー成形型移動工程では、当該筒状成形型を上昇あるいは下降させ、その中に前記プリフォームを位置決めし、当該筒状成形型の端面を前記プリフォーム固定用マンドレルに当接させて型締め状態を形成することを特徴とするブロー成形方法。
【請求項12】
請求項10において、
前記ブロー成形型は左右に開閉可能な一対の開閉型であり、
前記ブロー成形型移動工程では、開いた状態の前記開閉型を上昇あるいは下降させ、これらの間に前記プリフォームを位置決めし、しかる後に、これらの開閉型を閉じて型締め状態を形成することを特徴とするブロー成形方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−315189(P2006−315189A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−137108(P2005−137108)
【出願日】平成17年5月10日(2005.5.10)
【出願人】(594082648)株式会社フロンティア (34)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月10日(2005.5.10)
【出願人】(594082648)株式会社フロンティア (34)
【Fターム(参考)】
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